08/11/06 第43回社会保障審議会障害者部会議事録 第43回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年11月6日(木)10:00〜12:32  場  所:厚生労働省9階 省議室  出席委員:潮谷部会長、嵐谷委員、安藤委員、伊藤委員、岩谷委員、川崎委員、       君塚委員、坂本委員、佐藤委員、副島委員、竹下委員、高橋委員、       長尾委員、仲野委員、野沢委員、広田委員、大濱委員、星野委員、       三上委員、箕輪委員、宮崎委員、福島委員、山岡委員、小澤委員、       西村参考人、戸谷参考人 ○潮谷部会長  皆様、おはようございます。  定刻になりましたので、ただいまから進めさせていただきます。  委員の皆様方には、今日の会議は朝からでございましたので、大変お忙しくおいでくだ さったのではないかと思います。  議事に入ります前に、いつものように事務局から委員の出席状況、資料の確認等をお願 いいたします。 ○蒲原企画課長  では、おはようございます。本日の委員の出欠状況でございます。本日は、井伊委員、 梅田委員、北岡委員、小板委員、櫻井委員、新保委員、堂本委員、生川委員、浜井委員 から欠席ということでございます。  それから、数名の先生方から遅れるとの連絡がきておりますので、よろしくお願いを いたします。  なお、小板委員の代理といたしまして、日本知的障害者福祉協会副会長の西村参考人 がご出席でございます。  また、堂本委員の代理といたしまして、千葉県健康福祉部次長の戸谷参考人にご出席 ということでございます。よろしくお願いをいたします。  それでは、続きまして、本日の資料について確認をさせていただきます。  お手元の議事次第をめくってもらいますと、まず最初に資料の1として横長の資料、 いつものものでございます。全体の見直しに係る論点についてのペーパーでございます。  その後、資料の2が(1)、(2)とございます。個別の論点ということでございますけれど も、資料の本体部分が資料2−(1)、これに関係する参考資料が資料2−(2)ということに なってございます。併せて、参考資料として第40回の部会の議事録ということになって おります。  なお、その後ろに、本日は数名の委員から資料のご提出がございます。小板委員、堂 本委員、星野委員より資料の提出がございますので、お手元にご確認をください。以上 でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議事に入りたいと思います。  本日は、個別論点、サービス体系、障害程度区分、地域生活支援事業等が議題となっ ております。事務局のほうから、まず資料の説明をお願いいたします。 ○鈴木企画官  企画官、鈴木でございます。  お手元の資料の1と、それから2−(1)のほうをご説明させていただきます。  まず、1のほうでありますけれども、見直しの論点の全体像の中で本日は右下の個別 論点の部分でございます。中身といたしましては、サービス体系、障害程度区分、地域 生活支援事業、サービス基盤の整備、虐待防止・権利擁護、その他と、こういったこと でございます。  おめくりいただいて、2枚目、3枚目のほうはその具体的な中身の前回の論点表を切 り出したものでございます。  それから、次の資料の2−(1)をお願いいたします。本日はこちらの資料を準備させて いただきました。  まず、おめくりください。  個別論点の第1点目がサービス体系でございます。まずサービス体系の在り方という ことでございまして、自立支援法では、ご承知のとおり、3障害の一元化あるいは実施 主体の市町村への一元化と、こういったことをやっております。また2番目のところで すが、施設事業体系も機能別に見直しまして、日中活動の場、それから住まいの場に分 けたりとか、あるいは就労支援を強化とか、そういったことで行っております。  下の米印に「なお」ということでございますけれども、自立支援法では、介護給付の 利用について障害程度区分の認定を必要ということにしまして、また、その程度区分に 応じて報酬が支払われるというような仕組みを導入しております。それから訓練等給付 につきましては、程度区分の認定はございませんで、市町村の個別の判断により支給決 定をされていると、こういったことでもございます。  おめくりください。  2ページ目は自立支援法のシステムのポンチ絵を書かせていただいております。  それから、下の3ページのほうでございますけれども、現状の2つ目で、そのサービ ス体系の考え方についての一つの論点でございます日払い方式についてでございます。 日払い方式につきましては、その1つ目の丸にございますけれども、利用者が自らサー ビスを選択し、複数のサービスを組み合わせて利用することができるようにするために、 サービスの利用実績に応じて事業者に報酬を支払う日払い方式としたところでございま す。  次の丸ですけれども、日払い方式化に当たりましては、幾つか書いてありますけれど も、利用率を加味したりとか、あるいは従前報酬の9割を保障するとか、あるいは緊急 措置で単価を引き上げたりとか、こういった激変緩和などの措置を行っているところで ございます。  おめくりください。  4ページですけれども、4ページは日払い方式を従来のものと比較したポンチ絵にま とめたものです。従来は、利用者としては選べるサービスは一つだけということになっ ておりまして、それは報酬の月払いということで、報酬がサービス利用に関係なく1カ 月分をまとめて支払われると、こういった形になっていたものですから、選べるサービ スは一つというような仕組みになっておりました。これに対しまして、自立支援法にお きましては、報酬の日払い化ということで、日ごとのサービス利用に応じた報酬の支払 いが米印から矢印が延びていますけれども、こうすることによって利用者の側としては 日によってサービスの使い分けが可能になると、こういう仕組みになってございます。  続きまして、5ページのほう、中身の2つ目の話ですけれども、日中と夜間というこ とで、自立支援法におきましては1日を昼と夜に分離して、サービスの提供実績に応じ て昼と夜それぞれについて報酬を支払うと、こういう仕組みにしております。それから 次の丸でありますけれども、こういったことにしたことによって、施設入所者以外の方 がその施設の入所者と一緒に日中サービスを利用すると、こういうことも可能になって いるところでございます。  おめくりください。  6ページ上ですけれども、昼夜分離の考え方をまたポンチ絵に直したものです。左が 1日単位ということで、これは昼夜同一施設でのサービス利用ということのみであった わけでありますけれども、右側の自立支援法におきましては、昼夜分離ということで、 利用者が日中活動の場を選択できる、こういった特徴などがあるところでございます。  下のほうで、7ページでございます。  以上につきまして課題を整理したものでございますが、そこに黒い四角でございます けれども、日払い方式についていろいろご意見がございまして、例えば利用者の欠席が 多い場合に事業の安定的な運営が難しい、あるいは利用者が欠席されているときもその 状況の確認などを行っていると、こういったことから月払いに戻すべきと、こういうご 意見があるところでございます。  他方で、下の丸ですけれども、月払いに戻しますと利用者の個別に応じたサービスの 選択が困難になると、こういうふうに考えているところでございます。  おめくりください。  そういうことでございまして、論点といたしましては、まず利用者がサービスを選択 し、多様なサービスを組み合わせて利用することができるよう、日払い方式や日中と夜 間に分けたサービス体系としていることについてどのように考えるか、それから利用者 本位の観点から日払い方式などのサービス体系を維持しつつ、サービス事業者の安定的 な運営が可能となるよう、報酬改定などにおいて必要な措置を講じていくべきではない かと、このようにさせていただいております。  続きまして、サービス体系の2つ目で標準利用期間ということでございます。9ペー ジをお願いいたします。まず現状につきましては、自立支援法のサービスのうち自立訓 練あるいは就労移行支援につきましては、下の枠の中に期間が、機能訓練であれば1年 6カ月、自立訓練の生活訓練あるいは就労移行支援であれば2年というような形で、標 準利用期間というものを設定して明確な目的意識を持って一定期間で効果的・効率的に 訓練を行っていただくと、こういう仕組みにしているところでございます。  おめくりください。  それから、10ページのほうですけれども、また宿泊型自立訓練というサービスの枠組 みにつきましては、その標準利用期間は原則1年間ということにしております。利用期 間が米印にありますけれども、1年を超えると報酬単価が40%減額と、こういう仕組み に今はなっているところでございます。  次の11ページ、課題でありますけれども、標準利用期間につきましては廃止すべきで はないかというご指摘がございます。他方で、仮にこれを廃止した場合には、訓練が漫 然と長期化することになるおそれがあるというふうに伺っております。また宿泊型自立 訓練につきましては、原則1年間という利用期間では短いというご意見があるところで ございます。  下の論点のところでございますけれども、標準利用期間につきましては、明確な目的 意識を持って一定期間で効果的・効率的に訓練を行い、サービスの利用期間の長期化を 回避する観点から、今後も標準利用期間を設けるという原則を維持しつつ、必要な見直 しを行うべきではないかというふうにさせていただいています。  おめくりください。  12ページで、サービス体系の3つ目で新体系への移行ということでございます。まず 移行の状況といたしましては、まず旧法の施設につきましては24年3月末までに新体系 へ移行するというふうにされております。移行率といたしましては、次の丸にあります けれども、ことしの4月1日現在で全体で28.2%ということになっております。次の丸 ですが、新体系への移行のための支援ということで、都道府県の基金事業においてその 支援事業を行っていると、こういうところでございます。  13ページ、その移行状況を旧体系の施設類型ごとに数字として表にしたものでござい ます。眺めてみますと、例えば小規模通所授産施設とかあるいは福祉工場と、こういっ た旧体型類型の場合は、20年4月1日までに50%を超えるような移行がなされていると いうことでございます。一方で20%未満というようなところは、知的障害の入所更生施 設、入所授産施設、通勤寮、あるいは精神障害者の生活訓練施設と、こういったところ の移行率が低いといった状況にございます。  おめくりください。  次の14ページ、これは旧体系サービスから新体系サービスのどのサービス体系に移っ たかということを表のほうにさせていただいて、一つの施設が幾つかの事業体系をとる ということがありますので合計数は一致をしておりませんけれども、ざっと眺めてみま すと、従来一つの施設であったものが多様な事業に移行しているということが見てとれ るんではないかというふうに思っております。  それから、15ページでございます。  課題のほうでありますけれども、まず引き続き移行を促進することが必要というふう に考えております。それから入所授産施設の関係につきまして、まず1つ目の丸であり ますけれども、新体系におきましては、障害者支援施設については日中活動として就労 継続支援事業を併せて行うことができないという仕組みにしております。これにつきま して、入所授産施設が新体系へ移行した場合に、現に入所していた方については24年3 月末までは施設入所支援と就労継続支援の組み合わせで利用することが可能とこのよう になっておりますけれども、その後は認められないというふうに今の仕組みではなって おります。  おめくりください。  論点といたしまして2つございます。新体系の移行の関係では、それをさらに推進し ていく必要があるのではないか。それから旧体系の施設が新体系へと移行する際、安定 的に運営できるようさらに配慮することが必要ではないかと。それから入所授産施設の 移行に関しましては、施設入所支援と就労継続支援の組み合わせが24年3月末までとさ れているが、現に入所している者への対応を含め、その後の在り方について、地域での 生活や就労を促進していくという自立支援法の趣旨を踏まえつつ、どのように考えるか というふうに提案をさせていただいております。  次に、17ページ、大きな柱の2つ目で障害程度区分でございます。  まず、障害程度区分の開発についてということで、まず現状の欄でございますけれど も、障害程度区分は、介護給付に係るサービスの必要度、必要時間を6段階であらわす 区分でございまして、6のほうが必要度が高いというような仕組みでございます。  おめくりください。  18ページでありますけれども、支給決定の際に程度区分の認定を受けるということで ございまして、介護給付の利用を希望される場合には、106項目の認定調査、それから 市町村による一次判定、審査会による二次判定を経て認定がなされ、その後に支給決定 がされると、こういう流れになっております。それから、下のほうで3番目であります けれども、障害程度区分の使われ方でございますけれども、3つ書かせていただいてお ります。入所サービスなどの対象者の範囲をこれで決めているとか、あるいは報酬単価 の多寡がこれによって決まっている、あるいは訪問系サービスに係る市町村に対する国 庫負担金額の算定の基になっていると、こういうことでございます。  19ページですけれども、障害程度区分の実際の認定状況をそこにまとめさせていただ きました。下のほうの左半分に二次判定後の結果の分布をパーセンテージでそれぞれ示 させていただいております。右側に二次判定上位区分変更率というふうにございます。 これは、下の米印にありますけれども、コンピューターによる一次判定の結果を二次判 定で高いほうに修正した割合ということでございますけれども、そこにございますよう に、全体で41%、それから障害別でいいますと身体障害が23%、知的障害で49%、精神 障害で59%というふうに二次判定で上位変更をしているというような実際の状況でもご ざいます。  おめくりください。  20ページ、課題でございますけれども、障害程度区分の見直しにつきましては、知的 障害者や精神障害者の程度区分が一次判定で低く判定される傾向にあり、二次判定との 乖離が相対的に大きくなっております。障害特性をより反映した障害程度区分となるよ う、現行の障害程度区分を見直すべきとの意見がございます。なお、その開発について は相応の時間を要するところでございます。下のほうにスケジュールをちょっと書かせ ていただいておりますけれども、今年度、実態調査に関する関係団体との調整を今行っ ている最中でございまして、それが整いまして仮に実態調査に今年度着手したとしても、 データの分析、それから一次判定理論の構築とか試行とかこういったことを経ると、新 しい程度区分は23年度にならないとスタートできないと、こんな状況でございます。  