09/03/19 第3回職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会議事録 第3回職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会 1 開催日時及び場所   開催日時:平成21年3月19日(木) 午後6時から午後7時15分まで   開催場所:中央合同庁舎第5号館 労働基準局第1会議室(16階) 2 出席者   医学専門家:岡崎祐士、黒木宣夫、夏目誠、山崎喜比古   厚生労働省:石井労災補償部長、新宅補償課長、絹谷職業病認定対策室長、山口職 業病認定対策室長補佐、宮村中央職業病認定調査官、横田職業病認定 業務第一係長 他 3 議事内容 ○山口職業病認定対策室長補佐  定刻となりましたので、ただいまから第3回「職場における心理的負荷評価表の見直し 等に関する検討会」を開催いたします。先生方におかれましては御多忙中のところ、御 出席いただきまして誠にありがとうございます。本日付で、全国労働安全衛生センター 連絡会議から各先生方宛要請文書が提出されており、座長のお許しを得まして事前に各 先生方に当該要請文書をお配りしております。これより会議に移らせていただきたいと 思います。それでは座長であります岡崎先生、よろしくお願いいたします。 ○岡崎座長  それでは第3回の検討会を開かせていただきたいと思います。最初に本日お手元にある 資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。 ○横田職業病認定業務第一係長  資料の御説明をさせていただきます。まず議事次第の4の提出資料を御覧ください。 資料1としまして、「心理的負荷評価表見直し(案)について」、続いて資料2としまし て、「職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会報告書(案)」となっ ております。資料の欠落等ございましたらお申し出ください。 ○岡崎座長  資料はすべてございますでしょうか。よろしいですね。それでは議事に入ります。前 回の検討会で心理的負荷評価表に係る業務上外の出来事の追加・修正(たたき台)につ いて、議論や検討を行っていただきました。その結果として、いくつかの項目で修正の 必要があるという御意見をいただきましたが、修正の必要はあるものの、全体としては 事務局からの提案については妥当であろうという御意見をいただきました。その点を踏 まえて、本日は心理的負荷評価表見直し(案)が事務局から出されておりますのでそれ について御検討いただくことになると思います。まず、事務局より資料1の説明をお願 いいたします。 ○山口職業病認定対策室長補佐  それでは事務局から前回検討会の検討経緯等につきまして御説明をさせていただきま す。前回の検討会において、職場における心理的負荷評価表に係る具体的出来事の追加 または修正、出来事の強度を修正する視点の見直し、出来事に伴う変化等を検討する視 点の見直し、職場以外の心理的負荷評価表の見直しの4点それぞれについて、事務局で 作成したたたき台を基に御議論をしていただきました。その結果を踏まえまして、「心 理的負荷評価表の見直し(案)」を作成し、これを資料1として提出させていただきま した。また、資料2の「職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会報告 書(案)」については、あらかじめ各先生方にお考えを伺い、座長と協議させていただ いた上で事務局にて取りまとめたものを提出させていただきました。 ○岡崎座長   今回は、心理的負荷評価表の見直し(案)と検討会報告書(案)の両方が事務局から 提案されておりますが、まず心理的負荷評価表の見直し(案)から説明をお願いいたし ます。 ○山口職業病認定対策室長補佐  資料1に基づき、御説明申し上げます。先ほど座長からお話がありましたように、前 回の検討会において、心理的負荷評価表の見直しの内容についてはおおむね妥当との御 見解をいただいておりますので、前回の御議論、御指摘を踏まえて修正した項目等につ いて御説明をさせていただきます。資料1の1頁、別紙1ですが、「職場における心理的 負荷評価表に係る具体的出来事の追加又は修正(案)」には3項目あります。1頁の出来 事の類型の(3)の仕事の量・質の変化の「勤務・拘束時間が長時間化した」については、 前回の御議論や御指摘を踏まえ、出来事を適切に評価するため、「勤務・拘束時間が長 時間化する出来事が生じた」と修正いたしました。