08/12/03 第126回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 08/12/03 中央社会保険医療協議会          第126回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成20年12月3日(水)10:46〜12:23 (2)場所  はあといん乃木坂フルール (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 中川) 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員        山本信夫委員       坂本すが専門委員         <事務局>       榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○DPCの在り方について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様はもう既に御着席のようでございますので、ただいまから第12 6回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。  まず、委員の出席状況でございますけれども、竹嶋委員が御欠席でありまして、代理で 中川さんがお見えになっておられます。  なお、保険局長は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、初めにDPCの在り方について議題としたいと思います。  DPCにつきましては、これまで3つの課題を当委員会としては議論をするということ になっておりまして、1つ目は、これまでのDPCの評価についてどのように考えるかと いうことで、2つ目が、DPCの適用がふさわしい病院とはどういう病院であるかという こと、3つ目が、新たな機能係数をどのように設定するか、あるいは調整係数の廃止につ いてどう考えるかということでありました。この1番と2番につきましては、これまで議 論をいたしまして、小委員会としての意見の一致を見たということであります。まずは、 本日はそれを踏まえまして、21年度のDPCの参加病院をどうするかということの、よ り具体的なところについて御議論いただくということで資料が出ておりますので、この点 についてから事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料中医協診−1をごらんいただきたいと思います。「DPCの在り方につ いて(これまでの議論の整理等について)」ということでございます。今回、論点の1と 2についての確認と御議論をということで、資料を用意させていただきました。  まず、1ページ目の、「論点1 これまでのDPCの評価についてどのように考えるべ きか。」という点でございますが、そちらの(1)にございますように、10月22日の 基本問題小委員会においてさまざまな御意見をいただきました。主な意見としてこちらに ア、イ、ウ、エと書いてございますが、最終的にまとめとして(2)にございますように なってございます。つまり「DPCの導入によって、医療の効率化・透明化については一 定の効果が認められたと考えられる。今後は、医療の標準化や医療の質の向上など、より 総合的な視点からの検証・分析が必要であるということで概ねの意見の一致が得られ た。」ということでございます。  続きまして、2ページ目でございます。論点の2でございます。「急性期を担うDPC 対象病院の中でも、ケアミックス型病院を含めた様々な特徴のある病院が参加しており、 今後も同様な傾向となると考えられる。DPCの適用がふさわしい病院についてどのよう に考えるべきか。」ということでございます。11月19日の基本問題小委においていろ いろ御議論いただきましたが、主な意見として3点挙げさせていただいております。まず アですが、「ケアミックス型病院であっても、急性期を担う病床と慢性期を担う病床を区 別し、役割を明確にしているので、急性期についてはDPCの適用が可能ではないか。」 ということ、「イ ケアミックス型病院を含めて、現在のDPC対象病院とDPC準備病 院のデータにほとんど差が無いのであれば、基準を満たす平成19年度準備病院もDPC 対象病院として良いのではないか。」ということ、「ウ 今後は、医療提供体制に係る施 策に沿った急性期医療の在り方も念頭に置いて議論を進めていくべきではないか。」とい うこの3点が主な意見として挙げさせていただいております。  議論のまとめとしまして「ケアミックス型病院も含めて、現在のDPC対象病院とDP C準備病院間で、例えば救急搬送割合や平均在院日数などに明らかな傾向は見られていな いことから、基準を満たせばDPC対象病院として認めることで意見の一致が得られ た。」ということでございます。  これを踏まえまして、3ページのほうでございますが、「平成21年度DPC対象病院 の拡大について(案)」ということで示させていただいております。まず「(1)平成2 1年度DPC対象病院の基準について」ということでございますが、今年の2月13日の 中医協総会において「平成19年度DPC準備病院については、平成21年度にDPCの 対象とすべきか検討することとするが、その基準は、その時点におけるDPC対象病院に 適用される基準と同じものとする」としていることから、平成21年度DPC対象病院の 基準については、平成20年度DPC対象病院と同一の基準とすると、こういう提案でご ざいます。  具体的な基準につきましては、その下に四角のほうで囲まれているようなものが通知で 示されているというところでございます。こういった同一の基準ということを考えてござ いますが、ただ、(4)番のほうにございます(データ/病床)比等の関係について、今回使 いますデータは19年度、20年度のデータですが、改定をまたいでおりますので若干の 検討が必要ということで、次の4ページに示させていただいております。4ページの(デ ータ/病床)比と5ページの調整係数について、御意見をちょうだいしたいということで ございます。  まず4ページの(データ/病床)比でございますが、最初のパラグラフは先ほど読んだ ものと同じでございます。次ですが、平成20年度改定においては、2点ほど大きな変更 をしてございます。1つ目は「同一疾病による3日以内再入院は一入院とする算定ルール の見直し」ということで、19年度のデータについては、再入院した場合に患者としては 2人、データとしては2つという数え方になってございましたが、20年度改定において 3日以内の再入院の場合には2ではなく1とカウントするというようにルールが変更され てございます。  また、もう一つでございますが、「退院時だけでなくDPC算定病棟から療養病棟等へ 転棟した場合もデータを提出するという変更を行った」と書いてございますが、19年度 までは、転棟した場合にはそれだけではデータを提出せず、その転棟した先の療養病棟か らさらに退院した場合にデータを提出するというようになってございましたので、ここで もデータの数が変わってくるということになるということでございます。しかし、先ほど 読みましたように、以前のものと同じ基準にするということが決められておりますので、 その下の四角に囲ってございますように「平成20年度DPC対象病院の基準との整合を 図るため、改定後であっても、それと同一の方法でデータ数をカウントする。」と、こう いうことにしてはいかがかということでございます。  続きまして5ページでございますが、「調整係数について」でございます。平成19年 度DPC準備病院については、これまでに提出されているデータが診療報酬改定の前後2 年間にわたっており、改定によって一部の項目や点数が変更されたことにより、改定前と 改定後のDPCデータが異なっているということで、それぞれのデータの取り扱いをどう するかということについて、もしこのDPC病院を拡大するということであればどういう ふうに考えたらよいかということを12月1日のDPC評価分科会のほうで御議論いただ きました。案としては、その下のほうにございますように、2通りございます。  まず1つ目、案の1は、19年度データと20年度データを、それぞれの調整係数を計 算した上で単純に2で割る、均等に平均を計算するということです。案の2については、 19年度のデータが6カ月分ある、20年度のデータは4カ月分あるということで、それ ぞれの加重平均を計算すると、こういう案になってございます。案の1については、分科 会での議論の中でも、それぞれの年度について6カ月と4カ月という差はあるけれども、 両方ともそれぞれの年度を代表しているものであるから、長短にかかわらず、単純に2で 割るという平均でよいのではないかというような御議論も出ました。また、案の2につい ては、やはり6カ月分と4カ月分というように採用しているデータの量が違いますので、 それに伴ってというか、それに沿ったような形のほうがふさわしいのではないかというよ うな議論がございました。  ちなみに、改定前の話でいきますと、例えば19年度の対象病院になっているようなと ころは、例えば改定をまたがない場合には18年度、19年度、またがないデータをその まま使用しておりますので、その意味では、6カ月、4カ月そのままの同じ重みづけで利 用されているというようなことがございます。いずれにしましても、こういった議論の中 で、上のほうのなお書きで書いてございますが、分科会のほうでは、案1のほうがデータ を均等に取り扱っており、よいのではないかという意見が多かったということでございま す。しかし、それはあくまでも分科会の意見でございますので、この基本問題小委のほう で議論いただいてお決めいただければと思います。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、ただいま御報告がありましたけれども、資料の1ページ、2ページにつきま しては、論点1、2についてのこれまでの議論をまとめたというものであります。これに ついて、このような形のまとめでよろしいかどうかをまず固めたいと思います。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  前回のこの会で、議論のまとめの終わりのほうなんですけれども、「基準を満たせばD PC対象病院として認めることで意見の一致が得られた。」