09/03/06 平成21年3月6日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時:平成21年3月6日(金) 14:00〜16:00 ○場所:ホテルフロラシオン青山 はごろも(1階) ○出席者: 委 員  青木委員、生方委員、大野委員(部会長)、加藤委員、斉藤委員、 佐々木委員、豊田委員、松田委員、山内委員、鰐渕委員 事務局  國枝基準審査課長、小木課長補佐、工藤課長補佐、江島専門官、中 田専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課     峯戸松係長 1.開会 2.議題  (1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について   ・クロラントラニリプロール(農薬)   ・メタフルミゾン(農薬)   ・ヨウ化メチル(農薬)   ・塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウム(動 物用医薬品)   ・セフォペラゾン(動物用医薬品)   ・パロモマイシン(動物用医薬品)   ・フルニキシン(動物用医薬品)     (2)その他 3.閉会 ○事務局 それでは定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審 議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。  本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろし くお願いいたします。  本日は、尾崎委員、山添委員、吉池委員、吉田委員より御欠席なさる旨、松 田委員より遅れてこられる旨の御連絡をいただいておりますが、部会委員総数 の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告 いたします。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審 議よろしくお願いいたします。 ○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。雨の中、 ちょっと道がわかりにくいところもあったかなと思いますけれども、お集まり いただきまして、ありがとうございます。  初めに、事務局から、配付資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。  まず、1番目「クロラントラニリプロール(農薬)」になります。  資料1−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料1−2「農薬・動物用医薬品部会を報告(案)」。  資料2番目「メタフルミゾン(農薬)」になります。  資料2−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料2−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  3番目「ヨウ化メチル(農薬)」になります。  資料3−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料3−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。   4番目「塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウ ム(動物用医薬品)」になります。  資料4−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料4−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。   5番目「セフォペラゾン(動物用医薬品)」になります。  資料5−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料5−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  資料6「パロモマイシン(動物用医薬品)」になります。  資料6−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結」。  資料6−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  7番目「フルニキシン(動物用医薬品)」です。  資料7−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料7−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  参考資料として、参考資料1「国民平均、幼小児、妊婦、高齢者別の農産物・ 畜産物摂取量」。  参考資料2として「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果 について」です。  資料の過不足等ありましたら、事務局までお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。皆さんそろってお りますか。  それでは、審議に入りたいと思います。  今日は農薬3剤、動物用医薬品4剤について御審議いただくことになりま す。  なお、資料の作成に当たりましては、関係委員の先生方にあらかじめ送付し て、御検討いただいているところでございます。  若干修正したところがございますので、それについては、後で事務局から御 説明してください。  まず、農薬のクロラントラニリプロールについて、事務局から説明をお願い いたします。 ○事務局 農薬の1剤目になりますが、クロラントラニリプロールです。  用途といたしましては、アントラニリックジアミド系の殺虫剤です。  19ページに「これまでの経緯」として記載してありますが、平成20年3 月10日に農薬登録申請がされ、3月25日に厚生労働省から食品安全委員会に 食品健康影響評価について依頼しております。  その後、平成20年7月23日にインポートトレランスによる基準値の設定 要請を受け食品安全委員会へ評価依頼を行い、平成20年10月9日に食品安 全委員長から厚生労働大臣あてに食品健康影響評価の通知を受けております。  本剤の作用機作といたしましては、昆虫の筋肉細胞内のカルシウムチャンネ ルに作用することで筋収縮を起こさせるものと考えられております。  化学名、構造式及び物性につきましては、記載されているとおりです。  2ページから適用病害虫の範囲及び使用方法について記載したおります。  先ほどの経緯をご説明いたしましたが、国内登録分及びインポートトレラン スに基づく海外での使用の分につきまして、「国外で使用される農薬について の残留基準の設定が要請されております。  (1) 国内での使用方法ですが、新規の申請分といたしまして、5%水和剤と 10%の水和剤、それから、1%の粒剤ということで、適用作物、病害虫、使用 方法等を記載してございます。  4ページ「(2) 海外での使用方法(米国)」として、20%の水和剤、35%の 顆粒水和剤ということで、使用方法について記載しております。   作物残留試験につきましては、本体を測定したものを残留試験の結果として 記載しております。  10ページにまいります。  「9.ADI の評価」となります。食品安全委員会から回付されました食品 健康影響評価に関する部分を転記しております。  無毒性量は26.1 mg/kg体重/日であり、マウスの18ヶ月間の発がん性試験 のもので、安全係数を100といたしまして、 ADI 0.26 mg/kg体重/dayとい う結果となっております。  食品安全委員会の評価書の5ページ目にありますように、発がん性、遺伝 毒性については認められておりません。  外国における状況として国際基準は設定されておりません。米国においてあ ぶらな属野菜、オーストラリアにおいてりんご、EU においてぶどう、カナダ においてセロリ等に基準が設定されております。  16ページからが基準値案の一覧表になってございます。  別紙2において「登録の有無」の欄に新規登録、申請があった野菜に「申」 と書いております。また、「IT」とはインポートトレランスの略ということで、 その内容を区別できるようにしております。 米、大豆につきましては、作物残留試験の結果をもちまして、基準値案を0.05 ppm、0.2 ppmと提案させていただいております。 