08/09/29 第5回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会議事録 第5回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会 平成20年9月29日(月)13:00〜15:00 金融庁共用会議室(1114) ○京極座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回「精神保健福祉士の養成の在 り方等に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところを 御参集いただきまして、誠にありがとうございます。  まず、事務局から報告事項をお願いいたします。 ○吉川障害保健専門官 本日の構成員の出席状況について御報告させていただきます。谷野構成員、 古川構成員が所用により欠席との連絡をいただいております。新保構成員が、御都合により14時半 に退席されます。  また、木倉部長は、所用により途中からの参加となりますことを御承知願います。  報告事項は、以上でございます。 ○京極座長 それでは、続いて資料の確認を行いたいと思います。事務局より、よろしくお願いい たします。 ○吉川障害保健専門官 それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第、座席表、構成員名簿  資料といたしまして「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書(案)」  参考資料1「求められる精神保健福祉士の役割について」  参考資料2「求められる役割を踏まえた対応について」  参考資料3「精神保健福祉士法(平成9年法律第131号)」  資料の不足、乱丁等がございましたら、事務局までお申し付けください。  資料の確認は、以上でございます。 ○京極座長 それでは、議事に入りたいと思います。本日は、これまでの議論をまとめた中間報告 書(案)を事務局より御説明していただき、議論していただくこととなります。  それでは、資料について御説明をいただきたいと思います。 ○吉川障害保健専門官 それでは、資料について御説明をさせていただきます。こちらの資料につ きましては、本日、参考資料としてお付けしております「求められる精神保健福祉士の役割につい て」そして「求められる役割を踏まえた対応について」の資料の内容と、前回まで皆様に御議論い ただきました御意見を踏まえながら、今回の「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中 間報告書(案)」を作成させていただきました。  まず表紙をおめくりください。こちらに目次を示させていただいております。  1ページから御説明いたします。「1.はじめに」の方につきましては、精神保健福祉士法が創設 されました背景について、平成9年当時における我が国の精神保健福祉行政の最大の政策課題の一 つとして、精神障害者の長期入院の解消を図り、社会復帰を促進することが指摘されていた。この ため、精神障害者が社会復帰を果たす上で障害となっている諸問題の解決を図る必要があり、医療 的なケアに加えて、退院のための環境整備などについてのさまざまな支援を行う人材の養成・確保 が求められました。  こうしたことから、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神障害 者の社会復帰に関する相談援助を行う者として、精神保健福祉士の資格制度が精神保健福祉士法に より創設されたところでございます。  次に、資格創設から現在に至るまでの10年間の変化について記載させていただいております。そ ういった変化の中でも、特に平成16年9月に精神保健福祉対策本部が提示した「精神保健医療福祉 の改革ビジョン」(以下「ビジョン」という。)におきまして「入院医療中心から地域生活中心へ」 という基本的な方策を推し進めるため、地域生活支援体系の再編などを柱に掲げ、受入条件が整え ば退院可能な者約7万人について、立ち後れた精神保健医療福祉体系の再編及び基盤強化の推進に より、10年後の解消を図ることとしておりました。  このビジョンに基づき、これまで精神保健医療福祉に関する施策が実施されてきたところでござ いますが、長期入院患者を中心とした精神障害者の地域移行が十分に進んでいない状況にございま す。  現在、障害者自立支援法の3年後の見直しに向けた議論が行われているところでございますが、 特に、精神障害者につきましては、別途検討会を設置し議論が行われており、その中で、精神障害 者の地域移行及び地域生活の支援を更に推進していく方向で検討が進められております。  精神障害者が地域において安心して自立した生活を送るためには、相談支援、住まい、生活及び 活動の各側面における地域生活支援体制の充実を図る必要があります。上記の議論におきまして、 特に、今後、相談支援の強化を図ることの重要性が指摘されております。  今後、相談支援の強化を進めていくに当たりまして、精神障害者の立場に立ち、権利擁護及び主 体性を尊重した相談援助により、これらの地域生活支援を行う専門職である精神保健福祉士が担う 役割は、ますます重要になっております。  このような状況の中、本検討会は、平成19年12月から審議を開始し、精神保健福祉士の高い専 門性を担保できるような養成の在り方等について、これまでの議論を踏まえて中間的なとりまとめ を行うものであるというふうにまとめさせていただいております。  続きまして「2.求められる精神保健福祉士の役割及び必要となる技術」でございます。  (1)として、この10年間での変化をまとめさせていただきました。  前述のとおり、我が国の精神保健福祉行政の最大の政策課題の一つであった長期入院患者を中心 とした精神障害者の地域移行を促進するため、地域移行に関するさまざまな課題の解決を図り、医 療とは異なる観点から精神障害者の立場に立ち、社会復帰のために必要な医療的なケア以外の支援 を行う人材が求められたことから、医療機関及び社会復帰施設において精神障害者の社会復帰を支 援する専門職として精神保健福祉士制度が創設されてございます。  創設当時に求められました、精神障害者の社会復帰の支援を担う役割につきましては「入院医療 中心から地域生活中心へ」という施策の転換が図られている中にありまして、精神保健福祉士の役 割としてその重要性が一層高まっております。長期入院患者を中心とした精神障害者の地域移行が 依然として進んでおらず、一方で、国民の精神保健の課題にも拡大がみられております。  (2)今後の精神保健福祉士に求められる役割です。  こちらの方は、まず(1)中核の業務として担うべき役割を整理させていただきました。こちらにつ きまして、上記のような10年間の変化、そういった背景から、医療機関等において精神障害者の地 域移行を支援する役割につきましては、今後も精神保健福祉士の重要な役割であり、これに加え、 精神障害者の地域生活を支援する役割がより重要となってきております。  これらが、精神保健福祉士が精神障害者を支援する専門職として担うべき最も重要な役割であり、 具体的な業務といたしましては、  ○援助の方向性を明らかにし、一貫性を保つための援助計画の作成、日常生活能力向上のための 指導、生活技能訓練及び退院のための家族環境の調整  ○在宅医療・福祉サービスの調整、住居の確保・日常生活上の能力の向上のための訓練等の居住 支援及び就職に向けた相談・求職活動・職業生活上での環境調整等の就労支援  ○地域住民に精神障害者の理解を求めるとともに、他職種・関係機関・ボランティアと連携し、 必要な社会資源を整備、開発するための地域づくりなどをまとめさせていただきました。  (2)精神保健の課題の拡大を背景として拡がった役割につきましては、近年の精神保健の課題の拡 大を背景といたしまして、職域の拡大や、求められる支援が多様化しており、精神保健福祉士の役 割が拡がってきたといたしました。  (ア)職域の拡大でございますが、  ○行政に関する分野につきまして、精神保健福祉センター、保健所に加え、市町村等におきまし ても、地域の精神保健医療福祉施策を推進する役割  ○司法に関する分野で、心神喪失者等医療観察法における社会復帰調整官及び精神保健参与員  ○教育に関する分野といたしまして、学校等において、いじめや不登校、教員の精神疾患罹患患 者の増加などを背景に環境調整等の支援を行うスクールソーシャルワーカー  ○労働に関する分野で、ハローワークにおいて、精神障害者の求職者に対して、就労支援を行う 精神障害者就職サポーターや精神疾患により休職中の者の職場復帰支援  など職域の拡がりがみられてございます。  (イ)求められる支援の多様化でございますが、  こちらにつきましては、従来からの統合失調症への対応のみならず、それぞれの疾患に対して、 固有の特性を踏まえた適切な対応が求められており、例えば、  ○社会経済状況等を背景として、大きく増加しているうつ病等の気分障害、ストレス性障害  ○人口の高齢化の進行に伴い、大きな社会問題となっている認知症  ○人口に占める割合は高いにもかかわらず、これまで十分な対応がされてこなかった発達障害な どへの対応が求められてございます。  3ページの一番下、こちらは構成員の方々からも御意見がありましたように、なお、精神保健福 祉士についても、その他の関係職種と同様に行政機関等と協力して、国民の精神保健の向上に資す る予防及び普及啓発活動に関する取組みを行うことの期待もある。と記述をさせていただいており ます。  (3)として、こうした役割を遂行するための必要な技術につきまして、従来からの相談援助に 加え、包括的な相談援助を行うための関連援助技術といたしまして、  ○多様化するニーズに対し、適切なサービスに結びつけ調整を図るとともに、総合的かつ継続的 なサービスの供給を確保するためのケアマネジメント  ○相談内容に関し適切に問題を解決するために、他の分野の専門家との助言に基づくコンサルテ ーション  ○人的・物的資源の連携により、提供するサービスの充実や効率化、継続性の確保などのための ネットワーキングなどの技術が必要となってきております。  「3.求められる役割を踏まえた対応」について御説明いたします。  (1)として、現状と課題について整理をさせていただきました。  (1)長期入院患者を中心とした精神障害者の地域移行を更に促進するとともに、安心して地域で暮 らせるための支援が求められている。  (2)また、精神障害者の地域生活を支援するに当たりましては、医療・福祉・就労など多様な精神 障害者等のニーズに対応したサービスを効果的に提供することが求められております。  (3)精神保健福祉士を取り巻く環境や求められる役割について変化があったところでございますが、 これまで、この変化に対応した精神保健福祉士としての必要な知識及び技術が習得できるようなカ リキュラムへの見直しが行われていない。  (4)なお、カリキュラムの見直しに当たりまして、特に相談援助にかかる技術を習得する実習・演 習の充実を図り、その実践力を高める必要があるといたしました。  (5)精神保健福祉士を取り巻く環境について、今後も変化することがあり得るため、精神障害者等 からのニーズに応じ、常に適切な支援を提供するためには、資格取得後の資質の向上が必要である と整理をさせていただいております。 (2)、これらの具体的な対応として、上記の現状と課題を踏まえながら、行政、医療機関、障害福 祉サービス事業所、教育機関、職能団体等においては、それぞれが連携を図りつつ、以下のとおり 具体的な対応を図るべきとさせていただきまして、(1)〜(5)まで記述してございます。  (1)精神保健福祉士の役割の理解の深化でございますが、  現行の法律におきまして、精神保健福祉士は精神障害者の社会復帰の支援を担う者とされており ますが、これに加えまして、精神障害者の地域生活の支援を担う者であることについても明示すべ きである。  その上で、この役割を適切に遂行できる人材を養成することを目標とした教育を行うべきである とさせていただきました。  (2)他職種・関係機関との連携の重要性の明示でございますが、  医療・福祉・就労など多様化するニーズに対応するためには、それらの領域の専門職種・関係機 関との連携を図りながら効果的に支援することが必要となってまいりますが、現行の法律におきま しては、医療関係職種との連携を図ることについてのみ規定されていることから、これに加えまし て、福祉・労働などのさまざまな領域の専門職種・関係機関との連携を図ることについても明示す べきである。  その上で、他職種・関係機関との連携を実践できることを目標として、必要な知識及び技術につ いて教育を行うべきであるとさせていただきました。  (3)カリキュラムの充実でございますが、  精神保健福祉士の役割及び他職種・関係機関との連携を含め、今後、精神保健福祉士が中核の業 務として担うべき役割である、精神障害者の社会復帰及び地域生活を支援していく上で必要となる 知識及び技術については、不可欠なものとして重点的に、更に、職域の拡大や求められる支援の多 様化に伴い拡がった役割についても、基礎的な知識を習得できるよう、カリキュラムを充実させる べきであるとさせていただきました。  (4)実習・演習にかかる水準の確保でございますが、  ○精神保健福祉士の実践力を高めるため、養成施設における養成課程について、時間数の増や教 育内容の充実を図るとともに、保健福祉系大学等における養成課程についても、養成施設と同程度 の水準を確保すべきである。  ○現場実習について、精神科病院等の医療機関での現場実習が極めて重要であるという御意見を 今までいただいてきたところでありますので、こちらにつきましては、必須とすべきという記載を させていただいております。  ○大学及び養成施設の教員の質を高めるとともに、実習先の指導者の質についても高める必要が あるとさせていただいております。  (5)資格習得後の資質の向上でございますが、  ○資格取得後の資質の向上については、資格を有する者の意識によるところが大きいことから、 法律上明示いたしまして、資格を有する者に対し、その重要性についての意識の醸成を促すべきで ある。  ○自己の研鑽のみならず、職能団体としても資質の向上のための卒後研修等に積極的に取り組む べきである。こちらも構成員の皆様方の御意見をいただきまして、こういうふうに記述させていた だいております。  最後に「4.今後の検討について」でございます。  本検討会につきましては、精神保健福祉士制度創設からの精神保健医療福祉分野を取り巻く環境 の変化を踏まえまして、今後の精神保健福祉士に求められる役割を明らかにするため、精力的に議 論を行ってきたところでございます。  今後、より優れた人材の養成や、精神障害者に対する支援の一層の充実に向け、引き続き、求め られる精神保健福祉士を養成していくために必要となるカリキュラムについての検討を行っていき、 なお、カリキュラムの具体的な検討に当たりましては、ワーキングチームを設置させていただきま して、検討会での議論を踏まえ、検討を行っていくこととさせていただきたいということで、記述 をさせていただいております。  7ページにつきましては、参考といたしまして、構成員の皆様の名簿、これまでの検討過程の方 を載せさせていただいております。  資料についての御説明は以上でございます。 ○京極座長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明について、御意見や御質問のある 構成員は、手を挙げてお願いいたします。これがまとめのかなり大事な会合なので、是非今日御出 席の構成員の方には全員御発言いただきたいと思います。  石川先生から、順番にお願いします。 ○石川構成員 今までの議論を、この中間まとめに織り込んでいただいておるかと思いますが、幾 つか盛り込むべきことと、これを出す背景も合わせ考えていただくための意見の二通りにしたいと 思うんですが、もう一つの方は追加にした方がよろしいかと思います。  まずは、この報告書につきまして、順番にまいりますと、今までの議論の中で行われてきた焦点 は、職域の拡大というところが、とても大きかったと思うんですが、中心的なところは押さえつつ、 職域をどのように広げていくかといったときに、実は2の(ア)の行政の分野の中で、市町村等に おいてという部分が、より明確になったのでよろしいかと思うのでありますが、前々回でしょうか、 関連させて述べさせていただきますと、精神保健福祉法の中に精神保健福祉相談員を位置づけてい るわけですけれども、この相談員は精神保健福祉士になっていくことを前提にしたようなところで、 これは押さえていくことが必要ではないか。いわゆるこの資格法自体が単独法ですので、親法にな るとしたら精神保健福祉法かなと思うものですから、そことの関連を合わせ考えたときに、ここの 部分がとても重要ではないかと思っている次第です。  次の(イ)のところでありますが、書き込むかどうかという問題もあろうかと思いますけれども、 ストレス性障害の後に、これはどう書き込むか難しいんですが、PTSDの問題を、やはりここで も取り上げておいた方がよろしいのではないか。