それから、ちょっと上に戻っていただきまして、市町村審査会の二次判定についてば らつきがあるというこういうご意見、あるいは認定調査員について障害特性の理解が不 十分と、こういったご意見もあるところでございます。  21ページは、これまでの取組とか与党PTの報告書であるとか、課題に関する主な意 見を書かせていただいております。  おめくりください。  論点のところでございますけれども、まず1点目で、サービスの公平な利用や市町村 間のばらつき是正のために、引き続き、客観的尺度としての障害程度区分が必要ではな いか。2点目で、ただし、現行の障害程度区分は、知的障害、精神障害を始めおのおの の障害特性を反映したものに見直す必要がある。その際、新たな障害程度区分の開発に 相応の時間を要することからも、実際に行われているケアの実態に関する調査を早急に 実施すべきではないか。それから3点目で、二次判定の平準化や認定調査に資するよう、 障害特性の理解の向上などを目的とした研修や判定事例の提供などを引き続き実施すべ きではないかと、こういうふうにさせていただいております。  続きまして、程度区分の2つ目で程度区分によるサービス利用者の範囲ということで、 23ページ、まず現状でございますけれども、自立支援法におきましては、介護の必要度 に応じて必要な支援を行うという観点から、障害程度区分により、サービス利用者の範 囲を定めているところでございます。例えば、下にありますように、生活介護であれば 区分3以上、50歳以上は2以上と、こういったふうに程度区分で定めているところでご ざいます。次の白丸で、新体系における障害者支援施設におきましては、介護が必要な 重度の方に支援を行うという観点から、程度区分4(50歳以上は3以上)の場合に入所 できると、こういうことにしております。この要件につきましては、18年10月以前より 旧法施設に入所されている方については、その施設が新体系に移行した場合には、その 程度区分が利用要件を満たさないときであっても24年3月末までは入所可能と、こうい うふうにしているところでございます。  おめくりください。  課題でございますけれども、従前からの施設入所者で先ほど障害程度区分上、入所要 件を満たさないという方の取り扱いですけれども、24年3月末の期限到来時までに地域 生活への移行準備が整わなかった方というのも予想されるところでございまして、そう いう方について24年4月以降どのように対応するか検討することが必要と。それから、 新規入所者の要件を考える際にも、程度区分が4よりも低い方であってもケアホームや グループホームでの受け入れなどが直ちには困難な方が存在すると、こういうご指摘も あるところでございます。論点でございますけれども、現に施設に入所している方であ って新体系の施設の入所の要件を満たさない方について、地域移行を進めつつ、経過措 置期間が終わる24年4月以降についてどのような対応が考えられるか。また、新体系の 施設への入所の要件について、障害者の地域での自立した生活を支援するという自立支 援法の趣旨を踏まえつつ、どのように考えるかと、このようにさせていただいておりま す。  次に、25ページで、訪問系サービスに係る国庫負担基準ということでございます。訪 問系サービスの費用負担に当たりましては、市町村に対する国庫負担の精算基準として の国庫負担基準というのを設定しております。国庫負担基準の趣旨でありますけれども、 2つ目の丸にありますけれども、国の費用負担を義務化することで財源の裏づけを強化 した一方で、国費を公平に配分し、市町村間のサービスのばらつきをなくし、サービス 水準の底上げを図るために設けたものということでございます。  次の丸ですが、国庫負担基準は、下のほうに一月当たりの単位数が書いてございます けれども、障害程度区分ごとに設定をしておりまして、重度の障害者については高い基 準額を設定するなどの配慮を行っております。それから次の丸ですが、国庫負担基準は、 障害者一人一人の支給上限額ということではありませんで、それは市町村に対する国庫 負担の上限であり、同じ市町村の中でサービス利用が少ない方から多い方に回すことは 可能と、こういう柔軟な仕組みにもしているところでございます。  おめくりください。  26ページ、現状の2つ目で、国庫負担基準につきましては、下のほうにグラフがござ いまして、右の矢印が自治体1人当たりの支給水準、上の矢印が自治体数とさせていた だいておりますが、全国の自治体数の、市町村ですけれども、9割程度をカバーできる、 支給実績をカバーできるようにこの国庫負担基準の額というのは1人月額9.5万円とい うのを設定しているところでございます。それから、また(1)(2)(3)とございますけれども、 国庫負担基準を超える給付水準の自治体については、その支援費制度時代、17年度の補 助実績に基づきまして、そこは従前額保障ということで国庫負担をすると。それから、 全ての訪問系サービスに係る程度区分の基準額を合算して適用する。区分間合算と呼ん でおります。それから都道府県の地域支援事業により財政支援を行うことも可能と、こ ういったことを行っているところでございます。  27ページ、現状の3つ目でありますけれども、1人当たりの平均支給月額であります。 16年度、下のグラフにございますけれども、平均で6.3万円ということでありましたが、 19年度は6.9万円ということで、全体的な引き上げ、底上げということが図られてきて いるというふうに認識しております。  おめくりください。  28ページ、課題でございますけれども、市町村において実質的に国庫負担基準が個々 の利用者に対する支給量の上限になっているということから国庫負担基準を廃止すべき と、こういうご意見もあるところでございます。しかしながら、国庫負担基準は個々の 利用者に対する支給量の上限ではありませんで、また、国庫負担基準の廃止を行った場 合には、地域ごとのサービス基盤や利用状況に差がある中で、限られた国費を各自治体 に公平に配分することができなくなる、こういう問題があるというふうに認識をいたし ております。  論点といたしましては、自治体の1人当たりの支給水準のばらつきを解消するために は、国庫負担基準の継続が必要ではないか。その際、国庫負担基準が個々の利用者に対 する支給量の上限とならないよう制度の趣旨を徹底するとともに、国庫負担基準の区分 間合算について継続するべきではないか。さらに、利用実績などを踏まえて、国庫負担 基準の額を見直すべきではないかというふうにさせていただいております。  大きな3点目で、地域生活支援事業でございます。  まず、自立支援給付との関係などでございますけれども、現状、そこに自立支援給付 と地域生活支援事業と特性を対比しておりますけれども、自立支援給付が全国一律のサ ービス提供あるいは指定事業者からのサービス提供を個人に給付する、原則として定率 の利用者負担、国の義務的経費とこういうことにあるのに対しまして、地域生活支援事 業は、地域の特性や利用者の状況に応じてサービス形態や利用方法を柔軟に設定すると。 したがって、利用者負担も各自治体が判断できます。国の補助金は裁量的経費と、こう いうふうに位置づけられているところでございます。  おめくりください。  30ページでは、地域生活支援事業の概念をポンチ絵にしたものでありますけれども、 市町村事業と都道府県事業がありまして、それぞれ必須事業、それから地域の実情に応 じて実施するというその他の事業と、こういう枠組みで構成されているところでござい ます。  下の31ページ、現状の(2)でございますけれども、事業量は着実に増加しておりまして、 全体で見れば市町村事業で115%と、18年度、19年度という伸び率になっています。ただ 18年度は、注のところの2つ目のポツでありますけれども、10月から施行がされておりま すので、19年度と比較するために単純に18年度実績を2倍にしたということがありますの で、この事業の中には、例えば日常生活用具の給付事業に関しまして、この期間は前半の 利用が多いということで、後半、10月以降の利用を単に2倍しているので、この数字上は 見かけは非常に伸びているように見えますけれども実態はそういうことではないというこ とで、若干正確なものということではないですけれども、一応の指標として出させていた だきました。  おめくりください。  32ページで、必須事業を実施している市町村の割合ということで、19年3月、20年3月 を比較しておりますけれども、移動支援事業でプラス4.2%、それから3番目のコミュニ ケーション支援事業でプラス11.6%、地域活動支援センター事業でプラス23%というよう に実施率も増加しているところでございます。米印のところにありますけれども、未実施 の市町村がありますが、その主な理由としては、利用を希望する障害者がいないとかサー ビス提供事業者がいないとか、こういったことが言われております。  次の33ページでありますけれども、増加の内訳として移動支援事業の増加が大きいとい うことで、下の枠の中にありますように、48億円、20%の増ということでございます。そ の背景には、参考のところにありますように、実利用者がやはり2割増えているというこ とが背景にあるのではないかということでございます。  おめくりください。  34ページ、課題でありますけれども、まず1つ目の丸のところですが、地域生活支援事 業につきましては、全国的な均てん化を図りつつ充実をするということが大事だというふ うに考えております。各論といたしましては、まず移動支援事業につきましては、その丸 の最後のほうにありますが、市町村間で取組にかなり格差があるんじゃないかと、こうい うご意見があるところでございます。それから日中一時支援事業、居住サポート事業、コ ミュニケーション支援事業、あるいは相談支援事業などについても充実を図っていくこと が必要と、こういうご意見があるところでございます。  それから、次の35ページですけれども、地域生活支援事業は、実施形態が各地方自治体 の判断にゆだねられていることが地域間格差を生む原因となっているということで、その 必要性が高い事業については、自立支援給付との関係を再整理することも含め、充実のた めの方策を検討すべきと、こういうご指摘をいただいております。また一方で、自立支援 給付につきましては、先ほど申し上げましたように全国一律の基準、あるいは一定の要件 を満たした事業者によるサービス利用とか、個人単位、全国一律の部分にある利用者負担 とか、こういったことになりますので、こうした条件がつけられれば地域によって柔軟に 事業を実施するという特性が失われるということにも留意が必要というふうに考えており ます。  論点といたしましては、地域生活支援事業につきましては、持続可能な制度を維持する とともに、一部の事業について自立支援給付との間で再整理することを含め、サービスの 充実を検討すべきではないかというふうにさせていただいております。  それから、地域生活支援事業の2点目で、費用負担に関しまして、その費用につきまし ては法律上、各実施主体の自治体が支弁ということで、国が予算の範囲内で50%以内を補 助と。その補助金は統合補助金でございまして、今、自治体の人口あるいは事業実績を勘 案して配分しているところでございます。  37ページ、課題でありますけれども、国の補助金が地方自治体からは十分な確保がで きていないということで、財源確保の要望が寄せられているところでございます。また、 現在の配分方法では個別の自治体の事情は考慮されておりませんで、例えば補助金の一部 を自治体の個別事情に配慮して配分をするなどの工夫を加えることも考えられるというこ とで、論点といたしましては、この事業のより効果的な実施を図るために、国の補助事業 の充実をどのように図っていくか。また、配分に当たって、地域の個別事情に応じた工夫 を行えないかというふうにさせていただいております。  それから、地域生活支援事業の3点目で小規模作業所の移行促進ということで、作業 所につきましては、サービスの質の向上、それから事業の安定的な運営を図る観点から、 法定事業への移行を促進しているところでございまして、現在までに半数程度が移行し ているところでございます。移行を促進するために、下の表でありますけれども、特別 対策とか緊急措置において支援策を講じているところでございますが、20年度までの措 置というものもございます。また、もともと規模が小さい作業所、あるいは人口の少な い市町村の作業所、こういうところには定員要件を満たさないことが移行のネックにな っているということもございます。  その次の39ページの下のほうですが、緊急措置で地域活動支援センターの従たる事務 所という枠組みを使えば、一つの場所で最低6人からの運営が可能というふうなことに もしているところでございます。  おめくりください。  40ページ、課題でありますけれども、小規模作業所の法定事業への移行促進のため、 特別対策の継続を求める意見があります。それから、もともと施設規模の小さい作業所 や人口の少ない市町村の利用人員規模が小さい作業所の移行が困難とのご意見がござい ます。論点といたしましては、法定事業への移行促進に引き続き取り組むべきではない か。それから、サービスの質の向上を図りながら移行を促進するため、利用人員を含め さらなる工夫が考えられないかということでございます。  41ページ、4番目でサービス基盤の整備ということでございます。  サービス基盤の整備につきましては、各都道府県、市町村におきまして障害福祉計画 を策定して、計画的に整備を進めていきたいというところでございます。現在、各自治 体で策定されました23年度の数値目標、それからサービス見込み量の達成に向けて取組 が進められているところでございますが、国といたしましては、参考2というところに ありますけれども、第2期計画の作成に向けて作成指針というものを提示しておりまし て、参考資料のほうにつけさせていただいておりますので、お時間がありましたらお願 いいたします。  中身の論点の1つ目で、人材の確保ということで、現状の欄にございますけれども、 まず有効求人倍率につきましては、全職種に比べまして介護や福祉の分野は有効求人倍 率が高くなっておりまして、常態的に求人募集が行われているような状況ではないかと。 それから離職率を見ますと、ここに数字がありますが、調査のベースが違いますので単 純に比較はできませんけれども、全産業の平均離職率が15.4%ということに対しまして 障害者施設従事者の離職率は11.7%というようなことでございます。それから給与を見 ますと、男性、女性ともに産業計よりもホームヘルパーあるいは福祉施設介護員ともに 低くなっている状況でございます。  おめくりください。  42ページで課題でございますけれども、今申し上げましたように、福祉、介護の人材 については人材の確保が課題になっております。厚生労働省におきましては、19年8月 に策定いたしました福祉人材確保指針、これに沿いまして、下に1から5がございます けれども、労働環境の整備の推進、あるいはキャリアアップの仕組みの構築、こういっ たことなどによって人材確保に取り組むこととしております。  