08/08/06 「第3回地域における産業保健活動の推進に関する検討会」議事録 第第3回地域における産業保健活動の推進に関する検討会                日時 平成20年8月6日(水)                   15:00〜                  場所 厚生労働省専用第12会議室 ○小澤主任中央労働衛生専門官 ただいまから、第3回地域における産業保健活動の推進に 関する検討会を開催いたします。まず最初に、検討会のメンバーの交代がありましたのでご 紹介させていただきます。労働者健康福祉機構の中林委員に代わり、金井委員となっていま す。本日は代理で、同機構の奈良産業保健部長が出席されていますのでご紹介いたします。  また、事務局側も大きく変わりました。労働衛生課長の鈴木、私、小澤、塚本調査官が代 わっています。課長より一言ご挨拶お願いします。 ○鈴木労働衛生課長 7月11日付けで労働衛生課長を拝命いたしました鈴木です。平成15 年4月から5年間、新潟県に出向しておりました。霞ヶ関で勤務するのは久しぶりでありま す。  4月から3カ月ほど、和光市にある国立の保健医療科学院におりました。いま、この分野 を一生懸命勉強しているところですが、私が大部分手がけてきたというか、地域保健では老 人保健法とか介護保健法で最近かなり制度自体が変わってしまって、県の保健所の位置づけ など、非常に難しい状況があります。過去の延長線上にあるという状況ではなかったのです が、労働衛生の分野において、非常に歴史を持って積み重ねてきた衛生関係の対策というも のが脈々と流れているなと感じました。  そういう意味では、いろいろ勉強していて過去の経緯がどうだったかというのは極めて重 要であると感じているところです。そう言いながらも新しいニーズなり、いまの地域保健と の連携も含めた地域における産業保健活動というのは、またいろいろな面で見直していかな ければいけないと思っています。  私どもの部長も3週間ほど審議官が併任していましたが、8月1日付けをもちまして尾澤 部長が就任いたしました。部長も中央と地方との関係といったものについても、いろいろあ り方をまた検討する時期ではないかということを言われています。まさに、この検討会にお きましてご議論いただいています地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター、 こういったものの課題についてはそういった意味でも非常に重要なテーマだと思っていま す。また、メンタルヘルス対策も、地域においては自殺対策に象徴されるように地域保健、 産業保健が一体となって取り組んでいかなければいけない重要な課題だと認識しています ので、この検討会における委員の皆様のご意見を踏まえて、また今後の施策に反映していき たいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 それでは高田座長、議事進行をお願いいたします。 ○高田座長 今日はお暑いところをお集まりいただき、大変ありがとうございました。今日 は第3回目です。1回、2回でいろいろご意見をいただいていますが、いままでのご意見を 踏まえて、中間的な取りまとめを行いたいと思っています。これまでの検討会での議論、ま た前回の検討会以降検討会メンバーの方々からいろいろ寄せられたご意見をもとにして、事 務局で資料を作成しています。今日お配りします資料の中から、事務局から説明をしていた だいたほうがいいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 前回の検討会以降、私どもにメンバーの方々から文書でい ろいろ意見をいただきました。その中には、検討会においてさらに議論をお願いしたほうが よろしいのではないかという部分もありまして、本日は中間取りまとめ案というよりも、い ままでのご意見を取りまとめた論点整理案、資料No.3-1というものをお付けしています。本 日はこれらそれぞれの項目についてご確認、ご審議をいただければと考えています。  資料3-2には前回の検討会の議事概要を付けています。修正等、意見がありましたら、の ちほど事務局へご連絡いただければと思います。  座長からお話がありましたとおり、論点整理案に沿って事務局から説明いたします。基本 的に読み上げる形式でさせていただきたいと思います。  「地域における産業保健活動の推進に関する検討会」論点整理案。1 地域産業保健セン ター事業について。課題が(1)(2)とあります。課題(1)として健康相談窓口利用者数、 個別訪問実施事業者数とも増加してきているものの、平成18年度実績では、それぞれ、1 センター当たり平均213.7人、平均36事業場と活動は未だ少ないこと。地域産業保健セン ターのことを未だ知らない事業場も多いなどの状況にある。また、地域産業保健センターと 労働基準監督署との連携が不十分であるという指摘もあるという課題があります。  これに対しては、従来のコーディネーターによるパンフレット配付を中心とした周知広報 活動のほか、各地域産業保健センターにおいて労働基準監督署等の行政機関、労働基準協 会・商工会等の地域の事業者団体などと連携しながら、地域産業保健センター連絡協議会に おいて一層の創意工夫を図るための検討が必要ではないか。例えば事業者が集まる場の活動、 ニーズの把握、キャンペーン活動の開催等といったご意見をいただいています。  また、産業保健情報の提供の一環として「産業医マップ」の作成・周知、ITを活用した 情報提供が必要ではないかというご意見もいただいています。さらに、全国レベルの広報活 動として、全国規模の事業者団体等と連携した全国レベルの周知、「産業保健の日」、「産業 保健推進月間」の設置などが必要ではないかというご意見もいただいています。  課題(2)として、窓口別利用者数について、地域産業保健センター内での人数は減少し ているが、サテライト(地域医療機関)、その他(イベント時)などでの人数が大幅に増加 しており、地域産業保健センターの活動が未だ少ない状況を踏まえると窓口開設場所、時期 などの工夫が必要であるという課題が提示されました。  これに対してはサテライト方式の積極的活用、夜間・休日窓口の拡大など、実施場所・実 施時期の弾力化が必要ではないか。また、サテライト方式については、一般診療との区別を 明らかにすることなどに留意するため、「運営基準」を策定することが必要ではないか。さ らにコーディネーターの活動の充実、行政、コーディネーター等関係者の情報交換の充実が 必要ではないかというご意見をいただいています。  2として、地域におけるメンタルヘルス対策について検討いただきました。課題(1)か ら(4)まであります。課題(1)は、平成20年度から、一定の基準を満たす相談機関を登 録・公表・紹介する機能などを有する「メンタルヘルス対策支援センター」(平成20年度 は都道府県産業保健推進センター内)が設置され、地域におけるメンタルヘルス対策(職域 関係)を推進するセンターとして「メンタルヘルス対策支援センター」、「都道府県産業保健 推進センター」及び「地域産業保健センター」の3つの中核機関が存在することとなるが、 それぞれの役割をより明確にする必要があるのではないか。  課題(2)として、面接指導や一般の健康相談、国の支援事業における相談などにおいて、 労働者のメンタルヘルス不調が深刻な状況にあることが把握された場合、適切に、精神科医 等に繋げる方策が必要である。  課題(3)、職域における社会資源やネットワークと地域保健における社会資源やネット ワークとの連携が不十分である。課題(4)、地域にある専門機関の種類・数、提供できる サービスについて、これら情報を求めている事業場・労働者・家族等利用者に届いておらず、 それにより必要な支援が提供されていないといった課題がある。  こういった課題に対し、「都道府県産業保健推進センター及び「地域産業保健センター」 については、引続き、メンタルヘルス対策に限らず産業保健活動全般に関し情報の提供、研 修の実施、事業者や労働者等からの個別相談への対応、地域におけるネットワーク形成等を 実施することが必要ではないか。  また、一方、「メンタルヘルス対策支援センター」については国の労働災害防止計画等も 踏まえ、メンタルヘルス対策を重点的に取り組むセンターとして、事業者・労働者・家族等 からのメンタルヘルスに関する様々な相談に対応して、地域にある専門機関や支援事業に関 する情報等を一元的かつきめ細かな提供を行うことができる総合窓口としての機能や、職場 復帰支援をより円滑に実施するための事業者・産業医等への支援等を行わせることが必要で はないか。  