09/01/21 平成20年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成20年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年1月21日(月) 10:00〜12:00 (2)場所  厚生労働省共用第8会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、相川直樹委員、        池上直己委員、伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、        小山信彌委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、        嶋森好子委員、辻村信正委員、難波貞夫委員、松田晋哉委員、        山口俊晴委員、吉田英機委員、邉見公雄オブザーバー        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 これまでに検討された項目の整理        2 DPC評価分科会委員の提案        3 松田研究班からの報告        4 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  予定より少し早めですが、委員の先生方、皆様お集りになられましたので、ただいま から平成20年度第9回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を開催させていた だきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は山口直人委員が御欠席です。また、医 療課長は本日欠席となっております。また、オブザーバーで御参加いただいています邉 見先生から、今日は西澤先生が御出席いただいておりますので、どうぞよろしくお願い します。  それでは、まず資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。 ○中田補佐  資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第、座席表、委員名簿がございます。続きまして、資料D−1「これま でに検討された項目の整理について(案)」、参考資料「新たな機能評価係数について のDPC評価分科会委員の提案」、松田研究班からの報告でございますが、資料D−2 「病院機能係数の考え方について(4)」。  以上でございます。   ○西岡分科会長  ありがとうございます。資料はよろしいでしょうか。  それでは、これまでに議論されました新たな機能評価係数の項目につきまして、まず 事務局よりご説明をいただき、その後DPC評価分科会委員の提案につきまして議論を 行いたいと思います。  では、まず事務局のほうから、新たな機能評価係数の項目について御説明をお願いい たします。 ○中田補佐  資料D−1「これまでに検討された項目の整理について(案)」をごらんいただきた いと思います。  こちらにつきましては、昨年12月17日の中医協基本問題小委員会におきまして、 新たな機能評価係数に関する基本的考え方がまとめられたことを受けまして、その考え 方に従いまして、当分科会においてこれまで検討してきた項目及び、各委員から提案さ れた項目についての整理を行ったものでございます。  お手元のドッチファイルに過去の資料がございます。ドッチファイルにございます昨 年12月17日の資料でございますが、その中の資料D−1「調整係数の廃止と新たな 機能評価係数の設定について」をごらんいただきたいと思います。この資料の5ページ 目からでございます。  昨年の中医協基本問題小委員会で取りまとめられた事項の確認でございますが、5ペ ージ目以降、再度御説明申し上げたいと思います。調整係数の役割については、これま での議論の中で調整係数はDPC制度の円滑導入の観点から設定されたものであり、1 つ目として前年度並の収入確保、2つ目として重症患者への対応能力・高度医療の提供 能力等現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評価という役割を含ん でいる、というものでございます。  6ページ目でございますが、新たな機能評価係数の検討に当たってということでござ いまして、基本方針といたしましては1つ目でございますが、調整係数としての役割の うち、前記1の「前年度並の収入確保」については廃止することとし、2の「現在の機 能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評価」については、新たな機能評価係 数として評価できるものを検討するというものでございます。2つ目といたしましては、 既にDPCで評価されている項目全体を整理し、既存の評価の在り方の見直しも含めて 新たな機能評価係数について検討する。3つ目でございますが、調整係数の廃止に際し ては、新たな機能評価係数の検討結果を踏まえて激変緩和を目的とした段階的廃止の有 無や、その方法について検討するといったものでございます。  ページをおめくりいただきまして、7、8ページ目でございます。基本的な考え方と いたしまして、ここに論点が示されております。1つ目でございますがDPC対象病院 は急性期入院医療を担う医療機関である。新たな機能評価係数を決定する際には急性期 を反映する係数を前提とすべきではないか。2つ目でございますが、DPC導入により 医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等、患者の利点、医療全体の向上が期待でき る係数を検討すべきではないか。3つ目でございますが、DPC対象病院として社会的 に求められている機能・役割を重視すべきではないか。4番目でございますが、地域医 療への貢献という視点も検討する必要があるのではないか。5番目でございますが、D PCデータを用いて係数という連続性のある数値を用いることができるという特徴を生 かし、例えば一定の基準により段階的に評価を行うばかりではなく、連続的な評価の導 入についても検討したらどうか。その場合、診療内容に過度の変容を来たさぬよう、係 数には上限値を設けるなど考慮が必要ではないか。6番目でございますが、DPC対象 病院であれば、既に急性期としてふさわしい一定の基準を満たしていることから、プラ スの係数を原則としてはどうか。7番目でございますが、その他の機能評価係数として 評価することが妥当なものがあれば検討したらどうか。ただ今申し上げた事項につきま して昨年、中医協基本問題小委員会のほうで新たな機能評価係数を考える際の基本的考 え方として取りまとめられたところでございます。  本日は、この事項に従いまして、これまでDPC評価分科会で議論されてきた項目を 取りまとめさせていただいたものでございます。したがいまして、今後、DPC評価分 科会で御議論いただきまして、その検討の結果さらにこの中の項目として追加等、あり 得るものということでございます。  続きまして、資料D−1にお戻りいただきたいと思います。先ほど御説明申し上げま した基本問題小委員会の基本方針を受けた整理事項でございますが、それぞれ見出しの タイトルにつきましては、基本的考え方の事項で示させていただいたものをここで示さ せていただいております。それ以降の文章につきましては、DPC評価分科会で議論さ れました内容をここにまとめさせていただいております。また昨年、各委員からいただ きました御意見、これは本日またこの後、各委員より御発表いただきますが、その内容 につきましても、この整理事項の中に加えさせていただいております。特に丸印につき ましては、今回新たに各委員から御提案をいただいたものについて加えたものでござい ます。また、各委員の御提案が分かるように項目の右に各委員のお名前を記させていた だいた次第でございます。  それでは1番目の「医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等の評価について」で ございます。こちらにつきましてはこれまでの議論で、(1)透明化の評価としては部 位不明や詳細コードの発生頻度による評価というものがございます。(2)効率化の評 価といたしましては、ア、効率性指数による評価、イ、後発医薬品の使用状況による評 価というものがございます。(3)、標準化の評価といたしましては、ア、手術症例数 または手術症例割合に応じた評価、イ、診療ガイドラインに沿った診療の割合による評 価というものでございます。こちらにつきましては、山口直人委員からも御提案がござ います。ウ、標準レジメンによるがん化学療法の割合による評価といったものがござい ます。(4)、医療の質の評価につきましては、ア、術後合併症の発生頻度による評価。 イ、こちらは嶋森委員からの御提案でございますが、重症度・看護必要度による改善率、 ウ、こちらも同様に医療安全と合併症予防の評価。エ、こちらも同様に退院支援及び再 入院の予防の評価というような御提案がございます。  2、「社会的に求められている機能・役割の評価について」でございます。(1)特 殊な疾病等に係る医療の評価といったもので、ア、複雑性指数による評価。イ、副傷病 による評価、ウ、診断群分類のカバー率の評価、エ、希少性指数による評価というもの がございます。今回、特に熊本委員のほうから難病や特殊な疾患等への対応状況の評価 というものについて御提案ございました。(2)高度な機能による評価でございます。 ア、高度な設備による評価。イ、今回、小山委員のほうから御提案がございました特定 機能病院または大学病院の評価。ウ、同様に、がん、治験、災害等の拠点病院の評価と いうものが御提案がございました。エ、池上委員のほうから高度医療指数という御提案 がございました。  3番目、「地域医療への貢献の評価について」でございます。(1)、地域での役割 の評価といったものでございます。ア、医療計画で定める事業について、地域での実施 状況の評価というものでございます。こちらにつきましては、熊本委員からも同様の御 提案がございました。イ、救急・小児救急医療の実施状況による評価、こちらにつきま しては、相川委員、熊本委員、嶋森委員より同様の御提案がございました。ウ、救急医 療における患者の選択機能の評価。こちらにつきましては嶋森委員から同様の御提案が ございました。エ、産科医療の実施状況の評価。オ、小山委員より御提案がございまし た地域医療支援病院の評価。カ、同様に地域中核病院の評価、キ、小児科・産科・精神 科の重症患者の受け入れ体制の評価、ク、全診療科の医師が日・当直体制をとっている ことの評価という御提案がございます。  4「その他」、(1)医療提供体制による評価がございます。ア、医師、看護師、薬 剤師等の人員配置の評価。こちらにつきましては小山委員、酒巻委員、嶋森委員よりも 同様の御提案がございました。(2)、望ましい5基準による評価。ICU入院患者の 重症度による評価、全身麻酔を実施した患者の割合の評価、病理医の数の評価、術中迅 速病理組織標本作製の算定割合の評価というものがございました。(3)その他でござ いますが、こちらは酒巻委員より御提案がございました新規がん登録患者数の評価、熊 本委員より御提案ございました高齢患者数の割合による看護ケアの評価、同様に入院患 者の精神科診療の対応の評価、チーム医療の評価というものが御提案がございました。 繰り返しになりますが、当資料につきましては、これまで当分科会で議論いただきまし た内容、また各委員から御提案いただきました内容をまとめさせていただいたものでご ざいますので、今後の御議論によりまして追加等あり得るものであることを御理解いた だければと思います。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今の御説明に関しまして、何か御質問、御意見がございますでしょうか。この丸印が ついたものに関しては、後ほど御提案の各委員の方から御説明をいただくことになりま す。そのときにまた討議させていただきたいと思いますが、今の事務局からの御説明に 対しまして、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○山口(俊)委員  内容についての質問でよろしいんですか。 ○西岡分科会長  構わないと思います。 ○山口(俊)委員  (3)の標準化の評価というところでちょっとお聞きしたいんですけれども、手術症 例数というのは、これは術式別の症例数のことでしょうか、それとも病院全体のあらゆ るものをひっくるめたものでしょうか。この手術症例割合というのは具体的には何の割 合を指すのか、ちょっと教えていただけますか。 ○西岡分科会長  どうぞお願いします。 ○中田補佐  そこまでの各論について取りまとめたものでございません。こちらは、これまでDP C評価分科会の議論の中で具体的な例としてこういった評価があり得るのではないかと いう内容をまとめたものでございまして、今後こういったものが評価の対象となるとい うことであれば、今いただいた御意見のように、今後詳細を詰めていくという検討にな るかと思っています。 ○山口(俊)委員  それからもう一つ、前回申しましたけれども、ガイドラインに沿った診療の割合によ る評価が山口先生から出ていますが、これは具体的には割合がどうだったらどうだとい う評価なんでしょうか。 ○中田補佐  こちらは山口直人委員から御意見いただいておりますので、後ほど御説明申し上げた いと思います。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  丸がついたものの1つですけど、例えば嶋森委員から医療安全とか合併症予防対策と か、大変貴重な臨床上の指標があるんですが、これは入院基本料の管理加算というよう な形で既に診療報酬の中に組み込まれていますよね。