いわゆる予防の考え方で前回議論がございました が、災害であるとか、事故、犯罪等に関わるところの対応ということであれば、その領域も当然関 わってくる。また、実際にやっておられる方もおられるわけでありますから、そうした追加はいか がでしょうかと。  続きまして(3)の必要となる技術というところでまいりますと、この領域はチームアプローチ がとても重要であるかなと、ネットワーキングの中にそれは当然含まれることではあろうかと思う んですが、医療と福祉をつなぐ職種でありますので、そういう意味では重要な技術になってくると 思っております。  続きまして、3の(2)の具体的な対応というところでいいますと、先ほどの前の2の(ア)の 1つ目の○のところと重なるところでございますが、上記の現状と課題を踏まえ、この文脈の中の 医療機関だけではなく保健機関、あるいは福祉機関も機関と位置づけるとすれば、入ってくるので はないかと思います。  同じような意図でまいりますと、(2)の多職種・関係機関ということで見てまいりますと、医療・ 福祉・労働というのが3点セットの書き方になっておりますけれども、この場合に司法という言葉 がどこで入ってくるのかが、ちょっと領域の説明でもないような、労働となれば司法となってくる のかもしれませんが、この辺りの整理の仕方で、範囲が違ってくるかなと思っております。  (3)のところでありますが、カリキュラムの充実で、3行目に「社会復帰」という言葉がございま すが、これは法の規定の言い方と関連してまいりますので、少々議論があるところかもしれません が、社会復帰という言葉を今後も使っていくのかどうかという概念を、どの範囲に収めて考えてい くのかという辺りが必要ではないかと思います。  (5)の卒後研修というところにつきましては、当然職能団体に託すのでありましょうけれども、質 の高い精神保健福祉士を養成し、なおかつその水準を維持するということについては、ただ単に精 神保健福祉士一人の努力に委ねるということではなく、ある程度何らかの公的な支援も含めて必要 になってくるのではないかと思われますので、この書きぶりだと団体だけになってしまうかなとい う印象を持っております。これに関連するところの意見は、また後ほど追加させていただきたいと 思います。  以上です。 ○京極座長 どうもありがとうございました。大変包括的な御指摘でございまして、一つずつやっ ていくとあれなので、とりあえず一巡してから議論したいと思います。  大塚構成員の方からお願いします。 ○大塚構成員 まず、3ページの下のなお書きのところにつきましては、数回の検討会で、しつこ くというか、本当に何回も繰り返し申し上げていたところでしたので、大変御高配ありがとうござ いました。  この間、いかに文字なって見えてくるかということが大事であるかということを私も学びました ので、今日改めてこれがまとまるということであれば、少しお願いを差し上げたいと思っておりま す。  石川構成員と重なるところも幾つかあるのですが、まず、順番でいきますと、3ページの(ア) のところにつきまして、司法のところで、医療観察法の調整官とか参与員ということが書いてある わけですが、この間、既に矯正施設、いわゆる刑務所とか医療刑務所への配置が進んできて、更に これからも広がろうというふうになってきておりますので、矯正施設、もしくは更生施設もありま すので、矯正施設などにおける障害者等への地域移行や生活支援を提供し得る役割というのが入っ てくると、これはもう実績ですので、ありがたいなと思います。  それから、労働のところにも、これは厚労行政の方のハローワークのことが書いてありますが、 一方で、今、企業内の産業保健福祉職員として、これもかなり実績がありまして、EAPとかさま ざまなところで、うつ病対策等に相当力を入れてきている資格者がおりますので、ここも併せて、 例えば後の就労支援を行う精神障害者就職サポーターや、両方に関わるんでしょうけれども、企業 内産業保健福祉職員として精神疾患により、休職中のというふうにしていただけると、現状と合う のではないかと思っております。  (イ)のところで、石川構成員とおっしゃったことと少し重なるのですが、1つは、健康問題や 生活、経済苦等による増加傾向にあります自殺の予防とか、自死遺族への支援ということは、今後 の重要な政策課題ですし、私どももそこは担いつつあるかなと考えておりますので、現代社会のト ピックスは、入れておいてくださるといいのかなと思っております。  石川構成員は、PTSDという取り上げ方をしましたが、1つの項目として災害事故等による被 害者支援というところ入れていただきますと、DVとか、PTSDとか、犯罪被害者は特に医療観 察法などの支援では、両方の加害者、被害者への支援を行っておりますので、そういうことも併せ て項目立てしていただけるとありがたいと思っております。  5ページ、(1)のところで役割の理解の深化というところと、カリキュラムの充実というところに、 微妙に読み込めるのですが、前段のところで広がってきている職域のところですとか、支援の多様 化というところが、役割の理解の深化のところには、従来のことを中心に書かれていますので、3 番のカリキュラムの充実の後半に、「更に」というところでは書かれているんですが、何となく1番 のところに前提というような書きぶりが(1)だと思いますので、そこに合わせてもう一度書いていた だくことは不可能なのだろうかというふうに少し考えました。  (2)のところ、今、司法のお話が出ましたが、ここは特に、医療・福祉・就労などということで、 この間、例えば障害者自立支援法の人材としてということが前段に書かれておりますので、福祉や 就労ということが強力に必要ということはよく理解するのですが、同時に司法といったときに、先 ほど申し上げた矯正施設とか医療観察法のことのみではなくて、共通科目のところに今回、権利擁 護とか成年後見というものが入ってまいりました。  ここは、いわゆる障害者の地域生活支援のために欠かせない重要な課題で、今後の取り組まなけ ればいけない課題としては喫緊のものだと思っておりまし、実際に取組み始めておりますので、そ ういう意味でも司法という言葉が入ってくるとありがたいなというふうに思っております。  最後に、これは全く石川構成員と同じなんですが、別に私たちの資格の問題に限らず、いつまで 社会復帰という言葉を使うのかということで、社会復帰施設という言葉が実際になくなってきたわ けで、ここら辺は今回いきなり解決するのは厳しいのだろうと思っておりますが、そこの用語の整 理については、何か残された課題としてどこかで整理されたときに合わせて、そこを反映するよう な仕組みを盛り込んでいただけますと、現場でも私どもは、もう社会復帰という言葉は、やや死語 といいますか、やはりそうではなくて地域生活支援ということで、どこの場にあってもということ を考えておりますので、そんなことを御検討いただくとありがたいと思います。  最後なんですが、具体的な対応の最後に、例えば今回資格ができて10年後になって見直しをして いただいているという現状なわけでして、非常に政策状況とか、社会の状況が変わっていくスピー ドを考えますと、どこかで必要に応じてまた何かそういうことが出てくるときの対応について、何 らかの書き込みをしていただけないものだろうか。これは私どもだけではないと思うんですが、そ こをどういうふうに考えたらいいのだろうかというふうに思っている次第でございます。 ○京極座長 ありがとうございました。鹿島構成員お願いいたします。 ○鹿島構成員 中核の業務と広がった役割ということで、とてもわかりやすく整理され、まとめら れていると思います。  今後の問題としては、内容が増えてきていますので、カリキュラムの検討が大切と思います。カ リキュラムの中での比重の置き方を具体的にどうするかが、問題になると思います。  5ページのところで、(4)の実習・演習に関わる水準の確保というところがかなり問題になって、 中核となる精神科病院の実習が重要であると書いてありますが、そのとおりと思います。報告書と してはそれでよいと思いますが、実施に際して、どの程度、実習の場が確保できるかは、今後の問 題であろうと思います。次のページの卒後の研修、これも何人もの方がいわれましたが、公的な援 助も必要だろうと思いました。また、先ほども出ました用語の問題ですが、社会復帰と社会生活支 援につきまして、報告書では整理して統一された方がよいのではと思います。 ○京極座長 ありがとうございました。では、新保構成員お願いいたします。 ○新保構成員 私は前回たくさんしゃべって、大方それらがこれに反映されるというふうに思って おりますので、大枠のことについてのお話させていただきます。  