08/07/17 第46回独立行政法人評価委員会労働部会議事録 独立行政法人評価委員会労働部会(第46回) 開催日時:平成20年7月17日(木)15:00〜 開催場所:厚生労働省省議室(9階) 出 席 者:井原部会長、篠原部会長代理、堺委員、川端委員、小畑委員、今村委 員、本寺委員、宮本委員、松田委員、寺山委員、谷川委員 ○井原部会長  定刻になりましたので、ただいまから第46回の独立行政法人評価委員会労働部 会を開催させていただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき誠にありがとう ございます。  本日は、全員の委員が出席となっております。本日の議題は、お手元の議事次 第のとおりでございます。  平成19年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価について説明を受 けた後、高齢・障害者雇用支援機構の平成19年度の業務実績に関する個別評価を 行います。その後、重要な財産処分、それから役員給与規程の変更について審議 を行います。  それでは、議事に入ります前に、政策評価官から事務局の異動についての報告 がございますので、お願いしたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  それでは、荒井政策評価審議官からご挨拶をさせていただきます。 ○政策評価審議官  政策評価審議官の荒井でございます。委員の皆様方におかれましては、お忙し い中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。  この評価委員会は、平成13年に発足いたしまして、7年が経過いたしましたが、 この間、各独立行政法人の毎年度の業務実績評価、法人の組織業務全般の見直し などのご審議について、第三者としての視点から大変なご尽力をいただいており ますことを、この場を借りまして御礼申し上げたいと思います。  独立行政法人を巡る最近の状況ですが、委員の皆様方もご承知のことと思いま すが、一部の独立行政法人における不祥事により、個別の独立行政法人のみなら ず、独立行政法人制度そのものへ国民の厳しい目が向けられております。そのよ うな中で、事務、事業についても廃止を含めた見直しをする一方で、運営を徹底 的に効率化することが求められております。  このような状況の下で、各法人は真摯に業務を遂行し、運営の改善に努めてお ると認識しておりますが、他方、各府省の独立行政法人評価委員会に対しても、 独立行政法人整理合理化計画及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会二次 意見において、より厳格かつ客観的な評価の実施、独立行政法人の個別化に関す る措置、内部統制・ガバナンス強化に向けた体制整備についても評価することが 求められております。  私どもの評価委員会による平成19年度の業務実績に関する評価におきましては、 委員会としての評定理由を具体的に明記することといたしましたほかに、各法人 の業務、マネジメント等について、国民からの意見募集を行い、それを評価に反 映させること、また、随意契約の見直し計画の実施状況などについても評価を行 うことなど、新しい取組みをお願いしております。  委員の皆様方におかれましては、暑い中、長丁場のご審議をお願いすることに なりますが、より良い評価へのご尽力、またご検討をよろしくお願いいたしたい と思います。  以上、簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。ご審議のほどよろ しくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次に今井政策評価官からご挨拶をさせていただきます。 ○政策評価官  今井でございます。7月11日付で政策評価官を拝命いたしました。よろしくお 願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  申し遅れましたが、西森でございます。7月11日付で政策評価官室室長補佐を 拝命いたしました。どうぞよろしくお願いします。 ○井原部会長  どうもありがとうございました。  それでは、議事に入りたいと思います。  初めに、平成19年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価につきま して、政策評価官室から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、説明をさせていただきます。  資料1−1、参考資料1、2をご覧ください。  