08/12/12 第62回社会保障審議会介護給付費分科会議事録 社会保障審議会 第62回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所 平成20年12月12日(金)午前9時00分から午後0時00分まで   厚生労働省低層棟2階 講堂 2 出席委員:池田、石川、稲葉、井部、大森、大島、沖藤、小島、勝田、川合、 神田(代理:長屋参考人)、木村、久保田(代理:今井参考人)、齊藤、武久、 田中(滋)、田中(雅)、池主、対馬、中田、三上、村川、山本の各委員、堀田 専門委員 3 議題  <審議事項>  1.平成21年度介護報酬改定について  2.その他 (鈴木老人保健課長) それでは、定刻となったので、第62回社会保障審議会介護給付費分科会を開催させてい ただきたく。 初めに、本日の委員の先生方の御出席状況だが、矢田委員の方から御欠席という御連絡 をいただいている。 なお、本日は神田委員に代わり長屋参考人、久保田委員に代わり今井参考人が出席され ている。 したがって、23名の委員の先生方に御出席いただいており、定足数に達しているという ことを報告させていただきたいと思う。 以降の進行は大森分科会長にお願いする。 (大森分科会長) よろしくお願いする。 では、資料の確認をお願いする。 (鈴木老人保健課長) それでは、お手元の資料を確認させていただきたいと思う。 議事次第、委員の先生方の名簿、座席表。 資料1、これは薄い3枚紙であるが「サービス提供責任者の人員配置基準の見直し」に ついて、これは少し議論があるので、補足的に変更点等について説明をさせていただく。 それから、今回の審議の報告の(案)について、資料2−1、2−2、2−3である。 2−1が前回も提示したポンチ絵であり、2−2はそれを主として文章にした概要である。 2−3が「平成21年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」となっている。これは前 回の御議論、それ以降の各先生方とのお話を通じて、変更させていただいたもので、これ を中心に今日は説明をさせていただく。 以降は参考資料になるが、参考資料1が未定稿で、これは前回に比べてもかなり分厚く なっている。これは前回までは主として、御議論の中で先生方がおっしゃった意見を加え させていただいたが、そろそろ最後に近づいているということで、文書で提出された意見 についても入れ込んでいる。 もし、これでまだ入っていないとか、少し誤解があるということであればおっしゃって いただければ直したいと思う。 また、本日の御議論についても、この中にすべて入れさせていただいて、分科会として、 こういう議論がされたということが簡易な形でわかるようにしたいと思う。 参考資料2は、勝田委員から御質問のあった正社員と非正規社員との比率について書い てある。 参考資料3は、予算編成の基本方針で、これは御説明申し上げないが、特に今回の生活 対策について、介護報酬改定プラス3.0 %ということが書いてある。 それ以降は各委員の先生方から提出のあったもので、まず、石川委員の方から「介護保 険料徴収方法の見直しに対する意見」である。 沖藤委員の方から「介護報酬改定について 利用者・市民の立場からの意見」である。 川合委員の方から「平成21年介護報酬改定に向けての追加要望事項」である。 久保田委員の方から「平成21年介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)に対する意 見」である。 山本委員の方から「介護保険の保険料徴収に関する要望」ということである。 以上であるが、川合委員の方から出されている資料のほかに、机上には関係の審議報告 書について配付をしている。 以上である。 (大森分科会長) よろしいか。 前回、私どもとしては、平成21年度の介護報酬改定に関する審議報告について審議して いただいた。この件について、前回、ほとんどの委員から御意見が出て、多くのこれに関 する御意見が出たので、事務局の方で、各委員の方々の意見を踏まえた審議報告(案)を 提出してもらっている。 前回、私からお願いしたように、平成21年度の介護報酬改定(案)については、本分科 会としては、年内、もっと言うと次回に厚生労働大臣から諮問を受けて、答申を行いたい と考えている。 したがって、本日の審議報告については、取りまとめをさせていただきたいと思ってい る。 皆さん方の御意見を伺って、もし、今日提示している文章でよければ、これで決めたい と思っているので、御協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思う。 それでは、提出されている資料について一括して事務局から説明いただきたい。 ○土生振興課長より資料1について説明 ○鈴木老人保健課長より資料2−1から2−3までについて説明 (大森分科会長)   それでは、今の説明、主として資料2−3が本文書であるので、それをめぐって皆様 方の御意見を伺いたいと思う。 (中田委員) まず資料2−3の中で、何点か意見を述べさせていただきたいと思う。 当分科会はこの決定を受けということが今回入ったが、この分科会は当初から介護従事 者の処遇改善について議論をしてきたわけであり、たまたま3%アップが前倒しで決まっ ているけれども、この決定を受けてずっと議論してきたわけではないので、これはむしろ 必要ないのでないかと思う。 もう一点は、月額2万円という一人歩きの問題がここにきちっと介護報酬の引き上げに より、賃金が一律に引き上げられるものではないということがうたわれたことは評価する。 同時に、介護報酬改定により介護従事者の処遇改善にできるだけ結び付けていくことが 重要ということもうたわれている。 それから、給与等は事業者と介護従事者との間で決められるものであり、その内容につ いては労使に委ねるべきものである。 事業者が介護従事者の処遇等に関する情報の公表について、自主的・積極的に取り組む ことが期待されるという記述がある。 一方で、利用者団体が公表の手引きを作成するなど、取組みを国が支援していくという こととしている。 13ページの今後の方向性についての最初の○でございますが、「○今回の介護報酬改定 の介護従事者の処遇改善につながっているかという点についての検証を適切に実施するこ と」というところがある。 これはあたかも国が事業者団体を通じて給与等の処遇改善について公表させるといった ような印象を与えかねないのではないかと思い、このところの書きぶりが、今なお独り歩 きしている大幅な給与アップについて、介護現場の従事者に大きな期待を持たせることに なりはしないか。結局は事業者と介護従事者との信頼関係を損ねることになりはしないか ということで、大変危惧している。 そういう意味で私はこの書きぶりの中で、情報公表については自主的、積極的に取り組 むことが期待されるというところで切った方がいいのでないか。なお以下は必要ないので はないかと思う。是非御検討いただきたい。 もう一点、4ページであるが、これは質問であるが、介護従事者の専門性等のキャリア に着目した評価というところで3行目に、一定以上の勤続年数を有する者がとあるが、こ れは同一事業所における勤続年数を言っているのか。それとも、各施設、事業所というの は、同一職種に従事した経験年数というものを換算して給与を決定しているという実態が あるが、そういったところが加味されるのか。その点をお聞きしたい。 以上である。 (大森分科会長) 御質問のところをお願いする。 (鈴木老人保健課長) 最後に御質問があった4ページのキャリアアップの関係での勤続年数というところであ るが、これは勤続年数なのか経験年数なのかという御議論があるということは我々も承知 している。 ただ、実務的に経験年数というのは、どうやって経験年数を証明するのかということを 含めて、事業所側に相当の手間になり、検証も大変だということで、勤続年数ということ で今回考えさせていただきたいと思っているが、例えば同じ事業者が複数事業所を運営し ている場合があり、従事者の方がA事業所からB事業所に異動するという場合がある。そ こを切ってしまうと、これは非合理だと思うので、そこのところは配慮したいと思う。 (大森分科会長) 2つほど取れという御主張であるので、1ページの下のなお書き以降については、多分 御意見があるだろうから、後ほど議論させていただければと思う。 最初のこの決定を受けてというのは、私の趣旨を申し上げるので、できればこれでお認 めいただきたいと思う。 今回は、今までマイナス改定であったということは事実であるが、今回は+3.0%、この 文章をどうやって重ねて読むかということになるが、私としては今の非常に流動的な政治 情勢を考えると、プラス3%を確実なものにしたい。したがって、この決定を受けて私ど もとしてはまとめたものだからというふうにさせていただく方が、私としては確実で安心 できるから、私はこの決定を受けというのは取らないという方向で、できれば御了解いた だきたいと思っているが、いかがか。 (中田委員) 一定の結論を受けてというのは、たまたま10月30日に政府で決まったことである。我 々は6月からこの分科会で議論しているので、この辺を踏まえて、こういう文言は必要な いのではと提案した。 (大森分科会長) 受けというのが強ければ、この決定を踏まえてという形で、できれば御了解いただきた いと思う。恐縮だが、よろしいか。 まだ御意見が出ると思うので、その段階でお諮り申し上げることにする。 それでは、次の方どうぞ。 (山本委員) 少し総括的なことを申し上げたいと思うが、13ページにわたっていろいろ書かれている が、この中にはこの介護保険を始めるときに、これはいいだろう、これは悪いだろうと随 分検討したものがあり、実際に実施をして、この介護保険の実施上障害になるものがこう いうものであるということをまた議論した。それらが全部復活している。だから、何でそ うなるのかなと思うが、我々が以前検討したときに、実際にこういうのは必要ない、ある いはこれは障害になる、これは運営上大変な問題になるというようなことについては、で きるだけこれは排除した方がいいということで議論した。 それが現行のものであると私は思っているが、先程の説明を聞くと、全体的にそういっ たものが復活しているような感じがするので、これが一番いいと皆さんが決められればそ れで結構だが、そのために何か問題が起こったときに、だれが責任を持つか。 恐らく国側は実施をしているのは市町村であり、市町村の責任であると言うように思う ので、そこら辺りを十分考えていただきたい。 それから、例えば介護報酬を決める場合でも、市町村の意見、あるいは実施をする場合 にも市町村の意見を全く聞いてくれないし、聞かない。何故市町村の意見を聞こうとしな いのか。 それから、市町村には調査権が全然ない。だから、市町村から尋ねられて答えることが できない。そこら辺りをもう少し十分に考えていくことが必要ではないかと思う。 なお、大変恐縮に思うが、私ども町村会として、保険料の徴収についての意見書を出さ せていただいたので、皆さんのお手元にお配りしてある。 内容について言うと、保険料を今は年金から差し引いて徴収をしている。もう定着して おり、順調に保険料は入っている。だから、保険料の未納というのはわずかである。当初 考えていたように未納が多くなるということはない。せっかく定着してやっているのにも かかわらず、これを変更しようという考えがある。 変更するなら、何故市町村の意見を十分聞かないのか。 私どもの介護保険料は年金から差し引かせていただいている。未納というのが非常に少 ない。うまく機能している。それを変更して、口座を設けてやったらどうかと。口座振替 というのは、残高がなけれな本人しか埋めることはできない。 私どもは、福岡県の広域連合でやっているが、この口座振替を認めることによって、5 %以上の未納が発生するだろう。それをだれが責任を持つのか。そこら辺りを考えていた だければ、せっかく定着してやっているものを、変更するというのはいかがなものかと思 う。全国町村会の要望にあるとおり、是非口座から保険料を徴収することについては遠慮 していただきたい。やらないでいただきたいということを申し上げている。委員の皆さん 方、是非その点を理解していただきたい。 皆さん方の意見をここで聞いてきたが、大変な苦労をかけていることはわかる。ところ が、厚生労働省は決めれば後は知らぬ顔の半兵衛である。実際に泥水をかぶって、それで もやらなければならないのは市町村である。その市町村の存在を全く無視して、こういう ことをやるというのは、許し難いことだと思うので、御理解をいただきたいと思う。 2、3点申し上げたので、是非厚生労働省側も重大な反省をしながら、これらについて 検討していただきたいと思う。 (宮島老健局長) 山本委員の方から御意見いただいた。国民健康保険から始まり、高齢者福祉・介護保険、 今は障害者行政も市町村の方に運営をお願いしている。 