43ページ、論点でありますけれども、論点といたしまして、障害者福祉を担う人材の 確保を図るため、福祉人材確保指針に基づき、労働環境の整備の推進などの取組を進め ていくべきではないか。それから2つ目で、キャリアと能力に見合う給与体系、適切な 給与水準を確保するために、適切な報酬を設定するべきでないか。また、専門性の高い 人材の評価の在り方を検討すべきではないかということにさせていただいております。  おめくりいただきまして、44ページ、中山間地等におけるサービスの確保の在り方と いうことで、現状の欄でございますけれども、身近なところでサービス利用ができるよ うに、下に幾つか例を書かせていただいておりますけれども、多機能型という事業類型 を設けて利用人員規模要件を実質的に緩和したり、あるいは施設のハード面であるとか 参入規制と、こういったことを緩和するなどして、小規模な市町村でも取り組むことが 可能なようにしているところでございます。  45ページ、現状の2つ目でありますけれども、また介護保険事業所の活用とこういう 意味では、下に基準該当福祉サービスとこういう仕組み、あるいは特区制度、通称934 特区と呼んでおりますけれども、これにおいて介護保険の小規模多機能型の事業所が提 供するサービスを障害福祉サービスとみなすと、こういう仕組みをつくることによって、 介護保険の事業所が障害者にサービスを提供した場合も自立支援法の給付の対象という ふうにしているところでございます。それから、下のほうでございますけれども、地域 活動支援センターにつきましても、利用者の状況に応じて柔軟に対応することが可能と いうことになっております。  おめくりいただきまして、46ページ、課題でありますけれども、こうした対策を講じ てはおりますけれども、中山間地などの中には、いろんなニーズがあるものの、事業所 が存在しない地域もあるところでございます。論点といたしまして、中山間地のサービ ス確保ということで、各地域の障害福祉計画に基づき、基準該当障害福祉サービス事業 所や934特区の制度なども活用しながら障害福祉サービスの基盤の整備を進めていくべ きではないか、さらに、基盤整備を促進するための何らかの工夫が考えられないかとい うことでございます。  それから、5点目で虐待防止・権利擁護につきましてでございます。  まず、虐待防止法制につきまして、そこの現状でございますけれども、障害者基本法 におきまして「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権 利利益を侵害する行為をしてはならない」。それから自立支援法におきましては、まず 一つは市町村の責務として、「障害者などに対する虐待の防止及びその早期発見のため に関係機関と連絡調整を行うこと」。こういったことなどが規定されております。また 事業者に対しましては、法律で「障害者等の人格を尊重するとともに」、ちょっと途中 を飛ばしまして、「障害者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない」。また、 サービス事業者の遵守すべき基準におきましても「利用者の人権の擁護、虐待の防止等 のため(中略)措置を講ずるよう努めなければならない」と、このようにしております。 しかし、高齢者、児童については虐待防止法が整備されている一方で、障害者の虐待防 止法制は整備されていない現状にございます。  すみませんが、ちょっと1点資料の訂正で、既存の法体系のところで福祉施設等のと ころで、「0〜17歳 児童福祉法改正案」とございまして「国会再提出準備中」とござ いますけれども、先日提出がされたというふうに伺っておりますので、修正をお願いい たします。  おめくりいただきまして、48ページ、現状(2)のところは関係方面からの指摘などを記 載させていただいております。論点といたしましては、高齢者、児童について虐待防止 法制が整備されている中で、障害者の虐待防止法制についても検討すべきではないかと させていただいております。  それから、2つ目で権利擁護(成年後見等)の普及方策といたしまして、現状の欄で ございますけれども、現状、権利擁護関係の仕組みといたしましては、1つ目の丸にあ ります福祉サービスの利用援助などを行う日常生活自立支援事業とか、あるいは民法に 基づく成年後見制度、それから地域生活支援事業における成年後見制度の利用支援事業 と、こういったものがあるところでございます。  おめくりいただきまして、50ページは日常生活自立支援事業と成年後見制度の概要と いうことで、日常生活自立支援事業というのは、本人と福祉協議会との契約で、福祉サ ービスの利用の援助とか金銭管理などを契約で行うとこういうものでありまして、一方、 成年後見制度などは、家庭裁判所に申し立てをして、裁判所が補助人、保証人、成年後 見人を選任して、重要な財産管理とか契約などの法律行為を支援する、こういう仕組み でございます。  51ページは地域生活支援事業の中の成年後見制度利用支援事業でありまして、1番下 に、具体的内容でありますけれども、申し立てに要する経費あるいは後見人などの報酬 の全部又は一部を助成すると、こういう仕組みでございます。  52ページで、その利用支援事業を実施している市町村は560市町村ということで、全 体の3割程度にとどまっております。利用者数は272人と、こんな状況でございます。 論点といたしましては、利用支援事業などの活用をさらに進めるべきではないかという ふうにさせていただいております。  それから、最後に介護保険制度との関係といたしまして、現状の欄でございますけれ ども、16年当時に介護保険制度の見直しに当たりまして、介護ニーズの普遍性あるいは 障害者施策の推進の観点から、介護保険の被保険者、受給者の範囲を拡大すべきと、こ ういう議論があったところでございまして、自立支援法の制定時にも議論となってござ います。  次の丸ですけれども、介護保険の被保険者、受給者の範囲につきましては、17年の介 護保険改正法の附則に検討規定が置かれたことから、有識者会議において18年3月から 議論が行われております。その有識者会議の中間報告では、1番下にありますけれども、 「介護保険制度の被保険者・受給者範囲については、今後の社会保障制度全体(介護保 険制度を含む。)の動向を考慮しつつ、将来の拡大を視野に入れ、その見直しを検討し ていくべきである」とこういうふうにしながらも、線の引いているところで、「当面、 介護保険の被保険者・受給者範囲拡大に関する国民的合意形成に向けた取組に努める必 要がある。」と、こういうふうにされております。  おめくりいただきまして、54ページで、与党のPT(プロジェクトチーム)の報告で は「介護保険との統合を前提とせず、障害者施策としての在るべき仕組みを考察」とい うふうにされております。論点といたしましては、介護保険の被保険者、受給者の範囲 の見直しについては国民的な合意形成が必要ではないか。また、障害者施策として必要 な対策については、この議論にかかわらず、進めていくべきではないかというふうにさ せていただいております。  それから、資料の2のほうは個別の案件の参考資料ということで、説明は省略させて いただきます。長くなりましたが、以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。今回は論点が非常に多岐にわたっております。全ての論点 を議論するというのは、もしかしたら時間的な制約で難しさが出てくるかもしれません。 しかし、少なくとも1のサービス体系と、それから障害程度区分、これにつきましては 議論を尽くしてまいりたいと考えております。3につきましては、時間を見ながら、皆 さんと合意に立った上で、論議をどのようにするか考えて進めさせていただこうと思っ ております。そういう進め方で皆様よろしゅうございますでしょうか。 (「はい」の声あり) ○潮谷部会長  はい、ありがとうございます。  それでは、まず初めにサービス体系についてご意見をいただきたいと思います。資料 2−1では16ページまでということになっておりますので、よろしくお願いいたします。 限られた時間ですので、はい、どうぞお願いいたします。 ○竹下委員  日払いの関係で、月払いにしたときの矛盾と日払いにしたときの矛盾があることにつ いてはよく分かるし、悩ましいところではあるんですが、ただ、問題を整理するときに、 この評価の仕方として非常に僕は実態に沿わない、誤っているんではないかと思うこと をまず指摘しておきたいんです。  私の表で、点字なので申しわけない。括弧でくくっているんですかね、障害者自立支 援法利用者の方々云々で始まるところの枠の中の星印で書いてある、点字では11ページ をと言っても仕方ないんですが、そのところでこういう評価をしているんですね。「事 業者は、利用者から選ばれる対象となり、利用者本位のサービスが促進される」とか、 それから「事業者にとっても、質の高いサービスを提供し、利用者を増やせば、その努 力に応じた報酬が得られる」と。これは僕は実態と全く乖離していると思うんですよ。 こういう評価をだれがしたのか僕は知りたい。  なぜならば、これを日払いにすることによって生じるものとは全く結びつかないわけ です。なぜなら、例えばそのうちの時間なり、一言で言えば日払いにしたら質のいい事 業所ができるというのはどういうつながりで言えるのか。もっと言えば、要するに質の 高い事業所を開設して運営して、それで利用者が100人来た。ところが、そのうちの50 名が、じゃ複数利用、要するに自立訓練と就労訓練をいわばセットにして利用した。そ のときに、質の高い施設と質の低い施設とでその利用者の選択にどういう影響をするの か全く結びつかないわけですよ。だから、こういう評価の仕方をすることは、後の対策 を立てるときに僕は誤解を招くと思うので、これはどういう実態からこういう評価をし たのかがもしわかれば教えていただきたいというのが1点目です。  それからもう一つは、確かに今回の団体からのヒアリングを聞いていますと、ほぼ全 ての団体や当事者等が日払いに対しては批判的だった。私の認識、記憶では、1団体だ けは日払いというものの評価をしておられた。プラスの評価をしておられたわけですが、 その方についても、やりとりの中で明確になったのは、利用者負担があるから日払いの 方を支持せざるを得ないんだということを明確に言っておられるわけですね。だから、 日払いということと利用者負担をくっつけたところに問題があるわけで、決して日払い にすることによって利用者の自己選択や自己決定権が保障されたことにはなっていない ということを指摘しておきたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただいまの竹下委員のご指摘は3ページから7ページにわたるところのご意見でござ います。皆様の中でほかにございませんでしょうか。  長尾委員。 ○長尾委員  日払いの問題点が非常に多くあるので、一つは欠席者が多い云々というようなことが 7ページにもありましたけれども、やはり精神の人たちについては、非常に状態の不安 定さとかエネルギーの不足とかいろんなことがあって、毎日継続的にやっていくという ことがなかなか不可能な人が多いわけで、休んだり、その日によって途中で帰ったりと。 いろんなことがあって、やはりそういうことで日払いでなかなか難しい、事業を継続す ることが難しいということがあります。  もう一つは、日払い方式になって自立支援法になって事業者の報酬請求というのが非 常に煩雑になって、それに対して物すごい時間をとられて、実際のサービス提供に対す る対応がなかなかできにくいということが生じているわけで、これはやはり何らかの形 で見直すべきではないかというふうに思います。ですから、何らかのそういう日払い方 式で個別の小さなものを積み重ねて報酬を請求することについても、何らかの形で見直 していくということはやはり考えられるべきではないかと。  それから、自立支援法になって昼夜分離ということが出てきましたけれども、その事 業の選択云々ということが利用者によってされるということが出てきたわけですけれど も、精神にとっても、昼夜一体型ということがある程度やはり必要な場合があるわけで、 だからそういう面の全て昼夜を分けてやっていくということでなくて、現行の社会福祉 施設である生活訓練施設とか福祉ホームB型というようなことは現在も経過措置として あるわけですけれども、やはり何らかの形のそういう一体型ということももう一度見直 す必要があるんではないかということが挙がっています。  それと、もう1点は標準利用期間ですね。これは、訓練等については期間が定められ ているわけですけれども、これについても、精神について言えば、なかなかこれだけの 期間訓練したからすぐステップアップして次々いけるということは非常に少ないわけで すね。こういう観点からも、やはり標準利用期間の設定というのは、これはきちっと見 直していくということが必要になると思います。そういうことをやはりこの観点で言い たいと思います。  それからついでに、ちょっと後の論点で、地域生活支援事業のこともちょっと含めて、 サービス体系との給付の問題もあるんですけれども、今現在、自立支援法下の就労継続 であるとか訓練等給付とかを受けている部分についての部分と、それから地域生活支援 事業で地域活動支援センターとかの利用と、人によって、ごく少ないですけれども、午 前中あちらへ行って午後からちょっとこちらへ行ってとかいうようなことが出ている人 もないわけではないんですね。その場合には、給付がどちらかにしかできないというこ とが生じてきているように聞いているんですけれども、そういうある程度の日中活動の 柔軟なそういう対応の仕方とか、そういったことも考えてみるべきではないかというこ とを言いたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  もう少しご意見を伺って、冒頭の竹下委員から出されました日払いに関わるその評価、 これはどういう根拠性に基づいて評価をされたのかということを事務局のほうから回答 を得られればというふうに思います。  星野委員、お願いいたします。 ○星野委員  竹下委員の発言に続いてですが、7ページを開いていただきたいんですが、月払いに するとサービスの利用量に関係なく給付費が増大し、また、これに伴い利用者による負 担額も増大するとなっています。しかし、月額負担上限額があり、さらに今年7月から 始まった本人のみの所得分という認定になって、実態としてはほとんどがここには到達 しないので負担額増大にはつながらない。非常に誘導的な書き方に思えますが、実態数 を知りたいということです。  それから、私どもの提出資料の中にも日払いについての意見は書いてありますけれど も、要は、私たちの団体で会員施設の利用者の状況を聞いてみますと、93.4%の利用者 がほとんど毎日利用したいんだと言っています。週1〜3回とか、あるいは不定期に時 々とかという利用者は5%ぐらいという実態です。ですから、私たちは併用の契約をれ ばいいと。その人が求める使い方といいますか、利用の仕方に則した契約を求めるべき だろうと。  