3点ございまして、まずは昨年度と異なる点について3つ、委員会としての評 定理由の明記、業務実績評価関係資料、国民の意見募集について説明させていた だき、続いて、総務省政・独委からの文書を紹介させていただき、最後に日程の 確認をさせていただきます。  まず、1点目の昨年度と異なる点です。  委員の皆様は既にご承知のことかと思いますが、昨年度の総務省政・独委2次 意見において、評価基準の見直し、評価結果の考え方等の十分な説明等について 意見が出されたところでございます。  これに対する当委員会の対応ですが、1つ目が各委員の評定理由を基に委員会 としての評定理由を評価シートに明記すること、2つ目が中期目標の達成度合い を数値化することは見送ること。  以上の方針を、先月、事務局から委員の皆様方にご説明させていただき、ご了 解いただいたところでございます。  資料1−2については、委員の皆様方には既にお伝えしておりますが、この方 針についての委員会の申合せでございます。7月1日付で厚生労働省独立行政法 人評価委員会決定という形でまとめさせていただいたところでございます。  次に、資料1−4をご覧ください。  評価の進め方でございますが、1法人について、個別項目を3又は4グループ に分けて、さらに、後で説明しますが、業務実績評価関係資料を1グループとし て、全体を4又は5グループとして、それぞれの説明の後に評価の時間をとるこ ととして、ご要望がありました理由を書く時間を確保する形にしたいと考えてご ざいます。  実際のグループ分け、グループごとの時間配分については、こちらの資料1− 4では60分と書いてあるだけですが、個別の時間配分につきましては、机上配付 と配付させていただいている資料のとおりですので、適宜ご確認ください。  前回と異なる点の2点目です。業務実績評価関係資料ですが、こちらは資料2 −2をご覧ください。  こちらは、独立行政法人整理合理化計画及び総務省政・独委2次意見において、 評価委員会が評価を行うとされた随意契約見直し計画の実施状況等の評価のため に用意したものでございます。  中期目標、中期計画、年度計画を整理した評価シートの中に既に記載されてい る内容もございますが、評価の便宜のために別に作成いたしました。  法人から、まず説明がございますので、その説明を聞かれた上で、各項目につ いての評価を記載いただきますよう、お願いいたします。  S、A、B、C、Dといった評定や評定理由等は記載いただかなくて結構でご ざいます。  法人の取組みについてどのように評価されるかということを資料にお書きくだ さい。  例年より評価の項目が増え、委員のご負担も増えましたが、パソコンの用意や 本日の会議の資料をお持ち帰りいただき、後で評価結果を送ることを可能とする など、できる限りの用意はさせていただきした。どうぞ、厳正な評価をよろしく お願いいたします。  次に、昨年と異なる点の3点目の国民の意見募集です。こちらについては、独 立行政法人整理合理化計画で、評価委員会は独立行政法人評価の際に、業務マネ ジメント等にかかる国の意見募集を行い、その評価に適切に反映させるとされた ことから、当省評価委員会も各法人の平成19年度事業報告書等について国民の意 見募集を行いました。  7月3日に各法人の業務報告書等を「電子政府の総合窓口」、「e-Gov(イー ガブ)と呼ばれてございますが、こちらに掲載し、7月14日に意見を締め切った ところでございます。  なお、今回、個別評価を行っていただく、高齢・障害者雇用支援機構につきま しては、本件にかかるご意見は寄せられなかったことをご報告いたします。  次に、総務省政・独委からの文書をご紹介いたします。参考資料1、参考資料 2をご覧ください。  参考資料1につきましては、総務省政・独委がみずからの取組み方針について 7月14日付で決定したものでございます。  政・独委の事務局が当省を含む各府省評価委員会の事務局に送付してきたもの でございます。  評価委員会が実施する平成19年度業務実績評価についての総務省政・独委の評 価、いわゆる政・独委二次意見について、今年度の取組み方針を示したものとな っております。  この取組み方針の内容といたしましては、昨年の本部会で配付させていただき ましたが、参考資料2にあります政・独委が昨年7月11日に決定した独立行政法 人の中期目標期間終了時の見直し及び業務実績評価に関する当面の取組み方針を 基本に、昨年末に閣議決定された独立行政法人整理合理化計画等に対応した取組 みを行っていくというものでございます。  委員の皆様方におかれましては、お目通しをいただき、評価の際の参考にして いただければと考えております。  最後に、今後のスケジュールです。資料1−5をご覧ください。  今回7月11日は、高齢・障害者雇用支援機構の個別評価を行っていただくとこ ろでございますが、7月25日に労働者健康福祉機構と勤労者退職金共済機構の個 別評価が、8月1日に、雇用・能力開発機構、労働政策研究・研修機構の個別評 価がございまして、8月18日に総合評価がございます。