08/08/05 第38回独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第38回) 開催日時:平成20年8月5日(火)13:00〜 開催場所:厚生労働省専用第21会議室(17階) 出 席 者:田村部会長、鈴木部会長代理、市川委員、岩渕委員、政安委員、武見 委員、田宮委員、中村委員 ○田村部会長  ただ今から第38回独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただき ます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にあり がとうございます。本日は、酒井委員、清水委員がご欠席でございます。  本日の議題は、お手元の議事次第のとおり、医薬基盤研究所の平成19年度業務 実績に関する個別評価を行います。  議事に入ります前に、独立行政法人の業務マネジメント等に係る国民の意見募 集の結果等につきまして、事務局からご報告がございます。よろしくお願いいた します。 ○政策評価官室長補佐  国民の意見募集についてですが、7月3日に各法人の業務報告書等を電子政府の 総合窓口に掲載し、7月14日に意見を締め切りました。12日間という期間で意見 募集をしたところ、今回評価を行っていただく医薬基盤研究所については、本件 に関わるご意見は寄せられなかったことをご報告いたします。  それから、委員限り資料として机上に配布しておりますものが3点ございます ので、説明させていただきます。  まず1点目は、昨年度の部会でもお配りしておりました、独立行政法人医薬基 盤研究所の雇用環境についてです。  2点目は、前回の本部会において岩渕委員よりお求めがありました、3法人の平 成19年度の随意契約リストでございます。  3点目が、医薬基盤研究所の共同研究内訳のリストです。なお、共同研究内訳 のリストについては、議事終了後回収とさせていただきますので、お持ち帰りい ただきませんようお願いいたします。  なお、座席に置かせていただきました本は、生物資源バンクについての本でご ざいます。ご参考までにお配りいたしております。  以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。  それでは、医薬基盤研究所の個別評価のほうに入らせていただきます。最初に 山西理事長からご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。 ○医薬基盤研究所理事長  医薬基盤研究所の山西です。どうぞよろしくお願いします。  当研究所は3年が過ぎまして、今年の4月から4年目の中間点を過ぎております。 ご存じのように、この研究といいますのは、創薬というのが我々の目的でありま して、その創薬のために今のところ3つの大きい柱で動いております。1つは基盤 的な研究を行う部門、それから生物資源の部門、もう一つはいわゆる資金を提供 する部門と、3つに大きく分かれて、今まで業務を行ってまいりました。特にこ の研究所は産官学の連携を重要な任務としておりまして、以下に述べますけれど も、この点におきましても十分な成果を得られたと我々は思っております。  また、現在、次期の目標、計画を作成を始めておりまして、このときには皆さ んご存じだと思いますけども、健康・栄養研究所の合併という問題も起こりつつ あります。  以下、簡単ではございますけれども、19年度の成果につきまして簡単にご説明 いたします。詳細は、また後からご説明いたしますので、よろしくお願いいたし ます。  まずこの、先ほど言いました3つの部門の共通的な事項でありますけれども、 まず一番が成果の公表であります。19年度におきましては、査読つき論文の掲載 が98報に至りまして、中期目標の最終年度における目標であります年間60報とい うのを大きく上回りました。このため20年度は、目標を年間100報に引き上げて 行う予定であります。そのほか、特許の出願数とか学会発表数、それから一般公 開の来場者の成果の公表、普及に関しまして著しく発展がございました。  2つ目は、ワクチン開発研究機関協議会というものを立ち上げ、我々が主たる 役目を行いました。これは社会的な要請を含めまして、業務実施の面から、平成 19年3月に厚生労働省が作成した、ワクチン産業ビジョンというものがございま すけれども、この中の、ワクチン開発の基礎研究を行う研究機関の代表から構成 されておりますワクチン開発研究機関協議会というのを設立いたしまして、当基 盤研究所のその事務局となりまして、今後このワクチンの開発、啓蒙の活動を行 いたいというふうに思っております。  3つ目がNMR施設も設置されました。このNMRの施設というのは、たんぱく質な どの構造や性質を調べるための分析装置でありまして、この施設を設置いたしま した。この施設を使いまして、この基盤研究のプロジェクトにこれを使用すると ともに、今後、製薬企業との外部利用の促進を図るところでございます。  4つ目が、連携大学院の充実でありまして、今まで複数の大学と連携大学院の 協定を結んでおりましたけれども、平成19年度は新たに三重大学医学系研究科の 間で協定を締結いたしまして、現在のところ連携大学院の実施数というのは、3 つの大学、3大学、6講座となりました。  今のは共通的な事項でありますけれども、今度は、先ほどの3つの柱について 簡単にご説明いたします。  まず、第一に基盤的研究の関係でございますけれども、この研究所におきまし ては、独立行政法人としての特徴を生かした産学官の連携につきまして、共同研 究プロジェクトが2つ動いておりました。1つはトキシコゲノミクス・インフォマ ティクスプロジェクトでございます。これに関しましては、18年度で第1期が終 わったわけでありますけれども、19年度からはこのトキシコゲノミクス・インフ ォマティクスプロジェクトというのを開始、行いました。これは、製薬企業14社 との参加を得まして、5年間のプロジェクトとして動いております。この研究の 目的といいますのは、医薬品の人への安全性を確認するための物質、いわゆる安 全性のバイオマーカーの探索、それから人への副作用の発生をより高い精度で予 測するという手法の開発でございます。  2つ目は、ヒト試料を用いた疾患関連たんぱく質の解析研究でありまして、こ れは、第1期が19年度で終わりまして、本年度、20年度から新たなプロジェクト が立ち上がりました。この、第1期におきましては、疾患と特異たんぱくの関連 性をデータベースを完成するとともに、合計172種類の新規の疾患関連たんぱく 質を見いだすことができました。20年度からでありますけども、いわゆるバイオ マーカーの探索ということで、この2つの研究が、ヒューズして行うような研究 が現在進んでいるところであります。  ここの基盤研究部のプロジェクトにおきましては、多くの成果を得られること ができましたけれども、特に免疫応答制御プロジェクトという、いわゆるアジュ バントの研究を新たに19年度から立ち上げることができました。これは、将来、 感染者のみならず、いろんなものに対する、ワクチンのときに必要なアジュバン トの開発を行う基礎的な研究を行う部門であります。  それ以外では、新世代のワクチン、抗ウイルス剤の開発基盤研究、これにおき ましては、いわゆるウイルスをベクターとする研究が進んでおりますし、それか ら、遺伝子導入技術の開発とその応用ということで、従来の100倍以上の遺伝子 導入効率を有するアデノウイルスのベクターというのを開発することができまし て、これはまた後から述べますけれども、将来iPS等の研究に役立てるというふ うに思っております。  2つ目は、生物資源関係でありますけれども、ここにおきましては、メディカ ルバイオリソースデータベースの整備を行いました。これは国内外の様々な研究 が保有しているヒトや疾患に関する生物資源の所在情報というのをデータベース 化することによって、生物資源の活用を促進し、創薬や臨床研究に生かそうとい うものでございます。もちろん、この利用に関しましては、倫理的課題の検討も 行うこととしております。このような研究開発のインフラ整備に関する事業も、 独立行政法人に期待されている機能で、基盤研ならではの事業だと思っておりま す。  今後は、人、試料のコレクション、それから、京都大学の山中教授が開発され たiPS細胞の開発研究を組み入れた研究を計画を、今、立てているところでござ います。  3つ目の部門であります、研究開発振興関係でありますけれども、ここにおき ましては、特にいろんな基礎研究のところにファンドを出しておりますけれども、 新聞等でご存じのように、京都大学の山中教授のところにもファンドを出してお りまして、著しい成果が上がったということでございます。  それから、事業の改善でありますけれども、平成19年度に事業化研究支援事業 において、収益性評価部会というのを新たに新設いたしまして、収益性の観点か ら定量性評価を導入するなどの評価の仕組みの改善を行って、実用化の可能性と 収益性が高い案件を採択するようにいたしました。また、基礎研究推進事業にお きましては、指導助言機能というのを強化いたしまして、研究計画の重点化、絞 り込みなどの指導を行いまして、今後の成果が見込まれないような研究は中止す ると、エンカレッジするとともに、中止することもあり得ると、このような基礎 研究の推進事業を強化するということを行ってまいりました。  非常に簡単でございますけれども、さわりを説明いたしましたので、これから より詳しいことをご説明いたします。どうぞよろしく評価をお願いいたします。 ○田村部会長  ありがとうございました。  これからの進め方でございますが、23日の本部会での説明にもございましたよ うに、個別評価におきましては、全体を4または5のグループに分けまして、評価 を行ってまいります。医薬基盤研究所の個別評価につきましては、評価シートの 個別項目を4つのグループに分け、さらに業務実績評価判定資料を1グループとい たしまして、合計5つのグループをグループごとに評価を行ってまいりたいと思 います。  まず、グループ1について評価を行います。所要時間でございますが、法人か らのご説明が12分ぐらい、委員の評定と質疑につきましては15分ぐらい、合計27 分ということで進めてまいりたいと思います。  それでは、法人からのご説明をよろしくお願いします。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  企画調整部長の木下でございます。説明に当たりましては、申しわけありませ んが、着座して説明をさせていただきたいと思います。  資料1-1につきましては詳細な評価シートでございますが、これを要約しまし たものとして、お手元にカラーで作成しました資料1-4という説明用資料がござ いますので、こちらの説明用資料をご覧いただきながらご説明をさせていただき たいと思います。  まず、パート1のところになりますが、こちらのほうについては、業務運営の 効率化等全般的事項についてのご説明でございます。  1枚おめくりをいただきまして、3ページのところをご覧いただきたいと思いま す。評価シートの1番でございますが、左上に「評価シート1」と書いてございま すが、これが資料1-1の評価シートの該当ページを表しております。そこをご参 照いただければと思います。  3ページについては、機動的かつ効率的な業務運営の概略ということでござい まして、業務管理体制の強化、トップマネジメントと、目標管理と評価による進 行管理の充実さらに業務・システムの最適化、データベース化の推進についてご 説明をさせていただきます。  4ページをご覧いただきたいと思います。こちらのほうについては、業務の効 率化のためのプロジェクトチーム制の強化ということでございまして、平成19年 度は免疫応答制御プロジェクトを新たに立ち上げております。  次に、5ページをご覧いただきたいと思います。こちらは当研究所の俯瞰図で ございますが、こちらの絵にございますとおり、革新的医薬品医療機器創出のた めの5カ年戦略でございますとか、ワクチン産業ビジョン、BT戦略、医薬品産業 ビジョン、医療機器産業ビジョンなど、国の施策に基づきまして私どもの業務が 運営されていることがお分かりいただけるかと思います。研究型独法の役割でご ざいます国の政策課題の解決に向けての研究開発への取組ということが分かりや すく記載されていると思います。  次に6ページでございますが、業務管理体制の強化、トップマネジメントの関 係でございます。トップマネジメントといたしましては、幹部会、将来構想検討 委員会、リーダー連絡会を通して、理事長による直接管理を実施しております。 また、効率的な業務運営の関係としましては、各種内部委員会としまして、内部 評価委員会、人事委員会、各種実務委員会などが設置されております。また、外 部の有識者による各種外部委員会もございまして、運営評議会、外部評価委員会、 研究振興業務関連委員会、研究倫理審査委員会など、公正な判断、透明性の確保 をこちらの委員会のほうで行っております。  1枚おめくりいただきまして、7ページをご覧いただきたいと思います。こちら のほうでは、当研究所におけます評価・進行管理の概略、年間の図を書いており まして、外部評価、内部評価、個人評価のそれぞれについて、評価・進行管理が 行われております。  その次の8ページをご覧いただきたいと思います。これは、所内共用LANシステ ムの活用ということでございまして、現在までに設置されておりますLANにつき まして、19年度からは、共用LANシステムを外出先においてアクセス可能にする という改善を行ってございます。  以上の内容をもちまして、評価シート1につきましては、A評価とさせていただ いております。  次に、9ページのほうをご覧いただきたいと思います。