09/02/06 第7回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 第7回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 1.日時:平成21年2月6日(金) 10:00〜11:40 2.場所:三田共用会議所第三特別会議室 3.出席者:   <五十音順>   飯野靖彦委員、飯森眞喜雄委員、石名田洋一委員、伊藤裕委員、大井利夫委員、   落合和徳委員、北村聖委員、木下靱彦委員、高橋姿委員、土屋了介委員、   中瀬浩史委員、中田正委員、中谷純委員、根本則道委員、藤原研司委員、   増田寛次郎委員、宮地良樹委員、柳澤正義委員、横田順一朗委員、吉田謙一委員、   渡辺賢治委員、渡辺重行委員   事務局    人口動態・保健統計課長、疾病傷害死因分類調査室長、国際統計基準分類専門官 4.議題  (1)委員長の選出について  (2)WHO−FICインド会議報告について  (3)ICD改訂に関する動向について  (4)ICD−10の一部改正に対する意見提出について  (5)その他 5.議事内容 ○疾病傷害死因分類調査室長  予定の時刻となりましたので、第7回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因 分類専門委員会を開催したいと思います。  先生方におかれましては、ご多忙のところご出席いただきありがとうございます。  それでは、まずお手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。 ○国際統計基準分類専門官  まず、議事次第、資料1−1「WHO−FICインド会議について」、資料1−2「2008 年URC投票一覧」、資料2「ICD改訂に関する動向について」資料3「意見提出様式」、 参考資料1「今までにいただいた意見一覧」、参考資料2「WHO−TAG国際会議(案)」 でございます。  そして、机上配布といたしまして「委員名簿」、「社会保障審議会運営規則」、「「疾病、 傷害及び死因分類」に係る委員会の設置について」、「WHO−FICネットワーク組織 図」、「世界保健機関国際分類ファミリー」でございます。  資料は以上でございます。 ○疾病傷害死因分類調査室長  資料の方はおそろいでしょうか。不足等がありましたらお知らせください。  本日のこの委員会ですが、この委員会が立ち上がって3年目になります。第2期の委 員ということで今回、任命後、初めての委員会となります。つきまして、一人ずつ簡単 に自己紹介をしていただければと存じます。どうぞよろしくお願いします。  それでは、飯野委員からお願いします。 ○飯野委員  日本医大の飯野靖彦です。腎臓内科をやっております。よろしくお願いいたします。 ○飯森委員  東京医科大学の精神医学講座の飯森です。よろしくお願いいたします。 ○石名田委員  日本整形外科学会の石名田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○伊藤委員  慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。 ○大井委員  診療録管理学会の大井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○落合委員  慈恵医大の落合でございます。専門は産婦人科ですが、癌治療学会から出ております。 ○北村委員  東京大学医学教育国際協力研究センターの北村と申します。血液学会から出させてい ただいております。 ○木下委員  神奈川歯科大学の木下です。歯科医学関係を担当しております。よろしくお願いしま す。 ○高橋委員  新潟大学の高橋です。日本耳鼻咽喉科学会から来ています。よろしくお願いいたしま す。 ○中瀬委員  虎の門病院の中瀬でございます。神経内科から参っております。よろしくお願いしま す。 ○中田委員  日興フィナンシャル・インテリジェンスの中田でございます。統計ユーザーの立場か ら参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○中谷委員  東京医科歯科大学の中谷でございます。医療情報学会から参加しております。よろし くお願いいたします。 ○藤原委員  横浜労災病院の藤原と申します。消化器、肝臓内科を専門としております。どうぞよ ろしくお願いします。 ○増田委員  眼科の増田です。よろしくお願いします。 ○宮地委員  京都大学の宮地と申します。日本皮膚科学会から参加しております。よろしくお願い します。 ○柳澤委員  日本子ども家庭総合研究所の柳澤と申します。小児科学会から出ております。どうぞ よろしくお願いします。 ○横田委員  市立堺病院の横田と申します。日本救急医学会から出てまいりました。専門は救急医 学外傷でございます。よろしくお願いします。 ○吉田委員  東京大学の吉田です。日本法医学会の代表です。よろしくお願いします。 ○渡辺(賢)委員  慶応大学の渡辺賢治と申します。日本東洋医学会を代表しております。漢方が専門な のですけれども、ICD−11への改訂に向けて漢方を含む東アジア伝統医学の用語が入 るかどうかというところにきておりますので、応援のほどをよろしくお願いします。 ○渡辺(重)委員  筑波大学の渡辺でございます。日本循環器学会から参加させていただいております。 よろしくお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  本日のご欠席は、岩下委員、大江委員、嘉山委員、木原委員、相楽委員、菅野委員、 田中委員、針谷委員、松岡委員の9名からご連絡をいただいてございます。  土屋委員、根本委員からは遅れるという連絡をいただいてございます。  続きまして、議事に先立ちまして人口動態・保健統計課の安部よりご挨拶を申し上げ ます。 ○人口動態・保健統計課長  委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙のところ、本委員会にご出席を賜りまし て誠にありがとうございます。  ご承知のように、国際標準の疾病、死因分類、現在はICD−10が適用されておりま す。これは1990年のWHOの総会で採択されて、その後、一部改正が行われております けれども、基本形が定められてから20年近くかかっているということで、現在WHOに おいてICD−11への改訂の作業が開始されているところでございます。  また、我が国におきましても、医療保健分野におけます適用など、ICDの汎用性と いうのは近年ますます高まっております。国内における適切な運用を確保するためにも、 さまざまな問題点に関する恒常的な検討の枠組みというものが必要でございます。  また、合わせましてWHOが進めようとしておりますICDの一部改正、そして改訂 に向けまして我が国の考え方、または意見など、適切な形で反映させるための枠組み、 これもまた必要でございます。  こうした国内外の情勢を踏まえまして、平成18年度、社会保障審議会統計分科会の中 の専門委員会としてこの委員会が発足いたしまして、以来、ICDに関する問題点、ま たは改善点、その改善の方向につきまして、WHOにおける審議、検討の過程を踏まえ ながらご審議をいただいてきているところでございます。  今般、発足後2年が昨年経過したところでございますことから、第2期の委員会とい うことになったわけでございますけれども、多くの先生方が引き続きお願いをいただけ るとともに、また何人かの先生方に新たにご就任をいただくことができました。この場 を借りまして、厚くお礼を申し上げます。  