そうすると、そういうものとの整 合性というのはどういうことになるんでしょうか。これは屋上屋を重ねるような感じも しないではないんですが。 ○西岡分科会長  嶋森委員、お願いします。 ○嶋森委員  これは、入院基本料では、安全管理の視点で点数がついているわけですけど、こうい う体制を整えることによってヒヤリハットや事故の発生率が少なくなるというように、 医療の質と安全を担保するためにチーム医療体制を評価をするということで、病院機能 評価の1つとして、チーム医療体制が整っているということを評価していくという考え 方があると思います。 ○齊藤委員  例えば、診療報酬の中でもNST管理加算であるとか、これはチームを評価すべきだ というのは、これからの診療報酬改定の大きな流れであるわけですよね。そうすると、 それとこのDPCの調整係数ないし機能評価係数とは何かダブってくる部分がかなり多 いんじゃないかなという気がするんですが。 ○中田補佐  すみません。今の議論は、各委員から御提案いただいた意見のところに該当するかと 思います。これから各委員より意見を御発表していただきますので、その後に御議論い ただければ大変効率的なのではないかと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ちょっとダブってくるところがございます。今の事務局からの御説明そのものは、こ れで御了解いただけたということでよろしいでしょうか。 ○齊藤委員  はい、結構です。 ○西岡分科会長  ここから、かなり内容の詳しいところの御議論をお願いすることになります。今回7 人の委員から御提案をいただいております。どうもありがとうございました。  それでは、御提案いただきました各委員から5分ぐらいをめどに御説明をお願いした いと思います。これは資料がついておりまして、参考資料というのがございます。ここ に「新たな機能評価係数についてのDPC評価分科会委員の提案」ということでござい ます。  では、まず最初に相川委員のほうからお願いいたします。 ○相川委員  資料右上、1月6日付の資料でございます。  まず最初に、ワープロの誤字がありまして、本文の2行目の「救急患者受入れ機能系 数」の「系」のにんべんが抜けておりました。失礼いたしました。文全体がそのように なっておりますのでお詫びして訂正させていただきます。  まず、ここの提案でございますけれども、提案全体でイメージをはっきりさせるため に多少各論に踏み込んで書いてしまいましたが、これはこの各論をそのまま認めてくだ さいということではございません。既に救急患者の受け入れあるいは診療を評価すると いうことは多くの委員の方から御意見がありましたので、多少各論に踏み込みませんと 話が進まないということで書かせていただきました。  ここに書いてありますが、私の提案は「救急患者受け入れ機能係数(仮称)」でござ います。  その趣旨といたしましては、この係数は救急患者の受け入れ要請に対応できる機能、 すなわち救急応需を評価するものであるということでございます。この導入に関しまし ては、昨今の救急患者受け入れ不能事例、あるいは一部は「たらい回し」とか「受け入 れ拒否」とか、いろいろな形での大きな社会問題となっておりますけども、この係数の 導入によりまして、地域の救急医療体制を改善し得るということがございます。救急患 者は急性期医療を要するということでありますので、DPC対象病院は急性期入院医療 を担うということから、またDPC対象病院の社会的に求められている機能を評価する 係数としては適切であると私は考えました。また、(3)といたしましては、今、齊藤委員 からの御意見もありましたように幾つか屋上屋を重ねる可能性があるということもあり ますので、その点についてでございますけれども、DPCによる診療報酬において個々 の重症救急患者の医療は救命救急入院料や特定集中治療室管理料など、その他特定入院 料で個々の患者ごとに加算評価はされております。しかし、これらは地域の急性医療を 担うDPC対象病院としての機能を総合的に評価するものではありません。また、救急 受け入れ要請の時点で、電話がかかってきてこういう患者さんを受け入れてくださいと いうような時点では、これらの特定入院料が算定される患者であるかどうかということ も不明のこともあるわけです。そこで、この係数の趣旨である、まず救急患者を受け入 れること、あるいは救急患者受け入れ要請を断らないことというような趣旨は、現在認 められている特定入院料の個々の患者ごとの加算評価ではなし得ないということが趣旨 でございます。  それから2のところはイメージでございますので、これから検討していただくことに なります。救急患者の受け入れの定義は色々ありまして、ふらりと来た患者さん、今、 「コンビニ救急」などという言葉もマスコミでは使われておりますけれども、そのよう な患者さんもカウントするのかというようなことも含め、外来患者だけなのか、重症度 はどうなのか、あるいは手術に至った患者をどのように評価するかなど、いろいろなこ とがありますけれども、1つの私の提案では救急車ですね、これは民間運営による救急 車を除くことしていますけれども、これについても御検討いただいてもよろしいかと思 いますが、救急車による搬入患者で緊急入院患者を対象としてはどうかと。これは大体 今までの資料によりますと、おおむね患者さんの退院数の5%から15%、施設にもよ りますけれどもその範囲になるので、大体の数が算定できるかと思います。  それから、救急車で来なければいけないのかということにもなりますので、救急車で 来なかった場合の患者、つまり上記(1)以外の患者においては、深夜診療患者、入院日に 時間外加算が算定される患者をこのような表現で扱いました。この深夜診療患者で、こ れは緊急入院した患者というところに文章的には係ります。深夜診療して緊急入院。で すから私のイメージは、救急で来て緊急入院した患者ということであります。あるいは、 日曜日などに受診して緊急入院した患者ということになります。これは自力で来る患者 さんもいまして、救急車で来なければ算定できないとなりますと病院のほうで算定する ために、救急車を呼んでくださいと言って、病院のすぐそばにいるのにわざわざ救急車 を呼ぶというようなことにもつながりかねないということでございます。  ここで簡単に説明しますと、じゃ、入院した患者だけを扱うのかどうかということに 対しても私は考えましたけれども、スタートではやはり入院した患者に対して評価する のがいいであろうと。なぜならば、多くの救急の問題になっている事例においては、 「ベッドがないから」という理由で入院を受け入れられない事例が問題になり、それが ために不幸な事例も起こってきているということを考えますと、緊急入院した患者とい うことです。もう一つは、これは緊急入院をさせるためには、ある程度ベッドを空かせ ておかなければいけないんですね。今、目の前にいる患者をどんどん入れてベッドを満 床にしてしまって、あるいは待機患者もどんどん入れて満床にして救急ベッドを確保し ておかないと、そうすればその病院としては営業できるわけですけれども、緊急入院を いつでも受け入れられるようにするためにはある程度救急用の空床を確保しておかなけ ればいけない。そのような機能に対して評価をしてはいかがかということで、ここでは 緊急入院ということを私は考えました。  それから、算定のイメージですが、ここのpとqは私が勝手につくったものですけれ ども、イメージとしては年間の長期の算定対象受け入れ患者数をpとしまして、それか らDPCの算定の病床数をqとするとq分のpをもとにするものと。前回、前々回の資 料もありましたけれども、連続的な評価が望ましいと。しかしながら1人受け入れてか ら算定を開始するのではなく、p/qがある一定の値を超えたときから算定ができるよ うにすると。それからまた、幾らでもいけばいいのかということに関しましても、私の イメージとしては、まず閾値があって、それから連続的に上がってまたプラトーがある と、そのようなイメージを私は考えておりますが、これはまた御検討いただきたいと思 います。これにいかなる定数を乗じるかということに関しましては、今後検討していた だきたいと思います。  この課題といたしましては、まずは小児救急患者と産科救急患者、これも全く同じ考 えでいくのかそれとも、やはりかなり特殊性がありますので、小児の場合にはそれほど 重症でなくても入院をさせなければいけない、また産科の場合もそのようなことですの で、その辺のところでは少なくとも定数、それからp/qに関しては別個に算定したほ うがよろしいのではないかということであります。それから、先ほど言いましたけれど も、特定入院料として個々に加算されているというものと重複して評価されることにな らないかという課題については、さらに検討すべきですけれども、既に私は趣旨の(3)の ところで簡単に説明いたしました。  それから、かなり細かいことになるんですけれども、日曜日等といったところに土曜 日休診日とか開院記念日とか開校記念日とか、そのようなところを入れていないんです が、じゃ、例えばある土曜日休診としておる病院に救急で来た患者さんは評価されて、 隣の病院は土曜日も普通に診療しているのでその病院に緊急で来た患者さんは評価され ないというと、いわゆる救急応需の評価としては逆行するということもありますので、 これは細かいことですけれども、その病院特有の休日のときに来た患者さんに対しては どうするかということが書いてございます。また、その算定を、対象施設をDPC対象 病院にするのか、それともある程度、外形基準などが必要なのかということに関しまし ても、多少議論が必要かもしれません。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では、続きまして池上委員のほうから御説明を。 ○池上委員  これについての質問はよろしいですか。 ○西岡分科会長  後ほど、まいりますので。 ○池上委員  それでは、仮につけました「高度医療指数」について読ませていただきます。  これは概念的にとらえていただくためにDPC分類の点数が高いほうから仮に10%、 これは20%でもいいんですけれども、まず選んで、その高いほうの分類の割合が全患 者のx%以上なら、新たな機能係数として加算1.001、y%なら1.002という、 これはイメージ的に提示したわけでございまして、連続的にする場合にこの閾値を幾つ 以上としてまた上限を幾つ以下にするということを決めなければいけないわけです。  その根拠は、高度医療は、出来高払いでは一般に不採算な傾向があります。現行のD PC係数は出来高払いの実績に基づいてこれを1日当たりの単価に割り戻しただけです ので、あくまでも出来高の実績に基づいているわけですから、出来高においてコストを 適切に反映していないということはDPC係数においても適切に反映していないことに なります。そこで、高い点数のDPCが一定の割合を構成している場合には加算の対象 とすると。なお、こうした直接的な評価のほうが、私は松田班が提示した平均在院日数 が相対的に長いことを評価する複雑性指数よりも適切であり、より直接的な評価である と考えます。  考え方として、この屋上屋という話は、これはすべての係数について当てはまるので、 DPC分類の係数が正しいのであればこの係数は何も考える必要はないので、ここで言 うのは、高度医療をどういうふうに評価するかということで、これは点数が高いDPC 分類であると。それが一定の割合に達した場合にはそれを評価すると。より直接的にD PC分類の高い点数のところをより高くすれば解消するんじゃないかという考え方も確 かにあるんですけれども、これは機能の評価とそれから個々の値づけの問題と、これは 分離することが非常に難しいと考えましたので、このように御提案申し上げました。  相川先生と意見のすり合わせは全くしていないので以下の意見としては、救急の定義 というのは非常に難しいのではないかと。仮に手術ということも考えるのも1つの、相 川先生は入院ということを指標にされましたけれども、手術というのも1つの指標だと 考えます。  それから、希少性指数ということも話題に出ていますけれども、DPC分類に対応し て点数がついているので、真の希少ではなく、値づけがついているということはそれだ け一定の数があるということですから、真の希少ではなく、また、単に分岐を選ぶこと によって達成できるので、適切でないと考えました。  ここには書いてございませんけれども、地域医療への貢献についても、これは地域の 事情がそれぞれ異なりますので、国レベルにおいて地域医療への貢献を評価する指数を 一律にすべての地域に当てはめるということは適切でないと考えます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、熊本委員からお願いいたします。 ○熊本委員  箇条書きで申しわけございませんでした。  1番は既に配付資料の具体例とかで出ておりますので、特に念押し的な必要なものと して挙げました。  2番から御説明させていただきます。その他のその他ということで、先ほどの資料に も出ておりましたけれども、特に入院患者の高齢者数の割合から看護ケアを評価できな いかというのは、地方では高齢化が進み、特に地域医療の中核機関として、我々の病院 でも65歳以上の入院患者が半数近くになってきているという現状がございます。16 年度のDPCが始まった直後の影響調査で、私も看護の変化を看護度Aの増加として報 告してきました。その後7対1という体制の評価ということでは構造、ストラクチャー ということで評価されましたけれども、やはりプロセス、過程の評価も必要かと思いま す。分かりやすい指標としては、年齢65歳、もしくは75歳。75歳というのは後期 高齢者ということかもしれませんけれども、点数上も後期高齢者の外来患者、救急入院 加算とか、そういったものもありますけれども、そういう年齢という分かりやすい指標 でできないか。我々の病院での看護部での調査では65歳以上で、全麻の手術を受けた 患者のやはり1日の看護のケアの実施回数や、カテーテル管理の実施回数とは65歳以 上とほかの年齢層では大分違うということが出てきています。