評価シートの2の関係で ございますが、業務運営の効率化に伴う経費節減関係でございます。  10ページのほうをご覧いただきたいと思います。一般管理費関係でございます。 平成17年度予算を基準に効率化係数で3.2%の削減を達成しておりまして、19年 度決算は、19年度予算に比べまして98.1%と、目標としております削減率を達成 しております。これは、各種削減努力としまして、タクシー利用額の減少ですと か、契約を複数年契約に変えるですとか、こういったような努力の結果達成され たものでございます。  1枚おめくりいただきまして、11ページをご覧いただきたいと思います。給与 水準の関係でございますが、こちらのほうにつきましては、ラスパイレス指数の 関係でございますけれども、対国家公務員、行(一)との比較でいきますと、私 どもは104.2、研究職で比較をいたしますと、96.1%となっております。また、 対他法人、ほかの研究所ということになりますが、対他法人との比較ということ になりますと、事務・技術職で96.7、研究職員94.7となっております。このうち、 対国家公務員(行(一))の比較で104.2を超えているところの原因ということ でございますが、当研究所の事務職員のほとんどが、平均給与額が高い国の本府 省の出向者ですとか、管区機関からの出向者でございまして、国家公務員全体で 平準化をいたしますと100を超えてしまうということでございますが、同じ組織 区分での比較をいたしますと、11ページの参考にも記載されておりますけれども、 対本府省では98.4%、対管区機関では93.6%となっておりまして、いずれも100 を下回っている状況でございます。詳細につきましては、後ほど業務実績評価関 係資料でご説明をさせていただきます。  次に13ページをご覧いただきたいと思います。人件費の関係でございます。人 件費につきましては、支給総額が前年度と比較いたしまして1.7%の減少となっ ております。私どもは17年度に発足をいたしました新しい独立行政法人でござい ますので、私どもの中期目標達成のために新規プロジェクトの立ち上げを順次実 施しているところではありますが、その立ち上げに当たりましては、プロジェク ト研究員、派遣職員、非常勤職員等の活用によりまして、常勤職員数を抑制する ように計らっておりまして、中期計画で定めております削減率、4年で4%という ものでございますが、こちらの実現に向けて努力をしておりますところでござい ます。  14ページのほうをご覧いただきたいと思います。こちらは事業費の関係でござ います。平成17年度予算を基準にいたしまして、効率化係数1.02%の削減を達成 しておりまして、19年度決算は19年度予算に比べまして、93.8%となっておりま して、削減率を達成しているという状況でございます。こちらのほうは、機器購 入の効率化など購入費用の削減によりまして達成しました成果でございまして、 詳細につきましては、後ほどパート4のほうでご説明をさせていただきたいと思 います。  1枚おめくりいただきまして15ページになります。こちらは、医学用の霊長類 繁殖育成事業(委託事業)の関係でございますが、平成18年度までは随意契約に より実施しておりましたが、透明性を確保する観点から、一般競争入札へ平成19 年度からは移行しておりまして、業者の選定基準等を定めまして、入札審査委員 会による公正な評価を実施いたしました結果、平成18年度契約と比べまして 281.6万円の削減を達成しております。  次に16ページをご覧いただきたいと思います。社会的・政策的要請への対応と いうことでございまして、こちらはワクチン産業ビジョン、こちらは国のほうで 策定をされました産業ビジョンでございますが、その中でワクチン研究開発の促 進というご指摘をいただいておりまして、私ども基盤研理事長の山西が強いリー ダーシップをとりまして、ワクチン開発関係機関を統合いたしまして、ワクチン 開発研究機関協議会の設立に至っております。構成メンバーといたしましては、 私ども基盤研のほかに、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、大阪大学微 生物研究所などが加わっておられますほか、オブザーバーとしては、厚労省のほ か、PMDA、細菌製剤協会、製薬協、こういったようなところが入っていまして、 ワクチン開発の普及ですとか研究の推進、こういったようなところを図っており まして、まさに基盤研としての大きな成果を上げたのではないかと考えておりま す。  次に17ページをご覧いただきたいと思います。基盤研の業務の3つの柱のうち の1つの生物資源研究推進事業でございますが、こちらについては、平成19年度 より厚労省より補助金を受けまして、この分野の生物資源研究分野の推進事業を 実施しておりまして、事業の内容といたしましては、外国人研究者招聘事業、外 国への日本人研究者派遣事業、リサーチ・レジデント派遣事業等を実施しており ますが、採択の結果、実際に19年度行いましたものとしては、外国人研究者の招 聘事業が3件、レジデント派遣事業が3件ということになっております。  次に18ページをご覧いただきたいと思います。公的研究費の不正使用等の防止 の関係でございますが、昨年度に引き続きまして、公的研究費の不正使用等防止 に関する体制整備を図っておりまして、今年度は文部科学大臣が定められました 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基 づいて各種措置を実施しております。  以上のような結果をもちまして、シート2につきましては、A評価とさせていた だいております。  次に1枚おめくりいただきまして、評価シートの3、19ページのところになりま すが、戦略的事業展開、外部評価の関係でございます。  まず、20ページをご覧いただきたいんですが、当研究所におきます外部評価の 実施といたしましては、大きく3つございます。まず、1つ目が研究所の業務運営 全般についての提言ということで、運営評議会が行われております。この運営評 議会は公開で実施をしております。また、研究所が自ら行う研究業務の評価の関 係でございますが、基盤的研究等外部評価委員会を従来から設置しておりました が、平成19年度よりは、専門性の高い評価をさらに実施するために基盤的研究分 科会と生物資源研究分科会を設置しております。さらに、3つ目の外部評価の関 係になりますが、研究振興業務における資金配分機関としての評価の関係ですが、 基礎的研究評価委員会と、実用化研究評価委員会、この2つの評価委員会を設け ております。  21ページをご覧いただきたいと思います。こちらは、所内における研究情報の 交換・共有化ということですが、平成18年度まで実施しておりましたプロジェク トレベルでの研究発表に加え、平成19年度からは研究者レベルでの研究発表を実 施しております。所内研究発表会という形の実施でございますが、これによりま して所内における研究連携の強化が図られております。  具体的な共同研究の例としては、22ページをご覧いただきたいと思います。  以上の内容をもちまして、評価シート3についてはA評価とさせていただいてお ります。  1枚おめくりいただきまして、評価シート4、23ページ以降になります。情報公 開、成果の普及及びその活用の促進ということになりますが、ここでは各種監査 業務の実施、業務内容・成果の公表というのが2つの柱になっておりまして、24 ページは、内部監査・内部統制の強化の関係でございます。こちらについては、 独立行政法人整理合理化計画によりまして、独法におけます内部統制の強化が求 められておりまして、それに基づく内部監査・内部統制の強化充実の関係でござ います。内部監査の関係といたしましては、業務プロセスの確認、統一的な規定 やマニュアル類の確認などを実施いたしましたほか、内部統制の関係としまして、 公益通報・相談窓口等の整備等の実施をしております。  次に25ページをご覧いただきたいと思います。25ページは、ホームページのア クセス件数の増加の関係でございますが、当法人平成17年度に設置された新法人 であるにもかかわらず、19年度におきましては140万件のアクセスがございまし た。これは、年度ごとに順次増えておりますところでございまして、私どもの世 間に対する周知が図られているのかなと思っております。  26ページがホームページデザインの変更ということでございますが、世界初の 性能を持ちましたNMR棟の研究施設の設置ですとか、先ほど理事長よりご説明を させていただきました京都大学の山中先生のiPS細胞関連情報の広報、こういっ たことをホームページのデザイン変更で実施をしております。  1枚おめくりいただきまして、27ページ以降のところをご覧いただきたいと思 います。  27ページは一般社会への情報公開という観点でございますが、私ども医薬基盤 研究所は大阪府の北部の山の中にございまして、非常にアクセスの悪いところで ございますが、それであるにもかかわらず、大阪本所の一般公開では917名にも 及ぶ方々のご来場をいただいておりまして、とてもよいという、またはよいとい うアンケートの結果を全体の85%でいただいておりまして、参加型企画の充実を 図っております、それ以外に支所といたしまして、つくば薬用植物資源研究セン ターの一般公開ですとか、施設全体の見学、これは国内外の政府機関ですとか大 学、企業の方々などの見学の受け入れを790名に対しては行っておりますほか、 各種学術フォーラムの開催も行っております。  次に、専門家の方々に向けての情報公開の関係になりますが、28ページをご覧 いただきたいと思います。28ページにつきましては、査読付きの論文の掲載件数 を年度計画では60報ということにさせていただいておりましたですが、19年度に は98報の論文を公表しております。また、特許の出願数につきましては、5年間 の累計、中期計画5年間の累計で25件ということでございましたのですが、19年 度には9件の特許出願をしておりまして、累計で申しますと19件となっておりま して、中期計画の目標が達成できるめどがついたというところでございます。ま た、学会発表件数については274件ということで、積極的な情報提供を行ってお ります。  次に、29ページになりますが、ハトムギの新品種「北のはと」の実用化に向け た研究でございまして、これは私どもの研究所の中にございます薬用植物研究セ ンターで開発をいたしました新品種でございまして、極早生の品種であるために、 寒冷地でも栽培が可能であるほか、北海道では無農薬かつ粗放的な栽培が可能と なっておりまして、高付加価値、低コスト栽培を実現する品種として期待をされ ております。むろん、種苗法に基づきます農水省への登録も行っておりますし、 お隣の韓国への登録も行っておりまして、実用化に向けては企業・自治体・農家 との連携強化を図っております。  写真にございますものは、「北のはと」を用いてつくりました薬膳弁当でござ いますが、これ以外に化粧品、焼酎、味噌・醤油等の商品開発についても行って おりますところでございます。これは、なかなか大学でもできないことでござい ますしょうし、企業でもなかなかできないということで、独法たる基盤研だから こそできた成果ではないかと考えておりまして、以上をもちまして、評価シート 4につきましては、自己評定をSとさせていただいております。  次に30ページ、評価シート5、外部研究者との交流、共同研究の推進等の点で ございますが、こちらのほうについては民間企業との共同研究の推進を行ってお りまして、37社に及びます共同研究を行っております。また、連携大学院の実施 といたしましては、19年度には新たに三重大学医学系研究科との協定書を締結し てございます。  また、NMRにつきましては次のページでご説明させていただきますが、産業界 との健全な協力体制の構築ということで、公正性・中立性の観点から所内審査体 制の下、右側の表にございますとおり審査を実施してございます。  31ページをご覧いただきたいと思います。こちらのほうでは800MHzNMR施設の 設置ということでございまして、この機械については国内最高級の超高磁場、超 感度検出器を備えましたものでございまして、世界初のオンラインでエキクロ試 料分析計とつなぎましたNMRになっておりまして、オートサンプルチャンジャー を装備しておりますので、大量の試料につきましてモニターすることが可能とい うことになっておりまして、基盤研で研究として使う以外に、製薬企業等の外部 利用についても促進を行っておりまして、平成20年度より外部利用の促進のため の試用期間を設けるなどの施策を実施する予定としております。  評価シート5につきましては、以上をもちましてA評価とさせていただいており ます。  グループ1につきましては以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートへの評定 等の記入をお願いいたします。  質問等ございましたら、適宜にご発言いただきたいと思いますが、いかがでし ょうか。 ○鈴木部会長代理  査読付の論文のリストを拝見しました。数だけではなくて質的にも大変すばら しい成果をお上げになったと私も思います。98報あります査読付の論文の中で、 91番について、1つ質問をさせていただきたいと思います。  ここでは、サルのトランスサイレチンアミロイドーシスが報告されております が、これは研究所の霊長類医科学研究所で発見されたものなんでしょうか。91番 です。これは継代できるんですか。ヒトのアミロイドーシスを研究していらっし ゃる方々は、特に注目すると思います。 ○医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター長  今のところ、担当の症例報告が、家系性等々を言えることで、自然発症例とし てこれは報告させていただきまして、今のところ人工的にできるというエビデン スはありません。