09/01/14 第128回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/01/14 中央社会保険医療協議会          第128回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年1月14日(水)10:26〜12:05 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 庄司洋子委員 前田雅英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員(代 今井)       高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本すが専門委員         <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 村山調査課長 他 (4)議題  ○基本診療料について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、ほとんどの委員が御着席になりましたので、ただいまより第128回中央社 会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。  まず、本日の出席状況でございますけれども、本日は小林麻理委員と白石委員が御欠席 です。また、北村委員の代理で経団連経済第三本部長の今井克一さんが、また、高橋委員 の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられます。  なお、保険局長は公務のため途中退席される旨の連絡を受けております。  それでは、初めに「基本診療料について」を議題としたいと思います。  事務局から、資料が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(村山調査課長)  調査課長でございます。中医協診−1−1、それから診−1−2、1−3を用いて、平 成20年の4月から9月の医療費の動向について御説明させていただきます。  資料はこの3点でございますけれども、中医協診−1−2「概算医療費の伸び率」、こ れに基づいて御説明させていただきます。  なお、ポイントというのが診−1−1にございますが、それをあわせてごらんいただけ ればと思います。  それでは、診−1−2の1ページ目をごらんいただきたいと思います。この概算医療費 でございますけれども、このページの一番下の脚注にございますように、審査支払い機関 が審査した医療費、これを概算医療費として集計したものでございます。医療費の直近に おきます全体の統計ということになっております。それから、このページは、左端のとこ ろでごらんいただきますように、診療種類別であります入院、入院外、歯科、調剤、それ から一番下の計という形で見たものでございます。  それから、医療費につきましては、1日当たり医療費と受診延べ日数の掛け算という形 であらわせますので、医療費の動向のほかにそれを構成いたします1日当たり医療費、そ れから受診延べ日数についても動向を見ているということでございます。  なお、1日当たり医療費というのは、入院では入院の1日当たり医療費、入院外では通 院1回当たり医療費ということになりますし、受診延べ日数というのは、入院では入院の 日数、それから入院外では通院回数ということで、その月、その期間の延べ患者数という 意味を持っているということでございます。それから、ここでは伸び率を医療費の動向と して見ておりますけれど、毎月の医療費の金額には季節変動があるということで、季節変 動の影響を除いて、医療費の動向を月あるいは期間ごとに見られるように、従来からその 変化の動向は、前年同月比あるいは前年同期比ということで見ているということでござい ます。  なお、この表でも8月、9月でごらんいただきますように、季節変動等を除くために伸 び率で見ているといいましても、その伸び率につきましても月による変動ということがご ざいますので、月による伸び率の変動をならして、安定した伸び率が得られるというよう な観点から、数カ月の、ここでは4月から9月をまとめた対前年同期比ということで医療 費の動向を見させていただいております。  ちょっと前置きが長くなりましたが、4〜9月の医療費の動向ですが、一番下の段のと ころの真ん中より右ぐらいのところでございますが、平成20年の4月から9月の医療費 の対前年同期比でございますが、これは2.2%となっております。それから、先ほど申 し上げましたその内訳になっております1日当たり医療費は2.8%の増、それから受診 延べ日数は▲0.6、0.6%の減少ということになっているということでございます。 それから、このページの脚注3にありますように、この伸び率を大きな制度改正あるいは 診療報酬の改定を受けていない平成19年度の伸び率との比較をして、その伸び率の差を 見たのが右の列になってございます。ここで、伸び率の差を見るということでございます けれども、平成19年度の制度や診療報酬の状況というのは、平成18年度とも同じとい うことでございますので、平成18年度から見た平成19年度の医療費の伸び率というの はいわゆる自然体の医療費の動向と言うことができるのではないかと思います。  一方、平成20年度は4月に診療報酬改定が行われております。平成19年度はその診 療報酬の改定前の医療費ということでございますので、平成19年度から見た平成20年 度の医療費の伸び率には、申し上げました自然体の医療費の動向のほかに、診療報酬改定 の影響などが含まれた伸び率ということになっております。したがいまして、この改定の 行われました平成20年度4月以降の伸び率と、それから自然体と見ております医療費の 動向であります平成19年度の伸び率の差を見ますと、4月からの診療報酬改定の影響な ど自然体の伸び率以外の医療費の動向を見ることができるということで、この右端に伸び 率との比較を載せているということでございます。  一番右端の右下でございますが、先ほど申し上げました計のところの平成19年度の伸 び率との比較でございますけれども、計の医療費の平成19年度の伸び率との差は▲0. 9%、0.9ポイントの減少と、それから1日当たり医療費につきしましては、▲1.2 ということで1.2%の減少ということになっているということでございます。  それから、先ほど月別に対前年同月比の伸び率を見るということを申し上げましたけれ ども、実際には医療機関は平日、土曜、日曜によりまして稼働の状況が違う。それが患者 数の動向等にもあらわれるということで、この数字を見る場合に医療機関の稼働日数がど のようになっているかということもあわせて見ることが必要ということが従来からありま して、医療機関の稼働日数を前年の平成19年と比べてみますと、平成20年の4月から 9月では稼働日数が1日多くなってございます。これにつきましては、これまでの過去の 傾向に基づいて計算した結果を参考にお示ししておりますけれども、この稼働日数が1日 多いということを補正してみますと、1日多うございますのでちょっと高めということな ので、補正してみますと、医療費の伸び率は2.2%というのは、1.8%と見込まれる ところでございます。この稼働日数の補正につきましては、従来からホームページで公表 しているということでございます。  以上、1ページ目は診療種類別の医療費の動向を見たものでございます。  次の2ページ、3ページは、今度は医療機関の種類別に医療費の動向を見たものという ことでございます。まず、2ページ目は、経営主体別の医科病院について医療費の伸び率 を見たものということでございます。このページの一番上の段、医科計でございますけれ ども、医科計の一番上の段の真ん中ぐらい、平成20年の4月から9月の対前年同期比で ございますけれども、医療費の伸び率は1.6%、内訳の1日当たり医療費の伸び率が3. 5%、受診延べ日数は1.9%の減少となっておりまして、その右端に行きまして、平成 19年度の伸び率との比較ですと、医療費は▲0.8、0.8%の減少、それから1日当 たり医療費は同様に0.8%の減少ということになっております。  中段にまいりますと、病院の入院でございますけれども、医療費は平成20年4〜9月 の対前年同期比ですと2.2%、内訳でございます1日当たり医療費は2.8%、受診延 べ日数は▲0.6%。右のところの伸び率との比較でございますが、医療費は▲0.7、 0.7%の減少、1日当たり医療費も同じでございます。それから、下の3分の1ほどの ところは入院外でございますけれども、医療費は0.1%の減少、内訳であります1日当 たり医療費は3.1%。それから右のところ、平成19年度の伸び率との比較ですと医療 費は1.3%の減少、1日当たり医療費は1.1%の減少ということになっているという ことでございます。  次のページでございますが、今度は医療機関の種類別のもう一つでございます医科診療 所でございます。一番上の段、医科診療所の20年の4〜9月の対前年同期比でございま すが、医科診療所の医療費の伸び率は0.7%、内訳でございます1日当たり医療費は0. 9%、それから延べ日数は▲0.2、0.2%減少ということでございますが、平成19 年度の伸び率との比較、一番右でございますが、ごらんいただきますと、医療費は▲1. 5、1.5%のマイナス、それから1日当たり医療費は1.5%のマイナス、延べ日数は 変わっておりません。  4、5、6ページにつきましては、病床規模別に見たもの、それから、7、8、9ペー ジは、それを1施設当たりで見たものということで、後ほどごらんいただきたいと思いま す。  