委員の皆様方におかれましては、極めてご多忙の中、誠に恐縮ではございますけれど も、本委員会の趣旨をご理解いただきましてご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお 願いを申し上げます。 ○疾病傷害死因分類調査室長  それでは、まず、議事に先立ちまして、運営について説明させていただきます。  本委員会の運営につきましては社会保障審議会の運営規則に準ずるということになっ てございます。会議は原則公開、また、議事録も作成しまして公開されるということに なってございます。以上についてご了解いただきたく存じます。  それでは、委員長が選任されるまでの間はこちらの事務局で進めさせていただきます。  議事1、委員長の選出でございます。委員長は委員の互選により選任するという手続 になっておりますが、委員の先生方、いかがでしょうか。  大井委員、どうぞ。 ○大井委員  私は、前委員長の藤原委員を今期も委員長としてご推薦申し上げたいと思います。  理由は、ICD−10のアップデート、それから11へのリビジョンに向けて非常に難 しい時期を委員長として藤原委員は大変辣腕を振るわれて見事な業績を上げられてきま した。しかし、今やこれから議題に挙がってくると思いますが、ICD−11に向けての 大きなうねりの時でもございますので、是非藤原委員に引き続き委員長をお務めいただ きたいと思い、強くご推薦申し上げます。                  ○疾病傷害死因分類調査室長  藤原委員の推薦のご発案がございました。  それでは、本委員会の委員長を藤原委員にお願いしたく存じます。藤原委員、お願い いたします。               ○藤原座長  ただいまご指名いただきました横浜労災病院の藤原でございます。大江委員には本当 に丁寧に、また身に余るご推薦をいただきまして、大変恐縮に存じます。  今回、第7回ということで、昨年の8月に新しい委員の方も参加されているというこ とですので、これまでの経過について簡単に申し上げますと、年に2回開催ということ ですから、もう4年前程になりますでしょうか。  今、ご推薦いただきましたように、たまたま日本消化器病学会の学会総会のときに、 このICD−10問題が極めて重要であるだろう。なぜならば、DPCにも踏み込んでき ているということがあって、しかも目的がそもそも疫学と臨床の現場というのはかなり 違うということで、問題等を指摘して大分大騒ぎをしました。  しかも、私は大変心強くと申しますか、決してごまをするわけではないのですが、こ ちらの大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課で今日このような形にまで推進されて、 特にWHOに対して意見を積極的に挙げて、そして今日の議事にありますような段階に まで持ってこられた役所の方に、これまでのご努力を改めて深謝申し上げてこれから議 事に入らせていただきます。  それでは、議事2「WHO−FICインド会議報告について」、事務局からご説明をお 願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  それでは、資料1−1「WHO−FICインド会議について」でございます。この資 料は先日、平成20年10月25日から11月5日まで、インドのデリーで行われましたW HO−FICの年次総会についての概要でございます。WHOや世界各国のセンターの 方々あるいは政府関係者等、100名を超える参加者の会議でございます。  主な議題ですが、今回はいつもどおり各種委員会が開催されたということと、パブリ ックヘルス・インフォーマティックス、公衆衛生情報化が一つのテーマになっていまし たので、各国の現状に関する報告があったということでございます。  WHO−FICの運営について議論、検討をするCouncil(諮問委員会)についてで ございます。ここでは、次回WHO−FIC諮問会議あるいは年次総会の予定を決めて ございます。この次回WHO−FIC諮問会議、RSG(改訂運営会議)は2009年4月 20日から27日の予定になってございます。  ただ、これにつきましては韓国と書いてありますが、昨日のCouncilの電話会議によ りジュネーブで開かれるということで変更になりまして決定されてございます。  続きまして、毎年行われる年次総会の次年度の開催は、10月10日から18日、韓国で 行われるということが決定されてございます。  本年度の年次総会におきましては、各レファレンスグループの共同座長、議長の選挙 がございましたので、それについても報告があり、承認されてございます。  続きまして、その下のIC(普及委員会)についてでございます。ここでは、各国の ICD、統計の精度の向上に向けた統計の普及状況ということで、それぞれ各国から報 告がございました。普及状況に関するデータベースも設置されたというWHOからの報 告もございました。  続きまして、URC(分類改正改訂委員会)でございます。これはまた後で詳しく説 明いたしますが、ICDの改正について審議しているところでございます。本年は202 の議題について審議され、133の提案が受け入れられているところでございます。  また、このURCにおいて、ICDの大改正についてはICD−11の改訂が実行され る2015年までに行われる。つまり、2010年に加えて13年、16年の3回も今後実施する ということがここで決定されてございます。  続きましてEC(教育委員会)。ここは疾病の分類に関する教育活動を検討していると ころでございますが、疾病コーディングに関する認定プログラムを今、作成中というこ とで、その報告。あとはICFの教育カリキュラムということで、その作成活動につい ての報告が行われてございます。  その下のETC(電子媒体委員会)。これは各種統計に使うツールの開発について討議 しているところで、今回は次世代死亡統計システム、これは言語によらない統計システ ムということで、IRISと呼ばれているものですけれども、その開発状況と、この会 議で出てきておりますHIKI、ICD−11の改訂作業ツール、その状況についての報 告がございました。  その次、FDC(国際分類ファミリー拡張委員会)。こちらは分類のファミリーを広げ ていこうということで活動をしている委員会でございますが、今回、医療行為の国際分 類(ICHI)がファンディングについて不足があるということで、開発停止が検討さ れつつあるという状況が報告されてございます。  続きまして、MRG(死因分類改正グループ)。死因分類の問題に関する討議を行って いるグループですが、ここではICDの改正につながるような、例えば術後合併症の選 択に関するルールや、多発外傷の主要傷病をどうやって選択していくかに関する議論が 行われてございます。  その下、MbRG(疾病分類グループ)。こちらは死因ではなくて疾病ということで、 疾病統計について討議しているところでございますが、ここでの大きな議論になってお りますのは主要病態の選択手順ということで、どのようなアルゴリズムを使うべきなの かということで今そのような検討を行っているということでございます。  その下、TRG(ターミノロジーグループ)。こちらはICD−10とSNOMEDと のマッピング、WHOとSNOMED側との今後の作業の方向性ということで、その状 況に関する報告がございました。  続きまして、FDRG(生活機能分類グループ)。こちらは、ICFの検討を行ってい るグループで、今後ICFの改正作業が開始されるということで、どのような手続を踏 むべきかという議論が行われてございます。  また、「アジア・パシフィック・ネットワークミーティング」。