ただ、ここのサルというのは全て家系コントロールされており ますので、そのバックグラウンドを現在調べているという段階であります。 ○鈴木部会長代理  期待しております。ありがとうございました。 ○市川委員  連携大学院の活動を盛んにされていて大変結構だと思うんですけれども、今ま でも既に2大学をされていたと思うんです。今度三重大学で3大学ということで、 非常に活発にされていらっしゃるの、その数字的にどのぐらいの院生、あるいは いろんな、ポスドクでもいいんですけれども、そういう方が育っていったかとい うか、あるいはそれとつながって仕事をされていらっしゃるかという実数みたい なものがもし分かれば、その活発さというのが理解できるのではないか。細かい 数字はいいですから、ざっとで結構です。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  それではご説明をさせていただきます。大阪大学関係につきましては、平成18 年度の受け入れ学生数は5名。失礼しました。こちらのほうは応用医学薬学関係 でございますが、それとたんぱく情報科学講座のほうで1名と、計6名になってご ざいます。これは19年度の実績でございます。 ○医薬基盤研究所理事長  ちょっとプラスさせていただきますけれど、連携大学院で、大学院生の話なん ですけれども、学生は実は随分、特に大阪大学薬学部から学生は非常にたくさん の、ちょっと今正確に人数は把握していませんけれども、随分の数の学生が来て おりまして、大学の学生をやりながら基盤研で研究をしているというところであ ります。  失礼しました、三重大学の関係は3名でございます。 ○市川委員  いわゆる卒論の学生という意味でございますか。 ○医薬基盤研究所理事長  卒論ですね。ちょっと正確に申しますと、研修生として受け入れているんです けども、54人ということですね。 ○田村部会長  よろしゅうございますか。  ほかにはいかがでしょうか。 ○武見委員  項目の4のところで、パワーポイントでいうと27番でしょうか。一般公開・講 演会等で非常にアクセスから見ると、余りよろしくないながらもこれだけの方を 集めたというご報告があったんですが、実際にこの来場者数の方の年代であると か層ですね。つまりどういう層に対してこういうことが広まったのかという辺り について、もう少し詳しくご報告いただければな、よりその意味が評価しやすく なりますので。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  先生方にお配りしております資料1-5になりますけれども、これの下の方のペ ージで、34ページというところに記載をさせていただいておりまして、19年度に 行いました当研究所の一般公開にご参加いただきました方のうち、アンケートに お答えいただいた方々の年齢分布というのが、その中の3番のところにございま して、中心になりますのが、30代の方が27%、40代の方が22%となっておりまし て、保護者の方々ではないかと思いますが、若い小学生の方々が、10歳代が17% など来ていただいております。 ○医薬基盤研究所理事長  平たく言いますと、お父さん、お母さんが子供さんを連れて、参加型のディス プレイをしていますので、子供さんが参加して、親御さんが一緒に来られてとい うパターンが一番多くて、それプラス、かなりの高年齢の方も来られているとい う分布でございます。 ○武見委員  これ、広報のときに小学校を使われたわけですよね。 ○医薬基盤研究所理事長  いえいえ、これは研究。 ○武見委員  ではないんですか、小学校の地域を拡大というその配布。 ○医薬基盤研究所理事長  一般公開は研究所そのものに。 ○武見委員  いえいえ、広報の仕方です。つまり人を集めるときの。 ○医薬基盤研究所理事長  これは小学校でもやるんですけれども、実は4万枚ぐらいチラシを配るんです。 あちこちに。 ○武見委員  小学校ということですか。 ○医薬基盤研究所理事長  小学校も含めて。 ○武見委員  小学校も含めてですか。はい、分かりました。 ○市川委員  800MHzの、一番大きいやつですけど、それに関して今設置されてLANを接続し たということですが、それからほかの方々の利用は、来年度、20年度に目標をさ れると。その場合に一番大事なのは、オペレーターの方々の準備というのかしら、 特に外から使用を申し出た場合にはそれが一番大きな問題だと思うんですが。 ○医薬基盤研究所理事長  それ、一番私、重要だと思いまして、実は研究者1人を、これはバックグラウ ンドは大阪大学たんぱく質研究所とありますけども、そこの大学院を出て、うち の研究員として採用した方ですけども、この人をそこに貼り付けて1人おります。 プラステクニシャンということで、受け入れ体制を整えているところであります。 ○政安委員  大変失礼な言い方かもしれませんが、評価シートの3の1ページの19年度の業務 の実績というところの<2>の外部有識者という段のところなんですが、最後のと ころに「研究資金の追加交付を行った。」ということは、評価委員会に向けてあ る程度予算配分を残しておいて、それで追加交付という言い方をなされたのか。 それとも説明には評価結果を予算配分したという言い方をされているところがほ とんどであるんですが、ここだけこういう書き方をされたというか、何か特に意 図があってこういう書き方をされたのでしょうか。外部有識者で、最後に研究資 金の追加交付を行ったというように聞こえるのですが。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  よろしいでしょうか。ご説明をさせていただきます。これにつきましては、ど の研究者の方にも、金額で言いましたら1,000万円ずつお渡しをしているんです が、外部評価の結果、成績のいい方には、インセンティブを持たせるためにさら に1,000万円追加いたしまして、2,000万円を研究費として交付していると、そう いうことでございます。 ○政安委員  意図的にお残しになって、評価するということですね。 ○医薬基盤研究所理事長  私はですね、これ私案ですけれども、外部評価の点数が上がってくると、それ によってベースは1,000万、実は配っているんですけれども、ちょっと意図的に 残していまして、それによって評価のいい人にはプラスすると。それは1,000万 で、500万とかもあるんですけども、評価の余り成果が上がらなかった年に関し てはゼロですると。そういうふうにして、中間でやって、インセンティブつけて、 もっと頑張ってほしいというような、これは私が中心になって、委員会開いてや っているところです。特に外部評価の点数に基づいてやっています。 ○田村部会長  よろしいでしょうか。  それでは、次のグループに移らせていただきます。次にグループ2につきまし て評価を行わせていただきたいと思います。所要時間は、法人のほうからのご説 明は17分、委員の評定と質疑には15分使わせていただきまして、合計32分でよろ しくお願いいたします。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  それでは先ほどのカラーの資料、資料1-4のところの32ページをご覧いただき たいと思います。こちらから、パート2ということになっておりまして、個別的 事項についてのご説明をさせていただきます。  まず、32ページのところにございますとおり、基盤的技術研究といたしまして は6つのプロジェクトを立ち上げております。また、生物資源研究につきまして は、5つの資源の配分等を実施しております。  33ページをご覧いただきたいと思います。これは、トキシコゲノミクス・イン フォマティクスプロジェクトの関係でございまして、評価シートでは6番になり ます。医薬品安全予測のための毒性学的ゲノム研究ということでございまして、 こちらのほうについては、安全性バイオマーカー研究、ヒト外挿性の向上、レギ ュラトリーサイエンスの基盤整備、この3つの項目を柱として実施をしておりま して、34ページになりますけれども、第1期計画でございます2002年からの5カ年 におきまして、トキシコデータベースの構築を行っておりまして、第2期は2007 年4月から始まっておりますのですが、こちらのほうでは、データベースからバ イオマーカーを見つけるという研究を実施しております。  1枚おめくりいただきまして35ページになりますが、19年度の研究成果でござ いますが、安全性バイオマーカー研究の戦略を確立したこと、肝毒性メカニズム 既知化合物のデータ収集を行ったこと、インフォマティクスからのアプローチの 研究を行ったこと、また、安全性バイオマーカーの探索研究としまして、そこの 表にございます4つの研究を実施をしまして、メカニズムの掘り下げを行ってご ざいます。  次に36ページをご覧いただきたいと思いますが、こちらは血液の遺伝子発現解 析の関係でございまして、19年度の成果といたしましては、測定手技の確立です とか、毒性評価系としての有用性を示す初期データの収集、また先ほどのイオン 化合物を用いました有用性判定を裏付けるための基礎データの収集を行ってござ います。  次に37ページになりますが、こちらは施設間バリデーションの実施でございま して、共同研究に加わっていただいております企業11社と私ども基盤研の施設で 行われましたデータにつきまして、施設間のバリデーションをした結果でござい まして、初期遺伝子解析結果より、施設間の高い再現性を確認しておりまして、 この結果につきましては2008年3月に米国のSociety of Toxicologyという毒性分 野での最も権威のある学会のほうに公表をさせていただいております。第2期の 初年度としては極めて高い成果が上げられたのではないかと考えておりまして、 今後の成果が産業界からも大きく期待されている分野でございます。  以上をもちまして、評価シート6については自己評価をAとさせていただいてお ります。  38ページが評価シート7になりますが、プロテオームファクトリープロジェク ト、創薬プロテオミクスプロジェクト、代謝シグナルプロジェクト、バイオイン フォマティクスプロジェクトの関係でございます。  ヒト試料を用いた疾患関連たんぱく質の解析と、疾患関連たんぱく質の有効活 用のための基盤技術開発の関係でございます。  1ページおめくりいただきまして、39ページをご覧いただきたいと思います。 そのうちプロテオームファクトリープロジェクトの概要でございますが、こちら のほうについては、ポストゲノム時代の創薬シーズの焦点は疾患関連たんぱく質 のほうに向けられるであろうというふうなことがございまして、国立高度専門医 療センターなどから臨床試料、これは血液・組織等でございますが、こういった ような試料をいただきまして、プロテオームファクトリーにおきまして、疾患関 連たんぱく質の同定・定量を行いまして、データベース化を図り、製薬企業です とか研究協力機関のほうへフィードバックするというようなスキームで実施して おります。40ページのところに19年度の成果を記載させていただいておりますが、 19年度におきましては、糖尿病、がん、認知症等の試料730検体を用いまして解 析をいたしました結果、インフォマティクス手法を用いて新規疾患関連たんぱく 質として127種類のものを発見してございます。特許の出願については19年度で3 件、累計7件ということで、大きな成果を上げてございます。  次に41ページになりますが、創薬プロテオミクスプロジェクトの関係でござい まして、創薬に有用なたんぱく質を探索し、医薬品開発を実現するために、疾患 関連たんぱく質の機能解析基盤の開発ですとか、たんぱく質の効果的・機能的な 制御技術の開発ですとか、たんぱく質の安全性・有効性を向上させる創薬技術の 開発を行ってございます。  具体的な図としましては42ページをご覧いただきたいと思いますが、こちらは、 炎症疾患関連たんぱく質の機能を阻害できる分子の開発ということでございまし て、下の方に関節リウマチの絵などがございますが、ここのほうの縦軸のほうに Clinical scoreというのがございますけれども、これは臨床的な重篤度をあらわ しているとお考えいただければよろしいんですけれども、この治療を行わない分、 PBSと書いてありますが、写真では上の少し足のところが太い写真が出ておりま すが、ここの部分がさらに下に下がりまして、臨床上の効果が、重篤度が下がっ ているということがあらわれております。これは、予防的投与、治療的投与双方 については同じことが言えるものでございます。また、真ん中にあります多発性 硬化症につきましても同じく、臨床スコアのほうが下がっておりまして、効果が あらわれているというようなことになっておりまして、これまではたんぱく質性 の医薬品は開発されていない中で、非常に大きな成果が期待される分野の1つで ございます。  1ページおめくりいただきまして43ページをご覧いただきたいと思います。こ ちらのほうは、細胞内疾患関連たんぱく質に対します、分子標的療法の開発とい うことでございまして、左の方の絵をご覧いただきたいと思いますが、丸いとこ ろが分子標的を行います物質でございますが、そこの前にPTDというものと、下 の方にNLSという分子をつけまして、それ以外に、細長い分子としましてPTDと HA2をつなぎました分子がございますが、これを細胞の中に入れてしまいますと、 食作用によりまして、そこの丸の中に2つの分子が入っているのが見えるかと思 いますけど、そのような形になりまして、それを打開するのが1つの大きなブレ ークスルーになるんですけれども、そこのところについては、HA2によります細 胞質への送達ということが行われまして、さらにこれが行われた結果、目的とす る分子をNLSを用いまして核へ送達することができたというようなことでござい まして、画期的な成果であろうと思っております。