「ばれいしょ」から「その他のきく科野菜」まで、海外の作物残留試験結果 を記載しており、外国の基準値、例えば「ばれいしょ」ですと0.01 ppmとい う値を参照し基準値案としております。 同様にねぎについては、申という文字が入っておりますので、国内の作物残 留試験から2ppmという基準値案としております。 以下、同様に記載しており、パセリからほうれんそうまでがインポートトレ ランスの基準値を採用しております。 畜産物、魚介類についても基準設定を行っております。17ページの表につい ては牛の筋肉から下が畜産物について0.01 ppmと、 魚介類については0.05 ppmと基準値案を置いております。 アメリカの基準値は、畜産物について0.01 ppmとされております。 8ページに戻りますが、畜産物、水産物関係の基準設定を記載しております。   「7. 乳牛における残留試験結果」において、投与試験の結果から、最大飼料 負荷が計算されており、それを基に基準値が設定されております。  表1に「組織中の最大残留」として表にしてあります。その下に米国とカ ナダにおける残留試験から、肉牛で1.51 ppm、乳牛で1.62 ppm と算出され ましたMDB(Maximum Dietary Burden)を基に、米国では陸棲哺乳類の肉及 び乳に対して0.01 ppmの残留基準を設定しております。  水産物につきましては水系を通じた魚介類への残留が想定されます。ここか ら、農林水産省から魚介類に対する個別の残留基準の設定についての要請がさ れております。  これによりまして、本農薬の水産動植物被害予測濃度と、生物濃縮係数から 魚介類の推定残留量を算出し、基準値を設定しております。  まず、PECですけれども、本剤は水田と非水田両方への適用があるという ことで、水田PEC0.19 ppbと非水田PEC0.0044 ppbを比較し、値の大きい 水田PECの 0.19 ppbを採用しました。  (2)のBCF ですけれども、魚介類の濃縮性試験というのは行われておりま せんので、相関式による算出により、48.8と算出されました。記載されてお りますように、推定残留量として水田PEC(0.19 ppb)×BCF(48.8)×不 確実係数(5)=0.04636 ppmというような結果となりましたため、0.05 ppm という基準値案といたしました。  本剤の規制対象はクロラントラニリプロール本体となります。  基準値案に基づきます暴露評価、推定摂取量ですが、18ページの別紙の3 に一覧表として載せてございます。いずれもTMDIでの試算となり、国民平 均では1,130.3 μg/人/日、幼小児では587.3 μg/人/日、妊婦では988.2 μg/ 人/日、高齢者では1,256.8 μg/人/日となります。  対ADI比は国民平均で8.2%、幼小児で14.3%、妊婦で6.8%、高齢者で 8.9%という占有率となっております。  基準値案を答申案としてまとめましたものを、最後に記載しております。  事務局の説明といたしましては、以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。それでは、先生方から御意見を伺い たいと思います。  最初の殺虫剤の用途のところで、昆虫の筋肉細胞内のカルシウムチャンネル に作用してカルシウムイオンを放出させというところにつきましては、細胞内 の小胞体の中にカルシウムを蓄えておりまして、それを放出するためのチャン ネルとしてリアノジン受容体というのがあるんですけれども、それに作用して、 カルシウムを細胞内に放出させて作用を表すものです。  先生方から御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。 ○加藤委員 直接部会の議論には関係ないのですけれども、代謝のところで引 っかかってくる可能性があるので確認しておきたいのですが、評価書の11ペ ージ、動物代謝の方の代謝パスウェーが書いてあります。この中で一番下の行 にアミド結合の開裂のほかに「アミンの加水分解」というのはあります。最後 の評価の結果のところにも、同じことが書いてございまして、35ページの「食 品健康影響評価」の第1パラグラフの最後のところにも、同じように「カル ボン酸の生成、アミド架橋の開裂」まではいいんですけれども「アミンの加水 分解」という、多分間違いだと思います。 ○大野部会長 間違いですね。 ○加藤委員 抄録にも同じことが書いてありました。 ○大野部会長 これは元の資料を確認しないとわからないですね。元の資料と いうのは今、見られますか。 ○事務局 はい。抄録は持ってきています。 ○大野部会長 ちょっと見せてください。これは代謝経路が複雑でどこの部分 をこれで表現しているのか。今すぐ判断できませんので、後で山添先生にも見 ていただいて、どこが間違いなのか確認させていただき、食品安全委員会の方 へ連絡するということでよろしいでしょうか。間違いのところは連絡できます ね。  皆さんよろしければ、そうさせていただきたいと思います。加藤先生、どう もありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。 ○佐々木委員 17ページの、ももの基準ですが、ももの基準はアメリカの1.0 を採用することになっていますので、できれば分析部位について基準値ととも に、何か注を加えるということができれば、その方がよろしいのではないかと 思います。 ○大野部会長 よくわらなかったのですが。 ○佐々木委員 ももの基準値1.0はアメリカの基準を採用しているのですが、 ももの場合の分析部位が、アメリカの場合は皮を含めた丸ごとの値、日本の場 合は果肉で従来は基準値の設定をしていますので、アメリカの値を採用するの であれば、分析部位が、皮を含めた分析部位だというふうに、この農薬に関し ては注を加えることができればより正確ではないかと思います。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。 ○事務局 はい。わかりました。 ○大野部会長 18ページの数値が、送っていただいた資料の数値と、今日い ただいた資料と若干食い違っていますね。あれはどこが違ったのですか。 ○事務局 陸棲哺乳類の肉類、乳類のところ、一番下から2番目、3番目のと ころの基準値案の数字につきまして1桁大きい数字を誤って記載しておりま したので、訂正しております。 ○大野部会長 わかりました。ほかにございますか。  これは渡辺さんか峯戸松さんにお聞きしたいのですけれども、この名前はす ごく読みにくいですね。医薬品の場合には、名称調査会というのがあって、審 議して決めておりますけれども、農薬とか動物薬の場合はどうやって決めてい るのでしょうか。 ○農林水産省渡辺専門官 農薬の一般名というのですけれども、構造の中から 代表的な部分を取って名称を付けています。クロというのは、塩素とかいうこ とを意味するんですが、最終的には各国からいろいろ提案されて各国の意見を 聞いた上で ISO で決定しています。 ○大野部会長 横文字はいいんですけれども、日本語にするときに医薬品の場 合には、クロールアントラニリプロールというふうになると思うんですけども、 クロールと読む場合と、クロランと読む場合は、両方オプションがあるんです。 どうして読みにくい方にしたのかなと思うのです。 ○農林水産省渡辺専門官 英語を日本語に訳す字訳の基準があって、英語のつ づりから訳していって、この農薬の場合は、クロルアントラではなくて、この 場合はクロランとなっています。 ○大野部会長 農薬関係だとその辺はリジットにやってしまうのですかね。医 薬品の場合だと、クロルと読んでもいいし、ランと読んでもいいとなっている のです。どちらで読むかは、名称調査会で決めているわけです。一度決めてし まうとも変えられませんからね。 ○農林水産省渡辺専門官 農薬の場合も、最終的にはこの名前で登録しますの で、一度決めると変えることはできません。 ○大野部会長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますか。  もしなければ、若干コメントで追記していただくところはございますけれど も、それを含めて、答申(案)を認めていただけますでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただき ます。  それでは、次の品目メタフルミゾンについての説明をお願いいたします。 ○事務局 2剤目「メタフルミゾン」になります。  殺虫剤でありまして、こちらも新規の申請がされているものです。  9ページの「これまでの経緯」のところから、御説明させていただきます。  