08/08/08 第7回補装具評価検討会議事録  第7回補装具評価検討会  日 時 平成20年8月8日(金)10:00〜  場 所 三田共用会議所第2特別会議室    ○時末係長 定刻となりましたので、ただいまから第7回「補装具評価検討会」を開催 いたします。今年度は第2回目の開催となります。本日は、ご多忙のところご出席いた だきまして誠にありがとうございます。検討会の開催に先立ち、山田自立支援振興室長 よりご挨拶申し上げます。 ○山田室長 ただいま紹介をいただきました、自立振興室長の山田です。私は、7月11 日付で前寺尾室長の後を引き継いでこの室の担当となりました。どうぞよろしくお願い いたします。本日は、本来であれば、同じく7月11日付で異動しました木倉障害保健 福祉部長がご挨拶に伺う予定でしたけれども、昨日の夜急遽、本日の午前中に大臣へご 説明をしなければならない用務が入りましたので、今回は欠席させていただきます。次 回以降改めてご挨拶をさせていただきますという伝言を承ってまいりましたので、よろ しくお願いいたします。  皆様方には、補装具製造等の円滑な運営につき、日ごろから多大なご尽力を賜ってお りますことを厚く御礼申し上げます。本日は、義肢・装具の製作業者に対する予備調査 の結果等に基づいて、これから行います本格的な調査の内容や段取り等について議論し ていただき、方向性を出していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願 いいたします。 ○時末係長 本検討会メンバーの皆様を、資料1の名簿に沿ってご紹介させていただき ます。  横浜市総合リハビリテーションセンター顧問の伊藤利之先生です。千葉市障害者福祉 センター顧問の上原朗先生です。宮城県リハビリテーション支援センター所長の樫本修 先生です。心身障害児総合医療療育センター所長の君塚葵先生です。神戸学院大学総合 リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科教授の黒田大治郎先生です。国立 身体障害者リハビリテーションセンター研究所所長の諏訪基先生の代理で、同研究所の 井上剛伸福祉機器開発部長です。国立身体障害者リハビリテーションセンター病院第二 機能回復訓練部部長の田内光先生です。国立身体障害者リハビリテーションセンター病 院第三機能回復訓練部長の仲泊聡先生です。大阪電気通信大学医療福祉工学部医療福祉 工学科教授の森本正治先生です。有限責任中間法人日本補聴器販売店協会の石井喬志理 事です。社団法人日本義肢協会稲垣平八理事長です。社団法人全国脊髄損傷者連合会の 大濱眞副理事長です。東京都身体障害者福祉センター障害認定課判定担当係長の亀田英 俊様です。有限責任中間法人日本車椅子シーティング協会の松枝秀明副代表理事です。 川村慶代表理事の代理としてのご参加ですが、今後も引き続き松枝副代表理事がご参加 されます。社団法人全日本難聴者中途失聴者団体連合会の佐野昇事務局長です。相模原 市健康福祉局福祉部障害福祉課主管の山崎茂様です。皆さまよろしくお願い申し上げま す。  なお、赤井正美先生、坂本洋一先生、中邑賢龍先生、野田徹先生、三上真弘先生、宮 田広善先生、山内繁先生はご欠席です。  引き続き事務局の紹介をさせていただきます。自立支援振興室の山田室長です。福祉 用具専門官の高木です。国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所の相川室長 です。同じく我澤研究員です。研究所補装具製作部の山崎主任です。私は、社会参加支 援係長の時末です。  以降の議事進行は伊藤座長にお願いいたします。 ○伊藤座長 議事に入ります。事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。 ○高木専門官 それでは資料の確認をいたします。座席表、議事次第がそれぞれ1枚、 資料1は補装具検討会メンバー表です。資料2「義肢・装具・座位補持装置製作・修理 事業者を対象とした補装具供給に関わる実態調査」予備調査結果概要。資料3-1、資料 3-2、資料3-3、資料3-4は、義肢・装具・座位保持装置製作・修理事業者を対象とした 実態調査の本調査票の案です。資料4は、完成用部品の事業者に宛てた依頼紙と完成用 部品供給にかかわる実態調査の調査票です。資料5は、義肢等以外の補装具の製造輸入 販売事業者に宛てた依頼文書と実態調査票になっております。資料5-1は車いすの調査 票の詳細なもので、2枚めくりまして資料5-2は電動車いすの調査票の詳細なもの、さ らに2枚めくりまして資料5-3は補聴器調査票の詳細なものです。最後に、補装具評価 検討会等スケジュール(修正案)です。 ○伊藤座長 議事の1番目、予備調査の実施状況について事務局から説明をお願いいた します。 ○高木専門官 前回の検討会においてご了承いただきました予備調査について、その結 果の概要をご報告いただきます。国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所の 我澤研究員よろしくお願いいたします。 ○我澤研究員 資料2に基づき、予備調査の結果について説明させていただきます。予 備調査ということですが、本年7月より全国30社の義肢・装具・座位保持装置の製作・ 修理をされております事業者を対象に予備調査を行いました。これは、前回の補装具評 価検討会でも話があったと思うのですが、この夏以降に、全国の事業者を対象とした調 査をする、それに先立っての予備調査です。この予備調査の内容としては、聞き取り調 査と、本調査で予定しております調査票のたたき台版を用いた調査票調査とを行いまし た。現在、予備調査票の回収が進んでおりますので、分析を始めております。  本日の報告においては、聞き取り調査の部分について説明をさせていただきます。そ の結果、補装具支給基準で価格を考えるに当たり、どういうポイントを見ていけばいい のかという示唆が得られたように思っておりますので、そこのところについて報告させ ていただきます。  1頁の「はじめに」に沿って進めさせていただきます。これは確認になりますけれど も、研究の目的・趣旨のところで、安定的な義肢等の供給を行っていくためには、財政 状況を踏まえつつ、義肢等製作に現に要する費用の現状を考慮して基準額を定める必要 があると考えます。その現状把握をしなければいけないということで、今回一連の調査 を考えております。  予備調査の対象とさせていただいた30事業者の内訳は、日本義肢協会様及び日本シ ーティング協会様に相談させていただき、なるべく全国に散った地域と事業規模が違う 所を調査対象に含め、地域面・規模面のバリエーションがなるべく多様になるような形 を基準として、調査対象を選ばさせていただきました。  聞き取り調査のほうは、8月8日時点で19事業者について完了しております。本日は、 この聞き取り調査の部分について報告させていただきます。報告の後半で具体的にどの ようなコメントを聞き取り調査の中で聞くことができたのかを報告させていただきます が、それに先立って、お話を伺った中でどういうところの費用をみていったらいいのか という示唆を得たように思いますので、先にそちらを踏まえ、本調査では補装具の価格 基準を作るに当たり、どういうところに議論を絞っていくかというところの話を先にさ せていただきます。  2頁に、本調査に向けた方向性として箇条書きでポイントを5点挙げております。1 点目は「義肢等の収支」です。これは義肢・装具・座位保持装置の各事業において、採 算性がどのような状況であるのか。これは、話を伺う中でもなかなか状況が厳しいとい うことですし、現在調査票の集計は途中段階ですが、その話を裏付けるようなデータが 出ております。本調査では、そこのところをしっかり調査していきたいと思っておりま す。  2点目は「個別の補装具種別に対応する費用」です。補装具の種別によっては、現行 の基本価格、あるいは製作要素価格ではなかなか採算を取りづらいものをいくつか指摘 を受けております。ここのところを、具体的に数字で見てどうなのかというところの確 認を取ります。