08/07/17 第38回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第38回) 開催日時:平成20年7月17日(木)15:30〜 開催場所:厚生労働省共用第8会議室(6階) 出 席 者:上野谷部会長、福島部会長代理、浅野委員、石井委員、大島委員、      宗林委員、松原委員、山村委員 ○上野谷部会長  定刻になりましたので、ただ今から第38回独立行政法人評価委員会医療・福祉 部会を開催させていただきます。  皆様方におかれましては、本当に暑く、またお忙しい中お集まりいただき、誠 にありがとうございます。  本日の議題は、お手元の次第のとおり、平成19年度における独立行政法人の業 務の実績に関する評価について、説明を受けました後、国立重度知的障害者総合 施設のぞみの園の平成19年度の業務実績に関する個別評価を行います。  それでは、議事に入ります前に、政策評価官室から事務局の異動について報告 がありますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 ○政策評価官室長補佐  まず今井政策評価官からご挨拶させていただきます。 ○政策評価官  今井でございます。7月11日付けで政策評価官を拝命いたしました。どうぞよ ろしくお願いいたします。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりをいただきまして、どうも ありがとうございます。  平成13年にこの委員会が発足いたしまして7年が経過し、その間、法人の業務 の実績評価、それから組織、業務全般の見直しのご審議など、大変なご尽力をい ただいておりますことを心より御礼申し上げます。  独立行政法人をめぐる最近の状況ですが、ご案内のとおり、一部の法人による 不祥事などの事件もありました。また、政府における無駄の排除という観点から の見直しという動きもございます。事務事業を含めた見直しをする一方で、運営 を徹底的に効率化するということが求められているのではないかというふうに考 えております。  そういう状況の中でございますが、各法人、非常に真摯に業務を遂行し、運営 の改善に努めているところでございまして、各府省の独立行政法人の評価委員会 に対しても、独立行政法人整理合理化計画及び総務省政策評価・独立行政法人評 価委員会の第2次意見において、より厳格かつ客観的な評価を実施するなどの評 価を行うということが求められているところでございます。  この評価委員会における、平成19年度の業務実績に関する評価におきましては、 委員会としての評定理由を具体的に明記するようにしましたほか、随意契約見直 し計画の実施状況等につきましても評価を行うなど、新たな取組を今回からお願 いしているところでございます。  お暑い中、非常に長丁場のご議論、ご審議をお願いすることになりますけれど も、今年もよりよい評価ができますように、何とぞよろしくお願いを申し上げま す。  簡単ではございますが、ご挨拶に代えさせていただきます。 ○政策評価官室長補佐  同じく、7月11日付けで政策評価審議官に荒井が着任しておりますが、本日は、 本部会と同じ時間帯で開催されております労働部会に出席しているため、ご紹介 のみとさせていただきます。  それから、申し遅れましたが、この4月1日付けで政策評価官室長補佐を務めさ せていただいております廣井と申します。皆さん、どうぞよろしくお願いします。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  それでは、議事に入らせていただきます。  初めに、平成19年度におけます独立行政法人の業務の実績に関する評価につい て、政策評価官から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  説明させていただきます。  本年度の部会における評価の進め方について、昨年度と異なる点は3つでござ います。委員会としての評定理由の明記、業務実績評価関係資料、国民の意見募 集。これらについて説明させていただき、続いて総務省の政独委からの文書を紹 介させていただき、最後に日程の確認をさせていただきたいと思います。  資料については、資料1−1から1−5、参考資料の1番と2番になります。  まず、資料1−1をお願いします。  この1−1については、委員の皆様にも事前にお示ししまして、承知いただいて いるとおり、総務省政独委からの評価基準の見直し、評価結果の考え方等の十分 な説明について意見が出されておりました。それに対する当省評価委員会の対応 として、各委員の評定理由を基に委員会としての評定理由を評価シートに明記す る。中期目標の達成度合いを数値化することは見送るという方針で、事務局から 委員の皆様にご説明をさせていただきまして、ご了解を得ております。  それから、資料1−2でありますが、この方針をまとめたものについて、委員会 申し合わせということで、7月1日付けでまとめさせていただいたところとなって おります。これにつきましても6月末、事前に各委員に既にお伝えしていること と思います。  それから、評定理由の明記等に当たりまして、理由を書く時間等を確保してい ただきたいという委員の先生も多々いらっしゃいましたので、1−4をご覧くださ い。個別項目に関する評価の進め方というものです。1法人について、約20ある 個別項目を3つまたは4つのグループに分けて、さらに後で説明いたしますけれど も、業務実績評価関係資料というものを追加して、全体を4つまたは5つのグルー プとして、個々のそれぞれの説明の後に評価の時間をとると、そういうふうな形 で進めさせていただきたいと思います。  それぞれの時間割については、机上配布資料のほう、「国立重度知的障害者総 合施設のぞみの園個別評価の進行について」ということでペーパーを配らせてい ただいていますので、それに従ってお願いします。  先ほど申し上げました業務実績評価関係資料ですが、こちらは資料2−2として ご用意しております。この資料は、独立行政法人整理合理化計画及び総務省の政 独委2次意見において、評価委員会が評価を行うとされた随意契約の見直し計画 の実施状況等の評価のために用意したものでございます。  中期目標、中期計画、年度実施計画を整理した評価シートに、既にこの中の内 容で記載されているものもありますが、その説明を聞かれた上で、各項目につい て評価を記載していただきたいと思います。これにつきましては、S、A、B、C、 Dといった評定や評定理由等は記載していただかなくて結構です。内容的には、 法人の取組についてどのように評価されるかということを資料に書いていただき たいと思います。  例年より評価の項目が増え、委員のご負担も増えましたが、パソコンの用意、 あるいは会議資料をお持ち帰りいただいた後で、評価結果を当室に郵送していた だくことも可能としておりますので、どうぞ厳正な評価をよろしくお願いします。  それから、資料1−3ですが、国民からの意見募集ということで準備しておりま す。これにつきましては、独立行政法人整理合理化計画で、「評価委員会は、独 立行政法人評価の際、業務・マネジメント等に係る国民の意見募集を行い、その 評価に適切に反映させる」とされていたところですが、当省評価委員会も、各法 人の平成19年度業務実績報告等について国民の意見を募集しました。7月3日に各 法人の業務報告書等を政府電子総合窓口に掲載して、7月14日に意見を締め切り ました。12日間という期間で募集しましたが、今回個別評価を行っていただく国 立重度知的障害者総合施設のぞみの園については、本件に係る意見は寄せられな かったことをご報告します。  さらに、次に参考資料の1と2をご覧ください。参考資料1につきましては、総 務省政独委が自らの取組方針について7月14日付けで決定したものであります。 政独委事務局が当省を含む各府省評価委員会の事務局に送付しております。各府 省評価委員会が実施する平成19年度業務実績評価についての総務省政独委の評価、 いわゆる政独委2次意見について、今年度の取組方針を示したものとなっており ます。  その取組方針の内容としましては、昨年度の本部会でも配布させていただきま した参考資料2ですが、総務省政独委が昨年の7月11日に決定した「独立行政法人 の中期目標期間終了時の見直し及び業務実績評価に関する当面の取組方針」を基 本に、昨年末に閣議決定された独立行政法人整理合理化計画等に対応して取組を 行っていくと、そういうことになっております。委員の皆様におかれましては、 お目通しをいただき、評価の際の参考にしていただければと思います。  最後に、今年の夏のスケジュールの確認です。来週、7月24日に医薬品医療機 器総合機構、福祉医療機構の個別評価、それと24日には福祉医療機構のほうの視 察も計画されております。それから、8月11日に本部会の3機構の総合評価、8月 21日に医薬品医療機器総合機構の暫定評価、それと福祉医療機構と国立重度知的 障害者総合施設のぞみの園の最終評価。また、8月27日には総会が開催の予定と なっております。  事務局からは以上です。 ○上野谷部会長  それでは、政独委のほうからのご指摘といいましょうか、ご意見、そして前年 度も客観的かつ非常に丁寧なご評価をいただいたわけですが、今年度は、とりわ け、今ご説明がありましたように、評価シートの個別項目の書き方等、ご説明、 既に各委員の方々にはお伺いしてご了解いただいていると思いますが、そのよう に進めさせていただきたいということでございました。  何かご質問ございましたらどうぞ。 (各委員了承) ○上野谷部会長  それでは、ただ今から国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成19年度業 務実績の個別評価に入ります。  最初に、理事長からご挨拶をいただきます。お願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  理事長の遠藤でございます。  本年3月で任期満了でございましたが、4月1日付けで厚生労働大臣のほうから 改めて理事長に任命するとの辞令をいただきました。引き続きよろしくお願いい たします。  また、理事2名は改選となりまして、私の両側に着席しております篠原と渡辺 の両名が任命されております。新しい体制で第2期の中期目標達成に取り組むと いうことでございまして、委員の先生方には今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よ ろしくお願い申し上げます。  それでは早速、19年度の取組についての総括的な説明ということで、資料2−4 に沿いましてご説明させていただきます。  横長の資料で2−4がございますので、表紙をめくっていただいて1ページに、 19年度における主な取組の成果というようなことで、枠で囲ってまとめてござい ます。  まず、役職員の給与引き下げですとか人員の削減などによりまして、1億円を 超える人件費の縮減を図りました。  入所者の地域移行については、19名の移行が実現しまして、ようやく軌道に乗 せることができたと考えております。  調査・研究と養成・研修の関係では、行動援護という新しいサービスについて、 人材養成のための演習プログラムを開発したり、中央セミナーを2回開催するな ど、行動援護関係の全国的な普及に努めました。その他調査・研究なども取り組 みました。  援助・助言の業務については、これはのぞみの園の業務全般ですとか、こうい った援助・助言の業務のPRに努めまして、実績の増加を見ております。  このような取組の結果、中期目標については、地域移行関係の数値目標を除き まして概ね達成することができました。  その具体的な状況について、2ページ以降でご説明させていただきます。  2ページに、業務運営の効率化関係で表として右側にまとめてございます。常 勤職員数について計画どおり縮減を行いまして、19年度末の定員は279名となっ ております。また、役職員の給与引き下げということで、(3)でまとめてございま すが、16年度以降3.5%ずつの引き下げというのを行いまして、19年度も3.5%引 き下げいたしました。その結果として、総人件費を対前年度で1億3,000万円ほど 縮減できたというのが、(2)の真ん中の表としてまとめてございます。  次に、3ページでございますが、これは運営費交付金の関係を表としてまとめ てございます。  平成19年度も対前年度で7,000万円削減いたしまして、特殊法人時代に比較し て13%以上削減するという数値目標は達成いたしました。  また、2として財務内容の改善がございますけれども、これにつきましても、 自己収入比率についての目標値が設定されておりますが、入所利用者の総数が地 域移行や死亡などによって徐々に減っていく中で、自己収入比率38%以上という 目標値を何とか達成できました。  次に4ページに、国民に対して提供するサービスについてということで、まず 地域移行関係をまとめてございます。19年度の取組として右側に書いてございま すけれども、本人、保護者に地域移行のイメージを持ってもらうために、映像資 料を活用したりしました。また、都道府県に対しては、特に移行先の事業所の確 保が困難なケースにつきまして、個別に協力要請を重点的に行いまして、大半の 県が協力的であったということもありまして、具体的な成果につなげることがで きました。その結果、平成19年度は19名の移行が実現しております。  また、ここには記載しておりませんけれども、今年度に入りまして既に9名が 移行しております。また、移行について事業所の空きを待っていると。調整は終 わって事業所の空きを待っている人が現在9名おりますし、現在、移行について 鋭意調整中という人が18名おります。このように、地域移行の事業も、やや時間 がかかりましたけれども、ようやく軌道に乗せることができたと考えております。  なお、中期目標期間の終了という節目を迎えるに当たりまして、これまでの取 組を体系的にまとめました「地域移行の軌跡」と題する報告書を刊行いたしまし て、これまで1,600部ほどを入所施設、関係自治体などに配布しまして、地域移 行に関する理解や協力を深めていただく一助としております。  次に、5ページでございますけれども、地域移行をした人の状況と地域移行の ための協議・調整の状況をまとめした資料でございます。  この中で、一番下にフォローアップ回数というのを載せてございます。これは 移行後も本人あるいは受入先の事業所や自治体と定期的に連絡をとりまして、ま た職員が実際、生活状況を確認するために訪問したりしまして、フォローアップ を重ねて行って、新しい生活に着実に定着できるように取り組んでいるところで ございます。その結果として、これまで地域移行後の生活がうまくいかないとい うことで、のぞみの園のほうに再入所したというケースはございません。  次に、6ページでございますけれども、調査・研究の関係を、あるいは養成研 修の関係をまとめてございます。  調査・研究については、平成19年度は行動援護関係の調査研究を初めとして10 のテーマについて実施いたしました。その結果については、ホームページやニュ ースレターに掲載するなど周知に努めましたけれども、これら10のテーマの研究 結果をまとめた「研究紀要」というのを新たに発行することとしまして、その編 さんの作業をいたしました。実際、発行は今年度に入ってからでございますけれ ども、一応、第1号の研究紀要ということで刊行いたしまして、関係者の皆様に お送りしたところでございます。  養成・研修では、行動援護従事者の養成のための中央セミナーを2回開催した ほか、例年やっておりますのぞみの園主催の福祉セミナーも2回開催いたしまし た。