平成18年2月22日に農林水産省から農薬登録申請に係る連絡をいただき ました。  18年2月27日に、厚生労働大臣から食品安全委員会委員長に食品健康影響 評価についての要請を行っております。  平成20年8月29日に食品安全委員会から食品健康影響評価に係る評価結 果の御連絡をいただいているという経緯のものでございます。  戻りまして、1ページ目の作用機作といたしましては、昆虫の神経細胞のナ トリウムチャンネルに作用して、神経系における情報伝達を阻害するといった 作用機作で殺虫効果を示すと考えられているものでございます。  化学名、構造式、物性につきましては記載のとおりとなります。  2ページ「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」につきましては25%懸濁剤 として、キャベツ、はくさいのコナガへの適用について記載しております。  作物残留試験では分析の対象といたしまして、E-異性体、Z -異性体、代謝 物C、代謝物Dというものが測られております。  食品安全委員会の食品健康影響評価の結果ですが、無毒性量は12 mg/kg体 重/dayということで、イヌの強制経口投与1年間の慢性毒性試験の結果から、 安全係数を100とし、ADIが0.12 mg/kg体重/dayという評価結果となってお ります。  諸外国における状況ですけれども、国際基準は設定されておりません。EU において、トマト、キャベツ、レタス、畜産物等に基準値が置かれております。  基準値案として、7ページ目、別紙2に新規登録申請のありました農作物等 を記載してございます。農作物としてははくさい、キャベツでそれぞれ10 ppm、 5 ppmということで、登録申請に対応して作物残留試験の結果から基準値 (案)を設定しております。  規制の対象ですが、4ページに記載したとおり、メタフルミゾンのE-異性 体及びZ -異性体、それと代謝物Dとしております。 作物残留試験では代謝物Cも分析されておりましたが、定量下限未満でした ので規制対象としては含めておりません。 推定摂取量は、TMDIで算出しました結果でございます。別紙3として、国 民平均として408 μg/人/day、幼小児は152.0 μg/人/day。妊婦は333.5 μ g/人/day、高齢者は416.5 μg/人/dayとなりまして、ADI比といたしまして は、国民平均では6.4%、幼小児で8.0%、妊婦で5.0%、高齢者で6.4%とな っております。  基準値(案)を答申案としてまとめましたものを、10ページに記載してお ります。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。それでは、これについて審議をして いただきたいと思います。  この用途、殺虫剤のところですけれども、これはナトリウムチャンネルに作 用して、神経系における情報伝達を阻害することにより殺虫効果を示すと考え られている。これは確認いたしました。代謝のところも、これについては幾つ かの代謝物がありますけれども、そのうちのメタフルミゾンと、E-異性体、Z -異性体、代謝物C、Dについて選ぶというのは問題ないかと思いました。  先ほど鰐渕委員に聞かなければいけなかったのですが、安全性評価のところ では特に問題ございませんか。 ○鰐渕委員 発がん性試験のところで、前がん病変と言われる病変が出ている のですけれども、最終的に腫瘍に至っていないということなので、問題ないと 判断されており、このとおりでいいと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、ほかのところで御意見ござ いますか。 ○斉藤委員 教えていただきたいんですけれども、これはE-異性体と、Z -異 性体とあって、有効成分中の含有量としてはEの方が90%以上と圧倒的に多 いんですが、残留値の方を見るとZの方が逆に多いのですけれども、これは単 純にZの方が残留しやすいととらえていいのでしょうか。それとも土壌中と か、または植物体内中で、EとZの互変異性とかが起きているのか、分析の ときに何かそういうことが起こっているのか。その辺のところを確認させてく ださい。 ○大野部会長 いかがでしょうか。事務局、答えられますか。化学に詳しい先 生方もおられるので、その辺はいかがですか。 ○事務局 食品安全委員会の評価書をごらんください。15ページにワタの代 謝について記載している部分があるのですが、16ページの2段落目「以上の 結果から」から始まる段落になりますけれども、こちらに植物体内におけるメ タフルミゾンの主要代謝経路として、E-異性体から Z -異性体への異性化があ げられております。  また、17ページに水中の光分解試験の結果が載っていますが、こちらでも 光分解で、EからZへ異性化が示唆されているということで、植物体内なり 光分解ということで Z に変わるということが示されております。 ○大野部会長 ありがとうございます。斉藤先生、よろしいですか。  ほかに御意見ございますか。特にございませんか。  それでは、この答申(案)をこの部会の答申としてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただき ます。  次の品目ですけれども、資料3-1「ヨウ化メチル」についての御説明をお願 いいたします。 ○事務局 3剤目のヨウ化メチルです。  殺虫剤(くん蒸剤)ということで書かれておりますけれども、脂肪族ハロゲ ン化物系土壌くん蒸剤でございます。  「これまでの経緯」ですけれども、平成16年11月2日に初回の農薬登録 がされております。非食用ですけれども、木材くん蒸用途ということでござい ます。  平成18年5月17日に農薬登録申請がされ、18年5月23日に食品安全委 員会あてに食品健康影響評価について依頼しております。  20年12月4日に食品安全委員会から厚生労働省へ食品健康影響評価の評価 結果をいただいております。  戻りまして、1ページ目になりますけれども、作用機作は害虫、線虫あるい は病原菌細胞の構成成分である塩基性求核中心と書かれていますが、酵素の活 性中心に反応いたしまして、代謝酵素の方を阻害するという作用機作によるも のと考えられております。  化学名、構造式、物性につきましては記載されているとおりでございます。  2ページ目、適用病害虫の範囲、使用方法ですけれども、メロン、トマト、 くりといった作物のえそ斑点病、ネコブセンチュウ、青枯病、クリシギゾウム シ、クリミガといった適用となります。  作物残留試験においては、分析の対象としてヨウ化メチルとヨウ素について 分析されております。  3ページに「7.ADI の評価」として食品安全委員会の評価結果を記載し ております。  ラットを用いた90日間の亜急性毒性試験の無毒性量からADIが0.005 mg/kg体重/dayと設定されております。  安全係数は短期の試験のために1,000とされております。  外国における状況ですが、国際基準は設定されておりません。米国、オース トラリアで使用されておりますが、残留しないことから残留基準値は設定され ておりません。  7ページ、別紙2ですけれども、基準値案になっております。トマト0.05 ppm、 メロン類果実0.05 ppm、くり0.4 ppmとしております。  作物残留試験の成績は、ヨウ化メチルとしての残留試験結果を左側に記載し ております。  4ページに戻りまして、残留の規制対象はヨウ化メチル本体としております。 作物残留試験において、ヨウ化メチル及びヨウ素の分析が行われておりますが、 ヨウ素につきましては、食品衛生法第11条第3項の規定によりまして、人の 健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして、厚生労働大臣が定 める物質、いわゆる対象外物質として平成17年11月29日付の告示498号に よって指定がされておりますことから、規制対象としてはヨウ化メチル本体の みとしております。  食品安全委員会によって作成されました評価書におきましても、暴露評価の 対象物質をヨウ化メチル(親化合物のみ)と設定した旨の記載がございます。  推定摂取量でございますけれども、8ページ、別紙3になりますが、TMDI の試算を行った結果を記載してございます。  国民平均では1.6 μg/人/day、幼小児は1.5μg/人/day、妊婦は1.3 μg/人 /day、高齢者は1.4 μg/人/dayとなり、ADI 比といたしましては、0.6%、1.9%、 0.5%、0.5%となります。  答申案として取りまとめましたものが、最後の10ページになりますけれど も、トマト0.05 ppm、メロン類果実0.05 ppm、クリ0.5 ppmとなっており ます。  