08/11/19 第137回中央社会保険医療協議会総会平議事録 08/11/19 中央社会保険医療協議会          第137回総会議事録 (1)日時  平成20年11月19日(水)9:30〜10:44 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員(代 飯倉) 勝村久司委員        北村光一委員 高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員(代 竹内) 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <事務局>       榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○基本診療料について       ○その他        ・後発医薬品の使用状況調査(中間報告)について(日本薬剤師会より報               告) (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは定刻となりましたので、ただいまより第137回中央社会保険医療協議会総会 を開催したいと思います。  本日の出席状況について、御報告をいたします。  本日は、前田委員と大島専門委員が御欠席です。また、小島委員の代理で、日本労働組 合総連合会生活福祉局部長の飯倉裕之さんがお見えになっております。また、邉見委員の 代理で、全国公私病院連盟会長の竹内正也さんがお見えになっております。  なお、保険局長は、公務のため欠席される旨の連絡を受けております。また、審議官も 公務のため途中から出席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入りたいと思います。  初めに、医療機器の保険適用についてを議題といたします。  医療区分A2(特定包括)及びB(個別評価)について、事務局から報告をお願いした いと思います。よろしくお願いいたします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料の中医協総−1を御覧いただきたいと思います。  まず、医科、区分A2特定包括、特定の診療報酬項目において包括的に評価されている 区分ということです。  医科のものは、11月1日に保険適用が開始されたものでございます。  まず、医科のA2についてですが、28件、御覧のとおりでございます。  続いて、1枚おめくりいただきまして、次のページにB個別評価、材料価格として個別 に評価されている部分というのがございます。御覧のとおり27件ございます。以上で医 科は合計55件ということでございます。  続きまして、3ページ目、歯科でございますが、歯科のA2、これは御覧のとおり3件 でございます。  続きまして、4ページ、最後ですが、歯科のB、これが22件、合計で歯科は25件、 医科、歯科合わせまして80件ということでございます。以上でございます。 ○遠藤会長  ただいまの報告につきまして、御質問、御意見ございますでしょうか。  特にないようであれば、ただいまの報告内容につきましては、総会として承認をすると いうことにしたいと思います。よろしゅうございますか。  引き続きまして、先進医療専門家会議の検討結果についてを議題といたします。  事務局より資料が出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。資料の中医協総−2を御覧いただきたいと思います。  こちらに先進医療専門家会議における第2項先進医療の科学的評価結果というのがござ います。  この第2項、3項という言い方ですが、この4月から変わったものですけれども、前回 8月27日に出てまいりましたが、念のため、もう一度確認の意味を込めて御説明させて いただきたいと思います。  この資料の8ページ、9ページを御覧いただきたいと思います。  見開きのようになってございますが、左の8ページ、これが従来からの先進医療につい ての説明のポンチ絵でございます。  御覧のとおり薬事法上の承認を受けた医薬品、医療機器を用いた医療技術について今後 保険導入の検討を行う対象とする医療技術ということで、届出があった場合に、先進医療 専門家会議のほうで、保険との併用の適用を判断し、適切である、適当であるというふう に判断されたときに、保険診療との併用が可能になるということでございます。  それに対しまして、薬事法の承認を受けてない医薬品、医療機器を用いた技術について もこういった保険との併用の枠組みをつくってもらいたいというような要望が強くござい まして、そういったものを受けて、右側の9ページ、高度医療という枠組みをこの4月1 日から開始したということでございます。  9ページのほうに書いてございますように、薬事法上未承認、あるいは適用外の医薬 品、医療機器を用いた医療技術につきまして、医政局のほうで高度医療評価会議というも のを設けましたが、そちらのほうで評価をいただいて、安全性、有効性が確認されたもの について、また今後保険導入の検討を行う、対象とする医療技術について、申請があれば それを先進医療専門家会議のほうで評価しまして、保険との併用の適否を用の判断すると いうことでございます。  次の10ページ以降にその具体的な通知がございますが、11ページの真ん中の少し上 ぐらいに第2として第2項先進医療に係る実施上の留意事項云々という文言がございます が、従来からの先進医療はこの第2項に当てはまるということでございます。  それから、15ページのちょうど真ん中あたりに第3、第3項先進医療に係るという文 章がございますが、こちらのほうが4月からの高度医療ということで、従来はただ先進医 療という言葉だったのんですけれども、こういった変更により第2項、第3項先進医療と いう言い方に変わったということでございます。  1ページにお戻りいただきたいと思いますが、今回は、この第2項、従来と同じ枠組み の先新進医療について、2件で出きたということでございます。  具体的には、角膜ジストロフィの遺伝診断、それから強度変調放射線治療の関係でござ います。  1枚おめくりいただきまして、2ページでございますが、角膜ジストロフィの遺伝子診 断につきまして、この近年多くの角膜ジストロフィ症例について、その責任遺伝子と遺伝 子変位が同定され、従来のさまざまな病型との関連も明らかになったということで、その 効果というところを御覧いただきたいと思いますが、本技術によって原因遺伝子を明らか にすることにより、病型に加え、発症年齢、重症度や予後も推定可能となり、治療により 進行を遅らせることが可能な例を特定することや角膜移植後の再発リスクを明らかにする ことができる。  こういったメリットがあるということで、今回、3ページのほうの評価の中で、「適」 ということで認められたということでございます。  ただ、こちらで申請が出てきたのが2ページの一番下でございますが、実施科として臨 床検査科ということで、申請があったんですけれども、先進医療専門家会議の中で議論し た結果、4ページのほうになりますが、やはりこれは臨床検査科というよりはきちんとし た眼科の専門医がいるところでなければいけないでしょうということで、診療科、眼科、 資格は眼科専門医、または臨床遺伝専門医というような要件がつけられたということでご ざいます。  