08/10/02 第32回先進医療専門家会議議事録 第32回先進医療専門家会議 議事録 (1)開催日 平成20年10月2日(木) (2)場所  厚生労働省 共用第8会議室(6階) (3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、赤川構成員、飯島構成員、岩砂構成員、加藤構        成員、北村構成員、竹中構成員、田中(憲)構成員、田中(良)構成員、        谷川原構成員、辻構成員        事務局:医療課長、医療課企画官、保険医療企画調査室長、歯科医療管理        官、薬剤管理官、医療指導監査室長、待鳥課長補佐、江口課長補佐、他 (4)議題  ○先進医療の科学的評価(7月、8月受付分)について        ○先進医療の届出状況(9月受付分)について        ○先進医療における検体検査の外部医療機関委託実施について        ○先進医療専門家会議に係る運営要綱の作成について (5)議事内容 午後 2時02分 開会 ○猿田座長  それでは、時間が参りましたので、第32回の先進医療専門家会議を始めさせていただ きます。お忙しいところをご出席いただきまして、どうもありがとうございました。  まず、本日の構成員の出席状況でございますけれども、新井構成員、金子構成員、笹子 構成員、坪田構成員、戸山構成員、永井構成員、樋口構成員、福井構成員、渡邊構成員が 御欠席との連絡を承っております。ちょっと欠席の方が多いですけれども、会を進めさせ ていただきます。  次に、事務局のほうから、担当者の変更があったということで、よろしくお願いいたし ます。 ○事務局  事務局のほうで担当が変更になりましたので、御紹介させていただきます。  江口潤一保険局医療課長補佐でございます。 ○事務局  江口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  それでは、続きまして資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。 ○事務局  資料の確認をさせていただきます。お手元の配付資料をごらんください。  まず、1枚目が第32回先進医療専門家会議議事次第と書いたものでございます。続き まして構成員の名簿でございます。続きまして座席表でございます。続きまして先−1− 1と書いた7月受付分の資料でございます。同様に先−1−2と書いた資料でございます。 続きまして先−2−1、先−2−2と、いずれも1枚紙でございます。続いて別紙と書い たもの、表裏ありまして、表側が技術の概要、裏側が適格性の紙でございます。続いて先 −3、9月受付分でございます。続きまして先−4、ホチキスどめされているものでして、 先進医療における検体検査の外部医療機関委託実施についてというものでございます。最 後に先−5で参考資料をおつけさせていただいております。  以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  資料のほうはよろしいでしょうか。  もしよろしいようでしたら、それでは議事のほうに入らせていただきます。  まず、最初にお手元にありますように、第1番目の7月、8月に届出がございました新 規技術に関する審議に入りたいと思いますけれども、まず、事務局のほうから御説明をお 願いいたします。 ○事務局  前回、7月受付分がすべて返戻になり、議事案件がございませんでしたので、7月受付 分についてもここで発表させていただきたいと思います。  まず、先−1−1の資料で整理番号132から135まで書かれた4件でございまして、 最初が新規遺伝子変異検出法(SMAP法)を用いたUGT1A1遺伝子多型検出キット、 133番が実物大臓器立体モデルによる手術計画、134番が前眼部三次元画像解析、1 35番がアミロイドマーカー11C−PIBによるPET検査でございます。  続きまして、先−1−2の資料でございまして、8月受付分につきましては136から 138までの3件でございました。136番が自己血清点眼療法、137番が133番と 同一ですけれども、実物大臓器立体モデルによる手術計画、138番が経冠動脈的末梢血 単核球移植療法(経皮的冠動脈形成術成功後8日以内の初回ST上昇型急性心筋梗塞症例 であって、左室駆出率45%以下(ショック状態であるものを除く。)である症例(悪性 腫瘍又は未治療糖尿病性網膜症を合併しているものを除く。)に係るものに限る。)とい うものでございます。  それらについて、まず7月受付分についての事前評価結果等についてということで、先 −2−1の資料をごらんいただきたいですけれども、残念ながら全例書類不備でございま して、4件とも返戻させていただいております。  続きまして、先−2−2の資料をごらんいただきまして、8月受付分については136 番と137番についても残念ながら書類不備ということで、返戻させていただいておりま す。  今回、審議の対象となるのは138番ということで、事前評価担当構成員として北村先 生にお願いしておりまして、総評は否というふうにいただいております。適応症に関しま しては、初回ST上昇型急性心筋梗塞症(経皮的冠動脈形成術成功後8日以内でショック 状態を除く左室駆出率45%以下の低心ポンプ機能症例であって、悪性腫瘍や未治療糖尿 病性網膜症を合併していない症例に限る。)ということでございます。  これの詳細については、別紙のところでごらんいただきまして、その先進医療の技術の 係る概要、適応症、内容等、また、実施科について書かれてございます。また、先進技術 としての適格性ということで、北村先生に御評価いただきました評価用紙を裏のページの ところに記載してございます。後ほど御説明いただきたいと思います。  以上です。よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、御説明ありましたように7月分でございますけれども、132から135まで、い ずれも書類が不備であったということと、それから8月受付分のところで特に137、1 33は同じものですよね。これはまだ修正が終わっていないということなんですか。 ○事務局  まず、1回目来たときにできるだけの指摘をこちらでさせていただいて、1回で書類不 備の部分が済むようにという努力はさせていただいたんですけれども、それでも書類不備 のところが見つかってしまいまして、残念ながら落ちてしまったというところでございま す。 ○猿田座長  結局、出してくる方々のほうが余り書類の書き方そのほか分かっていないということな んでしょうか。吉田先生のほうからご意見がございます。 ○吉田座長代理  実は、それがあるので、泌尿器科学会はいち早く理事会の下に、先進医療検討委員会を 作って、提出する前にその学会の委員会で見て、それでこちらは様子を知っていますので、 それで訂正させて、これでいいだろうというので出させるんですけれども、各学会でそれ をお願いしたらいかがですか。というのは、この会議には各分野の専門家が全部いますの で。そうしないとなかなか理解していないんです、みんな。だから、各学会にお願いして でも書式をきちんと書くような指導をしたらいかがですかね。 ○事務局  その辺につきましても、各学会の御努力いただいているところもあるということで、そ ういった学会にしていただけるのは、非常にこちらでもありがたいと思っているところで ございます。 ○猿田座長  また、そのあたりのところは少し書類を見て考えさせていただければと思います。少し でも、せっかく出されてくる方々がこちらで受け取れるような形にできればと思います。 今お話しにありましたように、書類不備のために戻されるものが多いですけれども、それ は別としまして今日は138番の、北村先生に見ていただいたものを検討いたします。  それでは、北村先生のほうから御説明いただけますでしょうか。 ○北村構成員  それでは、お手元の138番です。これも以前、第1回の審査をさせていただいたとき に多くの疑問点がございましたので、かなり長文の意見を書かせていただきましたところ、 事務方のほうで一旦書類不備ということで返して、その辺を答えていただきましょうかと いうことになって、このたび、申請者のほうからはかなり丁寧な返答をいただいておりま す。  要点は、こちらが指摘したポイントの全部に対してごもっともですといった形で、文書 の上ではよく訂正されて返ってきて、申請様式としての形は整っていると思うんですが、 まず一番の問題、これを先に申しておきますが、私単独で特にネガティブの意見を出す場 合、心配もございますので、循環器系の専門家並びに先進医療の先生とも委員の方々とも ちょっと相談させていただきました。やはり結論的にはまだ人への応用に先進医療として やっていくには、時期が尚早であろうということになりました。  その背景は、まず動物実験の後、人への応用をされておられますが、2007年、去年 の論文で10数例のケースで改善があったと。確かに同等の研究は欧米でも行われており まして、2つのランダムの試験が既に米国、ヨーロッパで行われているんです。そのラン ダムの試験の結果は、一つはわずかながら有効、一つは無効という形で、その他の幾つか の報告を合わせたメタ解析というのも報告がございまして、その報告の結果ではごくわず か、例えば左心室のEjection Fractionという指標が3%改善すると。この3%というの はとても目で認識できる程度のものではなくて、計算上のエラーとでも考えられる範囲の 非常に少ない改善である一方、自己細胞を用いておりますので、これに伴う副作用のよう なものはほとんどないということは申請者からも、また、外国の報告からも認められてい るところではございます。  申請者は、一つのランダム試験がネガティブで、一つのランダム試験がポジティブであ る違いを、分離された骨髄単核球の細胞機能に差があるのではないかというふうに位置付 けていますが、これらのランダム試験はいずれも骨髄の単核球を用いている。申請者のも のは、それを末梢血から集めたものを使っています。しかしながら、骨髄単核球のほうが 末梢血単核球よりも動物実験では20%ほど効果が高いといいながら、人への応用の場合 には簡便性を重視して、末梢血から集めるという形になっております。外国のデータとは 細胞の違いが結果の違いを生んでいるとしながら、違うものをまず用いると。その結果も 動物実験からは効果が20%ほど低いという細胞を用いるというところで、この辺はまだ 本当に分かっていない段階なんですね。  そういうことから、ほかの先生方とも相談いたしましたところ、やはり先進医療として 治療のお金を徴収していただきながら普及していくという形で、広げるには、もう少し基 礎的な地道な判断が要るのではないかと結論いたしました。ちなみに外国の報告もすべて 2006年、2007年と、ごく近々の報告にのみ基づいております。一方、必要な薬品 あるいは器具類はすべて薬事承認済みのものでありまして、私は当初、この施設だけに限 定した形でというのを考えたんですけれども、医療機器、医薬品ともに薬事承認済みのも のを用いる関係上、高度医療評価制度は適用できないとなります。  そうしますと、これを一旦承認しますと、どこでもいいんですが、あとは各地域の社会 保険事務局(現地方厚生(支)局)のほうに申請しますと、民間の病院でもできるという ことになっていくわけですね。それにはちょっと効果のレベルが低く、それから本当に役 に立っているのかどうかの判定も難しい。フォローの期間もまだ短いので、大変心苦しい ところがございますけれども、現時点では、この治療法は先進医療として承認するには時 期尚早という結論です。もう少し地道な研究活動等が必要なのではないかと思います。  一方、ある施設に限って余り広めずに、習熟したところだけでこういうことをやらせて いくシステムが以前の高度先進医療ですけれども、制度が2つに分かれて変わってしまい ましたので、そのために彼らはどういう形で、この研究を続けるのかという良いサジェス チョンをしてあげられないというのが、ちょっとつらいところですが、結論としては否と いう形にさせていただいた次第です。  先進の適格性のところですけれども、適応症については申請者の研究論文の中で扱われ た症例に限ってこられて今度申請されてきたんですが、本当にそれで正しいのかどうかも 明確には分からないところなんですね。むしろ、こういうST上昇型の心筋梗塞よりも、 ST上昇していない形のもののほうが役に立つのかどうなのか、それには効かないのかど うか、それもよく分からない。ただ、申請者が対象とした疾患群がそれであったので、こ ういう形で申請してきたということだと思いますが、妥当性についてはよく分からないと いうのが正直なところと思います。  