それで、ポイントに戻っていただきますと、診−1−1ですね、「医療費の動向のポイ ント」を見ていただきますと、最初の1つ目の丸は全体についての医療費の伸び率2.2 %とその内訳、それから2つ目の丸は19年度との比較、それから3つ目の丸につきまし ては、先ほど申しましたように、医療費の動向は、診療種類別の統計と、それから医療機 関種類別の統計、2つの切り口からお示ししておりますので、両方共通になっている切り 口であります入院外、それから病院と診療所とその共通の切り口での20年4〜9月の内 訳、それから19年度との比較をお示ししてございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。引き続いて事務局からお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございます。資料で申しますと、中医協の診−2−1をお開きください。こ れは、前回中医協で御議論いただいたとき、すなわち6月4日に御議論いただきましたと きに、初・再診料等について資料をお出ししましたところ、委員の先生の中から、この中 で病院診療所別はどうなっているのか、あるいは年齢階級別にどうなっているのか、例え ば病院であれば病床の規模別にどうなっているのかという分析はできますかという御質問 が出ましたので、その質問にお答えをする形で資料をまとめております。  表紙をめくっていただきまして1ページです。前回も出しましたものとほとんど同じで ございますけども、総医療費における初・再診料等の占める割合ということです。ごらん いただきますように、入院、外来も含めた総医療費のうち、初診料、再診料、外来管理加 算、外来診療料の占める割合は約9.5%ということでございます。もちろん、これ以外 にも入院基本料、それから特定入院料とかありますので、参考までにグラフの中に反映さ せております。  1ページめくっていただきまして、ページで言いますと2ページです。これは病院・診 療所別に見たものが次のグラフでございまして、先ほど医療機関全体では9.5%と申し ましたが、病院の場合はごらんいただきますように3.0%、それから診療所の場合は2 1%と、こうなっておりまして、診療所において占める割合が高いということです。  次に、3ページでございますけれども、全医療費の中で初・再診料等の占める割合とい うのを病床規模別に見たものが次でございます。先ほども申し上げましたが、病院では初 ・再診料等の割合は3.0%と申しましたが、20から49床という小さな区分では7. 4%、さらにその上で5.4%、3.6%と、こうなっておりまして、一般的に言えるこ とは、病床規模が小さいほど、全医療費の中に占める初診料・再診料等の割合が高いとい うことが見てとれようかと思います。  4ページをお開きください。診療所の入院外の医療費に限って見たものですが、診療所 の入院外医療費の各科別の初・再診料等の割合を見てみますと、これは無床と有床に分け てみまして、具体的には皮膚科とか耳鼻咽喉科、整形外科、こういったところでは基本診 療料の占める割合が高いと言えます。  一方、整形外科は再診料の占める割合が高いと言えます。  無床診療所、有床診療所は細かいところを見ますと傾向の違いはあるのかもしれません けれども、全体の動きみたいなところでは似たような様相を示していると言えます。  次の5ページをお開きください。今度は、患者さんの年齢別にどうかというグラフでご ざいます。医療費の中で、ごらんいただけますように初・再診料等の占める割合は、年齢 が高くなるごとに減っていく傾向ということになります。全医療費の中では、ごらんいた だくとおりですが、それでは、初・再診料等において各点数の占める割合はどうかと申し ますと、これも見ていただけますように、年齢が高くなるほど初診料の割合が減って、再 診料とか外来管理加算の占める割合が高くなるという傾向が見てとれます。  次に、6ページをごらんください。ここからは、年齢別はもちろんですけれども、どう いう疾患分類が初診料の算定回数の上位に来るかという疾患分類で見ております。ごらん いただけますように、初診料の算定回数は、全体で見ますと感染症などの内科的疾患も多 いわけですけれども、6ページの左下になりますけど、65歳以上になりますと、皮膚疾 患みたいなものもふえてくるし、また白内障とか脊椎障害なぞの内科以外の疾患での算定 が多いと言えます。それから、全体での初診料算定回数では、感染症以外に屈折及び調節 の障害での算定回数が多いというのが見てとれます。  次に、7ページをごらんください。同じように疾病のグループということに着目をしま して、これを年齢別、それから今度は病院、診療所別という形で見たものが次の7ページ でして、病院と診療所ですけれど、全体で見てみますと初診料算定回数上位疾患の傾向は かなり似ているんだということが言えるだろうと思います。一方、75歳以上で見てみま すと、65歳以上でもそうなんですが、高齢の方で見てみますと、脳梗塞でありますとか 良性の新生物、骨折あるいは肺炎といったところが上位に上がってくるというのが病院の 特徴かもしれません。  8ページをごらんください。今までのところは疾患群別の初診料だったんですけれども、 今度は再診料ということで見ております。これも同様に先ほどのように65歳以上と75 歳以上で分けておりますけれども、ある程度予想がつく結果ではあるわけですけれども、 再診料の算定回数は、高血圧、糖尿病、腎不全などの内科的疾患に加えて、脊椎障害や関 節症などの整形外科的疾患でも多くなっているということです。65歳以上に限って見ま すと、ごらんをいただきますように、腎不全による再診料算定回数より白内障なぞがかな り高いところに上がってくるということでございます。  次に、9ページをごらんください。やはりこれも初診料のときと同様に、病院・診療所 別、さらに年齢という要素を入れていますけれども、再診料の算定はこれもある程度予測 がつくところですけれど、高血圧、糖尿病などの内科的慢性疾患と整形外科疾患で多い。 病院では、統合失調症や腎不全、脳梗塞などが上位疾患として出てくると、こういうとこ ろでございます。  以上が前回、6月4日に提出しました資料に基づきますいわば宿題報告的な部分でござ います。  以下、診−2、それから診−2−3、診−2−4と資料をつけておりますが、これは御 議論いただくときの参考という形ですので、説明は省略をさせていただきます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ただいまが事務局からの御報告でしたけれども、本日は二号側委員からも資料が提出さ れております。すべて内容的には関連がありますので、まずすべて御報告をいただいた後 で総合的な質疑の討論をしたいというふうに思っておりますので、早速、二号側から御報 告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○藤原委員  診療側からですが、外来管理加算に関するアンケート調査の結果速報について、要約で ございますけれども、日本医師会が取りまとめたものを報告させていただきます。  目次をごらんいただきたいと思いますけれども、内容は、アンケート調査の目的と方法、 そしてアンケート調査の分析、基本情報、外来管理加算の算定状況、外来管理加算を算定 する患者数の変化、時間要件への対応、患者の反応、経営への影響、外来管理加算の在り 方、そしてまとめを行っております。  1ページ目をごらんいただきたいと思いますが、アンケート調査の目的と方法でござい ますけれども、2008年4月の診療報酬改定では、外来管理加算の算定要件と点数の見 直しが行われました。病院勤務医の負担軽減のために、医科本体の改定率はプラスの0. 42%、1,000億円相当で、その改定率以上の財源が求められたわけであります。外 来管理加算の見直しによりまして、診療所では240億円の減額になると見込まれており ましたけれども、診療所では見込みを大幅に上回る影響が出ているとの声があります。ま た、医療に時間の尺度、時間要件が持ち込まれましたために、現場で混乱を来し、医療の 本質をゆがめているとの意見も出ております。  そこで、外来管理加算の見直しが医療現場に与えた影響を把握するために、2008年 11月に実態調査を行いました。調査対象は、日本医師会会員の医療機関から都道府県別 に行いまして、病院・診療所を合わせまして計4,342件に調査票を郵送して、得られ た回答は診療所・病院を合わせまして1,972件でありました。回答率は診療所で45. 4%、病院で45.3%、全体で45.4%でありました。アンケート調査の分析であり ますが、まず基本情報について、診療所におきましては、回答がありました診療所の病床 数の有無で、有床診療所におきましては13.9%、無床診療所では86.1%で、これ は、全国の診療所の構成比に比べまして若干有床診療所の比率が高いということでありま す。また、回答医療機関のうち、外来管理加算を算定している診療所の比率でございます けれども、診療所全体で89.6%でありました。  3ページ目ですが、病院におきましては、外来管理加算は一般病床200床未満の病院 で算定できることになっております。総病床数の規模別の回答状況でございますが、10 0床未満で6割近くを占めておりまして、小規模病院が多いということになります。  外来管理加算の算定状況でございますけれども、全体では2008年3月以前から外来 管理加算を算定している医療機関が86.8%、2008年4月以降に算定を開始しまし た医療機関が3.4%ということでございまして、現在、外来管理加算を算定している医 療機関は合わせて90.2%であります。  一方、2008年4月以降に算定をやめた医療機関は全体で5.9%でございます。  5ページですが、外来管理加算の算定をやめた理由でございますけれども、診療所では、 2008年4月以降、外来管理加算の算定をやめた理由について、「「おおむね5分超」 という要件を満たさないため。」が最も多く、67.9%でありました。続いて、患者へ の説明が難しいというのが27.7%ありました。  外来管理加算を算定する患者数の変化でございますけれども、外来管理加算を算定する 患者数の増減について、まず主観的な回答でございます。算定回数そのものにつきまして は、問15で改めて質問をしております。  