09/03/16 第7回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会議事録 第7回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会 日時:2009年3月16日(月) 13:30〜15:00 場所:厚生労働省職業安定局第1会議室(14階) 出席者:  公益代表   今田部会長、水野部会長代理、相澤委員、石田委員、奥田委員  家内労働者代表   加藤委員、佐藤委員、古川委員、大久保代理人  委託者代表   小林茂則委員、小林信委員、山口委員、山本委員、横山委員  厚生労働省   北村審議官、代田短時間・在宅労働課長、赤松調査官、廣瀬課長補佐 議題:  1. 平成20年度家内労働概況調査結果について  2. 第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状況について  3. 平成21年度家内労働関係予算案の概要  4. その他   資料:  資料No.1 労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会委員名簿  資料No.2 労働政策審議会令  資料No.3 平成20年度家内労働概況調査結果  資料No.4 第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状況(平成21年2月末日現在)  資料No.5 平成21年度家内労働関係予算案の概要  資料No.6 家内労働関係資料 議事: ○今田部会長  定刻になりましたので、ただ今より「第7回労働政策審議会雇用均等分科会家内労働 部会」を開催いたします。本日は、三村委員がご欠席です。労働政策審議会令第9条の 規定による定足数を満たしております。出席者13名、定足数10名です。また、本部会 は公開であり、その取扱いについては「労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会の 公開について」のとおりとなっております。  はじめに、事務局から挨拶をお願いします。 ○北村審議官  大臣官房審議官の北村でございます。よろしくお願いいたします。本日は、各委員の 方々におかれましては、お忙しい中ご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。  この労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会は、家内労働者に関する事項につき ましてご審議をいただいておりまして、今回で第7回目になります。  家内労働法の制定から39年が経過いたしました。当時、約200万人いた家内労働者 も現在では約18万人を切るという状態でございまして、全体としては減少傾向を続け ている状況でございますし、また、家内労働者の5割が60歳代ということで、高齢化 も進んでいるという状況にございます。  このような中、家内労働者の労働条件の確保・向上、そして生活の安定・向上を図っ ていくということは引き続き重要な課題であると私どもは考えております。とりわけ、 昨今の経済情勢はご承知のとおり悪化をしてきているわけでございますけれども、家内 労働者への就業環境の影響は、非常に懸念されるところでございます。各地域におきま して、計画的な最低工賃の見直し、あるいは健康確保のための適切な指導、こういった ことを推進していきまして、引き続き家内労働者の労働条件の確保を図ってまいりたい と考えているところでございます。  本日は、平成20年度家内労働概況調査の結果をご報告申し上げまして、その後、第9 次最低工賃新設・改正計画の進捗状況、さらには平成21年度家内労働関係予算案の概 要などについてご報告させていただくことになっております。委員の皆さま方の忌憚の ないご意見をお願い申し上げまして、私からの挨拶に代えさせていただきます。ありが とうございました。 ○今田部会長  ありがとうございました。審議に先立ちまして、家内労働部会の委員の交代がありま したので、事務局からご紹介をお願いいたします。 ○代田短時間・在宅労働課長  短時間・在宅労働課長の代田でございます。よろしくお願いいたします。  資料No.1が「労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会委員名簿」でございます。 家内労働者側委員のうち、加藤久美子委員に代わりまして木村委員が、川本委員に代わ りまして三村委員が、委託者側委員のうち、橋本委員に代わりまして小林信委員が選任 されておりますので、ご報告申し上げます。 ○今田部会長  それでは、小林信委員に一言ご挨拶をお願いいたします。 ○小林信委員  全国中小企業団体中央会の小林でございます。今年度から労働関係の担当部署につき まして、勉強中でございます。いろいろご迷惑をお掛けすることも多いかもしれません けれども、何卒よろしくお願いいたします。 ○今田部会長  どうも、ありがとうございました。 ○代田短時間・在宅労働課長  本日は木村委員がご欠席でございまして、代わりに日本労働組合総連合会の大久保部 長にご出席いただいております。先ほどご報告せず、申し訳ありませんでした。 ○今田部会長  では、議事に入らせていただきます。議題1「平成20年度家内労働概況調査結果につ いて」です。事務局より説明をお願いいたします。 ○廣瀬課長補佐  それでは、資料No.3「平成20年度家内労働概況調査結果」について、説明させていた だきます。まず、平成20年度家内労働概況調査につきましては、都道府県労働局にお きまして、家内労働法第26条に基づく委託状況届、監督指導結果、関係団体への照会 などを通しまして、毎年10月1日現在の家内労働者数、委託者数等を業種別、類型別、 男女別に把握しまして、家内労働対策における資料としているものでございます。  まず、家内労働従事者数ですが、昨年より9,491人減少しておりまして、現在17万 9,496人となっております。このうち、家内労働者は17万1,705人、また家内労働者の 同居の親族であって家内労働者とともに仕事に従事している補助者は7,791人となって おります。家内労働者の推移でございますが、昭和45年に家内労働法が制定されて以 降の動向を見ますと、昭和48年の184万4,400人をピークに減少しております。