08/11/13 第1回医道審議会薬剤師分科会議事録 医道審議会薬剤師分科会議事録(第1回) 1.日時及び場所   日時 平成20年11月13日(木)16:00〜    場所 金融庁共用会議室(中央合同庁舎第7号館13階) 2.出席委員(12名)五十音順   赤 池 昭 紀   井 上 圭 三   笠 貫   宏      児 玉   孝   田 島 優 子   手 島   恵   平 林 勝 政   福 島 紀 子   武 立 啓 子   堀 内 龍 也   三 屋 裕 子   望 月 正 隆      3.欠席委員(4名) 宇 賀 克 也   齋 藤   康   辻 本 好 子   平 井 みどり       4.行政機関出席者   高 井 康 行(医薬食品局長) 岸 田 修 一(大臣官房審議官)   川 尻 良 夫(総務課長)   関 野 秀 人(薬事企画官) 他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 医道審議会薬剤師分科会 日時 平成20年11月13日(木)16:00〜   場所 金融庁(中央合同庁舎第7号館13階) ○薬事企画官(関野) ただいまから「医道審議会薬剤師分科会」を開催した いと思います。私は厚生労働省医薬食品局の関野です。よろしくお願いします。  先生方におかれましては、ご多忙の中ご出席いただきまして、誠にありがと うございます。本日は、本年4月に設置されました、この薬剤師分科会の初め ての開催に当たりますので、事務局より薬剤師分科会委員のご紹介をさせてい ただきたいと思います。なおご紹介しましたら、座ったままで結構ですので一 言ずついただければ幸いです。お手元の資料でいいますと、議事次第の下に資 料1がありまして、そこに薬剤師分科会の名簿をお配りしていますので、それ に従ってご紹介させていただきます。まず、京都大学大学院薬学研究科教授、 赤池昭紀委員です。 ○赤池委員 赤池です。専門は薬理学です。今年度、第94回の薬剤師国家試 験の副委員長を務めています。どうぞよろしくお願いします。 ○薬事企画官 帝京大学薬学部長、井上圭三委員です。 ○井上委員 帝京大学の井上です。この薬剤師国家試験出題制度検討会という のが、今年の夏まで1年間にわたって開いてまいりましたが、そのときの座長 を務めさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。 ○薬事企画官 名簿では、次に東京大学大学院の宇賀委員が書いてありますが、 本日は欠席です。続きまして、早稲田大学理工学術院教授、笠貫宏委員です。 ○笠貫委員 3月まで東京女子医科大学循環器内科、4月から早稲田大学と女 子医大の連携大学院にいます。循環器治療薬とくに抗不整脈系の治験の中央委 員を20年来やり、その薬の開発に非常に関心を持っています。また、MRの立 ち上げのときにも委員をさせていただきました。現在はどちらかというと、医 療機器のほうで仕事をさせていただいています。今回重責を担うことは大変光 栄であると同時に、これから勉強させていただきたいと思っていますので、よ ろしくお願いします。 ○薬事企画官 社団法人日本薬剤師会会長、児玉孝委員です。 ○児玉委員 ご紹介いただきました、日本薬剤師会の児玉です。今回薬剤師分 科会の第1回目の会議ですが、医道審議会に本日このように薬剤師分科会が発 足することは、私ども薬剤師にとって大変意義のあることで、感謝申し上げた いと思っています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 ○薬事企画官 次は、千葉大学長の齋藤康委員ですが、本日は欠席です。続き まして、さわやか法律事務所弁護士、田島優子委員です。 ○田島委員 弁護士の田島です。医薬食品局の仕事をさせていただくのは、今 回が初めてです。これからいろいろ勉強させていただきたいと思いますので、 どうぞよろしくお願いします。 ○薬事企画官 続きまして、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長 の辻本好子委員ですが、本日は欠席です。続きまして、千葉大学大学院看護学 研究科教授、手島恵委員です。 ○手島委員 手島と申します。日頃は、大学院で看護管理者の教育に携わって います。また、医道審議会の保健師助産師看護師分科会看護倫理部会の委員も 務めさせていただいています。どうぞよろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 続きまして、神戸大学医学部附属病院薬剤部長の平井みどり委 員ですが、本日は欠席です。続きまして、國學院大學法科大学院長、平林勝政 委員です。 ○平林委員 國學院大学の平林です。専攻は医事法という法律を勉強していま して、ずっと医療関係職種の法律問題を中心に少し勉強させていただいていま す。ここのところ薬剤師との関係は、お手元の資料7にもあります「薬剤師の 行政処分のあり方等に関する検討会」の委員も務めさせていただきまして、お そらくその関係で本日ここに座らせていただいているのだろうと思います。ま だ薬剤師については、これからもっともっと勉強していかなければならないと 思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 続きまして、慶應義塾大学薬学部教授福島紀子委員ですが、予 め少し遅れるとの連絡をいただいています。次に昭和薬科大学教授、武立啓子 委員です。 ○武立委員 昭和薬科大学の武立と申します。私は大学に移る前に、長く東京 女子医大病院の薬剤部で勤務していました。現在は、学生の実務のほうも担当 していますので、この中でいろいろな課題があるのですが、特に医療人として の倫理観をどのように調整していったらいいかということも大きな課題にな っています。どうぞよろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 社団法人日本病院薬剤師会会長、堀内龍也委員です。 ○堀内委員 堀内です。この3月まで、群馬大学医学部附属病院、群馬大学医 学部の臨床薬理の教授と附属病院の薬剤部長を務めていました。この4月から 日本病院薬剤師会の会長をしています。  日本病院薬剤師会といってもあまりなじみのない方もいらっしゃると思い ますが、病院、診療所で働く薬剤師の集まりということで、約3万8,000人ほ どが入っています。病院、診療所で働く薬剤師の8割ぐらいが入っています。  いま医療の中で、特に病院の中で医療の安全が大変大きな問題になっていま す。その中で、このような医道審議会の中に薬剤師分科会ができて、きちんと 医療の安全に薬剤師がどのように役割を果たしていくか、どのような問題があ るかということをご審議いただくことは、大変ありがたいと思っています。病 院の薬剤師がどのようなことをやっているかというのは、なかなかご理解いた だけないところもあるかと思いますが、これからだんだんご理解いただければ と思います。医療の中で、薬の専門家として、特に薬物療法のところで責任を 果たしたいということでやっていますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 いま福島委員がお見えですので、ちょうど委員の紹介を行って いたところですので、よろしければ、ここでご紹介させていただきたいと思い ます。慶應義塾大学薬学部教授、福島紀子委員です。 ○福島委員 福島です。授業がありまして、遅れて申し訳ありません。どうぞ よろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 続きまして、筑波スポーツ科学研究所副所長の三屋裕子委員で す。 ○三屋委員 三屋です。私はほとんどスポーツと健康という部分でやっていて、 なるべく日頃からお医者様にかからないように、お薬を飲まないように、だか らスポーツをしましょうと言っている人間ですので、ここにいる私の存在とい うのはいかがなものかと、先ほどから自分の存在意義というものを感じていま す。ただ、一般の人間の代表ということで、私がわかれば、たぶん皆さんもわ かるだろうというところのスケールの1人なのだろうなと思っています。私も 勉強しつつ、そしてわからないことや疑問に思うことを、なるべくどんどん発 表させていただいて、広くたくさんの方々に理解していただけるような立場で いられるように頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 続きまして、東京理科大学薬学部教授、望月正隆委員です。 ○望月委員 望月です。お手元にある「薬剤師の行政処分のあり方等に関する 検討会」の座長を務めさせていただきました。当時は、共立薬科大学の学長で したが、この4月より東京理科大学に移っています。どうぞよろしくお願いい たします。 ○薬事企画官 ありがとうございました。次に、事務局を紹介させていただき ます。まず、医薬食品局長の高井です。 ○高井医薬食品局長 高井です。よろしくお願いします。 ○薬事企画官 続きまして、大臣官房医薬担当審議官の岸田です。 ○岸田大臣官房審議官 岸田です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 医薬食品局総務課長の川尻です。 ○川尻医薬食品局総務課長 川尻です。よろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 そのほか、医薬食品局総務課関係スタッフから、連絡等を今後 させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ここで事務 局を代表しまして、高井医薬食品局長より挨拶をさせていただきたいと思いま す。 ○高井医薬食品局長 医道審議会薬剤師分科会の開催にあたりまして、一言ご 挨拶申し上げます。委員の皆様におかれましては、ご多用中にかかわらず、就 任、ご快諾いただきまして、心よりお礼を申し上げます。近年、医療の高度化、 医療制度改革など、薬剤師を取り巻く環境は大変変化しています。質の高い医 療を国民、患者に提供するために、医薬品の適正使用、それから医療安全対策 をはじめ、薬剤師が医療の担い手として活躍することへの国民の期待も大きく なってきています。