これは今回、年次総会 に合わせて開催されたものでして、アジア地域各国における死亡統計や疾病統計の精度 向上に向けて、各国が集まり、情報の共有を行うというような内容の会議でございまし た。今回もタイやマレーシアから活動の報告がございました。また、ホームページが立 ち上げられてその情報共有を促進するということで、そのような取組みに関する報告も ございました。  また、今回の年次総会では去年と異なりRSG(改訂運営会議)は行われておりませ んでしたが、改訂の動向についてこのような報告が行われているということでこちらに 書いてございます。筋・骨格系のTAG(分野別専門部会)、皮膚のTAGの設置が発表 されてございます。  また、RSGの座長でありますシュート先生より疾病モデル、ICDの分類項目にい ろいろな情報をインプットしていこうというインフォメーションモデルの最新版に関す る報告がありました。  また、当専門委員会の委員でもあります菅野先生、内科のTAGの座長でありますが、 そのインフォメーションモデルを検討した際の問題点について報告をしております。  また、内科TAG国際会議が今度日本においての開催が可能になりましたので、4月 7日から9日の3日間で開催することについてのWHOの了解を取り付けたというとこ ろでございます。  1つ報告し忘れたのですが、1つ戻っていきまして死因分類改正グループで法医学会 のご協力をいただきまして日本の一酸化炭素中毒による死亡の状況をポスター発表させ ていただきまして、委員からも好評を受けたということにつきましてもご報告させてい ただきたいと思います。  続きまして、資料1−1別添「WHO−FIC年次総会URCの投票結果について」 でございます。これはURCについて特出ししたものでございます。この委員会は、各 国のWHOの協力センターの長が集まりまして、ICDの改正について審議し、方針を 決めていこうという会議でございます。委員会は原則全会一致なのですが、不一致が生 じた場合は各国1票ずつ、ICDの担当官を含めてなのですが、投票が行われ、そこで 強い反対意見を述べない限り、投票は賛成とみなされて決議されるというようなルール になってございます。  それで、今回の投票結果につきましては202件の提案につきまして受理が133件あっ たということでございます。  主な提案としては、以前から改正が続いております白血病、悪性リンパ腫、昨年の項 目の変更に続きまして、今回は索引につきまして大幅な変更が提案され、それが了承さ れております。  また、敗血症性ショック、これも引き続き何年も検討されているものなのですが、敗 血症の重症を示す追加的なコードという形で今回了承されてございます。  また、今回の特徴の一つとして、例えばHELLPのコード、妊娠高血圧症候群に伴 うものということで、このコードの追加が行われているということ、または癒着胎盤の コードというものも追加になる予定ということでございます。  また、小児の肺炎ということでメタニューモ・ウイルスのコードが追加されてござい ます。  今回、URCにおきまして日本からも初めて提案をしたという状況でございます。そ れで、提案するインドに持って行く前にまた各学会の先生方とご相談させていただきま して、幾つか取り下げたものもあったのですが、受理された提案件数は5件ということ で、改訂に関するTAGや、また来年のURCということで議論を継続するという扱い のものが3件ということでございます。受け入れられたものについては顕微鏡性大腸炎、 歯髄炎、タリウム中毒等々ございました。  それで、提案する際のものを今回提案してみたのですが、いろいろ課題も見えてきた という部分がございまして、ICDの提案をURCに持っていく際、かなりICDに関 する具体的な記述というものが求められるということ、またはICDの構造やルールを しっかり踏まえた上で提案していく必要があり、かなりそういった面ではこれは保守性 を持っている委員会だなという一つの感想を得たわけでございます。  また、世界中の各国から合意を得なければいけないという部分がございますので、こ れはユニバーサルな普遍的な問題であるということを、説得力を持って言わなければい けないということに一つの難しさを感じた部分もございました。そのような課題があっ たということもひとつご報告させていただければと思います。  続きまして、資料1−2「URC投票一覧」でございます。これが、今回提案された 202件の項目でございます。ICDの章別に並んでございます。章をまたがるものもご ざいますので、一部重複している項目もございますのでご注意ください。左の方から提 案題名がございまして、若干の概要と一番右に今プラットフォームで提示されておりま すWHOとしての最終決定というものが○か、×か、継続審議ということで記されてご ざいます。  例えば11ページを開けていただきますと、ここに日本の提案ということで○が付いて いるものがございます。もし何か個別に聞きたいというようなものがございましたら、 事務局にお問合せいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  インド会議につきましては、事務局からは以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。インド会議は、大井委員もご参加されたと伺っております が、事務局からのご説明に何か補足することが先生からございますでしょうか。 ○大井委員  私も、日本病院会と診療録管理学会を代表して全日程参加させていただきました。  例年そうですが、特に昨年のインド会議のときには日本の山内室長を始め大変ご活躍 いただきまして、非常に高い評価を得ています。今、控え目に報告されたのですが、日 本で初めてURCに5つの案件が出て、非常に高い率で採択されています。それは、こ の専門委員会の間で十分に練って持っていたということがよかったのではないだろうか と思いました。  そのほか、全体会議のときも山内室長を始め大勢の方が活躍されましたし、また菅野 委員が内科TAGの代表として大変優れた発表をなされ感銘を与えておりました。  ICD−11に向けて着々と歩み出したインド会議なのですが、大きな成果を上げたこ とと、日本のスタッフが大変活躍されたということをご報告に付け加えさせていただき たいと思います。 ○藤原座長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局並びに大井委員のご報告に関しまして何かご質問等がご ざいますでしょうか。いかがでございますか。 ○渡辺(賢)委員  慶應大学の渡辺です。私は、その前のトリエステとチュニスに参加させていただいて おります。  URCについて質問なのですけれども、これはもし全員一致が得られない場合にはW HOの担当官と協力センターとの投票ということなのですが、日本には投票権がないと いうことでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  投票権のある国というのは、協力センターとWHO担当官になってございます。日本 は今、協力センター申請中ということで、一応規定上には投票権はあります。それで、 実際に投票もしています。 ○藤原座長  よろしゅうございますか。  ほかにいかがですか。何かご意見ございませんか。我が国の方々が大変活躍されたと いうご報告もいただいておりますが、いかがでしょうか。  では、私の方から事務局にお伺いしたいのは、資料1−1の各種委員会報告の中で諮 問委員会の最後のところにICNP、国際看護分類ですね。これを関連分類として正式 に承認したということのようですが、これは新しい試みなのですね。