09/02/06 第2回職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会議事録 第2回職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会 1 開催日時及び場所   開催日時:平成21年2月6日(金) 午後6時から午後8時まで   開催場所:経済産業省別館第1031会議室 2 出席者   医学専門家:岡崎祐士、黒木宣夫、夏目誠、山崎喜比古   厚生労働省:新宅補償課長、絹谷職業病認定対策室長、山口職業病認定対 策室長補佐、宮村中央職業病認定調査官、横田職業病認定業 務第一係長 他 ○山口職業病認定対策室長補佐   それでは定刻になりましたので、ただいまから第2回「職場における心理 的負荷評価表の見直し等に関する検討会」を開催いたします。先生方におか れましては御多忙中のところ、御出席いただきまして誠にありがとうござい ます。本日付で、働くもののいのちと健康を守る全国センターから各先生方 宛要請文書が提出されており、座長のお許しを得ましてお手元にお配りして おります。では、会議に移らせていただきたいと思います。それでは座長の 岡崎先生、よろしくお願いいたします。 ○岡崎座長   それでは第2回の検討会を開かせていただきたいと思います。前回いろい ろ詳しく御検討いただきましてありがとうございました。最初に本日お手元 にある資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。 ○横田職業病認定業務第一係長   それでは資料の御説明をさせていただきます。まず、検討会の議事次第の4 の提出資料というところに資料の項目が並んでおりますので、それに沿って 御確認いただければと思います。資料1-1として心理的負荷評価表に係る業 務上の出来事の追加・修正(たたき台)という資料、続いて資料1-2の検討 対象項目(案)という資料でございます。資料2としまして、心理的負荷の 強度を修正する視点の見直し(たたき台)という資料、資料3としまして、 出来事に伴う変化等を検討する視点の見直し(たたき台)、資料4としまして、 職場以外の心理的負荷評価表の見直し(たたき台)という資料になってござ います。資料の欠落等ございましたらお申し出ください。よろしくお願いい たします。 ○岡崎座長  ございますでしょうか。よろしいですね。前回検討会で心理的負荷評価表 の見直し等に係る論点につきましては、各位の先生方に御検討いただきまし て、その後、検討いただいた御意見を基に事務局の方で見直しの案を作って いただいて、お手元にあるわけでございますが、最初に事務局に前回の検討 会における議論や経緯等を御説明いただいて、その後で提出されている資料 の内容についての説明をいただくということにしましょうか。 ○山口職業病認定対策室長補佐  それでは事務局から前回検討会の検討経緯等につきまして、まず御説明を させていただきます。この検討経緯について御説明させていただく前に、ス トレス調査に関する医学文献につきまして御報告をさせていただきます。前 回検討会で御説明させていただいたとおり、検討会の後、国外文献42文献に かかるリストとサマリーにつきまして各先生にお送りさせていただいたとこ ろでございますが、各先生方から必要な文献の御要望等ございませんでした ので、本日の資料にはお付けしておりません。次に前回検討会での御議論、 御検討をいただきました内容等につきまして整理をさせていただきますと、 概ね次の5点であったかと思います。  1点目は、客観的評価を前提とした判断指針の考え方、システムは合理的で 妥当であると言えること。ただし、心理的負荷評価表については時代の変化 に応じ検討・修正していく必要があること。2点目は、心理的負荷評価表の出 来事の追加・修正は主として平成14年度及び平成18年度の委託研究結果を もとに行うこと。3点目は、出来事の見直しに当たっては頻度が低いからとい う理由で一律に対象としないのではなく、個々の出来事の重要性を検討すべ きこと。4点目は、委託研究結果による出来事の強度は出来事の分布も参考と して決定すべきこと。5点目は、出来事の強度の修正、出来事に伴う変化等を 検討する視点及び職場以外の心理的負荷評価表についても必要に応じ修正す べきこと。この5点であったかと思います。  前回の御議論等踏まえまして、本日、検討会に資料として心理的負荷評価 表の見直しに係る事務局のたたき台を提出をさせていただいておりますので、 これにつきまして引き続き御説明をさせていただきます。よろしいでしょう か。 ○岡崎座長   前回の検討会における議論・検討事項の確認につきましては5点というふ うにまとめてもらいましたけれどもよろしいでしょうか。  私もそれで結構でございますので、引き続き提出されている資料の内容に ついて御説明ください。 ○山口職業病認定対策室長補佐   そうしましたら、お手元の資料1-1、1-2に基づきまして、まず心理的負荷 評価表に係る業務上の出来事の追加・修正について御説明申し上げます。  前回御議論いただきました内容等を踏まえまして、資料1-1として判断指 針別表1の「職場における心理的負荷評価表」(1)の具体的出来事の追加また は修正についての事務局のたたき台を提出させていただいております。今回 の追加または修正は主として判断指針策定以降の職場環境の急激な変化等に 着目して実施した委託研究結果に基づくものでございまして、現行の心理的 負荷評価表別表1の(1)、具体的出来事について新たに12項目を追加すると ともに、現行の出来事、6項目について、今回の委託研究結果などを踏まえ出 来事の評価をより分かりやすくするための表現の修正等を行ったものでござ います。これによりまして、業務による出来事の心理的負荷をより適切に評 価することができるものと考えております。  この資料1-1のたたき台ですが、これは資料1-2として事務局で整理させ ていただきました検討対象項目(案)を基に作成したものでございます。こ の資料1-2につきましては、平成14年度及び平成18年度に実施しました委 託研究結果により得られた全93項目について、判断指針を策定した際の精神 障害等の労災認定に係る専門検討会における考え方等を踏まえまして、資料 1-2の、めくっていただきまして2頁目の「同一事業場の労働者に共通する出 来事、20項目」、3頁目の「個人の主観により発生する出来事、12項目」、4 頁目の「既存の出来事に当てはめ評価できるもの、24項目」、5頁目の「出来 事として評価できない、馴染まない内容のもの、3項目」、最後6頁目ですが、 「頻度が低いもの」として12項目を除外することとして整理をして検討対象 としたものでございます。  なお、頻度につきましては前回の御議論を踏まえまして、判断指針におい ても例えば心理的負荷評価表のIIIに相当するようなストレス強度が強い出来 事については「人生の中でまれに経験するような強い心理社会的ストレスで ある」とされているところでございまして、頻度か低いものでありましても、 ストレス強度、その内容等を考慮して重要性が認められるものにつきまして は、検討対象としているところでございます。  また、対象項目から除外することといたしましたこれらの出来事につきま しては、例えば「同一事業場の同一労働者に共通する出来事」として整理さ せていただいた出来事の中には、この当該出来事をきっかけとしましてその 後に個々の労働者に発生した出来事について評価することが適当なものがあ ると思われます。また、個々の労働者に対する不利益な取扱い等によって生 じた出来事につきましては、既存の心理的負荷評価表の「仕事上の差別、不 利益取扱いを受けた」ということで評価できるものと思われます。  この結果、恐縮ですが1頁目に戻っていただきまして、平成14年度委託研 究結果から、「嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」「違法行為を強要さ れた」などの11項目、平成18年度委託研究結果から、「職場で嫌がらせ、い じめを受けた」「職場で暴行を受けた」などの11項目につきまして検討対象 項目としたものでございます。  この資料1-2の検討対象項目等に基づきまして、出来事の追加または現行 の出来事の修正について、たたき台として事務局から出させていただきまし たのが資料1-1でございまして、冒頭にも申し上げましたように、現行の心 理的負荷評価表別表1の(1)具体的出来事につきまして新たに12項目を追加 し、更に現行の出来事6項目について表現の修正等を行ったものでございま す。  なお、新たに追加した出来事のストレス強度につきましては、前回の御議 論あるいは判断指針を策定した際の「精神障害等の労災認定に係る専門検討 会」における考え方等を踏まえまして、各調査結果における出来事の強度の 分布ですとか、出来事の評価の相対性等を考慮して整理させていただいたも のでございます。  それではこの資料1-1につきまして、まず新たな出来事、12項目でござい ますが、項目番号9以降でございます。これらについて御説明をさせていた だきます。  まず出来事の類型(2)「仕事の失敗、過重な責任の発生等」としまして7項 目ございます。「違法行為を強要された」、これは平成14年度及び平成18年 度の項目を反映したものでございまして、頻度は1.9と低いものの強度、出 来事の内容等から追加したものでございます。なお、平成18年度の「コンプ ライアンスを無視するように言われた」という項目がございますが、これに ついてもこの項目で評価できるものと思います。  次の「自分の関係する仕事で多額の損失を出した」は平成18年度の項目を 反映したものでございまして、強度、出来事の内容等から追加したもので、 自らの失敗、ミスによらない多額の損失を出した場合に該当するものでござ います。「職場で顧客や取引先から無理な注文を受けた」は平成14年度及び 平成18年度の項目を反映したものでございます。「達成困難なノルマが課さ れた」は直接にはこの平成14年度及び平成18年度の委託研究結果によるも のではございませんが、現行の出来事である「ノルマが達成できなかった」 では、客観的に、その達成困難と判断されるようなノルマが課された状態の 心理的負荷を必ずしも明確に評価することができないために、新たに追加し たものでございます。「研修、会議等の参加を強要された」は、平成14年度 の項目を反映したものであり、参加を強要された心理的負荷を評価するもの でございます。「大きな説明会や公式の場で発表を強いられた」は、これは平 成14年度の項目を反映したものであり、発表することを強いられた心理的な 負荷を評価するものでございます。「上司が不在になることにより、その代行 を任された」は、平成18年度の項目を反映したものでございます。  