平成 20年の減少幅は、前年の5.7%より若干小さく5.2%でございました。過去10年の減少 幅につきましては、7〜8%、多いときには13%台の減少幅もございましたので、この2 年の減少幅は若干小さめであると考えていただいてもよろしいかと存じます。  続きまして、男女別で見ますと、女性が90.5%と家内労働者の大半を占めているとい う状況になっております。  類型別では、家庭の主婦などが世帯の本業とは別に従事している内職的家内労働者数 が16万1,644人で全体の94.1%となっております。また、世帯主が本業として従事し ている専業的家内労働者は全体の4.9%という状況でございます。  それから、業種別の状況ですが、こちらも例年と大きく変わるものではございません が、1番多いのは、衣服の縫製、ニットの編立てなどの「繊維工業」が5万7,504人で 全体の約3割となっております。2番目としましては、玩具、人形、造花、漆器などの 「その他」でございまして、こちらが17.1%で2万9,289人です。3番目が、「電気機 械器具製造業」で2万1,370人となっておりまして、この3業種で全体の約6割を占め ております。  都道府県別でございますが、家内労働者数が1万人を超えておりますものが、昨年と 同様になりますが、静岡県、東京都、愛知県、大阪府となっております。また、前年と 比べまして増加が大きいところは長野県でございまして、対前年で1,032人増というこ とになっております。  また、危険有害業務に従事いたします家内労働者数につきましては、1万7,636人、 家内労働従事者に占める割合は9.8%となっております。業種別の人数が多い繊維関係の 動力ミシンやニット編機など「動力により駆動される機械を使用する作業」が最も多く、 全体の76.2%を占めております。   次に、委託者の状況を見ますと、委託者数は平成20年10月1日現在で1万2,153 人です。業種別に見ますと、やはり家内労働者の業種別の状況と同様でございまして、 「繊維工業」が全体の43.6%、「その他」が11.5%、「電気機械器具製造業」が9.4%と なっておりまして、これら3業種で全体の6割を占めているという状況になっておりま す。  以上、駆け足でございましたが、ご説明とさせていただきます。 ○今田部会長  ただ今の説明について、ご意見・ご質問がございましたらお願いします。  都道府県別の傾向で長野県が増えていると出ているのですが、増えている県はこの他 にもありますか。また、その理由はどのようなことですか。 ○廣瀬課長補佐  長野県が増えている背景につきまして、担当の労働局にも確認したのですけれども、 このせいで増えたというようなデータ上明らかなものはなかったのですが、ただ、第2 表として資料をお付しておりますけれども、こちらを見ますと、長野県が多いものとし ましては自動車部品の組立て等である「機械器具等製造業」で、全国で1番となってお ります。その他、長野県で多いのは印刷関連ですとか、電子部品、情報通信機械器具製 造業といったところが全国的に見れば多いですが、総数として多いのは「機械器具等製 造業」でございますので、自動車関連のところで増加したのではないかと推測しており ます。 ○今田部会長  ありがとうございます。他にございますか。よろしいでしょうか。では、何かありま したら後ほどご質問いただければ結構です。  次に、議題2「第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状況について」です。事務局よ り、説明をお願いします。 ○代田短時間・在宅労働課長  第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状況について、ご報告申し上げたいと思います。 その前に、簡単に最低工賃制度について触れさせていただきます。ご案内のとおり、家 内労働者の労働条件の向上を図り、生活の安定に資するということを家内労働法の目的 にいたしているところでございます。この法律に基づきまして、家内労働手帳の交付、 工賃支払いの確保、最低工賃についてこれからご報告申し上げるわけですけれども、さ らには、安全衛生の措置などにつきまして、この法律で最低の基準を定めるということ になっています。家内労働法第8条1項におきまして、最低工賃につきましては、工賃 の低廉な家内労働者の労働条件の改善を図るために必要があると認める場合に、審議会 の意見を聴きまして最低工賃を定めることができるということになっています。ある物 品につきまして、その一定の単位ごと、工程ごとと申し上げてよいと思いますが、これ ごとに工賃の最低額を定めているということになっています。その額につきましては、 最低工賃を決定しようとする地域におきまして、当該家内労働者の方と同一あるいは類 似の業務に従事する労働者に適用されます最低賃金との均衡を考慮して決定するという ことになっているところでございます。具体的には、都道府県労働局におかれています 地方労働審議会の最低工賃専門部会におきまして調査審議が行われました上で、その意 見を最大限に尊重して最低工賃の決定が行われているというところでございます。現状、 平成21年2月末現在で、全国で132件の最低工賃が定められているということになっ ています。この最低工賃の新設または改正を計画的に進めていくことが重要であるとい うことから、都道府県労働局におきまして、最低工賃の新設・改正に取り組む具体的な 業種を設定いたしました計画を策定いたしまして、その計画に基づいて最低工賃の新設 あるいは改正が行われてきているところでございます。  この計画の策定は、昭和58年度を初年度といたします3カ年計画からスタートして おりまして、現在の第9次の計画は平成19〜21年度までの3カ年の計画になっていま す。この計画に基づきまして、現在、進められているところでございますが、資料No.4-1 と資料No.4-2をご覧いただきたいと思います。第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状 況、その2月末日現在の状況でございます。全体といたしましては、順番が前後してし まいますが、資料No.4-2に平成19年度から平成21年度にかけまして、各都道府県47 の労働局ごとに、それぞれの最低工賃につきまして、どのような計画で進めていくかと いうことを一覧表に整理しています。