以上でございます。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。これについて御審議をお願い します。青木委員、生方委員、殺虫剤としての御意見ございますか。 ○生方委員 評価書(案)の4ページのところにも、残留の規制体制はヨウ 化メチルのみにする。ヨウ素の方は対象外物質であるからということが書いて あるのも理解はできるんですけれども、3ページの作物残留試験のメロン、ト マトはヨウ素もppmは小さいんですが、くりは100のオーダーに乗っていま す。ワカメは70 ppmぐらい含有しているということで、日本人は非常によく 摂っているものだと聞いておりますけれども、最近は過剰摂取もあると聞いて いるんですが、余り気にする必要はないということと、厚生労働省の基準で対 象外とされているというところもあるので、今回は対象にせず、ヨウ素の計算 にも入れないという考えをされたということでございますね。その辺、確認の 意味でお尋ねできればと思いました。 ○大野部会長 いかがでしょうか。 ○事務局 その理解で結構です。 ○大野部会長 よろしいですか。 ○生方委員 はい。 ○大野部会長 安全性の面から、鰐渕委員いかがでしょうか。何か御意見ござ いますか。 ○鰐渕委員 この評価に関してはこれでいいと思います。ただ、食品安全委員 会の評価書の記載に関して若干気になるのが、普通毒性量はmg/kg体重/day という形で統一していただけたらいいんですけれども、ラットのところで20 ppmとか5 ppmのままになっていて、評価書の41ページの表42に一覧が出 ていて、ラットの部分の無毒性量であったりとか、最小毒性量がppmのまま になっているのが、具体的にラットの体重当たりというのが出ていた方がわか りやすいと思うんですけれども、食品安全委員会の方でのまとめなので、こち らからその辺は統一していただけたらいいのかなと思いました。 ○大野部会長 そうですね。そうしていただかないと、動物によって摂取量が 違いますからね。個別のデータを見ないと換算できませんからね。こうした方 がいいのではないかという示唆ですかね。正式な申し入れということまでは必 要ないのではないかと思います。 ○鰐渕委員 ただ、数値でないのに、どうして一番低いのが無毒性量として、 ラットで5 mg/kg体重/dayと設定できたのかが、どこかで誰かがやられたの だろうと思うのですけれども、ぱっと見てわからないのではないかと思うので す。 ○大野部会長 吸入試験だとすると、実際にどれくらい摂取したか、簡単には 計算できないわけですね。そうなると難しいですね。 ○鰐渕委員 摂取量がわからなかったら評価できないですから、難しいですね。 ○大野部会長 その辺、食品安全委員会の方はどのように換算しているのでし ょうかね。 ○佐々木委員 採用していないのではないですか。 ○大野部会長 採用していないのですけれども、場合によっては吸入の方が実 際の摂取量を厳密に計算したら、少なくても毒性は出てくるという可能性もあ りますね。 ○事務局 この辺の評価について食品安全委員会の農薬専門調査会の議事録 などを見てみたのですけれども、当初は、ウサギなどの吸入暴露の値からもう 少し低いADIでの提案もあったようなのですが、食品健康影響評価というこ とで、最終的には各種経口投与試験の中で、安全係数を換算してADIを試算 した結果で一番低い値を採用したという経過があったようです。 ○鰐渕委員 ということは、吸入のデータは直接採用しなかったということに なるのですね。これは長期の試験がラットでされていないので、その部分で安 全係数をさらに10を加えて1,000にまで持っていっているというところとか、 マウスでも無毒性量が得られていないということで、10を加えて1,000でや っているということを踏まえて、ここまで取っておけば大丈夫というのが今あ りますので、そういうことだろうというふうに考えております。 ○大野部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。 ○加藤委員 くりのくん蒸の件なんですが、厚労省よりも、むしろ農水省の方 に教えていただきたいんですけれども、今回の基準値の基になっているのはヨ ウ化メチルをくん蒸して、くん蒸後30分脱気しての残留濃度だったと思うん ですけれども、これは実際に使われるときの注意書き等々に30分とか1時間 とか、例えば1日置けということになれば0.04とか0.05まで下がるんですけ れども、そういう注意書き等のようなものは、今のところ特別定められていな いということなのでしょうか。 ○農林水産省渡辺専門官 くりに農薬を使用する場合は密閉してくん蒸する のですけれども、くん蒸処理後、ガス抜きをしないと立ち入った人は危険です から、ガス抜きをして、中の空気が完全に入れ替わってから立ち入ると注意事 項に付けております。 ○加藤委員 30分くらいということで、この実験をされていると考えればよ ろしいのでしょうか。 ○農林水産省渡辺専門官 そこの規模とかにもよるのでしょうけれども、そう だと思います。 ○大野部会長 ほかにございますか。  それでは、特にございませんようでしたら、この評価書(案)で、この部会 の答申としてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  次に、動物用医薬品の「塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及 び酢酸ナトリウムを有効成分とする牛の注射剤(酢酸リンゲル−V注射液)並 びに塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウム」に ついて、御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは御説明させていただきます。資料4−1が評価書で、資料 4−2が部会報告(案)になります。 品目名は「塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリ ウム」で、商品名として酢酸リンゲルVになります。  用途は牛の細胞外液の補給及びアシドーシスの補正になります。  本剤は塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウム を主剤とする牛の輸液剤になります。  今般の残留基準の検討は、本剤が動物用医薬品として、製造販売の承認申請 がなされたことに伴い、内閣府食品安全委員会において食品健康影響評価がな されたことによるものです。  (3)に有効成分、(4)に用法及び用量が記載されております。  「(5)諸外国における使用状況」ですが、諸外国においては承認されており ません。ただ、類似した組成の輸液剤が動物用医薬品として、我が国を始め諸 外国において使用されております。  また、我が国において本剤と同一組成の輸液剤が、ヒト用医薬品として承認 されております。  1ページの最後から「2.安全性試験結果」について記載しておりますが、 安全性試験において、血液学的、血液生化学的検査数値の変動が見られており ますけれども、特に悪影響と判断されるものではありません。  臨床試験の成績については記載されたとおりです。  「3.許容一日摂取量(ADI)評価」ですが、本製剤と同じ組成の酢酸リン ゲル液がヒトの医薬品として使用されており、本製剤の主剤である塩化ナトリ ウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウムはいずれも食品ある いは食品添加物として指定されたものであり、安全性が確認されている。  また、主材に含まれるナトリウム、カリウム、カルシウム塩及び塩素はヒト の生体内にイオン状態で存在するもので、酢酸は生体内で速やかに代謝される ものである。牛に対する投与試験及び臨床試験においても安全性は確認されて いる。  以上より、本製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの 健康に影響を与える可能性は無視できると考えられるという食品安全委員会 の評価がなされております。  3ページに「4.残留基準の設定」ということで記載しております。食品安 全委員会における評価結果を踏まえ、残留基準を設定しないこととしたいと考 えております。  なお、本剤に含まれている塩素、カリウム及びカルシウムは食品衛生法第 11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかなもの であるとして、厚生労働大臣が定める物質として指定されております。