次の頁の出来事の類型(4)の「身分の変化等」としまして、1項目の「早期退 職制度の対象となった」は、これは平成14年度の項目を反映したものでござ います。  出来事の類型(5)の「役割、地位等の変化」としまして3項目ございます。「業 務を1人で担当するようになった」は平成14年度及び平成18年度の項目を 反映したものでございます。「同一事業場内での所属部署が統廃合された」は、 平成14年度及び平成18年度の項目を反映したものでございまして、統廃合 に伴う出来事の心理的負荷を評価する指標にもなり得るものと思われます。 「非正規社員のマネージメント、教育を担当した」は、平成14年度及び平成 18年度の項目を反映したものでございます。  次の出来事の類型(6)の「対人関係のトラブル」としまして1項目、「ひどい 嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」でございますが、この出来事は現行 の心理的負荷評価表におきましては、「上司とのトラブルがあった」に類推す るものとしまして、いじめの内容や程度をもって3名の専門医の合議により まして、総合的に判断しているところでございます。平成14年度及び平成18 年度の調査研究結果によりましても、かなりのストレス強度が認められてお りまして、今回追加することとしたものでございます。新たな出来事の追加 は、以上の12項目でございます。  続きまして、現行の心理的負荷評価表の出来事の修正等について7項目を 御説明させていただきます。  出来事の類型(1)の「事故や災害の体験」の具体的出来事、「大きな病気やケ ガをした」につきまして、より客観性を確保するために「重度の病気やケガ をした」と修正したものでございます。  出来事の類型(2)の「仕事の失敗、過重な責任の発生等」の「会社にとって の重大な仕事上のミスをした」について、重大なミスの程度、例えば会社の 存続を左右しかねないようなミスによる心理的負荷、これにつきましては極 度の出来事として発症に至るものと評価されることもありますことから、重 大なミスの例示によって、評価する出来事の程度を明確にするため「会社の 経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」と修正したものでござい ます。 また、平成14年度の調査研究結果に基づき、「顧客とのトラブルがあった」 について、「顧客や取引先からクレームを受けた」と修正したものでございま す。  出来事の類型(3)の「仕事の量・質の変化」の「仕事内容・仕事量の大きな 変化があった」及び「勤務・拘束時間が長時間化した」について、心理的負 荷が生ずることとなった出来事を適切に評価する必要があることから、評価 する出来事を明確にするために「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせ る出来事があった」及び「勤務・拘束時間が長時間化する出来事があった」 と修正したものでございます。  出来事の類型(4)「身分の変化等」の「仕事上の差別、不利益取扱いを受け た」につきまして、平成18年度の委託研究結果からの項目で「派遣・契約・ 請負社員として仕事上で不利益な扱いを受けた」を踏まえまして、「非正規社 員であるとの理由等により、仕事上の差別、不利益取扱いを受けた」と修正 したものでございます。不利益取扱い等の問題となる代表的なものとして例 示をさせていただいたものでございまして、この出来事そのものは幅広く仕 事上の差別、不利益による心理的負荷を評価する出来事でございます。  出来事の修正の最後でございますが、出来事の類型(6)の「対人関係のトラ ブル」の「部下とのトラブルがあった」につきましては、平成18年度の委託 研究結果による強度の分布を踏まえまして、現行のストレス強度Iからスト レス強度「II」に修正させていただいたものでございます。なお、現行の出 来事で「同僚とのトラブルがあった」は強度Iでございまして、これとの整 合性という観点から、「同僚とのトラブルがあった」の心理的負荷について修 正する必要があるか否かにつきましても御検討いただければと思っておりま す。  平成14年度及び平成18年度の委託研究結果等を踏まえました心理的負荷 評価表に係る業務上の出来事の追加・修正につきましての御説明は以上でご ざいます。今回のこの出来事の追加または修正によりまして、業務による出 来事の心理的負荷をより適切に評価することができるものと考えております。 内容等につきまして御議論、御検討をよろしくお願いいたします。 ○岡崎座長   どうもありがとうございました。心理的負荷評価表に係る業務上の出来事 の追加・修正に至った14年度、18年度の研究を参考にして、それをどういう ふうに、追加あるいは修正をする項目を決めたかという事務局の考え方と、 たたき台と言いますか、案が示されまして、12項目の追加がございます。さ らに表現の修正が7項目、それから検討しなければいけない負荷の強度の検 討の項目が1つ生じております。  一応項目の追加と、修正の方を分けて御検討いただいた方がいいかと思い ますので、最初に12項目の追加の妥当性等について御意見いただければと思 いますが、いかがでしょうか。 ○夏目先生   14年度、18年度の研究をさせてもらいましたが、一番印象に残ったのは「嫌 がらせ、いじめ、または暴行を受けた」というのが、行った当事者として印 象に残るものでして、ひどいという言葉を入れて、これを強度IIIという形で 入れていただくのが一番望ましいまとめかと思います。 ○岡崎座長   ありがとうございました。暴行を受けたという項目ですね。項目番号35の 「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」ということについては研究 の結果として妥当ではないかという御意見でした。その他いかがでしょうか。 ○夏目先生   あと調査をしたときに思ったのが、消費者の力が強くなったというか、い ろいろな形のクレームが最近増えています。そういう点でクレームに類した ことを取り上げていわゆる調査させてもらったのですけれども、そういう意 味では顧客や取引先からのクレームを受けたとか、このような形で反映させ ていただければ丁度いいのではないかと思っています。モンスターペアレン ト、モンスタークレーマーとかいろいろな言い方が最近出ていますよね。そ ういった意味で学校でもそういった無理難題をふっかけられるということも ありますので、そういう点から入れていただいた後、修正の視点で少しその 程度をいろいろ検討できる余地も残していただいていますので、今の時代の 流れを上手く反映させていただいているのではないかと思っております。 ○岡崎座長   これを負荷の強度IIということで反映させ、追加しようという案が出てい るわけですが、これはいかがですか。これに限らずご意見をいただいても結 構です。 ○黒木先生   別のことでいいですか。非常に具体的に分かりやすくなったといいますか、 例えばノルマが達成できなかったと、これは結果だけを見ているわけですね。 しかし、ノルマを課されたと、この入口を認めたということも非常に分かり やすくなったと思います。ストレスに暴露されて、そして暴露された事実が どのくらい続くかということによって精神障害が破綻を来していく過程の中 で、この入口を認め、具体的に書かれているということで非常に分かりやす くなったと思います。これが7の「ノルマが達成できなかった」が「ノルマ を課された」と「達成できなかった」に分けてあることと、それから「達成 困難なノルマが課された」、これもそうですね。こういった顧客や取引先から クレームを受けたと、これもどういうクレームか、そしてクレームを受けた 結果はどうなっていったのか、そして本人がどういうものに巻き込まれてい ったのか、この入口のところを今回は広げたという意味では非常にいいので はないかという気がします。 ○岡崎座長   そうですね、達成困難なノルマが課されたというのと、その結果というふ うに分けるという考え方が出ているのが特徴かと思いますね。その他の項目、 あるいは今の項目につきましていかがでしょうか。 ○黒木先生   他のところも全体的に対象になったということが言えるかと思います。次 の2頁ですが、「早期退職制度の対象になった」という、これもいわゆるリス トラの強要とかというと目に見えないところがあって、その具体的に例えば 代わりに出向させるとか、あるいは退職金の問題であるとか、いろいろ事実 が分からない部分があるのですが、そこの入口を認めたということは非常に これも大きいのではないかというふうに思います。 ○岡崎座長   恐らくそれが労災というようなものに結びついたときには、その結果の方 の問題も当然生じているのでしょうけれど、ですから、その両方がカウント されるということになるわけですね。そういう意味では確かにそもそもの出 来事の出発のところでこういう変化があったということをしっかり認定する ということ。それから恐らく結果の方が出てきたときの、そちらと合わせて 評価するということができるわけですね。 ○黒木先生   こうやって詳細になってきたということで、項目を見逃さないということ になっているのではないかという気がします。 ○岡崎座長   全体にそういう考え方が貫かれていると思います。山崎先生、どうでしょ うか。追加分については、今のような考え方の項目の配置というのが1つ特 徴かと思いますけれども。 ○山崎先生   特にありません。文言の方でかなり工夫がされた点については後で議論さ せていただきたいと思います。 ○夏目先生   もう1つは、従来出来事で評価していたので、長時間労働は少し見えない ところがあったのですが、今回は「勤務・拘束時間が長期化する出来事があ った」と、出来事としてしっかり明確化したというのが、この問題は大きな 問題ですので、そういうふうな形で明確になって取り上げやすくなったので はないかと思っております。 ○黒木先生   長時間労働で、仕事のミスとかいわゆる何か出来事があり、そして長時間 労働が後でついてくるということですから、ここを明確化したというのもこ れは大きいですね。 ○岡崎座長   17、18ですね。ある意味ではそれも入口と言いますか、出来事が始まると きのきっかけになることがストレスとして評価されるということですね。  この14、15、16というのは先ほども触れられましたけれども、14、15は特 にそうですね。時代、状況の変化で心理的負荷として明確に認知するのだと いうことが示されている項目かと思います。その他の項目はいかがでしょう か。 ○夏目先生   (4)身分の変化等の25番ですが、今、非正規社員が問題になっています。