この中で、青字で表記しておりますものが平成19 年度に一定の対応がなされているものでございます。また、緑色の字は平成20年度に おきまして、同様に一定の対応がなされたものでございます。その際、現在審議会で審 議中のものも黒字のままにしております。  平成19年度、平成20年度に改正予定としておりましたものの現状を表として整理し たものが資料No.4-1でございます。まず、平成19年度におきましては39件の改正予定 を設定していたところでございます。この39件につきまして、どのような対応が現時 点において取られているかということで表を整理したものでございます。改正に向けま しては、実態調査なりを行いまして、その結果を踏まえて対応しているということでご ざいます。39件のうち14件につきまして諮問を行っているということでございます。 その結果としまして、新設が1件、改正が8件、廃止が3件となっています。それから、 先ほど申し上げました諮問をして現在審議中のものが2件ございます。それから、諮問 を見送ることにしたものが24件でございます。先ほど申し上げました改正諮問を行う 前に、工賃相場の実態等を調査して、どの程度の工賃改正を行うべきかを検討していく 中で、それぞれにさまざまな状況があるということではございますけれども、その中に は、対象となってまいります労働者がかなり減少をしてきている、あるいは工賃相場が 上がってきていないというような状況で、関係の公労使の合意を得まして、その時点で は諮問を見送ることになっているものということでございます。それから、平成19年 度に未着手が1件ございますが、審議会との関係で諮問あるいは諮問を見送るというこ とに至っていないというものでございまして、具体的には調査は実施しておりまして、 現在引き続き検討が行われているものがこの未着手ということになっています。  続きまして、平成20年度に改正予定と整理されているものの状況についてでござい ます。予定しておりますものが50件ございましたが、現状では2月末で諮問をしてお りますものが11件、改正まで至っているものが2件となっています。残りの9件につ きましては、引き続き審議が行われている状況でございます。それから、先ほど平成19 年度で若干ご説明申し上げましたが、諮問の見送りに至っているものが13件でござい ます。それから、未着手26件となっていますが、これも2月末の状況でございまして、 現在そのうち10件については諮問を見送るということ。また、年度内に13件につきま しては、報告を行うことになっています。その他、引き続き検討を行っているものが3 件あるということでございます。第9次最低工賃新設・改正計画の進捗状況について、 簡単ではございますが、平成21年度までのうちの平成19年度、平成20年度、現時点 2月末日までの状況ということで整理したものでございます。以上でございます。 ○今田部会長  どうも、ありがとうございました。ただ今の事務局の説明について、ご質問・ご意見 がありましたらご発言をお願いいたします。 ○佐藤委員  平成19年度、平成20年度、いずれも諮問見送りというものが24件、13件というこ とで非常に多いのですが、これは恐らく専門部会などを立ち上げてということではなく て、今、課長からご報告があったように調査等をする中で見送るという結論に至ったも のだと思います。そうであるならば、なぜ見送らなければならないのかということにつ いては、いろいろな意見等があるわけですけれども、この第9次計画の中でも十分機能 していない部分もありますし、それぞれ平成19年度は平均周期4.8年、平成20年度は 3.5年です。従来は概ね3年で改正していくというのが本省の立場だと思うのです。そ の周期からいっても平成19年度、平成20年度の関係は非常に時間が掛かっている部分 がありますし、私などは、最低賃金は基本的に毎年改正されるわけですから、そういう 意味では家内労働者の最低工賃は毎年改正すべきだろうと思っています。  いずれにしても諮問見送りというのが、このような形であるのであれば、それぞれ計 画をそれぞれの都道府県労働局で可能なところは前倒しをして、平均周期が3年以内に なる方向できちんとやっていかないと、さらに平均周期が延びていく、あるいは3年を 超えていくということになりかねないと思うので、その辺の中身等、そういうことを含 めて要望させていただきたいと思います。 ○代田短時間・在宅労働課長  個別に4.8年というのはさすがに長いものですから、私どもも数字面でどうしてこの ように長いのだろうかと。佐藤委員がご指摘のように、これまでに比べても相当長いと いう印象を持たれたと。私どもも同じような印象を持ちました。  一つには、大きなこととして、改正に11年掛かっていたものがこの中に含まれてお りまして、これらが4.8という数字が出るに当たって相当の影響を及ぼした。個別の事 情でございますけれども、当該案件に関しましては、対象となる家内労働者が相当数減 っていく中で、そうはいってもその地域における議論として、最低工賃の廃止はしない ということでございまして、対象となる労働者がゼロになった段階で廃止を行ったとい うことで、この11年というのは特殊な状況があったのですが、もちろんそれはそれと して、そもそも計画を立ててやってきた、あるいはやっていくということになっている わけですので、個別の事情があるにしても計画は計画として適切に対応すべきだと考え ております。状況・情報を把握しながら都道府県労働局との間でも必要な話をしていき たい。どのような形になってくるかということはありますけれども、そのようにさせて いただきたいと考えています。 ○佐藤委員  11年掛かったというのは異常な数字だと思いますけれども、私が思っているのは、例 えば新潟県にしても二つあるのが平成19年度でそれぞれ見送りになっています。愛知 県の二つもそれぞれ見送りになっていますし、兵庫県あるいは広島県もそのような状況 になっています。こういったところは、要するに専門部会を立ち上げて見送りにすると いうことではなくて、恐らく局と当該のところが見送るという判断をしているわけです から、そういった点では平成20年度なり平成21年度に控えている複数の部分を抱えて いるところもありますから、恐らく賃金課が所管でしょうから、それぞれ最低賃金だと か産業別最低賃金の関係などもあるでしょうから非常に多忙になってくるわけで、そう いう意味では前倒しできる分は少しでも前倒しをするということも含めて対応すること が必要ではないかというのが趣旨です。  