技術的には、劣るというよりは同程度と判断していますし、安全性につきましては自己 細胞を用いますので、冠動脈内に注入してもほとんど冠動脈に詰まることはなくて、95 %は外へ行っちゃうんですね。しかし、血管新生作用が考えられるので、やはり糖尿病の 増殖性網膜症とかあるいはがんの場合のような場合、適応から省いてはどうかということ で意見を出すと、今回、省いてこられたわけですけれども、それもよく分からない。  技術的成熟度は、冠動脈にカテーテルを入れて注入するだけですから、技術的な問題は 少なかろうと思いますし、自己細胞を用いておりますので倫理的な問題点は少ないですけ れども、有償としてこの治療を行うまでのエビデンスには至っていないところがあると思 います。それから、これはこの施設が研究してこられたところで、普及しているものでは ありません。外国においても報告は2006年度ですので、つい最近、そういうことが始 められてきて、結果はよいというもの、効果のないというものが相半ばしているというの が現状です。よいといいましても現状では非常に限られた、目には見えない計算上の改善 というようなぐらいのものなんですね。  そういうことから、効果については副作用がなくて、少しでもよくなっているという報 告に基づけばやや効率的かとも考えますし、将来的に保険収載を行うべきでないというの も、現時点としてしかとらえていただいては困るんですが、もう少しリファインされてく ればこういうことも保険収載の必要性があるかのような気も十分いたします。  現時点ではその手前にある先進医療においても、なお、適応症が本当に正しいのか、そ れが違う場合はどうなのかも分からない、つまり動物実験で病気をつくって行ったモデル においては、効果があるという形で人への応用が始まったばかりの状態、報告からまだ1 年もたっておりませんし、外国からの報告も入れましても、まだ2年ぐらいの段階ですの で、もう少し臨床研究が必要なものではないかということです。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  詳細に御説明いただきましたことと、それから特に問題点も指摘いただきましたけれど も、どなたか、御意見はございませんでしょうか。  どうぞ。 ○加藤構成員  素人なものですが、ちょっと教えていただきたいのですけれども、この方法をすること によって冠動脈が再生するということが期待されているのですか。例えばEjectiou Fractionだけで見るのではなくて、実際には再生することが目的なのではないかと……。 ○北村構成員  基本には下肢の先進医療、既に保険診療になったんですかね、下肢の場合の血行再建に 同等の技術が用いられて、確かに有効な症例があると。下肢の場合は、皮膚の潰瘍が治っ てくる、それが目で見えるんですが、心臓の場合はそれを直視下に見ることができません ので、心機能の値に頼らざるを得ないところがあるんですね。その点の判断が難しくて、 現在の血管造影法とかを用いて、多くの血管が人において再生されているという証拠はあ りません。  むしろ現在では多くの細胞治療は、その注入した細胞が筋肉に分化して再生するとかで はなくて、むしろ幹細胞が出すHGFとかVEGFとか多種類のサイトカインによる paracrine効果といわれています。幹細胞がそこにおりますと周辺の細胞がそこに集まっ てきてくれるという、そういう細胞のメカニズムを誘発しているのではないかと。これも 充分には分からないところなんですが、足の場合が早く承認されたのは、皮膚移植のよう な場合もそうなんですけれども、何しろ目で観察できて効果が分かるというやりやすさが あるうえに、技術的により易しい背景があります。  ところが、心臓の場合は外からは見えませんので、造影とか超音波の検査とかで見る限 りにおいては、証拠が非常につかみにくい。もう少し、いろいろな再生医療における有効 性を判断する方法も必要です。血管が本当にできているかという、今よりも10分の1オ ーダーの血管が見られるような装置も開発が進んでおりまして、そういうものを用いれば より詳細が分かってきて、私も将来は有効な治療として、保険収載になる可能性は十分あ り得るとは思っております。今現時点では先進医療として広く普及させる第一歩を踏み出 すには時期尚早かという、つらい判断であることを御理解いただきたい。先ほど申しまし たように施設を限定して、こういう研究者の集まっているところにおいてのみこういうシ ステムが使えるのならいいのですが、広くほかの施設でごく安易に、取り組まれるのでは ちょっと困るし、その辺を各地区の社会保険事務局が判断できるとはとても思えません。 そういったことも含めると、この先進医療というシステムのちょっと難しさもあるという 気もいたしております。 ○猿田座長  ありがとうございます。  よろしいでしょうか。  今、お話しありましたように下肢の動脈硬化による障害の場合には、関西医大と自治医 大とそれから久留米と3カ所から出てきて、同じようなデータが出てきて、同じような効 果があったということもありまして、許可をしたということでした。今度の心臓の場合は、 今、1カ所だけで、北村先生がおっしゃいましたように、動物実験から人へ入ってまだほ かのところは余りやっていないですね。先生、どうですかね。 ○北村構成員  国立循環器病センターでは、別種の細胞を用いて心臓の再生医療を始めていますが、や はり改善度は少ないですし、まだ初期段階と感じています。  研究費は、再生医療の領域ではたくさん出ておりますので、この研究も研究費がかなり 獲得できてきた結果ではないかと思います。しかし、いつまでも研究費だけでやるという のには限界があるので、このグループに対しては何らかの形で資金サポートをして、研究 させてやりたいという、やらせるべきであろうという気は十分いたしておりますけれども、 先進医療というのは一旦承認を厚労省がされますと、あとは社会保険事務局レベルになり ます。  申請書で同じことを書いてくれば、そちらの施設はだめですよとは言えない。しかも、 書いてある病床数とかは1床以上とか、ああいうレベルのものであれば、どこの施設でも できる可能性があって、この点において前の高度先進医療のほうが理屈にかなったところ があったのではないか。一方、高度医療評価制度の適用については、この治療法で用いる 医療機器も薬品も皆承認済みのものであると、だから、そのシステムは使えないというこ とで、事務局の指摘もありまして、こういう結果になったということです。 ○猿田座長  ありがとうございます。  ほかに委員の方で御意見はございますでしょうか。事務局、御意見は何かございますか。 ○事務局  御指摘のとおり、高度医療は薬事法適用外又は未承認の医薬品・医療機器に該当するも のを使用した医療技術について評価をするということになっておりますので、この医療機 関のみで行わせるような法令的な書き方というのは、現在、先進医療では行っていないと ころでございます。そういった観点から、比較的難しい技術についてはしっかりとした施 設基準等を求めているところでございます。あともう1点、先ほどの下肢の血管について の技術については、現在、先進医療で行っているところでございます。 ○猿田座長  ありがとうございました。  どうぞ、田中先生。 ○田中(良)構成員  聞き漏らしたかもしれませんけれども、社会的妥当性のところで倫理的問題等があると いうのは、今、お話になっているようなことで問題ということなんでしょうか。ちょっと 僕は聞き落としたかもしれませんけれども。 ○北村構成員  特に現時点の効果のレベルから見て、お金をいただく必要がありますので、患者さんに 説明をするときにその効果のほどの説明とか、そういった点における倫理性、適当ではな いかもしれませんが、厚生労働省が出しておられます自己細胞を用いる再生医療の倫理指 針というのがございますので、それに適っておれば倫理の問題は解決されると思います。 恐らくその指針ができ上がったのが2年ぐらい前ですかね、それ以前から開始しておられ る研究課題だと想像しますけれども。 ○猿田座長  ほかに御意見はございますでしょうか。  もしございませんようでしたら、それでは北村先生のおっしゃるとおり、これは否とい うことで決定させていただいてよろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  北村先生、どうもありがとうございました。  ということで、今日の審査は1件だけということでございますので、それでは次の3番 目の先進医療の届出状況、9月の受付分について御説明いただけますでしょうか。 ○事務局  事務局でございます。  先進医療の新規届出技術(9月受付分)ということで、整理番号139番から143番 までの5件でございます。1件目がマイクロ波子宮内膜アブレーション、2件目は先ほど 8月受付分のところにもあったものと同一技術で、アミロイドマーカー11C−PIBによ るPET検査でございます。続いて141番が内視鏡下筋膜下穿通枝切離術、142番が 角膜ジストロフィの遺伝子診断、143番が強度変調放射線治療で、これは今回、保険収 載されたものを除いたところの部分、つまり前立腺がん、脳腫瘍、頭頸部腫瘍以外の固形 悪性腫瘍に係るものに限るということでございます。  以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今お話しありましたように、9月分は一応5件の受付があったということでございます けれども、何かご意見はございますでしょうか。  もしございませんようでしたら、そういう形ということでお認めいただいて、それでは、 前のこの委員会、あるいはその前のときも問題になりました、先進医療における検体検査 の外部医療機関委託実施について、これも非常に重要な問題でございまして、事務局のほ うからまず御説明いただけますか。 ○事務局  先−4の資料をごらんいただきまして、先進医療における検体検査の外部医療機関委託 実施について(案)というものでございます。これは座長もおっしゃいましたように、第 30回の先進医療専門家会議で、実施機関が著しく限定される検体検査について一定の条 件下に、他の先進医療機関に当該検査を委託して実施することを検討するということにし ておりましたことを踏まえて、こういうふうにしたらいいのではないかという御提案でご ざいます。  下のほうに提案が書いてございますが、おめくりいただきまして、まず先進医療Pの外 部委託実施イメージというところをごらんいただきまして、ある先進医療Pというものが あったとしたときのイメージということで、下のA大学病院というところで現在、先進医 療のある遺伝子検査等のPという検体検査をやっているとすると、今回、新たにB病院で 先進医療実施責任者が連携して行いたいというような場合に、想定されるイメージでござ います。  上の青く囲んだところの左側にありますとおり、疑われる疾患や遺伝子診断に関して患 者さんに説明等を行った上で採血を行いまして、検体が搬送されてA大学病院、下側の緑 で囲った部分に到着すると。検体検査Pを実施いたしまして、それをドクターが診断しま して、その診断結果を上の矢印のほうにいきますけれども、青いところのB病院のほうに 戻しまして、それを踏まえて、それら前後して遺伝カウンセリングが行われたり、検査結 果の説明、治療計画を行ったりするというようなイメージでございます。  こういった外部委託の実施イメージなんですけれども、これをどうやって先進医療専門 家会議のところで制度化していくかというところでございますけれども、次のページの外 部委託による実施を前提とした既評価技術に係る届出ということで、今の関係でいいます とA大学病院で実際にやっている施設で、B病院が連携を行うというケースでございます が、10月1日から地方厚生(支)局というところに社会保険事務局から変わりましたけ れども、地方厚生(支)局に届け出いただきまして、それを厚生労働省のほうに送付して いただくと。  これらのスキームは、現在の新規技術で今審議いただいたようなやり方で、第1回目の B病院から委託をするということについては、この先進医療専門家会議のほうで議論して、 その技術が外部委託が可能な技術なのかどうか、委託した際の施設基準や検体の管理・輸 送方法というものについて御議論いただきまして、それについて可か否かということを御 議論いただくと。その結果、了承が得られましたら、施設基準等の告示でその技術を委託 してよいというようなことを告示するということを考えているところでございます。  それ以降についても、今のやり方と同様のスキームを踏襲するということで、B病院を はじめ、ほかの他の施設でやりたい場合、C病院、D病院、E病院というところでやりた い場合も、A大学病院と連携があった場合に、通常の既評価技術に準じた届出ということ で、下の青いところにありますとおり、届出を地方厚生(支)局のほうに届け出いただく ということでやっていただけるようにするような仕組みでございます。  