また、今回いろいろもめているが、後期高齢者医療制度、これも広域連合という形であ るが、根幹は市町村ということで、福祉とか保険の分野の行政の我が国の体系を考えると、 市町村抜きには成り立たないということで、私どもも重々承知している。 色々な意見の交換、あるいは政策形成のプロセスで私ども至らない点があろうかと思う が、そこはこれからも市町村行政がないと厚生労働行政は成り立たないという認識でいる ので、引き続きよろしく、いろいろ御意見をいただいて、行政を進めてまいりたいと思う。 保険料の徴収の件に関して、石川市長の方からも御意見ということなので、後ほど答え させていただきたいと思う。 (大森分科会長) 石川さんから、どうぞ。 (石川委員) 私も市長会の方から出ているので、山本会長に引き続き、関連で発言をさせていただく。 資料をお手元にお配りをしているので、そちらをごらんいただきたいと思う。 今般の介護報酬改定は、安定した介護保険財政基盤があってこそ議論ができるものであ り、こうした観点から、厚生労働省が検討している介護保険料の徴収方法の見直しに対し ては、非常に危機感を抱いているところである。これから介護保険料徴収方法の見直しに 対する意見を述べさせていただきたいと思う。 提出させていただいた資料2ページ、まず厚生労働省は介護保険料の年金からの徴収方 法を見直して、長寿医療制度と同様な口座振替えの選択制導入を検討していることを、先 月のこの分科会で明らかにしたが、安定した介護保険財政を維持し、高齢者のための介護 基盤を守る立場から明確に反対であるということを表明したいと思う。 3ページ「反対の理由」としては、次の5点である。 (1)高齢者に戸惑いや不安が生じる。 (2)保険料への影響が懸念される。 (3)現場の市町村が混乱する。 (4)第4期介護保険事業計画の策定に多大な影響を及ぼす。 (5)9割以上の市長が「現行制度を維持すべき」と回答。 4ページ、まず1つ目の高齢者に戸惑いや不安が生じることである。 詳細な説明は省略するが、社会保障制度が高齢者に戸惑いや不安を感じさせることは問 題であると、まず指摘をしておく。特に口座振替を選択した後、要介護となった場合は、 口座に現金がなくなると未納となり、介護サービスが受けられなくなる事態が多発するこ とが懸念される。先ほど山本会長の指摘とおりである。 5ページ、2つ目は「保険料への影響が懸念される」ことである。納付方法の見直しに 伴う徴収率の低下分を補うため、先に公表した4,270 円の介護保険料にプラスαの引き上 げが懸念されることである。 6ページ、例として、稲城市では、特別徴収の徴収率は当然100 %になるわけだが、普 通徴収は87.2%、全体では95.2%である。したがって、普通徴収の一環としての口座振替 が導入されると、全体としての徴収率は劇的に低下することは明らかである。 しかし、その口座振替を選択する人の数は現在全くわからないので、保険料も算定がで きない。 7ページ、これも詳細説明は省略するが、現場の市町村では大きな混乱が予想される。 このうち特にわざわざ税を使って徴収率を下げる変更を行い、高齢者の保険料の引き上げ につながる施策を実施することは、住民の理解が得られないと思っている。こうした点を 是非考慮していただきたいと思う。 いずれにしろ、これまで国と市町村とは制度の細部に至るまでよく話し合い、複雑な制 度運営を円滑に行ってきた実績がある。このよき伝統を今後も継続をしていただかないの であれば、市町村の理解は全く得られないものであり、保険制度が崩壊することを強く御 認識をいただきたいと思う。 8ページ、現段階において、第4期の保険料を算定しろと言われてもできない状況であ った。すなわち平成21年4月からスタートする第4期の保険料算定に当たり、3月までに 議会の承認を受けなければならない。しかし、選択制を導入すると、それぞれの方式を選 択した被保険者の数を基に、保険料収入額を算定しなければならないが、現時点で向こう 3年間の人数は全く見通せないので、保険料収入額は算定できないし、これに関するさま ざまな予算措置もされない。 したがって、第4期の保険料を年度内に算定することは不可能である。 9ページ、緊急に行った全国の市長へのアンケートでも、9割以上の市長が現行制度を 維持すべきと回答しており、是非このことをしっかりと受け止めていただきたいと思う。 なお、全国市長会はこの調査結果等を踏まえ、参考2にあるように、12月4日には大臣 を初め、与党関係国会議員等に対して、緊急の申し入れを行っている。 10ページ、介護保険料の徴収方法の見直しのきっかけは、年金天引きと口座振替との間 で生ずる税負担のひずみの解消にあるが、厚生労働省はこの問題を解決するためには、介 護保険料の徴収方法を見直すのではなく、税制改正を求めていただきたいと思う。改めて 介護保険料徴収方法の見直しは絶対反対であることを表明し、特に市町村と厚生労働省の 信頼関係は壊滅的に破壊するものである、このことを改めて表明をさせていただきたいと 思う。 先ほど来、このことについて、長寿保険制度と同じものにすると先ほど局長から話があ ったが、これも筋が通らないと思っている。 長寿医療制度では、国がこの制度の考え方をきちっと説明し切れなかったために、国民 から大きな反発を受けてしまった後から、やむなく口座振替を導入するということになっ たと思っている。介護保険制度は大きな問題もなく、年金からの天引きを8年間も行って きたわけであり、社会保険料控除の問題も含めて、一応の整理がついていたはずである。 それを今更、実は間違いだったというのは、とんでもない話であり、介護保険の制度設計 を根本からやり直すような大問題であると思っている。 この際年金からの徴収部分だけを抜き出して、小手先の手直しをするのではなく、両制 度の整合性を含めて総合的に見直しをすべきではないかと思っている。 前回指摘をしたが、同じ仕組みで来年から実施する住民税の年金天引きの方法にも大き な影響を及ぼすものと心配している。 厚生労働省は調整交付金問題、低所得者対策、第1号保険者の世帯概念問題など、全国 市長会の指摘する他の重要な問題を先送りしてきたままにしておいて、急遽、新たに年金 からの徴収の見直し問題だけを抜き出して、安易に改正する姿勢は絶対に納得できないと 申し上げたいと思う。 どうしても実施をするということであるならば、前回も申し上げたが、この際介護保険 部会を開いていただいて、制度そのものの在り方を是非議論をしていただきたい。このこ とを強く申し上げたいと思う。 各論はまた後でする。 (大森分科会長)  この問題について決着をつけたいと思う。 (池田委員) 町村会と市長会の方の意見だが、保険者だけが主張していると思われるとまずいので、 公益委員の立場からも一言言わせていただきたい。 年金源泉徴収から口座振替納付に変えるというのは私も賛成はできない。まず、自分の 財布を通過するか否かという情緒的なことだけで収納料率を下げるというのは、どう考え ても不合理だということが1点ある。 一見合理性があるのは、扶養者の税控除の問題にあるということだろうと思う。 65歳 以上の親の介護保険料を息子が払った場合、口座振替えならば、息子の社会保険控除にな る。年金天引きだったらならない。いかにも不公平に見える。でも、よく考えていただき たいが、税金の控除を受けられる人というのはだれなのか。介護保険で言えば第4段階、 つまり住民課税世帯だけが恩恵を被る。一般的な基準、あるいは低所得の方というのは、 全く恩恵を受けない。そういった意味ではバランス的にも非常におかしいのではないか。 社会保険というのは、基本的世帯単位から個人単位の方に行っているわけで、それを逆 行させてしまうという危険もあると思う。後期高齢者保険、長寿医療の方が対応が間違っ ていたと思う。その間違いを介護保険に戻してほしくはない。これは町村会や市長会とい うことではなくて、介護保険を今までやってきた人間から見て、私は当然のことだと思う。 (大森分科会長) それでは、局長からお願いする。 (宮島老健局長) 石川委員、池田委員、山本委員からそれぞれ御意見をいただいた。私どもこれは介護保 険料の徴収、並びに介護保険は市町村にお願いしているという立場であるから、市町村が 反対するというものを強行するようなことはとてもできない。 年金天引き問題と言われているが、これは長寿医療制度の方で大きな反発を受け、口座 振替の選択制を導入した。しからば、介護はどうなのかということで、国会などでも取り 上げられたが、私どもは先ほど御指摘のあった税の方の社会保険料の控除の問題もあると いうことで、国会の方では市長会、町村会関係者とよく協議しながら考えていきたいと答 弁をしているというのが今の段階である。 したがって、先ほど石川市長が懸念されていたように、口座振替の選択制を来年4月か ら実施することは考えていない。こういう御意見をいただいたということなので、今後と も引き続き、この対策についてやる、やらないを決めているということではなく、市長会、 町村会の方と協議の場を持たせていただければと思っている。 (大森分科会長) 私どもの分科会としては、これは直接の審議をして決定すべき事案ではないが、一方で 報酬を検討するときに、保険者の皆さんが御苦労されながら財源を確保している。したが って、無関心ではいられないので、今、局長から御発言があったように、この問題につい ては、慎重の上にも慎重に検討していただくということで、この問題については以上とさ せていただく。 話を審議報告に戻したいと思う。 (三上委員) 先ほど中田委員のおっしゃった件について申し上げる。 全体としては、13ページにある今後の方向性について今までの意見を取り上げていただ いたことに感謝をし、評価をさせていただきたいと思う その上で問題点を指摘させていただくが、1ページ目の一番下の段落の「給与等の処遇 情報についての公表の問題であるが、この問題についてはもともとの発想が、今回の改定 が介護従事者の賃金・給与などの処遇改善等に結び付いたかどうかをきちんと検証すると いうことが目標であり、これは事後検証で十分ではないか。個々の事業所の給与等の条件 というのが、それを公表するということを目標にしてはならないと私は考える。 その理由を申し上げるが、1つは、個人情報の問題とプライバシー保護に関する問題で ある。個人情報保護法において、この個人情報取扱事業者が同意を得ずに個人が特定され る可能性のある形で情報が公表する場合には個人情報保護法違反となる。非常に小規模の 事業所の場合には、事業所全体として公表した場合でも、個人の情報として特定される可 能性が十分に考えられるので、そういうことは考えるべきだと思う。また、個人情報取扱 い事業者でなくても、同意をせずに同じように個人が特定される可能性があるという形で 情報を公開されると、プライバシーの観点から民事上の責任を問われる可能性がある。 介護従事者と経営者の自主的協議に委ねるべき雇用関係、雇用契約の内容について、国 の方が過度に影響を与えないように、これは注意をすべきではないかと思う。 前々回のときに田中滋委員の方からも資料が提出され、この問題については、公表すべ き問題ではない、そういう事項ではないのではないかというのが出ていた。国家公務員に ついては、情報公開法に基づいて個人の給与等は非開示となっているが、ただし、俸給表 が公開されているので、推定はできる。地方公務員も同じようなものだが、条例によって、 地方公務員は給与等、あるいは勤務条件等を公表することができるとなっているが、私は 民間の他の産業、企業等について、こういったものを国が推し進める、推進するというこ とは、聞いたことがないが、そういう事例があったら是非教えていただきたいと思う。 法令的には非常に難しく、もし、これを無理に実施すると、大変な問題になるのではな いかと思う。 是非それについてお答えいただきたいと思う。 (大森分科会長) 今の御指摘は重要である。三上さんの御意見は、今日提示している1ページの下の4行、 これに即しての御主張だろうか。この案文はこれでよろしいか。 (三上委員) 先ほど中田委員が言われたように、これは本来不要である。事後検証をきっちりとやる という文言でいいのではないか。個々の事業所が給与等の処遇条件を公表すべきである。 それが望ましい、あるいは国がそれを支援するということを書けば非常に大きな問題にな るのではないかということで削っていただいたらと思う。 (田中(滋)委員) 前々回提出させていただいたメモに書いたように、上位目標はあくまでも従事者の処遇 が改善されることである。情報公表はそのための手段として考えられるものの1つである。 手段が上位目標を損ねることがあってはかえって損である。 労使の自主的な契約とか、経営者の責任に属する意思決定に悪影響を与えてはいけない と思う。 自主的にせよ、事業者団体等が情報公表をする。これは自主的であるから止めようがな いが、なさる場合にも、賃金、給与に偏り過ぎるようなことがあると、例えばキァリアア ップや資格の取得とかのための教育研修機会を支援したり、そのための費用負担を支援し たり、あるいは出産や育児などに関わる勤務携帯の支援をする熱心な事業者よりも、見か け上の賃金・給与のみ高い事業者の方がよいと誤解を与える恐れもある。