08/12/16 第15回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会議事録         第15回 労働政策審議会職業安定分科会              雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会                   日時 平成20年12月16日(火)                     14:56〜15:32                  場所 職業安定局第1会議室 ○征矢座長 定刻より早いのですが、始めたいと思います。最初にご承知のように、私 ども大変縁の深い日本港湾協会の尾崎会長がご逝去されましたので、ここで1分間哀悼 の意を表したいと思いますが、よろしいでしょうか。ではご起立をいただいてお願いし ます。                  (黙祷) ○征矢座長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまから第15回「労働政策審議会 雇用対策基本問題部会 港湾労働 専門委員会」を開会いたします。最初に、本日の委員の出欠状況ですが、本日は田付委 員、久保委員が欠席です。  では議事に入ります。本日の議題の1つは、「新たな港湾雇用安定等計画の策定等に ついて」です。事務局から説明をお願いします。 ○今宮建設・港湾対策室長補佐 それでは説明いたします。まず資料ですけれども、本 日配付資料といたしまして、5種類の資料を用意させていただいております。まず1点 目「港湾労働専門委員会報告書(案)概要」、2点目「港湾労働専門委員会報告書(案)」、 3点目「港湾労働専門委員会報告書(案)」(前回の専門委員会配布資料の素案からの修 正見え消し版)、4点目「港湾雇用安定等計画(案)」、5点目「港湾雇用安定等計画(案) 新旧対照表」(前回の専門委員会配布資料の素案からの修正見え消し版)です。そのうち、 配付資料3の報告書(案)の見え消しを反映させたものが配付資料2の報告書(案)で あり、それを簡単にまとめたものが概要版としての配付資料1という整理になります。 同様に、配付資料5の新旧対照表のうち左側の案の修正したところを溶け込ませた計画 (案)本体が配付資料4という整理になっております。  なお、参考資料8「厚生労働省 労働災害防止計画(第11次)」、参考資料9「港湾貨 物運送事業の第11次労働災害防止計画」につきましては、報告書の内容に盛り込んで いますので、本日参考資料として新たに配付させていただいております。適宜ご参照い ただければと思います。  それでは配付資料3「港湾労働専門委員会報告書(案)」の修正見え消し版をご覧くだ さい。前回の素案からの変更点として、赤字で修正しております。  まず、2頁の中段部分の3.の1段落目の黒ポツの2つ目、「就労延人日数」の「人」 を消しております。こちらは文言の適正化を図った形式的な修正です。  3頁、(1)「派遣制度の有効活用」の2段落目、「適確」の「適」を「的」に修正して おります。こちらも文言の適正化を図った形式的な修正です。3頁の最終のパラの「具 体的には」で始まる段落の中ほどに、「これまで以上に」という文言がありました。こち らは文章のつながりを明確にするために、語句の記述位置を4頁の冒頭に変更しており ます。  続きまして、(3)「人付きリース問題への対応」で、「もとより」で始まる段落中の「完 全縮小」という文言と、「このため」以降のパラ中の「完全縮小」という文言は、「抜本 的な解消」という従来からの趣旨を踏まえたより適当な語句へ修正、あくまでも「完全縮 小」という文言で示していた趣旨や我々の考えている内容に変更がないことを前提に、よ り適当な文言ということで、「抜本的な解消」という文言に修正をしています。「このた め」以降のパラで「適確」の「適」も先ほどと同様に、文言の適正化を図った形式的な 修正をしています。  続きまして、5頁です。中ほどの「企業外労働力」という言葉から始まるパラですけ れども、まず「等」を「など」とひらがなに直しております。これはほかの記述との並 びを取った形式的な修正です。また、内容には変更はありませんが、一文の簡潔化を図 るために、文章の構成を若干修正しております。これまでマル1、マル2、マル3を一 つの文章の中に記述していましたが、そこを一文を終えたあとで、マル1、マル2、マ ル3それぞれの内容を追記するといった構成に修正しています。  続きまして、6頁です。真ん中から下のほうの「以上のとおり」で始まる段落、また、 そのあとの「このため」から始まる段落ですが、こちらのほうは、前回の専門委員会に おきまして、労側委員のほうからご発言がありました、いわゆる労働時間、労働条件、 労働環境等々の内容につきまして、修正を加えております。