私は、東京などで革靴の専門部会などに参加させていただいているのですが、東京も 見送りだとか廃止になってきている部分がありますから、そういう点ではもう少し早め てもらいたいということも申し上げているので、その辺の工夫もしていただければと思 いますので、よろしくお願いします。 ○代田短時間・在宅労働課長  今具体的にどのような対応ということではありませんが、ご意見も踏まえまして、検 討させていただきたいと思います。 ○加藤委員  資料4-1の見方ですが、ただ今質問・ご意見があった中でも、ご指摘のあったこの平 均周期ですが、これはどのように計算をするのでしょうか。欄外に改正と廃止のところ をくくって平均周期4.8年、平成20年度3.5年となっているのですが、改正と廃止され たその件数のみで計算をしているのか。 ○廣瀬課長補佐  こちらにつきましては、前回の改正の公示を行ったときより、次の改正あるいは廃止 の公示を行ったまでの間の期間を件数で割ったものです。 ○代田短時間・在宅労働課長  ですから、例えば平成19年度でいいますと、改正の8件と廃止の3件があります。 それぞれ今申し上げました、前回の改正の公示の時点から、今回の公示の時点は、改正 か廃止になりますが、その公示の時点までの期間を足し上げまして、11で割ったという ことです。 ○加藤委員  要するに改正・廃止された、例えば平成19年度でいうと、8件と廃止の3件をベース にして、この11件についての周期が4.8年ということですね。 ○山本委員  今のお話で下の段で、未着手というものがありますが、これは平成20年度が26件。 平成20年度はもう終わりで、ということは半分しか着手できなかったということの何 か訳があるのですか。 ○代田短時間・在宅労働課長  すみません。先ほど佐藤委員からも、労働局におきまして担当しているのは、局によ って課室がありますが賃金課室でして、前半といいますか、前半期におきまして、実際 の業務としては最低賃金にかかる業務を処理するという実態がありまして、その後最低 工賃に関係する業務をスケジューリングしている。この26件につきまして、先ほど口 頭で申し上げてしまいましたが、2月末大体年度末に向けてかなりの作業が結論に至っ てくるということでして、現在把握しているところで、諮問の見送りの扱いに議論はあ りますが、これに至っているものが10件。それから年度内に審議会に状況なりを報告 する予定というものが13件というのが現在把握しているところです。その他調査を終 えたもの、それ以外にも検討を加えているということで、この表で見ますと未着手とい う区分にはなっていますが、一定の作業に全く入っていないということではありません。 確かに見ていただくと、未着手は何も手をつけていないという日本語ですが、この2月 末日の時点で上の諮問、あるいは諮問見送りという欄には書けないものが、ここに整理 をされているということです。そういう意味では表のつくりを整理した方がよいのかも しれません。 ○今田部会長  諮問見送りというのは、見送りを決定したということですか。 ○代田短時間・在宅労働課長  はい。ここで見送りというのは、見送ることを決めたということです。 ○今田部会長  決められたものということ。では未着手はそれも決まっていない。 ○代田短時間・在宅労働課長  その2月末日の時点では決まっていなかったというものが、この欄に入っているとい うことです。 ○山本委員  そうすると最終的にはこの未着手が10件という、それくらいのところになるという こと。 ○代田短時間・在宅労働課長  先ほどの審議会への報告をしたところで、どうなってくるかというところもあります ので、今それがどちらに振り分けられるかも、にわかに申し上げられませんが。 ○山本委員  未着手ではないのではないですか。着手した上でどうかは、これからどうなるかわか らないものを、いわゆる未着手というのは。 ○代田短時間・在宅労働課長  おっしゃるとおりです。 ○山本委員  素人なので、そこのところの理解が。 ○代田短時間・在宅労働課長  おっしゃるとおりというのも、私が資料を責任をもって説明をしているのに申し訳な いのですが、諮問見送り、それぞれの判断に至っていないという大きなくくりが、その 2月末日の時点で26件あるということを一度お見せすべき。その上でその中がどういう 現状なのかということを、今口頭で申し上げましたが、その私の説明が、普通に日本語 として未着手なのかということだと思います。その意味で、この資料の整え方という点 では、工夫させていただきたいと思います。 ○今田部会長  他にありますでしょうか。 ○小林茂則委員  そうなると、「見送り答申」という解釈はどういう形になるのですか。全く諮問をしな かったということですか。 ○代田短時間・在宅労働課長  この「見送り答申」というのは、諮問をして、見送るという答申が得られているもの で、諮問の見送りというのは、この大きな欄として「諮問とそれ以外」ということで、 諮問をしていないというその関係の。諮問はして、結果として今回はゼロ件ですが、改 正は見送るべきであるという答申を得られた場合に、この「見送り答申」という欄に計 上するということです。その事前の段階としまして、改正を行わないということで、関 係の委員の方々ともご相談をして、諮問を見送ることに至ったものが、この下の「諮問 見送り」という欄です。 ○大久保代理人  よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。私も全く素人ですので、非常に 基礎的なところかもしれませんが、一つ教えていただきたいのが、この諮問見送りにな っているのが平成19年度で24あります。これらが次に見直される機会というのは、今 回のこの第9次ではもう見直されないわけですから、次の第10次になるかと思います が、その際に、ここで見送ってしまうと、少なくとも3年間はまた見直されないわけで、 その分この平均周期が延びるわけですよね。次にこの新設・改正計画を作る際に、どの ような優先順位で、この改正すべきものを選ぶのか。多分第10次の場合は計画方針と いうことになるのでしょうが、今何かお考えがあればお聞かせください。 ○代田短時間・在宅労働課長  まず、例えばですが、ある年度での諮問見送りとなった場合に、それ以後どういう対 応になってくるのかということですが、すべてを把握しているわけではございませんが、 中には平成21年度に改めて取り組む予定と聞いているものもあります。