会 社の切り捨てだとか、いろいろ問題になっていますが、「非正規社員であると の理由等により、仕事上の差別、不利益取扱いを受けた」というのも、はっ きり入口のところで例示をしながら明確化したというのが、取り上げやすく なったという気がします。 ○岡崎座長   これはあくまでも例示の表現ですね。理由等の「等」により他の差別、不 利益取扱いもあるんだということはもちろん含んでのことですが、現在問題 になっている具体的な問題に触れながら、仕事上の差別、不利益取扱いを受 けたということを評価するのだということですね。 ○夏目先生   全労働者の34%が現在非正規社員ですので、かなり大きな問題であること は事実だと思うので、そこが反映されたのではないかと。 ○岡崎座長   今、触れていただいた、33番の同一事業場内での所属部署が統廃合された という項目、それからその上にある29番の業務を1人で分担するようになっ たという項目、これは先ほど触れていただきましたけれども、こういった項 目が追加されているということにも今回の修正の特徴が出ていますね。他に 何か御意見はございませんでしょうか。 ○夏目先生   これらの項目を考えたのは、現在、多分、長時間労働も問題ですけれども、 労働の質が過密になったとよく言われていますよね。密になったのは、何が 密になったのかという具体性がいろいろなところで問われると思うのです。1 つは今まで複数で担当した業務を1人だけでしなければならなくなったと、 明確に例示したということもありますし、それから今、リストラがどんどん 進んでますけれども、そのリストラの中で、会社全体でやるリストラと、自 分が所属するところで所属部署が統廃合されたというようなことでは、全然 意味合いが違うわけですので、その点ではこういう形ではっきり明文化した というのは取り上げやすくなったのではないかと思っています。 ○岡崎座長   29番は、なかにはこんなこと当たり前ではないかという御意見もあるかと も思うのですが、でも非常に、こういう視点で仕事の責任の問題とか、役割 とか立場というものが困難を来すきっかけになり得るということも認めると いうことですね。  あと、34番の非正規社員のマネージメント、あるいは教育を担当したとい うこと、この項目の採用と言いますか、委託研究でこれが入ってきた経緯等 を含めて、夏目先生、ご説明いただけますか。 ○夏目先生   結果的に、従来非正規社員の比率がものすごく少なかったわけです。34% ですか、3分の1以上が非正規社員になるとその人たちをしっかりマネージメ ントしなければならないという、従来と全く違うということです。だから従 来は係長であったから係員を監督したり、マネージメントする、課長だから それをするというのは明確化されていたのですが、要は役付きでない人が、 人を管理、監督しなければいけなくなると意味が全然違いますよね。そうす ると会社にとって非正規社員の方のマネージメントも非常に重要なことです ので、そういう点で時代のニーズに合った内容だと思って取り上げて、14、 18年に調査を行い、ある一定のストレス強度が出ましたので、こうなったの ではないかと思います。従来心理的負荷評価表になかったが、今回新しいも のとして取り入れると。そういう点でこれが採用されたと思っています。 ○黒木先生   業務を1人でするようになったというのは、その後に支援体制がないとか、 業務を1人でというところは、何か先生、もうちょっと加える必要性とかは ないのでしょうか。 ○岡崎座長   表現ですね。 ○夏目先生   従来は複数でやっていたというのが言外の意味ですよね。だから従来から1 人でやっていて、1人でやるのではなくて、従来から複数でやっていたものを、 職場の人員がどんどん減っていったから最終的にその人が1人になってしま ったと。だからそれだけ労働の質が過密になったという意味合いもこの中に それなりに含んでいるというような解釈をしているのですけれど。そこを適 当な言葉を入れるのか、後の修正の視点で入れていくのかと思っていました。 ○岡崎座長   これまでは複数で担当していた業務を1人で担当するようになったという 表現が、ありのままかなと思うのですが。 ○夏目先生   1人でやっていたのを1人でやるのは別に変化があったわけではないので、 3人とか2人ぐらいでやっていたのを1人だけでやるようになったという。 ○岡崎座長   そういう出来事の変化が生じたとなると、従来と違って1人で担当するよ うになったという意味ですね。そこのところを分かりやすい表現に変えた方 が良いかと思います。業務を1人で担当するような変化が生じたとか、ある いは従来複数でやっていたものを1人で担当するようになったとか、そうい う出来事が生じたという、そういうこと分かるようにした方がよろしいので はないか。 ○夏目先生   修正で。 ○黒木先生   確かに、修正でなんとかなるとは思いますけれど。 ○夏目先生   従来複数で担当したものを1人で担当するようになったという文面か、業 務を1人で担当するような変化を生じたか、どちらかの文章だと思います。 ○岡崎座長   ではちょっと御検討ください。 ○山崎先生   そういう文言で言いますと、業務を1人で担当するような変化が生じたと いうことで、変化なり、出来事なり、それが明確になっているわけですけれ ど、そういう点から言うと、私は例えば、17、18番について先ほど黒木先生 から御説明があったときに、例えば仕事の勤務時間や拘束時間が長時間化す る出来事があった、つまり達成困難なノルマが課されることによって、ある いは先生が言われたミスとかがあり、それを修復するために連日連夜という ことがあり得るわけですね。そうすると、こちらの7番に丸が付いて、それ に連動してこれの変化が起こるという、そういう意味での出来事、長時間化 するような出来事が出てくる。これに付随して起こる長時間労働化がチェッ クされる。以前ですと、修正のポイントに書かれていたものがここに格上げ されたというような意味合いに、これだとなってしまうのです。ちょっと表 現は上手くありませんが、先ほどのような、長時間化するという変化があっ たとか、長時間化するということ自体を問題にすることが必要なのであって、 これでは出来事は長時間化ではなく、長時間化をもたらすことになった別の 出来事が起こったかのようにどうしても読めてしまうので、これは先ほど岡 崎先生が提案されたように、変化と出来事といったものを重ねないと、その 書き方にしていただいた方が。これだと変化の外側にある出来事、変化をも たらした出来事があったかなかったかというふうにどうしても読めてしまう ので。 ○黒木先生   そうすると現行の勤務、拘束時間を長時間化したと、これは変化を言って いるわけですから同じになってしまいますよね。 ○山崎先生   そうですね。私は先ほど岡崎先生が言われた、長時間化するような変化が 生じたと。 ○黒木先生   出来事の内容によっていろいろな変化が出てくるわけで、例えば達成困難 なノルマを課されたと、そのノルマがどういう内容で、どういうふうに本人 ができなかったのかというその結果としてこの長時間化も起こってくるわけ で、それは連動して捉えれば、多分いいのではないかという気がします。 ○岡崎座長   先ほどの入口と結果に分けるというのとちょっと感じが違うと、山崎先生 はおっしゃっておられるのですかね。 ○山崎先生   長時間化するという出来事なんですね。だから長時間化するという出来事 があったというのだとまだ分かりますが、長時間になるということを促進す る、もたらす何か出来事があったというふうに、だからその出来事は何か長 時間化との外側にある、つまり長時間化をもたらすような外側にある出来事 があったという、そういうふうにどうしても読めてしまうのです。 ○夏目先生   だから多分ライフイベントという研究方法が、生活上の出来事ですね。ラ イフイベントを日本語に訳したら、生活の出来事です。要するにホームズと か、いろいろな方がつくったライフイベントという言葉を日本語に訳すると 生活の出来事になりますよね。ホームズ自身とか、ライフイベントをつくっ た方々が言っているのは変化に再適応するためのエネルギーを見ているわけ ですよね。そうするとこれを元々つくった人自身が出来事と変化を、同じこ となのですね。 ○山崎先生   変化と出来事はそういう点では同じなのですね。しかし、変化を生じさせ る出来事があったという表現になると、やはり長時間化という変化とその変 化をもたらした出来事とが別ものだと。 ○夏目先生   都道府県労働局の専門部会で出来事を取り上げるときに、出来事があった かどうかということをディスカッションしてくるという傾向はあると思うの ですね。そうすると出来事でないとなるとイベントとして取り上げづらいと いう面があるから、このような明確な出来事にしたのではないかと私は解釈 しました。 ○山崎先生   大きな変化が生じる、つまり、長時間労働化するという出来事があったの ですね。それだったら、長時間労働化自体を取り上げることになる。 ○夏目先生   だから難しいですよね。そこの辺り。  同じような立場で、私も黒木先生と同じ立場ですが、やはり出来事があっ て、それを修正するという視点でやっていくから、出来事が明確でないとデ ィスカッションの対象にならないということを考えたときにこういう入口の ところではっきり出来事と謳っておいた方がいいのではないかということで す。そこで山崎先生が言っているような一部ダブることは当然あると思うの です。釈迦に説法ですけれども、各出来事が全部独立してあるわけではなく て、いろいろな形でそれぞれが重なり合うことはあるとは思うので、特に長 時間労働の問題は非常に大きな問題だから、このように取り上げやすくした という観点からは、こういう言い方でもいいのではないかと思っております。 労働基準監督署の職員がいろいろなところへ行って調査されるときに、出来 事を中心に考えていこうとするならば、どういう出来事があったかというこ とを調べようとするならば、こちらの観点の方が入口として入りやすいので はないかというふうに思っております。 ○黒木先生   明確化するという意味では分かりやすいと思います。 ○岡崎座長   先ほどの達成困難なノルマが課されたという、そういう変化が、入口があ って、それからノルマが達成できなかったという、こういう整理の仕方が1 つございますけれど。 ○黒木先生   今まではノルマが達成できなかったということだけですから、結果を見た わけですね。でも今回は入口も見るということになっていますので。 ○岡崎座長   この17、18が共通しているというところもあるのですか。重なっていると いうところもあるというのも1つあるのかもしれません。 ○黒木先生   でも長時間労働が1つの指標になるので。 ○岡崎座長   そうすると先ほど山崎先生が言われたことは、どういうふうに表現したら、 修正したらよろしいのでしょう。仕事が長時間化するような変化が生じたと いうことなのでしょうか。 ○夏目先生   あるいは長時間化するような変化と。 ○山崎先生   もしどうしても出来事を使いたければ長時間化するという出来事があった と。出来事は長時間化という出来事ですよね。この長時間化する出来事とい うと、長時間化をもたらした何か別のきっかけとなった出来事という。 ○岡崎座長   そうすると17の方は、仕事量が大幅に増大するような出来事があったとい う表現ということですね。 ○夏目先生   勤務・拘束時間が長時間化するという出来事が生じた。 ○岡崎座長   そういう変化が生じるという出来事があったと。事務局案の意図は少し違 いますよね、どうですか。 ○黒木先生   長時間化を出来事として捉えると。 ○岡崎座長   長時間化を出来事として捉えてないということですか。 ○黒木先生   長時間化を引き起こすような出来事というのも評価するということですか ら、やはり長時間化を出来事として捉えるのは、ちょっとどうかなという気 はします。 ○岡崎座長   長時間化を出来事とするような解釈ではなくて、長時間化するような出来 事があったと。例えば具体例としてはどのようなものになりますか。 ○黒木先生   例えば簡単に言うと、仕事のミスがあったり、支援体制の欠如、あるいは 仕事量も当然増えるわけですから、そうすると、長時間労働は発生するわけ で、そういった場合は、そのような形で評価するということです。 ○岡崎座長   そういう出来事を評価し、もう1つは先ほどの入口と、結果と分けると。 それで長時間化したということを評価するということですね。 ○黒木先生   修正する視点でこれがまた出てくると思うので。 ○岡崎座長   そうするとここでは、長時間化をもたらすような仕事内容、仕事量の大き な変化と言うか、増大する方向でしょうけども、これを生じさせるような変 化があった、出来事があったということを評価するという提案ですよねこれ は。 ○絹谷職業病認定対策室長   事務局としては、今、座長からおっしゃっていただいたような考えに基づ きまして提案しています。 ○岡崎座長   表現としては、変化か出来事か、どちらが分かりやすいでしょうね。 ○黒木先生   心理的負荷を与える業務上の出来事をどう評価するかということですから、 この出来事を評価するという形にした方がいいのではないかという気がしま す。 ○山口職業病認定対策室長補佐   例えば営業か何かをされているような会社とか、デパートでもいいですけ れども、夏と冬とは時間帯が違ってくると、それで例えばバーゲンのときだ とか、勤務形態として時間が長くなったと、それが就業規則に基づくものだ とか、実質的には内部の規則上で決まるものとか、実態的なものはあります けれど、そういった必然的に長くなったという、これを出来事として評価を するのではないかと実務上は考えておるのですが。 ○黒木先生   そうすると営業時間の変更による長時間化という出来事も含んでいるので すか。 ○山口職業病認定対策室長補佐   そうですね。部署が変わって、従来の時間帯よりも長くなった、その出来 事を見てさらにその後にそこが多忙なところで長時間労働が続いていくとい うことになるとその変化を見るということです。 ○黒木先生   長時間労働の原因というか、それは業務内容が変わったということを明確 化するということですよね。 ○山口職業病認定対策室長補佐   はい、それを出来事として捉えると、分かりやすくなるのかなということ です。 ○岡崎座長   出来事を認定するということは責任の問題もはっきりするのですよね。で すから出来事を認定しないといけないですね。ということで、そういう変化 ないしは出来事があったと、ないしは生じたという、そういう表現の項目に するということでよろしいですか。山崎先生そういう表現に変えることでよ ろしいですか。 ○山崎先生   はい。やむを得ません。 ○岡崎座長   それではこれは今いただいた御意見を参考にして最終的に修正をしていた だいて表現を決めていただくということにいたします。その他の項目で、い かがでしょうか。今、項目の考え方に関する大事な議論があったと思います が、他にはそういった問題はございませんでしょうか。だいたい追加に関し ては12項目一通りそれぞれについて触れていただいたと思いますが、その他 にどうしてもこれは本来入れるべきであったのに入ってないではないかとい うような項目は、資料の1-2等を御覧いただいて、何かございましたら御指 摘いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○黒木先生   違法行為とは、具体的にはどういうものですか。 ○夏目先生   具体的な名前を上げてよいか分かりませんが、雪印食品とか、いろいろ問 題になりましたよね。あれは幹部だけでしたのか、幹部が部下に強要したの か分かりませんが、あのようなことも含めて、例えば食品の標示の仕方だと か、多分疑問を感じている方も当然おられるわけですね。職場においては、 それが会社の中で今までこれでよかったし、こうした方が良いのではないか という、業務命令を出すわけではないけれど、暗黙の力で強制するというこ ともありますよね。そういうのも頭にイメージしていく方向にということで す。あるいはコンプライアンス違反ということでもいいのですが。特にこの 10年間ぐらい問題になっていますよね。いろいろと新聞紙上を賑わせている ものは、ほとんどコンプライアンス違反が多いわけですから、三菱自動車の リコールの問題と多分同じような問題だと思うのですが、そういうことも含 めて、こういうものを入れた方がいいという先生方の意見があって入れて、 かなりの点数が出たのでこうしたということだと思います。違法行為なのか、 コンプライアンス違反なのかと迷うところはありますけれども。 ○岡崎座長  それは非常に重要だと思いますね。板挟みになったりすることで心理的負 荷を受けるということで。他に何か説明いただいたことで、何かご意見ござ いますか。  一応、追加される項目の方はこれで御検討いただいたということで、若干 の表現の修正もございましたが、その上で御了承いただいたということにさ せていただきまして、項目の修正の方はいかがでしょうか。先ほど説明もあ りましたけれど。具体的には1、5、17、18、他に25の項目です。あと38の 強度の修正、それに伴って39の強度はこのままでいいのかという問題。つま り、38との関係で整合性をとる必要があるかどうかという問題がございます。 順番によろしいでしょうか。 ○夏目先生   多分38が課題になると思うので、すみませんが先にこちらの説明をさせて いただきたいのですが。従来上司の方が人事査定権とか、給与に対しても決 定的な力をもっていることで、上司の力が強いということで上司とのトラブ ルがIIになっていて、他はIになっていたのだろうと思うのですが、考えて 見たら部下の方が数が多いわけですので、上司にいかに管理監督権があるに しろ、部下の方が一定の動きをすれば上司は孤立する可能性は十分あるわけ ですよね。そんな明確な人事査定権も給与も権限も、今の上司には、言うほ ど与えられていないのではないか。名ばかり管理職もたくさんいますので。 考えると平成18年の調査結果で強度IIが出ましたので、多くの方がこんなふ うに考えられているのではないかと、事務局から提案されているのではない かと思います。 ○岡崎座長   経緯を説明いただきましたけれど、いかがでしょうか。 ○黒木先生   そうですね。例えば上司、部下の関係も。部下のところを通らないと上司 に上がっていかない業務とか、いろいろありますよね。そうすると部下がへ そを曲げたり、なかなか上手くいかないということになると、かなり上司の 方のストレスは強くなると思うのですね。そういう意味でも部下とのトラブ ルによる心理的負荷強度を強くするというのは妥当かなという気がします。 ○夏目先生   特に専門職の集団を見ていくと、いわゆる事務職の上司と部下の関係とい うのは、事務職の方が明確に上司の査定権とか、管理監督権がわりと分かり やすいのですね。ところが専門職になりますと、あまり明確でないですよね。 だけど専門職の部下の方は数が圧倒的に多ければ上司は当然孤立するか、逆 にはじき飛ばされる可能性があるわけですよね。そのような問題で、技術系 もそうですけれども。そのように考えていくと、これはIIが妥当ではないか と思います。 ○黒木先生   なかなか部下に言えないと言いますか、部下にはっきり言えない上司が増 えているのも最近の特徴のような気がします。 ○夏目先生   それともう1つはジェネラリストになるためにはいろいろな職場を経験し て、最終的に管理職になるというのが従来日本にあったジョブローテーショ ン制度です。そうすると部下の方が仕事に明らかに通じているわけですよね。 そうすると、大まかなところは分かっても、細かいところになると分からな いというのが今のジョブローテーション。これはジョブローテーション制度 がいいか悪いかという問題になってくるのだろうと思うのですが、一応、ジ ョブローテーション制度がいろいろな会社で使われているわけだから、そう すると部下の方が実務経験があって、実務をよく知っていて、上司は実際は 知らないというようなところで、部下がそっぽを向いたら上司は何もできな いという現実が生ずるわけですね。その辺も含めてのことです。 ○岡崎座長   私も強度を修正するのは賛成なのですが、よく私どもが見る臨床例で、課 長に昇進をされて、部下の方とトラブルというほどに至らなくても、少し浮 きまして、上手く意思を通せないというような状況の後にうつ病が発生する ことがよくあるものですから、こういったところをちゃんと評価をしてみる というのは大事なことかなと思ったのです。ただ、下の項目番号39について、 今度は同僚とのトラブルがあったというのはどの程度の評価にするかという 難しい問題があるのですが、いかがなのでしょうか。 ○黒木先生   そうですね。業務遂行に当たって、同僚とどういう関係で業務遂行が行わ れるのかということがある程度分からないと、この強度はちょっと決めがた いような気もしますけれどもね。 ○夏目先生   結局、上司と部下という視点に立つと、利害関係ですね。あるいは、職務 命令であるとか、いろいろな点で、ある面で縦型になりやすいという関係だ と思いますね。同僚同士というのは、命令したり命令されたり、あるいは腹 が立ったからそれに協力しないとか、そういうものとちょっと違うのですね。 そうすると、私は別にIでいいのではないか。要するに、基本的にイーブン ですよね。同僚の関係は、年齢の差はあったり、いろいろなことがあります が、基本的には職務構造としてはイーブンだからあれですが、部下・上司と いうのは、やはりそこに何らかのイーブンでない要素がかなり絡んでいます ので、その点ではIIではないかなというのが私の意見です。 ○黒木先生   職種とか業務内容で、全然違いますよね。