08/09/11 平成20年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会第4回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会議事録 平成20年度第4回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会 日時 平成20年9月11日(木) 14:00〜 場所 厚生労働省共用第8会議室 ○大淵化学物質評価室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより「平成20年度第4 回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会」を開催させていただきます。本日は、大 変お忙しい中をご参集いただきましてどうもありがとうございます。以降の議事進行は 名古屋座長にお願いいたします。 ○名古屋座長 本日は第4回の検討会になります。前回の検討会では、医療現場におけ るホルムアルデヒドの規制に関する検討を行い、論点整理の途中でした。本日は、前回 に続いて医療現場におけるホルムアルデヒドの規制のあり方について検討を行います。 事務局から本日の議事予定、資料等の確認をお願いいたします。 ○大淵化学物質評価室長補佐 議事については、前回規制のあり方に関する論点という ことで、これまでのヒアリング結果の報告を事務局からさせていただいた上で、論点整 理を開始いたしました。本日は、前回の続きの論点整理を行いますとともに、それを踏 まえた形でまとめにつなげていきたいということで考えております。  配付資料一覧をご覧ください。資料1-1は「ホルムアルデヒドの使用実態に係るヒア リング結果概要」ということで、前回もお配りしたものです。資料1-2は「ホルムアル デヒド規制のあり方に関する論点」ということで前回に引き続いてということです。資 料1-3は「ホルムアルデヒド規制に関する整理概要の案」ということで、前回先生方に ご議論いただいた部分について事務局でまとめたものです。資料2は「医療現場におけ るホルムアルデヒド規制に係る今後の検討予定」です。  参考1から参考5までは前回もお配りした資料です。参考1から参考4まではヒアリ ング関係の資料です。参考5は、平成16年度の報告書の関係ということで、参考1は 歯科医療関係、参考2は病理関係、参考3は解剖実習の関係、参考4は循環型のプッシ ュプル型換気装置関係です。本日の次第、資料は以上です。 ○名古屋座長 前回の続きということで、残っていた4の還流型装置の導入について事 務局から説明をお願いいたします。 ○有賀労働衛生専門官 前回は、4番の途中までで切れてしまったのですが、還流型装 置等の導入の考え方について、引き続いて先生方にご議論いただきます。若干繰り返し になってしまいますが、背景と論点について説明させていただきます。  4番の、還流型装置等の導入の考え方ですが、特に解剖現場において、その装置の有 効性がどうなのかということを前回もご議論いただきました。ホルムアルデヒドについ ては特に解剖実習室において、実習の作業の特性上、なかなか局所排気装置等の設置が 著しく困難な場合があるということでした。  前々回に、解剖実習台とか、プッシュプル型の移動型の換気装置など、開発・導入が 各社でいろいろ進んでいるということを理解しております。全体換気装置などを補完す るような形として、このような装置をいろいろ開発している例が紹介されたと理解して おります。前回、こうしたものについて有効性があるかどうかについてご意見をいただ きました。引き続いてご意見をいただきたいと思います。  前回、一定の有効性があるというご意見をいただいたところです。これは、設置する ことによって解剖実習室の濃度を下げることができて、全体装置を補完する意味で有効 性があるのだ、というご意見だったかと思います。そういう有効性については確認をさ れたというご意見をいただいたかと思っております。実際に前々回の議論を思い出して みますと、管理濃度0.1ppmを1つの装置で達成したということではありませんので、 おそらくこれは技術的に今後進んでいった上で、1つの装置として局所排気装置なり、 プッシュプルなりいろいろな装置として、管理濃度0.1ppm以下となるような有効性が 出るものが、技術的に開発されていくのだと思っておりますが、現時点では濃度を下げ るという意味で有効性があるという確認をいただいたと理解しております。  そういう観点で、こういう装置を導入するに当たり、こういうところに気をつけたら いいのではないかというご意見をいただいたかと思います。前回は、時間的に短かった こともあり、いくつか短いご意見をいただいたかと理解しております。1つは、フィル ターなど何もなければ濃縮してしまう危険性があるのではないか。循環型が有効だから といって置けるのかというとそうではなくて、ある程度の付帯条件を付けて、きちんと 置くべきではないかというご意見。  例えば、還流型ということであれば、少なくとも還流してくる気体は0.1ppmより低 い濃度である必要があるのではないかというご意見。また大前先生から、ホルムアルデ ヒドは酸化されて蟻酸になったり、エタノールはアセトアルデヒドになる。エタノール はいろいろ使っているということで、単にホルムアルデヒドが0.1ppm下がるだけでは なくて、そのほかの有害なガスが出ていないというのも非常に重要なことであるといっ た貴重なご意見をいただいたと理解しております。  本日は、この辺りの意見に追加のご意見をいただいて、全体換気装置を補完する意味 でいろいろな装置が出ておりますが、こういう部分について、どういう場合に、どうい う点に留意して配置・設置をしたらいいのかということについて、先生方のご議論をい ただければと考えております。 ○名古屋座長 確認しておきたいことは、大学の解剖室というのは、特化物の第5条に よってもともと局所排気装置を基本的に設置しなければいけないのです。ただ、いろい ろな状況があるので、困難な場所があるので、第5条但書の中に、全体換気の設置等の 健康を予防するために措置を講じなければならない。その講じるための有効措置として、 いまのような形のものを導入していけば、全体換気が下げられないものを、ある程度そ れを使って下げていく、補助手段としてどうかということです。