いずれも参加者には好評を博しております。  最後に7ページでございますけれども、これは業務実績のご説明ではなくて、 のぞみの園の利用者につきまして、残念ながら所在不明の事故が発生して、いま だ解決を見ていないと、そういうケースについてご報告させていただきます。ま た、その再発防止対策にどう取り組んでいるかを説明させていただくということ で、最後にこの資料を説明させていただきます。  のぞみの園の63歳の男性の入所利用者でございましたけれども、のぞみの園に 46年7月入所指定ということですから、36年間のぞみの園で平穏に生活していた 方でございますけれども、この資料の7ページに書いてございますように、昨年4 月23日14時頃ということですから、日中活動のさなかに所在不明となったという ケースでございます。最後に確認された場所というのが、施設の敷地内の資料セ ンター、この建物の前に市内の循環バスの停留所がございまして、人も車もよく 通るところでございますが、その道路上で確認されたのを最後に所在が不明とな りました。  不明となった利用者は、日ごろから問題行動もなくて、マイペースでとぼとぼ と、グループから遅れがちに歩きますけれども、施設内のどこからでも生活寮に 戻れるということもありまして、そのとき支援に当たっていた職員が要所要所で の所在の確認ということを怠ってしまったと、そういうところに原因があったと 考えております。油断があったことは否めず、深く反省しているところでござい ます。  所在不明が明らかになるや、法人を挙げて捜索に当たり、また、関係機関、資 料に書いてございますように、警察、消防、近隣自治体、交通機関、マスコミな どに情報提供と捜索の協力依頼を行いました。翌日には記者クラブへの情報文書 の投げ込みを行って、実際に新聞、ラジオ、テレビでも報道されました。保護者 の方には、所在不明の発生とその後の捜索状況について説明を行うとともに、そ もそもそのような事態を発生してしまったことについてお詫びをしたところでご ざいます。  次の8ページに具体的な捜索の状況を記載してございます。所在不明になりま してから、警察、消防の協力を得て、周囲の山林、沢などをくまなく捜索いたし ました。いわゆる山狩りと言われるものも行いましたし、その前後も職員が交代 で捜索に当たったということでございます。不明になったとき、日中活動という ことで、農作業を行うような格好ということで、竹篭をしょいまして、長靴も履 いていたという、やや目立つような姿だったわけですけれども、その竹篭ですと か長靴についても全く手がかりが得られなかったという状況でございます。  この件については、すぐに警察に捜索願も出しましたし、また、知的障害者福 祉協会を通じて全国の関係施設に情報提供をお願いしたり、近隣の都道府県、自 治体にも情報提供をお願いするなど、広域的な捜索にも、考えられる限り手を尽 くしましたけれども、有力な情報は得られていないと、それで今日に至っている という状況でございます。  このように、捜索に携わる一方、再発防止に万全を期すということで、8ペー ジの下に書いてございますように、全職員を対象にリスク管理の研修会を繰り返 し実施しましたし、施設内に防犯カメラを4台、これは施設から外に通じる道路 の分岐点になるところに4台設置しました。それまでは、利用者の居住区への不 審者の出入りを監視するために1台設置してあったのですけれども、さらに4台設 置しております。  また、第三者を含む会議、例えば苦情解決の会議ですとか、第三者の評価委員 会などに報告し、いろいろご意見を伺いました。  なお、昨年6月末に、そのような事態を発生させたことについて関係職員の処 分を行っております。  不明となった利用者の保護者の方、これは実の兄の方なんですけれども、その 方とはこれまで定期的に捜索状況について説明してまいりましたけれども、今後 の進め方について改めてご相談するということで、近々面会する予定となってお ります。いずれにしても、法人として粘り強く取り組んでいかなければならない と考えているところでございます。  以上が、この所在不明の件の説明でございます。  そういうことで、19年度、中期目標期間の最後の年度ということで、それぞれ いろいろな取組を行い、成果を上げましたけれども、残念ながら、今申し上げた ような件も発生してしまったということで、これからこういうことを反省しつつ、 また新しい目標の達成に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  総括的なご説明がございましたが、事故等のご報告もございました。質問等あ るかもわかりませんけれども、評価の時間もとらねばなりませんので、どうして も質問がある方はしていただきたいと思います。  また後で危機管理等のところでご意見等いただけたらと思っております。よろ しいでしょうか。  それでは、これからの進め方でございますけど、先ほどご説明しましたように、 今から少し丁寧にグループに分けまして評価を行います。合計4グループのグル ープに分けさせていただいて評価を行っていきます。所要時間ですけれども、第 1のグループというのは項目の1から5と、15から17と、業務運営の効率化を含み ますが、法人から20分ご説明いただき、そして委員の評定と質疑応答を含めまし て20分という、目安でございますけれども、こういう目安でやらせていただきた いと思っております。  それでは、法人からご説明をお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  それでは、のぞみの園事務局長の石井でございます。  評価シートを資料に沿ってご説明申し上げますが、ただ今20分というお話でご ざいましたが、第1のグループは若干ボリュームが多く、時間が超過するかもし れませんが、ご了承いただきたいと思います。  それでは、資料2−1、実績評価シート、頭のページから順繰りに説明をしてま いりたいと思います。  まず、個別事項1の効率的な業務運営体制の確立、組織体制、人事配置につい てです。  まず1ページでございます。組織体制に関してでございます。のぞみの園は平 成18年10月から障害者自立支援法の新事業体系に移行いたしまして、事業を展開 してまいりました。19年度は、さらにこの支援法の趣旨に沿ったサービス展開を するように、組織、職員体制の見直しを取り組んでまいりました。  具体的には、充実した日中活動サービスを提供するために、活動支援部の班編 成の見直しを行い、また、施設利用者等の減少を踏まえまして寮の統合を試みま して、19年10月から1か寮を廃止してございます。20か寮を19か寮といたしてお ります。  また、人件費の削減の取組については、19年度においても、役職員ともども 3.5%の給与引き下げ、これを7月から実施しておりまして、4年連続の3.5%の引 き下げということになりました。この結果、19年度の役職員の人件費総額、これ は24億5,000万円となりまして、18年度と比較しまして1億3,000万円余削減とい うことになり、5.2%減ということになりました。  人員につきましても、定員上、19年度期首に対して9人の削減となりまして、 これは17年度と比較しますと8.5%の削減という状態になっております。  また、地域生活への円滑な移行を図るために、地域生活体験ホームの拡充を図 りまして、11月に、高崎の市街地に新たに地域生活体験ホーム「ひじり」を開設 いたしました。そのほか、共同生活介護、ケアホームの開設に向けまして検討を 進めてまいりました。  次に、人事配置に関することでございますが、人事評価につきましては、職能 評価、業績評価という評価を実施してきたところでありまして、今後の給与への 反映、あるいは人事配置等に活用できるように、様々な課題の整理を行ってまい りました。  それから、人材の確保につきましては、宮城県での地域移行に実績を有する方、 あるいは福祉大学の研究者の方、そういった方々を4月から部長職あるいは課長 職という形で招聘をいたしまして、地域移行あるいは研究体制の充実を図ってお ります。  1枚めくっていただきまして、2ページには、この事項に関する自己評価のペー ジとなっております。  まず、数値目標ということで1点ございまして、17年度を基準として5%以上の 人員の削減をするということでありましたが、これにつきましては、先ほど申し 上げたように8.5%を達成したと。評価の視点につきましては、5項目に渡り、今 申し上げたようなことを記載してございます。  以上のことから、自己評価のまとめの欄、一番上の欄でございますが、人員に ついて、18年度、19年度の2カ年で中期計画に定める「5年間で5%以上削減」の 目標を大きく上回る削減を行うとともに、併せて給与水準の見直しを行うことに より、人件費総額についても17年度と比較して10%以上の削減となるなど、中期 目標に定める人件費削減に積極的に取り組みました。ということで、当初計画を 上回る実績があったものと判断いたしまして、自己評価はAとさせていただいて おります。  続きまして、3ページでございます。3ページから5ページが内部進行管理の充 実という課題でございまして、まず3ページ、業務の進行の充実のために、各所 に職員によるモニター職を配置いたしまして、年4回のモニタリング評価会議を 開催しております。  また、弁護士さん等の委員を囲み、苦情解決報告会、これを20年3月に開催い たしておりまして、保護者から出された苦情、要望等に関する報告を行っており ます。  (2)の施設利用者及び職員の健康・安全の確保につきましては、定期健康診断あ るいは予防接種、これを法人内の診療所を中心に実施いたしております。  また、11月には、感染症対策委員会を開催いたしまして、ノロウィルスに関す る予防の注意喚起、それから感染した場合の蔓延防止策、これらの徹底を図った 結果、19年度は施設利用者のノロウィルス感染の集団発生を防ぐことができてお ります。  3ページ下段の事故防止対策の実施につきましては、施設内の利用者の事故を 防止するために、事故防止対策委員会を定期的に開催しております。事故の発生 事例あるいはヒヤリハットの事例を詳細に分析いたしまして、その結果につきま して各部署に周知し、同じ事故が起こらないように注意を喚起してまいりました。  さらに、毎年7月を事故防止月間といたしまして、薬品あるいは刃物、そうい ったものの保管状況、あるいは園内の交通安全、それから危険箇所の点検、そう いった事故防止対策を実施しております。  しかしながら、こういった組織的に事故防止対策に取り組んでまいりましたけ れども、冒頭、理事長からご報告がありましたように、19年度において、4月末 に施設利用者1人の所在不明が発生しております。法人として速やかに捜索活動 を開始いたしたわけでありますが、組織を挙げて連日、敷地内あるいは高崎市内、 周辺市町の捜索を行いました。さらに、地元警察あるいは消防団、地元の方々の 応援を得て山狩り等も実施いたしておりますが、なかなか発見に至らず、年明け にも職員による園内の一斉捜索を実施いたしましたが、現時点においてなお所在 の確認に至っておりません。  こうした事故の発生を踏まえまして、法人としては、支援に当たる職員の一人 一人に支援方法の再確認を促すという意味で、総合施設の全職員を対象としたリ スク管理研修会、これを都合12回開催しておりまして、職員に周知徹底を図った ところであります。  また、定点の通行確認、園の出口に門扉がない施設でございますので、そうい った定点で確認ができるようにということで、防犯カメラをこの時4台設置して おります。  4ページになりますけれども、この件については、二度とこのようなことがあ ってはならないという反省から、事故が発生した時の状況の把握、あるいは原因 の分析、これらを行いまして、さらに関係者の処分を行うとともに、先ほど申し 上げた第三者評価委員であるとか苦情解決報告会、あるいは顧問弁護士さん、こ ういった方々に報告をいたしまして、意見をいただきながら、再発防止に向けた 対策を行ってきたわけであります。  そのほか、のぞみの園は広大な敷地を持っております関係上、不審者、不審車 両、不法投棄等、後を絶ちませんけれども、巡回パトロールの強化を図るなど、 不審者対策を徹底してまいりました。  防災対策につきましても、避難訓練は年4回、それから施設全体での総合防災 訓練、これは所轄の消防署の協力を得ながら年1回実施してまいりました。  4ページ中段以下の自己評価の欄でございますが、数値目標としましては、モ ニタリングの評価会を年度中に4回開催するとなっておりますが、これは19年度 中も4回開催しております。  評価の視点については、5項目に渡りますが、今申し上げたような内容のこと を記載してございます。  以上のことから、自己評価のまとめにつきましては、モニタリングを通じた業 務運営の進行に努めるとともに、施設利用者の健康・安全、事故防止対策に法人 全体で取り組む体制を確保し、組織的に対応することにより、ノロウィルス等の 感染症の蔓延防止や事故防止の徹底を図ったと。それから、所在不明に対しては、 法人として早期に捜索対策を整備し、組織を挙げて連日捜索を行うとともに、公 共機関等の協力を得るなど、地元警察に相談しながら、法人として考え得る範囲 の対策を講じてまいったということで、自己評価につきましては、概ね計画どお り実施していると判断いたしまして、自己評価のほうはBということにしてあり ます。  次に、6ページに入りますが、6ページから9ページまでが業務運営の効率化に 伴う経費節減に関する事項でございます。  まず、6ページ、経費の節減というところでございますが、当法人の運営に要 する費用、これは人件費がその大部分を占めておりまして、昨年度に引き続き人 件費の削減に重点を置いて取り組んでまいりました。定年退職者の後補充につい ては、医療関係者等の特別の職を除いて行わないということで、非常勤の積極的 な活用を図るということにしております。  給与水準につきましては、先ほど来から申し上げているように、3.5%の引き 下げを7月から実施し、4年間かけて14%の引き下げをしております。  また、運営費交付金以外の収入の確保につきましては、施設利用者の地域移行 等による減少を踏まえ、短期入所や日中一時事業など地域生活支援事業の拡充を 図るなど、収入の確保に努めてまいりました。  7ページでございますが、そのほか群馬県からの事業の受託でありますとか、 高崎市からの受託、それから国からも補助金を受け、様々な事業を展開してまい りまして、収入の増を図ってきたということであります。  8ページでございますが、実習の受入れというページがございます。そのほか には、実習の受入れというところで、福祉大学の学生、ホームヘルパーの研修、 あるいは診療所における算定報酬業務の適正化等々のことを行いながら、診療収 入の確保に努めてまいっております。  それから、9ページでございます。自己評価のページになりますけれども、ま ず数値目標でございますが、ここは1項目ございまして、一般管理費及び事業費 等の経費について、中期目標期間の最終年度の額を、特殊法人時に比べて13%以 上節減することという目標につきましては、19年度の運営費交付金について、14 年度と比較しまして13.08という数値になりまして、目標を達成しております。  評価の視点での項目は2項目ございますが、経費についての節減はどのように 図られたかと、今申し上げたとおりでございます。  それから、機能訓練の有償化、実習の検討状況ということにつきましては、機 能訓練につきましては、18年4月、理学療法士を確保して有償により実施してい ると。それから、福祉大学の学生が行う実習に係る費用、これらは適正な額の負 担を求めてきているということであります。  