これにより、長時間化するきっかけ となった状態、時期を適切に評価することができるとともに、当該出来事後に生じた変 化、すなわち当該出来事後の状況が持続する程度についても、より適切に評価できるも のと考えます。  2頁の出来事の類型の(5)の役割・地位等の変化の項目・出来事ですが、前回の御議論、 御指摘を踏まえ、これまで複数名で担当していた業務を、組織再編等により1人で担当 することになった場合、自己の業務を他の者に代替してもらえないという心理的負荷を 評価する項目であることを明確にするために、「複数名で担当していた業務を1人で担 当するようになった」と修正いたしました。同様に、非正規社員の増加を背景に、自分 の属するラインに非正規社員が配置され、課長、係長などの社員を管理する立場にある 者以外の者が、これら非正規社員のマネージメント、教育を行った場合の、心理的負荷 を評価することを明確にするために、「担当ではない業務として非正規社員のマネージ メント、教育を行った」と修正いたしました。  別紙2は「心理的負荷の強度を修正する視点の見直し(案)」ですが、これも前回の御 議論、御指摘を踏まえ、8項目の出来事について強度の修正をする際の着眼事項を追加修 正いたしました。順次申し上げますと、4頁の上から3つ目の具体的出来事である「研修、 会議等の参加を強要された」は「業務内容と研修・会議等の内容とのギャップ」を追加 いたしました。これは自己の本来業務以外の会議等への参加の強要があった場合の心理 的負荷を評価することから、業務との関連性を個々に評価することとしたものです。同 じく4頁の上から5つ目の「上司が不在になることにより、その代行を任された」につい て、代行の内容を評価するために「本来業務との関係」を追加しました。5頁の出来事の 類型の(5)の役割・地位等の変化の具体的出来事である、「複数名で担当していた業務を 1人で担当するようになった」について、業務の変化の程度を「業務の変化の内容・程度 等」に修正しました。同じく、具体的出来事である「部下が減った」について、業務の 変化の程度を「業務の変化の内容・程度等」に修正しました。その下の「部下が増えた」 についても、教育・指導・管理の負担の程度を「教育・指導・管理の負担の内容・程度 等」に修正しました。さらに、その下の「同一事業場内での所属部署が統廃合された」 について、業務の変化の程度を「業務の変化の内容・程度等」に修正しました。さらに、 今回修正を行った「担当ではない業務として非正規社員のマネージメント、教育を行っ た」について、教育・指導・管理の負担の程度を「教育・指導・管理の負担の内容・程 度等」に修正しました。(6)の対人関係のトラブルの「同僚とのトラブルがあった」につ いては、「同僚との職務上の関係」を追加しました。  6頁は別紙3で「出来事に伴う変化等を検討する視点の見直し(案)」です。現行の出 来事に伴う変化等を検討する視点については、出来事後の心理的負荷がどの程度持続し、 拡大あるいは改善したかについて検討する項目となっており、この内容を明確にするた めに、表題を(1)の「出来事後の状況が持続する程度を検討する視点」に修正したとこ ろですが、さらに前回の御議論、御指摘を踏まえ、検討目的も明らかにするために「 『総合評価』を行うための視点」という副題を追加しました。また、(4)の「職場の物的 ・人的環境の変化後の持続する状況に係る着眼事項例」については、「職場の雰囲気が 悪くなった」と修正いたしました。心理的負荷評価表見直し(案)の説明については以 上でございます。 ○岡崎座長  心理的負荷評価表の見直し(案)について事務局から説明していただきました。前回 の御議論を踏まえて、ただいまの説明のように修正いたしましたが、その点についてフ リーにディスカッションいただければと思います。まず、具体的出来事の追加または修 正からお願いいたします。 ○山崎先生  追加または修正ということで、以前ちょっとこだわっていた内容が、仕事の量・質の 変化のところで、仕事内容、仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があったとか、長 時間化する出来事が生じたなどについて、実際には大きな変化自体を問題にしていると いうよりは、そのようなものをもたらした出来事の存否を問うているようなニュアンス になっているので、いかがでしょうかという発言をしておりました。