ですから、分かりやすい 指標としてこういうものは可能ではないか。嶋森委員から重症度看護必要度というのが 出ているのは承知しておりますけれども、分かりやすい指標としてこういったものは妥 当ではないかという意見を出しております。  また、この3つとも掘り下げていくと関連するんですけれども、続いて、入院患者へ の精神科診療の対応ということですけれども、これも公平化とともにやはり精神科患者 の患者さんたちの悪性腫瘍の手術症例が地域の中核病院、精神科を有し病床を持ってい る病院、我々の病院等に集まって集中してきております。また、悪性腫瘍に限らず、急 性期の高齢の患者様たちにせん妄や異常行動等で、やはり急性期の入院患者さんに対す る精神科診療の必要な症例が増加し、精神科診療を受ける割合はふえてきています。我 々の病院の調査でもMDCの別に見てみても呼吸器疾患や消化器、これは悪性腫瘍から かもしれませんけれども、やはり5%から10%が精神科の診療を必要としています。 精神科疾患の急性期に関してはMDCも新しくつくられ、DPCで評価されつつあるか と思いますけれども、ほかのMDC等で急性期入院されている患者さんに対する精神科 診療の対応も評価すべきかと考えました。もちろん、現状、緩和ケア等でかかわってい る部分もあるかと思いますけれども、ちょっとこういう視点が今までの資料の中にはな かったかと思って提案しております。  チーム医療の評価ですけれども、これは次、小山委員からも、2ページ目にあります ように、栄養管理や褥創管理ケア、医療安全対策、感染対策とか、既に評価されている 部分もありますけれども、これは加算というインセンティブでなくて、もちろん機能評 価係数に入っているものもありますけれども、機能評価係数として評価すべきではない か、加算というよりもその病院がそういう組織チームをしているということを評価すべ きものかと考え提案しております。この3つ、高齢患者がふえ、なおかつ安心で安全な 医療を効率よくするということでは、この3つの視点はそれぞれ別個の因子でなくて、 掘り下げていけば共通のことになるかと思いますけれども、そういったことをちょっと、 具体例になかったものですから提案させていただきたいと思います。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  それでは、小山委員、お願いいたします。 ○小山委員  よろしくお願いします。  私の提案は、11月7日にこの会議で提案させていただいたものを少し肉付けしたも のであります。ですので、この基本的な考え方は新たな機能係数を考えるということよ りももう一つ上の、調整係数廃止に伴ってどう考えていくかというところにも少し入れ させていただきました。  1番目のところは、最初から言っておりますように、医療現場が混乱しないようにと いうことでもって、2回程度というような提案を厚生省として考えているんですけれど も、50%なくなってしまうと医療現場はやっぱり混乱するだろう、それから、今ここ でもって機能係数をいろいろ考えておりますけれども、じゃ半分まで、機能係数のこと までもっていけるかというと、なかなか少し難しいかなという、実際にやってみなきゃ 分からないところがありますので、安全パイを求めて3回ぐらいにしていただきたいと いう提案をもう一回ここでさせていただきました。  それから、救急患者のことについては再三いろんな、池上委員、相川委員からも出て おりますけれども、基本的な考え方はやっぱり、救急医療は現在どうやっても黒字には ならないような状況であります。そこら辺を考えますと、やはりちょっとこのところだ けはちゃんとした機能係数でバックアップされるまでは出来高というものも考えてもい いんじゃないかという提案をさせていただきました。  それから、次にいきまして、3番ですけれども、現在の加算点数の見直しということ でありますけれども、入院基本料に関しましては7対1、10対1の看護基準の評価を されているわけですけれども、もう少し手厚くしていただきたい。7対1であっても決 して黒字になるような状況ではないという、持ち出しがまだ出ているというようなこと がありますので、もう一回考え直していく必要があるだろうと。それから、手術の施設 基準の加算の新設、あるいは今、熊本委員から出ましたように、チーム医療の評価。今、 特にこのチーム医療が入院期間をどんどん短縮していく上で、非常に重要な要素を含ん でおりますし、この中で特にやはり医師もあれですけれども、看護師とか、栄養管理と かというところはまだあれなんですけれども、薬剤師さんの評価がやっぱりかなりまだ 低いと思うんですね。ですので、薬剤師さんについての評価は、このチーム医療の評価 の中でもやっぱり少しつけていく必要があるかなと思っています。地域連携についての 評価は(4)番です。  次のページにいきまして、従来の医療機関別係数の見直しとしまして、研修病院の入 院加算がありますけれども、これももう少し充実させるために見直していただきたいと。 それから、診療録管理加算に関しては、適切なコーディングを確保するためにどうして も必要なところで、非常に重要な部署ですので、もう少し評価をしていだてもいいんじ ゃないかなと。それから、医療安全。先ほどもお話が出ておりましたけれども、とりあ えず医療安全の体制を整えるだけでも大変な費用がかかっておりますので、今0.12 %ぐらいの評価しかされておりませんけれども、できれば1%ぐらいの評価はしていく 必要があるだろうと思っております。この根拠としましては今、医療安全のための講習 会を開いたりなんかするわけですけれども、講習会を開いたときに、講習会にある意味 で強制参加になりますので、ここはやっぱり時間外手当をつけなきゃならないというこ とでもって、1回やるたびにかなりの費用がかかるということを考えますと、このくら いの費用はかかっているんじゃないかというふうに考えます。  それから、新たな機能係数の提案といたしましては、人員配置に対する評価というこ とでもって、主にこれは総合病院なんですけれども、救急外来をやっているというだけ ではなくて、その内容まで踏み込んで評価していただきたいと。1つは常に24時間3 65日やっているかどうかというところから始まりまして、内科だけじゃなくて外科と かあるいは眼科とか耳鼻科とか、そういうようなすべての診療科の体制は整えているか どうかというところも評価をしていただきたい。それから、これも再三出ておりますけ れども、小児、産科のことが出ておりますけれども、ここで新たに精神科をぜひ入れて いただきたい。特に年間3万人の自殺者が出ているわけですね。この人たちの多くがや っぱり救急でもって救命救急センター等々に収容されるわけですね。これがやっぱり非 常に大きな問題で、精神科の患者さんというだけでもって断られてしまうケースがけっ こうありますので、ぜひ精神科のほうもこの中に、評価の中に入れていただきたいと思 っております。  それから、次のページでは、コメディカルスタッフの配置ということでもって、先ほ ど申したとおり、薬剤師の評価が現在のところやっぱり低いと思いますので、薬剤師さ んの評価、あるいはほかの検査技師、それから栄養管理、臨床工学技士といったものの 評価をぜひつけるような形を考えていただきたい。それから(2)番は地域支援に対す る貢献、これは先ほどからずっと言っていることであります。(3)番目がちょっとい ろいろ物議を醸し出すところかもしれませんけれども、特定機能病院係数、あるいは大 学病院係数の新設という形でもって提案をさせていただきます。これは、ある意味で大 学がファイナルホスピタルということでもって、ある意味で位置付けられている、必ず しもそうではないと言われるとなかなか苦しいところがあるんですけれども、多くの病 院が最終的な受け入れ体制として地域の大学病院があるというところでもって、そこら 辺の特定機能病院が今、満たしている現行の承認要件が11項目あるんですけれども、 ここら辺のところを評価して特定機能病院係数を考えていただきたいと。内容的には(2) に書いてある多種多様、あるいは診療サポート、地域支援、治験、高度先進あるいは先 進医療それから臨床研修制度等の体制を評価していただきたいというものであります。 特に、教育ということに関してはなかなか評価をしていただくのが難しいということな んですけれども、看護師、薬剤師あるいは診療放射線技師、あるいは臨床検査技師なん かのいわゆるスキルアップのための教育を、ポストグラデュエートの教育をかなりして いると。教育に保険制度をという話もありましたけれども、これらでもってスキルアッ プしたことは患者さんにフィードバックされるわけですので、ここら辺は評価する必要 があるんじゃないかなというふうに思っています。  最後に、これはちょっと補足的なことでありますけれども、(1)のところは、最後のと ころには適正な診断群分類を設定していただきたいということを書いてありますけれど も、まだまだ発展途上だというふうに考えてものを書きました。それから、2番目のと ころでありますけれども、これは非常に重要なところでありまして、現在はデータが非 常に多くて病院の状態を明確に把握できる反面、自己努力による経費削減あるいは診療 効率化を重ねることが疾患別点数の引き下げにつながっております。諸刃の剣となり得 るため、その活用方法については──どういうことかというと、これだけでもって評価 してほしくない、つまり小規模の病院から大規模の病院、あるいはケアミックスの病院 が入ってきたりして1,400を超えている病院がただ単にその平均値だけから評価さ れてしまいますと、なかなか立ち行かなくなる病院はやはり、特に大規模な病院はなっ てくるということが懸念されますので慎重に取り扱っていただきたいというのがこの提 案です。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、酒巻委員、お願いいたします。 ○酒巻委員  私の提案は実は2つありますが、前半のほうが主なものです。どんな提案かといいま すと、DPC調整係数を廃止していくに当たって当然、激変緩和措置ということをせざ るを得ないところにあると思うんですけれども、これをどのようなプロセスでしていけ ばいいか、あるいはどんな手段があるかということの一つの提案としてさせていただき たいと思います。ポイントは、1つずつ言いましょうかね。  I点目の1)は、新たな機能評価係数について与えられている条件というのは、ここ にあるようなものだと私は思っています。それで2)ですけれども、係数の総和を病院 係数とする場合に幾つか問題点がありまして、それはどうしても係数を足していくとい うことをやりますと、現在の調整係数より大きくなる病院あるいは小さくなる病院とい うのは必ず出てきます。このばらつきはやむを得ないものだと思っています。そこで、 じゃ激変緩和係数、例えばpというものを設けて当初の1年目は100%加算とか翌年 は90%とかと漸減していく方法も考えられますけれども、それは大きい激変緩和係数 をもらった病院にとってはやはり終了時期があるわけですから、そのときに厳しい条件 にぶち当たります。もう一つは、激変緩和係数ということを設定することによって社会 的な合意にどういうふうに説明するかというのは、社会的にどう説明するかということ は、よく考えなくてはいけないということになると思います。  ということで、今非常にたくさんの係数が提案されていると思うんですけれども、そ の係数を選択することにしてはどうだろうかというのが提案の趣旨です。基礎係数を何 らかの方法で設定しておきます。例えば現在の病院係数の平均値マイナス2SDとか、 そんなことをして基礎係数をつくっておいて、そこにたくさんの種類が挙がってくると 思いますので、その係数を基本的な係数とそれから選択可能な係数という二種類にしま して、選択可能なものについては病院が選んで加えていく。ただし、余りにも上積みを してもらっては困るので、上限を設けるということにすると。上限の設け方は現在の病 院係数を大きく超えないことと、それから項目数をある程度制限する。それから、都道 府県の機関などによって公的な調整で選択するものを選んでいってはどうかということ です。  その後ろのほうは読んでいただければ分かると思いますので、こういうことをやるこ とによって利点として4)を挙げさせていただきたいと思います。機能評価係数として、 さまざまな係数があるんですが、実は病院実態から見ていって相反する概念ともとれる 係数がつくられるというふうに私は思っています。その場合に、やっぱり病院を運営す る側としては矛盾を感じるんではないかなと思いまして、むしろ何らかの方法で選択す る方式がその病院の性格付けをすることになると。そうすることによって病院の性格付 けが明確になるというように思います。それから、地域医療計画など公的な調整が有効 になるのではないかとも思います。  ただ、これは欠点もあると思います。ここにすべて書き上げられている以上にもっと たくさんあるのかもしれませんが、代表的なものとして、非常にたくさんの選択可能な 係数があったとして、なぜすべてを選択できないのかという疑問が当然、病院の側には 生じるだろうということになります。それから、係数の重み付け全体に対して十分に社 会的合意を得られるようにこれは説明が必要であると。この2点がちょっと考えついた ことです。  II点目の係数についての提案というのは、これはなるべくドクターフィー的な係数と か人的配置ということを中心にざっと考えてみたものでして、既に幾つも提案が挙がっ ていますので、ここでちょっとした、なぜこう書いたかということだけお話しいたしま す。それは、内科系と外科系というふうに分けてあるところが1つのポイントでして、 DPC病院の性格付けというのをずっと考えていきますと、比較的外科的な病院の性格 付けが非常に強くなると私は思っています。