職種によって、全然違いますよ ね。意外と医療機関などだと、看護師同士のストレスが結構強いのです。だ から、あまりこれを引き上げるのはどうかどうかと思います。 ○夏目先生   それぞれの視点で見ていくという。 ○岡崎座長   そうですね。そういう視点を少し加えないと、同僚という一括りでIかII か決めようとしても、なかなか難しいところがありますね。これはIのまま ということでよろしいですか。そのようにさせていただいて、ほかの25の表 現は、現在的な焦点になっている問題の例示を含めたということです。大体 これはよろしいですね。 ○夏目先生   やはり非正規社員というのを入れてほしいですね。 ○岡崎座長   そうですね。あとは逆に1頁に戻って、1の「大きな病気やケガをした」と いうのを「重度の病気やケガをした」、この表現の変化はいかがでしょう。こ れは実質的にそんなに変化があるわけではないのでしょうけれども。 ○黒木先生   軽度から重症レベルという意味で、重度の方がやはり的確な表現だと思い ます。 ○岡崎座長   大きいというのは、やはり非医学的、非専門的な表現でちょっと適切さを 欠きますね。これはそういう意味での変化ということで、よろしいでしょう か。5が先ほども御検討いただいたかと思いますが、「会社にとっての重大な 仕事上のミス」というのが、「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミ スをした」と。 ○夏目先生   イメージとしては、銀行とか金融機関でトレーダーみたいな人がいますよ ね。あれは儲ける反面、ものすごい損失で、何百億とか、場合によっては1,000 億に近い損失がありますので、そういう意味ではそういう所がイメージしや すいのではないかと。従来あまりトレーダー的な仕事はなかったですね。こ こ十何年間の社会変動の中で出てきた、特に国際化の中で出てきた仕事だと 思うので、そういうこともにらむと、こういうのも入るのではないかと。あ るいは、製品の中でミスがあった場合ですね。それが特に自動車会社だとか、 その他の所にミスがあったときに、非常に生命に危険が及びますよね。その ようなこともイメージしたら、会社にとっては致命的な欠陥になることがあ りますよね。そういうようなイメージかなと思ってはいるのですけれども。 ○岡崎座長   現行の「会社にとっての重大な」という内容を、「経営に影響するなどの」 という具体的な表現にしたということで、これは適切ではないかと思うので すが、よろしいですか。7は先ほど何回かお話に出た、「ノルマが達成できな かった」を「達成困難なノルマが課された」という入口と、「達成できなかっ た」という結果に分けて評価するということですので、これも妥当な修正か と思いますが、これはよろしいですね。そのほかに特に追加、あるいは修正 項目について、ご意見がありましたらいただいて、これでよかろうというこ とでしたら、もう一度、先ほどからいただいた御意見で最終的な修正をする ことになりますが、いかがでしょうか。 ○絹谷職業病認定対策室長   同僚とのトラブルを個別的に見て、平均的な心理的負荷強度を修正すると いうお話があったわけですが、心理的負荷強度を修正する際に個別的に見る 視点としては、どういったものがよろしいか、ちょっとお教えいただければ と思います。 ○岡崎座長   どうでしょう。仕事上、業務上の役割の関係であるとか。 ○黒木先生   やはり同僚との関係が、業務を遂行する上でどういう関係にあるのか。協 調してやらなければいけないとかいうことになると、その人とチームを組ん でやるわけですよね。そうすると、例えば本人との役割分担ということも出 てくると思いますし、あるいは役割分担だけではなくて、業務の量もその人 と分けてやらなければいけないといったことが出てくると、やはりストレス はそこから生じてくる可能性はあるのではないかなという気はします。 ○絹谷職業病認定対策室長   分かりました。同僚間との関係、特に役割分担みたいなものですね。 ○黒木先生   同僚それぞれが、個別にやっているのだったら、あまり関係ないですよね。 それは業務を通じて、やはりいろいろな関係が出てくると思うので、業務を 遂行する上で同僚が自分にとってどのような役割になっているのかというこ とによって、違ってくるのではないかなという気がします。 ○夏目先生   もうちょっと細かい点で言うと、今、成果主義人事制度が導入されてます が、従来はチームで仕事をしていましたよね。成果主義になると、個人の成 果になるから、営業などの場合、仕事を取った、取られたが出てきますよね。 本来、私が売り上げてやったのだけれども、知らない人が私の成果を取った とかいうのが、成果主義人事制度になってから、時々ケースからいろいろ我々 が聞かされる内容なのです。そういうものも従来とはちょっと違った視点で、 これは同僚同士ですけれども、あり得るのではないかと。ちょっとそこは細 かいのですけれども。 ○絹谷職業病認定対策室長   かしこまりました。そのようなところで、改めて修正要素として考えられ ることを検討したいと思います。 ○岡崎座長   この修正の視点を作っていただかなくてはいけませんね。ほかにはよろし いですか。心理的負荷評価表に係る業務上の出来事の追加、12項目、それか ら6項目にかかわる表現の修正がありましたが、出来事を具体的に明確にす るという前提の基本的な趣旨ですが、そういったことも含めて御検討いただ き、これでよかろうという御意見をいただいたかと思います。先ほどの御意 見に基づいて文言修正をして、最終的に確定することになります。 ○山崎先生   今具体的な出来事と負荷強度についての議論ですよね。つまり、修正する 視点についての議論をこの後するのですね。 ○岡崎座長   修正はこの後になります。今までのところ心理的負荷評価表の項目の追加 と表現の修正を御検討いただいたわけで、細かい修正は残しましたが、一応 よかろうということでしたら、次の資料2にある「心理的負荷の強度を修正 する視点」の見直しに移って、検討できればと思いますが、いかがでしょう か。それでは、そちらの方に移らせていただきたいと思います。事務局から 説明いただけますか。 ○横田職業病認定業務第一係長   資料2について、説明申し上げます。先ほど説明させていただいた、また 御議論いただいた、資料1-1「心理的負荷評価表に係る業務上の出来事の追 加・修正」に基づいて、新たに具体的出来事について追加・修正等を行った ことを踏まえ、必要となる新たな修正の視点の追加及び修正を行ったもので す。  まず、新たに追加した修正の視点は12項目あります。項目番号9、「違法行 為を強要された」についてです。修正の視点として、行為の内容、強要に対 する諾否の自由の有無、強要の程度、社会的影響の大きさ、ペナルティの有 無等ということでお示しております。違法行為の内容や強要の程度、ペナル ティの有無等により、心理的負荷の強度を修正することとしたいと考えてい るところです。  項目番号10、「自分の関係する仕事で多額の損失を出した」については、修 正の視点として損失の内容・程度、関与・責任の程度、ペナルティの有無等 ということでお示しております。自らの失敗、ミスによらない損失を出した 出来事について、損失の内容や関与・責任の程度等により、心理的負荷の強 度を修正することとしたいと考えております。  項目番号11、「職場で顧客や取引先から無理な注文を受けた」です。修正の 視点として、顧客・取引先の位置付け、要求の内容等ということでお示しし ております。顧客・取引先の優位性等を考慮するため、その位置付け、要求 の内容等により、心理的負荷の強度を修正することとしたいと考えておりま す。  2頁に移ります。項目番号12、「達成困難なノルマが課された」です。修正 の視点として、ノルマの困難性、強制の程度、ペナルティの有無、達成でき なかった場合の影響等ということでお示ししております。ノルマが課された 時点での心理的負荷を明確に評価するため、ノルマの困難性や達成できなか った場合の影響等により、心理的負荷の強度を修正することとしたいと考え ているところです。  項目番号14、「研修、会議等の参加を強要された」です。修正の視点として、 研修、会議等の内容、強制に対する諾否の自由の有無、強制の程度、ペナル ティの有無等とお示しをしており、研修、会議等への参加についての強要の 程度やペナルティの有無等により、心理的負荷の強度を修正することとした いと考えております。  項目番号15、「大きな説明会や公式の場で発表を強いられた」です。修正の 視点として、説明会等の規模、業務内容と発表内容のギャップ、責任の程度 としており、発表を強いられた説明会等の規模、発表内容と業務内容とのギ ャップ、発表を行うことによる責任の程度等により心理的負荷の強度を修正 することとしたいと考えております。  項目番号16、「上司が不在になることにより、その代行を任された」です。 修正の視点として、内容、責任の程度、代行の期間等としております。代行 する業務の内容、責任の程度、その期間等により、心理的強度の負荷を修正 することとしたいと考えております。  項目番号26、「早期退職制度の対象になった」です。修正の視点として、対 象者選定の合理性、代償措置の内容等とお示しております。早期退職制度の 対象になったことに対する心理的負荷について、対象者選定の合理性や代償 措置の内容等により、その心理的負荷の強度を修正することとしたいと考え ております。  3頁の項目番号29、「業務を1人で担当することになった」です。修正の視 点として、業務の変化の程度等としており、1人で担当することになった業務 の変化の程度等により、心理的負荷の強度を修正することとしたいと考えて います。  項目番号33、「同一事業場内での所属部署が統廃合された」です。修正の視 点としては、業務の変化の程度等とお示ししているところです。所属部署が 統廃合されたことによる業務の変化の程度等により、心理的負荷の強度を修 正することとしたいと考えております。  項目番号34、「非正規社員のマネージメント、教育を担当した」です。修正 の視点としては、教育・指導・管理の負担の程度等としており、マネージメ ント、教育を担当したことに伴う教育・指導・管理の負担の程度等により、 心理的負荷の強度を修正することとしたいと考えております。  項目番号35、「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」です。修正の 視点として、嫌がらせ、いじめ、暴行の内容、程度等としており、いじめ等 の具体的内容や程度等により、心理的負荷の強度を修正することとしたいと 考えております。  以上、新規に追加する修正の視点、12項目の説明でした。  続きまして、現行の「心理的負荷の強度を修正する視点」を修正した箇所 の説明をいたします。  