ここまではいいんですけれど も、このDPCは病院単位で議論するのではなく急性期を扱う病床単位で考えていく、こ ういったことが確認されたと思うんですが、この文言が全然抜け落ちておるように思うん ですが、このことについての取り扱いはどうなっているのでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お答えをどうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  従来からDPCについては病床というか病棟単位で考えていたんですが、用語として使 うときにDPC対象病院という言い方をしていたので、ここでそのままそういうふうに書 いてしまっているんですが、もちろん内容としてはDPCの対象病棟についての計算とい うことで、それは従前から変わらないということでございます。 ○藤原委員  ただ、そうだとしますと、この論点2の点線で囲った部分の中で、この文言を読んで 「病院」を「病床」あるいは「病棟」に置きかえて考える人というのは少ないんじゃない かなと思うんですけれども、前回「ふさわしい病院の病床について」という文言を入れる という話もちょっとありましたけれども、仮に、そうだとすると「ケアミックス型病院の 病床を含めた」という形になるんですよね。それだと受け取る意味合いが全く違ってくる ので、その辺はやはりきちっとさせておくべきではないかなと。もしこれが病床だとした ら、この論点2の議論するところは何なのかということが全く見えなくなるんではないか と思うんですが、その点についていかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  従来からの議論というのは、ケアミックス型病院の場合に、すなわちDPCを算定する 病床の割合が余り多くないような病院の場合に、つまりDPC算定病棟以外の療養病棟あ るいは精神病棟、そういうものの性質に引きずられて、そもそも急性期をきちんとやって いないのではないかとか、そういう疑問がけっこうあったということで、ふさわしいのか どうかという議論であったと思います。  それに対しては、前回等もデータでお示しさせていただいたように、基本的に急性期の 部分については変わらないということで、ケアミックス型病院でもきちんと急性期をやっ ているところ、基準を満たすところはいいんではないかという議論になったと、そういう 結果になったというふうに理解してございますので、言い方としてこういう言い方で特に 問題はないと思いますが、ただ、委員おっしゃるように誤解を招くということであれば、 その部分について若干文言の修正もしくは追加ということを行うことはやぶさかではござ いません。 ○遠藤小委員長  いいですか。  藤原委員。 ○藤原委員  今のお答えは、全くその病院単位で考えているということを如実にあらわしたお答えだ ったと思うんですが、いや、私は前回のときに違和感はあるというふうな表現をしたんで すけれども、このまま本当に議論をそういった形で進めていいのか。例えば急性期の病院 は、この間も言ったかと思うんですが、91%ですか、そういった急性期を扱っている。 ところが、ケアミックスの場合は9.6%から24.3%ですか、そのしか扱っていない 中で、それを同等に扱っていいのかどうかということが十分議論されたようには私には、 その下の分科会では議論されているんですけれども、ここでそういう認識のもとで議論さ れたかというと、それは少し足りないんじゃないかなというふうな意見を持っております けれども。 ○遠藤小委員長  じゃ、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  私は、議論を十分にしたと思っております。そして、ケアミックスというので、前回議 論は特に慢性期病棟とのケアミックスで、慢性期はオービュンがあるのをどうするかとい う議論だったんであって、ケアミックスということはいろいろな性格の違う病種がまじっ ているんですから、例えば大学病院だって精神科病棟がございますし、結核病棟がござい ますが、それでも今まで「病院」とう言い方をしてきて、これはもう単にDPC対象病院 と言えば、当然その対象となる病棟以外も入っているんだということは、これは既成の事 実でございますから、改めてこの議論は要らないんじゃないかなと、今までどおりの名称 でよろしいんじゃないかなと思います。 ○藤原委員  そこで議論は...... ○遠藤小委員長  藤原委員、ちょっと御意見のほうは大体分かりましたので。 ○藤原委員  いや、そうじゃなくて、もとへ戻していただいて、病床を入れるのかどうかということ をちょっと議論していただきたい。 ○遠藤小委員長  したがって、DPC対象病院として認めることで意見の一致を見たという点においては 特に御異存はないけれども、病床と病院との関係で何らかの文言を入れるべきではないか というご主張ですね、藤原委員、例えばこれを修正するとするならば、こういう文言を入 れたらばという腹案がありますか。 ○藤原委員  それはこの間遠藤会長が「これはふさわしい病院の病床についてという文言を入れれば いいですね」というふうなことを言われたと記憶しておりますけれども、それでいいんで しょうか。 ○遠藤小委員長  私が申し上げたのはたしか「そういうふうに理解をすればいいんですね」という言い方 で申し上げたつもりだったんですけれども。 ○藤原委員  いや、だから理解ではなくて、この点線で囲った部分が、これは非常に大きな項目だか ら、後からだれが見ても理解できるような形にしておくべきではないかと私は思っており ます。もしそこに入れるとしたら「このケアミックス型病院の病床について」とも入るは ずだし、そうするとこの論点2自体が、そもそもこの論点2は何を議論しているのか見え ないというふうに感じるんですけれども。また、これまでの議論が何のための議論かとい うことになります。 ○遠藤小委員長  わかりました。この点についてほかに御意見ございますでしょうか。つまり、この文言 を今のような趣旨で、何らかの補足する意味で文言修正をする必要があるかどうか。ある とすればどんな文言があるか、必要がないかと、西澤委員はないというふうにおっしゃっ ているわけですが。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  私は、西澤委員の言われているとおりでよろしいんじゃないかというふうに思います。 厳密に定義し出したら、昔の資料から何から全部直していかなくちゃいけないと、こうい うことになりますから。、どうしてもというのんであれば米印やか何かで、それこそアス タリスクか何かで、これまでの議論の整理ということでお書きいただくのは構いませんけ れども、あれだけ議論してたわけで、皆さんまさに共通認識を得たわけですから、これで は何のことか分からないということは決してないと思いますけれども。 ○遠藤小委員長  ほかに御意見ございますか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  机上配付されています基本問題小委のこの青いファイルでございますが、前回11月1 9日の資料がとじられております。その11月19日の資料の診−1の、スライド番号に しますと11番目の資料に、いわゆるケアミックス型病院とはという定義がございます が、そこにこれまでのDPC対象病院とDPC準備病院のDPC算定病床以外の病床を併 設している割合が書いてございますけれども、その表の一番下のところに、現在の対象病 院でも63%はDPC算定病床以外の病床を持っていると。今回の準備病院も67.4% で、それほど変わらない割合ではあるわけです。それで、従来の対象病院についても、こ ういう対象病院という言い方で、実際にはその中の急性期病床という理解で進めてきた と。今回の議論の中で、もちろんそこはもうちょっとクリアにはなったということがござ いますけれども、全体の名称としては、そういうことで我々としては特に変更をやる必要 はないのかなというふうに思いますけれども。 ○遠藤小委員長  ほかの意見ございますか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  それでは、せめて議論のまとめの中で、先ほど申し上げました急性期を扱う病床単位で 考えていくという文言は入れていただきたい。 ○遠藤小委員長  例えば先ほどの話であると、アスタリスクか何かで、記注記のような形で入れるという ようなことも含めてというふうに考えてよろしいですか。そういうような御意見が出てお りますけれども、いかがでしょうか。確かに事実はその病棟単位ということになっている わけですので、じゃ、そういう御議論が出ましたので、誤解を招かないように、これは整 理をした形でまとめのところでよろしいですか。まとめのところにその後に、アスタリス クで簡単な注釈をつけていただくと、そのような形のまとめ方でよろしいでしょうか。よ ろしいですか。  じゃ、その文言につきましては、それでは私に預からせていただくということでよろし ゅうございますか。それとももう一度ここで御審議いただくという形にするかですけれど も。じゃ、預からせていただくという形でさせていただきたいと思います。  事務局、そういう対応でよろしいでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  はい。 ○遠藤小委員長  はい、お願いします。  それでは、2ページまでの話はそれで終わりまして、それから、ケアミックス病院に拡 大をするときの話です。21年度のDPC病院の拡大のところで、2つの決めなければい けないことがありまして、1つが(データ/病床)比についてということで、これは原案 としてこのようなやり方をしたいということであります。それから、もう一つが診療報酬 改定を挟んだときの調整係数をどう扱うかということで、既に専門組織で議論がされたわ けでありますけれども、単純平均するという方法と、それぞれの長さに応じた加重平均を するという案1、案2については、意見はまとまらなかったけれども、案1のほうの意見 が大きかったというようなことでありましたがんで、これも決めませんと話が先に進みま せんので、今決めたいと思います。  (データ/病床)比についてからまず固めていきたいと思いますけれども、このような 方針形でよろしゅうございますか。これは御質問、御意見をまずいただきたいと思いま す。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  ちょっとよく分からないんですけれども、(データ/病床)比とこの調整係数というの は、問題としては同じ問題じゃないのんでしょうか。19年度と20年度の診療報酬改定 を挟んで2年間にまたがると。