08/12/05 第8回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録                  日時:平成20年12月5日(金)15:00 〜17:20                  場所:厚生労働省17階 専用18〜20会議室               ○寺野座長 それでは、皆様おそろいのようですので、第8回「薬害肝炎事件の検証及び再発防 止のための医薬品行政のあり方検討委員会」を始めさせていただきたいと思います。  委員の皆さん、お忙しいところ御参加いただきましてありがとうございます。  今日は、舛添大臣が13時〜17時40分まで、予算委員会に御出席ということで、テレビで も放送されているようですけれども、残念ながら御欠席ということです。御本人は是非ちょっ とでも出たいとおっしゃっているようなんですけれども、ちょっと無理なようです。  本日は、研究班員の高木均群馬大学大学院医学研究系研究科准教授、よろしくお願いします。  それから、前回に引き続きまして、津谷先生にも御参加いただいています。  更に、研究協力者として参加することになりました東海大学法学部の松下先生が出席いただ いております。よろしくお願いいたします。  では、まず、事務局から配付しております資料の確認をよろしくお願いいたします。 ○医薬品副作用被害対策室長 それでは、資料の確認をいたします。  配付資料ですけれども、議事次第、座席表、名簿のほかに資料1〜3は、研究班で用意いた だいたものです。  資料4ですけれども、3枚紙が付いていますけれども、これは、前回の会議資料の抜粋ですけ れども、事前にはお送りしていなかったものです。前回の会議資料自体は、お手元のハードカ バーのファイルの中にありますけれども、便宜のために、検証項目の全体像のページだけ抜き 出しをしたものでございます。  その下に、厚生労働省提出資料ということですけれども、これは、委員から求めのあった資 料を用意したものでありまして、Iとして、平成13年3月のウェルファイド社からの肝炎の 発生状況の報告内容を当時開催しておりました肝炎対策に関する有識者会議に報告して、その データを基に、フィブリノゲンを投与された方々への普及啓発の対策が必要ということが、有 識者会議の報告書に明記されるに至ったわけですけれども、その経過を整理した資料でござい ます。  また、IIとして、23ページから、2011年のナショナルデータベース構築に関する資料とい うことで、構築されるデータベースを、どのように活用するかについての研究会が今年の2月 にまとめた報告書と、IT戦略本部の重点計画の抜粋等を付けております。  なお、これまでの会議でも、ほかにも各種データとか当時の経緯等についてさまざま御質問 いただいて、それも調べたらどうだということでいただいておりますけれども、事件の検証に 関わる御質問につきましては、研究班の検証作業の中で調査をするということにしておりまし て、今後、その調査結果も可能な限り盛り込んだ形で、研究班の報告書の方が作成されていく というふうになろうかと思っております。  あと、その後ろに、委員の提出資料というとで、本日、御欠席の椿委員の資料。そして、本 日提出のありました、水口委員と坂田委員からの意見書をお配りしてございます。  以上でございます。 ○寺野座長 それでは、議事に入りたいと思います。  本日は、検証5です。「肝炎感染の危険性及び肝炎の重篤性に関する知見の進展と医療現場 への伝達状況」。これを議題といたしまして御意見をいただきたいと思っております。  なお、後半の時間帯で、30分か40分つくりまして、前回の行政の動きとか企業の動きのテ ーマに関するもの等について、まだ十分意見を言えなかったという方もいらっしゃるようです ので、検証3ないし5を、全体をカバーする形で自由に御討議いただく時間を設けたいと思っ ております。  年度内に提言をまとめるということになりますと、今日の会議までで、一とおり議論を一巡 させておきたいということであります。今年が最後になりますので、1月からまた展開が変わ ってくると思いますので、御協力をお願いいたします。  前回は、検証3、4につきまして御議論いただいたわけでありますが、本日も前回と同じよ うな資料の構成です。まず資料の御説明がありましたけれども、報告書のアウトプットイメー ジの資料、それが資料2であります。  それから、論点の資料3ですが、これを御用意いただきました。  まず、これらの資料につきまして、堀内先生並びに研究班の皆さんから御説明いただきまし て、審議を行いたいと思っております。では、それらのポイントを簡潔に、御説明をお願いし たいと思います。堀内委員からよろしくお願いします。 ○堀内委員 それでは、研究班の方から準備をいたしました資料について、できるだけ議論をす る時間を長くとった方がいいと思いますので、簡単に御説明させていただきます。  資料1でございますが、これは資料全体の4枚目でしょうか、検証項目でございますが、ここ には前回から、特に変わった点は2ページの、(2)の2)の2番目のところにアンダーライ ンが引いてございますが、これは、前回、水口委員から御意見がございました、感染を理由に 社会から受けた差別等について実態を調査して、薬害患者と社会との関わりを検証する。  当然、この中には、患者の受けた苦痛という問題についても入ってくると思いますが、これ を入れさせていただきました。  これについては、どのように検討をしていったらいいかということで議論はしておりますが、 できればいろいろな調査をした弁護団あるいは患者代表の方に入っていただくのが一番実態 がわかっていてよろしいかと思いますが、どういう形にしたらいいか、もし御意見があればい ただきたいと思っております。  それから、次の資料2でございますが、これは今回御議論いただく、医療側が薬害肝炎ある いは肝炎のウイルスに対する感染に対してどのような状況であったかということを整理をし たものでありまして、主として論文を中心に、どのようなところまでわかっていたか、それが どのように医療現場に認識されていたかということでありまして、これが68ページでござい ます。これについては、簡単に、野村総研の星野研究員に報告をしていただきます。  それから、資料3でございますが、再発防止の観点、特に今回の医療現場からの問題点、で きればここにフォーカスを合わせて議論をしていただければ幸いでございますが、これについ ての問題点を高木先生から紹介をしていただいて、できるだけ議論の時間を取っていただけれ ばと考えております。  以上であります。 ○寺野座長 ありがとうございます。  それでは、資料2、検証5のアウトプットイメージについて、野村総研の星野研究員、お願 いいたします。 ○野村総研研究員 それでは、資料2に関しまして御説明させていただきます。  資料2「当該医薬品による肝炎感染の危険性及び肝炎の重篤性に関する知見の進展と医療現 場への伝達状況」という資料をごらんください。  この資料の位置づけとしましては、アウトプットイメージと書いてありますとおり、報告書 のイメージをお示ししておりしまして、現在までの進捗状況をまとめたものとなっております。  そのため、ここに記載しています内容につきましては、今後もバージョンアップされていく ものとお考えください。  それでは、資料の中身の説明をさせていただく前に、1点訂正がございますので、その訂正 を先にさせていただきます。  27ページをごらんいただけますでしょうか。  この部分につきまして、表の文献番号と本文中の文献番号がずれているものがございますの で、訂正させていただきます。  まず、BPL処理の項目の2行目から3行目にかけて、文献5-13-9と記載されていると思 いますが、これを5-15-9、また、同ページの乾燥加熱処理について、下から4行目の文献、 5-13-27と記してあると思いますが、これを5-15-25と訂正をお願いします。  そのほか、誤字、脱字等も何点かあると思いますけれども、これは今後の作業の中で修正し てまいりたいと思いますので、時間の関係がございまして、ここでは割愛させていただきます。  では、資料2の内容について説明させていただきます。  まず、3ページをごらんください。  こちらに、検証5において、検証する予定の項目を載せております。  大きな項目といたしましては、(2)肝炎の病態及び肝炎の感染リスクに関する知見の進展 という部分と、(3)行政、企業、医療関係者などの対応整理という大きく分けて2つの部分 で構成されております。  それでは、4ページ以降の具体的な内容についてですが、事前送付いたしましたものからの 主な変更点について、御説明させていただきます。  まず、17ページをごらんいただけますでしょうか。  この17ページに内科学の教科書における慢性肝炎の予後の記載の変遷について掲載した項 目を新たに追加いたしました。  次に18ページから始まります、売血原料の危険性という項目に関しまして、20ページをご らんいただけますでしょうか。  この20ページの部分にフィブリノゲン製剤が承認される昭和39年以前の売血に関する国内 での主な出来事を記載した図表5-12を掲載しております。  続いて、35ページからの今日の治療指針の項目をごらんいただけますでしょうか。  この項目におきまして、44ページに、図表5-19としまして、産科領域における今日の治療 指針の記述を簡潔にまとめたものを新たに記述しております。  次に54ページをごらんください。  54ページにつきましては、(5)のまとめとして、現時点のまとめを新たに記載しておりま す。  最後に49ページの医療現場の認識及び対応の項目で触れておりますアンケート調査に関して ですが、研究班で計画中の医師アンケートについての概要及びアンケート項目を62ページか ら参考資料3として新たに掲載しております。  主な変更点としては、以上でございます。そのほか、文献の追加等は随時行なっております ので、文献の追加、変更や文言の修正等の変更を行なっている箇所もございますが、時間に限 りがございますので、ここでは割愛させていただきます。  資料2につきまして、私の方からの説明は以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。それでは、次に資料3について、再発防止の観点から御 議論いただきたい論点ということで、高木研究班員、お願いします。 ○高木研究班員 よろしくお願いします。その前に、論点を申し上げるときに、すべて文献が関 係しますので、今の野村総研の説明を、一応、オーバービューといいましょうか、アウトプッ トイメージの3ページをごらんいただきまして、そこをざっと申し上げてから論点の方に進ま せていただきたいと思います。  主に、今回の作業に関しましては、過去の文献を中心に、あるいは教科書などを集めまして、 当時、各専門分野においてどういう認識がされていたのかというのを、できるだけ箇条書きに してまとめたものでございます。  最初に、まず、昭和39年ぐらいから現在に至るまでの主に内科学的な肝臓病の分野の文献 をまとめたものが最初の方に載っております。最後に教科書的な記載も追加されています。  その次に、今の(2)の1について申し上げましたが、(2)の方には、血液製剤そのものに 肝炎のリスクということに関する文献を集めてあります。  (3)からは、行政企業、医療関係者などの対応の整理という形で文献ないしはそれぞれパ ブリッシュされたものを中心に記載してあります。  4番の対応に関しては、今回は空欄になっておりますけれども、最後に、現時点でのまとめと いう形で書かせていただきました。  そうしましたら、資料3、横向きになっている資料でございますが、ごらんいただければと 思います。  今回の再発防止の観点から御議論いただきたい論点、検証5ということですが、まず、1番 目といたしまして、医療現場の問題についてということであります。  これは、まず、肝臓病学専門の分野で、一体、当時輸血後肝炎、血清肝炎、ないしは非A非 B型の肝炎というものが、どういう認識をもって研究をされ、発表されていったのかというこ とに関しましては、4ページになりますけれども、昭和39年以前の時点から、16ページに至 るまで、主に肝臓病の分野での非A非BからC型肝炎に至る内容が記載されております。  年代別に分けた理由と申しますのは、1つには、昭和39年というのは、ちょうどB型肝炎 ウイルスが発見された年でもありまして、そのときからA型もその前後で発見されているわけ ですけれども、非A、非B型という概念がより一層はっきりしてくるということがありまして、 そこで、まず、一つ年代を区切っております。  その後は、昭和40年代の文献を中心に、そして、14ページ以降が昭和60年代以降の肝炎 研究に関する概要と背景という形で、ちょうど内科肝臓病学関係の文献を載せております。  文献をどういうふうに集めたんだという御指摘もいただいていますけれども、主に、これは 全体の文献にも関係することでありますけれども、総合的な医学の分野に関しましては、ニュ ー・イングランド・ジャーナル・メディシン、ランセットなどを始めとする、総合的な世界一 流雑誌と言われるもの。  それから、肝臓病、消化器病学会関係のものに関しては、外国のものでは、ガストロエンテ ロロジー、ヘパトロジー、ジャーナル オブ ヘパトロジー、そういう大体一流誌と言われて いるもの。