先生方の御議論を 待ったのですが、正直なところ、依然として「仕事内容、仕事量の大きな変化という出 来事があった」で十分ではないか、あるいは「長時間化するという出来事が生じた」で 十分ではないかという意見に変わりはないのです。これをわざわざ全面に出している、 そこに着眼させるという機能としては、結果的には同じかなというニュアンスがあって、 私の意見のほうが適当だとは思っているのですが、一応それも包含していただけている と思って納得したしだいです。 ○岡崎座長  ただいまの項目について、他に何かあればお願いいたします。 ○黒木先生  いまの御見解に関して、仕事の内容、量の大きな変化を生じさせる出来事があった、 あるいは長時間化する出来事が生じたということで、「出来事」を加えるというのは、 ある意味では仕事の内容のどのようなことが変化し、それに伴ってどのような量が増え ていったかということを明確化させることになるし、業務上の出来事というのはたくさ んあるので、何があって変化が起こってきたかというところを見る上では、やはり「出 来事」を入れた方が非常にわかりやすいです。持続ということではどれくらい続いたの かということも、出来事があって変化が起こってくる、それを時系列的に考えることが できるという点では非常にわかりやすいのではないか。長時間化する出来事に関しても、 単に長時間化が起こっているのではなくて、長時間化させるような業務上の出来事があ った、あるいは顧客とのトラブルなどといった出来事があった後に、本人がやらなけれ ばいけない業務が増えてきて、増えてきた業務をこなすことによって、当然その後に長 時間化が起こってくるわけですから、これはそれを特定するという意味では必要なこと だろうと思います。 ○岡崎座長  個人内の変化、あるいは環境の変化といった出来事がないと、やはり作業時間、勤務 時間は延びないだろうと思います。したがいまして、「出来事」がそれを明確にするこ とは間違いないだろうと私も思っております。そのあとで強度、さらには総合的に評価 するための視点ということで程度の強さ、その前後のことを含めて評価をする視点が入 っておりますので、そこで初めて生じた出来事の変化について総合的な評価、立体的な 評価がなされるのではないかと思います。今そのようなことをお話いただいたのではな いかと思いますが、そういった理解をして、これについては提案いただいた表現でいき たいと思います。  次の項目についてはいかがですか。2頁以降ですが、「複数名で担当していた業務を1 人で担当するようになった」、これはかなり具体的な表現ですので、よろしいかなと思 いますが、特に何かあればお願いいたします。また、これはちょっと新しい出来事で、 「担当でない業務として非正規社員のマネージメント、教育を行った」という項目の表 現についてはいかがでしょうか。特にないようですので、項目の追加または修正に関し ては以上とし、前回議論になり、修正したところについてはカバーしたということで御 了承いただいたことといたします。  次に別紙2の4頁、心理的負荷の強度を修正する視点の見直し(案)についてはいかが でしょうか。 ○夏目先生  具体的出来事である「研修、会議等の参加を強要された」に関し、「ギャップ」を入 れたことが妥当な追加であると思います。業務上必要な限り研修・会議に出るのは当然 のことですので、そうでないというニュアンスを出すために、「ギャップ」というのは 含み合いが大きいと思います。 ○岡崎座長  「研修、会議等の参加を強要された」、それを修正する際の着眼事項として、「業務 内容と研修、会議等の内容とのギャップ」ということですね。これがないと、ちょっと 明確でないということがありますね。 ○黒木先生  単なる研修を受けるというのと、会議でプレゼンテーションあるいは説明をするなど というのとでは全然葛藤が違います。ストレス度が違いますので、やはり内容の違いと いうことを入れるのは大きいと思います。 ○岡崎座長  よろしいでしょうか。次に、「上司が不在になることにより、その代行を任された」 という出来事に関し、心理的負荷の強度を修正する際の着眼事項ですが、「本来業務と の関係等」というのを入れるということで、これも妥当な追加ではないかと思います。 ○夏目先生  「勤務・拘束時間が長時間化する出来事が生じた」に関する心理的負荷の強度を修正 する際の着眼事項改正(案)についてですが、ここで拘束時間の中における「変化の程 度、困難度等」、つまり拘束度に対しては意見が非常に分かれると思うのですが、ここ でかなり明確化されたと考えていいのではないかと思います。漠然と居るのか、あるい は仕事はあまりしていないが、そこにその人が絶対いなければならないなどといったこ とがいろいろ絡んでくると思うので、ここで変化の程度、困難度と入れた点で明確にな ったのではないかと思います。 ○黒木先生  基準が少しはっきりしたと思います。 ○夏目先生  そのとおりであると思います。 ○岡崎座長  先ほど修正された項目との関係についてはよろしいでしょうか。  次に、5頁については出来事の類型「役割・地位等の変化」に関し、心理的負荷の強 度を修正する際の着眼事項ですが、「内容」を入れるということですね。着眼事項に何 項目かあって、変化の内容を入れるということですが、これについてはよろしいですね。  次の「対人関係のトラブル」のところでは、「同僚とのトラブルがあった」という出 来事に関係して「同僚との職務上の関係等」を着眼事項として入れるということですが、 これについてはよろしいですか。 ○夏目先生  プライベートでも同僚とトラブルということはありますから、「職務上」と入れてお けばはっきり内容が限定されると思います。 ○岡崎座長  次に、別紙3に移ります。ここでは副題として「総合評価を行うための視点」というの を追加したことと、「職場の物的・人的環境の変化」について、「職場の雰囲気が悪く なった」という表現にするということですが、いかがでしょうか。 ○山崎先生  総合評価について、一連の視点を充実させたわけで、前の「心理的負荷の強度を修正 する視点」ですと、強度を修正する際の視点といった感じで目的がはっきりしているわ けです。ここも検討する視点を明らかにしたのですが、その視点を活かして何の評価に つなげていくかということをある程度明確にしておいた方がいいということで、総合評 価を行う際の視点といったニュアンスで提案させていただき、それを入れたことという のは大事かなと思います。ただ、総合評価を行うための視点ということになると、ちょ っときつ過ぎるかなというのが正直なところあります。総合評価を行うための視点とな ると、この視点自体が一種の評価基準のように格上げされてしまい、総合評価を行うた めの視点を評価基準ということからいうと、実際には、例えば指摘されている出来事の 数を、どう考えるかといったものも当然総合評価を行うための視点の中には入ってこな ければいけないわけです。これは別にそれを入れているわけではないので、行う際の視 点という意味で、留意点の位置に置く。大事な視点ではありますが、総合評価を行うた めの視点、つまり重要な視点ではあるが、ある面では一部であることを明確にするとい う意味です。 ○岡崎座長  そうですね。網羅していないし、これが何らかのクライテリアではないという意味で すね。 ○山崎先生  「際の」という表現のほうが実情に合うかなということです。 ○岡崎座長  そうですね。着眼事項はあくまでも例ですし、前の視点との整合性の問題もあります ので、「総合評価を行う際の視点」という副題にまとめてはどうかという山崎先生の御 提案ですが、いかがでしょうか。私もその方がいいかなと思います。 ○夏目先生  「ための」では基準になりますし、基準ですとそれもかなり明確にしなくてはいけな い、それがないわけですから。 ○岡崎座長  基準と誤解されかねない表現になる、「ための」では確かにちょっと強くなると思い ます。それではそのようなことにさせていただきたいと思います。次に、下のほうの「 悪くなった」という表現についてはいかがでしょうか。これについてはよろしいですね。 一応別紙3まで御検討いただき、一部修正をしたということになります。心理的負荷評 価表の見直し(案)についての検討は以上ということで、事務局と相談の上、改めて修 正をいたしまして成案としたいと思います。次に、資料2の職場における心理的負荷評 価表の見直し等に関する検討会の報告書(案)に移ります。 ○横田職業病認定業務第一係長  「職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会」報告書(案) (読み上げ) ○岡崎座長  先生方には執筆に加わっていただき、修正の御意見等をいただいて作られたものです が、今日の検討を踏まえて文言、その他についていかがでしょうか。