1枚目に戻っていただきまして、これについて提案のところに文章にしておりますが、 以下の取り扱いにより先進医療において検体検査を外部委託して実施することを認めては どうかということで、既に先進医療として認められている検査について、当該検査を実施 している医療機関に対し、外部委託を希望する医療機関は別途定められた様式に従い、新 規技術に係る届出に準じて厚生労働大臣に届出を行うものとすると。  また、(1)の届出がなされた技術は先進医療専門家会議において、外部委託の可否に ついて評価・検討を行いまして、外部委託して実施することが認められたものについては、 厚生労働大臣が施設基準を設定する。  (2)において外部委託を実施することが認められた技術については、通常の既評価技 術に準じて、地方厚生(支)局長に当該施設基準に適合する旨の届出を行うものとすると いうようなことを考えておりまして、こういったことを事務局として提案させていただき ますけれども、これについて御議論いただければと思います。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、御説明いただきましたけれども、お話にありましたように第30回のときでしょう か、やはり遠くの施設へ患者さんが行くのは大変であるということで、しっかりした技術 であれば、それから施設がはっきりしていれば、そういう委託のことも考えていいんじゃ ないだろうかということで、いろいろと事務局のほうで検討していただきまして、辻先生、 特に問題となる分野のご専門ですので、御意見をいただきたいと思いますけれども、いい ですか、辻先生。 ○辻構成員  質問ですけれども、イメージとすると外部委託を希望する医療機関というのは、事前に ある程度の数を申請することは可能というふうに考えてよろしいんでしょうか。 ○事務局  まず、第1件目に関しては、ある医療機関が今の先進医療のシステムと同じように、申 請していただくことになると思います。その後については今と同じように既評価技術扱い になりますので、地方厚生(支)局のほうに届け出るだけでよいということになると思い ます。 ○医療課企画官  補足させていただきますが、3枚目の図の上のほうが外部委託を初めて行うとき、1例 目についてというイメージで、1例目については新規の先進医療と同じような扱いになっ て、こちらで御議論いただいて委託してもいいということになれば、管理・輸送方法等を 含めた施設基準、そういうものをつくって、それを告示すると。2例目以降については、 その施設基準に則ってやっていただいて、届出を出したときに厚生(支)局がその施設基 準に則っているかどうかということを判断するという、そういう仕組みなので、ですから 一遍にいきなり何例もという、そういう話ではございません。 ○辻構成員  そうしますと、下のブルーのほうのB病院の立場で考えたときに、届出を出してから実 際に承認されるまでというのは、どれぐらいの時間がかかると考えてよろしいんですか。 ○事務局(待鳥課長補佐)  これも現在と一緒でございまして、図の下の手続きだけで結構ですので、受理したら直 ちにできることとなると思います。 ○辻構成員  まれな疾患が多いかと思いますので、そうしますとめったに起こらないんだけれども、 どこかの病院でそういう事例が発生すると、そこから出して、比較的スムーズに進むので あれば大変ありがたいと思うんですけれども、その審査に時間がかかっていると、ちょっ と現実的に対応できないかなという気もしたものですから。 ○事務局  新規のものと2回目以降、初めて届け出たものと2回目以降というものについては、現 行の先進医療と同じ取り扱いになりますので、現行の先進医療でも2つ目の医療機関につ いてはすぐにできるようになっておりますので、そこはスムーズにいくものと思っており ます。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。  どの技術かということで、やっぱり一番最初のところだけは厳重にチェックしなければ いけないだろうと、ですから施設基準も同じように設定するのだと。もう、一回、それで 許可されればあとは施設の届出だけということで。  どうぞ、谷川原先生。 ○谷川原構成員  質問ですけれども、今の3ページの初めて外部委託を行う場合は、届出というか、申請 はB病院がやるんですか、それともA病院がやるんですか、それともAとBが一緒になっ て申請するんですか。 ○事務局  B病院が申請します。 ○谷川原構成員  ということは、A病院はあくまでもバックアップみたいな形で、申請するのはBの立場 で申請されるということですか。 ○事務局  そうです。 ○谷川原構成員  わかりました。 ○猿田座長  どうぞ。 ○飯島構成員  事情はよく分かりましたけれども、そうしますと、A病院とB病院の契約書とか検体の 管理・郵送の方法、あるいは多分、検査費用のことも含めて、これは契約書か何かを添え て出せということですか。 ○事務局  まず、コストの点については、B病院で行うコストに係る根拠となるものは必要になる と思います。輸送に関しても、A病院とB病院でどのような契約で行うのかということに ついても、別紙でおつけいただくことにしたいと思っております。 ○飯島構成員  具体的には、もともとのA大学病院で例えば3万円でという契約、先進医療が承認され ておりますね、そうしますと、A大学病院では取り分が3万円になるんだけれども、B病 院ではそれに採血だとか輸送というコストがかかるので、それに上乗せをして経費を設定 するという趣旨でしょうか。 ○事務局  B病院でのコストについては今までも同様ですけれども、B病院で幾らでやりたいとい うのについては特に取り決めておりませんので、算定根拠が明らかとなれば、それについ てはA病院とB病院との合議である値段を設定して、その上でB病院で最終的な価格をど うするかということについては、そのB病院でお決めいただくということになるというこ とでございます。 ○飯島構成員  学会に持って帰って説明するときに、結局、A大学病院の立場になってみますと、先進 医療を3万円でやっておりますというのであれば、来た検体について3万円でやりたいと いうふうに思うと思うんですね。