内科系をうまく評価する方法がなかなかな くて、医師数とかそういうもので評価していくのは一つの方法なのではないかというふ うにして、この内科系、外科系というふうに挙げさせていただきました。ほかは既に大 体挙がっているものだと思います。14)のところに新規がん登録患者数というのが、こ れは今、求められている命題ですので、こうして登録患者数を挙げるのはどうかと思っ ています。薬剤師数とか常勤看護師数、100床当たりの常勤看護師数を7対1を超え た場合に評価してはどうかとかいうことを考えました。  1つ、重要なことを忘れていました。1)のところで、一入院における複数臓器にわ たる手術というのが、実は今、これは出来高なんですが、やはり2回目、3回目という のはたしか2分の1の査定になっていたんですか、そういうような出来高になっていま して、しかし一入院において必要上どうしても複数臓器を手術しなくてはいけないとい うことは当然起こるわけでして、そういうものを十分に措置しないとおかしな医療にな ってしまうんではないかと思って、この1)を入れさせていただきました。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では続きまして、嶋森委員、お願いいたします。 ○嶋森委員  それでは、私の提案について御説明申し上げたいと思います。資料をごらんいただき ますと、大きく分けて2つありまして、DPCにおいて段階的に新たな機能評価係数を 設定するための検討で、急性期病院における入院から退院に至るプロセスに沿って、救 急患者の選択、これはほかの委員からもたくさんありましたけれども、この選択の問題 と入院中の安全と重症化予防、退院後の再入院予防に必要となるチーム医療と手厚い看 護体制を推進する観点から、次の表に書いてありますことを提案したいと思います。こ れは後で説明します。それからもう一つが、あわせてチーム医療の評価とこれに伴う重 症度看護必要度による改善率を指標とすることを提案します。  前者の救急患者の受け入れから退院までのことですが、この囲みの中では、既にご存 じのとおり急性期とは、という定義が決まっておりまして、その定義に基づいて急性期 病院において救急患者の選択、どういう患者さんを受け入れるかということや、受け入 れた患者さんをどこに入れるかということ、それから入院中の安全と重症化予防、それ から退院患者さんの再入院予防と、大きく3つの段階に分けて適切に効率的に医療を提 供できるような体制を整えるということを評価する必要があるということです。1つは 救急医療における患者の選択の機能、それから2つ目が入院中の医療安全と合併症予防、 それから3つ目として退院支援及び再入院の予防になります。この3つの視点をここに 提案しております。要素については、まだ細かな検討が不十分な点がございますが、こ れは次年度の改定にすぐにというよりも、今後こういう視点もきちっと入れていく必要 があるというような意味で御理解いただければと思います。  総合的な救急診療体制の評価については、医師と看護師による総合診療と相談機能を 備えて適切に診断をして早く入院できるという体制、これは総合診療部等があるところ はございますが、そうではなくて単科でやる場合にも、複雑な疾患の患者が来た場合に はきちっと関連する医師がきて、外来で適切に診断をつけるという体制が整っている場 合には評価する。それから、ほかの委員からも出ておりましたが、小児科の救急の受け 入れ体制等、そういう体制が整っているところ、それから病院の環境に応じて救急医や 救急や重症の認定の看護師等を配置している診療を行っている場合に、適切に外来受診 から入院までプロセスを効率的に医療が提供できる体制を整えているとして評価できる のではないかと思います。  また、入院中の医療安全と合併症予防、これも小山委員、熊本委員、その他の委員か らも出ておりますが、1つは重症患者の集中管理体制、ここは重症集中治療の認定看護 師などの配置や、院内感染を管理する感染制御を行う看護師を配置するなどチーム体制 が整っているということ、それから医療安全管理、褥瘡管理、栄養管理などのチーム体 制が整っていることによって、右のほうの指標のところにあるように、例えば人工呼吸 器の使用の期間が短くなるとか、院内感染が少なくなるとか栄養の改善がいいとか、中 心静脈栄養から経口摂取に移行する期間が短いというふうな、そういう指標を使いまし て、チーム医療の体制が整っていることを、個々のチームの評価するだけではなく、チ ーム医療体制そのものを1つ病院機能として評価することが必要ではないかと思います。 もう一つの視点としては(6)番目、がんの診療体制ですが、これはがんの拠点病院以外に もがんの患者はさんたくさん入られるわけですから、こういう患者さんにきちっと専門 的な相談を受ける仕組みを認定看護師などが支援ができるような体制がある場合に患者 の満足度が高まりますし、それから他の分野においても、例えば、(7)に書いているよう に精神的な問題を持った患者さんが多く外来にいらっしゃるようになっていますから、 医師の診察時間も多くとられているようになっています。これらを解決するために精神 看護の認定や専門の看護師がかかわっていけば、診療もスムーズにできるということも ありますので、こういう体制が整っている場合に評価をするということです。産科の分 野については、院内助産所を設置していることによって、医師の負担を軽減したり、周 産期母子医療センター等を設置することによって母子の支援が適切に行われているとこ ろを評価するということなど、さまざまあります。このように、チーム医療体制をきち っとした指標を基に評価をすることを、病院機能の評価の一つとして取り入れる必要が あると思います。  それから、次のページですが、これもほかの委員から出ておりましたけれども、医療 の効率的な提供という意味で、薬剤師によるミキシングや病棟での薬剤に関する業務の 支援のこと、それからもう一つ重要な点は実は急性期のところには今、看護補助者の配 置への評価が考えられていないわけですが、むしろ急性期において補助的な業務、それ には事務的な補助もありますが、これらの補助者の存在は高度の医療を提供する上では 非常に重要でありまして、こういうところをきちっと評価していく必要があると思いま す。それからもう一つ重要な点は、医療計画に定められました4疾病5事業ということ について、これを推進するような支援体制、慢性看護専門看護師や糖尿病の認定、小児 の救急医療、そういう支援のできる看護師の配置をしている場合の評価を行って、医療 や看護ケアの入院中の質を確保するためのチーム医療体制が整っているかというような 場合には、それを機能の評価として入れるべきだというふうに思います。  それから、少し視点が変わりますが、2)のところの看護職員の急性期対応スキルの 確保体制ということです。これは、これまで新人看護師の研修体制というふうな言葉で まとめて言われていましたけれども、実はそういうことを超えて新人以外でも急性期は 非常に救急で適切な判断や適切なケアが求められます。そうでないと救急患者の救命に つながらないわけですから、こういう体制を整えていくために、慢性期の病院から異動 してきた看護師や新しく採用した看護師たちに、また、今いる人たちにも継続して能力 を高めるような仕組みが急性期には特に必要だと思います。ですから、そういう体制に ついての評価が必要だと思います。あとは手厚い看護配置の連続的な評価という意味で、 これもほかの先生方から御提案がありましたけれども、重症度・看護必要度による評価 を行っているということについての評価が必要と考えられます。重症度・看護必要度と いうのは20年度から7対1の入院基本料を取っている病院では、急性期病棟用の評価 票の要件を満たす患者が1割以上いることを評価しているところですが、これはまだデ ータが表に出されてはいませんが、多分7:1の入院基本料を取っている病院でも、1 割以上、2割、3割、5割というふうに、重症度の高い患者が多い病院はあると思われ ます。そういう重症の患者さん、手のかかる患者さんを入れているケアしている病院を 評価していくということが必要だと思います。特に手厚い看護の中では先ほども申し上 げましたけれども、精神科の合併をしたり精神症状が出るような患者さんへのケアを提 供できる体制を整えているようなところにはその評価をしていくということが必要だと 思います。これは入院中のことでございます。  3つ目ですが、退院支援及び再入院の予防ということで、専門的な外来機能を擁して いてそこで、外来で見ればいいような患者さんや外来でケアができる外来化学療法等を 含めて、そういう体制が整っていることと、それから外来の緩和ケアの診療や、その後、 入院した患者さんの退院支援の仕組みがきちっと整っているということで在宅の復帰率 等を指標としてこういう評価をするということが必要です。  それから、一番前に戻っていただいて、もう一つ。  チーム医療の評価と重症度・看護必要度による改善率です。これは、中で申し上げま したけれども、既に看護必要度による日々の評価は行われていますので、単に数を評価 するのではなくて、改善率を評価するような仕組みを入れたほうがいいのではないかと 思われます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは、続きまして山口委員の御提案でございますが、本日山口委員が欠席されて おりますので、事務局より御説明をお願いします。 ○中田補佐  山口直人委員よりの御提案事項でございます。  診療の質を係数に反映させることといったことでございまして、診療ガイドラインに よる評価といった御提案でございます。  ここにある留意点の2点につきまして、(1)でございますが、こちらの趣旨といた しましては、ガイドラインに沿わない診療は劣っているとは一概に言えないことではご ざいますが、診療ガイドラインに沿った医療が全くなされていない医療機関は診療の質 が担保されているとは言えないのではないかといったようなことでございます。それに 合わせまして、評価の方法としては診療ガイドラインに沿った医療が何%以上であれば 評価ができるのかといったような御提案でございます。  ここにつきましては、追加で山口直人委員から御意見を伺ったところがございますの で、口頭で補足させていただきます。例えば診療ガイドラインの具体的な反映方法とい たしましては、1つ目といたしまして、医師がEBMに基づく診療を実践できるよう、 医局等に診療ガイドラインを整備しているのか。また、2つ目でありますが、診療ガイ ドラインを考慮に入れて患者に説明を行ったことを診療録に記録する制度を採用してい るのか。3つ目でございますが、ガイドラインの内容を患者に説明した上で診療方針の 決定がなされているのか。4つ目でございますが、実際の診療で診療ガイドラインに基 づいた診療がなされたその割合が何%を超えているのかといったような反映方法がある のではないかといったものがございます。  留意点の2点目でございますが、ガイドラインとはいってもさまざまなガイドライン がございますが、ガイドラインの質を担保する必要があるといったことでございまして、 ここでは例えば財団法人日本医療機能評価機構が実施している医療情報サービスMinds において診療ガイドラインを掲載する際に診療ガイドライン選定部会によってその評価 がなされているので、こういったものを評価の基準としてはどうかといった提案でござ います。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明について議論に移りたいと思いますが、どうぞよろしく お願いします。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  今、各委員からの御提案を伺って、どれもこれも非常に重要で、病院機能の必須ない しは最もあらまほしき姿を指摘されたものだと思って敬服しながら拝見していたのです が、結局、病院機能評価係数を考える場合に重要なのは、今、診療報酬体制というのは 非常にややこしいと、診療報酬点数表なども非常にややこしいということが言われてい るんですが、その本体との整合性がさらに混乱してくることがないように、本体で既に 考慮されているものがまたこちらの機能評価係数のほうに屋上屋を重ねるような形でつ いてくるようなことは、全体の診療報酬体系としてはすごくゆがんだものになりかねな いということだと思うんですね。それに関連して非常に危惧されるのは、DPC病院と それからDPC病院でないけれども地域の僻地等で、特に自治体病院などは多いわけで すが、必死な医療を展開している病院というのは非常にたくさんあるわけですね。そう いうものは置き去りにされて、同じことにほぼ近いことを地域の事情からもやらなけれ ばならないのに、DPCでないがゆえに点数がつかないというような状況は医療費の配 分としては非常にアンフェアであって、国民の同意は得られないと思うんですよね。  そういう点で、DPCにとって重要であっても、それはDPCであるがゆえに重要で あって、DPC体制を維持する上に重要である、あるいは、例えばコーディングの妥当 性なんていうのは、これはDPCに密着した特性ですよね。だから、DPCだからこそ これが大事なんですと、ほかの病院とはちょっと違うんですと、そういうことがはっき り見える格好で考えていかないと、これは悪くすると病院の二極化を招きかねない。D PC病院でたくさん評価係数をもらっている病院と、地域にあって同じようなことをや っているけれどもDPCにたまたま入らなかったために評価もつかないということで、 非常に大事な医療活動が二極化してくるというのは大変、国民の不幸ではないかなとい う気がするんですね。そういう点でDPC分科会としても決してお手盛りにならないよ うに、ここはDPC関連の病院が多いからDPCではこうあってほしいという思いはあ るわけですけれども、DPC以外の病院には必ずしもなじまない指標なんだということ を逆に言っていただくことも、とても重要かなというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見でございます。  