09/01/22 第36回労働政策審議会安全衛生分科会議事録 第36回労働政策審議会安全衛生分科会 議事録 1 日時 平成21年1月22日(木)10:00〜11:00 2 場所 厚生労働省 省議室 3 出席者 (委 員) 公益代表  平野委員、相澤委員、今田委員、露木委員、内藤委員、中原委員、名古屋委員 労働者代表  神田委員、高橋委員、谷口委員、中桐委員、古市委員(代理)、芳野委員 使用者代表 伊藤委員、高橋委員、豊田委員、中村委員、三浦委員、山崎委員、輪島委員 (事務局) 金子労働基準局長、尾澤安全衛生部長、木暮計画課長、平野安全課長、鈴木労働衛生課長、榎本化学物 質対策課長、田中建設安全対策室長 4 議事録 ○分科会長 ただいまから第36回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。眞部委員、古市委 員は所用のため欠席されております。本日は、労働政策審議会令第9条に規定する定足数を満たしてお りますので、当分科会が成立していることを申し上げます。豊田委員については、間もなくお見えにな るということです。古市委員の代わりに、全国建設労働組合総連合労働対策部書記の吉岡様が、代理出 席されております。  また、議事に入ります前に委員の交代がありましたので、紹介させていただきます。名簿順にご紹介 しますが、労働者代表の鈴木委員が退任されまして、日本基幹労働組合連合会事務局次長の神田健一委 員が就任されました。一言ご挨拶をお願いします。 ○神田委員 ご安全に、おはようございます。基幹労連の神田と申します。鉄鋼部門の新日鉄労連から 派遣されています。基幹労連では、挨拶を「ご安全に」ということでやっています。私は、この種の専 門知識は多くは持ち合わせていませんが、働く者の立場からしっかり対応してまいりたいと思います。 どうぞ、よろしくお願いします。 ○分科会長 それでは、議事に移りたいと思います。本日1つ目の議題は「石綿障害予防規則等の一部 を改正する省令案要綱」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」です。本件は、厚生労 働大臣から労働政策審議会会長宛の諮問案件であり、当分科会において審議を行うこととしたいと思い ます。事務局から説明をお願いします。 ○安全衛生部長 安全衛生部長の尾澤です。私から、諮問案件について説明申し上げたいと思います。 本日の諮問案件ですが、1つは「石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱」、それから「労働安 全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」です。案件は3点ございます。1点目は「建築物の解体等にお ける石綿ばく露防止対策の充実」です。石綿ばく露防止対策については、作業の実態等を踏まえまして、 その対策の充実を図る必要があることから、昨年平成20年9月に取りまとめられました検討会報告書に 基づいて、一部の作業における電動ファン付きマスクの使用の義務付けや、隔離措置の充実等の石綿ば く露防止対策の充実を図るため、石綿障害予防規則について所要の改正を行うこととしているもので す。  2つ目ですが、「結核健康診断廃止について」です。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関 する法律に基づく結核健康診断等の内容を踏まえまして、定期健康診断等の際に、結核発症のおそれが あると診断された労働者に対して実施されている6月後の結核健診を廃止するため、労働安全衛生規則 について所要の改正を行うものです。  3つ目は、「足場等からの墜落防止措置等の充実」です。足場からの墜落災害については、平成19年に は34件の死亡災害が発生しています。足場からの墜落防止措置の充実、足場の安全点検等の充実を図る ため、労働安全衛生規則について所要の改正を行うものです。詳細については、それぞれ担当課長から 説明させますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。 ○化学物質対策課長 おはようございます。化学物質対策課長の榎本です。それでは、資料に基づきま して説明申し上げます。本日は、諮問文の別紙として、資料No.1-1の別紙1に「石綿障害予防規則等の一 部を改正する省令案要綱」があります。その内容について、資料No.1-2にまとめてありますので、資料 No.1-2に基づいて説明申し上げたいと思います。お手数ですが、資料No.1-2をご覧ください。  まず趣旨ですが、石綿については、これまで多くが建材として使用されていまして、建築物等の解体 等の作業に対応した対策の充実を図るため、平成17年に単独の法令として「石綿障害予防規則」が制定 されまして、対策を行ってきたところです。石綿ばく露防止対策については、引き続き作業の実態、科 学的知見の集積状況等を踏まえ、対策の充実を図っていくことが必要であるということから、平成19年 11月から建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会を開催しまして、本日出席の公益代表の 名古屋委員に検討会の座長となっていただき検討を行いまして、本日別紙参考資料1にありますように、 平成20年9月に検討会の報告書が取りまとめられたところです。当該報告書を踏まえまして、今般石綿 障害予防規則について必要な改正を行うものです。  改正の内容についてです。1番目は「事前調査の結果の掲示の義務付け」。