どのように価格を設定すればいいのか、という基準を取るところを本調 査でやっていきたいと考えております。  3点目は「営業における移動等に伴う費用」です。これは、前回の補装具評価検討会 で、離島を対象とした営業が必要な所の費用面の話を伺いましたが、そこも踏まえて今 回の聞き取り調査で話を伺いました。営業及び待機の時間が以前に比べて増えてきてい るのではないかという指摘を受けていますので、ここのところを伺わせていただきたい と考えております。  4点目は「納品後に必要となるメンテナンス作業に要する費用」です。義肢等におい ては、納品後9カ月間は事業者の費用負担で調整等をする契約を結んでいるところが多 くなっています。実際には、納品後利用者が義肢等を使い出してから調整すべき箇所が 見えてくるという話がありますので、そこのところの費用は基本的に見ておく必要があ るのではないかということで、そこのところを伺わせていただきたいと考えております。  5点目は、以前に比べて義肢等を作る作業時間が増えている、という指摘を何箇所か で伺いました。なぜ増えているかというと、昔に比べて義肢等に機能面以外の付加部分、 外観といった部分に利用者のこだわりが大きくなってきているという話があります。そ ういう部分の作業をするのに時間がかかるようになっていると伺っています。そういう 部分は、公的な制度の中で現在は費用が出ていませんので、これを制度として乗せるべ きなのかどうなのかは議論の余地があるところではありますが、ここのところの状況を 把握することを考えています。  以上5点に重点を置いて本調査を進めていきたいと考えております。  なお調査票の形式面の問題ですが、予備調査段階では、どういうものが回答していた だくことが可能なのかという部分もあり、例えば売上項目で見ると、義肢の中でも殻構 造義肢の肩義手の売上金額はいくらで、売上件数はいくらだといったかなり細かいもの を聞いたのですが、かなり難しいというところが見えてきましたので、設門からバッサ リ切るところは切るといったことを検討し、回答時の負担を減らすことを進めたいと考 えております。  次に、今回の聞き取り調査で得られた意見を紹介させていただきますが、これらは、 あくまで聞き取り調査で伺った話ということで、事実関係を確認したものではなく、複 数の業者から出された意見について網羅的に記載したものとなっておりますことをお断 りしておきます。  予備調査で得られた主な意見の表の、2列目にいただいたコメントが書いてあります。 3列目に、この調査票でそれに関連する設問があるのかどうかを書いてあります。内容 としましては、予備調査で関連設門あり、本調査で設問を入れる、空欄などとなってい ます。本調査で何々をやりますと書いてあるのは、今回の予備調査の結果を踏まえて設 問を追加するところです。また、予備調査で関連設問ありとしているところについては、 基本的には本調査でも設問を踏襲する方向で考えています。以上のことをあらかじめご 了承ください。  資料2でコメントの紹介をさせていただきます。 【経営状況に関するものについて】 経営状況全般に関するものとしては、今期は赤字決済になる見込みがあるなど、経営状 況の厳しさを示すコメントをいただいております。 【製作に要する時間について】  製作に要する時間については、場所によって意見が分かれたところです。1つの意見 として、義肢・装具については、20年ぐらい前との比較で所要作業時間が増えている。 ベテランのスタッフの中には、昔の倍時間がかかるようになったという人もいる。一方、 事業所によってはそれほど変わっていないという所もあり、意見の分かれているところ です。  これに関係して、昔に比べて作業時間が減るほうに働いている要因、増えるほうに働 いている要因について伺っています。以前と比較して、作業時間を短くする方向に影響 している要因としては、義肢について物を作る時間自体はモジュール化が進んだことで 短縮しているのではないかという意見。作業時間が長くなっているのではないかという 意見としては、デザイン・色・形状といった外装面など、機能面以外のところにこだわ りのある利用者が増えてきた。これに要する費用については、なかなか利用者に自己負 担してもらいにくく、そこの作業に要する費用を事業者が負担をしているという意見が きかれました。 デザイン・形状といった部分の例としては、例えば大腿義足で、歩行 時に膝の形がきれいに出るように加工する、といったものが事例として挙がっていまし た。座位保持装置では、利用者である児童の両親が見ためのよさも求めるということ。 これに関して一部の事業者では、例えば装具についてデザインに凝ったものという部分 をオプションとして、利用者の自己負担分ということで商品ラインナップしている所も ありましたが、今回話を伺った中では、1つの例外を除いて、デザイン・外観面に関す る費用は事業者のほうで負担しているという話でした。デザイン以外の部分で伺った話 としては、完成用部品の高機能化に伴い、利用者に合うように調整するのに時間を要す る完成部品が増えているという話がありました。  作業時間に関しては、その他に2点挙がっています。1点目は、補装具の件数をこな した数で製作技術の成熟度が決まってくる。その結果、作業件数の集まる事業所と、そ うでない所とで事業所間の技術格差が出てきているのではないかという意見。2点目は、 経営が厳しい中で、目の前に迫る作業をこなしていくのに手いっぱいになってしまい、 技術向上に努める余裕がなくなってきていることを挙げている事業者がいました。 【営業における移動等に付随する費用に掛かる問題について】  4頁で、営業における移動・待機等に関する費用の問題についてのコメントです。移 動の距離が増えてきている背景については地域による部分があると思います。もともと 営業先として関わりのある病院の医師が、医師の人事異動で他地域に移ったけれども、 その医師から異動先の病院にもその事業者に来てもらいたいということで、遠隔地にあ る異動先の病院に出入りするようになる中で、遠隔地の取扱いが増えてきているという ことがあります。 (営業移動等費用:遠隔地移動・自宅訪問について)  事業者によっては、同一地域に複数の営業先がある所もあり、それだと一回遠方に行 っても複数の所を回ってこられるので、それなりに採算上見合うのですが、事業所によ っては遠隔地に縁のできた病院1軒のみ、単一の営業先に行く事例もある。そういう場 合には長距離移動により、1件にかかる費用がかなり大きくなります。  義肢・装具・座位保持装置を作るに当たり、製造と営業の作業時間の比率はどうなの か。製造のほうが長いとする所がある一方で、営業に要する移動時間等が増えてきた関 係もあって、営業のほうが長くなってきた所もあります。そこは、いろいろ意見が分か れるところでありますから、今後の調査でその辺の状況を把握したいと考えております。  事業所としては、遠距離の移動をすると採算上厳しいので、なるべく利用者に事業所 に来てくれるようにお願いしている。山間部など交通不便地に在住している利用者につ いては、なるべく近くに来てもらうようにしている。  移動に伴う利用者の費用負担についての不公平面について指摘がなされていました。 「なるべく事業所の近くまで来てください」という事業所からのお願いに対して、事業 所から80〜120km離れた遠方から交通費を自己負担して来てくれる利用者がいる一方 で、事業者のほうが自宅へ来てくれという利用者もいる。利用者によっては、移動が困 難な方もいるので、自宅に行かないとほかに方法がないという利用者ももちろんいます。 遠方から来てくれる利用者がいる一方で、自宅に来てくれという利用者もいる中で、利 用者間の費用負担面の不公平があるのではないかということがございます。  交通不便地などで、更生相談所による巡回相談等が実施されていますが、そこに呼ば れる事業者の交通費は自己負担になる場合があります。これは、地域によっていろいろ あるみたいです。交通費の支給を受けている所もあるようです。  自宅訪問についてですが、納品までに最低3回行かなければならないという事業所も ある。 (営業移動等費用:病院との関係について)  以降のところは、義肢・装具・座位保持装置の事業所と病院との関係に関する部分で す。営業先の総合病院で、整形外科医から手伝いを求められ、毎日来てほしいとも言わ れる。同業者が増えて、競争が激しくなり、総合病院では営業出入業者が複数ある。そ ういう中では病院からの依頼を断りにくい。そういう中で営業に占める待機時間、この 待機時間というのは本来の採型業務以外の手伝いなどの仕事をしている時間を含めてこ こでは待機とさせていただいています。待機時間、移動時間の割合が大きくなってきて いる、との意見がありました。また、以前は、事業所から営業先病院に何曜日の何時に 行くと指定し、病院が合わせていたのに対し、今では診療時間中、補装具事業者はずっ と待機していなければならない。これに伴い、営業に占める待機時間が増えてきている。 病院での営業の中で、待機時間が増えてきている要因がいくつか挙げられていました。 (営業移動等費用:その他)  本来の採型・採寸以外の作業時間ということでは、障害者自立支援法に基づく補装具 費の支給の手続など制度の説明(どういう利用者に、義肢等を作る上でどのような選択 があり得るかなど)を、事業所の営業スタッフがしなければならず、長いケースでは30 分程度かかる。制度の理解を得るためのこのような説明は、本来行政等でやるべきでは ないのかという話がありました。  次は、地域による移動コストの差の例です。寒冷地域では、夏場と冬場で営業移動時 間が大きく異なる。夏場は3時間で行くことのできる所が、冬場だと5時間かかる。鉄 道などの交通機関がストップするリスクを考えると前日入りをせざるを得ないケースも あるなど、営業移動の費用負担が大きくなる。夏場の3時間自体結構時間がかかってい ると思うのですが、このように、移動費用にかなり地域差があることが窺えます。 【納品後のメンテナンス、修理に関して】  納品後のメンテナンス修理に関して総じて言いますと、納品後の調整費用(アフター サービス)は必要だという話です。いくつかピックアップしますと、納品後5割方のケ ースでは後調整が必要。実際に使い出してから利用者が違和感を訴えたり、調整すべき 点が見えてくることもある。納品後9カ月の無償メンテナンス期間でも、使用者の使用 法によっては破損してしまうケースがある。利用者が外出の多い方で、どうしても靴が すり減ってしまう。子どもの場合には遊んでいて、装具を付けた子どもが高い所から飛 び降りて壊れたなどの例があるようです。 【完成用部品について】  完成用部品について、納品後、特に義肢利用者が外出先等で義肢の故障等によって動 けなくなってしまうことのないように、利用者に定期的なチェックを求めているが、な かなかチェックに来る方はいない。そういうところで、急な故障への修理対応が求めら れて大変なことがある。  完成用部品の供給メーカーの話も伺った上で問題を考えなければいけない部分なので すが、ここでは今回の聞き取りで伺った部分の話をさせていただきます。完成用部品の 公示価格は、完成用部品のリストに明示されています。それに対して義肢等製作事業者 への販売価格は明示されておりません。完成用部品の公示価格と義肢等製作事業者への 販売価格の差額が、義肢等製作事業者の調整や管理に要する費用ということになってい るわけですが、販売価格は明示されていないために、完成用部品が想定されている販売 価格以上の値段で販売されているケースがあり、本来の調整・管理費を回収することが できない。このことが、補装具事業の採算を厳しくしているのではないか。特に高価な 完成用部品については、利用者の特性に合わせて調整するのが大変なものが多い。これ を利用する場合、採算上厳しくなるという意見が聞かれました。 (完成用部品:価格等について)  昔、例えば1ドルが数百円とか非常に円安の時代に申請・登録された輸入完成用部品 について、為替レートは現在ずっと円高となっているので、もっと値下げできるのでは ないか。補装具製作開始前の、試用のための完成用部品の調達費用が製作事業者の負担 となり負担が大きい。これは、無料で完成用部品メーカーから借りている場合もあれば、 自己負担で調達している所もありました。  これも検証が必要な部分ですが、座位保持装置に関する完成用部品に関して、完成用 部品の値段が高い。同等品を、座位保持装置の事業者で作った場合、個人への個別対応 を図っているにもかかわらずもっと安価なものができる。完成用部品の価格を下げられ れば、利用者や公費の負担を減らすことができるのではないか。  完成用部品リストに掲載されている完成用部品を使う前提で支給決定がされたのに、 実際にその部品を調達しようとすると、既に供給が停止されていて利用できないことが ある。廃止手続を徹底できないか、という意見が挙げられました。 【義肢・装具・座位保持装置個別の問題について】  資料ではその後に、義肢に関して、装具に関して、座位保持装置に関して個別の話が ありますが時間の関係で割愛させていただきます。1点だけ構造フレームに関する費用 問題の3項目の、座位保持装置に車いすフレームを使用する場合、その座位保持装置と して製作する部分と重複する部分(座シート、背シート、肘当て、レッグサポート等) について、車いすの各部位の交換価格の95%相当部分が重複する部分だとみなして控除 する取扱いになっていますが、事例によってはそれが厳しい場合がある。伺ったところ では、「完成用部品の固定金具部品を使用する場合に限る」など、限定化してはどうかと いうことでしたが、この辺は調査の中で探りたいところであります。 【利用者負担額について】  利用者負担額については、ここの検討会の対象外なのかもしれませんが、こういう声 があるということで紹介させていただきます。例として挙がっているのは座位保持装置 です。利用者が児童ですと、両親がまだ若くて所得が比較的低い場合がある。1割負担 が生じることで、作り控えをしている事例もある。 【その他】  補装具費支給の形式については、薬剤等に準ずる形で利用者が好きな補装具事業者を 選べるような形になればよいのではないか。利用者からすると、病院等を介在して事業 者に接することもあるということで、利用者が補装具事業者を直接選べる形にはなって いないケースがある。このような場合、企業努力としてPRしても、お客様に選んでも らえるという結果につながりにくいという話を伺いました。  コメントの紹介は以上です。コメントの中の項目として挙げたものについて、特に費 用面の裏付け。完成用部品の部分については、完成用部品関係の事業者にも話を伺って 状況を明らかにし、調査研究を進めていきたいと考えております。以上です。 ○伊藤座長 現時点で19事業者を訪問してのヒアリングが行われています。残り11事 業者についてはこれからヒアリングをされるのですか。 ○我澤研究員 9事業者についてはそう考えています。2事業者については、事業を個 人でやっていて1時間半程度のヒアリング時間を割いていただく余裕がないということ ですので、調査票のみにご協力をいただきます。 ○伊藤座長 いまの報告に対し、ご質問なりご意見をお願いいたします。 ○上原委員 大変貴重な予備調査をしていただきましてありがとうございました。まず は、19社の予備調査の報告を読みまして、私は障害者のことを39年間やってきました けれども、補装具製作事業者が持っているであろう意見がほぼ出尽くしているぐらい、 いろいろなご回答が得られています。バラバラには出ていますけれども、彼ら(補装具 製作事業者)の意見が出尽くしているような感じがいたします。  2番目に、移動にかかる費用のことです。前の検討会のときには、離島に関連したも のだけだったのですが、実際にやってみると、いろいろ移動に関して皆さんが困ってい る。特に座位保持装置の場合は、確かに1回ではできずに、最低3回ぐらいかかってい るというのは現実にあります。これは、事業者がかなりいろいろな負担をしている。難 しい電動車いすの場合、私のいる千葉だと京都から来ていただいて、その後館山の突端 まで行っていただいて、そういう費用は一体どうなるのかという心配をしたことがあり ます。  