それから、下のほうに、その他という項目がございますが、こういった遺伝子解析を行 うということで、遺伝カウンセリングの実施体制が必要ということも要件に加えられてお ります。  続きまして、強度変調放射線治療でございますが、5ページでございます。  強度変調放射線治療の今回限局性の固形悪性腫瘍のうち、頭頚部腫瘍、前立腺腫瘍、ま たは中枢神経腫瘍であって、原発性のものを除くと書いてありますが、この除かれた3つ の腫瘍については、この4月に保険適用をされております。ということで、保険適用をさ れていない残った限局性固形悪性腫瘍について、今回先進医療として申請が上がってきた ということでございます。  次の6ページでございますが、6ページの一番下のところにコメントがございますよう に、既に保険収載されております頭頚部腫瘍等、これに対する強度変調放射線治療の技術 をそれ以外の部位の固形悪性腫瘍に適応を拡大したもので、技術的には大きな問題はない と思われるということで、「適」というふうになってございます。  その要件は、右側の7ページのほうにございますけれども、放射線科、放射線治療科等 々、こういう要件で承認されたということでございます。以上でございます。 ○遠藤会長  ただいま報告がありました2件につきまして、御意見、御質問ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。  それであれば、ただいま説明ありました2つの技術につきましては、保険給付との併用 を認めるということを中医協としまして特段の意見はないという形にしたいと思います。  ありがとうございます。  引き続きまして、基本診療料についてを議題といたしたいと思います。  基本診療料につきましては、前回の11月5日の総会におきまして、御議論いただいた わけでありますが、そこで議論された内容も整理するという形で、今後の進め方という形 で、ここで御承認をいただければということで資料をつくっていただきました。  それでは、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございます。お手元に、中医協総−3という資料がございますが、全体とし て、今、会長からお話がありました方向で、事務局として承って案という形で、取りまと めさせていただいております。  まず、1.前回の議論の概要でございますが、ポイントとなるところだけ読み上げさせ ていただきますと、まず1つ目の○ですが、想定以上に大幅な減収ということで、日本医 師会として緊急調査を行っている。調査がまとまった段階で議論させていただきたい。  それから、3つ目の○ですけれども、次回の改定を待たずに見直しを行うということで しょうか。もし、そういうことだとするならば、そのような議題を取り上げるべきではな い。  ○の4つ目ですが、想定以上に増収になった項目も検討するのであれば、公平感がある ので議論に値するのではないか。  次の○も似たような話で、マクロとして言えるのは、改定率と全体の医療費の増減につ いてということであって、特定の項目だけを取り上げるのはどうか、ということでござい ます。  それから、下から3つ目の○ですが、診療所の再診料をどうするかという議論の中で、 外来管理加算の話が出てきたということを踏まえて議論する必要がある。  幾つかいろいろな議論がありました後に、会長のほうから、基本診療料の在り方を検討 するという課題は別途にあったから、そうした基本診療料の在り方を検討するという中 で、調査内容を御披露いただくということであればいいのではないかということで、おま とめをいただいたというふうに記録をしております。  めくっていただきまして、2.の現状ですが、特別何か重要なことを書いたというわけ ではありませんけれども、平成20年度の診療報酬改定に係る答申書の附帯意見以降、ど ういう動きがあったかというのを簡単にまとめたものでございます。  まず今申し上げました答申書の附帯意見ですけれども、初・再診料、それから入院基本 料等の基本診療料についてはその水準を含めて在り方について検討を行うんだと。その結 果を今後の診療報酬改定に反映させるんだというふうにされているということです。  それから、6月4日の基本問題小委員会ですけれども、必ずしも十分な議論だったかど うかは別といたしまて、初・再診料について初めて議論が行われたということです。  それから、一方で、検証部会において外来管理加算を含めた種々の項目について、意義 づけの見直しの影響調査等を実施しておりまして、これにつきましては先般も御紹介をい たしましたように、年度内には調査結果がとりまとめられる予定となっております。  それから、一方で、日本医師会が外来管理加算に関するアンケート調査を実施しておら れまして、早ければ12月中旬にも調査結果が取りまとめられる予定とお伺いいたしてお ります。  そういうことから、冒頭にも申し上げましたように、全体について案ということです が、こんな進め方なんでしょうかということで、案としてお示しをさせていただいており ます。  各種調査、今、申し上げました検証部会であるとか、日本医師会の外来管理加算に関す るアンケート調査などの調査がまとまる時期を見に両にらみしながら、基本問題小委員会 において適宜検討を行うということでどうかと。  それから、その検討対象は、外来管理加算に限定するものではなく、基本診療料全体を 対象としてはどうかと、こういうお考えなのかなということで、案として御提出をさせて いただきました。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  したがいまして、これは前回の御議論の中身を整理して、一通り今後の議論の私として も方向性を示しまとめたものわけであります。けれども、それを具体的に言うと、こうい う検討の進め方ではないかということで御披露いたしました。て、このような形で進めて いったらどうかということの御承認を得たいということであります。ので、これにつきま して御意見、御質問ございますでしょうか。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  まず、整理をさせていただいたものを拝見しまして、そのこういう中で、基本診療料の見 直しということで、私ども、前回一番大きな影響を受けた今度の改定で、それを外来管理 加算がの当初のマイナス見込みよりはるかに大きかったということを数字で出させていた だきました。資料としてはまだ十分ではなかったと思いますが、出させていただきまし た。  それにつきまして前回の議論等々、あるいは数字等々、少しまとめて説明させていただ けたらと思います。  私ども、診療側は2008年度の診療報酬改定に当たりまして、産科、小児科、救急医 療におけます病院勤務医師に対する支援が地域医療再生のために喫緊の課題であるという 認識に立ちまして、医科本体の引上分につきましては、これは全部病院勤務医師の荷重労 働の緩和に充当すべきであると最初から主張してまいりました。  同時に、診療所も病院もが、そのときに資料を出しましたけれども、危険水域にあるの んだということも、資料を出して一応ここで御説明させていただきまして、地域の推進の ためには、だからといって診療所の点数を引き下げて、この財源をどういうふうにもって いくかということは到底苦しい。それは認められないということを私どもは主張してまい りました。  これに対しまして、中医協の中の支払側の委員医院、皆さん方は診療報酬改定により保 険者は負担が増になると。