これは、石綿則第3条関係 ですが、建築物等の解体等にあたりましては、石綿則第3条に基づいて、建築物等について石綿等が使 用されているか、その有無を事前に調査することとされています。検討会において、事前調査について は、不備、不徹底の事案も把握されていることが指摘されまして、作業を行う労働者、また当該作業の 周辺において作業に従事する他の労働者にも、調査の結果を確実に周知できるよう、その概要について 掲示されることが取り組むべき対策の方向であるとされたところです。  現在は、通達において、石綿が使用されている建築物等の解体等の作業については石綿ばく露防止対 策等の実施内容を、また石綿が使用されていない建築物等の解体等の作業については石綿が使用されて いないことを、関係労働者のみならず、周辺住民へ周知するために作業現場の見やすい場所に掲示する よう指導しているところです。今般、検討会報告を踏まえまして、石綿則第3条に基づき行われた石綿 等の使用の有無に関する事前調査の結果を、労働者が見やすい箇所に掲示しなければならないこととす るよう改正したいと考えています。なお、掲示しなければならない事項としましては、「調査を終了し た年月日、調査の方法及び結果の概要」としたいと考えています。  次の2の(2)から(4)ですが、これは隔離の関係にかかる改正です。まず(2)の「隔離の措置を講ずべき 作業の拡大」について説明します。現行では、吹き付け石綿の除去等の作業については、石綿則第6条 に基づいて隔離を行い、保温材等の除去作業については、石綿則第7条に基づき、立入禁止の措置を行 うこととされています。検討会において、保温材等の除去作業のうち、切断、研磨等が伴う作業につい ては、比較的石綿粉じんの発生量が多い作業であるということから、吹き付け除去作業と同様に隔離し なければならない作業とすることが、取り組むべき対策の方向とされたところです。  現在、国内で最も広範に使用されている作業マニュアルである、建設業労働災害防止協会発行の「建 築物の解体等工事における石綿粉じんのばく露防止マニュアル」において、保温材等の掻き落としによ る除去作業については隔離措置が望ましいとされていまして、このマニュアル等により隔離するよう指 導しているところですが、今般検討会報告を踏まえて「保温材等の除去作業であって、切断、穿孔、研 磨等の作業が伴うもの」については、隔離の措置を講ずべき作業として追加することとしたいと考えて います。  (3)ですが、これは「隔離の措置と併せて講ずべき措置の追加」です。石綿則第6条において、隔離の 措置を講ずる際に、隔離の措置の他に講ずべき措置として、作業場所の排気に、集じん・排気装置を使 用すること、作業場所を負圧に保つこと、作業場所の出入口に前室を設置することを義務付けることと したいと考えています。現在、これらの措置については、通達や建設業労働災害防止協会のマニュアル により指導しているところですが、検討会においてこれらの措置の内容を明確に示すことが、取り組む べき対策の方向とされたところです。この報告を踏まえまして、省令において明確に示すこととしたい と考えています。  また、ただし書きのところですが、「これらと同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限 りでない」と記載していますが、同等以上の効果を有する措置として、グローブバックの使用によるば く露防止措置を想定しています。この方法については、例えば配管の保温材を除去する際に、配管の一 部をグローブバックという袋状のビニールで局所的に覆って隔離を行いまして、その密閉状況を保った ままで、その袋の中で除去作業を行うことができる手法です。  次に(4)です。これは「隔離の措置の解除にあたり講ずべき措置の追加」です。隔離の措置を行い、 石綿の除去作業が終了した後、特段の処理を行わずに隔離内部に粉じんが飛散しているおそれがある中 で隔離を解除しますと、石綿粉じんが外部に漏洩するおそれがあるということから、予め石綿等の粉じ んの飛散を抑制するため、隔離した作業場所内の石綿等の粉じんを処理するとともに、石綿等を除去し た部分を湿潤化した後でなければ、隔離の措置を解いてはならないというようにしたいと考えていま す。現在これらの措置については、建設業労働災害防止協会のマニュアルにより指導していますが、検 討会においてこれらの措置の内容を明確に示すことが取り組むべき対策の方向とされたところで、この 報告を踏まえて省令において明確に示すことを考えています。なお、ただいま説明しました(2)から(4) の改正内容については、大気汚染防止法において同様の義務付けが行われているということで、今回の 改正で大気汚染防止法関係法令との整合性を図ることとしたいと考えています。  (5)は「吹き付けられた石綿等の除去の作業における電動ファン付き呼吸用保護具等の使用の義務付 け」です。隔離の措置を講じた作業場所における吹き付けられた石綿等の除去の作業については、検討 会において、ピーク時において特に高い濃度の石綿にばく露するおそれがあるということから、着用す べき呼吸用保護具を一定要件以上の性能を有するものに限定させることが、取り組むべき対策の方向と されたところです。この報告を踏まえて、使用する呼吸用保護具を限定したいと考えています。  具体的には、電動ファン付き呼吸用保護具、またはこれと同等以上の性能を有するものに限定したい と考えています。なお、電動ファン付き呼吸用保護具については、文字通り動力で稼働するファンを呼 吸用保護具に取り付けたものということで、ファンによってフィルタなどを通した空気を面体等の中に 送り込んで、面体等の内圧を陽圧に保ち、外気の侵入を防ぐ構造を持つものです。