メンタルヘルス対策においては、メンタルヘルスの不調を感じた労働者がいつでも相談で きるようにするため、メンタルヘルス相談の専門機関の活用等による相談体制の整備が必要 であるが、この体制の入口の機能をメンタルヘルス対策支援センターに持たせることはでき ないか。  メンタルヘルス対策の効果的かつ効率的な推進を図るため、これら3つの中核機関の 役割分担とともに、様々なニーズに対応できるよう、その有機的な連携等について検討が必 要ではないか。  さらに、メンタルヘルス不調により休業している労働者の職場復帰支援に当たっては、主 治医である精神科医と産業医との連携も重要であり、各課題に対応するため、事業者、相談 機関、産業医、主治医等専門機関間のネットワークの形成及び強化や地域と職域との有機的 な連携等が必要ではないか。  最後に、メンタルヘルスに関する正しい知識や、メンタルヘルス対策関係の情報の周知が 不十分であることを踏まえ、情報をより広く、より効果的に周知する方法としてITを活用 した総合的なメンタルヘルスに関する情報の提供も必要ではないか。以上のご意見をいただ いています。  3番目の課題として、都道府県産業保健推進センターについてご議論いただきました。課 題は2つあり、(1)都道府県産業保健推進センターによる地域産業保健センターの活動に 対する支援の充実を図る必要がある。課題(2)、都道府県産業保健推進センターは地域に おける産業保健活動としての拠点の役割をより明確にする必要がある。  これに対し都道府県産業保健推進センターは管内の地域産業保健センターの登録産業医 の交流会、アンケート調査等を実施し、各地域の問題点、好事例等について収集し、それら の結果を都道府県産業保健センターのネットワークを通じ全国レベルでの共有化を図る機 能を強化すべきではないか。また、都道府県産業保健推進センターが行政との連携の下、地 域での小規模事業場のニーズや実情等を踏まえ、地域産業保健センターの活動の方向性をア ドバイスしつつ、広報活動の連携等の支援を引続き行うことが必要ではないか。  都道府県産業保健推進センターにおいて、地域で利用できる産業保健支援サービスに係る 様々な情報を一元的に集約するとともに、地域・職域連携協議会等を通じた地域資源に関す る情報などを幅広く集め、これを産業医、事業者等に提供する機能を持たせることにより、 産業保健推進センターを地域における産業保健支援サービスの総合情報センターとして位 置づけるべきではないか。特に新型インフルエンザ対策、アスベスト対策等、全国的および 地域的に優先度が高い高度の技術を要するテーマについて、都道府県産業保健推進センター が行政との連携の下、重点的に産業医研修や事業者研修などを実施し、より多くの事業場に 情報を提供できるよう、支援内容を強化すべきではないかといったご意見をいただいていま す。  4つ目の討議ポイントとして、地域の各種関係者とのネットワークの課題についてご議論 いただいています。課題(1)として、平成17年度〜平成19年度の間、産業医に対して過 重労働・メンタルヘルス対策に関する研修(1万1,460人)を、精神科医等に対して産業保 健に関する研修(1,646人)を実施しているが、引続き、効果的に研修を実施するとともに、 産業医と精神科医とのネットワークを構築することが必要である。  課題(2)、地域産業保健センターにおける保健師と産業保健スタッフの積極的な活用を 図る必要がある。これに対し、全国の精神科医(約1万3,000人)、保健師等の産業保健ス タッフと産業医との連携は今後ますます重要となることから、これらの地域の関係者が具体 的な事例などを検討する場(事例検討会)を設けることが必要ではないか。地域産業保健セ ンターの活動の充実強化のため、保健師等、産業保健スタッフの積極的な活用を図ることに ついては、その具体的な実施例を集めるなどして、効果的な活用方法の検討が必要ではない かというご意見をいただいています。  5番目が地域保健との連携(地域・職域連携推進協議会の活動促進)についてです。課題 として、職域関係者のメンバーは労働行政関係者にとどまり、事業者の参加が少ない。2次 医療圏と労働基準監督署の管轄区域が異なるため、複数の2次医療圏協議会に労働基準監督 署が参画しなければならず、協力が得られにくいこと、地域と職域の連携事業のメリット等 について明確化されていないことから、都道府県や2次医療圏での具体的な連携事業の取組 が進んでいない協議会があることなどが指摘されています。  これに対し、地域・職域連携推進協議会の運営等に関し、事業者団体等の協力を求めるこ と、事業者の参加促進や連携事業のメリットなどを具体的に示していくことなどが必要では ないかというご意見をいただいています。  最後、6番目がその他です。ここでは課題を列挙しています。中小企業の労働者に対する 産業保健サービスの充実を図るため、地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センタ ー、メンタルヘルス対策推進センターなどの事業のみならず、助成金事業、たんぽぽ事業等 の他の産業保健関係施策を有機的に組み合わせて推進することが必要であり、その具体的な 方策についても検討が必要ではないか。  また、都道府県労働局、労働基準監督署は、各種指導等の結果、必要と判断される事業者 に対し、地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター等の活用をより一層積極的 に働きかけるべきであり、その具体的な方策についても検討が必要ではないかという検討を いただいています。以上です。 ○高田座長 ありがとうございました。ただいま、第1回から2回でいろいろご議論いただ いたものをこのように課題ごとで整理をして、大体5つの課題で整理して、それぞれについ ての皆様方のご意見をこのようにまとめています。それに従い1、2、3、4、5について、 さらにご意見をいただいて、1課題に10分から15分掛けられますのでまとめていきたいと 思います。そのように進めますのでどうぞよろしくお願いいたします。  まず、1の地域産業保健センター事業について課題が1つありました。その問題について 3つのご意見がありました。これらについて、さらに「こういう事はどうだ」、あるいは質 問があれば是非お願いしたいと思います。地域産業保健センター事業について修正・追加な どあるでしょうか。3つに整理をしております。1がコーディネーターとか、いろいろなこ とをやっていますけれども、そういうものについてもっと広く、創意工夫をして検討する必 要があるのではないか。それから、これは前にも出ましたが「産業医のマップ」など、IT の情報提供、それからこれは非常に面白いと思うのですが「産業保健の日」、「産業保健推進 月間」というご提案もありました。どうぞ、ご意見をお願いします。 ○今村委員 意見ではないのですが、ちょっと伺っておきたいのは1つ目の○の2行目、「各 地域産業保健センターにおいて」という場所の指定があって、いろいろな段階と連携しなが らという記載になっています。この場合の「おいて」というのは誰が連携の具体的な役割を 担うことになるのでしょうか。コーディネーターという理解でよろしいのでしょうか。連携 するためには人が動いて、いろいろ交渉したりということがある。1行目には「コーディネ ーターがパンフレットを配付する」という、極めて具体的な書き方になっているのですが、 そのあとちょっとイメージがどうなのかなと思いました。教えていただければと思います。 ○高田座長 これについては北條委員とか、今日は石渡委員がそれぞれおられますのですが、 現場でどうですか、ご自分のところでやっておられて。 ○北條委員 コーディネーターーに動いてもらうというのがいちばんモチベーションが上 がると思います。 ○高田座長 推進センターはどうですか。 ○石渡委員 やはり、地域センターを広く活性化するためには、どうしてもコーディネータ ーがキーポイントになるだろうと思います。こういうようにして、いろいろな段階を広げて コーディネーターが動くとなると、いまの条件でいくと非常に動きにくい。身分保証がしっ かりしていないし、例えばいろいろな制約がありますよね。交通費の問題も引っくるめると、 細かいことを言うと。 ○高田座長 事故が起きたらどうするかとか。 ○石渡委員 そういう問題も全部解決した上ででないと、砂上の楼閣になってしまって、文 言としては新しいけれども。 ○今村委員 私が伺ったのはいみじくもその話なのです。