そして8月25日に暫定評 価と最終評価が行われるところでございます。  以上でございます。 ○井原部会長  今の説明に関しまして、何か質問等がございますか。  それでは、高齢・障害者雇用支援機構の個別評価に入ります。  最初に、戸苅理事長からご挨拶をお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  高齢・障害者雇用支援機構の戸苅でございます。  評価委員会の先生方には、新中期計画の策定をはじめといたしまして、当機構 の事業運営にご指導いただいておりますことをこの場を借りて御礼を申し上げた いと思います。  本日は、平成19年度の個別評価をいただくということでございまして、よろし くお願い申し上げたいというふうに思います。  私からは、当機構の運営に当たりまして、重点的に取り組んでおります事項に ついて何点か申し上げさせていただきたいと思います。  高齢者の雇用でございますけれども、一昨年に施行されました改正高年齢者雇 用安定法によります65歳までの雇用確保措置でございますが、その円滑、着実な 実施のために、企業における人事、雇用管理面での専門的なアドバイスなどのサ ービスの強化に努めてまいったところであります。  昨年6月の厚生労働省の調査によりますと、93%の企業が法に定められました 雇用確保措置を実施するに至っております。総務省の労働力調査を見ましても、 60歳から64歳の方々の就業率、人口に占める働いておられる方の割合であります けれども、他の年齢はほぼ横ばいとなっておりますけれども、60歳から64歳の方 々については、52%から56%と大きく上昇しておりまして、統計の上でも、政策 の効果が確認できたというところだろうと思っております。  昨年につきましては、団塊の世代が60歳に到達するということで、2007年問題、 あるいは2007年危機というふうに言われましたけれども、こういったことで何と か危機は乗り越えつつあるのではないかというふうに思っているところでござい ます。  今後につきましては、団塊の世代が4年後には65歳に到達するということで、 2012年に向けまして、70歳まで働ける企業の割合を現在12%でございますが、 2010年度には20%に引き上げるということが政府の重点目標に掲げられておりま す。当機構といたしましても、立ち遅れの見られます中小企業を中心に65歳まで の希望者全員の雇用確保の実現、70歳まで働ける企業の普及促進に昨年度来、重 点的に取り組んでいるところでございます。  次に、障害者雇用でございますが、昨年6月の民間企業の障害者の雇用率は 1.55%ということで、3年連続で、改善が見られたところであります。  しかしながら、なお、6割弱の企業が法定雇用率未達成という状況でございま す。特に、中小企業の改善が引き続き遅れているというところでございます。  近年、重度知的障害者、精神障害者、発達障害者といった就職困難度の高い障 害者の方々の職業的自立というのも重要な課題となっているところであります。  一昨年の障害者自立支援法の施行をはじめといたします福祉から一般雇用へと いう政策の方向性の強まり、障害のある人たちの就業意欲の高まり、企業側にお きますCSR、あるいはコンプライアンス確保の観点からの障害者雇用の積極化、 さまざまな追い風が吹いているところでございますが、そういった中で、障害者 雇用のさらなる進展のために、当機構といたしましては、「カウンセラー、ジョ ブコーチによります職業リハビリテーションサービスの充実」、「納付金制度の 適切な運営」、「事業主に対する相談支援サービスの強化」にさらに積極的に取 り組んでまいりたいというふうに考えているところであります。  また、もう1点申し上げさせていただきますと、障害者の雇用につきましては、 昨年11月に静岡県におきまして、我が国では26年ぶりの開催でございますが、障 害者の技能競技大会であります「第7回国際アビリンピック」を世界で初めて若 者の技能五輪国際大会と同時開催をいたしました。  国内外から6万5,000人ということで、目標の5万人を大きく上回る来場者を お迎えすることができました。障害のある人たちの持っております職業能力の可 能性、障害者雇用の重要性につきまして、多くの人たちの認識を深めていただく ことができたというふうに考えているところでございます。  当機構におきましては、障害者、高齢者、事業主の方々、そういった利用者の 皆様の立場に立った顧客重視のサービスの提供、それから当機構の使命、中期計 画の目標、課題、これを職員皆が正確に理解、認識して、その実現に向けてそれ ぞれの職場において、的確、積極的に取り組むということ、3点目は、リアルタ イムでの事業の進捗状況の管理に努めまして、PDCAサイクルによります効果 的な業務運営を実現するという3点を基本姿勢にいたしまして、全職員が業務に 取り組んでいるところでございます。  