どういう観点でこ れを取り上げたか教えていただけますか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  この看護分類は世界の看護師の団体がつくっている国際的な分類で、歴史は結構ござ います。これは去年も議論しましたし、その前も議論しているものでございます。だか ら、かなり長い間、議論してございました。  この分類は、看護の現場の行為に関するいろいろな、いわゆる看護に関する分類なの ですが、これまでの論点は要するにICFと重複する部分が多いという問題がございま して、その整合性をどう取るのだということで議論が続いていましたが、とりあえず関 連分類と認めてそのハーモナイゼーションを図っていこうということが今回合意を得た ということで、正式に関連分類として認められたということでございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。ほかにどなたかございませんか。  それでは、議事3「ICD改訂に関する動向について」です。事務局及び各担当者か らご報告をお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  資料2「ICD改訂に関する動向について」でございます。平成20年からこれまでの 動向という形で行われていた会議、更にその次のページから今後の予定も含めて、今後 わかっているものということで会議の予定を書いてございます。四角枠のものが、WH Oの取組みという整理でございます。これですべて網羅しているわけではございません ので、もしお気付きの点がございましたらお知らせいただければと思います。このよう な形で改訂に関する分野別の専門部会がどんどん開かれるようになっているということ がひと目ごらんになっていただければわかるのかと思います。このように活発化してい るということでございます。  続きまして、資料2別紙1−1「Internal Medicine TAG」でございます。本日、菅野 委員が欠席となっておりますので、内科TAGの動向につきましては、事務局から説明 をいたします。  これまで国内の内科の先生の方々と内科TAGに向けた検討会を開催しておりまして、 さまざまな内科分野のICDに関する検討を行ってきたところでございます。ここにそ れが書いてございます。  「内科TAGの組織編成」ということで、どんな編成にするべきかということをWH Oと話し合った結果でございます。7つのWG(ワーキンググループ)、循環器、呼吸器、 消化器、血液、腎臓、内分泌、リウマチということで編成が決まってございます。神経 内科につきましては、WHOが別途、TAGを編成するということでございます。  続きまして、内科TAGのメンバーでございます。以上の7つのWGがつくられると いうことなのですが、座長の候補者はどのような人がいいかということを話し合いまし て、WHOの担当者と連絡を取り、現在各WGの座長候補者とWHOの間でやり取りが 行われているということのようでございます。  続きまして、内科TAGが担当する範囲ということで、内科は非常に広い領域をカバ ーするということが想定されますが、ほかのTAGと重複する部分もあるだろうという ことが予想されるわけでございます。そこで、準備として内科ICD全体の中で担当す べき部分はどこかということを抽出する試みを行いました。  また、更にほかのTAG、例えば「希な疾患」TAGでの大元となりますOrphanet という希な疾患のデータベースがあるのですが、そこで内科TAGと重複する部分はど こであろうかということについて検討を行ってございます。  また、Information Model、これは今度ICD−11に向けて分類項目に情報をインプ ットしていこうということで、そのひな形となるものなのですが、WHOにより提示さ れたInformation Modelの案についてそのモデルの作成を試行したということでござい ます。その際、つくっていただいた先生方は大変な苦労をされたのですが、つまり記入 方法と項目の具体的な定義などについてさまざまな問題があるということが指摘されま して、菅野先生がそれをインド会議で発表されたということでございます。  また、これも先ほど申し上げました内科TAG国際会議、日本内科学会のご協力を得 まして4月7日から9日に東京国際フォーラムでその開催が可能になったということで ございます。  内科TAGについては以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。  それでは、飯野委員に内科TAGの腎臓WGの動向についてご報告をお願いします。 ○飯野委員  それでは、Renal Groupについて報告いたします。  菅野委員が内科TAGの座長ということで、腎臓グループのco-chairとしては私と、 ボストンのキャスト大学のレズリー・スティーブンスが承認されております。  2番目として、Renal Groupのメンバーをノミネートしております。今そこに添付し てある手紙文が2つありまして、1つはもう発送しておりますけれども、ノミネーショ ンした方、それから推薦をしていただきたいという2つの分類にしておりますが、世界 で12名のエキスパートを選びまして今、発送しております。  4番目としてアメリカ腎臓学会、ASN、去年の11月4〜9日に行われました。そこ でAKF、American Kidney Foundation、ここが非常に興味を示しておりまして、協力 体制をしてほしい。これはWHOもOKしておりまして、菅野先生も協力していただく ということで了解をしておりますけれども、アメリカは割にポリティカルにやはりこう いうものに対して今後コンピュータとかいろいろそういうメリットがありますので、非 常に興味を示しているところですが、日本もこういう面では主導権を握らなければいけ ないのかなという感じがしております。  そこで、今後の方針を決定して、テレカンファランスとか、そういうものを今後、今 年にかけてやっていく予定です。以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。  次に、精神TAGの動向につきまして飯森委員からご報告をお願いします。 ○飯森委員  2つご報告事項がございます。日付がちょっと前後いたしますけれども、まず1番目 です。TAGの下にAGというものかありまして、第4回目の会議が昨年の12月1日と 2日に開催されました。私の代わりに、私の下の丸田が出席いたしました。  そこでの主なテーマは、精神疾患を5つにラージグルーピングされたことです。(1)神 経認知的障害、(2)精神病性障害、(3)情緒的障害、(4)そして従来の我々にはなじみがなか ったExternalizing Disorder、日本語は外面化、もしくは外在化というような訳になる と思う障害です。それと、(5)神経発達的障害の5群で、半年以内にフィールド・トライ アルを行う予定ということが決まりました。  なお、この際、ラージグルーピングに関するフィールド・トライアルの実現可能性及 びICD−11に対する準備状況に関して日本の状況の説明をしろということで、日本精 神神経学会と厚生労働科学研究によるものについて報告をいたしました。  次に、2番目です。これは前後しますけれども、先ほども出てきましたグローバルな 科学的協力ネットワークグループ、GSPNという組織がつくられまして活動を開始し ているのですが、その第3回目の会議が11月24、25とベルリンで開催されました。こ のコアメンバーに丸田敏雅が入っているものですから出席いたしました。