健保連、共済組は政管健保に対して、しかも1,000億円の 財政支援を行うことになるということで、診療支援体制にのさらなる負担を求めたという 現実といいますか、それが実際にありました。  結局は、財源問題が公益委員の皆様方の裁定に委ねられて、外来管理加算の見直し、デ ジタル加算の廃止、それから検査判断料の引下げ、それから軽微な処置の初・再診料への 包括化によりまして、約400億円が診療者から病院のほうへ追加支援として、公益側委 員の裁定によって決定されました。  しかしこれは、受け入れるときに当然ですが、私ども大変苦渋の決断をさせていただい たんですが、その結果が相当大きくかかってきたということです。、マイナスが。  そこで中医協が、2008年2月13日に提出されました答申書には、初・再診料、外 来管理加算、入院基本料等の基本診療料の在り方を検討し、今後の診療報酬改定に反映さ せることとされており、いる。特に、外来加算については、土田前中医協前の会長が20 08年3月26日の検証部会で、財源が当初の見込みと異なる場合には対策を考えなけれ ばならないと御発言をなさっておられます。  そこで基本診療料の在り方を見直すために、私ども、次のことを御考慮いただいた上 で、この外来管理加算の御議論を始めていただきたいと願います。  1つは、これは先ほどちょっと御紹介ございました、日本医師会が本年の4月から6月 までの早期にレセプトを対象に行った緊急調査によりますと、診療所におきましては、外 来管理加算の算定要件のマイナスによります影響が約744億円。そして、後期高齢者の 単価の見直しによりますマイナスが約60億円。合わせまして800億円程度の減収にな るという予測を立ちてました。  その後も私ども追加しての7、8、9という追加の3カ月をまた調査を行っております が、4、5、6ではそういう状況になりましったと。  当初、ここで議論しましたときには、外来管理加算の見直しによる診療所の影響額は、 240億円程度と見込まれていたことは御承知のとおりであります。これに比べますと、 影響がは先ほど申し上げますように、大変大きいということでございます。  それから、もう1つ、2番目に確かめておきたいと思いますが、社会保障費も年、2, 200億円抑制。これは国の方針です。そのうち1,000億円を健保組合と共済組合、 750、250のほうから、政管健保への国庫負担の肩代わりによって賄われる予定であ ったと思います。  その後、国の情勢といいますか、そういう流れの中で、現時点で法案成立、つまり政府 管掌健康保険支援特例法、この法案成立の見込みがないという状況がでています。、これ はもう御承知のとおりであります。  すなわち病院勤務医対策のため、支払側と診療側、特に診療側の人はこのぐらい、先ほ ど述べましたように、診療所でございますが、互いに負担の痛みを分かち合うという1つ の前提があったと。そういうふうに受け止めておりますが、それが形が変わってきた。壊 れてきたといってもいいかと思います。そういう状況になってきた。  こういう状況の変化を踏まえまして、この前申し上げましたけれども、現場の状況を配 慮いただきまして、緊急に要件の見直しを行っていただいて、そしてその対策を引き続き 講じていきたいと、以上、まとめて述べさせていただきました。 ○遠藤会長  ただいま、新たな視点からの御意見も加えられたかと思うのですけれども、まずその中 身の議論をする前に、この検討の進め方というこの2つを出してありますけれども、この 形で進めていくということは、御了解いただけると考えてよろしいでしょうか。 ○竹嶋委員  はい。 ○遠藤会長  それでは、進め方につきましては、ただいまの竹嶋委員の御発言についての御意見とか いろいろなことをまたお聞きしますけれども、進め方につきましては、この検討の進め方、 調査がまとまる時期を踏まえまして、基本小委で適宜検討を行うということと、検討対象 は基本診療料全体を対象とするのだという、ほぼ前回の総会ではこのような形でまとまっ たと理解しておるのですけれども、このような形で進めていくということでよろしいかど うか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  確認ですけれども、この各種調査と出ていますのは、まさに各種ということですから、 1つではなくて、前回も日本医師会、委員の一部の方からは12月に調査結果がまとまり ますので、そこで議論してくれということでしたが、各種調査がまとまる時期を踏まえて の各種というのは、検証部会等も含めてということでよろしいのでしょうか。それであれ ば、これで結構です。 ○遠藤会長  各種調査の中身について、事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  少なくとも事務局からは、例えば医療費ということであれば、メディアスのようなデー タが出せると思います。それ以外にも正確なデータがあるかといわれますと、むしろない かもしれない。 ○遠藤会長  各種調査ということでありますので、今、具体的にはあれなんですけれども、つまり基 本診療料全体の話という形になりますと医療費全体のデータとかそういったものも含める という意味合いでこのように書かれていると、そのように理解していただきたいと思いま す。したがって、この種の議論に資するものであれば、適宜出させていただいて議論する ということであります。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  診療料の検討の進め方については、これでよろしいかと思いますけれども、ただ先ほど、 竹嶋委員が申し上げましたように、外来管理加算につきましては、前提が崩れているとい うことがありますので、まずそれをもってここで協議していただきまして、その中で、基 本診療料の中の1つである外来管理加算を検討するというような形にもっていっていただ ければというふうに思いますが。 ○遠藤会長  申しわけありません。今、ちょっと理解できなかったんですけれども、もう一度、どう いうふうなことでしょうか。 ○藤原委員  基本診療料の中で、外来管理加算ということを考えるということはやぶさかではないと。 ただ、今も外来管理加算について特別発言をしましたけれども、位置付けをきちんとした 上で、全体の基本診療料の検討に入っていただきたい。今回は、今までにない形で、出て きましたので、要するに、この外来管理加算を受け入れたけれども、その前提が崩れてい ると、先ほどるる申し上げましたけれども、そういうことが起こっておりますので、それ を考慮の上、基本診療料の中に入っていただくようにお願いします。 ○遠藤会長  ただいまの、従来より御発言されている内容の線上のあるものだというふうに理解いた しますけれども、藤原委員のおっしゃった内容について何か御意見あるいは御質問ござい ますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  ちょっとよく分からなかったこともあるのですけれども、ただ竹嶋委員と藤原委員、ほ ぼ似たようなことをおっしゃっているのかなというふうにも思いますので、お話しさせて いただきます。  確かに20年度の予算編成の中で、政府からの正式な要請を重く受け止めまして、私ど もとしては、20年度限りの措置ということで、苦渋の決断をしたということであります。  今現在どうかということは、竹嶋委員が言われましたけれども、国会の中で、継続審議、 臨時国会が延長されるかどうかということもありますけれども、私どもとしてはそれを注 視していくという立場にあるというふうに思います。  