このため、薬剤師としての専門的な知識、技能はもとより、 医療人として相応しい倫理観、教養なども含めた質の向上を図る必要があると 考えています。  このような状況の下で、平成18年の医療法等の改正によって、薬剤師法が 改正されました。薬剤師の行政処分及び薬剤師の国家試験の実施方法等につい て、医道審議会の意見を聞くということにされたわけです。これらの事項を審 議するために、本年4月に医道審議会令が改正されまして、この薬剤師分科会 が設置されています。委員の皆様には、それぞれの専門分野における高いご見 識に基づいて、精力的にご審議いただくようにお願い申し上げます。簡単では ありますが、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○薬事企画官 次に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手 元の資料の一番上に座席表がありまして、その下に議事次第があるかと思いま す。その議事次第にも、配付資料の一覧として1〜8まで示しています。資料 に不足等がないか、確認させていただきたいと思います。  まず資料1として、本分科会の委員名簿です。資料2は「医道審議会令」と いうタイトルの入ったものです。資料3は「医道審議会薬剤師分科会について」、 資料4は「第94回薬剤師国家試験の施行(案)」というタイトルの資料です。 資料5は「薬剤師国家試験」と書いてある資料です。資料6は、左側で2カ所 閉じていますが、「薬剤師国家試験出題制度検討会報告書」、本年7月8日の 日付けの入ったものです。資料7は「薬剤師の再教育及び行政処分のあり方等 について」です。最後に資料8として、薬剤師法の条文が書かれたものを配付 しています。不足、落丁等ありましたら、ご指摘いただければと思います。い かがでしょうか。  よろしければ、これより議事に入ります。その前に、薬剤師分科会の分科会 長と分科会長代理の選出についてご報告いたします。医道審議会令の第5条の 規定に基づきまして、分科会長は井上圭三委員が選出され、その分科会長の指 名により、望月正隆委員が分科会長代理となっています。既に分科会長及び分 科会長代理の席にお着きいただいています。それでは、以後の議事進行を井上 分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○井上分科会長 ただいまご紹介いただきましたように、薬剤師分科会会長と いうご指名をいただきました井上です。薬剤師という国家資格に関する国家試 験、それから行政処分という、私たちにとっても、また社会にとっても非常に 重要な課題を議論する本分科会の議事が円滑に進むよう務めてまいりたいと 思います。委員の先生方におかれましても、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず本日の委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いし ます。 ○薬事企画官 本日は、この分科会は全員で16名の委員にお願いしています が、そのうち宇賀委員、齋藤委員、辻本委員、平井委員の4名が欠席で、現在 12名の先生方に出席いただいています。以上です。 ○井上分科会長 ありがとうございます。それでは、議事に入ります。事務局 から連絡事項をよろしくお願いします。 ○薬事企画官 傍聴されている方々におかれましては、カメラ撮りはここまで とさせていただきます。ご協力よろしくお願いします。 ○井上委員 最初の議題は「薬剤師分科会の所掌事務及び部会の設置」です。 配付資料に基づいて、事務局から説明をお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料2と3をご覧ください。資料2は「医道審議会令」 で、第1条から始まりまして、4枚のペーパーで、医道審議会令の条文を示さ せていただいています。このうち第1条は(組織)ということで、委員数等に ついて触れられています。分科会に関する規定をご紹介しますと、1頁の一番 下の第5条に、医道審議会全体の中に「分科会を置き」ということで書いてあ ります。具体的には、次の頁に表として、それぞれの分科会の名称及び所掌事 務が書かれています。資料3の1頁にも書いてありますが、医道審議会があり まして、その下に分科会がいくつかありますが、簡単にご紹介します。このう ち医道分科会は、資料2の2頁の表でいいますと、少しいろいろな法律の条文 を引用した書き方ですのでわかりにくいかと思います。医師あるいは歯科医師 の行政処分に関する事務をここで所掌をしています。次の医師分科会では、国 家試験の関係を取扱います。歯科医師分科会も、国家試験の関係の審議をここ で行うことになっています。歯科医師の行政処分に関しては、先ほどの医師と 同じ医道分科会で扱っているということです。  その下の保健師助産師看護師分科会ですが、ここは私ども薬剤師分科会と同 様、行政処分と国家試験の両方をこの分科会で取り扱うということです。その ほか、理学療法士作業療法士分科会や、あん摩マッサージ指圧師、はり師、き ゅう師及び柔道整復師分科会があります。その下に、この薬剤師分科会の規定 が書かれています。この書き方で申し上げますと、「薬剤師法の規定により、 審議会の権限に属せられた事項を処理する」ということです。この内容に関し ては、資料3の2枚目をご覧ください。冒頭に「薬剤師分科会」が書いてあり まして、その下にいくつかの部会を設けようということで考えています。先ほ どから触れられているように、大きく分けて2つの項目があります。1つは「行 政処分の関係」、もう1つが「薬剤師国家試験の関係」ということで扱ってい く予定です。  部会の名前で申し上げますと、資料にありますとおり、薬剤師倫理部会で行 政処分に関して取り扱ってまいります。そして、この部会で議論された内容が、 この薬剤師分科会に上がってまいりまして、そこで審議をするという段取りに なるかと思います。  そのほか4つの部会に関しては、いずれも国家試験の関係です。まずK・V部 会(キー・バリデーション)、括弧内にありますとおり、いま毎年1回国家試 験を行っていますが、その試験が終わったあと、出された問題の内容について 妥当かどうかといったところをこの部会で議論しまして、その下にあります 「薬剤師国家試験事後評価部会」が、「評価」と書いてありますが、合否判定 を行う場でもありますので、K・V部会で問題の妥当性の確認をしつつ、それに 従って合格ラインを設定し、合否判定を行うということです。この2つの部会 は、かなり密接にリンクして運営されていくと思います。  その下に2つありますのが、薬剤師国家試験制度改善検討部会です。国家試 験のやり方、出題方法や内容、形式に関して大きな見直しが行われる場合、ま ずこの検討部会で議論をしまして、最終的にはこの薬剤師分科会で決定すると いう流れになります。後ほど、また国家試験について内容をご紹介しますが、 国家試験を行うにあたり、問題作りの基準に当たるものとして、出題基準とい うものを設けています。この出題基準は、やはり国家試験に出す問題の内容が 時代とともに古くなってはいけないということで、定期的に見直しを行う予定 にしています。その際は、この出題基準改定部会で議論いただいて、この薬剤 師分科会で最終的にご意見をいただくという段取りになろうかと思います。一 応このような構成で薬剤師分科会が成り立っています。  資料2に戻ります。2頁の表の下の所をご覧ください。分科会に属する委員 に関して、3では、「分科会長を置く」という規定があります。これは、委員 の互選により選任するということです。3頁の5では、分科会長に事故があっ た場合のことを念頭に、事故がないことに越したことはないわけですが、出席 できない場合も含めて、いらっしゃらないときには分科会長があらかじめ指名 する者が、その職務を代理するということで、分科会長代理を置かせていただ いています。そのほか、先ほど資料3で説明した部会に関しては、この次の第 6条で規定し、「分科会の中に部会を置くことができる」ということが1つの 根拠になっています。  また第7条では、先ほど委員数を確認させていただきましたが、「過半数の 出席をもって成立する」という事柄が書いてあります。一応、このような規定 をベースにしまして、この医道審議会薬剤師分科会が今後開催され審議を行っ ていただくことになります。資料2、資料3の説明は以上です。 ○井上分科会長 ありがとうございました。ただいま事務局から説明のありま した薬剤師分科会、さらにその下に設置する部会に関して、何かご質問、ご意 見等ありましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいで すか。  この国家試験に関する、特に事後に関する部会は非常にたくさん設けられて いるのですが、これはいままでに既に行われている分科会等を参考にして、こ ういうものを設置することを考えられたのでしょうか。 ○薬事企画官 国家試験で言いますと、医師、歯科医師、保健師、看護師、助 産師、いずれも毎年行っています。先ほどご紹介した各職種の分科会の下に、 同じようにこういった部会がいくつか分かれて置かれています。そこの審議を 経て、合否判定や問題の妥当性についても処理している状況ですので、基本的 に同じと考えていただいて結構です。 ○井上分科会長 ほかに何かご質問等ございますか。 ○田島委員 薬剤師国家試験については全く何も承知していないので、初歩的 な質問です。薬剤師の国家試験問題を作成して、試験を実施されるのはどちら の部局というか、省内のどこかの課とか室という所になるわけでしょうか。 ○薬事企画官 ここは資料があったほうがいいかと思いますので、資料8の4 頁の一番下に、第`十二条があります。その一番下の2行の「厚生労働大臣は」 というふうに始まる文章で、「試験の科目又は実施若しくは合格者の決定の方 法を定めようとするときは、あらかじめ医道審議会の意見を聞かなければなら ない」ということで、まさにこの審議会でご議論いただいたあと、私ども厚生 労働省で試験実施を行っていくことになります。担当部局は、薬剤師法を所管 している医薬食品局総務課になります。 ○望月委員 以前どこかでお聞きして、お答えを聞いたかと思うのですが、資 料2の2頁の四角の表の中で、どうして薬剤師分科会が下から2番目なのだと どこかで聞いていたのですが、なぜでしょうか。 ○薬事企画官 これは法律を改正する度に処理をしていく技術的な問題だと 思いますが、既にある法律、あるいは、こういった政令に関しまして、追加を するときは下に追加するという規定になっていまして、それぞれ法律に基づく 身分法を持つ国家資格である医師から始まって、上から順に既にあったものの 中で、平成18年の薬剤師法改正で薬剤師を追加したということですので、一 番新しいものは一番下に付けるということで、この位置に入っています。  ちなみに、死体解剖資格審査分科会は、1つの国家資格というか、身分法に 基づくものではありません。それ以外の身分法に基づくものの中で一番下とい うことで、ここに位置づけられています。 ○笠貫委員 ただいまの質問と関係するかもしれませんが、医師と歯科医師の 場合には、行政処分と国家試験とをそれぞれ分科会に分けていらっしゃいます が、薬剤師の場合に1つにしたという意味と、別に医師と歯科医師を2つにし たという意味の行政処分と国家試験との関連性、そしてほかの保健師助産師看 護師分科会もそうですが、理学療法士、あん摩マッサージ指圧師等が薬剤師、 看護師と同じになった理論的な根拠と裏付けについて教えていただきたいと 思います。 ○薬事企画官 資料2の医道審議会令は、平成12年6月にできたものです。 これは審議会のいろいろな見直しの中で改めてリニューアルしたものとして 平成12年に出ているので、こういった記述になっています。もともとこうい った行政処分や国家試験を扱う医道審議会は従来からありまして、かなりこれ は医師、歯科医師、その他いろいろな国家資格ができた段階からおそらくこう いった議論がされていますので、何らかのルールはあったと思います。  私も改めていろいろな経緯は調べてみたいと思いますが、当初からの名残で こういう括りがなされていて、最近のものを新たに追加する際には、事務処理 が可能であれば、なるべくコンパクトにという意味で、1つの形で追加してい ることではないかと推察します。ちょっと詳しい事実関係は難しくて、いまの 段階ではわかりません。 ○笠貫委員 国家試験と行政処分と密接に関係するので、1つのほうがよろし いという感じがします。 ○井上分科会長 いかがですか。ほかにはよろしいでしょうか。  もしよろしければ、次の議題の「第94回薬剤師国家試験の実施について」 に進みたいと思います。まず配付資料に基づいて、事務局から説明をよろしく お願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料4と5をご用意ください。まず一般的な試験のや り方ということで毎年1回試験を行ってきているわけですが、その概略、ある いはこれまでの経緯につきまして、資料の番号の順番とは異なりますが、資料 5から説明します。  資料5の上の「昭和60年3月」という日付の入った所ですが、国家試験自 体はそれよりも古くから行われていますが、このタイミングで四角で書いてあ りますが、「問題の水準を一定に保つ方策」ということと、あと出題問題作り をする委員に対して、ガイドライン、ガイダンスになるものが必要だろうとい うことで、「出題基準」が昭和60年から制定されています。当時は(1)の「試 験科目」にあるように、それぞれ大学で学ぶ学問分野というか、領域にいくつ か分かれていまして、薬理学、衛生化学、公衆衛生学、薬剤学、薬事関係法規、 日本薬局方という非常に基礎的な薬が列記され、また標準的な試験方法が示さ れているものがあるわけですが、こういった切り口で試験科目が設定されてい ました。  下の四角の中ですが、平成6年の段階で、「試験科目の見直し」が行われて います。◇で書いている所ですが、医療法の改正や医薬分業の進展により、薬 剤師の教育や国家試験のあり方についていろいろ見直しを求める意見が強く なりまして、その結果(1)にあるとおり、先ほど申しました科目の見直しを行い まして、基礎的な薬学を広くカバーする「基礎薬学」というカテゴリーを設け、 また薬剤師が働く1つの場所である病院、薬局を含めて医療に即した内容につ いて出題をする「医療薬学」、公衆衛生を含む「衛生薬学」、さらには「薬事 関係法規・制度」といった4分野の見直しを行っています。  それに伴いまして、「問題数」も下に表で書いてあります。これは2つの表 が並んでいて、間に矢印があったほうがわかりやすいかと思いますが、従来行 っていた左側の表である200問の問題数から、右側の少し小さな表は240問と いうことで、試験科目も変わっていますし、問題数もここで見直しがされてい るという経過を経ています。  その他平成10年、平成16年と先ほど申し上げたとおり、出題をする1つの ガイドラインになる「出題基準」というものは、当然、時代とともに古くなっ ている部分もありますので、それを定期的に見直すということで、それぞれこ ういった改定が行われているという経緯があります。少しわかりにくいかもし れませんが、薬剤師国家試験の制度の概略としては、中ほどの括弧にあります が、いまは試験科目は4科目、240問で行われている状況です。  次頁は、そういう試験について、試験区分、試験のやり方は途中で変わって いますが、2頁目にあるように平成3年の第76回の試験から受験者数、合格者 数、合格率を示しています。トレンドで申し上げますと、下の92回あるいは 93回をご覧いただければよろしいかと思います。  まず「新卒」の受験者数に関しては、約8,000人を超える程度で、毎年薬学 部あるいは薬科大学からこれだけの人数の卒業生が出ていることにもなるか と思います。そのうちの約85%が合格していますので、人数としては7,000人 程度で、92回の部分でご覧いただければ、そういうことだと思います。  「その他」に分類されている真ん中の部分ですが、これは1回で受からなか った方がもう一度受けている場合がここに含まれてきますので、こういった 方々の合格率は少し新卒の方よりも落ちていますが、大体50%前後という状況 です。合計は一番右側ですが、約1万人を超える受験者の中で、従来は8,000 〜9,000人が合格していました。  ただ、一番下の93回になると、この数字が少し膨らんできまして、新卒の 受験者数も一桁変わりまして1万人を超えている状況になり、トータルでも、 1万3,000人の受験に対して、合格者のほうがここでは1万人を超えるという 初めてのケースで、比較的薬剤師になられる方が数字的には増えていることが 見て取れるかと思います。  一応このような実施状況でして、簡単にどういう問題かということを示すの はなかなか難しいのですが、3、4頁にあるような問題の出し方をして、実際薬 剤師として相応しい資質を持っているかどうかの確認をしているということ です。問1として掲げましたのは、単純に問題に対して正解を1つ選ぶという 五択の問題です。問3のような文章を書いてその中を穴埋めする際に、適切な ものを5つの選択肢の中から選ぶという問題も取り入れています。  最近比較的に多いのが、4頁にある問5あるいは問6の問題になろうかと思 います。それぞれの問題に対してaからeまで設問を設けまして、それぞれの 文章内容が正しいかどうかを判断し、問5であれば、正しいものの組合せのみ を選ぶということ、問6であれば、aからdまでがそれぞれ正しいか、間違っ ているかを一つひとつ判断をし、その組合せが正しいものを右側にある1〜5 のうちから選ぶことになります。これは問5のほうが比較的正しいか、間違っ ているかを正確に組み合わせないと答えが導けませんが、問6のほうはある程 度右側にある5つのうちからのパターンにより正誤の数が限られますので、問 5と問6を比べれば、比較的問6のほうが正答を導きやすいということかもし れません。一応このようなパターンを基本として、これまで国家試験が毎年、 最近で言いますと、240問出されている状況です。  先ほど資料8でも説明しましたが、少なくとも厚生労働大臣は年1回国家試 験を行うことになっていますので、平成20年度に関しても実施する予定です。 その関連の資料が、資料4です。実際に試験は卒業生が出る頃で、3月に行う のが慣例になっていますが、一応その曜日や試験の場所、科目も改めて、毎年 行う度に世の中に対して公告、お示しすることになっています。今年度は第94 回になりますが、94回の国家試験の「試験期日」から始まり、資料4に書いて あるように「試験地」「試験科目」「受験資格」「受験手続」、2頁目の下の 6に「合格者の発表」、3頁に「手続及び問い合わせ先」「その他」という事 柄、問い合わせ先を含めて、こういったアナウンスメントを毎年させていただ くことになっています。これも国家試験の実施に関する事項ですので、薬剤師 分科会で一応ご審議いただくということで、今日資料を示させていただいてい ます。  内容はこれまで毎年行ってきたものですので、試験期日の曜日、これはどう しても土曜、日曜が試験日になりますので、日にちは毎年少しずつ変わります が、ほかの部分は試験の実施場所以外は同じものでして、これを「官報」とい う政府の発行するものに載せまして、それで正式に国家試験が今年度3月7、8 日で行われることが世の中に示されるという段取りになるものです。  一応そういう意味で、毎年、例年のものとほぼ同じですので、特に問題はな いとは思いますが、一応ご覧いただきまして、いろいろご意見をいただければ と思っています。よろしくお願いします。 ○井上分科会長 いかがでしょうか。何かご質問、ご意見はありますか。 ○児玉委員 3点ほどよろしいでしょうか。この施行につきましては、いわゆ る4年制教育を受けた方になると思います。今度6年制に移行しますが、その 場合には、当然6年制移行に伴う施行の内容の変更がたぶんあると思うのです が、準備をされているのはよくわかっているのですが、いつ医道審議会に出さ れるのかなというのが、まず1点です。  2点目は、6年制に移行しても4年卒の受験生は残るわけですので、そうい う意味ではそれはいつ頃まで継続されるのかが2点目。3点目は、今回は従来 どおりで内容的にはいいと思うのですが、6年制への移行に伴いまして、合格 発表の期日を是非とも年度内にしていただくことをご検討いただきたいなと 思います。