真ん中のところにデータのシ ートがございますが、白いものについては、この場合は抗がん剤の活性の効果と いうことでやっておりますけれども、化学物質の分解を行いまして、P53の分解 活性を阻害するというところをデータとしてとりまして、だんだんにHA2、NLSと 下がっておりますのが、まさに効果が発生したということになろうかと思います。  その下のところの44ページのところ、メンブランパンニング法による特異抗体 の単離のところをご覧いただきたいと思います。こちらのほうについては、一番 下のところに赤で書いてございますが、0.5ngと書いておりますけれど、今まで このような微量な抗原から抗体を作成できたことは一切ございませんで、画期的 な成果ではなかろうかと。こういった0.5ngぐらいのもので抗体作成に成功した という意味で、画期的なものではなかろうかと考えております。  次が45ページになりますが、代謝シグナルプロジェクトの関係になります。こ ちらのほうでは、糖体、糖ですとか脂質代謝に必要なシグナル伝達因子の同定を 行いまして、シグナル因子の構造解析を行い、生活習慣病に対する創薬の基礎を 構築するということでやっておりますけれども、46ページにTK-1の効果の検討と いうのが出ていますが、ここでは脂肪合成に重要な経路を阻害するTK-1というよ うなものが発見されまして、脂肪肝の治療に使える可能性があるというようなこ とが判明してございます。  1枚おめくりいただきまして、47ページをご覧いただきたいと思います。こち らはバイオインフォマティクスプロジェクトの関係になりますけれども、これは ゲノム配列、たんぱく質立体構造などの大規模実験データからいかに新たな知識 を引き出すかというのが大きな課題になっておりまして、その関連のものでござ います。  48ページをご覧いただきたいと思いますが、これはたんぱく質複合体によりま して、アミノ酸残基の溶媒露出が大きく変化するというところに着目をいたしま して、たんぱく質相互作用の予測を行ったものでございまして、そちらの中程の 絵にございますとおり、複合体内部で相互作用が行われているというのが計算機 の解析の結果分かるようになったと。こういったような解析用のソフトの開発が 行われたということでございます。  次に49ページをご覧いただきたいと思います。DNA結合領域の予測の関係でご ざいまして、左側の絵にありますのがこれまでの予測方法、右側の絵にあります のが、塩基特異的結合サイトの予測、新たな予測方法でございますが、これまで の予測方法では、49ページの下のほうに緑の字でRとかKとかSKAとか書いてござ いますものがございました、ここのところに塩基のATGCの何かがつくというのは 今までの予測方法で分かっていたんですが、今回私どものほうで開発しましたソ フトによりますと、ATGCの具体的文字列のどこにつながるのか、そういうような ことまで分かるようになったということでございます。例えば、右側のものでい きますと、RのところにGCのところに1、1がついておりますが、Rのところには、 グアニンとシトシンがつながるというようなことが分かるようになったというこ とでございます。  このような結果をもちまして、評価シート7についてはA評価とさせていただい ております。  次の50ページになりますが、評価シートの8、新世代ワクチン・抗ウイルス剤 開発基盤研究、新世代抗体産生基盤研究の関係でございます。  1枚おめくりいただきまして51ページをご覧いただきたいと思います。これは、 感染制御プロジェクトの関係になりますが、こちらのほうでは、新世代ワクチ ン・抗ウイルス剤の開発につながる基盤研究を行っておりまして、ワクチン開発 の基盤研究、ワクチン開発の応用研究、抗ウイルス剤開発の基盤研究を実施して おります。  成果といたしましては、52ページをご覧いただきたいんですが、水痘帯状疱疹 ウイルスgM遺伝子の関係でございますが、この遺伝子はウイルス粒子中に存在し、 ウイルスの増殖に関与しているということが判明をいたしまして、これから抗ウ イルス剤のターゲットになるのではないかと考えております。またその右側のほ うにございます、ORF49遺伝子の関係でございますが、こちらのほうはヒトメラ ノーマ細胞の中でのウイルス増殖に重要であるという実験結果が出ておりまして、 これからこの辺りをターゲットに新薬の開発等が行われていくのではないかと思 っております。  次に53ページをご覧いただきたいと思います。組換え水痘ウイルスのワクチン 効果の関係でございます。ご案内のとおり、水痘ウイルスというのは水疱瘡のウ イルスでございまして、またそこに記載がございますムンプスウイルスというの ははしかのウイルスでございますが、水疱瘡のウイルスを使って水疱瘡以外にも 効くワクチンを作ろうということでございます。53ページの上の図をご覧いただ きたいと思いますが、非免疫というのはまさに免疫が出ておりませんので、ウイ ルスの攻撃ができないということにまります。比較対象として見ていただくため にデータを書いておりますが、水痘ワクチンのほうでは、まさに水疱瘡のウイル スに対して攻撃ができる、数値が上がっていることがわかります。右端にありま す赤いHNワクチンが今回の組換え水痘ウイルスのワクチンでございますが、水痘 ワクチンをベースにつくりましたので、やはりこれについては、水痘ウイルスに 対して効果があるということが、このデータで読み取れると思います。  その左下のほうのムンプスウイルスに対する抗体価でございますが、もともと 水痘ワクチンでございますので、水痘ウイルスに対して効果があるのは当然なん ですが、何の関係もないはしかに対しては効果がもとないわけです。左下の絵に ありますとおり、水痘ワクチン非免疫分については、ウイルスは攻撃ができない というふうになっています。しかしながら、今回開発をいたしました組換え水痘 ウイルスについてははしかに対して抗体価が出ている。すなわちはしかのウイル スに対して攻撃ができるというようなデータが出ております。これはまさに画期 的な成果でございまして、水痘ウイルスをベースとした複数のウイルスに対する ワクチン効果を持つ多価ワクチンが開発されたということでございまして、独法 たる基盤研だからこそ達成できた成果ではないかと考えております。  次に54ページ、免疫シグナルプロジェクトの関係でございますが、これはサイ トカイン伝達制御因子に関する研究でございまして、下の絵のところにSOCSとい うのが書いてございますが、SOCSの発現異常が様々な病態に関与するということ が分かっておりまして、例えばこのSOCSの発現が低下しますと、炎症性腸炎です とかウイルス感染抵抗性亢進、劇症肝炎肝細胞がんが発生したり、マウスでは前 立腺がん、肺がん、胃がんなどが発生するということが分かっておりまして、こ のSOCSを使いまして、発現調整可能なたんぱくとして細胞内に取り込ませました ら各種の疾患の治療に使えるのではないかというのが、ここのスキームでござい ます。  実際の成果については、55ページをご覧いただきたいと思います。まず、左上 のほうに丸いところに突起が出ている絵が書いてございますが、これはバイオナ ノカプセルでございまして、ナノテクノロジーを応用して作成しましたこのバイ オナノカプセルのその突起の部分に、がん特異的に結合するたんぱくであります、 例えば前立腺がんであればPSMA抗体、乳がんであればLyp-1のトランスフェリン を結合すれば、ターゲットとなるところにこのSOCS分子をデリバリーするシステ ムが到達できるのではないかという仮説の下に実験をいたしましたものが、その 下の写真でございまして、上のほうの絵は乳がん群でございまして、乳がんにに 特異的に反応するLyp−1をつけているものでございます。下はコントロール群 でございまして、乳がんに特異的に反応するLyp-1をつけてないものでございま す。これらをそれぞれ動物に投与しますと、乳がん群のほうについては4時間の ところで矢印がついてるとおり、確かに乳がん細胞に取り込まれているという結 果になっておりまして、コントロール群についてはそういうものは出おりません。 まさにターゲットとするところに目的とする物質を伝達することができるという ことが、この成果から分かっております。  次に、免疫制御プロジェクトでございますが、こちらのほうにつきましては、 リンパ組織による免疫反応が非常に重要であるということはよくご案内のとおり だと思いますが、そこのところを使いまして、人工リンパ組織というものを応用 いたしまして、抗がん効果があるかどうかというようなことを検討しようという のがこちらのプロジェクトでございまして、57ページにデータを記載をさせてい ただいております。  左側のデータが免疫不全マウスを使いましたデータでございまして、右側のほ うがヌードマウスを使いましたデータでございます。略語が使ってありまして分 かりにくくて申しわけございませんですが、薄い水色で書いておりますのが何の 治療も行わなかったもの、濃い青で書いてありますのが、DCと書いてございます が、樹状細胞療法を行ったものでございます。黄色で書いておりますのが人工リ ンパ組織の治療を行ったもの、赤で書いておりますのが人工リンパ組織に従来の 樹状細胞療法を加えて実施したものでございまして、そのデータの表の中の縦軸 が、立法センチメートルと書いてございますが、これは腫瘍の大きさでございま して、ここの数字が低ければ腫瘍の増殖を抑えられたということになります。こ れで見ますと赤いところ、すなわち人工リンパ組織とDC療法を行いましたものに ついては、完治する個体が出てきているというようなことが読み取れるところで ございます。  先ほどのSOCS分子のデリバリーと加えまして、いずれも新薬開発の基盤技術と して大きな成果を上げたものではないかと考えておりまして、評価シートに8に つきましてはS評価とさせていただいております。  次に、評価シート9でございますが、58ページをご覧いただきたいと思います。 遺伝子導入制御プロジェクトの関係になります。  こちらのほうについては、59ページをご覧いただきたいと思います。ご案内の とおり、遺伝子治療薬等の開発を行うためには、遺伝子を細胞に導入しまして、 その発現を制御する技術というのが非常に重要になりますが、従来の方法ではな かなか操作が煩雑であるというようなことですとか、遺伝子の導入効率が極めて 悪いというようなことがございまして、そこのところを何か突破しなければ遺伝 子治療というのはなかなかうまくいかないのではないかというのが私どもの問題 意識でございまして、それを突破するための改良型アデノウイルスベクターの開 発を行っているのが成果のところになります。  60ページのところをご覧いただきたいと思いますが、60ページの右側の絵をご 覧いただきたいと思います。右側のところで、黒と言うべきでしょうか、濃い紫 と言うべきでしょうか、その黒いところにwild typeと書いたものがございます が、それと比較しまして小豆色のところ、HI loop of the fiber knobと書いた のがございますが、これは今回私どものほうで開発しました改良型アデノウイル スベクターでございますが、従来使っていますベクターが左の数字でいきますと、 10よりも低いところにありますけれども、この小豆色のものは1,000もいってお りまして、すなわち遺伝子の導入効率が従来のものと比べて100倍以上改良され ているというかなり画期的なものを私どものほうでは開発し、それをデータとし てとったということでございます。  実際にうまく遺伝子の導入がされているかどうかを実験をいたしましたのが61 ページになります。ここでは各臓器に、大脳、眼球、膵臓、肝臓、脾臓、大腿筋、 腎臓などでございますが、こういうふうなところに直接導入をいたしました結果、 遺伝子発現をしているというのが、病理の写真で出ておりまして、これ以外の例 えば肺ですとか心臓ですとか、投与しておりません部位では遺伝子発現は全く認 められませんでした。まさに画期的な成果が上がっているのではないかというふ うに私どもは考えております。  次は62ページになりますが、これは移植効率向上を目的としましたアデノウイ ルスベクターによる造血幹細胞への遺伝子導入でございまして、ヒト由来のCD34 陽性細胞とアデノウイルスベクターを加えまして、さらにそれを右のほうの絵に なりますが、NOGマウスに移植をいたしました。通常であればNOGマウスにとって 異種の血液細胞になりますので、アポトーシスを起こしまして破壊されてしまう わけでございますが、そこの破線のところでありますとおり、ヒトCD34陽性細胞 由来血液細胞については残っていることがわかりました。まさに残っているから こそ移植ができるというようなことになるわけですので、ここがまた画期的な成 果ではないかと思っておりまして、今後の医薬品開発の基盤技術としてかなりな 成果を上げたのではないかと考えております。  このようなことから、シート9につきましてはS評価とさせていただいておりま す。  1枚おめくりいただきまして、63ページをご覧いただきたいと思います。ここ からが、生物資源関係のご報告になります。評価シート10につきましては、遺伝 子、培養細胞、実験用の小動物の関係でございますが、64ページをご覧いただき たいと思います。先ほどパート1のところでもご説明をいたしましたが、厚生労 働省のほうでBT戦略大綱というのをつくっておられまして、生物遺伝資源の拡充 の重要性というのがうたわれております。これは産業競争力の基盤強化という意 味で重要であろうというようなことでございますが、それに対応します、政策上 の要求にこたえるための施策として、基盤研のほうでは霊長類、薬用植物、遺伝 子、小動物、培養細胞の研究施設ですとかバンクを設置しておりまして、大学の 先生方ですとか企業の方々、研究機関による利用を行っていただいているという のが64ページの概要の表でございます。  