08/12/17 第139回中央社会保険医療協議会総会議事録 08/12/17 中央社会保険医療協議会          第139回総会議事録 (1)日時  平成20年12月17日(水)10:39〜11:19 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員 前田雅英委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <参考人>       松本純夫保険医療材料専門組織委員長       <事務局>       水田保険局長 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○臨床検査の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  委員の皆様、すでに御着席ですので、ただいまより第139回中央社会保険医療協議 会総会を開催したいと思います。  本日の出席事業ですけれども、白石委員と大島専門委員が御欠席です。また審議官は 公務ため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは議事に入りたいと思います。初めに「医療機器の保険適用について」を議題 といたします。まずC1(新機能)について、保険医療材料専門組織の松本委員長より 御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○松本保険医療材料専門組織委員長  それでは、御説明をいたします。中医協総1−1の1ページをごらんください。販売 名はゴアイントロデューサシースです。本品は、大動脈へのカテーテルの経皮的アプロ ーチで適切な部位へ固定するのを容易にすることを使用目的とした医療機器です。こち らは6月の中医協にいて保険適用が承認されたゴアTAG胸部ステントグラフトシステ ムという胸部大動脈の治療用のステントグラフトを使用する際に経皮的配置を行うため に用います。  従来のものと比べてクランプすることができる構造を有していたり、キャップがつい たりと過度な出血を防止する構造を持つところに特徴があります。  類似機能区分として、血管造影をシースイントロデューサキットの選択的導入を用い、 有用性加算として30%を付け、2万8,800円という価格設定をさせていただきま した。外国平均価格は4万2,019円であり、0.96倍となっております。  続いてよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  はい。 ○松本保険医療材料専門組織委員長  続きまして、中医協総1−1の4ページをごらんください。ゴアトリローブバルーン カテーテルについて説明させていただきます。こちらはゴアTAG胸部大動脈ステント グラフトシステムを留置する際の後拡張に使用するバルーンカテーテルということで、 ただいま説明させていただいたシースと同様、胸部大動脈瘤の治療用のステントグラフ トを使用する際に用います。ステントを留置する際に留置した位置でステントを広げる 際に使用します。従来のものですと血管の中でバルーンを広げた際に血流を遮断してし まい、血流の力でステントの位置がずれてしまうという問題点があったのですが、こち らはバルーンが図にありますように3つに分かれて膨らむ構造になっておりますので、 血流を完全に遮断せずに、ステントを正しい位置に留置できるという特徴があります。  類似機能区分として血管内手術用カテーテルのPTAカテーテル一般型標準型を用い、 有用性加算として30%をつけ、8万8,700円という価格設定をさせていただきま した。外国平均価格は7万1,675円であり、1.24倍となっております。  続けてよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  はい。 ○松本保険医療材料専門組織委員長  次に7ページをごらんください。販売名ジェイスについて御説明します。本品は患者 自身の皮膚組織を採取し、分離した表皮細胞を培養し、シート上に形成して患者自身に 使用する「自家培養表皮」であります。本品は再構築された真皮に移植され、生着し上 皮化することにより創を閉鎖することを目的としています。  熱傷により広範囲の皮膚が受傷してしまった場合などに自分の正常な皮膚を一部採取 し、培養することによって皮膚のシートを形成し、それを受傷してしまった皮膚に戻す ことで正常の皮膚のようになることが期待されるというものです。  類似機能区分はありませんので、原価計算方式で30万6,000円という価格決定 をさせていただきました。外国には同じものは存在しませんので、外国平均価格はござ いません。以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。事務局で何か追加はありますか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。今、松本委員長から3ページで0.96倍という御発言 がありましたが、資料にあるとおり0.69倍の方が正しいので、よろしくお願いいた します。以上でございます。 ○遠藤会長  ただいま3件につきまして調査専門組織で評価された案が出ておりますけれども、何 か御質問、御意見はございますでしょうか。 ○藤原委員  3点目のジェイス、7ページの分ですけれども、この件に関して症例数が非常に少な いと聞いております。実際、有効な症例数、それから類似品はないということですが、 それでは価格はどのように決められたのか。その辺をまずお聞きしたいと思います。 ○遠藤会長  これは事務局でしょうか。  では、事務局お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。