これは大変大きな問題で、年度を越して合格発表を行いますと、採 用契約等現場としては困ることが多々ありますので、その辺も是非、今後の検 討でも結構です。以上3点お聞きします。 ○井上分科会長 事務局からお願いします。 ○薬事企画官 3ついただきましたが、まず新しい国家試験に関して、教育は、 現行は4年ですが、既に平成18年から6年教育に変わっていますので、今年 卒業してくる方は4年教育を経て受ける方ですので、資料4にあるとおり、従 来どおり行わせていただきたいと思います。  平成18年に入学した6年制課程への入学生に関しては、卒業が平成23年に なります。教育課程が変わるということは内容も変わりますので、国家試験も、 そのときから新しいものに変えていくことを考えています。その辺りの議論を 行ってきたのは、後ほどまた説明しますが、資料6として今日用意した「国家 試験出題制度検討会」で議論されてきた内容になってくると思います。具体的 な内容は、また資料6の説明の際にさせていただきたいと思いますが、この議 論に関しては検討会の段階での取りまとめができていますので、なるべく早い タイミングでこの審議会の中で議論をし、その際には先ほどご紹介したいくつ かある部会のうちの「制度改善検討部会」がまず基本になるかと思いますので、 そちらの議論を経た上でこちらにお諮りするということではないかと考えて います。  いずれにしても新しい国家試験制度に関しては、平成23年度に卒業する学 生ですから、おそらく平成24年になるのではないかと思います。それまでに は必ず、できるだけ早い段階で準備をすることになるかと思います。  2つ目の点については4年制を卒業された方がなかなか受からなくて残るこ とも含めてあり得ると思いますが、これに関しては先ほど薬剤師法の中で説明 したとおり、少なくとも年1回厚生労働大臣が試験を行うことを考えると、お そらく新しい試験制度が始まる平成24年以降も受験資格は当然残ることにな りますので、何らかの受験の機会はあるかとは思っています。いずれにしても 今日の資料4にありますとおり、年度内の早い時期に、その年の試験を行うか どうかをこの分科会でまたご議論いただきますので、その都度ご判断いただく ことになるかと思います。いずれにしても4年制を卒業された方も当然薬学を 出た方ということであれば、法律に明確に書いてあるので問題ないと思います が、受験資格はずっと残ります。そこはきちんと手当されておりますので、あ る時期がくれば、受験資格がなくなるというものではありません。  3つ目の合格発表の期日に関しては、だいぶいまのようなご意見がこれまで もありましたが、資料4の今年度の試験に関しては4月3日の合格発表を予定 しており、だいぶこれも以前に比べると前に早くなっているとは思うのですが、 それでもいろいろなご意見はあるかと思いますので、一応今日はお聞きして、 これから検討させていただくことにさせていただきます。 ○児玉委員 いまの2点目の件は、いまの説明で理解はしたわけですが、4年 卒の薬剤師に対しての受験資格は継続しますから、それについては継続してや っていく。その際、試験の内容は6年卒の薬剤師用ではなくて、そうすると、 4年卒薬剤師用の国家試験という2つの国家試験が並立するわけですか。 ○薬事企画官 そこは教育課程が違っても、薬剤師は薬剤師だと思っています ので、基本的には試験は1種類だと思っています。ただ、これも試験の実施に 関する事項ですので、時期がくればまたこの場でもご議論をいただくことには なるかと思っていますが、いまのところは2種類のものを考えてはいません。 ○井上分科会長 よろしいでしょうか。ほかにご質問ございますか。 ○三屋委員 すみません、小さな質問です。基準を変えたということですが、 例えば医療法改正や医薬分業の進展によって見直しを求める意見が強くなっ て変えたということですが、どのような意見が多くて変えたのでしょうか。 ○薬事企画官 過去のいろいろな事情を知っている委員もいると思いますの で、フォロー、補足していただければと思いますが、従来の試験科目でいうと、 薬理学、薬事関係法規、薬剤学といった、いわゆる大学で学んできた学問に対 して、それぞれきちんと身に付いているかどうかを確認する切り口で水準を確 かめてきた、という捉え方になっているかと思います。  それに対して新しく6年に導入した試験科目は、いわゆる大学で学ぶ科目別 ではなくて、薬学、あるいは薬剤師に必要な知識、調剤を行う技能もあります ので、こういったものに関して、まず基礎がしっかりできているかを大学で学 ぶ科目を横断的に取り込んだのが、例えば基礎であれば60問として設定され ているものです。さらに基礎の60問に対して、医療薬学がその倍の120問に 見直されていますので、薬剤師の免許を取ったあと、まさに医療の場で活躍す る、あるいは、貢献する薬剤師として相応しいかどうかをきちんと確認しよう ということで、医療薬学の部分の重み、ウエイトを増やしました。ですから基 礎的な学力、資質は当然確認するのですが、それ以上に医療薬学の問題がこの ように増えていることは、病院や薬局を中心とした現場で働く薬剤師として相 応しいかどうかを、よりきちんと確認していこうという考え方がその背景にあ ったかと思います。  「医薬分業」という言葉の説明にもなりますが、従来、薬局での薬剤師の方 は、なかなか病院との連携がなされなくて、多くの方は病院で薬をもらうとい うことできたと思います。もちろん病院の中にも薬剤師はいらっしゃいますか ら、そこでは患者に対して十分対応してきたと思います。それがここでいう医 薬分業の進展というのは、病院で薬をもらわずに処方箋を持って町の薬局に行 くというものですので、病院の薬剤師のみならず、薬局の薬剤師もかなり医療 で使われる薬に関して直接患者にお渡しし、その際には使い方を誤ってはいけ ませんから、説明をきちんとする対応がだいぶ求められてきています。そうし ますと、医療にできるだけ近い分野に関して、しっかり身に付いているかどう かを確認するという観点でも、国家試験の問題数の見直しを行ったということ だと思います。 ○笠貫委員 いまのご質問と関連するのですが、医薬分業の中で基準が変わっ たというのは非常に大きな意味を持っていて、そのときに変えた内容と、変え たことの評価がどうなされているのでしょうか。内容の細かいことはいいので すが、大きくどこが変わって、変えたことによって何を評価されるのかという ことをお聞きしたいのと、特に医薬分業になったときには、薬局薬剤師もそう ですが、病棟薬剤師も、患者との人間関係の問題が、非常に求められてきたと 思うのです。コミュニケーションの問題は医療薬学の中に入っているのか、ど こに入っているのかはちょっとわからないのですが、このように改定して、そ の成果としてどうお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。 ○平林委員 いまのことに関連して、そのように受験科目や試験科目が変わっ たことによって、当然カリキュラムもまた変わってくるわけです。そこら辺の 対応関係がどうなっているのかということについても、ちょっと教えていただ ければ。ついつい我が田に水を引いて法科大学院でもまさにそれは問題になっ ておりますので、ちょっと教えていただければと思います。 ○薬事企画官 最初の笠貫委員のご質問は私のほうでお答えしますが、平林委 員のお答えは大学の先生もいらっしゃるので、お答えいただければと思います。  まず評価と言われると、そこまでのものは実はきちんと取っていませんので、 何とも心苦しいところではあるのです。この時期、時代が先行しているか、あ るいは、試験がこうなったからか、そこは両方だと思うのですが、分業が進む ことによって薬剤師のニーズが薬局にあるということで、薬局に勤める薬剤師 がだいぶここから増えてきているので、いまは薬剤師の免許を持っている半分 か、半分を超えるぐらいが薬局に勤務されているということで、増えてきてい ます。  あとコミュニケーションの部分に関する評価も、4つの科目で言いますと、 医療薬学の中で一応カバーすることになっております。さらにコミュニケーシ ョンの部分が今後重要だということになりまして、また後ほど紹介しますが、 教育が4年から6年に延びたのも、そういったコミュニケーションを含めた技 能のみならず、態度も含めたシステムも薬剤師に必要だということで、さらに またコミュニケーションを重要視した試験制度の見直しにつながってきます。  現状はきちんとした方法に沿って評価はしてないのですが、現場のほうは薬 局や病院に勤めている方がある程度、社会あるいは患者から評価されているの ではないかなと、期待半分はそう思っております。 ○堀内委員 では、現場のほうから。私は病院におりましたので、特に医療薬 学分野を教育の中でも強化をしてほしいとお願いしたのは、病院だったり、調 剤薬局で実際に活動している立場からずっとお願いをしてきたのだと思いま す。  いまお話がありましたように、単に患者さんにどう対応するかということで はなくて、例えば医師や看護師と一緒に仕事をする、コミュニケーションをす ることが大変重要になってきていますし、当然、薬物療法をやるためには薬の ことだけ知っているのでは困るわけで、病気のことも当然十分に知っていなけ れば、適切な薬物療法はできないということで、そういうことで平成6年の試 験科目の改定が行われたと思います。  それ以前は実際の現場に来てから病気のことを知る、治療法を知る、勉強す るということでしたが、試験をやることによって、あとで大学の先生からお話 があると思いますが、それが実際の教育の中に取り込まれてきている、学生が それを勉強してきていることで、だいぶ違ってきたと思います。当然その中で コミュニケーションは大変重要で、だいぶ改善されてきたのが、実感としてあ ると思います。 ○井上分科会長 それでは、大学側の取組みですが、基本的には6年制になっ た原点は、いまいろいろなご意見があったような社会のニーズ、あるいは、医 療人としての薬剤師のやり方の変化、そういうものに対応するために、いまの 大学は何を教えればいいのかということで、教員及び薬剤師の方々も交えた形 でディスカッションをさせていただいて、コアカリキュラムをとりまとめまし た。