その結果、全体では「大幅に減少」「減少」合わせまして65.2%で、算定患者数が 減少したとの回答でありました。減少は、診療所では64.2%、病院では72.2%で ありました。  それから7ページ、外来管理加算を算定する患者が減少した理由でございますけれども、 この理由として最も多かった回答は「「おおむね5分超」という要件を満たさないため」 であり、全体で74.3%でありました。ここでいわゆる「5分要件」の影響についてま とめておきたいと思います。  診療所で、2008年3月以前から外来管理加算を算定している施設のうち、704施 設で「5分要件」により算定患者数が減少しております。また、診療所の76施設は「5 分要件」のために4月以降算定をやめております。つまり、算定経験のある診療所1,6 74施設のうち「5分要件」によって算定患者数が減少した施設、算定を中止した医療機 関は合わせまして780施設で46.6%でありました。  病院は、算定したことのある施設のうち57.3%が「5分要件」の影響を受けており ます。  9ページでございますが、時間要件への対応ということで、まず、時間の計測について でございますが、「5分」を時計等で正確に計測している医療機関は全体で3.1%であ りました。「時計等で正確に計測」「時計等を見ながらおおむね計測」を合わせますと全 体で45.4%でございます。  それから、診察上の時間の計測の負担について尋ねておりますけれども、時間の計測が 診察上非常に負担になっていると回答した医療機関は約3割で、この「非常に負担」「や や負担」を合わせますと全体で65.7%でありました。  それから11ページですが、また現在、外来管理加算を算定している医療機関全体に対 する比率を見てみますと、時間を計測しており、かつそれが診療上の負担になっていると 回答したのは、診療所で27.6%、病院で45.6%でありました。  診察時間が長引くこと、これは外来管理加算の見直しによって診察時間が長引くことと いうことでございますけれども、医療機関全体では「患者さんに懇切丁寧に説明し、患者 さんの疑問や不安が解消されているにもかかわらず、時間要件があるために診察時間が長 引くことがよくある」と回答した医療機関は13.3%であります。この「よくある」と 「時々ある」の合計は40%、「ほとんどない」「まったくない」の合計は56.5%で ありました。  13ページ、患者さんの反応でございますけれども、このことにつきましては、外来管 理加算の見直しについて、患者本人にアンケートを行っても、見直しが行われたこと自体 を認識していないケースも多いと考えられるわけであります。そこで、医療機関の主観で あるという問題点はありますけれども、医療機関側に患者の反応、評価を質問するという 方法をとりました。  まず、待ち時間でございますけれども、「待ち時間が長くなったという患者の声が大幅 に増えた」と答えた医療機関が全体で6.2%、「やや増えた」を合わせますと27.8 %でありました。  説明時間ですが、「説明時間が長くなったという声が大幅に増えた」という医療機関が 全体で2.8%、「やや増えた」を合わせますと、合わせて26.3%でありました。  15ページ、経営への影響でございますけれども、再診料算定回数に占める外来管理加 算の算定要件の比率でございますけれども、診療所におきましては、2007年7月から 9月は63.3%、2008年7月から9月は48.0%でありました。前年同期比では 15.3ポイントの低下であります。  病院におきましては、再診料算定回数に占める外来管理加算の算定回数の比率は、20 07年7月から9月は55.6%、2008年7月から9月は46.3%で、9.4ポイ ントの低下であります。  それから、外来管理加算算定回数の前年同期比でございますが、問1では「平成20年 3月以降から算定」を選択し、問14・問15の両方に回答があった医療機関でございま すけれども、診療所の外来管理加算の算定回数の前年同期比(7月〜9月)はマイナスの 24.3%でありました。病院におきましては、外来管理加算算定回数の前年同期比、7 月から9月でございますけれども、これはマイナスの14.9%でありました。  医業収入(医療費)への影響額ですが、2007年度外来管理加算算定額に2008年 の算定回数の増減率を乗じまして、その上で後期高齢者の単価の見直しを反映させて収入 への影響額を試算しました。  その結果、診療所への影響額は748億円と推計されました。診療報酬改定時には影響 額は240億円と見込まれておりましたが、今回の試算ではそれを508億円超過してい ることになります。  病院におきましては、今回の外来管理加算調査から試算されました影響額は57億円で あります。  それから、外来管理加算の在り方について尋ねております。現在の外来管理加算の算定 要件についての意見でございますが、「不適切」が全体で62.1%、「やや不適切」を 合わせまして74.9%が適切ではないとの回答でありました。  それから、19ページでございますが、算定要件が不適切と考える理由でございますが、 このことにつきましては、「計画的な医学管理を、時間で判断していること」が全体で8 3.8%と最も多く、次いで「医師の診察のみが「おおむね5分超」の対象になってい る」ということを挙げたのが全体で51.2%でありました。  回答医療機関全体に対しての比率を見ますと、計画的な医学管理を時間で判断している ことを不適切と考えている医療機関は、診療所では62.7%、病院では63.3%でご ざいます。また、医師の診察のみが時間要件の判断の対象となっていることを不適切と考 える医療機関は、診療所では38.0%、病院では40.7%でありました。  21ページ、家族等への薬剤投与に算定できなくなったことについて、これは、200 8年4月から、看護している家族等から症状を聞いて薬剤を投与した場合には、この外来 管理加算が算定できなくなっておりますけれども、このことにつきまして「不適切」とす る医療機関が全体で56.0%、「やや不適切」を合わせまして70.1%が適切ではな いという回答でありました。  一方、「まあまあ妥当」「妥当」を合わせますと9.7%であります。  今後の在り方についての意見を尋ねております。これは、このことについて「時間要件 を撤廃して、外来管理加算を継続すべき」という意見が最も多く、全体で68.3%でご ざいまして、また「廃止」につきましては全体で10.6%であります。  23ページのまとめでございますけれども、時間要件による外来管理加算算定患者数の 減少でございますけれども、外来管理加算を算定したことのある医療機関のうち、時間要 件を満たさないため外来管理加算を算定する患者数が減少した医療機関は43.7%、算 定をやめた医療機関が4.1%で、合わせまして、47.8%が時間要件により負の影響 を受けております。  中医協では、2008年4月改定の審議過程で、厚生労働省「内科を主たる標榜科とす る診療所において、医師1人当たりの、患者1人当たり平均診療時間の分布を調査したと ころ、平均診療時間が5分以上である医療機関が9割」との分析結果が示されたところで あります。このことは逆に言いますと、時間要件の影響を受ける医療機関は約1割とも受 け取れるわけでございますけれども、今回の調査からは5割近くの医療機関に影響が出て いることが明らかになっております。  24ページの診察及び診療時間への影響と患者さんの反応でございますが、現在、外来 管理加算を算定している医療機関全体のうち、時間の計測が診察上の負担になっている、 非常に負担、やや負担を合わせまして、そう回答した医療機関は約3割あり、診察の妨げ になっていることが少なくないということがうかがえます。  外来管理加算の見直しにつきましては、患者本人にアンケートを行っても、見直しが行 われたこと自体を認識していないケースも多いと想定されます。そこで、医療機関の主観 であるという問題点はありますけれども、医療機関側に患者の反応、評価を質問するとい う方法をとりまして、その結果「待ち時間が長くなった」「説明時間が長くなった」とい う患者さんの声がふえたと回答した医療機関がいずれも3割弱ありました。  また、時間要件があるために「患者さんに懇切丁寧に説明し、患者さんの疑問や不安が 解消されているにもかかわらず」診察時間が長引くことがあるという医療機関も全体で4 割あり、必要以上に診察時間が長くなっていることがうかがえました。  最後のページですが、25ページ。外来管理加算の要件及び点数の見直しによる収入減 ですが、外来管理加算の意義づけの見直しによる影響額は、診療報酬改定時に診療所では マイナスの240億円と見込まれておりました。しかし、今回の調査をもとに、算定要件 の見直しによる算定回数の減少、後期高齢者に係る診療所の点数の引き下げの影響額を試 算いたしましたところ、マイナスの748億円であり、当初の見込みを大幅に上回る減額 でありました。  外来管理加算の算定要件及び在り方についての意見でございますが、回答医療機関全体 のうち、現在の外来管理加算の算定要件を「不適切」と考えている医療機関は62.1% であり、「やや不適切」を合わせますと74.9%と7割以上でありました。  また、算定要件を「不適切」と考えており、その理由として「計画的な医学管理を時間 で判断していること」を挙げたのは回答医療機関の全体のうち62.8%であり、医療機 関の6割超が時間で判断していることを問題視しておりました。  報告は以上でありますが、ただいま報告しましたとおり、外来管理加算の算定の見直し によりまして、想定を大幅に上回る影響が出ておりまして、診療所の経営は急速に悪化し ており、途中改定を強く要望するところであります。  今回のアンケート調査で、医療現場は、外来管理加算の時間要件につきまして適切では ない、つまり医療の質は評価できないと考えておりまして、時間要件の撤廃を強く求める 次第であります。