08/10/27 平成20年10月27日薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録 1.日時及び場所    平成20年10月27日(月) 16:00〜 厚生労働省専用第21会議室 2.出席委員(14名)五十音順    五十嵐   隆、 川 西   徹、 佐 藤 田鶴子、 澤 田 純 一、    清 水 秀 行、○首 藤 紘 一、◎永 井 良 三、 中 澤 憲 一、    成 冨 博 章、 野 田 光 彦、 林   邦 彦、 松 井   陽、    村 勢 敏 郎、 本 橋 伸 高  (注) ◎部会長 ○部会長代理   欠席委員(5名)    飯 沼 雅 朗、 鈴 木 洋 史、 千 葉   勉、 西 澤   理、     村 田 美 穂 3.行政機関出席者    中 垣 俊 郎(審査管理課長)、    豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、    成 田 昌 稔((独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、    丸 山   浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構センター次長)、    赤 川 治 郎(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 他 4.備  考    本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 定刻でございますので、薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会を開催 させていただきます。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうござ います。当部会委員19名のうち12名の委員に現在御出席をいただいております。川西 委員、中澤委員からは御出席という御連絡をいただいておりますが、何らかの都合で遅 れられているのだろうと思います。なお、飯沼委員、鈴木委員、千葉委員、西澤委員、 村田委員からは御欠席という御連絡をいただいております。  初めに当部会の委員の異動につき御報告申し上げます。本日の部会から、新たに日本 歯科大学生命歯学部教授の佐藤田鶴子委員に御就任いただいております。よろしくお願 い申し上げます。  それでは、部会長の永井先生、議事進行をよろしくお願い申し上げます。 ○永井部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認、 申請資料作成、利益相反等に関する申合せにつきまして御報告をお願いいたします。 ○事務局 まず、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、 当部会委員の名簿を配付しております。議事次第に記載されています資料1〜6をあら かじめお送りしております。このほか、資料7「審議品目の薬事分科会における取扱い 等の案」、資料8「専門委員リスト」、資料9「競合品目・競合企業リスト」を配付し ております。  続きまして、申請資料作成への関与や、利益相反等に関する「審議参加に関する遵守 事項」に関しまして御報告いたします。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リ ストにつきましては、資料9として配付しております。以後、資料9に基づいて御説明 いたします。  1ページ目、審議事項の議題1、ゾレア皮下注用でございます。本品目につきまして は、効能・効果は気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治 の患者に限る)であり、その主たる作用機序は、血中遊離IgEに直接結合することによ り血中のIgE値を下げ、また、その結果、炎症細胞へのIgEの結合を阻害すること により炎症細胞の活性化を抑制し、炎症性メディエーターの放出を抑制するものでござ います。さらに、本申請品目は気管支喘息の治療薬と併用される医薬品であり、以上の ことから競合品は存在しないと判断したものでございます。  2ページ目、議題2、リカルボン錠及びボノテオ錠でございます。本剤の効能・効果 は骨粗鬆症であり、いわゆるビスホスホネート製剤の一つでございます。したがいまし て、本申請品目の効能・効果、及び薬理作用等から見た競合品目の候補といたしまして はボナロン錠、ベネット錠、アクトネル錠、フォサマック錠、ダイドロネル錠が挙げら れ、それらのうち日本における売上高の上位3品目でありますボナロン錠、ベネット錠、 アクトネル錠を競合品目として挙げたものでございます。  最後のページ、審議事項の議題3、レミッチカプセルでございます。本剤は選択的オ ピオイドκ受容体作動薬であり、申請効能は「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既 存治療で効果不十分な場合に限る)」でございます。本申請品目は、他剤無効例で使用さ れる予定であることから、臨床現場で直接競合する品目は存在しないと判断したもので ございます。以上でございます。 ○永井部会長 ただ今の御説明に何か御意見はございますでしょうか。よろしければ、 本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆様の御了解を いただいたということにいたします。  それでは、委員からの申出状況について御説明をお願いいたします。 ○事務局 各委員からの申出状況につきまして御説明いたします。議題1「ゾレア」に つきましては、退室委員は永井委員、議決には参加しない委員はいらっしゃいません。 議題2「リカルボン」等につきましては、退室委員はなし、議決には参加しない委員は 五十嵐委員、永井委員、成冨委員、野田委員、本橋委員でございます。議題3「レミッ チ」につきましては、退室委員、議決には参加しない委員、共にいらっしゃいません。  したがいまして、議題1及び2につきましては、首藤部会長代理に議事進行をお願い したいと存じます。以上でございます。 ○永井部会長 よろしいでしょうか。それでは、首藤委員に議題1及び議題2の進行を お願いいたします。  本日は、審議事項3議題、報告事項3議題となっております。それでは、議題1、2 につきまして、首藤先生、お願いいたします。 ○首藤部会長代理 それでは、議題1に入ります。永井委員におかれましては、本議題 の審議の間、別室で御待機いただくこととします。 ── 永井委員退室 ── ○首藤部会長代理 機構から概要を御説明ください。 ○機構 議題1、資料1、ゾレア皮下注用150mgの製造販売承認の可否等について、機 構より説明いたします。  本剤の有効成分であるオマリズマブ(遺伝子組換え)は、米国Genentech社により作成 されたヒト化マウス抗ヒトIgEモノクローナル抗体であり、血中の遊離IgEを中和 し、感作過程を阻害することにより、アレルギー性喘息等のI型アレルギー疾患に対し 効果を示すものと考えられております。海外において、本剤はアレルギー性喘息の治療 薬として、2008年8月現在、70か国で承認されております。なお、本剤の効能・効果は 「気管支喘息(既存治療で効果不十分な場合に限る)」として申請されましたが、審査の 過程において、本剤の適用対象がより明確となるよう、「気管支喘息(既存治療によって も喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」と変更され、また、医療事故防 止の観点から、販売名が「ゾレア皮下注用150mg投与用」と変更されております。  本申請の専門委員としては、資料8に記載されております11名の委員を指名いたしま した。  審査内容について簡単に説明させていただきます。  非臨床に関する資料については、特段の問題は認められないものと判断しております。  臨床に関する資料についてですが、まず、本剤の臨床用量は、臨床効果を得るための 目標血清中遊離IgE濃度を探索し、当該目標濃度を達成するために必要な本剤の投与 量を検討することにより決定されており、目標血清中遊離IgE濃度として25ng/mL以 下が設定され、当該濃度を達成するための本剤の臨床推奨用量として、投与前のIgE 濃度1IU/mL及び体重1kg当たり0.008mgの2週間間隔皮下投与、又は0.016mgの4週 間間隔皮下投与が設定されております。また、本剤の投与量の算出は煩雑であるため、 投与量換算表が作成され、国内外で実施された多くの臨床試験において換算表を用いて 投与量が決定されております。  次に臨床試験成績についてですが、本邦において、既存治療でコントロール不十分な アレルギー性の気管支喘息患者315例を対象に、本剤又はプラセボを16週間投与する二 重盲検群間比較試験が実施された結果、有効性主要評価項目である最終評価時点の朝の ピークフロー値の投与前値からの平均変化量は、本剤群で15.45L/min、プラセボ群で 2.25L/minであり、本剤投与による有意な増加が認められております。なお、長時間作 用型吸入用β2刺激薬の普及等に伴い、本試験が開始された□□年□月当時に比べ、現 時点では気管支喘息に係る薬物治療方針は変化していることを踏まえれば、本剤の投与 対象は、本試験の対象患者よりも更に限定することが適切と考えられますが、現時点の 治療レベルにおいて適切と考えられる、より難治な部分集団においても、朝のピークフ ローの平均変化量は、本剤群で13.92L/min、プラセボ群で3.15L/minであり、群間に 有意差が認められ、全体集団と同様の結果が示されております。本剤とプラセボ群との 差は10L/minと大きなものではありませんが、重症の患者では気道のリモデリング等の 影響により呼吸機能の改善の余地は大きくないと考えられること、本剤は直接気管支に 作用する薬剤ではなく、呼吸機能の改善は炎症への作用を介して得られると考えられる ことなどを踏まえれば、この差は臨床的に意味のある差であると解釈し得ると判断して おります。以上より、機構は、本剤の有効性は確認されたものと判断しております。  安全性については、国内安全性解析対象例284例における副作用発現率は47.2%、主 な事象は、注射部位紅斑18.7%、注射部位そう痒感9.2%等であり、現時点では大きな 問題は認められておりませんが、海外での市販後においては遅発型の反応を含むアナフ ィラキシー様症状が0.2%程度で発現していること、現時点では本剤との関連は明らか ではないものの、海外臨床試験を含めた悪性腫瘍の発現率は本剤群で0.5%、対照群で 0.2%と本剤群でやや高い傾向が見られていること、また、毒性試験において血小板数減 少が認められており、国内臨床試験において、副作用とされた血小板数減少が1例報告 されていることなどから、製造販売後調査において、長期使用時も含め、使用実態下で の安全性を更に検討するよう指示しております。  以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で 御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であるこ とから、再審査期間は8年間、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品に該当する と判断しております。薬事分科会では審議を予定しております。  よろしく御審議のほどお願いいたします。 ○首藤部会長代理 どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問あるいは 御意見をお願いいたします。本剤は新有効成分で、既存の類薬はないという分類になる ものでございます。いかがですか。 ○清水委員 気になったこととして、販売名が今回、「投与用」という文字が後ろに付 くという説明をいただいたところですが、この製剤自体は、1バイアル中に202.5mgの 成分が入っているものです。したがって、1バイアルはどう考えても202.5mgなのです が、202.5mgではなく、使用する量が150mgということでその名称が付いたのだろうと 思います。そのことによるリスク、問題点がないのかということと、名称を付けるとき のルールなのですが、基本的に物としての名称ですので、ここの名称は「150mg投与用」 というよりも「202.5mg」が妥当ではないかと感じるのです。その点については、どのよ うな考え方なのでしょうか。 ○機構 202.5mgという総量を販売名に付けた方がいいのではないかという点は、審査 の過程でも議論されているところでございます。このものは総量としては202.5mgでは あるのですが、かなり粘性が高いということで、202.5mg全量を吸引して注射すること はできないこと、また、1回使い切りの製剤であるということで、総量の表示よりも1 回の投与量が適切に分かる表示にした方がよいのではないかということで、今回は 「150mg投与用」と表示をするという変更がなされたものでございます。  