先ほど山崎先生か ら御提案いただき、修正することにした総合評価のところについては自動的に変わるこ とになります。 ○山口職業病認定対策室長補佐  7頁ですね。 ○岡崎座長  そうです。そこは自動的に変わるということになります。 ○山口職業病認定対策室長補佐  「総合評価を行う際の視点」と修正したいと思います。 ○岡崎座長  その他この件について何かあればお願いいたします。 ○山崎先生  2頁の「判断指針の考え方について」、1つだけあります。あらかじめざっと読んだと きは十分理解できたのですが、(1)のウをじっくり読むと、表を揃えてやっている評価シ ステムについて、評価システムの妥当性というか客観性といったものを論じています。 具体的にいうと、「出来事を一般的、客観的に評価した上で、個別性を考慮して修正、 評価するシステム」、さらに「総合的に評価するシステムが組み込まれており、妥当で あるといえる」となっています。これはある意味で総合評価を行う際の視点というもの が書いてあるわけですから、それを書き入れるのが妥当ではないかと考えております。 特に、それを書き加えないと、なお書きで「医学専門家の合議制で総合評価を行うこと としていることから、より客観性、医学的妥当性の確保が図られている点も評価できる 」、この文言自体は本当にそのとおりだと思いますが、総合的に評価するということが システムの中に内包されずに、合議制の下で初めて総合評価というものが保障されてい るといったニュアンスになってしまいますので、評価システム自体の中に「総合的に評 価するシステムが組み込まれており、妥当である」という文言を加えるのが適当ではな いかと思っております。 ○岡崎座長  具体的な文章としては、ウの3行目の「個別性を考慮して修正、評価」をどのように しますか。 ○山崎先生  修正、評価が結び付いていますので、元の文を活かすとしたら、「修正、評価し」と。 ○岡崎座長  「考慮して修正し、総合的に評価する」といった意味でしょうか。 ○山崎先生  「さらに総合的に評価するシステムが組み込まれた」と。 ○岡崎座長  そうすると「修正、評価し、さらに総合的に評価するシステムが組み込まれた」とな るわけですか。 ○黒木先生  評価が多くないですか。 ○山崎先生  もともと私は「修正し、総合的に評価するシステムが組み込まれている」、それでい いかなと思っていたのです。 ○岡崎座長  そうすると評価は1回だけですね。その方がいいかも知れません。 ○山崎先生  修正、評価というものがくっ付いているという指摘も受けましたので、一応修正、評 価する。個別性を修正、評価し、さらに総合的に評価すると。評価が多いので「修正し」 でいいのではないかと。「修正し、さらに総合的に評価するシステム」と。 ○岡崎座長  おっしゃった趣旨はよくわかりましたので、文章的な解決をどうするかですが、評価、 評価と出てくるのはちょっと読みづらいですね。そうすると、「出来事を一般的、客観 的に評価した上で、個別性を考慮して修正し、総合的に評価するシステムが組み込まれ ており」とすると、非常にわかりやすい文章になりますね。そうしないと、確かに、総 合評価というのは3人の専門家がやるのだと捉えられる可能性があります。「個別性を考 慮して修正し、総合的に評価するシステムが組み込まれており、妥当なものであるとい える」という表現でよろしいですか。 ○夏目先生  「さらに」という言葉は入れますか。 ○山崎先生  どちらでも。 ○岡崎座長  「さらに」はどこに入れるのですか。 ○山崎先生  「修正し、さらに」と。事務局は「修正した上で」といった表現を使われていますが、 前にも「上で」がありますから、何々した上で、何々した上でとなるので、それを変え る意味で「さらに」という言葉を付けたのです。 ○岡崎座長  「個別性を考慮して修正し、さらに総合的に評価するシステムを組み込まれており」 となるわけですね。 ○山崎先生  一義的なことになるという意味では、「さらに」というのを入れた方が明解かなと思 います。 ○岡崎座長  「さらに」を入れても入れなくても、あまり変わらないかなと。事務局から何か御意 見はありますか。 ○山口職業病認定対策室長補佐  特にございません。 ○岡崎座長  それでは、「出来事を一般的、客観的に評価した上で、個別性を考慮して修正し、さ らに総合的に評価するシステムが組み込まれており、妥当であるといえる」という文章 にしたいと思います。その他についてはいかがですか。