逆に経営者とし ての自分の責任で人事労務戦略上介護保険事業以外のお金を使ってでも、介護従事者の賃 金を上げたいと考えられる方もいてすばらしいと思うが、そういう方の経営判断を束縛し かねない等々の問題があるので、もし、自主的に情報公表を行うにしても、そこはあくま でも処遇改善ととらえるべきであり、賃金・給与問題にしてはいけないと考える。 勿論、組織の中で働く人が、組織の経営者に処遇に関する情報を求めることは当然の権 利であり、連合を初め労働団体は是非そういう活動は支援していただきたいと思う。私は 文章を変えろとまでは思わないが、そういう理解の下にこういう話を私たちは共有すべき だと思う。 (大森分科会長) この問題はもうしばらくこのまま御意見を伺いたい。 (川合委員) この件に関して、3人の委員から御意見を賜ったが、私はそのとおりだと思う。全老健 としては、団体としていろいろ今まで賃金の動向を公表してきた。しかし、それを各事業 所が自主的という文言があったと言え、公表が義務づけられるというのは、これは別件で はあるが、介護サービス情報公開とリンクして、我々事業所にとっては実地指導があり、 ピュアレビューがあり、第三者機能評価があり、介護サービス情報公開があり、給与を公 開しろということは、事務作業がそれでなくとも煩雑であるのに、さらに作業量が増える となると、個々の事業所は耐えられない。 本当にこういうことを真剣に保険者は考えられているのか。団体だけの公表でいいので はないか。各事業所の公開が本当に必要なのか。今、田中委員がおっしゃったように、見 掛けに走ってしまう。人間性悪説は取りたくはないが、そういうものになってしまう恐れ が多分にあると思う。 今、田中委員がおっしゃったが、給与等はというところを、また、処遇等にして2行目 の介護従事者の処遇並びに給与等はと入れ替え、重複された方が、私は束縛が薄くなるよ うな気がする。 (大森分科会長) 先ほど三上さんが13ページの、厚生労働省の方で検証するということが書かれているの で、こことの関係で言うと、1つの考え方は、国の方でもちゃんと処遇改善につながって いるかどうか検証すると言っているから、これを表に出した上で若干の修文をして、収め るというやり方を取ると、今回は必ずどこかで結び付いているのだろうと普通の人たちは そう考えているから、国の方もきちんと検証する。その上でできれば事業者の皆さん方に ついても、努力を期待するという程度のことならば、そのようにさせていただくと落ち着 くのではないかと思う。 振興課長、今のところはいかがか。 (土生振興課長) 内容自体はこの審議会で御議論いただくことだと思う。そういう線でおとまめいただけ ればと思う。 (大森分科会長) 国が当然やるべきことだが。 (土生振興課長) 今申し上げたのは、事後的検証の方は実は1ページ、今問題になっている2行上である が、全体的に処遇改善支援策の1つとして、介護報酬改定の影響の事後的検証ということ は、既に芽出しをした上で最後のところにもう一度入念的に書いているということである ので、今、分科会長から御指摘があったが、この辺をもう少し丁寧にふくらませた上で、 その次の文章をどのようにするのかという整理だろうと思う。 (大森分科会長) 今回の争点の1つなので、一応の議論をしてまいりたいと思う。 (堀田専門委員) 今までの皆さんの御意見に概ね私も賛成である。今の大森分科会長の御意見と関連して、 1ページの一番下の段落の2行目、介護従事者の処遇などに関する情報の公表についてと いうところを、介護従事者の処遇改善に向けた取組みに関する情報の公表についてという 形にすれば、より上との整合性もとれるのではないか。 「処遇などに関する情報」とすると、先ほども、それから前々回も田中委員が資料を出 されたように、実際、処遇は賃金だけで表すことはできず、「処遇改善に向けた取組みに 関する情報」とすれば、そこには経営者の事業の組合わせに関する努力、雇用管理のさま ざまな努力といった多様かつ自由な取組みが含まれ得るという理解がされやすいのではな いかと思う。 (大森分科会長) なるほど。三上さん、どうぞ。 (三上委員) 非常に結構だと思う。 (大森分科会長) そのようにさせていただく。この4行については、恐縮だが、今の御意見を事務方の方 で今のようなことで仮に直すとすると、どういう文章になるか、ちょっと考えていただけ ないか。そして、ほかの議論が済んだ後でこの文章をどうするか、別途御相談して最提示 するので、この問題はそのようにさせていただく。 では、それ以外にどうぞ。勝田さん、どうぞ。 (勝田委員) 認知症の人と家族の会では、今回の介護保険改正に当たり、会員の声を集めて、私たち の期待する介護保険にまとめて皆さんにお示ししたところである。 また、全国の関係部署にも広く届けた。全国の認知症の本人や介護家族の思いを改めて お示しし、今回の改定に盛り込まれるよう期待するものである。 前回、報告のあった要介護認定、これは座長がこの給付分科会の検討内容ではないとお っしゃったが、これは介護保険サービスの基本的な部分であり、どうしても一言申し上げ たい。 この要介護認定によって区分がされ、それによって受けられる介護サービスの量が決ま るから、モデル事業の結果、特に2次判定だが、現行より軽度に認定されるのが平均で2 割に上る。要支援2では3割を超え、要介護2でも27.5%が軽度に認定されている。 全体として、認知症に関わる全体像がわかりにくくなり、特記事項も書きづらくなった との指摘もある。この点について、利用者にわかりやすく今後説明をいただきたい。 それでは、今回の審議報告について入るが、3ページの2番目新たなサービスの検証と いうところだが、従来、論議なされなかった介護保険が導入されたときに、拘束は原則行 わないということが確認された。ところが昨今、施設内での虐待や拘束が増加していると の報告がある。 前回改定で身体拘束は廃止、未実施減算が新設されましたが、その状況はどうなってい るのでしょうか。 身体拘束が認められる三要件もあるが、その場合の記録などはどのように検証されてい るのか。 京都府の調査では、330 施設のうち、拘束が160 施設でされ、その理由は人員の不足が 6割となっている。人手不足での懸念などがあるが、この点について、どのようにお考え か、この中にどう盛り込んでいくのかお示しいただきたい。次に4ページの2、今回常勤 換算に「加算」がされるということだが、介護保険での常勤換算という言葉が当たり前の ように使われている。また、この常勤の中には、多くの非正社員が含まれている。今回参 考資料2に出していただいたが、非正社員は全体の1割程度となっているが、常勤の中の 非正社員の割合は訪問介護では76%、通所介護では60%、訪問看護では46%、認知症対 応共同生活介護では48%となっている。 今度、常勤換算の高いところに加配するといった場合に、この常勤というのは、正職の みを意味するのか、そこについてどのように考えておられるのか。 従来、職員の希望は正社員化であり、定着率を高めたり、介護の質を高めるためにもそ のことが必要である。 次に、11ページからの認知症に関することである。 毎回述べさせていただいているが、特に認知症の初期、軽度に対するサービスの在り方 についてである。 今回は中・重度に重きを置くということだが、何回も言うが、認知症については、軽度 のときこそしっかり対応することで、重度化が防げる。また、介護家族への支援の強化で ある。初期には介護家族も本人も混乱する。この時期に専門職などがしっかり関わること で、家族も安定する。そのことによって、重度化を防げる。そのためにはケアマネジャー などの相談にもきちんと評価すべきではないか。 また、在宅介護にとって大切なヘルパー派遣についてである。同居家族がいる場合は可 と示しているが、私どもとしては、それ以外にも例えば認知症の本人が一般の入院時にヘ ルパーの付き添いも可となるようなことも是非勘案していただきたい。 前回も申したが、介護報酬が3%アップする。当然給付限度額も3%アップすべきだ。 私たちは頑張って在宅介護を継続したい。そのためには介護サービスを上手に利用しな がら在宅で頑張っていきたい。特に重度に関しては、従来のサービスを減らすということ はとてもできない。そのためにも、限度額を超えた部分については、段階的な費用負担に ついても配慮していただきたい。 今回、「若年加算」など、いろいろなところでの加算が設けられた。認知症についての 受入が広がることについては私ども歓迎している。それらがすべてサービスの利用料には ね返らないような措置も必要ではないか。特に低所得者対策については、きめ細かくやっ ていただきたい。 特に軽度の方々についてのサービス抑制がされないよう、低い介護報酬にならないよう に配慮していただきたい。 現在、社会保障費の2,200 億円の削減についていろいろ取りざたされているが、これに ついては、削減は無理だと思う。今後の方向としては、是非介護保険の公費負担の割合を 5対5ではなく、引き挙げていただくように、次回改定に向けて検討いただきたい。 最後になるが、私どもとしては、療養型病床群の特に介護病棟が3年後に廃止するとい うことについては、本当に不安が大きい。転換が進まない現状の中で、本当に3年後にゼ ロにするのか、廃止することについて懸念を表する。 座長がおっしゃるように、頑張って年内の諮問・答申だが、その後の告示や解釈通知な ど、関係者への日程についてもお示しいただきたい。 また、告示・通知は、厚生労働省のホームページなどにアップして、利用者にもわかり やすくしていただきたい。 (大森分科会長) 将来に向かっての御発言があったが、お答えできることを回答願う。 (鈴木老人保健課長) 事実関係が幾つかあった。1つは、常勤換算について、正職員と非常勤という話があっ たが、これは非常勤も含めて常勤換算ということである。常勤の方の加算であるが、非正 社員も含めてということなので、御懸念は手当をされると思う。 それから、日程の方はまた26日に向けても御説明をしたいと思うが、日程の事務的手続 があるので、次回、新旧の省令告示案をお示しするということになると思うが、いつごろ 具体的に手続も含めて官報に告示できるのか、それから、今回の指針もなるべく早く通知 を含めて利用者の方にも開示をしたいと思っている。 (大森分科会長) では、斎藤委員、どうぞ。 (斎藤委員) 私も関連のことで1点だけ確認をさせていただきたい。 利用者の中には利用限度額を超えて利用して、自己負担をしておられる方が相当数いら っしゃるが、今回の報酬改定をアップするということは、その利用に影響が出てくるとい う問題が、審議会の中でも何人かの委員の方からお話があった。 今回は介護報酬に関わる審議であるから、その結果の話はここに盛り込まれるかどうか わからないが、影響はそういうことで出てくるので、当然それは利用限度額かその部分が 底上げをされてしかるべきものだと考えているし、そうあってほしい。そうでなければ、 利用抑制が今以上に進むということがあってはならないので、この点は非常に大事なポイ ントであるから、是非、その趣旨でお進めいただきますようにお願い申し上げたい。 (大森分科会長) 今の点は相当重要な御発言である。 (鈴木老人保健課長) 利用区分支給限度額について勝田委員、斎藤委員からも御質問があった。ここの額につ いては、かなり根源的な課題を幾つか含んでいるので、我々としも課題としては認識して いるところであるが、例えば介護報酬改定アップであれば上げて、ダウンのときは下げる のかというと、なかなか利用者の方々の御理解の観点からも、そのたびごとに上下をする というのは難しい側面があるのではと思う。 今、斎藤委員がおっしゃった実際に100 %に達していて、利用制限につながる場合があ るのではないかということで、確かに今分布を拝見すると上限に近い、もしくは上限に達 しておられる方もいるが、平均的に申し上げると、6割、もしくはそれ以下の利用率とい うことであるので、大半の方については現在の区分支給限度枠でほぼ収まっているという ことだと思う。 だから、それで全く何もしないということではないので、これからやはりこの件だけで はなくて、勝田委員もおっしゃったような根源的な課題、これは幾つか介護報酬だけでは なくて、介護保険制度そのものについてもあるので、これは後ろの方で全体制度について の在り方についての検討ということで、個別には書いていないが、それは我々の方として も利用者の方、事業者の方、保険者の方、さまざまの方の御意見をいただいているので、 それを次回、報酬改定なり制度改正に向けてきちんと検討していきたいと思う。 (斎藤委員) 今の御発言、趣旨はよくわかるが、実は始まるとすぐその影響が出てくるということに なるので、時間的な猶予は余りないと私は思っている。その辺をいつもアップだダウンだ ということは、報酬の改定のたびごとにあるわけだから、これはいつもセットで考えてい くべきものだと思う。