08/09/29 第18回未承認薬使用問題検討会議速記録 第18回未承認薬使用問題検討会議議事録  日  時:平成20年9月29日(月)14:00〜15:22  場  所:九段会館 真珠の間  出席委員:堀田委員、井上委員、大塚委員、川西委員、後藤委員、佐川委員、       藤原(久)委員、吉田委員 ○審査管理課長  定刻よりちょっと早うございますけれども、委員の先生方にお揃いいただきましたので、 ただ今より第18回未承認薬使用問題検討会議を開催させていただきたいと存じます。  本日の委員の先生方の出欠状況について、まず報告申し上げます。岩砂先生、久保先生、 浜田先生、樋口先生、藤原先生からご欠席というご連絡をいただいております。  次に事務局の人事異動についてご報告申し上げます。大臣官房審議官の岸田修一でござ います。9月1日付けで発令されております。なお、ほかに医薬食品局長が高井康行に交 代しておりますし、また医政局の経済課の課長の木下が新しく就任しておりますけれども、 30分ほど遅れて出席するという連絡をいただいております。  それでは、座長の堀田先生、議事進行をよろしくお願い申し上げます。 ○堀田座長  よろしくお願いいたします。まず、事務局から本日の配布資料の確認をお願いします。 ○事務局  本日の配布資料につきましては、議事次第、座席表及び資料1「第17回未承認薬使用 問題検討会議(平成20年6月30日開催)において状況調査の上、報告することとなった 品目について」、資料2「本年6月〜8月に提出された要望書の一覧」、資料3「本年 6月〜8月に欧米4カ国で新たに承認された医薬品(類型I)」のもの、資料4「本検 討会議で検討された医薬品のリスト」でございます。また、参考資料として参考資料1 「開催要綱」、参考資料2「構成員の名簿」、参考資料3「対象医薬品の類型」、参考 資料4「未承認薬を治験対象とする場合の考え方」、参考資料5「ワーキンググループ の設置について」、参考資料6「本検討会議での検討状況」を配布しております。  その他、構成員の先生方の机の上に本日の資料3で出てくる5品目の医薬品の欧米添 付文書等につきまして、英文で恐縮ですけれどもコピーを置かせていただいております。 ページ数も多く、かつ英文でございますけれども、傍聴されている方々の中でこの資料 をご希望される方は恐縮ですが会議の終了後、事務局まで声をおかけください。以上で す。 ○堀田座長  ありがとうございます。資料の欠落等がありましたらお知らせください。よろしいで しょうか。  それでは、本日の具体的な議事に入りたいと思います。まずは資料1として、前回の 第17回の本会議で「状況調査の上、報告するとなった品目について」事務局から説明を お願いします。 ○事務局  ご説明申し上げます。資料1でございます。前回の第17回検討会議においては平成20 年3月〜5月の3カ月の間に欧米4か国で承認された医薬品としてメチルトレキソンを ご紹介させていただきました。メチルトレキソンの概要を前回の資料より抜粋して示さ せていただいております。  前回の検討会においてメチルトレキソンのその後の国内開発状況並びに学会・患者団 体からの要望について、最新の情報を調査し、次回の検討会にて報告するようにご指示 をいただいておりますので、ご報告いたします。  メチルトレキソンについては、国内ではWyth社が開発等の権利を有しているというこ とでございます。Wyth社に確認しましたところ、本品目に関する開発はWyth社自身では なく、国内においてはライセンスアウトして行う予定であるとのことです。  現在、ライセンスアウト先との契約交渉が進んでいる段階であって、契約先の会社名 は現時点では明らかにすることはできないのですが、次回12月の開催予定の本検討会で は改めて進捗状況をご報告できると考えております。  Wyth社によりますと、契約先の会社も本品目の開発には非常に興味を持っており、国 内開発は今後進んでいくものと思われます。  以上、ご報告させていただきました。 ○堀田座長  ただ今の事務局の説明に何かご質問、ご意見はございますでしょうか。先回は類型I の中で新たに承認されたものの中のこのメチルトレキソンにつきましては、これはワー キンググループに下ろすよりは進めるという方向で状況を調べようという話で、今報告 を受けました。そのときにご発言をいただいた吉田構成員、何かご意見はありますか。 ○吉田委員  そういうことであれば。 ○堀田座長  ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、これは疾患の重篤性そのもの、便秘ということではないのですが、前回、 吉田構成員から原疾患自体が重篤であり、いわゆる緩和医療に必要なものという位置付 けからすれば、積極的に対応すべきではないか、こういったご意見をいただいたと思い ます。それで現在、状況調査、次回には進捗の状況、これを開発する会社名等が公表で きる可能性がある、こういうことでございました。よろしいでしょうか。  特にほかの方、よろしいですか。  それでは、このものにつきましては次回報告させていただくということにいたしたい と思います。  次に資料2の方をご覧ください。本年6月〜8月の間に学会・患者団体等から追加で 検討要望があった未承認薬のリストでございます。これについても検討に移りますので、 事務局から簡単にご説明ください。 ○事務局  ご説明申し上げます。資料2をご覧ください。前回の検討会以降の平成20年6月〜8 月の間に12品目に係る未承認薬の早期承認に関する要望書が提出されました。また、既 承認薬の効能追加に関する要望についても、本検討会議の対象ではございませんが、資 料2の2ページ目に参考としてまとめてございます。  それでは、要望のあった各薬剤の内容でございます。まず、第1番目のAD/HDに 対する治療薬でございます。日本発達障害ネットワーク、えじそんくらぶより要望が提 出されております。本疾患に関する治療薬については、イーライリリー社の品目である アトモキセチン塩酸塩が現在承認審査中です。  2番目のラパチニブ、乳がんの適応です。昨年2007年3月に申請が出され、現在、優 先審査にて審査中でございます。  3番目、ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物品吸入剤、気管支喘息の適応 です。こちらも昨年5月に申請され、現在、審査中でございます。  4番のプレガバリンですが、本年5月に申請され、現在、審査中です。  5番のクロザピン、こちらも昨年12月の申請を受け、現在、審査中です。  6番目のアナキンラですが、慢性乳児神経皮膚関節症候群(CINCA症候群)とい う疾患の適応にて、早期承認の要望が日本小児科学会から提出されたところです。  7番のダサチニブは2007年8月に申請され、現在、審査中でございます。  8番目のクロファラビン、現在、治験を準備中であると聞いております。こちらは希 少疾病用医薬品の指定を受けております。  9番のアプレピタントは成人への効能については2007年7月に申請され、現在、審査 中です。  10番目のスガマデクスナトリスムは2007年12月に申請され、現在、審査中です。  ページをお捲りいただいて11番目のグリアデールですけれども、こちらは現在、治験 準備中でございます。オーファンの申請も併せて検討中であると聞いております。  最後に12番の子宮頸がんワクチンです。