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ただいま3つの内容について説明、報告があったわけでありますけれども、多少議論す る時間がありますので、質問を個別に受けていったらどうかと思います。最初に御説明あ りました医療費の動向につきまして、この中身について何か御質問ございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  まず、中医協の診−1−2で、平成20年4月から9月の欄のところでございますけれ ども、この中で9月においては特に数字が非常に膨らんでいるように思います。これは、 恐らく先ほども説明があった1日稼働日数が多いということにもよると思われますけれど も、歯科の9月の医療費8.1%ですか、調剤の12.5%、これは本当に突出している 数字と思います。その結果、計も医療費は6.4%ということで、稼働日数以外の要因も あるのではないかと考えられますが、もし理由がお分かりでしたら教えていただきたいと いうのが1点です。  3点ほど質問させていただきたいと思いますが、2点目として、受診の延べ日数につい てですが、これはその次のページ、医科入院外で見ますと、大学病院・診療所はほぼ横ば いで、公的病院の減り方が大きいと思いますけれども、この理由について、つまり2ペー ジ目の公的病院、平成20年4月から9月、これはマイナスの5.5%となっております。 この理由について確認しておきたいと思います。  最後に、もう一点でございますけれども、診−1−1でございますけれども、先ほどの 説明の中でこの医科入院外の医療費をお示しになっております。これは、同じ切り口だか ら示したということのようですが、要するに診療所と病院との共通項、つまり、入院外と いうのは同じ切り口だというようなことだと思いますが、しかしそもそも病院の役割と診 療所の役割は、これは違うわけでございまして、基本的に病院は入院、診療所は外来と、 だからここの部分だけ取り上げてお示しになるのは少し問題を別の方向に押しやってしま う可能性がある。つまり、病院全体での医療費、そして診療所全体での医療費を比較すべ きではないかというふうに思いますけれども、そこのところ、その3点を一応確認してお きたいと思います。 ○遠藤小委員長  3番目は、これは解釈の問題だと思いますので、これは藤原委員の御意見というふうに 承りたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。 ○藤原委員  それでよろしいです。 ○遠藤小委員長  最初の2つについて、質問の内容は分かりましたか。それではよろしくお願いします。 ○事務局(村山調査課長)  まず、1点目の診−1−2の診療種類別のところで歯科の医療費、9月分のところです ね。歯科調剤の9月分の医療費が非常に伸び率が高いということですけれども、ここのと ころにつきまして、委員のほうからも御指摘がございましたように、9月につきましては 稼働日数が前年の19年に比べまして多くなっている。土曜、日曜に換算しますと1.5 日多いということでございまして、それを換算する必要がある。これは医療費全体につい て申し上げたことと同じでございます。  過去の傾向からみて稼働日数の影響がどの程度かということにつきまして、歯科と調剤 につきましてはけっこう大きくて、仮に9月の歯科につきまして、稼働日数の補正をいた しますと、8.1%と書いてある部分につきましては3.2%となります。それから、調 剤につきましての12.5%を日数補正いたしますと6.5%ということになりまして、 そういった稼働日数の影響が比較的大きく出る診療科目という理解でございます。  それから、2点目の同じく診−1−2の2ページ目のところの医科病院を経営主体別で 見た場合に公的病院の伸びが大きく落ちているというようなことを御指摘かと存じますが、 これは経営主体ごとに医療費の総額の伸び率ということでございまして、医療費は、施設 数と1施設当たりの医療費の掛け算で見ることができます。したがいまして、施設の数が 減少している場合には、1施設当たりの医療費がかわらなくても医療費トータルとしては 減少するということで、ご案内のとおり、公的病院につきましては施設が減少してござい ますので、そういった影響で医療費の減少が強く出ているというようなことかと存じてお ります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  稼働日数1日で、私どもの認識しているのは2.3%、それでは、1.5日でどうなの か、その半日というのが曜日にもよるかと思いますが、8.1%が3.2%になるという のは余りにも大きすぎるかなというふうにも感じますけれども、それはそれとして、そう 説明されるのですからそれを受けとめますが、それにしてもちょっと大きいなと感じます。  それから、もう一点ですが、公的病院の減り方について、今説明がありましたように、 診療科の閉鎖であるとか、あるいは病院自体が廃院になっておる、そういったことも大き く要因となっているということですが、指摘しておきたいのは、病院の全体の医療費につ いては、先程3番目に言いましたけれども、要するに病院は全体としては今回の改定で大 きく伸びている、特に大学病院はひとり勝ちという状況にありますけれども、そういうこ とを指摘したいというふうに思いますが、この大学病院については、診療報酬上、手厚く した結果なのかどうか、その辺のところをもう一度確認したいと思います。 ○遠藤小委員長  なかなか難しい質問かもしれませんけれども、答えられる範囲で事務局何かあればお願 いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  社会医療診療行為別調査が出ていない状況で、どの診療報酬の項目の増点ないし新設項 目の追加がどのくらいの医療費の影響に反映されたかというのを個々個別に説明するとい うのは非常に難しゅうございますが、確かに特定機能病院について、特定機能病院に着目 をして点数をつけたというところはありますので、そうした影響は出ている可能性はあろ うかと思いますが、今日この時点では、その程度の御説明しかできませんのでご了解をく ださい。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。事務局、どうぞ。 ○事務局(村山調査課長)  先ほどの補足でございますけれども、土日の影響を補正したところでございますが、補 正の効果について念のためもう一度数字だけ申し上げさせてもらいますと、9月は稼働日 数では1.5日多いということで、影響率として、医療費の総額では3.5%の影響があ るというふうに見ております。それから、歯科につきましては、4.9%、調剤について は6.0%ということで、診療種類別に見ております。先ほど申しました繰り返しになり ますけれども、歯科や調剤は医療費全体に比べましてこの土日の影響が大きいということ で、今申し上げたような数字でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。藤原委員、よろしいですか。 ○藤原委員  そういうふうに言われるんですから、一応理解させていただきます。 ○遠藤小委員長  ちなみに、先ほど来、このデータの数値について、藤原委員がイメージされているもの と乖離があるというお話があったんですが、ついでですので、このデータはどういうふう にして収集されているのか、データのソースを教えていただきたいと思います。 ○事務局(村山調査課長)  この今申し上げました係数につきましては、ホームページでも公表しておりますけれど も、これは、古うございますけれども、平成4年から8年度の医療保険の1人当たり医療 費の伸び率につきまして、各月の日数の日曜祭日あるいは年末といったようなところにつ きましての対前年同月差や感染症サーベイランスのインフルエンザの報告といったような ものを用いまして、回帰分析によりまして、日曜祭日の影響、それから土曜の影響、それ からうるう日の影響ということで、3種類に分けまして医療の種類としては、入院、入院 外、歯科、調剤に分けて、このクロスにつきまして、影響補正係数を計算したもので、ホ ームページでもお示ししてごらんいただいているというものでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。レセプトのデータをベースにしているということが大前提とい うことですね。その補正については過去の事例から見て、回帰分析でどのぐらいの補正す る必要があるかというのを決めて出している、そういうことだということです。よろしい ですか。それでは、竹嶋委員、よろしくお願いします。 ○竹嶋委員  中身については、今、藤原委員から御質問させていただきましたが、その一つで、1日 稼働日数少ないとか、1日稼働日数が多かったとか、あるいは1.5日少ないという御説 明ですが、こういう公的な資料が出ますときに、恐らくこれが中医協の中で議論するたた き台だけじゃなくて、ほかのところにも行くと思うのです。そういうところに出たとき、 この数字をそのままであればそのまま読むということになると思うのですね。中医協の診 −1−1のところに戻りますと、ここにはきちっと書いてあります。1日当たり医療費が 2.8%、受診延べ日数、一番上のマークですね、0.6%、これだけ見ると、今と同じ ような、藤原委員が質問したのと同じようなことですね。で、これでこのままいっちゃい ますが、この上の方に、稼働日数を補正したら1.8%、むしろこれが、診療側の私たち にとりましては、1日とか1日半、極めて医療の経営に大きいわけですから、そこら辺の スタンスですね、そのあたりを明確にしていく、そういう資料の提出の仕方を要望いたし たいと思います。 ○遠藤小委員長  そうですね。補正前か補正後かというところが明確になるようにということの御要望だ と思いますので、それは恐らくそういうこともあるかと思いますので、何かこれについて 御意見ございますか。