つまり、結局、施設の名前に「お いて」と書いても、誰が連携するのかというとコーディネーターだと。コーディネーターが 動くには地産保のアンケートにもあったように、予算など、様々な問題があって人がいない。 ならば、結局はいま先生がおっしゃったように砂上の楼閣になってしまうということなので はないか。もう少し踏み込んで書いていただけるといいのではないかと思います。 ○矢口委員 前回休ませていただき、1回目が代理で申し訳ありません。今回初めて出席い たします。東京商工会議所の矢口です。  私は3月まで、東京商工会議所の出先である支部におりました。3月までは葛飾支部、そ の前は品川支部におりました。2つの支部で2つの地産保と関係を持ちました。やはり、場 所によって活動の仕方というか、先生方の熱心さというか、若干違うような気がします。や はり、コーディネーターの方にだけお任せをされている地産保はどうしても活動がいまひと つかなと。やはり、センター長自ら動かれているところは、非常に活発な活動ができるなと いう気がいたします。先生方もお忙しいとは思うのですが、やはりセンター長が陣頭に立っ て動いていただいたらいいのではないかという気がしています。 ○漆原委員 ちょっと疑問というか、質問させていただきます。いまの2行目のところに、 「労働基準監督署等の行政機関」と書いてあるのですが、「等」のところに入るのは例えば 行政の中のどういう機関を想定しているのでしょうか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 この「等」の中の1つは当然労働局でございます。私ども の頭の中にあるのは基本的に労働局なのですが、あるいはそこまで広げられるかどうかは別 として保健所など、まだ医療関係機関というものがございます。ここで「入っている」と、 本当に事務局として自信を持って言えるほど関係が密であるかは別にして、念頭にあるのは 第一義的には労働局、そのほかそういったところとも連携を取れたらいいなぐらいの頭はご ざいます。それは今後のご議論の中で入っていくと思います。 ○高田座長 よろしゅうございますか。最初に課長からもお話がありましたように、地域と の連携というのは保健所とか、いわゆる地域のほうの行政機関とうまく、うまくやっている 所もあるのです。地域の保健所と連絡を取っているところが。先生のところはどうですか。 ○北條委員 私のところはいまいちです。監督署、あるいは推進センターとは密にやってい ます。労働局ももちろんです。 ○高田座長 そういうことなのです。 ○石渡委員 もちろん、医師会が自主的に動いて、コーディネーターがそれとともに動くと いうのは当たり前で、活性化するためには必要なのでしょう。もう1つは、確かに地域的に コーディネーターの人材を探しにくい所と、いろいろあるようです。  それは確かにそれとしてネックなのですが、もう一方では例えば神奈川とか例を取ると、 創設以来、ずっと10年以上やっているという人もいる。やはり、人間、10年やっていると エンジン切れになってしまう、実際見ていると。  そういう点で、どういうようにコーディネーターが、人材が少ないというのはいろいろな アンケートで確かに出ていてわかるのですが、もう一方では何らかの形で評価をして、任期 制にするということも1つの選択肢ではないか。なかなか、交代させるのに非常に苦労して いるということも実際はありますので、その辺をどうするのかを決めておいたほうがいいの ではないか。北條先生みたいに長くおやりになっておられて、十分機能しておられるという のはもちろんわかりますが、そうでない所も結構見えます。そういうところをどういうよう に、任期制を引っくるめたところをある程度考えておかないと。もちろん、参入は妨げない という条件であるにしても、そういうところが活性化の、1つ足かせになる可能性があるの ではと思っています。 ○高田座長 圓藤委員、例の地産保のデータ、先生がまとめられましたが、コーディネータ ーの話、身分保証がどうとか、なっていないというご意見がありましたよね。それ以外、何 か気がついたことはありますか。 ○圓藤委員 いま、先生方がおっしゃられていた、コーディネーターの役割というのは非常 に重要です。コーディネーターの身分保証もありますし、権限とか待遇とか、いろいろな面 でもっと力が発揮できるような形を作っていただければというのが1点です。  それから、課題のところで私は「連携が不十分」という言い方をしてしまったのですが、 連携はしているわけです。地産保と労働基準監督署との連携はしているわけです。ただ、役 割が行政としての役割と地産保としての役割、表と裏みたいな関係があると思います。そこ のところ、もっと効率的な方式はないのだろうか。それは保健所と連携する、商工会議所と 連携するというような連携とは違う意味合いがあるのではないかということで指摘したの で、もちろん連携していますので、そこのところを補足させていただければもっと手がある ような気がします。その2点で。 ○高田座長 微妙な表現をいまされましたね。 ○圓藤委員 微妙な言い方をするのは、特定の事業所の問題を労働基準監督署から地産保の ほうに伝えるというのはしにくいのかもわかりません。でも、この地域ではこういう問題が 起こっているから、ここに焦点を当てて活動していただけないだろうかとか、問題点に合わ せて、あるいは事業所に監督行政として指導するのではなくて、地産保としての指導の仕方 をしていただけないかという依頼があってもいいのではないか。そういう役割分担を明確に していただければもっと連携できるのではないかと思っています。 ○高田座長 ほかにございませんか。山崎先生、今日は何かありますか。この辺のことにつ いて。 ○山崎委員 事業者団体との連携の中で、お金がかかることとか出てくると、事業者団体が どの程度まで協力できるか。あと、傘下に会員をいっぱい抱えていますから、そういうとこ ろに事業者団体としてどの程度まで、パンフレット等をいただきながら周知していくかとい うのも1つ大きなことである。ここは事業者団体でもいろいろな事業者団体がありますので、 その事業者団体等と平仄を合わせないと、片方はやる、片方はやらないと齟齬ができても困 る。その辺は全面的にうまく協力しながらやるという、何か手立てを考える必要もあるので はないかと思います。 ○高田座長 輪島委員、いまのようなご意見を踏まえて、日本経団連として何かありますか。 ○輪島委員 2番目の○、情報の提供の一環として、この情報提供の主なものは何を指して いるのでしょうか。マップを作るのが、何が適切なのか、あまりイメージが沸きません。ま た、「産業保健の日」と言うと、きっと何かイベントをやらなければいけなくて、月間だと 表彰とかもやらなければいけなくなると結構大変だろうなという気もします。それは財源的 にはどこから、どういうようにするのか。イメージがよくわからないのですが。 ○高田座長 産業医のマップというのはそれぞれの地域で、この地域にはどこに産業医がど こに何人いますという地図を作っている。大体、どこでも作り始めた。そういう意味の産業 医のマップなのです。それから、いまおっしゃったITの活用、この辺のところをより具体 的に書いたらどうかというご意見だと思います。産業医のマップというのはそういうことで、 北條先生のところもやっていますよね。 ○北條委員 はい、やっています。 ○高田座長 石渡委員のところでは、神奈川では誰と誰、藤沢にはどのような人がいますと いうものを全部作っているみたいです。 ○漆原委員 今日初めてこれを見たのですが、「産業保健の日」というのはイメージ的には 全国バラバラでイベントをやるよりも、その日に合わせてイベントをやると、例えばマスコ ミでの露出度が高くなると認知度が上がるという相乗効果がある。どうせイベントをやるな ら合わせたほうがいいという。予算がそれに付いているかどうかというのは別にして、そう いう意味での効果があるのかなとは思っていました。  例えば、電話相談をやるときに、NHKで取り上げていただくと急に相談数が増えるとか いった効果があります。バラバラに、各地でイベントをやるものを集めた日が1日あっても、 もしやるのであればその日にしたほうが事によったら認知度が上がって、その後の問合せが 増えるとか、そういった効果につながるのであればいいのかなというイメージです。 ○今村委員 ITを活用した情報提供ということで、ホームページの話を前回出しました。 もう既にたくさん作成されているように伺っているし、私も何カ所か見てみたのですが、地 産保そのもののホームページという形よりも、それを運営しているある2次医療圏の中の1 カ所の医師会から入っていって、医師会が地産保を運営しています。