意見書を福岡県ほか163の自治体の議会より 提出いただいております。子宮頸がんワクチンについては昨年の9月と11月に2品目が 申請され、品目、非臨床データ及び海外の臨床試験データについて現在、審査中でござ います。それに並行して、国内治験が現在実施中でございます。  以上でございます。幾つかの品目については、既に対応が進んでおりますけれども、 WGで更に詳しい検討をすべきものがあるかどうかについてご意見をいただきたいと思 います。以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。それでは、ご意見を賜りたいのですが、本日は全部で12品 目ございます。参考資料4にございますように、この未承認薬検討会で取り上げ、更に 検討すべき考え方といたしまして疾患の重篤性、医療上の有用性ということを加味して 検討するということでありますので、それに則って行いたいと思います。いずれも患者 団体あるいは学会から要望が出ているものであります。順次行いたいと思いますが、い かがでしょうか。  まず、最初にAD/HD治療薬についてはいかがでしょうか。これは既に承認審査中 という状況でありますので、基本的には承認審査中のものはわざわざ遅くするというこ とはあり得ないので、順次粛々とやっていただくというのが基本かと思いますが、よろ しいでしょうか。  特にご意見がなければ通常どおり粛々と進めていただきたいと思います。  それからラパチニブ、乳がんに対するものですが、これは乳がん学会と患者団体の両 方から出ているようであります。これについてはいかがでしょうか。  これは優先審査で承認審査中ですが、2007年3月ということですと、もう1年以上経 過していますが、かなり出口に近いということでしょうか。それともまだまだ入り口付 近でうろうろしているのか。その辺は何かありますか。 ○事務局  具体的にどの段階で、もうすぐかどうかということは我々の方から申し上げにくい部 分ではありますが、出口に近い状態であるということだけは申し上げることができると 思います。 ○堀田座長  優先審査ということですが、審査は審査側の時間、それから企業側が対応する時間と 合わせて総審査期間ということになりますので、その辺りは企業の対応等が迅速であれ ば早く進むという面もありますので、一概にその審査が遅いということではない場合も あります。どうですか、先生方。これも粛々と進めていただくということでよろしいで しょうか。  それでは、ブデソニドにつきましてはいかがでしょうか。これも承認審査中でござい ます。審査中でありますのでそのまま進めていいかどうか。後藤先生、何かご意見は。 ○後藤委員  気管支喘息に関しては類薬もございますし、今のお話のとおり承認審査中ということ で、このまま粛々と進めていただくということでよろしいと思います。 ○堀田座長  ありがとうございました。それでは、その次のプレガバリン、帯状疱疹の後の神経痛 治療薬でありますが、これについても承認審査中であります。これはまだ審査が始まっ たばかりということですが、いかがでしょうか。何かご意見は。  特に問題がなければ、これも審査を規定どおり進めていただくということでお願いし たいと思います。  それでは、その次にクロザピン、これはいかがでしょうか。これは承認審査中でござ いまして、まだ1年はたっていないという状況かと思います。これも特に急ぐ必要があ りますでしょうか。  特にご意見がなければ、これも通常どおり進めていただくというふうにしたいと思い ます。  その次の6番目、先生方からご意見をいただきたいのですが、慢性の乳児神経皮膚関 節症候群というので、これは小児科学会からの要望が出ておりますが、今のところ開発 の意志を示す企業がないという状況かと思います。これにつきまして、大塚先生の方か ら病気の紹介とどんな現状かということをご説明願えますか。 ○大塚委員  小児科学会の横田会長から要望書を出させていただいている薬です。アナキンラはこ こにあります慢性乳児神経皮膚関節症候群という病気に非常によく効くということが分 かっております。この病気はクリオピリン関連の周期性症候群の最重症型でありまして、 出生後まもなく発病いたします。発疹、皮膚の症状ですね。それから関節炎。それから、 様々な神経に関する症状が出てまいります。放置いたしますと失明、難聴が進行して、 最終的に腎不全、肝不全で死に至るという、非常に重篤なタイプでありまして、遺伝子 異常も明らかにされております。炎症性のサイトカインの過剰産生によって体中あちこ ちに炎症が起こるというような疾患です。  アナキンラという薬は欧米においては成人の関節リウマチの薬として承認されている 薬でありますが、サイトカインの一種のインターロイキン1βレセプターの直接のアン タゴニストとして働くということで、慢性乳児神経皮膚関節症候群に有効性を発揮する と考えられております。  我が国に患者さんは非常に少ないわけでありますが、二十数名の患者さんがいらっし ゃるということが分かっておりまして、アナキンラを輸入して十数人に使用してみたと ころ、著しい症状の改善が認められたということが報告されております。  この疾患にはアナキンラ以外には有効な薬がないということです。問題は患者さんが 非常に少のうございますので、大がかりな治験ということはまず不可能であります。そ こで小児科学会といたしましては諸外国のデータ、それから我が国の使用実績の調査で 何とか患者さんに早期に使えるようにしていただけないかということを要望していると いうことでございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。日本では患者数が非常に少なくて、二十数名ぐらいの患者 さんというお話ですが、これは遺伝性の疾患と考えていいですか。 ○大塚委員  そうです。実は本年の3月にクリオピリン関連の周期性症候群の薬としてリロナセプ トの審議がございまして、私にその病気について堀田先生からお尋ねがございました。 そのときにはこの病気の話をいたしましたが、実態の方は知りませんでした。今回、会 長から要望を出すということで、非常に重症であって困っている患者さんがおられると いうことを聞きました。そこで、ぜひお願いしたいということと、リロナセプトは血液 脳関門は通過しませんので、今ここで問題になっております神経に来るこのタイプには 効かないということです。この疾患にはアナキンラでないとだめだということのようで す。 ○堀田座長  という、大塚構成員からのご意見でありますが、ご質問等はございますでしょうか。 ○審査管理課長  お聞きしたいのですが、要望書を見ると欧米では成人のリウマチで承認されていると いう記述が出てきますが、この症候群で承認されているというのは出てまいりません。 承認されているとすれば、かなりのデータがあると考えていいのだろうと思いますし、 そうではないとすると海外にもあまりデータがないのかなと思うわけでございますが、 そこの状況はいかがなものでしょうか。 ○大塚委員  非常にポイントを突いたご質問で、私も今回横田先生を通じて調べていただきました ところ、欧米でも慢性乳児神経皮膚関節症候群には適応が通っておりません。慢性関節 リウマチで通っている薬をオフラベルで使っているということであります。なぜそうな のかということを企業を通じていろいろ尋ねたのですけれど、日本のみならず世界中で 患者さんの数が少ないのが一番大きな理由であるということでありました。