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  冒頭、事務局から考え方を6点挙げていただきましたけれども、ここは調査専門組織 ですので、より実務的な観点から3点、提案すべてを考える上で御検討いただきたい点 を申し上げたいと思います。  第1点は、激変緩和措置にどこまで役立つかということは実務的な課題だと思います。 それは全体としてどうかということと、個々の病院でシミュレーションした場合にどう かという2つの課題があるかと存じまして、全体的にやるとどうしてもこれは、これだ け数が多いと相関は非常に高く出てきますので、例えばコストを反映しているとかして いないといった場合でも必ずしも個々の病院における状況とは異なると思いますので、 激変緩和措置にどこまで役立つかという観点から御提案いただいた指標を検討していた だければと存じます。  第2点は、客観性のあるデータを収集できるかと。その客観性の担保は、例えばはっ きり言えば監査、指導を行った際に担保できるかという点が2番目にあると思います。 つまり、御提案いただいた係数を裏づける確固たるエビデンスを要因において用意する ことができるかということでございます。  それから3番目は、あるアップコーディングとして、例えばこのようなガイドライン に沿うと係数が上がるというと表面上のガイドライン遵守ということの書類上の、ペー パーコンプライアンスになることをどう防ぐかということが課題でありますので、単に その閾値を設けるというだけではなく、ペーパーコンプライアンスにならないための措 置を十分講じることができるかという点からの吟味をしていただければと存じます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  貴重な御意見でございます。特に客観的なデータの裏づけができるかどうかというこ とが非常に重要なことになります。今日、御提案いただきましたいろんな項目は、確か に齊藤委員がおっしゃるようにこれからの医療にとっては非常に重要な因子ではあると 思うんですが、やはり実際のところ、これを全部採用するということにはできないわけ ですし、きっちりした客観的なデータで国民の方々がなるほどなという形で納得してい ただけるものを取り上げていくということになろうかと思っています。  どうぞ、御自由な御意見をお願いいたします。  どうぞ、辻村委員。 ○辻村委員  提案もせず、発言するのも簡単なので申しわけないんですが、係数につきまして特に 難病を例にとりますと1ついろいろな係数がDPC病院でという概念に大体当てはまる 項目を検討する、これは非常にやりやすいと思いますが、例えば難病の病院係数を検討 するとしますと、DPC病院全体が難病あるいは特殊な機能を持つ必要もないし、多く の病院が持てないからそういうものを決めていくということで、これは、ある係数につ いてはDPCという枠の中全体で議論するのは少し難しい係数と、DPC病院、急性期 病院一般に当てはまる係数で少し分けて議論していく必要があるのかなと。特にDPC という世界だけで完結できない、例えば難病あるいは希少性の疾患に対応するのはどう いう病院であるのか、これはなかなかDPCだけで議論するのは難しいのではないかと、 そういうものについてはあわせ技で、例えば医療計画、例えばほかの制度とあわせて検 討していく、そういうような少し方向性を、色の違いを係数に出していく必要はあるの かなというふうに思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  難病と申しましても、これは特殊な病院だけが診ているというのが現状ではなくて、 難病患者さんは全国のいろんな医療施設で診療されているわけですので、何かそこのと ころはやはり説明がうまく入っていかないと難しいんじゃないかなという気がいたしま すが、どうぞ御意見をお願いします。  どうぞ、吉田委員。 ○吉田委員  先ほど、救急の入院か手術かという話が出たんですけど、実は昨日、審査委員会で雑 談で、例えば救急で来て手術をしたということを評価しちゃうと全部それにいっちゃう というのは、悪いやつがいるということなんですね。それで、電話を受けて、手術は必 要ですか、いや、必要ありませんと断っちゃうと。それは看護師の7対1でもありまし た。そうですね、大病院、全部集めたわけですよね。だからその看護師の7対1という やつをあまり出しちゃうと、また大病院が看護師さんを集めちゃう。ですから、酒巻先 生がおっしゃる、この100床当たりの医師の数とかいいんですけど、看護師って入れ ちゃうとまた同じような傾向が出るんじゃないか。  もう一つ、その他の全身麻酔ですね。全身麻酔を執行した患者の割合というのを評価 しますと、すべて全麻でやっていくんですよ。例えば、簡単な処置でも検査でもそれか ら手術でも全部全麻っていう、現在あるんですね。これは余り表面に出しちゃうと全部 手術を全麻でやっちゃう、そういう傾向はあるんで、一応、性悪説も考えて決めたらい いんじゃないかという意見でした。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  貴重な御意見でございます。  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  今のに関連してですけど、救急の手術、前回の委員会、前々回ですか、委員会で私は 緊急手術という言葉も申し上げたんですが、やはりよく考えてみますと今、吉田委員の おっしゃったように、救急患者ですね。例えば脳出血の患者でも脳外科医が血腫を取り 出す治療法もあれば、血圧コントロールなどをして、内科的に治療する方法もあって、 これは必ずしもどちらがいいかということも証明されていませんので、やはり緊急手術 という救急患者の手術を評価するのはなかなか難しいですし、手術は手術でそれなりに DPCの中でコーディングで評価されているということになりますと、少なくとも救急 患者に関しては救急で手術したというよりは緊急入院を受け入れたというほうがよろし いのではないかと。池上委員の意見とも同じでございます。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  救急の話が出たんで、相川先生に教えていただきたいんですが、平成18年度の改定 のときに紹介率をどう考えるかというときに救急車で来た患者を紹介率の加算にすると。 それはいろいろな団体との話し合いの中で、どうして自家用車ではいけないのかという こと、それから病院によってはそれの加算が欲しいがために、これから自家用車で行き ますと言ったら、いや、救急車を呼んで来てくださいと、そういう救急車の乱用につな がるということもあって、この先生の提案の中に救急車は民間による運営は除くという ようなことも書いてございますが、救急というものの評価の仕方、特に救急車の評価の 仕方というのは今後どうあるべきなんでしょうか。 ○相川委員  御質問ですからお答えしますが、救急車全般に関しましては、既に報道されておりま すけれども、軽症の患者さんが救急車を「乱用」という言葉が適当だかどうか分かりま せんけれども使い過ぎていて、実際に重症の患者さんが救急車を要請したときに救急車 が使われていて対応できないという問題がございます。また、確かに性悪説で考えます と、紹介率を上げるために、それならば病院のすぐそばの患者さんでも救急車を使って くださいというような性悪説もあると思います。しかしながら、救急患者を定義する1 つの客観的指標としては、救急車が利用されたかどうかというのが指標となり得るわけ です。最初の軽症患者の救急車利用に関しましては、このごろかなりそのことが認識さ れて、実際には東京都でもだんだん減ってきているという状況にあります。 ○西岡分科会長  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  救急患者で問題になりますのは小児でございまして、小児に関しては親御さんが抱き かかえて来てしまいますので、これは救急車で評価をされるとそういう人たちがカウン トされずに大変苦労しますので、小児に関しては除いていただきたいということが1点 と、ある病院で救急患者さんが見えたときはみんなすべて入院させてしまえという、そ ういうおふれを出した施設があるというやにも聞いておりますので、そういうのは排除 できるような仕組みだけはつくっていただきたいというふうに思います。 ○西岡分科会長  なかなか、いろいろ手があるもので、難しいところがあるようです。  ほかに御意見。  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  基本的には何故救急はこんなに問題になっているかというと、救急が結局医療現場に おいて採算性が悪くて病院が疲弊しているというところにベースがあるわけですよね。 確かに性善説をとっていくとそういうことが起きてきますけれども、まずはやはり安心 して救急医療が受けられるような体制を病院がとっていけるような診療報酬体制を組ん でいく必要があると思うんですよ。今いろんな心配が出ておりますけれども、今はある 意味で透明化されましたので、例えば救急患者のうち何%が入院しているかというのは 分かるわけですよね。ですので、今、伊藤委員がおっしゃったようなことに関しては、 救急患者数と入院患者数の比率が、それが100%に近ければそれはやっぱりおかしい だろうということのヒアリングの対象になってきますしね。そこら辺でまず制動をかけ るほうで、逆に余りいろんなことの制約をかけちゃうと、今は何しろ救急医療現場が疲 弊しているのを何とかしなきゃならないというところを現実に感じているんで、何とか 評価してあげようとしているわけですので、とりあえず性善説で動き出して、データは 全部出てきますので、そのデータの中でヒアリング等々の中でもって指導していくとい う形をとられたほうがいいんじゃないかと思うんですね。  それから、先ほど齊藤委員がおっしゃった、二重に評価されているということをお話 しされましたけれども、これもなぜ二重の評価を提案するかというと、医療現場での採 算性が悪いから何とかしてほしいから二重にも三重にも評価して、今の救急もそうです よね。救急は、かなり今回の改定でも前回の改定でも手厚くなりましたけれども、それ でもまだ大変だということでもって評価してほしいということですので、何重にも重な る結果になるかもしれませんけれども、それによってやっぱり安心して安全な医療が提 供されるような体制を医療現場がつくれるような環境整備が大事だと思うんで、そちら の方向の考え方がいいんじゃないかなというふうに私は思います。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  小山先生の言われるのは、まさにそのとおりで、やはりDPCの病院機能評価係数で 考えるときには、DPC病院として存続する上で必須の要素というものをやっぱりしっ かり見詰めることも大事だと思うんですよね。その地域の一般医療の要素もありますけ れども、やっぱりDPCというものは厳として存続し充実していかなきゃいけないとい う側面がありますのでね。DPC病院の本質は何なのか、DPC病院として存続する上 で極めて重要なことは何なのかと、そこをよく絞り込んでやるということが1つだと思 うんですが、それと関連して小山先生が前から言っておられた精神科の扱いですね。D PCの、今度も評価に入れるというお考えですが、1つは精神科病棟そのものをDPC の診断群分類の中に入れるということを先生方が考えておられるのか、それともいろい ろな病気、胃潰瘍であるとか心筋梗塞の患者が精神障害を持っているときの対応を評価 すべきということなのか、入院患者の精神障害を評価すべきだというふうに先生は言っ ていらっしゃいますけれども、その辺、精神科とDPCの関係をどうお考えでしょうか。 ○小山委員  これは、精神科をやっている先生方の希望は、ぜひ精神科病棟もDPCに入れてほし いという希望が強いんですけれども、この本来の趣旨から考えるとやはりこれはちょっ と無理かなというふうに思っています。それよりも、今一番問題になっている、私が一 番提案したいのは精神科の救急の受け入れ体制が東京都でも非常に苦労しているんです よね。ですので、精神科病床を持っているということを評価してほしいということであ って、精神科病床を持っていて精神科の救急医療を24時間365日やっているという ことを評価してほしいということであって、精神科病床をDPCの中に入れろというの はこの次の、もう少し成熟した段階での考え方かなというふうに考えております。 ○熊本委員  関連で、よろしいですか。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 ○熊本委員  関連ですけれども、私がその他のその他で出しています入院患者への精神科診療の対 応というのもまさしくその点でございまして、地方においてもやはり精神科患者さんの 悪性腫瘍とかで地域中核病院で手術をするということで、精神科病床を持っているとい うことが評価していただきたいということで、その他のその他で挙げさせていただいて いるわけでございます。 ○西岡分科会長  木下委員、どうぞ。 ○木下委員  先ほど池上委員が言われたことに関連いたしますけれども、そのガイドラインに沿っ てということになりますと、病院としてはそれに合わせようというのは当然の流れであ りますけれども、特に医療供給体制による評価というふうな視点で過去において、先ほ ども吉田先生からも御発言がありましたけれども、看護師の7対1もそうですし、もし もこれが下手をすれば5対1だったらもっといいとかいうことになれば、もうそれは小 さな病院のみならず地方からみんな7対1のときに看護師はどっと大きな病院に移動い たしました。とられたっていうかな。