対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  この伸び率の問題で質問が3点ありまして、いずれも関連しますけれども、この伸び率 対伸び率の比較というのは、恐らくここ3年ぐらいされているのだろうというふうに思う のですね。この19年度、前は改定がない年ということで17年度を使っていて、ここの ところは平成19年度からと、こういうことですけれども、トータル感でいえば、年度対 年度の医療費全体とか、ないしは1日当たり医療費のトータルであるとか、そういった見 方もあるのかもしれないというふうに思うのです。ただ、片や1年、片や例えば単月であ りますとか1〜4期だけの比較であるとか、ないしは次の2ページ目、3ページ目、特に 3ページ目あたりでしょうか、内科、小児科、外科、こういったところでもって伸び率を 比較してどういう意味があるのだろうかというのが1点目です。  それとの関連もあるのですけれど、2点目は、今回は4月〜9月の状況をみており、平 成19年度もわざわざ4月〜9月まで出していただいている。そうしますと、普通比較す るときには対前年同月との比較ですので、19年度の4月〜9月の伸び率と、20年度の 4月〜9月の伸び率を使うのではないかと思います。つまり、季節変動的な要因とか、期 間が違うものを比較しても余り意味がないのに、わざわざ片や平成19年度の1年間、片 や平成20年度の4月〜9月をとっているというのがどうかということ。  それから、3点目は、これも関連しますけれども、上期と下期を比べると、どちらかと いいますと、例えば医療の高度化とか施設基準、例えば7対1をとる所がだんだんふえて くるとか、診療報酬改定に対応した医療機関の行動変容もあり得るといったことであると か、また、冬場がどうしても風邪とか花粉症が多いということがあって、下期のほうがや や伸びるというのがここ数年の傾向だろう。花粉症なんかはちょっと期がずれて、流行が 春先までというところもありますから、一概に言えませんけれど、大体そういった傾向が あるのだろうというふうに思うのですけれども、そのあたりの考え方はどうなのでしょう か。 ○遠藤小委員長  ただいまの3点、御質問の趣旨はよろしいでしょうか。それではお願いいたします。 ○事務局(村山調査課長)  まず、伸び率、診−1−2のところでよろしいかと思うのですけれども、伸び率と伸び 率の比較、特に1年間と半年の伸び率の比較、あるいは診療科別の伸び率の比較というこ とが1点目でございました。申し上げましたとおり、医療費について季節変動があるので、 その影響を除くために伸び率、対前年同期比を見ているということでございます。それで、 仮に季節変動が19年度と20年度が全く同じだったといたしますと、20年の4月の伸 び率を見れば、20年度1年間の伸び率がすべて分かってしまうわけでございますね、全 く同じ形ですので。ところが、実際には月の伸び率自体に季節変動以外の要因があるとい うことで、単月よりむしろ12カ月分のデータをとることで、月の伸び率の変動をさらに ならして安定した伸び率を出している。平成20年度につきましても、1年間同じ伸び率 でずっといくとした場合、つまり季節変動が19、20年度と全く同じパターンであれば 4月の伸び率で1年分の伸び率が分かるということでございますが、実際にはそうなって いない。それで、まず19年度について季節変動を除いたにもかかわらずさらに残る伸び 率の月変動を12カ月分でならしまして、相似形として見るときの一番適当と思われる伸 び率を19年度分として計算する。それを20年度の各月と比べる。20年の伸び率の傾 向が4月以降も同じであれば、4月の伸び率でいくはずなのですけれど、必ずしもそうで はないので、今のように月別も見ながら、4月から9月までというようにある程度まとめ て平成19年度の伸び率と比べている。本来の季節変動を除いた伸び率をさらに安定させ た19年度の伸び率を設定して、平成20年度の月単位で見ていくのですが、単月ではぶ れがあるのでまとめるというだけで、年と月といっていますけれども、実は季節変動を除 いた率として一番妥当なものを見ているだけです。ですから、年と月という単位での比較 でおかしいというようなことではないということを御理解いただきたいと思います。  このことは、診療科別についても同様でございまして、診療科別に見ているというのも、 これも主たる診療科ということで、きちんと医療費が分類された中で、それぞれの診療科 ごとに恐らく特徴があると思いますけれども、それぞれの診療科目の季節変動を除いた伸 び率をならした、季節変動を除いた伸び率をさらに安定させた率を1年間計算し、それを 各月ごとに比べ、また、数カ月まとまったらさらにそれを安定化させるために4〜9月の ようにくくって比べるという考え方です。これが2点目への回答です。  それから、3点目につきまして、医療費につきまして改定等があった場合に、年度後半 で医療費が下期において増加するということですけれども、例えば、例に挙げられました 風邪というようなことでございますが、冬場には例年同じような風邪、インフルエンザか もしれませんが、そのような流行がある、それが同じように起こりました場合には、去年 と今年で状況が同じですので、伸び率で見ましたらその影響は消えてしまうわけですね。 その年だけの流行とかいうことになりますと、伸び率が高くなるなど出てまいりますが、 そういったことでない場合には、実額として後半にふえるということは、伸び率とは直接 関係はございません。 ○遠藤小委員長  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  あまり個別の話をするつもりはないのですけれど、そうではなくて、19年度年平均に 対して上期だけをとりますと、上期というのは比較的、風邪、花粉症はないわけですから やや低めに出るんじゃないかと、こういうことを申し上げている。あと、竹嶋委員と若干 方向性は違うのかもしれませんけれど、結果的には私も全く同じでして、特に今回もそう なのですけれども、かなりシビアな議論をしているわけですよね。外来管理加算がどうの、 初・再診料がどうのという議論をしているときに、従来もやっているから、従来と同様の 資料をこういった形で出すということでなくて、稼働日数についてもきちんとした資料を お出ししていただきたいし、また、今申し上げたような上期、下期的な見方を含めて、も う少し議論に耐えうるような資料をぜひお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  ただいまの御要望は、これは今後の議論のために、現在の20年のこの中身について、 もう少しきちんとしたものでもう一度提出してほしいと、そのように受けとめてよろしい んでしょうか。 ○対馬委員  今後のこともありますのでお願いします。 ○遠藤小委員長  そうですか。それでは、今のような御要望を検討して、改めて中医協用にこの医療費の 伸び率についてご呈示いただければと思います。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  この資料の見方の確認なんですけれども、これは先ほど言いました概算医療費、医療費 すべてを見ているものだということで、個々の医療機関を見ているわけじゃないというこ とを確認したいと思います。例えば調剤ですが、もしある年に、この間でもいいですけれ ども、院外処方が大幅にふえたとしたら、その医療費というのはこの調剤のほうが大幅に ふえて、その分医科が減るということになるのかなと。あるいは、診療所もいろいろあり ますが、特に内科の診療所は非常に悪いということは、診療所の数が同じであれば、そこ の収入が低くなっているが、内科の診療所がもし減っているのであれば、当然こういう形 として個々の診療所の経営とは別問題だ、あるいは眼科とか皮膚科がふえているのは、こ れはその個々の医療機関の収入がふえているというよりは、開業している診療所の皮膚科、 眼科が多いという見方ができるのかなと、そのあたりそういう解釈でよろしいかどうか教 えていただければと思います。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。 ○事務局(村山調査課長)  医療費につきましては、おっしゃったように、施設別、診療種類別ですと、その施設別、 診療種類別の医療費ですので、先ほど申し上げましたとおり、施設の数の変動も含んだ全 体の医療費の動きを見ています。  それから、調剤につきましては、おっしゃるとおり、院外処方がふえていくと、入院外 の調剤部分が調剤のほうで算定されますので、その分は減少する傾向、つまり流れとして はそういうことになります。なお、3ページ目でご覧いただけるように、診療科分につき まして、それぞれの診療科全体の医療費ということなので、施設の数も含まれた概念で、 施設数の減少あるいは増加というのがここにもあらわれているということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今、診療所の数のことを指摘されたと思うんですが、これは非常に重要な問題で、これ を分析する上で。で、数についてはどうなんですか、今、ふえているのかどうか、そのこ とについて厚労省にお聞きしたいと思います。 ○遠藤小委員長  診療所の施設数ということですね。じゃ、事務局、どうぞ。 ○事務局(村山調査課長)  診療所の数につきましては、20年の4月から9月では増加しております。約0.1% の増。もちろん診療科目によりまして増加しているところと減少しているところがあると いう状況でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。 ○藤原委員  0.1%というのは数でどのぐらいですかね。 ○事務局(村山調査課長)  ここの私どもの計算の基礎にしております実数で申しますと、4〜9月の平均で8万4, 176。それから、19年の同じ期間でございますと8万4,090ということでござい ます。 ○藤原委員  ふえた数だけ教えていただければ。 ○事務局(村山調査課長)  失礼しました。増加数は86でございます。 ○藤原委員  86ですよね。余りふえていないということですよね。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  ご発言にありましたが、例えば4月から6月か4月から9月までのそのデータとそれか ら前年度全体のデータが出て、その比べるのにどうだというようなお話がありましたが、 これにつきましては、私どもはやはり、何度も言いますけれども、地域医療の現場からし ますと、そういう傾向というのは早くつかんで、それに対して、今度は出すほう、支出す るほうですね、人件費等々、そういうものを考えていかなければいけないので、我々とし てはデータはできるだけ早く出してほしいと願います。それをどう読むかというのはまた それぞれ立場が違うと思いますが、私はより正確なデータをできるだけ早く出してほしい。 それにつきましてのまたさらに要望としましては、厚生労働省のほうも、こういう傾向に あるよというふうなこともつけてぜひ資料を出してほしいと、そういうように思います。 ちょっと対馬委員の御意見にそのまま記録されて、そういきますとなっちゃいけませんの で、ぜひ出してほしいと要望いたしておきます。 ○遠藤小委員長  御意見ということですね。ほかに何かございますか、この医療費伸び率につきまして。 よろしいでしょうか。  それでは、引き続きまして2番目に御説明がありました初・再診料についてということ で、これはこちら側からの宿題に答えていただいたということでありますけれども、これ について御質問、あるいは御意見でもけっこうでございますけれども、もしあれば。対馬 委員、どうぞ。 ○対馬委員  質問ですけれども、せっかくカラーで非常にきれいに整理していただいているので、も う少しやっていただけるともっといい資料になるんじゃないかなというふうに思うのです。 例えば1ページ目で「総医療費における初・再診料等の占める割合」は9.5%と書いて います。素直に考えますと、総医療費は33兆円か34兆円で、それに9.5%掛ければ いいのかなというふうに思うのですが、恐らくこれは調剤あたりは入っていないんじゃな いかという感じもするのですけれど、いかがでしょうか。  それから、3ページ目の表題を見ますと今度は「全医療費」と書いてある。先ほどは総 医療費で、今度は「全医療費」というのは、どういう意味なのだろうかと、違うのか同じ なのかというあたりもよく分からない。  それから4ページ目、これはちょっと別な質問ですけれども、この診療所ごとの特に外 来管理加算の割合について、先ほど診療側委員のほうからも説明がありましたけれど、こ れを見ますと、私どもが当初伺ったのは、外来管理加算というのは主として内科について、 処置等が必ずしもないので、それに対して対応を図るべきではないかと聞いたのですが。 しかし、どうもこの数字だけを見ますと、特に内科的なところがよく算定しているという わけではなく、かなり平均的にとられていると。特に皮膚科あたりで高い比率を占めてい るが、そこが何ゆえか、私どもの理解がちょっと不足しているのかどうか、そこが知りた い。  それから、6ページ目、7ページ目、8ページ目あたりで、例えばここでも、65歳以 上と75歳以上というのがありますけれども、恐らくこれは、65歳以上というのは75 歳以上も含めてだろうというふうには思うんですけれども、ここもできれば、75歳以上 というところに例えば内数とか書いていただければもっとはっきりすると思うので、その あたりの工夫を望みたいというふうに思います。  それとあと1点要望ですが、初診料・再診料については、年齢別で算定が多い疾患など が示されているが、外来管理加算については特に掲げていないのですけれども、これもで きれば出していただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。表記の仕方をもう少し正確にというところで、最初の「総医療 費」「全医療費」それぞれの定義をお示しいただきたいということが1点でございますね。 それから、要望としましては、外来管理加算につきましても年齢別に示してほしい。それ から、表記の中には内数というようなもの、要するにすべてもう少し正確に記すようにと いうご要望です。そのとおりだと思いますので、今後修正していただくところは修正して いただくとして、今の御質問の中では「全医療費」「総医療費」この定義をまずお願いし たいと思います。  関連ですか。関連であれば藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今の外来管理加算の各科に対する影響について、私どもは平成19年の社会医療行為別 調査の診療科別シェアで割り振ってみましたら240億円で、内科が影響を受けるのが1 63.4億円、これは全体の68%になります。ちなみに、皮膚科については11.1億 円で、恐らくこれはちょっと計算しておりませんけれども、5%内外ですかね。それから、 実際に今回の日医での調査結果に基づいて影響額を推計いたしました。それで、748億 円の影響が出たという前提で言いますと、内科におきましては、月単位で言いますと10. 6万円、今、例を挙げられましたので、皮膚科について申し上げますと、これは7万円で すか、そういった額であります。議論に今後載せるとしたら、こういったこともきちっと 資料を出していただいて、議論をしなければいけないというふうに考えております。言い たいのは、今回の外来管理加算は、余りにも内科に負担が多すぎたのではないかというふ うに考えます。 ○遠藤小委員長  先ほど対馬委員がおっしゃられたのは、本来内科が主に外来管理加算を算定するという ような説明があったわけですけれども、実際に他の診療科でもかなり使われているではな いかと、こういう御主張だったわけで、その辺はどうなのかということは、もちろん内科 の診療所は多いですから、医療費ベースで見れば内科が一番大きく影響する、これは当た り前の話で、ただそういうことも当然分かるように表記したほうがいいというのが藤原委 員の御主張だということですね。 ○藤原委員  その辺を改めて厚労省に資料を提出していただきたいと。 ○遠藤小委員長  わかりました。それでは、その内科の外来管理加算の話はちょっと後回しと思ったんで すけれども、まずはその総医療費のところからお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  たくさん御質問や御意見をいただきましたので、せっかくですからちょっとページ順に 御説明していきます。  まず1ページ目、総医療費というのが33兆円かと、こうおっしゃいましたのは、これ は違いますので、表題、そういう意味では不親切でございますので、医科総医療費、医科 の医療費ということで訂正をさせていただきたいと思います。  それから、3ページ目です。今度は全医療費と書いてありまして、これも言葉が適切で はないので、「病院の医療費の中で」ということで修正をお願いをしたいと思います。3 ページですね、「病院の医療費の中で」。  それから、4ページにつきましては、遠藤会長も含めましてもうお答えに近いことをお 話しいただきましたので、繰り返しになってしまうかもしれませんが、専ら内科でという その専らと言ったときに、総収入の中のシェアが高いという意味で、専ら内科ということ なのか、逆に外来管理加算という点で見たときに内科が最も消費をしているといいますか、 算定をしているという意味でなのかによってもちょっと違ってくると思います。そうした ことも含めまして、次回以降があれば次回以降に、そうした今度は額の問題にも着目した ような形で資料を出させていただきたいと思います。  それから、4、5に関連するんですが、初診料・再診料についてはこういうデータが出 たけれども、外来管理加算については出ないのねという御質問だったように思いますので、 ここにつきましては、再診料と外来管理加算の動向がやや近似をしているので今回は出し ませんでしたけれども、御質問がありましたので、でき得る範囲で同様の分析をしてみた いというふうに考えております。  それから、6ページ以降の年齢区分の話でございましたが、これも御指摘のとおりでご ざいまして、75歳以上には例えばですけれど、括弧書きで(再掲)のような形でお示し をするのが正確な表記かと思いますので、ご訂正をいただきますとともに、今後は留意、 注意をしたいと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。対馬委員、よろしいでしょうか。それでは、そのようによろし くお願いいたします。  ほかに初・再診料についての資料について何か御質問、御意見ございますか。 ○藤原委員  資料ということでは、いいですか。 ○遠藤小委員長  はい。 ○藤原委員  外来管理加算の総額というのは今すぐ分かるのですかね。金額ですが。 ○事務局(佐藤医療課長)  19年7月のものは分かりますけれども、20年は……、これ全体が19年ということ でデータを出しております。約4,500億、金額です、はい。 ○藤原委員  それを一般と老人と分けますと。 ○事務局(佐藤医療課長)  ちょっと今日資料自体は出せると思うんですけれども、ちょっと今日この時点で準備を しておりませんので。 ○藤原委員  それでは次でもよろしいので、次回、分けて出していただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、初・再診料の資料につきましての御質問はとりあえずこれまでということで、 最後に、二号側から提出されましたアンケート調査の結果でありますけれども、これにつ きまして御質問、御意見をちょうだいしたいと思います。対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  質問と意見と両方になるかもしれませんけれど、ページを追って何点かさせていただき たいと思います。  