2頁に戻って、項目番号17です。先ほども御議論いただいた、「仕事内容、 仕事量に大きな変化を生じさせる出来事があった」という項目についてです が、元々修正の視点として、「業務の困難度、能力、経験と仕事内容のギャッ プの程度等」としていたところ、委託研究結果を踏まえて、「責任の変化の程 度」という視点を新たに加えてはどうかと考えているところです。  次に、項目番号18、「勤務・拘束時間が長時間化する出来事があった」です。 具体的出来事についての修正を行ったところですが、出来事の修正と併せて、 現行の「変化の程度」のみでなく、「勤務・拘束時間の変化の程度、困難度等」 という形で修正をしてはと考えております。  項目番号25、「非正規社員であるとの理由等により、仕事上の差別、不利益 取扱いを受けた」という項目です。具体的出来事の修正と併せ、現行の「差 別不利益の程度等」という修正の視点を、「差別、不利益の内容・程度等」と いう形で修正をしてみてはと考えたところです。  3頁に移って、項目番号27、「転勤をした」という項目です。これも委託研 究結果を踏まえて、現行の「職種・職務の変化の程度、転居の有無、単身赴 任の有無等」に、新たに「海外の治安の状況」という視点を加えてはどうか と考えたところです。  項目番号31、「部下が減った」という項目ですが、これも委託研究結果を踏 まえて、現行の「業務の変化の程度等」という修正の視点に、新たに「職場 における役割、位置付けの変化」という視点を加えてはどうかということで 修正をしております。  続きまして、37から39まで、「上司、部下、同僚とのトラブルがあった」 で、先ほど御議論いただいた部分です。この修正の視点についても、現行の 修正の視点では、「トラブルの程度、いじめの内容、程度等」という形でお示 ししているところですが、いじめという部分については削除してはどうかと 考えているところです。  以上、簡単ではありますが、資料2の説明とさせていただきます。よろし くお願いします。 ○岡崎座長   心理的負荷の強度を修正する視点の見直しの案を御説明いただきました。 新たに具体的出来事を追加することを踏まえ、新たな修正の視点として追加 される12項目と、現行の「心理的負荷の強度を修正する視点」の修正の数項 目です。修正の視点、これはあくまでも例示でして、それがすべてではない ということは前提ですが、修正する視点として提示するものとしてはいかが でしょうか。ちょっと機械的になるかもしれませんが項目順に行きまして、1 頁の9、10、11は新規ですが、いかがでしょうか。「違法行為の強要」、「自分 の関係する仕事で多額の損失を出した」、「職場で顧客・取引先から無理な注 文を受けた」といったことに対するもの、おおむねこういった項目で見るの だろうと思いますが、何か大きな例示が抜けているとか、不要なもの、あり ますでしょうか。いかがでしょうか。 ○夏目先生   難しい。私も迷うのですが、11番の「職場で顧客や取引先から無理な注文 を受けた」という場合、多分ここで全部言い切っていると思うのですが、顧 客・取引先の位置付け、優位性の問題ですね。要求が無理かどうかというの がありますが、会社によってはお客さんの機嫌を損じたということで、どこ かで不利益な扱いを受けるのではないかというのを入れた方がいいかどうか、 ちょっと迷ったのです。今みたいにお客様は神様だとか、王様になってしま うと、機嫌を損じたということだけでペナルティに類するようなものが生ず るのかどうか、ちょっとそこまで分からないので迷っているのです。要求の 内容の中に、それが含まれるのか。 ○岡崎座長   そうですね。文脈によって、その辺りの要求の内容が無理なものと言える かどうかというのは、非常に難しい問題もあるかもしれませんね。そういう 意味では、視点といっても、やや抽象的な表現にならざるを得ないのではな いかと思うのですが。 ○夏目先生   理不尽であっても、とにかく謝らなければいけないとかいうことも当然生 ずるので、そこは要求の内容の中で含まれているのでしょうね。 ○岡崎座長   一応、そういったところは個別性があるということを前提にしておかない と、表現もできないと思うのですね。 ○夏目先生   「内容等」で「等」は入っていますから、そこの「等」で少し。 ○岡崎座長   明快にはなかなかできないところがありますので。 ○夏目先生   また、時代の変化によってどう変わっていくか分からないし。 ○岡崎座長   その辺りは限界がある表現でありますけれども。ほかの項目も見ていただ いて、12番、それから14番、15番、16番とありますが。 ○夏目先生   14番の「研修、会議等の参加を強要された」という場合ですが、私の頭の 中には本来業務とあまり密接な関係がないという研修みたいなものに、強制 的に行かされたのではないかというのがあったので、ここで「研修、会議の 内容」という所に含まれるとは思うのです。だから、この下に「大きな説明 会や公式の場で発表を強いられた」と同じような意味があるから、業務内容 と研修会とのギャップみたいなものも入れてもいいのではないかと思うので すが、どうなのでしょうね。通常やる研修、例えば新入社員の研修というの は、当然出なければいけないわけですので、そういう意味ではここで言って いる「研修、会議への参加を強要された」というのは、本来業務かどうか非 常に微妙なところで強要されたというニュアンスの方があるのかなと。でな いと、会社の場合、うちがやっている管理職研修にあの人が来なかったとい うのも、本人が強要されたととられたら、全然お門違いなことになりかねな いのです。  そうすると、調査をするときに、いろいろな先生方から新しい項目で出し てもらった項目からそのまま採用するわけですので、具体的な細かい内容を 付けると、ものすごくややこしくなるので、こういう表現になったのですが、 多分本来業務というのであれば、それは明らかに職務だから行かなければい けないわけですよね。でも、本来業務かどうかで、ボーダーラインになると ころがありますよね。そういうところで、とにかく行けと言われたとか、あ るいはあまり関係ないのに行けと言われたとか、あるいは本来、上司が行か なければならない会合なのに、上司が「私は出たくないから、お前、代わり に行け」とか、いろいろあるでしょう。そういうような意味合いかなと、内 心思ったりするので、そういう点では下で折角ありますから、業務内容と研 修内容のギャップを挙げた方がいいかなと思ったりするのですが、いかがで しょうか。 ○岡崎座長   「研修や会議等への参加要請の妥当性」と言ってもよろしいでしょうし、 先生がおっしゃったように、本来業務と研修会、あるいは会議に参加するこ との関連が本当にちゃんとあるかどうかということですね。そういった項目 の視点も検討して修正をすると。確かに今御指摘いただいた点は重要かと思 いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。会議等の内容というだけで なくて、そこのところですね。 ○黒木先生   10番も「自分の関係する仕事で多額の損失を出した」ということですが、 損失の内容・程度、関与・責任の程度、ペナルティの有無、会社にどういう 影響を与えたのかと、これも全部こういう内容から入りますかね。入ります よね。 ○夏目先生   損失の内容、損失額、会社に対するダメージ、自分はどの程度の立場で関 与していたか、それに対してどの程度の責任があるのか、それによって会社 からペナルティを負う、ボーナスが減るとか、飛ばされるとかいうことがあ ったかどうかというところで、入るのかな。 ○岡崎座長   大体カバーできているのではないでしょうかね。 ○夏目先生   最後に「等」が入っているからですね。 ○黒木先生   16番の「上司が不在になることにより、その代行を任された」と。これは 本来の業務プラス上司が不在になってその代行ということになるということ ですよね。 ○岡崎座長   よくあることですので、ストレス負荷というように考えなくてもいい場合 もありますけれども。本来業務との関係とかを考慮する視点は入ったがよい ですね。  26番は、「早期退職制度の対象」ですが、これは、対象者選定の合理性、代 償措置の内容等を考慮するという視点ですね。  29番はいかがでしょう。これも変化ですよね。これは先ほど項目の表現を 少し修正したものですが。 ○夏目先生   本来、複数でやっていた業務を1人で担当するようになった、というニュ アンスですよね。 ○岡崎座長   その程度あるいは内容というのが、変化の程度、内容も入れた方がいいの ではないでしょうかね。 ○山崎先生   「業務を1人で担当することになった」、この「1人」というところが非常 に重要で、要するに何がないかというと、代わることができないわけですね。 非常に息が抜けないというか、したがって相談、サポートの欠如の程度みた いなものを是非入れていただきたいというか。 ○黒木先生   支援体制ですね。 ○山崎先生   それがない。本当に1人でというと、ものすごいと思います。でも、支援 体制の欠如は当然、評価するのです。もし支援体制がなければ、ちゃんと評 価できます。そういう意味で、強度を修正する視点としては必要なのではな いかなと思います。 ○黒木先生   1人で支援体制がなければ、例えば誰かカバーするとか、サポートに回ると いうことが全くないということになれば、支援体制の欠如という項目は入っ てきますから、当然それは評価するということになります。 ○岡崎座長   そうですね。臨時に作られることもあるでしょうし、そういったサポート があったか、なかったかということも、視点の中に入れておくとより良いの ではないか。 ○黒木先生   その人しかやっていないという、例えば1人になったということではなく て、その人しかやれない仕事をずっとやっていたと。それで、何かトラブル があったときに、支援を求めても誰も来なかったということになると、これ はものすごい負荷になりますよね。 ○夏目先生   1人職種だから、誰かに代わってもらえないのが大きいですよね。代替があ るか、ないかというのが大きいですね。 ○岡崎座長   では、変化の程度と内容を入れ、かつサポートないし支援がどうであった かということも、考慮するということにしたいと思います。  33番は大体よろしいですね。統廃合ですね。 ○黒木先生   大きいですね。やはり複雑なのですよ。企業の中でも、例えばいろいろな 関連会社と合併して、職場そのものは変わらないけれども、会社の所属が変 わったり、あるいは対人関係も変わってくるわけですね。だから、ここは統 廃合をされたという中にはいろいろなことが含まれてくるので、業務内容だ けではなくていろいろなもの、「等」ということになってくるので、この中に 全部含むということになれば、もちろんそれでいいと思います。 ○夏目先生   1つ頭にあるのは、確かに統廃合になった結果、そこに自分が働く場所がな くなって、転勤したとか、そちらもイメージされるのです。そうすると、そ れは転勤に該当するのか、どちらに該当するかというところは、非常に悩ま しいところですね。あと通勤距離がかなり延びたとか、いろいろな問題は出 てくるとは思うのですね。あるいは個人が働くスペースが減ったとか、いろ いろな問題は、多分細かいところは出てくるだろうと思うのですけれども。 ○岡崎座長   これは視点の所にすべてを書くことはできませんので、そういう意味では、 逆に言うと「変化の程度等」ということで、内容も入れますか。「程度・内容」 あるいは、「内容・程度」とでもしますか。 ○夏目先生   内容も入りますね。業務の変化の内容や程度ですね。 ○岡崎座長   ということにさせていただきます。次の34の「非正規社員のマネージメン ト、教育を担当した」も、大体こんなことでしょうか。教育・指導・管理の 負担の程度等。 ○夏目先生   私はよく分からないのですが、非正規社員の場合に、派遣だったら、派遣 元が本来教育するのですよね。派遣元が本来、教育とかマネージメントをあ る部分はしなければいけないけれども、現場でする部分と両方、その立場に よって違うからよく分からないのですが、どうかな。 ○岡崎座長   ちょっと難しい、新しい困難があるのですね。おっしゃったように、派遣 社員は会社の方に管理責任があるわけですね。そちらを通じないと言えない 方々であるが、現場ではやはり、ちゃんとやっていただかなければいけない ためにマネージメントや教育をやるのですが、正規の方と違って、管理関係 がなかなか上手くとれないなどが生じて、この担当者は非常に苦労するとい うことがあります。ですから、これが入ったのは、非常に現在的な問題に対 応しているなと思います。表現はこんな感じにならざるを得ないかなと思う のですね。「教育・指導・管理の負担の程度等」、これも内容を入れた方がい いかと思いますけれども。  次の35番の「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」は、その内容・ 程度をきちんと評価するということですかね。 ○黒木先生   内容の程度、持続期間とか。 ○岡崎座長   そうですね。頻度・持続期間というのも入らないといけませんね。「嫌がら せ、いじめ、暴行の内容・程度、その頻度、持続期間等」ということでしょ うかね。 ○絹谷職業病認定対策室長   頻度と持続期間については、その後の状況で見ることになるのではないか と思うのですが。 ○岡崎座長   その後の状況でね。 ○絹谷職業病認定対策室長   次の資料3の「出来事に伴う変化等を検討する視点」で評価するというこ とになります。 ○岡崎座長   そちらの方で評価する。そうですね。  ということで、新規の方はざっと御検討いただいたのですが、修正の方は いかがでしょうか。2頁の17、18、25とありますが、これは先ほど来ずっと、 新規について議論してきたような項目の追加で、基本的な性格が変わるもの はほとんどないですけれども。27、31ですね。それから、37、38、39という 項目ですが、大体これはこれでよろしいのではないかと思います。  以上、修正する視点については御検討いただき、御了承いただいたと思い ます。 ○山崎先生   改正(案)の方で、先ほどの「長時間化する出来事があった」という所が ありますが、改正の方で「困難度」が加わっていますね。これは非常に重要 な視点かなと思っているのです。なぜかというと、ちょっと変な話ですが、 長時間化するという表現をとった経緯は、実際には負荷表の作成時にであっ たのですね。つまり、これは本当に時間が増えたというのだったら、増えた という表現を使えばいい。つまり、変化それ自体ではないのです。長時間化 なのですね。だから、例えばちょっと変な話ですが、4時間のものが5時間に なったのを、果たして長時間化と評価していいだろうかと。要するに1時間 の意味が、毎日12時間働いていたものが12時間半ぐらいになったという、 その30分の方がはるかに大きな変化であると。そういうある意味で、意味な り質的なものを評価の中に、むしろ本当は単なる変化の程度ではなくて、長 時間化の程度というのが本当は正しいわけなのですね。だけど、長時間化と いうのは何かなという。 ○黒木先生   どのぐらいの基準を長時間化というようにするかというのは、多分通達も 出ていますよね。 ○山崎先生   もうちょっと明快に作った方がいいのですが、正確に言うと、長時間化の 程度なのですね。 ○岡崎座長   表現はなかなか難しいところです。だから1時間延びて、その1時間の意 味がベースがどうかということとで違ってくるし、そのまた状況でも違って くるし、ここはそういったことをある意味で具体化できないために使ってい る表現でもあるのでしょうね。変化の程度、あるいは。 ○山崎先生   困難度が加わっているということがなかなかいいのではないかと。 ○岡崎座長   だから、これはきちんと困難度が入って評価されていますので、先生がお っしゃった意味も、この2つで評価しているのだろうと思いますね。困難度 と程度と両方で、変化の生じたことの意味が、これで評価はできているので はないかなと思うのですけれどもね。  ということで、一応、修正部分を含めて御検討いただいて、事務局の提案 で基本的に妥当だろうということで、御了解いただいたと思います。よろし いでしょうか。もちろん、今までいただいた意見にもとづく修正が必要です が。  それでは、資料2の「心理的負荷の強度を修正する視点の見直し」につい ては、御確認いただいたということにいたします。  資料3の「出来事に伴う変化等を検討する視点」について説明いただいて、 時間の範囲内で、なるべく検討したいと思いますが、よろしいでしょうか。 資料4は1項目だけですので、資料4も含めてお願いします。 ○横田職業病認定業務第一係長   資料3の「出来事に伴う変化等を検討する視点」の見直しについて、説明 いたします。この出来事に伴う変化を検討する視点については、現行、出来 事後の心理的負荷がどの程度持続し拡大、あるいは改善したかについて検討 する事項となっております。この趣旨を明確にするため、表題について、資 料の一番上の(3)「出来事後の状況が持続する程度を検討する視点」と改めて はどうかと考えているところです。  また、具体的な検討する視点として示されている各項目についても、出来 事後の状況が持続する程度を検討することを明確にするため、1つ目の○です が、「仕事の量(労働時間等)の変化について」については、「仕事の量(労 働時間)の変化後の持続する状況」と改めてはどうか。2つ目の○も、「仕事 の質・責任の変化後の持続する状況」というように、改めてはどうかと考え ているところです。  4つ目の○ですが、「職場の物的・人的環境の変化」については、「職場の物 的・人的環境の変化後の持続する状況」に改めるとともに、現行の検討する 視点で掲げている「職場の人間関係の悪化」について、より明確化する観点 から、「対人関係・人間関係の悪化」と改めてはどうかと考えているところで す。  5つ目の○の「会社の講じた支援の具体的内容・実施時期等」ですが、この 表題についても、「職場の支援・協力等の欠如の状況」に改めるとともに、現 行の検討する視点で掲げていた「訴えに対する対処、配慮の状況等」につい て、「訴えに対する配慮の欠如の状況等」と修正した上で、「上記の視点に関 わる調査の結果を踏まえ、客観的に見て問題への対処が適切になされていた か等」を、新たに加えることとしてはどうかと考えているところです。  最後の○の「その他」ですが、今のところ(1)「出来事に派生する変化」と なっているところ、「出来事に派生する状況が持続する程度」というように、 同じような形で改めてはどうかと考えているところです。  続いて表の一番右の部分ですが、今回、現行の検討する視点の改正と併せ て、この出来事後の状況が持続する程度を検討する視点について、より的確 な運用を行うため、具体的な評価のポイントとして、持続する状況を検討す る際の着眼事項例を新たに追加したいと考えております。その着眼事項につ いて下線を引いておりますが、具体的に今回例示をしております。1つ目の○ の「仕事の量(労働時間)の変化後の持続する状況」については、(1)「恒常 的な長時間労働が出来事以後に見られた」、(2)「多忙な状況となり、所定労働 時間内に仕事が処理できず、時間外労働が増えた」など、お示ししている5 項目を新たに追加したいと考えているところです。  2つ目の○の「仕事の質、責任の変化後の持続する状況」については、(1)「ミ スが許されないような、かなり注意を集中する業務となった」、(2)「それまで の経験が生かされず、新たな知識・技術が求められることになった」など、 お示ししている6項目を新たに追加をしたいと考えているところです。  3つ目の○の「仕事の裁量性の欠如」については、(1)「仕事が孤独で単調と なった」、(2)「自分で仕事の順番、やり方を決めることができなくなった」な ど、お示ししている4項目を新たに追加したいと考えております。  続きまして、4つ目の○の「職場の物的・人的環境の変化後の持続する状況」 については、(1)「対人関係のトラブルが持続している」、(2)「職場内で孤立し た状況になった」など、お示ししている6項目について、新たに追加をした いと考えております。  続いて、5つ目の○の「職場の支援・協力等の欠如の状況」については、(1) 「仕事のやり方の見直し改善、応援体制の確立、責任の分散等、支援・協力 がなされていない等」などお示ししている3項目を、新たに追加したいと考 えております。簡単ですが、資料3については以上です。  続きまして、資料4「職場以外の心理的負荷評価表」の見直しについて、説 明いたします。判断指針には別表2として、「職場以外の心理的負荷評価表」 も定めております。これについても、平成14年度に実施した委託研究結果に 基づいて、「職場における心理的負荷評価表」に係る業務上の出来事の追加・ 修正と同様の手法により事務局で検討を行ったところです。この結果、具体 的出来事として、新たに1項目を追加したいと考えているところです。具体 的には、「親が重い病気やケガをした」という項目を1項目、追加してはどう かと考えているところで、資料を提出しております。資料4については、大 変簡単ですが説明は以上です。よろしくお願いいたします。 ○岡崎座長   きちんと議論する時間が十分にあるかどうかは気になっておりますが、結 論に至りませんでも、今回、残りの時間続けてやりまして、できましたら検 討を終われればと思っておりますが、いかがでしょうか。出来事に伴う変化 等を検討する視点の見直しについて、着眼事項例も加えて、非常に具体的と いうか、詳しくなっておりますけれども。 ○黒木先生   「職場の雰囲気が、ギスギスしている状態になった」、なかなか分かりづら いのではないですか。孤立しているわけですよね。 ○夏目先生   ライフイベントに関しては、どちらかというと、ある出来事が起こったと いうところから考えていくから、多少慢性的なストレスが少し拾いづらいの ではないかという意見が、いろいろなところにあるだろうと思うのです。も ともと従来から出来事に伴う変化を検討する着眼事項の中に、慢性ストレス に対する視点はちゃんと入れていたのですが、それがより明確化されたとは 思っています。例えば仕事の質、責任の変化だと、このような「ミスを許さ れない」とか、「それまでの経験が生かされず、新たな知識・技術を求められ ることになった」とか、「不規則な交替制勤務となった」という、より具体的 な慢性的な状況に対する視点が追加されて、そこが明確化されたのではない かと私は感じています。 ○黒木先生   全体的には、非常に細かく、分かりやすくなっていますよね。裁量性の欠 如も、自分の技能や知識を仕事で使うことが要求されなくなったと、これも 事例として結構ありますよね。 ○夏目先生   分かりやすいですね。あとサポートというのが大きなテーマになっていま すので、その点ではサポートという内容をはっきり明確に規定しているので はないかと思っています。仕事のやり方の見直しを改善したか、応援体制を 確立したか、あるいは1人だけに責任をかぶせていたのを分散したのではな いか、支援・協力がなされていないかというように、職場がなすべきサポー トについて、明確に、的確に表現されているのではないかと思っています。 ○岡崎座長   総論的にはそういう感じがしますけれども。 ○黒木先生   「その他」の「出来事に派生する変化」というのは、主に想定としてはど んなことを考えておられるのですか。全般的にという考えでいいですか。 ○絹谷職業病認定対策室長   出来事によって派生するような変化で、ここに載せていないようなものが あるだろうということです。量でもなく、質でもなく、裁量性でもなく、物 的・人的でもなく、支援でも評価できないような派生するものが出来事によ ってはあるのではなかろうかという視点です。 ○黒木先生   先ほどのトラブルというよりも、職場のいじめとか、この辺はどのように 考えればよいですか。物的・人的環境の変化とか、この辺で捉えればよいで しょうか。 ○絹谷職業病認定対策室長   そう考えています。だから、対人関係のトラブルが持続している、あるい は孤立という状況があるかどうかは別にして、主にはこのトラブルが持続し ているというところで捉えることが可能かと思っております。 ○夏目先生   トラブルは持続するし、孤立した状況にもなり得るし、ギスギスした雰囲 気になる、あるいは居場所がなくなる、そのようなことがずっと続いた場合 に、それに対してトラブルに対する対処がなされているかどうかはその下で しっかり明確に。それがなされていないとすれば、そこにかなり問題点があ るのではないかというように読み取ったらいいわけですね。 ○黒木先生   いじめが恒常化というところは、非常に見えづらいところもありますよね。 いじめられていると思って、本人は主張するけれども、実際に客観的に見て、 それをいじめとして評価するというところは非常に見づらいところもあるの で、やはり全体的に見ていくしかないのかなという気がしますけれどもね。 ○夏目先生   いじめている側に、いじめているという意識がないことが多々ありますよ ね。自分たちがただ正しいと思っている場合があるから、そこはものすごく 難しいところでもありますよね。いじめているという意識が相手の側にあれ ば、いじめだというように誰でも分かりのですが、やっている方はそれが言 うならば指導だとかいうようになれば、そこら辺が非常に悩ましいところで もあるし、難しいところですよね。個別事例で検討するしかないだろうと思 いますけどね。確かに見えづらいですよね。職場という閉鎖的な集団の中で 生じているわけですから、オープンにされるわけではないので、見えづらい のは見えづらいし。 ○岡崎座長   この着眼の事項というのは、やはりいろいろな変化もありますし、引き続 き研究をしていただかないといけないのではないかと思いますね。それを適 時、追加・削除していかないと、やはりこの着眼事項例は参考にされますの でね。非常に具体的なのが入っていて、評価しやすくなるのではないかと思 います。 ○夏目先生   座長がおっしゃったように、時代とともにかなり変わってくるものがあり ますよね。だから、その都度その都度、いろいろな調査をしながら、そこの 妥当性とか内容を検証する必要が当然あります。 ○山崎先生   「出来事に伴う変化等を検討する視点」と、その前に検討していたのは、「出 来事の強度を修正する視点」という、具体的にどこに反映させるのかという のは、非常に明快なのですが、こちらの方も大事なことですから、どこに反 映させるかということをもうちょっと明記しておいていただけると、こうい うところに確実に目が向くというか。これは本当に大事な着眼を促している のですが、前に検討した視点よりも、はるかに視点は分かったけれども、そ れをどこに活かすのかというか、使うのかという、何かそれが明確でないの で、この調子だとどうなのですかね。要するに、総合評価に反映させるとい うことですね。 ○岡崎座長   総合評価で項目の採用の有無と、それからその程度を評価に反映させる修 正の視点ですね。 ○夏目先生   具体的に考えたら、多分IIと評価されて、それも修正の視点でもIIになっ たと。あと、例えば支援があったなどということが、この着眼事項にあるこ とがもしあれば、「相当程度過重」又は「特に過重」と評価される可能性は、 総合評価であり得るというように頭ではイメージしているのですけれどもね。 ○山崎先生   多分そうだと思うのですが、であれば、先ほどのは「出来事の強度を修正 する視点」と書いていましたが、こちらは総合評価を修正する視点とか。 ○夏目先生   出来事自体がストレス、1つか2つのストレスに絞っていますよね。その絞 ったストレスについて修正していますよね。ところが、ストレスそのものも あるけれども、それに対して周りが支援したのか、あるいはいろいろなこと をなしたかどうかという視点ですよね。だから、ストレッサーに対する視点 ではないだろうと。そこで、総合評価というところで変えていくのではない かという位置付けを、明確にしたらいいと思うのです。 ○岡崎座長   そうですね。項目、出来事を認定し、強度を修正する視点で評価を修正す る。それで、持続の程度等を考慮し総合評価をするという構造ですからね。 今回の見直しで、それが明確になるのではないかと思いますね。ということ で、例示の中に、ずっと見て、すぐにこれは抜けていると気付くものは私に はないのですが、全体の趣旨は非常に結構ではないかと思っているのです。 こういう具体例を挙げて、もっとこういうところに着目するのだ、使用しや すくなるということも含めて、大体こんな方向でよろしいかと思います。  資料4の「親が重い病気やケガをした」という項目を新規に追加すること に関しては、いかがでしょうか。これはいままで入っていなかったのを加え たわけですが。これは非常に関係することですね。 ○夏目先生   少子高齢化ですから、高齢化社会になればなるほど、老老介護が話題にな るぐらいですから、親が重い病気やケガをしたというストレッサーというの は結構な比重を占めるし、これからどんどん増えてきますよね。 ○岡崎座長   そうですね。これは比重を増すと思いますね。 ○黒木先生   そのために、仕事の形態を変えるという人もいるぐらいですから。 ○岡崎座長   介護のために離職をする方は多いですよね。 ○夏目先生   東京におられた方が地元の自分の所に戻って、そこでまた職探しをしなが ら、親の介護をするという問題も出ていますし、大きなテーマではあります ので。男性でもそういうケースがありますし。 ○岡崎座長   資料3と4に関しては、時間を十分かけたと言えない面もありますが、一 通り御検討いただいて、事務局からの提案は基本的に妥当ではないかという 御意見であったのではないかと思います。  本日、資料1-1、資料2、資料3、資料4で提案されたものをご検討いただ き基本的には御了承いただいて、あとは修正をして、最終的に今回の検討の 全体が完成するということになるかと思います。今日のところは、そういう ことで事務局からの提案をおおむね妥当として、御承認いただいたというこ とにさせていただきたいと思います。  当然、少なくとももう1回のこの検討会はやらなくてはいけませんし、こ の間いただいた御意見を踏まえて修正もなされないといけませんので、もう1 回の検討会が必要だと思います。  もう1つ、報告書が必要になります。それについては、また座長と事務局 に御一任いただいて、まとめて先生方に見ていただいて、最終的なまとめに させていただければと思います。  今後の計画等について、事務局の方からお願いできればと思います。 ○山口職業病認定対策室長補佐   これまで御議論いただいた点を踏まえて、次回検討会において、本検討会 の見直し案といいますか、今日の御議論で修正した案を含めて、先ほど座長 からお話がありました検討会報告書(案)について、次回御議論をいただけ ればと思っております。なお、この報告書(案)については、各先生方に事 前にお考えをお伺いして、その後座長と協議もさせていただいた上で、事務 局の方で案を取りまとめさせていただきます。その取りまとめたものを、次 回に提出、報告し、次回に御議論をいただくということで、よろしくお願い いたします。次回の検討会の日程ですが、3月の上旬開催を目処に、事務局の 方でまた御連絡をして調整させていただければと考えておりますので、よろ しくお願いいたします。 ○岡崎座長   長時間に及びまして、私の司会の不手際もございまして、少し時間を過ぎ てしまいましたが、詳しく御検討いただきまして、ありがとうございました。 この問題はいろいろと社会的な影響もありますし、今日もいただいておりま すが、いろいろなご意見や要望もいただくことがあるかと思います。そうい ったことも委員の先生方にはいろいろ御高配いただいて、今後の検討会に反 映させていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたし ます。事務局に引き継ぎたいと思います。 ○山口職業病認定対策室長補佐  本日はどうもありがとうございました。これをもちまして、本日の検討会 を終了させていただきます。 照会先:労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室認定業務第一係     電話 03−5253−1111(内線5570)