是非、今回はそういう意味では時間は余りかけずにその結論を得る ことができますようにお願い申し上げたい。 (大森分科会長) それでは、沖藤さんどうぞ。 (沖藤委員) 3点ばかり申し上げたいと思う。 まず、最初に審議報告の取りまとめをいただき、その1ページ、なお書きの部分で、先 ほど中田委員からも賃金が一律に引き上げられるものではないということも書かれたとい うことを評価するという御意見もあったと思うし、なお、多くの人たちが一律に引き上が るものではないと思っていたと思う。しかしながら、300 万人近い署名があって、たくさ んのシンポジウムやさまざまな会合が開かれて、何とか来年度からは自分たちの処遇、特 に賃金がよくなるだろうという期待を持って働いている人が今たくさんいる。その期待が 報わなければ来年の4月以降黙って辞めていく人たちが増えて、辞職に歯止めはかからな いのではないかということを私は大変危惧している。 そういうわけで、更に介護保険への信頼が崩れてきているなという危機感を持っている ので、今、介護保険への信頼を、特に働く人たちへの処遇というところで取り戻しておか なければ、あとこの先10年後等々の人材確保というのは、本当に可能なんだろうかという ことを危機感として思う。 だから、このなお書きの最後のところで「処遇改善にできるだけ結び付けていく」とい う、この「できるだけ」という言葉の危うさ、これは事務方の人によりまして、こういう 文言でしか書きようがないということではあったが、もう一歩働く人に希望が持てるよう な文言というのは考えられないものか。私から言えば必ず結び付けていくと言いたいけれ ども、これは難しくて言えないのであるならば、もう少し希望が持てるような文言が欲し いと思う。 2番目に、今ほど斎藤委員がおっしゃられた利用限度額に関しまして、これまた多くの 人が危機感を持っており、介護報酬が全体に上がっていけば、全体の利用量が減るという 天井ありのサービスシステムなのか、天井を超えてしまった人たちが自己負担していくこ との大変さというのは多く語られていることである。 時間がかかるということであるならば、暫定的に例えば超した分の、例えば1万円のう ち1,000 円超したら、1,000 円かまるまる今は自己負担になっているけれども、それを暫 定的に1割とか2割とかの、何らかの救済策というものは考えられないのだろうかいうこ とを2番目に思う。 それから、3番目であるが、サービス提供責任者の問題、これはこの分科会でも大変賛 否両論があり、そのことを私なりに理解しているつもりだが、先ほどサービス提供事業者 の調査があった。大きな円グラフが3つあった。それ事業者の意見である。この分科会の 中にホームヘルパーの職業団体の代表が出ていない。 またヒアリングがいろいろ行われたが、実際に働いている訪問介護員の生の声をこの分 科会で聞くということは一度もなかった。 それは3つの円グラフに匹敵するような、非常勤で働いている訪問介護員の人たちの調 査が行われたのかどうか。行われたのであるならば、是非その結果をお伺いしたいと思う。 今、さまざまな非常勤問題が社会問題になっている。そういう中でこの介護保険は本当 に訪問介護が制度の根幹を成すものなのに、先ほどの勝田委員の話にもあったように、76 %が非正規で、しかも、全体、私も意見書に出したように、54%の人が50代、60代であ る。20代、30代の人は2割にも満たない。今後男性の独り暮らしとかが増えていく中で、 男性介護職員がもっともっと必要だと言っているときに、非常勤を当たり前とするような 政策でいいのだろうかということを疑問に思う。それは男女ともに若い人たちが常勤で働 くということに希望が持てる職場づくり、制度づくりをしていく必要が、今、この時点に あるのではないかと思う。 そういうことも含めて、私はサービス提供責任者に、一部非常勤を導入するという今回 の提案を危機感を持って受け止めている。 ホームヘルパー協会などの意見書を見ると、いつもいるということが、サービス提供責 任者の非常に重要な部分なのに、非常勤の方であるならば、いないとも多い。そのことに よって常勤のサービス提供責任者の方にしわ寄せがいく。そのことによって、職場の中の 人間的な役割葛藤か起こっていくというようなことで、事業者の中の人間関係の、葛藤と まではいかないにしても、悪影響があり、それが結局利用者にはね返ってくるのではない か。 利用者にしてみれば、サービス提供責任者への信頼が揺らぐ。そういうことを思うと、 やはりここは踏ん張って常勤でやっていくということ。今までどおりを通すということが 大事な制度の組み立て方なのではないかと思うので、その3点を申し上げたいと思う。 (大森分科会長) 第1点目だが、御指摘の「できるだけ」というのは、もっと希望が持てる表現はないか という御提案だが、必ずと言われるこれは困る。むしろ、できるだけがない方がいいので はないか。「改善に結び付けることが重要である」方がいいのではないか。ここは事務方 いかがか。 (鈴木老人保健課長) 文章的にも「できるだけ」はない方がいい。 確認だが、議事録には沖藤委員がおっしゃった希望が持てるようにしっかりすべきだと いうことが残るので、そういうことで御了解いただければと思う。 (大森分科会長) 「できるだけ」というのは両方に読める。可能な限りぎりぎりやれというものと、でき るだけやったと両方解釈できるので、「できるだけ」というのはやめて、これはどなたも 御反対ではないから、「できるだけ」があると、沖藤さんのような不安が起こるので、こ こは取ってもそんなに問題はないのではないかと私はとっさに判断する。取る方向で沖藤 さんの最初の問題提起は解決したいが、よろしいか。 (沖藤委員) はい。 (大森分科会長) 支給限度額については、先ほど課長さんからお話があったように、相当程度いろんなこ とを勘案しないと、直ちに来年からというわけにいかないので、今回は重要な問題提起で あるから、受け止めさせていただいて、できるだけ全体の中で検討に入るということでは ないかと思っているが、第3点目はいかがか。 (土生振興課長) 実際に働いている方の声ということで、私ども例えば介護労働安定センターの調査であ るとか、前回も堀田先生の御研究などを活用させていただきながら、登録型ヘルパーさん がどういう希望を持っておられるかということを前回紹介させていただき、先生おっしゃ るような方もいらっしゃるということではあるが、ただ、一方で今の働き方のままで、キ ャリアアップをしたいという声も結構私どももお伺いしているところであり、そうした両 方の声をいかにバランスしていくか、非常に難しい判断かと思うが、私どもとしては、今 の先生の御主張を踏まえ、常勤のみを、あくまで基本としながら、一定程度弾力化を図る ということで今回案の2ということもお示しさせていただいているので、その点を含めま して、更に御意見を賜れればと思う次第である。 (大森分科会長) 今の話は沖藤さん、何かあるか。 (沖藤委員) 第2点目、利用限度額をオーバーした分についての処理というのはいかがか。これも皆 さん大変危惧している部分である。 (鈴木老人保健課長) 先ほど大森分科会長からおっしゃっていただいたように、ここの部分の課題意識として は、先ほど勝田委員からも斎藤委員からもおっしゃっていただいて、我々としても重々重 く受け止めている。 ただ、今、沖藤委員が御提案いただいたような部分のだけ、例えば負担割合を替えると かいうことになると、それは制度の仕組み自体を変更しなければいけないということにな るから、そこはそもそも区分限度額をどう考えるのか、どの部分を介護保険として充当す べきなのかという議論に全部波及してきてしまうので、今すぐこの場で結論を出すという ことはなかなか難しいということだが、斎藤委員がおっしゃったように、時期を早くして、 検討させていただきたいと思う。 (大森分科会長) サービス提供責任者のことは、今日皆さん方の合意が得られないと困るので、この点に ついて集中的に検討をお願いする。 (小島委員) 前回私の質問で、実際に常勤者が配置できない場合にサービス提供が困難になっている ケースを示すようなデータがないかということで急遽アンケート調査をしていただき、感 謝する。 数的にはこれで全体を判断できるかどうかというのは、評価が分かれるところであるが、 一定の傾向は読み取れるのではないかと思っている。 私もこれまでサービス提供責任者については、常勤であるべきだという主張を何度か繰 り返しているが、現場からの声も、常勤が基本ということである。それとこれまで常勤化 について頑張ってきたんだということで、もしこれを緩めるとなれば、これまで頑張って きた努力が報われないという声も現場の方からは強く出されているところである。 今回、そういう意味では前回の議論も踏まえて、第二段という形で出されてきている常 勤加算については、原則一人分のみということで、限定的な形だと考えたいが、もし、今 回の第二段で、どうしてもこれで進めるということであるとすれば、常勤を配置している 事業所については、それなりのインセンティブ、評価をすべきではないか。そういうこと を考えた上で判断すべきではないかと思う。 例えば特定事業所加算については、サービス提供責任者が全員常勤で入ったところにつ いては、そこを評価するといったようなことも含めて、ここは判断すべきことではないか と思う。 それと、もし仮に常勤換算でもいいということを認めた場合には、懸念として2つほど ある。 これは常勤加算になると、極端な話、1日8時間とすれば、1時間交替で8人というよ うなこま切れの配置については問題が多いだろう。 そうすると、やはり常勤のサービス提供責任者の方により負担が、しわ寄せが来るとい うことになり、あるいは場合によっては名義貸しといったようなことにもつながり兼ねな いという懸念があるので、常勤換算でもいいということを認めたとすれば、こま切れ配置 については一定の歯止めというのは絶対必要だろうと思う。 そういう歯止め、あるいは全員常勤で配置しているようなところについては、それなり の評価をするということも併せて検討すべきだろうと思う。 (大森分科会長) 今の御意見は5ページの文章に関わるが、常勤職員を基本としつつ、非常勤職員の登用 を一定程度可能とする方向で見直すという言い方について、振興課長さん、何かあるか。 (土生振興課長) 今、小島委員から2点御指摘を賜り、仮に案の2ということであれば、特定事業所加算 の中で常勤者を評価するという御提案をいただいたので、この点についても、まずしっか りと検討させていただきたいと思う。 それから、こま切れにならないように歯止めが必要だと、確かにそうした御懸念はある のだろうと思っている。その辺、事業者さんの良識にお任せするというやり方もあるし、 国で一定の目安を示すということもあるかと思うので、その点についても、前向きに検討 させていただきたいと思う。 (大森分科会長) 前回御議論があり、案1から案2を考えている。案2は相当程度いろんなことを考えつ つ、基本は常勤職でいきたいということが前提になっているが、先ほど振興課長さんがお っしゃったように、非常勤の人の中にも、非常勤を長く続けていて、いろんな意味で能力 のある人たちがおいでになるので、そんなことも考えつつ、この案2というのが提示され、 できれば方向としては案2の方向で今回はまとめるということで皆さん方の合意が得られ ればそれでいきたいと思うが、いかがか。 (稲葉委員) 意見を言わせていただきたいと思う。 サービス提供責任者の非常勤化については、これは非常勤化をすることが目的ではなく て、あくまでも処遇を改善するために、事業者の収支を改善する。そのために必要な介護 報酬の増額と合わせてという目的で行われるものである。 だから、結果、常勤が非常勤になることを危惧する声もあるが、介護職員の賃金を上げ るためにこれは行われるのであるということは共通認識としてお持ちいただきたいと思う。 それから、質に対する御心配についてだが、今回出されました資料1の見直しの2ペー ジ、真ん中の○である。人員確保のためにサービス提供責任者としての適合性にかかわら ず資格要件を満たす者をサービス提供責任者としたことがあると回答した方が約4割もい らっしゃる。これは事業者がやむを得ず資格はあるけれども、常勤という条件の中に非常 勤の優秀な人がいても、常勤の人を充てざるを得なかったというところがある。これは資 格そのものと、事業者が評価をする介護従事者に対する評価基準とのギャップというもの を表していると思うが、非常勤の優秀な方をサービス提供責任者に就かせることができな くしているという、惜しいことにもなっていると思う。 それから、いつもいるサービス提供責任者というお話については、常勤換算して同じで あれば、いつもいるかどうかということのレベルダウンは考えにくい。例えばサービス提 供責任者が常勤であっても、週に1日か2日は必ず休みをする。だから、非常勤が2人の 場合だと、もしかしたら休みをつくらずに、1週間必ずだれかが配置されることも可能か もしれない。