したがって、データをどうしようか、それから、調整係数 をどうしようかということは、同じような問題のような気がするのんですけれども、それ で下の(データ/病床)比についての下のことで書いてあいるこの意味合いがちょっとよ く分からないのんですけれども。つまり、調整係数のところで議論されているのであれ ば、6カ月、4カ月に応じた加重平均を計算すると、そういうことを言っているのか、そ れとも別のことを言っているのか、ちょっとよく分からないのんです。 ○遠藤小委員長  ここのところは、たしか先ほど説明はあったんですけれども、この文章を読みますと 「それと同一の方法で」という書き方をしているのが、「それと同一」というのは一体ど ういうことなのかというのがちょっとよく分からないところがあるんで、そこのところを 中心にちょっと御説明をいただきたいと思います。それと、調整係数とこの(データ/病 床)比との違いについて、もう一度クリアにお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  説明不足で失礼いたしました。  まず、(データ/病床)比と調整係数ですが、まず発想としては(データ/病床)比 は、このDPC対象病院になるかならないかの基準ということでございます。調整係数に ついては、実際に対象病院となったときに、じゃ、調整係数として幾つになるのか、そう いう計算をするという話でございまして、まずそこの根本が違うと。(データ/病床)比 については、データ割る病床ですけれども、要はどういうことかというと、1病床当た り、データというのは退院患者さんの数ですけれども、退院患者さんがどのくらいいたか と、つまり急性期の病床であれば、それだけ患者さんの回転も速いであろうというような ことで、一定以上の数でないと急性期と認めませんよというような、そういう発想の指数 というか指標というか、そういうふうになってございます。  その4ページの四角に書いてございます「それと同一の方法」というこの表現がちょっ と分かりにくくて申しわけなかったんですが、つまり平成20年度対象病院と整合を図る ため、平成20年度の対象病院と同じ方法でカウントをするということでございます。2 0年度対象病院というのは、結局19年度までのルールで計算されたデータ数で計算して おりますので、その古いやり方でカウントをしてはどうかということです。と申しますの は、20年度の改定で、そのすぐ上に書いてございますように、3日以内再入院の場合に は以前は2と数えていたものが今度1になってしまうとか、そういうふうにデータの数が 変わってきてしまうので、そういった調整をしてはどうかというのが、この4ページの (データ/病床)比についての案ということでございます。  それに対して5ページの調整係数というのは、この基準を満たして、新たに21年度D PC対象病院になると決まった病院について、調整係数はまだ一遍に廃止するというふう にはなっていませんので、調整係数を計算しなければならないんですが、調整係数につい ては過去2年分、実質的に10カ月分のデータをもとに計算をするというふうになってい るんですけれども、やはり改定を挟んでいるために、19年度と20年度でけっこう点数 がなくなっていたり、あるいは新たに新設されたり、あるいは点数が上がったり下がった りという、そういう変更があるためにそこのところをどのように考えるかという、そうい う提案でございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  後者は、ここに書いているとおりですからすぐ分かるのですけれども、前者のほうはよ く分からないですね。ここに書いているように病床をデータ数で割るなら、それも10カ 月でやるということになっているわけじゃないのですか。だから、10カ月だと6カ月と 4カ月ということでそれをどうするかと、19年度が6カ月で、20年度は4カ月という ことだから、今の説明だとよく分からなかったです。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  一つの考え方として、そうですね、おっしゃるように19年度分のデータについては1 9年度のルールで、20年度のデータについては20年度のルールで割ってという発想も あるんですが、4ページの上の第1パラグラフに書いてございますように、2月の中医協 総会で、19年度準備病院については、21年度にDPCの対象とすべきか検討すること とするが、その次「その基準は、その時点におけるDPC対象病院に適用される基準と同 じものとする」と、すなわち、現在対象病院になっている病院と同じ基準で計算するとい うことが決まっておりますので、あえて20年度のもので割るのではなくて、古いままの ルールで割るということにしてはどうかという話でございます。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと説明が違うのかなと思うんですけれども、4ページですけれども、まずこれは 2つあるんですが、3日以内の再入院は4月からは1入院になりましたよね。それまでは 2入院ですよね。ですから、ここに提案しているのは、今年の3月までは3日以内の再入 院を2つの入院として計算すると。4月以降は1入院で計算するんですよね。これ誤解を 受けるのは、旧のルールというと4月以降の1入院も2つに分けるようにも読み取れるの で、そういうことでは、19年のルールという言い方はちょっと違うのかなと思います。  それともう一つは、データとしては、4月以降は転棟した場合も出すということで、今 までは療養病棟から退院したときに出していたのを、今回は療養病棟に移るときと、それ から、退院したときと2回出すことになっているわけですね。そうですね。この案以外で どうするかということになった場合には、例えば4月以降は、療養病棟に入院したときの 数とかというふうなやり方が片方であるのかなということなんですが、それをしないで、 こっちの場合は療養病棟からの転院だけで共通しましょうということですよね。療養病棟 からの退院のときの数でということですよね。19年も20年も、そういうことですね。 はい、わかりました。ということは、この下の2つ目の条件の場合は統一ですけれども、 この3日以内の場合は、きちっと書くのであれば、19年度は19年のルールで、20年 度以降は20年度のルールということが正しい表現じゃないかなと思うんですが。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  再入院の場合も19年のルールでやるということです。ですから、3日以内の再入院で もそうです。そういうふうに合わせないと、つまり8.75という基準が変わってきてし まうので。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  わかりました。  ということは、言い方によると少し甘くするということですね。言い方はちょっとあれ ですけれども、19年から参加していただいたんで、そのときはこういう条件ですよとい うことで準備病院に参加したんであれば、そのルールを適用させていただきたいという考 え方ですね。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  ええ。ですから、それはまさに現在の対象病院と同じルールでということを2月に決め ていただいているので、それを忠実に守ればこういうふうになると。 ○西澤委員  わかりました。私が誤解しておりました。ありがとうございます。 ○遠藤小委員長  よろしいでしょうか。  まさにこの現役の病院の経営者が誤解をするような書き方になっておりますので、そこ の辺は、理解しやすいような書き方を今後工夫をしていただきたいと思います。ただ、内 容につきましては、ただいまの説明で御納得いただけたのではないかと思いますが、(デ ータ/病床)比でほかに何かありますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  調整係数はまだですか。 ○遠藤小委員長  それはまだです。まだ(データ/病床)比のほうで。(データ/病床)比につきまして は、そうするとこの事務局原案という形でよろしいでしょうか。  はい、ありがとうございます。  それでは、調整係数のほうの話に移りたいと思います。御意見、御質問ございますでし ょうか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  すみません。何かちょっとなかなか頭が悪くて理解できないんですけれども、これも案 1、案2が出ているんですけれども、もう一つの考え方として、例えば19年度のデータ をもとにしても、20年度改定のときにはまたその改定に合わせて変更しているわけです よね。だとしたら、あえてしないで例えば調整係数だけに関しては、20年度のデータだ けという考え方はなかったんでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そこについては、そもそも何で2年分のデータを出していただかなければならないかと いう議論のときに、結局病床数の非常に少ないような病院がかなり今回参入してくるとい うことで、1年分のデータだけだと、外れ値などがたまたまあった場合に大きく状況が変 わってしまうとか、そういうことがあるので、なるべくデータの数をふやすという意味も 含めて2年分にするという前提がございましたので、今先生がおっしゃったように、例え ば20年度分だけですと4カ月分のデータしかないので、そこでたまたまそういう外れ値 みたいなのがあると、非常にその影響を大きく受けてしまって、データとして望ましくな いんじゃないかということで、やはり両方のデータを使わせていただくほうがいいんでは ないかということでございます。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  だとすれば、例えば案1の案も共通ですけれども、例えば案1でやった場合に、19年 度のデータでまず調整係数を19年度時点の考えで出して、さらに20年度改定の変更も 作業の中でするということですね。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そうです。19年度のデータでつくるんですけれども、そのときに今回の改定率も考慮 してつくって、それと20年度を比較してということになります。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。  ほかに御質問ございますでしょうか。  どうぞ。 ○松浦委員   案1と案2の計算したこの値に、どのぐらいばらつきというのはあるんでしょうか。何 %、かなりの幅であるんでしょうか。 ○遠藤小委員長  重要な御指摘だと思いますので、どんな感じでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  具体的に計算はしていないんですけれども、実際個別の病院によってそれはいろいろ変 わってくると思うんです。例えば19年度はこれこれがとれたけれども、20年度はとれ なくなってしまったということであれば、ちょっと下がる傾向が出るでしょうし、あるい は逆に19年度はとれなかったけれども、20年度で新しくできた加算がとれるようにな ったんでふえるとか、そういうことはあると思います。ですから、若干の増減はあると思 われますが、理屈の上では、どちらにするにしてもそれほどの差は出ないんではないかと いうふうには思われますけれども、具体的な数字をと言われると、ちょっとそこまでは出 しておりません。 ○遠藤小委員長  ということで、具体的には計算はしていないということです。  ほかにございますか。  私も実はちょっと最初誤解をしておりまして、DPC対象病院の調整係数は、既に19 年にDPC対象病院になっていた場合には、20年を挟むと大体調整係数が上がっており ますよね。それは効率化によって診断群分類ごとの点数が下がりますから、それを調整係 数で割り戻しますから、調整係数は大体上がっているわけですけれども、その計算ではな いんですね。そういう意味とすると、ほとんどが上がってしまうということになってしま うんですけれども、そうではなくて19年は19年でまた別に計算をするということです か。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そうです。19年は19年で計算して、20年は20年で計算すると、そういうことで す。 ○遠藤小委員長  さて、そうしますと......、牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  先ほどの(データ/病床)比についてのお願いです。了承して結構ですが、言葉として よく分からないところがあります。4ページのところですが、病棟の移動、それから、3 日以内の再入院、結局それをどうするのか。四角の上に書いてあるところが分かりにくい。 こういう基準です。この基準に戻しましたということを言葉で書いておいていただきたい。 ○遠藤小委員長  要するに具体的な方法ですよね。具体的な方法が明らかになるように少し修正していた だきたいということです。よろしいでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  了解しました。 ○遠藤小委員長  それでは、調整係数につきまして、これは案1、案2を決めませんと作業が進みません ので、決めたいと思います。  これは既に調査専門組織でも御議論されまして、私も傍聴したのですけれども、ここに 書いてありますとおり、案1を支持する人が多かったわけですけれども、いかがでござい ましょうか。  どうぞ。 ○松浦委員   今、この傾向は、大体調整係数というのは高くなる傾向がありますね。そうすると、案 1のほうが調整係数は大きく出る傾向にはなるんじゃないですか。 ○遠藤小委員長  松浦委員の御質問は、先ほど私が申し上げたことと関連があるのです。松浦委員のおっ しゃっていることは、既にDPC対象病院になっている場合は、19年度のときの調整係 数は、20年度の改定を挟むと高くなっている傾向が強いという実態があるということで すね。 ○松浦委員  大体病院が準備病院であっても、そういう傾向になっていっているんじゃないかという。 ○遠藤小委員長  私もそういう傾向だととらえております。 ○松浦委員  だからそうすると半分でとるか、10分の4でとるか、大きい方をですね。そうすると、 半分でとったほうが大きいほうの値が出ると推定するのが常識じゃないかという気がする。 ○遠藤小委員長  ということですが、先ほど事務局のお話では、それに余り大きな傾向性は見られないだ ろうというようなお話だったので、その辺について、じゃ、少し御説明いただきたいと思 います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  以前から継続的に対象病院となっている場合には、確かに松浦委員おっしゃるように、 年々若干高くなる傾向というのは出てくると思うんですけれども、今回新規で参入する病 院についても同様にということは、以前との比較みたいなものはございませんのでちょっ と考えにくいと思うんです。ですから、その辺は余り気にされる必要はないんじゃないか なというふうに思いますが。 ○松浦委員  はい、了解。気にしません。 ○遠藤小委員長  私も実はちょっと気になったもので先ほどそういう質問をしたわけなんですが、そうい うことです。  案1、案2、どういたしましょうか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  細かいことはなかなか理解しづらいんですけれども、私自身は案1も案2も、問題はそ のデータ数が多ければ多いほどいいということで、2年間やったということでは同じこと ですし、これを分けてもそんなに差は出ないんじゃないかなという気がしておりますので、 それであれば案1で結構だと思います。 ○遠藤小委員長  具体的に案1というのが出ておりますけれども、御異議ある方いらっしゃいますか。よ ろしいですか。  それでは、当小委員会としましては、案1ということで承認したということにさせてい ただきたいと思います。ありがとうございます。  事務局、それでよろしいでしょうか。  それでは、次の案件に移りたいと思います。次は、こちらの委員会としまして事務局に 要求しておりました資料が整理ができたということでありますので、それについて事務局 から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まず、中医協診−2の資料をごらんいただきたいと思います。「DPCによる診療報酬 について」ということで、まず第1のところに算定方法の復習というか、そういうものが 出てございますが、診療報酬は、包括評価部分の点数Aと書いてございます。それと出来 高評価部分の点数Bと書いてございますが、それに分かれていると。包括評価部分点数に ついては、診断群分類ごとの1日当たり点数Xと書いてございまして、また、円で囲まれ てございますけれども、これと医療機関別係数と在院日数を掛けたものである。さらに、 医療機関別係数というのは、機能評価係数、これは現行の機能評価係数でございますが、 これと調整係数を足したものという、こういう基本的な構造になってございます。 このDPCの仕組みを知っていただく前に、まず既存の出来高のほうの仕組みを御理解 いただかないと難しいかなと思うので、机上配付の肩がクリップでとまっていると思うん ですが、そのクリップを外していただいて、別紙の1という資料をごらんいただきたいと 思います。  横長の紙になっておりますが、「医科診療報酬の例」というように書いてございます。 これが出来高のほうの診療報酬についての整理でございまして、2つ左右に表が並んでご ざいますが、左側が基本診療料、右側が特掲診療料というふうになってございます。一番 下に入院時食事療養もありますが、左側の基本診療料がまさに基本的な初診、再診、それ から、入院料ということで、右側の特掲診療料が医学管理、在宅医療もございますが、検 査、画像診断、投薬等実際にいろいろ行ったようなそういうものでございます。今回DP Cですから、その入院料の部分が関係してくるんですけれども、入院料についてはさらに 一番基本的な入院基本料と、それから、入院基本料等加算、医療機関の機能に応じていろ いろ項目が設定されてございますけれども、そういうもの、それから、その下に特定入院 料、これは救命救急入院料等、包括を原則とするような入院料がございます。右側は例示 がいろいろございますけれども、検査あるいは画像診断、投薬、それぞれあるということ でございます。  この基本的な仕組みを一応頭に置いていただいた上で、次に別紙の2というのがござい ますが、今の別紙1と別紙2を、並べるか、上下にするかして見ていただいたほうが多分 分かりやすいと思うのですけれども、別紙の2で左側に「出来高での評価」ということで、 今別紙1でお示ししたようなものが(1)、(2)、(3)から(16)までずらっと並んでおります。 その右側に「DPCでの評価」ということで書いてございますが、この図の一番下に凡例 がございますけれども、楕円で囲っているのが診断群分類ごとの1日当たりの包括評価、 それから、六角形が現在の機能評価係数、それから、四角が出来高で評価ということでご ざいます。この図はいろいろ細かく分かれておりますが、基本的には(1)から(10)まで、入 院基本料等加算を除けば、あるいは特定入院料を除きますと、基本的にはDPCの包括で 見るというような発想でございます。これが先ほどの診−2の資料です。私としては、こ の診−2を左、別紙2を右、医科診療報酬の例、別紙1を上に置くと分かりやすいかなと。 非常にすみません、いろいろと作業させて申しわけないのですけれども、診−2の資料の 1ページ目の第2の1のところに、包括評価部分の説明としてまず1番、「診断群分類毎 の1日当たり点数(X)」とございますが、この考え方ですけれども、原則としていわゆ るホスピタルフィー的要素、これはきちんとしたホスピタルフィーという意味じゃなくて、 ホスピタルフィー的なイメージという感じだと思いますけれども、そういうものであって 医療機関の機能等を評価しているもの以外を包括的に評価したもの、これが実際の包括で 見ているものであるということで、別紙2のほうにつらつらと書いてございます。  次のページ、2ページですけれども、機能評価係数でございますが、この考え方として は、「原則として、当該医療機関に入院する全ての入院患者に提供される医療で、医療機 関の機能に係るものを係数として評価したもの。」ということで、別紙2のほうであれば、 入院基本料と入院基本料等加算の一部がこの機能評価係数であらわされているということ でございます。  診−2の3ページでございますが、出来高評価部分点数。この考え方として出来高評価 部分では、原則としていわゆるドクターフィー的要素、これもきちんとしたドクターフィ ーということではなくて、あくまでイメージとしてドクターフィー的な感じというもので ございまして、そういうものとそれからホスピタルフィー的要素のうち一部のものという ようなことでございます。