それから、止血、輸血に関係したものとしては、ヘモストアシスタント等、そうい うものを中心に渉猟してあります。  日本語の文献も大体学会誌を中心にしてあるんですけれども、最後に登場しますが、産婦人 科の分野に関しましては、リアルタイムで反映しているだろうと思われる『今日の治療指針』 を主に集めました。  今、16ページのところまで申し上げましたけれども、17ページ以降には、内科学の教科書 にまとめたものが記載されています。  これも、教科書ということで、当時の一番のまとめ、一番間違いないであろうというところ が記載されていると考えられますので、図表5-10ですけれども、内科学、昭和37年のものか ら最も新しい2008年のものまで、特に慢性肝炎の予後に関するものに関して、右の方に記載 してあります。  そのほか、内容については、それぞれごらんいただければと思うんですけれども、特に、今 の肝臓病学の内容に関しまして御議論いただきたい点で、Bの薬害肝炎関連時点での実態と問 題点ということに関しましては、今、肝臓病学の分野では、今の一連の文献のまとめにありま すような、歴史的な背景をもって、非A非Bの実態としてCが多いという危険性がずっと網羅 されているわけでありますけれども、例えば10ページ辺りからもう一回ごらんいただけます でしょうか。  文献の内容と、この分野に関しては、種類、性質、それから予後の重篤性ということについて、 一応、私の目で見て、●が予後が悪いといっている文献について記してありまして、○につい ては、それほど予後は悪くない。△については、どちらともいえないというようなくくりにな っているんですけれども、その説明は6ページにあります。  ですから、文献自体も5ページからずっと始まっているわけですけれども、やはりかなり古 いところから予後が重篤であるという論文が多数出ている反面、その後、昭和40年代、8ペ ージぐらいになりますと、むしろ予後がいいとか、はっきりしないのではないかという案件が 増えてきたり、そういう変動があります。  昭和50年代ぐらいになっても、まだ、良し悪しの、全部が真っ黒、要するにだめなんだと いう文献ばかりではなくて、予後はそんなに悪くないんではないかという文献ですとか、長期 的に見ないといけないんだというような内容の文献もまだ出ております。  それで、その後、60年代以降になって、1988年にはC型肝炎ウイルスを発見するわけです けれども、そういうことになって、14ページ以降の図表の5-8辺りから図表の5-9辺りにな りますけれども、この辺がはっきりと予後不良であるという記載が決定的に出てきているとい うことになるかと思います。  内科の教科書のことは、先ほど申し上げましたが、今、主に肝臓病学の分野の話をしました けれども、論点の1)は、今、肝臓の話をしましたが、2)に産科のDICにはフィブリノゲ ンを使用する場合のように、一度標準的な治療法になった基準治療法について、医療現場の認 識をかえることは困難であったという記載があります。  これを如実に表わすのが、ちょっと飛びますけれども、今日の治療指針をまとめました、35 ページ以降の記載であります。  これは、延々とこの何年かにわたって文献が記載してありますけれども、あと追加になりま した44ページの図表の59から45ページのところまで95年までのものがまとめてありますけ れども、これで見ますと、わかりますように、フィブリノゲンは投与推奨というところに○印 が付いていますけれども、1990年まで、これは一般医科向けの、ある程度プラクティカルな 教科書と考えていいと思うんですが、そこの時点で投与が推奨されていて、肝炎の危険に関し ての記述というのが、全くといっていいほどありません。  ですから、それ以前にリスクについてのいろんな勧告があったにもかかわらず、一般的な教 科書の段階で、そういうものの記載が欠如した状態でずっと推奨された形で書かれておりまし て、それも全国のいろんな方、先生たちが書かれたということで、これはやはり学会全体とし ての推奨になっているのではないかと考えました。  もう一つの資料3の問題というのは、3ですけれども、学会間、専門領域間で情報が共有さ れていなかったというところに関しましては、47ページ以降に肝炎の図表の5-21、肝炎の重 篤性の認識、そして産科の認識、産科以外の認識という形で47、48ページ辺りにまとめてあ ります。  ですから、やはりこの辺を見ましても、かなり危険であるということが、ウイルスそのものの 存在がわかる以前から言われていたにもかかわらず、産科の方としては、何としても出血を止 めるんであるという現場の緊急性に基づいた治療の方が優先されていて、なかなか肝炎の長期 的な予後に対する認識が不足していたんではないかということが、推し量られるんではないか と思います。  これについても、当然、この委員会で御議論いただけるところだと思いますけれども、産科 だけではなくて、本来、この製剤を使ったのは、外科とかほかの分野の方たちもいらっしゃる わけですので、そういう分野についても当然検証されなければいけないと思いますけれども、 これについては、今回は、主に産科の中心の資料になっておりますので、また、今後、積み重 ねていきたいと思います。  そうしましたら、資料3の2ページ目の方をごらんいただきたいと思うんですが、医療現場 への知見の伝達についてということに関しては、今回も製剤の不活化の話が図の表の5-14か ら15に記載されております。23ページからです。  これも一体どういう経過を辿って不活化がなされたのか。やはり決定的なウイルスの除去と いうものは、最終的にはなされていなかったわけですが、ただ時代の背景とかに応じた、いろ んな試みはなされていたということが書かれております。  ですから、これについての、実際にいろんな不活化をしようとしたんだという会社側のスタ ンスと行政側あるいは医療側についての情報の共有、そういうものについてのやはり問題点が こういう資料からわかってくるんではないかと思います。  そして、医療現場の最新知見の行政の伝達と最新知見の活用についてということですけれど も、これは、資料としては、まだ検証中ということですので、具体的な資料を載せてありませ んけれども、これに関して対策案の方に、学会の医薬品の有効性、安全性に関する、今、3番 目に関しましては、Cのカラムのところを読んでいますけれども、有効性、安全性に関わる最 新の知見を得た場合は、承認申請や市販後対策に活用されるよう行政に対して働きかける責務 を持たせるというようなことを、対策案として掲げてあります。  それから、学会と行政というのは、余り有機的に、今、つながっているとは思いませんけれ ども、そういうものの定期的な協議の場をつくって、新しい情報がより伝わりやすくしたらど うかというような対策案をここに掲げてみました。  それと、最後に最新知見の収集方法についてというところに関してですが、これにつきまし ては、主に18ページと21ページのところに、プール血症と売血に関する文献のまとめが載っ ております。  こういうものが当然危ないものであるという認識は、当時からされておったわけですが、一 流の雑誌にも載っていたりしているわけですけれども、必ずしもそれが使用する側に十分な情 報として取り上げられておらなかったというようなところがありまして、それに対しては、現 在は、現状と対策ということに関しましては、副作用などに関する情報が学会報告、論文とし てまとめられることがありますけれども、必ずしも専門外の医師には情報が伝わっていないこ とが多い。  ですから、間の学際的な情報の交換というものが、まだ欠落しているんではないかというこ とが挙げられるかと思います。  対策案としては、間の情報交換、医薬品の有効性、安全性に関わる最新の知見を得た場合に、 承認審査や市販の対策に活用されるような、行政に対して、学会からの働きかける責務を持た せるということがあったらどうかということも記載しております。  星(*)の1の説明を欄外、下に3行ほど説明を書きましたけれども、ただ、学会、学会と 申しましても、本来、学会はNGOであって、学術集会で、そこでいろんな議論をされるわけ ですけれども、そこまで責任を学会が負うのかという議論も当然あるかと思いますので、既に 抄録などの段階で、特に副作用とか安全性に関するものに関しては、キーワードで抽出される ようになっているものが多いですので、こういう情報を論文とかになる前に、PMDAなどが 集積するような形で負担を軽減するというような形もとれないかどうか。  更に、学会報告は最新の知見ですので、同時に生の情報として誤った情報も含まれている可 能性があります。それを十分後で評価がなされるためには、時間とか再現性の確認が必要であ るということも言えると思います。  当然、責任を負わせるということになれば、補償ということにもつながるのではないかと考 えました。  という辺りなんですけれども、1番目の状況と対策の可能性というところは、一切、私は触 れませんでしたけれども、そこは読んでいただくとしまして、時間が随分過ぎてしまいました ので、最後に、54ページに現時点でのまとめと書きましたけれども、一部重複いたしますけ れども、やはり肝臓の専門分野の中では非A非Bの時代からC型肝炎ウイルス発見にいたる臨 床データからは1980年より以前といっていいと思いますが、予後が不良な患者が確実にいる んだということは認識されておりましたが、ただ、それを血液製剤からの感染も勿論それに含 まれているわけですけれども、指導的な立場でよその分野にも情報を発信していたかというと、 やはり論文報告とか、あと班会議などのまとめという形で出されていた段階だったと思います。  それがC型肝炎ウイルスが発見されて、より一層明確になってきて、その後になって、よう やくこれは問題であるという形で具体的になってきたんではないかと思われる文献が多いか と思います。輸血学会であるとか、血液学会、そういう分野では、止血効果自体がいかがなも のかと指摘されているにもかかわらず、中段以降に産科領域の出血変遷というのを、今日の治 療指針から年度別に見てみると書きましたけれども、やはり産科の分野では、これは本当に必 要不可欠の薬であるという認識が1990年まで続いていて、慎重に投与しなければいけないん だということが言われていたにもかかわらず、かなりの量が使われてしまっていたということ があるかと思います。  最後に総合すればというところに文書を書きましたので、読んでいただければと思いますけ れども、やはり危険性の認識というものが徐々に深まっていたにもかかわらず、やはりいわゆ る社会還元という形での多分野への情報の提供というものが不十分であったということで多 くの感染者が生まれてしまったんではないかというところが現状ではないかと思います。  ですから、それを更に、今後の再発防止というふうに発展されるということに関しまして、最 後の数行に書きましたけれども、再発防止についての提言としましては、学会や専門分野が独 自に各分野の知見を治療応用に広めていく際には、医師の裁量権というのは、大いに尊重され るべきでありますが、それを野放しにしておくことは避けなければならず、バランスの取れた 監視機構と学際的な社会の還元を大きな柱とした情報公開、伝達を構築しなければならないん ではないかというのが、現時点でのまとめてございます。  以上です。 ○寺野座長 高木先生、非常に詳細な、しかも膨大な文献を検討されて、それを要領よくおまと めいただいたわけですが、そして、また、資料3の方で、今後の議論する論点について、非常 にきれいにまとめていただいています。  非常に専門的なものもありますし、一つひとつの文献を勿論読んでいるわけではありません ので、議論もなかなか難しいかと思いますけれども、これは昭和37年ぐらいの文献から、現 在に至るまでの文献について、さまざまな観点から調べていただいています。  本当に大変だろうと思うんですけれども、最後には、やはりかなり厳しい御意見をいただい ておりますが、この高木先生と野村総研の先ほどの研究員の御報告に基づいて、今日は約1時 間できるかどうかわかりません、1時間は無理かもしれませんけれども、御議論をいただきた いと思います。  これは、非常に広範ですので、どこからということは問題なんですけれども、一応、皆さん が前もってお読みいただいているという前提の下に、資料3に基づいて、資料2を参考にしな がら御質問いただきたいと思います。  皆さん、たくさんの質問があると思いますので、できるだけいつものとおり、簡潔に要領よ く、自分だけというのではなくて、ほかの人もいっぱい知りたいことがあるわけですから、よ ろしく御協力をお願いしたいと思います。  清澤先生もたくさん質問がいくかもしれませんけれども、よろしくお願いします。  どうぞ。 ○清澤委員 非常に高木先生を始め、研究班の皆さん、うまく整理されたというように思います。  私の感想というか、コメントなんですが、非A非Bということは、当時としては、イコールC 型という考えはなかったんです。わざと非A非Bといったのは、要するに肝炎が1種類ではな かったんではないかということなんです。  その根拠としては、輸血以外でもあった、いわゆる散発性の肝炎でもあった。それから、輸 血でなったものの中にも治るのもあれば、慢性化するのもあった。