我々は最初からこの日払いについて課題を言っているわけですが、今日の資料の後半 でもいみじくも出てきますが、人材確保支援等々を含めて、本当に事業者が安定した経 営を求めてという言葉の裏は、要は人材の確保につながり、そして質のよいサービスを 継続して続けていくということから、必死になって本当に絞り出す声で言っているわけ ですから、そういう意味も含めて考えていただきたい。  それから、私たちの団体特有の話かもしれませんが、自立支援法の実態として、就労 継続支援のA型事業で日払いになることでかなり矛盾があると。要は、A型は雇用契約 と利用契約と両方を契約しなければいけないわけですが、雇用契約で認められている年 休、ここがその実態の利用者の姿と事業の運営の実態との乖離といいますか、非常に大 きな矛盾を抱えているので、この辺から含めても、我々は、望む人は契約として日払い 契約をすればいいし、基本的には月払い契約でいくべきではないかというふうに思って います。日払いについては以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。それでは、はい、どうぞお願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  竹下委員と星野委員のご質問に同時に答えるような形になりますけれども、ここは皆様 方の資料と申しますと、4ページのポンチ絵の下の部分の記述と7ページの課題の部分の 下のほうの記述ですね。この辺りはある意味では裏があるのではないかというふうに思い ますけれども、確かに、もとより私どもも、先ほど星野委員がおっしゃったような自己負 担の上限額との関係でどんな実態になっておるのかというところまで実態を把握しておる わけではございません。むしろ、制度的な仕組みとして月払いではなくての日払いという 形にいたしますと、まさにサービスの提供なり、それに対する支払いが日々生じてくると いうことになるわけでございますから、利用者のほうで例えば同じ1週間でも何日かはA 事業所に行き、何日かはB事業所に行くというような、そういう選択が認められるという ことで、そうなりますと、事業者のほうが利用者から選ばれる対象になると、やはり利用 者にとってみればできるだけ質の高いサービスが提供されるような事業者を選ぶことにな るのではないかといったようなそういう考え方の基で4ページの下の部分の記述はしてご ざいますし、その逆と申しますか、7ページのほうは、それを月払いに戻すといたします と、逆に複数の事業所に1カ月分の報酬をそれぞれ支給せざるを得ないような形になるも のですから、これはA事業所、B事業所というふうに同じ日中活動でも2つの事業所を使 われるといたしますと、月払いですとそれぞれ1カ月分の報酬を支給するような形になる ものですから、こういうようななかなか難しい問題も生じるのではないかということを記 しておるところでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。竹下委員、星野委員、ただいまの説明でよろしゅうござい ますか。 ○星野委員  全然納得できません。ちゃんと答えてくれてない。 ○竹下委員  そうなんですよ。全然答えになってない。  ちょっとよろしいですか。 ○潮谷部会長  どうぞおっしゃって。 ○竹下委員  長くなります。  答えにくいのはわかりますけれども、それはやはり違うと思うんです。例えば、その 後ろに評価のところでこういうふうに言っているわけでしょう。「利用者本位の観点か ら、日払い方式等のサービス体系を維持しつつ」というふうに、もう既にどこまでか前 提をつくってしまっているわけですよ。それ、本当に本質に沿っているのかと言いたい。 要するに、今の日払い方式は、ずっとこういうふうに出ているけれども、現実には日払 い方式のために、休みたいけれども休めないという声が強いわけでしょう。それはまさ に利用者本位じゃないわけですよ、既にね。しかも僕は、サービスの複数事業を利用す ることから来る重複払いというものを調整する技術的なことは可能だと思うのに、それ を何か技術的にやらないでおいて、いわば本末転倒といいますか、日払いにしていわば 事業所の質の低下を招いている。そのくせ利用者本位だとか、それから質のいい事業所 をつくろうとしているというのは、どうもそこは矛盾していると思うので、こういう評 価をする上で、やはり実態を少し数字の上でも、あるいは具体的な事業所の声なども聴 取した上で評価すべきだろうというふうに思います。以上です。 ○潮谷部会長  星野委員。 ○星野委員  同じでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  はい、西村参考人。 ○西村参考人  失礼いたします。この自立支援法ができてもう間もなく3年が来ようかという時期が 出て、実際に移行されておる、自立支援法の適用を受けてやっておる数字と内容と、こ の趣旨と目的と、日払いと月額のいわゆる極端な説明かもわかりませんけれども、実際 に移行ができていないというが実績が物を言っていると思うんですよ。だから、その辺 りを謙虚にやはり厚労省は受け止めて改革するべきであって、日払いといわゆる月払い の論点で云々ということに時間をつくるよりも、もっといわゆる今の制度と現実に合っ た仕組みと制度簡素化、これをきちっと国民のためにやるべきであって、やはり組織の ためにやる労働省ではないと思います。  それと、今回のいわゆる労働関係の問題にしましても、非常に社会保障の枠を超えた、 非常に障害者を無視した仕組みと制度になっておるということは私は明らかだと思いま す。結果で物を言えると思うんです。だから、毒まんじゅうを幾ら食っても後出すとこ ろがないというのが現状だと思います。知的障害者に、やはりサービスの体系を何々で あなたこうしなさいと枠して、それでこの中には自己選択を云々とかいうふうな表現も ありますけれども、現実と制度が違っておるということをやはり認識していただきたい し、この制度の中には、やはりばらばらなんですね。1つずつ説明されたら非常に美化 されて厚労省は説明されていますけれども、実際にやはり一人の人間が生きていく上に 必要な制度ではないんですね。と私は認識しておりますので、その辺りまで、きちっと 整合性のある制度にこの際に直していただきたいことと、やはり日払いであっても、も っと安定した人員確保のできる制度仕組みにしていただきたいことと、3年間いわゆる これは費用を凍結していますから、やはりことしの4月、21年の4月からは今の現状で ざっと計算すれば9%以上の報酬単価アップを要求したいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  お願いいたします。野沢委員。 ○野沢委員  日払いが非常に評判が悪い中で、私こんなこと言うと袋だたきに遭いそうなんですけ れども。消費者側というか利用者側から見ますと、いろんなサービスがパックになって 提供されるよりは、その日のというか、そのときの体調だとか気分だとか好みだとかに 合わせて利用者側がそれを選ぶというもののほうが私は断然いいと思うんですね。原則 的にはいいと思います。それが日払いなのか昼夜分離なのか、議論はいろいろあるんで しょうけれども。それともう一つは、よいサービスを受ければ受けるだけ、その分障害 者はどんどん変わっていくと思います。成長していくと思います。成長していくとそれ までのよいサービスでは飽き足らなくなってくる。これは宿命だと思うんですね。サー ビスを提供する側と受ける側の関係性の宿命だと思っているんです。そういう微妙な緊 張関係の中でサービスを提供する側もどんどん良いものを追求していくわけで、障害者 だけそういうものから取り残されていいはずはないと私は思っています。  ただ、それで結局そのサービスを提供する側がつぶれてしまっては、やはり利用者側 に一番しわ寄せが来るんじゃないかと言われると、それはそのとおりだと思うんですね。 だから、「市場を福祉に持ち込むな」と言われる気持ちはわかりますけれども、その辺 は何か折り合いをつけてほしいなというのがあります。  それと、でも果たして本当にそうなのかなということをちょっと考えてみたりするん ですね。私は静岡県の熱海の生まれです。昭和30年代、40年代なんていうのはホテルが 大隆盛でして、もう平日からばんばんにぎわっていました。ところが、団体仕様の大き なホテルなんてもう使えなくなってきて、社員旅行する会社なんてなくなってきて、そ の後は惨憺たる状況なんですね。じゃあ、今どうなっているかと言えば、小さなペンシ ョンができてきたり、家族用の内風呂がある小さな旅館ができてきたり、小さなリゾー トホテルやマンションが出てきたりして、またどんどん町が変わっていくんですね。古 くて利用者側から、消費者側から選ばれなくなってきたものがなくなっていって、ある いはそういうところが新しい消費者のニーズに合わせて変化していくことによって、そ の時代に対応したものが生まれてくるんじゃないか。むしろそうしなければ時代に対応 したものが生まれてこないんじゃないかというふうにも思ったりするんですね。  それともう一つ。個別給付にしろ市町村事業にしろ、やはり公費が使われているわけ で、納税者の納得のいくような使われ方をしなければ長期的に見たら信頼は失われてい くだろうし、障害者福祉にはもっと公費が欲しいわけですけれども、やはり真に納税者 の理解を得なければ限界はあるんじゃないかなということを思っています。じゃ、それ がどういう在り方が正しいのかということは、もっと議論しなければいけないとは思う んですけれども、やはり納税者は障害者のためにお金を障害者福祉に投じているのをわ かってくれるわけで、消費者である障害者の選択、障害者のニーズというものを最優先 してサービス体系の在り方を考えていくべきだと私は思っています。  それと、障害福祉の分野は本当に消費者の側の意見というものがなかなか出てこない なということは私、常々考えているんですね。私も育成会に随分長いことお世話になり ましたけれども、育成会は知的障害者としては一番の消費者団体だと思うんですが、地 域の育成会を見ると、事業をやっているところがほとんどでして、本当に純然たる消費 者団体たり得るのかといったらそうではなくて、むしろ事業者団体、事業する側の団体 に近いんじゃないかなと思うんですね。  そういうことも踏まえて、あえて何か友達を失いそうで怖いのですが(苦笑)、議論 を深めるために言わせていただきました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  佐藤委員。佐藤委員の後に安藤委員、お願いいたします。そして箕輪委員、広田委員、 お願いいたします。そういう順序でとりあえずは。 ○佐藤委員  もっと後の課題のところで発言したかったので、今回はここでは黙っていようと思っ たんですが、野沢委員が袋だたきに遭うかもしれないとおっしゃっていたので、私は少 なくとも殴る側には回りませんということで、ちょっとこの場面でも発言をさせていた だきたいと思います。  日払いと月払いの件に関して、かつて介護保険の議論がされていたときに、骨格があ らわれてきて、ケアマネジメントに基づいていろんな利用ができますよと。このときに、 私はもうその時点からずっと障害者福祉もそういう方向でやるべきだと考えていたわけ ですけれども、私、当時働いていた地域で通所型の小規模作業所がたくさんあったわけ ですね。多くは親の会の運営で、どこもかしこも非常に苦しい運営をしていたわけです けれども、今、埼玉県の具体的に言うと東松山市とその周辺の町村なわけですけれども、 みんなが同じように小さくて、同じように苦しい運営をして、なおかつ中身も同じよう なことをみんなやっているわけですね。私は、やがて制度が変わったらみんなそれぞれ 特色を出そうよと。うちに来れば1日じゅう陶芸のようなことをやったり、あるいは絵 のようなことをやったり、うちに来れば1日じゅう働いて何かお金を得るようなことが できる。うちに来ればいろいろと屋外で遊ぶようなことが中心のプログラムだと。それ ぞれがプログラムを持つことによって、今日はここに行こう、あしたはここに行こうと いう、この狭い地域の中に幾つもある小規模の作業所が全部同じことをやっているから、 とりあえず一番近いところに行ってオーケーだということに、そこしか行く場がないけ れども。ここはみんな作業所同士も手を結んで、いろんなふうな使い方をすればもっと 利用者の生活は豊かになる、そういう制度になるはずだとさんざん言って、結果的には だまされたと批判されましたけどね。何もそんなことになっていないじゃないですかと。 いろいろ日を経て、その後自立支援法になって、確かにそういう使い方ができるような 形は整ってきた。だから、私はやはりこのことはとても大事なことだと思います。  ただ、運営上の問題がいろいろある中で、厚労省も取ってつけたようにこのほうがい いんだというちょっと無理な理屈づけをしたり、あるいはもっと私悪いと思うのは、事 業者を単に競争させるということで、そのことがいい施設を生むはずだと言うけれども、 この間、競争社会になって何が出てきたかというと、余りいいことは出てきていないで すよね。偽装だ、隠ぺいだという話ばかり出てきているじゃないですか。だから、もっ とそこは基本的に、利用者が本当にどうやったら楽しい暮らしができるのか、今よりも 充実した毎日を送れるのかということに関して、それぞれの事業者がきちんと安定した 運営ができるような報酬を考えながら、なおそこにいろいろなものをゆだねていって、 利用者中心ということが本当に実現できるような形を整えていく。その際に、私はやは り原則としての日払い方式というのは非常に見込みのあるやり方だというふうに思って いて、これは紛れもなく利用者の側に一つの選択権を与えるために必要な措置だったと 思います。  議論を進める際に、我々は今ここで議論していることは、施設をどうやって運営して いくか、どういう仕組みの中だったら施設が安定して運営できるのかということを中心 に議論しているわけではなくて、障害がある人が安心して生きていける地域社会づくり をどうするかということを議論しているんだと思いますので、その点で私は、日払い方 式の原則は遵守しつつ、今ある問題を整理するというスタンスで議論を進めるべきだと 思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  その後、安藤委員。 ○安藤委員  安藤です。1ページに関してですが、サービス体系ですけれども、この体系と申しま すのは現状において反対する人はいないんではないかと思うんです。この体系について は、私たち障害者団体もほぼ賛成できると思うんです。  ただ、この体系をきちんと効果的に活かしていくためのインフラというか基盤面の整 備が課題と思うのです。一つは、障害者にもいろいろありまして、24時間介護や見守り を必要とする重度の障害者の問題を考える必要があると思うのです。サービスの利用が 重なるなど、多くなれば多くなるほど負担がかさむというような現状の是正が必要だと 思うのです。