「以上のとおり」のパラで言 えば、「所定外労働時間の水準など」という文言を追記しています。「このため」以降の 段落においては、「港湾労働者に係る労働環境の整備を図る観点から」という文章を追記 しています。  7頁は特段修正点はございません。  続きまして、8頁。項目としては「港湾労働者への安全衛生の確保」です。前回お示 しした素案におきましては、ア、イ、ウ、エ、線で囲っている内容のうち中段部分の数 値目標のみを引用しておりましたが、計画の目標をより明確化するという観点から、必 要なところはすべてこういった形で引用をするといった整理を行いました。こちらを引 用している関係上、「事業場」という文言がエの中に出てきています。本報告書(案)の他 の項目で、「事業所」という文言を使っている関係上、「事業場」と「事業所」という文言が 併存するという状況になっています。そもそも「事業場」と「事業所」という文言は、いず れも事業の内容としての活動が有機的、組織的に行われる場所を指しており、同じ意味 で労働関係法令の中で広く用いられている概念ですので、出典元の文言をそのまま引用 したとしても、この専門委員会報告書(案)の中では、概念の整合性は図られているもの と考えています。8頁の最終パラの「事業主は」で始まる段落についてですが、こちら も前回の専門委員会におきまして、労側委員からご発言がありましたので、それを踏ま えて「日雇労働者を含む港湾労働者の雇入れ時等の」という文言を追記しました。  続きまして、9頁です。「5.職業能力開発について」の2パラ「こうした中」から始ま る段落です。まず漢字の「等」を「など」とひらがなに直しました。先ほどと同様にほ かの記述との並びをとった形式的な修正です。それから、これも先ほどと同様に一文の 簡潔化を図るという観点から、文章の構成を修正しています。「6.計画の期間について」 の最終パラ「計画期間については」で始まる段落で、こちらも漢字の「等」をひらがな の「など」に、ほかの記述と並びをとった形式的な修正をしています。報告書の案につ いての修正点は以上です。  続いて配付資料5、計画(案)の新旧対照表をご覧ください。こちらのほうは青字で前回 素案の内容からの変更点を示しています。まず2頁、(ハ)「退職金制度等の有無」の最 終行の上のほうで、誤字がありました。「若干低くなっているいる」と、「いる」が2度 続いていますのでこちらを削除しました。続きまして、頁数が飛びますが、5頁の3の (1)「労働力の需給の調整の目標」の最終行で、修正漏れがありましたので、その手当て を行いました。読み上げますと、「事業主に雇用される常用労働者の雇用の安定に一層努 める」というところです。  続きまして、6頁です。(ハ)「直接雇用の日雇労働者問題への対応」、この部分につい ても、先ほどの報告書(案)の中にもありましたが、「就労延数」を「延日数」に、いわゆ る文言の適正化を図るという形式的な修正を加えています。  続きまして、7頁です。中段の「人付きリースにより」で始まる段落と、そのあとの 「このため」で始まる段落ですけれども、先ほどの「完全縮小」の文言の置き換え、報 告書(案)の内容と同様に、こちらも意味合いとしては「完全縮小」と全く変更ないことを 前提に、文言をより適当なものに置き換えるというような修正を、具体的には「抜本的 な解消」という文言への置き換えを行っています。それから、「このため」の段落で、「的 確」の「的」について文言の適正化を図るという観点から修正を行っています。  続きまして、8頁です。(ヘ)「公共職業安定所における適格な紹介等の実施」、こちら も前回の専門委員会におきまして、労側委員から、安定所の機能の強化の観点からご発 言がありましたので、「直接雇用の日雇労働者問題の対応」という項目で、既に他の項目 で追記している内容を、この項目においても追記することとしています。続いて、下の ほうのロ「センターが講ずる措置」の(イ)「事業主支援業務の適正な実施」で、「これ まで以上に」といった文言について、報告書における修正と同様に、文章のつながりを 明確にするという観点から、語句の記述場所の変更をしています。  続きまして、9頁です。中ほどの(ロ)「人付きリース問題への対応」という項目の1 段落目、「完全縮小」も先ほどと同様に「抜本的な解消」という文言に改めるとともに、 「また」以降で始まる段落において、「的確」の「的」について文言の適正化を図る観点 から修正を行っております。  続きまして、10頁です。4の(1)ですが「雇用の改善を促進するための方策」のうちイ 「国が講ずる措置」の中ほどですが、前回の専門委員会における労側委員からのご発言 を踏まえた報告書(案)の修正に沿った形で、「労働基準法に定める労働条件の基準の遵守 の更なる徹底や」という文言を追記するとともに、「労働災害防止計画の効果的な推進」 の後に「等」の文字を入れております。