そういうことを頭に入れて別紙の2をごらんいただきますと、 別紙2の例えば(5)から(10)ぐらいまでのところは基本的には包括なんですが、例えば(5) の検査も原則としては包括なのですが、カテーテル検査とか内視鏡検査、診断穿刺、検体 採取というものはかなり医者の技術にかかるようなものなので、出来高として抜き出して いると。それから、そのすぐ下の画像診断についても、原則としては包括的なものなんで すけれども、画像診断管理加算、これはかなり技術的なものを評価しての加算になってい ますけれども、そういったものは出来高として抜き出しているということでございます。 それから、その下のほうの(11)から(16)は在宅医療から放射線療法です。こちらについて は基本的に出来高ということなのですけれども、そのすぐ右に書いてございますように、 リハビリと精神科療法に伴い使用された薬についてだけ、これは包括で考えるというよう なことでございます。  これがDPCの構造となってございまして、その次の別紙3でございますけれども、こ ちらのほうに、実際現在の機能評価係数として算定されているものの一覧を出してござい ます。それぞれ特定機能病院、専門病院、一般病院で若干数値が違うものもございます。 右側には出来高の点数ということで書いてございます。  それから、次の別紙4でございますが、これは入院基本料等加算、特定入院料等、こう いうものをすべて洗い出せという御指示をいただいておりますので、こちらにすべて書か せていただいております。この中の最初のほうに出てきております7項目については、現 在機能評価係数としてあらわしているということでございまして、今後は新たな機能評価 係数を議論する上で、この既存のものをそのまま続けるのか、あるいは見直すのか、どう するのかと、それから、現在の出来高で加算等であらわされているものを今後機能評価係 数として見ていくのか。あるいはまたこれらと違うものを機能評価係数として見ていくの かという議論になるであろうということでございます。  続きまして、資料診−3でございますが、こちらは現在医療法で定めている医療機関の 例ということでございますけれども、例えば特定機能病院について係数を設けてはいかが かとか、あるいは地域医療支援病院については現在も係数がついておりますけれども、そ ういったものについての実際の基準でございます。これはうちというよりも、医政局のほ うで定めている基準なのですけれども、こちらに書いてございますように、特定機能病院 の役割として高度医療の提供云々、あるいは承認要件として高度医療の提供等々、このよ うな役割なり要件というものが定められているということで、これも今後御参考にしてい ただければというふうに思います。  それから、続いて診−4の調整係数でございますが、これについても若干おさらいでご ざいますけれども、診−4のスライド2枚目でございます。そこの一番最初に出てござい ますように、平成17年11月16日の中医協の基本問題小委において、下線を引いてご ざいますが、DPCを導入した平成15年以降5年間の改定においてこの調整係数を維持 することとするが、平成22年度改定時に、医療機関の機能を評価する係数として組みか える等の措置を講じて、廃止することを検討してはどうかというように、この時点で既に 医療機関の機能を評価する係数として組みかえるというようなことで合意が得られている ということで、その後経緯がいろいろ書いてございますけれども、廃止と新たな機能評価 係数の話が出ているということでございます。  1枚おめくりいただいて、スライドの4枚目でございますが、調整係数の役割というこ とについて再整理させていただいておりますが、(1)にございますように「前年度並の 収入確保」、これについてこれまでも言われておるのですが、(2)として「重症患者へ の対応能力・高度医療の提供能力等、現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院 機能の評価」、こういった役割も実際には含んでいると考えられるのではないかと、すな わち、現在の機能評価係数のみではなかなか十分評価できていない部分を補足していると いうこともあるのではないかということでございます。  右側の5枚目のスライドでございますが、それぞれ年度の対象病院の調整係数を一覧に してございます。これは今年度の調整係数の数値ということでございますけれども、一番 上の平成15年度対象病院、特定機能病院でございますが、やはり全体に高めの係数、高 度医療提供、その他いろいろあるのだとは思いますけれども、そのようになってございま す。その下は具体的な数値ということでございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ただいま御説明いただきましたのは、承認要件であるとか加算の要件といったことをま ず整理していただいて、それによりまして、今後係数を考えるときの重複評価のようなこ とにならないかどうかということと、それから、そもそもどういうような視点で評価をし てきたのかということを整理していただきました。膨大な整理だったと思います。どうも 御苦労さまでした。これだけいろいろ加算がありますと、これを整理するのも一つの仕事 かなというようなふうにも思われますが、非常に細かな整理がされていると思います。  それともう一つは、前回の調整係数の話、ちょっと時間が足りなかったので説明が不十 分だったということで、もう一度改めて御説明いただいたというものであります。これに ついて何か御質問、御意見ございますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今のお話のとおり、ある意味初めてここまでの資料が出たということで、従来聞いてい た話とちょっと違うようなところもあります。その点の確認と質問なのですけれども、1 つは、この診−2の3ページ目、これは前回申し上げましたので、資料として出てきたの は今回初めてなのですが、出来高評価部分点数について、私どもは、出来高評価というの は基本的には、いわゆるドクターフィー的な要素だというふうに聞いていたのですけれど も、今回初めて、いわゆるドクターフィー的要素とホスピタルフィー的要素とに分かれる という理解でいいのかという確認が1つ目です。  私が特におかしいのではないかと思ったのは、(2)のところの(2)入院基本料等加算、 この中の地域加算とか離島加算、こういったものは、ここに書いてあるとおりまさにホス ピタルフィー的な要素なのだろうというふうに思うのです。つまり、医師の技術というこ ととは余り関係がない。あらゆる患者さん、その地域に行けばすべての患者さんが対象に なるということからすると、これは言ってみますと医療機関の機能等になっていくのかな と、こういうふうに思うんです。そのあたりの確認みたいな話です。  それから、今回整理されました診−4で、これまで私どもは、調整係数というのはまさ に円滑導入の観点から設定されたものだと承ってきた。通常、円滑導入といいますと、こ れまでの実績保証や激変緩和措置というふうにとらえられるわけです。したがって、そう いうふうにとらえれば、数年やったのでもうぼちぼちいいんじゃないのかと、こういう発 想に当然なって、これまでの中医協の基本小委や総会も、基本的にはそういった整理の中 での議論だったというふうに思うのです。それがスライドの4、「調整係数の役割につい て」ということで、今回恐らく初めてなのでしょうけれども、(1)の「前年度並の収入 確保」という従来的な説明に加え、(2)のような機能評価的な部分があるとしている。 それが今の段階で出てきたというのは私は極めて遺憾だなというふうに思うのです。今ま での議論が、場合によってはミスリードしてきたんじゃないかなと、こういう感じもしま すので、やはり議論のときにはこういったベースのところをきちんとして、それからの議 論じゃないといけないんじゃないかなと思うのです。  さらに、後の議論にも関係するんですけれども、今そういったことが分かってきたので あれば、機能係数の議論のときには、やはり全体をもう一回見直したところでの議論をぜ ひお願いしたいというふうに思うのです。これは分科会の議論とも関係するのですけれど も、できればここで共通認識が得られればありがたいなというふうに思います。出来高の 中にも極めて機能係数に合致するといいますか、対象にするのがふさわしいようなものも ありますし、それから当然ながら現行の機能係数もあると。さらに、今回そういうことを 皆さん御理解賜れればということですけれども、この「調整係数の役割」で、重症患者へ の対応能力、高度医療の提供能力、いわゆる機能係数的なものがあるのであればそれも含 めてと。それから、もう一点質問なのですけれども、今のところで「前年度並の収入確 保」というのを本当になくしていいのかどうかということもあります。もちろん調整係数 をなくすと言ったから、今こういった議論をするのはおかしいのですけれども、先ほど来 出ていますとおり、在院日数なんかが短縮されますと、調整係数に当然反映されますよね。 それの集積体が今現在の調整係数ですから、特定機能病院的なところが非常に高くなって きている。それを完全に廃止して本当にいいのだろうかと。それを機能のほうで評価して いくということですけれども、機能というのはその時点時点といいますか、毎年毎年、在 院日数短縮の努力をして、あとそれを素直に反映していくというのは非常に難しい。そう いう中で本当に大丈夫だろうかなと。いずれにせよ、今回初めていろいろ見てきたのです けれども、これまでの議論というのは資料も不十分だし、議論も若干不十分だったかなと いう感じがします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  御意見と、それから、質問があったと思いますけれども、事務局で御返事できる点につ いてお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まず、最初の御質問、診−2の3ページの出来高についてですけれども、このいわゆる ドクターフィー的要素といわゆるホスピタルフィー的要素という、そういうちょっと誤解 を招くような表現であったかなというふうに私も反省してございますが、出来高というの は、従来の説明どおり、基本的にいわゆるドクターフィー的なものでございます。それは 先ほどの別紙の2でお示ししましたようなことでございますが、それからもう一つ、いわ ゆるホスピタルフィー的なイメージのものというのは、同じ診−2の1ページの考え方の 原則としてあるようなものが、やはりいわゆるホスピタルフィー的なイメージのものをあ らわしていると。