まず最初の症例数についてですけれども、実際、今回少 ないということで、薬事の方の審査でも製造販売後の臨床試験及び全例を対象とした使 用成績調査を承認条件として付ける、そういう条件で承認したというように伺っており ます。  それから、価格につきましてはこの資料にございますように原価計算方式ということ で、詳細な資料は添付してございませんが、そういった原価計算を基に調査専門組織の 方でお決めいただいたということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  症例が提出されたのは4例で、そのうち適応とはならないというか、参考にならない ものがあって、3例の中でこれが決められたと聞いております。そういった中で値付け の問題ですが、原価計算方式というのはちょっと分かりにくいのですが、外国ではある 程度効果があるというようなことで、そういったことがないと3、4例ぐらいではとて も認められるとは思いませんので、あるいは類似品に近いものがあれば。その辺の御説 明をお伺いしたいと思います。 ○遠藤会長  類似品の有無ですね。では、事務局お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  詳細は医薬局の話なので、こちらの方も詳細までは分からないのですが、技術的には すでに20年ぐらい前から存在するというようことは伺っております。そういったこと から海外の事例等も踏まえて、これは医薬品医療機器審査機構の方で審査をして承認を したと伺っております。 ○遠藤会長  藤原委員、よろしいですか。 ○藤原委員  どのぐらいの事例があるのか分かりませんか。 ○遠藤会長  事務局どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  すみません、現在我々の方では把握してございません。 ○遠藤会長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  それともう1点、これは個人の患者の皮膚を培養するもので、その結果、製造工程中 に患者さんが死亡した場合、そのコストは会社側の負担になってパーになるというか、 収益がなくなるわけです。その補てんについてはどのように考えられているのでしょう か。 ○遠藤会長  事務局お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そういった補てんについては今回の計算には入っていないというふうに理解してござ います。 ○藤原委員  入っていないということは、途中で患者さんが亡くなった場合は何も補償はしないと いう意味ですか。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  さようでございます。 ○藤原委員  前回は会社側から補てんするような管理料とかそういったことを要望されたと聞いて おりますけれども、今回はそういったことはなかったということですね。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  材料専門組織の方で最初の申請時にはそういったことも加わった価格ということであ ったようですけれども、その後業者側の方で再申請してきて、そのときにはこういった 費用が含まれていない計算に変わっているということでございます。 ○遠藤会長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  よく分かりにくいのですが、当初、シートの申請が九十数万で、今回申請された希望 価格が半値になっています。その上に前回そういった管理料のコストを点数でいえば2 1万点相当要求されているのですが、そういったことが今回の価格の中にどのような形 で反映されているのか。半値にされて、なおかつそういった管理料まで取らないとした ら、もともとの値付けがどうだったのか、その辺のところが見えない部分があるんです けれども。 ○遠藤会長  確かに原価計算方式をとる場合に薬の場合は実際の原材料のコストをベースにしなが ら業界の平均値で費用や利益率を重ねていって価格を設定するというやり方をするわけ ですが、たしか材料の場合は業界平均というのが出ないので、事実上申請されたデータ をベースにネゴシエーョンが行われるという形の原価計算方式をとらざるを得ないので はなかったか。現在でもそれがそれで正しいのかどうか。正しいとすると今回大きな価 格の変化はどういう理由があったのかということの御説明を求めておられるということ なので、その辺についてお伺いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  今、会長がおっしゃったように原材料費の方が出されておりまして、それを基に医療 機器産業別実態調査の平均のパーセント、そういったものを掛けるような形でこちらの 方で計算させていただいて、その結果が30万6,000円となったということでござ います。 ○遠藤会長  すみません、私が言ったことはちょっと違っておりまして、私も昔、材料専門組織の 委員だったのですが、そのころはなかなかそういうデータがなかったので、やや薬価と 違うやり方をしていたという記憶があったものですから、余計なことを申し上げました。 今回は事務局の説明のあったやり方でこうなったということです。 ○藤原委員  会社はそれでやっていけるか。非常にリスキーな価格ですが。 ○遠藤会長  これはメーカーも合意をされているということです。何かあれば一言。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  現在のところ不服申請は出てきてございませんので。 ○遠藤会長  藤原委員、よろしいでしょうか。 ○藤原委員  今度のことに関して学会から2、3要望が出ています。まず、施設基準を設定して、 広範囲熱傷特定集中治療室管理料が算定できるような施設で、かつ日本スキンバンクネ ットワーク加盟施設とする、また、1例ごとの、これは非常に症例も少ないということ もありまして、実績報告を義務づけて適用が遵守されているかどうかのチェック。また 治療が必要な量を適切に供給されるかどうか、きちっとフォローアップするべきである というようなことですが。  それから、市販後の調査の結果に基づいて保険適用の可否そのものについて3年後、 再審査を行うべきだという意見も出ております。こうした要望については厚労省として はどうお考えでしょうか。 ○遠藤会長  事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  関係学会からのこういった御意見については、我々としても専門家の御意見として尊 重させていただいて、通知の方に反映させたいと思います。他方、審査のときの承認条 件というのもございますので、そういったことを併せて勘案して今後通知を作っていき たいと思ってございます。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  ほかにございますでしょうか。  よろしいでしょうか。それでは、この3件につきましては中医協として承認をすると いうことにしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。それでは3件につきましては承認したいと思います。松本委 員長におかれましては、長時間どうもありがとうございました。                (松本委員長退席) ○遠藤会長  次に区分のA2、特定包括、それとB個別評価、これにつきまして事務局から報告を お願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  それでは、資料、中医協総−1−2をごらんいただきたいと思います。本年12月1 日付けで保険適用開始となったものでございます。まず1ページ目、区分A2、(特定 包括)、特定の診療報酬項目において包括的に評価されている区分ということでござい ます。  1ページ、医科でございますが、ごらんのように32件ということでございます。  続いて2ページ目でございますが、区分B(個別評価)(材料価格として個別に評価 されている部分)ということでごらんのとおり11件。1ページ目、2ページ目を合わ せまして、医科は合計43件ということでございます。  続きまして3ページ目でございますが歯科でございます。歯科につきましては今回、 A2についてはございません。Bについてはごらんのとおり6件でございます。という ことで歯科は合計6件。医科歯科合わせまして今回は49件ということでございます。 以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。これにつきまして何か御質問、御意見はございますか。  事務局からも特に追加説明するようなものはございませんか。はい。  よしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、これもルールどおり御承認をいただいたという形にしたいと思います。あ りがとうございます。  引き続きまして、臨床検査の保険適用についてでございます。事務局から報告をお願 いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料総−2をごらんいただきたいと思います。区分E3(新項目)ということで、測 定項目が新しいものとしてEGFRタンパクの免疫染色法による測定というものが出て きております。主な測定目的として、組織細胞中のEGFRタンパクの検出ということ で、点数は690点ということでございます。  次に2ページ目をごらんいただきたいと思います。こちらに有用性というところに書 いてございます。本品は免疫染色法を用い、EGFRタンパク発現の判定に用いる。E GFRタンパクの過剰発現を呈する悪性腫瘍は予後不良を示し、またホルモン療法、化 学療法、放射線療法によって耐性を示す。つまりあまり効果がないということでござい ますが、そういうことが報告されています。  近年、結腸、直腸癌に対する医薬品が保険収載されるなど、EGFRタンパクを標的 とした薬剤の開発が進められている。本品を用い、これら治療薬の投与前にEGFRタ ンパクの発現の有無を検査することにより、投与薬の適用の判定や治療効果の低い患者 に対する不適切な投与の防止が可能となる。こういった検査でございます。以上でござ います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。ただいまの新しい検査でありますけれども、御意見、御質問 はございますでしょうか。  特段御意見がないようであれば、これも中医協として承認させていただきたいと思い ますが、よろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  承認したいと思います。ありがとうございます。  引き続きまして、先進医療専門家会議の検討結果についてを議題といたします。事務 局から資料が出ておりますので、これも御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料総−3をごらんいただきたいと思います。こちらにまず「先進医療専門家会議に おける第2項先進医療の科学的評価」と書いてございます。