また、皆でささえる福祉といいますが、重度の障害者の皆さんの場合、支 えるだけの所得がないことを理解すべきです。このように所得保障がないという現実を きちんと押さえる必要があるんではないかと思うんです。したがって、このようにサー ビス体系の問題については、基盤がしっかりしているかどうかをまず分析し、整理する 必要があるんではないかと思うのです。  次の下のほうの米印の「なお」の(1)の障害程度区分ですけれども、この障害程度区分 については3年前に見切り発車的なスタートをした経過がありまして、基本的には、介 護保険がモデルになっているとの批判が今まで出てきています。  聴覚障害者の場合でも、聴覚障害者の特性がきちんと反映されるというような大きな 課題があります。したがって、精神とか知的障害者を含めた個々の障害者の特性をきち んと反映させるような区分に持っていく必要があると思うんです。  次に、(2)ですけれども、市町村の個別の判断により支給を決定するんですけれども、 このことがサービスの全国的な格差を増長させている感じがするんです。この市町村の 個別の判断には、厚生労働省の丸投げというか、無責任的な姿勢があるんではないかと 思うんです。  一つの例で言いますと、聴覚障害者のコミュニケーション支援事業の場合でも、手話 通訳者に対する謝礼とか登録資格等が全国一律ではないんです。  私たちは、厚生労働省で要綱的なものを作成して、全国一律に公正に利用できるよう にしてほしいとお願いしているんですけれども、厚生労働省は、地方分権とか市町村の 判断とかと言って、まともに取り組もうとしないんです。  したがって、市町村の個別の判断というところを整理して、必要なら全国一律に実施 する方向で考えることが必要ではないかと思うんです。  次に、(3)ですけれども、「地域の実情に応じて事業を実施する」ですが、地域の実情 ですけれども、私は宮崎にいますけど、財政的に厳しいところでありまして、障害者医 療面でも他の地域と違った厳しさがあります。宮崎県の場合、障害者のニーズに沿った 単独事業の事業とか、独自の軽減策は全くできないのです。財政が豊かな市町村では、 市町村独自での軽減策がなされています。このような全国的な格差を解消して、サービ ス体系が全国一律、公平にできるように厚生労働省は考えていく必要があると思います。 以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  確認をさせていただいて、安藤さん、よろしゅうございますか。まずは、このサービ ス体系の在り方そのものに現状として問題をはらんでいると。とりわけ、その中で障害 程度区分というのが、客観的尺度として見ていくことに困難性があるからということで、 市町村に任せているということはある意味では丸投げではないか。それと、地域の実情 に応じてというそのことが、結果論としては市町村の財政問題と絡んできて格差をつく っているのではないかという、こういう趣旨で受け止めてよろしゅうございますでしょ うか。はい、ありがとうございます。  引き続いて、箕輪委員、お願いいたします。 ○箕輪委員  16ページのところまで順番で一息でいいですか。 ○潮谷部会長  地域生活支援事業は後のところでということで。 ○箕輪委員  わかりました。  まず、先ほどから話題になっております「日払いか月払いか」についてです。企業と 福祉の事業運営について違う部分はあるかもしれませんが、お客様のニーズに合った商 品をつくり、お客様に喜ばれるサービスを提供するということに違いは無いと思います。 お客様がご来店されない日や商品が売れない日も含めて事業が継続できるような経営を します。商品もサービスも地域のニーズにあったものを提供しなければお客様にはご来 店いただくことはできません。サービスの質を維持できない理由が日払い、月払いなの かというと、そうではない要因もあるのではないでしょうか。  限られた報酬の中でも赤字にならないよう工夫をし、サービスの質を維持している就 労移行事業者もあります。例えば、固定経費である家賃を抑えるために、貸しスペース を活用したサテライト事務所にし、就労訓練を全て企業内(施設外)で行うことで、訓 練スペースや設備を持たなくて済むうえに、本当の仕事に携われるのですから一石二鳥 です。送迎も、朝夕のみなのであれば自前の車を持つ必要がないのですから、地域で契 約をして必要なときだけ配車していただくようにするなど、限られた収入の中で、お客 様とって必要なサービスを提供しようと工夫や努力をしている事業も数多くあります。  「日払い」が「月払い」にかわったら、本当に全ての事業所のサービスの質が向上する のでしょうか?自立支援法が施行される前は、全ての事業所のサービスがお客様にご満足 いただいていたのに、自立支援法の施行にともなってサービスが低下したのでしょうか? 全国40くらいの都道府県にうかがい就労支援事業者や特別支援学校を見せていただいます が、販売されるあてのない物を延々とつくり続けていて、つくった物はそのまま廊下に高 く積まれている事業所もありました。  野沢さんおっしゃったように、やはり事業者の運営に関することと、障害のある方が少 しでも豊かな生活ができるように考えることとは、分けて考える必要があると思います。 その2つは相反してしまう部分もあるのかもしれませんが、やはり障害のある方ご本人の ことを一番に考えていく必要があるのではないでしょうか。  先ほど、精神の方で突然お休みされることがあるというお話がありましたが、精神の方 に限らず、体調が悪いために、当日利用をキャンセルする方はいらっしゃると思います。 もともと予約が入っていたのに当日キャンセルが発生した場合については、キャンセル料 をいただくわけにはいかないと思いますので、別な方法で補償する仕組みがあれば良いの ではないでしょうか。就労移行支援は、サービスの質が高いからこそ利用者が次々に地域 移行し、瞬間的に利用者が減少するということが発生します。それについても、「月払 い」ではなく、成功報酬的な仕組みの方が質の向上につながると思います。  そもそも利用者が少ない理由には、いくつかの種類があると思います。そもそも住民が いない地域の事業者と、人は住んでいるのに利用されない事業者とでは対策が大きく異な ります。審議会の委員の皆さんがご存じの事業所はお客様に満足いただいている事業所ば かりなのかもしれませんが、実際に各地を歩いてみると、サービスの質をもう少し向上し ていただきたいと思う事業所も目にします。繰り返しになりますが、「月払い」でサービ スの質が向上するのでしょうか?  それから、9ページにある標準利用期間についてですが、学校と比較して申しわけない のですが。もし間違えていたら宮崎先生にご指摘いただきたいです。例えば訓練校にして も特別進学校にしても、必ず卒業までの期間が決まっています。卒業時期が決まっている からこそ、その時期にまでに目標をたて、育てようと努力をされるため、成果がどんどん 上がっていると思うのです。仕事でも、期日が決まっているからこそ、その期日までに結 果を出すように努力をします。やはり、2年以内にやれることをやっていただいて、例え ば、就労移行支援で、もしうまくいかなかったという場合には審査会で、利用者の適性な どを審査されると思いますが、事業者の適性についても同じように審査していただく必要 があるのではないでしょうか。利用者の方が目標を達成するために、今利用している通っ ている事業者が最適なのかを見極めることも重要です。それから、就労支援なのですから、 地域の求人状況も把握する必要があると思います。障害のある方に限らず求人が厳しくな っている時期もありますが、2年間の中で利用者は就職の準備が整ったのに求人が全く出 なかったのであれば、事業所のサービス内容も変わってくると思います。利用者の適性、 事業者の評価、それから求人状況、労働市場など様々な角度から審査したうえで、利用期 間を延長することで課題が解決できると判断するならば、その個人の期間を延長すれ良い のではないでしょうか。実際に、自立支援法の施行にともない、利用期間が定まったこと で、地域での就職に結びついたという方もいます。 質問なのですが、自立支援法の施行 から2年を経過し、就労移行事業が2年間でどうなったのかデータがあればお示しいただ きたいのですが。2年かからずに1年以内に就職した方もいらっしゃるときいています。 そのようなケースがどれだけ実際にあったのでしょうか。それから、支給決定が1年ごと ですので、2年間たった結果を確認していただいて、うまくいっている事業者の話ももっ と聞きたいです。  最後ですが、12ページに「新体系への移行の中で全体で28.2%だけが移行している」と 記載されていますが、それが多いのか少ないのかは別として、これから移行を促進するこ とを検討するのであれば、やはり進まない要因というのをしっかりと把握していかないと 有効な対策が立てられません。移行が進まない要因とあわせて、移行が進まなかったとき に、障害のある方にどういう影響を及ぼすのか、障害のある方にとって移行が進まないた めに不利益をこうむることはないのかもお聞きかせいただきたいと思いました。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  箕輪委員のほうからは後でも結構ということでございますが、事務局、何かあります か。 ○藤井障害福祉課長  今、箕輪委員からのご質問でございますけれども、地方関係のデータにつきまして、先 般、就労支援の議論をお願いいたしましたときにかなり限られた範囲ではございましたけ れども出させていただいたものと、それからあとつけ加えるといたしますと、正直これ、 まだ施行後余り年数がたっておりませんので、箕輪委員おっしゃるような1年目とか2年 目とか年数を追って就労移行支援事業において一般就労がどれぐらい進んでいるかという ことをあえて何がしかデータを用意するといたしますと、例えばこれ、平成17年度以前か ら同じような事業をやっていたところが私ども手元に把握している限りで3施設ほどござ いまして、3施設ですから非常にサンプルは少ないんですが、その3施設だけでデータを 見ますと、1年以内で一般就労に移行した方58%、それから2年たちますと85%といった ようなそういうデータ、繰り返しますが、これ3施設だけですけれども、手元にあるデー タという意味ではこの程度でございます。 ○潮谷部会長  箕輪委員の論点の中では、一つは9ページのところに絡んで申し上げますと、件数より もむしろ事業主体として評価、事業主体の在り方も含めて評価というようなことがなされ ているのかどうかという、そういったことも含めての質問というふうに思います。それか ら12ページのところの28.2%というのは、進まなかった数的な背景の中にある要因、そし てその要因が何に基づいてそういった事態を招いているのかという分析の結果、そこ辺り が明確にされていかないと今後ともそれはなかなか難しい状態になっていくんではないか というようなご質問の要素がございました。  これは、やはり非常に範囲としては多面的な要素があると思いますので、次回出してい ただくということで箕輪委員、よろしゅうございますでしょうか。何かそれでつけ加えて ……。 ○箕輪委員  とにかく2年間というのは本当に長い時間だと思います。1年間あればどれだけのこと ができるでしょうか。どうしたら、人生の大事な1年間を充実させることができるのかを 考えていただきたいです。訓練期間が短ければ短いほど、その後の、別な活動、別な人生 を長く過ごすことができるということを忘れないでいただきたいということをつけ加えさ せていただきます。 ○潮谷部会長  そういったことですので、件数という形よりも、例えば非常に進んでいる事例として障 害者の人に対して確実に計画的にロードマップをきちっとつくって、本人の持っている残 存機能、さらにどういう方向性の中で導くかという、いわばケースマネジメントに関わる ような手法の事例もありますよとか、あるいは、そうではなくて日にち、年数ということ の中で関わっている事例もありますよとか、そういった件数以外のよい事例を出されると とてもわかってくるんじゃないかなと思うんです。そのことも含めて、ちょっと内部的に 事務局側で検討していただければと思います。 ○藤井障害福祉課長  はい、わかりました。 ○潮谷部会長  それでは、引き続いて広田委員、お願いいたします。 ○広田委員  発言を控えていようと思ったんですけれども、野沢さんが袋だたきに遭うと言うから、 袋だたきに遭った者として、2年前に、10月31日に自立支援法の集会が日比谷で行われま して、1万何千人かの人が集まった。その中に横浜の作業所の私たちの仲間がいて、作業 所が交通費を出して職員に連れてこられたという発言をここでしたら、事業者の人たちか ら袋だたきに遭って、名指しで私がたたかれているということで、名指しでたたくぐらい だったら本人にじかに言ってくださいとお電話をさせていただきましたけれども、そうい うふうに言論の自由がないということですね。  それで、アメリカのADA法のようなものだと、障害者が一体化して、例えば重役をや っているダスティンみたいな人、後にクリントン政権に入ったジュディ・ヒューマンとか マイケル・ウィンターとか、そういう形でわかりやすいんですね。ここは障害者部会と言 うんですけれども、障害者の数よりも障害者以外の人の数が多くて、障害者部会という名 前がふさわしいのかなというのはこちらに置いておいて、竹下さんと、いつも何か弁護士 と検事さんになっちゃうんですけれども、さっきの日払いになるといわゆるコンシューマ ーが休めなくなるというのはまさにせつないんですね。日比谷に連れて来られた仲間なん ですよ。私も20年前にすばらしくない作業所に行っていましたから、もし20年前にやはり ああいう集会があれば作業所の職員に連れてこられた一員なんですけれども、たまたま1 年間後に民間企業で働いたから、今日ここに来て発言できているけれども、そういうふう な本当にいわゆる障害者本人の声に対して、ことしの10月31日には、ここに参考人として おいでになった日本障害者協議会の藤井克徳さんが、2部の全国各地の声で、私もある人 から日比谷でスピーチしてくださいと言われましたけれども、もうやめようよ自立支援法 という集会に自立支援法の見直しをしている障害者部会に出ている人間が出ればややこし くなるでしょうということで、お断りしましたが、こういうふうにお話しされていました。  厚生労働省は数字をつくる。厚生労働省はうそをつく。どこがうそか私にはわかりませ ん、占い師ではありませんから。厚生労働省はいなくなる。確かにいなくなりました。こ の3期務めさせていただいて、いなくなって、前回も言いましたけれども、こういうこと をやっているのは本当に遅いと思います、やっていることが。いなくなったら速やかに後 任がやると。そういう継続の中でやらなきゃいけないのに、この12月までばたばたとやっ ているということで、それで、障害者が見たときに、私、自立支援法の理念はいいなとき のう説明を受けていて改めて思いました。