まず、1ページ目のところで、抽出率、それから回答率について、アンケートというの は常にそういった限界があるのでしょうけれども、20分の1でありますとか10分の1 ですね。それに対して回答率が40数%ですから、実際には数%がお答えいただいたと、 こうなりますね。数%お答えいただいたところが、最後になるのですけれども、それを全 体に単純に割り戻して、700億、800億と、こういうことなので、そうしますとアン ケートですから、我々もよく経験するのですけれど、非常に関心があったり、負担や減収 が大きかったりしたところがどうしても積極的に御協力いただけると、そういう側面もあ るわけですね。ですから、そこのところがどうなのか、疑問といいますか感想といいます か、そういったところであります。  それから、5ページ目のところですけれども、外来管理加算の算定をやめた理由という ことも確かにここに書かれているとおりなのでしょうけれど、逆に患者でありますとか私 ども支払側からしますと、おおむね5分という要件を満たさないとか、特に患者への説明 が難しいという状況がどうなのかという問題が生ずるのかなと思います。  それから7ページ目、これも上の3行ぐらいですけれども、先ほど申し上げたようなこ とと同様です。  それから、12ページ目のところで、これは設問自体がどうなのかなという感じがする。 上から3行目ぐらいでしょうか。「患者さんに懇切丁寧に説明し、患者さんの疑問や不安 が解消されているにもかかわらず、時間要件があるため」というのであれば、その逆のケ ースの設問もあるわけですよね。「患者さんに懇切丁寧に説明ができず、疑問や不安が解 消されていなかったけれども」というような別の設問はありやしないかというふうにも思 います。  それから、13、14ページ目の待ち時間と説明時間の問題ですが、待ち時間について は、長くなったというところがやや強調されていますれども、もちろんこれは患者が言っ ているんじゃなくて、医療機関がそう思ったということで、逆に言いますと7割ぐらいが 余り変わらないということになるわけですよね。あと、説明時間が長くなったというのが 大幅にふえたということも、逆に言いますと約7割強ぐらいが余り変わっていないと、こ ういうふうにもとれるのですが、見方の問題じゃないかというふうにも思います。  それから、16ページ、17ページあたりは、先ほど申し上げました、実際にかなり数 の少ないところを膨らましてという、そういう単純計算が本当にいいのかどうかというこ とです。  それから21ページ目、家族への薬剤投与時に算定できなくなったことについて聞いて いるわけですけれども、このあたりはこういう設問自体が本当にどうなのだろうかと、つ まり、やはり本人に対して丁寧な説明をするというのが基本だろうというふうに思います ので、それに対してこれができなくなったという設問があり、また回答があるということ はどうかなとも思います。  それから最後のまとめ、23ページ以降のところですけれども、患者さんが減ったとい うのが最初に23ページ目に書いてある。それから、24ページ目のところは、診察及び 診療時間の影響と患者さんの反応ということですれども、ここは患者さんのところはよく 分からないということですね。  全体的に見ますと、かなり減収になるということに非常に力点が置いてあるような感じ がするのですね。最後に、口頭説明された中で、期中改定と、こうおっしゃられましたけ れども、医療機関が当初想定していたよりも減収が大きいので、期中改定をやってくれと いうことは、恐らくいまだかつてないだろうというふうに思うのです。大昔のことは私も よく存じ上げませんけれども、例えば平成15年の再診料逓減制の問題、それから19年 4月のリハの問題、それから20年7月の後期高齢者の終末期相談支援料の問題、これは いずれもさまざまな切り口、意見はありますけれども、少なくとも患者の目から見てどう かと、そういった視点から議論され、期中での改定や凍結を行ったわけですが、今回は、 患者の視点が非常に希薄な感じがするということが感想でもあり、またそこが一つの問題 点ではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。では、引き続きまして、小島委員、どうぞ。 ○小島委員  じゃ、私も、今日、日本医師会のほうでアンケート調査、速報値なので、要約なんで、 最終的な報告を見ないとはっきりしたことは分からないということもあるんだと思います けれども、その中でも、3点ほどこれをどう評価、見るかということについて、意見なり コメントをさせていただきたいと思います。  今、対馬委員からも指摘されましたけれども、この5ページ、6ページのところ、5ペ ージのところですね、今回の外来管理加算の算定をやめた理由として、先ほども言ってい ましたけれども、5分ルールが入ったということで、5分を満たさないということで、5 ページのやめた理由1番、7割ぐらいがそうだということ、患者数が減ったところについ ても、次の7ページのところでも、7割、8割というところが5分ルールを満たさないと いうふうに回答されておりますけれども、丁重な説明ということを考えれば、問診だけを やっても、すぐ3分や4分かかってしまうというふうに思うんですけれども、そうすると 問診だけやっても3分、4分すれば、それは当然5分を満たさないから算定にならないと いう話ではないはずなので、そうするとこの5分を満たさないというのは、何を今までし ていたのかという、いわば従来は医学的管理についてを評価するということで、医学的管 理というのは何を評価していたのかということの疑問が改めてここは出てくるところなん で、5分を満たさないということは、一体じゃ何を評価しているのかという、ここは疑問 点なんです。  それともう一つ、患者への説明が困難だからと、5ページにありますね、算定をやめた 理由に。これはその下の方の設問を見ますと、多分4番目のその下の設問を言っている5 分をルールというか、その要件で一部負担が異なるという説明をすることが難しいからや めましたと、患者に説明してもなかなか説明できないだろうと、そういうことだと思うん ですけれども、それは今までも算定していたわけで、やめたということは、じゃ今までは 何も説明していなかったのかという疑問が改めてそこは出てくるんですよね。そこは5分 ルールができたから説明が困難になったということではないんじゃないかと、そもそもそ の外来管理加算の在り方そのものがどうなのかというところに根本のところの問題ではな いかという、これは単に5分ルールが入ったから、説明困難になったという話ではないの ではないかという疑問がこれ2つあるんです。  それともう一つは、最後に対馬委員も言っていた患者の視点ということなんですけれど、 これも24ページのところでまとめのところでは、患者の視点から見て、待ち時間が長く なったというのが3割弱あった。それから、説明時間が長くなった、これも3割弱あった。 確かに待ち時間が長くなったというのは患者にとってはデメリットという感じはあれしま すけれども、説明時間が長くなったこと、これがデメリットかということは必ずしもでは なくて、それだけ懇切丁寧な説明があったんで、安心感が高まるとか、あるいは医師への 信頼感が高まるということで、それは単に問題というよりは、どう評価すると言えば両面 あるんだと思うんですね。あるいは、患者にとってみれば、安心感が高まるということで メリットというふうに感じるかもしれないということなんで、このただ説明時間が長くな ったということから問題だという指摘は、少しそこは短絡的過ぎるんじゃないかというよ うな疑問があるというのがとりあえず3つほどこれは意見なんですけれども。 ○遠藤小委員長  御意見であると同時に疑問でもあります。個別に回答できれば藤原委員のほうからご回 答いただきたいと思います。 ○藤原委員  多く質問されましたので、落としがあるかもわかりませんが、一応、まとめるかたちで 回答させていただきます。  まず、回答率の件ですけれども、この45.4%というのは、厚労省の調査でもそうだ と思いますが、大体この程度ですと回答率がよかったほうに入るのではないかと思います。 それで、いいところというか、関心があるところが回答されるということは、これは厚労 省の調査でも一緒でございますので、そこのところは余り問うべきではないのではないか というふうに考えます。  それから、小島委員と対馬委員が言われました5ページですか、5分ルールの件、これ は問診してもすぐ数分たつのではないかということ、それはそのとおりです。ただ、それ をだれがやるか。だから、医療機関は患者数をある程度きちっとこなすと言ったらあれで すけれども、効率的に対応するために看護師とか事務が一応の問診をして、その手間を省 いているということがあります。だから、今回の外来管理加算の一番大きな問題は、こう したことを総て医師に負荷した、限定したということが一番大きな現場からの反発の一つ だったと思います。要するに、この場でも私は言ったと思いますけれども、チーム医療と いう形で医療現場は動いているわけで、医師だけ評価するというのは、本当に診療報酬の 在り方としてもいいのかなという疑問を持つわけであります。  それから、説明を今までほとんどしなかったのかということなのですが、これは一定の 説明をしたということの裏返しだと思います。だから、それほど現場では、3割ですか、 そのぐらいの影響しかなかったというふうに考えてもいいのではないかと思います。  それから、待ち時間のことも含まっております。これまでちゃんとやっていなかったと いうことも今の回答に入るかと思います。  それから、21ページのお薬のことなのですけれども、このことについては、是非はと もかく、少なくともこれまでの、前回までの診療報酬点数表では厚労省は、看護している 家族等からの問診、そういった事情を聞いて処方するというやむを得ない状況にある場合 は外来管理加算を算定することについてきちっとオーケーを出していたのですけれども、 それが今回認められなくなったということは、そこにどれだけの本当に根拠があるのか、 私は医療現場におる者として非常に疑問を感じます。