「はじめに」からスタートして、各所に文言のスタートが、いわゆる精神保健福祉行政の最大の 政策課題ということで表記されながら文章が始まっているわけです。確かにそのとおりなんですが、 もともと精神障害者に関わるPSWの支援というのは、政策課題に載る前から精神障害者を一人の 人間として何とか当たり前の暮らしかできるようにということで支援してきた。その成果が政策と して整ってきたというふうに思っておりますので、その意味では、もう少しどこの部分でもいいん ですが、「はじめに」の部分でもいいんだと思いますが、いわゆる精神保健福祉士が精神障害者の全 人間的復権に関わってきた価値というのか、理念というか、そういったものを入れ込んで文章をつ くっていただくとありがたいというのが1つです。  そして、当然のように、それらが政策課題として動いているわけでございますので、その政策課 題を具体的状況としてとらえながら、この報告書は作成されておりますけれども、それに対応する 方法というのが、先ほど来、例えばPTSDが盛り込まれるとか、個別の課題が出てきたりとかし て、文言の形でできてはいるわけですけれども、個別の課題は勿論より重要なんでしょうけれども、 それは、これからまたこの後議論するとして、いわゆるカリキュラム検討していくということを念 頭に置けば、それらを勘案しながら文言の整理というものをしておいた方がいいのかなというふう に思っております。  いずれにしましても、精神保健福祉士の役割について、先ほど社会復帰という用語の問題も出て きましたけれども、仮に社会復帰という言葉を使えば、社会復帰及び障害者の地域生活支援を担う 者としての、言わば役割の中枢と、それを担ってきた結果として、国民のさまざまな領域における メンタルヘルスに関わる役割が増大してきたわけでございますので、そういう意味では精神保健福 祉の役割の総合化というのか、そういったものがもう少し端的にどこかで明文化されていれば、先 ほど申し上げたようなカリキュラムの検討をしていく上でも、ベースとしての枠組みを持って検討 していけるのかなと思っております。  いずれにしましても、相対的には政策課題の中での個別課題、そしてそれに対応する役割という のが少し気になっておりますので、そういったことについて生活者の視点で文言を見直すというこ とも必要なのかなということでございます。  感想としては、そんな感じでございます。 ○京極座長 ありがとうございました。後で具体的なことをお聞きしたいと思います。  では、寺谷構成員。 ○寺谷構成員 今までお話くださった構成員の方々と変わるところはございませんが、1つ、この 中心的な課題認識は精神障害者の地域移行が十分に進んでいない状況があるんだというふうに、「は じめに」のところから言っているんですが、この定義が、地域移行が十分に進んでいない状況は一 体何なのか、なぜなんだろうというところの疑問から進んで、それの答えとなって、PSWの役割 の拡大と、そして中間的な技術の問題が出されています。  私は、幾つかここの中で回答が出されているんですが、職域の拡大がある3ページのところに保 健所に加え、市町村等において、地域の精神保健医療福祉施策を推進する役割というふうに述べら れています。行政職としてのPSWの存在の意味、これは非常に大きいんではないかと思います。 具体的に担い手として存在していくというようなイメージが非常に強かったんですが、この辺で計 画し、政策を決定していくというようなところに、精神保健福祉士の参加と関与が抜き差しならな いものだと考えます。  更に、(ア)の職域の拡大のところで、司法や教育、労働というような社会福祉の中で言いますと、 社会福祉のメゾ環境である司法や教育や労働等と同等の立場に立つ、社会福祉とパートナーシップ を取る環境を全部ここに網羅した方が、私はいいと思います。  職域拡大の中で、司法や教育が載っているんですが、いざとなってくると、今度は具体的な役割 の深化のところ、5ページになってきますと「他職種・関係機関との連携の重要性の明示」の(2)の ところで、教育、司法が欠落しているというところの矛盾が少し気になりました。  ただ、ここで先ほども問題となりました、医療・福祉・就労というようなところで、いきなり医 療と福祉というふうにメゾ環境を挙げておきながら、いきなりここで就労という具体的な援助の手 法として就労という言葉が挙げられていること。これは就労とか雇用とかを含むもので、是非、労 働というような用語を使うことで統一をしたらどうだろうかと思いました。  この件に関しましては、この中身の中で、これに加えて福祉・労働など、ここでまた労働に変え られていることです。就労支援というところの用語は構わないんですが、4行目からの福祉・労働 と言っているところから、前段の医療・福祉・労働・司法・教育などというふうに、用語を加える ということはいかがでしょうか。そういうふうに思いました。  あと、少し前後してしまいますが、必要となる技術のところでケアマネジメントや、コンサルテ ーション、またはネットワーキングというところで、従来の社会福祉の援助技術の中で、関連技術 の3つが挙げられているというところに、ここを見るだけで支援環境を開発していくというような 精神保健福祉士の役割期待がここで見て取れるというふうに考えます。  現状と課題の中でもすべてそうなんですが、医療・福祉・就労というような、少し混在している 形で述べられていることを是非統一して、精神障害者等からのニーズに応じ、常に適切な支援を提 供するために、資格取得後の資質の向上が必要であるというふうに挙げられております。4ページ の(5)のところなんですが、したがって、ここでメゾ環境の医療・保健・福祉・労働・教育の領域の メゾ環境にあるパートナーとなっている領域の人たちからの教育の体制づくりというのが、必要で はないかというふうに思います。  そんなところで、いろいろな精神障害者の社会復帰、社会参加または地域移行ということが言わ れていますが、こういった地域移行がなぜ進まないのかというところに、もう一回立ち戻れば、そ の周囲の共同すべきメゾ環境の領域の方々との共同がいまいち進んでいないという状況もあるんで はないかと考えました。  少し長くなってしまいましたが、こういった中で、今までも大塚委員の方からPTSDというと ころからではなくて、犯罪や災害被害者または加害者支援というような用語をという指摘でござい ましたが、まさにそうだと思います。PTSDというよりも、むしろ災害や犯罪被害のニュースの 場面で、海外ではよくテレビなんかで、ソーシャルワーカーなどがコメントを述べているんですが、 日本ではあまり見られないというようなところから、是非、今後この辺の高次脳機能障害の問題も 発達障害の人たちの存在も地域の現場の中ではかなりウエートを占めて対応が迫られている状況が あることを考えて、社会問題、現代社会と精神疾患というようなところでも大きなウェートを占め ていると思います。  更に国民の精神保健の向上、心の健康づくりに関して、もはや支援環境開発の期待される役割に は密接不可分な役割として、日常的に行われているというようなことです。  この理解促進に関しましては、社会復帰においても地域移行にとっても、大きな支援力となるわ けでありまして、地域の福祉力を醸成するというようなソーシャルワーク本来の機能を少し全面に 押し出して書いていただけるとありがたいと思いました。 ○京極座長 どうもありがとうございました。具体的にどうするかということはまたあれですけれ ども、それでは意見をいただきましたので、今日、十分にどこを直すというところまでいかないこ ともありますので、それは次回に回すということで「はじめに」のところは、2つ問題が出ており ましたけれども、本来業務としてPSWがやってきたことがあるということと、地域移行がすんな りいかない状況は一体なぜなのかということが出たんですけれども、これについて何か行政の方で ありますか。 ○福島精神・障害者保健課長 冒頭、新保構成員から御指摘があった精神保健福祉士ができる前の、 法以前の状況の話は、確かに状況として平成9年当時よりももっと前から状況があるわけですから、 それは少し書き込む方向で調整をしたいと思います。  なぜ進んでこなかったのかという問題については、今、別途検討会で議論していることそのもの でありまして、勿論、そこでの指摘にあるように、そういう十分なことをやってこなかった行政、 特に長期入院患者の存在というのは、我々行政をはじめとする関係者全体に関係するところという ことになるわけでありますけれども、そこの書きぶりは、特に今後「はじめに」というか、特にこ の10年でやってきたけれども、なおかつまだ進んできていないという状況があるので、特に、コア の仕事としてやっていただきたいというところにつながっていく話なので、そこはなぜというとこ ろよりも、今後はいかにというところで、そのまま書かせていただければありがたいと思っており ます。  