特に副作用 が問題になったのではありません。 ○堀田座長  そうなると海外でも適用がないものに対する適応という、この考え方の整理はどのよ うにしましょうか。 ○審査管理課長  いわゆるドラッグラグ的な欧米で使われるんだけれども日本で使えないというような 状況ではなくて、欧米でも認められていなということだとすると、1つにはエビデンス と申しますか、確かにきちんと効くのだということを1から構築していく必要があると いうのが1つ。すなわち外国のデータを利用するというのがかなり難しいのではないか と思っているのが1つ。  2番目には、これはここの会社の事情ですが、この開発している会社のアムジェンと いうのは国内での主な活動を武田薬品に譲渡したところでございます。その際にこの薬 は対象に入っていない。また、それをいろいろ聞いてみますとリウマチとしては最近、 いろいろな薬が新たに開発されてきて、この薬の有用性というか、優位性というか、そ ういう点から考えて、リウマチとしての開発というのは会社としてはやる気がないとい うような状況であります。  したがって、これに取り組むとすると世界で初めてこの症候群を対象にしっかりした データを取っていくということになるのだろうと思います。その2つがこの薬を取り巻 く非常に難しい点であろうと思いますけれども、困っている患者さんがおられる、また 一部の症例は少なくとも使用経験としては効いたということでございますので、もしよ ろしければ私どもからアムジェンの本社にメールという手段になるかと思いますが、一 度小児科学会からこういう要望が来ていて、開発、臨床試験とかご協力いただけると考 えるけれども、日本で開発する気はないかというようなことをやってみたいと思います。 その上で次回の検討会にまたご報告するということでいかがでございましょうか。 ○堀田座長  という課長さんの提案ですが、ほかにご意見は。  アメリカでも成人のリウマチが対象になっていても小児には適応がないということに なると、これは全く新しく適応を取るという形になりますので、その辺が通常の意味で の未承認薬とはちょっと違うということですね。  大塚先生、今の提案のようでよろしいでしょうか。 ○大塚委員  本当におっしゃるとおり、それも横田先生から連絡をいただいておりますが、結局、 関節リウマチの薬としてはほかによく効く薬があるらしくて、会社の方はそういう意味 ではあまり乗り気でないというのも把握しております。しかし患者さんが、実は京都大 学の教授が一生懸命この病気の診療をされているらしいのですけれど、一部の患者さん には輸入で提供して、その人たちは非常にうまくいっている。そうしますと、同じ外来 にその薬をもらっていない患者さんも来るというような具合で、現場ではそういう意味 で困っておられるというようなことがあって、何とか道がつけばというふうに考えてお ります。 ○堀田座長  それでは、整理としてはアムジェンが日本で小児を対象にしてこの薬を開発する条件 があるかどうか調査をしていただくことにしたいと思います。その上でこういったもの は非常に希少で、しかも遺伝性疾患でそれ以上広がっていく可能性のない病気に対して 重篤性から考えて別のところかもしれませんが検討していただくということになるので はないかと思います。という整理でよろしいですか。ありがとうございます。  それでは、その次です。7番ですが、ダサチニブです。これは治療抵抗性ないしは不 応性の慢性骨髄性白血病もしくはフィデラルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対 する治療薬ですが、患者団体からの要望が出ております。現在、希少疾病用医薬品とし ても審査中で、出口スレスレにところにあると理解しておりますが、何かこれについて はいかがでしょうか。  今これからプッシュするにしても、そんなに変わらないような気が私はしていますが、 よろしいでしょうか。もう承認間近だと考えております。  その次に8番のクロファラビン、小児急性リンパ性白血病ですが、小児がん学会から の要望であります。現在、準備中という段階のようですが、準備中、どんなふうかとい うのは何か情報がございますか。 ○事務局   事務局よりご説明させていただきます。治験準備中ということで、治験の開発から申 請までスケールを視野に入れて開発計画、具体的に言えば治験のプロトコルであるとか、 そうところを今関係学会、それから本社等と詰めている状態であると伺っております。 ○堀田座長  井上先生、何かご意見はありますか。  小児の関係のものは大人で適応があってもなかなか小児にはないというものが結構あ るのですが、これは大人にもないという状況の薬ではあります。日本では全くの未承認 ということになります。現在、開発の会社とおそらく機構の相談段階になっていると考 えております。  何かご意見はございますでしょうか。川西先生、よろしいですか。 ○川西委員  私自身はこの薬に特段知識があるわけではありませんけれど、いろいろな条件を鑑み ると、検討対象に挙げるということは一つ考えてもいいのではないかというようには思 います。 ○堀田座長  ほかの先生はいかがでしょうか。  藤原先生、佐川先生、いかがでしょうか。ないですか。  今、川西先生から検討対象に上げてもいいのではないかというご意見がございました。 これについてほかにご意見はありますでしょうか。 ○事務局  大変失礼いたしました。この品目そのものは第6回、平成17年の段階で一度WGの報 告書をとりまとめていただいたという経緯もございまして、申し訳ございません、資料 の方に明記しておくべき情報でございました。失礼いたしました。 ○堀田座長  たしかこれは検討対象になりましたね。というところで、これは進めていただくとい う前提でよろしいですか。それでは、クロファラビンにつきましては現在、開発企業が 準備中ということでございますので、これをできるだけ進めていただく方向でプッシュ していただきたいと思います。  9番目です。アプレピタント、これはいかがでしょうか。これも小児がん学会からの 要望であります。成人は2007年7月に承認申請をしている段階ということでございます。 何かご意見のある先生方はいらっしゃいますでしょうか。  井上先生、こういうお薬はどうですか。がんの化学療法誘発のもので、おそらく遅延 性嘔気に対する薬がないからということですが。 ○井上委員  成人ではたくさんこういう系統のはありますが、小児となるとなかなか十分なデータ がなくて使いにくいということですので、やはり安全に使えるということであれば進め ていただいて、それを検証していただけるということで、患者さんも安心するのではな いかと思います。治療を進めることに対しても十分対応できるのではないかと思ってい ますけれども。 ○堀田座長  現在、小児で化学療法誘発の吐き気、嘔吐については適応のあるものは何があります か。 ○事務局  事務局より追加させていただきます。日本小児がん学会様からの要望書というところ を企業の方に今回、成人の効能を申請しているのは小野薬品さんですが、そこにお伝え したところ小児に向けても現段階では社内で検討している段階であるということは伺っ ております。 ○堀田座長  ほかに小児の場合、こういう適応に対して代替薬というのはどんな状況でしょうか。 どなたかご存じですか。 ○審査管理課長  一般的ながんの化学療法に特化したようなものというのはあまり記憶にないのでござ いますが。ですから、そういう意味で学会からもご要望があるのだろうと思います。 ○堀田座長  アプレピタントでなくても一般的に小児の化学療養後の嘔気・嘔吐に対する治療薬、 制吐剤というのはあまりないのでしょうか。正規に承認されているものは。  吉田先生、何かその辺分かりますか、小児の制吐剤。 ○吉田委員  記憶にないですね。 ○堀田座長  あとの追加の効能の早期承認の要望書、次のページに小さい字で書いてありますが、 小児一般に成人と比べると適応症が取れていないものが多いので、全般的に小児に対す る適応拡大の要望というのは強いものがありますね。そういうものの一環かと思います が、このアプレピタントでないといけないのかどうかというのはここでは私も十分承知 していないのですが、ほかに代替薬がないのであれば一考に値するかもしれないと思い ます。 ○審査管理課長  先ほどご報告申し上げましたように社内で検討しているということでございますから、 その結果をまた次回のこの検討会にご報告させていただいて、そういう意味ではフォロ ーアップをさせていただいて、またご意見を賜るような形でいかがでございましょうか。 ○堀田座長  という整理でよろしいでしょうか。次回、ではその辺りを調査していただきまして、 報告をお願いいたします。  それでは10番目です。スガマデクスナトリウム、筋弛緩剤に対する拮抗薬ということ で、これは心臓血管学会ですが、これも審査中ということでありまして、現在、審査を しているところかと思います。これはいかがでしょうか。  これも藤原先生、よろしいですか。はい。  それでは、審査中ということですので、これも通常どおり進めていただくということ にしたいと思います。  その次はグリアデールです。これは脳腫瘍に対して術後にウェハス状のものを張り付 けるというようなお薬のようでありますが、これはいかがでしょうか。脳腫瘍ネットワ ークからの要望が出ております。これは準備中ということは既に何らかの意思表示があ るのでしょうか。 ○事務局  こちらの品目は現在、オーファンの申込みが検討されております ○堀田座長  どうぞ、追加をお願いします。 ○事務局  補足でございます。ですので、開発計画そのものも含めて、実際、開発に企業の方が 着手しているという段階でございます。 ○堀田座長  ということは、企業の方が既に準備がかなり進んでいると考えていいということです ね。  それでは、これについては進めていただくということでよろしいでしょうか。それぞ れの要望書は別途届いているかと思いますので、それに対する対応はよろしくお願いい たします。  それでは12番目、子宮頸がんのワクチンであります。これは自治体からのものですが、 これも承認審査中ということですが、予防ワクチンはこの検討会になじむのかという議 論は当初ありましたけれども、いかがでしょうか、こういう要望が出てございます。 ○審査管理課長  この現状をご報告させていただきたいと思います。この子宮頸がんワクチンにつきま しては、この検討会でも数次にわたってご議論をいただいたところでございますし、我 々としてもこういった子宮頸がんの多くを予防できるのであれば非常に高い意義がある ものだと考えたところでございます。  一方において、子宮頸がんのもととなるウイルスの型というのは十数種類あるようで ございまして、その型の分布が日本とアメリカ、あるいはヨーロッパの間で若干異なる というのもいろいろな発表がされているところでございます。  更にはこのワクチンは感染する前に打つというのが通常だと聞いておりまして、アメ リカにおいても10代前半から打つというようなワクチンであると聞いているところでご ざいます。  したがいまして、国内で何ら試験することなくこれらの品目を導入するということは 適当ではなかろうということを判断いたしまして、国内での治験を今急がせているとこ ろでございまして、今年の末あるいは来年の初めにでもその結果が出てくると聞いてお ります。  通常の場合、治験結果を添えて承認を申請するということが一つのルールになってい るところでございますけれども、先ほど申し上げましたようにこの検討会においてもそ の意義は高いだろうというご意見を前にいただいたことがございますし、我々としても がんが予防できるということであれば、それは画期的なことだろうということで、予め 申請をしてもらって、治験結果が出たときには、その治験結果を最終的な審査をすると いうような体制にしようということで、予め申請をしていただいていたために承認審査 中ということになっているところでございます。現時点においては治験が適正に速やか に終わって、その結果を報告されるのを待ちつつ、審査を進めている状況ということを ご報告させていただきたいと思います。 ○堀田座長  ただいまのご説明で何かご意見はございますか。  藤原先生、いいですか。 ○藤原(久)委員  いや、結構でございます。 ○堀田座長  ほかの先生は。佐川先生は。よろしいですか。  それでは、これにつきましては治験進行と並行して承認審査中という状況のようであ りますが、これも進めていっていただくということでお願いしたいと思います。 ○川西委員  先ほどクロファラビンのことをちょっと忘れていて申し訳ございませんでした。この 表をもう1回眺めますと、クロファラビンは17年10月の第6回になりますか、検討会で 既に要請がされて、まだ治験準備中という数少ない初期のもので、会社もジェンザイム といって、今までいろいろご協力いただいて、私も最終的に申請されたときにいろいろ 見させていただいて、ご苦労はよく分かるのですが、疾病が疾病だということ。この検 討会の比較的初期にもう既にお願いしたものであるということから、また今回要望が出 たということを併せてもう1回お願いするという形をとったらどうかと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。これはネララビンと同じときに扱ったもので、似たような時 期に小児の白血病治療薬が非常にプアであるという状況で要望されて、この中でネララ ビンについては非常に迅速に対応していただいて、早期承認になったということですが、 このクロファラビンは残ってしまっているという状況かと思います。引き続き学会から の、あるいは患者団体からの要望もございますので、治験をジェンザイムに引き続き進 めていただくように、これはプッシュしていただくということでよろしいかと思います。 ○事務局  了解しました。今回の第18回検討会でも改めて開発をできるだけ早期にという委員の 先生方のコメントがあったことを伝えさせていただきたいと思います。 ○堀田座長  それでは、早期承認の要望があったものにつきましては、アナキンラについてはもう 1回その状況を、これは開発の会社に対して開発の意思を確認するということを次回報 告していただきたいと思っています。クロファラビンについては今のとおり、改めてプ ッシュしていただくということ。それから、アプレピタントについても進めていくプッ シュをお願いしたいと思っています。  それから、グリアデールについてもオーファン申請を検討中ということでありますが、 どのような準備段階に進んだかということを次回に報告していただくということにした いということでございます。よろしいでしょうか。 ○堀田座長  ありがとうございました。