したがって、中でこう いうことをしていますみたいなホームページの作り方もあって、様々に決まりなく、バラバ ラになっているように見えるのです。ですから、こういうものという規格がある程度、最低 限、これとこれとこういうことはここに載せるとか、何かルールがあったほうがいいのでは ないかと思いました。 ○高田座長 それこそ、それは日本医師会がやってください。 ○今村委員 わかりました、課題として向けられてしまいました。 ○高田座長 そういうものを作っていただければ、地域の郡市医師会も大変にやりやすいの ではないですか。ありがとうございました。 ○山崎委員 あと1つ、出来ればのことなのですが、「商工会等」という中に例えば商工会 議所もありますし、私どもの組合もありますので、もし出来るものならそういうところに名 前を書いていただければ。読めないことはないのですが、書いていただいたほうがありがた いと思います。 ○高田座長 小澤主任、「商工会等」ではなく、いま山崎委員が言われたようなことで。い ろいろなところがありますから、入れていただけると大変いいのではないかと思います。あ りがとうございました、これから課題(2)に移ります。よろしいでしょうか。  課題(2)については、そこにありますように窓口の開設場所とか、時期などの工夫が必 要だということについて、3つ意見が出ています。これについてご意見があればどうぞ。 ○島委員 サテライト方式の拡充ということを考えておられるということなのですが、サテ ライト方式の課題というのは一般診療との区別が曖昧になる可能性があるとか、ここに1 つ書かれています。それ以外に質の担保というか、実際どういうように運営されているかよ く見えないところがあるのです。ですから、サテライト方式の実情を教えていただけるとあ りがたいのですが。 ○高田座長 これはいま圓藤先生がサテライト方式などについて調査をしています。 ○島委員 ですから、件数とかはわかるのですが、実態が地産保で行われているものとどれ ぐらい、同質のものが行われているのか、あるいはどうなのか、そこなのです。サービスの 質の担保というか、そこがちょっと気になっています。いたずらにそれを広げていいのかど うかという辺りが。 ○高田座長 これはどうなのでしょうか。今村委員、何かご意見はありますか。 ○今村委員 意見というか、私も実態がわからないまま申し上げるのも何なのですが、例え ば地産保に執務をして出て行かれている先生方が、自分の診療所でやるということになると、 場所によって極端に質を変えるということはあまり考えにくいのかなと思っています。地産 保に出ていないような先生が自分のところだったらできるからといってやった場合、何か相 談とか、指導の質の差が出るということはあり得るのかなと思いました。申し訳ありません、 その辺、どういう仕組みかがわかりません。  同じことなのですが、いま島委員のような質の担保への危惧は当然だと思います。一方、 少しでも拡大していこうということで、上の○で弾力化が必要ではないかというように書か れています。2つ目の○で運営基準を作るとき、「一般診療との区別を明らかにすること等 に留意するための」という書き方になっている。それは「しつつ」ということで、こちらも あまり厳密にきちきちやると、結局なかなか一般の診療所ができなくなると。 ○高田座長 それはあるでしょう。 ○今村委員 診察室を分けろとか、時間もみんな分けてしまえとか、あまり細かくやり過ぎ ると、私なども執務するときと、診療ができなくなってしまうということもある。ここは書 き方ですが、「留意しつつ」ぐらいの書き方にしていただければありがたいと思います。 ○北條委員 怖いのは一般診療と混合してしまって、「お金を取られた」という苦情が入る ことを恐れています。産保センターなどやるものではない、という風評が立ってしまうこと を恐れています。大きくはならなかったけれども、小さなことが過去にありましたものです から。うちは、それでいま診療所ではなくて、サテライトはサテライトですが区役所の中と か、会館の中とかいう所に設けています。 ○高田座長 先生のところはそういう所に置いているからね。 ○今村委員 はい。 ○高田座長 この辺はちょっと工夫しなければいけないですね。 ○石渡委員 いま、確かにサテライトの話題が出ていますが、どういうようなやり方をする のかがはっきりしないまま、多分バラバラでやっている可能性がある。一応、時間を別にし てといった通達は出ていますけれども、あれがちゃんと守られているかどうかを引っくるめ て、かなりバラバラではないかという印象を受けます。どうなのでしょうか。  もう1つ、イベントもそうなのです。よくデパートや駅前でやったというのですが、本当 にどういうようにやっているのか。例えば、ちゃんと事業主から紙が来て回っているのを見 ているのか。ただ、何となくそこに来た人を見ているのか。これは結構神奈川でコーディネ ーターから質問が出るのです。イベントタイプのものはどういうやり方をして件数が上がっ たと言っているのだろうか。その辺はサテライトも同じかなと思います。ある程度合意され た、基準とまではいかないでしょうが、ある程度約束事があるというほうが。人数だけ見て 評価するという、数字の評価ではなくて、中身の評価もできるような形の考え方をしないと という気がしています。 ○高田座長 なるほど。 ○金井委員(代理奈良氏) 質問なのですが、1つ目の○、1行目の尻尾のほうに「実施場 所・実施時期の弾力化」というのが出てきます。これは何の実施場所・実施時期の弾力化を 言っているのでしょうか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 これは窓口開設に関してです。 ○金井委員(代理奈良氏) いや、そうなると実施場所ばかりでしょう。実施時期というの はどういうことですか。 ○高田座長 夕方やるとか、そういうことでしょう。時間帯でしょう。 ○金井委員(代理奈良氏) いや、だとすると、例えばその前の「夜間・休日窓口の拡大等」 と同じことになってくるし。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 失礼しました。これは前が例示でして、時期というよりも 「実施時間」のほうがいいのかもしれません。 ○高田座長 実施時間、そういうようにしたほうがいいのではないか。それでいいですか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 言わんとするところは、「夜間・休日窓口の拡大」という のが例示でして、後ろ側が実施時間、場所や時間を弾力化したらどうかという流れです。 ○金井委員(代理奈良氏) わかりました。 ○高田座長 課題(2)が終わって、その次の2頁、今度はメンタルヘルスについてです。 メンタルヘルスの問題は大きな問題で、課題が4つあります。それぞれについて、実際には 6つのご意見をまとめています。メンタルヘルスは島委員、どうぞ、こういうまとめ方でよ ろしいかどうか。つまり、地域におけるメンタルヘルス対策については、それぞれ地域にメ ンタルヘルス対策の対策支援センターを作っているのです。そういうものについて役割を明 確にしたらどうかと。いま、この支援センターは実際どうなのですか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 基本的には奈良さんのところにお願いして、9月ぐらいを 目標に。 ○金井委員(代理奈良氏) 支援センターそのものは、10月から実際の活動を始める予定 にしています。本年度に関しては、相談機関として登録を受けた所、いま週1紹介がありま すが、それに加えて事業場におけるメンタルヘルス対策をどう進めるべきかということにつ いての周知・指導、そういう活動をこのセンターを中心にして行っていこうということでい ま準備を進めているところです。 ○高田座長 準備を進めているところだそうです。 ○島委員 まだどうなのかよくわからないのですが、このメンタルヘルス対策支援センター には非常に期待しています。ここに書いてあるのは2つあって、1つは情報提供ですね、総 合窓口、ワンストップ・サービスみたいなものだと思うのですが、もう1つ、職場復帰支援 をより円滑に実施するための事業者・産業医等への支援、後者のほうが具体的にどうなるか 気になっているところです。どこまでできるか。特に産業医まで入っていますね。どういう 人を選んで、ここに置くのかが気になっています。おそらくそこに置かれる方というのは、 それほど専門性が高い人ではないのですか。