その補助手段を使うた めにはどういうものがいいのか、ということの議論でよろしいですか。 ○有賀労働衛生専門官 はい。 ○名古屋座長 循環型という中では、循環そのもの自体が解剖台の中で循環するものと、 プッシュプルのように、そこのものを取って外に出すものとでは扱いが違うかと思いま す。循環型の装置の中で、要するにそれは閉鎖空間の中で動いているので外へ出ないか ら、そこで働いている作業者、あるいは学生にとっての健康影響という面では大丈夫な のか。そこに光触媒とかいろいろなものが使われている。あとは閉鎖されているのでは なくて、一応局所排気装置なのだけれども、それを室内に出すものについてはある程度 細かいことがあってもいいのか。  この前、私がしゃべったことで誤解を受けている部分があって、指摘されたところが あります。それは何かというと、光触媒でなくても、分解をするものについて取り扱っ たときに、中間生成物と最終生成物のところはちゃんと把握しておかなくてはいけない のだよという趣旨の中で、エチレンオキシドのところでホスゲンという話をしてしまっ た部分が多分にあったと思うのです。  確かに、ものすごい高濃度のときに出ることはあります。それでも、かなり濃度が下 がってくるとなくなるのだけれども、ホスゲンとかが若干取り上げられた部分があって 申し訳なかったと思います。しかしながら、私たちが行っているような管理濃度だとか、 低い濃度で通常状態ではそういうことが発生しませんので、それほど問題はないのか。  大前先生も言われましたように、ホルムアルデヒドなどだと蟻酸が出るということ。 ただ、出すものに対して分解生成物として中間に出てくるものについては、業者が、使 うユーザーに言うのは正しいことではないか。ただ、1つの例としてホスゲンは途中の 濃度を抜かしてしまったということで申し訳なかったと思います。  有効だということで、使用方法としてはいいのかなと思います。その辺で先生方から ご意見がありましたらお願いいたします。 ○唐沢委員 いま名古屋先生からもお話がありましたし、事務局の説明の中にもありま したように、あくまで循環型のものについては特化則第5条の本文の規定は局所排気装 置ですけれども、それが困難な場合という但書のケースで、全体換気装置等で対応する 場合に、さらに全体換気装置だけでは十分低減できない場合についての補助装置という 位置づけであろうと。  補助装置として循環型を使う場合には、先ほど事務局からの整理案の中にもありまし たが、それによって別途有害物質は発生しないことが必要である。活性炭吸着装置みた いなものがメインで、空気清浄機はあまりメインでないのかもしれませんが、いずれに しても循環型の排ガス処理のためのフィルターとか、その他のものについての有効性に ついては確認をする必要があるのではないか。  あとは還流してくる気体、少なくともホルムアルデヒドについては0.1ppm以下であ ることが必要という感じです。補助装置として使われるということであれば、差し支え ないのかと思います。 ○櫻井委員 全体換気については、その使い方についてみんなで管理する。一方、補助 装置として使う還流型の局所排気装置については、その周辺で使う人の使い方の影響を 非常に受けますので、その点は十分装置の特性等を教育し、その効果を最大限に発揮さ せるようにする必要があると思います。 ○名古屋座長 現状でユーザーが持っているもので、例えば活性炭だったらどのぐらい の有効期間があるのか、というのは自分の中で基礎データを持っていますので、それを きちんとユーザーに知らせて、ユーザーはこういう管理をしなさいということで有効的 に扱う。0.1ppmをとてつもなく下げろというのはなかなか難しいと思います。現状持 っている知識をユーザーに与えて、最終的に有効に使ってもらう、管理することは必要 ではないかと思います。  こういう法律がある程度決められてくると、いまは測定法もそうですが、0.1ppmの ところを30分かけて0.01ppmを分析できますけれども、それでは10分間でできるか というとなかなかできないです。でも、こういうことが起こってくると、そういう技術 はすぐに進んできてできるようになる。そのときになったら再度検討するという形で押 さえていけばいいのではないか。現状の中で最大限できるものを使って管理する、とい うことで認めてあげることはいいのかと思います。 ○島田化学物質評価室長 1つ確認させていただきます。座長のご発言の中に、循環型 の中でも閉鎖空間で利用する循環型の換気装置と、室内に出す開放型のものを区別する ことが必要ですというのがありましたが、参考4に前回の興研株式会社から説明をして いただいたものがあり、これについては、室内に排気するタイプと我々は理解させてい ただきましたが、具体的にどのような違いがあると言われたのでしょうか? ○名古屋座長 これではなくて、2回目にもう1つ資料がありました。閉鎖空間の中で いって、それが外に出てこない。多分、分解されながら濃度が出ている。換気のエリア 内は若干濃度が高いかもしれない。直接入ればばく露濃度は高くなるかもしれない。そ れは使う周辺の所には出てこないから、その閉鎖空間の中で、光触媒等を使って浄化し ていく部分については、そこで働いている周りについてはそれほど影響はないかもしれ ない。  ただ、こういう形で外に直接出すものについては、周辺で作業をしている学生、ある いは作業者にとってある程度きちんと管理していかなくてはいけない部分になる。そう いう意味で、同じ循環でも閉鎖された循環と、周辺に出して、それをまた循環させてい くというのは、周辺の人に対する健康影響はちょっと違うかということで申し上げたの です。  いずれにしても有効な方法ですから、補助的な手段として使うことは問題ないのだと 思います。ただ、出す所については周辺作業者等に影響があるかもしれないので、その 情報をきちんとユーザーに知らせて、使い方、管理の仕方、そういう形の上で有効に使 っていただいて、全体として濃度を下げていって、そこで働く作業者のばく露濃度を低 くすることには有効な方法だと思っています。 ○島田化学物質評価室長 ありがとうございました。 ○名古屋座長 早めに還流するのも、唐沢委員が言われたように、0.1ppmを切れるも のが出れば同じようなものは要らないわけですが、いまのところはなかなか難しいとい うことがあったと思います。