本剤の投与過誤等のリスクに関しましては、一番考えられるものとしましては、これ は注射用水1.4mLを添加して、それで溶かして、そのうちの1.2mLを注射するものです が、添付されております注射用水が2mLのものですので、これを間違って全量を添加し てしまい、そのうち取れる全量を取ってしまうという間違いが考えられます。これに関 しては、総量を表示に書いたとしても、投与量を書いたとしても、同じように起こり得 るリスクであるということで、今、配付しておりますものには実際にそういうものがま だ付いていませんが、箱の裏側に全量を投与しないことと、注射用水に関しても全量を 使わないことを注意喚起する方策がとられるということ、それから、医療機関にも調製 方法に関して十分注意喚起をするというような対策がとられる予定となっております。 ○清水委員 十分注意喚起をするのは当然のことなのです。注意喚起すればそのような リスクがすべて解消できるのであれば、大分、施策は立てやすいだろうと思うのですが、 注意喚起をすることで事故がとどまらないというところが難しいところだと思うので す。今、溶解液の話も出してくださいましたが、医薬品の名称にかかわることでもあり ますけれども、1バイアルに名称よりも多い量が入っていることに関して、これは実際 に海外でも既に使われているようですが、そのようなところで事故が起きている事例の 報告は出ているのですか。それとも、そのような事例はないのでしょうか。 ○機構 先ほど申し上げましたことと同じような、過量の注射用水で溶かしてしまった という事例が2例あるとの報告を受けておりますが、これは投与過誤があったかという ことで情報を集収したわけではなく、副作用として上がってきたものでそのような事例 が2例あったということでございますので、実際にはほかにもある可能性はあると思い ます。 ○清水委員 自分でも一生懸命計算をしてみたのですが、溶解液が2mL付いていて、 1.4mLを使って1.2mL吸い取る。これは、1.4mLを入れたときには1.2mL分しか吸えない とも理解できるようなところがあります。1.4mL溶解したものを全量使うと、175mgまで は計算値として出てくるのですが、2mLをそのまま吸ってバイアルに入れて溶解したと きに、最大量は何mgの力価のものが吸えるかという計算値は、ここに書かれている数値 だけでは出てこないのです。それについては最大量は175と考えていいのか、2mLをバ イアルに入れて溶かしたときにはもっと多くの量が吸えるものなのか、そこのところを 教えてください。 ○機構 申請者の試算のデータになるのですが、そちらに基づきますと最大で□□mg、 □□%の過量投与がされる可能性があるとの報告を受けております。 ○清水委員 安全に使ってもらうためには、二重に難しいところがあります。一つは名 称の問題で、総量を書かずに適正使用量を名称にすることの問題が一つあると同時に、 溶解液を2mL付けておいて、1.4mL吸わせて、解かして、1.2mL使わせるというところ を、もう少し解消できるような提案を発売メーカーにしてもらうという指導があってい いと思います。  これは思い付きで申し訳ないのですが、例えば溶解液を1.4mLのシリンジタイプのも のにしてしまうことが可能であれば、それ以上多く入れることはできなくなるとも考え られるのです。いろいろ問題点もあるのでしょうが、注意しなければならないステップ 数が多いことと、勘違いをしやすいということで、よほど気を付けたフォローをしてい かないと、想定外の過量投与が起こる可能性は、注意を喚起するだけでは回避できない のではないかと思います。  同様の名前を付けているものが、これを読んで頭に思い付いたものが、ペグイントロ ンが確か同様の名称付けになっていたかと思うのですが、これについても過量投与の報 告はあると聞いておりますので、そこのところはよほど注意をする必要があるのではな いかと思います。注意喚起だけでいけるのかどうかはよく御検討いただきたいと思いま す。 ○首藤部会長代理 これはさらっと溶けるのではなく、どろどろに溶けるのですか。き れいなソリューションになるのですか、それともどろどろなのですか。 ○機構 粘性は高いです。 ○審査管理課長 今御指摘の点は、機構においても厚生労働省においても議論をして、 さらにはこのような名称の問題ですと、従来から東京医科歯科大学の土屋先生にお尋ね したり、中心になって御検討いただいたりしておりますので、そのような経緯からも御 意見をお伺いして、その結果、こういう案で今やろうとしているところでございます。 御指摘のとおり、諸外国でもこれは150mgということで売られておりますので、我が国 はもちろん、外国のデータも見ながら、今後、先生の御意見も気に留めながらやってい くのだろうと考えております。ありがとうございます。 ○澤田委員 今の話を聞いていて不思議に思ったのですが、75mgと225mgの場合は随分 無駄が出るわけですね。それは、8時間以内に使わない場合は廃棄と書いてあるのです が。 ○審査管理課長 先ほどお話がございましたように、非常に粘性が高いこともあって、 グローバルにこういう形で供給がなされているのだと私は考えております。 ○澤田委員 ほかの量のものは作らないで、これ1本でいくということですか。 ○審査管理課長 75mgと150mgというのが、今見たところでは欧米で承認されている量 でございます。 ○澤田委員 欧米では75mgがあるのですか。 ○審査管理課長 欧米という言い方があれでしたら、75mgが承認されている国もあると いう言い方の方がいいと思います。 ○澤田委員 日本では150mgしか出さないということですね。  もう一点、効能・効果で、いわゆるアレルギー性の喘息に使うことになっているので すが、アレルギー性という言葉は効能・効果に入れていないのですけれども、それは別 に構わないのですか。 ○機構 効能・効果の方にはアレルギー性という言葉は入れていませんが、その下の。 ○澤田委員 投与量のところで、IgEのレベルが高くなければ、30以下であれば投与 しないとなっているので、専門の先生は分かると思うのですが、それでいいということ ですか。 ○機構 おっしゃられましたように、用法・用量に関する使用上の注意のところでIg Eの範囲を細かい形で提示しておりますので、そちらを見ていただいて投与対象となる 患者さんを判断していただくことになるかと考えております。 ○澤田委員 もう一点お尋ねしたいのですが、これはやめるときが判然としていないで すね。非常に重症な喘息の患者さんは、やめるとまたIgEが上がるので、一生続けな ければいけないと理解できるのですが、それでよろしいのでしょうか。 ○機構 16週の時点で効果があるかどうかを判断するということを添付文書では書い ているのですが、有効性を判断するに際しては、会社の方の検討では、呼吸機能などの 単一指標よりも、総合的な指標を用いるのがよいということが示唆されておりまして、 総合的に患者さんの状態を判断して、16週時点で効果があると考えられる場合にはその まま投与を継続する、ないと判断される場合にはその時点で投与を中止して、漫然と投 与されることを防ぐ対策がとられる予定となっております。 ○首藤部会長代理 そちらからの説明で、有効性のところが15Lどうのこうのしか聞こ えなかったのですが、もう少し追加できることはないのですか。 ○機構 有効性に関して、プラセボ群との差が意味のある差かというところでしょうか。 ○首藤部会長代理 はい。 ○機構 海外では喘息増悪頻度を有効性評価項目とした試験が行われておりますが、こ れに関して、本剤とプラセボとの間で有意差が見られているという成績になっておりま す。また、海外の対象患者について、日本で有効性の評価指標とされた朝のピークフロ ーの改善がどの程度かと検討した場合にも、日本での結果とほぼ同様の結果ですので、 そういうところから勘案しましても、臨床的に意味のある差は認められると判断してお ります。 ○首藤部会長代理 改善の度合いで言うと、著明ではなく中程度、軽度より少し良いと いう程度の改善になるわけですか。ピークフローの改善は劇的ではないですね。 ○機構 劇的とまでは言えないと思います。 ○首藤部会長代理 やや改善。 ○機構 劇的な改善とか、軽度の改善とか、その区切りが難しいと思いますが、重症患 者さんでの結果であることも勘案しまして、数値的な差としてはわずかであるけれども、 意味はあると判断しております。 ○首藤部会長代理 ほかに何かございますか。特に御意見がないようでしたら、議決に 入ろうと思います。承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、 承認を可とさせていただきます。本剤は新有効成分でありまして、既存の類薬がないと いう分類でございますので、薬事分科会に上程し、審議することになっております。 ── 永井委員入室 ── ○首藤部会長代理 それでは、次の件にいきたいと思います。リカルボン錠1mgについ てでございます。機構から御説明ください。 ○機構 それでは議題2、医薬品リカルボン錠1mg、及びボノテオ錠1mgの製造販売承 認の可否等について、総合機構より御説明申し上げます。  本剤は、有効成分としてミノドロン酸水和物1mgが配合された1日1回投与製剤であ り、ビスフォスフォネート系薬剤に分類される骨粗鬆症治療薬です。国内における類薬 としては、エチドロネート、アレンドロネート、リセドロネートの3剤が既に上市され ております。  海外においては、ミノドロン酸水和物を有効成分とする医薬品は、2008年9月現在、 いずれの国においても承認されておりません。  本品目の専門協議では、資料8に示す方々を、専門委員として指名させていただいて おります。  次に、機構における審査の概略を説明いたします。  本剤の品質、薬理、薬物動態及び毒性について、審査の過程において申請者から適切 な対応がなされ、特段問題となる事項がございませんでしたので、臨床試験成績につい て説明させていただきます。  本剤の有効性については、退行期骨粗鬆症女性患者を対象とした国内第III相骨密度試 験において、主要評価項目である「最終評価時の投与開始前に対する腰椎平均骨密度変 化率」が、本剤群で105.96%、対照薬であるアレンドロネート群で106.34%であり、対 照薬に対する本剤の非劣性が検証されたこと、国内第III相骨折試験において、主要評価 項目である「投与2年後の累積椎体骨折発生率」が、本剤群で10.4%、プラセボ群で24.0 %であり、本剤のプラセボに対する優越性が検証されたこと、さらに、骨折継続試験に おいて、投与3年後まで本剤の効果が持続していたことから、示されていると判断いた しました。  安全性については、国内第III相試験成績等から、既承認薬と同様であり、現時点で大 きな問題は認められていないと判断しておりますが、本剤は比較的長期間投与される薬 剤であることから、胃腸障害、顎骨壊死、顎骨骨髄炎、腎機能障害等を含めた長期使用 時の安全性、並びに男性骨粗鬆症患者における有効性及び安全性について、製造販売後 に検討される予定です。  以上のとおり、総合機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達 し、医薬品第一部会で御審議いただくことが適当と判断しました。  本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年が適当であると判断 しております。なお、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製 品のいずれにも該当しないと判断しております。  薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願い申し上げま す。 ○首藤部会長代理 リカルボン錠について、御質問、御意見をいただきたいと思います。 ○川西委員 これの開発の経緯を見ますと、もともとヘキストジャパン、今のサノフィ ・アベンティスということですが、恐らくヨーロッパの方では開発はしていないと見受 けられます。その辺りの事情はどのようになっているのでしょうか。 ○機構 海外で承認されていない、あるいは開発されていない理由は、これは申請者の 説明でありますが、□□□□□□□□□□□の状況を踏まえた上の経営上の判断という ことで、決して有効性、安全性に問題があって開発していないわけではないという説明 がなされております。 ○佐藤委員 骨粗鬆症での有効性ではなく、有害事象について追加させていただきます。 私は歯科・口腔外科の領域担当ですが、日本口腔外科学会が中心的な、顎骨骨髄炎、骨 髄壊死が起こった際の対処として、歯科・口腔外科を訪れなさいと書かれておりまして、 2007年度では、学会で30症例の追跡の症例報告等がございました。ところが、1週間 ほど前にありました、2008年の調査企画委員会が学会の中で行われたアンケート調査 で、これは本剤に関してだけではなく、類薬を含めてすべてですが、188の研修施設の 中で、580例の有害事象が出てまいりました。  それではすべての薬が含まれており、本薬についてではありませんが、特に昨年度発 表された30例の再調査を行った結果では、容易に治癒した30例につきまして、治癒し ているものが11例で、容易に治ったというものが4例。