このコアカリキュラムに基づいてこれを教育しようとすると、4年制では とても無理だ、やはり6年制は必要だということで、6年制になったという経 緯があります。ですので、基本的にはモデル・コアカリキュラムに従って教育 をして、その中にはいまご指摘の倫理、コミュニケーションは全部入っていま すので、基本的には国家試験はそのあとに、それを見ながら国家試験のあり方 を検討してきたのが実情です。 ○望月委員 私自身はたしか、改正前の日本薬局方の科目主任をやっておりま して、その当時、やや問題になったのは、国家試験が教育内容を変えることに なるのではないかという議論がされましたが、結論としては変えることになり、 大きく変わりました。「日本薬局方」から「基礎薬学」に変わったときに、何 が変わったかというと、基礎薬学の問題が日本薬局方に縛られないで出せると いうことになったのです。ということは、化学と生物と物理もそうですが、そ のような基礎的な問題が自由に出せることになりまして、基礎薬学の問題は難 しくなりました。  医療薬学の問題も出題する先生として現場の薬剤師、現場の医師も含めた先 生方が問題を作るようになりまして、これも非常に難しくなりました。改正前 の問題は私が見てもまだ解けるかなと思ったのですが、改正後は私が見たら、 自分では全く解けない。新しい問題になったのです。ですから、これ以後、試 験は普通に勉強をして受かる問題ではなくなったのです。それなりに一所懸命 に学生は勉強をしなければいけない。どういうことかというと、一所懸命教育 しないと国家試験は受からないという仕組みに変わったので、そのためにはど うしても医療薬学の授業を増やさなければいけないことになりました。  その結果、4年間のうちの医療薬学の授業は非常に多くなりました。それと 同時に基礎も増えました。何が減ったかというと、教養の科目がどんどん減っ ていったのです。そういうところから、文部科学省、厚生労働省のそれぞれの 検討会で、教養科目などを全部きちんとやるためには4年では無理だろうとな りました。それで6年というのが出来上がって、それと同時に従来の薬学を活 かすためには4年も残しておこうということになりました。これは文部科学省 の会議の中で強く言われました。その結果、いまの4年制と6年制ができ、そ して6年制についてはいま井上先生がおっしゃったようなモデル・コアカリキ ュラムに沿った授業方式です。ですから、この変換というのは6年制の呼び水 になったというのは確かだと私は理解しています。 ○児玉委員 いまのをもう少し補足して角度を変えて申し上げますと、要は日 本の薬学の歴史と関係がありまして、ご承知のとおり、日本は東洋医学が中心 で、いわゆる漢方製剤が中心で、明治になってようやく西洋の医学が入ってき た。そうすると、いままで漢方が中心ですから、当時は急遽、西洋医学に伴う 医薬品の開発をやらなければいけない。したがって、日本の薬学の歴史という のは、いわゆる創薬から入らざるを得なかったのです。したがって、薬学教育 そのものの考え方もそういった考え方で走ってきた。それがずっとここまでき たわけです。  ところが、現実はようやく医薬分業とか、先ほどは病棟薬剤師とかありまし たように、薬剤師が本来の医療に携わる薬剤師というものに創薬から変わって いった。それに伴いこういった教育がやっとそういう臨床を中心とした方向に 変わってきました。こういう流れがあるということがありますので、その辺は ご理解いただきたいと思います。 ○平林委員 すみません、あともう1点だけ。大変ありがとうございました。 参考になったのですが、確かに試験と大学のカリキュラムがどういう関係にな るのかというのがとても難しい問題で、理念からいうと、大学の教育があって 試験があるべきなのか、試験があって大学教育があるべきなのか、これは両方 の議論があり得ると思うのです。ただ、1つのプロフェッショナルスクールだ ということを考えると、現場でもって何が必要な知識なのかというところから、 問題を切り込んでいくということがやはり必要だなと思っていますので、どう してもそうなると、現場のほうが優先して、それが試験科目に反映されてきた というふうに、いまのお話を聞いていて理解させていただきますと、それも1 つの方法かなと思いました。  それともう1つ懸念するのは、コアカリキュラムを策定されたというお話を 聞きました。いま法科大学院もコアカリキュラムをどうするかということをや っているのですが、ただ、医学部の中でのコアカリキュラムの現状を見ますと、 およそ7割のコアカリキュラムで、残りの3割は各大学が工夫をしてというふ うになっているようであります。ただ、現実問題として、よく医学部の先生に お聞きするのは、医学部6年の1年間あるいは半年はほとんど試験勉強で、そ の試験勉強をしないと受からないというような状況になっているということ を、1人、2人だけではなくて、かなり多くの先生からお聞きします。もし薬 学教育が6年教育になって、同じ轍を踏むということになると、それが本当に いいのだろうかということを、ちょっと懸念しておりますものですから、それ はロースクールのことについても同じことが言えるので、その辺の見通しとい うか、もし先生方にお聞きできれば、お伺いさせていただきたいと思います。 ○井上分科会長 たぶん国家試験から少し離れてしまうかもしれないのです が、いま先生がおっしゃった、国家試験のための勉強にかなり時間を費やすこ とになるだろうという懸念は、私どもも十分に思っております。問題が難しく なる、いろいろな点から考えてもそういう懸念は十分あります。そこで、この 6年制を設置するにあたって、大学の教育の評価を独自にしっかり考えるよう にというご提言をいただいておりまして、薬学教育、特に6年制の薬学教育の 教育プログラムの評価をいま実際に評価機構を作りまして、そこで検討しよう としております。  その検討事項の中には、いま先生がおっしゃったようなところの懸念をでき るだけ消すような工夫、例えば卒業研究を義務付けておりまして、その卒業研 究もいい加減なものではなくて、卒業研究の結果を公表するようにとか、いろ いろな項目が入っていて、それを履行しないと非常に評価が低くなるというよ うなことで、大学に対してはそういう縛りを一応付けようとしています。それ でどれだけ効果が上がるかというのはやってみなければわからないのですが、 法科大学院もたぶん同じように、評価という形で、できるだけ予備校化を防ご うとされておられると伺っておりますが、私どももそういうことで、評価で何 とかその辺はやっていきたいと思っています。 ○笠貫委員 法科大学院と6年の薬学教育と同一視するのは基本的には無理が あると思います。ここで法科大学院の話はあまり持ち込まないほうがいいので はないでしょうか。質の違うもので議論をするのはむずかしいと思います。  私は平成4年の医薬分業は、医療の中で薬剤師の根本的な位置付けが変わっ たという非常に大きなことだと思います。そのときに、薬剤師の教育がどうあ るべきか。その前に薬剤師とはどうあるべきかという、薬剤師の方々が1つの 理念を持たなくてはいけないと思います。そして6年の教育のカリキュラムが 考えられてくると思います。  そこで私は、薬という問題だけでなくて、患者さんという人を対象にしたス ペシャリストだというところが大きな変化だと思います。そうすると、6年教 育の中で人間として、社会人として、医療従事者としての教養が非常に大事な ところで、試験科目としてこの問題、例えば薬事関連法規・制度は20問とい うのはどうなのかと思います。私は薬剤師でないのでわかりませんが、まず薬 剤師のあるべき姿があって、コアカリキュラムがあって、そのコアカリキュラ ムに沿って国家試験の内容と、カットオフ値をどう決めるのかが議論されるこ とが大事なことだと思うのです。  平成4年で医薬分業になって、これから平成23年に6年制の人が出てくる のに向けていろいろな基準を変えた当時、何を変えて、どう評価していって、 コアカリキュラムをどういうものを作っていって、それを評価したいのかにつ いて、部会がたくさんありますので、そこでご検討いただいて、その結果を分 科会へ出していただくと、議論できると思います。先ほど言いましたように、 分科会の中でリンクしてくる話ですが、事後評価部会、制度改正部会、基準改 正部会も、薬剤師の方が何を求められるかというグランドデザインが見えると、 薬剤師でない側としても意見が出しやすいのではないかと思います。 ○堀内委員 いまのは大変重要なことだと思いますが、その場合に、医療もそ うですが、常に変わっていると。やはり薬物療法、あるいは、薬もどんどん新 しい薬が出てきて、考え方自体が薬物療法自体が変わってきているということ で、そういう変化をしつつあるものだということを議論をするときに是非入れ ていただきたいと思います。確かにいまコアカリキュラムがあり、その中で何 を勉強しなければいけないかというのがありますが、そういうものもいろいろ な段階で見直されて変わっていくものだということを、是非やっていただきた いと思います。 ○児玉委員 いまの議論の流れですが、いま6年制の話をされているのですが、 私自身は、「4+2」ではなくて「2+4」だといつも申し上げているわけです。そ れはなぜかというと、いまおっしゃったように、医療人としてのコミュニケー ション能力、心構え等、教養も含めてそういったものを教育するという。要す るに「4+2」となると、先ほど少しお話がありましたが、あと最後は国家試験 のためにやると勘違いしてしまう。そうではないはずですので、むしろ専門課 程に入る前の1年次、2年次といった最初が大事で、そこで薬学を選んで薬学 教育を受けるという最初の段階で、では薬学を受ける薬剤師とは一体何なのだ ろうということを、しっかりとその辺を最初の1年、2年が非常に大事だと思 うのです。そこの概念さえ押さえておけば、先ほど申し上げたプラスアルファ のところは国家試験のためにあるなどと、そういう勘違いはされないようにな るのかと思います。非常に荒っぽい言い方ですが、そういうことです。 ○井上分科会長 大変重要なことなので、たぶん議論は尽きないと思うのです が、先ほどから言われていますように、事後評価というか、問題を実際に具体 的に評価していく部会等も準備されておりますので、時間をかけて本当にいい ものにしていってほしいと思います。