そういう形のものが早く開発されてくれれば、もっともっ と有効ですので、それが全体換気なしでも、それだけで使えるという形になるかもしれ ません。逆に言うと、補助手段でなくても、局所排気装置として使える可能性が出てく るということなのです。 ○有賀労働衛生専門官 若干例外のほうだけの議論をしていただいているかと思うので す。もちろん規則上基本は局所排気装置を使ってください、いろいろな形の中でやって くださいと。基本的にできるのであればいちばんいいわけですけれども、なかなか難し い場合があるということですので、基本は局所排気装置を使っていただくということで す。 ○名古屋座長 第5条では、当然解剖室には局所排気装置を設置することが基本だとい うことは前提にあります。ところが、いまはそこのところがなかなか難しいので、全体 換気の補助手段として使ったらどうでしょうかと。これは確認したところです。それが、 技術が進んだと言ってしまって、第7条にまで踏み込んでしまって申し訳ありませんで したが、そういう形で考えております。 ○圓藤委員 教育も必要なのですか。例えば、風向きについてはどこに立ちなさいと。 当然普通は風上に立ちなさいというふうに作業者には教えますが、そういうのも必要に なってくるのですか。 ○櫻井委員 先ほどの私の発言もそのような意味です。プッシュプルでしたら、通常は 割合乱気流に強いとは言いますけれども、それにも限界があるからあまり頭などを突っ 込むなとか、そこにあるものを表へ出さないようにする。そういうのは十分教育してお く必要があるだろうという意味で申し上げました。 ○名古屋座長 性能ではなくて、使う側の人たちに対しての教育が必要だということで すので、そこは盛り込んでいただければと思います。補助的に使用する際に注意してお くことはありますか。 ○圓藤委員 望ましい局所排気装置というのは出すのですか。プッシュプルの横型とい うのは、局排の設置ができない場合ですよね。 ○名古屋座長 こういう技術レベルが上がっていって、有効性がもっと確認できるよう な形になったら、そこのところでまた再検討する。現状ではいまのところは難しい。現 状では、最大できるところで努力してもらう。メーカーが努力してくれて、それが進ん できたらそのときにまた検討する形になるのかと個人的には思っています。その開発の 進み具合かな。  ここのところの、導入の考え方はいいのですか。 ○有賀労働衛生専門官 考え方については、前回座長からご意見がありました。今回は ホルムアルデヒドに限った話ですけれども、規則上は局所排気装置についてはいろいろ な要件があって、第7条等で外部排気をしなさいといった条件が決められています。  還流型については、ホルムアルデヒドとは離れていろいろな物質、あらゆる物質でど のような場合にこういうものが有効で、規則上の装置として単独で局所排気装置やプッ シュプル型装置として使えるのかどうかという議論を、引き続きいろいろな形を含めて 今後議論を続けていければというご意見を先生からいただきましたので、そのような方 向で事務局としても考えております。 ○名古屋座長 前回と同じ形で引き続き検討するということでよろしいでしょうか。 ○有賀労働衛生専門官 はい。 ○名古屋座長 還流型の有効性ということは、補助手段として有効ですから、それはユ ーザーが持っている知識として、なるべく発生しないようにすることという、測定等を 含めて現状で考えられる最大の努力をしてほしい。それは、ユーザーに対する教育もそ うですし、使う側としても使い方についてはきちんと教育してほしいという形でよろし いでしょうか。  5.の医療現場のところです。これも周知徹底のあり方について事務局から説明をお願 いいたします。 ○有賀労働衛生専門官 5番の背景等についてご説明いたします。前回も若干ご議論い ただいたかと思いますが、医療現場におけるホルムアルデヒド規制については周知が非 常に重要だということです。前回、歯科医療の場合、医療機関の病理検査の場合、解剖 の場合についてはいろいろな形で規制を周知していくことが非常に重要だというご意見 をいただきました。  前々回、病理検査については日本病理学会から、管理濃度を達成するためには有害性 の少ない製品に変更しなさい、臓器を保存する際には二重包装をしてください、といっ た作業改善の具体的な事例についてまとめたり、紹介をしていただいたと理解しており ます。解剖についても、日本解剖学会でいろいろなアンケートなり、取組みなどの情報 収集をしていると考えております。前回、医療機関に対する規制の周知の仕方について は、医師会などを通じてやっていくべきではないかという貴重なご意見をいただきまし た。  そういった前回までの議論を受け、またどうしていけば有効に周知ができるのかとい う問題について先生方のご意見、ご議論をいただければと考えております。 ○名古屋座長 これに関して、皆さんのご意見はいかがでしょうか。学会などが応援し てくれる、サポートしてくれる、それに対して行政もサポートするという形だと思うの です。これが可能かどうかはわからないのですけれども、1つ思うことは、例えば溶接 などではリーフレットを使って、改善事例を結構出しています。それは、2年間なら2 年間調査していって、いい事例があったら、こういうふうにすればできますよというこ とをやっています。ヒアリングの中で比較的いいものが出ているので、そんなに厚いも のでなくても結構なので、そういうものを作って、開業医などに配付すれば結構周知徹 底できるのではないか。  二重蓋と書いてあっても、どうするかというのはなかなかわからないけれども、図面 を見るとすぐわかってくる、という形の周知徹底の仕方もあるのか。これは、行政のほ うで検討してもらえばいいのですけれども、1つの事例として改善事例のいい事例をリ ーフレットにして配付してもらう。それがそのまま運用できるとは思いませんけれども、 そういう形のもので周知徹底するのも1つの方法かと思っていますので、検討していた だければありがたいと思います。 ○有賀労働衛生専門官 いまご意見をいただきましたが、日本病理学会でもいろいろな 事例をホームページで公開していると聞いています。どのような協力の仕方ができるか はわかりませんけれども、行政内部でそのようなリーフレットも含めて検討させていた だきたいと思います。 ○名古屋座長 ホームページ等で、いい事例という形で検索できるようにする。知らな いと、密閉した容器でいいのかな、でも二重にするとこれだけ下がる、というような形 のものがあったらいいかと思います。 ○大前委員 私は、慶應医学会の医師会長をやっていて、日本医師会の資料が全部回っ てきます。偶然本日、粉じん対策の資料が入っていました。A3判見開きと、A4判の資 料でしたが、カラーでパンフレットになっていて非常にわかりやすいです。ああいうの を医師会の会員数分といいますか、あるいは病院の数分だけ渡すというのは非常に有効 だと思います。病理学会、解剖学会だと、どうしても大学だけみたいになってしまいま すから範囲が狭くなってしまいます。それはそれで別にあって、各病院に関してはそう いう回し方がいちばん有効ではないかと思います。 ○唐沢委員 同じような趣旨ですけれども、EUの安全性情報センターなどでは、好事 例ということで、こういういい適用例があったということにかなり力を入れてやってい ただいていると思います。行政当局は、手数と時間がかかると思いますけれども、でき ましたら好事例を写真や図面を中心にして作っていただいて、そういう材料を作ってい ただいたことにより、医師会をはじめ、関係団体が一層周知徹底に努力していただける のではないかと思いますので、是非お願いいたします。 ○大前委員 いままでの話は、既存の設備に局所排気装置等を付けるという話だったの ですけれども、これから新しく病理あるいは解剖の設備を造る所に関しては、もう少し 根本的なやり方はないかということもありますので、それも何らかの形で考えていく。 直感的に浮かぶのは、半導体製造工場ではダウンフローのようなものが出来れば完璧で はないかと思うのです。新規に造る所では、そのようなものもどうかということを何ら かの形で入れていただけるといいのではないかと思います。 ○名古屋座長 今回のは、どちらかというと既存の所のもので、立地条件が悪くて局所 排気装置は付けられないときの補助手段なのです。だから、新規の所は当然それをひっ くるめた設計が必要でしょう、という形の情報を提供していただければ、この委員会が 役に立ちますということですのでよろしくお願いいたします。  引き続きまして、前回の検討で出された意見を踏まえて、事務局が取りまとめる報告 書の方向性についてということで、歯科医療、病理、外部受診と改めて確認をしていき たいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○有賀労働衛生専門官 資料1-3に、前回先生方からいただいたご意見を基に、整理概 要案ということで、報告書のたたき台のようなものを事務局で作成させていただきまし た。若干不足している部分も含めながら、前回の議論や前々回のヒアリング等も踏まえ て整理をしていき、報告書の形を作っていけたらと考えております。資料1-3に沿い、 若干繰り返しになってしまう部分もありますが説明をさせていただきます。  1番として、歯科医療について先生方からご意見をいただきました。ヒアリングを踏 まえた(1)下記作業の評価ということで、2つの作業についてご議論いただきました。 1つは、ホルムアルデヒド製剤の保管とか配置の問題です。これについては、治療に備 えて歯科治療台のテーブルや薬品庫に保管・配置されており、作業主任者が選任されて おりますので、適切な管理について労働者に指揮することが重要かと考えます。  イは、ホルムアルデヒド製剤による治療ということで、歯科医師会から説明がありま した。平均的な治療というのは、1回の治療時間で10〜30秒程度で、平均的な使用頻 度も月12回ということで、1カ月2分から6分と短時間であって、また1回当たりの 気中濃度も最大限発散したとしても0.024ppmということでした。  ヒアリング等の評価を踏まえ、(2)以降で具体的に規制に関する整理ということで、 事務局でたたき台を作らせていただきました。2つ目ですが、作業環境測定について、 歯科医療についてはごく短時間で、1回の治療時間も短く、1カ月の延べ作業時間も短 いということから、一般的には第2類物質(この場合には、ホルムアルデヒド又はそれ を重量で1%を超えて含有する製剤その他の物)の製造又は取扱いが常時行われる屋内 作業場には該当しないのではないか、というご意見を先生方からいただいたと理解して おります。  ただし、使用頻度が高い事業場については別の考え方が必要なのではないかと考えて おります。  補足ですけれども、作業環境測定で常時取り扱われる作業に該当しないことになりま すと、労働安全衛生規則第45条で定義されている特定業務の健診についても該当しな いことになり、普通の定期健康診断、年1回の定期健康診断のみが対象になってくると いうことです。その考え方は、特定健診のほうにも関係があります。  (3)作業主任者に行わせるべき事項ということで、(1)のアで、保管とか配置につ いて、いろいろ汚染されたり吸入しないような作業方法を決定し、労働者に指揮するこ とが重要だと書いております。  (4)は局所排気装置の設置などについてです。歯科医療については、歯科医師会か らの説明等もあったとおり、発散源が口腔内部又は開放した瓶の開口部分であって、こ こに局所排気装置を設置すると、発散源を囲い込んだり、もしくは発散源にフードを近 づけるようなことというのが、医療行為を非常に妨げる可能性が高いケースが考えられ るということでした。  今回のヒアリングでは、そういう多くの歯科医療現場では、通常の換気扇、空気清浄 機、集じん機などが設置されております。また、最近は口腔外のバキュームの導入も進 んでいるということが確認されました。以上、歯科医療について、前回の先生方のご議 論を踏まえ、事務局のほうでまとめさせていただいたものです。ご意見等をよろしくお 願いいたします。 ○名古屋座長 いままでなかった、第45条の健診の話が初めて出てきたのですが、そ の辺についてはどのようにお考えでしょうか。 ○圓藤委員 思ったのは、作業環境測定と健康診断と作業主任者が同じ規則といいます か、同じ考え方で統一できていないのかと思ったのです。作業環境測定でいくと、この 場合は常時作業場ではないので該当しない。健診も該当しない。しかしながら、作業主 任者は選定しなければならない。