この生物資源関係につきましては、他の研究機関、国立の試験研究機関ですと か、病院等におきましても、生物資源バンクというのはお持ちでございますが、 こういうようなところとデータの共用化を図ることによって、疾患関連生物資源 情報に関する統合化データベース作成をいたまして、より広く利用者の方々の利 便を図るための組織を網羅したというのが、今年度の成果の1つになってござい ます。  66ページのところについては、遺伝子資源の収集・供給の関係でございますが、 遺伝子資源につきましては、分譲数が19年度は5,770となっております。また、 データベースの運用も行ってございます。  1枚おめくりいただきまして67ページになりますが、細胞資源研究室の関係に なりますが、細胞資源の収集・供給等につきましては、中期計画では、40種類の 細胞の寄託受入を予定しておりましたんですが、19年度には78種類、中期計画を 上回る78種類の細胞の寄託受入を行っております。また、細胞資源の分譲の関係 でいきますと、こちらのほうについては、中期計画では3,500ということになっ ておりましたんですが、19年度は実質的に3,634アンプルを分譲しておりまして、 大きな成果を、中期計画に比べて大きな成果を上げているのではないかと考えて おります。  また、68ページになりますが、細胞バンク事業の特色ということでございます が、こちらについては、日本におけます唯一の各種検査の受託機関というような ことになっておりまして、マイコプラズマ検査、クロスコンタミネーション検査、 ウイルス検査など実施しております。これは、そもそも米国におきまして、品質 に問題がある培養細胞を使用している、研究所で使用されているケースが多々あ るというようことが判明したため、こういうようなものが各種研究結果に影響す るであろうということがございますので、私どもの機関におきましては、こうい うようなことを実施しているということでございます。  また、他機関の細胞バンクとの比較ということになりますが、私ども以外に理 化学研究所との比較をさせていただいております。私どもは、ヒト疾患に着目を しました疾患関連の細胞等を保有資源として持っておりますが、理化学研究所に おきましては、学術研究というようなことを中心にお考えですから、ヒト以外の 動物ですとか植物ですとか、こういったような資源を網羅的に保有されておられ まして、そこのところについては保有資源のすみ分けというのをきちんと行われ ております。まさに医薬基盤研究所においては、ヒトの関係の疾患のものについ てバックグラウンドが明らかな細胞を収集をし、また分譲しているということで ございまして、理化学研究所と比較して、分譲数についても遜色のないものでは ないかと思っております。ただ、理化学研究所については、先ほどお話ししまし たとおり、ヒト疾患に着目したのではなくて、学術研究用ということで提供され ているものであろうと思っております。  69ページは今後の活動ということになりますが、ES細胞・体性肝細胞の品質評 価法の開発が今後の大きな課題ではないかと考えております。  70ページのほうは、実験動物開発研究室の関係でございますが、実験用の小動 物資源につきましては、19年度は47系統分譲可能となっておりまして、寄託件数 は13系統というふうになっております。また、マウスの分譲につきましては、19 年度は実際に分譲を実施しましたのが25件、実験動物サポートサービス、これは プライベートバンクということになりますが、19年度は35件実施をしております。  次に、71ページになりますが、実験小動物の安定供給に関する研究でございま して、疾患モデルマウスの効率的産生・保存を目的として研究を行いましたもの でございますが、19年度は低繁殖性のELマウス(てんかんモデルマウス)につき まして検討させていただいております。右側にデータが出ておりますけれども、 青いほうが高たんぱくの餌を与えた群、小豆色のほうが低たんぱくの餌を与えた 群でございまして、産次別の妊娠匹数の比較ということでございまして、初産に ついては高たんぱくであろうと低たんぱくであろうと差はありませんでしたが、 2産目、3産目になりますと低たんぱくのほうが産次が多いというようなことでご ざいまして、個体当たりの出産回数、合計産仔数が増え、繁殖性率が向上するの は低たんぱく飼料であるということがこれで判明をしております。  次に、72ページになりますが、疾患モデル動物の開発研究でございまして、ご 案内のとおり、ムコ多糖症などのライソゾーム病のモデル開発の関係でございま して、そこの72ページのところの四角で囲ったとおり、3つのものについて開発 をしております。  評価シート10については、以上をもちましてA評価としております。  次は、73ページ、薬用植物の関係でございますが、国内唯一の薬用植物研究セ ンターといたしまして、各種生物資源の提供ですとか、新品種の育成、作成に努 めておりまして、75ページで薬用植物種子交換業務の実績の記載をさせていただ いておりまして、19年度は452の試料提供を行っております。  また、77ページにございますとおり、ケシ種子への直接遺伝子導入条件の検討 なども行っております。  次に79ページ、霊長類の関係、評価シートの12をご覧いただきたいと思います が、こちらのほうについては、基盤的リソースと戦略的リソース、2つのリソー スを対象として実施しておりまして、基盤的リソースといたしましては、多目的 高品質サルの供給、技術と情報の提供を行っておりますほか、戦略的リソースと しては、使途を限定いたしまして、自然発症疾患モデルの開発等を行っておりま す。  81ページは霊長類の繁殖、育成、品質管理、供給状況でございます。供給頭数 は264頭となっておりまして、19年度の目標頭数120頭を大きく上回っております。  82ページについては、世界で初めてアフリカミドリザルからES細胞の樹立を行 っておりまして、画期的な成果が得られたのではないかと思っております。  83ページをご覧いただきたいと思います。こちらのほうは、マーモセットを用 いました慢性C型肝炎発症サロゲートモデルでございまして、これは長期感染症 を呈する世界で初めてのモデルの確立でございまして、画期的な成果であろうと いうふうに考えております。  ヒトマラリアの霊長類感染モデルにつきましても新たに確立したものでござい まして、高い成果が得られたのではないかと思っております。  それ以外に、BSE発症リスクの評価の研究も行っておりまして、それぞれモデ ルの確立が行われております。  以上をもちまして、評価シート12についてはA評価とさせていただいておりま す。  グループ2については以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。委員の皆様には、評価シートへの評定等の記入をよ ろしくお願いいたします。質問等ございましたらいただきたいと思いますが、い かがでしょうか。 ○田宮委員  2点お伺いさせてください。  1つは全体に関係することですが、非常に新しい研究、業績をたくさん上げて らっしゃるのはとてもすばらしいと思いますが、プレゼンのやり方で、このスラ イドの中に出典がきちんとしたジャーナル名が入っているものと入っていないも のがありますが、これはどうなんでしょう、評価が出ているものだけ入っている、 原書、論文にあったものだけが入っているのかそうでないのかということが1点。  それからもう一点は、具体的な研究のことです。34ページのスライド、このト キシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクトというんですか、これはか なり広い安全性のバイオマーカーということで、特定の薬品ということでなくて、 データベース化してインフォマティクスを使って広い薬品に対してもこれから応 用ができるという気がして見せていただいております。そういうことでよいのか ということ。それから、これは例えば健康食品の毒性評価とかにも応用しうるの か、これは私は専門家でないので伺いたいんですが。というのはこれから、栄養 研と統合等もありますし、安全性の評価というのは重要課題があり、それを広く 評価する機構というのはとても大事だと思います。伺っていて将来性があるなと 思いましたので、質問させていただきました。  この2点、お願いいたします。 ○医薬基盤研究所理事長  一番最初の出典が書いていないところと書いてあるところ、申しわけありませ ん。プロジェクトの方がスライドをつくっていただいて書いてある、そういうと ころと、書いてないところがあるんですけれども、ほとんどは出典を書けば書け るんですけども、書いてないところがあるということで、ご了承願いたいと思い ますけれども。 ○田宮委員  ぜひ、なるべく書いていただいたほうがいいと思います。 ○医薬基盤研究所理事長  どうもありがとうございます。ここは周知徹底いたします。  それと、トキシコですね。トキシコで、これが将来の薬に対して、広くできる んじゃないか。それが一番、我々の目標でありまして、今まで毒性があるのを随 分調べていまして。 ○田宮委員  個々にですね。 ○医薬基盤研究所理事長  はい。それでどういう遺伝子が上がったり下がったりするかと。新しいものは 当てると、そういうパターンになればどうふうな毒性が出るかということが分か るので、将来のもちろん臨床に行く前に、こういうことであれば、ドロップする のが防げる、お金とか時間の無駄が防げるのではないかというふうに思っていま す。  健康食品に関してはどうですかね、これは。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  すみません、先ほどのトキシコについてちょっと補足をさせていただきますと、 トキシコのプロジェクトにつきましては、今の市販されている医薬品、大体有効 成分で1,500ほどあるというふうに言われておりますが、その中で主に肝毒性が あるということが分かっているのが150ほどございまして、トキシコの実験はこ の肝毒性がある150化合物を対象にしておりますので、肝毒性が出てはならない 健康食品をベースにしているというわけではございませんので、なかなか直接そ れで何か健康食品について知識の共有化ができるかというと、また今後の課題で はないかなというふうに考えております。 ○田宮委員  関連してですけど、将来は肝毒性だけではなくて、今おっしゃられたように、 少し広げていかれるのかなと。 ○医薬基盤研究所理事長  肝毒性と腎毒性ですかね、主にやっているのは。 ○田宮委員  あとこれ、19年度からとなっていますが、これはいつまででしたかしら。 ○医薬基盤研究所理事長  トキシコですか。トキシコは19年度から5年間です。 ○田宮委員  分かりました。ありがとうございました。 ○岩渕委員  素人から聞きますけれども、新型インフルエンザが発生した場合に、当研究所 が果たせる役割、あるいはどういった体制で臨むのかとか、そういったようなこ とで何か考えていることがあったら教えてください。 ○医薬基盤研究所理事長  新型インフルエンザは多分よくよく言われている、H5の話ですか、鳥インフル エンザ。これに関しましては、もう既にワクチンが認可されておりまして、現在 も、たしか今日の新聞でも医者に対してもうワクチンをし始めていまして、これ はもうある意味ではエスタブリッシュされたものだというふうに思っています。 ただ、将来このワクチンの効果、インフルエンザは皆さんご存じだと思いますけ ど、100%効果があるわけじゃなくて、効果を強める意味で、例えば鼻からとか、 呼吸器にワクチンをして、それでもっと効果を強めるような仕事は、この次世代 のワクチンのところでやっております。 ○岩渕委員  もちろん、ワクチンをつくるというのは、発生した段階でそれからワクチンを 作るというのが当たり前だというふうに聞いているんですけれども。だから投与 しているのがワクチンだというふうに余り。 ○医薬基盤研究所理事長  なかなか難しくて、本当は一番よく、注射で、ちょっと何か私、ごちゃ混ぜに したんですけども、今ワクチンは注射法だけなんですね。それで、注射法でやる と今のインフルエンザワクチンというのは、実は一番最近はやったウイルスを使 ったワクチンが一番いいんです。だけど、これが出てくるのがいつか分からない ということで、それに近いもの、例えばベトナムとかインドネシアではやった、 今H5ですね、これ、主に鳥から人間に1度だけうつったものですけども、それで やって、それが応用が利くんじゃないかというのが今現段階でありまして、それ で、はやったらすぐ、もう治験せずにすぐにワクチン製造に持っていってなるべ く短くするというのが、今の皆さんのコンセンサスなんです。 ○岩渕委員  どの程度対応できるんですか、研究所としては、将来。 ○医薬基盤研究所理事長  いわゆる、注射法に関してはもう既にできていますから、製造のワクチンの製 造業者のところにいっていますので、これは私たち関係ないんですけれども、将 来は先ほど言いました、もっと効果が上がるワクチンをやろうとして、鼻からと かのワクチンはもっと効果があると思っているので、その研究を今やっていると ころであります。現実、すぐ明日のワクチンというのは、私のところは研究はや ってないです。  それともう一つ付け加えますと、このワクチンに関しまして、後からちょっと、 研究振興部からありますけれども、オーファンドラッグに認定されまして、基盤 研のファンドで治験が行われて認められたというのが、我々の貢献のところかな と思っています。 ○中村委員  評価シートの6のところでA評価をしていますが、計画を上回るものというのは 何が該当するのでしょうか。society of toxicologyに発表したところを評価し たというふうに考えてよろしいんでしょうか。  