特に「はじめに」のところで関係しますところの2点は以上でございます。 ○京極座長 よろしいでしょうか。  2、求められる精神保健福祉士の役割及び必要な技術というところですけれども、ここでいろい ろ出ていましたが。 ○福島精神・障害者保健課長 特に、社会復帰という言葉そのものの問題なんですが、社会復帰と いう言葉は、精神保健福祉法でも使っておりますし、医療観察法でも実は使っております。医療観 察法の場合は、社会復帰という言葉は、内容的には逆にふさわしいのかもしれませんが、精神保健 福祉法の中で使っている用語でありまして、そこは前回の自立支援法ができるときの法改正の時点 で、そこのところは社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加への促進としておるわけ で、そことどう整理をするのかなというところです。  それこそ2、3年前の議論なので、非常に前の議論でありますけれども、そこを踏まえても、な おかつ社会復帰という言葉を使っていたわけで、本来であれば、地域移行という言葉を使う方が、 より業務が明確になるという御指摘からそうだと思いますが、ここは法律の精神保健福祉法の、今、 参考資料でお手元にありますけれども、1ページ目の第2条の定義のところで、社会復帰の促進を 図ることを目的としている施設を利用している者というところで社会復帰という言葉が出てくるの で、ここの書きぶりのところで、もしかしたら対応するということに結果的にはなるので、報告書 でどのように書き込むかは、そこと絡めながら考えさせていただきたいと思います。  それから、幾つか御指摘がありましたが、2のところでは、特に広がった領域のところでどうい う広がりがあるか。司法に関しては、確かに医療観察法以外の司法領域でも、確かに今、広がりを 見せているわけで、それは確かに具体的に書き込ませていただいた方がいいと思います。  それから、3ページ目の(2)の(イ)の求められる支援の多様化のところで、多分PTSDなど疾 病というとらえ方ではなくて、どういう対象者に関わるかということで、いろいろな御指摘をいた だいたんだと思います。先ほどの具体的な場面で、犯罪とか事故とか、あるいは災害ということ。  多分、具体的には災害時とかよりも、それ以外の虐待とか、犯罪被害者、加害者も含めて、その 間、ほかの関係調整を要するようなもの、ほかの社会資源をどう使うかという場合における関わり の方が本当は大きいんだと思います。  どちらかというと、災害時では具体的に、まず行われるべきことは、第1番目に行う救急医療的 なものがあり、それから全体的な保健活動を中心とした一般的な避難上中心とした健康管理活動が あって、その後にずっとフェーズ的には出てくると思いますけれども、そういうことよりも、先ほ どおっしゃった御指摘のあったような領域、そういうものはありますが、どちらかというと、整理 の仕方自体が全部疾病の切り口でずっとここは整理をしているものですから、若干そこは切り口が 難しいのかなと。  つまり、どういうふうに教えるか、この議論はカリキュラムの中にどういうふうに組み込んでい くかというところで書き込んでいるものですから、そこの表現ぶりは職域でもないし、確かに支援 の多様化も、今、疾病という切り口で整理しているので、そこの整理の仕方を考えないといけない ので、少し後からにしてください。 ○京極座長 社会復帰のところは、また、3の求められる役割を踏まえた対応でも、また議論があ るところなので、とりあえず2について、今、お話をいただきましたけれども、具体的には、(2)の アのところの司法の具体的な例示を少し増やすということと、それから、(イ)のところは具体的に PTSDになった原因をいろいろ書き並べると切りがないので、結果だけでもいいのではないかと いう気もするんですけれども、どうでしょうか。 ○鹿島構成員 PTSDにつきましては診断が広がるなどいろいろ議論されていますので、PTS Dと書かないで、ストレス関連のさまざまな問題とか障害と書いておいたほうがよいのではと思い ます。 ○京極座長 PTSDに関連するとしないで。 ○鹿島構成員 PTSDという診断が裁判になってしまっていて問題になっていますから、PTS Dという名前ではなくて、ストレスとかそういうような問題に関わる精神的な問題。そうすると、 診断基準は余り意味がないんですけれども、その中にPTSDないし急性のストレスの反応とか、 うつでの問題とかも全部入りますから、そういうような一般的な表現の方がよろしいのではないで すか。 ○福島精神・障害保健課長 ストレス性障害とかですか。 ○鹿島構成員 ストレス性障害といいますか、いろんなストレスに関連するとか、専門用語は使わ ない方がいいのではないでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 それでは、その辺りは確認していただいて、工夫をしていただければ と思います。 ○京極座長 そのほかにどうでしょうか。企業内の役割が出ましたけれども。  ここは「ハローワークにおいて」というふうに書いているからハローワークだけになってしまっ ているように見えるので、そこは文章上の工夫を若干すれば、休職者の職場復帰支援というものは まさに企業でやっているわけなので、文章は少し修正していただくということで、ここはうまく対 応できると思います。  あと、大変まとまって整理がされているので、今まで職域の拡大などについても漠然といろんな ことが言われましたので、こういうふうにきちっと定式化すると国民にわかりやすいPSWの役割 ということで理解できますので、大変結構だと思うんです。  あと、4ページの「(3)必要となる技術」の中で、ネットワーキングだけではなくて、チームア プローチ及びネットワーキングとか何かを入れた方がいいという石川構成員の御意見ですけれども、 ネットワーキングというものはソーシャルワークの中の根回しみたいな意味が強いので、ネットワ ークを形成するという意味では必ずしもないので、やや狭義の意味で使う場合もありまして、だか ら、ネットワークやチームアプローチとか、ネットワーキングとか、確か何か付けた方がいいよう な気もします。ネットワーキングだけ目立ってしまうと、少し特別な意味があるんですけれども、 これは工夫していただくということで。  それでは、3の方でよろしいですか。「3.求められる役割を踏まえた対応」ということでござい ますが、これについてお願いします。 ○福島精神・障害保健課長 3の方ですけれども、幾つか指摘がありました。  まず一番大きいのは医療・福祉・就労ということですが、領域的に言いますと、確かに、医療・ 福祉・労働というふうになるんだと思いますが、いわゆるニーズという言葉と結び付けるというと きに医療ニーズ・福祉ニーズ・就労に関するニーズということの文脈で書いているかと思います。  この議論は結局のところ、どう対応するかというところで、お手元の法律の方をごらんいただき たいんですが、8ページ目の連携のところ、第41条でございますけれども「精神保健福祉士は、 その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との連携を保たなければならない。」結局、 この規定ぶりをどういうふうに変えていくのかというところで、どこまでこれを書き込むべきかと いうことになるんだと思っておりまして、そういう面で、他職種・関係機関との連携は、確かにお っしゃるように、医療・福祉・労働だけではなくて、司法とか教育という領域も、勿論、関係して くるわけです。  ただ、我々は「など」というふうに言っていて、もともと、今の課題の広がり、あるいは職域の 拡大とか、司法の多様化、福祉の多様化というところの中で関連するところは書いておったつもり ではありますけれども、より明示的に書くべきということであれば、それは書いた方がよかろうと 思います。それは、実際に条文にするという作業のときにまた若干、また議論があるかもしれませ んが、この報告書においてはそういう御指摘を踏まえてそういうふうにさせていただければと思っ ております。 ○京極座長 ここら辺は3ページの「(ア)職域の拡大」にほぼ対応して、領域の分野なので明示さ れてもおかしくないところで、前段のニーズの方は領域ではなくて、医療ニーズ・福祉ニーズ・就 労ニーズということなので、ここは結構なのではないかと思いますけれども、よろしいですね。  