特化物作業場に該当しないのだったら、作業主任者も 要らないのではないかと思ってしまうのですが。 ○名古屋座長 そうすると、健診についても通常どおり。 ○圓藤委員 私の感覚では法律がよくわかっていないのですけれども、すべて該当しな いという感じになってしまうのです。 ○有賀労働衛生専門官 作業主任者を今回は書かせていただきましたが、保管とか管理 はしています。その保管とか管理というのはそれほど難しいものではないのだと思うの です。おそらく歯科医療の治療台などに置いてあるものですから、労働者が間違わなけ れば、大量に落としたり、割ったり、大量に漏洩してばく露するようなことはおそらく ないのだと思います。もし、適切な管理がされていない場合については、作業主任者が 労働者を指揮して、適切な管理をしてもらう必要がある。そこに危険性というか、リス クはあるのだと思います。適切な使われ方をしさえすれば、基本的にリスクはないとい うことで、おそらく作業環境測定とか特定健診は外れてくるのだと思います。  その前提になる作業の適正性を確保する意味でも、作業主任者は必要なのだというこ とで整理されているのだと事務局としては理解しております。例えば、作業主任者を選 任しないで、適切な作業がされないとなれば、割れたり大量漏洩の可能性があるわけで すので、その辺について適切に担保する意味で、作業主任者を選任して、労働者を指揮 することが必要になってくるのではないかと考えております。 ○圓藤委員 たとえ少量であっても、作業主任者は必要という考え方なのですか。 ○有賀労働衛生専門官 基本的にはそういうことになります。 ○名古屋座長 難しいですね。 ○唐沢委員 私の理解では、作業環境測定とか、特殊健康診断について、作業環境測定 の場合には前にもお話がありましたように、いわゆる常時性がベースにないといけない だろう。健康診断も「常時従事する者」というふうに安衛法第65条には規定されてい ますから、常時そういう作業に従事する方が対象になります。  ただ、作業主任者は、個別具体的に、例えばその日のある時間帯に特定化学物質を製 造し又は取り扱う作業についても、作業主任者の選任義務としては適用される、という 規定ぶりだったと理解しています。したがって、その点で、健康診断と作業環境測定と は違う。作業主任者の選任をして、作業主任者として適格な業務をしていただくという こととはちょっと違うという規定ぶりです。 ○圓藤委員 いまはそうなのですけれども、非常に微量な場合でも選任しなくてはいけ ない、という考え方が必要なのですか。 ○唐沢委員 今後のあり方としてですが。 ○大前委員 いまのは、各歯科医が作業主任者にならなくてはいけないということにな るわけです。1人で開業している歯科医も、医科もそうでしょうけれども、全員が作業 主任者の資格を取る必要がある。現在の規則を当てはめればそういうことになるのです か。 ○名古屋座長 開業医は事業主になるから。 ○有賀労働衛生専門官 労働者が取り扱っている場合についてはそうなります。 ○名古屋座長 難しいな、健診のことについて櫻井先生はどうですか。 ○櫻井委員 感覚的には圓藤先生と同じように、リスクの大きさを考えると、義務とし て作業主任者を義務づけるほどリスクがあるとは思えないです。あくまでリスクで判断 していくとしたら、そこは微妙に考慮するボーダーラインではあると思います。今後の 検討課題ということになるでしょうか。  事業者であり、しかも作業主任者にもなる必要が出てきて、講習を受けて資格を取る 必要があるわけです。それは決して悪いことではないけれども、それよりもうちょっと リスクのあるような業務は世の中にはいっぱいあるわけです。そのバランスからいって どうなのか、という気がしないでもないのです。それは行政的な流れというものがある と思いますので、規制ということになると。 ○圓藤委員 ちょっと、違和感がありますね。 ○名古屋座長 確かに、使用頻度が高い事業所についてはいまのことは安定するのだけ れども、歯科の場合は比較的個人事業主が多くて、取扱いも少ないから除外しようとい う話になったときに、作業主任者の話が出たらどうなのかと思います。ここは、サラッ といくのかと思っていたのですが、逆にすごくはまってしまうような形になってしまい ました。ここは法律でいくとどうでしょうか。次回までの検討事項にしておきましょう。 ○有賀労働衛生専門官 現行だけでいきますと、試験研究のため取り扱う作業というの は、作業主任者が要らない。これは、理屈が少量取り扱っているからと、知識があるか らということで、特化則の作業主任者の除外規定を設けております。そういう考え方と いうのはおそらくあるのかと思っております。  この検討会自体は、少量の取扱いの検討委員会として発足をして、ホルムアルデヒド の規制が終われば、そういう議論もする予定でおそらく設置された委員会なのだと思い ます。先生方のご議論を踏まえ、事務局で検討したいと思います。  歯科医師が自ら作業をする場合については、基本的には労働者に扱わせないというこ とであれば、事業主だけですので、そこは作業主任者は要らないということはあります。 その辺は詭弁ということになってしまいます。先生方のご意見を踏まえて議論させてい ただきます。 ○名古屋座長 そこのところは、いままでなかったところだったので、次回以降もう少 しまとめて議論しましょう。本来的には先ほど言ったように、歯科医療というのは一般 的に取扱い量が小さいので、このときにはいいのではないでしょうかという形で流れて きましたが、そこのところの取扱いについては次回以降検討したいと思います。  測定のところと、装置について、歯科医のところはよかったかと思います。次は2頁 の病理学的検査のところの説明を事務局からお願いたします。 ○有賀労働衛生専門官 病理学的検査についてご説明いたします。「ヒアリングを踏まえ た下記作業の評価」のところです。2つの作業を書かせていただきまして、病理学的検 査は、ホルムアルデヒド容器の作成とか小分け、廃液廃棄等も含むと書かせていただき ました。日本病理学会からの説明にもありましたが、病理学的検査は、医療機関の病理 検査部門や登録検査業者によって行われています。こうした作業において報告がありま したが、病理検査室の濃度が管理濃度以上大幅に超過している例が報告されています。 常に病理学的検査を行っているということで、総じてリスクが高いのではないかと考え ております。