ものによりま すし、個別具体の状況ですので、それが多いかといわれれば、そうではないのかなと思 いますが、そういうケースもあって、実際聞いているものもあります。ただ平成21年 度に取り組んだとして、それがまたどうなるかは、平成21年度の議論といいますか、 その状況での判断ということになっています。  私どもとしても計画を定めて、対応をするということですので、まだ第10次に向け て、平成21年度もありますので、具体的に案を持ち合わせているわけではありません けれども、これまでの改正の状況等を踏まえて、当然ながら適切なといいますか、きち んとした計画的な対応ができるようにしていかなければならないという認識は持ってい ます。具体案は申し訳ございませんが、またご審議をいただくということになってまい りますので、その際にお願いをしたいと思います。 ○加藤委員  わかっていたら教えていただきたいのですが、先ほど平均周期についての質問をさせ ていただいて、この平均周期は当年度に改正・廃止をされた件数についての平均周期だ ということはわかったのですが、現在設定されている最低工賃132件、あるいはその前 年で135件あるわけですが、130件あまりの最低工賃を平均的に大体何年に1回くらい 改定されているのか。130件あまりの平均的な周期が、わかっていたら教えてください。 ○代田短時間・在宅労働課長  今、手元にありません。現在例えばですが、どこかの時点を押さえて、今年度末なり どこかのポイントを押さえまして、その時点での130件なりを並べてみまして、その周 期を、過去の改正ですね。ポイントを押さえなくてはいけないので、今回のものが設定 されたのと、その前ですか。技術的にどういう押さえ方をすべきかというのがあります が、今手元にありませんので、一定の考え方でどのくらいになっているのかは、整理を してみたいと思います。改正というサイクルで見ますと、現状を見てしまいますと、改 正に至っていないものが入ってまいりますので、直近の改正時点の前を遡るということ になるのかなと、今思っていますが。 ○加藤委員  そうですね。結構長いタームで取らないと、多分つかめないと思うのです。古くから 携わっている人たちと、かつてはおおむね2年に1回くらいずつ改定をされていたとい うことで、2年サイクルといわれていたそうですが、これを見ると相当長期間にわたっ て、改定されていないというサイクルになっているのではないかなと思いまして、先ほ ど佐藤委員からのご意見もありましたので、性格は違いますけれども、最低賃金と最低 工賃というのは、法律も性格も違うのですが、片や最低賃金の方は毎年改正され、しか もここ2年間くらいちょうど平成19年、平成20年の辺りは、最低賃金法の改正だとか、 あるいは政府の成長力底上げ戦略推進円卓会議の議論などを踏まえて、かなり従来と比 較すると、結構大幅な引き上げになったという流れもございますので、最低工賃と直接 比較することはできないにしても、開きが出てくるのかなと。取組上の開きですが、出 てくるのかなという気がしておりまして、ぜひその辺がデータ的に明らかになるとあり がたいなと思います。 ○代田短時間・在宅労働課長  いずれにいたしましても、先ほどご説明申し上げました第10次に向けての整理をす るということも必要になってまいります。それから最低工賃の場合には種々の調査をし たりということで、手間があるのは否定はできないのですが、それを勘案したとして、 現状でどうなのか。今の状況をきちんと認識した上で必要な対応といいますか、検討を ということにはなってまいろうかと思いますので、資料面でも整理できるものは整理を しながらと思っています。 ○水野部会長代理  この委員会、私はだいぶ長くなりますので、毎回こういう議論があります。そして今 年は割合皆さま紳士的に基準に則って議論をされていますが、そうではない年はもっと 厳しい議論もありました。基本的には家内労働法という非常に対象を限定された領域の 家内労働について、それも限られた状況にないときの法律の手段だけをしているのです が、つまり製造業が華やかなりし頃の日本のある種の領域の労働力をこういう形で、最 低工賃ということで守ってきたわけですが、かなり厳しいやりくりになったときに使用 者側の方々は、いくらでも上げてもらってもかまわない。ただもう日本ではこんなのは 仕事がない。つまり中国に出してしまった方が、はるかに安いので、上げてほしいとい われればいくらでも上げましょう。ただし仕事はありませんよ、などという議論をなさ ることもありました。  先ほども加藤委員からもありましたが、働いている人々の生活を守ることを考えてい きますと、もう少し全体の枠組みを考え直さないといけない時代になってきていて、い わば製造業が華やかなりし頃の、滅びつつある恐竜の尻尾のところの議論をずっと続け ているような気がします。これはもう少し製造業の末端の家内労働法そのものの枠組み を変える形で、例えばコンピューターなどを使った労働者の領域に広げていくとか、あ るいは介護という人体を使ったサービスについての労働について広げていくとか、さら には我々が中国のような労働力と対抗できるように、いかにして日本の労働者のスキル を上げていくか、そしてそういうものに携わる人々の生活をどうやって守るかという観 点から考えますと、家内労働法の枠組み自体をもう少し考え直す必要があるということ を毎年申し上げていて、でもこの場はそのような場ではないので、非常に限られた制度 に則って、毎年毎年このようにしているという限界があります。  毎年申し上げているのですが、できればそういうもう少し構造全体を変えるような委 員会というものにエネルギーを使っていただいて、そしてこの枠組みで毎年見送る調査 ということにエネルギーを使われるよりも、限られたエネルギーをそちらの方にもう少 し割いていただければと思います。 ○代田短時間・在宅労働課長  なかなか直接的なお答えが難しいところがあるのですが、水野部会長代理の話にもあ りました、この場で議論ができるのかという、私どもからみますと相当根本的といいま すか、ただご意見としては、今のままの枠組みでといいますか、政策的な対応としてど うあるべきなのかという意見につきまして、今、具体にどうという答えを申し上げるこ とはできないわけですが、後で予算で簡単にご報告を申し上げる予定にしていましたが、 私どもいわゆる在宅ワークと名前を付けていますが、これにつきましても、一定の施策 の実施をしているという状況にあります。  