あと、社会復帰については、社会福祉及び地域生活の支援というふうに1つになっているので、 さっきいろいろ御議論が大塚構成員からも御指摘があったんですけれども、これはもとの社会復帰 の促進を図るということなので、ただ「精神障害者の社会復帰の促進を図り、地域生活を支援して いく上で」というふうに「及び」ではなくてつなげてしまえば、すらっといくのではないかという 気もするんですけれども、社会復帰の促進を図ることは何か問題になりますか。社会福復帰施設と いう言い方はあれかもしれませんけれどもね。 ○福島精神・障害保健課長 確かに、社会復帰という言葉は社会に復帰していない人の存在を前提 とした言葉なので、そのこと自体がどうなのかという御議論だと思います。ただ、そこはどうとら えるか、とらえ方の問題であって、現状がやはり、こういう表現が妥当かどうかはわかりませんが、 まさに社会復帰していない状態があるならば社会復帰という言葉はまだ残しておくのか。ただ、実 際にやることは地域移行の促進であって、地域移行支援、あるいは地域生活支援をするということ になるんだと思います。ここは現行の規定ぶりが社会復帰の支援を担うというふうになっておると ころで、そこの規定ぶりを、要するにこの会の検討の中で、そのこと自体も既に地域移行支援、地 域生活支援を行う者というふうにするのかどうかということになってしまうものですから、そこは 少し慎重に議論が必要ではないかと思います。  今の流れを踏まえると、確かに御指摘の点はよくわかる、そのとおりと思いますけれども、従来 からの経緯も踏まえて、今の時点でそこを変えていくかについては少し議論があると思いますので、 例えば5ページ目は現行の法律の規定ぶりを書いているので、ここはこのままなんですけれども、 それ以外のところといいますか、先ほどの、特に5ページ目のところはやはり現行の法律に加えて の書きぶりになるのか、それとも、今、御指摘のことを踏まえると、それに変えてというふうにな るのか。それは、実際のところの表現ぶりは少し検討させてください。御指摘は御指摘としてよく わかるんですが、これは非常に、ほかにも影響を与えるものですから、検討させていただきたいと 思います。 ○大塚構成員 何か苦しい答弁のようになってしまって、現状は理解といいますか、了解といいま すか、特にこのカリキュラムのところは了解をしていますが、特に(1)の役割の理解の深化とか、初 めにといったところで、これは繰り返し申し上げると、私どもだけではない課題だと思っていまし て、やはりおっしゃるように、社会復帰という言葉のイメージとか、この時代にあって、それはな いだろうというのが率直な思いでありますし、ノーマライゼーションとかいろいろ考えたときに、 御本人の復帰ではなくて、むしろ私たちは今、先ほどからネットワーキングとかいろいろ出ていま すように、環境づくりとか、社会のインクルージョンの体制づくりとか、そちらの方もかなり重き を置いてやっていることを考えますと、福祉の用語として、これはそろそろ、いろんな側面におい て検討をいただけるとありがたいと思っていますので、この私どもの検討会のことだけの課題では ないというふうには了解しているつもりですので、大変大きな問題だとは思っていますが、そうい う思いがあるということと、実際に私どもの役割が、御本人の社会復帰のことだけではないという ふうに書いてくださっているので、そこも踏まえて御検討いただければと思います。 ○京極座長 これは、逆に社会復帰を取って法律を出した場合、これは与野党でがたがたになって、 議論が通らなくなってしまうので、ここは与野党全会一致で一応、基本的には社会復帰は認められ たので、社会復帰の促進を図るということは、言葉としてはこれから、いつまでもそういう言葉を 使っていいかというのは残るとしても、かなり法律の基本理念に係るところなので、それに加えて 地域生活を支援するとか、そういうものを足すのはむしろ積極的に図る必要はありますけれども、 そこを取ってしまうと、それでは、どうするんだ。そもそも、法律の精神障害者で、今、実際に何 十万人の方が病院に入っていて出られない状態があるわけで、こういう状態をどう認識するのかと いうことにもなっていくし、なかなか、これはこの検討会で言葉を変えてしまうというのも一つの 事件になりますので、お気持ちはわかりますけれども、今のところは社会復帰の促進を図るという ことは法律の基本理念の一つとして生かしていく。現状がもっと、これがほとんど精神障害者の方 が地域に出ていてやっていればこういう言葉は必要なくなって、むしろ死語になるわけですから、 そうなることを望みたいとは思いますけれども、これは少し慎重に議論した方がいいのではないか と思います。  だから、これで見ると、社会復帰の支援をしていくというふうにつながってしまうので、促進を 図り、地域生活を支援するという意味で、地域生活支援というのは本当は更に支援していくという 意味なんですけれども、ただ、前の法律は病院から出れば社会復帰だというやや安直な理解があっ たような気がしますけれども、その後の状況を見ると、出て、その後の支援が十分ではないからな かなか先へ進まないということになって、そこにまた精神保健福祉士の役割が非常に大きくなって いくということで今回の検討会が開かれておりますので、ここは少し慎重に対応したらどうかと思 っております。  ほかにも幾つかございましたけれども、特に6ページの(5)のところで、やや職能団体に積極的に 任され過ぎているのではないか。具体的に大塚さんの団体がすべてやるみたいな感じになってしま っている。 ○福島精神・障害保健課長 公的支援も石川構成員からも御指摘がありまして、ただ、いわゆる行 政がある種の研修をお願いするときには行政目的で、例えばある特定の領域のことを強化したい。 あるいは、今、何かの領域のことが問題になっていて、このことについて、もっと、この職種の人 たちのスキルをアップしていただいて活躍していただきたいというときに、いろんな事業に参加し てやるということが多いわけでありまして、一般的な面での、要するに普通の卒後のスキルアップ というものを実は行政的には、ほかの職種でもやっていないわけでありまして、そういう面では専 門の職種というものは自己研鑽というものがまず基本ではないかと考えています。  多分、唯一、例外的にそういう研修をやっているのは、それこそ保健師とか看護師とか、行政機 関に勤めている人たちはやっておりますが、それは逆に言いますと、行政機関の職員としての普通 の初任研修とか中堅研修とかと同じようなとらえ方でやっておるのであって、そういう面で、職種 のためのある意味では公的なというものは正直言って難しいと思いますし、そこについては、御要 望としては承りたいと思いますけれども、報告書でそういうふうに明示的に書かせていただくのは 少し難しいのではないかと思っております。 ○京極座長 (1)のところで、意識の醸成というところにそういうニュアンスが含まれているので、 社会的支援とか何か、行政と書くとあれですけれども、民間の、例えば向精神薬をつくっている会 社がPSWの方に支援をしたり、その他、いろいろ、社会的なそういう各助成団体などもそういう 研修などにも応援しますから、余り行政だけというのではなくて、社会全体で少し支援していくよ うなニュアンスのことを入れれば済むかなということも考えているんですけれども、(1)のところを 文章上工夫してみたらいかがでしょうか。  (2)のところは、やはり職能団体の責任ということをきちっと書いた方がむしろいいという考えで すね。だから、職能団体だけに責任を持たせてということではなくて、職能団体として自ら、これ は法律でも社会福祉士もそうなったのではないんですか。社会福祉士として自己研鑽に努めるとか、 介護福祉士もそういうふうに義務化しましたので、それとの絡みがあるのでね。 ○福島精神・障害保健課長 先ほど鹿島先生からの御指摘で、病院の実習の話がございました。 ○鹿島構成員 ちょっと戻りますが、よけいなことかもしれませんが、スポンサーシップの問題は どうなのでしょうか。京極先生もいわれましたが、いろいろな企業などの支援もお受けになってよ ろしいのではないでしょうか。 ○大塚構成員 いえ、かえってありがとうございます。私どもも公益的な方針という位置づけなの で、そういうスポンサーシップをいただくのはなかなか難しいので、既に職能団体として、先ほど 課長がおっしゃった通常のといいますか、資格取得者としてのところの研修はもう打ち始めました ので、これは責任を持って、入会者だけですが、そこはちゃんとやっていきたいと思っていますが、 やはり政策課題に関する、この間、例えばPTSD研修とか、児童思春期の職員研修とか、政策課 題のところに助成が付いていろいろなさっているといいますか、やられている研修がありますね。 