また、独立行政法人といたしまして、効率的な運営を図るべく、業務運営の効 率化、給与制度改革の実施、一般競争入札の推進によるコスト削減にも積極的に 取り組んでいるというところでございます。  高齢者、障害者の皆様方の雇用の重要性が一層高まる中で当機構に課せられま した役割を十分果たすべく全力を挙げて取り組んでまいりたいということで考え ておりますので、先生方にはぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。 ○井原部会長  ありがとうございました。  これからの進め方でございますけれども、先ほど事務局から説明がありましよ うに、評価シートの個別項目を3つのグループに分けまして、さらに、業務実績 評価関連資料を1グループとして、合計4グループをグループごとに評価行う、 そういう形でいきたいと思います。  まず、グループ1についての評価を行います。所要時間は、法人からの説明20 分、それから委員の評定と質疑15分の合計35分ということになっております。  それでは、まず法人からの説明をお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  平成19年度の業務実績について、資料2−5、平成19年度業務実績説明資料、 パワーポイントのものでございますけれども、これに沿って説明をさせていただ きます。  この資料は、お手元に配付してあります業務実績評価シートをわかりやすく説 明したもので、各評価区分ごとの自己評価及び業務実績を記載しています。  なお、当機構の場合、後でもご説明いたしますように、業績評価を厳正、公正 に行うため、この労働部会の審議に先立って、雇用、福祉、医療の専門家といっ た外部の有識者から構成される外部評価委員会において、労働部会と同様の方法、 基準により評価をいただいており、その評価結果をそのまま自己評価として評価 シートに記載させていただいております。  評価シート1から7までを続けてご説明いたします。  2ページをご覧ください。  評価シート1、「業務運営の効率化」です。  ページをめくっていただき、まず効果的な業務運営の確立についてご説明しま す。  左側の緑の囲みですが、昨年12月に閣議決定された独立行政法人の整理合理化 計画において、せき髄損傷者職業センターの廃止、地域センターの管理事務にお ける集約処理方式の導入、駐在事務所の廃止、高齢期雇用就業支援コーナーへの 市場化テストの導入など、抜本的な業務運営体制の見直しを新中期目標期間中に 実施することとされたことを受け、実施可能なものについて、前倒しで実施する ことといたしました。  第1点は、地域障害者職業センターの管理業務について、2カ所の事務を1人 の事務職員で処理する取組みを19年度より7カ所14センターに拡大して実施しま した。  第2点は、せき髄損傷者職業センターについて、利用を希望する患者の減少を 踏まえ、今年度より課の統合により組織体制の縮小を図り、今年度末には廃止す べく準備を進めております。  第3点は、企業が実施する再就職援助措置に関する助言・援助を行う、再就職 支援コンサルタント52名について、業務の重点化を図る観点から、20年3月末を もって廃止いたしました。  第4点は、高齢給付金関係の転換に伴う業務実施体制の縮小について、19年10 月に担当部門の職員1名の削減を実施しました。  右側の囲みは、都道府県協会への委託業務の合理化・効率化、サービス向上で す。  19年度はオレンジの囲みのように、都道府県協会の統合を踏まえた組織・人員 の見直しを内容とする工程表を策定し、今年度から実施しています。  具体的には、事務局次長の廃止による管理部門の圧縮、統合効果の発揮及びサ ービスの充実に向けての組織再編、常勤職員47名の削減、非常勤職員130名の削 減などを内容としています。  また、19年度に新たに11協会を統合させ、20年4月に全都道府県で統合完了を させました。  委託経費については、年間委託金額の適正化や統合による合理化・効率化を進 め、18年度に比べ5億円強、6.7%の節減を図りました。  サービスについては、窓口のワンストップサービス化、高齢・障害双方のアド バイザーによる基礎的事項についての即時対応など、相乗効果の発揮に努めてい ます。  次のページをご覧ください。  「業務運営の効率化に伴う経費節減等」です。  青い囲みの「一般管理費・業務経費の節減」につきましては、一般管理費は予 算上、14年度と比較して、目標を上回る13.7%を節減した上で、さらに予算執行 の経費節減として、省資源、省エネ意識の徹底等による6.7%の節減を実現しま した。  業務経費も同様に、予算上、前年度と比較して、目標を上回る1.3%を節減し た上で、さらに予算執行の経費節減として6.6%の節減を実現しました。  