ですから、恐らく1個では なくて複数あったんではないかというのが、当時の臨床科の考えではなかったかと、結果的に は、それを調べてみたら、HCVというウイルスが発見された後、検査してみたら、C型肝炎 の中に治るのもあったし、慢性化し、最終的に肝硬変、肝がんに行くのもあったというような ことがわかったわけです。  そういうようなことも当時としては想定されていたというようなこともあったということ は認識しておいた方がいいかと思いました。 ○寺野座長 ありがとうございます。では、どなたからでも御質問をお願いします。  清水先生、どうぞ。 ○清水委員 大変御苦労な成果だと思うんですが、44ページ、5-19で産科領域における今日の 治療指針の記述の経緯をまとめていただいて大変よかったと思います。ちょっとコメントだけ なんですが、肝炎感染の記述がなしというのは、これは外科の先生方も同じでございまして、 出産のときに治療をし、その後何週間か何か月か経って、肝炎になったときは産科の医者とか には行かないんです。外科で手術を受けた後は、肝炎になっても外科の医師のところへは行か ない。大体それは内科に来るんです。ですから、こういうような記載があるのは、ある程度予 測のついたことであろうということだけは、少しコメントしておいていただいた方がよろしい かと思います。 ○高木研究班員 これは、副作用として、肝炎を発生し得るという一文がないという意味でござ います。 ○清水委員 文献上の記載としては、これで十分だと思うんですけれども、ただ、解釈の在り方 としては、そういう患者の受診行動というのが背景にあるんだということを理解した上で見て いただく必要があるというコメントです。 ○寺野座長 そのほか、御質問どうぞ。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 全体に論点の整理に当たって、要するに「最新の知見」とか、今日の意見書にも書 かせていただいたのですが、「最新情報の伝達の在り方」というような言葉が使われて、分析 がなされているんですけれども、「最新の知見」の伝達がうまくいかなかったというのが、こ の肝炎の事件の本質なのかというと、そうではないのではないか。要するにどこまでを「最新」 というか。例えば、感染リスクについては、1960年代から明らかになっていたわけですし、 重篤性についての認識もそれなりに集積されていたわけで、むしろ、新しい情報が十分伝わら なかったというよりは、既にある情報の中で、リスク評価を過少に見て、そして有効性につい ては、余りエビデンスがないのに、きちんと吟味をしないというような形で物事が医療の現場 で進んでいっているというところに問題があるのではないか。  過去の薬害事件においても、やはり、最新情報が共有できなかったというよりは、既に企業 や厚生労働省が持っていた情報、あるいは医療現場の一部で持たれていた情報がきちんと評価 されたり、伝達されたりしていないというところに事の本質があるというふうに思っています ので、その辺のところを少しまとめのときに意識していただいたらというふうに思っておりま す。 ○寺野座長 なかなか難しいところですけれども。 ○堀内委員 表現の仕方は最新というのは、ちょっと引っかかる点は、多分おありになるんだろ うと思いますが、ただ、ウイルス分野は、どんどん知見が変化をしておりますので、やはり2 点あると思うんです。1つは、新しい知見がどのように徹底されていくかということと、わか っていることがどう伝達されるかというところに、そちらが重要だというお話だったんですけ れども、それも大変重要だと思いますけれども、知見がどうやって確実になっていくかという ところもございますので、両方を考慮してまとめていきたいと思っております。 ○清水委員 今のことについて関連して、44ページの図5-19、今日の治療指針、これは産科の 記載としては大変結構だと思うんですが、恐らく同じ治療指針の中には、例えばフィブリノゲ ンのことについて、輸血とか、あるいは凝固系の医師が記載した事項が多分あるんではないか と思うんです。そこのところも一緒に見ていただいて比較していただきますと、今、御質問の あった事情についての伝達の在り方というのがどうだったかというある一つの手がかりは得 られるのかなという感じもいたしますので、できれば、チェックをしていただければと思いま す。 ○高木研究班員 ありがとうございます。今の最後の44ページは、産科領域だけを表にしてお ります。  36ページからの細かく表にしてあるものの中には、産科領域以外のものも一応含まれてお りまして、やはりかなり内容が異なったような記載が、要するに1冊の本の中に違うことが書 いてあるようなことになりますけれども、それが見て取れるんではないかと思います。  ですから、例えば星野さん、内科のものも入っていましたね。例えば38ページの5-18-24 の松田先生というのは、血液の専門家の方で、やはりそこでもフィブリノゲン投与が書かれて いますけれども、あるいは5-18-28も内科の先生が補充療法として使うという記載がありまし て、だんだん産婦人科以外の分野に関しては、そういう記載がなくなっていくというような傾 向なんだと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○清水委員 今日の治療指針というのは、私は内科系ですので、ほかの科のことは余りよくわか りませんが、比較的よく参考にされている本だと思うんです。したがって、むしろこれが産科 の領域の先生たちがどの程度こういう治療指針的なものを、この本を利用されているのかとい うようなことも大事なポイントではないかと思うんです。せっかく書いてあっても、余りそれ が利用されないということもあり得るんではないか。何らかの形で、そんなことの調査が可能 ならば、是非やってみていただければいいかなと思います。 ○寺野座長 その点もよろしくお願いします。  小野委員、どうぞ。 ○小野委員 1つ質問なんですけれども、高木先生のスタンス、これはリスクが伝わっていれば よかったということはよくわかりますけれども、先ほどの水口先生と同じなんですが、これは 厚生省のやったこと、要は社会の環境については、givenとして与えられたものとして、いい も悪いもない、お医者さんは、それに合わせて動くだけだという前提ですか。  要は、その間で厚労省がやったこと、つまり承認されてよかった、悪かったに関してはニュ ートラルなんです。どちらでもいいと思っておられるんですか、それとも、再評価のときに、 これはなくなったわけですけれども、それに関しては、あろうが、なかろうがお医者さんにと っては関係ない。その環境の中で情報の伝達だけが足りなかったということをおっしゃってい るのか、そこのところをちょっとお伺いしたいんですけれども。 ○高木研究班員 あくまでも客観的に言わざるを得ないと思うんですけれども、要するにリスキ ーだと専門の分野の人たちは言っていて、それがいわゆるエスタブリッシュされて、間違いな いということがわかった時点で、やはりほかの分野にも当然強い意識を持って情報が伝わると 思うんですけれども、危ないと言っていながら、若干あやふやな面を持った時期が随分続いて いたために、それが余り強いインパクトをもって伝えられていなかったんではないかと、文献 をずらずら見ていて思ったんですけれども、ですから、製剤自体を危険があったんだという認 識を、科学的にウイルスが証明され、間違いなく伝播性のあるものだ、あるいはウイルスが見 つかる前から伝播試験はやられていたわけですけれども、それがどの程度予後にも反映してと いうことがはっきりしていれば、これはやはりメリット、デメリットの話にも当然なりますの で、恐らく使われてしまっていたというのは、デメリットは当然あると思いながら、メリット を見捨てるわけにはいかないというのでかなり使われてしまっていたということなんだと思 います。 ○小野委員 ただ、お薬を供給させる、させないは国が決めているわけですね。お薬が根っこを 絶たれたら、今回の議論はすべてないわけです。そこに関して、あと提言のところは、今回再 発防止という観点からいろいろ御提言をいただいているわけですけれども、そこに関してはど うでもいいというか、起きたことは起きたことでしょうがないというスタンスですか。ここに 書いてあるのは恐らく学会を使ってどうのこうのという話ですから、厚労省に対するフィード バックも考えていらっしゃいますね。こういうことをやって、厚労省が早くこれを引っ込めて いれば、薬害は広がらなくてよかったということは含まれているわけですね。 ○高木研究班員 そうですね。それも全く含まれていないとは言えないと思います。 ○堀内委員 承認審査などは、行政のところで、いろいろやっているわけなので、ここで今回や ろうとしているのは、医療の現場がどういう認識で、使用するのにどういう状況であったかと いうことを明確にするというのが目的です。  ですから、そこに薬があって、それに対してそれをどういうふうに評価して、どういうふう に実際に使ってきたかということを問題にしているのであって、その前の段階は違うところで 考えています。 ○小野委員 でも、提言は厚生省に対する意見が入っていますね。基本的に学会をどうこうする というのは、そこを何か独立して、先ほど水口先生が感じられた違和感にもつながっていると 思うんですけれども、お医者さんの世界は、厚生省が世界を与えてくれたらその中でベスト尽 くすだけだという発想でおられるんだったらそこから提言みたいなものはなくて、それは一生 懸命やって早く情報伝達して、それでいいということにはなるんですけれども、何か少しこう いうまとめ方に違和感を感じるんですけれども。 ○寺野座長 なかなか難しいところですけれどもね。 ○堀内委員 要するに、医療現場のことを、今回については問題にしたと。ですから、そのとこ ろはまだ検討中というところになっておりますので、それについては、今後やりますけれども、 医療現場からどのように行政にフィードバックしていくかという問題ですね。その点について はここにもありますように検討中ということになっていて、そこについて、今はまだやってお りません。 ○小野委員 厚労省の分は、これから出てくるんです。前回も厚労省の部分は先送りというふう になっていたと思いますし、今回の資料を見ても先送りとなっているんですけれども、次回に 出てくるわけですね。 ○堀内委員 次回で言うか、行政との関係の話ですね。 ○小野委員 そうです。当然行政については、検証3のところで、薬害肝炎の発生拡大かつ薬務 行政の動きというところで、それについては、承認審査の問題についても当然入ってくると思 いますけれども。 ○寺野座長 ですから、この点は、時代の差というのもあると思うんですね。学会というものの 考え方と情報伝達ということに関しては随分時代の差、20年がありますから、差があるとい うことは確かですけれども、薬害防止、再発防止という観点に焦点を当ててやっておるわけで すから、そういう意味から言うと、当時の学会等々、医療現場の意見がどういうふうに反映さ れていたかということは、勿論重要なんですけれども、それを含めて十分言っていなかったと すれば、やはり学会なり医療現場から、ちゃんと厚生労働省なり、あるいはPMDAに対してき ちんとした情報をいかに伝えるかと、そういう提言になるんだと思います。  その中で、座長としては意見を言ってはいけないんでしょうけれども、実際に、1月からや る制度そのものに対して、システムの問題にどういうふうに反映させていくかという問題なる わけですから、厚生省というよりも、PMDAというもののような組織をつくったらそれが可能 なのかどうか。医療現場と学会等とPMDAの関係が非常にスムーズでそういう情報が行って PMDAの方できちんとそれを処理できるのかというもの問題に、1月から展開していくと思う んです。  ですから、そういう基盤としての資料としていただかないといけないと思います。これは座 長として言い過ぎかもしれませんけれども。  どうぞ。 ○堀内委員 行政の在り方については、基本的にはここで議論する問題だと思っています。です から、今問題になっているのは、医療の現場で、医療側が肝炎発生にどれだけ責任があるのか という観点が中心です。それで今、検証をやっている最中です。ですから、少し観点が違いま す。多分、小野先生が言っているものとはちょっと違うかもしれないけれども、我々の意識は そういうことでずっとやってきている。 ○小野委員 違うんですけれども、与えられた世界で反応する試験管の中でやっているような動 きだ、それは、お医者さんの活動はこうですという結論はナンセンスに近いんではないか。社 会の中でいろんなプレーヤーの中で、今回の結論があるわけですから、そこ相互作用も含めて 一緒に考えていただきたいというお願いです。 ○堀内委員 要するに、薬害について、これまで医療関係者というのは、それほど余りいろんな ことについてされてきていないですね。ただし、医療関係者は医療関係者でやはり責任がある んだろうと思って、では、どこにどうなったと。なぜこういうことが起こったか。その中で医 療関係者はどうすべきだ。そういう観点でまとめるというのが基本的なスタンスです。ですか ら行政のところはまた違うところでやるところがあるわけですから、何でも行政を付けなけれ ばいけないと、それは関係あるかどうフィードバックするかというのは一部としてはあるけれ ども、小野先生が言ったように、それがメインではないと考えております。 ○寺野座長 どうぞ。 ○清水委員 今の問題につきましては、私は、やはりまず事実をきちんと把握するのが大前提だ と思うんです。その後で小野委員が言われるようなことを議論すべきだと思いますので、現在 は、その資料を収集して、テンタティブにこう考えますというお話が、高木研究班員からあっ たわけですから、今の小野委員のことは、もう少し後で議論すべきであって、今、ここはどう いうデータを集めて、そしてそれをどのように考えていくかというプロセスの一環という意味 で、考えていきますと、今、初めから行政がどうのこうのという話で始まったんでは焦点がぼ けてしまいますので、私は現在の堀内班長の方針に賛成です。それでよろしいんではないかと 思います。 ○寺野座長 大平委員、どうぞ。 ○大平委員 全部資料を読み切ってはいないんですけれども、やはり当時の知見をすべて医療現 場の人たちがどういうふうに判断しているかという参考資料として御提示されているんだろ うと思うんです。  かなり、まだ検討中の課題もあるということなんですが、病院の方の薬剤部とか、そういう 薬学に関しての専門家の知見とかというのもここには入っていないんです。  それから、これは行政とどういうふうに絡む問題かわからないんですけれども、今の感染研 とか、そういうところの散見として少し入っていますけれども、そういったところの全体とし て、肝炎の蔓延の問題とか、そういうものを把握しているべき、科学者として、感染研のいろ いろなサジェスチョンでしたか。そういうものというのは、医療現場の方に反映していないん だとしたら、それはまた問題で、そういう文献として何かあったのかというところは是非把握 していただきたいと思います。  そうしないと、トータルで、知見がいろいろ学会ごとにあるんだということを言っています けれども、ただ、それは今後のことも考えれば、横断的にどういう視野で、そういう知見が、 文献としてあったのかどうかというところは、ここには余り反映されていないんではないかと 思いましたので、そういうところも是非入れていただきたいと思いました。 ○高木研究班員 ありがとうございます。非常にごもっともなお話でありまして、私は、対策案 のCの1の、右の先ほど飛ばしてしまいましたけれども、対策案の最初のところに、厚労省の 班研究の結果や、まとめですら十分に社会に還元されているとは言い難い、冊子ウェブでの公 開のみならず、具体的に学会に働きかけなければいけないんだ。それが結局、そちらに情報提 供した後でどういうふうにリアクションがあったのかということまで最終報告にしてやっと 研究が終わりになるんではないかというように考えまして、その文章を入れましたけれども、 今のお二方の委員の先生から言われたことは、確かに文献を調べたり、新しい知見を提供した といっても、それが結果的にどういうふうにほかの分野に波及したということまでは、やった 人たちはあとは知らないみたいな感じなってしまうと、やはりせっかくの班研究だったりする ものが、有益に行かれないだろうということでまとめの一番最後にも社会還元を大きな柱とす るということを一応入れましたけれども、そこも重要なポイントだと思っております。 ○寺野座長 よろしいですね。そういうことも、今後の検証の中に入れていただきたいと思いま す。ありがとうございます。 ○堀内委員 大平先生がおっしゃった、医師の話が中心に今回出ていますけれども、今、薬剤部 の話が出ましたけれども、薬剤師だとかいろんな医療関係者、看護師も含めてですね。そうい うところでどういう認識だとかとか、これからますます難しくそれが出てまいりますので、で すから、本当に情報をきちんと掌握して医療の現場に生かすということをやらないとまた同じ ようなことが起こらないと限らないので、その点については、今、おっしゃられたようなこと は大変大事だと思っております。 ○寺野座長 友池委員、どうぞ。 ○友池委員 循環器病センターの友池ですが、大変詳細に調べていただいていて、こうした時間 軸で見させていただくということは、大変貴重なデータだと思います。学会が執筆者の書いて いる内容についてチェックをするという機構は、少なくともここ数年前まではなかったんです。 現在、どの学会もそうですがガイドラインをつくっていますので、ガイドラインは学会のアク ティブメンバーが記載して、それを外部委員が評価するという二重、三重のチェック機構で書 かれた内容が今、チェックされております。  ただ、この商業雑誌については、個人の責任で書かれていて、学会がチェックをしているわ けではないので、そういう意味で、その学会あるいはその医療をたくさんの患者さんを見る医 療施設が、この文献をどこまで尊重して、医療行為をされたかということは、不明だと思うん です。  申し上げたい点は、せっかくここまで調べていただきましたので、該当する学会にフィードバ ックしていただいて、これをどう受けとめておられるのか。記載内容について、当時はこうい うふうに書いてあるけれども、学会としてはこういう立場だったという反論を出されるところ もあるかもしれませんので、一度現場の学会に問いかける必要があるんではないかと思います。  以上です。 ○寺野座長 清澤先生、何か御意見はありますか。 ○清澤委員 53ページのところに、当時の日本肝臓学会の回答内容、あるいは日本輸血内容の 回答内容というのがありますね。これは、むしろ患者さんを診る方なんですが、その基の方で すね。産科関係とか、あるいは血液の疾患でこういったフィブリノゲンを使っている方の学会 の認識というのが、それが今、友池先生が言ったことかなと思うんですが、そこが大事かなと いう意味で、そういう学会に聞いてみるということが、私はいいと思います。  ただ、お聞きすると、アンケート調査をやるということも聞いていますので、併せてやられた らいいのかなというふうに思っております。 ○寺野座長 情報を非常にたくさん出していただいているんですが、私もさっと見たところで、 教科書類の記載というのが、皆さんが考えておられるような最新情報かどうかということには、 かなり疑問があるんです。  最新情報というのは、やはり論文として、英文の論文にしろ、学会の論文として出てくると ころが、それすら時間が経っているんですけれども、それがある程度確立した段階で教科書に 入れていきませんと、少なくとも医学生徒等が読むわけで、そこが正しいのかどうかわからな い情報は与えられないという観点で教科書は書かれていると、私は解釈しているので、そのこ と自身が最新情報というふうに必ずしも言えない。でも、書いてあることはそのときの考え方 として確立されているものが責任を持って書かれているわけですから、その辺の区別をしなが ら、物事を進めていきませんと、そこに書いてあるからどうこうとは言えない。医者の方はわ かっているはずなんですけれども、御理解いただきたいと思います。  花井委員、どうぞ。 ○花井委員 今、堀内委員がやっている手法について、この手法自体はこれで私はやり方として いいと思います。今、水口委員が提案されたお話とか、小野委員がおっしゃられた話、その他、 生かし方、つまり、最新だけれどもどうでもいい情報と、間違った情報、古いけれども重要な 情報、これをどうするかという話も今後勿論検討し、そういうことをやる上でもこの手法はま ず第一歩です。  幾つか私としてまず言っておきたいのは、まず、論文著者に、専門領域が書いている部分は いいんですけれども、専門領域がないのはわからないから書いていないのか。つまり専門領域 が違うとその論文自体のコンテクストが変わって、科学とはいえ、専門領域は重要だというと ころで、書いてある分はわかるんですけれども、書いていない部分があるということです。  それから、さっき似たようなことで、学会がオーソライズしているから、こちら勝手に書い ているかという議論がありましたね。典型的なのは、今、インターネットですごく偉い人の意 見と、それから便所の書き込みみたいなものが、インターネット上は、同じ価値なんですね。 ですから、例えばちゃんと査読されているものとか、ちゃんと査読システムがあるものと、な いものとでは価値が違うんです。  それからガイドラインと言いますけれども、今はガイドラインというのはある程度コンセン サスをつくっているわけです。だけれども、個人で書いているガイドラインもあるわけでしょ う。ですからそこの論文の評価というものを、難しいと思うんですが、査読があるかない かとか、それから学会によってコンセンサスが取られたガイドラインなのかとか、個人的な単 なるガイドラインなのかということの評価だけ、野村総研の方で、パラメーターを何か設定し てあげて、論文全体の信用度、星を付けられるかどうかわかりませんけれども、もしくはそこ までできなければそういう情報を少し増やしてもらいたいというのが1つ。  もう一つは、今、論文をずらっと見ていて思ったのは、基本的にここの論文の読み方を見て いると、肝炎のリスクという観点と、それからフィブリノゲンの有効性という観点で読んでい ると思うんです。  それはそれでいいんですが、医師がこのような、54ページの(5)の「まとめ(現時点で の)」の文章のバランス、これがまさに今のバランスだと思うんですが、この文章こそがどう 書かれるかによってこの評価が定まるんですが、これについては論評は私は避けるんですけれ ども、要はこのテキストを書き下す上において、もう少し踏み込んだ、産科専門医の中で、私 はぱっと見たら、フィブリノゲンのガイドラインでも使用量が相当違うんです。治療目的とし て、大体100mg/dLを目指しているのか、60mg/dLを目指しているのかわからないですけれ ども、やはりそういうものが例えば凝固の論文との間でどのくらいそごがあるかともう少し踏 み込んだ部分もあってもいいんではないか。  最終的には、やはり各症例、つまりリストにあったある程度症例がわかっている分について は、私が見た限りでも相当オーバードーズもあるようですしそれは一体どのようになっている かというのをもう少し丁寧に見てほしい。  ですから、例えば、私らの出ている凝固系の先生方の論文もあって、そこにも一応後天性で も推奨するような感じには書いている。ここでは○になってしまうし、それから産科の先生の 論文の方を見たら、これだけ入れろと、○、○、同じだねと、そうではないんではないかと思 うんです。そこのところをもう少し踏み込んで、時間もあると思うんですがやっていただいて、 そういうことによって、どのような現場の医師が、それが正しいと信じるに至ったかというこ と、間違っていると言っていないと思うんですけれども、少なくとも(5)のテキスト見る限 りには、なくなっても困っていないんだから、そんなに要らなかったんではないというニュア ンスがにじみ出ているんです。でも本当にそうなのかというところも含めて、まず、それを書 き下すための前提として、もう少し論文というものの評価を、もう少し精緻にしていただきた いという話です。  ほかの行政との関係というのは、ここではまた別のところで、議論すると思うんですが、ま ず、それをはっきりしていただいて、最終的に、もし、医師にアンケートを取るということで あれば、一体、最大の根拠を何によってそれをやろうと、ガイドラインを頼ったのか、リスク をどう思ったのかということを、また、それを聞いてもらってもいいと思うんですけれども、 なぜこのようなことを言うかというと、先天性の血友病の場合は、有効性に関しては疑いがだ れもなかったんです。これは間違いなく効いたんです。これは被害者全員が認めているけれど も、HIVというリスクはそういう有効性を前に見たときに、肝炎の専門家から見れば、ウイ ルスの専門家から見れば、ウイルスと考えていたら出血のリスクというのは、現場を見ていな ければそんなに知らないわけですね。遠くに見える、これはあるんですね。遠近法的な、同じ 論文でも遠近法がある。  これをやはり有機的に描き出す必要があると思うんです。その意味で、エイズでは少なくと もそうだったので、もう少し踏み込んだ論文整理というのはできないかという御提案です。 ○寺野座長 高木先生、どうですか。 ○高木研究班員 肝臓関係の文献に関しましては、一応学会誌か、厚生省の班研究か、その他か ということと、レビュー誌であるのか、一応分けてはあるんです。ただ、雑誌のいわゆるイン パクトファクターみたいなことから言えば、ほとんど古い論文は日本語の論文ですので、やは り玉石混交していることは否めないと思いますけれども、できるだけ今のお話に沿って、重要 な文献が落ちている可能性もまだ十分ありまして、パブメドから8,000件近い文献を引いても らってあるんですが、それをまだ全部実際に見切っていないというか、理解し切っていません ので、それを見直した後でまた違った形になってくると思います。  それから、学会の御意見につきましても、先ほど清澤先生の方からもお話がありましたけれ ども、一応産婦人科学会の意見というのを、前のあれでも出たんだと思いますが、ここに載せ てあるんです。50ページ、51ページ、産婦人科学会というのと、産婦人科医会というのが、 一応会としての意見を載せたという形になっております。  ただ、やはり学会全体の意見というのと、個々の意見ではまた違ったりすると思いますので、 これは資料として、最後に、62ページから、これはアンケートの案ですけれども、ちょっと ごらんいただければと思います。