緊急事態の対応についても同じようなということが言えると思う。 それから、この介護保険制度上、既にサービス提供責任者は訪問介護員との兼任が認め られている。実際にほとんどのサービス提供責任者は訪問介護業務を行っている。訪問介 護員として働いている。サービス提供責任者の専門業務を行っている時間は、常勤時間の 一部でしかもはやない。 それが、今回非常勤になるということで大幅な緩和というふうにも思いにくいというこ と、これは今後人の評価に対する指標の研究がされるということだが、そういったものが 普及してくると、本当にこれで質が低下するのかと言えなくもなるのではないかと思うが、 いずれにしても、案の2のようだと、基準緩和による事業の効率化という効果が非常に薄 れてしまうと思うので、私としては、ある程度の非常勤の比率を持った案1のようなもの を提案していきたいと思う。 (大森分科会長) 私も稲葉さんのような御意見があって、いろいろ考えた上で、案1でいかれるかどうか。 先ほどのような御意見も相当数あるので、今回は案2で1回動いてみて、どうなるか。本 当に現場はどういう動かれて、どうなるだろうということを見させていただくという意味 で言えば、案1よりも少し強めだが、案2の方が、もし、稲葉さんのような方々、現場を お持ちの方々がやむを得ないと御判断いただくならば、案2で今回はしてみたらどうかと 思う。 (武久委員) ちょっと教えていただきたいが、常勤職員と非常勤職員と、正規社員と非正規社員とい うことは、先ほどから出ているが、常勤職員の定義は何かということ。 例えば4日以上出ていれば常勤だという話もあるし、5日以上出るのか。それとも、日 本看護協会がおっしゃっているように、産後の後で出てきたときに、例えば6時間の場合、 それは常勤だと思うが、短時間だからパートいう言い方をしたり、正規職員と非正規職員 というのは、例えばボーナスが出るのが正規職員で、そうでないのが非正規だとか、その 辺のところは厚生労働省の言葉を一回整理していただかないと、私、現場でやっていても、 どういうふうに換算していったらいいのかということで、皆さん方迷うと思うが、そこを お願いしたい。 (鈴木老人保健課長) 先ほど説明したが、少し舌足らずだったかもしれないので、もう一度ゆっくり説明した いと思う。 常勤・非常勤、これは週の勤務時間に決まっている。例えば特別養護老人ホームの場合 には、32時間ということが常勤の定義として決まっているので、それを満たしている方は 常勤、それ以外の方は非常勤である。 正社員、非正規社員というのはそれは全く別の概念であり、短時間で正社員という方も いるるし、長時間で非正規社員という方もいる。つまり、常勤で非正規社員という方もい る。 つまり、常勤・非常勤というのは、あくまで勤務時間の問題であり、正社員・非正規社 員というのは処遇上、例えば社会保障のカバーとかがきちんと適用されているかどうかと いうことが正社員・非正規社員の区別である。恐らくマス目は2×2のテーブルに分かれ るということである。 (武久委員) 正社員というのは、健康保険とか失業保険に入っていて、ボーナスが出れば正社員なの か。 (鈴木老人保健課長) ボーナスが出るかどうかはまた別の問題だと思うが、そういう社会保障給付がきちっと されているということである。 (大森分科会長) 今回は常勤・非常勤の区別はここを検討している。決めましょう。堀田さん、このこと について何かあるか。 (堀田専門委員) 正社員・非正社員というのは実は定義はなく、主に今は雇用契約期間に定めがない者を 正社員、定めがある者を非正社員と呼ぶ場合が多いが、何が典型か非典型かというのは時 代によって変わっていくもので、正社員・非正社員と呼ばれる者の姿も変わりうるところ である。勿論、ボーナスが出るか出ないかといった基準ではないということをまず付け加 えさせていただきたい。 サービス提供責任者に関しては、これまでの議論をずっとお聞きしていると、案1でや るには、恐らく時期が早いのではないかという印象を持っている。私自身はもともとは非 常勤か常勤かにはかかわらずということで案1で賛成していたが、案2でまず様子を見る のが妥当ではないか。 審議報告(案)の5ページに書かれている皆さんの非常勤に対する懸念というのは、質 が担保されるかという観点だと理解しているが、質を決めるのは必ずしも常勤か非常勤か ということではないと思う。いつも事業所にいるというお話もあったが、サービス提供責 任者は現在でも訪問に出ている。モニタリングにも行っている。ケアマネさんや他の事業 所との連携もはかっている。事業所にいない時間帯も非常に長い。 事業所にいるかいないか、常勤か非常勤か、という問題ではなく、業務の具体化、標準 化、能力開発の充実、事業所としての情報共有をはかり、事業所として利用者の安心をど う確保できるか。サービス提供責任者の質をどう維持・向上させていくか。業界団体が中 心になって、あるいは国もそれを推進して、よりサービス提供責任者が働きやすいような 環境整備に取り組みながら、案2の妥当性を、これから次の数年間で評価していけばよい のではないか。 少なくとも、これによって働く時間の長さは変えずに仕事内容は高度化させたいと考え ている方々のキァリアの可能性を拓き、仕事と家庭の両立がはかられやすくなるのは確か なことだと思う。 以上である。 (大森分科会長) 稲葉さん、個別に何か私から折衝する話ではないが、今回は今のような、皆さん方非常 に原則論でやれという説と、稲葉さんのような現場からのお声もあって、ぎりぎりのとこ ろ、今回は2で収めさせていただいたらどうかと私は思うが、いかがか。 (稲葉委員) 私のこの発言がすごく責任重大なように思うが、処遇改善を、果たして訪問介護ができ るのか。特定事業所加算というものが今回も当てにはされていると思うが、この取得率が どれだけかによっては、本当に訪問介護事業所の処遇改善を実現できるか、従事者の処遇 が改善されない恐れもあるなと思って私は主張してきた。 だが、この委員会の中でそういう御意見ならやむを得ないと思うが、今、堀田専門委員 からのお話もあったように、案2を採用するとしても、様子を見て、今後非常勤の案1も、 質に対する評価の研究と合わせながら、採用していただけたらと思っている。 以上である。 (大森分科会長) 山本さん、どうぞ。 (山本委員) 厚生労働省の方に申し上げるが、資料を早く私どもにいただけないか。皆さんが言って いるのは、よほど頭のいい人ばかりだろう。私は今日見るから、ああいうようなことは言 えないので、資料をできれば送っていただくようにお願いしたい。 それから、もう一つだが、私ども町村会はみんなで協議した。保険料の値上げについて は絶対反対である。できない。だから、もし強行してやるならば、市長会の代表の方が言 ったように、それは絶縁になる。私たちは介護保険料の上昇に結びつくおそれのある大幅 な介護報酬の引上げについては賛成できないということで、文書で厚生労働省に申し入れ をしている。到底私どもは容認できない。 なぜこのようなことを言うかと言うと、今、いろいろ皆さんの御意見を聞いていると、 それらを賄うだけの財政は、それぞれの保険者にあると思われている。というのは、新聞 か何かで、保険者の方にゆとりがあると報道されていた。だから、上げる必要はないので はないか。金があるのにまた上げて、また金を残すのか。そういうことになるのではない かと。お金があるのに何で値上げするのだということになる。 3%というは大変な額である。実際はそんなに要るのかどうか、私どもの方では考えら れない。保険者の方でゆとりがあるということを報道されている以上は、恐らく厚生労働 省の方でマスコミの方に話しをしたのではないか。そこまで知っておきながら、保険料を 値上げするというのはどうかと思う。 だから、保険料の引き上げにつながる介護報酬については、絶対に賛成できないという ことを文書で申し上げているが、全然反応がない。何とかそこら辺りを考えていただきた いと私は思うが、今日ここで正式に申し上げておくが、値上げについては絶対賛成できな いので、私どもとしては、それに対してはどこまでも抵抗していく。先程の払い込みの選 択と値上げについては賛成できないので、申し上げておく。 その点を踏まえて、これから町村会に対しては対応していただきたい。 勿論、私が今日申し上げたのは、全部協議をして結論を申し上げている。だから、私一 人が考えてああだ、こうだと言っているのではない。正式な会議にかけて、皆さん方の意 見をまとめて申し上げているので、その点は念のために申し上げておくが、御了承いただ きたい。 (大森分科会長) 長時間になっているので、ここで10分ほど休憩させていただく。 私の時計で11時少し前に再開ということで、暫時休憩にしたいと思う。 (休 憩) (大森分科会長) それでは、再開をさせていただく。 先ほどちょっと議論があり、1ページの下段のところだが、これについて、何人かから ちょっとお休み時間に御意見を伺いながら、振興課長の方で案を考えているので、ゆっく り読み上げていただく。 (土生振興課長) 1ページの下の段落である。  まず、下から2段落目に全体の処遇改善支援と書いており、その後、2行目に「経営モ デルの作成・提示」があるが、先ほど事後的検証のところ、丁寧に書くということがあり、 読み上げさせていただく。 「作成・提示」の後、「更に、今回の介護報酬改定が介護従事者の処遇改善につながっ ているかという点についての事後的な検証の適切な実施など」ということで、残りの文章 につなげるというのが、下から2段落目である。 それから、最後の段落である。全文読み上げさせていただく。 「また、これに加えて給与等は事業者と介護従事者との間で決められるものであり、そ の内容については労使に委ねるべきものであるが、事業者や事業者団体が、介護従事者の 処遇改善に向けた取組に関する情報の公表については、自主的、積極的に取り組むことが 期待される。なお、事業者団体が公表の手引を作成するなどの取組を国が支援していくこ とも考えられる」。 以上である。 (大森分科会長) 最大公約数というか、皆さん方がこれでよろしければそうさせていただくという修文で ある。この問題についてはこれでよろしいか。 (「異議なし」と声あり) (大森分科会長) では、そうさせていただく。 それでは、引き続いて御意見を伺う。川合委員、どうぞ。 (川合委員) 今日、追加要望を提示させていただいた。 まず、前回11月18日に要望書を出したが、そこで漏れていたこと、それと再確認して おきたいこと、4点にまとめた。 1点は、この審議報告(案)というところに概ね取り上げられているようであるが、施 設サービス費等においては、手厚い人員配置の実態を評価することを要望する。細かい点 は読み上げない。 2番目、介護事業経営概況、実態調査の調査方法等の見直しを要望する、これも最後の (案)の13ページに○ポツで取り上げていただいているのであえて申し上げないが、ペー ジをめくっていただき、参考資料1、2、3の後ろに付けている。ちょっと細かい数字で 恐縮だが、これも細かいことは読み上げないが、9月以降は厚生労働省の数字に対する疑 義の発言は差し控えている。私、9月までは数字についての疑義をいろいろ申し上げてき たが、ポイントだけ申し上げる。 我々は同じ帳票を使って、N951 で出しているので、私は参考資料として信頼性が高い のではなかろうか、次回のときに我々の数字もあるいはそのような調査方法も参考にして いただきたい。 3番、在宅復帰、在宅生活支援機能の向上のための要望、一律に案では、外泊をひとく くりにされているが、「1)」で書いているように、老人保健施設の外泊というのは、や はりいろいろな「重要な意味を含めている外泊」ということを主張している。 それと4 番目、これは栄養摂取嚥下口腔機能向上サービス、前回、リハビリの部分に関しては、P T協会、OT協会、ST協会と協議を重ね、提出したが、今回は、栄養に関しては、栄養 士会、社会福祉栄養士協議会、それと摂食嚥下に関しては、摂食嚥下リハビリテーション 学会、3団体との共同要望である。このことに関しても、細かいことは、るる申し上げな いが、なぜ両団体が熱意を持ってこのような参考資料4、参考資料5というものを出され たか、殊に参考資料4、5に関しましては、部数的な制限があったので、参考資料4に関 しての栄養士会の研究報告に関しては、机上配布とさせていただいたが、摂食嚥下リハビ リテーション学会においても、研究報告はあるということで、ちょっと部数に限りがある ので提出させていないが、全老健としては、現場で実際に働いておられる我々の同士、仲 間、PT、OT、ST、栄養士、管理栄養士、それと非常に口腔嚥下で御指導賜っている いろいろな歯科医の方々、歯科衛生士の方々と連携を保った上で、この報告書を出させて いただいている。 先ほど、虚無感に云々かんぬんと申したが、この案は、概ね我々の主張を取り入れてい ただけたと思う。