こちらのほうは、労働基準法や労働安全衛生法 の話に限らないというところで、「等」という文言を追記しました。同じ頁の後段ですが、 ハ「事業主及び事業主団体が講ずる措置」の項目のうち、「また」以降で始まる段落です。 こちらのほうも、前回の専門委員会におけるご発言を踏まえて、「所定外労働時間の削減 等」といった文言の追記を行っています。  最後に、13頁です。一行目に「これまで以上に」という文言があります。こちらも先 ほどご説明したように、文章のつながりの明確化を図るという観点から、語句の記述位 置の変更をしました。  報告書及び計画の案の内容についての説明は以上です。 ○征矢座長 ありがとうございました。それでは本件につきましてご意見、ご質問等が ありましたらお願いいたします。 ○伊藤委員 いま報告書の説明をいただきました。その内容について、この間の議論も 踏まえまして、確認をする意味で、7点にわたって質問ならびに要望を申し上げたいと 思います。  まず1点目ですが、港湾労働法の適用港湾、適用職種の範囲についてです。引き続き 検討されることになったわけですが、港湾労働を取り巻く諸情勢の動向や、関係労使の 合意形成の進展に応じて、毎年開催されることになった港湾労働専門委員会において、 検討されることになるのかどうかお伺いをしたいと思います。  2点目ですけれども、日雇労働者の直接雇用の増加への対応策といたしまして、関係 事業主のニーズと、日雇労働者が有する技能、経験等のマッチングが図られるよう、職 業安定所の紹介の機能充実・強化を図っていくことになったわけですが、日雇労働者が 有する技能、経験等の把握というのは、具体的にどのように行っていくのか。またマッ チングが図られるようにどのような紹介方法を行うのか、お教え願いたいと思います。  3点目に、港湾労働法の適用関係の明確化についてですけれども、これについては違 法就労の防止のためにも、早急にこの運用の整一化という点について、周知徹底を図っ ていただきたいと考えております。  4点目に、港湾労働者への安全衛生の確保についてですが、事業主が、港湾貨物運送 労働災害防止協会が作成した港湾貨物運送事業の第11次災害防止計画を着実に実施し ていくことになりました。日雇労働者を含む港湾労働者への雇入れ時の安全衛生教育の 徹底というのは、特に私どもは重要だと考えています。現行の安全教育は作業に応じて 資格を取るという教育の性格が強いわけでありまして、雇入れ時の安全衛生教育の内容 としては、港湾労働者としての最低限保有しておくべき安全知識とか技能に関するもの が効果的に取得できるように、そういう研修内容が必要だと考えております。港湾貨物 運送労働災害防止協会において、このような研修内容の策定を検討するようにしてはい かがかと考えております。その場合には、労働者の代表も参画して検討ができるように していただきたいと思います。  5点目に、港湾労働者の職業能力開発についてですが、ガントリークレーン運転手の 研修については、各港湾において実現の可能性について検討していくというようになっ ております。この点については賛成ですけれども、では具体的にはどのように検討をす るのかということを伺いたいと思います。また、一般的な研究についても、個別の港湾 における実施機会の拡大に努めていくということですけれども、具体的にどのようにす るのかもお伺いしたいと思います。  6点目に、港湾労働者の福利厚生、福祉の増進について、そのあり方について検討を 行うことになっておりますけれども、具体的にはどのように行っていくのか。またその 場合、国土交通省との連携はどのように図られていくのかお伺いしたいと思います。  7点目、最後になりますが、港湾におけるテロ防止対策として導入が予定されている、 個人生体情報を含むIDカードと、その港湾労働者証との共用化についてです。この実 現可能性を検討することになっておりますけれども、具体的な検討方法をどのように行 っていくのかお教え願いたいと思います。 ○征矢座長 伊藤委員のほうから確認という形で7項目ありましたが、事務局としては どう考えていますか。 ○志村建設・港湾対策室長 伊藤委員からの7項目について、7点答えさせていただき ます。  まず、港湾労働法の適用港湾、適用職種の関係です。この計画におきましても、計画 は5年か3年かという議論があったわけですが、ある程度5年というスパーンをみて、 安定的に見通して計画をいまの段階で立てて、議論をしていただいていると認識はして いるのですが、やはりなかなか個別に細かいところでは想定し得なかった事象も出てく る可能性もあります。そういったようなことで、毎年一定の時期に専門委員会を開催し ていくのが適当と事務局としても考えております。