ただ、いわゆるホスピタルフィー的なものの中でも、その医療機関の機 能とか、そこにかかる患者全体に対するものというよりは、個別の患者さんに特に資する ようなものとか、そういうものが一部出来高のほうに入っているという、そういう意味で ございまして、基本的なホスピタルフィー的なイメージのものが出来高のほうにみんな入 っているということではございません。それがその別紙2のほうの例えば(2)の入院基本料 等加算の超急性期脳卒中加算等々、そういう形で示させていただいているというところで ございます。  この中で地域加算、離島加算については、むしろ機能ではないかという御指摘をいただ きましたけれども、実はまさにそういうところを今後御議論いただいて、今の御意見の最 後のほうでも対馬委員おっしゃったんですが、出来高の中にも機能として見ていくべきも のがあるんじゃないかという、そういう御指摘でしたけれども、そういう意味も含めて今 回すべての加算というものをお示しして、そういう機能として見るべきものは今後見てい ただくし、そうでないものはそうでない扱いにするとか、そういうところをまさに御議論 いただきたいというふうに考えているところでございます。  それから、次の調整係数についての円滑導入からということのお話なんですけれども、 これまで「前年度並の収入確保」という話ばかりだったということですが、先ほど御説明 させていただいたように、少なくとも17年の基本問題小委のときには、やはり医療機関 の機能を評価する係数として組みかえるというような表現になってございますけれども、 それは当然機能を評価している、見ている部分があるという認識だったんではないかとい うふうに、その結果こういう文言が出てきたんではないかなという、これはあくまで想像 なんですけれども、そのように思ってございます。  本当に調整係数をなくしてよいのかという、そういうお話を今いただきましたけれども、 ですから、まさにそういうところで、今一応廃止ということは合意をいただいているんで すけれども、恐らく一度に廃止してしまうと、確かにすべて適切な機能評価係数がそれま でにできるかというとなかなか、まさに初めてのことなんで難しい面もあると思いますの で、そこで何回かに分けて段階的に廃止していく、そういう状況を見ながら検証しながら という、そういうアイデアがあるのではないかなというふうに今考えておるところでござ います。  以上です。 ○遠藤小委員長  対馬委員、何かありますか。 ○対馬委員  基本的には今お話しになったとおり、これからよく議論していけばいいということなん ですけれども、ただ、これまでの議論の中で、医療機関の調整係数を「機能を評価する係 数として組み替える」という表現があると、それは当然調整係数の中に機能というのが入 っているからではないかということを言われましたが、そこは当時そこまでの議論という のはなかったんじゃないかなというふうに思うのです。といいますのは、医療機関別係数 と調整係数というのが、分けて議論されてこなかったということがあると思うのです。で すから、医療機関別係数の中に調整係数とそれから機能評価係数があったわけですから、 調整係数がなくなれば現行の機能評価係数だけが残るわけですね。それを中心に議論しな くちゃいけませんよねという議論もあるわけですから、今のお話だけだと、調整係数の中 に医療機関の機能というのが当然に入っていったはずだというところまではいかないのだ ろうと、こういうふうに思います。 ○遠藤小委員長  今のは御意見ということでしょうか。 ○対馬委員  そうです。 ○遠藤小委員長  おっしゃるとおりでありまして、実際にここまで中身が、透明性を持ってきちんと中医 協でも議論をしてこなかったというところがあったのかなと思います。ただそれでも余り 問題がなかったのは、まさに調整係数がすべてを覆い隠したわけです。さまざまな機能を そこに吸収していたというところがあるわけなので、それをなくすということになってく ると、その辺の機能をきちんと再評価をしなければならないと、そういう意味で非常に大 変な作業をしなければならないということになると思います。と同時に急性期の病院はど うあるべきかという、べき論との絡みも入りますので大変難しいということなので、専門 組織と基本問題小委との間で、お互いに情報交換しながらやっていこうという形で進めて いこうと考えているわけです。  ただ、そういう意味でも、事務局に一つ確認したいのですけれども、機能係数だけをつ くるというのではなくて、基本的には例えば先ほど、出来高に入っている地域加算という のが適切ではないんじゃないかという議論もありましたので、そういう問題も含めて総合 的にDPCの支払い方式について考えると、このように理解してよろしいでしょうか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  はい、そのとおりでございます。 ○遠藤小委員長  ということです。  ほかに何か。  それでは、坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本(す)専門委員  質問なのですけれども、診−4のスライド資料「病院類型と調整係数」において平成1 5年度から対象病院の調整係数に変化というのが起こっていますけれども、これはどのよ うに読み解くというか、どのようなことが考えられているんでしょうか。 ○遠藤小委員長  この読み方ということですかね。 ○坂本(す)専門委員  はい、20年までの間に何が起こったのか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  この資料は、変化ということではなくて、15年度に対象となった病院、16年度に対 象となった病院、18年度対象となった病院、20年度対象になった病院の平成20年度 における調整係数の数値という、下に米印で注釈がございますが、そういうことでござい まして、つまり20年度時点において、それぞれその参入年によって調整係数の傾向が違 うということを示したものでございます。推移とか変化ということではございません。 ○坂本(す)専門委員  そうしますと、例えば平成15年度に調整係数1.2のところにいた病院が、例えば1. 0から1.1のほうに行ったというようなことではないわけですね。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  もちろん過去の調整係数との変化を見れば、当然そういうふうに上に上がったとか、そ ういうものはあるかもしれませんけれども、少なくともこのグラフではそれをあらわして いるわけではないということでございます。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員、よろしいですか。 ○坂本(す)専門委員  はい。 ○遠藤小委員長  それでは、松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  新しい調整係数の概念的なことをちょっと聞きたいんですが、新しく調整係数、全部な くすわけにはいかんだろうというお話ですから、その係数の値は、大体現在の調整係数か ら新しく機能評価係数A、B、Cとできますね。その合計を引いたもの、それがとりあえ ずは残ってくると、こういうイメージでいいんですか。 ○遠藤小委員長  それもこれからの議論をすることだと思うんですけれども、事務局としてもし考えがあ れば。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  ちょっと今の御発言の趣旨がよく分からないんですけれども、すみません。 ○松浦委員  今度調整係数は一遍にはなくせないだろうと、こういうことでしょう。ということは、 今度は調整係数が機能評価係数A、B、Cと、何になるか分からないけれども、分かれて くるわけですね。だから、その合計、機能評価係数の新しくできたものの合計を現在の調 整係数から引くと、そうしたものが残ってくる新しい調整係数だと、こういう概念的にざ っと考えたらいいんですか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  いや、今のイメージとしては、もし段階的に廃止していくということであれば、例えば 調整係数を普通に計算すると1.2となりますと、だけれども、例えば50%調整係数を 縮小しましょうということであれば、それはプラス0.2の分を50%縮小なんで1.1 にするとか、あるいは3分の2にしましょうということであれば3分の2で考えるとか、 イメージとしてはどちらかというとそういうことではないかなと思うんですけれども、そ れもいずれこちらの中医協の中での御議論いただく話だとは思いますが。 ○遠藤小委員長  よろしいですか、松浦委員。今後......、追加があればどうぞ。 ○松浦委員  これは小さな議論かもしれませんけれども、今調整係数がほとんどの部分を占めている わけでしょう。ですから、1.幾らというプラス部分は、1.1以上の部分は、その部分 だけとっての議論にはならないんじゃないか、調整係数全体が新しく機能評価をやってい くということであればどんどん下がっていくはずですから、だからその機能評価をやった 残りが、まだよく分からないという部分が新しく機能評価係数として残るんだと、機能評 価係数じゃない、調整係数として、そういう概念ですかと、こういうことですので、この 話はもうやめましょうか。 ○遠藤小委員長  じゃ、ありがとうございます。  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  機能評価係数と現在の調整係数の総額原資というのがあるんだと思うんです。これが例 えば調整係数がやがて廃止の方向で行きますと、全部廃止じゃなくても廃止の方向で行き ますといった場合、機能評価係数も同時に例えばアップしていくんだ、増加していきます。 片方は減っていきます。この今の現在の総額原資から見た場合、これは多くなるのか、そ れとも少なくなるのか、それとも同じぐらいなのか、この辺はどうなんですか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  企画官でございますが、今後の計算を実際にどうするかという話はあるんですけれども、 少なくとも今調整係数で見ている部分をそのまま機能評価係数で見るとか、そういう発想 は恐らくないんではないかと。あくまで機能は機能として見ることですので、つまり調整 係数がだんだんなくなっていって、ある病院がある機能を持っていれば、その機能評価係 数というものはちゃんと獲得することができて、以前と同じような収入を確保できるかも しれませんが、もしそういう機能を持っていなければ、その確保はできないというような ことになってくると思います。