それは大変なことでございましたし、これからも っと減っていくとなれば、これは診療所レベルにも影響するというふうなことで、つま りそういう医師も今のこんなに不足している状態でまたかき集め始めるというふうなこ と自体も、それはどっちが多くなれば一方は疲弊しますますひどくなるという状況が起 こってくるということから、この新しい係数のために医療界が混乱するようなことでな いことがまず大前提であるということの視点でお考え願いたいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  2点あります。今のガイドラインのお話が出たので、まずガイドラインのことですが、 専門の病院、あるいは大学病院、教育病院などでは特に高度の医療を提供する場合には 必ずしもガイドラインに沿って診療を行うことがよいのかどうかということに私は疑問 を持っております。大学病院あるいは例えばがん研などもそうかとも推察しますけれど も、そこに来ている患者さんなどはかなり特殊なケース、あるいは難治の病気等があり ます。そのようなものには、そもそもガイドラインがないですね。ガイドラインという のは一般的に適応できるパターンが決められているわけです。ですから、もしガイドラ インを導入する場合にはやはりその施設の特殊性を考えていきませんと、ただガイドラ インどおりにやったらば機能がいいのかという考え方はある面ではいいけれども、病院 によっては必ずしもそうではないと思っております。  それから、2点は救急の点に戻りますけれども、小山委員が提案なさった、当直医が 各診療科ごとに整備されていることは、これは極めて重要なことでありますし、また病 院の運営、人件費等にも関連することであります。救急患者を受け入れたといっても、 例えば病院によっては外科系1人、内科系1人の当直医が救急患者を受け入れて、その 晩は専門的な治療は行わないで、翌朝その専門の診療科の医師が来たら相談して治療し ましょうという病院もあれば、専門の診療科の医師がすべてそろっている場合には、そ の医師が直ちにその専門的な治療ができるということもあります。これは機能にとって はかなり大事ですし、また人件費にも反映するということにもなりますので、この評価 は極めて大事であると思います。1つの例で言いますと、例えば眼科の当直医がいるか いないかということです。なかなか眼科の当直医を365日確保するのは病院によって 難しいかもしれませんが、夜間に眼底出血の患者が来た場合すぐに処置できるのかどう かということも含めて、1つの例でございますけれども、それは機能に反映することで あると思っております。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○嶋森委員  DPC病院とそうでない病院の違いのことを齊藤先生がおっしゃいましたが、1つは DPCに入っている病院はデータがきちっと表にされて透明化が高いというところが違 うと思います。だからそこにきちっとした指標を入れることによって改善が図られてい るということを見せれば、DPCでない病院に波及する可能性がありまして、そういう 意味で適切な指標を入れてその効果を示していくというのは非常に重要だと思います。  それから、もう一つはチーム体制の評価と看護要員等についてですが、数をふやせば 高い点数というのは、7対1看護の時のことを考えると分かり切っていますので、むし ろそのことによってどういう効果が上がったかと。例えば、看護必要度の高い患者さん が少し短い期間でよくなっただとか、感染率や栄養改善がよくなったという、その効果 を見ながら体制を評価していくというように、客観的に見えるデータを指標として評価 していくということが重要ではないか思いますし、それができるのがDPCの病院では ないかと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○齊藤委員  ここで松田先生のちょっと御意見を伺いたいんですが、DPCの導入というのは松田 先生なんかが当初取り組まれたときに、病院の機能の透明性であるとか、地域における 役割であるとか、あるいはほかの病院との比較とか、DPC病院がそういうことを達成 することが可能になるんだというようなことが言われてきて、実際にそのとおり進行し ていると思うんですが、DPC病院であるがゆえに評価されるべきもの、DPC以外の 病院では必ずしもその問題は大きくなりにくいことというような要素というのはあるん でしょうか。今いろいろ出ている機能評価の中で、例えば的確なデータを出すことなん ていうのは、これはDPCであるがゆえに当たり前のことであって、ほかのDPC以外 の病院ではあり得ないことだと思いますけれども、DPC病院をDPC病院たらしめて いる要素というのは何なんでしょうか。 ○松田委員  すみません。ちょっと心の準備ができていなかったので。  基本的には、最後に嶋森委員が言われたことじゃないかなというふうに考えています。 地域医療に対する貢献ということを考えたときに、やはり池上委員からも御指摘ありま したように地域の状況が地域によって違う以上、それを絶対値で評価するということは 難しいだろうと思います。その中でDPC病院ができることというのは、多分すべての 病院が同じフォーマットでデータを電子的につくっているということだろうと思うんで す。このデータを使うことによって、僕はアウトカムの評価はちょっと危ないと思って いるんですけれども、プロセスの評価はできるようになります。そうしますと、そのプ ロセスの評価に焦点を当てて、いわゆるクリニカルインディケーターみたいなものを幾 つか設定していって、それを公開するということを評価する。それはなぜかといいます と、DPC対象病院というのは実はこのDPCのデータを出すということに対してかな りの情報に対する投資をしているわけでございまして、DPCで情報を透明化すること の一番の目的はやっぱり医療の質を高めるということだと思いますので、そのためにや はりその情報をつくって公開してそれに基づいてまた質の改善活動に取り組んでいくと いう、このよいサイクルを回していくという、この活動自体はやっぱり評価すべきだろ うというふうに考えています。そうしますと、そういうものを公開するということを評 価するという形でいいのではないかなというふうに考えています。 ○齊藤委員  そういうお話は大変よく分かるんですが、将来の日本の急性期疾患を扱う病院という のは、非常に多くの部分がDPCになっていってよいんでしょうか。そういうことであ れば、二極化も心配ないし、DPCで表示されたものをどんどん今日お示しいただいた ようないろんな指標で評価していくというのはいいんだけれども、DPCに入らない急 性期病院というものは何か置き去りにされてしまうようなことが末永く残るようだとか なり気遣われるわけなんですが、先生のイメージはどうなんですか。 ○松田委員  DPCで支払いを受けるかどうかということは、各病院の選択であるだろうと思いま す。ただ、日本の病院医療がやはり保険診療でやられているということを考えると、一 番この医療制度の中で中心にあるべきなのは患者さんだと思うんですね。その患者さん の選択、患者さんが医療機関を選択する、評価するという指標というものは、何らかの 形でやはり医療機関というのはこれから出していかないといけないんじゃないかなと思 います。医療計画の中でも、それを今回やられたわけですけれども、ただそのときに、 その情報を出していくときに何らかの標準化の仕組みが必要なわけでございまして、そ の中でやっぱりDPCの枠組みというのは、標準的な評価に資するものだろうというふ うに考えています。  ただ、そのときに一番重要なポイントはそれに参加するということの敷居が非常に高 すぎてはいけないだろうと思うんですね。そうするとこれは何になっていくのかという と、DPCに対応した電子レセプトのつくり込みという話になってくるだろうと思いま す。要するに、いわゆる病院から出される電子レセプトというものが標準化されてきて、 そこからDPCのコーディングというのがある程度自動的にできるようになってくれば いいのではないか。そうするとDPCで支払いを受ける病院、そうでない病院、それぞ れも、いずれにしてもDPCでのいろんなデータの評価というは可能になってきますの で、例えばDPCで評価されている病院はそれに対応したいわゆる係数みたいなもの、 あるいは加算みたいなものをつければいいでしょうし、でなければDPC対象じゃない ものは同じことをやっていることに対しては、それに対しては加算をつけるという形で いいだろうと思いますし、いずれにしても評価の枠組みをつくるということで私はいい んじゃないかなというふうに考えています。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○西澤委員  オブザーバーとして一言申し上げます。最後のほうになって、ようやくこの分科会ら しい意見のやりとりをされているなと思いました。DPCはどうして導入されたかとい うところで、今、松田先生から説明ありましたとおり、支払い方式としてしか見ていな い面が一般ではあると思うんですよ。そうじゃなくて、やはり日本の医療の質を高めよ うということで入れたんだと。そういうことでは、やはりDPC対象病院の価値という のはデータを出しているということであって、それをいかに有効に活用して各病院が努 力しているところをどう評価するのか、そこじゃないかなと思っています。  ただ、今までの前半の議論を聞いていますと、どうもDPC対象病院のことなのか、 すべての病院のことなのか、ちょっと私には分からなかった。というのは、チーム医療 の評価だとか安全の評価というのはDPC対象病院だけがやっているのではなくてすべ ての病院であるから、すべてに評価すべきであって、出来高病院でも評価すべきことじ ゃないかなと、そういう議論が延々とされていたような気がしております。そういうこ とで、例えば今回は調整係数を廃止してどうするかだったはずなのが、今までのDPC の支払い方式での機能係数だとか出来高部分が足りないからもっと上げるみたいな議論 がされていたなと。もう少し議論が別なほうに行っていただきたいと思います。大事な のは、調整係数を廃止するが、その中の前年度並みの収入の確保、これはなくすと。そ れ以外に、重症患者の対応能力、高度医療の提供能力等の現在の機能係数のみでは対応 できない病院機能の評価、それはあるということなんですけれども、今まで先生方から 御意見を伺った中では、じゃ、その(2)のところのはどういう項目があるのかという のは、どうもいまいち見えてこなかった。そのあたりを分けて議論していただいたほう がいいと感じております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  非常に貴重なご意見で、できるだけいろんな項目が挙がってくることを最初の目標と いたしましたので、委員の先生方、あるいはこれまでの議論の中で項目を挙げてしまお うということで議論が進んでおります。ここからは先生がおっしゃるような形でかなり 詰めていかなければいけないんじゃないかと思います。  今日、御提案いただいたいろんな項目が本当にDPCのところで必要なのかどうかと いうこと、それからまた、一般の国民の方から見ても確かにそれは当然のものであるか といった視点でこれから項目を詰めていかなければいけないと思っています。今日挙げ ていただいたものが全部新しい機能係数として挙がるということは、多分ないというふ うに考えております。これは、実際には今日御提案いただいた中でも全くデータがない ものもございます。やはりきっちりしたデータに基づいて説明できるものに絞り込んで みるということが必要ではないかと考えています。  どうぞ。 ○酒巻委員  DPC病院を評価係数で評価するという話に今、移っているんだろうと思うんですけ れども、さっき松田先生がアウトカム評価は危ないということを言われたんですけれど も、このプロセス評価を中心にし、アウトカム評価は余り積極的ではないという、その 点をもう少し説明いただけますでしょうか。 ○松田委員  アウトカム評価ということになりますと、どうしても死亡退院率とかそういうことに なってくると思うんですけれども、これはもう胸部外科学会がやられているようにその リスク調整をしないといけないわけですが、リスク調整をするためにはそれこそ数百に わたる項目を収集しなければいけないということになります。それを日常の臨床業務の 中でやっていくということは多分、現実的ではないだろうと思っております。  先ほど幾つかの病院はやはり確かに、例えばがん診療に関して言えばラストリゾート なわけでして、そういうところは当然、死亡率は高くなるわけです。また、地方におい ては、受け皿病院がないところでは、例えば末期の患者さんが急性期病院に入ってそこ で亡くなるまでいるということになってきますので、その地域の受け皿病院がどういう 状況であるかによっても死亡退院率というのは変わってきてしまいます。そういうリス ク調整が非常に難しいようなデータというものを、多分一番患者さんが欲しがっている データは、例えばこの病院の特定の診療における死亡退院率みたいなものだろうと思う んですけれども、そういうものを十分な検証なしに外に出してしまうと、非常に僕は不 利益が大きいというふうに考えています。  そういう意味でそのアウトカム評価がすべて悪いというわけではなくて、そういうも のを出して誤解がないものを、やはり臨床科の視点で選んでいただいて、それで、そう いうもので問題がないというのであればアウトカム評価に含めてもいいと思うんですけ れども、そういうものを十分に検討しないで何でもかんでもやっぱりアウトカム評価を やってしまうと、僕は危ないというふうに考えています。これはアメリカのP4Pでも ほとんどがプロセス評価の指標を使われてやっていると思うんですけれども、やはりそ れはそういうことだろうというふうに考えています。  ただ、クローズドでベンチマーキングでやる分には構わないと思うんですね。