ただ、13ページの「III 今後の方向性について」の第2パラグラフの上 から2行目「介護人材の計画的養成・確保」の次である「医療と介護の連携・機能分担及 び整合性」、この点においては、やはり我々20年前の標準的な医療と、今、我々に要求さ れている多機能、多様なユーザーサイドからのニードというものには、今の制度が合致し ていないということをるる述べてきているが、その点の今後の検討、それと、最後のパラ グラフの下から4行目「したがって」からであるが、「したがって、介護報酬の在り方に ついては、利用者の視線に立った」、私、今回、財政上、あるいは決定の段階でやむを得 ないのかもわからないが、唐突な政治の「御指導」というのか「介入」というのか、これ は御判断はお任せするが、この給付費分科会の存在そのものを否定するようなこの間の経 緯はいかなるものかと私は思う。やはり順序というものがあるのではないかと思う。 そういう中で、この案ができた後、今日が12日だが、26日にいわゆる数字ができたも のを、その日、即決でやられるというようなことに関して、どうなのであろうか、我々の サービス提供側もそうだが、御利用の方々も、あるいは保険者もそれで本当に判断できる 時間的余裕があるのかないのかということに関して、今回、茶ぶ台は引っくり返さないが、 運営の方法について、やはり我々の死活に関わる問題であるから、こういう公衆の下で議 論ができるような前もっての資料の配付であるとか、そういうことは冒頭、大森分科会長 がおっしゃったように、既得権益はすぐ獲得するのだという熱意も理解は十分できるが、 その中での具体論に関しても、我々決定過程において意見を、数字的な意味での意見もお 互いに述べられ合う機会を次回改定、今回でも結構だが、加えられることを要望したいと 思う。 (大森分科会長) この審議報告の内容について御意見伺う。 (田中(雅)委員) 今回介護従事者の処遇改善について、本当に一致協力して議論していただいたことに感 謝申し上げる。 サービスの向上ということ、常に従事者の質の向上がとても大事な観点かと思っている。 そういう点を踏まえ、お聞きしたいことがある。 まず、5ページの訪問介護の段落2つ目である。今後、訪問介護については「重度者に 加えて認知症高齢者へのサービス提供を行っている事業所を評価する」ということを述べ ている。実際に認知症高齢者のサービスの提供ということになると、既に認知症ケアのこ とで、これも12ページのところに、「認知症専門ケア加算」ということで、これについて は、施設系サービスとグループホームに限定している形で書かれている。また、その研修 についても、施設系やグループホームの方々が既に国や自治体で実施されている研修に受 講されているのが実態であり、私自身が関わっている富山においても、認知症介護実践者 研修や、認知症介護実践リーダー研修等にはなかなか訪問介護事業所の方々あるいは事業 所のサービス提供責任者や訪問介護員の方々が受講する機会がほとんどない。というか、 道が閉ざされている状況にあるのは既に周知の事実かと思っている。 そういう意味において、この評価の観点だが、私は大事なことだと思っているが、認知 症高齢者に適切なケアが行えるような人材の育成ということについては、訪問介護事業所 の訪問介護についても拡大すべきではないかというふうに思っている。 併せて、国や自治体が実施する研修のみならず、その他の研修等も既に行われているか ら、そういったことについても少し検討しなければ、実はここに記載してある重度者に加 えて認知症高齢者のサービスの提供を行っている事業所の評価というのは絵に描いたもち になってしまうのではないかということが懸念される。なおかつ認知症介護に関しては、 多くの場合、在宅で生活する場合は御家族の大変な御負担というのがあるが、訪問介護の スキルがアップすることによって、かなり利用者自身が望んだところで暮らすということ が実現できるのではないかと思うので、その辺りについても是非御検討いただきたいと思 う。 9ページ「(2)夜間対応型訪問介護」については、日中におけるオペレーションサー ビスを拡大するという形に読めるが、大切なことは、利用者の24時間の安心確保に資する 仕組みということになる。そういう意味での日中に拡大というように理解できるが、ここ に書いてあるものは、オペレーターのことしか書いていない。 実は、夜間におけるそういったオペレーターを設置することによっても包括的に訪問介 護するというシステムが、日中行えるかどうかというのはさまざまな議論があることかと 思うが、大切なことは、日中におけるオペレーターセンターにおいて受付けたことがスム ーズに対応できるように、現にある訪問介護事務所とスムーズな連携等をきちんと考えて いかなければ、どのようにオペレーターセンターができたとしても、利用者のところにサ ービスが届かないといったことも懸念されるので、その辺りについても、仕組みというこ とについて是非御検討いただければと思う。 もう一点、訪問介護の方に話を戻らせていただく。5ページだが、これはここ書いてい ないが、先ほどの資料1の中で、サービス提供責任者としての適合性にかかわらず資格要 件を満たす者として、事業所が任命したということで、適合性がないにもかかわらず苦汁 の選択で事務所側がサービス提供責任者を選択せざるを得なかったというようにこのデー タを語っているわけだが、今後是非、今回のこの議論とは少し趣旨が違うと思うが、サー ビス提供責任者の質の確保についても検討するべきである。現在、介護福祉士という資格、 あるいは1級訪問介護員、あるいは3年以上実務についた2級訪問介護員の方々などに対 する要件についても、サービス提供責任者の職責を担うことができる人材ということにつ いて、在宅訪問介護の実績を積んだ方々ということも考えなければ、利用者の方々の在宅 の生活をマネージメントする大変な重要な役割になっているわけであるから、そういった 方々についての養成の在り方、あるいは人の在り方についてもう一度見直すことも今後課 題ではないかと思う。 以上である。 (大森分科会長) 木村委員、どうぞ。 (木村委員) 前回指摘させていただいたところ、それからお願いしたところを入れていただき感謝申 し上げる。 今日は2つある。1つ目は、前から時間がなくて、お願いしていたことで、どういう検 討がされているかということをひとつ伺いたいことがある。それは、地域密着型サービス というものが、市町村介護保険事業計画で、来年から3年しっかり配備されていくという ことが非常に大事なので、小規模多機能型の利用者が増えない、そして増やすため、また、 利用者が利用しやすくするための検討が事務局内部でどういう検討がされ、どういうふう な具体的な方向に持っていこうとするのかをお聞かせ願いたいことが1つ。 それから、今日のまとめのところで13ページのところであるが、「今後の方向性につい て」は、本当によくまとまっていると思う。そこで提案が1つある。最後のパラグラフの 「さらに」のところで、2行目のところに次の言葉を入れてもらえないかなと思う。 「多職種協働のケアマネジメントを更に進めるために」ということである。どこに入れ るかというと、「環境条件を一層整備して、多職種協働のケアマネジメントを更に進める ため、介護保険によるサービスに加えて」云々である。ケアマネージメントということを やはり今もきちっとやらなければいけないが、更に、このようないろいろなサービスを組 も合わせていくということを文章に入れていくべきではないかなと思うので、提案させて いただく。 以上2つである。 (大森分科会長) 今のことは、多分、そこの体制づくりのところに入るのだと思うが、ここは要するに、 市町村の現場でいろいろな、あるいは医療との関係もあり、全体とすると地域のレベルと いうか市町村のレベルで取り組んでいただかないと全体がうまく活性しないという趣旨だ と思う。 だから、今の御発言で言うと、この体制づくりの中に今のことも入っていると読むとい うことか。 (木村委員) 体制づくりの、サービスをうまくつないでいくという意味で「ケアマネジメント」とい う言葉をここに入れていただけないかなという意味である。 (大森分科会長) そこは事務局で考えて、入れ始めるとどんどん入れなければいけないので、入れなくて も読めるのであったら入れない。 (鈴木老人保健課長) なかなかお答えしづらいが、木村委員がおっしゃったように、「ケアマネジメントと他 職種との協働の大切さ」というのはおっしゃるとおりだと思うが、ここでケアマネジメン トだけ特出しして入れるということになると、それは勿論ケアマネジメントだけではなく て、さまざまな介護関係、医療関係の職種にしろ、これもやはり大事だということで、膨 大な量に拡大してしまうので、申し訳ないが、そこは全体の環境整備なり体制整備、それ から在り方について検討するというところに含まれているという理解で、ただ、木村委員 がおっしゃったことはきちんと議事録に残り、今後の検討には生かされるということで御 納得、御了解いただければと思う。 (大森分科会長) 第1点目の事業計画について、回答お願いする。 (菱田計画課長) 小規模多機能関係の御質問であるが、以前、小規模多機能の御議論をいただいたときに も少し説明したが、改めて申し上げると、利用促進に関して、1つは制度自体がなかなか 理解されていないということもあるので、市町村とか、それからまさにケアマネジャーさ んに御理解いただけるようにこれからも努めてまいりたいと思う。 その中で、今回アンケートを若干させていただいた中では、今、在宅のサービスを利用 されている中で、小規模多機能を利用すると、今担当しているケアマネジャーさんと縁が 切れてしまうという面があり、それで、やってみたいけれども不安だという声も伺ってい る。そういう中で試しに利用してみるということができる予算もあるので、それを活用し ていただくということが1つ。 もう一つは、小規模多機能を利用するときに、ケアマネジャーが、要介護の方の情報を きちんと円滑に引き継いでいただく努力をしていただく。更に言うと、入ってしばらくの 間、様子を見ていただくというようなことについて、小規模多機能の側と連携をしていた だき、円滑な移行を図れるようなことをお願いできないかと思っており、逆にそういうこ とをしていただく部分についてある程度の評価を考えさせていただきたいと思う。 以上である。 (大森分科会長) 木村さん、どうぞ。 (木村委員) 今のことも大事だが、もう一つ市町村の担当の方々に、この小規模多機能のよさという か意義というか、そういうところもきっちり伝えていただきたいと思うので、よろしくお 願いする。 (大森分科会長) わかった。井部さん、どうぞ。 (井部委員) 3点申し上げたいと思う。 まず1点目は、訪問看護に関連したことだが、6ページで、今回アンダーラインのとこ ろがあるが、ここは訪問看護ステーション管理者についての関係のところであるが、アン ダーラインの段落は、「一方、訪問リハビリテーションの整備状況に地域差がある現状を 踏まえ、訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問に係る規制の見直しを行うとと ともに、主として理学療法士等による訪問を行っている訪問看護ステーションの管理者の 要件について一定の整理を行う」という記述になっている。 先ほど、課長の説明だと、基準、告示変更しないで行いたいという説明であったが、現 行の訪問看護事業所の管理者要件については、この基準の第61条の2項に、「指定訪問看 護ステーションの管理者は保健師または看護士でなければならない。ただし、やむを得な い場合がある場合はこの限りではないということ」と、3項として、「訪問看護ステーシ ョンの管理者は、適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有する者でなけ ればならない」という規定があり、この要件を変えないで一定の整理を行うということは どういうことなのかを説明していただきたい。 2点目は、先ほど田中委員が触れた夜間対応型訪問介護のところであるが、これは今回 の改定で24時間の対応をするということで、9ページだが、オペレーターの役割は更に2 4時間重要になってくるわけである。このオペレーターというのは、どういうことをして いるかということで一事業所の例を調べてもらったところ、例えばベッドからの移動時の 介助をどうしたらいいかとか、転倒したけれどもどうしたらいいかとか、水分の補給とか 排泄介助、更衣、それから清拭、体位交換、体調不良時の対応とか、精神的な訴えに対す る対応などがあった。電話による対応で状況の把握や判断をし、指示をしなければならな いということがあり、そうすると、オペレーターは管制塔的な働きをするわけで、重要な 任務を担うことになる。今回は資格要件の追加があったが、このオペレーターのサービス の質の保証ということについて是非お考えいただきたいと思う。 3点目は、13ページの「今後の方向性」についてである。