こんな形のアンケートを個人に向けて出すだけではなくて、 やはり学会の、恐らく中心になって使われた先生たちというのは、もかなり御高齢になってい らっしゃっている先生が多いと思いますので、そういう先生に普通のアンケートだけではなく て、ある程度年代を絞った意見聴取みたいなこともできればと思って、今はまだ、たたき台の 段階ですけれども、こんなアンケートも一応考慮中であるということであります。 ○寺野座長 ありがとうございます。確かに最後に言われたアンケートについて、お読みいただ いていると思うんですけれども、今、たたき台ということですので、もし、こういうことも入 れてもらいたいという希望があったら、それも含めて御議論いただきたいと思います。 ○清水委員 62ページのアンケート中の専門分野というのがございますけれども、例えば、産 科でも外科でも内科でもそうなんですが、内科を専門にしているといっても、その中に更に得 意な分野というのがありまして、例えば血液といいましても、白血病の腫瘍性の疾患を治療す ることを得意としている人と、血栓、止血ということに非常に卓越した専門性を持っている人 たちがいますので、この中で、あなたは凝固とか、血栓、止血的なことについての専門性があ りますか、ないんですかとか、何かそういうふうな専門分野性を加味した方が、今、言われた 論文の専門性についての評価に大いに参考になるのではないかと思うことが1点です。  もう一つ、論文の審査の問題ですが、これはここ数年というよりも、もっと前、例えば輸血 学会では、20年ぐらい前から、そういう査読という制度を導入して2人で査読をやっており ます。多分、肝臓学会もそうだと思いますけれども、ですからここ数年ではなくてもっと前か らやっております。その査読の質というのはまた議論が若干ないわけではないんですけれども、 それは各学会に、あなたの学会はいつから査読をやって、論文の審査をしていますかというこ と聞けば一発でわかる話ではないかと思います。 ○寺野座長 水口委員。 ○水口委員 医療現場の状況を検討するときに、添付文書で書かれた適応を前提とした使用をし ている場合に限らず、今回のまとめの中に、短く更に不必要と思われる投与もなされていた可 能性があったという記述があるんです。  もう少しはっきり言うと、低フィブリノゲン血症でもないし、産科のDICでもないし、要 するに、明らかに不必要と思われる分野にも使われていたという、そういうちょっと説明がで きないような使い方もあって、それがまた被害を拡大していた、非常に安易な使われ方をして いたという論点があって、そこには今言われた学会間で情報をどういうふうに伝達するかとい うレベルの話でない領域があったわけです。  ここの辺りも、きちんと検討対象として、アンケート調査をしたりするときに、意識的に焦 点を当てる必要があるんではないか。是非そこをお願いしたいというのが1点です。  それから、もう一つ、今、出版されている文献を見て、その認識がどうだったのかという比 較をしているんですが、社会的存在としての学会そのものの在り方といったものについても、 やはり当時どうだったのかを、これからの学会の在り方についてどうなのかということを検討 する意味で、分析する必要があるのではないかと思っています。  その意味では、当時の学会が、そもそも学会と一言で言うけれども、どのぐらいのメンバー を持って、どういう運営がなされて、どういうふうに動いていたのかという辺りを、多分調べ るのは非常に難しいかもしれませんけれども、そういったことも検討に値するのではないかと 思っています。  なぜ、このように言うかというと、今日、私の意見書にも書きましたけれども、例えば、現 在、学会がガイドラインを出すときに、利益相反関係をきちんと規律しているのか、そういう ルールを持っているのかという論点が非常にホットなんですけれども、そういうこと一つ見て も、非常に学会によってばらつきもあるし、現状もよくわからない。それからいろいろな指針 をつくる人たちが、どんな手続きで選ばれて、それが本当に学会の総意を代表していると言え るのかということもわからないような学会もあるということなのです。そういった学会という 存在そのものについても、少なくとも肝炎に対する対応との関係で、切り込みを入れられるの であれば、是非検討していただけると今後の再発防止において、学会がどういう役割を果たさ なければいけないかということを考える上でも意味があるんではないか。  そういう意味では、学会だけではなくて、現場の医療機関の在り方についても、先ほど少し 言及がありましたけれども、今、どこでも医療機関には薬事委員会というのがありますけれど も、ここがやはり医薬品の安全性と有効性の評価を吟味したり、あるいは厚生労働省が緊急安 全性情報出したら、自分の病院が使っている薬を見直したりということを本来するべきだと思 うんですけれども、そういう機能を果たしているのかという辺りも、今後の薬害防止の上で重 要な視点だと思うんです。  そういう意味では、いわゆる専門家と言われる人たちの対応だけではなくて、本当の現場の それぞれの医療機関や一般の医師たちへの薬の処方行動の決め方なんかが当時どうだったの かということに、やはり焦点を当てる必要があるのではないかと思っています。ちょっと欲張 りな要望ですが、可能な範囲で是非お願いしたいと思っております。 ○寺野座長 堀内先生、何かありますか。 ○堀内委員 ごもっともな点もあるんですけれども、学会までは、この限られた時間でいろいろ 調べてやるのは難しいかなと思っています。  それから、当時の学会の在り方と、現在の学会の状況は大幅に変わってきているだろうと思い ます。最近の多くの学会は、きちんと組織化されておりますし、ちょっとこれについてはかな り荷が重いなという印象を持っております。  それから、学会自体は、これから多分法人化ということが行われていくだろうと思います。 したがって、法人格を持つのに必要な条件というので整理をされていくだろうと思いまして、 そういう面では、今、変わりつつある段階だろうと思っております。  ですから、それはそれとして、ここで学会はこうあるべきだという提言は、ちょっと難しい かなと思います。 ○水口委員 そこまで行かなくても、当時の学会との関係で、可能な限り、一応課題として御検 討いただければという希望です。 ○寺野座長 ありがとうございます。最初の不必要なものを使ったんではないかということをア ンケートに入れるというのも、なかなか難しいんだろうと思います。  ただ、予防的に使ったかどうかという程度のことは、確かに言えるんだと思うんだけれども、 不必要に使ったかどうかというのに○を付ける人はまずいないと思います。  でも、予防的にどうなのかということを、実際に出てくるわけですから、それに入れてもら うというのは、1つの点かもしれませんね。 ○水口委員 それはアンケート項目のつくり方の工夫であって、実際に添付文書で指定された適 応用でも、論文で書かれていたDICでもないところで使われていたということはあるわけで すし、現に研究班の提起された問題点の中にあるわけですから、そこにも焦点を当てられるよ うにアンケート項目の工夫をしていただかないとならないのではないかと思っております。 ○泉委員 今の先生方の御意見を聞きまして、堀内先生には、学会、今と昔は違うということで はありますけれども、私は先ほどから問題というふうに言ってしまっていいのかなんですけれ ども、産婦人科の当時は、産科領域ではどうだったのか、それは是非検証の意味でも知りたい ですので、御検討していただきたいと思います。  といいますのは、高木先生のおまとめになった、最後のまとめの中に、2パラグラフ、54 ページのところに、産科領域の出血治療の変遷を実地医家向けの『今日の治療指針』を年度別 に見ると、1966年、昭和41年からフィブリノゲンの使用が推奨されというふうに書いてあり ますが、その下の方に、産婦人科医は、現在でもフィブリノゲン製剤の有用性は肝炎感染のリ スクを上回るものであるとして、使用の正当性を述べているというふうに書かれています。  そうすると、ここのところの、いわゆるウイルスの専門家が非常に難しい、大変だというこ とを言っているけれども、産科医のところでは、リスクとベネフィットを考えると有用性はや はりあるんだという使用の正当性を述べている、その根拠は、科学的にどういう形で示されて いるのかということを知りたいです。  ですから、そこは学会でこの指針をつくっているわけですから、どういう方たちがどういう 科学的根拠を基に、これはリスクはあるけれども、それ以上に有用性があるということを正当 化されていたのかというのは、情報として検証をさせてもらいたいと思いますので、お願いし ます。  それと、先ほど医療現場あるいは医師の立場からアンケートを取るという、そして、それが正 当に使われたかどうかということなんですが、実は被害患者の実態の調査の中に、どういうふ うに使われたかという調査をされたものが、この委員会の方にも出されていると思います。是 非そちらの方もかなり膨大な被害者の何百人の情報が集まっている、どういうふうに使われた のか。その中からは、自分たちがどういう経路で感染したのか、それもわかるものではありま すけれども、今の段階においては、先ほど言ったように、DICでなくても使われたという方 はいるんです。そうすると、なぜ使われたということと、それから、どういう形で感染したか という経路がそこに出てくるはずですので、是非それも参考に御検討いただければと、大変だ と思いますが、お願いします。 ○寺野座長 そうですね、既に資料があるということであれば、アンケートの中だとなかなか難 しいですけれども、あるというのであれば大変でしょうけれども、解析をお願いできればと思 います。 ○高木研究班員 はい、今の私の書いた文章は、大元の陳述書がありまして、パワーポイントを 印刷した資料がありますので、今、何ページだとかは言えないんですけれども、それに基づい て引用いたしました。  ですから、2004年当時の先生方のお話として、まだ、そういうふうに弁明されていたとい うことでして、また、それから4〜5年経っているわけですけれども、今もそういうふうに思 っておられるかどうかわかりませんが、やはり一番下の方にも書きましたけれども、それが使 えなくなったからといって、本当に出血がどうにもならなかったということは現実にはありま せんので、恐らく科学的な根拠という意味で言えば、いろんな形で、いわゆる論破できるよう な内容なんではないかと思いますが、その時点では明らかに述べている方たちは、その時点で は明解に主張されていたということがあるので、その方たちのバックグランドに基づいた主張 なんでしょうけれども、正当に本当は議論して、違うんではないかということがなされなけれ ばいけないんではないかと思います。 ○泉委員 その資料を反対側の方からも、是非、この資料を見ていただきたいと思うんです。反 対尋問のときに、先生方は証人に対して、何とおりの例をやって、これが有効性というふうに 見えますかという質問を、幾つかの裁判でしております。そうすると、全くしていなかったと か、何十年にもわたって1回しかやっていないとか、いろいろありましてはっきり覚えており ませんけれども、そこの全体をごらんになっていただいて、それでも1回書き直しがあるかど うかを検討していただけたらと思います。 ○高木研究班員 わかりました。 ○寺野座長 できるだけ簡潔にお願いします。 ○花井委員 これは裁判の文献としての引用をやめた方がいいんではないでしょうか。というの は、裁判は打ち合わせをして、厚生労働省から、先生、こう言ってくださいとか、言われたり している話であって、そんな話は全然意味がないです。ですから、それはやめて、むしろこの アンケートとか産婦人科が出しているフラットな、アンケートをもう少しフラットにすべきで はないかと思います。今、リスクがわかっている状態で、肝炎のリスクがどのくらいわかって いたのかという展開になっているので、このアンケートでは、本当のことが出てこない、なる べくフラットに、そうなるとこっちにバイアスがかかった話にこちらをバイアスがかかった反 論を検討しても不毛なので、文献の評価のみで、裁判の文献引用はやめた方がいいと思います。 ○寺野座長 簡単にお願いします。 ○高木研究班員 裁判の陳述だけではなくて、そういうことを書いている論文も、そういう人た ちは、いっぱい書いていらっしゃるんです。ですから、引用の仕方を変えた方がいいかもしれ ません。 ○花井委員 論文として出して、この論文は、どう書かれたかという資料として出して、裁判に はやらない方がいい。 ○寺野座長 客観的にね、裁判とはまた別の問題でしょう。  清水先生、どうぞ。 ○清水委員 このアンケートの中で、今さっと見たんですけれども、どういう病態に対して使っ たかという選択肢がないんですが、それを入れるのは難しいんでしょうか。例えば大出血が起 こったとか、大出血を予防するために使ったとか、とにかくお産には出血はつきものだから使 ったとか。そうすると、水口委員が言われたようなことを一部はカバーできるのかなという気 がするので、どういう病状に対して、あなたは使いましたかというようなことを、どういうふ うに入れるかは検討していただく必要があるんだと思うんですが、選択肢として入れておかれ た方がいいと思うんですけれども。 ○寺野座長 山口委員。 ○山口委員 時間もないので手短に、また話が戻ってしまうかもしれませんが、今日の高木先生 の御報告とかを見て、やはりこれは怪しいというのをちゃんと的確にとらえて、それがちゃん と分析、検証できるような仕組みができないとしようがないわけで、そういう観点から考えて 医療機関で、データ処理して何か評価を行うとか、あるいは学会でそういうことをするという のが本当に可能なのかどうかというのを、私は少し疑問に思っていまして、その辺も含めて、 少し考えていただきたいと思っていまして、やはりそれは最終的には国がやるべきことではな いかと、水口先生もおっしゃっていたように、わかっている知見とか、ある程度エビデンスは 高いようなものというのは別にいいわけです。そういうことも大事ですけれども、そうじゃな くて、もっと重要なのは、怪しいとか、これはひょっとしたらまずいとか、そういうのをちゃ んとピックアップできるというのは大事、それをちゃんと評価できるというのが大事だと思い ますので、そういう観点から考えて、医療機関だけとか、学会だけというのが、全体の安全性 対策の中でそれがちゃんと機能するのかというところを少し議論するべきではないかと思い ます。 ○寺野座長 ありがとうございます。  坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 文章の締め方なんですけれども、28ページ、不活化するための条件を満たすこと は、困難であったのではないかと考えられるとありますが、この締め方は、困難であったので はないかということは、ちゃんとした処理ができなかったのならば、市場に出すべきではなか ったのではないかと思うんです。  ですから、ここの締め方は、ちょっと私は納得できないです。 ○堀内委員 これは、ドラフトでして、細かい用語の使い方等については、これから十分に検討 します。  それから、論文についても、まだページ数が入っていないところがあったり、いろいろ表現の 仕方を統一しないといけないと思っておりまして、それは今後の問題というか、きちんと統一 をとるようにしたいと思いますけれども、要するに、その論文にすぐ戻れるような、探せるよ うな形にしないといけないと思っていますので、今日は申し訳ないですけれども、細かいのは 許してください。毎日、毎日変わっている内容なものですから。 ○寺野座長 今のことに関しては、確かに時間がそろそろ来るので締めなければいけないんです けれども、いろんな御意見、細かいことを、誤字、脱字も含めて、いろいろ問題があると思う ので、それはファックスなり、後でまた言うつもりだったんですけれども、事務局の方にお伝 えいただければ、堀内委員の方にすぐ伝わるようになっておりますので、気がつかれたところ は、どうぞ。 ○高橋委員 資料3のところに一つ入っているんですけれども、添付文書を承認事項に移行した らどうかという話が出ています。この点について、賛否両論あると思います。現実でも、今、 審査されていると同じように、新薬承認になるときには、審査されていますし、変更するとき には当局と話し合いながら、検討して変更しているということで、実際は承認と一緒だろうと 思うんです。  欧米は既に承認制になっているわけですけれども、日本だけが、そういう形で承認制にはな っていない。だけれども実質はほとんど審査されているという状況になっています。  ただ、私はどちらでもいいと思うんですけれども、問題はやはり迅速性だろうと思います。 例えば、ヨーロッパだと変更するのに90日、何も言ってこなければ、変えてもいいと。  アメリカですと、今、重大な変更しようとすると、半年とか、3か月とか、かなりの時間を かけて変更ができるという状況になっています。迅速性をするために、仕掛けなり、新しい知 見が出たときに、それを添付文書に載せようというようなときに、やはり迅速性に欠けるよう な制度をしないで、うまくすぐ添付文書が変えられるような、そういう手立てを打つ必要があ るのかなと思っております。 ○寺野座長 製薬協の方でも、是非その点は工夫していただきたいと思うんです。  堀内先生、どうぞ。 ○堀内委員 今のようなお話が、公文書にしろという提案をすると出てくるんではないかと思っ ております。ただ、今お話にあったように、米国等ではFDAが一字一句ちゃんと見ていると いうようなことがあります。ですから、公文書として国が責任を持っているということですの で、これは、1つのたたき台で、いろいろな問題でも確かにあると思います。今、お話があっ たように公文書にすると時間がかかる、ではその間どうするのか。緊急安全性情報とか、そう いうので対応するのか、いろんなやり方はあると思いますけれども、それも含めて、あえて提 案をしているのでありまして、議論をしていただいて一番いい方法を考えていただければと思 っております。  審査をするにしても、当然のことながら、医薬品の安全に関わっている厚労省あるいは機構の 人数ではとても足りないということになりますので、そういうことも含めて議論していただけ ればということで、問題提起をしたということです。 ○高橋委員 是非、議論をさせていただきたいと思います。 ○寺野座長 そうですね。お願いしたいんですけれども、今、言われたように、1月からのシス テムに関する議論の中で、こういう作業が必要であって、これだけの人数が必要であるという こと。あるいは、システムそのものを、夏休み前にやりましたような、A案、B案のような話 が出てくるわけで、その辺といかに結び付けて、今の検証を役立たせていただくというのが一 番大事なことなんです。ですから、是非その辺を頭に置かれて御議論をいただきたい。そうい うふうにやっていただいていると思いますけれども、大熊委員、おとなしいですね。 ○大熊委員 水口委員が言ったことはどれも大事なことですけれども、非常に簡単にできること は一番の薬害教育のその前に医薬品についての教育が医学部でどのようにかつて行われ、その 後、今はどうであるかというのは、学会を調査するよりかはずっと簡単にできることではない かと思います。それが薬の処方行動ということで出てきたことへの答えになるのではないかと 思いますので、是非とも医学部の教育について調べていただきたい。そこが根源にあるのでは ないかと思います。  もう一つは、先ほど清水先生が産科や外科でやったことが原因の結果は内科でわかるとおっ しゃったわけですけれども、今の日本ではそれがわからないような仕組みになっているんです ね。特に産婦人科は保険外なので、レセプトも出ないしということがありますので、対策と しては、ある人がどこか行ったときには、必ずこれまでの薬暦が出るような仕組みをつくって おけば、今のところ学会でわかったのに、それなのにやりましたという話になっていましたけ れども、学会とかそういうところで、まだ言われていなくても、ここの臨床医のところで、こ れは危ないということがわかるような仕組みが必要なのではないか。ドクタールールという、 よく医者さんが読む薬の投与を開始した後で出てきた新たな症状はその他の原因が明らかに ならない限りその薬によるものと考えるという不文律のようなものがありますけれども、それ が今は行われ得ないような状況になっているのではないか。  今、電子カルテとかいうのがどんどん進んできていますので、これがかつてと違ってできる ようになってきているので対策の方にそういうこと盛り込んでいただけたらと思います。 ○寺野座長 それはいいアイディアというか、当然のことなんです。電子カルテになって、情報 共有ということ、ほかのところも見られるようになりますので、しかもいろんな統計が取りや すくなってきていると思うんです。そういうところは、勿論、御提言の中に入ってくるんでは ないかと思います。 ○大熊委員 特に産科領域がブラックボックスになりがちですので、そこは例外的によく丁寧に やっていただけたらと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。そのほか、御意見ございませんでしょうか。いっぱいおあ りになると思うんですけれども、時間が来ましたので、大体この辺りで、検証5に関する御議 論を終わりたいと思うんですけれども、実際は、本当に隅々まで読むのは大変なことなんです けれども、先ほど言いましたように、是非、ファックスなり何なりで、気がつかれたこと、あ るいは御提言等々について、アンケートに対する意見なんかもあると思いますので、それは事 務局の方に是非出していただきまして、また、堀内班の方で御検討いただくということにした いと思います。  非常に難しいところでありますが、我々医師から見ると、非常に現場としてよくわかるんです けれども、現場で認められていることと国民一般で感じられていることの差をつくづく感じさ せられるところであります。本当に、医療水準というところまで踏み込んでいくと大変な作業 になるんですけれども、またそれに類似した考え方もあるんではないかと思います。では、ま た御意見があったらファックス等でお願いいたします。  どうぞ。 ○堀内委員 最初に申し上げましたけれども、患者の社会からの偏見の問題とか、痛みの問題と かいろいろその辺のところをどうやったらいいかという御意見がありましたら、是非聞かせて いただきたいと思います。今もあれやれこれやれと、こういう言い方はまずいんですが、たく さんの宿題が出ておりますけれども、したがって、限られた人数で、期限が限られている中で やっていることですので、できればこの辺については、いろんな形で御協力いただきたいと思 いますので、是非よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 本当にこの検証に関しては、大変な御努力だったと私自身は思います。それは御苦 労だったんですが、また今日もいろいろな提案がありましたので、また、それで可能なものは やっていただきたいと思いますし、大いに参考にしてアンケート等々を実行していただきたい と思います。  それでは、先ほどお約束しましたように、まだ、検証3〜4に関しても、御意見を言えなか ったという御不満の方もいらっしゃるようです。ですから、3〜5まで全部含めて、今回で、 この検証に関する議論を一応まとめたいといいますか、ストップしたいんです。勿論、次の1 月からの議論の中にも当然出てまいりますし、御報告もいただきますし、それから検証も続き ますので、そのために御報告いただきますが、1月からはこの親委員会からしてみると、やは り全体の制度の問題をどうするかというところに移っていきたいと思いますので、これまでの 検証について何でも結構でございますので、是非これは言っておきたい、こういうことを聞き たいということがございましたら、ほぼ30分ぐらいの時間で、御議論をいただければと思い ますので、よろしくお願いいたします。  清水委員。 ○清水委員 どこに入るのかちょっとあれなんですけれども、多分、今の続きに入った方がいい のかと思うのは、今回の議論は血液製剤なんですが、例えば血液製剤ということになりますと、 私は輸血を専門にしていたんですが、分画製剤というのは輸血用血液製剤と全然違った認識と して受けとめられている部分があるものですから、薬害エイズと称する問題が起こったときに、 まず、日本の輸血ということは余り念頭になかった。  ですけれども、欧米諸国では輸血も分画もエイズ感染には非常に大きな影響力があったわけ です。それで、たまたま私は都立駒込病院にいまして、そのときには新鮮凍結血漿とアルブミ ンが、保険の関係もあって、オールタナティブに使われたんです。アルブミンを使い過ぎて、 そろそろ健康保険でカットされるからFFPに切り替えようというような使われ方をしてい て、これはおかしいということで、アルブミンを輸血部管理に移すように、薬剤と交渉して輸 血部に移した経緯がございます。  それから、女子医大に行っても、それをやろうとすると、いろいろ抵抗はあったんですが、 大量に使用されているアルブミンと免疫グロブリンをまず輸血管理にしまして、それから、厚 生省から、使った患者とロット番号を照合できる形で管理をしなさいという通達が出て、当時 の女子医大の薬剤の使用量は、非常に膨大な状況だったものですから、輸血でやれるのならや ってみてくれないかということで、全血液製剤と分画を含めて輸血部管理に移しました。  そういうことがありまして、今から思いますと、1つはオールタナティブに同じようなもの で危険性がより高いもの、低いものの使い方が混ぜこぜに行なわれる可能性があるということ と、それからもう一つありますのは、例えばエイズのような問題が起こったときに、自分の目 の前で扱っていませんと、同じ院内であって、同じ血液製剤であってもなかなか配慮が行き届 かないという問題がございます。  そういうような意味で、今後、これから問題になるというのは、多分リコミナントの血液製 剤と称するものが第8因子、それから第7因子ですか、さらにリコミナントアルブミン等が出 てまいりまして、そういうような製剤の管理をどうするかという問題が、同じような延長線上 の問題として出てくるのではなかろうか。  したがいまして、院内における、血液製剤も薬剤ということになっていますが、薬剤管理の 在り方というのは、今の在り方で本当にいいのか。  例えば、抗がん剤についても何種類もあります。同じ呼吸器科で肺がんの治療をやったり、 あるいは高血圧の治療をやったり、本当に何種類もの降圧剤が出ております。  