以上のことから、自己評価のまとめにつきましては、19年度の運営費交付金に ついて、給与水準の見直しや人件費の削減、運営費交付金以外の収入の確保を計 画的に行うことにより、中期目標は計画をやや上回る節減を図ることができたと。 このようなことから、当初計画を上回る実績があったものと判断して、自己評価 はAといたしております。  次に、10ページから13ページ、効率的な施設・設備の利用についての項でござ います。  まず、10ページでございますが、施設・設備の有効活用という点でございます が、この中で地域との交流という点でございます。これにつきましては、19年10 月に「第5回のぞみふれあいフェスティバル」を開催いたしておりまして、1,958 人が来場しているという実績が上がっております。  また、地元中学校との福祉交流会でありますとか、カラオケ、踊りを通した地 域ボランティアの交流の機会を持っております。  研修会の誘致に関しましては、県の福祉協会が主催する研修会でありますとか、 群馬県が行う養成・研修、これらを誘致いたしまして、当法人の所有する施設を 開場として実施しております。  さらに、知的障害に関する一般市民の理解を深めるための有効活用という点で ありますけれども、昨年は8月4日から5日の間に、「高校生のためのボランティ ア講座2007」ということで実施しております。また、職員研修会あるいは障害者 医療セミナー、これらは地域の住民にも門戸を開放して実施いたしております。  次に、11ページでございますが、日中活動部門の一層の充実を図るためのニー ズの把握という課題でございますが、これにつきましては、市街地に設置いたし ました地域相談支援センター「サポートパルやちよ」の活動を通じまして、地域 の障害者のニーズを把握しております。また、指定相談事業所として、高崎市の 自立支援協議会にも参加しておりまして、これら関係機関と連携を図りながら、 ニーズの実現に向けて取組を進めているというところでございます。そのため、 昨年は非常勤職員の相談支援専門員を1名増員して体制の整備を図っております。  それから、中段のほうに書いてありますが、地域の知的障害者に対する医療的 支援という課題でございます。これは、診療所の外来診療や医療セミナーを通し まして、医療的なノウハウを提供しております。臨床心理の分野でも、心理外来 を利用して、保護者を対象に学習会を開催しておりまして、県外からの参加者も これには含まれておりまして、極めて好評でございます。  1ページおめくりいただきまして、職員宿舎の空き室の活用というテーマでご ざいます。これにつきましては、地域生活体験ホームに利用されております「あ おぞら」というものがございまして、これにつきましては利用定員33名というと ころでございます。そのほか、既存の施設の利用につきましては、受託作業所あ るいは就職支援の場等に活用するなどの方策を練っております。  もう1枚おめくりいただくと、この項目に関します自己評価のページでござい ます。数値目標については3項目ございまして、地域住民参加型の交流会、年1回 開催と、これにつきましてはフェスティバルを1回開催しておると。それから、 青少年を対象としたボランティア講座、年1回、これについても「高校生のため のボランティア講座2007」という形で開催をしております。それから、障害医療 セミナー2回以上ということでございますが、この件に関しましては、講師等の 日程調整がつかなかったため年1回の開催となりました。  評価の視点では6項目ございまして、4項目めまでは今申し上げたとおりの内容 でございますが、5項目めに作業部門の通所部は設置されたかという課題がござ います。これにつきましては、通所部そのものは平成16年4月に開設されており まして、現在は組織の変遷とともに、活動支援部の中の班構成の中で通所・一般 と位置づけられております。  そのほか、6項目め、施設内グループホームの取組状況ということでございま すが、これにつきましては、今は「あおぞら」のほかに、市街地に設置された 「くるん」「ひじり」、こういった3カ所で、地域生活体験ホームという形で運 営をされております。  以上のことから、自己評価のまとめにつきましては、施設・設備の有効活用の 観点から、地域住民の福祉関係者の積極的な利用を進めたほか、職員宿舎の空き 室、寮の再編に伴う空き寮について、施設利用者の支援に効果的に活用しており、 概ね計画どおり実施していると判断して、自己評価はBとしております。  それから、14ページから15ページ、合理化の推進ということになります。14ペ ージ、合理化の推進、外部委託ということでございますが、これは12業務の外部 委託を実施しております。それ以上の業務というところで検討してまいりました が、なかなか見つかりません。現状維持というところであります。  それから、競争入札の実施につきましては、清掃業務とゲストハウスの運営業 務につきまして、19年度から入札ということになりました。  そのほかに、もう一つ残っております診療所の医療業務の関係につきましては、 19年度末に競争入札を行い、20年度契約分から競争による契約ということになっ ております。  そのほか、国の補助金による工事につきましては競争入札、それから監査法人 に関する契約につきましても、プロポーザル方式による契約という形になってお ります。  ということで、15ページ、自己評価のページでございますが、数値目標につい ては2つございまして、今申し上げた12業務以外の外部委託の実施という点であ りますが、12業務にとどまっているというところであります。  それから、5件以上の業務に対する競争入札ということでございますが、現在、 8件の業務について競争入札を実施しております。  評価の視点につきましては3項目ございますが、今申し上げたような内容でご ざいます。  以上のことから、自己評価のまとめの部分でございますが、外部委託について は12業務を実施するとともに、競争入札について、19年度において2件実施、中 期目標期間中に合計8件の競争入札に付することができており、中期計画を上回 る実績を上げたと。このことから、当初計画を上回る実績があったものと判断し て、自己評価はAといたしております。  それから、大変申しわけございませんが、38ページに飛ばせていただきます。 ページが随分飛んで申しわけございませんが、38ページから予算の関係でござい ます。  ここは特段、課題らしき課題はございませんが、国から、あるいは群馬県から の補助金について記載をしてございます。当初、科目を設定する都合上、当初の 受託あるいは補助金のケースを挙げてございます。  39ページ、1ページおめくりいただいて自己評価の欄でございますが、数値目 標はございません。  そのほか4項目の評価の視点がございますが、自己収入の増加に努めているか という点については、国あるいは県、市からの事業等を、補助あるいは受託する ことにより収入増を図ってまいりました。  それから、中期目標に基づく予算の範囲内での予算の執行をしているかという ことに関しましては、事業費について、最終年度の額を特殊法人のときと比べて 13%以上縮減しており、総事業費に占める自己評価の比率についても38%を超え ておりますので、この辺もクリアしているかと思います。  そのほか、3番目、予算、収支・資金計画、この辺につきましては、後ほどま たご説明する機会があるかと思いますが、予算に従って運営をしておりまして、 支出面においては計画を下回り、収入面では計画を上回るという結果になってお りまして、当期総利益1億2,700万円を計上しております。16年度に1億2,000万円 の繰越欠損金を起こしておりまして、これを解消することができております。し たがいまして、当期総利益から繰越欠損金を差し引いた700万について、国庫へ 返納することになっております。  4番目につきましては、運営費交付金債務残高はありませんので、省略させて いただきます。  これらのことをまとめまして、19年度については、中期目標期間の最終年度で ありますけれども、算定ルールに基づいた予算の範囲内で執行するとともに、概 ね計画どおり実施していると判断いたしまして、自己評価はBとさせていただい ております。  それから、40ページ目、職員の人事に関する計画でございます。これにつきま しては、先ほども申し上げましたけれども、退職者の後補充、これは基本的にし ない、非常勤を活用するということになっております。これによりまして、現員 ベースでいきますと、19年度末267名という数字が出ております。  人事評価制度につきましても、先ほど申し上げたとおりでありまして、自己評 価の欄につきましては、19年度末の常勤職員について、人事に関する計画を掲げ られた数を達成したほか、人員、人件費総額につきましても、給与水準の見直し を行った結果、当初計画を上回る実績があったものとして、40ページ、このペー ジの自己評価欄、これはAとさせていただいております。  最後に、施設・設備に関することでございますが、19年度は、施設が老朽化し ていたこともありまして、また、入所利用者が衛生的な環境で日中活動を通じて 明るく暮らせるようにということで、施設整備費補助金により、活動支援棟のト イレあるいは廊下、屋根等の改修工事を実施しております。  自己評価の欄でございますが、数値目標はございません。  19年度における施設・設備に関する計画について、概ね計画どおり実施してい ると、こういう判断をいたしまして、この自己評価はBといたしております。  以上、前半の第1グループのご説明でございました。大変足早で申しわけござ いませんが、以上のような状況でございます。  以上でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。項目数が多いものですから、急いで説明していただ きました。どうぞ委員の方々、質疑応答しながら評定をしていただくということ でございます。  ただ、今日全て記載できない場合には、お持ち帰りいただくか、この後、お残 りいただくかでございます。時間ございますので、ご質問をいただきたいと思い ます。 ○松原委員  ちょっと細かいことで恐縮なんですけれども、41ページの8月末に活動支援棟 などの改修工事を行ったときの入札に参加した業者は何件ぐらいあったのでしょ うか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  大変申しわけございません。手元に資料がないので記憶で申し上げますが、指 名競争入札をしてございます。一般競争入札ではなく指名競争入札でございます。 高崎界隈の業者さんを選定しています関係上、5社だったと思います。 ○上野谷部会長  続けてどうぞ。 ○山村委員  2つありまして、1つは、2ページのところの人件費の削減ということなんです けれども、計画どおり目標を達成したということなのですが、19年度のみならず 全体の中期に関わることでもあるかと思うのですが、17年度を基準として5%以 上の削減を行うと。これはクリアしたということなのですけれども、施設の人員 配置というのは、利用者がおられまして、主として利用者へのサービスをするた めに人員配置が行われているわけでありまして、当初は500人おられた。漸次地 域移行をしていくということになりますと、利用者が少なくなってくると、当然、 職員配置は少なくなっていくというのが普通でありまして、この5年間に約15% の利用者減になっていると、当初499人、500人の方が425人ということであろう かと思います。  そうしますと、利用者が15%少なくなっておられるということに照らせば、単 に5%を目標にしていく。そういうことは、言葉は適当ではありませんけども、 教科書どおりクリアはするんだけれども、福祉の現場というのは、利用者がおら れて、主たる職員というのは、支援に当たる職員がどのように適正に配置される のかということから言えば、簡単に、単純にいっても15%の利用者が少なくなっ ておられるわけですから、職員も15%少なくなっているというように考えても、 それは自然減でありまして、努力をさらにその上にするというところが問われて いるということになろうかと思います。その辺りはどのように考えていらっしゃ るのか、まずお伺いしたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  最初に、この5%という目標なんですけど、これは中期目標ができた後、後か ら内閣として、公務員も含め独法関係も、こういった人員削減の具体的な目標を 挙げてということで、後から入ってきた目標でございまして、のぞみの園につい ては、当初の中期目標の中で、独法移行時310人であったものを279人まで1割減 らすと、そういう目標で取り組んできたわけでございます。それを目標以上に達 成できたということです。  それで、ご質問にあるように、確かに地域移行などで利用者が減ってまいりま すので、当然現場の職員は減っていくというのはそのとおりでございます。ただ、 のぞみの園の第1期の中期目標期間というのは、新しい業務に取り組んでいくと いうこともございましたし、また、通所ということで地域の利用者の方たちを受 け入れると、そういう新しい事業も始まっておりまして、通所で40名ほど受け入 れたと、そういったようなこともございます。  そういうことで、職員の削減について、その評価についてはいろいろあろうか と思うのですが、私どもとしては、できる限りのことはできたのではないかと、 そう考えて、ここは、19年度ということでございますけど、Aという評価をつけ たわけでございます。  それで、ちなみにということですけれども、第2期の中期目標では、さらに2割 削減するといったような、そういう目標になっておりまして、それに対応して職 員も2割以上削減すると、そういった中期目標になっておりますので、そういう ことで、今後私どもも、ご指摘のようなことも踏まえて、さらに人員の削減のほ うは取り組んで、結果を出していきたいと考えております。 ○山村委員  第2期は2割だったですかね。3割だったんじゃないですかね、利用者の移行目 標というのは。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  独法移行時に比べてということでございましたので、3割。独法移行時に比べ て3割削減という目標になっておりますので、そういう意味で言えば、第2期です から、今年度始まってから2割ぐらい減らすと、そういうことになるわけです。 ○山村委員  移行目標というのが、第1期は3割ないし4割。本来ならば、移行目標に照らし て人員配置の目標も、本来はそれに見合う人員削減を行っていくというふうに内 部的にはやらないと、独法が示した5%というものを目標にしていくのはいかが なものかということで、発言の趣旨は伝わっていると思いますので、その問題は 以上にしたいと思います。  第2点ですけれども、大変深刻で残念なことなのですけれども、行方不明の方 が1年以上にわたってなお見つからないということに関して、対応策あるいは今 後の再発防止の説明を受けました。  お伺いしたいのは、これは厚生労働省担当官のほうにお伺いすることになるか もしれませんけれども、このままの事態が推移した場合に、今後どういう責任な り対応がなされるのか、その辺りの今後の見通しなり見解をお伺いしたいのが1 つと、処分が行われたということですけれども、どの程度の責任、どのクラスの 職員の方まで処分対象にされているのかということについてお伺いしたいと思い ます。 ○上野谷部会長  よろしくお願いします。これは1年何カ月か経っているわけですね。この読み 方がとても難しくて、昨年お伺いしなかったものですから、事実確認はそれでい いわけですね。