どうなのですか。 ○高田座長 誰に対するご質問ですか。 ○島委員 機構のほうにお願いします。 ○金井委員(代理奈良氏) これは私どもが答えるというよりも、21年度の事業をどう考 えるかという、労働衛生課のほうのお答だと思います。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 キャッチボールするわけではないのですが、機構の委員か らいただいた意見の中に、支援センターで情報の提供を行うこと、ワンストップ・サービス として必要な方を必要な所へ導くための情報提供をする。この機能については異論ありませ んで、来年度実施していただこうということがまず1つです。機構としては、来ていただい た方に紹介のみならず、もうちょっと積極的な役割があってもいいのかもしれないというご 意見をいただいています。まだ具体的にどうしたらいいのか、何をすべきかということにつ いては議論させていただいておりません。ご意見として、折角対策支援センターができたの であるから、最後の行にある事業者・産業医等への支援も含んだ職場復帰支援に関する事項 についても、何らかの役割を持たせたほうがいいのではないかというご意見をいただいたも のですから、ここにまとめているという程度の趣旨です。 ○金井委員(代理奈良氏) そういうご説明ですが補足的に申し上げると、私どもの考え方 としては利用者側の視点から見た場合、支援センターに行ったらとりあえずどうにかなると。 結局、情報提供するにしても、何らかの相談に対して応ずることができなければ、実際さら に先に進めようとしても仕分けそのものがうまく行かないし、利用者の方に対して不満を残 すだけになりはしないか。そういう点からすると、このメンタルヘルス対策に関しては第 11次労働災害防止計画の中でも重要な課題として取り上げているわけですから、折角センタ ーを作るのだったら、そのセンターに一元的にやらせてはどうかという意見でございます。 ○島委員 おそらく支援の中身として、技術的支援というのはかなり難しいと思います。で すから、支援の中身について精査しないといけないと思います。一般的支援と書かれている のですが、そこの中身が問題になると思います。どういった人がいるかに関わってくると思 います。 ○高田座長 わかりました。いま、前のところで議論が出たのですが、サテライト方式につ いてこういうような3つぐらいのご意見をまとめていただいたわけです。圓藤委員、サテラ イト方式の問題について、どういうように周知するとか、バラバラではないかという議論も あるのですが。 ○圓藤委員 そのようなことはないです。ただ、待っていて来るようなものではありません。 サテライト方式はどんどん活用すべきである。ここに書いてありますように、診療と明確に 区別するというのは当然です。その点が明確になっていれば、いろいろな形でサテライト方 式が取れるのではないか。各地産保でやっているサテライト方式を少し例示していただいて、 こういうものだったらいいというものを決めていけばいい。例えば、いろいろなイベントを やっているときに開設するとか、あるいは医師会で持ち回りでやっているものを各医師会そ れぞれでやるとか、いろいろな形があると思います。私は検討していいと思っています。 ○高田座長 ということも1つの考えですね。矢口委員はいままで出てきたことを商工会と してやってこられていますが、どうですか。 ○矢口委員 先ほどお話があったように、区役所の中でやるなどというのもあると思います。 いろいろと事例を出し合ってやっていけばいいものになっていくと思います。 ○高田座長 いま、メンタルヘルスについてはそういうご意見が出ました。そのほかにメン タルヘルスについてありませんか。 ○今村委員 課題(3)のほうなのですが、ネットワークづくりと連携というのははすべて に流れている基調だと思います。これに対する○の5つ目になると思いますが、連携が重要 だと。各課題に対応するネットワークの形成強化と連携が必要ではないか、というような提 案がありました。結局、ネットワークが十分できない。連携が不十分であるという課題に対 して、ネットワークを強化して、連携をしなさいというのはある意味答ではないように思い ます。これは非常に困難、ここがいちばん難しいというのは重々わかっているのですが、こ ういう課題があることに対してもう少し具体的に。読んでいてもなかなか、かゆいところに 手が届かない感じがしています。 ○高田座長 何かありますか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 全くそのとおり感じています。ここは主体者を誰に、メン タルヘルスの「対策推進センター」と書くべきなのか、あるいは「地域産保センターを核に」 と書くべきなのか、あるいは「産業保健推進センターを」と書くべきなのか。その辺はご議 論いただいた上で、今後、より深い議論を次回以降にお願いできればと思っています。いま、 有効な答は私どもも持ち合わせていないのですが、4回、5回とご議論いただく中でここを より深くご議論いただければと考えています。  というのも、来年度の政策の大枠が固まってくると、例えば来年度のメンタルヘルス対策 推進センターでの事業の骨格のようなものもだんだん収斂されていくとすれば、それを前提 としてどこがどういう役割を持ったらいいのかといったご議論を、していただけるようにな るのではないかと思います。いま、中間取りまとめの段階では誰がとか、何をというのは大 変申し訳ないのですが書けないのです。 ○高田座長 書きにくいですね。とりあえず、来年度の予算要求の場面での、3回目ぐらい で先生方にご意見をいただいて、取りまとめておいて、そのあと4回、5回とまだやります のでと、いま考えています。 ○輪島委員 いまの点、職業安定局の独法の高齢・障害者雇用支援機構、ここに地域障害者 職業センターが各県ごとにありますが、そこでリワーク事業というものをやっています。そ れはここに書いてある、メンタルヘルス不調により休業している労働者の職場復帰というよ りはもう少し踏み込んで、躁うつ精神障害者の職場復帰をやっている。それがリワークです から、職場復帰事業ということで、確か、いま500人だか700人ぐらい。もう既にリワー ク事業という対象者がいて、5年ぐらいもう地域では実施されているのではないか。そうい う意味では、登場人物は主治医や産業医、核になるのは地域障害者職業センターになるので、 そことのダブり感があるのか、それともダブりはないのかどうかという点も少し整理をして いただく点があるのではないかと思います。 ○高田座長 大変貴重なご意見、ありがとうございました。そのとおりなのです。先生、い つもそのことを言っておられましたね。確かにリワーク事業、これはどうでしょうか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 意見を述べるのはどうかと思いますが、例えばリワーク事 業での受け入れキャパシティーが全国のメンタル不調者に対して、うつ病患者に対して十分 であるかどうかという点も加味した上で、リワーク事業への待機者もいるということもあり ます。また、逆に来年度以降、リワーク事業を拡大していくという流れもあります。需要と いう言い方が正しいかどうかわかりませんが、リワーク事業にお待ちいただいている方がど れぐらいいるのかなど含め、ダブらないようにというか。リワーク事業も当然復帰事業の一 環として、対策センターで推進していただけるような、メニューの1つであることは間違い ないと思います。その辺の整理はきちんとしたいと思います。来年の予算の大きさを見なが ら、またご議論を整理させていただきたいと思います。 ○輪島委員 事業として差別化することは可能だと思います。結局、地域のネットワークを 作る。ネットワークが重要だというところの議論からすれば、登場人物はほぼ同じになって、 主体が新しい支援センターなのか、従来職業安定局がやっている地域障害者職業センターな のかというところにいくのではないか。ウエイトづけが違うもので、結果として違うものな のかどうかという整理はやはり必要なのだろうと思います。予算として付け方が違っていれ ば違うのかもしれませんが、なかなか整理は難しいと思います。確かに待機している人もた くさんいますので、全体のメンタルヘルスで職場復帰のサポートが必要な人はもちろんたく さんいるわけですから、いろいろなサービスを受けることは重要なのでしょう。ただ、ここ に書いているネットワークとのかね合いというのは整理が必要だろう。それだけです。 ○高田座長 輪島委員から大変良い意見をいただきました。