また、これと同等以 上の性能を有するものとして、空気呼吸器、あるいは酸素呼吸器、送気マスクというものを規定したい と考えています。  (6)は「鋼製の船舶の解体等の作業において講ずべき措置の追加」です。今まで申し上げました(1)か ら(5)については、建設関係にかかるものですが、(6)は船舶、主に造船関係にかかるものということで す。過去に石綿が使用されていた製品は、多くの種類がありまして、それらの製品の破砕等の作業につ いては、現行でも石綿を取扱う作業に該当しまして、作業主任者の選任や切断等の作業が伴う場合にお ける湿潤化、あるいはその呼吸用保護具の着用の措置等が義務付けられているところです。さらに、建 築物又は工作物の解体等については、事前調査、特別教育等の規定も適用されているところです。  検討会において、建築物あるいは工作物以外の物のうち、建築物等の解体等と同じように、事前調査 等の規制を適用することが適当なものとして検討したところ、船舶の解体等についても適用することが 取り組むべき対策の方向とされたところです。この報告を踏まえて、規模、作業形態等に鑑みまして、 鋼製の船舶の解体等について追加したいと考えています。  なお、現状としては、鋼製の船舶の解体等は、国内ではほとんど行われていません。海外で行われて いるということです。ただし、改造については、件数は少ないのですが、国内でも若干行われている状 況にあります。それから、日本船舶技術研究協会というところが、船舶における適正なアスベストの取 扱いマニュアルを作成していまして、対策については周知されているという現状です。  現在、国際標準化機構(ISO)において、船舶のアスベストの適正処理について技術的な指針を検討し ている最中であることから、今回の改正では技術的な部分以外の基本的な措置についての規定を適用す ることとしたいと考えているところです。内容については、以上です。  施行時期については、3に書いてありますように、平成21年4月1日としたいと考えています。ただし、 2の(6)の船舶に関する部分については、新たに適用される業種であることから、3カ月の準備期間を設 けまして、平成21年7月1日としたいと考えています。  それから、ここに「参考」ということで掲げさせていただいていますが、これは今回の省令改正と合 わせて、特別教育の充実を図るための告示改正を行いたいということで、付けさせていただいています。  なお、少し長くなりますが、このような改正についての履行確保について、若干説明申し上げたいと 思います。前回の分科会において、古市委員から「石綿については規制の強化と併せて、解体工事に対 する指導を全国的に行い、履行確保をしっかり措置すべき」とのご意見がありました。このことを踏ま えて、今回の石綿則の強化と併せて、履行確保をどのように図っていくのか、少し説明させていただき たいと思います。  まず、全体としての方針ですが、石綿ばく露防止対策については、現在も行政の運営に当たっての重 点施策としているところです。引き続き推進していく必要があると考えています。私どもとしまして、 平成21年度においては、建築物等の解体時等の石綿ばく露防止対策を一層推進するため、改正された石 綿障害予防規則の周知は元より、その履行確保を図るための監督指導を重点的に行うこととしていると ころです。  具体的には、石綿ばく露防止対策の推進に当たって、どのような点に注意をして、効果的に取り組む 必要があるかということを指示しまして、各局の実状を踏まえて、事業所に対する臨検監督、地域別、 業態別に捉えた集団指導等を行っていくこととしています。  個別の事業場に対する監督指導等にあたりましては、問題のある解体等の工事現場を確実に把握する ことが重要になります。この関係では、平成19年12月に、総務省の行政監察において、アスベスト対策 に関する調査結果に基づく勧告がなされています。内容は、「厚生労働省は都道府県労働局に対し、建 設リサイクル法に基づくアスベスト使用建築物の解体作業に関する届け出情報の入手を徹底させるこ と」との勧告を受けています。この指示は、本省でも重要な指摘と考えていまして、都道府県労働局に 対して、改めて建設リサイクル法に基づく届け出情報の入手徹底を指示しているところです。都道府県 労働局等においては、地方自治体と協議等を行いまして、いままで把握できていなかった解体等の工事 現場の情報を入手し、監督指導等の対象にするなど、履行確保対策の充実を図っているところです。  また、地域住民等、一般からの情報も契機として、効果的な指導等についても、併せて行っていると ころです。実際に、住民の方から通報などをいただいて、それを端緒として、監督署が情報を把握しま して、解体等工事現場に対する監督指導等を行ったという例もあります。また、労働局、監督署におい て、地方自治体等の発注機関を集めた発注者会議を開催する等により、発注者に対し安全性、経費の確 保等について要請しているところです。今回の規制の充実と併せて、以上述べましたように、全国的な 指導を行うことにより、履行確保にもさらに取り組んでまいりたいと考えています。以上です。 ○労働衛生課長 続きまして、結核健康診断の廃止について説明させていただきます。労働安全衛生規 則の一部を改正する省令案の要綱については、資料No.1-1の5頁にあります。第1は、結核健康診断の廃 止です。具体的な説明は、資料No.1-3に基づいて行いたいと思います。  