それから、41の図のところで、特許について書いてありますが、これは全体の ものですか、それともこのプロジェクト1に関しての特許なのでしょうか。 ○医薬基盤研究所企画調整部長  それではご説明をさせていただきます。  1点目のところでございますが、トキシコゲノミクスプロジェクトの研究成果 につきましては、先生のご指摘のところもございますし、あとは論文発表以外に 学会発表等もかなり頻繁に行っておりまして、19年度末までに論文発表で6報、 学会での口頭発表が59報、国内の学会では36件、国際学会が23件となっておりま して、また、これらの成果については私どものホームページでも公表していると ころでございまして、こういうようなことを受けましてA評価というふうにさせ ていただいております。  それと2点目のご質問の40ページのところでございますが、これはこちらのプ ロテオームファクトリープロジェクトの、ここの19年度のこれに限っての19年度 の特許の出願件数になります。 ○鈴木部会長代理  4点ほど質問させていただきます。  まず、評価シートの9-1、遺伝子導入技術の開発とその応用のところですが、 非常に優れたアデノウイルスベクターを開発されておりますが、この中期計画の ところで、その開発に当たっては、抗原性などの問題点を克服した上で、画期的 な云々とされております。ヒトに将来的に応用する場合、ここが一番の気になる ところなんですが、35型あるいは改良型アデノウイルスベクターでは、これはど の程度達成しておられるんでしょうか。それが第1点です。  それから第2点は、評価シートの10-6、細胞バンクの収集・供給数云々という ところですが、中期目標の数値は早々とクリアしておられるのに、自己評定がS ではなくてAなのはなぜだろうかと。当初の目標数値の設定の妥当性については 今どんなふうに考えてらっしゃるのかということが第2点。  第3点は評価シートの11-2、これは薬用植物のところでありますが、評価シー トの39ページの実績の〈7〉の生薬ゴシツについてというところで非常に丁寧に 検討を加えられて、中国産のソヨウの中にはペリルアルデヒドを含まず、アサロ ンを含むものがあることを明らかにしたと、きちんとここに明記されております。 重視してらっしゃることだと思うんですが、この場合、この中国産のアサロンを 含んでいるものは、もうゴシツとしての薬効はないということなんでしょうか。  それから第4点は、評価シートの12-2、44ページでありますが、疾患モデル霊 長類の他機関への供給状況をお教えいただければありがたいと思います。  以上、よろしくお願いします。 ○医薬基盤研究所理事長  一番最初のアデノのところでよろしいでしょうか。アデノは先生が言われると おりで、抗原性がありますので、なかなか難しいというのが事実でありまして、 これを完全に抗原性をなくすというのは不可能だというふうに思います。ただ、 投与の方法によって効率よく、局所に行くようなことはできるんじゃないかと、 臓器に特異的にそう持っていくとか、そうような方法が今検討されているところ であります。これはもうしょうがないなというふうに思っております。  それともう一つ、細胞バンクなんですけども、これ私が答えましょうか。これ、 全体でAで、実は、先ほど先生は細胞だけ言われたと思うんですけれども。 ○鈴木部会長代理  遺伝子細胞の全ての場合です。 ○医薬基盤研究所理事長  その中で、例えば遺伝子とか、これは余り要望がないんですね。だから、遺伝 子、細胞、動物と3つを合わせるとAということで、1つはSもありBもあるかもし れませんので、大体そのぐらいになるんじゃないかというふうに思っているので、 遺伝子というよりも、これは時代の要望で、やはり細胞ほど要望がないんですね。 皆さん自前でつくったりしますので、これは将来シフトして、違うようなプロジ ェクトに変えていく予定をしています。それは全体をまとめてAということでや っています。  それから、薬用に関しましては、薬用植物と霊長類といてますので、お答えさ せます。 ○医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター長  3点目についてお答えいたします。ペリルアルデヒドに関しては、生薬のゴシ ツではなくてソヨウという生薬があるんですけれども、しその葉でございます。 これについては、これは日本薬局法というので生薬の規格をいろいろ決めていく んですけれども、それを規格を検討する委員会の仕事の一部というような形でも 行っておりまして、これ、先ほどご質問のありました、アサロンを含むものとい うことですけれども、このソヨウの中には、同じ植物なんですけれども成分パタ ーンの違うものが幾つかございまして、このアサロンを含むものというのは、そ この最初のほうに書いてありますペリルアルデヒドという、分かりやすく言いま すと、しそのにおいの元の化合物なんですけれども、それがほとんど入っていな いということで、実際にこれが、アサロンを含むものの薬効がないかという点に ついては、これちょっと私もはっきりしたことは申し上げられないんですけれど も、日本薬局法の改正といいますか、規格の改定で、このアサロンを含むものは 薬局法の薬としては不適だという方向で、今、検討改訂作業中でございます。 ○医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター長  霊長類センターですけれども、疾患モデルの供給状況ということで、疾患モデ ルといいましても幾つかありまして、例えば人為的に何かを投与して、例えば分 かりやすい例では、MTPのパーキンソンだとか、感染症でウイルスを、先ほども 示されたように、例えばC型肝炎ウイルスのモデルとなるような、そういうよう なものと、あと自然発症モデルというようなものがあるんですけど、自然発症モ デルに関しては、安定的にコロニーとして出てくる疾患というのは、今のところ ここにあるもの全てが安定的に出るというわけではないので、有用に非常に使わ れている先生方、確かにおられます。特に多く発症するようなものは、眼科領域 の黄斑変性という疾患があるんですけども、それは非常によく使われます。それ とあと循環器疾患が非常によく出ますので、その点に関しては外部の先生方も非 常によく使われるんですが、それ以外のものに関して、やはり人為的に感染症だ とか、薬物投与をして起こすモデルということで、ここに書いてある供給頭数の ほとんどは、いわゆる毒性試験等々ではなくて、そういうモデルを開発してとい うことに使っているというふうに考えていただいてもいいかとは思います。 ○鈴木部会長代理  この資料1-5には詳しい表なりが出ているんでしょうか。まだ拝見する時間が ないんですけれども。 ○医薬基盤研究所霊長類医科学研究センター長  この中、こちらの資料からいきますと、ちょっと分かりづらいかとは思います が、例えば感染症実験施設とここ書いてあるところというのは、P2、P3において もあくまでも完全、71ページのほうに書いています。71ページの下のほうの図に は、いわゆる使用されている場所が書いておりますので、それで感染症施設であ ると、もうほぼ間違いなく何がしかのものを打った感染症モデルの実験が行われ ている、ワクチン等々の検定などもありますけれども、そういうものがあると。 いわゆる化学物質を投与しての疾患モデルというのは、この医科学実験施設だと か、非感染実験施設ということになるかと思います。 ○市川委員  先ほどもあった話ですけども、いわゆるアデノウイルスの場合も大きな目標は 安全性と有効性ということにうたわれているわけですけれど、その場合、先ほど ちょっとおっしゃられたように、安全性ということにおいては、抗原性は別とし まして、ご意見のときに、局所投与という1つの方法があったということですけ れども、それからこの35型のアデノを使った場合の結果ですね、ここにおいて。 このときも局所投与においてよろしいんだという話なんだけれども、これは将来 性を考えた場合に、こういう形で安全性はずっと追求できる、こういう形という のは、局所投与ということだけでいけるのか、それからアデノのほうの改善とい うのかしら、そういう問題とかいう大きな目標というのは、これだと一応これで 解決したような感じになるわけですね、35型に関しては。 ○医薬基盤研究所理事長  アデノで例えば表面たんぱくとここに書いてありますけど、モディファイして、 もっと効率よくやるというのであれば、ひょっとすると少ない量でも局所でいけ るかもしれない、安全性は担保されると思います。  それともう一つ、このアデノで今、もちろん動物も重要なんですけども、やは りiPS等のヒトのいわゆるin vitroの細胞に非常に効率よく導入するというのが 非常に重要なことになっておりますので、in vivoのみならず、in vitroで効率 よく導入する方法というのが研究の対象となっております。 ○市川委員  それは今後されていくということですね。 ○医薬基盤研究所理事長  はい。 ○田村部会長  それでは、次のグループ3のほうに移らせていただきたいと思います。この所 要時間は、法人からのご説明は11分ということでよろしくお願いします。委員の 評定と質疑は15分ということで、合計26分ということで進めてまいりたいと思い ます。それでは、法人からのご説明よろしくお願いいたします。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  研究振興部長の揚松でございます。すみませんが座ってご説明させていただき ます。  説明資料85ページからがパート3、研究開発振興業務でございます。4項目ござ いますが、まず、主要な事業をご説明いたします。  86ページの基礎研究推進事業は、大学や国立試験研究機関等の研究プロジェク トを対象としておりまして、19年度は83のプロジェクトに約80.6億円を交付して おります。  87ページの実用化研究支援事業は、ベンチャー企業の研究を対象としておりま して、19年度は10社の研究に約11.8億円を交付しております。この事業は産業投 資特別会計からの出資金を受け、平成16年度から行っており、本事業の成果によ り得られた収益の一部を納付していただく仕組みとなっておりますが、88ページ の図で示しますように、事業開始当初は委託費の交付が先行いたしますため、売 り上げ納付金が入るまでの間、繰越欠損金が増加することとなり、平成19年度末 で41.71億円の繰越欠損金が計上されております。  また、89ページの希少疾病用医薬品等開発振興事業は、厚生労働大臣から指定 を受けたオーファンドラッグ、デバイスの研究開発を促進するため助成金交付等 を行うものでございまして、平成19年度は11社14品目に対して、約6.7億円の助 成金を交付しております。  90ページは、これら3事業を研究の開発段階で示した図でございます。  それでは91ページ、評価シート13の国民の治療上の要請に即した研究開発の振 興ですが、(2)の案件の採択につきましては、社会還元の可能性を考慮した評価を 実施するとともに、実用化研究支援事業における繰越欠損金の解消への取組とし て収益性の高い案件を採択すべく、経営分野の専門委員による収益性評価部会を 新たに設置したところでございます。  92ページから基礎研究推進事業で平成19年度に新規採択された16プロジェクト を分野ごとに示します。  分野1は新たな創薬手法の開発に関する研究で4課題、次の分野2は7課題、分野 3は昨年度から設けた若手研究ですが、5課題採択されております。  次に95ページは、実用化研究支援事業の平成19年度の新規採択プロジェクトで、 過敏性腸症候群治療薬の開発等、医薬品3テーマと、冠状動脈用ステント開発の 医療機器1テーマが採択されております。  なお、91ページ下欄に記述しております、平成18年度に基礎研究推進事業にお いて採択されました、京都大学山中教授の研究プロジェクトによるヒトiPS細胞 の樹立の成功につきましては、研究内容を重視した案件の採択が適切に行われて いることを示したものであり、評価シート13は自己評価をA評価とさせていただ いております。この山中プロジェクトの研究内容につきましては、次の項目で説 明させていただきます。  続きまして96ページをお開きください。評価シート14の知的財産の創出及び製 品化の促進ですが、(1)のプログラムオフィサー制度につきましては、事業の実施 体制の充実を図りますとともに、より綿密な研究進捗管理の実施、指導・助言機 能の強化等を行いました。  (2)、(3)の評価につきましては、定量的指標を用いた評価を実施するとともに、 専門委員による書面調査、評価委員会委員による面接調査の二段階評価を行って おります。  (4)の研究成果ですが、98ページにありますように、基礎研究推進事業において、 これまでに最も多い78件の特許出願及び412件の論文発表がありました。  (5)の公表ついては、成果発表会等の開催を行いました。  99ページはプロジェクトの進捗管理を示しておりますが、2年目、4年目の進捗 状況をより詳細に把握するため、進捗状況等報告会を新たに実施いたしました。  100ページに基礎研究推進事業の医薬品等開発に向けた進捗状況例を示します。 1例目は、先ほど触れました、京都大学山中教授の人工万能幹細胞の創薬及び再 生医療への応用に関する研究でございまして、これまでヒトの皮膚細胞に4因子 ないし3因子を導入し、ヒトiPS細胞の樹立に成功していますが、今後、iPS細胞 から分化誘導された細胞を用いた、薬効・毒性の評価などの研究の進展が期待さ れるところであります。また、2例目からは、19年度に採択されました幾つかの 研究を示しておりますが、肝疾患の新規診断法や治療予防法の開発、多剤耐性菌 感染症に対する新規治療薬の研究等がそれぞれ進行しているところでございます。 具体的には、後ほど101ページから105ページにかけての参考資料をご覧いただけ ればと思います。  