ここで結論は出ません。また4 回目、5回目できちんと結論は出していきたいと思っています。ありがとうございました。 そのほかにありませんか。 ○金井委員(代理奈良氏) この支援センターの事業、先ほど島委員からもお話がありまし たように平成21年度以降、具体的にどういう形の事業を展開によりけりという部分はあり ます。推進センターをこれまでやってきた経験からすると、例えばメンタルヘルスに関する 専門家の方を、推進センターの相談員として確保していくというのは実際上非常に難しい。 必要性があって増員を図りたいと思っても皆さん、専門家の方は非常にお忙しくて、なかな かこちらの希望どおりにはいかないという部分が全国的に見られる。そういうことを考える と、この支援センターの中でどういう役割、どういう人間にするためにどういう専門家を確 保していくのかについては、かなり慎重に考えたほうがいいのではないかという気がします。 ○高田座長 この辺、どうですか。なかなか、精神科医を集めようとしても集まらないと言 っていました。それはなぜかと聞いたら、精神科医に専門医というのがあるのですか。 ○島委員 はい、精神神経学会で。 ○高田座長 要するに、地域で精神科医を集めるためにそういうことをやりたいので、ここ へ出れば専門医の単位をあげますとすると集まるのだそうです。産業医のあれに出れば産業 医の単位をくれるのだけど、ということもあるのだそうです。地方の先生方からそういう意 見も聞いています。 ○島委員 これはアイデアですが、支援センターでどういう方が相談員になるのかわからな いので、その相談員の指導に当たるのは、推進センターのメンタルヘルスの専門家という位 置づけではまずいのですか。 ○高田座長 それも1つの案だと思います。 ○島委員 支援センターのほうで専門医、専門家がを確保するのはなかなか難しいと思いま す。その点、推進センターには専門家がいますので、その方が助言指導するというのは。 ○石渡委員 相談員として何人かいますけれども、確かに増やすのは非常に困難です。いま、 実際にやろうとしているものもなかなかいつまでになるかわかりませんが、とりあえず地域 の担当相談員の中に精神科の先生を各地域でお願いをするシステムを神奈川でやろうとし て、いま3人ぐらい地域担当相談員に精神科の先生がいます。それは1年交代の当番制度で もいいという形で、やはり地域のメンタルの対応は、基本的には地域で何らかの方向性が出 ることがいちばんいいと思います。地域センターだけですと50人ぐらいになってしまいま すが、それ以外の人がいっぱいいるわけです。それはやはり地域医療の中で包括してやって もらわなければいけない。そういう意味で、いまそれをしかけています。  いま3人ほど地域に精神科の先生を入れて、その先生方は2、3年やってくれているので すが、広げるためには、いま申し上げたように、任期は半年でもいい、交代しても構わない という制限ではないとなかなか広がらないもので。そのための場として、各郡市医師会に、 精神科の先生と、産業医の先生の懇談会を持つ場を作ってくださいということで、4箇所ぐ らい、年に1回とか2回ぐらいのところもありますが、スタートし出しています。そういう ことで、広げるのが対策だろうと思います。その上に推進センターの相談員、専門家が何人 かいるわけですが、困った問題をどう対応するかということや、情報交換といった、役割の ほうをいま考えています。支援センターとちょっと違うかもしれませんが、いま進行しよう としています。 ○高田座長 なるほど。支援センターを大いにサポートする意味で、いま先生が言われたよ うな推進センターなり、そういったところで、精神科医に地域を分担してもらおうというの は、これも1つのアイディアですね。どうですか、島先生、やってくれそうにありませんか。 ○島委員 ただ精神科医も随分最近変わってきまして、産業保健に関心を持つ精神科医が増 えてきていますので、それで十分可能かなと思います。あと予算の問題だろうと思うのです が。1つさっきの支援センターで実際に行う業務として、事業者・産業医等への支援。ここ に結局労働者への個別的支援が入るかどうかというのもポイントとなると思うのですが、そ こまでやるかどうか。そうすると、特に復職がらみは非常に難しい話になってきますので、 たぶん避けたほうがいいのだろうと思うのです。ただ、本来は対象として労働者も入るので すよね、そこが難しいなと思っているのです。 ○高田座長 ありがとうございました。いまちょうど4時になりましたので、あと1時間で 次の課題を全部終わらせないといけません。今度は3番の都道府県産業保健推進センターに ついて、課題が2つありまして、それらについて4つの意見をそれぞれ出していただいてい ます。これらについて、何かご意見、ご質問があれば是非お願いしたいのです。課題の(1) が都道府県推進センターによって、地産保の活動に対する支援の充実を図る必要があるとい うことについて、ネットワークを通じて、全国レベルでの共有化を図る機能を強化すべきで はないかと、このような意見をいただいています。  それから行政との連携の下にというようなことも書いています。推進センター、これは機 構のほうでいろいろやっています。追加はありますか。 ○金井委員(代理奈良氏) 追加といいますか、この部分は、私どもから出た、私どもの委 員からの意見を、相当程度この中に活用いただいたものと思っています。2回目までの中で、 いくつか論点を書いています。それをもう少し具体的なイメージとして書くとどうなるかと いうことで、まとめてみたということです。その課題の1番、地産保、各活動に対する支援 というのを、具体的に今後どういう形で展開し得るのかということと、2番目に、地域にお ける産業保健活動の拠点としての役割については、2回目までの論点整理の中では、地産保 の支援という視点からの記述しかなかったものですから、これに加えて、次の頁に書いてい ますけれども、地域における産業保健支援サービスの総合情報センターとしての機能を果た していくようにしてはどうなのだろうかということを書いています。それと同時に、行政と の連携の下という言葉を、あえて書いています。これは、やはり地域によって産業保健活動 を向上させるという場合においては、行政サイド、地方労働行政ですね、労働局、監督署な りが、推進センター、地産保というものを行政目的を達成するために、どう活用していくの かという観点から、いま一度、原点に立ち返って、行政としての活動の仕方を考えていく必 要があるのではないかということを、裏の意識として持ちつつ、ここに行政と連携の下にと いうことで、いくつか入れさせていただいています。 ○今村委員 いちばん最後の○の、新型インフルエンザ対策という、それはすごく大事な話 だと理解しています。これは、行政との連携の下ということなのですが、都道府県がいまこ の新型インフルエンザ対策の行動計画について、全く差があるし、国としての大きな方向性 というのもまだ全体として検討中という話の中で、どのように全体の中で産業保健が位置付 けられるかということについての考え方を伺いたいのですが。 ○高田座長 何か行政であれば、行政が言いにくいのだったら、一応厚労省のほうは、我々 のほうの推進センターに、特に事業所についての新型インフルエンザ対策については、こう いうふうにやりなさいという、ガイドラインがとりあえず出ています。それについて、講習 会なり何なりを推進センターではやろうということで、いまどんどん始めて、推進センター でそういう人を養成して、それぞれの都道府県の推進センターで養成された人が、どんどん おおいにやってください、こういう流れになっています。 ○今村委員 仕組み自体は先生がおっしゃるとおりで、よくわかっているのですけれども、 現実的な問題としては、都道府県そのものが、まだそれぞれがバラバラにやっている中で、 推進センターだけは推進センターとしてという話になるのもどうなのかなと、そこを心配し ていて、国を挙げてだから、ここでその話をしてもなかなか難しい話なのでしょうけれども、 とても大事な話だと思っているのです。 ○鈴木労働衛生課長 いまの流れはそうですね。国のスタンスとしても、水際作戦は各都道 府県ででやるというような基本スタンスに立っています。私の県における経験でも、それぞ れの県の問題意識というところもあるし、国が何とか統一的なものを作ってくれというとこ ろもあるので、ちょっと混乱していると思います。ただ、都道府県庁が、産業分野において、 ガイドラインを基に技術的支援をする能力は、ちょっと難しいと思いますので、そこは、こ のラインでやったほうが質の高いもの、均質なものはできると思います。