それで、次の 6点の活動方針が決定されました。  1番目は、各文化圏及び言語圏でGSPNのメンバーを選定してこのGSPNを構築 していくこと。  2番目が、WHOが今後直面するだろう科学的問題について特別な科学的アドバイス をすること。  3番目が、フィールド・トライアルのデザイン、コーディネーション及び評価に参加 すること。  4番目が、改訂過程において主要な言語圏において出版された出版物について文献レ ビューを支援すること。  5番目が、ICD−10の使用で浮き彫りにされた問題点の特定に参加すること。  6番目が、WHOから要請された診断分類やフィールド・トライアルに関するテキス トの翻訳においてアドバイスや支援をすること。  この6点が活動方針として決定されました。以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。  外因TAGの動向につきまして、横田委員からご報告をお願いします。 ○横田委員  資料はございませんが、昨年の10月に国際WG協力員の東京医大の行岡教授にワシン トンに行っていただきまして、外因のTAGの委員長でありますハリソン先生と直接お 話をしていただきました。それで、その内容を聞きますと、外因の分類について彼自身 は、20章即ち外因の原因に当たる部分について詳細に分類を詰めているとのことでした。  ところが、外因のいわゆる解剖学的傷病名に相当する19章については余りプランを持 っていないということがわかりまして、行岡委員は臨床的に使いやすい、例えばアメリ カのAAAMが出していますAISの分類等と整合性をつけるような方法ができないだ ろうかということ等をお話ししたようであります。その結果、ならばその部分について は行岡先生自らTAGの中に入って仕事をしてくださればどうかということで、彼がそ の一員になって、特に19章の部分について提案をするという立場になることでお話し合 いがついたとのことでした。  それで、現在ハリソン先生と、もう一つはAAAMのある方を通じて、AAAMのA ISのいわゆる分類を使うことの著作権といいますか、知的所有権といった問題などが ないかどうかということで今コンタクトをとっていただいているところでございます。  それ以上に今の進展はございません。以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。  続きまして眼科TAGの動向について増田委員の代理として柏井国際WG協力員より ご報告をお願いいたします。 ○柏井国際WG協力員  日本眼科学会の国際WG協力員の柏井です。  資料2別紙3のところにこれまでの経過のまとめを書いておりますけれども、基本的 には眼科は国際眼科会議、International Council of Ophthalmology(ICO)の中に 昨年4月にBruce Spivey 会長の下に8名の委員から成る作業部会を立ち上げまして、 4月にジュネーブのRSGミーティングでフランスからガイ・アフラロ先生が眼科のT AGの必要性についてプレンテーションされまして、続く昨年5月のジュネーブのIC D−11 Stakeholder Meetingで眼科のTAGが設置されることが認められました。  続いて、第1回のICDの作業部会を昨年7月に香港で開催された国際眼科学会のと きに行いました。WHOからRobert Jakob担当官が出席され、基本的に眼科のTAGは ICOを中心に構成していくということが認められました。  その後、昨年の11月の米国アトランタの第2回ICOのICD−11作業部会の際に、 基本的にここに示しました9領域、11ワークグループを立ち上げることを決定しました。 その後、12月のWHOとICOの電話会議でもって、眼科のTAGはICOで選出いた しました日本眼科学会の柏井と米国のAugust Colenbrander先生とのCo-chairsでIC Oを中心となってつくるということがここで正式に認められました。  5番に示しましたように、現在のところTAGのメンバーと、それからWorkgroups のCo-chairsが内定しまして、現在WHOからの認定を待っているところであります。  今年の5月に第3回の作業部会、基本的にはこれが眼科のTAGになりますけれども、 Fort Lauderdaleでこれらの新しく決まった11のワークグループのCo-chairsと一緒に 開催することを予定しております。以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。 ○増田委員  眼科のTAGは日本の眼科がイニシアチブをとって行っているものです。是非この委 員会でもそれを強くサポートしていただければと思っております。 ○藤原座長  誠におっしゃるとおりだと思います。  それでは、次に医療情報TAGの動向につきまして、中谷委員からご報告をお願いい たします。 ○中谷委員  それでは、TAG−HIMと題しまして医療情報TAGからのご報告を申し上げます。  TAG−HIMというのは各専門家グループとちょっと違いまして、Health Informatics and Modeling -TAGということで、目的は1番に書いてございますが、 資料2の別紙4でございます。これは原文をそのまま載せたのですが、4つほどござい ます。  1つ目はICD−11の情報モデルと既存の疾病モデルの適合性の評価と、2つ目は記 述論理の利用を含むICD−11における知識表現について、3つ目としてICD−11 と他のターミノロジーあるいはオントロジーとの連携性の評価、4つ目といたしまして 改訂プロセスへのツールの支援、ただしこれはウェブで使えること、それから分散処理 が可能であることとか、共同での開発が可能であることといったような条件を備えるツ ールであることが必要である。こういったようなことで、情報モデルをつくっていこう というのが目的でございます。  参加メンバーといたしましては、リーダーとしてスタンフォード大学のMark Musen 教授、メンバーといたしましてはここに書いたようなメンバーが参加しております。こ れはかなりRSGのメンバーも含まれているのですけれども、メンバーの専門は主にヨ ーロッパ、それからアメリカ、そしてアジアのオントロジーの専門家が集まっていると いうような図式でございます。  3番目の項目といたしまして、第1回の対面会議が12月にジュネーブで行われました。 ここでは内科TAGとの連携協力によってもともと提示された情報モデルというものが ございましたが、その情報モデルの課題点と、それから改善すべき点というものをまと めて発表してまいりました。  結果といたしまして、ここで情報モデルと呼んでいるモデルをコンテンツモデルと、 それからインフォメーションモデル、情報モデルという2つに分割しまして、それぞれ を検討するということとなりました。コンテンツモデルというのはどちらかというと専 門TAGから見て理解しやすいモデルというようなものですが、そのコンテンツモデル の一案として今後内科TAGと協力連携し、日本からということになりますが、そうい う原案をひとつ検討、提出するということを要請されました。それで今、検討中でござ います。  4番といたしまして今後の予定ですけれども、ほぼ毎月Tele Conferenceをやってい るということと、対面会議を年内に1度か2度開く予定になっております。以上でござ います。 ○藤原座長  ありがとうございました。  次に皮膚TAGの動向につきまして宮地委員からご報告をお願いします。 ○宮地委員  皮膚科の宮地でございます。