容易と言っても、顎骨が元の形 に戻るわけではなく、歯を抜いた後から骨髄炎になって、顎骨の中を這うように拡がり 腐骨になって、難渋した症例では顎骨を取ってしまわなければいけない症例が出てまい りました。11例が一応落ち着いた状況で、治療継続中の16例は、難渋したり、依然と して進行しているという状況が出ております。  本剤につきましては、顎骨骨髄炎等を起こさないという、特化した薬ではないことは 分かっているので、私どもとしては、どのように治療していいのかが現在分かっており ませんので、工夫をしながら追い掛けているところでございます。是非とも、これが上 市された時点でフォローアップをされるというお話でしたが、その辺りも重点的に見て いただきたいと思います。 ○首藤部会長代理 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。先般も 似たものがありましたが、起床時に飲んで、30分は横にならず、飲食は避けることとい う、用法・用量に珍しい注意書きが付いております。何か特にありますか。 ○清水委員 座長代理からお話がありましたように、飲み方について、従来発売されて いる、先行されている二つの医薬品についても同様かと思うのですが、この薬剤につい て、患者さんの理解を得るための、リーフレット等の作成の予定はございますでしょう か。 ○機構 類薬と同じように医療機関向け、あるいは患者向け等の資材を今作成中であり まして、出来次第、我々も確認する予定でございます。 ○清水委員 今回の試験の中で、また、添付文書の記載の中で、重要というわけではな いのですが、類薬と違っているところに、ぬるま湯での服用も可能である旨の記載が今 回は入っているのです。入っていること自体は意味があることであるとは思うのですが、 一般的に薬剤師の服薬指導として、水で服薬する場合には、水又は白湯でお飲みくださ いというのが一般的な指導かと思うのです。今回、「ぬるま湯」という言葉をあえて入 れたことの理由もこの中には書かれていたのですが、高齢者が冷たい水で飲まなくても いいという状況があったということは書かれてはいるのですけれども、その辺について は服薬指導上の問題ということもあるのです。あえて今回、「ぬるま湯」という文言を ここに入れた理由は、どのようなところと理解すればよろしいでしょうか。 ○機構 既承認薬に横並びでそろえるという部分もありますが、今回のこの「ぬるま湯」 という部分を、横並びにするために果たして削るほどのものなのかと。先生が御指摘の ように、水又は白湯で飲まれることが現実だと思いますので、ぬるま湯と書かれたから といって、それを削らなくてはいけないかというと、そこまではいかないのではないか という意味で、既承認薬とすべて機械的にそろえるというところは、そこはこだわって いません。ですから、残すための理由というよりも、削るほどの理由もないだろうとい うところが本音であります。 ○首藤部会長代理 ほかにいかがですか。御意見がないようでしたら、議決に入ろうと 思います。本件は、五十嵐委員、永井委員、成冨委員、野田委員、本橋委員は、議決へ の参加を御遠慮いただくことになっております。本議題について、承認を可としてよろ しいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可といたします。これは薬事分科 会に報告させていただく品目です。以上です。 ○永井部会長 それでは、議題3にまいります。まず、機構から概要の御説明をお願い いたします。 ○機構 議題3、資料3、医薬品レミッチカプセル2.5μgの製造販売承認の可否等につ いて、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。  本剤の有効成分であるナルフラフィン塩酸塩は、19□年に東レ株式会社で開発された オピオイドκ受容体作動薬であり、当初は鎮痛薬として開発されていましたが、鎮痛作 用を示した用量(40μg)では、めまい、傾眠等の精神・神経系の副作用が多く認められた ため、鎮痛薬としての開発は中止されております。その後、鎮痛効果を示す用量よりも 低用量で止痒効果を示すことが示唆されたことから、19□年□月より臨床試験を開始し、 今般の申請に至りました。なお、海外では、現時点で承認された国はありません。  本申請の専門委員としましては、資料8に記載されております12名の委員を指名いた しました。  審査内容について、説明させていただきます。  品質、薬理、薬物動態及び毒性については、特に大きな問題はないと考えております が、本薬の機序といたしましては、視床、大脳、脊髄等のκ受容体を活性化することで、 末梢及び中枢性のそう痒シグナルを抑制し、止痒効果を示すと考えられております。  次に臨床成績について説明させていただきます。  有効性については、国内第III相の検証的試験で主要評価項目であるFASにおける前 観察期後半7日間の平均VAS値と投与期間後半7日間の平均VAS値の変化量は、本 剤5μg群とプラセボ群で8.26mm、本剤2.5μg群とプラセボ群で9.13mmであり、本剤 群はいずれの用量についても、プラセボ群に対し、統計的に有意な差が認められており ます。  安全性につきましては、本剤服用により不眠症及び傾眠等の睡眠障害が認められてい ます。本剤の薬理作用から、本薬の臨床用量付近から用量依存的に不眠が認められ、臨 床用量よりも高用量で傾眠が発現することが示唆されており、国内臨床試験においても 同様の傾向が認められていますが、認められた不眠症の多くは軽度であり、無処置で本 剤を投与継続できたこと、不眠により投与を中止された症例は国内臨床試験では609例 中12例であったことから、本剤投与時の不眠症が臨床上大きな問題となる可能性は低い と考えております。なお、睡眠障害への影響につきましては製造販売後の調査で今後も 検討する予定としております。また、本剤の用法・用量は申請当初、5μgを開始及び 維持用量と設定されておりましたが、専門協議での検討を踏まえ、本剤の有効性は本剤 2.5μg及び5μgで認められており、本対象疾患患者の多様性、不眠等の副作用の発現 を考慮すると、本剤の開始及び維持用量を2.5μgとし、症状に応じて5μgに増量する ことが適切と判断し、用法・用量を変更しております。  以上の審査を踏まえ、本剤の既存治療で効果不十分な血液透析患者におけるそう痒症 の改善に対する効能・効果を承認して差し支えないとの結論に達し、本第一部会で御審 議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は新有効成分含有医薬品であり、再 審査期間は8年、原体は毒薬、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製 品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、本剤の機序を考慮して、薬事分 科会では審議を予定しております。  