すなわ ち対象外物質となっております。  5ページに答申(案)ということで、示させていただいておりますが、塩化 ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウムについては、 食品規格を設定しないことが適当であるという答申(案)としたいと考えてお ります。  御審議のほど、お願いいたします。 ○大野部会長 いかがでしょうか。コメントの出しようがないかと思いますが、 特に文章上の間違いもないですね。 ○松田委員 人の健康を損なうおそれのないものとして、塩素として書いてあ るのでしょうか。 ○事務局 「塩素」として対象外物質のリストに入っております。 ○松田委員 「塩素」と書かれると、塩素ガスという感じがしますね。 ○事務局 確かに平成17年ころのポジティブリスト制度を定める際に、対象 外物質についてもいろいろ審議がなされており、農薬等として使われている実 績があるのか審議されており、その中で塩素ということで定められております。 ○松田委員 先ほどのヨウ素はヨウ素なのですね。 ○事務局 そうです。 ○基準審査課長 対象外物質について、御質問があったのですが、ヨウ素等に ついては、まだ食品安全委員会の方に御評価いただいておりません。御評価い ただいた後、そのまま対象外物質とするということであれば、特に見直しはし ませんけれども、これは残留基準値を設けなければいけないということになれ ば、先ほどのヨウ化メチルもそうですけれども、もう一度該当するようなもの は見直しをするということも必要になってくると思います。 ○大野部会長 特に塩素が安全だとか、そういうことを書いていないですね。 ナトリウムも安全だとも書いていないから、イオンの状態で存在しているもの だと書いてあるので、文章上はいいのではないかと思います。 ○松田委員 塩素が含まれているということとは違うと思います。 ○大野部会長 原子としての塩素ですね。よろしいでしょうか。  それでは、全体としてこの部会の答申としていただいてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  次の品目ですけれども、動物用医薬品のセフォペラゾンについて、説明をお 願いいたします。 ○事務局 資料5-1が食品健康影響評価結果、資料5-2が、セフォペラゾンの 部会報告(案)になります。  品目名ですけれども、セフォペラゾンになります。  用途は、乳牛における臨床型乳房炎の治療です。  セフォペラゾンはβ-ラクタム系抗生物質になります。乳房炎の治療という ことで、乳房内に投与されます。  我が国では、動物用医薬品としての承認はなされていませんが、EU諸国で 承認されております。また、ヒト用医薬品としては我が国においても承認され ております。  今般の残留基準の設定については、厚生労働大臣よりセフォペラゾンについ て食品中の残留基準の設定に係る意見聴取がなされたことに伴い、内閣府食品 安全委員会においてセフォペラゾンについてADI設定がなされたことによる ものです。  2ページの上に表がありまして、適用方法及び用量が記載されております。  泌乳牛に対して乳房内に投与されるということです。  「2.分布、代謝」の試験成績が書かれております。  マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル及びヒトに非経口的に投与した際の、 血漿中半減期は8〜120分となっております。  各組織及び臓器に分布したセフォペラゾンは、腸の内容物と尿を除き1日 以内に急速に排泄されるということです。  ラットに50 mg/kg体重の用量で経口投与した際の、バイオアベイラビリテ ィーは低いことが確認されております。  3ページの一番上に、セフォペラゾンはマウス、ラット、ウサギ、イヌ、サ ル及びヒトではほとんど代謝されず、マウス、ラット、ウサギ、イヌ及びサル の尿中には親化合物以外の抗菌成分は認められないとされております。  中ほどに「3.対象動物における残留試験結果」ということで、分析の対象 がセフォペラゾンとなっております。  組織における残留試験成績の(1)ということで、乳房内に投与したときのセフ ォペラゾン濃度として、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、乳房の値が記載されており ます。大体3日程度で、定量限界になっております。  4ページ、ウシにセフォペラゾンとして1乳房当たり250 mgを単回乳房内 投与した残留試験成績が(2)に書かれております。0.5日、1日、1.5日、2日 ということで、乳中の濃度を測定しておりますけれども、大体3日〜3.5日の 辺りで定量限界の値になっております。  4ページの中ほどに「4. 許容一日摂取量(ADI)評価」が記載されており ます。  食品安全委員会での評価結果において、VICHの算出式に基づいて微生物学 的ADIが0.0013 mg/kg体重/日と算出されております。  毒性学的ADIについては0.075 mg/kg体重/日となっており、微生物学的 ADIのほうが低いということで、セフォペラゾンのADIとして、0.0013 mg/kg 体重/日と設定されております。  諸外国における使用状況等ですが、EUで牛に使用が認められております。  なお、JECFA においては、評価がなされておりません。  規制対象物質としてはセフォペラゾンとしたいと考えております。  基準値案について、別紙1ということで、7ページに記載されております。 乳については、EUの基準値をそのまま、現行の基準値になっておりますけれ ども、今回の基準値案もこの0.05 ppmということで変更しないとしたいと考 えております。  「休薬期間の設定国及び地域」といたしまして、イタリアにおいて1.5日と 設定されており、残留試験成績は基準値よりも高い値が出ておりますけれども、 EUでも0.05 ppmという値で管理できているということからあえて緩い基準 を置く必要もないと思いますので、基準値については0.05 ppmのままにした いと考えております。  また、肉、脂肪、肝臓、腎臓については基準値を設定いたしませんので、本 剤につきましては抗菌性物質ですので、一律基準ではなく含有指してはならな いという規定が適用されます。EUにも基準値はありませんので、特段の基準 値を設ける必要はないと考えております。  8ページに「セフォペラゾンの推定摂取量」として、ADI比を掲載しており ます。  国民平均で10.3%、幼小児で少し高いですけれども48%となっております。  最後の10ページに答申案をお示しいたしましたが、セフォペラゾンとして、 乳に残留基準値0.05 ppmとしたいと考えております。  御審議のほど、お願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。では、御審議いただきたいと 思います。  この用途の件ですけれども、この辺について、生方委員、青木委員、何かコ メントございませんでしょうか。 ○生方委員 これはダイレクトに乳房に接種するんですね。 ○大野部会長 そうですね。 ○生方委員 注射されるわけですね。日本では非常にポピュラーに使われてい る抗生物質なので、ほとんど問題はないと思いますし、残留基準値もこれで妥 当だと思うんですが、読んでよくわからなかったのですが、休薬期間は設定さ れないのでしょうか。 ○事務局 休薬期間については、2ページの「適用方法及び用量」のところに 記載がありまして、イタリアで乳については1.5日、フランスでは3日という 値があります。  肉については、確かに適用なしという国もありますが、基本的には泌乳牛に 投与されるということで、肉牛ではないので、わざわざ休薬期間を設ける必要 はないだろう。すなわち、乳房に注入されてすぐに出荷されてと畜場に持って いかれることはないだろうということで、規定はされていないと思います。 ○生方委員 わかりました。 ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、2ページ目の「分布、代謝」 のところで、2行目で8〜120分と血漿中半減期が書いてあるんですけれども、 いろんな動物によって違うので、こんなに大きな差があるのであれば、大体マ ウスではどのくらい、ラットではどのくらいというのがわかるように書かれて いると、理解しやすいなと思ったのですけれども、食品安全委員会の報告もそ うなっているのです。書き直しもできないと思ったのですけれども、8分とか、 120分とか、120分もそんなに長いというわけでもないですけれども、どの動 物で、どのくらいかというデータはわかりますか。 ○事務局 海外の評価書にもこのような形で書かれているので、細かいデータ はありません。それから先ほどの回答の訂正なのですけれども、肉について出 荷されないのではなくて、フランスについては肉として出荷が禁止されている ということだそうです。 ○大野部会長 ありがとうございました。半減期が最長の2時間ということ でも、安全評価上それほど問題になるものでもないので、よろしいかと思いま す。  2ページ目の一番下のところで違和感があって「約9%が胆管を通って、2% が尿管を通って排出され」と書いてあるんですけれども、これは間違いではな いんですが、普通こういうふうに書かなくて、「9%が胆汁中に、2%が尿中に 排出され」、と書く方が一般的なので、そういうふうに修正していただけます か。 ○事務局 そうであれば、「約9%が胆汁中に、2%が尿中に排泄される」とい う感じで修正をしたいと思います。 ○斉藤委員 数字が合わない。 ○大野部会長 それは吸収されない分が非常に大きいんです。バイオアベイラ ビリティーが10%というのはそのままパラグラフの一番下に書いてあります けれども、経口投与の場合は吸収されないものがかなりの部分で、単純に計算 してしまうと90%弱が吸収されないでそのまま糞中にいってしまいます。  残留物については、親化合物のセフォペラゾンがメジャーであり代謝物は少 ないということで、食品安全委員会の報告からは読み取れますので、細かい代 謝物がどれぐらいあるかというデータはないんですが、妥当かなと思いました。  安全性の面から、鰐渕委員、いかがでしょうか。 ○鰐渕委員 試験がそれほどされてはいないんですけれども、基本的に一番重 要なのが微生物学的なADIが非常に低い値であるというところがありまして、 イヌで75 mg/kg体重/日というのに対して、安全係数1,000まで持っていって も、それよりもっと低い微生物学的な ADI をもって設定しているということ がありますので、十分安全性は担保されていると思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、ほかの先生方から御意見、御質問、今までの点も含めてありまし たらお願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。  それでは、文章表現のところを若干修正していただきましたけれども、それ も含めた形での、セフォペラゾンの案を、この部会の報告書とさせていただい てよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただき ます。  それでは、次のパロモマイシンについての御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは御説明させていただきます。  資料6-1が食品安全委員会における食品健康影響評価結果になります。資 料6-2が、パロモマイシンの部会報告案になります。部会報告案にしたがっ て説明をさせていただきます。  品目名はパロモマイシンです。  用途は牛、豚、鶏等の細菌性疾病の治療になります。  パロモマイシンはアミノグリコシド系抗生物質になります。  動物用医薬品として我が国では承認されていませんが、EU諸国で牛、豚、 鶏等に大腸菌症やサルモネラ症等の細菌性疾病の治療薬として承認されてお ります。また、海外ではヒト用医薬品として承認されております。  2ページに「適用方法及び用量」が書かれております。  対象動物として「牛、豚、家きん、ウサギ(ただし泌乳牛、産卵鶏を除く)」 とされており、あとは用法・用量ということで10〜50 mg/kg体重/日を3〜5 日間連続して飼料添加、もしくは飲水投与となっておりますが、休薬期間は明 確に書かれておりません。  動物ごとの用法・用量もきちんと決まっているわけではありません。  その下に「2.対象動物における投与試験」がなされておりますけれども、 ウシについて硫酸パロモマイシン50 mg/kg体重を経口投与したところ、投与 24時間後までの血漿中濃度では、日齢が若いほど吸収率が高く、生後1時間 の牛では24%が吸収され、30日齢の牛では1%であった。最高血漿中濃度は 日齢にかかわらず2〜6時間であったとされております。  ブタにおける投与試験ですけれども、ブタ26頭に硫酸パロモマイシン1000、 2000 mg/kgの濃度で飼料添加ということで、用法、用量から考えるとかなり 高い値が投与されております。  1,000 mg/kg飼料添加群は、検出限界未満、1,000 mg/kg飲水投与群及び 2,000 mg/kg飼料添加投与群は、検出限界値をわずかに上回る程度が検出され たとありますが、いつの時点なのかがわかりません。  「ニワトリにおける投与試験」ですけれども、硫酸パロモマイシンをパロモ マイシンとして43 mg/kg体重を経口投与したところ、生後1日の投与におい て投与後24時間まで検出可能であったが、それ以降の日齢の鶏に投与した場 合は投与後6時間まで検出可能であったという結果となっております。  ウサギにおける投与試験ですけれども、硫酸パロモマイシン80 mg /日とい うことで、ここは80 mg/日ということで体重換算はなされておりません。こ の値で投与したところ最終投与後48時間に血清中にパロモマイシンが検出さ れたのは1日のみで濃度は検出限界付近であった。投与量の80%以上が糞中 に排泄されたという投与試験の結果になっております。  「3.対象動物における残留試験結果」となっておりまして、3ページに各 種試験成績が掲載されております。  「組織における残留」ということで牛と豚、(1)がウシで(2)がブタですけれど も、筋肉内投与となっております。  (3)としてニワトリに硫酸パロモマイシン280 mg/kg飼料/日を5日間連続し て飼料添加し、その試験成績では、筋肉及び肝臓ではいずれの時点においても 検出限界未満であった。100 ppb、0.1 ppm 未満であった。  皮膚及び脂肪では、投与0日に、1400 ppb であり、7日に500 ppb とな り、14日には検出限界未満であった。  腎臓では投与後0日に2600 ppb であったが、4日に検出限界未満となった。  (4)として、ウサギに硫酸パロモマイシン80 mg /日を7日間連続して経口投 与し、投与後に2、4時間及び7日の筋肉、肝臓及び腎臓のパロモマイシン濃 度を測定したところ、筋肉及び肝臓では投与後2時間に検出限界未満であった。  腎臓では、投与後2日以内に検出限界未満となったとなっております。  これらの結果があるものの、データとしては不足しているところです。  「4.許容一日摂取量(ADI)評価」ということで、食品安全委員会の評 価結果が記載しております。  微生物学的ADIが0.025 mg/kg体重/日、毒性学的 ADI は0.034 mg/kg 体重/日ということから、微生物学的データから導かれた値がより小さいとい うことで、パロモマイシンの残留基準を設定するに際してのADIとしては 0.025 mg/kg体重/日と設定することが適当であると考えられるという評価結 果になっております。  「5.諸外国における使用状況等」ですけれども、EUで牛、豚、家きん、 ウサギに使用が認められております。  JECFA においては評価されておりません。  規制対象物質としてはパロモマイシンとしたいと考えております。  ただし、残留基準の設定根拠となるデータが乏しいということ。また使用方 法、休薬期間等の情報も乏しいということから、6ページの別紙のとおり、現 在ある基準値を削除するということにしたいと考えております。この場合一律 基準ではなく含有してはならないという規定が適用されます。  答申(案)ですけれども、8ページに「パロモマイシンについては、食品中 の残留基準を設定しないことが妥当である」としたいと考えております。  御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。基準値案を設定しないという ことでございますけれども、それについて御意見を伺いたいと思います。  まず用途のところで、抗生物質の作用が記載されておりますけれども、これ について生方委員、青木委員、何がコメントございますか。 ○青木委員 特にございません。 ○生方委員 特にはないです。 ○大野部会長 ありがとうございます。特にパロモマイシンを測定するという ことでもないので、それについてどうこうというのは必要ないかと思いますけ れども、これはほとんど分解されないで、経口の場合ですが、未変化体のまま 外に出ると食品安全委員会の方では評価されておりますので、規制対象として はパロモマイシンでよろしいかと思います。  