特に紹介をいただきました、手術により剖出したがんの臓器からのリンパ 節の採り分け作業等については、特にリスクが高いということでした。  書いてはありませんが、内視鏡の検査室とか、生検で取り扱うときに、ホルムアルデ ヒドのフィルムの蓋を開けるような作業だけを行っているような場合があります。これ というのは、こういう作業について、いろいろな医療機関なり、個人の医療機関などで も取り扱われているところです。ヒアリングをさせていただいたのですが、こういうホ ルムアルデヒドの小瓶を開封する業務というのは、1回の治療時間が大体5秒ぐらい蓋 を開けるということで、平均的な使用頻度というのは、大きい病院ですと日に10件程 度。これは、いろいろな病院によって違うということでしたが、10件程度で、1つの部 屋でやっている。それで、1日当たりの延べ作業時間は約1分ぐらいだということでし た。  小瓶の蓋を開けている際の濃度測定をやった結果があったのですが、これは検出下限 以下だったという報告がされております。例えば、内視鏡の検査室等で行う生検のとき に、ホルムアルデヒドのキャップや蓋を開けるような業務についても、また別途考える 必要があるのかということは報告をさせていただきます。  病理学的検査については、ホルムアルデヒドの濃度低減を行うための対策として、ホ ルムアルデヒドを使用する場所の集中化とか、有害性の少ない製品への変更、これは臓 器の保管とか、組織保存室での二重包装等の作業の方法の改善が効果的であるという評 価をいただきました。  イは臓器の保管です。委員の先生方にご議論いただきまして、こういう臓器の保管と いうのは、保管庫などの設備体制が非常に重要だというご意見をいただきました。保管 庫に保管されることが重要であり、作業主任者が選任されている場合には、二重密閉と か適切な管理について、労働者に指揮することが重要であるということです。  臓器の保管場所については、作業環境測定が要るのかという議論がありました。前回、 作業場所ではないので、作業環境測定は要らないのではないかという説明をさせていた だきましたが、特化則第36条で、常時労働者のいないような場所の測定については、 今回の測定の目的というのは、労働者の健康障害の防止にあるものですから、通常の状 態において、労働者がいるような所について、労働者の作業行動範囲内については測定 をしなければならないことという整理がされております。  臓器の保管庫等についても、通常、労働者がどんどん立ち入るような場合においては 測定をする必要があるのかもしれないのですけれども、通常保管をしているだけのよう な場所であって、作業範囲でないということであれば、測定の対象からは外れてきます ので、前回の議論の補足をさせていただきます。  (2)病理学的検査等における作業環境測定についてです。医療機関の病理検査部門 とか、登録検査業者等で行われている病理学的検査というのは、常時ホルムアルデヒド が使用されていることから、法令に基づいて作業環境測定を行い、作業環境改善を進め ることが求められます。これは、常時作業に該当すれば、先ほど申しました特定健診、 特定業務の健診についても同じことが規則としてはかかってまいります。  先ほどご説明いたしました、内視鏡検査室で行うような、ホルムアルデヒドの蓋をポ ッと開けるだけの作業のような場合については、おそらく別途の考え方が必要ではない かということですので、ここについてはご議論いただければと考えております。  (3)病理学的検査等において、事業者が作業主任者に行わせるべき事項として、事 業者は作業主任者を選任し、ホルムアルデヒドの濃度低減を行うための効果的な対策と して、使用する場所の集中化とか、有害性の少ない製品への変更、組織保存室での二重 包装等の作業方法の改善等について、労働者に指揮させることが重要であるということ です。  病理学的検査における局所排気装置の設置については、病理学的検査はいろいろな作 業場所があるかと思いますけれども、例えば手術室などで行っている場合が見られます が、なるべく分注とか小分けする作業を、人員とか設備の整っている病理診断室等に可 能な限り集中化し、そこの設備を充実させていくことがリスクの低限化には非常に重要 ではあるということです。こうした作業を集中化した病理診断室については、法令に基 づいて局所排気装置等を設置したり、労働者のばく露防止対策を行うことが必要である ということです。  ここには書きませんでしたが、手術室等については座長からご議論いただいた点もあ ります。陽圧に保っている必要がありますし、おそらく手術室というのは全体換気装置 が設置されているということで、そういう部分については全体換気装置が設置されてい るということです。  (5)その他、有効な作業環境改善をするために必要な措置及びその周知方法につい てです。病理学的検査については、管理濃度を達成するために、有害性の少ない製品へ の変更とか、二重包装、作業場所の集中化が効果的ですので、こういう具体的な作業改 善事例の周知については、日本病理学会等が進めていて、行政としてもできる限りサポ ートしていくべきである。先ほどいただきましたご意見も踏まえ、行政としても周知に ついてはいろいろサポートしていきたいと考えております。 ○名古屋座長 2.の病理学的検査等の中で議論を進めていきます。保管庫のところは、 常時性のないものについてはいいということでしたので、そこはそうかなと。議論して ほしいと言われたのは、(2)のところで、内視鏡検査室等で行う生体等でホルムアルデ ヒドの小瓶分けを行うようなところは別途考えましょうということです。これは、開業 医とかそういう形の中で、我々も胃の内視鏡を見たときに採られたときに、開けて入れ るだけですから、リスク的にはそれほどないのか。ただ、そういうものが全部集まって きて置いてあって、それを検査するときにはたぶんあると思います。  少量で一個一個の生検を扱うところはたぶん大丈夫だろう。それが集まってきて、検 査する機関になってくると、たぶん多くなってくるので濃度としては管理しなければい けない。それは、たぶん上のほうでできるのではないかということで、作業環境測定が 要ると思います。内視鏡のところは、先ほどの歯科医と同じで、開けている、個別にや っている所は別途違う形の考え方でいいのかという気はします。  