そうすると、B病院ではその3万円をちゃんとA病院に お払いしますという契約になると。そして、それに輸送費だとか患者さんの遺伝子相談だ とか、そういう経費が上乗せされますね。それを足していいということで理解してよろし いんでしょうか。 ○医療課企画官  今のお話は、要は届け出る基準のお話とお金のお話は別でございまして、この図に書い てありますように、あくまで基準を決めるときにA病院とB病院で話し合うのは、検体の 管理・輸送とか、そういう技術的なことについて取り決めていただいて、そういうものを 含めてこちらのほうに出していただいて、専門家会議で御議論いただくと。お金について は全く別でございまして、もちろん参考として書かれるということはあるんですけれども、 要は医療保険と別の部分でございます。患者さんから幾らいただく、あるいはその取り分 をA病院とB病院で幾らにするというのは、それぞれの病院で決めていただくということ であって、こちらの先進医療専門家会議のほうは関係のないことでございます。 ○猿田座長  よろしいですか。どうぞ。 ○吉田座長代理  ただ、先進医療が出ますとレセプトが多分B病院から出ますよね。それで、今までもず っとあるんですけれども、対診の法則を理解しないで、勝手にB病院もA病院も請求する という例がけっこうあるんですよ。ですから、その辺、きちんとやっておかないと、すべ てB病院が認可するのだから、B病院のレセプトの中に先進医療として保険が幾ら、自費 が幾らということで出しますよね。それは監視しないと勝手に両方出るんですよ。いい例 がPETのときで、A、B、C、Dという病院があって、全部初診で出てくるんですね。 そういうことがあったので、その辺、やっぱりきちんとやっておかないと、お金で関係な いんですけれども、システムとしてきちんとやっておかないと、そういう矛盾が起きるん ですよね。 ○事務局  実際にやってみてどういう不都合が生じるかということは、確かに御指摘の点はあると 思いますので、そういったことを含めて検討していきたいと思います。 ○猿田座長  お金の部分はどこがやるんですか、お金に関して特に議論するのは。 ○事務局  お金は、基本的には医療機関ごとに設定するものですので、ただ、その根拠となるもの は提出していただくようにはするんですけれども、お金に関しては医療機関ごとに設定さ れるということでございます。 ○猿田座長  どうぞ。 ○加藤構成員  成育医療センターは、希少疾患群の検査が多いのでこういうケースが多くて、この間も 研究会のときにこれが話題になりまして、コストはどちらがいただけるのでしょうかとい う話になったんですけれども、できれば先進医療としてのコスト代は、検査する側にいた だきたいというふうに国のほうで決めていただいたほうが、非常にスムーズではなかろう かというふうに私は思うのですけれども。 ○事務局  そこについて我々が言及するのは非常に難しいと思っておりまして、保険上もどこかと 委託するケース、例えばベッドとか、そういったものについては、病院側が設定している ものですし、また、遠隔医療などでのコストの配分というのは、医療機関同士の合議によ ることとされておりますので、それと同じ取り扱いかと思います。 ○猿田座長  どうぞ。 ○吉田座長代理  ですから、保険法上は対診の法則といって決まっているんですよ。B病院でレセプトが できた場合には、幾らAに委託しても請求はB病院が行うと決まっているんですね。です から、やっぱりこの会議で決められないので、対診の法則に従ってAとBでさっき一番最 初に言ったみたいに、契約書を交わしてやったほうがいいと思うんですよね。この検査に 関しては明らかに3万5,000円かかるので、3万5,000円は成育医療センターで もらいますよ、いいですよということについてを契約を交わせばいいんじゃないですか。 この会議で決められないので、法律で決まっていますからね、そうすればいいんじゃない ですかね。 ○飯島構成員  ですから、僕がさっき指摘したのはそういうことで、検査する側からするともともとの 料金をいただきたいだろうと思います。そうすると、B病院というのはそれに上乗せをし た料金を設定して徴収して、そしてB病院の取り分はそちらで取って、患者さんからはB 病院が取るけれども、A病院のもともと必要とする先進医療の届出費用は、そちらに回す という契約でいっていいんですかという質問が僕の趣旨なんですが。 ○事務局  それでもう結構でございます。 ○猿田座長  どうぞ、岩砂先生。 ○岩砂構成員  いわゆる国民皆保険制度のもとですから、その辺はしっかりとしていただかないと、医 師会といたしましては混合診療とか、そういうことにならないように、そちらへ波及して いくこともありますので、そのあたりをしっかり押さえていただきたいと思います。要望 です。 ○猿田座長  ありがとうございました。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  いろんな施設でできていいことだと思いますが、ただし、例えば多数のB病院ができた と仮定すると、遺伝カウンセリングはどうなりますか。遺伝カウンセリングを充分に行う ことが必要と思いますので、このことについて注意深く実施していただきたいと、思って おります。 ○事務局  B病院で遺伝カウンセリングが必要かどうかということにつきましても、先進医療専門 家会議のところで最初に受託施設として初めての届出の際は、ここで議論することになり ますので、遺伝カウンセリングの要件についても、ここで御議論いただければと思います。 ○田中(憲)構成員  最近の考えでは、基本的に遺伝カウンセリングは、医療実施施設とインデペンデントと いいますか、異なった施設でやれということを最近、遺伝学会なんかで言っております。 この点について、将来的に厳密に決めていただく必要があるのではないかと、思っており ますが。 ○医療課企画官  先進医療として認める場合には、あくまで施設基準ということで出しているので、それ を別途となると、またちょっと枠組みが別のものを考えざるを得なくなってしまうので、 現時点ではあくまでB病院の施設基準として、今でも臨床遺伝専門医とか、そういう基準 をつくっていますが、それと同じようなものを設定するのかなというふうに、我々として は理解しております。 ○猿田座長  どうぞ。 ○辻構成員  費用の点で別の立場から考えると、A大学病院で自分のところで診療する場合は、そこ での診療とかカウンセリングとか、いろんなものを含めて検査をやっているわけですよね。 