クロー ズで、要するに限られた集団の中でその死亡率みたいなものを比較をしていって、なぜ 自分の病院は死亡率が高いのか低いのかということを比較して、その原因を調べていく という、そういう医療活動につなげるということ自体非常に重要なことだと思いますけ れども、患者さんに対してやっぱりそれをオープンにするということは少し慎重である べきだろうというふうに考えています。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  まだ、御意見があると思いますが、もう一つ御報告がございますので、それに移りた いと思います。「病院機能係数の考え方について(4)」が松田委員より提出されておりま すので、これについて御説明をお願いいたします。 ○松田委員  研究班での検討の中間報告という形で資料を出させていただきます。  1枚めくっていただきますと、支払いを最適化するための方策ですとか、機能評価係 数検討の具体的作業とか項目の例とかありますけれども、これは今までも御紹介したも ので、これに従って分析を行っているということをお示ししているものです。  平成20年調整係数というところから入りたいと思うんですけれども、一応、今回こ のばらつきの評価ということで、また分析をしております。これは平成19年度の調査 参加病院がどのくらいの、本体調査のほうですけれども調整係数を挙げられているのか ということを一応示しているものです。  めくっていただきまして、ばらつきの分析のところから入りたいと思います。前回、 肺炎につきまして調整係数の点数と、それからその在院日数、それからそれぞれの診療 区分別の点数の関係というものをグラフでお示ししましたけれども、それと同じように 今回、少し数の多いものにつきまして研究班の石川先生が分析をしてくださった結果を まとめております。  一番後ろのところに色刷りの資料がございます。それを見ていただきたいんですけれ ども、抜粋ですけれども、こういう分析を行っております。これは何かといいますと、 一番最初のところ、これは040080xx99x00x、肺炎で急性気管支炎で急性細気 管支炎、それで手術がなくて、それから手術処置等1、2もなかったものというものに ついて、包括診療報酬と在院日数の関係をこのように縦軸横軸で見たものでございます。 cDPCというのが1件当たりの出来高換算での点数。dDPCというのが右側のもの ですけれども、これが1日当たりの包括点数にしたものであります。右側の列がdDP Cと縦軸に書いてありますが、これは1日当たり点数の換算で、左側のcDPCという のが、これが1件当たりの1入院当たりでの包括点数をEFファイルのほうから再計算 したものです。これを見ていただきますと、例えば一番上のところですと入院日数とそ れから1入院当たりの包括診療報酬の点数の関係というのが左の上にあるわけですが、 赤いもの、調整係数の高い病院ではすべての在院日数において包括入院診療報酬が高い と、これは当たり前のことが出ております。  それじゃ、どうしてこれが高いのかということを診療区分別に見たものが下の検査・ 画像診断、薬剤費というところになります。これはEFファイルのほうからその部分を 抜き出してその関係を見たものですけれども、このようにこの分類では検査・画像診断 というのがすべての在院日数において少し高いという、そういう結果になっております。 これは病院ごとの平均値になりますけれども、そういう形になっています。薬剤費にな りますと、少し在院日数が短いところに固まっておりますけれども、検査・画像診断ほ どの傾向はないように見えます。  1枚めくっていただきますと、次が脊柱管狭窄です。脊柱管狭窄でも大体同じような 傾向になっているかと思います。  次、めくっていただきますと、乳房の悪性腫瘍、それからずっと胃の悪性腫瘍、股関 節大腿近位骨折、それから胃の悪性腫瘍、肝硬変等が同じように、このように分析をし ています。このような形で何をやっているのかといいますと、実際にどういうばらつき の状況になっているのかということを調整係数というものを1つの外形基準として検証 して分析をすることによって、そのばらつきの原因が何なのかということを今、分析を しております。  これは何かといいますと、一番最初のところにありますけれども、やはりデータのプ ロセス、ばらつきを分析して例えばそういうものが分類でもし適正化するものであるな ら、分類を静止化することによってこのばらつきを改善することができるのであれば、 そういうものを分類で吸収することによって、今、調整係数の中に入っているであろう、 そういうばらつきというものを適正化していく、そんなことを考えながら今、分析をや っているところです。  分析結果のまとめというところに少し要点が書いてありますけれども、いろいろ見て みますと平均年齢に大きなばらつきが見られる分類ですとか、あるいは入院日数、診療 日数にばらつきが見られる分類ですとか、検査・画像診断にばらつきが見られる分類と いろいろございますので、これからこの中身を少し詳しく検証していって、それが例え ば検査・画像診断ということになりますと、本当に適切な検査・画像診断は行われてい るのか、そのばらつきの根拠というものが本当に臨床的に担保できるものなのか、高額 薬剤についても同じような形で分析をしていきまして、分類で対応すべきもの、あるい はその調整係数で見直すところを少しやっていきたいなというふうに考えております。  つきましては、ストラクチャーについてというところで簡単に御説明いたします。こ れはまだ現在、今年度の調査では拡大様式3ということで、病院施設調査に合わせる形 で少しデータを集めさせていただいております。ただ、現時点でまだ全施設からデータ をいただいていませんので分析がまだできておりませんけれども、一応どのような形で 分析をしようかということを考えているかということだけ今日は御説明させていただき ます。  それが、施設調査に基づく分析のイメージというものでございますけれども、現在は 施設調査、拡大様式3のデータを集めております。これは前回この資料の中に入ってい るものをまた御確認していただけたらと思うんですけれども、医師数ですとか、看護師 数ですとか、薬剤師数ですとか、あるいは各病院がおとりになっているいろんな加算関 係の状況について詳しいデータをとらせていただいております。これに、今まで研究班 において検討してきたいろいろな指標、こういうものもデータとして一元化しまして、 これを用いて多次元分析を今、計画しております。これは何をやるのかというと、こう いうデータからいわゆる評価軸、単純なイメージとしては因子分析みたいなものを考え ていただけたらと思うんですけれども、このデータを分析することによって似たもの同 士を寄せ集め、グループ化して、こういう評価をする軸というものを決めていこうとい うことを今考えています。例えばその評価軸としては、これはまだ実際にやったわけで はありませんので単なる例でございますけれども、例えば高度医療の軸とか、総合性の 軸とか、地域医療の貢献の軸とか、いろんな軸が出てくると思いますので、そういう軸 を設定した上で、その軸に相当、対応する指標というものを考えていきたいなというふ うに考えています。  じゃ、この設定の視点をどういうふうに考えるかといいますと、質が高く効率的な医 療への動機付けになるような視点という形で一応やっていきたいなというふうに考えま す。  一応、私たちの分析というものは対象が限られておりますので、具体的な数値につい て絶対的なことは申し上げられませんけれども、一応考え方というものを示すことはで きるだろうと思っていますので、こういう形で次回か次々回のこの分科会では、その分 析結果を具体的にお示ししたいというふうに考えております。  それから、地域での役割、貢献度についてどういうふうに考えるかということを一応 研究班でも少し検討させていただきました。具体的な医療計画に関連した指標というこ とになりますので、少し西日本の都道府県に限られますけれども、医療計画というもの を収集させていただきまして、その医療計画にどのようなものが記載されているかとい うことを一応、網羅的に見てみました。その中で例えばこの5つのことが主に挙がって いるわけでございますけれども、例えば4疾病5事業への対応、これは地域によってそ の他いろんな難病ですとか、例えば福岡県ですとC型肝炎の対応とかいろんなものが入 ってきますので、いろんなものがあるだろうと思うんですけれども、そういうものに対 応をどのようにしているのかということを何か指標化できないか。これはボリュームで すとかスタッフィングですとか重症度みたいなのが考えられるだろうと思いますけれど も、こういうものを今、検討しております。それから、医療従事者の確保ということで すと研修医ですとか、ここに今日いろいろなところで御提案があったとおりでございま すけれども、看護師ですとか薬剤師ですとか、そういうものをどういうふうに確保する のかということに関する指標みたいなものが考えられるだろうと。あとは医療計画で今、 非常に重要視されていますので、情報公開への対応をどのように考えるかという問題が あるだろうと思います。これは齊藤委員から先ほど御質問にあったものに対する答えと 全く同じでございますけれども、このDPCの新たな特性を生かしまして、やはりその 傷病ごと、分野ごとになるかもしれませんけれども、臨床指標を設定してそれを公開す るということを評価したらどうかというふうなことを今、考えております。医療安全に 関しましても、医療安全に関する指標を設定し、その公開を評価するという考え方があ るのではないかなというふうに考えています。医療連携についても同じような形として、 紹介率・逆紹介率とか地域連携パスの状況とか共同利用の状況、いろいろありますけれ ども、こういうものもどういう体制をとっているのかということを評価できないかとい うふうなことを考えています。  あと、研究班の中では少しその医療本体、地域の貢献ということも1つの指標として あると思うんですけれども、やはりその経営の質みたいなものを少し評価するようなこ とを考えてはどうなのかという意見も中には出ております。これは具体的には、やはり その財務指標をちゃんとつくれているということがDPCだけでなくて、いろんな評価 をする上で重要なことでございますので、こういうことも何か評価の指標として考えら れるんじゃないかということが研究班の委員からは出ております。  あと、海外での評価の事例ということを少しお示ししていますけれども、例えば、先 ほど来ICUとかERの話が出ているんですけれども、やはりどういう体制であるか、 それからどういうボリュームであるかだけでは少し不足だろうと考えております。先ほ どの、すべて入院させちゃえという話もそうだろうと思うんですが、やはりその重症度 みたいなものをきちんと評価しなければいけないだろうと思います。これはオーストリ アの例なんですけれども、オーストリアではTISSとSAPSとTRISSなど、A PACHEも部分的に使っているようですけれども、によって受け入れている患者さん の重症度を評価して、どのくらいの重症度の患者さんをどのくらいのスタッフィングで 診ているのかということに応じてDPC、向こうはDRGになりますけれども、DRG とは別に加算を設けるということをやっております。例えばこれを見ていただきますと、 集中治療室のところですが、区分3というのはどういうものかといいますと、1日当た りの平均のTISSスコアが32点以上であると。1床当たりの看護師の数が3.0人 以上であると。最低病床数が6以上であると。記録義務のある評価項目がTISS−2 8とかSAPSとかTRISSになっているわけですけれども、そういうものに記録し ていると。こういう条件を満たした場合には、その病院の1人当たりの患者さんの加算 が1153ユーロと、約20万円弱になるかと思いますけれども、そういう形でスタッ フィングと、どのような重症の患者さんをどのくらい受け入れているかによって加算を つけるという、そういうことをやっております。ただ、これはオーストリアにおいては、 こういうTISSとかTRISSとかSAPSというものを歴史的にずっと使ってきた という経緯がありますので、日本はこれを使っておりませんので、それをいきなり受け 入れるということはなかなか難しいだろうと思いますけれども、その代替になるような 変数、例えば人工呼吸器の装着日数ですとか、そういうものをうまく使いながら指標が つくれるんじゃないかなというふうに考えています。  諸外国におけるICUとかERの評価につきましてはそこにまとめたとおりです。  それから、あと小山委員のほうから段階的に調整すべきだという御意見がございまし たので、少し諸外国のことを調べてみましたけれども、例えばドイツにおいてはこうい う形で段階的に価格設定をやっております。ドイツはDRG/PPSになったわけです が、そのDRGの1、平たく言えば1点を幾らにするかということは実は病院によって かなり大きく、実際のコストで見ると導入当初は大きな差がありました。例えば大きな 病院なんかですと1点当たりが2,115ユーロであると、低い病院では1,425ユ ーロであると。これを基本レートである300ユーロに3年間かけてやっていくという ことで、段階的に3分の1ずつ定数を削減するということでやっていると。この辺の手 続につきましては、もう少し詳しく調べてまた御報告したいと思いますけれども、これ は調整係数を段階的になくしていくということを具体的に考える上での参考になるんじ ゃないかということで、こういうものも少し調べさせていただいております。  続きまして、機能係数を考える上での留意事項ということですが、私たち研究班でい ろいろデータを集めさせていただいているわけですが、この係数の算出根拠となるデー タについてですが、やはり今日もいろいろと御提案がございましたけれども、通常の病 院マネジメント業務で収集できるものという形でやっていかないと、多分現場は非常に 混乱してしまうだろうと思います。そういう意味で、できれば今の様式とかEFファイ ルで集められているものをベースにその係数を設定するような指標というものをつくっ ていくべきだろうと思います。  