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  この利用者さんの行方不明は、19年4月23日に発生したケースであります。事 件の経過後2カ月を経てなお所在不明ということで、長期にわたる所在不明とい うのは過去に余り前例がなかったものですから、私どもも、ある時点をもって責 任の所在を明らかにすべきではないかというところで、処分を検討してまいった わけであります。  その処分を検討するときに、何に対して処分をするかということでありまして、 まだその時点で、行方不明というだけで死亡事故ではございませんでしたし、と いうことで、長期間にわたって所在不明となった、この事実をもって、この事実 を生じさせた原因、それが何であったかというところで検討いたしまして、支援 方法に不適切なものがあったと。それから、のぞみの園で定めた所在不明者の捜 索方針に反している、迅速な通報を怠ったと、この点について重大な過失があっ たのではないかという判断の下に、こうした事実を認識させ、再発防止を図ると いう意味で、この行為に関与した者あるいは怠った者について処分を行ったとい うところであります。  処分に当たっては、長期の所在不明ということで、地元の警察、消防など多く の関係者を巻き込んでおりまして、ある意味では多くの費用とのぞみの園の信用 を失墜させたということから、従来、所在不明で発見されたケースについては、 口頭処分という形の処分をしてございましたが、それでは不十分であるというこ とで、内規上1ランク上の文書による厳重注意処分と、これを基本にして考えて おります。このうち、上記の理由から二重の過失があったと認められる者につい ては、さらに1ランク上の始末書を徴した上で、訓戒という形にしております。  処分の内容としましては、理事長から処分をする、あるいは所管の生活支援部 長から訓示をするという形になっておりまして、文書による厳重注意処分につき ましては、総合施設長、当時は生活支援部長を兼務しておりましたので、総合施 設長、生活支援部長、それから当時の担当寮の課長でありました第二課長、これ が文書による厳重注意処分ということになっております。総合施設長については 理事長から注意処分を受けております。また、第二課長につきましては生活支援 部長から、いわゆる総合施設長から文書による注意処分を受けております。  そのほか、直接の寮の寮長あるいは副寮長、当時支援をしていた支援員、これ に関しましては、始末書を徴した上で、生活支援部長─当時総合施設長でござ いますが─からの訓戒処分と、こういう手順でございます。  事件後2カ月を経たところでこの処分をしたということで、6月25日、それぞれ 言い渡しをしております。  このことにつきましては、この後、幹部会議あるいは部所長会議、寮長会議等 々で、こういう処分が出たということで、もう一度改めて自分の行動を見直すよ うにという理事長からの訓話が出ております。  以上でございます。 ○山村委員  だから、このままの状態がずっと推移していく場合に、今後どういう対応なり がなされるべきなのかということについてお聞きしたいのですけど。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  基本的には、できる限りこのような形でやるのですが、最終的には保護者のご 理解も必要かと思いますけれども、失踪という扱いで最終的には整理をしなけれ ばならないと思っております。 ○山村委員  その期間というのは、目安というのはあるんですか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  ちょっと私、法的に今、何年というのかは分かりかねますが、いずれは失踪と して取り扱わなければならないと思っております。 ○山村委員  分かりました。 ○上野谷部会長  他にいかがでございますか。 ○宗林委員  2点ほど、本省の方に伺ったほうがいいのかもしれませんが、のぞみの園は、 だんだん入所されている方が減っていくことを目標と立てておられるわけで、全 体像を見ますと、それ以外のいろんな研修事業ですとか、そういったものが盛り 込まれてきているわけですけども、のぞみの園の姿は新しいものに変わるのでし ょうか。中にいらっしゃる方をずっと終生、施設として見るという施設から、違 うものに変わるんだというような意味付けのものであるのかどうか。だんだん入 所者が減っていって、職員も減って規模縮小というような形を考えているという ような施設なのかというところも、だんだん年数がたちましたら分からなくなっ てきまして、今の目標等の中では、それ以外のところも評価対象になっています ので、達成すべき姿を教えていただきたい。  それから、先ほどの事故の防止対策のところなのですが、この方の問題以外に、 例えば19年度事故発生実績とかヒヤリハット実績というような件数も挙げられて いました。昨年はそういう認識を持たないでこの数字をさっと見てしまったので すが、その後、防犯カメラであったり、危険箇所の点検であったりとか、いろい ろ対応されていますけれども、それは全体の数を減らすことには効果が余りなか ったというふうに読むべきでしょうか。あるいは、例えばあそこの広い敷地内で、 夜間等を含め、もっと減らしていくことが可能であるのかどうか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  まず第1点目のほうの、のぞみの園を今後どうしていくかという話なんですが、 基本的には、独法移行時に500名の方がいらっしゃって、3割から4割を地域に戻 そうと。したがって、6割程度の方というのが施設に残ってしまうということで すから、従来の「終の棲家」としての機能も果たしていかないといけないと。た だ、処遇上は、やっぱり先駆的な処遇を行うという形で、のぞみの園は規定され ておりますので、そういった新しい処遇の仕方といいましょうか、そういったも のの研究はやっていかないといけないだろうというふうに思っております。 ○宗林委員  そうしますと、最初の第1期の中期が3割、4割とか、それが達成できなくて継 続になりますが、それが終わった後は、また減らすという話ではないということ ですか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  現時点では、その先の部分はまだ方向性が定まっていないということでござい ます。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  事故の関係でお話しがございまして、確かに事故発生の防止ということでいろ いろ取り組んでおりますけれども、年間の事故の発生あるいはヒヤリハットのケ ースの発生というのは、そう増減ないというのが実態でございます。それは、入 所利用者がだんだん高齢化してきて、そういう事情もございまして、例えばちょ っと転んだ場合も、そこで骨折してしまうとか、あるいは頭を打ってしまうとか、 そういうことで事故になるというケースがございまして、これはもちろん、支援 に当たっている職員が常に発生防止のためにいろいろ対応しなければいけないわ けなのですけれども、そういった入所者の高齢化、あるいはだんだん障害のほう が重くなってきていると、そういったような事情もございまして、件数だけを見 ますと、そう顕著に減っているということにはなっておりません。 ○大島委員  お尋ねします。  先ほど、非常勤に替えたというようなことをおっしゃいましたけれども、現在 の非常勤と常勤の処遇、利用者さんの支援の担当の人がどのぐらい非常勤が増え て常勤が減ったのかということと、そのことと、それから今回の残念な事例とが つながっているのかどうか。要するに質の問題と、非常勤を増やしたということ との関連性というようなことがあるのかどうかというところで、どういうご見解 なのかをお聞きしたということが1点。  それから、あと2つあります。収入が増えたという中に、厚生労働省からの補 助金であったり、県の補助金であったりというところで収入が増えたということ で、増えたこと自体は大変結構なことだと思うんですけども、税金がこちらから あちらに回ったというような印象もないわけではなく、当初の予算の中から研修、 研究が進められることはなかったのかどうか。そして、もし補助金がなかったら、 こういうような研究が進まないのかどうかというところに多少疑問を持ちました ので、その件が1点。  それから、これは研修の内容なのでございますけども、今、今後の方針という ことで、先駆的な事業をするということと、それから研究をするということを含 めて、多くのまだ残念な施設において、施設の中の虐待が聞こえてくることが多 うございます。特に卒業生などが現場で就職すると、かなりの数の知的障害を持 つ方の施設の施設内虐待というのは、場所によってはかなりの件数に上るのでは ないかというような報告も個人的には聞くのですが、その辺のことがこの研究の 中に余りないので気になっております。というのは、専門の全国の施設の関係者 への研修が足りないのではないかというふうに思われますので、その辺、今後ど う考えられるかをお聞きしたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  昨年、定年退職した方は確か13人だったと思います。で、非常勤職員が増えた 数は7名でございます。いわゆる支援員として増やした数、フルタイムの支援員 の補助として増やした数は7名でございます。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  非常勤が増えたことによって事故が増えたかということですけども、これにつ いては特段そのような事実はございません。非常勤の職員につきましても、最近 はだんだん増えてきておりますので、研修等もなるべくきちんとやるようにして おりますので、それが今回の事故につながったということはないというふうに思 っております。  今回の事故につきましては、相当なベテランの職員が2名で対応していたとき に起きた事故であります。 ○上野谷部会長  いかがですか。理事長。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  研究の関係、あと研修の関係でございますけれども、研究については、当然、 法人として独自の予算は確保しておりまして、そのほかに、厚生労働省のほうで 障害者自立支援法の推進の関係で広く公募する、そういう研究事業にのぞみの園 として手を挙げて申請して、それでこちらのほうに補助するという決定をしてい ただいたというのが行動援護の関係でございます。今年度は行動援護のほかに、 罪を犯した知的障害者の関係の事業もございまして、このように厚生労働省とし て広く公募する中に、のぞみの園としてもさらにエントリーして、そういう研究 費が取れれば取ろうと、そういうことでやってきたということでございます。  それから、研修につきまして、確かに施設内の虐待とかそういった問題がござ いますし、私どもとしてはそこまで、これまでやってこなかったというのも事実 でございますので、今後の私どもの研修とか、福祉セミナーとか、そういう中で、 今のようなご指摘いただいたような問題についても取り上げてやっていきたいと 考えております。 ○福島部会長代理  2点お伺いしたいんですが、まず事故防止対策のところで、18年度の事故発生 実態とかヒヤリハット実態を調べていらっしゃいますけれども、こういうような ものをどういう形で反映させて生かしているのかということと、それから、11ペ ージのところにニーズの把握というようなことで、地域の知的障害者のニーズと いうようなことをお聞きになっていらっしゃいますけど、これはどんなことがこ こで出てきたのかというのをちょっと教えていただければと思ったんですけれど も。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  事故防止につきましては、毎月1回、各部署の部長クラスが集まりまして、事 故防止検討委員会ということで、その月に起きた事故についての報告があって、 その対策をどうするかということで検討して、その結果について各部署の職員に 連絡、指示をしています。 ○福島部会長代理  職員の方全員にということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  そうです。そういう形で伝わるようにしております。  それから、地域の人のニーズですけども、これは次のところで出てきますので、 多分説明させていただくことになると思います。 ○福島部会長代理  そうですか。 ○上野谷部会長  時間の関係もございますので、ご質問がまだあるかとも思いますが、この辺で 打ち切らせていただきます。今の内容を含めて評価していただきたいと思います。  それでは、次にグループ2についての評価を行います。所要時間、これは地域 移行のところですので大事なところではありますけれども、今、福島委員からの ご質問もそれに関連いたしますので、そのときにまたお答えいただきたいのです が、法人からの説明は大体10分という考えを持っております。委員の評定質疑10 分の合計20分でお願いをいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  それでは、第2グループの評価シート、16ページからになります。16ページか ら22ページまで、自立支援の取組ということでございます。  16ページ、自立支援のための取組ということでございますが、自立支援法施行、 18年10月から新事業体系ということで移行しておりまして、それまでの24時間を 通したサービスから、住まいの場と日中活動の場と分離した形のサービスが行わ れ、日中活動として多様なサービスメニューを用意する等、自立を目的としたサ ービス提供を基本に、利用者のニーズに応えられる支援体制の整備に努めたとい うことであります。  また、地域移行に関しましては、それまでの取組により、徐々に地域移行が増 加しておりますが、さらにプロジェクトチームによる検討を19年度も継続して、 具体的な取組を企画してきたということであります。  その地域移行の19年度の取組につきましては、実績につきましてはそこに記載 されたとおりでありまして、19年度においては19人が地域移行のために退所。15 年10月以降、中期目標期間中44人という実績が上がってきたということでありま す。  また、関係自治体や事業所と調整中になっている者というのは、下のほうの欄 に書いてございますように、今のところ22名という状況になっております。  実施体制につきましては、自立支援に取り組むための利用者あるいは職員数の 変化に合わせた組織の見直し、これを整備してまいりました。生活支援部の中に 検討委員会を設けて、地域移行等に伴う欠員状況を把握いたしまして、第2回目 の寮の再編を行いました。で、生活寮を1か寮削減いたしまして、19年10月から 生活寮20か寮から19か寮という形になっております。  また、サービス管理責任者、これを28名、のぞみの園では配置しておりまして、 利用者の個々のニーズに則って支援を提供するために、個別支援計画等の作成に 当たっております。  実施計画の作成と実践ということでございますが、これにつきましては、国あ るいは地方自治体への協力要請でありますとか、出身都道府県・市区町村に対し まして、随時個別に地域移行に関する具体的な調整を行ってきております。さら に、施設利用者本人及び家族への理解と同意ということで、施設利用者の個別支 援計画の作成に当たって、様々な点を加味して支援計画となるようにしておりま す。  