それから平成20年度におきまして、在宅ワークの実態を把握するという事業にも取 り組んでいまして、まだそれはまとまっていないのですが、そうしたものも踏まえまし て、またどういう場での議論、あるいはそもそもどういう方向があるのかによって、そ の場自体もいろいろ考え方もあるかと思いますが、私ども在宅ワークなりについての問 題意識がないということではなく、現状におきましても水野部会長代理もご案内のとお り、事業としては一定のものは実施をしているところでございまして、今申し訳ありま せんが、冒頭申し上げましたように、具体の方向について、ここで答えというのはなか なか難しいというところです。ただ、問題意識がないわけではないことはご理解いただ ければと思います。 ○今田部会長  ありがとうございます。大変基本的な問題提起で、皆、心に留めておくと思います。 あと今の資料に基づくご質問・ご意見がありましたら、よろしいでしょうか。  では次の議題として平成21年度の家内労働関係予算案についての説明と、ご議論を いただくということで、今、水野部会長代理から問題提起されたような、家内労働その ものの枠というものも少しずつ変化があり、そういうものもあるだろうということも、 事務局なりの努力の結果として見られました。そういう観点からもご議論いただけるの ではないかと思いますので、説明をよろしくお願いします。 ○代田短時間・在宅労働課長  資料No..5ですが、「平成21年度家内労働関係予算案の概要」という資料を用意してい ます。現在国会で予算案を審議中ですが、今の予算案の中に家内労働関係で盛り込まれ ています予算の概要です。全体としては平成21年度予算案が予算案の中にある額とし ては約2,900万円です。内訳としては、1として「家内労働行政の推進に要する経費」 としていますが、この経費としては家内労働者に対しまして、家内労働法の周知を図る という観点からのパンフレットの作成経費等がこれに含まれています。2番目の「家内 労働に係る安全衛生管理の指導等に要する経費」が約2,200万円ですが、これは家内労 働者あるいは委託者に対しまして、安全衛生指導員という形で、巡回して指導を行う経 費です。これが2,200万円。3番目に「家内労働者の健康相談会の実施に要する経費」 ということですが、これは今年度より実施しています。危険有害業務に従事しておられ る家内労働者の方を対象として、健康相談会を開催するということにしています。これ に必要な経費が約200万円ということです。参考としてですが、先ほども若干触れまし たが、テレワーク関連予算ということで、先ほどお話がありました製造関係ではない、 在宅での就業、インターネットなりの情報通信機器を使った形での在宅での仕事をされ る方についての事業ということです。そのうちの1として「在宅ワークの適正な実施の ためのガイドライン」の周知・啓発ということですが、下に書いています。今申し上げ たような情報通信機器を使った在宅での就業を安心してできるようにするとともに、紛 争が起こることを未然に防止するということで、発注者あるいは在宅ワーカー等に対し て在宅ワークの適正な実施のためのガイドラインを平成12年に策定していますが、こ の周知について約800万円。2といたしまして、「在宅就業者支援事業」と整理していま すが、今申し上げました在宅就業しておられる方の就業環境の整備あるいは再チャレン ジを支援するということで、こうした働き方に関しての相談の対応あるいはスキルアッ プについての支援、さらには来年度におきましては、在宅就業市場を形成するための支 援施策の検討に取り組みたいと考えています。事業委託という形で現在も実施していま すが、こうした形で取り組みを進めていきたいと考えています。  それから前回の部会でご報告を申し上げました、在宅就業の実態に関する調査につき まして、先ほど申し上げましたように、現在取りまとめていただいているところですの で、まとまった段階で、それをどう扱うか、部会長ともご相談を申し上げて、ご連絡さ せていただきたいと考えています。来年度家内労働関係、参考としてテレワーク関連予 算を含めまして、以上簡単ですが概要です。 ○今田部会長  ありがとうございました。ご質問・ご意見がありましたら、どうぞ。 ○奥田委員  1点だけ言葉の意味ですが、「在宅就業市場を形成するための支援施策」というのは、 具体的なイメージがわかないのですが、少しご説明をお願いします。 ○代田短時間・在宅労働課長  在宅就業に関しまして、仕事をどのように探したらよいのかというのが一番大きな課 題だと承知をしていまして、いわゆる仲介機関といわれる、仕事を斡旋するというか、 仕事を発注するような、形態もいろいろあるようですが、こうした間に入っておられる 機関について、どういう施策があり得るのかということについて、検討できないかとい うことです。「在宅就業市場を形成」というのは、市場を政府が作るかのように見えてし まいますが、そうではなくて、仕事の発注の関係において、健全なという表現が適当か どうかわかりませんが、そうした間に入る機関の支援施策なりが検討できないかという ことです。 ○今田部会長  この従来の工場、家内労働の対象となっている仕事の受注とか、そういう業者の活動 とは違ったものを考えておられるのですか。そういうものの延長のようなものですか。 ○代田短時間・在宅労働課長  そうですね。それ自体もといいますか、なかなか在宅ワークについての仲介機関が育 ってきていないということをご専門の先生なりからよくお聞きするわけですが、どんな 形であれば間に入る機関、ここで「市場形成」と書きましたが、きちんとした形で受発 注ができて、仕事も確保できるというようなものがどういう形ならできるか。もちろん その形態という意味では、家内労働の場合にも、委託者という表現がありますが、受発 注関係であるということは、同様のいわゆる使用従属下にある労働者ではないという意 味では同じになってきますが、物を作る、加工するという場合と、それ自体も今家内労 働で従事される方が高齢化といいますか、少なくなってきている中で、それと同じよう な形でよいのか。あるいはITというような意味で、さらに違うアプローチがあるのか ということも含めて検討ができればと思っています。