もう一つは、やはり通年での収集をやらなければいけないだろうと思います。傷病に 関してはやはり時系列の変化もございますし、季節的な変化もございますので、やっぱ り通年での収集というのができるような体制にするということが重要だろうと思ってい ます。そのためにやはり、このDPC電子レセプト及び調査票というものの仕様という ものをやっぱり一体的に考えていく必要があるんではないかというふうに考えておりま す。  あと、機能評価係数を設定する範囲をどうするかということですが、今日も池上委員 の御発表の中にもありましたけれども、包括部分のみを検証するのか、あるいは出来高 部分を含めて検証するのか、これはやはり考えなければいけないことだろうというふう に考えています。例えば高度医療といった場合に、高度医療はかなりの部分が手術にか かわってくるものでございますけれども、そうしますと、そこまで含めてやるものなの かどうなのかということは少し慎重に考えなければいけないだろうと思っています。  それからあと、出来高部分でいいますと、これは何を言いたいのかといいますと、今 の希少性が非常に高い疾患につきましては、これは希少性が高いということはそれだけ 例数が少ないということですので、実際DPC評価の中ではこれは出来高になっており ます。そういうものをどういうふうに考えるかということも実は大きな問題でございま して、そういうものも少し含めてこの機能評価係数を設定する範囲というのは考えるべ きだろうというふうに考えています。  あと、評価係数算定の日数的基準。現在は特定入院期間内のものでやっているわけで すけれども、これをどういうふうに考えるかということもあろうかと思っています。こ れはいろいろとデータを少し私たちいただいておりますので、これに対応する形でデー タを使って計算をしまして、次回、次々回のところでまたお示ししたいというふうに考 えております。  最後に、診療に係るコストということで、これ、先日、前回の委員会で池上委員のほ うからどうなっているのであるかという御質問をいただきましたので、一応、私どもの ほうでやっているデータの一部を抜粋してお示ししています。これは、ほとんどのDP C対象病院にはすべて結果をお配りしておりますので、またごらんになっていただけた らいいと思うんですけれども、一応18年度調査の結果を示しております。これは19 年度調査は少し対象施設を、余り言いたくないんですけれども予算の関係で少なくしま したので、一番数の多いところの18年度のデータで示しております。私立大学病院は ちょっと人員の算出方法が他施設病院と違うことと、法人会計が少し違いますので、一 応、国立大学病院と民間病院だけで、脳梗塞のところだけで一応示しておりますけれど も、こんな感じになっております。材料費が非常に高くて、減価償却費が高くて、研究 研修費、法人経費というのが大学病院では低いというふうな結果です。絶対値はともか くとしても、傾向としては多分この通りだろうと思います。研究研修費と法人経費が低 いのは、これは本体のほうの教学のほうにほとんどお金がついておりますので、どうし てもやっぱりこういう形になるでしょうし、人件費に関しても予想以上に低いのはこれ も教学分のほうにかなり吸収されているということがあろうかと思います。ただ、減価 償却とか材料費に関して言いますと、やはり高額材料とか高額薬剤、それからあと非常 に高い機器を使っていますので、こういう傾向はあるのだろうというふうに考えていま す。大体どのような分類でも、こんな傾向が出ております。一応はこういう分析もして いる。これをどのように機能係数に使うかどうかということは今のところ何も考えてお りませんけれども、一応こういう分析もしているということで、御参考のためにお示し をいたしました。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  今の御説明に関しまして何か御質問、御意見、ございますでしょうか。  松田先生のほうで、ストラクチャーの部分の検討を急いでいただいていると思うんで すが、これはかなり興味深いものになってくると思いますので、ぜひとも早急にデータ を出していただけると、私たちのところでも議論も進むのではないかというふうに思っ ております。よろしくお願いします。 ○松田委員  はい。この場でお願いすることようなことかどうか分からないんですけれども、実は まだ調査対象施設から全部データが集まっておりません。特に高機能であると評価され ている病院ほど実はデータをお出しいただけていないという現状がございますので、で きれば病院施設調査で昨年度やられた調査が基本になっておりますので、ぜひデータを お出しいただけたらというふうに考えております。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 ○池上委員  今、松田先生から発表していただいたのは、医療の評価の仕方という点もあって、い わゆる調整係数との絡みはどれが関係するかというのはちょっと、これはすべて調整係 数に反映される研究と考えてよろしいんでしょうか、それとも、この中の一部と考えて よろしいんですか。 ○松田委員  基本的に、私たちは分類の精緻化ということが一番の課題だろうというふうに考えて います。分類の精緻化のための分析をやっている。もう一つはやはり、調整係数という よりも私たちは機能係数だというふうに考えています。もう一つは多分、最終的にはそ の質を担保するためにはどのような係数をつくるべきなのかという形での議論になるの かなと思っています。絶対額というのは、多分このような分析でその絶対額が決まるも のではない、絶対値が決まるものではないだろうというふうに考えています。やはり実 際に出てきた評価の軸というものを見ていただいて、それを臨床科、現場の先生方、あ るいは関連の方々の合議のもとでどのようにその係数の値を決めていくかと。最後はそ ういうネゴシエーションで決まっていくようなものになっていくんじゃないかと。私た ちは、その議論のためのたたき台となる資料をつくるのが私たちの仕事だというふうに 考えていますので、調整係数というよりは、新しく評価すべき機能の軸を設定するとい うのが私たちの仕事だというふうに考えています。それの外的な評価基準として調整係 数の関係というのは、もちろん分析をしてそのデータをお示しいたしますけれども、私 たちの目的は調整係数をなくすということよりは新しい機能を評価するための軸をつく るということであるというふうに認識しています。 ○池上委員  それは、研究としてはそれが正しい方法だと思いますけれども、この分科会での議論 としては後半におっしゃった実際の実務的な課題としての調整係数をなくす、あるいは 部分的になくした場合の影響という観点からもデータを出していただければと存じます。 ○西岡分科会長  よろしくお願いします。  ほかに御意見、ございますでしょうか。  山口委員、どうぞ。 ○山口(俊)委員  今日の集まりは、これまでに検討された項目の整理にあると思うんですけれども、こ れに戻ってもよろしいですか。  医療の透明化のところに標準化の評価というのがありますけれども、手術症例数また は、手術症例数の割合に応じた評価というのは、以前、施設基準のときに我が国ではま だエビデンスが少ないということで廃止された経緯があります。従って、ぜひ本当にエ ビデンスのあるものについて評価していただくようにということをちょっとお願いして おきたいと思います。  それから、山口直人先生のこのガイドラインのことについては、私は反対です。とい うのは、山口先生も書いておられますけれども、留意点が2つあります。1つはこのガ イドラインが何%以上遵守されていればよい医療が提供されているか判断は難しいとい う点で、これはご自身が述べておられるとおりです。例えばということで、これがたち まちひとり歩きすると非常にまずい。2つめは、これは将来的には非常に重要なことだ と思うんですけれども、今始まったばかりですので、もう少し資料をそろえられてから やらないと、先ほど相川先生がおっしゃったようなことが起きます。例えば、胃がんの 内視鏡治療は今2cm以下ということになっていますが、あれはどうやって決めたかとい うと、実は3cmでも条件さえ整えば大丈夫なんですけれども、医療技術のレベルを平均 すると2cmぐらいまでにしておかないと大変なことになるということで決められました。 ですから当然、施設によっては3cmでも十分にできるわけです。3cmやれる高度な医療 施設がそのガイドラインから外れてしまうという、極めて不適切なことになってしまい ます。そのあたりをよくご理解いただきたいと思いました。  それから、どの診療ガイドラインに準拠するかということが問題になります。山口先 生は当然 Minds の認定したものということですけれども、Minds が認定したのは、質 の評価がされていますといいますが、医療の質が評価されたわけではなくて、ガイドラ インの体裁が整っているか、例えば経済的な支援をどこから受けたかとか、市民から評 価を受けたかとか、そういう体裁が整っているかチェックしているといったほうが適切 です。必ずしもこれは医療の質を評価しているものではないので、私は今の時点では早 すぎると、将来的な課題として残すべきだと思います。  ついでにもう一つ、(4)の医療の質の評価のところの術後合併症の発生頻度による 評価ですけれども、我々外科医から考えたら術後合併症が多いものほど評価していただ きたいというのが1つの考え方です。というのは、やはり非常に高度な医療のときには 当然合併症がふえます。しかし、それが嫌だからと言って例えば郭清の手を抜くとかそ ういうことになると、質の低下につながりますので、この解釈については十分注意いた だきたいとを希望したいと思います。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見でございます。  はい、どうぞ。 ○伊藤委員  すみません、事前に提案をしなくてこんなことを言うのはあれかもしれませんが、診 療ガイドラインとか、そういうものについて評価が固まっていないというのは山口委員 のおっしゃるとおりだろうというふうに思います。そういう点で、例えばクリティカル パスのようなもの、クリティカルパスというのは基本的に患者さんにどういう状態にな りますということの説明を含めてされているようなところもありますので、そのクリテ ィカルパスの導入率とか、というようなのを新たな指標とすると、その患者さんへの医 療の透明性というものの評価の対象になるんではないかな、診療ガイドラインの遵守率 とかということのかわりにしたらいかがかなというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに御意見、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。  今日は、これまで提出していただきましたいろんな評価項目を挙げていただいて御議 論いただきました。この中で、これがすべて病院機能調整評価係数につながるというこ とはございません。というのは、全くデータのないものもたくさんございますし、これ からデータをつくっていかなければいけないというようなものもあります。多分、この 中で、まずこれだったらどなたがごらんになっても評価にたえる、説明義務を果たせる というものをまず選んで、そこから充実させ、それを導入して、さらにそれで具合が悪 ければ、また別のものを入れるというふうな手順になるんじゃないかというふうに私は 予想しております。そういう意味で今日、御議論いただきましたのは非常に貴重な御意 見だと思いますが、これはこのまま今後の議論の対象として置いていただいて、この中 からさらに話を詰めていくということにさせていただきたいというふうに思います。  そのときには、やはり松田委員がおっしゃっていましたし、いろんな委員がおっしゃ っておられたと思うんですが、きっちりしたデータのあるもの、現在すぐ使えるデータ があるものを中心にしてやらないと全く説明がつかなくなるんじゃないかと思っており ますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それで、本日の議論でございます、まだこれは延々続くものでございますが、時間の 関係もございますのでこれまでとさせていただきたいと思います。  次回のDPC分科会に関しましてですが、実際には今日御参加いただいています委員 の先生方はリーディングホスピタルで医療をされている方等でございますので、それ以 外の幾つかの病院の先生方をお呼びして新たな機能評価係数についての御意見をちょう だいするということとしてはどうかというふうに考えております。  この御意見をお願いする委員の方々に関しては、事務局と私のほうで詰めさせていた だきまして、次回にそれをさせていただきたいというふうに思っています。そういう線 でよろしいでしょうか。  じゃ、そのほかに事務局のほうから何か連絡事項がございましたらお願いいたします。 ○中田補佐  次回の開催につきましては未定でございます。追って御連絡させていただきます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  未定じゃなしに、決まっていたと思いますが。 ○中田補佐  現段階では、予定としてお知らせしておりますので、正式にまた文書等でお知らせい たします。予定としては2月上旬で予定しております。 ○西岡分科会長  一応、予定は決定しておりますので、よろしくお願いします。  それでは、平成20年度第9回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を終了さ せていただきたいと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。                   −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)