皮膚科は、皮膚科TAGの設置がやっと認められたとこ ろでありまして、国際皮膚科学連合という世界の皮膚科学会の連合体がございまして、 そこの理事会で正式に設置が決まりました。  私はアジア選出の理事をしておりますので、理事長の方から人選の依頼がございまし た。そして、皮膚科学会とも協議しまして、日本皮膚科学会から1名、その委員を選出 したというところで、まだ一度も会議は行っておりません。近々アメリカで開かれると いうふうに伺っておりますが、それ以上の進捗はございません。以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。3月にアメリカですね。  次に筋・骨格系TAGの動向につきまして石名田委員からご報告をお願いします。 ○石名田委員  日本整形外科学会は早期から学会内にICD委員会を設置いたしまして、厚生労働省 と綿密に連携を図ってきたところでございますが、現在その学会内で専門委員会の委員 長をされておりまして、今回のTAGの設置について大変努力されました望月杏林大教 授から説明をさせていただきます。  また、この機会をお与えいただきました事務局に対して厚く御礼を申し上げます。 ○望月国際WG協力員  杏林大学の望月でございます。整形外科学会の中でICDに関して専門部会の責任者 をしております。  資料の中に記載しておりますので重複は避けたいと思いますが、インド会議の後、筋・ 骨格系のTAGということで設立が認められた後、ここにありますBone and Joint Decade というのはWHOの肝いりで2001年から2010年の間の世界運動でございまして、 運動器の10年運動の中枢でございます。そちらを中心としたTAGのメンバーを選定し ておりますが、今週ようやくそのメンバーの案が出まして、現在WHOの承認待ちでご ざいます。  それと同時に、本年の4月に内科TAGのface to face meetingと並行いたしまして、 筋・骨格系のTAGのface to face meetingも予定されております。それまでの間、筋・ 骨格系TAGは運動器の10年国際委員会から日本の東北大学名誉教授国分正一委員が 筋・骨格系TAGの座長を委任されて現在活躍中でございます。正式な座長の選定は、 face to face meetingのときに選任される予定でございます。  いずれにいたしましても、整形外科学会として国際的な対応に迅速に対応できる組織 を新たにつくっております。それと同時に、やはり日本が最初にきっかけでできたTA Gでございますので、やはりface to face meetingの討議材料というものをつくらなけ ればいかぬということで、毎月1回、10月から会議を開いて準備をしているところでご ざいます。以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。  以上、7つのTAGからご報告いただきましたが、全体を通じて何かご質問がござい ましたらどうぞ。いかがでございますか。若干専門性が違っても、こういう点も追加し てみたらいかがだろうかといったようなご意見はございませんか。では、どうぞ。 ○柳澤委員  以前の専門委員会で内科TAGのお話が出た中で、そこから小児・思春期のTAGを 組織する必要があるというような話が出たことがあるわけですが、その点について日本 小児科学会としては余り積極的な動きをしていないと言われればそうだと思うのですけ れども、WHOその他で何かそういった面での動きというのはあるのでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  小児科に関するTAGが現在どうなっているかという情報自体は持ち合わせていない のですが、以前よりこのTAGの編成というものは2008年までとなってございまして、 つまり分類をつくっていく上で2009年から本格的に始まるので、なるべくそれまでに整 えておきたいという予定になっておりました。  ただ、今のWHOの見解を見ますと、2009年10月というふうになっているようでご ざいます。いろいろな事情もあって若干予定が延び延びになってございます。  WHOとしては足りない部分については国際的な学会、あるいは団体を呼びまして説 明会を開いたり、呼び掛けを行ってございます。呼び掛けに応じてICDの改訂に取り 組むということで、例えば皮膚科や眼科のTAGが立ち上がっている部分があるのかな と聞いております。ですので、そういうような形で今後10月までにあるいは何か動きが 出てくるようであれば、そのような編成が行われてくるということはあろうかと思いま す。  ただ、2010年の春までにα版をつくるということをWHOは宣言しておりますので、 その意味ではかなり時間的には切羽詰まっているのかなとも思ってございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。柳澤先生、よろしいですか。 ○柳澤委員  はい。 ○藤原座長  ほかに何かございますか。今の問題も含めて、いかがですか。  大井先生、何か追加はございますか。 ○大井委員  特別ございませんが、インドなどの会議に出ていますと、参加されていない、或いは TAGがつくられていない分野というのはどうしても冷めた目で見られてしまいます。 幾つかの分野で、日本が全部イニチアチブをとれるとは限りませんし、これは国際的な 問題にもなりますが、まだ残っている分野に関係されている先生方は、もし何らかのア クションをお起こしになるのでしたらできるだけ早く動かないと、完全に置いてきぼり になってしまうかもしれません。WHOの本部の方ではそのまましずしずと決定してい ってしまうということになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○藤原座長  まさにそのとおりかもしれませんね。  ほかにどなたかございましたらどうぞ。 ○石名田委員  1つよろしいですか。先ほど事務局から神経内科については別の動きがあるとお伺い したのですが、その辺りをもう少し詳しく教えていただければと思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長  神経内科を内科TAGに含めるかということについては、議論がございました。  ただ、神経内科につきましてはWHOが神経系の疾患に関する組織を持っていること、 つまり別の団体があるということ、またその神経に関する特別な関連分類もあるという ようなことで、内科だけで扱うのは適当ではないという判断から、内科TAGとは別に 神経TAGというものをつくるという方針が示されてございます。それで、今メンバー の選定を行っているということになってございます。 ○石名田委員  ありがとうございます。日本からの要請とか、日本から推薦してくださいという要請 はないのですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  連絡がございまして、日本から委員を推薦しております。  ただ、その結果についてはまだご報告できる状況にはございません。 ○藤原座長  ほかにいかがですか。どうぞ。 ○横田委員  ちょっと細かい質問かもしれませんけれども、事務局にお尋ねしたいのですが、WH O−FICのインド会議の委員会のご報告の中で、死因分類改正グループの議題の中に 多発外傷の主要傷病選択手順が議論された旨をお書きになっておりますけれども、私ど もでいつも話題になりますのは、けがの場合は多発外傷をどういうふうに表現するかと いうところが臨床と現在使われているICDとの乖離が非常に悩ましいところでして、 この辺の動きが死因分類改正グループの中でどのようなご議論だったのか、もし教えて いただければと思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長  これについては、北欧系の先生方から出てきていまして、私もこれは出るまであまり よく知らなかったのですが、要するに多発外傷の中でその組合せに応じてその生存率な どを分析することで、どのようなアルゴリズムによって多発外傷の中のどれを主な外傷 として選んでいくかというようなアルゴリズムをつくっている先生がいらっしゃるよう です。