私は勉強が足りなかったように思うんですけれ ども、本当に障害者が自己選択し、自己決定し、自己責任という発言をしていたら仲間か ら電話があって、「我々だけの責任じゃないよ、広田さん。職員の質が悪い場合は職員の 責任も伴うんだよ」と怒られましたけれども、そういう中で自己選択していく力があると いうことですね。それで、長尾先生はさすがに精神病院の経営者だなと。精神病院は昼夜 一体が何とかと言っていましたけれども、そうじゃなくて、7万人とも10万人とも15万人 とも言われる社会的入院の患者も外に出ていく法律だというふうに私はこれを勉強してい るうちに思って、勘違いだったら厚労省が違うと言っていただきたいんですけれども、そ ういうふうにもう、いらっしゃらない人のことは言いたくありませんけれども、ここに事 業者、さっきの野沢さんの話は本当に的確でしたよ。育成会、今度私も原稿書かせていた だきますが、お友達になりますけれども、お友達になる前に嫌われるかもしれませんが。 要するに一見コンシューマーだと思われる団体が実は事業者になっている。ここにこのや やこしさがある、福祉の。そこがいわゆる企業との違いで、こんな大変なんだよというこ とをここで言わないでほかで言っていて、ここで反論しないで、ほかで広田さんが、野沢 さんがということになりますから。ぜひ事業者の皆さん、ここで本音を言っていただきた い。  私はコンシューマーの立場から、この自立支援法が、日払いの内容については今日論議 になっていますが、こちらに置くとして、自立支援法が本当に障害者が自分の使いたいサ ービスを使えるということで、あといろんな課題はたくさんありますけれどもというふう に思っています。だから、ぜひ事業者の皆さん本音を言ってくださいということで、本音 をお願いします。 ○潮谷部会長  君塚委員、川崎委員、お願いいたします。 ○君塚委員  2点ほどです。一つは、どなたもお話しされないので、野沢委員がマスコミのリーダー であるということも含めまして、野沢委員のご意見にバッシングほどではないのですけれ ども、少し意見を述べさせてもらいます。熱海の話が出ました。ペンションではドタキャ ンはキャンセル料を取ると思いますが、私たち、重たいお子さんたちが今日は熱が出て行 けませんと朝キャンセルが入ってもキャンセル料は取れません。それから、例えばペンシ ョンでもサービスの内容によって価格が違うと思いますけれども、私たちの場合には、そ のサービス内容、これだけ自分で別にお金を払いますからこうしてほしいという対応はで きませんで、基本的に営利企業営利追求の理念と福祉のこうした理念とを比較されるべき ではないということを改めてここの部会では共通認識としていきたい思います。  もう一つは、3障害の一元化に対して、基本的に私たちも少しずつその準備をしていま す。例えば、私たち肢体不自由児施設ですが、寝たきりの多い児の中に、走り回る動く重 症児の短期入所を受けています。そのために建物構造を何百万円もかけて対応をしていま すけれども、負担となっています。一元化への準備のための対応に財政的補助が必要と考 えており、何とかして頂きたい。その2点です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  川崎委員。 ○川崎委員  実は、先ほど来から障害者自立支援法における質の高いサービスということが言われて おりますけれども、実際、利用者の立場に立って何が質の高いサービスなのかなというこ とを私はちょっと疑問に思っております。  実は、従来の作業所がかなり、支援法になりましてどんどん新事業に移行してきました。 そうしますと、やはり日払い制ということがかなり関係してきまして、現場では利用者に ある程度強要する、やはり来るようにというようなことを強要されて、本当に行きたくな いんだけれども行っている。そのために精神の人の場合には体調を崩して休んでいる人も いる。そういう人へのサポートが実は今の事業所では何もされていない。そういうことを 考えますと、本当に利用者の側にたった質の高いサービスというのは何なのかなというこ とを言わせていただきます。  確かに、就労につながっていけるということは障害者にとりましてはとても大きな生き がいになりますけれども、特に精神の場合にはなかなか一足飛びにいけない。ですから、 就労継続をしている事業所においては、利用者は真に必要としているサービスを受けてい るか、実態はとても厳しいものだと考えます。個人のサービス計画が充分に機能している かはたいへんに疑問に思うところです。本当に利用者サイドに立ったサービス、その質の 高いサービスがされていないのではないかということを私は懸念しています。以上です。 ○潮谷部会長  副島委員、お願いいたします。 ○副島委員  今、矢面に立っています育成会です。野沢さんのほうからも育成会の弁護が出ました。 本当に言われるとおりだと思っているんです。特に、まず日中と夜間の分け方の問題にし ても、我々は人間として、人として普通の生活をしたい、我々の子供にさせたいと思って いるんです。それが、昼の生活場所と夜の生活場所がずっと24時間一緒だということは不 自然だと思っています。ただ問題は、全ての人がそうあってしかるべきかということでは なくして、そういうような状態が適した人もいるかも分からない。だから、そういう面で は原則的に昼と夜は分けるのが正解であって、特例のケースとして一緒にすることも必要 だと思います。  問題は日払いのところです。前回、育成会のほうから発表したときに、日払いについて は利用者としてはすごくいい制度なんだと言いました。今まで私ども利用者の立場で考え たときに、これまでの福祉サービスがいいサービスだったのかということに対しては、疑 問を持っているんです。本当に必要なサービスが少なくて、ある面では我慢して今ある既 存のサービスを利用していたんじゃなかろうかと。そういう中で、日払いということにな ると、本当に自分の体調に合わせてとか自分のやりたいことを、例えば就労の部分とか、 それから福祉的就労とかデイサービスとか、使い分けができるわけですね。だから、そう いうところで自分の体調、自分の思いに合わせて利用ができる。こういうところから、や っと本人の、利用者本位のサービス体系ができたと思っているんです。  ただ、問題は、そのときにサービスがだんだんなくなってしまったり、利用できるもの がなくなっている状態に今あります。それは、日割りということの問題よりも事業所側の 経営が成り立っていかない状態になったということではないかと思うんです。だから、日 割りの問題と事業所の経営の問題は別の問題じゃなかろうか。日割りと同時に報酬単価の 減額が発生していますね。日割りの体制で利用者が事業所を利用できて、そしてかつ、い いサービスが提供される事業者の経営実態を保障していくということ、そのことがあれば、 この日割りというのはまさに我々利用者にとってはすごくいい制度だと言えるんじゃない かと思うんです。  それから、もう一つ我々が心配しているのは、これも野沢委員が言われたんですけれど、 福祉は税金を使っています。一方で、地域の中では我々の問題はいつも障害者の差別とか 人権の侵害というところに結びついているんですね。そういうことから、税金を使うこと に対する納税者の理解というものも必要な時代じゃないかと思っているんです。そうする と、地域の中で我々自身がサービスを利用して地域で安心して暮らせる、その姿を描くの に、納税者もそのことが妥当であると、そこには税金を使ってもいいと思うというふうな 形の制度設計をつくっていかないと、ただ権利だけで税金を障害者福祉に投下していくこ とになれば、障害福祉だけが社会保障制度じゃないわけですから、大きな問題の中で考え ていくべきです。今までと同じような形で障害福祉のここだけに税金を投下すべきだとい う論法がだんだんと言いにくくなるような社会情勢だということも考えていかなければな らないと思っています。やはり国民と一緒になって、納税者と一緒になってこの制度とい うものを考えていくような、そういう思いも必要じゃないかと思っております。そういう 面で野沢さん一人だけにはしませんから。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただいままでの意見をずっと聞いておりますと、現状では日割りと報酬が連動してきて いる中での困難が一つあると。これからということを考えていきましたときに、皆様方の 中で現体制がどんな影響を持ち、そしてそれが変えられていかなければならないのか、あ るいは変えないでも元に戻っていいんじゃないかという意見があるのか、そこら辺のこと も含めてお話を伺えればと思います。  星野委員。 ○星野委員  最もらしいお話だと私は思いながら聞いて、非常に不安になったのは、ぱたっと言って 終わりますけれども、医療が崩壊した理由は何でしょうかね。それから、介護がなぜ一遍 がたがたになって、それでまた単価を上げようという話になったのか。そのときそのとき の行政のいろんな政治的な圧力もあるんでしょうけれども、本当に大事なものをきちっと 守ろうというベースでいくか、先をどうつくるかというところがどうも見えない。その中 に我々の今の話も一緒くたになってほうり込まれてしまったらたまらんという思いを一つ 持ちます。そこだけきちっとしながら、今の両方の話をやはりちゃんとやるべきだなと。 あっちが悪い、こっちが悪いという話じゃなくて、いくべきだなと思っています。  それから、いろんな話に広まっていますから私もぜひお願いしたいんですが、新体系へ の移行のところで入所授産の話が出ています。私どもも、今のまま、そのままを認めろと いうつもりは持っていないので、そういう意味でいくと、私たちの意見のところで示して いるように、地域生活移行というのも一つ大きなすばらしい方向性だと思いますけれど も、それを生み出す安心して移行できる環境条件、あるいは施策、整備、そういったもの が本当にきちっと整っていきながらそれを言うべきであって、そっちを抜きでさあ出ろ出 ろという話がとにかく多いんですね。私はそういうふうに感じます。ですから、ここは一 定限の経過措置をもう少しゆったりと持ってほしい。そうしないと、本当に不安に思って いる利用者が、あるいは家族が多いということを思います。  それから、どうもこの資料の中に、これまで大臣発言や与党PTの発言から、考えてく れたのかと思っていたんですが、それが全部抜けているというところで、利用者の不安と いうのが本当にもっと強くなっていくような気がしますから、そのことをぜひ言っていき たいと思います。  それから、さっきの地域生活に安心して移行できる環境条件という中で、以前発言しま したが、神奈川県のグループホームの火災の一件以後、この9月に神奈川県は新規のグル ープホームの設置について相当厳しい条件を出してきました。消防とこういうふうに折り 合ったと。かなり厳しい条件の一つは、全部防火壁を天井までつなげろという話です。こ れでは、もう例えば貸してくれるような大家さんを探そうと思っても無理ですし、そんな 建物を探しても無理ですし、現実にまた借金してつくるというような話になってきそう で、それにして県は200万円を上限に整備費出すよという話がありますが、そんなもんじ ゃとても追いつきません。ただ、新規についてはというところで少しこれから議論できる 時間があるなと思っていたんですが、実は10月31日付で私どもの法人のグループホームに 小田原市から通知が出ました。既存のグループホームでも即刻やりなさいと出しているん ですね。あなたたちのグループホームは違反ですと。建築基準法上違反ですよ、それから 消防法上違反ですとちゃんと書類が出ています。それで即刻やりなさいと、こう出てきて いるんですが、もう本当に、じゃ大家さんにやってくれと言ったってそれは無理ですし、 県が用意するようなことで全部ができるわけじゃありません。さらに2方向避難、2つの 階段を全部用意しろという話です。本当にそういう意味で、地域生活移行も大きな方向と して正しい方向であると言いながらも、なかなかそれが難しい状況がまた新たに出てきて いるというところもきちんと検討していただきたいというふうに思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  伊藤委員。 ○伊藤委員  3点でございます。  まず、日払いの件は控えていようと思ったんですが、全くこれは野沢委員がおっしゃる とおりだと私は思います。私、制度の中で、じゃ例えば日払いと今、報酬の問題が一緒に なっているんで大きな混乱が起きている。全く私もそのとおりだと思います。日払いをよ しとして残すとすれば、じゃ事業者の安定策というか、ここをしっかり踏み込んで対応し ていかないと、やはり事業者からの不満というのが多くまた今後とも出てくるんではない だろうかなと思っております。  ただし、日払いによって大きく収入が減少するようなところもあれば、意外と余り大き なダメージを受けないようなところもあるんではないだろうか。そういったところも細か く精査する必要も一方ではあるんではないかと思っております。  2つ目でございますが、9ページの標準利用期間でございますが、私どもの入所施設は、 訓練でも自立訓練事業というところ、移行しているところがあるんですが、総じて訓練あ るいは就労移行の支援もひっくるめて、この利用期間がこれで本当にいいんだろうかと。 もっと客観的な評価というものを条件として、利用期間の適切な延長というものを考える べきじゃないか。場合によっては減算の仕組みそのものも改めるべきじゃないだろうかと 今思っています。加えて、支給決定において特に地域生活移行に向けた訓練の必要性を十 分に市町村にも認識していただきたいと、こういったことも周知を徹底していただきたい とこういうふうに思います。  最後に、13ページでございますが、新事業移行の件でございますが、この数字を見てや はり厳しいなと。厚労省も、本来はもっと高い数字が出るんではないかという思いをして いらっしゃったんじゃないかと。私どももそう思っておりました。この新事業移行の厳し い状況を十分に踏まえながら、じゃなぜ移行できないでいるのかという、ここの細かい分 析が僕は必要だろうと。その把握をしっかりする。そしてそれらへの対応を含めた細かな 配慮、具体的に申しますと制度の面、あるいは基準、報酬の面も含めて踏み込んだ検討が 必要ではないかなと。21年度末までの対象ということで新事業移行時特別加算というもの がございますが、こういったものも場合によっては22年度以降も考える必要があるんでは ないかなということも思います。以上でございます。 ○潮谷部会長  最後の前半のところは先ほど箕輪委員がおっしゃいましたこととも重なりますので、ど うぞよろしくお願いいたします。  福島委員、お願いいたします。 ○福島委員  福島です。日払いの問題を含めて個別具体的な問題については非常にさまざまな要因が 絡んでいて、私自身も今、明確な具体的な意見は述べにくいのですけれども、ただ非常に 強く感じることは、2つのロジック、2つの論理が混在している、まざってしまっている ということですね。  