それぞれのガイドラインを学会で出してはいるんですが、本当にそれが適正に行われるとい うことになりますと、やはり薬剤部の中にも、ある程度専門分化制をきちんと位置づけて使っ ていくという体制が必須ではないかと思いますものですから、そういう観点も今後の薬務行政 の中からの発信としてあるべきではないかと思う次第です。 ○寺野座長 ありがとうございます。高橋委員、何かコメントはありますか。 ○高橋委員 特にありません。 ○寺野座長 水口委員、どうぞ。 ○水口委員 前回の論点の「行政の対応」に関連することですけれども。今日の「医療現場にお ける問題点」の分析でもそうだったんですが、やはり行政の対応という観点からも、最新の知 見をどう評価していくかという発想だけではなく、少なくとも肝炎の事件から言えば、既にあ ったリスク情報、既にあった有効性の問題点ということを踏まえて、緊急対策なり、回収なり がどうして遅れたのかという観点から、分析をきちんとしていくべきだと思います。  全体に、何となく「伝達方法」の論点に、前回の論点整理も傾きがちだったのですけれども、 やはり多くの薬害事件というのは、情報がなかったのではなくて、情報があったのにちゃんと 対応か取られなかったということにむしろ問題点があるので、そこにきちんと焦点を当てて、 検討していくということが重要であろうと思っておりますので、是非そこをお願いしたいと思 っております。  それと、これも前回、時間がなくて申し上げられなかったんですけれども、前回の論点整理 の中に、加熱製剤の承認について、青森の集団感染事件との関係で、「緊急対策としてやむを 得なかったとはいえ云々」という形で、加熱製剤の承認が緊急対策としてあり得る選択だった んだということで分析されているように見えるところがあるんですけれども、薬害エイズの教 訓からいってもそうですが、薬を止めるときに、次の薬がないと、止められないという発想で、 非加熱の血液製剤だったら、加熱製剤が承認されるまでは、あまりリスクもちゃんと伝えない、 あるいは回収もしないというようなそういう対応にどうしても行政は陥りがちなんです。  HIVのときのことを申し上げると、資料として「軟着陸をさせるんだ」というふうに厚生 労働省の担当者が言っており、そういうメモが残っています。、つまり、現場の混乱がないよ うに、混乱を回避できるまで、回避できる方法が見つかるまで、リスクもきちんと伝えないと いうのが行政にありがちな対応だと思うんです。  この辺の問題意識を是非持って、集団感染に対する対応や、加熱製剤承認に対する対応を分 析していただかないと、ちょっとずれてしまうのかなというふうな危惧を持ちましたので、そ れをお伝えしたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。そのほか、御意見ございますか。  どうぞ。 ○小野委員 要は、これで検証は終わりですか。 ○寺野座長 いや、検証は終わりではないですよ。検証は続きます。 ○小野委員 何か今までやっていることはいろんな要素をばらばらにしていって、死後解剖で体 をぶった切っていって、最後はどこが悪かったと、ここらはそれぞれにわかるんですけれども、 実際に動いている世の中は生きているわけで、生きている人たちがどういうデシジョンメーキ ングをしたかとか、そのときどう悩んだかなんていう話は、恐らく今までの話の中では、何一 つ出てきていない。今日の話の中で、大分まとめていただいて、高木先生のまとめていただい た、はっきりした御意見があって、わかりやすくて非常にすばらしいと思ったんですけれども、 それ以外の部分は、例えば当局に関するところですとか、もう少し違うマスコミとかの話も含 めてかもしれませんけれども、そういうところの生きている人の姿がよくわからない。それで 有効性と安全性の議論もしたではないかとおっしゃるかもしれませんけれども、あれも分けて 考えてもしようがないんです。お薬は有効性と安全性を分けて、これは安全性だけ見ましょう とか、リスクの情報だけ見ましょうと思っているのではなくて、前回も言いましたけれども、 このお薬が社会にとって要るかどうかと両方考えて、世の中に存在しているわけで、それを当 時の人はどう考えていたか。あるいは我々が今振り返ってどうか。  もう一つ究極の質問、だれも答えていないと思うんですけれども、今回とった行動は、これ はしようがないと、当たり前と思って、また、次回も起きるけれども、また振り返るしかない と思っているのか。あるいはもっと何とかする余地があったと思っているのかをみんな心の中 で隠しながらディスカッションしていますから、全然結論というか隔靴掻痒みたいになって、 本当に知りたいところが、だれひとり見えていないんではないかという印象を受けるんですが、 ほかの委員の先生方は、こんな感じでいいんでしょうか。ばらばらにしていって、それぞれの パーツの結論は出ましたと、そこをちょっとお聞きしたいんですけれども。 ○寺野座長 それに関しては、私の考えとしては、私が全部あれしているわけではないんですけ れども、やはり夏までは、拙速とまでは言いませんけれども、かなり急いだ議論でやったこと は確かで、余り内容を持たないでシステムの議論ばかりしていると思うんです。これは概算要 求の問題があったので、急いでやったことがあるので、それは限界があることは明らかであっ た。  でも、問題の本質はどこにあるのかということは、あのときも結構議論したと思うんです。 今度の秋からは、やはり検証という形で、先生の言われるように、ぶった切った形でやられた かもしれません。でも、検証というのは、ある程度分けてやらなければできるわけはないし、 それを総合して、本当に生きたものとするというのが1月以降。 ○小野委員 1月以降にそれをやるということですね。 ○寺野座長 そうです。 ○小野委員 はい、結構です。 ○寺野座長 いろいろ皆さんの意見を聞きながら、勿論提案していただかなければいけないんで すけれども、それをやることによってシステムのどういうものがいいのかという夏前の議論に 戻っていくということです。4回くらいでどこまでできるかわかりませんけれども、効率的に、 そんな怖い顔で見なくても大丈夫ですけれども、いいですか。 ○小野委員 是非、努力したいと思います。 ○寺野座長 皆さんでそれは考えていくことだと私は思っております。  大熊委員。 ○大熊委員 私はメディアにおりましたので、水口先生と小野先生のがすごく突き刺さっている わけで、現場の混乱を避けるためにということで、よかれと思ってメディアもそういう行動を とってきたんです。  サリドマイドのときもわかっていて、すぐには報道しなかったし、HIVのときは、その血 友病の方が更にエイズにもなっているということになると、どんなにまたひどい目に遭うかし らということを忖度して、まだウイルスとはわかっていなかった時期ですけれども、余り大き く扱わなかったということがあるので、非常に人間の本性に根差していることなので、厚生省 が悪いということよりも人間は、さっきおっしゃっていたように、陥りがちの気持ちのところ まで考えてでは、どうしたらいいかというところまでしないと、解決策にならないかと思いま す。 ○寺野座長 ありがとうございます。  大平委員、どうぞ。 ○大平委員 大熊委員の方が少しお話されたのであれなんですが、今日の分析とかそういう中で も、分析の中に入っていない問題が、関係機関ですとか、そういうのがあるんではないかと思 います。  これは、血液の問題なので、日本赤十字社ですとか、当時の、先ほどちょっと言いましたよう に、予研の在り方とか、検定しているわけですね、ですからそういう検定の在り方とか、承認 というのが、実態としては、よくわからないところがありますので、そういう資料とか、そう いう問題というのが、今回、俎上にはのってきていないというところで、本来、もう少し血液 に関係している生物製剤というか、それに関係している関係機関も問題点というのもきちんと 出さないと、今後も、この血液製剤関係とか、医薬品の問題も広くすそ野としてはあるんです けれども、そういう問題の安全性をどうやって確保し、そういうものが再発しないようにどう するかというところには、かなりフィールドの広いといいますか、そういう方たちがいっぱい 関連して動いている。 それを本当に全部集約して、行政が全部取り仕切るということで、そ こで決着を付けるならば、それでいいんですけれども、でも、実際はそういう方たちが動いて いるというところで、私たちも患者の方もそういう方たちとの接触とか、それからまた情報と いうのは、そういうところから得られているところもありますので、もう少し大変なんですけ れども、今、挙げたような機関とか、もしまだ足りない部分、私なんかは、薬害エイズの問題 で、どうしても腑に落ちないのは、臨床検査をしている方だとか、それから薬剤部の方の話と か、自己注射しているときに薬を薬剤部の方で受け取るわけです。  今、問題になっている薬ですけれども、これは大丈夫ですかといっても、これはお医者さん からの指示どおりですという話なので、それでいいのかというところも、ずっと疑問に思って いまして、あそこで少し情報として、いろいろいただけたら患者も変わっていたかもしれない とか、そういう問題もありますので、もう少し関係機関の問題点も出していただけたらと思い ます。 ○寺野座長 ありがとうございます。この辺は検証委員会で可能ですか。 ○堀内委員 ここは可能だと思います。大事な点だろうと思います。 ○寺野座長 御提案ありがとうございます。  間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 サリドマイドの事件のときに、10か月間回収が遅れた。諸外国に遅れること10か 月回収が遅れたというのは、皆さん御存じだと思うんですけれども、サリドマイド事件は裁判 が和解で終わりましたけれども、そのときに和解確認書の中で、国民の健康保持のため必要な 場合、承認許可の取り消し、販売の中止、市場からの回収などの措置を速やかに講じるという ことが書かれているんです。  速やかに講じるということは、そういうことがあり得るわけであって、それがもしあったと きに、どう対処するのかという、今の言い方で言えば、リスクマネージメントというか、いわ ゆるリスクマニュアルというか、そういうものというのは、何か考えたようなことがあったか どうか、そういう会議とか、そういうことを実際に厚生省の中で話し合ったのかどうかという のを知りたいです。  何となく想像ではそういうことは話し合われていないのかなと思いますので、もし、話し合 われていないのであれば、今後、そういう何か起きたときはこういうふうにするんだという基 準みたいなものというのをつくれるような仕組みをつくっていただきたいと思います。 ○寺野座長 おっしゃるとおりで、非常に重要なポイントだと思うんです。それは、実際にどう いう話でどうだったか、我々もまだわからない、報告されている以外わからないんですけれど も、そういうことも含めて1月以降、同様にしたら、間宮委員が言われるようなことも可能に なるのか、そのシステムとしてはどういうのが一番いいのかということを議論したいと思いま すので、もう一度議論を出していただいて結構かと思います。  そのほか、御意見はいかがですか。  坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 私の意見書に書いてありますが、済みません、少しお時間をください。  2番目に、大分話が進んできましたけれども、検証2、3、4をもっと深く議論する時間がほ しいですということを書いています。いろいろやっていましたが、疑問、質問、そしてお願い とかがいろいろ出てくるもので、今日、12項目書いていますけれども、ちょっと時間もあり ませんので、4項目ぐらいに絞らせていただいて、ちょっと聞いていただけますでしょうか。  まず、2番、3番をまとめていきたいと思います。資料は、意見書に書いてあります3ペー ジの裏を見ていただければと思います。  1964年、昭和39年は3月にライシャワー事件、そして、6月に日本ブラッドバンクのフィ ブリノゲンの承認、そして、8月が閣議決定、そして、同じ月にミドリ十字に社名変更されて います。  この資料なんですけれども、内藤良一氏が書いた『老SLの騒音』をごらんください。333ペ ージの最後の方ぐらいからなんですけれども、それまでには、生きていくために必死にやって きたとか、あと、閣議決定があったので、自分の会社は締め出されるとか、そういった内容な どが書いてあるんです。  そして、次の334ページなんですけれども、1行目からですが、我々に厚意のあった厚生省 の課長や血液事業団の山口専務理事さんから、声静かに、保存血から手を引きなさい。そうす れば、血漿分画製剤の事業は生き残れるという忠告がありました、ということが書いてありま す。  当時、内藤氏は血液製剤は危険だと知っていました。500人も死んだということも知っていま した。  国は、なぜ内藤氏にインタビューしなかったのかなと、そういった疑問もわいてきます。  それと、3の輸血用血液が献血に切り替わったときに、血漿分画製剤もそうできなかったか というのにも結び付くと思うんです。献血よりもはるかに血漿分画製剤が危険だとはだれが考 えてもわかることですが、なぜ血漿分画製剤に関しては、ミドリ十字になったのか。また、疑 問なんですけれども、保存血の達成が1974年、昭和49年ですね。  そして、1975年、昭和50年に内藤良一氏も参加していた血液問題研究会が厚生大臣に対し て医療に必要な血液製剤を献血により確保する体制の早急な確立等についての意見具申があ りますが、それから先もなぜか献血になっていません。  