そのほか、本人、家族への説明という点では、保護者会総会あるいは寮ごとに 行われます保護者懇談会、こういったものの開催に際しまして、地域移行への取 組状況の説明を行い、さらには、こういった場では、VTRあるいはDVD、そういっ た視覚的なものを活用して、移行の状況等を説明しております。この結果、19年 度におきましては、10名の施設利用者等から地域移行への同意を得ることができ ております。  18ページ、宿泊体験というテーマが出てまいりますが、宿泊体験、地域生活体 験等の提供ということでございますが、生活体験の質の向上を図るため、あるい は生活の経験を増やすためということで、市内の民間住宅を借り上げて地域生活 を体験する機会の場を拡充するという企画でございます。地域生活への移行が円 滑に行われるようになるために、施設利用者の状況に応じて、まずゲストハウス、 これは施設内にある宿泊施設でございますが、そういったところで短期間の宿泊 体験を実施すると。その後、退所前に地域での生活にできる限り近い体験、ある いは市街地における、これはもう実体験と言ってよろしいかと思いますが、そう いった体験の場所を提供すると。さらに、こうした宿泊体験の機会を効果的に提 供するために、昨年11月には、新たに市街地に借家を利用した「ひじり」という 地域生活体験ホームを開設しているという点であります。  そのほか、就労体験として、この地域生活体験ホームにおいて、就労体験学習 事業を実施しております。実績等はそこに書いてあるとおりでございます。  もう1枚おめくりいただきますと、関係自治体への要請、あるいは移行への実 践という課題が出てまいります。先ほど申し上げたように、関係自治体に対して は、例えば厚生労働省が主催する全国会議、あるいはその他の団体が開催する全 国会議等で、協力要請を行ってきております。  地域移行に当たりましては、まず保護者への説明が必要であります。本人と保 護者、家族への説明ということで、先ほど申し上げたような保護者懇談会、そう いったところで説明をし、その後、意見を聴取し、個別的に相談を実施してまい ります。  段階的移行のためのメニューということでございますが、施設利用者一人一人 に対して、次の点に留意して個別支援計画を策定し、段階的に地域移行が可能に なるように配慮してきているという点で、(ア)、(イ)、(ウ)ということを 記載させていただいております。これらのことにつきまして、実績といたしまし ては、下の表にまとめたような実績でございます。  それから、その際、移行先との個別の調整ということで、20ページに記載がご ざいますが、地域移行の予定先が出身地の障害者支援施設等の場合には、関係自 治体、受入先と提携し、必要とされる日中活動や施設入所支援を調整し、ライフ プランを作成してきたということであります。  このようなことを行いながら、地域移行を踏まえ、地域移行後、移行利用者の フォローアップということになりますが、昨年度、7月2日までに、19年度以前に 移行した方24人を対象にフォローアップ調査をしております。  このような動きをしておりまして、もう1枚おめくりいただきますと自己評価 の欄になります。自己評価の点でございますが、まず数値目標としましては、入 所者の地域移行を積極的に推進し、3割から4割縮減するということでございまし たが、先ほど来から申し上げているように、地域移行等により499人から425人、 15%の縮減となっておりますが、実際に地域移行による退所者というのは44人と いうことであります。  評価の視点として、22ページまで9項目にわたっております。  まず最初の項目、どの程度地域生活移行が図られているかという点につきまし ては、19年度においても、保護者、家族の理解と同意を得る動きを時間をかけて 行っております。また、移行先の確保のために、自治体や事業所への働きかけを 積極的に行うということで、段階を踏み、一人一人丁寧に実施してきたと。その 結果、中期目標期間中に最も多い19人の移行が達成でき、期間中の合計は44名と なったと。  2項目め、地域生活移行に向けて計画的かつ積極的な取組が行われているかと いう点、それから、特に支援の必要の高い入所者の地域移行に取り組んでいるか という点につきましては、先ほど申し上げましたが、スピードアップチーム、こ ういったチームを特別に立ち上げて、19年度においても地域移行についての検討 をしてきたということであります。また、地域移行に関する取組、これは支援の 必要度や障害の重い、軽いで区別することなく、利用者本人あるいは家族の意向 を尊重して、地域移行の希望がある者全員を対象に取り組んできているというこ とであります。  3項目めの視点でございますが、地域生活支援室は設置されたかという視点で ございますが、これは既に15年のときの話でございまして、現在は、地域支援部 という形で、地域移行に対して専管的に取り扱う部署ができております。  4項目め、基本方針、これは策定されているかということでございますが、移 行の基本方針というのは、先ほども申し上げましたが、障害の軽重を問わない、 あるいは本人、家族の意向の尊重である、それから家族に経済的負担を求めない、 それから移行先を丁寧に選択する、移行後もフォローを欠かさないと、こういっ た5つの項目を掲げております。  もう1枚おめくりいただきまして、22ページ、5項目めの視点でございます。全 国の会議の場において協力要請をどの程度行っているかという点でございますが、 昨年度は、厚生労働省の会議あるいは関係団体が開催する全国会議等で説明を行 っております。また、特に19年度に調整を行う県として、埼玉県外8自治体とい うことで、これは個別に協議を行っております。  6項目めの地域生活体験事業はどの程度実施されているかという点につきまし ては、先ほど来申し上げております地域生活体験ホーム、こういった形で、19年 度は市街地に新たに1カ所設置し、合計3カ所で実施しておりまして、19年度の利 用者というのは77名になっておるというところでございます。  7項目め、保護者、家族等への説明はどの程度行われているかという点でござ いますが、年1回から2回行われている寮の保護者懇談会の場を活用して説明を行 っておると。総会は年1回でございますので、この保護者懇談会という場の活用 が大きなものであります。19年度は、先ほど申し上げましたが、ビデオ等の上映 ということで、視覚に訴えて、ケアホームに移行したものの様子を紹介している と。その後、家族の意向を随時確認し、相談に応じておるというところでありま す。19年度同意をとれた者22名という実績でございます。  また、8項目め、入所者一人一人のライフプランの内容、作成状況はどうかと いう視点でございますが、これにつきましては、地域移行の受入先となる関係自 治体や受入施設との連携、調整を行い、入所利用者本人の希望に沿った日中活動 あるいは居住支援のサービスメニューが利用できるように、経済的負担も含めて 適切なライフプランを作成したということであります。  それから、一人一人のライフプランを実現するための働きかけというところで ございますが、9項目めになります。これにつきましては、移行先の関係自治体、 受入事業所、これを頻回に訪問いたしまして、あるいは電話等で細部の調整を行 いまして、施設利用者に最も適したライフプランの作成と地域生活の実現を図っ てきたということであります。また、関係自治体、受入先と連携・協力して、地 域移行後の様子の聞き取り、本人からの相談、そういったことでアフターケアに 努めたということであります。  21ページの自己評価のまとめといたしましては、地域移行の効果的な取組を進 め、19年度は19人の地域移行を達成したと。また、地域移行に取り組むに当たっ ては、地域移行を効果的に推進するための体制を整備し、施設利用者及び保護者、 家族への懇切なる説明、受入先の地方自治体の協力依頼、調整、地域生活体験事 業の効果的な実施等、一人一人に時間をかけて丁寧に対応してきたと、そういう ふうに考えておりまして、当初計画を上回る実績があったと判断いたしまして、 ここは自己評価はAとさせていただいております。  以上が第2グループのご説明でございます。 ○上野谷部会長  ご質問、ご意見をお願いします。  私のほうから、21ページですけれども、「「地域移行に関するスピードアップ チーム」を定期的に開催し」というのは、このチームがいつもあるのですか。そ れとも、開催をするときのネーミングがそういうチームということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  これにつきましては、地域支援部の職員と生活支援部の職員と理事が入りまし てそのチームを作っております。年4、5回だったと思いますけども、会議を開催 しております。 ○上野谷部会長  去年も少し聞いたと思うんですが、どちらかといいますと、政策を作っていっ たり、管理者に近い方たちがスピードアップをしようという意欲はよく感じられ るのでありますけれども、現業をなさっている、処遇をなさっている、ケアをし ていらっしゃる方との連携がうまくいっているのかどうか。職員全体が地域移行 に対してスピードアップしようという意向を反映できる組織及び意向はどこで分 かりますか。職員の意識調査でもされたような結果はありますでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  職員の意識調査は特にしておりませんけれども、日常的に保護者と一番近い関 係にあるのが生活支援寮の職員でありますので、生活支援寮の職員に対して、例 えば地域移行についての想定問答、同じような答えができるようにということで、 そういうものを作って対応したり、あるいは地域移行の事務的な手続というのは 地域支援部がやっておりますけども、地域支援部の職員が生活寮のほうを回って 意見を聞いたりとか、日常的にはそういう活動をやっております。 ○上野谷部会長  Q&Aを作られたというのは、これは地域支援部が作られたんですか。そうでな くて、日々生活支援をされている方たちから作られたんですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  これは保護者に対するアンケートをやりまして、その結果に基づいて地域支援 部のほうで作りました。 ○上野谷部会長  いかがでしょうか。 ○大島委員  1つだけお伺いしたいのですが、障害をお持ちの方は環境を変えるということ に対して大変不安を持たれると思うんですが、その辺で、例えば先ほどの63歳の 方が、地域移行を進めている間の不安が原因であったり、あるいはそのほかの利 用者の方が、非常にそのことについて、こういう数値目標でやろうと、それから ご本人のためというよりも、どちらかというと予算を縮小しようという、目的が 違うところで、ご本人の幸せのためにそれを目指しているかというと、そういう 方もいるでしょうけれども、例えば家族にはご迷惑かけませんとか、負担はさせ ませんとかというようなことが書いてありますと、やはり本人が抜けたところで 移行が進められることは、大変に多いのではないかと思う点が幾つかあるんです ね。そうしますと、先ほどの場合などは、その辺の不安とのつながりってないの だろうか、あるいは利用者さん一人一人がそういう不安をお持ちで、それについ ていろいろなことが生じないかという心配が逆の面からあるんですが、その辺、 いかがでいらっしゃいますか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  経済的負担のことにつきましては、むしろ、本人が地域移行したいと言っても、 家族の方が経済的な負担が自分のほうに増えてしまうんじゃないかということで ご心配することがありますので、こういう項目を1つ加えておきました。  それから、地域移行につきましては、地域移行した方24名について、実際に行 って聞いてきておりますけども、その結果によりますと、のぞみの園に戻りたい という方は1人おりましたけれども、戻りたくないという方が24名のうち15名。8 名の方については無回答で分からなかったのですけれども、こういう結果が出て おりますので、移行した方については、特に問題は出てないんじゃないかなとい うふうに思っております。  ただ、移行が、じゃ残っている人たちに影響を与えているか、不安とかそうい うことで与えているかということについては、僕はそれほど与えているとは思っ ておりません。どういう事実をもってそう言うのかと言われると困るんですけど も、これまでの移行した44名について、今年度も含めますと53名になっておりま すけども、この方たちについて見てみますと、特に動揺があったというふうには 僕は感じておりません。 ○大島委員  そうしますと、先ほどの、去年からいらっしゃらない方も、そのこととはつな がらないと。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  この方については、IQ16だったと思うんですけども、言葉によるコミュニケー ションが難しい人ですので、その辺のところの把握というのはなかなか難しいと 思います。私自身もかつてこの方と関わりがあったんですけども、特段それが彼 に影響したというふうには感じられません。 ○山村委員  2つお願いします。  1つは、21ページに書いてあるんですが、今の話とも関連がありまして、「施 設利用者本人の意向を尊重し、地域移行の希望がある者全員を対象に取り組んで いる」という記述がございますけれども、地域移行の希望を表明され、把握され ている方が何名、あるいは何%いらっしゃるのかということをお尋ねしたいのが 1つと。  それから2つ目は、保護者懇談会というところで、のぞみの園が取り組んでい る地域移行の方向だとか、あるいは意向というものをお伝えになっているようで ありますけれども、17ページの表を拝見いたしますと、284家族ということにな っていますから、全体からすると約65%の人には説明の機会があったと読めます けれども、あとの3分の1、この家族の方たちに対しては、懇談会等に参加されな いわけですから、どういう形でのぞみの園の考え方、あるいはそれが間接なのか 直接なのか、どういう接触をされて意向を伝えておられるのか、その辺り、2つ をお願いしたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  本人の意向調査については、調査としては行っておりません。なかなか言葉そ のものを持ってない方が多いものですから、把握が非常に難しいというふうに考 えております。  それから、保護者懇談会を開いて、二百何十名かの方が見えておりますけども、 それ以外の方たちについても、地域移行課のほうで移行の通信といいますか、実 際に移行した人たちがどういうふうな地域生活を送っているかとか、あるいはこ ういう取組をしているというものを書いたものを、年何回か全家族に、この保護 者懇談会にいらっしゃらなかった方も含めて全員にそういう通信を送ったりして、 周知するようにしております。 ○山村委員  とはいえ、利用者本人のご意思はなかなか確認できないとはいえ、本人の後見 をされている家族の意向を酌んで地域移行に取り組んでいるという、21ページに 書いてあるのは、地域移行の希望がある方全員というような表現がありますので、 そういう家族の意向を踏まえながら、地域移行の対象者を考えておられるはずな んだけれども、本人の意思は確認できない人がかなりおられるにしても、家族の 意向なり意思というのは把握されているはずなので、それをお聞きしたい。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  地域支援部から、いろいろな調査をしますと、ご家族の方の約6割の方が、や はり施設でずっとこのまま置いておいてほしいと、家に帰されたらたまったもの じゃないというお話をされます。