そういうことで、今日の議論はこの辺で よろしいでしょうか。  よろしければ、まだ新しい出題制度検討会の報告をしておりませんので、よ ろしくお願いします。 ○薬事企画官 いまご議論いただきましたのは、今年度の3月に行われる試験 の関係でしたが、この次は今後のいろいろ大きな国家試験の制度改正の関係の お話と、今後、この分科会の所掌であります行政処分に関して、まだ正式なル ールではありませんが、一応昨年(19年)に検討を行ってきました報告の内容 がありますので、両方を併せてご紹介させていただきたいと思います。  資料6と資料7です。まず資料6ですが、こちらがいまご議論いただきまし たように、4年間の教育から6年間の教育に変わることを踏まえ、国家試験も 制度として変えていくということを前提とした検討会での報告書になります。 かなり分厚いものですので全てをご説明する時間はございませんし、また、改 めて新しい国家試験を制度化する際には、この分科会でご審議いただきますの で、その際に、もう少しわかりやすい資料で見ていただきたいと思います。こ の報告書の内容をポイントだけ今日はご紹介させていただきます。  資料6の1頁です。「はじめに」とあります。ここはいま申し上げましたが、 最初の2つのパラグラフに書いてあるような時代背景を踏まえて、3つ目の段 落には、「このため臨床に係る実践的な能力を有する薬剤師を輩出すべく」と いうことを1つ念頭に置いた形で教育課程が6年課程ということで変更になっ ています。その6年課程を修めて卒業した方に「薬剤師国家試験受験資格」が 与えられるという展開になっています。  したがって、その下の4つ目の段落は、「国民の期待に応えうる薬剤師を輩 出する観点に立って」、この次が少し大事な部分ですが、「新たな6年制課程 において習得した知識、技能及び態度に関し、これからの医療の担い手として 求められる資質を的確に確認するに相応しい国家試験」という言い方をしてい ます。ですから、必ずしも「教育があっての国家試験」というようなイコール ではなく、さらに、ただ一方で教育課程を6年制にしたことの意義を考えます と、これからの薬剤師の姿にもつながっていきますので、6年制課程の中で習 得した知識、技能及び態度が的確に確認できるかどうかといったところを一応 意識して、新しい制度を作っていこうということです。また、最後の「おわり に」の所で、少しその辺の考え方の部分が出てきますので、いまの部分の肉付 けは後ほどさせていただきたいと思います。  2頁目から始まる部分は現行の国家試験の紹介なので、ここでは省略させて いただきます。5頁目から始まる「今後の薬剤師国家試験のあり方について」 という部分です。最初の(1)で、出題基準について触れられていますが、これ は先ほど申し上げたように、下から2つ目のパラグラフにもありますが、出題 の範囲の妥当性を確保する目的と、試験問題の水準を例年ほぼ一定程度保つた めのものだということで、やはり今後も必要だろうということで、引き続き内 容は当然カリキュラムが変わりますから、いま行われている国家試験に使って いる出題基準とは変わってきますが、新しいカリキュラムに即した出題基準を これから作っていこうということです。その辺りが6頁目の一番上の段落に書 いてあります。先ほども議論に出てきました「モデル・コアカリキュラムの項 目を基本とすることが適当」という部分です。  そして、次の(2)の「出題基準の体系」の所ですが、これは平成6年に試験科 目を見直した際にも、医療を意識してだいぶ科目を見直したわけですが、さら にそれを今回はいろいろ変えていこうという部分がこの部分に書いてありま す。2つ目の段落ですが、出題基準の体系としては「大項目」「中項目」「小 項目」ということで、ちょっとイメージが湧きにくいかもしれませんが、体系 としては現行を踏襲することが適当という形でまとめています。  7頁の(2)「出題分野について」、こちらにいま申し上げました科目の見 直しの部分が出てきます。下の段落で、「薬剤師は、実践において、現行の出 題科目」、これが先ほどの4科目です。基礎薬学、医療薬学、薬事関連法規・ 制度、衛生薬学の4つのことを意味していますが、「現行の出題科目ごとの知 識等を個別に資質として発揮しているのではなく、複数の知識等を複合的に発 揮していると考えられる」ということの考え方を取り入れています。そのため、 新しい国家試験に関しては、科目別に試験を行うのではなく、医療の担い手と して相応しい、あるいは必要不可欠な資質を持っているかどうかというものを 確認するための問題と、医療の実務においてさまざまな課題に直面すると思い ますが、そういった課題に対してそれを解釈し、あるいは、解決していくとい う捉え方で問題作りを、試験科目を捉えていこうということです。  それをどうするかというのが8頁です。文章で書いてあるものを少し中ほど の箇条書にしてある「新たな薬剤師国家試験の出題区分」という所をご覧くだ さい。まず、そういう意味で出題問題を2種類に分け、1つが(1)にある「必須 問題」です。薬学のすべての領域をこの問題の対象にし、その中から必要不可 欠な部分を問題という形で確認していこうということです。ですから、ここに は従来でいう基礎薬学の範囲も入りますし、医療薬学で従来出題されていたも のも入ります。法規も倫理もすべて入ってきますが、そのうち必須、これだけ は必ず不可欠だと思われるような知識・技能・態度といったものをここで確認 していこうというための問題を、ここでは「必須問題」という言い方をしてい ます。  それとは別に、(2)は「一般問題」という形です。こちらは一応2つに分けて 整理しています。1つ目が薬学に関する理論に関連して確認をするための問題、 2つ目が薬学の実践問題ということで文章で書いていますが、「医療の実務に おいて直面する一般的課題を解決するための基礎力、実践力及び総合力を確認 する」という捉え方で問題を区分しています。  これだけですと、なかなか概念的なものなので、どういう問題がこれに当た るかというのは、これから実際に試験を行うまでの間に、十分議論を重ねてい きたいと思いますが、考え方、捉え方としてはこういう切り口で今後の国家試 験を作り上げていこうということです。これらの中身に関しては、9頁目から 始まる所の制度化のときの議論に譲りたいと思います。  いま申し上げたような出題区分に関して、どういった合格点、水準を求める かということについて、触れているのが12頁になります。12頁から始まる(5) 「合格基準について」ですが、内容は13頁の(2)「合否の水準」です。これは すべての問題、今回はちょっと飛ばしましたが、問題数も240問から345問に 増えて、すべてに対して65%を1つのラインとして考えています。それに加え て先ほど紹介した「必須問題」と「一般問題」で、当然その出題の意味すると ころが違うわけですので、13頁の(2)の2つ目の段落に書いてあるとおり、一般 問題に関してはトータルでの65%の水準に加え、一般問題になる学問領域がい くつかありますが、それぞれについてすべて35%以上を満たしていないといけ ないということでの、いわゆる足切りラインを設けています。  これは一般問題になるいろいろな領域からの出題に関して、特定の領域だけ に偏った勉強をして一部の領域を疎かにしても、トータルで65%取れば受かっ てしまうというのはさすがにまずかろうということで、すべての領域に関して 35%以上という1つの線引きをしているものです。さらに「必須問題」に関し ては先ほど申し上げたとおり、薬剤師に必要不可欠な知識・技能といったもの を、ここで確認しますので、そのラインをトータルの65%を上回る水準という ことで、必須問題は一応90問を予定しています。その90問の中で70%の正当 率を求めるということで、比較的必要不可欠な知識・技能等を確認するという ことで高い水準を設けています。さらにその中に含まれる各学問領域に関する 点は、先ほどの一般問題でいう35%を上回る割合ということで半分以上、5割 以上ということで、やはり必須問題であるがゆえ、こういった水準を設けてい るということで方向付けがなされています。  最後に17頁です。「おわりに」という所の2つ目の段落で、「医療の担い 手として求められる資質をより一層的確に確認できるものになるよう、期待す る」ということで、試験の性格付けが、ある意味ここで部分的になされている ことと、その下の段落にあるとおり、「薬剤師国家試験の出題が・・・・・薬 剤師のあるべき姿を映し出し、かつ、薬剤師養成のための薬学教育に対しても 好影響をもたらすものであることを願うところである」と。ここは教育と試験 の双方向の関係を、ここである程度確認できているのではないかと思います。 どちらからどちらへのみの一方通行ではなく、双方向で両者がいいところを取 り入れて、教育の内容も国家試験に代わる部分もあるかもしれませんし、また 教育の内容が変わってくれば、それに臨機応変に試験を通じて、その資質、水 準を確認していくという双方向の考え方がここに示されていると思います。  先ほど井上分科会長から紹介がありました「第三者評価」という教育のプロ セス全体の取組みに関しても、その下の段落に書いてあるとおり、国家試験と いう、ある意味一時の資質の水準を確認するのみならず、課程も非常に重要視 したところがこの辺りに出ているかと思います。  以上が今後の国家試験の方向性ということでまとめた資料です。この後、こ れも部会で議論を重ねた後、最終的な新しい制度としては、この分科会でご確 認いただくというステップになるかと思います。  少しボリュームが多くなりますが、資料7で、行政処分の関係、現在の取組 み状況、方向性について、続けて紹介させていただきます。まず簡単に背景で すが、十分な説明になるかどうかわかりませんが、2頁目です。平成19年7月 にまとめた報告書の2頁です。上から2つ目の段落になります。現在も当然薬 剤師が現場で働き、いろいろな過ち等を犯せば処分ということで行ってきてい るわけですが、ここに書いてあるとおり、「業務停止」という処分も現在もあ ります。こういった行政処分を受けた薬剤師が業務停止期間を過ぎれば、特段 の条件もなく業務に復帰できる仕組みでは、国民の信頼や安全・安心を確保す ることはなかなか難しいのではないかという指摘があります。