趣旨としては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号) 等に基づく結核の健康診断の内容や、「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」 の報告書の内容を踏まえて、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定める結核健康診断に関 する事項について、所要の改正を行うものです。施行期日については、2頁の一番下の括弧の中にあり ますように、結核健康診断の廃止等に係る部分は、平成21年4月1日を予定しています。  1頁の2に戻って、改正の内容についてですが、これは3頁に別紙1として書いてありますので、こちら で説明させていただきます。現行の規定については、労働安全衛生法の第66条第1項の規定により、事 業者は労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならな いとされています。この規定に基づいて、安衛則の第46条において、結核健康診断の実施時期及び、そ の項目を定めているところです。  具体的な健康診断の内容としては、雇入時の健康診断と、定期健康診断、それから特定業務従事者の 健康診断、または海外派遣労働者の健康診断の際に、結核発病のおそれがあると診断された労働者に対 してのみ、おおむねその6月後に、エックス線直接撮影による検査等を行わなければならないこととさ れています。この6月後の健康診断を廃止するというものですが、この背景としましては、次にありま すように、「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」の報告書において、●に ありますように報告されたことを踏まえ廃止するものです。  具体的には、抜粋になっていますが、労働安全衛生法では、旧結核予防法、これは感染症法に統合さ れていますが、定期健康診断等において結核発病のおそれがあると診断された者に対する6カ月後の胸 部エックス線検査等の実施を事業者に義務付けているが、改正結核予防法において、結核発病のおそれ があると診断された者に対する6カ月後の胸部エックス線検査等の実施にかかる規定が、医療機関への 受診を前提として廃止されたということで、労働安全衛生法においても同趣旨の規定を廃止すべきであ るということです。  実際には、おそれがある方はその後医療機関を受診して、適切にこれまでフォローアップはされてき たということですので、そのような趣旨から旧結核予防法が改正されたところで、これを受けてこの検 討会で廃止が提言されたところです。なお、予防法改正の際には、従来16歳の時点と、19歳以降は毎年 全員に結核健診が義務付けられていました。これが、結核感染のおそれがある、あるいは結核に感染し たときに他の方に感染を起こすような危険性があるというような一部の事業所、それから市町村におけ る健診として65歳以上ということで、極めて対象が限定されました。そのようなことを受けて、各方面 のご意見を聞いていましたが、さらにこの安衛則において対象をどうすべきかについては、慎重に範囲 を検討すべきというご意見をいただきましたので、なお以下にありますように「労働者に対する胸部エ ックス線検査の対象のあり方等に対する懇談会」において、さらに検討を行っているということで、去 る1月19日に第1回の懇談会を開始したところです。以上です。 ○安全課長 足場関係について説明させていただきます。要綱では、5頁の第2以下の部分ですが、説明 については資料No.1-3と、参考資料のNo.2という3枚ものの図面の資料があります。この両方を用いて、 説明をさせていただきたいと思います。  足場からの墜落災害については、長期的に減少傾向にありますが、足場は本来高所での作業をする際 に墜落等の危険を防止するために設けられるものですが、そこから墜落するという災害が平成19年にお いても、34件発生している状況にあります。その中には、足場に係る墜落防止措置について、現行の求 められている措置が実施されているにも関わらず、足場から墜落しているという災害も発生していま す。そのようなことも踏まえて、独立行政法人労働安全衛生総合研究所で、「足場からの墜落防止措置 に関する調査研究会」が設けられまして、昨年10月に報告書が取りまとめられました。今般、この報告 書の提言を踏まえて、足場からの墜落防止対策等の強化を図りたいと考えているものです。  改正の内容については、資料No.1-3の2の(2)以下です。まず「足場等からの墜落防止措置等の充実」 ですが、その前に足場の種類について説明させていただきたいと思います。参考資料No.2をご覧くださ い。足場の種類は、大きく分けて2つの種類があります。1枚目の左側の上の部分に記載しているのは、 わく組足場という種類の足場です。側面から見ますと、交さ筋かいというバッテン型の部材が取り付け られている型の足場です。  もう一つの種類が、2枚目の上側のわく組足場以外の足場で、単管足場等がこれに該当するわけです が、鋼管等の垂直の部材と水平の部材を組み合わせる形で設けられている足場です。大きく分けて、こ の2つの種類があります。  現在、足場の作業床からの墜落防止措置に関しては、高さ75センチメートル以上の手すり等を設けな ければならないという規定になっています。このわく組足場については、このバッテン型の交さ筋かい を設けていれば、手すり等を設けている、と現在取扱われています。これを、次に申しますように充実 をしようというものです。簡単に申し上げますと、側面の空いている空間を狭めようという内容です。  まず、わく組足場については、交さ筋かいと高さ15センチメートル以上40センチメートル以下の位置 に、下さんをさらに設けるということです。