ただそのときに、 そういった地元の自治体との関係をどうするか、非常に大きな問題なので、そこは、まさに 課題だと思います。私自身はこれは本当にこれだけとっても、しばらく食っていけるという か、やっていける組織の必要性が主張できる部分だと思います。 ○高田座長 そう思います。 ○鈴木労働衛生課長 それとメンタルヘルス、2つぐらいでも十分に大仕事が今後あるなと 思います。 ○高田座長 今村先生がいまおっしゃったように、日医も頑張ってください。 ○今村委員 宿題いっぱい出されて、頑張りたいと思います。 ○高田座長 これは本当に大変ですよね。もしも日本でフェーズIVになったら。 ○今村委員 正直申し上げて、いま先生から日医という話があったのですが、日医の中も、 担当が感染症対策であったり、救急対策担当であったり、縦割りになっているわけです。 ○高田座長 日医の中が。 ○今村委員 もともと。 ○高田座長 役所なみになったら困るじゃないですか。 ○今村委員 ですから、昨日もその話で日本医師会として何をどう全体としてやるかという ことを、ちょうどその議論を始めようという話になっているところだったのですけれども、 産業保健の分野でこの話が今日このように出ていて、あっと思ったので発言させていただき ました。 ○高田座長 そうですか。大変ありがとうございます。そういうことですが、大体このよう なことでよろしいですか。  4番目にいきましょう。4番目は、地域の各種関係者とのネットワークの課題で、2つあ ります。これは例の精神科医、あるいは産業保健スタッフとの連携の問題と、こういう人々 の積極的な活用という意見が出ています。これについては何かございますか。本当にネット ワークの課題は、一応いるのですけれども、研修も1万1,460人とか、精神科医も1,646 人、これはまだやっているのでしょう。何かありますか。 ○島委員 1つ検討課題になると思うのですけれども、例えば私も自殺の関連で動いていて、 京丹後市というところで、自殺が増えて問題になっているのですが、精神科医が1人もいな いのです。実際それは大きな問題なのですが、精神科医の人が地域において偏りがかなりあ るのです。京丹後市、京都の最北部に京丹後市があるのです。そこは自殺が2倍ぐらい増え ているので、非常に問題になって、ちょっとそこに関わっているのです。何でその話をして いるかといいますと、精神科医等のところにどこまで入れるかなのです。プライマリーケア の先生方も当然、当然と言いますか、メンタルヘルスとかもある程度やっていただけると思 いますので、「等」のところをどこまで考えるかということを、少し論議していただきたい なと思っているのです。  精神科医だけではとてもまかない切れないので、是非プライマリーケアの先生方に対して も、メンタル教育を行って、ある程度の対応をしていただきたいなと、そこは産業医も同じ ですけれど。精神科医だけでは難しいと思うのです。そうすると、心療内科医が出てくるの ですが、心療内科医は非常にこう、定義がはっきりしないところがありますので、むしろプ ライマリーケアの先生方にある程度精神医学的な知識、技術を持っていただくということが 必要なるのかなと思っています。これは日医の問題ではないのですけれども。 ○高田座長 これはむしろ、矢口先生、山崎先生は。何か実際にこういう活用しなけれはな りませんね。漆原先生、何かご意見ございますか。 ○漆原委員 地方に行けば行くほど、産業医の先生の不足とか、あるいは精神科医で、相談 できるところの不足ということが、実は私のほうにも上がっております。例えば北海道です と、これからそういう先生を探すのは難しいと。いまいる先生も法定で決められた産業医の 仕事を全部やっていただけるかというと、そうではなくて、結構忙しいというのが実際のと ころです。どこまで職場を見ていただけるかというところの、委託費の問題があろうと思う のですけれども、そういった問題があって、地方に行けば行くほど、その先生の不足という のは出てきているんだなという感じは持っています。他方、地方の出先のところに行って、 地産保センターを知ってますかというと、ほとんど知らないというところがありますので。 ○高田座長 本当ですか。 ○漆原委員 私どものアンケートを3年に一度ごとにやっているのですが、実はあまり認知 度が高くなくて、そういったところを経由して、産業医の先生を探すこともできますよとい う話もしているのですが、もともと医者の数が少ない中で、それが本当に可能なのかという のが、いま評価が割れているところです。課題(2)とも関係するかもしれないのですけれ ども、できるだけ多くのスタッフの確保というか、あるいは精神科医の研修を受けたプライ マリーケアのできる先生の数が多いと助かるなということなのかなと思います。 ○石渡委員 いまと関連するのですが、一方では自殺予防対策で都道府県全部ではないので すが、神奈川について今年から、プライマリーケアの先生を対象にして、ゲートキーパーの 教育プログラムの教科書の編集が始まっていまして、秋から郡市医師会主催で、県医師会と 委託するらしいのです、県が。県が県医師会に委託をして、郡市医師会が主催してやるとい うのが秋からスタートする予定です。それをうまく利用するというのを、これとの関連はど うなるのかですが、私は引っ張り出されているので、認定作業でくっ付けて産業医の先生に そこに行ってもらうのは邪道ではあるけれども、プライマリーケアのノウハウを身に付ける という意味では悪くはないのかなと思っています。そこら辺はまだ言っていませんが。ただ、 そういう方法が一部に流れています。予算の規模があるから全部ではないはずですよね、ス タートするのは。いくつかだというふうに聞いているのですが。 ○島委員 全都道府県じゃなかったですか。 ○石渡委員 全部ではないと聞いているのですけれども。 ○島委員 違いますか。 ○事務局 自治体でやるということになっているのですが、47都道府県と主要都市、政令 指定都市。 ○石渡委員 横浜は何か乗り遅れたから駄目だとかって、今年は駄目だって話は聞きました よ。何かもう締め切ってしまったあとだから、来年になるかなというような話を聞いている から、全部ではないのかなと私は理解したのです。そういう話もあるとなると、その辺もど のように整合性をしていって、一緒にするのかしないのかとかいう、目的は違いますけれど も。 ○鈴木労働衛生課長 課の中でもその話もあって、優先的に受けられるように、各自治体に お願いしようかなという話があったのですけれども、確かに目的が違うにしても、目指すと ころは同じわけですから、要するに特別枠を設けなくても、積極的に産業医の先生に参加し ていただくとか、そういうことは最低限したいなと思っています。先ほどのメンタルヘルス 対策支援センターで、島先生が個別対応をやるかどうかというあたりの投げかけにも若干絡 むのですけれども、専門医とか、産業医の中でも、よく知っている方といったら本当に地方 では限られるので、その他の職種なのか、国家資格でなくても、関係者はいると思うのです けれども、そういった方に、ある一部の業務をお願いするというのはあり得るのかどうか、 いわゆるコメディカルの活用ですね。 ○高田座長 コメディカルの活用。 ○鈴木労働衛生課長 それはこの分野においては、いろいろ歴史的経緯があるようなので、 私はうかつに、提案という意味ではなくてご質問として。 ○高田座長 例えば臨床心理士とか。 ○鈴木労働衛生課長 そうですね。 ○島委員 ずっとセンシティブな問題は10年近く続いていますが、この分野は難しい。こ こは触れないほうがいいと思うのですけれど、ことに心理学に関しては、いまちょっと触れ ないほうが無難だと思います。 ○高田座長 難しいので、私が言うと何かあれだけど。 ○鈴木労働衛生課長 例えば一般的な災害時の心のケアとは違う話ですよね。 ○高田座長 PTSDはね。まあ、わかりました。それでは、最後のところに移ってよろしい でしょうか。5番、地域保健との連携(地域・職域連携推進協議会の活用促進)についてと いうことで、こういう課題が出ておりまして、それについては、この委員会の中では、地域・ 職域連携推進協議会の運営について、事業者団体等の協力を求める、今日はまさにお見えに なっておりますので、事業者団体との協力を求めるとか、具体的に例としてどんどん挙げて いただく必要があるのではないかなということが、必要だと思いますが、何かこれについて ご意見ございますか。 ○今村委員 これは前回もお話したように思うのですけど、地域・職域連携協議会の運営そ のものは、基本的に自治体がおやりになっているわけです。