それで、このページの最後に参考資料として、効能追加に ついての要望書の一覧がございます。これはこの検討会での対象事項ではございません けれども、参考としてこういったものが上がっている。これを見ますと、小児への適応 拡大というのが非常に要望としては多いというのが見てとれるかと思います。  これは一般的な考え方として、今後、小児に対する適応というのはどういうふうに考 えていったらいいのでしょうね。 ○審査管理課長  先生、これはなかなか悩ましい話でございまして、我々も小児科学会ほかのご協力を 得て小児薬物療法の検討会というものを設けたところでございます。この検討会という のはデータがたくさんあって、いわゆる公知申請と言われるような国内での改めての治 験なしでやれるというようなところまではいっていない、しかしながら、かなりのデー タがある品目について、最後の知恵を絞って公知申請的に処理していこうというのがそ の目的でございます。  したがいまして、今設けているのは外国のデータ、あるいは国内のデータが比較試験 を含めてしっかりしたものがあって、これが公知申請と呼ばれるものです。  その次のものとして、公知申請までいくのはなかなか難しいけれども、データを整理 して精査してみると、まあいいのではないかというのは検討会でやっている。これの先 に何を設けることができるのかというのがもっと知恵を絞らなければいけないというの が一つあるかと思います。  更には、その知恵の絞り方として、先ほど川西委員もおっしゃいましたが、我々とし ても通知を出したり、電話でお願いをしたり、あるいは会社の上層部にお会いしてお願 いする。その際には審査に当たっても懇切丁寧に相談にのりますから、こう申し上げて いるわけでございますが、なかなか差別化ができない。そこにもっと何かインセンティ ブが与えられないのかというようなことも考えなくてはならないというふうに思ってい るわけでございまして、そうなりますと必ずしも審査部局だけで話が終わるものでもな く、省としていろいろな機会に先生方のご要望を踏まえて、我々としてもまた考え方を 整理していきたいと考えております。  そういう意味で申し上げますと、こういう手法があるんだとか、こういうアイデアが あるんだということがあればご示唆いただければ、我々として今後のシステムあるいは 制度を構築していく上で参考になるかと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上 げます。 ○堀田座長  ありがとうございます。  大塚委員。 ○大塚委員  私は子どもの薬のことに特に関心がありますので、ちょっと突拍子もないことかも分 かりませんが、大人の薬が承認されて、それから子どもの治験を始めたら3年ほど特許 というか、優遇される期間が延びるという話がございますね。初めから子どもの治験も 一緒にやったら、それで少し長く優遇してもらえるというようなことはできないのでし ょうか。製薬企業の方は3年の延長を見込んで、とにかく大人を済ませて、その後、子 どもの治験をやるというスタンスで臨んでこられるので、初めから子どもも含めて治験 をやっていただくと、少しインセンティブがあるというようなことはあり得ないことな のでしょうか。 ○審査管理課長  先生がおっしゃっているのも一つのインセンティブの付け方の話だと思いますし、重 要な参考になるのだろうと思います。もちろんフェーズIとか、そういう段階で成人と 子どもと一緒にするわけにはいきませんので、どうしてもどこかで成人が先行していく というのはやむを得ないのだろうと思いますが、そこができるだけ間を置かずにやれる ようなインセンティブをどうやると組み合わせることができるのかということで、一つ の参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。 ○堀田座長  たしかネララビンは成人と小児が同時にスタートしましたね。あれは特殊な例で、非 常に小規模にやった。フェーズIだけやったということですけれども、例がないわけで はない。あとはこういう適応拡大については高度医療評価制度を使っての評価療養で、 医師主導の臨床研究として企業とタイアップしてやるというのが、最近、そういう枠組 みができたものですから、そういったものを積極的に利用されるというのはあると思い ます。これは研究者側が相当の熱意がないとできないことであります。  ただ、これはあくまで申請資料ではなくて、承認につながるかもということであって、 治験ではありませんので、必ず承認に結びつくかどうかというのは結果が出ないと分か らないということはあると思います。  ほかにいかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  小児の問題はいろいろありますが、全体の枠組みとしてここの検討会だけではカバー しきれない大きな問題を含んでいるところであります。いずれにいたしましても、私ど もは全く手つかずというものはだんだんなくなってきたなという印象がここ数回してお りまして、当初始めたころはいっぱいあったんですけれども、そういう意味ではずいぶ んキャッチャアップしてきたのかなと思うところであります。  よろしいでしょうか。  それでは、その次の議題に移らせていただきます。この3カ月間に、新たに本年の6 月から8月の間に欧米4カ国のいずれかの国で承認されたもののリストがございますの で、これについての検討に移ります。事務局から簡単にご説明をお願いします。 ○事務局  それでは、資料3についてご説明申し上げます。前回の報告以降であります6月から 8月の3カ月の間に欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された医薬品は資料3の5 品目になります。  まず1番目、イカチバントですけれども、こちらは効能効果が成人における遺伝性血 管浮腫の急性発作の対症療法である。ブラジキニンのΒ2受容体のアンタゴニストの皮 下注射剤でございます。国内ではアレルギー性鼻炎の効能で治験を実施しましたけれど も、安全性の問題から前臨床の段階で開発が中止になったと聞いております。  また、欧州においては遺伝性血管浮腫に対する効能での承認となっておりますが、米 国FDAからはnon-approval letterが出されたと聞いております。  2番目のニコチン酸/ラロピプラントの合剤ですけれども、こちらは脂質異常症を効 能効果とする経口薬でございます。現在、国内では治験を実施中と聞いております。  ページをお捲りいただきまして3番目、クレビディピンでございます。経口療法が不 可能あるいは妥当でない場合の血圧降下を効能効果とする短時間作用型のジヒドロピリ ジン系カルシウム拮抗薬の注射剤です。国内開発は現在なしと聞いております。  4番目のテトラベナジンでございます。こちらはハンチントン舞踏病を効能効果とす る経口薬でございます。国内開発は現在なしと聞いております。  ページをお捲りいただきまして5番目、ロミプロスチムでございます。ステロイド療 法、免疫グロブリン、脾臓の摘出等に不応の突発性血小板減少性紫斑病を効能効果とす る注射剤でございます。国内では現在、フェーズIIIの試験を実施中と聞いております。  以上の5品目でございますけれども、既に治験が実施中の品目もございます。先生方 のご意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○堀田座長  ありがとうございます。