そういうところは、例えば、この精神保健福祉の領域も少し御協力とか御支援をいただいて、スキ ルアップとか人材育成を図っていけるような機会がいただければと思っていますし、実習のことは 本当に少し議論していただければと思っています。 ○京極座長 どうもありがとうございました。  精神科病院の実習のことも出ましたけれども、確保については少し、この後の問題といいますか、 行政が今後、更にカリキュラムの検討でも具体的にどうするかということになっていくと思います のでね。  ほかにどうでしょうか。医療の問題も出ています。  割とすっきりはまとまってきたという感じは随分しているんですけれども、どうでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 実際に研修の場所の確保というのは一番大事なことなので、できない ことは書けないので、これはカリキュラムの中で具体的にどれくらいのキャパがあるかとか、例え ば何時間の実習を義務付けるとするとどれくらいの、養成の数にもよりますけれども、少なくとも 現状において、あるいは若干、将来的な状況においてもきちんと確保できるような中身でのカリキ ュラムにしないといけないということなので、それは年明けの議論で詳細は書かせていただきたい と思います。 ○京極座長 ほかにどうでしょうか。  それから、最後の4のところで、見直しの必要性といいますか、今後、系統的に、今回、資格制 度は10年で見直すということなんですけれども、今後、定期的にということなんですけれども、大 塚構成員の方から出たんですが「引き続き」と書いてあるんですけれども、これはカリキュラムに ついては書いてあるんですけれども「定期的に」とは書いてないのではないかということなんでし ょうけれどもね。 ○大塚構成員 「必要に応じて」で。 ○京極座長 「必要に応じて」ですか。 ○福島精神・障害保健課長 まさに、今、そういうことを、精神保健福祉士の在り方そのものも時 代によって変わってきたわけですし、また、今後も変わっていくでしょうから、そこは確かに、ま さにそういう必要が生じれば、必要が生じたということを皆が認識し、共通の認識があれば、こう いう検討会はまた立ち上げることになりますし、まだ、これは現時点ではカリキュラムの中間とり まとめなので、そこはまた最終的なとりまとめのところで、今回はこういうとりまとめになったけ れどもということで、その時点で最終的な報告書なり何なりで書いていくことで足りるのではない かと思います。  御指摘の内容はそのとおりでありまして、その時代に応じて、その役割は変わっていく、あるい は拡大していくなり、より深めていく必要があるというのはそのとおりだと思いますけれども、そ ういう対応でやらさせていただければと思います。 ○京極座長 この今後の検討というものは当面の今後の検討というもので、将来についてずっと検 討ということではないんですね。 ○福島精神・障害保健課長 これはあくまで、この検討会の中間まとめということの位置づけなの で、後半といいますか、具体的なカリキュラムについて議論するところへのつなぎという形で書い ておる部分でございますので、そういうことで御了解いただきたいと思います。 ○京極座長 一応、今日出た議論を踏まえて、次回に成文化することになりますけれども、まだ御 意見として十分にいただいていないところもありますので、もし、ございましたらどうぞ、追加発 言をお願いいたします。  どうぞ。 ○大塚構成員 ちょっとずれると思うんですが、今回のこのまとめにということでは必ずしもない んですけれども、必要に応じてということを申し上げた中に、私どもも職能団体ではありますが、 全有資格者が入会しているわけではないということも含めて、組織率が大変低いという情けない状 況でもあるんですが、国家資格者の趨勢、動向といいますか、今、試験センターさんの方でアンケ ートがまいっている次第なんですが、この辺の国としての把握状況については、そもそもどういう 形で動いているものであったり、どういうふうなお考えでなっていることなのかをお聞かせいただ けると、今後いつも検討していくときに、やはり材料を集めるのが実際になかなか厳しいというこ ともございまして、お教えいただけるとありがたいです。 ○京極座長 社会福祉士も精神保健福祉士もそれぞれ国家資格者の登録はされているけれども、実 態を調べるのは個人情報のこともありますし、簡単ではないんですね。 ○福島精神・障害保健課長 従来といいますか、こういう専門職種に関して言えば、医師、歯科医 師、薬剤師については2年に1回の報告の義務がそれぞれの法律に書いてあるわけですが、それ以 外の職種、例えば看護師も含めて、医療関係者としてはそれ以外の職種も、結局、就労している場 所での補則しかないのが実情であります。それぞれの法律にそういう届出の義務がないということ もあり、補則するために届出を義務づけないといけないわけですから、医師と同じような形にすれ ばですね。それは正直、現時点では難しいんだと思います。  ただ、今年度、試験センターの方にお願いをして、有資格者の動向調査といいますか、どういう ところに今どういうところで働いていらっしゃるかということの補則をしておるところでございま すから、その結果がまとまれば、また何かの形で報告をさせていただきたいと思っておりますけれ ども、それを参考にしていただきながら、別の機会で議論をしたいと思います。 ○京極座長 試験センターの方もあくまでも名簿上、協力していただけますかという形で出して、 いいですよという方が来るわけですね。強制的に調査はできませんし、微妙なので、結構大変な調 査なんです。これはずっと課題になっています。  ただ、精神保健福祉士は10年経って、社会福祉士と介護福祉士も20年経っていますから、まだ 間がないので、今のうちだったら早く調査をした方がいい。20年経ってしまうと亡くなった方もい るし、名簿も職場も随分変わっていますし、統計的にはほとんど意味がないです。会員だけの調査 だと本当に一部の会員の結集率の数しか上がりませんので、なるべく早めに成果が出ることを期待 しております。 ○石川構成員 この報告書については、ほぼ御意見が出たのではないかと思うんですが、これ自体 の位置づけという意味も含めて、後ほど追加させていただきたいと申し上げたんですが、私のとら え方が偏っているかもしれませんが、介護福祉士を変えなければいけない。併せて社会福祉士を変 えていく。それに併せて精神保健福祉士を変えていくというような、この3福祉士国家資格に関し ては、そういう流れの中で進んできているという状況が1つはあるかなと思います。それはニーズ の大きさによっても違うのかもしれませんが、そうしたときに社会福祉士と精神保健福祉士のそれ ぞれの位置づけを整理していくということが、今後カリキュラムを考えていく上では、大変重要に なってくるのではないかと思います。  したがいまして、この書きぶりはこの精神保健福祉領域に限ったところで連携をとかいうような、 その範囲がスペシフィックなところでまとめていくことになっておりますけれども、社会福祉士と の関係ではどういうふうに整理していくかという辺りも、実はここには書き込めないとは思うんで すが、その辺のところはどこかで御議論をお願いしたいということは前にも申し上げたかと思うん ですが、こうなってくると最後の部分にそれが入るのかどうかよくわかりませんけれども、社会福 祉士がベーシックであるとすれば、精神保健福祉士はスペシフィックなところだという辺りをより 整理できたらよろしいのではないか。こんな私なりの意見は持っております。  先ほども申し上げたことですが、あるいは寺谷構成員もおっしゃっておりましたが、こういう国 家資格を有している人が行政とか、きちんと計画から実施までを展開できるとの辺りとの整合性を、 親法になるかどうかはわかりませんが、それとの関連性も是非ビジョンの検討会ないし福祉分会で やっていただくんでしょうか、わかりませんが、そうした方向に行きませんと、この単独法だけを 見直すというのはなかなか難しいのかなと思っておりますので、是非とも連結できるような仕掛け をお願いしたいと思います。  もう一つは、先ほど卒後研修については、当然のように専門職である御本人が力量を高めていく というのは当然のことなんですけれども、採用している側の責任もあるだろうということを以前の 会議でも発言させていただきましたが、書きぶりを変えてくれという意味ではなく、どこかでそう したことをきちんと定めておかないとならないかなと思っております。  精神保健福祉士協会が5年ごとに更新研修というんでしょうか。