この専門委員会におきましては、新 港湾計画に関する事項を中心に、意見交換を行っていくなど、新港湾計画の進捗状況の 点検等を行っていくことを考えております。ご指摘いただいているような、港湾労働法 の適用港湾、適用職種にかかる事項につきましても、どういった指標を継続的にみてい けば実態を的確に判断できるかというようなことも含めまして、港湾労働を取り巻く諸 情勢の動向や関係労使の合意形成の進展など、事情の変化に応じて、意見交換、検討の 対象として検討していくものと考えています。  2点目、公共職業案定所の機能の充実・強化ということです。日雇労働者が有する技 能、経験の把握につきましては、現在の公共職業安定所の持っているノウハウや、そう いった体制は、一定の限界があることは事実です。今後は特定業務に関して、まさに継 続的に雇用している日雇労働者に関する情報を、事業主あるいは事業主団体が有してい るところもあると思いますが、そういったものも必要に応じて提供していただくなど、 事業主や事業主団体とも連携しつつ対応していきたいと考えています。また、求人側、 求職者側をうまくマッチングさせるということですので、関係事業主がどういった労働 者を求めているのか、そのニーズと実際に求職したがっている日雇労働者の有する技能 や経験のマッチングが効果的に図られるように、公共職業安定所が把握した日雇労働者 の有する技能、経験等に関する情報をより有効活用する観点から、まさに新港湾計画の 策定を契機に、公共職業安定所の職業紹介内の業務プロセスも含めて、もう一度よく洗 い直してみて、どういったところにボトルネックというか、そういうものがあるのかと いうことも含めて、可能な限り見直しを行った上で、その対策の充実・強化を考えてい きたいと思っております。  3点目、港湾労働法の適用関係の明確化です。港湾労働の適用関係の明確化によって、 いろいろな立場からすると、職域の確保とか拡大という側面もあるとは思うのですけれ ども、私どもは、あくまでも労働関係法規を適正に執行していくという観点、労働者保 護の観点、事業の適正化の観点といろいろありますけれども、法の目的、趣旨を踏まえ まして、港湾運送事業の業務形態の変化等に応じて、解釈等を明らかにして、その運用 の整一化を継続的かつ速やかに行うということで、労働局、ハローワークを通じて、関 係者に対する周知を徹底してまいりたいと考えています。適用関係の明確化につきまし ては、現場の実態をお寄せいただいたものを、行政としてもよく把握した上で判断して いきたいと考えております。  4点目、港湾労働者への安全衛生の確保ということです。ご指摘のとおり、日雇労働 者を含む港湾労働者の雇入れ時の安全衛生教育の徹底は特に重要と考えております。港 湾労働者として、最低限保有しておくべき安全知識や技能が効果的に取得できる研修等 に関して、港湾の災防関係の協会も災害の原因等もいろいろ分析してやっていると思う のですけれども、まさにいろいろな種類の労働者が混在しているということに焦点を当 てて、ほとんど情報的には下敷き程度と思いますが、そのようなわかりやすいというか、 労働者の代表も参画して検討できる仕組みの可否も含めて、具体的なアプローチの仕方 については、まさにご指摘いただいていますが、港湾貨物運送労働災害防止協会と検討・ 調整していく必要があると考えています。  5点目、港湾労働者の職業能力の向上ということです。現時点におきましては、ガン トリークレーン等の革新荷役機械にかかる教育訓練を効果的に実施する観点から、まさ にこの関係の労使、国土交通省、港の話ですので、港湾管理者など、関係者が一堂に会 して議論が行われる場を設定して、報告書に例示したもののみならず、幅広い観点から 実現可能な仕組みについて検討していくことを考えております。まずはこういった問題 意識が委員会でいろいろ提示されたというところを、行政として受け止めて、港港で探 っていくというようなことから、しっかり始めていきたいと考えています。一般的な研 修に関しましては、現時点におきまして、公共職業能力開発施設や港湾技能研修センタ ー等において、現在行っている研修内容の精査を行いながら、その内容の拡充、利便性 の一層の向上を行って、利用対象者を増やすとか、そのようなことについて検討をして いくことを考えています。  6点目、港湾労働者の福利厚生の増進です。前回も説明したと思いますが、新たな福 利厚生が問われているわけでして、現時点におきましては、例えば福利厚生のあり方に 関する具体的な検討の場というのは、厚生労働省もイメージを持って、主体となって設 定をして、かつてのハード面だけではなくて、より大きな枠組みの中で、福利厚生を見 直せないかと考えています。最近の港湾をめぐるプロジェクトというのは、国際競争力 の強化、物流とかそういったものも1つのキーワードです。