参考資料No.2の1枚目の図で言いますと、下側の一番左の措 置です。それから、高さ15センチメートル以上の幅木を設けるものです。これは真ん中の措置で、幅木 という板状の部材を設け、交さ筋かいに加える措置を義務付けようと考えているわけです。もう1つは、 1枚目の図で言いますと、一番右側の手すりわくを設けるものです。これは、2段手すりの機能を有す るわく状の部材ですが、そのような部材を設けるというように充実を図りたいと考えています。  次に、2枚目のわく組足場以外の足場については、現行では75センチメートル以上の手すりが1本でい いわけですが、それについて高さ85センチメートル以上の位置に手すりを設けて、さらに高さ35センチ メートルから50センチメートル以下の位置に、中さんというもう1本の水平の部材を設けることを義務 付けたいと考えています。  次に、足場からの工具等の物体の落下防止措置の関係です。これは、3枚目の図をご覧ください。高 さ10センチメートル以上の幅木、先ほどの板状の部材を設けるか、あるいはメッシュシート、これは足 場の側面に垂直に張るネットです。3枚目の図の真ん中の措置です。あるいは、防網、これは足場の各 段の下に設ける水平に張るネットです。このいずれかを設けることによって、足場の作業床から工具や 物体が落下する防止を図りたいと考えています。  次に、作業構台というものが建設現場内にありまして、機材の集積や建設機械の設置などのために設 けられるステージのような設備です。これについても、その端から労働者が墜落をしたりしますので、 現行75センチメートル以上の手すり等を設けなければならないとなっています。これについても、先ほ どのわく組足場以外の足場と同様に、高さ85センチメートル以上の手すりと、高さ35センチメートル以 上50センチメートル以下の位置に中さんを設けるという措置を講じなければならないとしたいと考え ています。  次に、足場と作業構台の安全点検等の充実ということで、そのような足場を安全な状態に保っておく、 あるいは作業構台を安全な状況に保っておくためには、やはりきちんとした点検が行われることが非常 に重要なわけです。現在でも、強風などの悪天候の後や、地震が起きた後、あるいは足場、作業構台を 組み立てた際に、その足場、作業構台が安全な状態にあるかを点検して、異常を認めたときには補修を しなければならないとされているわけですが、これをもう少しさらに充実をさせようということです。 まず1点目として、足場又は作業構台において作業を行うときには、その日の作業を開始する前に、作 業を行う箇所に設けた墜落防止措置の取りはずしの有無等について点検をして、異常を認めたときには 直ちに補修をしなければならないとしたいと考えています。これは足場の場合、例えば荷を足場内に入 れる際に、手すりを取りはずしたりというような簡単な変更も、よく行われます。それがそのままにな っていますと、次の作業をするときにそこから落ちたりということも起きることから、その日の作業を 開始する前に、墜落防止を図るという観点から点検をすることを義務付けたいと考えています。  それから、現行でも義務付けられています、悪天候時等あるいは足場を組み立てた際等に行う点検に ついては、その点検結果を記録して、足場又は作業構台を使用する作業を行う仕事が終了するまでの間、 これは元方事業者としては、その現場が終了するまでの間となりますが、これを保存することとしたい と考えています。この足場の悪天候時等の点検については、事業者だけではなく、足場での作業を注文 する注文者、具体的には元方事業者がなることがほとんどと考えられますが、注文者にも現行では悪天 候時等の点検は義務付けています。そのことから、記録の保存についても、同様に注文者に義務付ける としたいと考えています。内容については、以上です。施行期日については、平成21年6月1日から施行 したいと考えています。以上です。 ○分科会長 ただいまの説明についてご意見、ご質問がありましたらどうぞ。 ○三浦委員 石綿についてお聞きしたいのですが、参考資料の中で特別教育の項目がありますね。現在、 特別教育を終了して、かなりの人が作業に従事しているという状況になっているのですが、終了して今 現在やっている方々にはどのような形になるのですか。この追加項目の教育というのは。 ○化学物質対策課長 今回、若干時間数、内容も充実を図ることにしており、一応従来よりも上回る部 分については、既に受けた方についても受けていただくという方向で考えています。 ○三浦委員 それはどこか講習に行って受けるという形になるのか、それとも事業主がその追加項目に ついて教育して、その記録だけでよろしいのかどうか。 ○化学物質対策課長 特別教育については、基本的に事業主が行うということが前提になりますので、 どこか外の講習機関等で受けさせるというよりも、むしろ作業場というか、事業場で事業主の方が、適 当な方に教育させるという形で結構かと思います。 ○分科会長 よろしいでしょうか。他に何かございますか。 ○高橋(信)委員 資料No.1-3の2頁、イの(ア)のa以降で足場の所、「その日の作業を開始する前に異 常の有無について点検し」とあります。この点検者はいわゆる現場の監督者レベルでよろしいのでしょ うか。それとも何か資格要件のようなものをお考えでしょうか。 ○安全課長 法令上こういう方でなければならないということはございません。ただやはり現場の中で 十分な知識を持った作業を指揮したりする人がやることが望ましいとは考えております。 ○高橋(信)委員 そういう旨は文書で明示されるのですか。 ○安全課長 その辺りは通達等で示したいと考えています。 ○分科会長 他にございますか。 ○中桐委員 念のために申し上げますが、足場の関係です。先ほどもありましたが、普及には新しい足 場の点検者を決めておくことは大変大事であろうと。諸外国でもこういうことをしている説明を受けて おりますので、これは事業者にも指示して、適切かつ確実に設置できるように指導していただくことが 一番重要ではないかなと思っております。現場に広くそういうことが普及するまでは、しばらくは業界 を指導監督することも是非併せてやっていただければと思います。  結核と健康診断との関係ですが、皆様もご存知と思いますが、この近所の派遣村にいた労働者の中に 結核の保菌者、罹患者がいたという報道もありますが、最近はそういう流行がないので皆さん安心して いるとは思いますが、いつまた出るかは別の問題ですので、特に職域の場合は、やはり日ごろ警戒心を 持っていないと、たくさんの方々が出入りするような所で何かあった場合は大変ですので、備えはして いますというようなことで、例えば衛生管理者が事業者を教育する、指導するなどということをできれ ば定期的に、年に1回、何かに合わせて1回などという形でご指導を是非お願いしたいと思っています。 ○安全課長 足場関係ですが、施行は先ほどご説明したように、今年6月1日からを予定しています。円 滑な施行のために既に報告書が出た段階から、幅広く関係業界にもその内容等について情報提供してお り、中桐委員からご指摘がありましたように、今後とも関係業界団体等を指導することも含めて、円滑 な施行に努力していきたいと思っております。 ○労働衛生課長 派遣村における結核患者の発生あるいは神奈川県の建設現場の労働者で健診が未実 施であった方に結核が発症したことがありました。派遣村の関係は地域保健の管轄になりますが、神奈 川県の事例に関しては安衛法に基づく健診を実施すべき対象者でしたので、こういう最近の結核の発生 の状況などを受けて、定期健診における胸部エックス線検査がもつ結核予防の観点を再度どのような形 で、事業者に徹底するかを今検討しておりますので、そういう対応を取っていきたいと思います。 ○分科会長 中桐委員よろしいでしょうか。 ○中桐委員 はい。 ○分科会長 他には何かご発言ございますか。よろしければ「石綿障害予防規則等の一部を改正する省 令案要綱」及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について一括して皆さんにお諮りし たいと思います。当分科会として妥当と認めることにしてよろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 ありがとうございました。それでは「石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱」 及び「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」についてそれぞれ当分科会として妥当として認 めることになりましたので、その旨の報告を私から労働政策審議会会長宛に行うこととしたいと思いま すが、報告文については私に一任させていただくことでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○分科会長 それではそのようにさせていただきます。労働基準局長からご挨拶がございます。 ○局長 労働基準局長です。今朝は早くからご参集いただき、ご審議をいただきありがとうございまし た。ただ今「石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案要綱」及び「労働安全衛生規則の一部を改正 する省令案要綱」について、妥当と認める旨のご報告をいただいたことについて感謝申し上げたいと思 います。これらについては、ただ今いただいた意見も踏まえて、速やかに政省令の改正作業を行い、そ の円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。どうもありがとうございました。 ○分科会長 それでは次の議題に移ります。「国からの指定等に基づき特定の事務・事業を実施する法 人に対する国の関与等に係る見直し」についての報告です。事務局から説明をお願いします。 ○計画課長 私から資料No.2に基づきご説明します。資料No.2「国からの指定等に基づき特定の事務・事 業を実施する法人に対する国の関与等に係る見直しについて」ということで、以下に趣旨が書いてあり ますが、若干背景についてご説明するために、先に4頁、平成18年8月15日の閣議決定を載せていますの で御覧下さい。ここの冒頭にあるように、国の事務については独立行政法人、公益法人などを指定して または、認定、登録という形もありますが、事務を実施させているものが政府全体でかなり多くありま す。これらの事務・事業についてより一層の透明性あるいは効率性、厳格性を確保する観点から、平成 18年の時点で政府全体で一定の整理をしました。  1にあるように、原則として国以外の特定の法人に事務・事業を実施させる仕組みの新設は抑制する。 やむを得ず新設せざるを得ない場合については、当該事務・事業の基本的内容を原則として法律で定め、 事務・事業の実施方法等に関する基準を客観的に明確なものとするとともに、登録制とすることになっ ております。指定制よりも登録制を推奨するという内容です。  次に、それでは国の関与の透明化のために、具体的に関係省庁が何をするかということで、2の(1)に 府省が講ずべき措置が書いてあります。ここのアにあるように、事務・事業の法的位置付けの明確化。 