わかりやすくまとめていただ いたと思うが、私は特に一番下の段落の先ほど指摘があった下から4行目「したがって、 介護報酬の在り方については、利用者の視点に立った」がキーワードであり、「望ましい 地域包括ケアシステムの構築」という点について是非検討していただきたいと思う。 現在のシステムは、1サービス1事業所というタイプになっており、必ずしも利用者の 視点ではなくて、サービス提供者側の意向というのが強く反映されていると思う。今後、 利用者はどのようにしたら利用しやすいのかという視点で、構想を検討していただくこと を是非期待したい。 1点目の質問について説明をお願いしたいと思う。 (大森分科会長) 6ページと9ページについて、回答をお願いする。 (鈴木老人保健課長) 6ページの「(2)訪問看護」について御質問があった。先ほど私の方からも説明申し 上げたが、重ねてお詫び申し上げなければいけないのは、前回までの記載ぶりだと、現行 の基準告示を変更して、現在看護師・保健師となっている管理者の要件について変えると いうふうにも読めてしまうということで、大変関係者の方に御心配をおかけしたというこ とについては重ねてお詫びを申し上げたいと思う。 井部委員の方からの御指摘もあったが、ここのパラグラフ、議論のときには具体的な数 値も含めて紹介したが、現在、18年改定で、訪問看護ステーションからPT・OTが行か れるものについては、原則的に過半を超えてはならないという基準を新たに導入した。 その結果、訪問看護ステーションからのPT・OTの訪問というのは非常に減っていっ てしまったということと、他方、それを補うべく医療機関等からの訪問リハビリテーショ ンが普及できればいいが、それもまだ現状では地域的になかなか格差があるという現状で あるので、今回、その規制の見直しというのを提案させていただく、これは御理解をいた だいているところだと思う。 それに伴い、訪問リハビリテーションのニーズが高い地域で、ほかに例えば訪問看護ス テーションがあるというようなところであると、理学療法士等による訪問というものが主 として行われるという場合も想定される。この場合でも、井部委員から御指摘があったが、 本旨は、管理者は看護師、保健師であるが、やむを得ない場合につきという現在の制限の 中で、これも暫定的なものであるが、それ以外の方がやられるということも、一定の必須 要件を満たしていれば読めるということだと思う。 ただし、もう一度繰り返しになるが、下の「訪問リハビリテーション」にあるような、 今後、拡充する方策については、これまた別途検討させていただいて、それについては、 地域で本当に必要な訪問リハビリテーションにきちっとアクセスできる、もしくはサービ スが受けられるということにしていきたいと思っている。 御迷惑、御心配をおかけし、大変申し訳なく思っている。 (大森分科会長) ただ、今の御説明だと、説明聞くとわかるが、規制の見直しを行うとともにとあるから、 規制の見直しを行うというのは何となく告示レベルなのではないかと思ってしまう。今の 説明は18年のときの運用のことであろう。何か明確ならないのか。 (鈴木老人保健課長) 私の説明が少し足りなかったかもしれないが、ここのパラグラフの中ごろの規制の見直 しを行うということについては、これは規制の見直しを行う。ここについては多分、議論 は余りないところで、これは何の規制の見直しかというと、先ほど少し申し上げたが、訪 問看護ステーションからPT・OTの訪問が過半を超えてはならないという規制なので、 これは外す。これは規制を見直す。 (大森分科会長) 運用上の見直しであろう。それとも、告示を変えるのか。 (鈴木老人保健課長) わかった。実際のレベルが通知であるので、かかる運用の見直しを行うと変えさせてい ただく。 (大森分科会長) まずそこに来て、行い、それに伴ってなのではないか。ともにではなくて、伴って、一 定の整理を行うではないか。 井部委員、そうだと思うが。 (井部委員) はい。 (大森分科会長) 今のように、規制の運用見直しを行い、それに伴って整理を行うということだと御理解 いただけると思うが、いかがか。 (井部委員) 修文としては、運用の見直しに伴って、ということか。 (大森分科会長) 行い、それに伴って一定の整理を行う。 (鈴木老人保健課長) 事務的には、先ほど大森分科会長がおっしゃっていただいた、訪問にかかる運用の見直 しを行い、それに伴い、主として云々ということで整理をさせていただきたいと思う。 (大森分科会長) 御懸念はある程度解消できるのではないか。 9ページの方はいかがか。オペレーターの実態についての説明があり、これについての 御意見が出たところで、資格要件。井部委員は、これはこれで、今回はお認めいただける のか、というか御理解賜れるのか。 (井部委員) このオペレーターの質の向上について何か研修などを考えていただくことをお願いした いと思う。 (大森分科会長) それでは計画課長から、説明お願いする。 (菱田計画課長) 現在の運用通知において、オペレーター含めて研修機会を提供するようにという話は出 しているが、今回、准看護師と介護支援専門員を追加させていただくに際しては、一定の 研修、どれを受けろということではないが、事業者に対して研修の機会をきちんと確保す るようにと改めて求めてまいりたいと思っている。 (大森分科会長) そういうお答えだが、よろしいか。 それでは、対馬委員、どうぞ。 (対馬委員) 特に文章を変えてくれということではないが、2点ほど簡単にお話しさせていただく。 1点目は、山本委員の方から保険者にゆとりがあるのかという話があったが、私どもは 保険者ではなく、2号であるから、30%相当を納付金としてお出ししている立場だが、と ても余裕はないという状況である。平成20年度予算だと、9割の健保組合が赤字で、全体 の収入としては約6兆円であるが、6,000 億円以上の赤字という状況である。そういう中 での3%アップということで、1,200 億円ほどの措置もあるということだが、これは先般 申し上げたが、なかなか均等な形では配分され得ないというようにも聞いており、極めて 厳しい状況にある。次回、また恐らく単価等々の問題が議論されるのだろうと思うが、我 々お金を出している方も、そういう状況にあるということを十分踏まえての議論をしてい ただければというのが1点である。 あと、もう一点は、13ページ目のところだが、先ほども若干お話が出たように18年度 改定については、ここに書いてあるとおりで結構だが、予防給付であるとか、地域支援事 業については、こういったことをやって効果があったという資料の説明は受けた記憶があ るが、かかった費用、全体的ないわゆる費用対効果という資料は全く見たことがない。次 回改定ということになるかもしれないが、そのときに医療も介護も両方議論されるわけで あるから、十分な準備をして、是非そういった議論をしていただきたいというように思う。 以上2点である。 (大森分科会長) では、池主委員、どうぞ。 (池主委員) 先ほどの川合委員の御意見に関連してだが、我々にとってこの参考資料は非常に勇気づ けられて、エネルギーの基になるような気持ちで受け取った。 川合委員のおっしゃった中で、最大の課題は、やはり口から食べる重要性が理解されて いないということに尽きるのではないかと思う。これは、医療支援から健康なときを含む 課題であろうが、最終的には、要介護、在宅、看取りに至るまで、この問題が現状では表 面に出てきていない。川合委員のおっしゃったように、本当に熱心な歯科医なり衛生士な り、そういう関係の方々が地域でかなり活動されて、徐々にそういう問題が表面化はして いるわけであるが、この問題は、やはり総合的にとらえて、介護全体の問題に裏打ちして いただくということが非常に大事なことなのではないかと思う。 今回の我々が出している意見書に対しても、各方面から問題を正面からとらえていただ いて、いろいろな意味で可能性が生まれてきたというようには認識している。これからの 実施までにおいては、告示とか、解釈の変更等で、みんなが望む、適切な口腔ケアが相当 数普及する可能性はあると思うので、今後の現場での対応によろしく御配慮いただきたい と思う。 川合委員に対する感謝を含めて御要望いたしたいと思う。 (大森分科会長) では、石川委員、どうぞ。 (石川委員) 文言の修正ではないが、意見を申し述べたいと思う。 まず8ページの7の福祉用具のレンタルの問題であるが、1か月のレンタル価格が全国 平均の2倍、3倍を超えるものがあるということが既に指摘をされているわけだが、保険 財政を踏まえた措置について早急な見直しを行い、少なくとも平成21年度中には実施でき るようにしていただきたいと思う。 次が5ページの2の介護予防支援だが、地域支援事業の運営費を当てにするのではなく て、介護予防支援事業として自立した運営ができるような適切な介護報酬の設定をしてい ただきたいと思う。 最後に、これまでの給付費分科会での議論では、全体としては個々のサービスの評価を 現行より高める方向で各種加算が検討されてきており、この結果、制度が複雑になる方向 になっているのではないかと危惧をされるところである。是非、簡素化の視線というもの を是非忘れないでいただきたいと思う。 また、適正化の項目が少ないということは1つ問題だと思っている。報酬の引き上げは 人材の確保のため重要ではあるが、昨今の厳しい経済状況の中で、高齢者の負担感も増す ことから、1円でも無駄に保険料が高くならないように、特段の御配慮をお願いをしてお きたいと思う。 以上である。 (大森分科会長) 村川委員、どうぞ。 (村川委員) 先ほど、町村会の山本委員から保険料についての御心配という御意見もあり、しかし、 やはり政府・内閣として3%ということを明確に方向づけられているので、そこは保険者 においても、踏まえていただく流れかなと思っている。 今、石川委員から御発言があったが、石川委員からお出しいただいている参考資料を少 し借用させていただくが、その5ページなどを拝見すると、やはり全体的な流れとして第 4期、おおよその数字、3,270円程度が出ているところであり、私も関わっている自治体 等の試算状況から見ても、避けられない流れかなという気もしている。 前後するが、今日のこのまとめの進め方については既にサービス提供責任者を始め、主 要論点については分科会長の御指導の下にまとめていただいているので、この3%アップ ということを確かなものとして審議会答申ができる、そういう流れに是非していただかな ければならないと思っている。 それからまた、数人の委員の方から利用限度額の言及があったが、これもたまたま私が 以前関わっていた自治体で、その自治体独自の判断で条例制定などで要介護5の方などを 限度額の1割アップということなど工夫された自治体も一部あったが、結果的には、そう いう自治体では1億円とか赤字に陥ることもあった。今回は利用限度額のところを変えて しまうと、更に大幅な保険料増ということにつながるので、そこのところは今後の第5期 なり、先々の財源確保、先ほど勝田委員からも御指摘があったが、保険料の負担、公費負 担、そういった構造上の問題という大きな論点であるので、そういう流れで扱っていただ ければと思っている。基本的にはおまとめいただいたことをありがたく思っている。 以上である。 (大森分科会長) 田中委員、どうぞ。 (田中(滋)委員) 前回まとめを書いていない報告はだめだと申し上げたところ、最後のページに包括的な まとめが入っていて、評価したいと思う。 それとは別に、いつも全体論しか言わないので、たまには個別のことも言ってみたいと 思う。 9ページの「夜間対応型訪問介護」だが、夜間対応型訪問介護というのは、使うと便利 型のサービスではなくて、あると安心という、ほかとは違うサービスだと思う。安心感の 確保のためのサービスである。不安感ゆえの施設志向が減って、本当に施設サービスを必 要とする方が施設を利用しやすくなることにも役立つと考える。 このサービスが、ここに書かれているように利用者の24時間の安心感の確保に資すると いうこともあるだろうが、この単独のビジネスだけでできるわけはないので、報告書の最 後に書いてあるように、地域包括ケアの一環として今後推進されていくことを応援してお きたいなと感じた。 以上である。 (大森分科会長)  修文は。   (田中(滋)委員) 修文等ではない。 (大森分科会長) 川合委員、どうぞ。 (川合委員) 地主委員の方から私の名前が6回出たので、お答えさせていただく。 実は、今、我々の団体、神戸で2日間、なぜ床ずれはできるのか、栄養管理から、口腔 ケアあらペグから、それと最後には、インコンチネンツにかけて全部の研修会を行ってい る。私、質の担保ということはこういうことを恒常的にやる団体なのかどうなのかという ことだと私は思っている。そういう包括的な研修をやはり我々は20年の歴史をかけて行っ てきたし、現在も行っている。その中で、やはりペグの議論にしても、チューブの議論に しても、口腔ケアにしても、いろいろな観点があるが、現場にアップ・ツー・デートの情 報を流して、それで研修をワークショップ形式でやっていくというようなことを我々は自 負を持って行っているので、そういうことも将来的に評価される介護報酬であってほしい なと思っている。 