ハード面につきましては、 国土交通省がモデル事業を行うと承知しています。モデル事業の成果も踏まえながら、 国土交通省さんからお力をお借りしなければいけないのですけれども、そういったよう なことをしていきながら検討していきたいと考えております。  7点目、IDカードと港湾労働者証の共用化の話ですが、これに関しましては、情報通 信技術が発達しているわけでして、何らかの形でそういう生体情報などを使いながら、 効率化して、関わる人間の同定とかそういったものを図っていく必要は、非常に大きな 流れとしてはあるのだと思います。国土交通省におけるIDカード化に向けた動きを注 視しながら、また国土交通省とも連携しながら、その実現可能性及び課題について検討 していきたいと思います。伊藤委員からご指摘いただいた7点については以上でござい ます。 ○伊藤委員 ありがとうございました。現場段階でいろいろ対応しなければならない点 も多いというように伺いましたので、厚生労働省といたしまして、職安への指導徹底な ど、よろしくお願いしたいと思います。 ○若林港湾経済課長 いまの伊藤委員のご指摘の6点目と7点目について、ほとんど志 村室長からのご回答に尽きるかと思いますが、国土交通省としても、特に福利厚生の話 は港湾の国際競争力向上のための取組みの結果として必要になりうると思います。その ことを踏まえて、厚労省さんにはいろいろとグラインドデザインを書いていただくこと になろうかと思いますが、その中で、国土交通省は一体何ができるのか、厚労省とどの ような分担でやっていくかについて、ちゃんと話を詰めていきたいと思っています。  個人の生体情報、IDカード等は、国土交通省もまだ始まったばかりなのです。始まっ たばかりというのは随分長いなと思っているのですけれども、実を言うとまだご議論さ せてもらう余地があるような感じもいたしますので、よく話をさせていただければと思 っております。 ○花島委員 これまで人付きリースの件で違法の形態のものは置かないように、労使・ 行政で努めてきたのですけれども、いまの現状をかんがみつつ、着実な改善を努めるこ とが必要であるのですけれども、解消という言葉はゼロという意味合いが強いので、で きればこの言葉を段階的な縮小とか段階的な解消とか、現実に即したような言葉に変え ていただく。せめて、抜本的な縮小ぐらいに変えていただきたいと思うのですけれども。 ○志村建設・港湾対策室長 事務局からの説明としては、人付きリースについて、最終 的な到達点ということで、そこに至るまでの間には、まさに行政としての実態の把握と か、把握したものの評価だとか、そういったものがあって、最終的にここに到達するの だという意図で書いておりまして、必ず今日明日ゼロにするというような誤解を生む文 言ではないと、事務局としては認識しておりまして、その点はこの場の議論の中で、私 どもは労使で共有されているのかなと考えているのですが。 ○花島委員 この前、人付きリースに関しては、フォークリフトなどは常用派遣労働で 対応できるので、その業務については対応を行うことは可能なのですけれども、特殊機 械とか大型クレーンなど代替する労働者が存在しない業務については、対応が不可能な ので、せめてこの場で抜本的な解消という言葉はわかるのですけれども、直ちにゼロに する意味でないということを、委員会として合意していただきたいのですけれども。 ○征矢座長 先ほどの事務局からの説明である限りは完全縮小と全く同じ意味だと、こ ういう説明ですから、そこの確認をすれば答えは出てくると思います。私もよくは知り ませんけれども、簡単に解消できるのかといったら、そうでない場合もあるわけですか ら、労働側だって、本来解消だと言っているのは、歯切れの悪いところがあるのは、そ ういう趣旨だと思います。だから完全縮小と全く同じ意味であるということでよろしい ですか。 ○花島委員 はい。 ○鈴木委員 福利厚生の問題では、室長なり国土交通省の若林課長からも決意的な表明 をされたのですけれども、まだ何となくお互い牽制しているような感じがしますので、 これからお互い福利厚生については、国土交通省がグランドデザインをして、国交省も 連携をして、実際にハード面になる予算は国交省になるわけです。そこは是非、ただ牽 制し合うということだけではなくて、連携し合って対応するというようにしていただき たいと思います。  それと、特にゲートウェイ構想で24時間の実証実験をやっていますよね。どちらか と言えばハード面ですよね。ハードとシステムになっているわけだけれど、そこに対す る交替制を含めた労働対策がないのです。前回は織り込んでもらいましたけれども。実 際にそれを実証していくというのは、本来なら経済界から政府に要請があって、それを 受けて政府が推進しているわけですよね。