一番下に備考として書いて ございますが、これは以前にも御説明申し上げたのですが、第2項先進医療というのは 薬事法上の未承認または適応外使用である医薬品または医療機器の使用を伴わず、未だ 保険診療の対象に至らない先進的な医療技術ということで、もう片方で第3項先進医療、 後ほど出てまいりますが、これは薬事法上の未承認または適応外使用である医薬品また は医療機器の使用を伴い、薬事法による申請等に繋がる科学適応評価可能なデータ収集 の迅速かを図ることを目的とした先進的な医療技術ということでございます。  ちょっと分かりにくいかもしれませんので、簡単に御説明させていただきたいと思い ますが、この資料の12ページ、13ページをごらんいただきたいと思います。以前に も一度御説明申し上げたのですが復習、おさらいということでございます。  12ページの方がこれまで続いてございます先進医療、これが第2項先進医療という ことでございまして、13ページの方がこの4月からできました新たな高度医療、第3 項先進医療ということでございます。  まず12ページの第2項先進医療でございますが、先ほど申しましたように薬事法上 の承認を受けた医薬品医療機器を用いた医療技術について、今後保険導入の検討を行う 対象とする、そういったものについて先進医療専門家会議の方で保険との併用の適否に ついて御議論していただく。その結果、よろしいということになれば第2項先進医療と して保険診療との併用が可能になるというものでございます。  それに対しまして13ページの第3項でございますが、これにつきましてはまず薬事 法上未承認・適応外の医薬品医療機器を用いた医療技術ということでございます。医政 局の高度医療評価会議の方で、これにつきましての安全性、有効性等の確認をしていた だく。つまり薬事承認を受けていれば、そちらの方で安全性、有効性というものが当然 確認されているのですが、こちらの高度医療の方はまだ未承認ということで、それに代 わるものとして高度医療評価制度というものを設けて安全性、有効性等を確認するとい うことでございます。  こういったものが確認された技術につきまして、先進医療専門家会議で保険との併用 の適否を判断していただいて、適となれば第3項先進医療として保険診療との併用が可 能になる、こういったものでございます。  また、最初のページに戻っていただきたいと思いますが、1ページ目のところにござ いますように今回第2項として上がってきておりますのが、マイクロ波子宮内膜アブレ ーションという技術でございまして、適応症として機能性及び器質性過多月経、但し妊 孕性の温存が不要な症例で、子宮内膜癌・異型内膜増殖症等悪性習慣及びその疑いがあ るものが除外されている場合に限るものであって、子宮壁厚10mm以上の症例というこ とがございます。  1枚おめくりいただきまして2ページ目でございます。この先進性というところに書 いてございます。従来、過多月経の症例で保存的治療が困難になった場合には開腹、膣 式腹腔鏡による子宮摘出術が行われているが、一定の手術侵襲と術中、術後合併症を伴 っている。こういう非常に侵襲性、危険性を伴った技術であったのですが、それに対し て今回の技術は概要のところに書いてございますが、経膣的に挿入したマイクロ波アプ リケーターによって子宮内膜を照射・壊死させるという技術でございます。  また、その下から4行目に書いてございますが、1か所の照射が終了したら超音波ガ イド下にマイクロ波アプリケーターを次の照射位置へ移動しということで、こういった ことでも安全性が比較的担保されているということで、効果のところに書いてございま すが、外科的操作を必要としないために安全性が高く、また術後合併症も少ないため、 翌日には日常生活に復帰できる。医療費も子宮摘出術に比して低額である。こういった ような効果があるということでございます。  その次の3ページでございますが、先進技術としての適格性の評価、いろいろと書い てございますが、一番下のところにございますように適ということでございます。  次の4ページでございますが、医療機関の要件として産婦人科、または婦人科の診療 科が必要である等々、そのページに書いてあるとおりでございます。  それから、次の5ページでございますが、これが先ほど御説明申し上げました第3項 先進医療の科学的評価ということで上がってきております。今回の技術は根治的前立腺 全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(前立腺がんに係るものに限る)という ことでございまして、まずこの図でごらんいただいた方が多分かりやすいと思いますの で、11ページをごらんいただきたいと思います。  今回の手術ロボットはダビンチ・サージカル・システムというものでございまして、 11ページにございますように左側の何か覗き込んでいるような、これがサージョンコ ンソールというところで、こちらで医師が操作をする。真ん中のサージカルカートとい うところのベッドに患者さんに寝ていただいて、そこにいろいろ機械がございますが、 そこに立っているのが補助の看護師さんということでございます。  そのサージカルカートの方にございますカメラで内臓の状況を見ながら、右側の方に エンドリストというのがございます。この人の手の代わりをするような、こういうもの を操作して、実際に手術を行うということでございます。  左側のサージョンコンソールの方では、医師がマスターという操作レバーを操作して、 このエンドリストを動かす。それから見える部分についてはヘッドセンサーとステレオ ビュアというのがありますが、3D画像、三次元画像になっていて、非常にこれも見や すいということだそうでございます。  手で行います手術ですと非常に術野が狭くて、なかなか難しいあるいは見えない部分 などもあって非常に困難ということですが、この機械を使いますと非常に簡単にという か、以前のものに比べて非常に容易な技術ということだそうです。