106ページから108ページは、実用化研究支援事業採択案件の現状でございます。 この中では、アンジェスMGによるアトピー性皮膚炎治療薬の開発が最も進んでお ります。そのほか、19年度に臨床試験に入ったものもございます。  109ページのオーファン助成金につきましては、平成5年からの助成品目総数は 128で、これまでに承認された品目数は78となっております。  また、19年度に承認されたのが次のページの5品目でございます。この中には、 先ほど話題にも出ました、新型インフルエンザ対策に重要な予防のためのワクチ ンを始め、ムコ多糖症VI型の治療薬等がございます。  ここまでが評価シート14ですが、評価シート14につきましては、指導・助言機 能の強化や、目標を上回る特許出願件数の増加等により、A評価としております。  次に、111ページの評価シート15、項目3、利用しやすい資金の提供についてで すが、公募締め切りから採択決定までの期間が、中期目標期間前に比べ0.66カ月 短縮し、19年度は3.87カ月となっております。  112ページは公募の予告日と公募日で、参考として応募件数、採択件数の推移 をつけておりますが、多くの応募をいただいております。  評価シート15につきましては、目標を上回って採択までの期間の短縮が図られ たことなどからA評価といたしております。  最後に113ページ、評価シート16の承継業務の適正な実施についてであります。  まず、次のページの図で、承継業務の旧出資事業についての説明をいたします。 本事業は、2社以上の企業の参加等により設立された法人における基礎または応 用段階からの研究開発に対し出資を行ったもので、昭和62年から平成15年度末に 廃止されるまでの間に、15の研究開発法人が設立されております。平成16年度か らは承継業務とされ、17年度に当研究所が出資法人の株式を承継いたしましたが、 115ページに示しますように、まだ製品化の段階まで至っていないため、欠損金 となっており、平成19年度末時点で256.87億円となっております。  すみませんが、また113ページに戻っていただき、欠損金解消への取組につい てご説明させていただきます。  19年度は新たにプログラムオフィサー等による法人の実地調査も行い、事業 化・収益化を図るよう指導を実施いたしました。また、出資法人から研究成果報 告書や財務諸表等の資料提出を求めるとともに、新たにそれぞれの成果を引き継 いだ製薬会社にも同席していただき、成果管理委員による面接評価を行いました。 そうした結果を踏まえ、19年度まで存続した3社のうち、将来的に管理コストを 上回る収益の得られる可能性がないと判断された1社の清算を行うことを決定い たしました。なお、残りの2社においては、導出先において製品化に向けた開発 が進行中でございます。また、民間において行われる、主として応用段階からの 研究開発を対象とし、必要な資金の貸し付けを行っておりました融資事業も、16 年度からは承継業務となっておりますが、償還計画に沿った貸付金の回収を着実 に実施しております。  このように評価シート16につきましては、新たに実地調査や面接評価を行うな ど、承継業務に係る収益最大化のための取組を強化いたしましたことから、A評 価とさせていただいております。  研究開発振興業務については以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。  それでは委員の皆様におかれましては、評価シートへの評定等の記入をよろし くお願いいたします。また、質問等ございましたら、適宜ご発言いただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。 ○田宮委員  評価シート14の辺りで、基礎研究推進事業等を受けた方に対して大変厳しく審 査なりフォローをしていらっしゃることがよく分かったんですけども、そのスラ イドの96ページに、基礎研究推進事業の中で打ち切り3課題というのがあります けれども、具体的にはどのような判断で、何年ぐらいで打ち切りになったか、ち ょっと教えていただけますでしょうか。 ○医薬基盤研究所研究振興部基礎研究推進課長  資料1-5の73ページをご覧ください。打ち切りとなりました研究課題につきま しては、平成17年度採択分の上から2つ目の徳島大学木戸先生の研究、それから、 75ページの東京大学鄭先生の研究課題、それから。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  それから、ID番号6-25、制御性T細胞による免疫抑制メカニズムの解析とその 免疫疾患治療への応用、堀先生の、これが3年計画2年目です。木戸先生のが5年 計画3年目、鄭先生のが5年計画2年目となっております。 ○田村部会長  ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。記入のほうもよろしい でしょうか。  それでは、次にグループ4についての評価を行わせていただきたいと思います。 所要時間は法人からのご説明は5分、委員の評定と質疑は10分、合計15分で進め てまいりたいと思います。それでは、法人からのご説明をお願いします。 ○医薬基盤研究所総務部長  総務部長の関根と申します。よろしくお願いします。  それでは、パート4につきましてご説明したいと思います。  資料につきましては116ページからでございます。  まず、評価シート17の財務内容の改善に関する事項でございますけども、117 ページ、118ページをご覧ください。当研究所におきましては、医薬品医療機器 総合機構、医薬品食品衛生研究所、感染症研究所の3つの組織の一部を一緒にし て新たに立ち上げた法人でございます。そのことから、医薬品医療機器総合機構 の研究開発振興業務に関わる16年度予算額を基に効率化係数分を削除した上で、 新たな事業分を積み上げたものが17年度予算となってございます。なお、17年度 予算には、当然医薬品食品衛生研究所、感染症研究所からの切り出し分が上乗せ されてございます。  18年度予算につきましては、17年度予算から、特殊要因を差し引いた額を基に 効率化係数分を差し引いた分が18年度予算になってございます。19年度予算につ きましても同様でございます。  それでは、119ページですけれども、17年度予算に対しまして、19年度決算が 計画的に削減が図られているのかという点についてでございますけれども、まず、 特殊要因である移転経費、退職手当を除けば、一般管理費につきましては92.1% と、7.9%の減です。事業費につきましては、受託研究費、雑収入に関わる事業 費、競争的資金、指定研究費を除けば86.8%と、13.2%の削減が図られています。 この削減の要因につきましては、先ほどパート1でもご説明いたしましたけども、 近隣施設等への外勤等につきましては公共交通機関などを利用し、タクシー利用 の自粛を図り、また、随意契約の見直しを図り、競争入札や複数年契約によるコ ストの削減を図ってまいったところでございます。  続きまして、120ページのところの利益剰余金の発生要因につきましてですけ ども、19年度の開発振興勘定で、当期末処分利益として9,800万円計上されてい ますけども、これは自己収入で購入した資産の期末での評価額でありまして、会 計処理上発生するものでございます。  また、19年度末の積立金約2億4,000万円は、先ほど申しました自己収入で購入 した資産の期末評価額及び希少疾病用医薬品等開発助成事業の企業からの売り上 げ納付金収入から当該事業にかかる経費を除いた額でございます。  なお、積立金につきましては、次期中期目標期間における業務の財源として厚 生労働大臣に承認を受けた額を除いた額については、中期目標終了後に国庫に納 付することになっています。  続きまして121ページでございますけども、交付金以外の自己収入といたしま して、競争的研究資金、受託研究費、共同研究費等の獲得状況をあらわしたもの でございます。特にこの中で民間企業等との共同研究や受託研究の拡大に努めた 結果、金額的には大幅に増加したところでございます。  なお、財務に関しましては、監事監査及び監査法人からの監査報告には、適正 に処理されていると報告をいただいているところでございます。  以上、財務内容の改善につきましては、中期計画に沿って事業の執行を行い、 B評価といたしました。  続きまして、その他の業務運営に関する重要事項でございますけれども、122 ページでございます。  まず、人事に関する事項でございますけれども、研修の実施につきましては、 国内外の専門家を招きましてセミナーを開催したほか、他の研究機関等との共同 セミナーに研究員を参加させるなど研修を行い、前年を上回る実績がございまし た。  また、所内研究発表会、研究成果発表会を実施し、所内の情報交換を進めると ともに、職員間の連携が図れたところでございます。  次に、人事評価制度でございますけども、研究職の評価につきましては、論 文・学会及び特許の研究業績と、産学官連携、外部資金獲得状況などの研究貢献 とを総合的に評価する方式に見直し、再試行を実施いたしまして、試行の結果の 検証を行い、20年度における本格実施に向けた準備を進めてまいりました。  また適正な人事配置でございますけれども、電子顕微鏡やNMRの研究活動の支 援の充実を図るために、共用機器実験室を設置したところでございます。  次に、123ページの職員の採用状況でございますけれども、研究者の採用に当 たっては公募によるほか、国内外の専門誌、例えば海外で「ネイチャー」に掲載 し、さらに国内の関係大学等に対して直接募集するなど、広く募集に努めたとこ ろでございます。応募者の人選に当たりましては、中立性、公平性を確保するた め、プロジェクトリーダー等につきましては外部の専門家を含めた人事委員会を、 研究員につきましては内部の職員による人事委員会を開催しまして、19年度にお きましては、プロジェクトリーダー等2名、研究員2名を採用を決定したところで ございます。  次に、19年度末常勤職員数ですけれども、124ページでございます。中期計画 におきましては、95名とされております。平成19年度におきましては、先ほど申 しましたようにプロジェクトリーダー、研究員の採用をするなど、平成19年度末 の常勤職員数は86名となっております。  また、研究員の確保については、限られた人件費の枠や削減計画をクリアしつ つ、可能な限り採用に努めてまいりたいと思います。  最後に、セキュリティの確保でございますけども、研究成果の報告書等の管理 やRI等を使用していることなどから、IDカードによる入退室の管理システムを導 入している関係で、新任職員へは周知徹底を図っております。また新たに19年度 からは、重要物品倉庫の入退室管理の強化を図ってまいりました。  それから、情報セキュリティ・個人情報保護法等に関しましては研修を実施し、 職員への周知を図ってまいります。  施設及び設備に関する事項でございますけれども、霊長類科学研究センターが かなり老朽化していることもあり、順次改修が必要なこともありまして、研究本 館等の空調設備の改修工事、あるいはアカゲミドリザル棟の改修工事を行いまし た。また、大阪本所におきましては、核磁気共鳴機器NMRでの実験をする共同実 験棟の建設を行いました。  以上のとおり、セミナーの積極的実施、人事評価制度の本格実施に向けた準備、 NMR棟の整備及び実施体制に伴う本格稼働、任期研究員の積極的採用、新規プロ ジェクトの新設等につき、中期目標を上回って達成したことから、A評価といた しました。  以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、評価シートの評定等 の記入をよろしくお願いいたします。  あわせて質問等ございましたらご発言いただきたいと思いますが、いかがでし ょうか。 ○田宮委員  今のところで、先ほどの研究が途中になった件をもう少し伺いたいんですけれ ども、その理由はどんなものなのでしょうか。途中の段階でアウトカムを評価し たのか、それとも何か研究費の不正上の問題とかそういうことだったのか、教え ていただけますでしょうか。 ○医薬基盤研究所研究振興部長  先ほどのものにつきましては、研究成果が十分上がらないというのが一番大き な理由でございます。実用化に向かわない、この後研究を進めても、最初に計画 していたような成果が得られないというふうなことで、評価委員会のほうからも 判断をいただいて打ち切りということにしております。 ○田村部会長  ほかにグループ4につきまして、何かご質問ございますでしょうか。  ご記入のほうはよろしいでしょうか。  それでは次に、グループ5の業務実績評価関係資料について評価を行いたいと 思います。これにつきましては所要時間は、法人からのご説明が15分、委員の評 定と質疑が5分の合計25分ということで進めさせていただきたいと思います。  それでは法人のほうからのご説明をよろしくお願いいたします。 ○医薬基盤研究所総務部長  それでは、資料の1-2、平成19年度業務実績評価関係資料につきましてご説明 申し上げます。  では、1枚めくっていただきまして、様式1、目的積立金につきまして1ページ をご覧いただきたいと思います。先ほどの実績報告の財務内容の改善でもご説明 したとおり、利益の発生要因につきましては、平成19年度の開発振興勘定で、当 期末の処分利益として約9,800万円を計上しているものでございますけれども、 これは、自己収入で購入した資産の期末での評価額でありまして、会計処理上発 生するものです。したがいまして、現金性がないため、目的積立金の申請はして おりません。  次に、様式2、3ページでございますけれど、保有資産の見直しの検討につきま してでごさいますけども、当研究所につきましては、平成17年度の設立時に必要 な資産等、国からの現物出資を受け、現在有効活用しているため、今のところ遊 休資産はないということで、見直しの検討はしておりません。  