これは薬剤師に 限らず医師、歯科医師、看護師、いずれも同じ、こういう考え方で同じタイミ ングでいろいろな制度が見直され、再教育の必要性も言われてきたわけです。  そして、行政処分のみでは反省や適切な業務の実施が期待できない場合もあ るということを含め、次の段落にあるような形で制度改正、法律改正を行い、 行政処分を科すことは続けるにしても、科した後、処分の内容によっては、処 分の内容に見合った再教育を必ず行うということをもって、再び国家資格者と して頑張ってもらおうではないかという方向性が示されたわけです。  これを受けて薬剤師の場合、どういう教育内容がどういう処分に対して必要 かというところの検討を重ねてまいりました。その内容が3頁から始まる所で す。この辺りは非常に文章が読みづらいので、7頁をご覧ください。文章で書 いてあるものを、7頁の下半分程度に整理しています。  「処分の類型」が薬剤師法に書いてあるとおり、ほかの医師等も同じですが、 「戒告」「1年以上3年以内の業務停止」ということで、イとウの部分が一緒 になった形が法律上の整理です。エの「免許取消し」という3つの処分形態が あります。そのうち、少し説明を省略したのでわかりにくいかもしれませんが、 真ん中のイとウの部分に関して、処分の類型上は「3年以内の業務停止」とな っていますが、実際の個々の行政処分を下す場合には、当然1年の業務停止も あるし、半年というのもあります。さらに2年、3年ということで、ここは犯 した過ち等の内容によって変わってくることになります。  それら行政処分を、再教育と結び付けた場合にどう考えるかということで議 論してきましたが、ここで結果的にイとウということで、「1年未満の業務停 止」と「1年以上3年以内の業務停止」に分けた背景ですが、「1年未満の業 務停止」であれば、その原因が「職業倫理の欠如による場合」と「知識・技能 の欠如」、医療事故につながる調剤ミスといったものが2つ目になるかと思い ますが、こういった2つに分けた場合に、それぞれに足らなかった部分を補う ための再教育ということで、「職業倫理の欠如」であれば、倫理の保持に関す る研修を行いましょう、「知識・技能の欠如」であれば、知識・技能に関する 研修を行いましょうと。ただ、これは処分を受けた以上は倫理面も改めて徹底 するという意味で、「知識・技能の欠如」の場合には、それによって「1年未 満の業務停止」を受けた場合には、倫理の保持に関する研修も併せて行いまし ょうという整理をしております。  「1年未満の業務停止」の場合はこれでいいのではないかという話がありま したが、「1年を超える業務停止」の場合には、当然業務停止をしている間、 業務なり、手技・技能は全くそこから遠ざかってしまいますので、ブランクを 補うためには、例えばウにあるように、「職業倫理の欠如」による業務停止の 処分を下された場合であっても、当然1年以上のブランクが復帰の際には発生 してくることを勘案して、再教育の内容としては、当然原因となった倫理の保 持の研修に加えて、知識・技能に関しても再教育を受けてもらうという考え方 で、「業務停止」の所の区分をこのように細分化して分けています。  そのほか、アにある「戒告」の部分、あるいはエの一番重たい「免許の取消 し」の部分に関しては、当然原因となる部分を補うための研修と、すべてに対 して倫理研修を求めるという分け方をして、これから個別の事例が出てきた際、 その処分が戒告なのか、1年程度の業務停止なのか、あるいは、免許取消しな のかといったものに応じて、それぞれに見合う再教育を義務付けていくという ことになるかと思います。具体的な再教育の研修内容等については、いろいろ 整備はしてきているわけですが、実施に向けてさらにきめ細かいものをこれか ら用意していかなければならないと思っております。概略は以上で、補足する とすれば、14頁にあるように、いま申し上げたようなそれぞれの処分に対する 再教育が何日程度必要かということも、この検討会で議論しましたので、この 14頁に整理してあります。  行政処分に関してはどういう場合があり得るかということも、この検討会で 議論して、その内容は9頁にあります。「薬剤師の行政処分の考え方」という ことで、「事案別考え方」は30頁からになりますが、薬剤師法に違反した場 合、(2)にあるとおり、いわゆる医師法違反、これは医行為を行うようなケー スだと思います。あとは(3)の薬事法違反など、いろいろ次の頁にあるような 薬事関係の違反のみならず、交通事故、猥せつ行為、贈収賄などいろいろなも のが当然処分の原因となる事案ということで、いくつか列記しているものです。 この辺りの内容を個別の処分がどうあるべきかということは、倫理部会で行っ た上で、この分科会にお諮りいただくということになるかと考えています。  本当に簡単ですが、事務局からの説明は以上です。 ○井上分科会長 ありがとうございます。本日は初めての分科会でしたので、 この薬剤師分科会で今後何をどう取り扱って処理していくのかというような ことの概略が、ご理解いただけたのではないかと思います。今日はこの2つの 検討会の報告書に沿って、簡単にご説明いただいたわけですが、この内容につ いてはただいまのご説明のように、部会でさらに検討して、その結果をこの分 科会に上げて、またご議論いただくということかと思います。そういうことな ので、いまのご説明について、何かこれだけはお伺いしておきたいということ がございましたら、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○笠貫委員 これから詳細に検討されると思いますが、大きい枠組みとして CBTとOSCEは医師の場合は進行中ですが、薬剤師の場合にはどういうタイムス ケジュールでCBTとOSCEをこれからの試験の導入をお考えになっているか、 わかっている範囲で教えてください。 ○井上分科会長 基本的には4年制の終わりの段階でCBT、OSCEを実施して、 パスした場合にのみ6カ月にあたる実習に出ると位置付けております。内容的 には1年から4年までの各知識・技能、OSCEは技能と態度ということです。実 際に実務の体験型の実習ということで患者とかなり接するということをしな がら、資格がない状況で、それを社会に認めていただくための最低限度の知 識・技能・態度を持っているということ、ある意味では安全を保障するための 試験を一応課すということで、準備は進めております。 ○笠貫委員 同じ3年度まで可能なのですか。あるいは予算を含めてこれから そういう形を求めるのか、あるいは3年度までこれを導入するというのですか。 ○井上分科会長 します。ですから、すべてそういうセンターを作って、そこ で準備を進めております。 ○薬事企画官 できますれば、共用試験というもののCBT、OSCEの意味すると ころも、いろいろな先生方と傍聴者の方もいらっしゃるので、そこの背景もご 紹介いただければ助かるのですが。 ○井上分科会長 共用試験センターの理事長をされておられた望月先生、よろ しくお願いいたします。 ○望月委員 共用試験を作るときに、システムを作ることで先行している医師 と歯科医師の共用試験があります。そこで学んで共用試験のCBTのあり方、OSCE のあり方を十分に応用しようということで、当初は、一緒に医療系の中に入ら ないかと言われたのですが、いろいろ検討しまして、やはり医師・歯科医師と 薬剤師の共用試験の内容はやや違うのではないかということから、薬剤師の共 用試験はまた別個に作り上げようということになりました。システムから始ま り、全部ゼロから作り上げました。もちろん医師・歯科医師の医療系の先生方 に十分教わりまして、その結果、知識を問うCBTに関してはほぼ完成してトラ イアルを、今年は最終年度ですが、できるようになりました。ただ、あと問題 数をいまのところ1万数千題までいきましたから、できましたら、もう少し多 いような問題数ができれば、ランダムな問題で十分に学生の知識をコンピュー タ上に取れるという段階です。  OSCEについても、OSCEトライアルをずっと重ねてきました。これも医療系 の先生にもいろいろお教えいただきました。これは地区の薬剤師会と病院薬剤 師会の先生も交えて、ほかの大学の先生も評価委員となります。SP(模擬患者) についても薬学の中で育てていこうということで、これについても検討を重ね ていますので、来年度の最終段階(21年12月から22年3月まで)の間には本 番ができるという体制にもっていけます。当初は非常に本当にできるかという ようなことを言われ、我々も心配していたのですが、結局、委員の先生方の非 常な努力と、周りの先生方のご協力で、とにかくできる体制にはなりました。  ただ、問題は何かといいますと、いま大学にいるのは旧4年制の4年生です。 OSCEもCBTも6年制の学生の4年時に課すということで、そのトライアルとい うのがはっきり言って、本当のトライアルではないのです。医学の場合は6年 制の学生で、6年制のOSCE、CBTトライアルをしたのですが、その点が薬学の 場合はやや難しい。問題はありましたけどその壁を乗り越えていったと私自身 は理解して、努力をしていただいた皆さんに感謝している段階です。ちょっと 注文と違う答えですが。 ○井上分科会長 ちょっと専門的すぎるかもしれないと思います。 CBT(Computer Based Testing)、ともかくコンピュータでもって試験が出され る、コンピュータ上で丸を付けて、採点もそのコンピュータでされるというテ ストです。ですから、基本的には知識と一部の技能をテストする。一方、OSCE というのはObjective Structured Clinical Examinationという非常に長った らしい、これは医学、歯学で既に先行している試験でして、簡単に言えば、技 能・態度を見る患者さんとの接遇であるとか、実際に製剤をやってみる、それ をテストする。周りに評価者がいて、実地にやっているところを評価するとい うテストです。この2つのテストをパスして、初めて患者と接するような調剤 薬局あるいは病院の薬剤部に2.5カ月、総計5カ月の実習に出ていく。基本的 には最低限度の知識・技能・態度はクリアしているということを世の中の方々 にもわかっていただくための試験と位置付けしています。 ○児玉委員 いまのお話ですが、もう一遍、共用試験については私も現場から も随分お願いをしたという経緯があります。