ただし、外来管理加算との関わりでもって、ないしは400億円との関わりでもって、 この政管健保への支援措置の1,000億円が、ある意味でのバーターみたいな言い方、 ないしは前提みたいなことをおっしゃられるんですけれども、そこは私にはよく分からな いですね。  当時の議論といいますか、ちょうど1年前ぐらいのことですから、御記憶にある方が随 分多いのだろうというふうに思うのですけれども、1つは、社会保障、2,200億円の 削減の中で、診療報酬改定、それから政管健保への私どもの負担、支援措置、その支援措 置を梃子にしながら国庫負担、1,000億円を削減するということが同時並行的に議論 されてきたことは事実であり、これは否定できないだろうというふうに思います。  その中で、私どもが苦渋の決断をしたのは、12月14日でございました。診療報酬改 定が全体ではマイナスで、本体は0.38%のプラス改定と決まったのは12月18日で ありました。  各メディアは、そのあたりを含めてですけれども、私どもの政管健保への支援措置、こ こが結果的には診療報酬本体の引上げに回ったのではないかと、かなりのマスメディアが 報道したという状況だったということであります。  ですから、私は基本的にはいずれもバーターではないのだと思うのですけれども、あえ ていえばそういうことなのかもしれないというふうに思いますし、また私どもが非常に血 を流したということで強く主張してきたのは、外来管理加算の問題ではないのです。これ も御承知の方は多いと思います。私どもとしては、400億円では足りないのじゃないか と。  さらに、小児、産科、救急、こういったところに診療所から財源を回すべきではないか と。それは診療所の再診料を下げて、それを病院の再診料に回していく、このことが一番 分かりやすいし、また財源も出てくるんじゃないかということを強く主張したのです。  ですから、これもある意味ではバーターと言えるのかもしれません。いずれにせよ、外 来管理加算の絡みでのバーターなんていうのは、全く念頭にもない。誤解も甚だしい、私 どもはそう思います。  いずれにしましても、この議論、こういった形でやっていって、どういった意味がある のか。私は、この中医協の場は、できるだけ建設的、実りのある方向でということで発言 をしてきましたし、また、まとめるための努力をしてきたつもりですけれども、再三再四 同じような議論をされるということは何とも理解ができないというふうに思います。  このあたりはもう公益の先生、遠藤会長に御判断いただいたほうがよろしいんじゃない かと思います。  といいますのは、19年3月に法改正がございまして、その中での議事のスケジュール や議題等々の運営に関しては、公益委員が協議する。それに対して、1号側、2号側が共 に尊重しなければならないというふうに新になったわけです。ですから、こういった同じ ような議論を再三再四されていても、建設的な実りある議論というのは望み得ないと思い ますので、私はこのあたりでこの議論は打ち切ったらどうかと思います。 ○遠藤会長  中川委員。 ○中川委員  今、対馬委員の御意見ですが、事実と少し違うと思うので、確認しておきたいのですが、 400億円で足りなかったということをおっしゃいました。これは、今年になってから、 土田前会長が一体勤務医対策に幾らいるのだというふうに、事務局に出すようにという指 示がありました。  しかし、その前年に中医協として、一体診療報酬の引上げなのか、引下げなのか、プラ マイゼロなのかという議論のときに、我々は大幅な診療報酬の引上げを要求したのです。 それは、地域医療が崩壊しているということで、何としてもこれは防がなければいけない ということで、大幅な引上げを要求しました。しかし、その議論の中で、引き下げる環境 にないという程度の表現に留まったと思います。  その結果として、医科本体プラス0.42%に留まりました。しかし、その引上げ分は、 全て竹嶋委員が申されたように、病院勤務医、救急医療、小児科、産科、そこに当ててく れと。改定のそもそもは、わずかですがプラス分を改定に回す。足りない部分は次の改定 に委ねるというのが筋ではないかと申し上げたと思います。  そういう流れの中で、今年1月18日と1月25日に対馬委員が基本小委で、25日は 公聴会ですが、やはりこれは明確に、健保連と健保組合、750億円、共済組合を含める と1,000億円を負担するんだから、診療所ももう少し血を流していただけないかとい うことを明確に申されているんです。その結果として、外来管理加算になったというのは、 これは事実ですから、そのことはきちんと確認した上で、議論するというのは、無駄な議 論ではないと私は思っております。 ○遠藤会長  この種の議論、ずっと続いているわけですので、そろそろ収束させたいと思いますけれ ども、既に中身の議論になっておりますので、ともかく検討の進め方、これでよいかどう かということをまず決めていただきたいと思います。その過程において、そもそも基本診 療料全体をどうするかという枠組みの中での議論ということでは合意ができているわけで ありますので、そこでまた外来管理加算の問題で、1号側、2号側、意見がまとまらない ということであれば、その場合には、公益案というような形で公益が介入するということ も十分あり得るという形で、話を進めていきたいというふうに思いますけれども。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  先ほど、支払側が言われました、そのことについては一言私も反論しておきたいと思い ます。  外来管理加算自体を見れば、確かに個別具体的な話で、大局的ではないかもわかりませ ん。我々は、ここで個別具体的な話をあえて言いたいと思っていないのですが、この外来 管理加算自体が根幹にかかわる問題だから、私は総会で何回も取り上げたつもりでありま す。  そもそもは財源移転の問題なのですけれども、中医協の議論の中で、支払側は病院を救 うために、健保組合も支援金を拠出することを承諾したと。診療所も痛みを分かち合うべ きだと。先ほど、竹嶋委員も……。 ○遠藤会長  藤原委員、その話は恐縮ですけれども、その話はまた同じことの繰り返しとしか私には 思えません。 ○藤原委員  いや、そうではありません。  そういうことがありますので、そもそものこれは問題に入っているのですよね。だから、 そういった過程があるから外来管理加算ということで、外来管理加算自体は単に改定項目 の一つという小さな問題ではないのです。そこに行き着いた、だからそれは1つの材料に なって、それが財源移転になっているわけですから、そこのところが小さな問題だとして 省略されるのは非常に遺憾だと思います。 ○遠藤会長  御主張はよく分かります。ただ、それをどう考えるか。つまり今起きている医療のさま ざまな課題の優先順位として外来管理加算の問題がどの辺にあるのかということは、皆さ んが藤原委員と同じように考えているとは限らないわけです。そういう意味での、幅広い 議論ということは非常に重要だというふうなお話だと思います。 ○藤原委員  確認したいんですが。前提条件が崩れたという認識はないんですか。 ○遠藤会長  前提条件。前提条件が崩れたという認識は、総会としてあるかないかということですか。 ○藤原委員  健保側が主張された我々も1,000億負担するんだと、そういった前提がそもそもこ の議論の最初にあったはずなんです。