そちらの自治体のほうが、事業 者に対して参加してくださいと言って、それでも参加されないということであれば、こうい うふうにして事業者団体に協力を求めるということの意味が出てくるのですが、そもそも自 治体自体の取組が全くはっきりしていなくて、一部のところでしか、協議会を活性化させて いないように理解をしていて、その活用促進といっても、我々の側からそういうふうに書い ていいのか、働き掛けるということはあるのかもしれませんけれども、主体的にそれができ ないというもどかしさがあるのですけれども。 ○高田座長 これはどうですか。 ○鈴木労働衛生課長 これを読んでというか、今回再整理して、もうちょっと自治体ごとの 実状とか、温度差があったら、従来はどちらかというと地域保健では限度があって、特に中 高年男性というのはなかなか手が付けられない、職場のほうで管理しているので、そこでも どかしさがあって、ラブコールはむしろ自治体から職域に落着いたのですけれども、必ずし もこういう協議会の制度ができて、十分に必要な人たちを集めて、熱心にやっているかとい うと、それはちょっと疑問になるのです。いくつか実態調査は難しいにしても、うまくやっ ている事例や、あるいは2次医療圏ごとではどうかということを把握してから。本庁が頑張 っていても、また保健所長のマネジメントによっては、違う面もあるのかと思いますが、そ れを調べてからまた、ご議論いただいたほうがいいのかなと思います。 ○高田座長 なるほど。今日は3回目で、今日のまとめみたいなものを作って、4回と5回 もありますから、それは1つの今後のためにそういう審議をしましょう。その他、これも、 具体的な方策についても検討が必要ではないかと、これはまさにそのとおりなのですが、ご 意見はありませんか。 ○圓藤委員 前の3頁のところで、事業者相談機関、産業医、主治医等専門機関のネットワ ークの形成というのは非常に大事であると。これはいろいろな問題に関してそうだと思うの です。特に問題は50人未満で、産業医が専任されていないようなところをどうするのか。 例えば個別にメンタル不調の人がいたと。そうした場合、事業主も困れば労働者も困るし、 主治医も困るし、みんなが困る。そういう問題に対して、みんなでどのようにカバーし合っ て対応していくのかというお絵描きがいると思うのです。50人以上の事業所でしたら、産 業医を中心にこういう関係を構築するということをできるのですが、50人未満のところは、 その代わりになるもの、例えば事業主といってもいろいろな方達がおられます。そういうの は商工会議所とかを中心として、一定の方向を持っていただくような運動作りをしてし、労 働者のほうに関しては、労働組合をバックアップして、労働者の立場に立って、何かするよ うな支援する政策をし、それを地域の中でネットワーク作りができないだろうということを 言っているのですね。そうしないと、個別事例に当たり出したら大変なのですが、個別事例 になる前に、1つのシステム化というものを考えていただければありがたいと思います。 ○高田座長 これは、矢口先生、圓藤先生も、関西のほうだから、関西商工会議所がえらい 熱心にメンタルについていろいろやっているのですよね。 ○圓藤委員 そうです。そういう流れで、事業者あるいは労務担当者に対しての講習会を開 催するわけです。そういうのを推進センターが中心になってやればいいし、労働組合の人た ちについても、理解してもらうような会を持ってはいかがかと思います。立場が違いますの で、同じほうにいくとは限りませんけれども、これはお互いが集まってディスカッションす れば、解決する方向にいくのではないかという気がしますので、もっとそういうのを地域ご とに構築できればと感じております。 ○矢口委員 どういう感じでできるかというのはわかりませんけれども、なるべくご協力し ていい方向に持っていきたいと思います。 ○島委員 少しお伺いしたいのですが、東京商工会議所の確か文京支部で、去年メンタルに ついて、事業者向けの相談会を開いておられますよね。 ○矢口委員 ちょっと文京支部のことは申し訳ないです。たぶんいろいろな支部でいろいろ な活動をしております。 ○島委員 やっておられて、社労士の方を中心にやっておられるようなんです。そういう話 がありますので、少し動きは広がってきているのです。かなり盛況だというふうに聞いてい ます。 ○矢口委員 私が葛飾におりましたときは、保健所さんと一緒に、心の健康作りのための環 境作りの報告書などを一緒に取りまとめをさせていただきました。 ○漆原委員 労働組合のほうも、実は毎年各地でメンタルヘルスの対策の話ですとか、具体 的に地域ごとの実状を聞いて、紹介できる先生がいた場合は、地産保とかの紹介を当然しな がら、対応をしております。年に1回は全国で集まって、関係者を集めて具体的な話をいた します。それとはまた別に個々の産業別組織ですから、地域ごとに作業カウンセラー協会さ んと協力をしながら相談体制を作るですとか、自殺の話で言えば今度9月10日の予防デー も、産業カウンセラー協会さんと一緒に相談体制を作るとか、そういった形ことはやってお りますが、組合以外のところに踏み出してここで何か交流をするかというと、実はそこまで はやっていないというのが実状です。それがもし可能であれば今後検討していきたいと思う のですが、いまはなかなかそこまでいっていない状態です。 ○高田座長 ありがとうございました。そのほかに、いま大変いろいろなご意見をいただき ましたが、その他のところでございませんか。 ○島委員 圓藤先生がおっしゃった50人未満の事業所をどうするかということで、メンタ ルヘルスに関しては、新指針で事業所のメンタル推進担当者というのを新たに設けています ので、事業場の規模を問わず、全事業場となっていますので、それが本当にうまく活用でき ればいいなと思っています。 ○高田座長 それは各地域ごとに。 ○島委員 事業場単位です。 ○高田座長 事業場単位ですね。 ○島委員 事業場内のメンタル推進担当者というようなことを新たに作っていますので。 ○高田座長 それはどこが作っているの。 ○島委員 新指針に書いてあるのですよね。これからだと思うのですが。 ○高田座長 何かありますか。それでは、一通り今日の事務局のほうで先生方のご意見を踏 まえて、このようにまとめましたものにつきましては、大変にいろいろとご意見をいただき ましたので、またこれをまとめて、これはあとどうするのですか、次回ですか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 またこれをまとめて、中間的なとりまとめ案として事前に できればご送付させていただきたいと思います。 ○高田座長 というふうにいま考えていますので、次回の中間的な取りまとめ案を作成をす るということになりましたので、よろしくお願いをいたしたいと思います。次回はいつです か。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 次回につきましてはこれも取りまとめの日程と、私どもは 9月の末に、統計情報部で5年毎にやっています労働省の健康状況調査などという新しい知 見が出てきたときに、それらのデータと共にいままで積み残しになっている課題等をお示し て、それを議論いただくということで、少しお時間をいただいて、別途日程調整をさせてい ただきたいと思います。時期としては調査が出たあと、10月の頭ぐらいで、どうかなとい うふうにこちらとしては考えています。 ○高田座長 いまのお話はちょうど国のほうで労働者の健康状況調査の結果が出てくるの で、それらを踏まえてということを考えて、10月にやりたいということなのだそうですが、 そういうことで、10月の日程はご意見を伺うということでいいですか。それでは大体いま のようなことで、次回は10月に先生方のご意見を伺って、今日のまとめた案はどうするの ですか。 ○小澤主任中央労働衛生専門官 基本的に事前にお送りさせていただいて、その場でご意見 をいただいた上で、できれば取りまとめ案としてご承認いただけるような方向に持っていき たいと、事務局としては思っています。 ○高田座長 そういうことだそうですが、よろしいでしょうか。その辺のことについては、 事務局と私のほうで相談をして、先生方のご意見をいただいたものについては、検討させて いただいて、事務局案としてまとめさせていただくということでよろしいですか。今月はこ ういうことで、事務局によくまとめていただいて、早く済みました。ありがとうございまし た。 照会先:労働基準局安全衛生部労働衛生課 電話03-5253-1111(内線5496)