以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。 ○永井部会長 ありがとうございました。それでは、御意見、御質問をお願いいたしま す。 ○本橋委員 不眠について確認したいのですが、これは初めから夕食後又は就寝前とい うことで治験を行っていると思いますが、例えば不眠が出る人は、もう少し違う時間帯 にお飲みになれば、それが防げるような気もするのです。その辺りは調べられたことは あるのでしょうか。 ○機構 国内の臨床試験におきましては、先生のおっしゃるとおり、夕食若しくは就寝 前というところで投与されております。服薬時間について細かい検討はされておりませ んが、血液透析と服薬との時間の関連もありまして、透析を終えてから飲まれるという ような間隔で検討されていること、高用量では傾眠が出るのですが、通常は不眠が確か に出るのですけれども、通常、午後、透析の時間もこの臨床試験に関しては全部午後と いうふうにしておりましたので、朝飲むとかというと、要するに血中濃度が上がる前後 くらいに透析にかかってしまうということもありまして、一定の時間として、夕食若し くは就寝前というところで設定されていると理解しております。 ○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○清水委員 私も本橋先生と同じことを疑問に思ってきたところです。やはり副作用が 出ている患者さんもあるわけですので、服用時期についてはもう少し検討を加える必要 があるのではないかと感じております。今の説明で、血液中濃度の上がり具合と透析の 関係というお話がございましたが、透析を毎日受けるわけではないので、そのようなと ころの透析のある日、透析のない日ということでの考え方も、あってしかるべきかなと 感じています。あえて寝る前に服薬をするという服用時期が適切なのかどうかというと ころには、疑問が残るかと思います。  それから、教えていただきたいこととして、添付文書の記載のことで一点お聞きした いのですが、「用法及び用量に関連する使用上の注意」の中で、「本剤の投与から血液 透析開始までは十分な間隔をあけること」と、今の服用時期のことにも関係すると思い ますが、この記載の「十分な間隔をあけ」というのは、具体的にはどのような時間間隔 を想定しているのかについて、御教示いただきたいのですが。 ○機構 透析の有無により服用時期を変えるというところですが、1日1回の投与とい うことを考えれば、どの時間に飲むかということに関しては、透析がある日とない日と いうのは、ばらばらになることで逆にコンプライアンスも悪くなるということも考えら れますので、その意味ではきちんとした一定の間隔で飲むのがいいのかなということは 考え得ると思います。  血液透析の影響というところですが、添付文書の3ページ、「薬物動態」の項の7番 に書いてあるのですが、血液透析の影響としましては、申請者の方でシミュレーション を行いまして、投与から透析までの間隔が4時間であれば、血液透析で血漿中濃度が低 下するということが認められております。このシミュレーションでは、間隔をあけるタ イミングとして4時間、8時間、12時間あけているのですが、4時間では影響が出て、 8時間では出ていない。その間のところでどこかと言われると、微妙なところがあるの ですが、4時間では影響が出るということで、「十分な間隔をあけること」というとこ ろを前に書かせていただいて、実際のデータはここに書かせていただいております。 ○清水委員 そこのところは、これを読んだ人は皆、そのように理解しますでしょうか。 私は4時間以内は駄目なのかなというふうに読み取ってはきたのですが、皆さんにその ように理解していただけるのであれば、それはそれで妥当な記載かと思うのですが、そ このところが少し分かりにくいのではないかと思います。  それから、先ほどの透析のことについての私の発言、透析のある日とない日でという のは、私自身も妥当な指摘ではなかったと思っています。透析は半日の単位で終わると いうこともあって、午前中に透析を済ませられる方については、透析終了後直ちに服用 すると、大分そこのところは違う、なおかつ、服用する時間が透析日と非透析日で違う ということにはならない、という考え方もあろうかと思います。そこのところは訂正さ せていただきます。 ○機構 投与のタイミングの話ですが、基本的に夕食後又は就寝前という臨床試験しか やってございませんので、それ以外のタイミングを実際に設定することはなかなか難し いというのが実情です。専門協議でもお聞きしましたが、昼間に透析をして、それから 先生がおっしゃったように、その後ある程度十分な時間を空けるとなると、実際には夕 食後あるいは就寝前投与が多くなるだろうと予測されるので、そのような点も踏まえる と、今の用法・用量で特に大きな問題は起こらないのではないかと考えています。  それから、先ほどの「十分な間隔」のところは、「用法及び用量に関連する使用上の 注意」の項でその旨を書かせていただいて、「「薬物動態」の項参照」と記載させてい ただいております。それで、「薬物動態」の項を読んでいただくと、今のシミュレーシ ョン結果が載っています。我々としては、4時間、8時間、その辺りを実際にはどこで、 これはあくまでもシミュレーションの結果ですから、具体的に4時間以内はやめなさい というような話よりも、もう少し、それは現場の方できちんと判断をしていただきなが ら対応していただければいいのではないかと考えています。その一つの判断根拠として 情報を提供しようという観点から、今のような記載にさせていただいております。 ○五十嵐委員 透析の方の痒みの一番の問題は、夜寝られないということです。ですか ら、夜飲むということに関しましては、妥当性は非常に高いのではないかと思います。 昼間飲むよりは、やはり夜寝るときに飲んで眠りたいというのが一番大きいと思います。 もう一つは、この薬の副作用に傾眠やめまいがありますから、そういうものを予防する ためには、夜飲んだ方が問題が少ない。それで多分、夜の服用ということが基本になっ ているのではないかと思います。 ○審査第三部長 透析を行う患者様の様々なワークスタイルといいますか、例えば休日 の透析ですとか夜間透析なども散見されますので、そうした意味からも、透析時間とい うのは、必ずしも透析導入時からずっと変わらないものではなくて、変化し得るもので あると考えますと、やはり夜ということが安全なのかなと考えております。 ○清水委員 そうしますと、夜間透析を行う患者さんなどは、透析後の時間を考えると、 どういう服薬タイミングが想定されることになるのでしょうか。 ○審査第三部長 それは就寝前という形になると思います。 ○首藤部会長代理 5μgと10μgで、評価が難しいのですが、改善率の差が、5μg で22%、10μgで7%となっていますが、この差は。外国の試験で、鎮痛作用は40μg でやったと書いてあります。何で用量が高い方が改善率が低いのかと思ったのですが。 それが一つ目の質問です。 ○機構 審査報告書41ページのことかと思われますが、前期第II相の臨床試験の中で は、きちんとした各用量群で差を見いだすというような症例数の設定で実際にされてい るわけではありません。患者の偏りもありますし、変化量がきちんと各用量群で差が出 たということで見られるものではないというふうに判断をしておりますので、本剤群と してどうかということを検討しにいったというようなところで、5μgと10μgという ところで差があるというわけではありません。 ○首藤部会長代理 5μgと10μgで、5μgの方がいいわけですね。 ○機構 若干補足させていただきますと、VASの評価ですので、これを御覧いただく と分かりますが、例えば不眠症であるとか、そのような有害事象が明らかに10μgの方 が高いという結果になっていますので、そういう結果を踏まえて、患者さん自身がこの 薬に対するVASの評価でどちらがいいかというようなことが、もしかするとVASに かかわっているかもしれない。そのようなことからすると、副作用の少ないところで、 ある程度効いている用量の5μgがVAS値では高くなるということは、一つの想定と してはあるのかと思います。 ○首藤部会長代理 次の質問ですが、痒みが止まってくれればいいのですが、20%〜30 %の改善率。本質的な意味は分かりませんが。もう1錠飲む、まだ止まらない、もう1 錠飲むということをすると、40μgにだんだん近くなっていって、40μgですとアメリカ で副作用でやめてしまったと書いてありますが、その辺はいいのですか。 ○機構 我々は、あくまでも用量としては5μgまでということですので、5μgに増量 することはできると。そこが最大用量というふうに読んでいますので、そのように用法 ・用量は書かせていただいているつもりです。 ○首藤部会長代理 効かないかもしれないよと言って与えないと駄目なのですかね。 ○機構 効かないよと思いながら与えるということはないと思います。今、実質、こう いう難治性の痒みの患者さんには、当たり前のように抗ヒスタミンが投与されています が、現場の多くの先生方は、ほとんど効いていないという印象の中で、やはり中枢性の 痒みに対する治療薬が欲しいという現場ですので、そういう意味では、この薬は一つの 新しい選択肢をもたらすという意味で、我々としては意義があるだろうと思っています。 ○永井部会長 2.5μgからスタートするということですが、2.5μgは効いていないわけ ですね。しかし、先ほどの御説明ですと、2.5μgは本来効いていますという説明だった と思いますが、それはどういうことですか。 ○機構 第III相試験の用量設定が2.5μgと5μgというふうに設定されていて、どちら も同じように効いているという結果は検証試験の中で示されております。有害事象とし ては用量依存的に出ているという話ですので、実際にどこが最小有効用量なのだろうと いうことを検討すると、先ほど申し上げたように、最初の相では5μg、10μgをやった けれども、5μgは効いて、10μgになると有害事象が多い。その次の相で、彼らとして は1.25μg、2.5μg、5μgをやっていますが、そこでもやはり5μgは効いたけれども、 2.5μgは余り効かなかった。そこで、一番下の用量は選択せず、最後の検証試験の中で、 もう一度きちんと用量設定と症例設計をして、2.5μgでも差が出るだろうと想定した中 でやったら、きちんと2.5μgも差が出たというステップを踏んでいますので、我々とし ては痒みに対しては2.5μgが最小用量というふうに判断しています。  有害事象の観点からいくと、先ほどから御議論いただいている傾眠なり不眠症の度合 いが用量依存的に出ていますので、我々としては、まずは2.5μgで始めていただく。そ れで効く患者さんはそこで終わる、効かない患者さんについては5μgまで増量すると いう選択を残してもいいのではないか、そういうことで、今、用法・用量を設定させて いただいております。 ○永井部会長 いかがでしょうか。 ○村勢委員 このところ、我が国独自に開発あるいは申請されている薬剤が非常に多い。 海外で未承認という薬が非常に多いので、これに関しては、やはり慎重に審議しなくて はいけないと思います。もちろん、各々、治験などで自信をもって有効性については出 されてきてはいるのでしょうから、それにとやかく言うつもりはございませんが、気に なるところではあります。  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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□、□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。 ○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○松井委員 この薬は、透析を必要とするような慢性腎不全の患者さんの経口そう痒改 善剤というふうに理解できると思いますが、39ページを見ますと、代償性肝硬変の患者 さんにも投与されて、その結果、安全性に大きな問題はないと考えられたことを説明し たと書いてあるのですが、どういう意図でこの検査をされたのか。つまり、何かの間違 いがあって、肝硬変、肝障害がある場合に痒みがくるわけですが、そういう人が服用し ても大丈夫なことを確かめるためにやった検査なのでしょうか。  もう一つ、もし慢性腎不全の患者さんに飲ませるということであれば、添付文書をよ く読めば書いてあるのですが、一番上に「経口そう痒改善剤」と書いてありますけれど も、腎機能の慢性の尿毒症の患者さんに必要とするということをはっきり書いた方がい いように思います。その二つについて、教えてください。 ○機構 臨床薬理試験としまして、代償性肝硬変の患者を対象としました臨床試験が実 際に行われております□、□、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□。