それが崩れている中で、粛々と進めるということに 対して……。 ○遠藤会長  ですから、ただそれは先ほど対馬委員が言われたように、バーターというような感覚が ないのだということをおっしゃっておられたと思うのですけれども、だから、それを前提 としてとらえるかということにもかかってくるというふうに思います。  いずれにしましても、この議論は、実際のデータが出てきた中で、全体の中での議論を するということの中で、御議論をさせていただくという形にしたいと思いますけれども、 それでは御不満でしょうか。  中川委員、手短にお願いします。 ○中川委員  全体の中でというのがどうも分かりにくいんです。竹嶋委員が冒頭申し上げましたが、 緊急の対策を講じていただきたいというふうに申し上げましたし、土田前会長も3月26 日の診療報酬改定結果検証部会で実際の見込みと異なる可能性は十分あるわけで、240 億円の見込みが例えば100億円ぐらいしかなかったということもあると。そういう言い 方は逆もあるということだと思いますから、そうなれば別の対策を考えなければならない という発言をされているんですよ。  やはり見込みと大幅に違ったときは、プラスでもマイナスでも、これは別の対策を考え なければいけない。これは別個に考えるというのは、これは別に無理のない話じゃないで しょうか。  その辺ちょっと、全体の中でというのとちょっと違うなという気がするんですけれども、 いかがでしょうか。 ○遠藤会長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  前回の会で、竹嶋委員がたしか中医協改革によって、方針は社会保障審議会が決める。 それから改定率は内閣が決める。それから、中医協では個々の診療報酬について決めてい くと。こういう方針になったということを申し上げたときに、たしか竹嶋委員、それは変 わることもあり得るんだというようなことをちょっとおっしゃったような気がするんです が、そういうことが前提になっているんだったら、これはもう議論のしようがないんです ね。  ですから、改定率が、内閣で決まった、その改定率があるわけですから、だからそうす るとこの外来管理加算だけ取り上げてやっても、それで増えた分をどこから持ってくるか と、こういう議論も当然しなければならんわけですから。全体で議論をしていくというこ とには、これはもう進んでいかざるを得ません。私はそう思います。 ○遠藤会長  手短にお願いします。 ○中川委員  松浦委員のお話、ちょっと認識が違うんですが、予想以上に減っているんですよ。  例えば、仮に戻したとして、予想よりも増えないんですから、元に戻すだけです。財源 構成として、という御理解になりませんか。予想以上に減っているんです。 ○松浦委員  それは確かに予想以上に減って、それを元に戻すか、変わらないという話はそれは出て くるかもしれませんが、そうすると全部についてそれが入ってきますよ。ほかのものも。 だから、各種調査ということになるんでしょうけれども。 ○中川委員  それで各種調査のうちの1つ、日本医師会でやっている調査が12月に出ますのでとい うことを申し上げているんです。 ○遠藤会長  ですから、12月に出れば適宜それについては議論しますと、そういう形でやりましょ うということを言っているわけでありますので、御承認いただいたということで、あとは そのときにまた御議論をいただくという形にさせていただきたいというのが私の主張でご ざいます。 ○藤原委員  外来管理加算は、土田前会長がわざわざ触れておられるように、これは通常の改定項目 の1つではないんです。この外来管理加算がうまくいかなかったら、ここでもう一度審議 しましょうと。別途の方策を考えましょうと言われているわけですから。それほど重大な 項目であるのを、だから少なくても多くても、ここで一度、それでいいのかという、審議 するのは当然じゃないですか。 ○遠藤会長  土田前会長がおっしゃられたのは、基本的には、検証の対象とするという内容でおっし ゃられた話であって、検証のプロセス以外のプロセスを使って特別にやる、あるいは期中 改定だというようなことを前提にしたお話では決してなかったと私は理解しております。 ○藤原委員  その文言を先ほど読み上げましたので、今さらとも思うんだけど、こう書いてあるんで すよ。  実際は、見込みとは異なる可能性は十分にあるわけで、240億円の見込みが例えば1 00億円ぐらいしかなかったこともあり得ると。そうすれば別の対策を考えなければなら ないというふうに言っているわけです。これは、ある意味、緊急性があるからこういうこ とを言っているわけでしょう。終わって、2年たってからという意味ではとてもないと思 うんです。 ○遠藤会長  そこは見解の違いだと思いますので、いずれにしましても個別の議論をここでやりまし ても、あまり意味のないことだと思いますので、このような検討の進め方で進めさせてい ただくということの合意を得られたというふうに理解してよろしゅうございますでしょう か。  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  全体的なという説明をもう一度していただきたいんですけれども。 ○遠藤会長  ですから、全体的なということについては、対馬委員、あるいは先ほどの松浦委員など もおっしゃっておられたことでありますので、もしその全体という意味合いを対馬委員、 松浦委員から言っていただければと思いますけれども、特に前回対馬委員からお話があり ましたので、1つ、全体というイメージを。 ○対馬委員  まさに皆様方、2号側委員が言われているとおりでありまして、外来管理加算だけじゃ なく、いろいろな問題、特に基本診療料関連全体としての議論をして、最終的にいろいろ な不満を各々が、持ちつつ妥結、妥協せざるを得なかったということですから、恐らく当 時もいろいろな問題点について、どこまで深めたかというのはあるんですけれども、いろ いろ議論したことは間違いない事実であります。それは外来管理加算に関わらないという ことですから、今回、当然ながら外来管理加算だけではなく、基本診療料全体の議論をす べきだと、こういうことであります。  とりわけ個別の項目についてお金が思ったより増えたとか減ったとか、そういうことだ けでと議論するいうのは、いまだかつて中医協であまりないんじゃないかと思います。 ○遠藤会長  それでは、竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  冒頭私が発言したことから、お金が増えた、減ったということだけでなく、これがまさ に地域医療の現場の混乱というところにつながるということがあるからなんですね。そう いうふうに理解をいただきたいと思います。  それから、松浦委員が、私の名前を出されて言われましたけれども、私が申します真意 は、中医協の中では、こうして議論が本当に真剣になされている。私も社会保障審議会の 医療部会に出ておりますけれども、こんな議論は実際ありません。中医協の場がただ配分 だけに終わらないで、やはりそちらのほうを変えていくと。そういうことが必要だという ことを私は申し上げたのです。 ○遠藤会長  中川委員、最後のお一人で、手短にお願いします。 ○中川委員  意味合いは分かりました。次期改定に向けた全体的な基本診療料の議論とそれから個別 に今回予想以上に削減が予想される外来管理加算とこれは別途二本立てで議論をしていた だきたいと強く要望いたします。 ○遠藤会長  御要望としては分かりますが、その議論をずっとやりながらやはり全体の中で議論をす るという形で前回議論が収れんしたわけであります。その確認を今しているわけですが、 それをまた元に戻すという話ですね、今の御議論は。  小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  議論としては、外来管理加算で減収があったということはエビデンスを出していただき たいと思いますけれども、この全体の議論というのは、やはり病院勤務医の負担軽減とい うことが非常に大きなテーマになったんですね。ですから、それがどうなっているのかと いうことも考えなければいけませんし、その意味で、全体としてエビデンスに基づいて議 論をしていく、あるべき方向を探っていくということがあるべきであるというふうに思い ます。 ○遠藤会長  ですから、ここの調査結果を出して、そこで議論をするという形でありますので、そう いうことでありますので、ここに書きました2つのやり方で今後検討していくということ で、そのときに御意見があれば、またそこで言っていただくという形にしたいと思います。  それでは、このようなやり方で進めることで御同意いただいたということにさせていた だきたいと思います。  ありがとうございます。非常に活発な御意見がいただけたと思います。  それでは、その他ということでありますけれども、山本委員より資料が提出されており ますので、御説明お願いしたいと思います。  よろしくお願いします。 ○山本委員  ありがとうございます。お時間ちょうだいいたします。  時間も押しておりますので、提出いたしました資料につきましてざっと御説明を申し上 げます。  まず、後発医薬品の使用状況につきまして、日本薬剤師会では、9月の1カ月間をとり まして、調査を行いました。平成20年改定につきましては、調剤から見ますと後発医薬 品をどう進めるかということは大変大きな問題でありましたので、そのことも含めて、内 容を調査してございます。  まず、全国2,000の薬局を対象に調査を行いました。数字といたしましては、回収 率が22.5%でありますので、少し低いのでその数字のことが後ほど議論になるかもし れませんが、約450薬局から回収をしてございます。  2ページの図表6でございますが、30%以上の調剤率がある薬局が算定できる(調剤 後発医薬品調剤体制加算)の算定率は、約83.6%ということでありますので、かなり の薬局が調剤体制加算を算定している、つまり30%以上後発品の調剤を行っているとい うことでありますので、今回の集計された薬局の集団を見ますと比較的後発に積極的な薬 局からの回答が多いというふうに理解できるのかと思っております。  続きまして、3ページでありますが、図表8を御覧いただきたいと思います。  ほとんどの処方箋に、「変更不可」の欄に署名がある医療機関がどのくらいあるのかと いうことで調査をいたしました。処方箋に「変更不可」とされますと、薬剤師はなかなか 努力がしにくくございます。約27%ほどの診療所、病院、特に診療科に違いはございま せんが、全て「変更不可」だという記載があったという結果が出ております。  次に、4ページ図表9でありますが、ここは全体で、55万3,000枚ほどの処方箋 を分析いたしまして、どの程度処方医の署名欄に署名があったかなかったかという大きな 分類の中で整理いたしました。その結果、約60%の処方箋には医師の署名がなく、後発 医薬品へ変更して構わないという処方でありましたので、その部分につきましては、前回 の調査よりは進んでいるなと思います。その反面、19万3,000枚ほど、全体の35 %になりますけれども、処方箋の「不可」の欄に署名があるということであります。  さらに、細かな分析をしてみますと、やはり具体的に言えば、表の上のほうから、4番 目でしょうか。  後発医薬品に「変更可」という処方箋でありながら、後発医薬品に変更された率という のは3.4%と非常に少ないので、そのあたりは薬剤師側としては、大変問題にしており まして、後ほど出てまいりますが、表19にもございますし、あるいはさらに先のほうに もございますけれども、薬剤師の説明が十分であったかどうかということにつきましては、 今後十分に検証いたしたいというふうに考えています。  ただ、9月分の処方箋ということでありますので、既に4月から後発品の調剤が進んで おりますので、それまでに十分に説明が済んで、あるいは患者さんの御理解があって、特 に説明しないままに変更されているというケースもありますので、そのあたりにつきまし ては、なお中間報告でありますから、さらに検証したいと思っております。  それから、表10でありますが、98%を超える薬局が処方医の「不可」の欄に署名が ない処方箋を扱っておりますことから、かなりの薬局がこうしたことを経験しているとい うことになります。  一方、その反面、図表11でありますけれども、その中で、先発品を後発品に変更した ことがある薬局というのが77.5%でありますので、若干受け付けた経験がありながら、 変更した経験が少ないという結果については、私どもしては後発品の使用に関しては、再 度確認をしなくてはいけないというふうに考えております。  それから、図表12、5ページでありますが、ここは、意外と大きな数字でありました。 今回の約84%の薬局で後発品の調剤体制加算を算定しております関係から、恐らく後発 品の取組が積極的な薬局が多かったためと思われますが、後発品調剤体制加算は数量ベー スではなくて、率の30%でありますけれども、こちらは数量ベースで推計をしましたと ころ、平均値で24.9、中央値でも20%という量の後発品が使われているということ になります。国が目指しております30%という数字から比べましても、比較的に大きな 数字が出ているという気がいたしますが、実態は母集団が後発品の使用に積極的というこ とがいくらか影響しているというふうに考えております。  それから、図表13でありますが、このあたりが今後私ども薬剤師会としても、まず再 度戦略の練り直しをしなければいけないと思っております事項で、つまり後発品への変更 可能な処方箋を持参した患者のうち、後発品についての薬剤師が説明を行った患者の割合 はどうかというのを調べてみたところ、10%未満というところが大変多い。4割近くご ざいます。  したがって、このあたりにつきましては、私どもの十分な説明が足りていないというこ とが、あるいは全体の後発の使用状況にいくぶんの影響を及ぼしているというふうに考え ておりますので、今後積極的にさらに対応を進めたいというふうに考えております。  図表16を御覧ください。6ページになります。  こちらのほうは、一度先発品から後発品に変更を行った後、次回、処方箋を受け取られ て、調剤にお見えになった患者さんのうち、どの程度が前の処方どおり、つまり後発品か ら先発品に戻ったかという割合を調べて見ました。  その結果、10%未満とほとんど変更がないという方が9割を超えておりますので、そ うした意味からすると、これまで心配されておりました先発品と後発品との間で、何か不 都合が生じるのではないかという部分につきましては、一度変更してしまえばその後も引 き続き使っているという患者さんが多いという観点からしますと、それほど指摘されてい たような問題が多くはないというふうな理解をしております。  次に、7ページでありますが、このページ全体は、実際にどのくらいの説明に時間がか かるかを調べた結果です。