我々は年末年始、今回は対応しますけれども、 むしろユーザーである船会社団体から業界に要請があって、それを受けて労使が協議を して、サービスとして対応しているのです。ところが24時間フルオープン問題が、誰 からも要請がないのです。要請がないのに政府のほうで一人歩きしているわけですよね。 そして予算まで組んで実証実験ということになると、我々が検討をする場もない。要請 がないから労使とも協議する議題にもならないのです。そういう意味では離れたところ で外堀を埋めるようなことをしているわけだから、だとすれば労働対策についてもハー ドシステムを作るだけではなく、国土交通省と連携をしてもらって、労使でも一緒に協 議できる場を、双方ですけれども、作っていただきたいなと思います。 ○若林港湾経済課長 すみません、私のしゃべり方が牽制しあっているみたいに聞こえ たら申し訳ございません。確かに年末年始の荷役作業の話は、船会社は具体的に足を運 んでお願いする話があったのですね。ところが、ゲートのオープンの話というのは、経 済界は官邸でご議論されているだけで、「港運が経済界からお願いされるというのはなか った。少なくとも俺は直接言われたことはないよ。」と亡き尾崎日港協会長も言っておら れました。私もそのあたりは経済界の皆さんに申し上げたりしております。「また経済界 としてご要望されるなら当然、要望した側がいろんな意味でのご負担をいただくのです よ。」ということを申し上げております。一方国のあるべき港の姿としても、やはり、ゲ ートができるだけ長い時間開くのが港の扱いやすさの点からもいいと思っているわけで、 それでは我々として何ができるのだろうかということも、しっかり考えていかなければ いけない。  いま志村さんが言われたように、グランドデザインを書きながらというお話があった ように、きちんと連携をしながら、私たちの中でそれぞれ何ができるのかをしっかり考 えていきたいと思っておりますし、どうしたらいいのかということを、知恵を絞ってい きたい。実証実験を始めて、何時ぐらいまでどれほどの荷が出るのかが分かった上で、 具体的にどうしていくべきなのかということを、日港協側のご決断もいただきながらや っていかなければいけない話だと思っておりますので、その辺りは定時の報告を踏まえ ながら進めていきたいと思っています。 ○征矢座長 よろしいですか。ほかにご意見がなければ。以上でいままで真剣にご議論 いただきました、報告書(案)と、港湾雇用安定等計画(案)につきまして、ご了解を いただいたということでよろしいでしょうか。                (異議なし) ○征矢座長 それではそういうことで(案)を取らせていただきます。ほかに何かござ いましたらお願いします。特にないようでしたら、本日の委員会はこれで終了いたしま す。最後に事務局のほうから今後の予定についてお願いします。 ○今宮建設・港湾対策室長補佐 今後の予定についてですが、ただいま皆様方にご了承 いただきました「報告書(案)」と「港湾雇用安定等計画(案)」のうち、「報告書(案)」 につきましては、(案)を取らせていただいて、「報告書」として確定させていただきま す。一方、「港湾雇用安定等計画(案)」につきましては、これから1月にかけまして、関 係する都府県の地方労働審議会委員や関係都府県の知事に対して事務局のほうから意見 照会させていただくことを考えています。その後、意見照会でいただきました意見内容 の精査を事務局において行わせていただき、その精査の結果を踏まえた必要な対応や法 令的な観点からの文言の精査等を行った上で、それらを反映させた「港湾雇用安定等計 画(案)」について、再度本専門委員会にて議論していただきたいと思っております。次 回の専門委員会につきましては、来年の2月中旬を予定しております。  具体的な日程等につきましては、現在調整中ですので、決定次第改めてご連絡させて いただきます。以上です。 ○征矢座長 ありがとうございました。本日の会議に関する議事録の署名委員につきま しては、労働者代表、糸谷委員、使用者側代表、中谷委員にお願いします。本日はどう もお忙しい中ありがとうございました。                               (以上)                                                照会先                      厚生労働省職業安定局建設・港湾対策室                       港湾労働係 運永博史・安田喬                      〒100−8916 千代田区霞が関1−2−2                       電話:03−5253−1111(内線5802)                          03−3502−6777(直通)                       FAX:03−3502−0516