それでは、一つずつ評価をしてまいりたいと思います。類型 1でございます。まず最初にイカチバントです。これはいかがでしょうか。ブラジキニ ンΒ2の受容体アンタゴニストということでございます。遺伝性血管浮腫というのはあ まり聞いたことがないけれども、日本では非常に少ないと考えていいんですね。6,000 人から1万人ぐらい欧米ではいるはずという話ですが、日本では非常に稀だろうという ことになっております。  これは代替薬としては特になくて、抗ヒスタミン剤とか、ステロイドで通常対応して いるということです。  いかがでしょうか。ご意見をいただけますでしょうか。  このnon-approval letterというのはちょっと気になるところですが、この内容とい うか、何が問題かというのは分かりますでしょうか。 ○事務局  FDAのホームページ等でnon-approval letterそのものの内容を調べようと思って いろいろ調査したのですが、レターそのものは見つけることができなかったということ で、大変申し訳ないのですが。Non-approval letterが出されたという事実は確認して いますが、理由そのものはホームページに公開されないようですので、なかなかそこま でたどり着いてはおりません。 ○堀田座長  分かりました。そういったことで国内での開発が中止になっているという状況もあり ますし、患者数も極めて限定的である、あるいは患者団体あるいは学会からの要望は特 に今のところはないという状況では、このまま経過を見るということで対応したいと思 いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。  2番目です。ニコチン酸/ラロピプラント、これはいかがでしょうか。これはコレス テロールの高い患者さんに対する治療薬ですが、スタチン製剤が効かない、もしくはそ れにオンして使うというようなことでしたね。藤原先生、何か。 ○藤原(久)委員  スタチンが効果ないとか、スタチンだけではだめだという患者さんはかなりいますの で、こういう薬があれば非常にいいのではないかと感じますので。ただ、学会・患者団 体からの要望はないということですので、その辺もうちょっと検討させていただこうか なとは思っています。 ○堀田座長   疾患として患者数は多いのでしょうが、重篤性はなくて、現状ではスタチンでコン トロールしている。それでうまくコントロールできない場合ということになるわけです ね。 ○藤原(久)委員  ええ。だから、スタチンでコントロールできない場合はこれは非常に重篤なんです。 心筋梗塞とかそういうものになっていく可能性が非常に高いので。 ○堀田座長  現在、アテローム性の動脈硬化症を対象に第I相試験が進んでいるようでありますの で、これも経過を見せていただきまして、また学会等の要望があれば考慮するというふ うにしたいと思います。よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、3番目のクレビディピン、これはいかがでしょうか。これは血圧降下薬に なりますが、これも同種同効薬がないわけではないわけで、必ずしも重篤とも言えない という状況でございます。これはいかがですか。  藤原先生。 ○藤原(久)委員  これについては、急激に血圧を下げるというお薬について、臨床のレベルでそう困っ ているわけではないので、緊急性はそれほどないと思いますが。 ○堀田座長  ということでよろしいですか。佐川先生、よろしいですか。 ○佐川委員  同種同効薬もありますし、また重篤でもないというところを勘案しますと、このまま 様子を見るということで、特に積極的にはしなくてもよろしいのではなかろうかと思い ます。 ○堀田座長  ありがとうございます。井上先生もよろしいですか。  それでは、これにつきましては様子を見るということで、特別な検討の対象にしない ということにしたいと思います。  その次は4番目の成分でありますが、テトラベナジン、これはハンチントン舞踏病に 対する治療薬ということであります。これも欧米では10万人に4人〜5人とか、10名未 満ぐらいがあるそうですが、日本では非常に稀で10万人に1人以下というぐらいですか。 ということで頻度は非常に少ないのでありますが、疾患としては重篤性があるというこ とで、この同種同効薬もないという状況のようであります。  患者団体からの要望は特にありませんが、これについてはいかがでしょうか。  何かご意見は。  これは、ここにちょっと書いてありますようにCYP2D6の遺伝子型を調べて、こ れが欠損していると非常に血中濃度が上がって、血中濃度が上がるとデプレッションと か、あるいは自殺企図の傾向が非常に強くなるので、それで警告が出ている、こういう 薬のようです。  どうでしょうか。これも今のところ特に要望もないということであれば、要望が出る かどうかということを見させていただいて、進めてはどうかと思いますが。何かご意見 はありますでしょうか。  よろしいですか。川西先生、よろしいですか。 ○川西委員  私個人は今日いろいろ上がっている中では、1つ検討してみようということであれば、 これではないか。確かに患者が少ないという日本の事情がありますが、多分これは薬と しては欧米では大変注目されている薬というように聞いておりますので、2つの選択が あろうかと思いますが、私自身もハンチントン舞踏病は勉強の上でしか勉強したことは ありませんので、専門家の方などがおられましたらご意見を聞いてということで検討対 象に挙げてもいいのではないかと思います。 ○堀田座長  というご意見ですが、いかがでしょうか。ほかの先生方。 ○藤原(久)委員  同種同効薬はないということになっているようですので、こういう薬については促進 する方向で検討してもいいのではないかと思いますが。 ○堀田座長  これは小児というよりは成人に発症するのでしたか。そうですね。 ○事務局  事務局から幾つか補足させていただきます。ハンチントン舞踏病というのは成人発症 の不随運動を伴う病気ということで、患者の数が日本においては、先ほど座長の方から ご説明がありましたように10万人当たり0.38人ということで、日本では非常に少ない病 気でございます。日本においては難病指定にされている疾患でございまして、10年から 20年で死亡してしまうという病気ということです。  こちらは同種同効薬はなしというふうに書かせていただきましたが、治療においては ハロペリドールあるいはペルフェナジン等のドーパミンのブロックの作用を持つお薬で、 不随運動を止めるという治療はあるようですが、根本治療は特にないと聞いております。  今回、この成分、このテトラベナジンにおきましてもハンチントン舞踏病そのものの 根本治療をするわけではなくて、ここに書かれている作用機序において不随運動を止め るということに関しては非常に効果があるという情報が添付文書から読み取れるのです が、こちらも不随運動を止めるという対症療法の位置付けのお薬となっているようです。 そういった情報も踏まえまして、この検討会のWGに落とすかどうかという考え方の中 で当てはめてご検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。 ○堀田座長  そうすると予後の改善には特につながらないということですか。