右のグラフは一般管理費及び業務経費の予算及び決算額の経年推移を示したも のです。  一般管理費及び業務経費とも毎年度予算額を着実に節減する一方、仕様書の見 直し、一般競争入札の拡大等、予算執行時のさらなる節減を行い、19年度決算額 で見ると、一般管理費では、14年度予算に比べて19.5%の節減。業務経費では、 15年度予算に比べて16.6%の節減と大幅な効率化を実現しました。  こうした取組みにより第1期中期目標期間中の節減額は60億円強にのぼり、全 額国庫に納付いたしました。  また、随意契約の見直しにつきましては、19年度に新たに「随意契約見直し計 画」を策定し、22年度までのできるだけ早期に一般競争入札等に移行することと しました。  これにより随意契約は、庁舎、土地建物の賃貸借契約など真にやむを得ないも のに限ることとし、見直し後は18年度の102億円から6億5,000万円と93%圧縮す ることといたしました。  左下の緑の囲みは、「給与制度改革の実施による人件費の節減」です。17年12 月に閣議決定された「行政改革の重要方針」を踏まえ、18年度以降、5年間で人 件費を5%削減することが目標とされていますが、これに対し19年度実績は17年 度と比較して、6.2%の節減と3年前倒しで目標を達成しました。  19年度は地域手当、職務手当等について、おおむね国より低い水準に見直すな ど18年度に引き続き、もう一段の給与制度改革を実行したところです。  次のページをご覧ください。  「給付金及び助成金業務の効率化」です。  給付金・助成金1件当たりの平均処理期間については、14年度と比較して、10 %短縮することを目標としています。これに対して、一番上の囲みにありますよ うに制度の積極的な周知などにより給付金・助成金の年間処理件数が10.6%増加 する中で1件当たりの平均処理期間は逆に44.4%の減少と大幅な短縮を実現しま した。  19年度は中ほどの「事務手続きの効率化」のところにありますように、高齢給 付金については、システム改修による審査状況の随時把握と進捗管理の徹底、審 査用チェックリストの作成による分業体制の確立を新たに実施したほか、制度改 正に伴う駆け込み申請に対応して、昨年度実施した緊急対策の常態化を図りまし た。  また、障害助成金については、事業計画の変更承認申請の廃止、添付書類の負 担軽減など、制度・手続きの簡素・効率化に取組み、平均処理期間の大幅な短縮 につなげました。  次のページは、「職業リハビリテーション業務に係る業務・システム最適化」 です。  19年度は中期目標に基づき、最適化計画を策定し、ホームページで公表しまし た。  業務システムの最適化による経費節減見込み額は、年間4,800万円。職リハ業 務の充実に振り向けるサービス時間の拡大は、年間9万3,000時間となります。  以上が、評価シートの1番でございまして、整理合理化計画の前倒し、都道府 県協会の組織、人員の見直し、経費の大胆な削減、給付金・助成金の支給処理期 間の大幅な短縮等が評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価された ところです。  7ページをご覧ください。  評価シート2の「業務の質向上への取組」です。  ページをめくっていただきますと「評議員会の開催・外部評価の実施」につい てですが、当機構では、関係者の皆様からニーズを幅広く把握し、業務の改善に つなげていくため、ここには書いてございませんが、利用者に対するさまざまな アンケート調査を行っております。  19年度は職業リハビリテーションに関する研修の受講者全員に対し、追跡調査 を実施するとともに、受講者の所属長に対するアンケートを新たに実施するなど、 その充実に努めています。  また、本部において、アンケートを分析し、具体的ニーズの把握と今後の対応 を検討するとともに、地域センターや都道府県協会にその内容をフィードバック して業務の改善につなげています。  資料の下の囲みの業績評価のところをご覧ください。  機構においては、内部評価委員会と外部評価委員会の二本立てで業績評価を行 い、PDCAサイクルの徹底を図っています。  機構本部の部長を構成員とする内部評価委員会においては、重点テーマの設定 による業務進捗状況の把握、分析を行い、進捗の思わしくない業務の改善や取組 みの遅れている地域センター、都道府県協会への指導の徹底を図っています。  一方、厳正、公正な業績評価の観点から、左下の外部評価のところにあります ように、雇用、福祉、医療の専門家といった外部の有識者5名で構成される外部 評価委員会を設けて評価をお願いしています。  職業リハビリテーション業務については、より専門的な見地から評価を行って いただくため、別に各種リハビリテーション分野の学者、専門家8名による評価 をお願いしています。  