ガソリンも高くなってきたことですし、何らかの方法で、どこかで負担をしてもらう というアイディアを出さないことには困ることは目に見えているような気がいたします ので、この辺の設問はうまく考えていただきたいと思います。その後に費用を取りすぎ ても困りますが、できるだけ彼らにあまり負担をかけないような方法をやらねばならな いのではないかということを常々思っておりましたのでどうぞよろしくお願いいたしま す。 ○石井委員 ここで調査されたデータというのは、補聴器もほかの補装具でも一緒だと 思います。補聴器でも同じようなことが全部あります。後で調査票の詳細は出てくるで しょうけれども、こういうことをほかの補装具にも反映させるとしたら相当な調査項目 が要ります。これは、後ほど個別の調査票の中でコメントをいただきたいと思います。 ○松枝委員 我澤さんから話のあった、公示価格と、事業者の仕入価格との差額で、例 えば9割とか65%といったすごい差が発生してしまうことがあります。一定の製作事業 者の調整・管理費が確保される必要があると思うのですがいかがでしょうか。 ○我澤研究員 その点についてですが、今回の調査の中で、所用作業時間などの裏付的 なものから洗っていく中で、どのように設定するのがいいのか。制度としてどのような まとめ方がいいのかを含めて検討していきたいと考えております。 ○伊藤座長 最近、医師の数が不足していると言われています。その理由の一つは、1 人の医師が診ることのできる患者の数が、かつてと比べたら半分近くになっていること です。その原因としては、いろいろなことを説明しなければならないだけではなくて、 記載しなければならない書類が多くなっていることもあります。それが、相対的に医師 不足を招いています。  同じように補装具の製作に要する時間については、先ほど上原先生がおっしゃいまし たように、距離の問題も含めて営業にかかる時間がかなり増えているのではないかと思 います。この部分についての調査は少し細かくしていただきたいと思うのですがいかが でしょうか。 ○我澤研究員 調査をどこまで細かくするかというのは私どもも迷っているところです。 営業費用の部分に関しては、今回重点を置こうと考えているところですので、なるべく 詳しくしたいとは考えているのですが、回答のしやすさみたいなところでは、全体につ いて詳細に答えるとなると相当負担がかかりますので、そこは慎重に考えていきたいと 思います。 ○大濱委員 完成用部品を含めてですが、調整の費用が相当違っているという話と、そ の調整にかかる費用が完成用部品の価格に入っているという話があります。完成用部品 にしてもそうですけれども、本来でしたら価格と調整費用というのは切り離すべき性格 のものだと思うのです。  調整費用は、完成用部品によってかなりいろいろな調整、難しい調整があるのであれ ば、その調整にどのぐらい時間がかかってというのをきちんと調べていただく。それで、 何回ぐらい調整が必要なのかを調べることは可能なのでしょうか。 ○我澤研究員 今回の調査でも、ある程度それはやろうと考えています。具体的には、 調整に要する作業時間の部分は、予備調査の調査票ではほかの作業とまとめて書いても らう形になっています。今回、現段階の本調査票の案を資料3に付けております。そこ でも、完成用部品に特にというのは、現段階で切り分けていなかったのですが、本日の 議論を踏まえてそこの部分を切り分けて設問できるかを考えてみます。完成用部品に伴 い生じる作業時間を反映できないかを検討したいと考えています。 ○高木専門官 関連して補足いたします。完成用部品の調整費に関しては、相応のとこ ろが見えるような形にしなければいけないのではないかというご意見があったかと思い ます。いま、完成用部品は3,000品目を超えていますので、それぞれにどれぐらいの作 業時間がかかるかをすべて調査し明らかにするというのは、今回のこの調査では難しい のだろうと思います。これは、今後の課題と認識しております。  ただ、調査の中でそういう問題意識ですとか、どういうところにどれだけ時間がかか っているのだろうかということは少し見えるような形にしていただければと思います。 ○大濱委員 1点わからないのですが、7頁の完成用部品で、事業者が作成した場合の 座位保持装置の価格のほうが安いと書かれています。完成用部品を使用せず、個別に座 位保持装置を作った場合は安いものができるということなのですか。この意味がよくわ からないです。 ○我澤研究員 座位保持装置を作った場合に、手作りのほうが安くなるという話は複数 伺っております。相当する完成用部品は、輸入ものの場合が多いと伺っています。完成 用部品メーカーのほうも、価格を調整しにくいところもあるのだと思いますがそのよう になっているようです。 ○伊藤座長 別にメーカーのほうの調査はやるのですね。 ○我澤研究員 はい。 ○伊藤座長 完成用部品そのものが高いと言っているわけですから、そこが問題ですね。 それはそれで調査をするということですが、付け加えることはありますか。 ○高木専門官 大濱委員の質問をもう一回確認させていただきます。7頁の中段の完成 用部品の、座位保持装置についてのところは、むしろ松枝委員にご意見を伺いたいとこ ろなのですが、要は完成用部品で組み上げて作った座位保持装置があります。もう1つ は、木やスポンジを削って、昔ながらの手作りの座位保持装置があります。機能は同じ なのに、手作りのほうが安くできているというところがこの意見の中身です。付け加え ることがあれば松枝委員からお願いいたします。 ○松枝委員 基本的にほとんどの完成用部品で組み上げた座位保持装置のほうが、オー ダーメイドで製作したものよりは高くなっています。これは、本来オーファンテクノロ ジー的な考え方が採用されたと、初期のころは私たちも理解していたのですが、最近は そうではなくて、申請したものに関してかなりのものが出てしまっているということ。 先ほど言われたような、海外からの輸入ものも含めてたくさん出ているところから来て いると思います。  それと、完成用部品で組まれた座位保持装置は、例えば脳性麻痺の子どもで、重度障 害者の人たちで、最重度になってくると対応できないケースのほうが多いのです。例え ば、股関節が30度ぐらいしか曲がらない人の場合、ほとんどの完成用部品では対応で きなくて、これは完全にオーダーに頼ってきます。この辺で若干矛盾が生じてしまうの ではないか。より重度者用で手間のかかる座位保持装置には完成用部品が使えなくて、 オーダーになって、価格が場合によっては半分ぐらいになってしまうことが起きていま す。 ○上原委員 松枝委員がおっしゃったとおりです。重度の人であればあるほど完成用部 品では駄目なのです。座位保持装置といっても、ほとんどが体幹パッドや、股関節の内 転パッドや、ヘッドレスト1つ合わずに追加したり、様々な個別対応が必要になるもの ですから、完成用部品をそのまま使うことはほとんどゼロに近い状態です。ですから、 出来合いの完成用部品がこんなに高いのに、いろいろ個別対応で作ると逆に安くなると いうのは企業側の努力といいますか、一生懸命やってくださるからそのような状態にな っているということは現実としてあります。  完成用部品の値段がいろいろなことで高くなっているのであって、本来はもっと安い のではないかといつも思いながら、こんなものだったらあなた方は作れるでしょうと悪 口を言いながら、業者にいろいろ作っていただいています。ピンドットだってそうです。 なにもあれでなくて、むしろある業者が作ったほうが同じようなものをよほど安く作っ ていただいた時代もあります。そういうことだと思います。 ○井上委員 いまの議論でもう1つのポイントとして安全性ということがあると思いま す。(完成用部品については、JIS規格や国際基準等への適合を含め耐久性や難燃性、 実際の使用感等をきちんと申請していただき、認可してきているものであり、一定の製 品としての安全性は担保されている。)そこの議論も含めてオーダーで、手作りでやるも のと、製品として売っている完成用部品との兼ね合いもポイントとして必要かと思いま す。 ○伊藤座長 基本的に完成用部品のほうはお墨付が付いているので、そのための費用が かかっていることは確かだと思います。 ○田内委員 先ほどの報告にもあったのですが、私は補聴器専門なのですが、幼児や小 児などの成長の段階にある人と、成人とはちょっと視点を変えるような考え方で対応し ていかないといけないと思います。特に補聴器の場合には難聴のスクリーニングが始ま って、かなり小さい子どもから補聴器を付ける方向になってきています。小さい子ども のお父さんやお母さんは収入が少ないということもありますし、児童と成人は少し別の 視点で調査をしていったほうがいいのではないかと考えます。 ○我澤研究員 現在の座位保持の個別調査票では、成人用と児童用と分けて聞いていな いのですが、そこは区分して状況を把握できるように修正を検討したいと思います。 ○伊藤座長 その話で極端なことを言えば、子どもの場合はいまの耐用年数の問題を含 めて、いくら丈夫に作っても、成長とともに半年もしないうちに使えなくなってしまい ます。ですから、そちらのほうが重要な要素になってきます。安いほうがよくて、丈夫 であることの必要性はあまりないという可能性も十分あります。ですから、ちょっと視 点が違うということは私も認識しております。 ○仲泊委員 私は眼科医なので詳しいことはわからないので教えていただきたいのです が、国民目線で説明するということであるならば、いまの話もそうだと思うのですが、 リサイクル、リユースという観点から、使われなくなって廃棄されるものがたくさんあ るということであれば、それの再利用はどうなっているのか。再利用するには余計費用 がかかるから駄目だというのだったら、それの証拠というか根拠を挙げるような説明を しないといけないと思うのですが、そういう点の調査は何かできているのでしょうか。 ○高木専門官 これは、補装具の調査のご意見の中でもリサイクル、リユースの話がた くさん出てくることが想定されます。昨年度の当省内部の勉強会の中でも、補装具への レンタル制度の導入という検討を進めなければいけないのではないかというご意見が随 分出ていました。今年度、財団法人テクノエイド協会のほうで、自立支援プロジェクト の補助金を活用していただき、レンタル制度の導入に向けた検討も少し始めさせていた だいております。この件は、そういうところで対応したいと考えています。 ○伊藤座長 レンタル制が導入できるものと、できないものとあるとは思いますが、そ れが1つの方策だろうと思います。ただ単純に、廃棄してそれをリサイクルするという のは、この業界ではまだまだできていないところで、一般の流れの中で一緒になるとい うか、その流れの中でこちらも乗っていける部分は乗っていくといった事態ではないか と思います。時間の関係もありますので、この辺でヒアリング結果についての討論を終 わらせていただきます。次に議事の2番目の、本調査の方向性についての確認です。事 務局から説明をお願いいたします。 ○高木専門官 では、本調査の方向性の確認についてご説明いたします。資料3から資 料5が実際の調査票になります。資料3「義肢・装具・座位保持装置の本調査票案」に ついて我澤研究員からポイントを絞ってご説明いただきたいと思います。 ○我澤研究員 資料3の本調査についてなのですが、資料3-1から資料3-4に分かれて います。資料3-1は、義肢、装具・座位保持装置を扱っているそれぞれの業者共通の調 査票です。個別の補装具を作る際の費用面の調査というのは、殻構造義手等の種目によ って分かれてきますので、そういう個別に分けたものが資料3-2、資料3-3、資料3-4で す。実際はもう少し種類があるのですが、ここでは資料ということで資料3-2は義肢を 代表するものとして殻構造義手用の調査票です。資料3-3は装具を代表して下肢装具の もの。資料3-4は座位保持装置用として1冊になっています。  資料3-1でポイントだけ説明させていただきます。2頁は目次になっていて、設問1 から設問5まであります。設問1、設問2で、それぞれ事業所の売上げ及び費用を聞い ています。これで、採算面がどうなのかをお聞きします。費用面の中では、人件費に関 する部分を詳細に聞いています。これは、設問4の設問等を含め、営業に要する費用が どれぐらいになるのかを推定するために、人件費の部分は詳細に設問を設けています。  10頁で設問3は、義肢・装具・座位保持装置を作るに当たって、主に使われると思わ れる材料について価格を聞くものです。これも、原油価格の高騰等を受けて、材料の値 段が上がっている話は伺っておりますが、その辺の裏付けを取りたいということです。  13頁の設問4は、貴事業所についてということで漠とした名前になってしまっていま す。これは、義肢等を作っている場所で、製造スタッフと営業スタッフを分けて作業し ている所と、同一スタッフでやっている所がありますが、そういう形態を聞くとともに、 一連の設問を通じて、営業に関わっている方の人員数、分かれていないのだったら時間 比率的にどのように分かれるかを聞くということで、営業に要する費用面を聞いており ます。  13頁のいちばん下の設問4-4-aというのは、営業における実作業以外の時間、移動に 要した時間や営業先での待機時間が、営業時間の中で何割を占めるかという設問です。 この辺を組み合わせることで、先ほど問題に挙がっていた、営業に伴う待機・移動時間 の問題をここで把握することを意図しております。  15頁は、義肢・装具・座位保持装置の製作・修理等で営業に何回行く必要があるのか を聞きます。こういう設問をいろいろ組み合わせることで、それぞれにどれだけ営業面 での費用がかかってくるのかを推定することにしています。  16頁から17頁はその他ということで、自由筆記式になっています。左頁は修理項目、 あるいは座位保持装置では付属品等これまで扱われていないものでどういうものが必要 であると考えられるかを聞くようになっています。19頁のほうは、その他のご意見等を 伺う内容になっています。  こういったことで、事業所全体にかかる費用的な問題を把握するということを、資料 3-1の調査票で考えています。それに対して資料3-2以降は、個別のものでどれぐらい 費用がかかってくるのかという話なのですが、時間の都合もありますので、ここでは資 料3-2の義肢の例で見ていきます。  この調査票の設問の構造として、主な設問iからViまでと、付随した2つの設問があ ります。iが基本価格区分、iiが製作要素ほか区分です。これらの設問により事例とし てこういう義手を作っていますというのを挙げてもらったうえで、5頁のiii以降の設問 で所用費用面を聞いていきます。iiiに関しては、個々の工程に要する正味作業時間を聞 きます。このうちiii-1からiii-11までは支給基準に定められている基本工作法に対応す るものが挙げられています。それに対してiii-12以降に関しては、そこで反映されてい ない部分が挙げられています。いまはこうしているのですが、基本工作法そのままなの で、この区分けでわかるかなということで作っていたのですが、いろいろ紛らわしいと ころもあるみたいなので説明文言を若干足します。先ほどの議論で出ていました、完成 用部品に伴う部分を分けて聞くことができるかみたいな検討を内訳として考えておりま す。  iii-12以降は基本工作法で考慮されていない部分です。要は支給基準で見られていな い作業だけれども、必要作業としてやっていって、その分採算上厳しくなる部分がどう なのだろうというのを意図して聞いています。ここでは、基本工作法以外の外装面、先 ほどデザイン等の話がありましたが、そういう部分がどうなのか。13項目目で、納品後 9カ月間の調整・保修などの部分でアフターサービスの費用を聞いています。  6頁、7頁のiVのところでは使用材料について聞いています。8頁では使用した完成用 部品のものの名前、金額を聞いています。この目的は2つありまして、1つは個々に挙 げていただいた製作要素における費用を把握する。もう1つは完成用部品の購入金額を 聞いています。完成用部品が想定されている価格で購入されているのかどうか、これは 完成用部品メーカーにも調査をするのですが、購入者側でどうなっているのかを、網羅 的にはなっていないのですが聞きます。  