指定、登録等に係る事務・事業の基本的内容を法令で定める。ここでいう法令については規則まででし て、大臣の定める告示では足りないという趣旨です。(2)にあるように、事務・事業の実施方法等に関す る基準を客観的に明確なものとするということです。これが位置付けですが、イにあるように、指定、 登録等に係る事務・事業を行う法人による適正な事務・事業の実施の担保措置ということで、厳格な措 置を取るようにということも併せて決まっております。まず、法人の指定、登録等の基準の基本的な事 項を法令で定めて、詳細な事項は府省による裁量の余地を極力小さくすべく一層の明確化を図った上 で、法令又は告示で定めるとともに、指定、登録等の際、当該法人の業務の実施方法、実施体制等につ いて厳格な審査を実施するということ、審査段階で厳格にやるようにということです。そして(2)、似た ようなことが書いてありますが、主務大臣による報告徴求及び立入検査、登録基準への適合命令、法令 等に違反した場合の登録の取消し等を法令で定め、法人に対する指導監督を厳格に実施するということ で、これも立入検査等をきちんと定めて、指導監督も厳格にするという規制強化について併せて定めら れたということです。そしてウ以下は、さまざまなことについてインターネットで公開するなどの運用 上の透明化などが以下、書いてあるということです。この閣議決定を受け、厚生労働省、各省庁で検討 した結果、7頁にあるように平成20年3月時点で一定の整理をして、行政改革推進本部として決定してお ります。  そのうちの安全衛生にかかる部分を8頁以下に一覧表にしてあり、例えば一番上にあるように、産業 医の講習について、一定の水準以上のものとするために、大臣が一定の要件を定めるという制度を運用 しております。これについては産業医科大学、医師会に実施していただいていますが、これについて措 置内容について法令で定める、今現在告示で定めておりますが、法令で基本的な基準を定めるというこ と。あるいはその主務大臣に対する報告というような規定は、今現在法令上ありませんので、こういう ものを新たに定める、指導、監督を厳格に実施する。そういうものを平成20年度中に措置するというよ うなことを平成20年3月31日付で決定したということです。労働災害の再発防止講習以下、さまざまな 事務・事業を並べておりますが、平成20年の行革本部決定でした事項について、本年度中に法令上の措 置をしたいということで、本日作成した資料No.2に書いてあるとおりの措置を考えております。  1頁に戻り、改正の主な内容があります。まず、指定法人関係で、私どもとしては5つの事務について は、引き続き指定という形で実施したいと考えておりますが、これらについて指定基準の明確化等の措 置を講ずるということです。産業医の講習等の5つの事務について、それぞれ政省令において、内容と しては、厚生労働大臣が指定する者が行うこととされている講習等について、当該指定基準の基本的な 事項、厚生労働大臣に対する報告、法令に違反した場合の指定の取消しに係る規定を省令で定めるとい うことにしておりますし、その際の具体的な内容は例えば、講習の科目、時間数、経理的・技術的な基 盤等を指定基準とすること。あるいは欠格条項を定めること。業務規程の認可、変更命令、必要書類の 備付け、実施結果の報告、主務大臣による適合命令、改善命令等の指導監督の規定を明確にしておくと いう法令整備を行いたいと考えております。  次に2頁、登録法人の関係です。これは従来指定という形でやっていたものについて、見直しを行い、 登録という形に制度を移行するとともに、指導監督を厳格化する措置を取るというものです。労働安 全・労働衛生コンサルタント試験の受験資格に係る講習など、9つの事務について登録制度を整備する ということです。内容についてはほぼ指定と同様ですが、登録基準については客観的に定めるというこ とで、登録の更新の規定なども置きます。あるいは業務規程については、指定の場合には認可ですが、 登録の場合は届出ということになります。その他必要書類の備付け、実施結果の報告、主務大臣による 指導監督というような規定を置きたいと考えております。  併せて今回の事務・事業の見直しの際に、廃止を考えているものが2点あり、例えば労働衛生専門官、 労働基準監督官が作業環境測定士になりたいとして試験を受ける場合に、一定の免除を受けるための講 習がありますが、このようなニーズのないものを廃止するなどの整備も併せて行うことを考えていま す。  3頁には、併せて所要の整備を行うものも記載してあります。また、施行については平成21年3月31日 を予定しておりますが、既存の指定等法人に係る申請等手続きがあるので、一定の猶予期間を設けるこ とを検討しています。  以上若干技術的なことになりましたが、以上のような法令整備を予定しておりますので、ご報告させ ていただきました。以上です。 ○分科会長 ただ今の件について、何かご質問がありましたらお願いします。 ○中桐委員 ちょっと教えていただきたいのですが、ここで説明を受けたときに、これの精神がよくわ からなく、要するに天下りなどの規制強化というか、行政に対するひとつの縛りというような考え方で 進めてきているのか、それとも規制緩和の方向でいろいろなものを広げていこうとしているのか。どち らの流れなのかよくわからないのです。それで聞いたところ、これは規制強化、天下りを廃止するとい う流れの1つですという説明を受けたのですが、読んでみてどうなのだろうという気がいたします。