ただ、なかなか間に入る業者の方 が長い間育ってきていないという意味では、そう簡単にできるものではないという意識 を持っていますか、そこをやはり分析といいますか、検討してみないと先には進まない のかという意識でいるところです。 ○今田部会長  水野部会長代理、諸外国の例えばヨーロッパのテレワークなども参考になると思いま すが。労働法の観点からはいかがですか。 ○水野部会長代理  労働法だと奥田委員ですね。 ○今田部会長  では奥田委員、ご関心は。 ○奥田委員  こういう審査というのは、全然把握していません。 ○水野部会長代理  でも、労働法は全然違いますので。 ○今田部会長  もし、ご意見があったら。 ○水野部会長代理  専門のこととなりますと正確に言わなければいけないということで、途端に口が重く なって。法律といいましても、私は民法専門でございますので、労働法は詳しくないの です。民法でしたら正確なことが言えるのですが。  でも労働法は全くこういう形で行われているのではなくて、つまりテレワークであろ うと何であろうと、日本の労働行政の場合には正社員とそれ以外の場合というのがずい ぶん違ってきていて、そうでない場合は同一労働同一賃金という形ではない施策になっ てきていましたけれども、ヨーロッパの場合には、正社員であろうがそうでなかろうが 基本的には同一労働同一賃金というのが原則ですから、同じようなテレワークをした場 合に、それが同一労働同一賃金という労働法の保護から離れてしまうということはない はずだろうと解釈しています。 ○奥田委員  私も、今すぐに正確なことをと言われると、あまりきちんと申し上げられないのです が、この部会の議論で、どこまでされるかということからしますと、先ほどの水野部会 長代理の基本的なご指摘ともかかわって、この部会の議論からは少し離れるかと思いま すが、おそらく、例えばヨーロッパ諸国でも家内労働者に対しては適用除外的な法制度 などもありますので、そういうことはある程度共通しているところもあると思います。  ただ、日本で存在するような在宅ワークが、いわゆる法律の適用除外となるような家 内労働が含まれているか否かという辺りが、かなり違ってくると思っていまして、在宅 ワークをどういう扱いでやっているかということを、もし、ここで検討するとなると、 いわゆる在宅ワークが家内労働と同じように捉えられるのかどうかという法律の適用範 囲の違いなども含めて検討していかないと、ヨーロッパ諸国との比較はしにくいかと思 っています。  あまり正確なところはきちんとお話しできないので、また具体的に検討していくこと になれば考えてみたいと思います。 ○今田部会長  木村委員、どうぞ。 ○大久保代理人  ありがとうございます。予算の方に戻ってよろしいでしょうか。平成21年度の予算 案の額が2,900万円とのことですが、前の年からの増減についてご説明いただければと 思います。  もう一つ、3の「家内労働者の健康相談会」は、平成20年度に初めて実施されたとの ことですが、その実績についてもご説明をお願いします。 ○代田短時間・在宅労働課長  私から平成20年度の予算額との関係をご報告申し上げたいと思います。平成20年度 のトータルでみますと3,080万円ほどの予算となっております。来年度の予算案の額と しまして約2,900万円と書いておりますのは、2,940万円程度ということでございます。 柱の立て方としましては、基本的には同様の3本の柱で整理しているところでございま す。  健康相談会の状況については廣瀬課長補佐から説明申し上げます。 ○廣瀬課長補佐  健康相談会でございますけれども、平成20年度は5局、具体的には新潟局、静岡局、 愛知局、京都局、兵庫局の5箇所で実施いたしました。複数回やっている所もございま して、全部で8回合計30名の方のご参加をいただいたところでございます。 ○大久保代理人  どうもありがとうございました。5局で延べ8回30名というのは、1年間にやった実 績としてはかなり少ないという印象ですが、これを今年も実施するということは、今後 さらに参加される方の向上が見込まれるというのが前提で、向上させるために何か新た な工夫をするとか、もしくは実施する局を増やすことなどは考えていらっしゃるのでし ょうか。 ○廣瀬課長補佐  今、平成21年度の実施について具体的に検討を進めているところでございます。平 成20年度につきましては、ご指摘のように相談会にご参加いただけた数が少なかった とは思っておりまして、もともと家内労働者のうちの危険有害業務の従事者数が多い所 ということで実施局を選びましたが、結果はこういうことでございましたので、来年度 については、より参加していただける内容にできないかというところで検討を進めてい るところでございます。 ○今田部会長  他に、ございませんでしょうか。以上、本日の三つの議題について説明を受け、ご意 見をいただきましたが、他に何かございますか。 ○佐藤委員  資料として最後に6-2というものが出ていますが、これについて今日は特段の説明は ないということでしょうか。 ○今田部会長  資料6-1「年別家内労働監督指導実施結果」についてということでしょうか。 ○代田短時間・在宅労働課長  正直申し上げますと、当初は予定をしていなかったわけですけれども、時間もありま すので、説明させていただいてよろしいでしょうか。 ○佐藤委員  特段、説明していただかなくても、おおよそわかりますのでよいのですが、私が触れ たかったのは、今日は短時間・在宅労働課の課長ということですから、資料No.6-2の関 係でいきますと、これは労災保険ですから、同じ厚生労働省でも所管が別になると思い ますが、冒頭で審議官からこの部会での目的、家内労働条件の確保ということが家内労 働者にとって大事だということでの審議をしていただきたいということがありましたの で、家内労働者の労災保険の問題で、少し発言させていただきたいと思います。  今、実は都道府県労働局を通じて労災保険の料率の改定が当該家内労働団体事務組合 へ来ているのです。労災保険の料率については、いわゆる基本の労働者の労災保険につ いては、軒並み圧倒的に料率が下がることになっています。それから、いわゆる第2種 特別加入ということでの家内労働も含めて、特別加入についても、下がる部分あるいは 同じ部分とがあるのですが、私の出身の所の関係でいいますと、第2種特別加入料のい わゆる「特10」といわれるところは1,000分の1ほど料率が上がるのです。