9頁のViでは、その他オーダーメイドでその部分を外に発注した場合の費用を書いて いただくようになっています。こういうもので、個別の事例でどのぐらい作業にかかる のかという部分を拾っていく中で、いまでいう基本価格、あるいは製作要素価格を考え ていく資料にしていきたいと思います。  先ほどの資料2の説明のところで飛ばしてしまったのですが、義肢・装具・座位保持 装置の間で、採算の取りやすさのギャップがある。装具に比べて、義肢と座位保持装置 が大変だという話も伺っていますので、その辺を費用面から状況把握するという意味で こういうものを見たいところでもあります。 ○伊藤座長 いまの本調査に関する方向性について、ご意見、ご質問をお願いいたしま す。 ○樫本委員 個別の3-iii-2以下で、個別の義肢・装具に関して事例1と事例2の選び方 といいますか、たくさんの業者に調査をかけるわけですから、たくさんの事例を挙げて もらうわけにはいかないので、2例ぐらいでということで負担をかけない配慮だと思う のです。ただ、どういう事例を2例選んでいただくかというポイントとして、一般的に 普段作っているようなものであれば簡単に答えられます。特に苦労して、何回も調整が 必要だったという事例をあえて選んでもらいたいのか、その辺の事例の選び方のポイン トみたいなものを、この調査の前段階のところで、こういう調査の目的と、こういう事 例を出してもらったほうがありがたいというようなことを強調しておいたほうがいいの かと思います。 ○我澤研究員 これに関しては、いまの調査票に書いてありますように、「同一区分で複 数製作しているものは、よく製作する手法を用いたものについて記入してください」と 書いてはいるのですが、いまの話の中にも出てきましたように、特に大変だった事例と いうのは、費用で赤字を出さないようにという部分で考える必要があるだろうというこ とです。ここは、基本的に現行のままいくのか、あるいは事例1は頻度の高い代表的な 事例を挙げてくださいと。それに対して事例2のほうは、特に手間のかかったものを挙 げてくださいと。これは、ちょっと検討したいと考えております。 ○伊藤座長 その点については、一般的・標準的なものを挙げる、特別なものを挙げる、 この比率も見ていただかないといけないので、特別なものは1例しかないというものと、 その事業者の中の何パーセントぐらいを占めているのかという点も併せて聞いておく必 要があると思います。そこは押さえておかないと、非常に極端なものだけ出てくる可能 性があるます。あとは、成長期にある子どもと成人との違いは、この事例の中でも考え ておいたほうがいいのではないかと思いますがいかがでしょうか。 ○我澤研究員 特に、座位保持装置の例ということになると思うのですが、座位保持装 置に関しては制度的に細かく分かれている感じではないです。資料3-4の表紙を見ます と、設問の中のフレームの材料面で4ケースに分けています。本日の議論を受けて、木 材構造フレームで2例挙げていただく、金属構造フレームで2例挙げていただく形にな っています。ここのところの追加もしくは組換えを考えて、子どもの事例と成長した後 の方を分けて事例を拾えるようにしたいと思います。 ○伊藤座長 座位保持装置だけではなくて、下肢装具だとか義肢についても同じことが 言えると思います。その違いが必要であるかどうか、皆さんのご意見をお聞きしたいと 思います。もし必要ならば事例を追加しても、子どもの事例として、調査対象にしてお いたほうが適当だと思いますがいかがでしょうか。 ○井上委員 その場合の、子どもの事例を入れるポイントというのはどういうところに なりますか。1回のものを作るのに、やはりそれだけ手間がかかるというポイントか、 成長に対応するための何かが必要なのか、その辺のところはいかがですか。 ○伊藤座長 私の意見では、成長対応です。要するに、頻繁にサイズを変えなければい けないことが多いと思います。もう1つは、お母さんの要求がコスメティックなものに も及んでいることです。こういう絵を描いてほしいということも含めてたくさん出てき ますので、そういうものをオプションにするのかサービスとして入れてしまうのか、そ ういうことも考えなくてはいけないだろうと思います。私は、子どもの要求はちょっと 違うように思いますので、事例は取れたら取っておきたいと思います。 ○我澤研究員 本調査では対象事業者が増えます。増やすのを簡単に「はい」と言えな い部分は、回答していただく負担がどうだという部分で考えています。送る事業者数が 多くなりますので、その中でいま出されたご意見のような項目も考慮し、うまく反映し ていくことを検討させていただきます。 ○伊藤座長 子ども用の補装具を扱っていない所もあるでしょうから限定されてもいい と思いますが、とにかく、そういうサンプルが欲しいとは思います。製作するのは大人 とそんなには変わらないのですが、それでいてすぐ不適合になってしまいます。この効 率の悪さをそのまま認めざるを得ないわけですから、その中でどう対応したら効果的か つ効率的か、ちょっとサンプルが欲しいということです。 ○松枝委員 資料3-1の15頁で、納品までに何回出向くか、移動するかということで すが、これは品目によって相当差があります。もう1つは、再交付で更生相談所の関与 の仕方が変わってしまう品目があります。実製作時間は固定的なものなのですが、移動 というのは変動的なもので、かなり大きなウエイトを占めています。その辺がきちんと 考慮されないと、価格が固定しないのではないか、決定できないのではないかという気 がしました。 ○伊藤座長 私もその疑問を持ちました。1件につきというのは、平均営業出張回数は 物によって違うわけです。そこのところは、どういうものに対してどのぐらいか、とい う平均を出してもらわないとたぶん難しいだろうと思います。 ○我澤研究員 もしかしたら、この分は追加でいくつかの事業者に話を伺うことになる かもしれません。いまは、義肢だったら義肢の製作・修理もカテゴリーは義肢1つにな っていますが、そこの区分けについては検討したいと思います。また協力をお願いする と思いますがよろしくお願いいたします。 ○高木専門官 営業にかかる移動の旅費について、前回の検討会で、取ったほうがいい というご意見が皆様からありました。前は、漠と営業に要する出張旅費はどれぐらいで すかと聞いていたのですが、質問票として少し詳細にしたものです。  そのときにもお断りはしたのですが、それを今回見込むのはなかなか難しいのだろう と思います。今後の検討課題にはなるということです。設問数がかなり多いことから、 研究所の方々にもどうしようかなという部分があるのだろうと思うのです。いろいろ聞 きたい部分はありつつも、今回はその傾向を取るというところで、もしかしたら平均と いうことでザクッと取ることしかできないかもしれません。その辺はお含みおきいただ きたいと思います。 ○伊藤座長 私が気にしているのは、平均を取っても意味がないのではないか。そうい うデータになってしまってはしようがないということなので、できれば大枠を括りなが ら、パーセンテージも聞いておけば、そのほうが有効にはなるという意味です。取るの はいいのですけれども、取ったものの意味がなくなってしまってはしようがないので、 そこのところは検討してくださいということです。 ○君塚委員 項目として義手はあるのですけれども、義足のほうが圧倒的に多いと思い ます。実態を反映するということについて見れば、義足についてやったほうが近づくの ではないかという感じがしますがいかがでしょうか。 ○我澤研究員 いまのは、移動の部分についてですか。 ○君塚委員 例えば資料3-2のところで、殻構造という義手になっていますが、義足に 比べると圧倒的に数は少ないというのは明らかだと思うのです。少ないところで調べて、 実態に近づけるというのはちょっと苦しいかと思います。義足のほうが大変だけれども、 実際にある。 ○我澤研究員 これは、先ほどの説明が悪くて申し訳ありませんでした。義肢を代表し て、殻構造義手というのは、本日の資料用としてということであって、もちろん調査の ほうでは殻構造、骨格構造の義手・義足の両方があります。 ○伊藤座長 とにかくすべての義肢を対象に調査すると。この資料は、サンプルだとい うことですよね。 ○我澤研究員 本日の検討会のためのサンプルです。 ○松枝委員 私ども、聞き取り調査を受けた企業、それから予備調査を書き込んだ業者 なのですが、非常に難しかったのです。どう解釈していいかとか、あまりにも詳細に入 りすぎていて、私どもの帳簿類を拾うことすら不可能に近いものがすごくありました。 「来ましたか」ということで数社に電話をしたところ、「来ました」「どうしましたか」 「うーん、大体やね」という回答でした。  実際に私どもが帳簿上拾い出せるのは、物を作ったことに対しての原価計算は基本的 にするのですが、卸しの商品などは細かな原価計算をします。しかし、個別オーダーの ものに関しては、基本的に原価計算はしないです。その結果1年経って、きちんとした 経理をしている所は、材料比率何パーセントというのをはじき出せるのですが、通常そ うでない所はかなり大雑把に、材料は結果としてこれだけかかったぐらいでしか捉えて いないです。  これを、個別にウレタンチップがどれだけかかって、どうのこうのという細部に入っ ていくと非常に大雑把な回答になってしまうのではないかということを感じました。「本 当に大体やね」という回答が多かったのです。 ○我澤研究員 私どもも、何箇所か電話で聞かれた事業所については、ほかに売上げと か、費用面でも材料とか、設問の中でも完成用部品、材料、外注、その他オーダーメイ ドしたものと分けて聞いています。たぶん、材料費としてまとめているという背景があ るのですが完成用部品と、材料とを分けることができないのですけれどもどうしましょ うか、という話はいっぱい伺いました。  ただ、ある程度目安でもたたき台がないことには、基本価格、製作要素価格の正確さ は欠けるのかもしれませんけれども、それでも目安がないことには、現状のものと比較 して採算的に厳しいのか、それともなんとかやっていけるのかみたいな評価ができませ んので、そこはある程度不正確さが出てくる部分、回答が難しい部分があるとは思うの ですが、基本的にはこれを原案に進めたいと考えているところです。ただ、またお話を 伺わせていただきたいとは考えております。 ○伊藤座長 こういう調査でいちばん問題なのは、ある所はものすごく細かくて、ある 所は大雑把だと、これを合わせると全然意味がなくなってしまう。そんなことにならな いようにしていただかないといけないので、十分ご検討いただきたいと思います。今度 はヒアリングと違うでしょうから、マニュアルみたいなものを書いて送ってあげないと、 どう答えていいかわからないのではないかと思います。簡単なものでもよろしいと思い ますので、この設問はこういう視点で答えてくださいとか、こういう条件で答えてくだ さいとか、条件があるのなら条件を書いて答えてくださいといったマニュアルを作って いただいたほうがいいのではないでしょうか。 ○我澤研究員 わかりました、そのように進めていきたいと思います。 ○伊藤座長 アンケート回答のマニュアルです。 ○我澤研究員 はい。 ○伊藤座長 次に、完成用部品に移ります。 ○高木専門官 はい。次に、完成用部品の調査内容についてご説明いたします。資料4 と資料5について私からご説明をし、補足等があれば国立身体障害者リハビリテーショ ンセンター研究所の皆様からお願いいたします。資料4は、義肢等事業者のヒアリング、 先ほどの調査結果概要なども踏まえ、やや修正したほうがいいと思われる部分も出てま いりましたので修正しておりますが、趣旨を変えるものではありません。  変更点として、取引期間については単純な年度ごとにしていたのですが、これをヒア リングの結果を受けまして、各社の会計年度ごとのほうが調査しやすいということで変 えております。また、現状についての自由記入欄を是非設けてほしいということがあり ましたので設けました。  完成用部品に関する対応として、調査対象の事業者から、調査自体がインサイダー取 引に当たらないのかという質問がありました。これについては、国リハのほうで対応し ていただいていますので報告をお願いいたします。 ○我澤研究員 調査対象になっている上場会社の場合で、調査票の中で個別品目や個別 数量、原価について株主にも公開していない情報を訊いています。調査をしている私ど もがそのデータを利用して株式の取引をしてしまうとインサイダー取引になります。そ ういう中で情報提供すること等で問題はないのかという質問を受けました。  この点に関して、私どものほうで金融庁の相談窓口と連絡を取ったところ、東京証券 取引所のインサイダー取引の規制相談窓口でその辺の問題を扱っているということで確 認してみました。結論から申しますと大丈夫ということです。  そのポイントについて3点触れさせていただきます。1点目は、今回のデータを事業 者が提出すること及び私ども研究者が使用することはインサイダー取引規制には抵触し ません。2点目は、ただし得られた情報を私ども研究者が利用し、株式取引等で利益を 得た場合に、インサイダー取引に当たる可能性がある。3点目は、仮に国リハで研究し た井上、山崎、我澤がインサイダー取引を行ったとしても、その情報を提供した事業者 のほうが罪に問われることはない。  現時点で、井上、山崎、我澤の3名は、関連する株式等を特に保有はしていません。 私どもは、今回仕入れた情報は説明文書にも書いてあるように、この調査のみに使うと いうことですし、法律に反しないという観点からも株式の取引をすることはないという ことで、その旨の回答をさせていただきました。 ○伊藤座長 ご質問、ご意見はありますか。 (特に発言なし) ○伊藤座長 それでは続けてお願いたします。 ○高木専門官 資料4の完成部品については以上です。次に資料5の義肢等以外の補装 具についての調査票です。これについても資料4と同様に、取引期間を単純な年度から 会計年度へ変更しております。  資料5-1の車いす、資料5-2の電動車いす、資料5-3の補聴器について、基本構造以 外の構造を列挙して、選択肢を用意しております。この項目挙げについては、関係団体 のご協力を得ております。  本調査票の50頁以降で、遠隔地の交通費についても、資料3と同様少し詳細に聞い ております。自由記入欄も設けたというところが変更点です。 ○伊藤座長 ご質問、ご意見をお願いいたします。 ○石井委員 初めのほうの義肢・装具の聞き取り調査の中でいろいろな問題点が出てき ています。補聴器のほうも、そういうことについての答えの誘導というのを、自由記入 欄にこういう項目についても書いてくださいということを、1つの説明文として入れる ようなお考えはありますか。例えば、補聴器の場合は再調整が非常に多いので、そうい うのをどこに入れていくのかということも出てきます。  それから、相手が動けないので、こちらが動いていくという状態になります。補聴器 の修理の部分についても、電池だけを購入する場合、修理で電池が入っている場合とあ ります。故障したときに調べてみたら電池だけだったということもあり得ます。そうす ると、電池だけで済むのかということがあります。そういうところで、調査目的の誘導 を自由記入欄で書かせるのか、その辺はいかがでしょうか。 ○高木専門官 義肢等のヒアリングにおいても、ご意見を伺う際に別に誘導したわけで はないと伺っております。自由記入欄ですので、何か例を列挙するとそこに引っ張られ ることもありますので、ここは自由記入欄ということでご理解いただければと思います。 ○伊藤座長 キーワードも書かないということですよね。 ○我澤研究員 もともとの研究計画のところにも関係するのですけれども、発端になっ た主な焦点が義肢・装具・座位保持装置という部分がありましたので、調査票の立ち入 る範囲が、義肢・装具・座位保持装置とそれ以外のもので違っている部分はあるかと思 います。私の考え方としては、自由記入欄の小分けをしない形で、どういう問題がある のかみたいなことを今回はある程度伺わせていただいて、かつ数量的なデータに付随す るもので、そのほかのものについての詳細な検討についてはまた改めて検討する必要が あるかと考えております。