また、いろんな説明会をやっていますと、総論 的には賛成していただくんですが、じゃ各論ということになるとなかなか難しい 環境がございます。  やはり我々としては、この方ならもう地域で生活できるなという方について、 宿泊体験という形で、施設なり施設外で体験をしていただいて、その中で本人が 意欲をどんどん示していくという姿をご家族の方に見ていただいて、これなら大 丈夫だということで、今、本人の確認、それからご家族の確認という手続をさせ ていただいていますので、昨年度も77名ほどの体験入所をさせていただいて、そ こからご家族、それから本人の自信というものを見ていただいて、移行につなげ る、対象者にしているというような状況でございます。  それから、先ほど、全家族に対して移行課通信という通信文をやるほか、部分 的に県を対象として、集中的にその地区のご家族の方に当たるという方法をとっ ておりますので、連絡がとれる方については積極的に連絡をとって、まずは移行 先の具体的な、こんな生活がありますよというような情報を提供して、徐々に解 決していくという方法をさせていただいております。 ○山村委員  今、大変重要な情報があったと思うんですけれども、利用されている方の6割 については、6割の方のご家族は移行に対しては反対だと、あとの4割の方は賛成 あるいはどちらとも言えないというような、そういう状態の中で、今年度以降で すか、さらに地域移行に取り組まれるということになりますので、そういう意味 では、非常に限られた方の中で、なおかつ地域移行が実現できるのかどうかとい うようなことになろうかと思うんですが、6割の積極的な移行反対、あるいは家 族会にも来られない、そういう人たちに対してもどう取り組むのかというような ことは、別途大変重要な課題になろうかと思いますので、よろしくお願いいたし ます。 ○上野谷部会長  いかがですか。  これは自己評価Aをつけられて、ここは難しいところです。昨年度以降、組織 体制とか活動それぞれは非常に進んだとプロセスは評価できると思いますが、数 値目標が出ておりますので、その数値目標には達していない。こんなに大変頑張 ったから、自己評価Aだよというのが通るのか通らないのかというのが、非常に 難しい状況になりますよね。評価はやっぱりアウトカムがどうなのかということ ですから。これは各委員の先生方が評価していただけたらいいのではないかなと 思いますね。昨年よりはぐっと、活動自体はかなりの前進はしているように評価 をいたします。  非常に具体的になってきているから、見通しはついてきますけれども、しかし 今後、この数値目標をいつも3割、4割をいくのか。厚労省としても、これが無理 ならば、のぞみの園は特別な施設ですというふうに、5年以降変えていただくか どうかも、どこか別のところで判断をしていただきませんと、評価委員会として は非常に難しい。別のところででもお考えいただきたいと思います。 ○石井委員  今、別なところで議論というのがありまして、私は財務が専門なので、この分 野は全く、正直申し上げて評価をする能力を持っておりませんが、ちょっとどう しても一つだけ申し上げておきたいのは、この施設は数十万坪の土地を所有して いまして、政府から出資をされていまして、その評価額が86億円という金額でバ ランスシートへ載っています。  前回も申し上げたし、それ以前にも申し上げたんですが、今回、所在不明の方 の問題も出ておりますし、昨年から不審者の問題も出ていまして、あるいはこの 評価シートの、具体的には、例えば12ページの敷地の活用というところをご覧い ただくと、ここに書いてあることがこのままで、そのままの内容であるとすると、 これは独立行政法人の、この法人が行うべき敷地の活用行為ではございませんよ ね。数十万坪の中にたった四百何十人の方々が入所されているということは本当 に必要なのか。つまり、敷地の適正規模というのがあるんじゃないか。全国にあ る他の似たような施設がもしあるのであるとすれば、それらの1入所者当たりの 敷地面積は何坪なのか。  すみません。所在不明というのは、私、よく分からないのです。いなくなっち ゃって、いまだにどこにいるか分からないということなのですか。数十万坪の敷 地の中で、もしかしたら白骨化しているかもしれないと、こういうことなのです か。  私は、申し訳ないのですけども、やっぱりどう考えても、この施設は今後この ままで、前回も、去年の議論もあったと思うんですけど、残っている方は非常に 重篤な方が多くいらっしゃると。これからどんどん外へ出すことはなかなかでき ない。それじゃこのまま看取っていこうということで、「終の棲家」としたとし ても、50万とか60万坪の施設を、この法人の所有でこの法人の管理下に置いて、 不審者のチェックをするなどということ自身が、もともと本末転倒なんじゃない だろうかと。  申し訳ないのですけど、どうしてこの議論をきちっとされないのか、私にはだ んだん理解ができなくなってきました。こんな問題が起きたんだとしたら、やっ ぱり敷地の広さというのが邪魔をしているんじゃないんでしょうか。そのことに 関するコメントが全然ないというのは極めて残念であるし、昨年の夏の評価の段 階では、この案件というのはもう出ていたはずで、その際に全く何らのコメント もないということも、何となくどうも残念な気がしてならないのですね。  今回の評価は実質的には中期の最後の評価で、たまたま最初からいた委員、山 村先生と私なのかもしれないですが、最初の初年度の評価の議論というのは、非 常に重たい議論を随分した記憶がありまして、どうも手続的に形式化していると いうようなことを感じざるを得ないのですね。  私は、たまたま専門領域から申し上げると、数10万坪、86億円の土地をこの法 人が持ち続けることに関しては、申し訳ありません、適切だというふうに判断で きないです。もしこの敷地がもっとずっと小さければ、所在不明ももっとはっき り分かるのではないのでしょうか。私はそういう意見を持ちました。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  石井委員のご指摘も確かに、こういった評価額ですとか、土地の広さ、そうい う数字で見ると、おっしゃるとおりだと思います。ただ、実際、あの施設の敷地 としてあるうちの大部分は山林で保安林でございます。そういったものについて、 評価額自体はありますけれども、じゃそれが切り売りして売れるのかというと、 なかなか難しい条件にあると、そういう認識を持っています。だからといって、 引き続きのぞみの園が所有を続けるのかどうか、これはまた別のご判断があると 思います。  それから、こののぞみの園というのは、別に施設として周囲がクローズドの空 間ではなくて、中に地域の人たちの生活道路も通っておりますし、そういう意味 では、周辺の土地を他に譲渡しても、引き続きオープンな、地域の人たちが通る 道路、あるいは地域の人たちが散策するような道もございますし、そういう意味 では空間としてはオープンになっていますので、土地を、それをどこかに譲渡す る、あるいはのぞみの園が引き続き持っている、それによって何かが変わるとい うことになるのか、私はちょっと疑問かなとは思っています。  いずれにしても、そうは言っても、本件の所在不明の発生については、誠に申 しわけないわけなのですけれども、昨年の今の時点では必死に捜索していたと、 そういうような状況でございまして、そういった時点での報告というのはしなか ったということでございます。 ○上野谷部会長  この件は非常に評価が難しくて、昨年これがはっきりしていたら評価が変わっ ていたかもしれません。これが子どもの問題だったらどうなるのかとか、誰々の 場合だったらどうなるのかということを考えました時に、特に医療・福祉部会と して、1人の人の尊厳に関わることですので。もしかしたら亡くなっていらっし ゃるかもしれないということを考えました時に、今、石井委員がおっしゃられた ように、自分の管轄する土地の中で万一のことがあったらと思いますと、山を毎 日歩かねばならないという意識の上で、きっと職員の方たちは働いていらっしゃ ると思うんですね。非常にストレスな状況の中で働いていらっしゃると思うので すね。  そういう意味からすると、いろんな意味で、適切な空間の中で、よりいいケア をしていくのにはどの程度がよいのか特に考えていただきたいなと感じますね。  ですから、毎年評価していただいて、中間地点になっていますから、その次ど うするかというのは、ぜひ3割から4割を出さないで評価をしていくほうがいいの ではないかなと。そういう意味で、別のところでと言いましたのは、いろんなこ とを含めて、かなり遠慮して申し上げているつもりでございます。  よろしいでしょうか。  それでは、委員の評定、質疑応答の中でもお書きいただいているとは思います けれども、3グループです。法人説明が20分ということになっていますが、少し 速度を上げていただきまして、委員の方々はお聞きしながら、質疑はもちろんし ていただきますが、評定をしていただきたいと思います。  では、どうぞよろしくお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  それでは、第3グループの評価シートでございます。23ページから37ページと なります。  個別事項7、調査・研究ということになります。調査・研究に関しまして、実 施体制でございます。研究を実施する体制といたしましては、のぞみの園研究会 議、これを立ち上げておりまして、これが決定する調査・研究計画を踏まえて、 企画研究部を中心に、法人内の調査・研究調整会議を立ち上げ、各部門との連携 を図りながら研究を進めております。  19年3月に、まずのぞみの園研究会議を開催しておりまして、これは19年度以 降の調査・研究等についての指導・助言を受けたということでありまして、今年 の3月、20年の3月に19年度の調査・研究の結果の概況報告を行っております。そ の中で研究紀要の発刊についても協議をいたしております。  そのほか、調査・研究調整会議というものを部内で立ち上げてございまして、 5月に2回、10月あるいは20年の2月、3月と、年間5回開催して、調査・研究につ いての意見交換等をしております。  それから、新たに研究員を福祉系大学から、研究課長あるいは研究員として招 聘しております。これに伴いまして、前研究課長につきましては、引き続き研究 顧問ということで、非常勤の協力をいただいております。  19年度における主な研究項目は、23ページの中段以下に記載してございますが、 厚生労働省からの助成による行動援護の関係の意識調査、あるいは法人内研究と して9項目、掲載をしてございます。  このような調査・研究の実施につきまして、24ページ、自己評価のページでご ざいますが、数値目標がございまして、のぞみの園研究会議を年2回開催すると いうことでございますが、20年3月に1回開催したということでございまして、そ のほかに、研究の具体的な進め方を調整するための調査・研究調整会議を5回開 催しているという状況であります。  評価の視点としては3項目ございますが、今申し上げたような内容でございま す。  以上のことから、自己評価のまとめにつきましては、調査・研究を計画的かつ 効果的に実施するため、のぞみの園研究会議及び調査・研究調整会議を合わせて 6回開催と。関係部局協力して調査・研究に取り組んでいると。それから、調査 ・研究のテーマとしては、10本研究を実施したということで、これは計画どおり ということで、Bという評価をしております。  もう1枚おめくりをいただきまして、今度は積極的な普及・活用というテーマ になっております。  研究成果の積極的な活用につきましては、研修会あるいは講演会、機会がある たびに公表しておりまして、さらにはニュースレターあるいはホームページの掲 載といったもので普及に努めてまいりました。  19年度においては、新たに研究紀要を発刊するということで、この取りまとめ の作業を続けておりまして、これは20年度に入ってからでございますが、発刊を しております。  インターネット等による調査・研究の成果の情報発信ということでは、調査・ 研究の要旨について順次ホームページに掲載しておりまして、今のところ、18年 度の厚生労働科学研究の内容を掲載しております。また、このホームページは過 去の研究について全て掲載をしているというような形になっております。  それから、ニュースレター等で情報発信をしているということで、このニュー スレターについても4回発行いたしまして、この成果について報告をさせていた だいております。  数値目標としまして、ニュースレターを4回発行することという数値目標がご ざいましたが、これは19年度においては4回発行しております。  ということで、自己評価のまとめの欄につきましては、調査・研究の成果につ いて、当法人のホームページやニュースレターを掲載し、積極的な周知に努めた ほか、学会や研修会の講演等の機会を効率的に利用したと。また、19年度分から 新たに調査・研究の内容を一覧できる研究紀要を発刊することとして、一層の普 及・活用を図る効果的な方策について積極的に検討してきたということで、概ね 計画どおり実施しているということで、自己評価はBとしております。  もう1枚おめくりをいただきまして、講演会等の開催による調査・研究の普及 ・活用についてはどういうことかというテーマになります。  講演会の開催につきましては、そこに表になっておりますように、福祉セミナ ーを初めとして、かなりの講演会、研修会を開催しております。この席上、プロ グラムへの反映に努めてきたということであります。また、学会、各種研修会、 他団体で行う研修会等を通して発表も行ってきております。  26ページの一番下の欄にウと記載されておるところが、ある意味で特記事項か なというところでございますが、「群馬県知的障害者の医療を考える会」という 会が立ち上げられております。これは厚生労働科学研究費の分担研究であります 重度・重複知的障害者の地域移行に向けての医療的支援システムの在り方に関す る研究と、これの成果の実践のための取組ということで、16年7月から構築され ているものでして、当法人が事務局を担っているものでありますけれども、この 中で、18年度に「受診サポートメモリー」、知的障害者が安心して医療機関にか かると、受診できるようにということで試作したもの、これにつきまして、19年 度においては、これが群馬県が印刷費を負担してくださいまして、作成をしてく ださったということで、これが関係機関、医療機関等に配布がされております。  それから、群馬県医師会あるいは病院協会のアンケートに基づきまして、障害 者の受入医療機関リストというものを作成しております。これも作成後、関係の ところに配布されておりまして、当法人においてもホームページに掲載する等の 取組を行っております。  また、これは医師会の増刊号で、「コミュニケーションが取りにくい障害のあ る方を診る」といったようなもの、それから、知的障害者への理解を促す一般向 けのポスター、こういったものが作成されたということで、医療を考える会、こ の活動がこういった様々な企画に結びついてきているというところでのご紹介で ございます。  それから、地域の知的障害者に対してのPRということでは、のぞみの園の診療 所の診療内容について、保護者等に対して紹介をしているということであります。  そのほか、各種研修会、研究会等による普及。それから、これは20年度に向け ての参加でございましたが、罪を犯した障害者の地域移行支援に係る職員の養成 研修会への参加ということで、参加をしたという実績がございます。  