今の政府の 中でいいますと、緊急経済対策のところで、雇用保険の料率も下げる、それから労災保 険の料率も下げると。これだけ厳しい状況ですから、事業主を含めて、これへの対応を 図るということで政策的にやってきているのだと思います。  ところが、冒頭で審議官も触れられたように家内労働者も、いわば派遣切りと同じよ うな形で仕事がないということが蔓延しているわけです。そういったところに特別加入 という枠ではありますが、何とか労災保険に加入して、自らの仕事上のけがのときに救 済を図ろうとしているにもかかわらず、料率が上がると。全く実態を無視したいわゆる 全体の方向に逆行した動きが出ているということについては、私は非常に怒りを覚えま す。いずれにしても、これについては受け入れ難いと思っています。  皆さまご承知だと思いますが、通常の労働者の労災保険の場合は、労働者が本人負担 はしませんよね。家内労働者の特別加入というのは、資料No.6-2にも出ていますけれど も、ほとんどが、区市町村の一部負担がありながらも、大部分を家内労働者自身が、働 く者自身がほぼ全額負担している状況です。こういう状況というのは、何円かでも保険 料が上がるということは、これを見ていたければわかるように、労災保険の加入者数も、 この間減ってきているわけです。それはやはり、非常に高い料率ですから払いきれない ということで、仕事をしていても特別加入の労災保険をやめざるを得ないという実態も 出てきているわけです。そういったところで、このような掛金の引上げがなされるとい う方向性というのは、全く理解できないのです。  掛金の引上げ自体は認められないと思っているのですが、併せて、この事務連絡が、 各都道府県労働局を通じてきているのが、東京でいいますと3月11日なのです。家内 労働者の特別加入の労災保険の場合は、来年度つまり平成21年度の加入については3 月31日までに平成21年度加入する給付日額の確認をして各都道府県労働局に届けなけ ればならないわけです。そういった中で、3月31日締にもかかわらず、3月11日に各 団体に発送されている。つまり届いているのは3月12日です。先週の木曜日です。こ ういった事務自体も、全く家内労働者の実態を見ていないわけです。つまり、普通の労 災保険であれば一つの事業所で料率を変えて、そこの労働者の金額について事業主負担 割合がこうなるからということでかけて、それでやれば済む話なのです。ところが、家 内労働者の場合は点在しているわけです。それを事務組合なりが苦労して集めて、しか も保険料を一つ一つ手作業で集めるわけです。給料から天引きするわけにはいかないわ けですから。そういった事務をやっているわけです。  つまり、私のところについても、既に1月末から来年度の労災保険について、引き続 き加入しましょう、新規に加入しましょうというニュースも出して2月、そして3月の 頭から「加入した方が良いから加入しましょう。社会保障ですよ」という形で徹底して やっている。そのときにいわゆる掛金を出しているわけですが、それは平成20年度ま での掛金しか出せませんでした。つまり、この掛金が上がるということは、日常的に厚 生労働省のホームページを見ていればわかるのかもしれませんが、3月12日以降にわか ったのです。  私は引上げを認めることもできませんけれども、そういった事務自体が家内労働者の 実態と大きく乖離したところで出てくるというのが非常に問題だと思っています。まさ に今のこの未曾有の経済状況の中で、政府自体が雇用保険にしても労災保険にしてもす べての料率を引下げるということで、いわゆる事業主に対しての政策を打っているわけ です。そういう中で家内労働者の、非常に仕事がないという経済状況がある中で、引上 げるというのはいかがなものかというよりも、そういう点では、非常に家内労働者の労 働条件を確保する上でも、あるいは家内労働者の健康を守る上でも、労災保険の料率の 引上げというのは全く認められないし、ぜひ撤回していただきたいと思っていますので、 政策的にもう一度厚生労働省でも検討していただきたいと思っています。 ○代田短時間・在宅労働課長  佐藤委員が冒頭でおっしゃいましたように、私どもは労災保険を担当しておりません ので、ご意見に対して今、直接お答えすることはできないわけですが、どういう状況に なっているのかということにつきまして、担当の労働基準局に状況を聞いてみたいと思 います。直接的には所管をしていないものですから。申し訳ありません。 ○今田部会長  よろしいでしょうか。 ○佐藤委員  所管をしていないというのは十分承知しながら申し上げているわけですが、冒頭で審 議官からも話があったように、この家内労働部会というのは、家内労働行政の推進をし ていく、つまり家内労働者の労働条件を向上させ、確保して生活の向上を図っていくた めの行政施策を運営するという点にあるのです。そういう点では労災保険の特別加入と いうのは家内労働者に認められているものとしてあるわけです。それは家内労働者の生 活向上と健康増進に大きく役立っている施策ですから、それとここで議論している問題 というのは裏腹、逆行するのは非常にまずいと思いますので。  私の記憶が定かではありませんけれども、この問題は10年前後前にもあったのです。 当時は中央家内労働審議会、中家審といっておりましたけれども、その審議会で問題に なってこの労災保険の料率の引上げについては撤回するという経過も、私の記憶では確 か10年前後前だと思いますが。そういう点では、引上げの問題と、それから事前の関 係諸団体への徹底の問題です。引下がるのであれば、それほど徹底はしないかもしれま せんが、引上がることになれば、それは大きな事態になるわけですから、十分なことが 必要だと思いますし、それが行政施策上、当然だと思いますので、そのことを併せてぜ ひ受け止めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  部会長、ありがとうございました。 ○今田部会長  どうもありがとうございます。皆さまから有意義なご議論をいただきまして、ありが とうございました。以上をもって、本日のすべての議事についての審議が終わりました。 これで本日の部会を終了させていただきます。  本日の議事録の署名委員は佐藤委員と横山委員にお願いします。  どうもご協力ありがとうございました。 照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課家内労働係(内線7879)