それに関するペーパーが提示されまして、それを基に多発外傷をどう記述してい くかということについて、そのアルゴリズムをどうしていこうかということで今テスト を行っている。  我々の方も、それについてどんな方法で選んでいるかということについて是非情報を 得て、我々の方でもちょっとテストをしてみたいということを呼び掛けておりますので、 もしそのような情報がきた際には我々の方でもどのような形になっているかということ、 計算とか選択の方法とかについて我々の方でテストをして、どのようなものかというこ とも具体的に言えるかと思います。 ○横田委員  できれば、わかっている情報だけでもお教えいただければ、それぞれに我々の学会の 中でコンタクトを取れる知り合いがいればもう少しわかりやすいところも出てくるのか なと思いますので、申し訳ないですけれども、わかっている部分だけでも情報があれば 私の方にお知らせいただければ幸いです。よろしくお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  資料がございますので、お送りいたします。 ○藤原座長  そうですね。全体の動向という時点のデータも少しわかったらということですね。そ の辺は是非あった方がよろしいかと思います。  ほかにどなたかございましたら、どうぞ。 ○落合委員  事務局に確認なのですけれども、いわゆる中心分類についていろいろと改訂の検討を しているわけですが、派生分類、例えばICDとの関連みたいなことを少し教えていた だけたらありがたいと思います。どのような形で現在、検討が進んでいるかとかです。 ○疾病傷害死因分類調査室長  とりあえず新生物TAGの動きに関してですが、IARCという国際的な団体がござ いますが、たしか指導体制が変わったという事情もございまして、なかなかICDの改 訂に関しては作業が進んでいなかった状況にあったと伺ってございます。  それで、現在新指導体制の下、ICD改訂に向けた人選というものが明らかになりつ つあるというふうに聞いてございます。つまり、IARCがどのような人を使ってIC Dの新生物のところを改訂していくかを決めていくことになると思います。それで、国 際的な窓口については国際対がん連盟という団体があるそうですが、そこが中心になっ て各国の専門家に呼び掛けるというようなことも聞いてございます。  我々の方にはそういうような連絡がきておりまして、日本としてもどのような形で専 門家がこの改訂作業に参加いただけるかというような依頼もきておりますので、そこは がんの先生方とご相談させていただき、是非ご参画いただければというところでござい ます。 ○落合委員  ということは、派生分類も同時にある意味では並行して検討されるという理解でよろ しいのでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  そこはどういう手続になるかはわからないのですが、ICD−11というものがどうい うような形になるかがわかった上で検討することになるのかと思います。 ○落合委員  ありがとうございました。 ○藤原座長  ほかにいかがですか。よろしゅうございますか。  それでは、議事4「ICD−10の一部改正に関する意見提案について」事務局からご 説明をお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  これは昨年に引き続き、URCの改正の部分ですが、その手続、投票のサイクルがま た今年も始まるということで、それに関するお知らせでございます。  資料3「意見提出の様式」でございます。これはWHOの意見提出プラットフォーム をそのまま抜き出しているものでございます。  資料3別紙2が昨年意見提出していただいた際の資料からの抜粋でございます。プラ ットフォームに改正に関する意見を掲載するということでございます。これについては、 各学会から意見をいただいてございます。  どのような観点からの意見だったかということは、(2)特段の国内調整を必要とせず 国際的な議論に耐えられるということで、WHO内でも合意形成がしやすいものという 観点から選択をしていただいてございます。その中でいただいた意見のうち事務局で座 長、各学会と相談しつつ決定するという手続を踏んだわけでございます。それで、この 意見提出に際してはプラットフォームに入力するということから所定の様式に記入して いただき、なるべくそのような意見を提出する過程で各国からの質問やコメントがくる ことから、そういうような対応につきましてご協力を求めた次第でございます。  本年度も、これに関して学会等ICD改正につきまして意見がありましたら、この所 定の様式で2月末までに事務局にご提出いただければと思います。  ベースとなりますのは、昨年いただいた意見になりますが、その中からまた更にブラ ッシュアップしたり、あるいはちょっと変えたりというようなものも学会等にはあるか もしれませんので、そういうようなことにつきまして2月末までにご提出いただければ、 本年度につきましては今年の改正のサイクルに乗っていくということでございます。ま た、更にもし今年ということではなくても、事務局といたしましてはICDの改正に関 する意見は受け付けてございますので、その際、改正に関するご意見がございましたら 事務局に是非ご相談いただければと存じます。  それで、事務局にご相談いただく際には、我々と今回初めて意見を提出した経験を踏 まえまして、学会の提出元の先生方と相談いたしまして、提出の仕方なり、様式の整え 方なりをご相談いたした後にプラットフォームに載せるという手続を踏みたいと思いま すので、そのような意見を提出される際には、そのほどをよろしくお願いしたいと思い ます。  ご案内につきましては、また別途電子的に後で先生方、また学会事務局等に送付させ ていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  事務局からは以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。ただいまのご説明に関しまして、何かご質問等はございま すでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  追加でご説明いたします。5ページをご覧いただきますと、プラットフォームの見本 がございます。これは、顕微鏡性大腸炎、今年採択された提案でございまして、消化器 病学会の提案でございます。ここに書いてありますとおりAccepted、Proposal State というところに書いてございますが、受け入れられたものでございます。消化器病学会 のご提案の下に、プラットフォームに挙げさせていただいたものでございます。  見ていただきますと、その提案の詳細として、このK52.8の内容例示のところの下線 にあるような変更を行うという提案でございます。  また、更に大腸炎という索引のタームの下にこの下線の部分を追加するということも 合わせて提案をしているということでございます。つまり、内容例示と索引と両方見て、 このような提案の整合性を確保しているということでございます。  