痙攣を止めるという ことで、対症療法に止まるということなのでしょうか。 ○事務局  臨床試験の結果を見ますと、予後のところまでの長期の結果がまだ出ていないので、 その辺りは疾患そのものが10年、20年という長いスパンで進行するという病気ですので、 予後については情報はないのですが、不随運動を止めるということに関しては非常に効 果があるような結果が示されております。  その不随運動があることによって怪我をしたりという、そういうことがこの疾患にお いてはあるようですので、その部分においては非常に期待されるお薬かなという部分は あります。 ○堀田座長  分かりました。ありがとうございます。  それでは、中西先生からのご意見もございますし、藤原先生もそうでありますが、こ のものについては対象は少ないけれども、一度このWGでレポートをいただいて、その 上で判断したいと思いますので、よろしくお願いします。  最後になりますが、ロミプロスチムですか、アムジェンからのものでありますが、こ れはいかがでしょうか。血小板減少性紫斑病に対する治療薬で、トロンボポエチンとい う血小板を増やす作用のある造血因子のアナログであります。いかがでしょうか。  川西先生。 ○川西委員  この薬は非常に注目すべき薬だと私は思っています。ただ、フェーズIII中だというこ ともございますので、注目すべき薬だとは考えているけれども、特別この検討会で検討 するということまでもなく、これは普通のまさに効けば申請されていく薬だというふう に私は何となく思っているんですが。だから、ここで検討対象ということではなくて、 見守るという方ではないかと思っております。 ○堀田座長  というご意見ですけれども、いかがでしょうか。  後藤先生、いかがですか。 ○後藤委員  フェーズIIIまで行っているということですので、そういう形の理解でよろしいかと思 います。 ○堀田座長  よろしいですか。吉田先生もよろしいですか。 ○吉田委員  ええ。ただ、フェーズIIIの結果でもう少しバックアップしてあげた方がいいというこ ともあるかもしれませんので、状況を見ながらニュースをキャッチアップするというこ とでいいのではないでしょうか。 ○堀田座長  ありがとうございます。実はこの薬については開発に多少私も関与していますので、 何も評価は申し上げませんので、先生方のご意見で見守るということであれば、そのよ うにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは、本日のところの3番目の議題はここまででありまして、その次にまいりた いと思います。  次は資料4でございます。これまでに検討会議で検討してまいりました品目の中の現 在までの対応状況につきましての一覧でございます。事務局からご説明をお願いします。 ○事務局  資料4に基づき、前回より進捗があった品目についてご説明いたします。まず、3番 目のサリドマイドでございます。8月27日の医薬品第二部会にて審議され、安全管理方 策が適正に実施されることを前提に承認して差し支えないとご結論をいただいておりま す。安全管理方策については、9月30日開催予定の医薬品等安全対策部会で審議される 予定で、そこでのご結論が得られた後、薬事分科会への上程を予定しております。  続きまして、8番のセツキシマブですが、こちらは7月16日に承認され、9月12日に 薬価収載となりました。  ページをおめくりいただいて15番、リファブチンでございます。こちらも7月16日 に承認され、9月12日に薬価収載となりました。  進捗ではないのですが、先ほど話題に上がりましたクロファラビンについては、リフ ァブチンの下の16番目の品目として過去に検討された記録がございます。  続きまして、進捗があった品目19番でございます。フェニル酪酸ナトリウム、こちら は希少疾病用薬品に指定され、現在、国内治験の準備中となっております。  20番、オクスカルバゼピン、こちらは国内での治験の実施に向けて準備中というふう に若干進行がありました。  一番下から2番目、27番、フォスフェニトイン、こちらは前回と比較しまして国内治 験が開始されたということで進捗がございます。  ページをおめくりいただいて37番、ボリノスタット、こちらも前回と比較しまして治 験が開始されたということで進捗がございました。以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。順次進捗があるという状況でありますが、この資料につき まして何かご意見があれば。いかがでしょうか。著しく遅くなっているものはどうなっ ているかとか、そんなご意見でもよろしいかと思います。 ○大塚委員   この資料にあります薬の中で子どもに関係するようなものを拾ってみますと先天性の 代謝疾患とか、重症のてんかんとか、是非薬は欲しいのだけれども患者数も限られてい るという疾患がよく見受けられます。そういうふうな疾患ですと、結局、治験するのも 非常に難しい。患者数が少ないために難しいということがありますし、実際に私も事情 を知っているような病気もございますが、開発しても採算が合わないということ。私た ちがメーカーにぜひ開発をとお願いしましても、全く採算が合わなくて赤字になるとい うようなことをよく言われます。そういうことが子どもの希少な疾患では多いものです から、何とかいわゆる正式なランダマイズドスタディによる治験以外の、患者数が少な くても有効性を明らかにするようなフレキシブルな治験ということをお認めいただきた く存じます。それから、外国で昔に開発された古い薬は結局、日本で開発治験をした暁 にも薬価が非常に低く決定されるというようなことがありますので、薬価の付け方もご 配慮いただいたりして、子どもの希少な疾患に何とか薬が開発されやすいような環境が できればいいのではないかと思います。  ここに載っている幾つかの疾患で、私も関係する薬などもずっと開発メーカーを募集 中というのもありますので、感想を述べさせていただきました。 ○堀田座長  もっともなご意見で、既に先生がおっしゃったような対応を、必ずしもきちんとした、 症例数を確保しないと評価できないというわけではなくて、一歩踏み込んで治験をやり ながら承認申請も並行してやるというような対応も既にやっているという状況でござい ます。どうぞ事務局から。 ○審査管理課長  資料4に載っているもので申し上げると、おそらく先ほどあったような無作為の比較 試験をやれと言っているようなケースは相当少ないだろう。それはそもそもが重篤で、 患者の数も限られているということになると、例えば1群100例で治験でやれと言った ら10年かかりますよという話になるわけで、そういう意味で申し上げますと欧米のデー タを基本に評価するというようなことである程度やむを得ないという領域もあるのだろ うと思います。  また、薬価の問題もございましたけれども、一方においてはその薬の開発費をその薬 の薬価に載せてしまうと外国に比べて10倍、20倍になって、個人輸入よりも高いではな いかという批判もまた出てくるわけで、これもなかなか難しい問題です。  先ほどから、どのようなインセンティブを付けたらいいのか、また先ほど社会的責任 という話もあったわけでございます。その辺りを織り混ぜてやっていくにしても新しい ことをもう少し考えてみなければいけないのかなと思っているわけで、引き続きご指導 をよろしくお願いいたします。 ○大塚委員  本当にそうだと思いますけれども、先天性代謝疾患とか、難治なてんかんなどは大体 小児慢性特定疾患に入っております。そこで、二十歳までは家族は払わなくてもいいと いう点はありますけれども、それより大きくなると払わなければならないという点もあ ったりして、いろいろ問題はあると思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。川西先生、どうぞ。 ○川西委員  今日はもう終わりかけているので余計なことかもしれませんが、一言こんなこともあ るんだということで、私の体験談でお話しさせていただくと、私は主に薬の品質の方の 専門医をやることが多いのですが、特に未承認薬の場合、古いものの場合、今時の基準 で見ると例えば薬の溶質性、どういうふうに溶けるか、この辺が非常に曖昧であったり、 それから不純物でちょっと心配だというようなことが起きたり、またタンパク質の医薬 品の場合は牛の血清が製造に使われていたりとか、一つひとつが本当に応用問題なんで すね。見る側も応用問題です。  ただ、それを何万、何十万という人が使う薬のように品質管理を要求しても仕方がな いということで、ただ一つひとつ非常に難しいことがあるのだということは了解してい ただきたいなと、それは総合機構の審査をする方たちは非常に大変だということ、これ はご承知おきいただければと思います。 ○堀田座長  それぞれの立場の方が参加されていますので、いろいろご意見を賜れればと思います。  本日はこれが最後の議題になりますので、この際進め方とかそういうことについても 何かご意見をいただければと思っています。  それでは、今の全体の進捗のペースがどうなっているかというのが資料にありました ね。これをご説明いただけますか。 ○事務局  参考資料6になります。円グラフが書かれているものでございます。タイトルとして は「未承認薬使用問題検討会議での検討状況」というものがございます。そちらについ てご説明申し上げます。  本資料には平成17年1月の第1回の検討会より本日の18回検討会までに検討されまし た全43品目、WGに上がりました全43品目の開発状況を示しております。左側に検討会 において取り上げた時点での開発状況、右側には2008年9月現在の状況を提示しており ます。  検討された品目中22品目は抗がん剤領域、11品目は先天性代謝異常などの小児用のお 薬でございます。その他として10品目がございます。  検討会で取り上げた時点においては国内治験が開始前の品目が多くございましたが、 現在の状況においては承認された品目が18、承認審査中の品目が3と多くの品目、全品 目のおよそ4分の3が既に国内での治験に入っているという状況でございます。しかし ながら国内開発が開始されていない品目もまだ11品目ございます。この中には最近開催 された検討会で取り上げばかりの品目も含まれておりますけれども、国内開発に着手し ていただける企業を募集中の品目などもございます。今後、これらの品目の国内開発が 進むよう、引き続き製薬会社に対し要請していきたいと考えております。また、本資料 も検討品目の進捗状況に合わせ、適宜更新していきます。  以上でございます。 ○堀田座長  というわけで、順に進んできて、当初に比べるとだんだん承認済みが増えてくるのは 当たり前でありますけれども、それでも最近はわりと対応状況がキャッチアップしてき たというのは先ほども申し上げたとおりであります。この11品目につきましては、企業 側の折衝もやっていますが、一方で企業ができない場合は医師主導試験という選択肢も あるわけです。これを実際やっているというのはありましたか。タルクはそれをしよう としていますね。 ○事務局  そうです。先ほど進捗状況をご説明させていただいた資料4でご説明いたします。33 番のタルク、第11回の検討会で取り上げた悪性胸水を適応とする品目でございますが、 こちらは今、座長の先生からご説明いただきましたように、まさに医師主導の治験を実 施という形で、今、治験の準備中でございます。この品目に関しては申請の方でノーベ ルファーマという会社に手を挙げていただいていますので、ノーベルファーマの協力の 下、医師主導の治験という形で国内での開発を進めているという状況でございます。 ○堀田座長  こういうケースがもう少しあってもいいのかなと思います。当事者はなかなか大変で ありますが、こういったスキームもあるということですし、会社側としても治験薬の提 供、それから基礎データの提供、安全性情報の提供等はしていただけるような仕組みで ありますので、実際の試験のデータ管理は医師側がするというスタイルだと思います。  こういったものももう少し進んでもいいのかな。最近は治験の在り方検討会で治験の 簡素化というのか、書類なども整理されて、その辺はずいぶん状況は変わってきたと了 解しております。 ○藤原(久)委員  これ以外は全て企業主導なんですか。 ○事務局  タルク以外にも医師主導の治験を今準備中という部分もありますが、公表していいか どうかという部分で今タルクに関してこちらに書かさせていただいておりますが、全て が企業主導の試験というわけではありません。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。全般的なご意見でもよろしいかと思います。吉田先生、何か。 ○吉田委員  混ぜ返しになってしまうかもしれませんが、この未承認薬検討会議の仕事は、基本的 には「外国でもうエビデンスが分かっているものについて日本でどうしようか」という 話ですね。大塚先生が言われたのとはちょっと違うかもしれませんが、その時に「じゃ あ日本でどれぐらいの臨床試験をやればOKになるのか」というと、基準が決められて いない。韓国のように「自動的に承認してしまう」というのも一つの方法だとは思いま すが、そうはいかないということですので、結局、そこをどうするか、ということに尽 きるのだろうと思います。  だから、希少疾患の場合に日本で1例でも2例でも、例えばファーマコをやってみた りして、それで大体合っているな。じゃあOKとやるのか、まとまったある程度の数が 治験として出るまでは承認しないぞというふうに構えるか。幕末の時代ではないですが、 鎖国か開国かというような悩ましい問題になってきます。  小児科について僕はあまりよく知りませんが、海外との共同治験とか国際臨床試験み たいなものがあまりされていないように思えます。希少疾病に対する薬の開発というこ とだと、どうしても国内単独の臨床試験というわけにはいかないだろう。だから、我々 の方もできるだけ「どうやったらスムーズに承認にもっていけるのか」、「外国と共同 して何ができるか」というような視点で考えていく必要があるのだろうなと思います。 ○堀田座長  大変貴重なご意見だと思います。ほかにいかがでしょうか。全般的なことです。よろ しいですか。  それでは、本日のところはここまでにいたしまして、事務局から連絡事項等をお願い します。 ○事務局  本日はどうもありがとうございました。次回の会議は既にご案内させていただいてお りますように12月24日(水曜日)午後2時より開催させていただきます。詳細について、 後日改めてご連絡いたします。 ○堀田座長  ご質問等なければ本日の検討会議を終了いたします。ありがとうございました。 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111