それでトータルに計算しているわけだと思いますので、もしB病院から委託されたという ときには、今度は検査のところだけを負担するということになるので、先進医療を例えば 3万円で設定されたとしても、A大学病院で3万円を請求するというのは、場合によって はちょっと請求し過ぎかなという気も。 ○猿田座長  どうぞ。 ○谷川原構成員  先ほどの遺伝カウンセリングに関連しての質問なんですけれども、この遺伝子検査の例 は、B病院は倫理指針に則った形で手続が必要だと思うんですけれども、A病院のほうは どうなんですか。 ○医療課企画官  すみません、ですから2枚目のところの図をまたごらんいただきたいんですけれども、 A大学病院というのはそもそも先進医療実施機関として、自分の病院でこういうことをや っているということですので、もともと基準を満たしていなければできない病院なんです ね。要は検査だけを受託する病院という意味ではございませんので、その辺は、ですから まずA病院のそういうしっかりとした基準を満たしたものがありきということで、Bが出 てくるということでございます。 ○猿田座長  どうぞ。 ○竹中構成員  多分、書式は変えないということなんでしょうか。少し現時点での普及性とか効率性と いうのが外部委託が可能になると、先ほどのお話だと、設定した単価よりも当然外部委託 をしながら検査をやっていこうとすると、最初の申請のときに条件設定は変えないのか変 えるのかと。多分、こういうものが研究会とか何かがいろいろあって、こういう検査が導 入されればみんな乗るよという話は、一般的に出てくるんだろうと思うんですけれども。 ○事務局  そこに関しては、先進医療専門家会議で最初に委託の案件が出てきたときに議論いただ くわけですけれども、当然、受託をすることに伴って必要な施設基準とは何かと、検体の 輸送等に係る要件は何かというところを御議論いただき、追加すべきところがあれば追加 していただくというようなことになると思います。 ○猿田座長  ほかに御意見はございますか。  今、できるだけ御意見をいただいておいて、もう一回、ちょっと議論させていただいて、 最終的な結論のほうへ持っていきたいと思っているんですけれども。  どうぞ。 ○谷川原構成員  こういうふうに検査を外注でフレキシブルにしていただけるというのは、非常にありが たいことだと思います。ちょっと私も以前にかかわりましたけれども、抗がん剤の反応性 に関する試験とか、最近は分子標的治療薬の薬剤反応性の遺伝子診断とか、バイオマーカ ー診断とか、明らかに医療費を効率化するには、効かない集団に対して薬を使うという行 為をいかに制限するかというところで医療費は効率化されるんですけれども、今、まさに 非常に高価な分子標的治療薬も最新の研究が進んで、ある特定の遺伝子とかバイオマーカ ーを見ることによって、レスポンダーをかなり絞り込めるという技術も出てきていますの で、そういったことを生かすには、やっぱり本当にそういう技術というのは特定の大学病 院しか、ナショナルセンターしかできませんので、こういう形でフレキシブルに対応して いただけるというのは、大きい意味で無駄な薬剤使用をなくすという医療費の効率化とい う意味でも、プラスになるのではないかなと思います。 ○猿田座長  ありがとうございます。  ほかに御意見は、辻先生、どうぞ。 ○辻構成員  あと1点追加なんですけれども、検査の品質管理とか制度の維持とか、あるいは記録の 保管とか、通常の検査会社だったり、検査部であれば、当然、やっていることだと思うん ですけれども、大学の研究室がこういうのを担当するとなると、そういった面での少し要 件設定といいますか、管理を少ししておいたほうがいいのかなという気がいたしますけれ ども。 ○猿田座長  そこは大切なところなんですよね。最初のところはここでひっかけますけれども、その 後が問題になるものですから。ありがとうございます。  どうぞ、加藤先生。 ○加藤構成員  先ほど御質問に出たと思いますけれども、2枚目のスキームに従っていきますと、少し 実際に行われるまでに時間がかなりかかるような感じを受けるんですけれども、特に新生 児ですとか、遺伝子診断で緊急にミルクを新しい普通のミルクでないミルクにしなければ いけないというような事例が起きてくる、そのようなことを行いたい場合に、ちょっと見 た感じでは2カ月ぐらい、これはかかるのかなというような気がするんですけれども、そ の辺のところはもう少し簡素化できるような方法はできないものでございましょうか。 ○事務局  既評価技術について、そういったケースは恐らく下の段の青いところのケースに該当す ることが多いと思うんですけれども、それについては翌月に保険診療と併用できるという ことになっておりますので、そういった意味では非常に今まで同様ですけれども、スピー ディーに行えるものと思っております。 ○猿田座長  どうぞ、辻先生。 ○辻構成員  疾患にもよると思うんですけれども、必ずしも先進医療に承認されているとか分からな いですけれども、例えば造血幹細胞移植とか肝移植とか、何かそういったものを急ぐとい うような場合なんかありますよね。そのときに1カ月待つということはとてもマイナスに なるという場合も、例外的にはあり得ると思うんですけれども。 ○医療課企画官  本当に急ぐ場合であれば、患者さんに直接できる医療機関に行っていただいたほうがい いと思うんですけれども、これはあくまでそうではなくて委託するということですので。 ○猿田座長  どうぞ。 ○吉田座長代理  これ、今度かわって地方厚生(支)局ですけれども、要するに先進医療のときに私が意 見を言ったのは、直接、厚労省でできないかと言った理由は、今でもですよ、各地区の社 会保険事務局は非常に仕事が遅いんですよ。遅いので、あれをたしか1週間にしてくれと しましたよね。地方厚生(支)局が本当にどう働くか分からないんですけれども、社会保 険事務局みたいな体質ですと本当に時間がかかります。その辺は、だからある程度、事務 局としても1週間なら1週間と限定しないとだらだらいくんですね。それをお願いします。 ○猿田座長  ほかにございますでしょうか。  