というのは、福祉的就労と一般の雇用との境目がどこかというのはいろいろ議論がある と思うんですけれども、今私たちが考えているのは、例えば障害者がスーパーとかどこか にバイトに行っていることを考えているわけではないんであって、もし通常のバイトであ れば、行った分だけお金をもらうというのは非常にわかりやすいわけですけれども、そう いったことがさまざまな状況で難しいから、今こういう自立支援法が念頭に置いているよ うな作業所があったりさまざまな通う場所があるわけですよね。そこで福祉的就労と言わ れる。そのためにと言うか、それとセットで最低賃金法の適用から除外される。つまり、 1万円とか、工賃倍増したところで2万円とかというレベルで抑制されているわけです。  その一方で市場原理が導入されて、まるでスーパーにバイトに行っているような感覚で、 何日来たから幾らですといった話を持ち込むというのは、何か異なる理屈を無理にひっつ けているような感じがして、やはり私たちは何のためにこの制度を構想したのか。それは、 一般の企業や一般の事業所に働きに行くのが難しい障害者のために制度を構想しているの であって、そうであればそれなりの特別な制度や特別な理屈や特別な考え方を導入するの が当然であって、もし一般の市場原理を導入するだけで済むんであれば、そもそもこんな 制度は要らないわけだろうということで、その何か都合のいいところだけをひっつけたよ うな印象が強いので、その辺の原点に立ち返りながら、何のために私たちはこういう制度 をつくってきたんだろうかということを考えたいなと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただいまの問題は、今後の制度設計の中でも最賃の問題、それから雇用契約ということ の中で派生する年休、有給休暇の問題、そういったこととも連動してくるというふうに思 いますので、ぜひ今度の制度設計では考えていかなければならない点と思います。  小澤委員。 ○小澤委員  小澤です。今の話と関係して1点お願いがあるんですけれども、月払い、日払いという 入り方をしたのはいいんですけれども、やはりサービスが選択できるというふうに明記し ましたよね。問題は、私、こういったことを研究して随分長いんですけれども、支援費導 入のときも全く同じロジック使っているんですね、サービスの選択が保障されるというよ うな措置から契約というような。だから、結局支援費のようなスタイルではだめだったと いうわけですよね。それで自立支援法になった。そうだとしたら、この検証の方式という のは、仮に日払いを導入したことによって選択がどのぐらい増えたかという裏付けがない と議論はどうにもかみ合わないという、つまりサービスを選択するという話と月払い、日 払いと私、ちょっと違うロジックで、今、福島さんがおっしゃったとおりで、違うロジッ クという印象が強いんですよ。  だから、もともと選ぼうと思っても基盤が悪いし、障害者ぐらいからずっとあの数字を 追っているんですけれども、非常に在宅基盤は悪いですね、一言で言って。そういった中 で自立支援法が船出を切ったわけだから、ここのところはやはりまずはどのぐらい選択基 盤があって、そして日払いだからこそそれをどのぐらい推進したのかという、ちょっとそ ういうロジックを立てないとなかなか議論が前に進まないんじゃないかなと思います。以 上です。 ○潮谷部会長  はい、ありがとうございます。  大濱委員。 ○大濱委員  日払い、月払いという話ですが、基本的に日払い制度になったために、今の施設体系の 基盤が崩れつつあります。要するに日払いになって施設が非常に運営しづらくなると、経 営状態が悪くなるというのが一番の問題だということで、月払いに戻すべきだというのが 一番基本的な日払い、月払いの考え方だと思います。それで、先ほど旧体系から新体系と いう話も出ましたが、日払いの話と同じ報酬単価の事情でなかなか新体系に移行できない という実態があると思います。  ところが、私たちが利用する訪問系サービスは既に新体系に移行しています。新体系に 移行していまして何が起こったかというと、重度訪問介護のサービス基盤はほとんど崩壊 状態にあります。支援費のころから比べますと、重度訪問介護のサービス単価が約2千数 百円から1,600円まで下がっているわけです。それで介護者もつかまらなくて介護者もい ない、事業者も撤退し始めているという事態が生じています。これと同じようなことが場 合によっては施設で起こるということがあったら、これは悲惨です。  このように、私たちのような重度訪問介護の利用者が使いたいと言っても利用できない という問題の一方で、それから支給量も本当にこれぐらい必要だけれども、実際にきちん と支給量を市町村に決定してもらえないという問題もあって、やはり各地で裁判も起こっ ているわけです。  このように新体系に移行した中で、訪問系サービスを利用する私たちの仲間たちが何を 言っているかといいますと、例えば利用者負担が2万4,000円とか1万円とかいろいろあ りますが、その2万4,000円払っても構わない、3万7,000幾ら払っても構わないから、き ちんと支給量を出してください、きちんと介護者をつけてください、という悲鳴まで上が っている状態です。重度訪問介護は新体系へ移行してそこまで崩壊している現実がありま す。ですから、やはりこの実態はきちんと見直してもらいたいと考えます。  もう12時近くになっていますので、もう次のテーマに踏み込んでいますが、  そして、何で私たち今、障害程度区分の見直しについて、なぜ私たちがすぐ話の中に入 っていかないかといいますと、資料の18ページにありますように、報酬単価の多寡とか訪 問系サービスに係る市町村に対する国庫負担基準の根拠として障害程度区分は使われてい るからです。そうなると、障害程度区分の在り方によって私たちの仲間が地域で暮らせる かどうかということが問題が起こります。ですので、今の障害程度区分の在り方自体が本 当にこれでいいのか、根本的な見直しができているのかという考えです。例えば認定調査 106項目とありますが、その認定スキームそのものも本当にもともとの大本から全部きち っと見直していなくて、今のスキームの中に新たなものを積み重ねて、それで何とかやっ ていこうという形で障害程度区分の見直しが進められているわけですが、もっと根本的に スキームを変えていかないと非常に心配です。  また、20ページに、障害程度区分の認定プロセスの在り方が問題だということが課題と して指摘されています。障害者の特性が審査会できちんと反映されていないのではないか ということが1つ。それから、市町村の認定調査員について障害特性への理解が不十分だ という意見がありますがとなっています。このように、実質的に認定プロセスの中で障害 特性が反映されていないというのは現実だと思っています。審査会については、非定型の 支給決定に対する意見照会でも市町村が非常に審査会を誘導しているという実態もありま す。このあたりも踏まえて、どうやったら地域で本当に暮らせるのかということになると、 私たちとしてはやはり国庫負担基準に行き着きます。  これは、障害程度区分の使われ方の3番目に関わるんですが、国庫負担基準はやはり廃 止してもらわないと立ち行かないのではないかというところまで地域では行き着いている わけです。国庫負担基準については、次回にはペーパーを準備させていただこうと思って いますが、20年度の全国の課長会議などで国庫負担基準は上限ではないということがたび たび言われていまして、1人1人の状況を考えて支給決定を適正に行うこととなっていま す。しかし、障害者が1人とか2人とか、場合によっては5人ぐらいしかいないような小 さな市町村では区分間合算もできないわけですから、合算の制度が十分に生かされないわ けです。そうすると、やはり国庫負担基準が上限になってしまうというような現実があり ます。  私かなり幅広く言及してしまったので、論点がばらばらになっているかもしれませんが、 いずれにしても私が言いたいのは、支給決定と基盤整備の両面で、本当に介護を必要とす る重度障害の人たちが地域で暮らせなくなっていることです。一番の大きな問題として、 支給量がきちんと決定されていないのは、国庫負担基準が大きな影響を与えている。それ から2番目の問題として、地域生活を支える事業者の基盤整備ができていないのは、報酬 単価が非常に低いことに起因している。このことをここできちんと申し上げておきたいと 思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  時間が残り少なくなってきておりますけれども、障害程度区分の問題について皆様方の 中でご意見がありましたら承ってと思っておりますが、いかがでございますでしょうか。  嵐谷委員。 ○嵐谷委員  今、論議がいろいろと出ておりますが、これ、いわゆる87項目ですかね。これはもう完 全に介護保険の制度をそのまま横へずらしてきているので、障害者のほうには余り関係な いとは言えないけれども、介護のほうに重点が置かれている項目ですので、この辺りはぜ ひとも見直していかないと、障害者に全部該当しないという部分が多分にあります。  その辺り、程度区分のスタートのときにも申し上げたんですが、4点かある、麻痺のと ころで。右上肢、左上肢、左下肢・上肢麻痺しますかと、そんなの仮にそういう設問をす るんであれば、麻痺ありますか、右上、左下とか、どこか4点のうちで丸をすれば1項目 で済むわけなんですわ。だから、そういうところももうちょっと考えて、きちっとやはり 見直していただきたい、そのように思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  山岡委員、お願いいたします。 ○山岡委員  山岡でございます。障害程度区分ですが、ここの資料にもございますとおり、知的障害 とか精神のところはきちっと反映されていないというお話がありますけれども、発達障害 の場合も同じような特性、問題点を持っております。例えば、判定基準の中でできる、で きないということでいいますと、やればできるんですけれども、場や状況によってはでき ないとか継続が困難とか、毎日は無理とか、コミュニケーションに問題があるとか、感覚 的な問題とか、あるいは個人内差、できるものとできないものの差が大きいとかいうこと がありまして、これらがうまく反映されていないというふうに思います。  さっきおっしゃった話にもありますけれども、障害の程度とか介護の視点ではなく、支 援のニーズとか必要性を判定するようなものにしていただきたいというふうに思っていま す。ちょっと理想的なことを言うと、これ障害者といっても一定の基準の中でレベル分け していくのも必要かと思いますけれども、基本的には一人一人ニーズが違うということで ありまして、障害の特性とか環境とか年齢とかも併せてお一人一人のニーズあるいは特性 を本来は丁寧に見て、必要な支援をきちっと行っていくということが理想かと思っていま す。そういう意味では、個別の支援計画とかの中でつくりながら、その中で立てていく、 あるいはケアマネジメントの世界で一人一人きちっと決めていくというようなことが必要 だと思います。  今日ご発言なかったんですが、日本知的障害福祉協会さんの資料の中にもSISという ものが示されておりまして、そこを見ても、例えば支援ニーズというところで領域ごとに プロフィールをつくっていくということが書いてあります。それを最終的に個別の支援計 画に結び、活用していくんだということが今のSISの考え方だと思うんですね。例えば 1,000点満点の試験で700点だとどこでも行けますという人がいて、500点だと何とか生き ていける。我々障害者の方で300点とか、例えば点をつけるとですね。そうだとすると、 200点足せば生きているんじゃなくて、その300点の中にゼロ点もあれば50点もあれば80点 もあって、ゼロ点を何とか引き上げなきゃいけないとかいうことなので、200点の中に意 味があると思っています。ですから、お一人一人のプロフィールをきちっと見て、必要な ところ、欠けているところ、あるいは足りないところを補うような考え方が最終的に必要 だと思っています。  最後に、この資料の中でご提案いただいているところの、例えば知的障害と精神の関係 も念頭に置いておられると思うんですが、実態調査を行って、必要な区分とか在り方を見 直すというのに賛成でございますが、ぜひここで発達障害につきましても検討の課題にひ とつ入れていただきまして、実態調査や適切な評価尺度の研究とかを対象として考えて入 れていただきたいというふうに思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  長尾委員。 ○長尾委員  障害程度区分につきましては、先ほどもちょっと出ていましたように、10ページのいわ ゆる対象者の範囲を限定するとか報酬単価の多寡、それから国庫負担額、負担基準額、こ れがあるから障害程度区分もこれでもって決めていくということが根本にあると思うんで すが、やはり、先ほども出ていましたように、山岡委員も言われたように、個別計画等を マネジメントの中できちっとニーズに合って提供していくということが本来であるんで、 障害程度区分の在り方そのものについてやはりもっと根本的に考えていく必要があるんで はないか。この障害程度区分の見直しの中で1から6まで程度区分を行っていくというこ との在り方そのものももう一度見直す必要があるのではないかというふうに思います。  やはり知的・精神は非常に変更率が高い。これは、もともと介護保険の在り方にちょろ っと乗せた段階で行われたという当然の結果であって、全然精神の部分が反映されない。 だから時間軸で幾らはかっても、精神のいろんな症状の問題であるとか海山の問題である とか、さまざまな問題が今後もやはり反映するとはなかなか思えない。そういうことの中 で、やはりこういう障害程度区分の在り方そのものをもう一度根本的に見直していくとい うことをぜひやっていただきたいと思います。  精神で言っても認定審査会でのばらつきが多いと、これも、実際に精神に本当にきちっ と関わっている人がいるのかいないのか、そういうことでも随分違うわけですね。だから、 その意識を持っている人がいるのかいないのかでそういう問題も随分あります。それから 認定審査員の問題もありますし、さまざまな問題があるんで、もう一つ根本的に見直して いただきたい。  もう一つ言えば、訓練等給付についてもこれは認定審査がされるわけですね。やはり優 先順位をつけるために行うということですけれども、本当にこれ訓練等給付にそこまで必 要なのか。これはやはり考えていただきたい。  もう一つ言えば、障害程度区分認定のためにどれだけの費用が使われているのかという のをちょっとお示しいただきたい。認定審査員の問題、審査会の問題、さまざまなもので 膨大なお金が使われているわけやと思うんですけれども、実際にこれはどれだけ使われて いるのか。本来、これはサービスの提供のほうに回せばもっとよりよいものができるんで はないかと私は思うぐらいであるんで、実際にどれぐらいの費用が使われているのか、で きれば教えていただきたい。 ○潮谷部会長  広田委員。 ○広田委員  珍しく長尾先生と意見が合ったんですけれども、今の、そうなんですよ。