次に、様式3、4ページでございますけれども、官民競争入札等の活用状況につ きましては、3つの事業がありますけども、研究振興事業につきましては、医薬 品等の開発を促進するための公的研究費の配分等でございます。専門性、公平性、 中立性、行政施策との整合性が強く求められること等から、官民競争入札の趣旨 になじまないと思料してございます。また、基盤的技術研究及び生物資源研究に つきましては、事業自体が単発であり、官民競争入札を行うだけのまとまった業 務量がないこと、また、提供する情報に関する適切な専門的理解が必要なことか ら、官民競争入札はなじまないものと思料しております。  続きまして、様式4、5ページでございます。コンプライアンス体制の整備状況 等につきましては、まず取組状況につきましては、当研究所の業務の有効性、効 率性等の確保につきましては、監事監査、内部監査及び会計監査人を通じてチェ ックを行っております。監事監査は、全ての業務につきまして部長、リーダー等 からヒアリングを行い、業務が関係法令に従い、適切かつ効率的に運営されてい るか等につきましてチェックを行っております。  また、内部監査は会計監査人の監査報告における改善事項の措置状況や業務上 の問題のある事項について個別にチェックを行っています。平成19年度は生物資 源バンク事業の業務プロセス等について監査を行いました。  また、会計監査人による監査では、外部の目から財務会計サイクル委託研究サ イクルなどの各業務サイクルなどの内部統制の整備・運用状況を検証していただ いております。  次に、研究活動の不正行為への対応につきましては、研究ノートの作成管理等 の不正行為の防止に引き続き取り組んでおります。また、研究活動の不正行為へ の対応に関する指針について、各委託先に通知するとともに、当研究所内に告発 窓口を設置いたしました。さらに委託研究契約において、不正行為の疑いがある 場合には、委託費の支給停止、契約解除を盛り込んだ研究契約書により締結して おります。  6ページの公的研究の不正使用の防止につきましては、当研究所の内部規定を 制定いたしまして、通報窓口や規程についてホームページで公表・周知いたしま した。また、文部科学省ガイドラインについて各委託先に通知し、さらに委託研 究契約において不正行為の疑いがある場合は、契約解除等を盛り込んだ研究契約 書により締結をいたしました。  公益通報者保護に関する対応につきましては、公益通報者保護に関する内部規 程を整備し、通報・相談窓口を設置し、それらをホームページで公表しておりま す。  倫理規程の周知につきましては、リーダー連絡会を通じ、再度職員に対し周知 を図り、職務の執行の公平さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止 を図りました。  また、取組につきましての自己評価につきましては、監事監査、内部監査及び 会計監査人の監査を毎年実施し、業務の運用状況等をチェックすることにより、 業務の改善を図るとともに、理事長、監事、内部監査チーム及び会計監査人との 連携を図るなど、コンプライアンス監視体制の整備が進みました。  また、研究活動の不正行為への対応は、公的研究費の不正使用等の防止及び公 益通報者保護に関する対応については、規程の整備、通報・相談窓口の設置等、 実施体制の整備が進みました。  次に、様式5、8ページでございますけども、役職員の報酬・給与等の状況につ きまして、ご説明します。  当研究所の研究職員の平均給与は96.1%でございますけれども、事務職員の平 均給与は104.2%と、国家公務員の水準を上回っております。当研究所の事務職 員はほとんどが国からの出向職員であり、給与水準も国に準じた体系をとってい ることから、各個人への支給額については、国に在籍したときと基本的には変わ りはありません。  にもかかわらず、給与水準が国の平均を上回っている数値となっている要因に つきましては、先ほどパート1のところで説明しました、色刷りの説明資料の1-4 の12ページに書いてありますとおり見ていただきたいんですけども、12ページの ところでございますけど、国家公務員の行政職俸給表(一)の組織区分別の平均 給与月額構成比では、本府省が最も高く、次いで管区機関、府県単位の機関、そ の他の地方支分局、施設等機関等の順となっているところであります。当研究所 の出向者のほとんどは本府省及び管区機関からの出向者でございます。このため、 本府省からの出向者の平均給与月額は41万6,240円で、国家公務員の本府省の平 均月額42万3,151円と比べると98.4%、管区機関から出向者の平均給与月額37万 1,626円で、国家公務員の管区機関の平均給与月額39万6,995円と比べますと 93.6%と、いずれも下回っておりますけれども、全国家公務員平均と比べると若 干上回る結果となっております。  また、当研究所では人件費の効率化を図るために、定型的業務につきましては、 非常勤職員や派遣職員などの活用を進めることから、正規職員だけの平均給与で 見ますと、管理職に占める割合が35.3%であり、国家公務員より給与水準が高い ように見える結果であります。  また先ほどの資料1-2の8ページに戻っていただきますけども、さらに職員の大 卒者の割合が64.7%であり、国家公務員行政職俸給表(一)の適用を受ける職員 の大卒者の占める割合の48.2%よりも高いためということで、給与水準の数値が 相対的に高くなっていることでございます。  当研究所における給与は国に準じた給与体系を適用しているところであります けれども、給与水準は国との比較において適切なものであると考えております。 引き続き、国の給与改定に準じた給与の見直しを行っていきますが、今後、平均 給与の水準をさらに抑制するためには、人事異動を行う際には積極的に若い職員 を配置して行っていきたいと考えております。  続きまして、資料1-2の21ページからの様式6、随意契約等の実施状況について ご説明申し上げます。  まず、平成19年度の全体の実績でございますけども、一般競争入札のうち競争 入札が90件、24.7%、企画競争が215件、59.1%、随意契約が59件、16.2%とな っております。このうち企画競争につきましては、全てが公募を行い、外部の評 価を得て委託先研究機関を決定する、競争的研究費の契約でございます。随意契 約につきましては、この59件の中身でございますけれども、厚生労働大臣の指定 に基づく、企業等にオーファン助成金を交付している開発助成費、これが25件含 まれております。また、随意契約によらざるを得ない契約といたしまして、電気 ガス水道等の公共料金、土地借料、官報掲載等がございまして、契約相手が特定 されているものが10件、その他、19年度限りの契約として単発のものが24件でご ざいます。この24件のうち、20年度においては、一般競争入札に移行したもの及 び移行予定のものが7件含まれております。  次に、同一所管法人の実績は、競争入札2件、1.6%、企画競争113件、92.7%、 随意契約7件、5.7%です。  次に22ページの、同一所管法人以外のものの実績は、競争入札88件、36.4%、 企画競争が102件、42.1%、随意契約が52件、21.5%となっております。  随意契約の見直し計画の実施状況につきましては、平成19年度の随意契約実績 件数は見直し計画の87件から59件へと28件減少し、金額では18億円から17億円へ と1億円削減いたしました。また、18年度実績に比べますと、件数で57件、金額 で9億円の削減をいたしました。  また、随意契約の基準を定めた規程等、随意契約の状況につきましてはホーム ページに公表しております。  随意契約の見直し計画の達成に向けた具体的な取組につきましては、平成18年 度に締結した随意契約の点検、見直しを行い、競争入札に移行するもの、事務・ 事業を行わないもの、随意契約によらざるを得ないものとに区分し、実施年度を 明らかにし、ホームページに公表しております。  次に、23ページでございますけども、関連法人との平成19年度の実績でござい ます。一般競争入札2件、随意契約が4件となっております。  関連法人との契約の状況ですけども、18年度、先ほどパート1のときにご説明 いたしましたけども、18年度随意契約を行っていた、医科学用霊長類育成委託事 業につきましては、19年度より一般競争入札に移行しました。また、随意契約4 件につきましては、いずれも今ご説明しました一般競争入札で契約した医科学用 霊長類育成委託事業に関連した研究支援に係る委託業務契約でありまして、これ は医科学研究に供するまでの育成等の業務を委託しているため、医科学研究に係 る支援業務についても、契約の締結をしなければ目的は達成されないため、随意 契約としております。  その他関連法人との随意契約の適正化等についての取組につきましては、競争 入札に移行するもの、事務・事業を行わないもの、随意契約によらざるを得ない ものに区分して、さらなる適正化を図ってまいります。  24ページに移りますけども、取組等についての自己評価につきましては、平成 19年度随意契約実績全体が見直し計画に比べまして28件、金額で1億円削減し、 計画を上回り達成いたしました。また、平成18年度実績と比べ、件数で57件、金 額で9億円削減し、大幅に改善が図られてまいりました。19年度の計画された総 合評価方式による一般競争入札を行ったことにより、今後の契約について実施拡 大が可能となりました。  以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは、委員の皆様には評価シートの評定等の記 入をよろしくお願いいたします。  なお、質問等ございましたらご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょ うか。 ○鈴木部会長代理  21ページ様式6のところで、研究所の実績、それから同一所管法人等の実績、 その次のページで、同一所管法人等以外のものの実績を比較されているんですが、 それをどういうふうに見ていらっしゃるのか、我々はどう受け取ったらいいのか、 少し数値だけでなくて、その意味を説明していただけないでしょうか。 ○医薬基盤研究所総務部長  この同一所管法人につきましては、契約相手先が公益法人等の契約相手先とい うことで、それ以外のところは、公益法人以外のところということでございます。  例えば企画競争等で比較して、この113件でございますけども、国立大学法人 というのがこちらに含まれて、それ以外のものについては、私立大学等との契約 という形に分かれております。  随意契約7件につきましては、先ほどの関連法人プラス財団法人等が含まれて おります。それ以外の民間等はその他になっております。 ○鈴木部会長代理  評価はどういうふうに、自己評価はどういうふうにされていますか。 ○医薬基盤研究所総務部長  特に企画競争につきましては、先ほど申しましたとおり公募による評価で、募 集分野を定めまして公募を行いまして、外部の有識者で構成してます評価委員会 の評価を得て課題を採択してますので、特段公益法人とか民間とか分けているわ けじゃなくて、たまたまその評価によって決まったということで考えております。 ○政策評価官室長補佐  繰り返しになってしまうんですけど、この業務実績評価関係資料につきまして は、ほかの資料で行いましたS、A、B、C、Dの評価については不要になっており ますので、念のためお伝えしておきます。 ○田村部会長  よろしゅうございますでしょうか。  評定等の記入は、委員の先生方、大体終わりましたでしょうか。よろしゅうご ざいますか。  それでは、時間の関係もございますので、評価の議題を終えたいと思いますが、 記入が終わっていない委員の方で、本部会が終了した後に会場にお残りになって 記入をしたい、あるいは評価シートをお持ち帰りになって記入したい等をご希望 される場合は、本部会終了後に事務局のほうにお声をかけていただければと思い ますので、どうかよろしくお願いいたします。  それでは、本日の議事は以上となります。  政策評価官室から次回の部会の日時等についてご説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の第39回調査研究部会の開催についてご連絡いたします。日時は、8月19 日火曜日の13時30分から18時まで、場所はこの同じ棟の5階の共用第7会議室にて、 議題は「総合評価について」となっております。なお、評価シートへの書き込み がまだ終わられていらっしゃらないという方がいらっしゃいましたら、評価シー トをお帰りになるまで回収いたしませんので、引き続きご記入いただいて結構で す。また、お持ち帰りになって記入されたいという方がおられましたら、この後 事務局までお声かけください。  また、次回の部会開催までに、総合評価の案を作成していただくことになりま すが、各法人の起草担当委員は、昨年までと同様、国立健康・栄養研究所につき ましては武見委員、政安委員、労働安全衛生総合研究所につきましては田宮委員、 田村委員、酒井委員、中村委員、医薬基盤研究所については鈴木委員、市川委員、 財務諸表等会計に関する意見については岩渕委員、清水委員にお願いしたいと思 います。 ○田村部会長  何かご意見等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、各委員におかれましては、総合評価に向けた作業の件、よろしくお 願いいたします。  本日は以上ということにさせていただきたいと思います。長時間にわたり熱心 なご審議をいただきまして、誠にありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)