ちゃんと事情を聞いて、ちゃんとそ れに対して指示をしたにもかかわらず、こうした時間要件を設けたために全くそれが評価 されていないということが、今回の時間要件反対の大きな理由の一つになっているのでは ないかと思います。結局ちゃんとやっているにもかかわらず、しかも結果責任がかかるの に、対価が異なるということに対して疑問を持っている医療機関も非常に多いわけです。 これはちゃんとそういった説明をしているわけです。説明責任はきちっと果たしているわ けですから、それに対して対価を求めるのは当然のことだと私は思います。  それから、一番最後、まとめのことですか。まとめの仕方については私はこれで特にそ ういう見方もあるのかなという言い方しかありませんが、特に問題はないというふうに思 います。  減収に力点を置かれておるといいますけれど、この減収に対して一番神経をとがらせて いたのはむしろ支払い側ではないかと私は思います。これまでも、この問題について蒸し 返しと言われておりました。これは蒸し返しではなくて、私から見ればこれは提示をしっ かりするということになると思います。土田前会長は次のようなことを言っておられるわ けです。「実際の見込みとは異なる可能性があることも十分あるわけで、240億円の見 込みがない場合は、これはもう一度検証し直す」と。そのことは多くても少なくても当然 やるべき検証のはずです。それを一方的に減収といった場合に、検証しないというのは非 常に公平感に欠けるのではないかと思います。 ○遠藤小委員長  藤原委員、御主張は同じ主張で何度も聞いておりますのでよく分かります。ただ、一言 申し上げますと、土田会長が言われたのは決してその期中改定ということを前提にした話 ではないことと、それから、検証は当然するということで、検証部会で検証が行われてい るという、それは事実として行われているわけで…… ○藤原委員  それは違うと思いますよ。それはまた別の対策を考えるというふうに…… ○遠藤小委員長  違いませんよ。私はそこにいたのですから。  そこまでおっしゃられるのであるならば、少なくともこの案は公益側が出したもので、 再診料の引き下げはしない、そのかわり幾つかの内容のことを提案した、それを両側が御 納得したわけです。それに対してそもそも時間で制約をするのはおかしいということは、 基本的なお立場が変わったというふうに理解してよろしいのでしょうか。時間を導入する ということはおかしいとおっしゃっておりますが、そもそもが、その外来管理加算に時間 を入れたということを一度は御承認されたはずなのです。ところが、今、藤原委員のお話 ですと、それはもう本質的におかしいというお話であると、そもそもの公益案そのものが 本来であれば承認しなかったと、そういうふうに受けとめられるのですけれども、そうい うふうに理解してよろしいですか。 ○藤原委員  結果的にそれで折り合ったということは、結果的に私は認めざるを得ないと思いますけ れども、ただ私はここでもこれまで指摘したとおり、この5分間要件を設けるそのエビデ ンスが非常に欠けていましたよね。それはそのときには議論がきちっとされていなかった にほかなりません。一つには、厚労省の時間外に関する調査、これは目的外の調査の疑い もありました。それから、もともとは診療時間のデータであったはずなんですが、いつの 間にか診察時間に置きかわっていた点も問題です。このことは主張しました。これはもし 公益側がそういったことを言われるとしたら、もっと公平な目で、そのデータを本当にエ ビデンスがあったかということまでさかのぼって検証しなければいけないはずです。そこ を支払い側だけに振って、公益側の意見を全然聞かずにそこで話をちょんにしているとい うことは非常におかしなことで納得できる話ではないと私は思いますけれど。 ○遠藤小委員長  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  今日、診療側のほうから、その中でも日本医師会がアンケート調査をやったからもう一 度出させていただいたということですね。その結果を今日この場でご呈示させていただき まして、それにつきまして、先ほど来、対馬委員のほうからアンケートの正確度といいま すか、そういうものに対する疑義が出されましたので、これはこれで一部そういうところ があるなということは私も認めます。  それから、今の議論は横に置きまして、一号側、二号側はもう最後まで歩み寄れず、公 益側の裁定にゆだねましたので、これはもう中医協としてはその方向に決まった。ただ、 そのときに、検証を必ずやるということですので、厚労省も恐らくその結果を2月か3月 にお出しになると思うのですけれども、何度も私は言いますように、医療現場としては、 やはりあちこちで地域の中からいろんな混乱が起こっているので、できるだけその状況、 どんなぐあいかということはやはりデータとして出すべきだろうということでこれをやっ たということが一つです。その中から、先ほどちょっと出ました、240億という数字で すが、私どもの出した概算では七百四、五十億円になるということで、極めてその差が大 きいということ、これはまたこれをより詳しいデータがあと出る。そのときどうなるか分 かりませんが、厚労省も出されるでしょうから、そういうことの中から変わるかもしれま せんが、私どもとしては、この6カ月間の間に、これだけの我々の予測違い、そのときに 1月25日の中医協の議論の中でこの問題につきまして土田会長のほうから、診療所から 病院に資源の再配分、これが必要だと明確に申されまして、その方法でいくということで、 事務局のほうに、再度具体的な資料を出しなさいと、どの程度の見込みかと。それが1月 30日の総会に出ているのですね。それによりますと、既に了承している検査・判断料、 軽微な処置の包括で200億円強という、そして、あと、追加の選択肢としての再診料、 外来管理加算、デジタル加算で200億円強と、そういうふうな記録が残っております。 それに基づいて進んできたわけですが、それが現場の我々の調査では余りにも乖離が大き いということで、この実態を十分御認識いただきたいということです。要するに、こうい う概算で計画していくのだけれども、実際に動いてみたら大きく違うことがあると、その ときにはやはり修正、見直しをしてほしい。ですから、今、藤原委員はこの期に改定とか 申し上げましたが、そういう一つの考えもあるのでしょうが、十分こういう実態を把握し ていくこと、それも厚労省にはできるだけ早く、出していただいて、そしてまた十分議論 させていただきたい。  何度も、申しますが、地域医療の現場はなかなか待てないというところがありますので、 できるだけ早く出していただいて、そして議論をもう一回させていただきたい。何回議論 してもいいと思うのです。 ○遠藤小委員長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  追加します。公益側に裁定をゆだねました。その前提として、健保組合が今回の件につ いては1,000億円肩がわりするという話があったと思います。それが、これ完全に流 れて、昨日ですか、二次補正予算で一般財源として補正されたということを聞いておりま すけれども、この時の前提がまず消滅していますよね。11月の中医協でこの問題を診療 側として追求した時には支払側はバーターではないという話だったのですが、確かに文書 を取り交わしてはおりませんけれども、診療側と支払側双方痛みを分かちあって一緒にや りましょうという中で、それが前提であったのは間違いないと思います。それから実際に、 TKCの経営実態調査について4月から6月分をみましたけれども、この損益分岐点、こ れは相当公正なデータだと思いますけれども、今回の改定によりまして、96.2%から 98.9%と悪化しています。診療所は小回りがきくなかで、100%を超えると勿論経 営はやっていけないわけですが、その小回りがきいているにもかかわらず、非常に経営と して危ない状況になっています。私はそういったことも只今の報告の後でちょっと言いま したけれども、経営の危機に立っているということを申し上げましたけれども、そういう 状況にあるということを勘案していただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  藤原委員は再三にわたって健保組合の負担の話をされますが、前回申し上げましたので もう一言だけにとどめます。当時の議事録をよくお読みいただければお分かりいただける と思うのですけれども、健保組合の負担のところで申し上げたのは、いろんな場で申し上 げましたけれども、最後の最後のところは、診療所の再診料をぜひ引き下げて、それを病 院のほうに回していただきたいということを申し上げたのです。外来管理加算の関係で申 し上げたことは一度もありません。もしそうであるならば、議事録をお出しいただきたい と思います、再三言うのであれば。そのことだけは申し上げておきたい。 ○遠藤小委員長  この話はまた続くとエンドレスになりますので、今日の議論は基本的な一番重要な議論 なのですけれど、本日初めてということですから、当然まだ収束はしないわけであります。 本日いただいた御意見を踏まえまして、次回以降小委員会で議論を深めていきたいと思っ ております。  今日は率直な意見を聞くことができまして、大変よかったというふうに思っております。 どうもありがとうございました。  それでは、本日の小委員会、これにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  1月下旬を予定しておりますが、正確な日時が決定次第、また御連絡をいたします。よ ろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  これにて閉会したいと思います。どうもありがとうございました。               【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)