認定委員のと ころが膨大な人がいて膨大な資料があって、私は自立支援法が精神を入れていただくため に前向きに検討していただきたいという意見だったんです。だけど、ふたをあけてみたら 障害程度区分が実に長ったらしい判定になって、もしこれを制度として残すのであればも っと簡素化してやらないと、これいわゆる認定のところが崩壊すると思います、財政的に も。できたことについては一つ評価はありますね。例えば精神障害者手帳3級までですが、 3級に該当しない人もこれを受ける権利があって、サービスを使える。ここは、私の友人 もそこがいいところだと言っていたんです。ただ、これ余りにも、膨大過ぎて、調査され る障害者も疲れる。調査に来た人も大変だ。そしてそれを認定する人もまた大変だと。認 定する人のお金がさらに大変だということで、大変だらけで、銭形平次の「親分大変だ、 大変だ」という、そういう銭形平次障害認定区分とそういう感じがする。  それと、20年から調査をやって、結局始まるのは24年でしょうか。もう少しきちんと何 か早くできないのかということと、もし、この場にみんなが集まっているわけだから、認 定区分を残すのなら、私のような精神の特性を入れた上で簡素化してほしいという意見も あるし、いろんな意見がありますけれども、そのときにはぜひ、みんなで協力できるとこ ろは協力していこう、私も協力すべきところがありましたら協力します。はい。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、今まで発言していらっしゃらない方でございませんか。  岩谷委員、お願いいたします。 ○岩谷委員  障害程度区分が特に知的、それから精神の障害をお持ちの方たちに適さないということ は、それは適するようで適さないわけですし、それが現実なんですけれども、身体障害の 中、かなりフィットする人がいるわけでありまして、身体障害といいましても実にこれは 多様でありまして、もう本当に多様なんです。これは大濱委員のように頸椎損傷の方もい れば内部障害もありますし、もう極めて多様ですので、ぜひその辺を、この障害区別だけ ではなくて、身体障害の種別に分けてもやはりこれはもう少し詳しいデータをお出しいた だきたいと思うんです。多分、精神の中でもやはり疾患別に多分違ってくるところもある だろうと思いますし、ぜひその辺のことは科学的にデータを出していただければありがた いと思うんです。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、西村委員、伊藤委員というふうにいきたいと思います。 ○西村参考人  失礼します。障害程度区分は、やはり皆さん言われるとおりだと思いますけれども、そ れぞれ3障害の特性を反映できるようなものと言えるタイムスタディー的なものをどこま で入れるかの問題によっていろいろな結果が出てくると思うんですが、今のいわゆる障害 程度区分の認定方法は、医療、病院の産婦人科とかいろいろな看板があっても、経営がや れなくなったら看板のかけかえができるようないわゆる介護システムなんですね。そやけ ども我々障害者部分は、一つのいわゆるどんぶり食べたら一生どんぶり食べ続けないかん というのが障害福祉なんですよ。だからその辺りが違いますので、やはりそれぞれの、く どいようですけれども、きちっとした特性を反映させるようなタイムスタディー主体じゃ なくて、やはり見守りとかいろんな要素を含めたものでの認定というか区分をする方法に 必ず変えていただきたい。  非常に厚労省のほうは、今までいろいろお話しした中ではなかなかガードが緩んできま せんけれども、これだけ国民がやはり言っている以上はきちっと早くやっていただきたい と私は思います。これがきちっと解決できないと、24年には私ら渡りたくても渡れないと いうのが現状だと思いますので、その点もよろしくお願いします。 ○潮谷部会長  伊藤委員までいって、それから課長、よろしゅうございますか。 ○伊藤委員  19ページでございますが、二次判定の大きな数字が出ております。まさしく程度区分 の問題はこの図で一目瞭然だと思うんですね。何が問題なのか。一次判定できちんと出せ ないところに私は問題があるんじゃないかと思っているんですよ。もう二次判定でやるな んて煩わしいですよ。心配ですよ、実際。そういう意味でも、今お話出ましたが、その支 給量の調査というタイムスタディーですが、私たちも協力すべく準備はしております。そ の辺がどうもどうなっているのか、できればお聞かせ願いたいと。  加えまして、この程度区分認定の見直しですが、障害者も、ここの障害者の自立支援で あるとか、あるいは生活支援というそういう観点から、総合的に支援の必要度を把握する ために利用者の希望やニーズを聞き取ってそれの個別支援計画というのを策定するわけで すが、その個別支援計画を策定するに当たってのその道程の中でのアセスメント、いろい ろ出てきます。実はそこに大事な点があるんではないかと思っております。そのアセスメ ント等を明らかにすることによって、今何人かお話がありましたとおり、障害特性が如実 に浮かび上がってくる。具体的な支援量をそこで集積する、あるいは類型化をするという 方法をぜひともお考えいただきたいなと思っております。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  事務局のほうの前に星野委員、お願いいたします。 ○星野委員  短く終わりますが、働く支援ということについて、タイムスタディー調査の準備段階の 内容を見ても全く抜けています。今日は資料の最後のページに私たちが試行的に考えてい る働く支援の支援内容をちょっと整理してきました。働く支援にもいろいろ支援の内容、 その人によっての支援の量を含めて違いがありますので、ぜひそういう視点を入れていた だきたいということで、最後のページにとりあえず出発点として入れておきましたので、 後程、皆さんで見ていただきたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  それでは、事務局のほうからお話をちょうだいいたしますけれども、そのときに、でき れば先ほど広田委員のほうから障害程度区分の見直しスケジュールがもう少しスピードア ップというようなお話も出ておりますので、感触的なもので言えるならばおっしゃってい ただきたいと思います。 ○蒲原企画課長  私、やはり議論をもう少し活性化してもらいたいなと思って、いろいろ今の現状だけ説 明します。 ○潮谷部会長  はい、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  障害程度区分がやはり今、特に知的・精神のところが十分反映されていないということ は、いろんなところからずっと言われております。この点については、前にいろいろ出て きた与党のいろんなプロジェクト報告でもそういうことは言われていまして、きちっと大 幅に見直せというふうに言われています。我々としては、そこはもう大幅に見直すつもり だということをまずはっきり申し上げておきたいというふうに思います。  その意味で言うと、これはただ見直すと言っても、やはりちゃんと客観的なデータとい うか根拠をベースに持ってやらなきゃいけないということでございます。その意味で言う と、各団体に具体的に認定区分を改めるための、どう改めるべきかということを調べるた めの調査を今お願いしようということで、今かなりの団体と大分調整が進んでいるんです けれども、まだまだ少し残っているところがありますんで、そこをなるたけ精力的にやり たいというふうに思っています。そういう意味で言うと、基本スタンスは見直したいとい うことをまずはっきりと。  あとは、スケジュール的にはなるたけ早くやりたいんですけれども、関係団体の合意を 得ないとそのあれができないんで、そこはなるたけ早く関係団体の合意を得てやっていき たいなというふうに思っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。見直すということだそうでございます。  福島課長、お願いいたします。 ○福島精神・障害保健課長  先ほどの事業費の件でございますけれども、認定調査審査会、意見書等々で国、市町村 合わせて25億円の予算で行っております。  それともう一つ、見直しについて、もう少し短くならないのかという広田委員のご指摘 でございますけれども、やはりきちんとした論理で開発する、あるいはそれが実際に市町 村で適用できるような仕組みとするというためには、このタイムスケジュールが今精いっ ぱいのものでございまして、そういう面でも、実態調査に早く取りかかりたいと我々考え ておりますので、ぜひご協力をお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  各団体の皆様、どうぞその点よろしくご協力をお願いいたします。  藤井課長、何かございますか。 ○藤井障害福祉課長  特にございません。 ○潮谷部会長  それでは、副島委員、お願いいたします。 ○副島委員  今の障害程度区分の見直しのところで、我々も協力を差し上げたいのが、実態調査する ときに、福祉サービスを利用している現場だけの調査じゃなくて、特に知的障害の場合に は全総数の4分の3の人が地域での生活なんです。その中の9割が家庭での生活なんです ね。だから家庭の在宅での調査ができないかと思うんです。  家庭というのは施設みたいに環境が整っておりません。だからいろんなトラブル材料が いっぱいあるんですね。そういう中で生活するときにどんな支援が要るのか、どんなとこ ろに困っているのかというのを調査してもらわないといかないと思うんです。これは育成 会としては在宅者の協力を何とか拾い上げてでも協力したいと思いますので、ぜひその点 は考えていただきたいと思います。  それからもう一つは、障害程度区分によってサービスが限定されること、この問題です。 我々としては、程度区分がどうなったとしても、本人が利用したいサービスが例えば限度 されて利用できないと言われてもやはり利用したいわけですよ。そのところをどうするか ということです。障害程度区分と一緒に、前の相談支援事業の検討のときにケアマネジメ ントという言葉が出ました。つまり、障害程度区分と同時にケアマネジメントというのを 組み合わせることによって、本人の思い、意向、それから状況チェックをした中でどうい うサービスが適切なのかというふうにして決めていけば、その程度区分によっての限定さ れるサービスということは取っ払うことができるんじゃないかと思うんです。ぜひ、この ところにケアマネジメントというものを組み入れるような、そんな方法がないかというこ とを検討いただきたいなと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  竹下委員。 ○竹下委員  障害程度区分について、障害の特性ということについての議論が出ているので私のほう は多くは言いませんが、1点だけ言うと、障害者の中でも、当たり前なんですが、コミュ ニケーション障害、知的とか精神障害の方に低く出る場合と似ているわけですが、そのコ ミュニケーション障害を持っている聴覚障害とか視覚障害も当たり前ですけれども、介護 保険をベースにした調査項目によって適切な評価ができることはあり得ないということを まず指摘しておきたいのと、もっと大事なのは、せっかく今度、障害者自立支援法が機能 別に給付体系をつくったとこうおっしゃっているわけですね。そうであれば、その機能別 の給付と程度区分とはどう結びつくかという議論が僕は十分されていないと思うんですよ ね。それは、例えば介護保険なら当たり前ですけれども、介護という機能を持った給付に 対して程度区分をやっていくんですから、まさに直結しているわけですよ。ところが我々 が今議論しているのは、先ほどちらっと訓練給付のところでも出ましたけれども、どの機 能を持った給付と程度区分と合理性を持って結びつけるかというところの検討というのか、 組み立てもぜひお願いしたいと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。時間がやや終わりに近づいておりますけれども、皆様方の中で ぜひ発言をという方、いらっしゃいませんでしょうか。  それでは、大濱委員。 ○大濱委員  先ほどの程度区分の見直しのところで、身体障害者については上位区分変更率が23%で 比較的少ないという数字でした。しかし、新体系サービスの利用者数について、身体障害 者が9万8,000人、知的が11万5,000人、精神が4万3,000人ですから、身体障害者も母数 が大きいわけです。その約10万人近いうちの23%というと、2万3,000人ぐらいが二次判 定で上位の区分に変更しているわけです。これは、先ほど岩谷委員からお話があったよう に、障害程度区分の中で障害特性がきちっと反映されていないことの現われであり、嵐谷 委員がおっしゃるように、79項目の介護保険の要介護認定を当てはめたというそもそもの 大きな問題があると思います。ですから、福島課長の言われたような現行のスキームにあ る程度の修正を加えた形でもう一回やり直そうという案ではなくて、根本から見直してい ただかないと無理だと思っています。そのあたりについてはよろしくお願いします。 ○潮谷部会長  事務局の意図としては、先ほど福島課長も含めて、見直しをきちっとやっていくという 意思表示でございましたので、よろしくお願いいたします。  それでは皆様、時間が本当に足りないぐらいの論議をちょうだいいたしました。次回に 地域生活支援事業、これについてのご意見をちょうだいしたいと思いますので、どうぞよ ろしくお願いをいたします。  それでは、事務局のほうにバトンタッチをしたいと思います。 ○蒲原企画課長  本日は大変ありがとうございました。  次回の予定でございます。次回は11月12日水曜日14時からということで予定しています。 場所は、厚生労働省のここ、省議室でございます。  なお1点だけ、今後、12月までの一応会議日程が幾つかご連絡がいっておりますけれど も、今後、少し座長とも相談し、やはり時間的に十分議論をしなきゃいけない、時間をと る必要があるところもあると思うんで、少し追加の日程を皆さん方のご了解をいただけれ ば座長とも相談して日程調整をさせていただきたいと思います。具体的にはまた後ほど皆 さんの委員と調整したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○潮谷部会長  皆様方、よろしゅうございますでしょうか。年末にかけて、それぞれお忙しいと思いま すけれども、やはり論議をきちっと詰めていくための時間を確保したいと思っております ので、どうぞ皆様方のご協力方よろしくお願いいたします。  それでは、これをもちまして本日の論議を終了させていただきます。  ありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                    厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022)