以上である。 (大森分科会長) 大筋御意見が出たが、沖藤さん。 (沖藤委員) 13ページのところに利用者の視点に立ってということが書かれている。介護保険が始ま って以来、利用者の利用満足度とか、意向調査とか、大々的な利用者調査というのは、ど のぐらい行われてきたのか、それから、今後、今回の改定を踏まえて行う必要があるので はないかという気がする。 と言うのも、生活援助がこの間のように大幅にカットされて、申し訳ないが、保険者の ローカルルールが随分暴走しているような、そういう印象を受けるような中で、利用者の 人たちが非常に介護保険に対して不安感、不信感を持ち始めているということを、もう少 し危機的にとらえた方がよろしいのではないかという思いがするので、大々的な調査の実 施を是非ともお願いしたいと思うので、一言、利用者の調査も行うとか、そういうことを 入れることはできないかという要望である。 (大森分科会長) これは先ほど山本委員も市町村の方に調査させろという御意見があり、調査の在り方自 身もいろいろな意味で御意見が出ているが、どうしようか。先ほどのような御意見を取り 入れることになるから、今のような御意見は当然ながら、要するに、市町村の現場の保健 者の皆さん方が独自で自分の市町村単位で調査していくといろいろなことが変わって見え てくる。相当違うので、ただ、違うということで全部それでここの場で出てきたときにど のように検討するかというと大変になるから、利用者の立場の調査をどこでだれがやるの か、その問題になる。 それで、どうしようか、これは将来どういう形でやるかだが、全国民を相手にしてやる ということになるのか、どうするのか。皆さん方が業界ごとにいろいろ事業者、利用者と の関係でやっているから、そこで把握しているデータもあり、この調査の在り方をどうす ればいいかというのは、私としてもにわかには判断しにくいが、何か事務局の方で今のよ うな問いかけに対してお答えあるか。 (鈴木老人保健課長) 沖藤委員のおっしゃることは私ももっともだと思う。勿論、利用者の視点に立つので、 利用者の御意向はどうか、満足度はどうか。それから、そのほかにも例えば、事業者の方 がどうか、保険者の方がどうか、従事者の方がどうか、いろいろな視点がある。 13ページをご覧いただくと、5つ「○」があるが、下から2つ目、「経営実態調査等」 と書いてあるが、その「等」の中には幅広い調査も含めて、その在り方について検討させ ていただきたいと思う。 (沖藤委員) わかった。よろしくお願いする。というのは、この給付費分科会は、事業者の方とか団 体の方とか、組織的な方々が出ているので、利用者のというところに少し力点を置いてい ただきたいと思う。 (大森分科会長) 先ほど幾つか修文について提示して御了解いただいたことを含めて、先ほどのことを前 提にして私と代理人の大島分科会長代理に最終的な文案をお任せいただけないだろうか。 それを前提として、諮問を受けて答申をするという段取りになるが、川合委員からお話し があったように、実は、できるだけさまざまなお立場の人がいるから、次回までには、私 はできればオープンで数値そのものについていろいろ検討するということはあり得ると思 うが、事前にある程度の御了解がないと何回も繰り返すことになるので、それで、前回事 務局が御無理であっても今年中にこれをまとめるためには精一杯汗をかいてくれという趣 旨のことを申し上げているので、できるだけ皆さん方からの今までの御意見を踏まえて、 ある案を考えていただいて、すべてやれとは言わないが、事務局に汗をかいていただいた ものを次回の26日にお出しして、できれば、答申の仕方はさまざまであるが、手直すべき ことについては、答申のなお書き等で対応することもあるので、そんなことも含めて、本 日でこの審議報告をこれでまとめさせていただいて次回に備えるということにさせていた だいてよろしいか。 (「異議なし」と声あり) (大森分科会長) それでは、そうさせていただく。 その他のことで御発言があると思うが、三上委員、どうぞ。 (三上委員) 前回、要介護認定調査検討会の報告モデル事業第2次の報告がある。あのときにこの給 付費分科会でこういうことを検討しなくていいのかいうことを申し上げたが、法律上認定 の方法の仕組みを検討するのがどこにも記されていないということは非常に問題だと思う ので、今回はっきりさせていただきたい。どこかに明記していただきたいと思う。 その上で、せっかく発言の機会を得たので、前回の報告に対して少し申し上げるが、要 介護5と判定されたものの2割が要介護4に下方修正されるというか、低く出る。本来は 要介護1相当の部分を要介護1と要支援2の方に区分するというのが大きな目的だったが、 かなりばらつきは少なくなったと言っても、介護保険5の2割が要介護4になるというこ とは、利用限度額が下がるということで大きな問題ではないかと思う。 最初にこの問題を説明されたのは、1つは運動機能の低下していない高齢者の重度変更 の部分が時間積増し補給になるのだと、そういうソフトを使うのだという説明を受けてい たが、実際にはこれは両方とも使っていない状態での比較をされた。 この4月からは、新しいソフトを使ってスタートするのだということで、実際には4月 からは全く検証されていないソフトで要介護認定がスタートする。これは非常に問題では ないか。その前に検証する必要があるのではないと申し上げたいと思う。 このモデル事業によって負担軽減するのかどうかということについて、自治体、市町村 等の要介護認定審査会での意向、アンケートについても、少しお示しいただいたが、実態 についてどうかということをもう一度お聞きしたいと思う。 更にこの忙しい改定の時期に、業務が繁雑になるかもしれないこういう変更を行うとい うことはどうなのかということを一言申し上げておきたいと思う。 (大森分科会長) 今のことに関係してか。 (勝田委員) 関連してだが、今、三上委員からも御提案があったが、私どもは要介護認定の検討委員 会を傍聴させていただいたが、その中には利用者の代表が入っていない。研究者の方々が 中心になって検討されていて、整合性についても数理的な整合性ということで報告されて いた。今回のことについては、最初に意見としても言ったが、私たちは懸念している。特 に軽度に認定される方が平均して2割もあるということは、重大なことではないか。 そういう点で、三上委員のおっしゃるようにしっかり検討した上での導入が図られるべ きではないかと思う。 以上である。 (中田委員) 私どももこの問題についていろいろ検討させていただき、要介護度5が2割くらい減っ ている。要介護基準値時間というのは110 分以上で変わらないということだが、認定審査 項目1分間タイムスタディーがどうも現場実態を反映していないのではないかと考える。 私どものような特養ホームのような生活支援施設では、見守りという間接業務がかなり の割合を占めている。我々の調査では大体34%と出ている。認知症の場合は、一見して直 接介護に関わらない見守り援助が重要なファクターになっている。今回のモデル調査では こうした問題があるのではないかと考える。 今後の予定で12月から1月にかけてマニュアルを配付して、1月中旬には新認定ソフト の配付となっており、来年4月は全面施行ということだが、判定ロジックの見直しの報告 ・検討はどこでなされるのか。今おっしゃったように専門家だけで収斂していいのかとい う問題もある。 この辺りの説明責任、国民に対しても要介護者に対しても、直接関わる我々に対しても 必要ではないのかなと思うので、是非御検討いただきたいと思う。 以上である。 (川合委員) いろいろ微調整は必要なのだろうが、私、私見で介護保険が始まる前から持っていたが、 本当に今いろいろ議論されているように制度疲労が来ているのではないかと思う。抜本的 に本当に医官も含めて、利用者も含めて、疾患ごと、あるいは障害ごとから出発するよう な認定方式に変えるべき時期に来ているのではないか。 私は今回の微調整はやむなしと思うが、本当に抜本的に見直すのであるならば、今回も そうだが、医科の現場の、御利用の方々の実際の実感というものを反映した数値であるべ きだと私は思う。 以上である。 (鈴木老人保健課長) 前回御説明をした要介護認定方式について、来年の4月に向けて変更するべく作業を進 めているが、これは繰り返しになるが、現在使っているシステムについて、元データが古 いということと、手間が二度手間になってくるところがあるので、そこを少し合理化した らという主な観点で進めさせていただいている。 その中で今御指摘があるような何点かの ことがある。 1つは、要介護5について、実際にパーセントが減っているのではないかということだ が、これは幾つかあると思うが、1つは今回の調査の場合には、御本人から同意が得られ た場合のみ算定させていただいた、実際にモデル事業をさせていただいたということであ るので、残念ながら要介護5の方の場合には、認知症のだけは応答ができないということ で実際には調査に参画していただけなかった場合もあるので、その点についても1つあろ うかと思う。 また、要介護5について、樹形図を初めとするソフトウェアの部分と2次判定の部分と あるが、2次判定後では、ほぼ現行と同等程度には戻していくということであるが、実際 に個別データも我々の方であるので、具体的に要介護5からモデル事業の方では軽くなっ ている例はどういうところがあって、どういうところに注意をしなければいけないかとい うことについては、また解析をさせていただければと思う。 少し専門的になるが、レ点ということで、これは動ける認知症の方について、通常出る 1次判定の結果よりも少し重く見るということで、これは従来からやっておるところであ るが、これについても、今回は主には樹形図同士の比較ということで、それについては外 して検討させていただいたが、実はこれだけのシミュレーションも出ているが、これでも 現行のやり方と新しいやり方でほぼ差がないということにはなっている。 それから、負担軽減等々で3年に1回ということがあり、我々の方も修正、調整すべき ところと、市町村なり調査員なりの方々の手間ということは十分考えなければいけないと 思うし、また、中田委員が御指摘になった説明責任、どうやって調査員なり利用される方 にきちっと説明をして、これが客観的なきちっとしたデータに基づいてされて、こういう 理由でこういうふうになったということがおわかりいただけるように説明するかというこ とについては、テキストを作成したり、さまざまな場面で我々は説明をさせていただいて 果たしていきたいと思う。 それから、三上委員からも御指摘があった、これを今後どういう場で検討していくかと いうことについて、確かに数理的もしくは基本的な場というのはあるが、例えばこの場な り介護保険部会なり多くの関係者の方にお入りいただいているところで、どういうふうに 会議をして検討していただくかということについては、前回御報告させていただいたが、 今度の取り扱いについては、また座長を含めてよく考えさせていただきたいと思う。 後はなるべく我々の方も現場で混乱が起こることがないよう、そして、利用者の方、事 業者の方等々にきちっと説明ができるように、我々の方としてもなるべく早く準備をした 上で、きちっと詳細については、今、全市町村にモデル事業ということで参画をいただい ているが、そういうところついて十分意を尽くしていきたいと思っている。 (勝田委員) 今ほど本人の調査で、本人の同意が得られたものということで、要介護5の重度の認知 症の方は逆に同意が得られないということで外されたということだが、これは本当におか しいことだと思う。 特に今回の調査については、施設が中心であって、外された内容については、例えば火 が使えるかというのがあるが、在宅が全然対象にされていない。これは本当におかしなこ とだ。 特に本人の同意の問題については、御本人から同意が得られない。それを外すというこ とは、許されないことではないか。おかしいと思う。抗議だけしておきたい。 (大森分科会長) 何か私らがしかられているみたいだから、この議論をする場とか、いろんな御意見が集 約されるようなきちっとしたものがないと、繰り返しこのような話になる。これは全体の 検討の体制の場の在り方の議論だろうから、1度きちんとお考えくださったらいかがか。 毎回この議論で、何か私どもがどこでも決めてないことだが、何となく責任を感じざるを 得ないような事態が必ず来ているので、少しいろいろ考えてみたらどうかと思う。 それでは、次回についてのアナウンスをお願いする。 (鈴木老人保健課長) 次回だが、12月26日金曜日14時からということで、場所は追って御連絡を差し上げた いと思う。 (大森分科会長) 以上である。 ありがとうございました。次回よろしくお願いいたします。 照会先  老健局老人保健課 企画法令係 TEL03(5253)1111(内3949)