このようなことから、自己評価の欄でございますが、19年度においては、当法 人主催のセミナー、学会、各種講演会等の機会を効果的に活用し、調査・研究成 果の普及に積極的に取り組んだと。それから、16年度から18年度の3年計画で実 施した厚生労働科学研究費の分担研究の一部として、「群馬県知的障害者の医療 を考える会」の活動を継続し、地域モデルとなる取組を進めてきたと。こうした 調査・研究の枠を超えて社会的な広がりにつなげた取組として、調査・研究の成 果の普及の在り方の一つの方向性を示すものと考えているということで、ここは 計画以上の実績が上がっていると判断いたしまして、自己評価Aとさせていただ いております。  続きまして、28ページ、養成・研修でございます。  実施体制としましては、養成・研修につきましては企画研究部が立案をしてお ります。内容としましては、福祉セミナーあるいは行動援護、従業者養成中央セ ミナー、それから群馬県からの受託によります、やはり群馬県の行動援護従業者 養成研修、あるいはホームヘルパー基礎研修等々の研修を実施してまいりました。  29ページ、自己評価の欄でございますが、数値目標といたしまして、福祉セミ ナーを2回行うということでございますが、19年度においては福祉セミナー2回実 施して、実績を上げております。  評価の視点につきましては、今申し上げたような内容になっております。  ということで、自己評価のまとめの欄でございますが、19年度において、厚生 労働省の助成を受けて行動援護従業者セミナー、中央セミナーを開催したほか、 当法人主催の福祉セミナー、あるいは群馬県からの委託による研修会の開催をす るなど、養成・研修事業について積極的に取り組んだと。特に、行動援護従業者 養成中央セミナーについては、当初計画では7月に1回の実施であったものを、厚 生労働省からの要請を受けてさらにもう1回実施し、合計2回となって、中期目 標計画を上回る実績を上げたということで、自己評価のほうはAとさせていただ いております。  もう1枚おめくりいただきまして、30ページ、援助・助言のコーナーでござい ます。  援助・助言につきましては、調査・研究の成果について、ホームページ等でそ の内容の周知に努めたところであり、この成果に対する資料請求、援助・助言の 求めに積極的に対応してきたということで、まず障害者支援施設への援助・助言 というところで挙げさせていただいております。これまでの地域移行の実績、あ るいは自立支援法に基づく新事業体系への実践、これらを踏まえて、支援施設か らの求めに応じた援助を行ってきたということであります。  援助件数等については、施設数としては117施設でございます。援助の内容と しましては、かなり細かい、多岐にわたるものでありまして、例えば概要のウ、 内容別というところをご覧になっていただきますと分かるように、大きなくくり では、自立支援法に関すること、あるいは支援の方法に関すること、あるいは新 たな事業展開に関することといったようなテーマになっております。これらに対 する対応としては、実際にこちらに、法人のほうに来ていただいて、施設内の見 学あるいはご説明をしたケース、それから職員を派遣したケース、それから資料 の提供、説明にとどまったケースというようなことでございます。  この他、自治体からの援助・助言の要請ということもございまして、その結果 につきましては、31ページ上段のほうに記載をさせていただいております。  このようなことから、自己評価の欄でございますが、援助・助言の件数につき ましては、法人業務の広報に努めたことにより、18年度と比較して約3倍の伸び となりまして実績が上がっております。当初計画を上回る実績があったという判 断をいたしまして、ここは自己評価をAとさせていただいております。  32ページでございます。その他の業務といたしまして診療所の業務が掲げられ ております。32ページ、診療所の業務につきましては、受診件数が2万1,000件と いうことで、患者数につきましては医科のほうが伸びております。医科、歯科と も伸びておりますが、臨床のほうは若干減り具合でございます。これは利用者さ んの減少に伴って受診数が減るかなと思いましたけれども、診療所の努力により まして受診数が上がっていると。市内の病院に通院している方がこちらにシフト してきているということであります。  それから、臨床心理科で行う心理相談につきましては、プライバシーの尊重を 基本に面談を行ってきておりまして、これについてはかなり好評を博していると いうことであります。  1枚おめくりいただきまして、今度は実習・見学での受入れというテーマにな っておりますが、学校で習得した技術・知識について、総合的な応用力を身につ けるための単位実習の場所ということで、のぞみの園がその役割を果たしており ます。また、小・中学生等の知的障害者への理解を深めるため、1日見学といっ たようなものも実際に実践しております。  それから、医学生等の見学等の受入れも、次のような表にまとめてありますけ れども、実施をしております。  もう1枚おめくりいただきまして、34ページ、障害者総合相談支援事業の受託 ・実施ということでございますが、群馬県から障害者総合相談支援事業を受託し まして、全県的な相談支援体制の構築を図るための支援を行っております。  そのほか、居宅の知的障害者に対する相談という点では、これは地域相談支援 センター「サポートパルやちよ」において、地域の障害者の家族や養護学校の障 害福祉に関する機関等からの相談に応じたということで、その実績についてはこ のような表にまとめてございます。  もう1枚おめくりいただきまして、35ページ、自己評価の欄でございます。診 療患者数、先ほど申し上げたように2万1,700人、それから実習の受入件数、これ は19年度においては50校から57校、受入人数424人から432人に拡大と。それから、 相談件数については、先ほど申し上げたように、施設数として112件という形に なっております。  このようなことから、まとめの欄でございますが、福祉系大学、専門学校の学 生の実習・見学の受入れが18年度と比較して増加している。順調に受入れ拡大が 図られていると。特に、群馬県警察学校の警察官の受入れについては、従来は講 習のみでありましたけれども、こちらからの働きかけにより、実際に1日見学・ 実習として受入れを可能にしたということで、当法人の特色を生かして、実習希 望校の新規開拓につながるように積極的に取り組んだということで、計画を上回 る実績を上げていると判断いたしまして、Aとさせていただいております。  最後に、あと2件ほどございますが、サービス提供に関する第三者評価の実施 ということでございますが、これは、のぞみの園第三者評価委員会、これを20年 2月に開催しておりまして、委員からご意見を伺っておるということであります。 これは中期目標期間中の業務実績の報告を行ったということであります。  評価の視点等でございますが、数値目標がございまして、評価委員会を原則1 回実施するということでございましたが、今申し上げたように20年2月に1回開催 と。それから第三者機関の設置、これは今申し上げたように設置しているという ことでありまして、評価のまとめは、第三者評価委員会において、20年2月に1回 開催するなど、概ね計画どおりであるということで、評価はBとさせていただい ております。  最後に、業務の電子化というテーマがございます。これはペーパーレス化の推 進でございまして、グループウエアという園内の事務用のシステムでございます が、これに業務の電子化ということで例規集を登載いたしておりまして、必要書 類の省略化、印鑑の廃止等々について検討してきているということでありまして、 評価の視点、自己評価の欄でございますが、法人内の文書について、グループウ エアを利用した電子化を着実に進めてきているということで、これは計画どおり ということで、Bとさせていただいております。  以上がグループ3のご説明でございます。 ○上野谷部会長  どうぞ、ご質問ございましたらお願いします。 ○山村委員  1つだけお伺いします。  30ページから31ページに関する相談と援助・助言ですか、特に、中期目標のと ころにもありますけれども、知的障害者の支援施設の求めに応じて援助・助言を 行うと。とりわけ、重度知的障害者の地域移行に向けた取組に関して助言を行う ということになっておりますけれども、相談件数、トータル117件ということで よろしいでしょうか。ここに書いてあるからそうじゃないかと思うんですが、の ぞみの園さんの評価では、18年度に比較して3倍に伸びているから、実績は上が ったということですので、18年度はしたがって40件ぐらいだったのかどうかとい うことをお尋ねしたいのが1つと、117件のうち、地域移行に関する相談はそのう ち何件なのかということについてお尋ねいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事  今の件ですけども、1つは、件数につきましては前年度は30件でした。  それから、地域移行に関する質問が、援助・助言というところであったかとい うことですけども、新事業体系に対する質問が非常に多くて、残念ながら地域移 行に関するものは極めて少なかったと思います。 ○山村委員  分かるような気もしますけれども、評価の視点のところを見ていただいてもそ うだし、中期目標のところで、このテーマに関して評価項目が1項目挙がってい るわけでありますけれども、いずれにしても、重度の知的障害の方の地域移行に 関してどう相談援助したのかということでの評価ですので、今のお答えによりま すと、必ずしも目標なり評価の視点には沿ったものではないというふうに判断せ ざるを得ないわけですけれども、のぞみの園さんは自己評価Aという、評価の視 点に照らしてもAにはならないはずなのですけれども、そんな感想を持ちました。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  非常に辛い質問なんですけども、ご意見なんですけども、結局、この援助・助 言というのは求めに応じてということでして、私どもとして、地域移行について ぜひ援助・助言したいという気持ちは持ってても、そういう求めがなかったとい うことなわけです。  その点については、のぞみの園が取り組んでいる地域移行についてもっとPRし て、そういった援助・助言のきっかけみたいのを作るべきだと、そういうことに はなろうかと思いますので、私どもとしては、ニュースレターなどを通じてかな り地域移行関係のニュースを掲載したり、あるいは19年度最後ですけれども、 「地域移行の軌跡」といった刊行物も出して、そういうことで、知的障害関係施 設の関心をとにかく高めてもらおうとは努力しております。  それが残念ながら、障害者自立支援法という大きな動きがあって、その関連の 援助・助言の求めばかりがきてしまったというのが実態でございまして、そうい う意味で、視点から見ると少しずれているんじゃないかというのはそのとおりだ と思いますけども、私どもとしては、いろいろPRした結果として、かなり件数も 増えてきたと、そういうことであえてAをつけたということでございます。 ○浅野委員  個別の質問ということではないのですが、今までのご報告を聞いて感じたこと を申しますと、随分と調査あるいは教育の活動が増えてきたなというふうな感じ がします。  そうすると、今後の将来ということを考えていくとどういうふうになるであろ うかということですけども、入所サービスのほうは、地域移行を進めながら限ら れた方たちが残っているということですけども、調査・研究、それから教育とい うのがあって、それからサービスというのがある。これは、例えば大学病院に置 き換えてみますと、大学病院では診療と研究と教育となっているわけですね。そ うすると、軸先は実は同じようなところにあるんだなというのがちょっと感じた ところなんです。  入所サービスという、これが診療に当たるものだと思うんですけど、あとは教 育と調査というのがあるとすると、今後の方向性として何か。大学ですとティー チング・ホスピタルと言っていますが、こういう場合だとティーチング・ファシ リティーといいますか、そういった教育関連の何かリーディングとなるような方 向性もあるのではないかと思うのですけど、そういうものをどういうふうにお考 えになっているかということ。これを、これについてはお伺いしたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  非常にいいご示唆をいただいたと思っています。それで、私どもの法人の役割 というのは、独立行政法人として政府のそういう政策的な活用があって初めて、 私どもの存在意義みたいなのもあるかと思っています。そういう意味で、厚生労 働省としてのぞみの園をどのように活用していくかという、そういうことがある んだろうとは思いますけれども、私どもとしては、今ご示唆いただいたような実 際のサービスの提供、それから調査・研究、そして養成・研修、こういったもの を柱にして、大げさな言い方になってしまいますけど、三位一体みたいなことで、 もう一度法人業務全体を再構成できたらなとは考えております。  ただ、いずれにしましても長い沿革もありまして、施設関係の業務というのは 非常にウエートが大きくなっているのは事実でございますので、調査・研究、養 成・研修のところをこれからもっともっと力を入れて、全体的にバランスよくと いうような方向でぜひやっていきたいと思っております。いろいろご指導をお願 いしたいと思います。 ○山村委員  期待を込めて、毎回のようにお願いしているんですけども、調査・研究に関し て、のぞみの園として全国に人材を得て、ある研究プロジェクトを、全国からの 研究員なり研究協力者を得て、1つのテーマに取り組んでいくというような中で、 のぞみの園の存在をできるだけ広い人たちの知恵と技術も結集しながらやってい ただくような、何かそういうプロジェクトを組んでいただければなということを 期待を込めてお願いしたいと思います。 ○上野谷部会長  他にいかがですか。 ○大島委員  ちょっと期待を込めて、前の評価の材料としてお伺いしたいことがあるんです が、第三者評価委員会に関してのことなのですが、B評価で、1年に1回開催する ということで、計画どおりだというようなことが書いてあるのですが、どういう 点が第三者評価委員会から指摘されて、その中のどこをどういうふうに変えたと いうことは、この評価の中に入れることをされないのかどうか。というのは、1 回開けば例年どおり、それでは2回開けばAなのかというようなことなのだろうか。 よく分からないんですが、どこを指摘されて、どう改善したのかということが大 事なのではないかというふうに感じました。その点を教えていただきたい。  それからもう一つ、その前のところの評価なのですが、福祉系大学だとか専門 学校だとか警察学校とかというのは、よく分かるのですが、先ほども施設内虐待 の話をさせていただきましたけれども、現場にいる施設の職員の中には、無資格 者もたくさんおり、質の違いがあると思うんですが、この中に、そういう意味で の現場の職員に対する研修制度をどのぐらい力を入れてしたのかというのが、ち ょっと感じられなかったんですね。  そして、依頼がなかったというよりも、最近では出前講座だとか、押しかけ講 座のような形で、こんなことができますというようなことが様々なところで行わ れているように思うのですが、全体のレベルアップに対して何をされたのかとい うところが、35ページの評価のところでちょっと迷うところですので、教えてい ただければありがたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  最初の第三者評価委員会でございますが、確かにここでの評価に当たってのご 説明が不十分で申しわけございません。