と 言うのは11次防のときですが、職場の安全衛生の確保というのは、法律というよりも労使の自主的な活 動で行うということを行政が支援をするという方向に切替えたと思いますが、その際に、職場なり地域 で大変頼りになるのは例えばNPOであったり、安全センターが役に立ちます。うつ病などいろいろなメ ンタルヘルス関係では、産業カウンセラー協会の医師、ボランティアの方々があってこそで、自殺の予 防などでも一緒にやっているのですが、仕事ができている部分があります。そういういろいろな方々の 協力がないとなかなか簡単に労使の自主的な活動といっても、安全衛生対策ができない状況がたくさん ありますので、閣議決定されているというわけですが、そういうところはどう考えたらいいのか、スト ンと落ちないものですから、もし労働基準局長なりが、こういうことだということをお示しいただけれ ばありがたいなと思っております。 ○分科会長 内容は政治的なところまでありますので、答えにくいかもしれませんが、答えられる範囲 でお願いします。 ○計画課長 この点については、国からの指定、登録についてはかなり政府全体でたくさんあり、あま り統一的にどうだというものがもともとなかった中で、確かに規制改革というよりもむしろ行政改革の 流れの中で検討されてきたというものです。もし一言でということで敢えて申し上げれば、やはり行政 の透明性の確保ということかと思います。確かに通達その他において、いろいろなものが書かれており、 公開はされているわけですが、一般の人にはなかなか見えにくいということですので、あるいは大臣告 示というのも立派なものではないかと思っているわけですが、それでもやはり法令集には規則までしか 載っていないということもあります。したがってこういう国の事務・事業については、規則以上に定め るというひとつの決め事、そういうことにより透明性を確保するということと、もう1つは登録制に移 行する部分がありますが、行政の裁量をなくす、したがって法令に書いてあれば、もうその基準に合致 すれば必ず登録されるという形で、行政の裁量性をなくすというものです。それから適合命令などさま ざまな監督の規定というのは、正直なところ今現在ほとんどない。これを新設するという、これは形の 上では規制強化なのですが、これについても行政が透明に規則に定められた手続きに則って、やってい くということで、以上のような整備を行うということです。一言で言えば行政改革の流れの中の行政の 国の関与の透明化という中で、出てきたものとご理解いただきたいと思っております。 ○分科会長 中桐委員よろしいでしょうか。行政改革の基本方針に沿ってやっているということのよう ですが、ご了解いただきたいと思います。 ○中桐委員 了解したわけではございませんが、ご説明は聞きました。 ○局長 今計画課長から説明したとおりですが、最近大きな流れとして、国の事務・事業を特定の団体 に行わせる指定法人などといった仕組みが、行政の各分野にわたって相当多数あるということで、これ は国の仕事を代わってやるわけですので、いわばきちんとした国民の目線の中で、きちんとチェックで きるようにするということは当然なことだろうと思うわけです。それに付随をしていろいろ公務員の再 就職問題なども絡み、いろいろなご批判もあったということで、基本的には国の事業をやるときには、 特定の指定した団体にやらせるというのではなく、一定の要件を満たした所については、登録をしてい ただき、そこにやっていただくというような方向に大きく舵が切られてきているのだろうと思います。 そうは言いましても、既存のたくさんの団体があります。我々の所でも安全衛生関係で、いろいろな団 体にご協力をお願いしてやっておりますが、そこのところは国に対するチェックと同じように、国民の 目線で見てはっきりわかるようにするということが、やはり今の行政の透明性の確保という観点から、 非常に大事だろうと。こういう大きな流れの中で閣議決定がされ、特に厚生労働省の仕事の中でも、労 働基準局の関係は許可、試験、講習など、そういう事務・事業が多いですから、結構これに該当するも のもあり、全体としてそういう大きな政府の流れの中で、きちっと説明責任を果たしていこうと、こう いうようなことで考えているところです。もとよりこれにより、行政の水準が後退するというようなこ とがあってはいけないと思いますが、やはり効率的にきちんと透明性を高めて、ともすればやや非効率 になったり、いろいろな世間からのご批判もあるので、きちんとオープンにした形で、客観的にできる ようなことで、我々もこれから取り組んでいきたいと思っておりますので、是非ご理解をいただきたい と思います。 ○分科会長 他に何かご意見はございますでしょうか。他にご発言がなければ、当分科会として、「国 からの指定等に基づく特定の事務・事業を実施する法人に対する国の関与等に関する見直し」について 報告をいただいたということにしたいと思います。よろしいでしょうか。これから厚生労働省がやられ ることについて、ご報告をいただいたと、これに沿ってやっていただくということです。もしよろしけ れば本日の議題は以上の2つですので、これで終了にしたいと思います。  皆さん、何かこの際にご発言ということがあればお願いします。よろしいでしょうか。それでは本日 の会議は以上をもって終了といたします。議事録への署名は、芳野委員と三浦委員にお願いしたいと思 います。よろしくお願いいたします。皆さん、本日はお忙しいところどうもありがとうございました。 これで今回は終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。 以上 照会先: 労働基準局安全衛生部計画課企画係            電話03-5253-1111(内線5476)