その大きな点は2点で、いまおっ しゃったように5年次に現場で実習がありますので、それに向かって、いまお っしゃるように、ある程度の試験をして、レベルを担保した上で来ていただく。 それが1点と、もう1点は医学もそうですが、いわゆる参加型実習、見学型と 参加型がありますので、ややもすると無資格調剤になりますので、したがって、 それを担保する上でも、こういう共用試験をやっていただきたいというお願い をしたという経緯もあります。 ○三屋委員 すみません、1つだけ。いろいろ読んでいると、「国民の期待に 応えうる」とさらっと書かれているのですが、これはどのような期待だと考え られているのかが、もう少し具体的にわかるとありがたいなと思うのです。そ れが本当に国民の期待とちょっと違う中でいってしまうと、全く別物になって しまうので、もし外にこういうものが出るのであれば、国民の期待はこのよう なことだと捉えて、こういうような制度になっていると言っていただけると、 より明確にわかったと思うのです。国民の期待というのは、例えばどのような ことだと捉えられていらっしゃるのでしょうか。 ○井上分科会長 たぶん病薬の先生が一番強く主張された部分ですので、お願 いします。 ○堀内委員 一番責任が、特に薬剤師だけではないと思いますが、医療全体に 対しての期待ということだと思うのですが、信頼をして安心してかかれるよう な医療、病気を本当に治してくれるというようなことがあると思うのです。そ れはなかなか思うとおりにならない点はありますが、特に安心して疾患を治し てくれる、そこに対してそういう医療全体の役目があると思うのです。  その中で特に薬剤師の場合は薬の専門家ということですから、薬の面から薬 物療法にどれだけ貢献できるか。例えば副作用とか、医療の安全のチェック機 構などとよく言うのですが、薬物療法についてはすべての面に責任を持つ。こ れは病院で働く薬剤師も、いま医薬分業が大変進んでおりますので、調剤薬局 で働く薬剤師も同じ役割をしていると思いますが、そのようなことが一番国民 が求めていることではないか。安心してかかれる医療ということだと思います。 いまもお話をしましたように、特に薬剤師の場合はチェック機構の役割は極め て大きいだろうと考えています。 ○児玉委員 いまおっしゃったことは基本だと思いますが、社会問題にもなっ ていますが、医療の安全性、そして治療効果は皆さんが求めるべきことだと思 うのです。その中で、ようやく日本の医療の考え方も、当たり前のことですが、 患者の安全性を担保しながらということで、外科的処置よりも内科的処置にい まは移ってきています。簡単にいえば、例えば乳癌でもいまは取らないとか、 内視鏡を使った手術をするとか、そのように変わってきています。それは患者 にとって非常にいいことだと思うのです。  そういう意味での流れの中で、当然薬物療法は切り離せない。外科的処置を 取らないということは、できるだけ薬物療法となってきます。薬の主作用と副 作用とは紙一重ですから、そこをコントロールする役割を持った者、それが薬 剤師だと思うのです。ご存じのように、薬というのは基本的に化合物ですから、 身体にとっては要らないもの、先ほどおっしゃったように、できるだけ使わな いほうがいいに決まっているのです。だからそこで少なくて、副作用を起こさ ない量を考えながら、そういう人材、それがまさに薬剤師だろうと。それを養 成しようというのが今回の1つの大きな目的なのです。  ですから、我々薬剤師の本分というのは、「医薬品の適正使用」と言うので すが、スポーツで、例えばドーピングの問題というのはまさに不適正使用の最 たるものなのです。例えばその延長線上で、あれは医薬品の化合物であると知 り尽くしているからこそわかるのです。ですからそういう意味で、スポーツフ ァーマシストとして、薬剤師はその側面からも関わろうと、このようなことも 今度の薬学教育の改革の中で、そういった基本的なことも教えていくと、こう いうことになります。 ○井上分科会長 ちょっと違う言い方をしますと、「薬害」ということは常に 新聞、テレビ等々では繰り返し取り上げられています。こういう薬害というと きにほとんどの場合ターゲットになるのは医師であり、薬剤師はあまり前面に は批判されることもなくきていたと思います。今後は、薬害は絶対に起こして はいけないわけですが、そういうものが万が一起こったときには、薬剤師が前 面に出て、全責任を取るというような、かなり言いすぎているかもしれません が、そういうような薬剤師を育成していくし、そういうことを目指したいのだ、 というようにご理解いただければよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。 ○堀内委員 全くそのとおりで、これまで薬害が起こって、いろいろな薬害で 薬剤師が責任を負わされたことはないです。それはおかしいことだと本当に私 は思っています。やはり薬剤師が薬のことに関しては責任を持つべきであると いうことで、行政処分のあり方についても、そういう副作用を防止し得なかっ た、薬剤師が見逃したとか、そういうことも含めて、あるいは処方設計に意見 を出していて、それが間違っていて重篤な不正が起こったとか、そのような場 合にはやはり薬剤師がきちんと責任を負わせられるべきだというように思っ て、そういうことがこの行政処分のあり方ができた一番大きな理由かなと思っ ています。 ○平林委員 その法的な根拠の1つが薬剤師法の24条だと思うのです。要す るに薬剤師がこの薬剤師法24条に基づいて、どれだけ処方箋に対する疑義を いままで申し立ててきたのかということが、まさに問われているのだろうと思 います。蛇足ながら申し上げます。 ○福島委員 疑義照会についてはいままで薬剤師が全くやっていなかったわ けではなくて、そういうことをやっていることを一般の方たちに見えていなか った部分はかなりあるかと思います。処方箋をただ薬局に持って行って、すぐ 薬を混ぜて渡してくれるだけだと思っている方が非常に多いけれども、実はあ の短時間の中でも薬剤師の知識を活かして、この組合せは大丈夫とか危ないと か、これは疑義照会をしなければいけないのだということをきちんといままで もやってきたわけです。それがなかなか一般の方たちに見えていないところは あるかと思います。だからその部分をもっとアピールしなければいけないと思 いますし、更に力をつけた薬剤師を育てていきたいと思っています。 ○笠貫委員 これまで医療行為は医師が独占業務ということで、あまりにも多 くのことを医師が抱え込んでいたというのが現実だと思います。そういう意味 で医師がこれまでの役割について責任を問われていました。現代医学が進んで くると、医師がすべてを知って、すべてを決定して、処置をしていく時代は過 ぎたと思います。それより今日、薬剤師が非常に高い志で1つのスペシャリス トとしてその責任を負うということをお話をされたのは、とても大事なことだ と思いますし、そういう意味で私たちはチェック機能だけではなくて、薬を調 合するときに薬のスペシャリストとして、処方にも参画するということがこれ からの薬剤師のあり方だと思います。それは結局、それだけの責任を薬に関し て持つということになると思うのです。そういう意味でチーム医療のスペシャ リストの人たちが、どのように育っていく必要があるか、そこのチーム医療を どうまとめていくかという次の問題になると思います。  私は、薬剤師という国家資格を持った人たちが、大きな能力を持っていたに もかかわらずチーム医療の中で活躍がなかなかできなかったのは、いまの法体 系にあるのかなと思います。それがいま大きく変わりつつあるという意味では、 先ほどの24条は、もっとこれから薬剤師の役割は大きくなるのだと思います。 それに伴って責任と行政処分は出てくるというように、両方が伴ってこないと、 行政処分というのもかなり厳しいのかなと思いながら、その両方を見極めなが ら、行政処分を考えていくのかなと思います。実際いまの日本の社会の中での 薬剤師の位置付けという、社会的なステータスというものを含めて、チーム医 療の中で行政処分を考えていくのかなと思いながら聞いておりました。 ○福島委員 いまの24条について、薬剤師が疑義照会をしなければならない ということを薬剤師はみんなわかっているはずです。でも、医師法にはそれに 応える記載がないのです。いろいろな方たちとディスカッションしているとき に、そんなことは知らなかったと言われてしまうことがあります。先生たちに 伺うと、忙しいときにあまり必要ないことを聞いてきたみたいなことをおっし ゃることがあります。こちらとしては、きちんとした義務でやっているのです が、薬剤師の疑義にも問題があるかもしれませんが、両者の意識の違いを感じ ることがあります。法律的にみると、薬局の管理者と開設者の関係については、 管理者の意見を開設者が尊重しなくてはならない旨の記載が入っているので すが、そのようなことはないように思いました。 ○笠貫委員 たぶんこれからいろいろなことを進めていったときに、医者がど う自分たちの意識改革をして、薬剤師の役割をどのようにこれから位置付けて いってチーム医療を作っていくか。そのプロセスの中でこれから試験問題も行 政処分の問題も取り組まれるという、非常に大事な実施になると思います。試 験問題もそうですが、医療提供体制の中で、それぞれの職域の人が果たしてい くべき役割がいま大きく変わりつつある過程にあるというふうに理解してい ます。私も同じ医療人の中の医師として、そういう感じでいます。 ○井上分科会長 ありがとうございます。薬剤師はもっともっと力を付けて、 医師に十分説得できるようになっていかなければいけないと思います。今日は 第1回目ですので、こういう感じで終わりましたが、次回以降は具体的な行政 処分とか、国家試験の実際の合否の判定とか、そういったような議題も出てく ることになるかと思います。どうぞ先生方におかれましては今後ともよろしく お願いいたします。  時間もちょうどですので、本日はこれをもって閉会とさせていただきたいと 思います。どうもありがとうございました。 〈照会先〉 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL:03−5253−1111(内線2715)