そういう発想ではないかと思います。  また、全体の医療費としてどうかというのは、またちょっと別の議論かと思います。 ○遠藤小委員長  まだ今のところはそこら辺もまだはっきりしていないということです。今後の議論と財 政状況によるということになると思いますけれども、ほかよろしいですか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  まず一つ今の議論ですけれども、下がるか上がるかでなくて、その病院の機能をきちっ と見るということですから、それをきちっと見た場合には下がることもあるかもしれない けれども、トータルではこういう機能があったんだねということで、新しい機能係数が出 れば上がるということも考えられると。例えば上がる場合でも、きちっとデータをもとに して上げるから、国民の納得は得られるんじゃないかなということで、私たちはそっちの ほうを期待しております。  それともう一つ、本当に今回非常に分かりやすい資料を出していただいて、これから議 論しやすくなったなと思っております。ぜひさらにいいデータを出していただきたいと思 います。  もう一つおもしろかったのは、ドクターフィー的要素とか、それからホスピタルフィー 的要素というのが出まして、これはDPCの議論だけじゃなくて、今基本診療料のほうの 議論もしなきゃならないといったときに、これは非常に役立つなと思っていますので、そ ちらのほうのまた新たな資料もよろしくお願いしたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  またよろしくお願いいたします。  それでは、非常に......、藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  診−2の2ページなんですが、もう既にこの場で議論されたことかもしれませんけれど も、機能評価係数の中で、具体的な項目で看護配置等が入っておるんですが、こういった ものは印象ではストラクチャーかなというふうに思うんですけれども、これは機能なんで しょうか。 ○遠藤小委員長  お答えいただけますか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  こういった看護配置による加算というものは、当然患者さんとしても利益を得る機能と 考えて、このような係数になったというふうに理解しておりますけれども。 ○遠藤小委員長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  こういったことがここに入ってくると、これは2重評価になって、2重に点数が算定さ れるようなことになりかねないんじゃないかと思うんですけれども、そういった点はない んでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  2重というのはどこの部分でしょうか。 ○藤原委員  例えばストラクチャーの中で、あるいは調整係数だってそういった意味が入っているん じゃないかと思うんですけれども、そういったこととの重なりというのはありませんか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  診−2の1ページ目のところをごらんいただきたいんですが、その四角で囲った一番下 ですけれども、医療機関別係数としては、機能評価係数と調整係数というように分けてご ざいますので、ここはダブりはございません。 ○藤原委員  一応そこは確認したかったんですが、それともう一点いいですか。 ○遠藤小委員長  じゃ、手短にお願いします。 ○藤原委員  入院時医学管理加算が今回改定になりました。その中で外来縮小計画が要件として入っ ていますが、転帰が治癒かどうかの認定が強く求められておりますけれども、この治癒と いう認定が、例えば感染症だったら治癒というのは非常に簡単だけれども、がんとかいう のは治癒というのは非常に難しい状況の中でこういった項目が入っていること、しかも治 癒自体の定義が非常にあいまいだと思うのですけれども、そういったことの議論は十分行 われているのでしょうか。 ○遠藤小委員長  じゃ、お答えできる範囲でお願いいたします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  今回のDPCの話題とは違う話だとは思うのですけれども、外来管理加算の発想として は、治癒ではなくてむしろあれは逆紹介率です。失礼しました。入院時医学管理加算です ね。要は逆紹介率で外来縮小をということなのですけれども、治癒で、治った患者さんが 二度と来なくても外来は縮小するだろうということで、つけ加わったというだけでござい ますので、特に治癒についての定義をどうとか、治癒ということを主体にということでは ございません。いずれにしても本日の議論とは違うと思います。 ○遠藤小委員長  藤原委員、DPCについてはもう一つ決めなければいけない案件が残っておりますので、 そのお話はちょっと今回と関係がありませんので、また改めてお願いしたいと思います。  それでは、資料がこのように出ておりまして、こういうことを材料にしながら、まさに 機能係数を考えていかなきゃいけないわけでありますけれども、引き続きまして、新たな 機能評価係数の設定や調整係数の廃止についてどのように考えるべきかという案件が残っ ております。  事務局からまた膨大な資料が出ておりますので、事務局から御説明をお願いしたいと思 います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  それでは、中医協診−5の資料をごらんいただきたいと思います。これは前回にもお示 しさせていただいたんですが、ちょっと時間がございませんでしたので、もう一度お話し させていただきたいと思います。  前半の部分は、これまでお話ししたようなことですので飛ばさせていただきまして、ス ライド番号でいきますと13ページのところからでございます。これまでDPC評価分科 会のほうで下準備的にいろいろ御議論いただいたことをこちらのほうに御報告ということ を含めてさせていただきたいと思います。13ページから始まってございますが、その下 の14ページのところでございます。今後議論をしていくに当たっての整理でございます けれども、左のほうにございます変動費的な部分、固定費的な部分というのがございます が、まずその変動費的な部分につきましては、矢印で右のほうに行ってございますけれど も、基本的に診療報酬の見直しにより対応ということでよろしいのではないかと。それか ら、固定費的な部分の一部の患者さんが負担するということについては、加算により対応 ということ、それから、それ以外のすべての患者さんが負担、あるいはここで「地域とし て必要な機能の整備と提供」、こういったことが病院の機能係数により対応ということで、 この辺についてを今後の新たな機能評価係数として考えていけばいいんではないかという ような整理にしております。この辺については先ほども幾つか御指摘いただいたところで ございます。  続きまして、次のページのスライド15枚目、16枚目に、新たな機能評価係数に関す る基本的な考え方の案ということが示されてございますが、1から7までございます。ま ず1としては、「DPC対象病院は「急性期入院医療」を担う医療機関である。新たな 「機能評価係数」を検討する際には、「急性期」を反映する係数を前提とするべきではな いか。」「2 DPC導入により医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等、患者の利 点(医療全体の質の向上)が期待できる係数を検討するべきではないか。」「3 DPC 対象病院として社会的に求められている機能・役割を重視するべきではないか。」「4  地域医療への貢献という視点も検討する必要性があるのではないか。」「5 DPCデー タを用いて係数という連続性のある数値を用いることができるという特徴を生かして、例 えば一定の基準により段階的な評価を行うばかりではなく、連続的な評価の導入について も検討してはどうか。」「6 その場合、診療内容に過度の変容を来たさぬ様、係数には 上限値を設けるなど考慮が必要ではないか。」「7 急性期としてふさわしい機能を評価 する観点から、プラスの係数を原則としてはどうか。」という、以上7点ございますが、 これはあくまで分科会のほうで、たたき台的なものをということで示させていただいたも のでございますので、小委員会のほうでは、当然これを修正すべきとか、あるいはこれを 削除すべきとか、追加すべきとか、あるいはもっと変えろとか、そういうことはあくまで これはたたき台として示させていただいたので、御自由に議論いただいて、その基本的考 え方をまずこちらで決めていただいた上で、その方針にのっとってDPC分科会のほうで 細かい議論に進もうというふうに思っているというところでございます。  ただ、総論として示させていただいたものだけでは、ちょっとイメージがわきにくいこ ともあるかということで、その17枚目以降に各論として、これも幾つか考えられるもの をということで挙げておりますが、これについても必ずしもとらわれなければならないと いうことではございません。一応御参考までにということで示させていただいております が、18枚目にございますように、新たな機能評価係数の検討項目を考える上で、大きく 4つに整理してございます。それは、プロセス、ケースミックスとパフォーマンス、スト ラクチャー、地域での貢献ということでございます。  プロセスにつきましては、次の19枚目から21枚目にございますように、症例数に応 じた標準化や効率化ということ、それから2番目、標準レジメンやガイドライン等につい ての観点、それから、後発薬の利用という観点、それから、次にケースミックスとパフォ ーマンスということについては、複雑性指数あるいは効率性指数という観点、それから、 次の23枚目ですけれども、希少性疾患を扱う、そういったその指数という観点、それか ら、その次は副傷病ですか、これによって重症度の評価ができるんではないかということ でそういった観点、それから、25枚目ですけれども、ストラクチャーに係る評価という ことですが、これは3番目に書いてございますように、現在、松田研究班のほうで調査を 行っておりますので、そういったものも踏まえて検討してはどうかというようなことでご ざいます。