その辺が6ページで ございますけれども、今申し上げたようなことが6ページの方の解説として書いてござ いますが、先進性の一番下のところにございますように低侵襲性、確実性、機能性を飛 躍的に向上されるというような効果があるということでございます。  なおこの技術は高度医療、薬事未承認ということで高度医療評価会議の方で施設が限 定されておりまして、それが6ページの一番下の方にございますが、東京医科大学病院 及び協力医療機関としての九州大学病院、金沢大学附属病院、この3つの医療機関に限 定されてございます。  そして7ページ適格性、これは適ということでございます。  8ページ、9ページ、10ページは高度医療評価会議の方に提出された資料そのまま でございますので、不適という部分が幾つかございます。この不適というように指摘さ れた部分について、医療機関の方できちんと修正を加えておりますので、現在はすべて の条項についてこういった不適という指摘についての問題点はクリアしているというこ とでございます。以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。ただいま第2項の先進医療と第3項の先進医療をそれぞれ 1件ずつ先進医療会議で議論された内容につきまして御報告をいただいたわけです。中 医協としましては特段の意見があればこれを先進医療会議の方に伝えていただくという 形になっておりますので、皆さん御質問、御意見をいただきたいと思います。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  教えていただきたいのですが、聞き漏らしたのかも分からないのですが、第3項につ いてはこの4月からということで症例もないわけですけれども、第2項の先進医療につ いてはこれまでの症例数と、保険適用までの期間について教えていただきたいと思いま す。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  現時点でまとめていないのですが、毎年症例数については年度末にこちらの中医協の 方に御報告させていただいておりますので、もしよろしければそこまでお待ちいただけ れば集計いたしますけれども。  すみません、この技術自体の症例数ですか。大変失礼いたしました。ちょっとお待ち いただけますか。今調べております。 ○対馬委員  調べている間ぐらいでちょうどいいぐらいの話で申し訳ないのですが、2項と3項、 これは12ページに2項が書いてありまして、上から5行目ぐらいでしょうか、点線で 囲ってあるところに薬事法上の承認を受けたというのが2項。13ページ目も上から5 行目ぐらいに3項の方は薬事法上未承認だということで、極めてはっきり分かるように なっています。それが1ページ目を見ますと備考欄に書いてありまして、第2項を見ま すと薬事法の未承認うんぬんを伴わずということですから二重否定でやっと読めば分か るということになっています。わざわざ備考欄に書くというのは分かりやすくというこ とですが、薬事法上の承認を受けた、こう書いてくれればこれは第2項だ、第3項は未 承認なのだとはっきりと分かると思うのです。わざわざ非常に分かりにくく書いていま すので、今後のこともありますので、ちょっと直していただければと思います。 ○遠藤会長  おそらく厳密に書くとこういう話になるのかもしれませんが、やはりここで皆さんが お分かりにならないと意味がないということもありますので、明確にするようにお願い しておきます。事務局どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  適応外というものを考えると適応外については一応承認を受けているけれども、その ものについては受けていないということで、正確に書こうとして備考の方ではこういう ふうになってしまいましたが、確かに分かりにくいということであれば12ページの資 料と同様に改めさせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  それで、先ほどの数字をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  先ほどの御質問でございますが、正確な数字ではないのですが、少なくとも国内の1 3施設で総計200件以上この技術が実施されているというようなことになってござい ます。 ○遠藤会長  藤原委員、よろしいでしょうか。 ○藤原委員  保険適用までの期間、まだサスペンドされたままでということですか。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  保険適用というのは全面に保険に収載という意味でございますね。それにつきまして は先進医療として事例を積み重ねて改定のときに先進医療専門家会議の方で、その適宜 について収載すべきかどうか御意見をいただいて、それを中医協の方でさらに実際に保 険に収載すべきかどうかという議論をしていただいた上で実際の収載になるか、あるい は継続になるか、あるいは中止となるかというようなことになってございますので、現 時点でいつ収載されるということはなかなか申し上げることはできません。 ○藤原委員  こういったものがたまってくれば、混合診療を現実的には認めたという形になります ので、できるだけ保険収載の方向で考えていただきたいと思います。 ○遠藤会長  御意見として承っておきます。  ほかにございますか。  よろしいですか。  それでは、説明がございました2つの技術につきましては保険給付との併用を認める ということで、中医協としては特段の異議はないということにしたいと思います。あり がとうございます。  それでは、最後ですがその他ということで、調査実施小委員会に関しまして私の方か ら御報告をさせていただきたいと思います。