具体的にどういう意見があって、どうい う改善を施したかということについては、例えばということで申し上げますと、 この評価委員会の中には利用者の保護者の方も入っておりまして、そういった保 護者の方から、例えばもう少し居住環境をよくしてくれ、特に夏場が暑いんで冷 房関係をもっと充実してくれと、そのようなご要望もあったりして、昨年度の末 ですけれども、居室に全てエアコンを設置しました。  また、安全面では、やはり不審者あるいは不審車両、こういった点について不 安だといったようなこともございましたので、そういった点について、先ほどち ょっと触れましたけど、生活居住区に入る道路のところに防犯カメラを設置した り、そういったことはやってきております、例えばでございますけれども。  それからもう一つ、研修関係で、これは確かに私ども、実際、福祉系大学など から実習を受け入れるときに、それぞれいろいろご要望なども聞いたりしておる んですが、一応、のぞみの園として実習の要領みたいのを作ってやっております けれども、ご指摘のような点について、もう少し充実したらというようなことも あろうかと思います。  また、私どもとしては、受け身的にそういう実習を受け入れるだけでなくて、 のぞみの園と福祉系の大学のどこかといろいろ協議・検討させていただいて、の ぞみの園としての実習のプログラムみたいなものを、オリジナルなものを作って、 そういうのを前提に改めて実習の受入れを募るとか、そういうもっと積極的に取 り組んでいかなければならないと考えておりまして、それは今年度以降やろうと いうことで計画はしております。 ○上野谷部会長  社会福祉士及び介護福祉士法が改正されまして、実習ができる人の資格要件が 出てまいりました。社会福祉士が何人いらっしゃるか分かりませんけれども、そ ういう意味では、のぞみの園は独法といえども国立であるわけですから、国家試 験の改定の中で、実習を全国から受け入れられる職員を養成していただかないと いけません。今年度から各地で研修を受けていただかないと実習は指導できない 形になります。大学においては少し猶予期間がございますけれども、そんなこと も踏まえていただきまして、各施設は今、本当に実習に対して前向きにやってい ただいております。  ですから、いろんな施設からしますと、私が見ている範囲ではまだまだ積極的 とは言えない、待ちという感じですかね。研究紀要にしましても、愛知県発達コ  ロニーにしても金剛コロニーにしても、非常に早くから研究紀要を出しておいで ですし、予算のない中でいろんな研究事業、それから学会報告等々、非常にレベ ルが高い学会報告を聞いております。レベルの高い方がいらっしゃることは認め ますけれども、全体としてもうちょっと発表していただいてもいいのではないか なというふうな感じがいたしますね。民間の施設がかなり、この5年で、前にも 申し上げましたけれども、各学会誌へ投稿しています。私はぜひ職員の方に、何 回投稿したのかとか、載らなくてもいいから。そういう試みを個々人がやってい るかどうかも含めて、給与に反映するぐらいの取組でもしていただいたらいいの ではないかなというぐらい、期待しております。  他にございませんようでしたら次にまいりますが、よろしいでしょうか。  では、業務実績評価関係資料の説明をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  それでは、資料2−2になります。業務実績評価関係の資料でございます。  1ページおめくりいただきまして、様式1という目的積立金というテーマになっ ております。様式に従って記載がされておりますので、それに従ってご説明申し 上げます。  当期総利益の計上、これは先ほども申し上げましたようにございます。ただ、 目的積立金の申請そのものはされておりません。利益の発生要因というのは、先 ほどから申し上げましたように、19年度、いわゆる第1期の中期目標期間の最終 年度であることから、全て運営費交付金は収益化を図っております。このために 収支差が出ておりまして、1億3,200万の経常利益を計上することができたと。臨 時損失の400万円を除いた当期利益金1億2,800万を計上することとなったと、こ れが発生の要因であります。  目的積立金を申請していない理由としましては、全ての業務について費用進行 基準を採用しているということで、利益が発生しないという前提で費用進行基準 が採用されておりますので、目的積立金については申請をしていないということ であります。  1枚おめくりいただきまして、保有資産の関係、先ほどもお話がございました が、保有資産でございますが、減損の認識をした資産というものがございまして、 これは旧独身寮と。46年開設当初出資された建物で、経年変化によりかなり危険 な状態ということで、遊休状態にあることから、減損に係る会計基準に従い、遊 休固定資産として整理して、今は全く使われていないという状態であります。  様式3の官民競争入札の活用状況でございますが、これについては、官民競争 そのものについて、活用の実績も検討の実績もございません。  次に、4ページ、様式4、コンプライアンス体制の整備状況でございます。これ につきましては、当法人としては、国立のぞみの園倫理規程、こういったものを グループウエアに掲載して、職員に対して情報の共有と取組の徹底を図っており ます。また、初任者研修等においては、新しく法人職員となった者について、そ の周知を図っていると。  その他には、公益通報者保護規則というものを定めておりまして、違反等の行 為の発生を防止し、あるいはそういった行為を見た場合には公益通報制度を利用 するということで、19年度から本格的に実施しております。  そのほか、苦情解決に関する規則等に基づき、苦情の受付処理をできるような 体制を努めているということであります。  取組についての自己評価ということでございますが、19年度は、役職員におい て法令違反、不正行為等はなく、かつ、業務運営上、コンプライアンスの面で課 題となった事案は生じなかったということで、概ね上記の取組が効果を上げてい るものと考えております。  様式5でございますが、役職員の報酬・給与等の関係でございます。給与水準 の適正についての自己評価ということでございますが、当法人の給与水準につき ましては、独法の整理合理化計画における指摘等を踏まえて整理しますと次のよ うになります。  まず、当法人の給与水準、16年度から4年間で14%の引下げを行っております。 その結果、国家公務員に対して、2枚ほどおめくりいただいて10ページには、ラ スパイレス指数が出ておりますが、対国家公務員99.4、対法人93.1という形にな っておりまして、極めて低い水準となっております。  また、当法人に対する国の財政支出の額の割合、これは6割を超えております けれども、当法人としては、自己収入の確保の道が限られている福祉事業を専ら 行うことを目的としておりまして、のぞみの園法等に定める業務範囲外の業務を 行うことができないなどの制約がある。あるいは自己収入のうち最も大きく占め る施設利用者に対する給付については、施設利用者の地域移行を反映して利用者 が減少しているということ等の理由があり、自己収入の増に期待することがなか なかできないということで、国の財政支出に頼らざるを得ない状況であると。  それから、累積欠損につきましては、当初予測していなかった自己都合退職者 の退職手当支給分について、会計処理をしたことから発生したものであって、こ れについては、給与水準等の見直し、経費節減を図り対応したところということ であります。  したがって、こうした当法人の現状や職員の士気の確保、施設利用者に対する 適切なサービスの提供のための人材確保、これを考慮しますと、現時点では概ね 妥当なものではないかと、このように考えております。  ただ、第2期中期目標期間においても、やはり独法の整理合理化計画というも のの指摘がございますので、引き続き検討していくこととしております。  枚数をおめくりいただきまして、12ページ、随契の状況でございます。随契に つきましては、19年度の実績として、(1)一般競争入札、競争入札31件、企画競争 1件と。随意契約が30件ということであります。これは随契であっても、競争入 札に付す必要がある契約について記載されたものであります。62件、6億2,000万 円ということであります。  それから、19年度の同一所管法人の契約はございません。  それから、それ以外のものについては、同じ表が出ております。  4番目、随契の見直し計画の実施状況ということでございますが、随意契約に ついては、真にやむを得ないものを除き一般競争入札等に移行するということで、 点検・見直しを行った結果、業務委託に係る契約については、全て競争入札に移 行しております。また、随意契約によることの基準というものは、国の基準と同 一でございます。  公表の基準につきましても、国の公表基準と同一にしておるということであり ます。  5番目、随意契約の見直し計画の達成に向けた具体的な取組としましては、1つ は総合評価方式の拡大、それから複数年契約の拡大、入札手続の拡大と、こうい ったものを実施あるいは検討しているというところであります。  もう1枚おめくりいただきますと、今度は関連法人の関係の契約についての記 載が出てまいります。関連法人、のぞみの園の場合には、(7)にも書いてございま すが、財団法人国立のぞみの園協力会という組織が関連法人としてございます。 ここと契約をしているのは4件、現在は全て競争入札による落札ということで、4 件、約2,000万円という金額になってございます。  8番、その他関連法人との随意契約の適正化等についての取組状況ということ でございますが、監事監査において、予算執行、契約の状況について監査を受け ており、随意契約も含めた契約の適正化に努めているということであります。  最後に9番、取組等についての自己評価ということでございますが、16ページ 以降に随意契約の見直し計画というものがございますが、これに基づきまして、 随意契約によることが真にやむを得ないものを除き、一般競争入札へ移行するた めの検討を行ってきたと。見直しの結果、平成20年度分の契約であります医事業 務委託、これは19年度中に競争入札を実施いたしまして、20年度契約から実施と いうことになっておりますが、これで外部委託に係る契約12件全て競争入札の対 象になったということであります。  また、見直し計画を踏まえた契約状況あるいは契約の公表の基準についても、 国の基準と同一ということで、会計規程等を改定いたしまして、ホームページに 公表するなど透明性が確保されていると考えております。  以上でございますが、競争入札の最初の(1)の中で、随意契約30件と、こう書か れてございますが、これはいわゆる競争しようにもし得ない契約というのがござ いまして、例えば高崎市水道局、お水を供給していただいている契約、これは12 回契約、毎月契約ということで12本あるんですが、それも含められております。 それから、高崎市の場合は電力会社はおおよそ1本のはずなのですね。東京電力 だけが電力供給事業者であるということがあって、これも12本含まれておりまし て、随意契約30件と書いてございますが、そのうちの24件は、つまり2業者、独 占的な業者であるということで、ちょっと補足説明をさせていただきたいと思っ ております。  以上でございます。 ○上野谷部会長  どうもありがとうございました。  どうぞ。 ○山村委員  5ページですけれども、給与水準の自己評価のことですが、国家公務員に対し て99.4、他の独立行政法人に比べると93.1と極めて低い水準ということですけど も、これは事務・技術系ということで25人ではないかと思います。全体の常勤が 253ですか、約1割の人の数字が出てきているのですが、以前もお聞きしたかもし れません。ほかの職種、とりわけ福祉職種の人たちの給与水準というのは、比較 のしようがないという、そういう意味だったんでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  ラスパイレス指数というのは、法人のほうからデータを提出しまして、人事院 が独自の計算式をもって計算をしておるのですね。その計算式の中に福祉職の計 算基礎が入ってないということがあって、それらのものが全て除かれているとい うことで、のぞみの園が全職員の給与水準を提出したとしても、やはり事務系、 一般職系の職員のみの回答でこのような数字が出てきております。 ○山村委員  ということは、国家公務員との比較という、そういう意味なんでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  そうです。 ○山村委員  広い意味でやっぱり考えないといけないと思ったのですけれども、そういう意 味では、福祉系の知的障害の方々の施設というのは、大きく分ければ公立と民間 法人、民間法人といいますか、法人立とあると思うのですよね。その辺りとの比 較をしないと、やはり給与水準の適切性についての評価というのはできないので はないかと思うのですけれども、国家公務員との比較、あるいはまた国家公務員 で福祉職が比較できないからしないんだと。25人の事務・技術系の職員の比較を して、いわば適正に、あるいはそれ以上に低い状態ですよということでいいのか どうかというようなことを思ったということです。 ○上野谷部会長  前年度も先生は確かそういうお話をされておられましたけれども、ご意見とし てお伺いしておきますか。それとも何か。   ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  先ほど山村委員がおっしゃった人件費的に高いのか低いのかという議論は、20 年度以降の中期目標を作るときに、国家公務員の福祉職俸給表とのぞみの園の職 員の10年のところで比較すると、ほとんど変化はないと。それから、民間の10年 の勤続年数で見た時には民間よりは高いという結論が出て、あとは細かいことを 言うと、調整額とかそういったものについて若干の開きがある部分もあるので、 そういったところの見直しは今後必要になってくるんじゃないかというような感 じだったと思います。 ○上野谷部会長  山村委員、よろしいでしょうか。 ○山村委員  はい。 ○上野谷部会長  それでは、6時半までというご案内をしておりましたが、評価は大体記入をし ていただいたのではないでしょうか。記入いただいていない方はお持ち帰りいた だくか、事務局とご相談いただきたいと思います。  それでは、本日の議事は以上となります。  政策評価官室のほうから、次回の部会のご案内をいただきたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  次回の39回医療・福祉部会の開催について連絡します。  日時は7月24日、木曜日、13時から18時まで、場所は9階の省議室で行います。  議題は、医薬品医療機器総合機構の評価の視点の変更と個別評価、それと福祉 医療機構の個別評価、業務方法書の変更などとなっております。  今、上野谷部会長がおっしゃったように、評価シートへの記入がまだ終わられ ていない委員がいらっしゃいましたら、この場で残って書いていただいても結構 ですし、お持ち帰りになってもらっても結構です。お持ち帰りになる場合は事務 局のほうにお申し付けください。  今日は長時間ご審議いただき、ありがとうございました。 ○上野谷部会長  それでは、本日は以上とさせていただきます。本当に長時間お疲れさまでござ いました。熱心にご議論いただきましたこと、感謝申し上げます。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)