ここでは2月及び6月の年2回、各業務の進捗状況をご報告し、ご意見をいた だくとともに、6月には前年度の業績評価も行っていただいております。  外部評価委員会での評価の方法、基準はこの労働部会と同様であり、外部評価 委員会での評定結果を機構の自己評価とし、本日提出させていただいております。  9ページをご覧ください。  「機構のホームページの運営状況」です。  左側の囲みにありますように、最新の魅力ある情報の提供に努めた結果、アク セス件数は毎年大幅な伸びを示し、19年度は690万件で、前年度と比べ100万件の 増と目標の7倍を達成しました。  次のページは、トップページの改善及びアクセシビリティの配慮についてです。  視覚や聴覚に障害のある方が文字サイズの変更や音声読み上げを容易に活用で きるよう操作性の改善を行うとともに、重点的に周知したい情報について画像化 し、その画像から直接アクセスできるようにするための工夫などを行いました。  以上が、評価シート2番でございまして、自己評価は「A」でございます。  11ページからは、高齢者事業です。  12ページをご覧ください。  評価シート3の「給付金の支給」です。  次のページをご覧ください。  給付金の支給は、制度の周知・広報と不正受給防止対策の強化という二本柱の 業務運営を進めています。  特に、19年度は上から2番目の囲みにありますように、新たに創設された定年 引上げ等奨励金の普及促進を重点に取り組みました。  ホームページ、新聞広告の活用のほか、都道府県協会における説明会の開催、 高年齢者雇用アドバイザーによるPR、事業主団体等の各種会合への出席等により 効果的な周知を図り、積極的な活用につなげました。  また、その下の囲みの19年度の重点取組である不正受給防止対策の強化につい ては、不正の経緯や手口を解説した「不正受給事例」の作成と都道府県協会への 情報提供、チェックリストの充実による審査・点検漏れの防止徹底、高齢・障害 担当部門間の情報交換を新たに実施するとともに、労働保険データとの照合、電 話による確認・無予告の事業所訪問を確実に実施しました。  19年度に発覚した14年度以降の支給にかかる4件の不正受給事案について2件 が全額回収済み、残り2件が1部返還等となっております。  以上が評価シート3番でございまして、自己評価は「A」でございます。  14ページをご覧ください。  評価シート4の「高齢者雇用に関する相談・援助」です。  次のページをご覧ください。  19年度は、左上の囲みにありますように、中小企業を重点とした高年齢者雇用 確保措置未実施企業への支援、65歳までの希望者全員の継続雇用制度導入企業に 対するその後の円滑な運用実現のための定着支援を行い、いずれも支援実施割合 を増加させました。  また、新たに70歳までの雇用確保に向け、70歳雇用支援アドバイザーによる相 談・援助を実施しました。  この結果、相談・援助件数は3万1,944件と目標の3万件を上回り、企業診断 システム活用回数も2,477回と目標の1,500回を大幅に上回りました。  また、一番下の緑の囲みにありますように、アドバイザーのスキルアップのた めの多彩な研修をより多くの事例発表やグループ討議を取り入れて実施すること やブロック別経験交流会において、小規模事業所における人事管理に的を絞った 事例検討を積極的に行うなど、アドバイザーの資質向上のための取組みを進めま した。  これらの結果、右上の緑の囲みにありますように、アンケート結果による利用 者満足度は90.1%と目標の70%を大きく上回る高い評価を受けています。  16ページをご覧ください。  「高年齢者等の雇用に関する各種講習」ですが、右上の囲みにありますように 842回開催し、目標の640回を大幅に上回りました。また、下の囲みにありますよ うに、前年度の講習を受講した企業に対して、追跡調査を実施し、雇用管理が実 際にどのように改善されたのかを把握し、そのニーズを踏まえた講習内容の改善、 充実を図っています。  この結果、右上のアンケート結果のところにありますように、受講者満足度は 98.6%と極めて高い評価をいただいております。以上が、評価シート4番でござ いまして、自己評価は「A」でございます。  17ページをご覧ください。  評価シート5の「高齢者雇用に関する調査研究」です。  次のページは、このうち高年齢者雇用アドバイザー等が行う相談・援助業務へ の活用などを目的とした実践的調査研究です。  上半分の囲みの「65歳までの希望者全員の雇用確保」については「中高年従業 員の仕事能力把握ツールの充実」とウェブ化に取り組みました。  これは、従業員の仕事特性を価値創造力、専門能力形成力という8つの指標か ら把握し、8つの能力ごとの強み・弱みとその背景要因や年齢階層ごとの能力特 性を明らかにし、企業が抱える課題や解決方法を提示するものです。  