今年度の分析の中では、そこまで立ち入るのはなかなか難し いと考えております。  ただ問題として、義肢・装具・座位保持装置以外の部分でもいろいろあると認識はし ておりますので、今後その辺は相談させていただきつつ、研究していければいいと考え ております。 ○伊藤座長 自由記入欄ということで、バイアスがかからないようにキーワードは入れ ないと。そこから出てきた案をベースに、再度分析し、必要に応じて追加調査もしよう ではないかという方向性のようです。 ○田内委員 先ほどお話をしたように、補聴器の場合も子どもを扱っている業者と、大 人を扱っている業者では違うと思うのです。その辺を何らかの方法で分類できるように しておかないと、合わさってトータルでグローバルなものが出てきてしまうと、焦点が ボケてしまうのではないかと思います。その辺の区別ができればと考えていますがいか がでしょうか。 ○我澤研究員 座位保持装置については成長対応部分みたいなところとして問題がある ことは認識していました。それ以外のところを今回の検討会で伺って、検討しなければ いけないという認識をしております。そこのところは検討させていただきたいと思いま す。義肢・装具、座位保持装置以外の部分も着手していて、既に送ってしまっている所 もあります。追加調査という形になるかもしれませんが、それを含めて検討させていた だきたいと考えております。 ○伊藤座長 是非その視点は重視していただきたいと思います。ほかにはよろしいでし ょうか。 (特に発言なし) ○伊藤座長 この内容で概ねよろしいということですので、これで進めていただきます。 その他の議題についてお願いいたします。 ○高木専門官 資料6で、補装具評価検討会等スケジュールの修正案です。本来関係団 体からのヒアリング等については7月に行う予定としておりましたが、委員の方から、 ある程度の結果概要をもってヒアリングすべきではないかというご意見がありました。 非常にタイトな日程にはなってしまいますが、10月末に結果の取りまとめがなされるこ とから、10月末あるいは11月上旬のところで1度ヒアリングを行いたいと考えており ます。  一部予備調査が残っているところもありますが、本調査のほうに入っていきたいと考 えております。予備調査のヒアリングの結果、完成用部品と義肢等以外の調査票も少し 変更・修正をしたものですから、そこは若干後ろ倒しになっているというところで、ス ケジュールの修正案を出させていただきました。  なお、義肢等の完成用部品の申請受付に関しては既に開始をしていて、概ねこのスケ ジュールでいけると考えております。 ○伊藤座長 1カ月ほど後ろへ移動ということですから、次は10月末から11月の初め ということですが、これはしようがない話かと思います。こちらも少し詰まってくるの で、その辺になると忙しくなりますがよろしいですか。 (特に発言なし) ○伊藤座長 ほかにご発言はございますか。 ○稲垣委員 今回の議論と直接関わる話ではありませんが、もちろん価格の設定ルール は重要ですが、補装具の品質の確保も重要だと思っております。本調査を行います600 社の中には、私ども義肢協会には加入していない方もいると思います。この業者につい ては、きちんと製作設備を有していない方もあると思われますので、粗悪な装具が出回 る危険性もあるかと思います。私ども義肢協会としては、義肢製作の設備基準を、ここ で是非とも設けていただきますことをお願いいたします。 ○高木専門官 ただいま貴重なご意見をいただきましたが、これに関してはどこが粗悪 な補装具を製作しているか、という特定もなかなか困難なところです。1つには、更生 相談所が見積りのチェックや適合判定を行っておりますので、更生相談所のチェック機 能を強化していくことが1つあると考えています。国立身体障害者リハビリテーション 学院のほうでも研修をやっておりますので活用していただきたいと思います。また、義 肢協会にも、そういう面でご協力いただけるところがありましたら是非お願いしたいと 思います。  もう1つは、義肢装具士をきちんと配置しているとか、一定の設備を有しているとい った適切と思われる義肢製作所について、これは福祉用具法上の指定法人であります、 財団法人テクノエイド協会がホームページの中で情報提供しているシステムがあります。 ただ、これはまだ十分に周知されていない部分もあろうかと思いますので、テクノエイ ド協会の協力も得て、これをもっと自治体・市町村等に周置を図ることも有効ではない かと考えております。 ○伊藤座長 更生相談所のチェック機能が本当に機能していればあまり大きな問題には ならないのでしょうけれども、一方で外形基準のようなものを作ることも考えられるの だろうと思います。いまの国の考え方は、そのようなものよりは中身でチェックしよう という方向に来ています。昔は、リハビリテーションの施設の大きさや設備が決まって いました。そのようなものだと、フレックスな対応ができないこともあって、現在では、 むしろそういう基準を外す方向に来ています。  そういう中で、義肢製作業者の外形基準を設けることは逆行するのかと思います。む しろ資格だとか、更生相談所のチェック機能だとか情報提供ということで、利用者から のフィードバックも含めてチェックしていくことが今の流れだという説明だと思います。 併せて更生相談所の強化もしてほしいという意見もあるのだと思います。 ○樫本委員 いまの話で、粗悪な業者というのは自立支援法で更生相談所がチェックし て扱っている業者に関してはそれなりのレベルだと思うのです。大きな病院には行かな いけれども、むしろ開業医に出入りして、開業医の所でどんどん作ってしまっているよ うな業者のことではないかと思うのですがいかがでしょうか。 ○稲垣委員 おっしゃることはよくわかります。実を申しますと、更生相談所そのもの は全国に随分あります。そのすべてがきちんとしている場合はいいですけれども、中に はそういうことがない所もあります。今のこういう制度になると、すべてが良心的な人 ばかりではなくて、そこをなんとかということでやる方もなきにしもあらずということ があります。そこのところを私は主張したわけです。すべてがそうだということではあ りません。今後そういうことになったら大変ですので、是非ともお願いしたいというこ とで、よろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 医療用の補装具としての問題もいろいろあるでしょうけれども、少なくと もこの検討会が責任を持つべきは、障害者自立支援法に基づく補装具の部分です。更生 相談所に頑張っていただきたいと思います。 ○松枝委員 今回適正価格ということで出たものが、来年4月と仮にしますと、もう暮 れには相当安くなってしまう可能性があります。いま、いろいろなものがインフレ的な 形で材料とかが特に高騰しています。  いま原油高騰の中で、運送業界が基本価格+サーチャージ制を導入して私どもにも通 知が来ました。それは、基本価格+変動要素ということで価格を二階建構造にして変動 要素の部分を乗せて、価格を提示させてくれということです。今はそういうのが必要な 段階ではないかという気がしているのですがいかがなものでしょうか。 ○伊藤座長 その問題についてですが、本日は調査の段階ですので、調査の分析結果が 出て、安くなるとは限らないわけですので、そのことを含めて、その時点で是非やらな ければならない議論だと思います。大きな問題だと思いますので、取り上げたいと思い ます。ほかにはよろしいでしょうか。 ○時末係長 次回の日程ですが、関係団体等からの意見聴取として、11月上旬を考えて おります。後日調整させていただき、メール等で連絡させていただきます。 ○伊藤座長 それでは、本日の検討会はこれで終わらせていただきます。どうもありが とうございました。 照会先 [補装具評価検討会事務局] 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部企画課自立支援振興室 時末・大下 TEL 03−5253−1111(内線3006) FAX 03−3503−1237