薬剤師が、まずは先発品から後発品、あるいはジェネリックの 説明をした上で、その後、変更するとございますので、その辺の時間の調査いたしました。 結果としてはやはり初めてお見えになって後発品の説明をし、かつ服薬指導をするという ケースと、2回目以降、特に後発品の説明をしなかったというところを比べてみますと、 後発品の初回が随分時間がかかるという傾向が見てとれます。従来の説明の時間は、10 分程度でありますが、長いものは30分以上もかかっておりますので、このあたりは現場 の薬剤師は十分努力をしているという理解をしております。  表19でありますが、8ページになりますが、ここは調剤を行った後、当該医療機関に 対して、実際に調剤した後発品の情報を提供しているということが要件として義務付けら れておりますが、薬剤名が情報提供したものに代わらず、つまり従来どおりの薬剤名で処 方されているというケースが半分ほどございました。こちらは、恐らく院内でお使いにな っておられますシステムの問題等がありますので、そのあたりの今後の課題ではあろうか と思いますが、2割程度は既に処方箋の記載が後発品に変更されているということがあり ますので、診療科のほうでも努力されているという、大変私どもとしては感謝を申し上げ ております。  それから、図表20でありますが、後発品がすぐに揃うのかという疑問もありましたけ れども、必要な後発品がなくてすぐに調剤できなかったケースが、10%未満が55%ほ どございますので、そうした意味では、例に30%まで加えましても、かなりの患者さん にあまり御迷惑をかけずに、調剤ができていることは、後発品の在庫の備蓄数、あるいは そうしたものが徐々に増えておりますので、そうしたことからしますと、体制をとりなが ら後発品の調剤に向けて整理されているというふうに考えております。9ページの図表2 1を御覧いただきますと幾分19年調査に比べまして、20年調査のほうが数字の多いほ うに動いておりますので、そのあたりが今後の、さらにこれが増えていけば十分な体制が とれるかなという気がいたします。その反面、図表22のように、一つの先発品に対して 複数の後発品をそろえているケースも多いところでは9品目ほどございますので、このあ たりは意外とそれぞれの備蓄の負担について、圧迫をしているという感じも否めません。  続きまして、11ページの表27でありますが、実は私ども集計をいたしましてこの結 果をみて、幾分、衝撃を受けたのでありますが、ここは後発品の使用に関する考え方を薬 剤師に聞いております。その中で、特にこだわりはないから、上3つにつきましては、幾 分前向きな姿勢であります。その反面、35%程度になりましょうか、後発品の説明やら 調剤にあまり積極的に取り組んでいないという回答が来ております。  図表28にありますように、その理由として近隣の医療機関が後発品の使用に消極的な ためという意見があることについては、私どもとしましては、後発品を使っていくことに つきまして、積極的に対応していこうという方針を持っておりましたので、そういった意 味からしますと、この結果につきましては、大変重たく受け止めておりまして、今後の課 題として、さらにこれまで以上に後発品について、理解を求める、あるいは使用を進める ような対策をとるということを考えなければならないかなという感じを持っております。 さらに図表28を御覧いただきますと、なおまだ品質に疑問があるということも含まれて おりますので、このあたりは薬剤師として医薬品をどう見るかという問題、それから十分 な情報提供ということと含めて指導をさらに進める必要があろうかなという感じを持って おります。  最後のページでありますが、こちらのほうは、具体的には調査票様式2号というのを使 いまして、具体的な処方箋を処方箋どおり調剤した場合と後発品で調剤した場合と比べて、 薬剤料にどのくらい差が出たかという数字を示しております。以前に中医協で出された資 料よりは幾分安くなる率が低いということからしますと、価格の問題はありながら、比較 的、先発品と後発品との価格差がないものもそれなりに後発に進んでいるのかなという理 解をしておりますので、ぜひこのあたりにつきましても理解を賜りたいと存じます。  全体からしますと、量の問題、あるいは率の問題でいけば、そこそこ私どもの想定を幾 分超えて進んではおります。ただ問題は、どう進めていくかという方法論になります。や はり薬剤師が積極的に説明をする、患者さんに説明をしていくということが大変重要な問 題だという認識をしております。その点からしますと、さまざまな周りの環境は整いつつ あると思いますが、薬剤師自身がやはり患者さんに対して、ジェネリック、後発品の使用、 あるいはそのことは何なのかということが十分に説明しきれていないということにつきま しては、私どもとしても重く受け止めまして、今後の指導に向けたいと思っております。  その一方で、ぜひ行政からも、後発品に対する啓発といいましょうか、国民啓発も含め たお力添えをちょうだいしたい。もちろん、保険者の皆様方もそうであります。そうした ことがさらに追い風になりますので、私どもなりに努力をしてまいりたいと思っておりま す。とりあえず中間的な報告が出ましたので、御報告を申し上げます。ありがとうござい ました。 ○遠藤会長  山本委員、ありがとうございました。  薬剤師会の調査の中間報告でありました。  引き続き、対馬委員よりも関連資料が提出されておりますので、御説明お願いしたいと 思います。よろしくお願いします。 ○対馬委員  私どもの説明をする前に、山本委員の報告についての感想を2、3申し上げてもよろし いでしょうか。 ○遠藤会長  それでは、ただいまの山本委員の報告につきまして、御質問、御意見いただきたいと思 います。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  まだ、これからだというところもあるので、御努力されているということはよく分かる んですけれども、やはり不足といいますか足りないというか、そういう感じを受けており ます。例えば3ページ目のところの調剤率が先般の改定でもって、30%以上であると加 算が4点つくと、こういうことだったわけです。  そうしますと、たしかその当時の状況からすると30%のところが平均であったという ことで、30%で線を引いたというふうに記憶しているのですけれども、これを見ますと、 30%未満というのが14%強ですから、それ以外の85%ぐらいが既に加算をクリアし ているということです。加算の条件はかなりクリアしたということなんですけれども、実 態的に進んでいるかということで見ますと、これは医師の処方のほうも同じフェーズでい きますと、先ほども説明があった26.8%が「変更不可」ということですから、さらに 御努力もお願いしたいと思います。  4ページ目のところの図表9の上から3行目が、「変更不可」に署名がないのが59. 8%、その下に、うち1品目でも先発医薬品を変更したというのは、3.4%、これは極 めて低いと言わざるを得ないですね。  それから、11ページの図表27をみると、先ほど説明もありましたけれども、あまり 積極的に取り組んでいないというのが34.7%ということで、もう1段、2段、格段の 御努力をお願いできないかというふうに思います。  