そんなことでよろしいでしょうか。委員の皆さんもそれでよろしいでしょうか。あと、 ここで議論しておくようなことはありますでしょうか。先ほどの周知徹底のところは、 病理学会は熱心ですので、そういう形でサポートするということで、行政と一緒に合わ せてやっていただけるということでよろしいかと思います。特段ここのところは大きな 問題はないかと思います。次に、3.解剖のところで事務局から説明をお願いいたします。 ○有賀労働衛生専門官 解剖の部分についてご説明いたします。日本解剖学会からヒア リングをさせていただき、2つの作業が考えられるということでした。準備室等におけ る解剖体の防腐処置等と、あとは解剖室の実習室における実習です。2つを分けて考え させていただきました。  1つは、解剖準備室等において、ホルムアルデヒドを使用する解剖体の防腐処置、保 存等の作業については、一年中ホルムアルデヒドを使用した作業が行われております。 直接注入する作業等を行っているということですので、総じてリスクが高いのではない かと考えます。実習室における実習については、大学のアンケート調査において、作業 環境測定の平均値は0.55ppmということで、管理濃度と比較しても高いということです。 総じてリスクがあるということで考えられるのではないか。  作業環境測定の考え方ですが、解剖準備室においては年間を通じて作業が行われる場 合が多いということですので、そういう場合については法令に基づいて定期的に作業環 境測定を行い、その結果に基づいて作業環境改善を進めることが必要ではないかと考え ております。  実習室のほうは、通常6カ月に満たない作業ですので、測定の義務とはならない可能 性があります。委員の先生からも、毎年繰り返す作業ですし、解剖実習室では毎年繰り 返して作業の改善が何らかにつながるということですので、解剖実習室の作業環境改善 のために、何らかの測定、法定ではないにせよ、例えば作業主任者が選任されていると 思いますので、その方が検知管で測定するとか、いろいろな方法があるかと思うのです。 そういう測定を行い、測定結果に基づいて作業改善を行うことが望ましいのではないか というのが前回のご議論だったと思います。  (3)解剖において、事業者が作業主任者に行わせるべき事項です。事業者は、作業 主任者を選任して、その作業に従事する労働者が、ホルムアルデヒドに汚染されて、ま た吸入しないように作業の方法を決定する。保護具の使用状況を監視させる。これにつ いては、前回いくつかの大学については保護具をきちんと使用しているということでし たので、こういうことを監視させることが非常に重要であるということだと思っていま す。  (4)解剖における局所排気装置の設置について及び設置が著しく困難な場合に有効 な代替措置です。実習室においては、実習室の解剖台が20台程度と発散源が多かった り、実習の作業の特性上、臓器が新たな発生源となる、又は臓器を計測する場合に、発 散源である臓器を離れた場所に持っていき観察を行うという、解剖という作業の特性上、 なかなか局所排気装置の設置自体が難しい場合があるのではないかということで、こう いう部分については考慮が必要だということです。  今回のヒアリングは、こうした実態を踏まえ、各社より全体換気装置等を補助する装 置として、いろいろな装置が開発されているということでした。実習室の実態に応じ、 管理濃度以下とするために有効な措置として、いろいろな装置の導入が進められている ということです。  (5)その他として、解剖実習室とか準備室等においては、管理濃度の0.1ppmを達成 するために、設備改善とか作業改善等を総合的に行うことが効果的であるということで すので、具体的な作業事例の周知については、解剖学会なりが進めることが重要である とともに、行政としてもいろいろな形でサポートをしていくことが重要ではないかとい うまとめをさせていただきました。 ○名古屋座長 先ほどの循環型のものとか、プッシュプル型も踏まえてだと思いますが、 ここでお気づきの点はありますか。 ○圓藤委員 有効な保護具の紹介みたいなものは要らないのですか。 ○名古屋座長 紹介はいますぐには。市販はされています。破過時間がいくつかという 形で測っていきますね。その紹介はあったほうがいいですね。たぶん、それも破過時間 がいくつだというのが書いてあるから、どのぐらい有効なのかという、それも教育した ときに、ちゃんとしましょうということと、破過時間があるので何時間以上使ってはい けません、取り換えましょうという教育は必要かと思います。  半田室長がいるので1点お聞きします。確かに解剖室改善のために何らかの測定義務 のかかっていない所を測定するときに、作業主任者に確認するということはたぶんある と思うのですが、それは大丈夫なのですか。確認させるためで、検知管など簡易測定で すから誰が使ってもある程度の精度は出ますが、そういうもので作業主任者が確認する のに使う分には全然問題ないのですか。作業環境測定ではないからと。 ○半田環境改善室長 作業主任者が検知管を使って確認することの是非ですか。 ○名古屋座長 毎年繰り返して行う作業だから、解剖室の作業改善のために何らかの測 定を行い、測定結果に基づきということについて、きちんとすると作業環境測定士がや らなければいけない。でも、作業環境測定は義務づけられていない。でも、有効性のも のは確認しておいたほうがいいとなったときに、それを簡易測定だから、作業主任者が 行ってもいいと。その辺は先ほどの健診と同じで厄介なことだから先に聞いておきます。 ○半田環境改善室長 作業環境測定をやるのに、検知管で簡単にやっていいかというの は別の話です。 ○名古屋座長 それは別の話ですが確認のため。 ○半田環境改善室長 作業の対策の有効性等を確認するためにやっていただくことその ものが、普通に考えても不可とは考えにくいと思いますが、そこは条文をもう一度確認 しておきますが、そのように考えます。 ○名古屋座長 先ほどあったように、循環型を認めたときに、確認することが簡単にで きるので、周辺の人たちを教育すれば確認できて、有効に使える。それを、あえて測定 士でもって作業環境をやるということになると大変だと思ったのです。それで、有効に 確認できる方法でしたらいいなと。その辺は法律のことがあると思いますので、先ほど の健診と同じように検討していただければありがたいと思います。 ○半田環境改善室長 いわゆる作業環境測定ではないわけですから、否定することはで きないと思います。 ○名古屋座長 確認するということはいい方法ですからね。 ○圓藤委員 何かもめたときに、その結果が有効になるのでしょうかか。何かもめたと きに、例えば作業環境測定士が作業環境測定法に則ってしたならば、証拠としての能力 はあっても、そうでない場合は証拠能力が非常に落ちてしまうとか。 ○半田環境改善室長 そこは、裁判所の判断になりますので私どもの判断ではないので すが、当然それは考えられることです。先生のご指摘のようなことは考えられますので、 たぶん私どもとしては将来何らかの指導をするときには、できればそういう資格を持っ た方にやっていただくのが望ましいということを書くのかな、ということをお話を伺っ ていて思いました。 ○島田化学物質評価室長 参考までにご説明いたします。今回のホルムアルデヒドにつ いては、作業環境測定士が使う場合に、検知管が認められています。圓藤先生からご照 会がありましたように、当然、作業環境測定法に基づくやり方で測定をしていただき、 またその資格を持った人にやっていただくのが作業環境測定です。検知管自体は、作業 環境測定士であっても、また作業主任者が使う場合であっても、今回は認められるとい う状況です。 ○名古屋座長 そういう形で自分が行っている所はどういう環境かと調べること自体は 問題ないのだと。そういう形で周知していただければ、循環型とか、そういうものを導 入してもあまり影響がなく、有効に使えるのかと思いました。 ○圓藤委員 ちょっと戻るのですが、先ほどの内視鏡の件で、例えば開業医で消化器内 科の方が内視鏡をします。この方も先ほどの歯科医療と一緒で、作業主任者にはならな いといけないのですか。 ○島田化学物質評価室長 圓藤先生からご指摘をいただいたことについては、内視鏡の 検査は、そこから採った病理組織の小片を検査するということで、当然その全体の作業 をして、検査機関が実際にそれを検査するという作業の一部として、例えば(ホルムア ルデヒドの入った瓶の)キャップを開け閉めするだけのことについて(作業主任者の選 任が必要か)どうかということだったものですから、先ほどの報告の説明の中でご議論 をいただきましたことをまとめさせていただいたところです。  ご質問の回答としては、検査自体をやっている場合には、内視鏡検査から採った組織 を、ホルムアルデヒドに浸けた上で検査するという一連の作業を行っている場合にはリ スクがあると思われます。このため、作業主任者は必要であると理解しております。そ ういうお答えでよろしいでしょうか。 ○圓藤委員 内視鏡の場合は、ただ採るだけですよね。それでサンプル瓶に入れるだけ でも、その瓶の保管ということで必要になるのですか。 ○島田化学物質評価室長 先ほどの歯科医療と同じような議論になりますので、さらに 検討が必要だと思います。ただ、今回の場合は、ホルムアルデヒドが入ったサンプル瓶 の開け閉めプラスそこで行われる作業がいろいろあるということで、そういうものをひ っくるめて、作業主任者が必要だというご議論をいただいたかと思います。 ○名古屋座長 圓藤先生が言っているのは、医師が内視鏡検査をして採ったときの、そ の行為に対して作業主任者の資格が要るかどうかという話でしょう。 ○圓藤委員 そうです、そこの事業場も必要かと。 ○名古屋座長 先ほどの歯科と同じ扱いになります。 ○島田化学物質評価室長 先ほど申し上げましたように、歯科医療と同じことだと思い ますので、この場でご検討いただければと思います。 ○名古屋座長 そうすると、また大変なことになります。本日、4.のところはいま議論 したので、この次にまとめるということでよろしいのですか。 ○大前委員 前回もお話をして、その後大淵さんから連絡があったのですが、私は何も アクションしていないのですが、法医解剖の場合も、病理と同等という形で、病理学的 検査に含めてしまうのだとしたら、そのことも一言入れていただいたほうがいいと思い ます。別に扱うのだったら、また話は別になります。 ○名古屋座長 法医解剖の取扱いについてはどうですか。 ○有賀労働衛生専門官 前回ご意見をいただきまして、法医解剖については別途解剖学 会にお願いをして情報を取っているところです。基本的に一緒でいいのかと思っている のですが、情報が来てから先生方にご相談したいと思います。 ○名古屋座長 小さな部位で法医解剖する場合もあるし、大きなときもあります。我々 は小さいところのケースで、病理解剖と同じような形のものしか見ていませんけれども、 大きい解剖をされる方と同じようなものもありますから。では、法医解剖の取扱いにつ いては、事務局が聞いた意見をまとめて、次回再度報告するという形でお願いいたしま す。  1-3の説明は終わりました。4.は本日やっているので、次回まとめてもらったものが 出て、それを取り扱うということでよろしいですか。 ○有賀労働衛生専門官 次回までに、本日いただいた意見をまとめた形でお出しします。 次回の委員会の前に、先生方にはご一読いただきたいと考えておりますが、それまでに 書かせていただいて、委員会の場では4番も、5番もまとめた形で出させていただきた いと考えております。 ○名古屋座長 とりあえず、いまのところは1-3のところについては全部終わったとい う形でよろしいですね。 ○有賀労働衛生専門官 終わっております。 ○名古屋座長 作業主任者というのはなかなか難しいのですが、それは次回よろしくお 願いいたします。今後の検討予定を事務局から説明をお願いたします。 ○大淵化学物質評価室長補佐 資料2です。今回の検討を踏まえた形で、次回は10月8 日に第5回小検討会を開催することを予定しております。時間は16時からで、場所は 労働基準局第1・2会議室を予定しております。今回ご議論いただいたものを踏まえ、 報告書の取りまとめを行っていく予定としておりますのでよろしくお願いいたします。 ○名古屋座長 以上をもちまして、少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会を終わら せていただきます。本日は大変お忙しいところをありがとうございました。 照会先: 労働基準局安全衛生部化学物質対策課                化学物質評価室 電話03-5253-1111(内線5511)