この時点で、ちゃんと献血にされていたら、薬害エイズも薬害肝炎も起こっていないんでは ないかと思います。ここらへんを私としてはとても知りたいです。  意見書の一番最後なんですけれども、この頃のメモが幾つかあるようですけれどもその1つ なんです。三菱ウェルファーマ社が、厚労省に提出した段ボール2箱の中に入っていた資料で す。  青森の集団感染を受け対応を話し合ったものです。1987年、昭和62年4月30日に薬務局安 全課で話し合いが行なわれたようです。  発言者は、牧野医薬品副作用情報室長、メモを作成したのは、旧ミドリ十字の東京支社、今 村支社長です。この今村支社長は、元官僚、旧厚生省薬務局企画課長補佐でした。  以前、ミドリ十字は、厚生省薬務局大阪分室とまで言われていたそうです。分室なのになぜ厚 労省にいろんなことが伝わらないのかなと思うんです。  熊本に化血研というのがあるんですけれども、そこは厚労省の天下りになっているというの は、まだ聞いたことがないんです。  そこでお願いなんですけれども、年代ごとに厚労省からのミドリ十字への天下りの人数を教 えていただきたいと思います。これを知らずに再発防止はできないのではないでしょうか。非 常にこの背景を知りたいし、この点は是非明確にしていただきたいと思います。  3番目に血液製剤の製造施設の現地視察なんですけれども、以前、私が意見書で書いていま したが、製造工程について一度現地視察をお願いしたいと思います。私は全くの素人です。だ から、なかなかイメージが湧かないもので、座長それは可能なのか不可能なのか。そして、私 一人なんでしょうか。もし見に行きたいとかそういった委員の方がいらっしゃったら、是非一 度見たいと思うんですけれども、そこもお尋ねしたいです。  最後にヒアリングの件なんですけれども、だれとどういうところでヒアリングをするのか。 ヒアリングの組み立ての計画というのは、そろそろされてもいいころだと思います。  よろしくお願いします。 ○寺野座長 最後はヒアリングの内容ということですか。 ○坂田委員 だから、だれにどういうところで会うのか。いわゆる皆さんがだれと会いたいのか。 ○寺野座長 かつての昔の人もですね。 ○坂田委員 はい。やはりまとめてそういった組み立てが必要なころではないか。小野委員も言 われるように、当時の人がどう感じていたのか。そこはとても大事なことだと思いますので、 是非御検討をよろしくお願いします。 ○寺野座長 この問題は以前にも出されていたことなんですが、1つは血液製剤の現場というか、 工場へ行くかという問題ですか。 ○坂田委員 そうです。 ○寺野座長 これに関してはいかがですか。PMDAは夏のときに行っていただいたんですけれ ども、現場への視察というかそういうことが可能なのかどうか。事務局どうですか。 ○医薬品副作用被害対策室長 ここの委員会として、あるいは委員何人かから、もしそういう御 要望があれば調整はしたいと思います。 ○寺野座長 これは皆さんも是非という話であれば、現在のということしか勿論できませんけれ ども、それらの企画はできるであろうと、今、お話がありました。 ○坂田委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。 ○寺野座長 ヒアリングについても前に一応出ていましたね。これについてどういうふうにもっ ていくかということで、大分の前の話ですが、これはもしやるとしてもオープンなのかクロー ズなのかということに関しては、例えばここでやるということはなかなか難しいだろうという ことなので、どういう形でやろうかという話まではいっているんですが、具体的にだれとだれ を呼んで、どうするかというところまでは話がいっていないと私は思います。  事務局から何か意見があれば、どうぞ。 ○医薬品副作用被害対策室長 これは堀内先生の研究班の方とどういう形でやるかということ を整理して、それで具体的な提案をどうするかということかと思います。そろそろそういう具 体的な話があってしかるべきではないかという話だと思いますので、堀内先生の研究班とそこ は御相談させていただきたいと思います。 ○堀内委員 検討させていただきます。 ○寺野座長 大変いい御意見をありがとうございます。  そのほか御意見ございませんでしょうか。全体を通じてでいいです。これに関しては、今から まだ検証を続けていただきます。今、要望もたくさんありましたので続けていただきますし、 多分、小野委員が心配されているぶつぶつに切られたところをまとめ直す作業もあると思いま す。しかし、これは検証委員会の方で証言をとられて分析していただいたものを我々の親委員 会でどういうふうにまとめていくか。どういう意義づけをしていくかということになると思い ますので、皆さんもよく前のことを覚えて、頭の中でぶつ切りにしないで総合していただきと 思っています。  そのほか、御意見はございませんでしょうか。どうぞ。 ○水口委員 検証と提言とを両方議論していくことになりますと、検証部分については更に研究 班の方で進化させて、いろいろ書き込まれたりしたものを、その段階、その段階で、各委員会 毎に、そこまでの到達点という形で、その都度、今までのように出していただくという形にな るんでしょうか。 ○寺野座長 実際、検証そのものは新しくやることもございますので、その結果については、勿 論報告していただくということで、これは私の考えなんですけれども、できればいろんな制度 について、どういうふうにやれば再発防止にとって一番いい制度になるのか。ただ、これは肝 炎だけの問題ではありませんで、ほかの薬害、サリドマイドも含めてあるわけですから、今か ら何が出てくるかわからない。そういう中で、どういうシステムが一番いいかということを議 論して、夏までの議論になると思うんですが、それが実際に厚生労働省として予算がどれだけ とれるのか。 どれだけの人数がどういう部門に人が足りなくて、どういうものをつくらなけ ればいけないということも含めて、そして、組織的な、根本的な問題も解決しなければいけな い。そういう中で、それに関連した検証内容が当然出てくるわけですから、それを今やってい ただいていると私は解釈しているんです。  ですから、当然1月以降の議論、これは4回しかないので余りないんですけれども、どうし ても必要であるということになれば、来年度にもやってよろしいと大臣の方からも言っていた だいておるので、それはその段階での判断ですけれども、今の検証の結果、それをいかに有機 的に統合していくかというのは、この委員会の責務だろうと思っています。 ○水口委員 この委員会が中間的なものであっても、一定の何らかの結論を出すについては、研 究班の報告書をこの委員会で確認するということが最低限必要なことであるということは既 に確認されていると思うんですが、1月以降も提言そのものについて議論がしやすいような資 料を出していただくということも勿論あると思います。  今回、肝炎の検証をいろいろやっていただいています。その作業も並行して進むわけですか ら、その進んだものを、その都度この会議にも並行して出していただくという理解でよろしい んでしょうか。 ○寺野座長 どうですか。 ○堀内委員 班会議はかなり頻度が高く予定されておりますので、どちらにしても、これまでや ってきた検証はまだ虫食い状態なわけですから、まだやっていないところを埋めるということ。 それから、まだ不十分な点がたくさんあります。  例えば今日もそうですけれども、ダブって、いろいろなところに関わってきているので、そ れは議論がしやすいようにということでダブらせて出したりいろいろしておりますので、最終 的には3月にまとめるために整理をしていく。その前段階でまだ検討をしているもので、報告 をしていない点については、それができ次第ここで報告をしていく。  ただ、これはヒアリング、アンケート等をかなりやるということで、時間もかかって、だか ら、毎回すぐにここのところを出せと言われると、なかなか厳しいときがありますけれども、 最大限の努力をしています。毎回言いますけれども、班員の皆さんは夜中にメールが飛び交っ ている状態でやっておりますので、御理解をいただきたいと思います。 ○寺野座長 短期間で本当に少人数で頑張っていただいておるので、勿論、限界があることはわ かっておりますけれども、その点はこういうふうにしていただきたいという要望は出していた だいて結構ですが、限界があるということも御理解いただかなければいけないと思います。  時間がきましたので、議論をこの辺にしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。  次回に関してですけれども、毎度申し上げることですけれども、メールなりファックスで、で きれば15日月曜日までにといっても、時間が余りないので申し訳ないんですけれども、堀内 委員へ渡さなければいけませんので、できるだけ早くいただきたいと思います。アンケートな どに対する提案もあれば、それも出していただいて結構だと思います。  それで、次回以降どういうふうにもっていくかということは、そのときそのときで申し上げ てきたんですけれども、一応事務局からの提案として言われたことは、1月と2月に1回ずつ、 3月に2回ということで大体皆さんにもお知らせがいっているようですけれども、年度内で一 応の提言をまとめたいということです。最終ということにはならないでしょうけれども、一応 の提言ということでまとめたい。  ですから、これまでの議論を整理して、1月からはまとめに向けた議論を開始することにな りますので、これに関しては、具体的に提言のたたき台的なものをつくらないと議論としてま とまらないので、この委員の中の5〜6人なりで集まっていただいて、起草委員会をつくって もいいんですけれども、これもまた大変で正月返上ということになってしまいますので、一応 事務局の方で、今までの議論を踏まえた上で、客観的と信用してたたき台をつくっていただい て、そして、それについて修正をし、新たな提言を盛り込むという形で進まざるを得ないと思 っているんです。  それは絶対にだめだという方がいらっしゃれば、また再考せざるを得ないんですけれども、一 応のたたき台でありますのでね。花井委員、厳しい顔をしているけれども、よろしいですか。 ○花井委員 中間報告のときはかなり強いリードがあり過ぎたので、そういうことがないように、 たたき台ということであれば、今度はフラットにつくっていただきたいと思います。 ○寺野座長 できるだけ早く出す方がね。最後になってぽんと出されたのでは、困るだろうとい うことです。 ○花井委員 ですから、少なくともコンセンサスを得られないものは出せないということで、座 長はこれから大変だと思うんですけれども、是非お願いしたいと思います。 ○寺野座長 今までも大変だったんです。 ○花井委員 合意形成へ向かって努力すればいいと思います。 ○寺野座長 これは皆さんの御協力によると思いますが、そういうことで進めていきたいと思っ ています。  検証作業は、先ほども言われましたように、これは続けていただきたいということでありま す。  この親委員会としてみますと、検証委員会の資料を参考にしながら、参考というか、それしか 資料がないわけですけれども、しかし、薬害防止、再発防止という点はC型肝炎だけではあり ませんので、そのほかの問題、それから、今後本当にバイオテクノロジーでどんなものが出て くるかわからないわけです。ですから、そういうことも踏まえ、そういうものも予知し、新し い情報が出てきたときにはそれにいかに敏感に反応して、拡大しないあるいは再発防止ができ るというシステムをつくらなければいけない。  非常に重要な大きな責任がありまして、皆さんに御協力いただいているわけですけれども、 たった4回でできるかどうかは別として大変問題でありますので、最大限建設的な御意見をい ただきたいと思っています。そういうことで、厚労省の方で、事務局の方でまず議論を整理し て、そして、論点整理、更に1つの提言のたたき台というものを考えていただきたい。それが 1月に出るか、2月に出るかはわかりませんが、できるだけその両方を遅くとも2月には出し ていただきまして、ざっとしたものだったら、できれば1月に出していただくと非常にありが たいと思っておりますので、そういう形で進めさせていただきますが、よろしゅうございまし ょうか。  それでは、堀内研究班、厚労省ともに大変な御努力でございますけれども、是非この調子で 進めていただきたいと思います。皆さんには資料も十分お読みいただいて、建設的な御意見、 御提言をいただきたいと思います。  それでは、事務局の方からアナウンスありますでしょうか。 ○医薬品副作用被害対策室長 連絡事項でございます。次回の会議ですが、1月15日のいつも より1時間早いんですが14時から16時ということで、省内の会議の予定にいます。決まりま したら、御連絡を申し上げます。よろしくお願いします。 ○寺野座長 15日は2時からでございますので、時間を間違えないようにしていただきたいと 思います。  それでは、本日の会議はこれで終わりといたします。御協力ありがとうございました。                                        (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111