最初の案を大夫直していただき、 本当に明解になってきたと思います。繰り返してみますと、「はじめに」「検討会開催 の背景等」「検討状況」とあり、2の「検討に当たっての基本的考え方」の中の(1)「判 断指針の考え方について」がただいま御議論いただいたところです。次に、(2)「職場に おける心理的負荷評価表の見直しの必要性」の記載がありまして、検討会の課題がア、 イ、ウ、エとあり、3として、「職場における心理的負荷評価表の見直し検討結果」とい うことで、先ほど承認いただきました見直し(案)の見直しを行いました。そこまでは よろしいですか。 ○夏目先生  細かいことですが、国内文献が5文献、国外文献は42文献とあります。これは年度を限 って調べていますか。 ○横田職業病認定業務第一係長  はい。年度を限って調べております。 ○夏目先生  何年度から何年度ということを入れておいた方が正確だと思います。 ○横田職業病認定業務第一係長  わかりました。 ○岡崎座長  確かに、これはキーワードによっても出方が違いますしね。 ○夏目先生  また、年度によっても出方が違います。おそらく最近のキーワード検索ですので、年 度が入った方がいいと思います。 ○岡崎座長  いまのは3の(1)のアのところですが、文献数を年度ごとに分けるということでしょう か。 ○夏目先生  何年度から何年度までということだけ入れた方がいいということです。最近3年間か、 5年間かということを。 ○岡崎座長  そうですね。通常レビューするときは5年でやりますので、5年というのが最もよく行 われる方法ではないかと思います。その点を少し詳細に記するために、5年間というこ とにした方がよろしいですか。 ○山口職業病認定対策室長補佐  判断指針が平成11年度に策定されておりまして、それ以降についての検索をしており ますので、その表記でよろしいでしょうか。 ○岡崎座長  それを明記するということですね。(イ)はいかがですか。特にないようですので、次 の「検討結果」についてはいかがですか。具体的に追加する項目が12項目挙げられてお り、その解説があります。(ア)の(1)から(12)までありまして、それぞれの解説があります。 その中には心理的負荷の強度が記されております。これについてはよろしいでしょうか。 特に修正とかこのような表現がいいのではないかといったこともございませんか。 ○黒木先生  (7)に「上司が不在になることにより、その代行を任された」とありますが、不在とい ってもいろいろあります。代行を任されたのではなくても、例えば出張でいない、ある いは頼まれてなくても、何か事が起こって上司がいないとか、それも類推で代行せざる を得なかったといったこともその中に入るということでいいですね。そのような場合も 入る、あるいは欠員のことかどちらでしょうか。必然的に含めるということでよろしい ですか。 ○岡崎座長  これは主に欠員というか、その役職が急にいなくなったとか、そのような状態を想定 して書いていますね。 ○山口職業病認定対策室長補佐  それも想定しておりますが、上司が行った業務を代行したということについても含む と考えております。 ○岡崎座長  任されたということに負荷があるということですね。本来業務と合わせて上司が行っ た業務の代行を任された場合というのに焦点があるのだと思いますので、そのような解 釈にしておきたいと思います。その他の項目についてはいかがですか。それではまた戻 っていただくことも勘案しまして、次の(イ)は修正した項目ですが、いかがでしょうか。 7項目を修正しましたが、これはかなり御議論いただいた項目です。  特にないようですので、(2)に移りまして、「心理的負荷の強度を修正する視点の見 直し」についてはいかがですか。これはありのままに書いておりますので、それでよろ しいかと思います。  次の(3)の「出来事に伴う変化等を検討する視点の見直し」についてはア、イ、ウと 記載しておりますが、この点については先ほど「総合評価を行う際の視点」と修正して おります。 ○山崎先生  総合評価を「行うための視点」を「行う際の視点」に直すわけですが、その前の所の 検討目的も「明らかにするため」となっていますが、これはいかがでしょうか。 ○岡崎座長  そうですね。 ○山崎先生  「行う際の視点」というのは、要するに総合評価を行う際の一種の留意点といった目 的で検討が行われるという意味ですから、こちらの方は検討目的で構わないと思います。 ○絹谷職業病認定対策室長  わかりました。ありがとうございます。 ○岡崎座長  ということで、そこはそのように使い分けるということです。(3)のア、イ、ウにつ いてはこれでよろしいと思います。(4)の「職場以外の心理的負荷評価表の見直し」に ついては1項目を追加ということでしたが、表現はこれでよろしいですね。次の「今後 の課題等」については、今後の精神医学や心理学の研究の進歩、あるいは社会情勢の 変化等によって、必要に応じて検証・検討を要するものであるということを明記して おります。 ○夏目先生  去年の秋口からどんどん変わってきていますから、また新たなストレスが生ずる可 能性もあります。そのような点ではなるべく何回か調査をした方がいいと思います。 ○岡崎座長  そうですね。精神障害のストレス脆弱性の考え方というのは、ここにも明記してある ように、いちばん妥当性があるといいますか、広く受け入れられていることは間違いな いことでありまして、それに基づいたシステムというのも、現在妥当だということは間 違いないことであると思います。もちろん、その枠組み自体が研究の結果によって進歩 し、変わる可能性も大いにあるわけですし、現在のシステムで完璧ということはあり得 ないわけですから、今日も要望書等をいただいておりますが、先生方にはそれを考慮し ていただきながら御討議いただいたと思いますので、それを反映して現実に適合したも のにどんどん改定し、改正していく必要があるということをここには明記しているわけ です。それが今後の課題等ということです。一応、報告書(案)の全体を検討していた だきましたが、全体について何かあればお願いいたします。  以上、本日議題としておりました心理的負荷評価表見直し(案)と、職場における心 理的負荷評価表の見直し等に関する検討会報告書(案)について検討していただきまし て、一部修正をいただき、おおむね妥当ということからこれを御了承いただいたと思い ます。一部修正もありましたので、先生方の御意見を取り入れながら私と事務局とで修 正し、成案にしたいと思います。その上で労災補償部長宛に提出することとなっており ます。本日はどうもありがとうございました。 ○山口職業病認定対策室長補佐  事務局から報告書の公開について申し上げます。本検討会の報告書、「職場における 心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会報告書」については、提出がなされた後に 厚生労働省ホームページへ掲載等で公開することを考えております。最後に労災補償部 長の石井より御挨拶申し上げます。 ○石井労災補償部長  最後に当たりまして、ひとこと御挨拶させていただきます。岡崎座長をはじめ、御参 集の各先生方には大変ご多忙の中、熱心に御討議を賜りましたこと、大変ありがたく思 っております。本日はさまざまなこれまでの御議論を踏まえて、きれいにまとめていた だきましたことを深く感謝するものでございます。最後の座長の取りまとめにもござい ましたが、最近は職場を取り巻く環境が急激に変化している中で、現行の評価表の当て はめが非常に難しい事案が出てきていることを踏まえ、やはり、こうした現状にきちっ と適合したものであるべきだという観点から、本検討会を開催させていただいたわけで すが、世の中の変化が急ピッチで進むこういう時代ですので、見直すことも必要だと認 識しているところでございます。今回の検討は、少なくとも平成11年度に指針ができて 以来の変化について、取り上げたということで意義深いものと考えております。私ども としましては、今回おまとめいただきました結果を踏まえまして、早急に判断指針の心 理的負荷評価表の改正など所要の措置を講ずることとしたいと考えております。  最後になりましたが、各先生方におかれましては、専門的見地から、その中でも非常 に示唆に富んだ御意見を幅広くいただきましたこと、重ねてお礼を申し上げます。簡単 はございますが、私からのお礼の御挨拶とさせていただきます。本日はありがとうござ いました。 ○山口職業病認定対策室長補佐  それでは、本日をもちまして本検討会を終了したいと思います。先生方におかれまし ては、非常に御多忙のところ、昨年末から御参集いただきましてありがとうございまし た。 照会先:労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室職業病認定業務第一係     電話 03−5253−1111(内線5570)