それから、26枚目から地域における病院の役割ということで、症例数や医療 圏における割合に応じた評価という観点、それから、27枚目ですけれども、救急あるい は妊産婦の受け入れといった観点、それから、28枚目ですが、医療計画との、それに沿 っているかどうか等の観点ということです。  これらいろいろな観点を示させていただいておりますが、繰り返しになりますけれども、 これを係数にしろという意味ではなくて、それぞれにメリット、デメリット、課題と書い てございますが、そういうものをお示しして、議論の材料にしていただければということ でございます。  最後29、30枚目でございますけれども、30枚目に「新たな「医療機関別係数」の イメージ」として書いてございますが、調整係数を今後なくして新たな機能評価係数をつ くるということで30枚目、こういう図になってございますが、ちょっとこれは調整係数 をそのまま新たな機能評価係数にするというイメージで、また現在の機能評価係数もその ままというようなイメージになってしまいますので、ちょっとこの絵は、すみません、余 りふさわしくないと思います。実際には、現在の機能評価係数も含めて全体に見直して、 新たな機能評価係数を考えていくというようなイメージであると思います。  それから、一番最後になりますが、31枚目ですけれども、先ほども申しましたように、 今後新たな係数へと変更していくに当たって、一遍に変更するのか、あるいはここでは中 間をA:Bという1個しか書いてございませんけれども、間に経過措置を1回設けるのか 2回設けるのか、そういった議論も今後していただく必要があるかなということでござい ます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  DPC分科会ではこの議論を先行してやっておりますので、そこで行われていることに つきましてその概論が紹介されたわけで、この位置付けとしては、我々の議論の参考とい う形で扱わせていただきたいということです。と同時に、この15、16ページの新たな 機能評価係数に関する基本方針という、これについては、この基本方針を固めていかない と話が進まないということで、この中身について議論をしていくことを優先していったら どうかと思います。いかがでございましょうか。この中身を中心としたいのですが、ほか にももちろん御意見、御質問があればいただきたいと思います。御自由にどうぞ。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  時間も押していますから、るる申し上げることじゃなくてごく簡単に申し上げますけれ ども、ここに書いてあることに余り異論はなく、むしろ基本的な視点としては書けている んじゃないかなと思うのです。  ただ、先ほども申し上げましたけれども、やはり現行の体系がありますから、それをく くり変えていくわけですので、先ほど最後に事務局のほうからもお話がありましたけれど も、現行の中の出来高的な要素のところとかすべてを総合的に見ていくといった視点がち ょっと抜けてやしないかというのが一つ。  あと、新機能評価係数の問題ですから、ここには書かなくていいのかもしれませんけれ ども、先ほど来お話を聞いていますと、調整係数については急に廃止するのは難しいので、 段階的に、2、3回に分けてなど、こういう話はよく聞くのですけれども、これは今回の ような資料がない段階での議論です。今回は、調整係数というのはこういう意味合いがあ るのだということを新たに議論しているわけですから、そうしますと新たな機能評価係数 とのかかわりでもってどういった議論をしていくか、単純に2分の1、3分の1じゃなく て、先ほど松浦委員が言われたようなやり方もあるわけですから、そこは総合的に見てい く必要があるんだろうと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  本日のこれまでの議論を反映すると、少しこれに修正が必要であろうということで、2 つ御指摘をいただいたということであります。  ほかにございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  基本的には賛成なんですけれども、ただ、これだけ読んでもなかなか恐らく委員の方々 は理解できないところがあるなと。例えば5番、6番あたりは、もうちょっと詳しい説明 がないと理解できないところがあるんじゃないかなと思いますので、これでいいというこ とで、この次あたりにきちっともう一度、具体的に説明していただくことをお願いしたい なと思います。 ○遠藤小委員長  具体性という点であれば、1番は言ってみればまくら言葉みたいなものですけれども、 2、3、4で言うと、「社会的」というのが3に出てくるのですけれども、「社会的」と いうことのイメージ、4番目の「地域への貢献」も社会的な要請だと思うのですけれども、 それと分けているのにはどういう意味合いがあるのかというところもありましょうし、そ れから、スライド18の、いろいろな機能評価係数の検討項目として出していただいてい るわけですけれども、それとここの15、16のスライドに出てくる内容と対応関係があ るものもありますし、ちょっとよく分からないものもあるということなので、15、16 については、もう少し具体的なイメージが分かるようにしていただいたほうが分かりやす い。これは5と6のところもちょっと不鮮明だというところもあるものですから。それか ら、7にしても、もう少し詳しく説明していただいたほうがよろしいかなという気もしま すので、もし今説明のできるものがあれば伺いたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まず、では5、6でございますけれども、5はどういう趣旨かと申しますと、例えば今 の加算でも人数要件とか、ある例でいけば医師が10名以上だったらこのぐらいの係数と か、20名以上だったらこのぐらいの係数とか、そういうやり方をしますと、無理にそう いう加算をとろうとか係数を稼ごうとして、医師を確保しようと走るとか、何かそういう ようなことも起きかねないという心配が1点と、それから、今回DPCによって細かいデ ータをいろいろとることができておりますので、そういった幾つだったらどういうふうに する、幾つだったらどういうふうにするというのではなくて、例えばイメージとしてはY =A×Bというような一次直線みたいな、つまりある程度のものが積み重なれば、それに 応じて加算も自動的に上がるというような、そういったものが考えられるのではないかと いうのが5番でございます。ただ、そういうふうにした場合に、今度無限にまたふえてし まうとこれも問題があるのではないかということで、6番目として、その場合には上限と いうものも設ける必要があるのではないかという提案をこちらに示させていただいたとい うことでございます。  それから、7番については、係数にマイナスというものを設けますと、当然マイナスに なっては困るということから、また何か現場のほうでいろいろ混乱が生じる、あるいはな かなかある係数を決めにくくなるというようなこともあるのではないかということで、こ れはあえてマイナスというような係数を必ずしもつくる必要はないのではないかというよ うな、そういう視点でございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  5、6、7についての御説明をいただいたということであります。  時間もかなり超過しておりますが、これの扱いをどうするかということを考えなければ いけませんけれども、ただいま対馬委員からは、もう少し今回議論された内容も含めて幅 広い検討項目が出てきているので、そこが付加されるべきではないかという御意見もあり ましたし、もう少し具体的に分かりやすくというようなことを私からも注文いたしました。 ただ、基本的にはこれでこの方針ではよろしいのではないかというような雰囲気ではあり ますが、やや不消化であるという感じもいたします。基本問題小委でここまで詳しくこの 問題を扱ったのは初めてなので、一度御議論をいただくということにしたいと思いますけ れども、いかがでございましょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  基本的にそれで結構です。私も全体的にいいんじゃないかと申し上げたのは、最初のほ うの2、3、4、このあたりを見たところで申し上げたので、例えば7番あたりになりま すと、単純にこうなれば望ましいのは望ましいですけれども、全体的に単価を下げないと、 純粋に財源論で考えますとこういったことはできないということになりますよね。ですか ら、本当に可能かなということもありますから、やはりもう一度よく議論した上でという ことで今の提案に賛成します。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本(す)専門委員  この中に入っているのかもわかりませんが、私は、DPCが機能というか急性期を重ん じていくというふうな前提にあるならば、いろいろな病院が急性期に対してどのようなこ とをし始めてきているかというところをきちっと見ないといけないと思います。病院に何 かがあるからいいということではなくて、例えばチーム医療に関しましても、大変深刻な 谷間にいる状況に対して、頑張っている病院があるわけですので、そのパフォーマンスの ところをもう少し具体的に入れていくべきだなというふうに思います。 ○遠藤小委員長  また具体的な評価の対象については今後の議論になると思いますので、御指摘のような ことはまたそこで御発言いただければと思います。  そうしますと、この基本的な考え方につきましては、例えば議論されたようなことを踏 まえまして、事務局のほうで新たな形で出していただくという形で、それをベースに次回 もう一度検討させていただくという形でよろしゅうございますか。  じゃ、そのような形で対応させていただきたいと思います。またこのような議論があり ましたことは、DPCの分科会のほうにもお伝えいただければと思います。  それでは、時間をオーバーしましたけれども、本日の小委員会はこれにて終了したいと 思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今日の議論を踏まえまして日時をちょっと再設定したいと思いますので、改めて御連絡 を申し上げます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会としたいと思います。ありがとうございまし た。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)