安全性評価の方で鰐渕委員、何かございますか。 ○鰐渕委員 データが乏しいですし、特に結構です。 ○大野部会長 今まで微生物学的作用に基づいてADIを設定するというと きの文書のときに、動物実験から求められたADIはこの値であって、一方、 微生物学的影響に基づいて決められたADIはこれこれです。そのうち低い方 はこちらだからこっちを採用するという表現になっていますけれども、今回は 微生物学的なところしか書いていないです。毒性実験での結果は、食品安全委 員会の方の8ページに、書いてありますけれども、それを入れなかったという 理由は何かあるのですか。 ○事務局 誠に申し訳ありません。確かに欠けておりましたので、追記をさせ ていただきたいと思います。確かに毒性学的 ADIは0.034 mg/kg体重/日と いう形で、食品安全委員会の評価書にも書かれておりますので、入れたいと思 います。 ○大野部会長 鰐渕委員、よろしいですか。 ○鰐渕委員 はい。 ○大野部会長 それでは、その追記をお願いいたします。 ○生方委員 2ページのブタにおける投与試験の文章は非常に理解しにくい んですが、飼料/kgあたりにこの量を混ぜたというふうには記載できないので しょうか。表記方法がここだけ違っています。2ページの真ん中「豚26頭に 硫酸パロモマイシン1,000、2,000 mg/ kg」と書いてあるところなのですけれ ども、検出限界が0.2 μg/mL 未満と記載されているところを見ると、ブタの 体重kg当たりこれを投与したというふうには受け取れないんです。 ○事務局 私の説明がまずかったみたいで、確かにこれは餌に入れている量で す。誤解があったみたいですので訂正させていただきたいと思います。 ○大野部会長 この表記のところで1,000、2,000 mg/kgというところ、その 後ろに餌と入れればよろしいですか。それを入れれば誤解しないです。その修 正をお願いいたします。 ○豊田委員 私は専門ではないので、わからないところがあるので教えてほし いんですが、微生物学的評価ですか。この評価の数式が出ておりますが、結腸 内容物150と書いてございます。先ほどのセフォペラゾンの場合は、220と いう数字が入っているんですが、ここら辺はどういうふうに上がっているのか わかったら教えてほしいのです。 ○事務局 先ほどの物質については、VICHの換算式でやっておりまして、本 物質についてはCVMPの算出式に基づいてやったということで、そういう点 から違っております。 ○大野部会長 どちらが新しいのですか。 ○事務局 国際的な動向からいけばVICHの方が、より実態を反映している のかもしれませんが、この物質のCVMPの値を変える必要もないだろうとい う食品安全委員会の評価結果ということと理解していいのかなと考えており ます。 ○大野部会長 VICHというのは、そんなに古くないと思いますので、VICH でこういうふうにやろうと決まったら、それ以降はその式で計算した方がよろ しいのではないかと思いますが、いかがですか。 ○基準審査課長 VICHの場合には、糞便の量だけではなくて、腸内細菌叢に 存在する、様々な菌について問題となる抗菌性物質をチャレンジさせて、それ のMICを求めて計算式に当てはめる形となっておりますので、一部だけを取 り込んで対応するというのはできません。このため、過去にやっているものを 改めて求めるという形式にはしていません。  抗菌性物質の中には、微生物学的なMICが余り取られていないものがござ いまして、食品安全委員会の方では、現在不十分なものについて、VICHのガ イドラインにのっとった形で、調査事業を行っていると聞いています。今回は たまたまCVMPのがあったので、それを使ったのではないかと思います。 ○大野部会長 そうすると、VICHの数式の一部だけを取ってきてやると、数 式の根拠となったどういうものについて検査をするとか、そういうところにつ いて矛盾が出てきてしまう。だから、この場ではCVMPで統一的に試験その ものもやられているので、それに基づいて数式もやった方がいいということで すね。 ○基準審査課長 はい。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。  ほかに御意見、御質問ございますか。  それではこの物質については、食品中の残留基準を設定しないことが妥当で あるということですけれども、最終的な結論も含めて、幾つか追記をするか修 正がございましたけれども、それも含めた上で、このパロモマイシンの報告を この部会の報告としてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 どうもありがとうございます。  それでは、次の品目ですけれども、フルニキシンについての御説明をお願い いたします。 ○事務局 それでは説明させていただきます。  資料7-1が、食品安全委員会における食品健康影響評価結果です。資料7- 2が部会報告(案)になります。部会報告(案)に沿って説明させていただき たいと思います。  品目名はフルニキシンになります。  用途は「牛、豚の細菌性肺炎における解熱及び消炎、馬における運動器疾患 に伴う炎症及び疼痛の緩和、疝痛時の鎮痛」となっております。  フルニキシンは、非ステロイド性抗炎症薬になります。  2ページに「適用法及び用量」が記載されております。  今般の残留基準の設定における薬事・食品衛生審議会の諮問については、農 林水産省より薬事法に基づくフルニキシンメグルミンを有効成分とする注射 剤の使用基準の改正に係る意見聴取がなされたことによるものであり、該当部 分に網かけをしたということで、豚の一番上のところで、日本の休薬期間が 28日から21日に短縮されております。  3ページに「対象動物における分布、代謝」の試験の成績が書かれておりま す。  まず「(1)ウシにおける分布、代謝」ということで、泌乳牛及び去勢雄牛 に14C標識フルニキシン2.2 mg/kg体重/日を2日間連続して静脈内投与した ところ、24時間後に最も高い放射活性を示したのは胆汁で、次いで肝臓、腎 臓に比較的高い活性が認められたということです。  72時間以降は、肝臓、腎臓、胆汁及び血液中にごく微量の放射活性が認め られた以外、他の器官・組織に放射活性は認められませんでした。  泌乳牛に、14C標識フルニキシン2.2 mg/kg体重/日を3日間連続して静脈内 投与し、最終投与から0.5日及び1.5日後の最初搾乳の乳中におけるフルニキ シン及び代謝物の放射活性を調べたところ、0.5日後において代謝物である5 −ヒドロキシフルニキシンが46%、フルニキシンが18%、1.5日後において はそれぞれ22%、22%であったとなっています。 なお、EU及び米国においては比較的残留量が多い5-ヒドロキシフルニキシ ンをマーカー残留物としてそれぞれ0.04 ppm 及び0.002 ppm を基準値とし て設定しております。  「(2)ブタにおける分布、代謝」ということで、10週齢の子豚に、14C 標 識フルニキシン2.4 mg/kg体重/日を3日間連続して筋肉内投与したところ、 最終投与後、4日以降、注射部位筋肉、皮膚(脂肪を含む)及び脂肪における 放射活性は急速に減少し、最終投与後13日では肝臓、注射部位皮膚及び腎臓 の順で高濃度に検出されました。  器官及び組織中に検出された総放射活性の内、大半がフルニキシンとして存 在したとなっております。  4ページ「ウマにおける分布、代謝」として、ウマにフルニキシン1mg/kg 体重を静脈内投与した結果、12時間以降の測定において検出されたフルニキ シンは痕跡程度であったとなっております。  「3.対象動物における残留試験結果」ということで、分析対象化合物をフ ルニキシン。乳については、5-ヒドロキシフルニキシンとしております。  「組織における残留」ということで、4ページの下に試験成績が出ておりま す。  (1)として牛にフルニキシンとして常用量及び2倍量を3日間連続して静脈 内投与した結果が、5ページの上のところに表が出ております。大体7日で定 量限界となっております。  (2)として泌乳牛にフルニキシンとして常用量及び2倍量を3日間連続して 静脈内投与した成績が5ページの下の表となっております。  常用量では24時間で大体定量限界となっております。  (3)泌乳牛に14Cフルニキシンとして2.2 mg/kg体重/日を3日間連続して静 脈内投与した場合の成績が、6ページの表となっております。  (4)ブタにフルニキシンとして常用量及び2倍量を3日間連続して筋肉内投 与した結果が、7ページに表となって出ております。大体14日で腎臓を除い て定量限界以下となっております。  (5)ブタにフルニキシンとして2.2 mg/kg体重/日を3日間連続して筋肉内投 与した成績が、8ページの表となって書かれております。  8ページの中ほどに使用基準の改正として、今回の使用禁止期間の短縮に伴 って新たに行われた残留試験成績が(6)として書かれております。  表に試験成績が書かれておりますけれども、大体7〜14日で定量限界以下 となっております。  このため、休薬期間を短縮することによってもほとんど問題とならないと考 えております。  (7)にブタ、(8)にウマ、(9)もウマの試験成績が書かれております。   10ページ「4.許容一日摂取量(ADI)評価」ということで、食品安全 委員会におけるADI として、フルニキシンとして0.0098 mg/kg体重/日と なっております。  「5.諸外国における使用状況」ということで米国、 EU 、豪州、カナダ において、牛、豚等に使用が認められております。  JECFAにおいては評価されておりません。  10ページの下に「6.基準値案」が掲載されております。  残留の規制対象として、前回の部会で審議をしていただいた際に、乳につい ては代謝物が残っているのではないかという御指摘がありましたので、乳にお いては5-ヒドロキフルニキシンのみとして、それ以外の食品については、フ ルニキシンのみを規制対象としたいと考えております。  分布代謝及び残留試験において、フルニキシン及び5-ヒドロキシフルニキ シンの分析が行われており、乳についてはフルニキシンと比較して同程度以上 5-ヒドロキシフルニキシンの残留が認められており、EU及び米国において も乳のマーカー残留物として5-ヒドロキシフルニキシンが設定されているこ とから、乳の規制対象として5-ヒドロキシフルニキシンとすることといたし ました。  なお、乳における日本の休薬期間60時間(2.5日間)は5-ヒドロキシフル ニキシンの残留成績を元に設定されております。  基準値案ですけれども、11ページに別紙1ということで記載をしておりま す。  基準値案、基準値現行、数値としては変更はしておりませんが、乳について は5-ヒドロキシフルニキシンとしての値としたいと考えております。  残留試験成績で「休薬期間の設定国及び地域」ということで、0日フランス というのがあって、残留試験成績で、0.05 ppmという値があり基準値案を超 えていますけれども、EUでも0.04 ppmという値で管理されておりますので、 あえて緩い基準を設ける必要もないと思いますので、0.04 ppmとしたいと考 えております。  別紙2にADIの占有率を記載をしております。国民平均として2.6%。幼 小児として8.1%などの値が出ております。  この中で注として乳については、5-ヒドロキシフルニキシンの基準値に換 算係数0.95を乗じてフルニキシンに換算した基準値を用いて計算しておりま す。  16ページに答申(案)ということで、乳残留基準値0.04 ppmとしたいと 考えております。御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございました。これは以前に審議したことがござい ますので、細かいところはいいとして、全体として御意見を伺いたいと思いま す。  ただいまの説明についての御質問、御意見ございますか。  乳の中に5−ヒドロキシフルニキシンがかなり多い。文章上では46%あっ て、フルニキシンが18%ということでございます。データで見ても、それが 確認できます。場合によっては両方を合わせて基準値にした方がいいのではな いかという考え方もあるかと思いますが、5-ヒドロキシフルニキシンが一番 多くて、それを追跡することによって残留状況が把握できるだろうということ と、EUとアメリカにおいては、5-ヒドロキシフルニキシンが測定対象物質 として設定されています。それで、5-ヒドロキシフルニキシンのみでいいの ではないか、ということです。ADI比で見てみると、先ほど御説明がありま したように、幼小児でも8.1%であるということです。フルニキシンは5-ヒド ロキシフルニキシンと比べるともっと低い残留値になりますので、それが加わ ったとしても大勢に影響はないということで、これでよろしいのではないかと 私は思いましたけれども、ほかの先生方の御意見はいかがでしょうか。  よろしいですか。佐々木委員の方から何か意見があるのではないかと思いま すが、よろしいですか。 ○佐々木委員 特にありません。 ○大野部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○豊田委員 教えてほしいのですけれども、国外のフルニキシンの規制のとこ ろ、12ページで米国で0.002 ppmという非常に低い値が設定されているので すけれども、これはどうしてかということを教えてください。 ○事務局 これは休薬期間の違いで、アメリカは1.5日に対して、フランスが 0日ということから、こういう差が生じております。 ○大野部会長 そういう説明でよろしいですか。 ○豊田委員 今の説明だと、まだわからないです。 ○事務局 休薬期間が1.5日と0日という違いがあることで、その結果として 残留基準値が違うということなのです。 ○大野部会長 フランスでも0.05 ppmというデータがありますから、0.03 ppmというデータもあるし、0.002 ppmにしてしまうと、オーバーしてしま うという可能性はありますね。 ○基準審査課長 豊田先生、これはどういう意味で御質問されたのでしょうか。 ○豊田委員 要するに休薬期間のずれがあって、日にちが経てばすごく減るか ら、非常に低く設定してある。要するに条件が違うのだということでよろしい ですね。 ○基準審査課長 2ページの真ん中に泌乳牛がありまして、今、話がありまし たように、泌乳牛の米国については1.5日ありますけれども、英国とかフラン スなどでは、0日とか0.5日です。6ページのところに泌乳牛のフルニキシン と5-ヒドロキシフルニキシンの表がありますけれども、先ほど部会長の方か ら話がありましたように、5-ヒドロキシフルニキシンの方が早く上がってく るものですから、それをマーカーにしたもので、ヨーロッパの方の休薬期間が 短かったものですから、それに引きずられたということです。 ○豊田委員 わかりました。 ○大野部会長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問ございますか。 よろしいですか。  それでは、このフルニキシンの答申(案)をこの部会の報告としてよろしい でしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  一応今日の審議品目は全て審議していただいたということになりますけれ ども、事務局から今後の手続について御説明をお願いいたします。 ○事務局 本日御審議いただきました農薬3剤及び動物用医薬品4剤につき ましては、食品安全委員会からの通知を受けていることから、一部修正があり ましたけれども、本案をもって部会報告書とさせていただきたいと思います。  なお、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、 農薬クロラントラニリプロール、メタフルミゾン及びヨウ化メチル並びに動物 用医薬品セフォペラゾン、パロモマイシン、フルニキシンにつきましては、パ ブリックコメント、WTO通報の手続を進める予定としております。 ○大野部会長 ありがとうございました。最初の品目で、クロラントラニリプ ロールについて、食品安全委員会の報告書に疑問点がございましたけれども、 その部分についての資料を山添先生と私に送っていただけますか。確認した上 で修正した方がいいところがあれば、こちらから食品安全委員会に指摘させて いただくということでよろしいですか。 ○事務局 はい。 ○大野部会長 ほかに何かございますか。事務局からございますか。 ○事務局 次回の本部会の開催日程については、4月14日火曜日の午後を予 定しておりますが、後日委員の日程につきましては、御確認させていただきた いと存じます。詳細につきましては、追って御連絡を差し上げたいと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。そのほか何かございますか。議事はも うよろしいですか。 ○事務局 ほかに議事はございません。 ○大野部会長 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただ きたいと思います。  どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線4281、2489)