□□、このような患者さんを対象に臨床薬理試験をやっておりまして、その 上で今、試験をやっているところで、有効性、安全性の検討を今しているような状況で す。  それから、先生から先ほど最後にいただきました、経口そう痒改善剤のところですが、 こちらに関しましては、検討はさせていただきたいとは思いますが、今後の開発に当た って、□□や腎臓という言葉を付けていくかという議論にもなりますので、今の段階で は経口そう痒改善剤でもいいのかなというふうに考えているところです。 ○永井部会長 そうしますと、添付文書では、適応についてはどのようになっています か。 ○機構 今の効能・効果に関しましては、「血液透析患者におけるそう痒症の改善」と いうところで、「既存治療で効果不十分な場合に限る」と書かせていただいているとこ ろです。今回、このような患者さんを対象として臨床試験をされておりますので、この 適応ということで考えております。 ○永井部会長 ほかに御意見、御質問はございませんでしょうか。 ○審査管理課長 御議論ありがとうございます。その中で、用法・用量について、どう なのだというような御意見があったと思います。恐らく痒みということで、次々と増量 するのではないかということなのだろうと思います。そういう点から申し上げますと、 今、審査報告書の56ページで、もちろん添付文書にも用法・用量は載っているわけでご ざいますが、通常、1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する、なお、症状に 応じて1日1回5μgに増量することができる、となっているわけでございますが、こ の5μgというのが最高だということを表すために、「1日1回5μgまで増量すること ができる」というような形で歯止めを打ったらどうだろうかというふうに考えますが、 いかがでございましょうか。併せて御議論を願えればと思います。 ○永井部会長 よろしいでしょうか。 ○首藤部会長代理 先ほどの、中に書いてあったのですと、フェーズ2で、疼痛で40μ gで、副作用でやめたということですから、痒みでこれくらいということで、これ以上 使わないようにという意味では、5μgを限度にというのは、安心できるのではないか と思います。 ○永井部会長 よろしいでしょうか。それでは、そういうことで、この議題につきまし て、議決に入りたいと思います。本議題につきまして、承認可としてよろしいでしょう か。御異議がございませんようですので、承認可ということで、薬事分科会に報告とさ せていただきます。この薬剤は新有効成分です。既存の類薬はございませんので、薬事 分科会に上程し、審議するということにさせていただきます。ありがとうございました。  それでは、報告事項にまいります。説明をお願いいたします。 ○機構 報告事項について説明させていただきます。  議題1「医薬品オキサロール軟膏25μg/g及び同ローション25μg/gの製造販売承認 事項一部変更承認について」、報告いたします。本剤は、マキサカルシトールを有効成 分とする、活性型ビタミンD3誘導体の外皮用剤であり、現在は「尋常性乾癬、魚鱗癬 群、掌蹠角化症の効能・効果で承認されております。今般、中外製薬株式会社から、「掌 蹠膿疱症」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更の承認申請がなされたも のです。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤を承認して差し支えないと 判断いたしました。  続いて、議題2「医療用医薬品の再審査結果について」、今回は7品目ございまして、 これらについて、まとめて報告いたします。資料5-1〜5-7になります。資料5-1は、一 般的名称は「グルカゴン(遺伝子組換え)」、販売名は「注射用グルカゴンG・ノボ」、 資料5-2は、一般的名称は「塩酸キナプリル」、販売名は「コナン錠5mg 他」、資料 5-3は、一般的名称は「ペリンドプリルエルブミン」、販売名は「コバシル錠2mg 他」、 資料5-4は、一般的名称は「フレカイニド酢酸塩」、販売名は「タンボコール静注50mg」、 資料5-5は、一般的名称は「ラタノプロスト」、販売名は「キサラタン点眼液」、資料 5-6は、一般的名称は「ブピバカイン塩酸塩水和物」、販売名は「マーカイン注脊麻用 0.5%等比重他」、資料5-7は、一般的名称は「塩酸トリエンチン」、販売名は「メタラ イト250カプセル 他」の医薬品再審査確認等結果通知書です。これらの品目につきまし て、市販後の使用成績調査、市販後臨床試験、特別調査の成績等に基づいて再審査申請 が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のい ずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変 更の必要はない「カテゴリー1」と判定いたしました。議題2については以上です。  続いて、議題3について御説明いたします。資料6になります。こちらは医薬品優先 対面助言品目指定の結果についてでございます。本品目はNPC-06(Fosphenytoin)で、相 談者は、ノーベルファーマ株式会社です。優先対面助言の対象効能は「(1)てんかん重積 状態、(2)脳外科手術及び頭部外傷時のてんかん発作の予防及び治療、(3)経口フェニトイ ン製剤の投与が不可能又は不適切な場合の代替」です。本薬は、フェニトインに加水分 解され、抗てんかん作用を示すものであり、欧米では既に承認されております。海外臨 床試験の結果より、本薬の静脈内投与におけるてんかん発作の発現頻度は、フェニトイ ンの静脈内投与又は経口投与と同程度又はそれ以下でした。また、安全性においても、 有害事象の発現率及び注射部位の反応は、フェニトインに比して本薬で低いものであり、 本薬は高い有用性が期待できるものと判断して、優先対面助言品目に指定いたしました。 以上です。 ○永井部会長 ありがとうございました。ただ今の御報告につきまして、何か御質問は ございますでしょうか。よろしいでしょうか。もしございませんでしたら、ただ今の事 項につきましは御確認いただいたということにいたします。  本日の議題は以上でございますが、事務局から連絡事項をお願いいたします。 ○事務局 次回の部会でございますが、既に御案内のように、11月28日(金)午後4時 から開催させていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。以上です。 ○永井部会長 それでは、これで終了させていただきます。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 下川(内線2746)