私どもも19年11月の中医協で健保連が実施した国民意識調査の話しをさせていただ きましたけれども、そこで患者調査を2,000人からとりまして、後発医薬品について いろいろアンケートを聞いたんですけれども、「勧められたられたことがない」という回 答が、これはもちろん薬剤師さんだけではなくて、お医者さんも含めてですけれども、7 4%ということですから、ぜひ御尽力をよろしくお願いしたいというふうに思います。 ○遠藤会長  それでは、山本委員、何かあれば。 ○山本委員  ただいまの最後の点につきまして、私ども大変重たく受け止めておりまして、対馬委員 がおっしゃるように、なおまだ努力をしなければいかんと思っておりますので、これにつ きましては、今後ともまだ半年、この1年が終わるまで半年ございますので、さらに指導 を進めたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  なお、先ほど御指摘がありました図表9でありますが、確かに3.4%は非常に低いの ですが、詭弁にはなりますけれども、変更可能な処方箋を考えれば5%ほど進んでおりま すのと、ただ報道されておりますのと幾分違いが出ておりますのは、既にこちらのほうか ら先発品から後発品に変更が済んで、処方医に連絡し、品名が変更後の医薬品名に変わっ たものにつきましては、今回カウントしてございませんので、そうした意味では、幾分数 字が小さめに出るということもあろうと思いますが、ただそうは申しましても、数字の上 での3.4%というのは非常に少ないので、なお私どもといたしましても、努力したいと 思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  ほかに薬剤師会の調査につきまして、2号側で、御意見ございますか。よろしいですか。  それでは、対馬委員から提出されております関連資料につきまして、対馬委員より御報 告をお願いしたいと思います。 ○対馬委員  それでは、私どものほうも、今回、薬剤師会の委員の方から資料提供があるということ で、後発医薬品の使用促進に向けた資料を用意しましたので、ごく簡単にお話しさせてい ただきたいと思います。  健保組合の取組事例ということで、1つ開けていただきますと、「ジェネリック医薬品 のお知らせが届いたら」と、これは『健康保険』という毎月健保連で出している雑誌に掲 載したものであります。  これは、組合の努力している状況ですけれども、ジェネリックに切り替えたら、どれだ け軽減されるかということで、既に30を超える組合が実際に利用しているということで あります。  具体的に特定の健保組合の名前も載っていますけれども、その例が書いてあるというこ とです。  その次のページをお願いいたします。  次のページで、特定の健保組合が出した例ですけれども、この図表みたいなものがあり まして、左側の上に大きく最大で3,141円が削減になると、こういうことでお知らせ をしているということであります。  具体的にこういった薬剤を後発品に替えれば、3,141円が安くなると。これは、健 保組合はなかなかできませんので、専門機関の協力も得ているということであります。  その次の32ページを御覧になっていただきますと、その結果、この組合では4人に1 人がジェネリックに切り替えたということでございます。  健保連全体としてはどうかという事例として、その次の「もっと教えて ジェネリック 医薬品」というのがございます。これは各委員には現物の小冊子を配っております。傍聴 の方々にはございませんので大変申しわけないのですけれども、この小冊子は、改定版と なっております。一番後ろを見ていただきますと、2008年6月作成と書いてあるので すけれども、昨年2007年1月に第1版を発行しまして、これは第2版です。処方箋様 式の改定等々がありましたので、それを踏まえて、新しく作り直したということです。  中身は、割愛させていただきますけれども、ジェネリック医薬品はどんな薬か等々分か りやすく作ったつもりであります。  これも初版が30万部ぐらいで、改定版も十数万部を作成して、関係方面に配布してい るという状況です。こういった取組を通じて、もっと充実、強化を図りながら、後発医薬 品の使用促進を進めてまいりたい。今は足元での状況を必ずしもつかんでおりませんが、 先般、様式変更に御協力をいただいたのですけれども、なかなか大幅に増えているという 状況にないということで、心配していますし、またこういった活動強化を図りながら、関 係者の協力を得ながらやってまいりたいと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、予定をかなりオーバーして……。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  今の関連で、後発医薬品の利用促進につきましては、協会といたしましても、積極的に 取り組んでいくこととしておりまして、明日、私どもは運営委員会を開催いたしますが、 ここで、後発医薬品の利用促進に関しまして、具体的な対策を提案して御審議いただくと いうことにしております。  現場での具体的な推進に当たりましては、診療側の一層の御理解と御協力が必要である と考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。療養担当規則の遵守の徹底につき ましては、行政によろしくお願いしたいと思っております。  また、薬局での後発医薬品の品揃えも重要であると考えておりますので、これもよろし くお願いしたいと思っております。  後発医薬品の使用促進については、国レベルでは概ねコンセンサスが形成されていると 感じておりますけれども、今後は、都道府県レベル、あるいは地域の関係者に浸透、徹底 していくということが重要であると考えておりますので、行政はじめ関係者の御尽力をよ ろしくお願いしたいと思っております。以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  私も保険者の立場がありますので、一言同じような意見を出させてもらいたいと思いま すが、こういうようなことは積極的にやったらいいと思うんですけれども、市町村の保険 者というのは、医療行政全般も関係していますので、特に、医師会の御協力というのは、 これはもう欠かせないと思いますから、ぜひその辺もまた日医のほうでも、よろしく御配 慮いただいたらありがたいと思います。  この手間も相当かかると思いますので、これは国のほうで財源的なものを考えてもらわ なければなりませんが、方向としては、私は大変いい方向だと思います。国保の連合会、 中央会、こういったところにもよく働きかけておきたいと思います。以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  今、診療側及び行政に対しての協力要請というのがあったわけでありますけれども、何 か2号側で御意見ございますか。 ○竹嶋委員  粛々と努力していきます。 ○遠藤会長  ということだそうであります。  ほかに何か御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、本日の総会は、これにて閉会にしたいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  12月を予定しておりますが、改めて連絡させていただきます。 ○遠藤会長  はい、分かりました。  では、本日の総会はこれにて閉会といたしたいと思います。  どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)