更に、その下にRationaleという理論的な根拠というものを記載いたしました後に、 次をめくっていただきますと詳細に付けていただいているのですが、文献があるという ことでございます。これは、オーストラリアも全く同じような意見を今回提出してござ いましたので、特段問題なくこの提案はURC上で受け入れられたものになりました。  それで、そのVotingの下にCommentsというものがございます。これが、各国がプラ ットフォームに記入するコメントでございます。これを基にどんどん議論が進んでいく ことになります。これは余り議論にはならなかったのですが、例えば最初に書いている のはドイツの方なのですが、いろいろこのようなコメントを書いて合意が形成されてい くということでございます。最終的には、オーストラリアの方と私が話し合ってこの提 案は共同でやりましょうということが決まり、URCで認められたという手続になって おります。以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。我が国と、オーストラリアはかなり熱心なのですね。ほか の国は、実際に学会レベルではどうですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  提案の数とかでございますか。 ○藤原座長  はい。 ○疾病傷害死因分類調査室長  今回に関してはというか、いつもそうなのですが、やはり欧米圏が主でございまして、 それ以外の提案に関してはほぼ日本だけというような状況でございます。  それで、旧英国圏の中でオーストラリアが特に多いのですが、それ以外にはフランス 語圏、彼らは独自のモディフィケーションの分類を持っていますので、それを基にした 提案、あとはアメリカの方からが多い。それが主でございます。その中に、今回初めて 日本が入っているという状況でございます。 ○藤原座長  そうすると、実際の投票の段階ではかなり保守的になってしまうのですね。 ○疾病傷害死因分類調査室長  そもそもこのWHOという組織自体がICDという長い歴史を抱えてございます。そ の歴史の重みから、やはり大幅な変更についてはかなり保守的なところがございます。 特に今のICD−10の構造自体を考え方からして変えてしまうような、特にこれは改正 の話で改訂ではないので、そういうような観点からはかなり受け入れてもらうのには苦 労する部分があるのかなということはこの前、強く感じました。 ○藤原座長  しかし、オーストラリアと、特に日本ですね。しっかりとやらないと、本当のいいも のはできてこないということだけは言えますね。各学会で、消化器は菅野委員が一生懸 命やっていただいていますが、ほかの学会でも同じようにどんどん積極的に我が国の意 見を挙げていただければということになろうかと思います。何かほかに皆様方の中でご 意見はございますか。  それでは、もしなければ議事5「その他」に入らせていただきます。事務局として何 かご説明はありますか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  「その他」はお知らせでございます。参考資料2をごご覧いただければと思います。 先ほどから何度も出てまいります内科TAG国際会議ということで、このお知らせでご ざいます。  これは、実はWHO−TAG国際会議ということで、内科と筋骨格系の合同というか、 同じ場所で両TAGが国際会議として開催できるという運びになってございます。日本 内科学会との共催で、筋骨格系については日本整形外科学会の多大なる協力がありまし てこのような形になってございます。  内科TAGは平成21年4月7日から9日に、筋骨格系TAGは8日から9日に行われ るということになってございます。場所は、有楽町にあります東京国際フォーラムにな っております。  この会議につきましては、WHOの担当官、RSGの方々あるいはTAGのメンバー の方々が参加されるようなものになりますが、会議自体としてはそんなに大きなもので はないのですが、集まって議論していただくということになります。  WHOの会議としましては基本的にクローズドなものなのですが、若干の傍聴席はあ るということで、事務局としてはご登録いただければ傍聴も可能という形にしたいと考 えてございます。  更に、このような国際会議が開かれますのでレセプション、ランチョン、意見交換会 等も合わせて開催させていただきたいと考えてございまして、特に8日に行われますレ セプション、こちらは海外からも先生がいらっしゃるということで、交流を深めていた だく機会としてなるべく盛大なものとしてやりたいと考えてございます。ここにいらっ しゃる先生方も、是非よろしければご来場いただければと思います。  意見交換会につきましては、この国際会議の直前に委員の先生あるいは協力員の先生 方に集まっていただきまして、事前の打合せ会みたいな形で開催したいと考えてござい ます。  これについては以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。是非先生方にもご参加いただきたいということですが、何 かご質問等ございますか。よろしゅうございますか。  まだ時間は少しございますので、特に議事3ですね。ICDの改訂に関する動向は大 分内容がありましたので、もし言い落としたないしは是非質問したかったということが ございましたら、どうぞ。あるいは、ほかの議事に関してでも結構ですが、全体を通じ て何かご発言がございますか。 ○石名田委員  中谷先生にお教えいただきたいのですけれども、TAG−HIMを整形学会の委員会 でも見せていただいて皆で検討させていただいたのですが、どうも疾病に関する深い入 り方、つまり分析はできても分類というものとどうもなじまないような気がして非常に 皆、困って、今回はちょっとわきに置こうじゃないかという話になったのですが、あれ は具体的に進行していくものなのでしょうか。 ○中谷委員  分類に関しましては、今回は情報モデルを導入した根本的な考え方というのは多軸分 類ということで、一つの基準の分類ではなくていろいろな角度から切り分けることがで きる、分類することができるようにしたいという考えで情報モデルを入れてきているわ けです。そういう意味では、実はまだかなりTAG−HIMの中でも議論が続いており まして、コンテンツモデルと情報モデルに分けて専門TAGからはわかりやすいような コンテンツモデルをつくる。それを情報学的にそごのない形で変換した情報モデルとい うものをまた別につくる。その間で変換を行うというような構造を基本的に考えており まして、その意味ではまだまだコンテンツモデルの中にいろいろな各専門TAGからの ご意見をどんどん入れていって、より理解しやすいようなモデルとか、そういうものを つくっていく必要があると考えております。 ○石名田委員  ありがとうございました。 ○藤原座長  ほかによろしゅうございますか。  以上で、本日の議事はすべて済みました。私は最初に申しましたように、行政の方で 非常によく努力されまして、こういった段階にまでに到達しているということについて は改めて敬意を表しますし、是非委員の先生方にも今後ともご協力をお願いしたいと思 います。  以上をもちまして、第7回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委 員会を閉会とさせていただきます。  本日はどうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課     疾病傷害死因分類調査室     電話 (代表)03-5253-1111(内線)7493