確かに皆様方がおっしゃることはいずれも非常に重要なことなんですけれども、一番ど ういう技術をまずここで認めるかということと、そのときのまず一番最初に認められると ころでしっかり議論してやっていくということと、もう一つは今日、一応皆様方に御意見 を伺いましたから、もう一回事務局とも詰めさせていただいて、それでこの次ぐらいに正 式にかけさせていただければと思います。ただ、こういう方向でいくことは国民にとって も非常に有益なことでございますので、しっかりやれれば非常にいいと、今のお金の問題 はもう少し後で検討させていただきますけれども、一応、この方向でいくということで先 生方、お認めいただけますでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  それでは、そういう形で今後、進めさせていただきます。この次に多分、かけさせてい ただくことができると思います。  それでは、次の議題のほうへ移っていただけますでしょうか。 ○事務局  4番目の議題なんですけれども、先進医療専門家会議に係る運営要綱の作成についてと いうことで、先−5の参考資料をつけさせていただいております。実は先進医療を始めて もう2年以上たちますけれども、運営要綱というところでは例えば任期等がまだ定まって おりません。そういうことを踏まえまして、今回、高度医療評価会議というのが始まりま したが、ここで運営要綱が参考資料のように定められておりますけれども、こういったも のを高度医療の運営要綱やほかの会議の運営要綱を見つつ、参考にしつつ、先進医療でも 運営要綱をつくってはどうかということで、こちら事務局として提案させていただきたい と思いますけれども、いかがでしょうか。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  ちょっと書類を見ていただいて、御意見をいただければということでございます。既に やられてきた委員会でございますけれども、まとめるとこういう形になるということと、 それから、今、参考としてお話しありました高度医療評価会議のほうが始まりましたから、 それとの絡み合わせということも見ていただければということでございます。  どうぞ。 ○田中さ(良)構成員  運営要項の見出しの「項」が間違っていませんか。 ○猿田座長  ほかに何か御指摘はございますでしょうか。  内容的には、これまでやってきたものをまとめさせていただいたということかと思いま すけれども。 ○事務局  これは高度医療の運営要項でして、先進医療の運営要綱はこれを参考にしながらつくら せていただきたいということで、よろしければ次回以降、また改めて先進医療の運営要綱 をどのようにするかということを、こちらから御提示させていただければということで御 提案でございます。 ○猿田座長  でも、大体こういうことですよね。大きな変更はないですよね。  よろしいでしょうか、こういう形だということで。  それでは、これも一応お認めいただいたということで、今日の議題は以上でございます けれども、また時間が早いんですが、何か委員の先生方から御意見はございますでしょう か。今日、特に問題があった少し返戻が多いものですから、そのあたりのところをもう少 し明瞭にさせたいということと、それから先ほどの3番目の議題に関しまして、もう一回 検討させていただいて、この次にかけさせていただくということで、もし御意見がないよ うでしたら、それではこれで……どうぞ、北村先生。 ○北村構成員  先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたけれども、やはり以前の高度先進医療 が持っていた良いところは、研究者が集まっている、ある意味、集約しているところの施 設限定でやらせるという仕組みなんですね。これが今失われてきまして、先ほどの件でも 勝手に普及していってしまうことがむしろ問題であるという観点から、そこのところを抑 えないと仕方がないという逆のニュアンスが出てきます。やはり、施設限定でこういう先 進医療を承認するという仕組みが今ないんですね。  しかし、そういう研究者を集約しているのであれば、ぜひ続けていかせる、しかし、研 究費で賄うには何年も、例えば5年以上たってくると、なかなか難しい場合もあります。 研究者の集約をして頑張っておられるところには、大変助かる組織づくりになるのではな いかと思うんですね。以前の高度先進医療が持っていた施設限定的なものというのは、や はり要るのではないかという気がしてなりませんのでちょっと。 ○猿田座長  ありがとうございます。  非常に貴重な御意見なんですけれども、今、こういう方向に来ています。何か事務局、 御意見はございますか。 ○医療課企画官  我々より先生方のほうがもっと御存じだと思いますけれども、それこそ高度先進医療が なぜこういう形に変わったかという、規制改革の流れとか、そういう中でこういう届出制 度になってきたという、どうしてもそういう大きな流れがあると。その中でもう一つ薬事 未承認のものもさらに何とかしろということで、ようやく今年から高度医療というのがで きたという、そういうところでございます。先生のおっしゃることは非常によく分かるん ですけれども、次々とまたこれもと言われても、もちろん我々としては先生方の現場の声 として認識して今後も考えていきたいと思いますが、やはり全体の流れと今ステップ・バ イ・ステップで来ているものとの兼ね合いも、ちょっとご理解いただければと思います。 ○猿田座長  私が言っちゃおかしいかもしれませんけれども、私はずっと経過を見ていて、おっしゃ るとおり、いいところと悪いところがあるんですね。特に高度先進医療は、非常に時間が かかったんですね。その点と、それから今度、実際、そういったことをするのを早くしよ うという形で、高度医療の形に持っていって、今度は先生がおっしゃったようにいろんな 施設がやり出したと。そうすると技術によって、非常に問題な技術とそうじゃない技術と あるんですね。だから、そういったことはもう少しこれから進めていった上で、どう変え ていったらいいかということで議論していくことが大切と思います。いい面と悪い面と本 当に両方がありまして、その点はもう少し、先生、見ていって議論していただければとい うふうに思います。一応、私はそう考えますけれども。  貴重な御意見をいただきまして、それでは、第32回の専門家会議、これで終わりたい と思います。  どうも御協力ありがとうございました。 <了> 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)