その研修をやっていないと会員 として認めないくらいのところまで質を高めて行くのかもしれませんが、そうしたように一定の質 の担保をしていくという仕組みを職能団体はし始めたわけですので、それについては精神保健指定 医とはまたちょっと違うものかもしれませんけれども、どこの水準をどう担保していくのかという 議論もどこかではやはりしていく必要があるのかなと思っております。  それは先ほどの実習のところに重なってきて、実習指導者をどう養成するのか。実習先をどう担 保するのかということもありますけれども、実習指導者がいい指導者でなければアイデンティティ はつくれませんので、そうしたときにこの法律がもし幸運にも通ってカリキュラムがつくれた場合 に、養成していかなければいけないという課題が前倒しに出てくるものですから、その辺りのとこ ろは相当事前の時間とお金が必要かなと思っておりまして、予算編成は過ぎたかもしれませんが、 そんなところで御検討いただければと思います。少々違う角度からの意見を申し訳ございませんで した。 ○京極座長 最後の方の問題は、精神保健福祉法の見直しの在り方検討会の課題でもあって、ここ では養成の在り方を中心にしているから、どうしてもこの中で社会的対応から何から全部入れると なると、議論の範囲が拡大し過ぎるきらいがございますね。むしろこちらの委員会から精神保健福 祉士をどう社会で位置づけてくれるのかと。これが精神保健福祉法の今後の見直しの重要な視点だ ということで、本題を挙げ出すということで、これはよろしいのではないかという気がいたします。  前者の方の社会福祉士法の改正については、確かに契機としては社会福祉士法及び介護福祉士法 が変わり、これが20年経ちまして、こちらが10年経ったので、契機としては確かに向こうの方の 法改正は意味があるんだけれども、直接原因ということでは必ずしもないので、全体としてはどう なんでしょうか。これは私個人の意見でありますが、社会保障が非常に充実強化されて、まだ不十 分なところもたくさんありますけれども、それに比して社会全体のソーシャルワーク機能という言 葉を仮に使いますと、それは必ずしも十分に広がっていないという、そこに今の社会問題の矛盾が 相当あるのではないか。  これはすごく直感的な見方なので恐縮なんですけれども、そういう点で精神保健福祉士の役割を もう少し発揮させるための養成の在り方を考えるということで、この検討会が開かれておりますの で、具体的に社会福祉士及び介護福祉士が変わったから、こちらもしてほしいということをここに 書くのもいかがなものかという感じもして、それは確かに契機で見直ししやすい条件にはなっては いるものの、直接的な見直しの要件とは関係ないこととして見て、全体としてそういう社会的支援 をする人の役割とかそういうのはすごく大きくなって、精神保健福祉士においてももっとこれでや っていかないといけない。社会福祉士もそうだけれども、というような感じで受け止めたらいかが かと思っております。御意見がある方はどうぞ。 ○大塚構成員 石川構成員の後段のところの意見は、確かにこの検討会の役割ではないと思ってい るのですが、是非重ねてお願いというか、できればと思っているんですが、やはり先行しました介 護福祉士とか社会福祉士の見直しを見ておりまして、基本的には同じことで質の担保とか質の向上 ということと職域の拡大であるとか、社会的ニーズの向上であるとかいうことは中心課題だったと 思うわけですが、それだけその質の向上を実際に仕組んだのにと言いますか、現状はなかなか採用 の面とかいうところで大変厳しい状況だというのは、国民的に周知の事実になっているわけで、福 祉人材確保指針とか見直しがありましたけれども、国会においても、それは大変さらっと済んでし まい、適宜必要な対策をということだけで終わってしまっているわけです。  やはり見直しをすればするほど、研鑚を積めば積むほど、やはりそれを発揮したいと思うわけで すが、発揮できる環境にないということになりますと、翻ってそれは何のための見直しだったかと いう話にもなるわけで、当然これは今やっている今後の精神保健医療福祉の在り方の検討会ですと か、自立支援法の見直しとか連動する話ですし、恐らく診療報酬とか、さまざまなところと連動す るわけで、それはひいては私どもにそれだれの実践の記録づくりとか、政策的にできる力があると か、自分たちの足元に最後には返ってくるのかなということもわかっておりますが、私どもだけで もいかんともしがたい状況がありますので、見直しをしたからには、やはりそういう環境づくりに 対しても関係者が力を合わせて、いい形に持っていけるようにということは、その福祉人材の確保 指針とかもあるので、その辺を踏まえて何か頑張る気になる何かがないかなと思う次第です。 ○京極座長 こういう意見が出たということは、はっきり記録に残していただいて。 ○福島精神・障害保健課長 先ほどの精神保健福祉法の48条の精神保健福祉相談員の話もありまし たけれども、今の地方分権の流れの中では、資格は任命権者が認めるものであるという形で書き込 むことはできるかもしれませんが、これでないといけないというふうには非常に難しくなっている のが現状です。  特に名称独占資格については、そういう形では厳しいのかなとは思います。ただ、それが果たす べき役割、どういう場面でこういう活躍をしていただきたいかということについては、特に今後の 精神保健医療の在り方検討会の方でも障害者部会の方でもそうですけれども、相談支援というのが 大きな課題になっている中では、役割の重要性はみんなが認識しているんだろうと思っていますし、 そういう面では我々もそういう認識に立って対応したいと思います。  診療報酬所の問題とか、そういう施設基準と人員配置基準等に入れるかどうかは、ここで議論で きない問題になりますけれども、我々としてもそういうことを踏まえて、それぞれの関係機関には そういう御意見がある旨、伝えたいと思います。 ○京極座長 ほかにどうでしょうか。もう一回、次回がございますので、時間が若干早く終わりそ うなんですけれども、今後の検討会の日程等についてよろしいでしょうか。事務局より、よろしく お願いいたします。 ○吉川障害保健専門官 次回の検討会につきましては、本日いただきました御意見を踏まえ、中間 報告書(案)を改めてお示しさせていただきますので、これにつきまして御議論いただき、できれ ばとりまとめをさせていただきたいと考えております。  なお、次回の開催は10月中旬を予定しておりますが、日程については後日調整をさせていただき、 調整後に速やかに御案内をさせていただきます。事務局からは以上でございます。 ○京極座長 この報告書は具体的にどういう扱いになるんでしょうか。例えばこれができれば法律 改正の骨子が要綱に反映されるとか、あるいはこの報告書は関係各位にもどういうふうに周知され るかとか、その辺りを教えていただきたいと思います。 ○福島精神・障害保健課長 10月中旬の検討会の後、若干の文言修正も残ろうかと思いますから、 最後に座長におまとめていただいて、できたら10月中には公表をしたいと思っております。その後 で多分法改正関係ということがあるのであればということですが、障害者部会の方にも報告をする ことになろうかと思っております。それは遅くとも年内には報告をするということになろうかと思 います。どのタイミングでというのは、障害者部会の議論の流れがありますので、ふさわしいタイ ミングにおいてということになろうかと思いますけれども、そういうことで考えておるところでご ざいます。 ○京極座長 今後の精神保健福祉の在り方検討会と同時にということではないんですね。こちらの 方が先に出てしまうんですね。 ○福島精神・障害保健課長 そこはまだ在り方検討会のまとまり具合と障害者部会の議論の状況と 両方見ないといけませんので、場合によっては同時になるかもしれません。そこは申し訳ありませ んが、事務局の方にお任せいただきたいと思います。 ○京極座長 では、次回は10月中旬で、まとめにしたいと思っておりますので、よろしく御協力 をお願いしたいと思います。  本日はお忙しい中、長時間にわたりまして、ありがとうございました。  これをもちまして、第5回「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」を閉会いたしま す。どうもありがとうございました。                                    −了−  照会先:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 精神・障害保健課障害保健係 03-5253-1111(内線3065)