お手元の資料の総−4をごらんになってい ただきたいのですが、これは調査小委で決算データを医療経済実態調査の中でどう活用 するかということで、ワーキンググループを設立したらどうかということで設立しよう ということが決まりまして、そのメンバーであるとか、方向につきまして私が一任をさ せていただいたということで、事務局と話をいたしました結果、この総−4に書いてあ るような方向でワーキンググループを機能させたいと思いましたので、御報告をさせて いただきます。  基本的な目的はここに書かれている内容です。3番目に検討内容ということが4つほ ど書いてあります。これも議論の中で検討内容も拡大していく可能性は十二分にあるわ けであります。  参加者といたしまして、会計の専門家ということで公益委員の小林(麻)委員に入っ ていただきまして、私が小委員長ということで参加させていただく。あと、公認会計士 の五十嵐先生、税理士の角田先生、医療経営の西田先生を委員とするという形でメンバ ーを決めさせていただきました。  これにつきまして何か御質問、御意見はございますでしょうか。  松浦委員。 ○松浦委員  エールを送ります。私も決算データで進めていくことは非常にいいことで、DPCが 診療行為の分析に非常に大きく力を発揮していることを聞きますが、これが医療機関の 経営実態を浮き彫りにするように、そういうすばらしいデータが集約できるようにぜひ 委員の先生方、御健闘をお祈りいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。いずれにしましてもこのワーキンググループは所詮ワーキン ググループですから、さまざまなデータを集めるなり、考え方を整理するというところ で最終的な政策的な決定は当然小委員会に持ち上げるという形でやらせていただきます ので、その節はまたよろしくお願いいたします。  ほかに何かございますか。どうぞ。 ○山本委員   ワーキンググループの設置の目的は十分理解いたしましたが、中医協としては、初め て決算データを使うための議論でありますので、具体的に調査をされる側も初めての経 験であります。現場の御意見を聞くということがおありであれば、きちんと医療機関、 薬局を含めて専門家なりの意見を聞いていただきたいと思います。 ○遠藤会長  申し訳ございません。私の説明不足でありまして、何回か会議を行う予定であります が、その中でそれぞれの関連する業界というのでしょうか、そういう方々からのヒアリ ングはするということが予定になっております。ありがとうございます。  どうぞ。 ○渡辺委員  私も前に発言いたしましたが、単月の調査というのはいろいろと問題も含んでおりま すので、総括的な年間の調査というのは非常に重要だという認識でぜひ進めていただき たいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  今回は決算データを活用するということの議論ですが、医療経済実態調査のあり方を 大きく変えていくということに関連して、別の観点で発言しておきたいと思います。他 の問題と同様に次回の実態調査に向けて考えていってもらうときに、回答率を上げてい ただくことの検討も進めていただきたい。回答率は50%だったり50%を切っていた りする状況があると思いますので、そうすると、医療機関ごとに、回答したグループと 回答しなかったグループ等が同じグループと言えるのかということもあると思いますの で、例えば保険医療機関であるならばこの調査に当たった場合には、ある種義務として きちんと答えていただくということはお願いできないのかということもどこかで発言さ せていただきたいと思っていたので、この懇談会がということではないかもしれません が、そういうことの検討もお願いしたいということが1つです。  もう1つは、サンプル調査に当たった医療機関の名前が医師会や、歯科医師会に回っ ていたというようなことは今後はないようにするということですが、新たな決算データ になるにあたって、例えば、アンケートへの記入の仕方が分かりにくいから医師会に相 談するようにというようなことになってくると同じことになってしまいます。あくまで も医療機関ごとに本当にフェアに答えてもらえているという感じがすごく国民に分かり やすいようなアンケートになるようにお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。調査をする上での公平性の問題と、できるだけ代表性を確保 するという2つの社会調査をする上での重要な課題を御指摘いただいたわけです。確か に無作為抽出をしているわけですが、実際に回答されているところのサンプリングバイ アスをどう考えるかというのは社会調査をする上で常に出てくる問題であります。御意 見として非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。回答率を上げるためには 鋭意努力はしているわけでありますが、今後とも努力したいと思っております。  ほかに何かございますか。  よろしいでしょうか。  それではこのような手順で進めさせていただきたいと思います。  それで、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。次回の日程等につきまして事 務局から何かあればお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  1月中旬を予定しておりますが、詳細を決定次第、また連絡をさせていただきます。 よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  お願いします。  それでは、本日の総会はこれにて閉会にしたいと思います。ありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)