19年度は、試行運用結果を反映し、企業のニーズをとらえたチェックリストと するとともに、アドバイザーが企業訪問時に活用できるように、ウェブシステム によるデータの解析、オートグラフ化、ウェブ診断を実現しました。  下半分の囲みの「70歳まで働ける企業の実現」については、「『70歳まで働け る企業』推進プロジェクト会議」を設置し、65歳以降の働き方の具体的な提案、 職域開発等の提言を取りまとめ、先進企業事例集の作成、シンポジウムの開催等 による普及促進を図りました。  シンポジウムの会場アンケートでは、「経営者の姿勢や工夫で、いつまでも生 き生きと働けることが実感できた」など、満足度が86.2%と高い評価を受けまし た。  次のページは共同研究と産業別推進事業ですが、いずれも目標とされている研 究本数、産業団体数を達成しています。  上の囲みの共同研究では、右側の事例のような先駆的なモデルの事業主と共同 で構築し、その研究成果を高齢者雇用フェスタ等での事例発表、ホームページの 掲載により積極的な活用を図っています。  下の囲みの産業別推進事業では、右側の事例のような、産業団体による高年齢 者等の雇用促進のためのガイドラインの策定を支援し、会員企業へのガイドライ ンの配付、普及啓発セミナーの開催等により積極的な活用を図っています。  会員企業に対するアンケート調査では、その90%から積極的な評価をいただい ています。  以上が、評価シート5番でございまして、自己評価は「A」でございます。  20ページをご覧ください。  評価シート6の「高齢者雇用に関する啓発広報活動」です。  次のページは、「高齢者雇用フェスタの開催」です。  19年度は、「脱年齢元年―日本の雇用が変わる―」をテーマに、超高齢社会の 入口にあって、これから雇用や生活をどう展望し、どう対応していったらよいの かを来場者とともに考えることをコンセプトとして、公開シンポジウム、フォー ラムを開催するとともに、登壇者とフロア参加者の対話等により構成するトーク セッション、一番下の黄色い囲みにある「多彩な手法による効果的な情報提供」 など、参加者の関心と理解を深めるための新たな企画を実施し、高齢者の雇用確 保の重要性を参加者に十分理解してもらえるイベントとしました。  こうした取組みの結果、右上の囲みにありますように、来場者数は過去最多の 2,692名、「脱年齢という観点から自分自身を見つめ直そうと思った」など、高 齢者雇用問題の理解度は95.1%と目標の80%を大きく上回りました。  また、この内容は、NHKの日曜フォーラムでの放映や、「エルダー」への掲 載により、全国に周知を図りました。  次のページは、「エルダー」の発行等啓発広報活動についてです。  発行部数の目標6万部を達成いたしております。  左下の囲みにありますように、編集委員、読者アンケート結果を踏まえ、企業 先進事例やモチベーション向上など、高齢者雇用に関する具体的ノウハウを中心 に紹介し、企業が高齢者雇用への現実的な課題を解消できるように配慮していま す。  この結果、右下の囲みにありますように、読者アンケートの結果では、「時代 のニーズに合っている」など、93.7%の方から、役立つ、参考になるとの評価を いただいております。  以上が評価シート6番でございまして、自己評価は「A」でございます。  23ページをご覧ください。  評価シート7の「高齢期雇用就業支援コーナー」です。  次のページをご覧ください。  高齢期就業支援コーナーでは、在職者を重点に、退職準備、キャリア設計等に 関する相談・援助、セミナーの開催を行っています。  高齢者の職業再設計に関するニーズは非常に高く、左の囲みにありますように、 相談援助は6万8,489件、セミナーの開催は4,507回、いずれも目標の約2倍に達 しています。  下のピンクの囲みをご覧いただきますと19年度に重点的に取り組んだ事項とし て、土日・夜間の相談を前年度の約2倍に増加させて実施したほか、セミナー全 体の6割を土日・夜間及び事業所に赴いての出張セミナーに振り向けました。こ うした取組みの結果、上の青い囲みにありますように相談・援助の満足度は97.5 %、セミナーの満足度は95.5%と目標を大きく上回る高い評価を受けております。  以上が、評価シート7番ございまして、自己評価は「A」でございます。  以上で、グループ1についての説明を終わります。 ○井原部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問がございましたらお願いしま す。 ○松田委員  常勤職員が47名、それから非常勤職員が130名、177名が減になると、それはい いんですけどね、これからあれでしょう、65歳はもう終わったんですよね。あと 4年で70歳雇用という目標があるんでしょう。その目標を達成するために、経営 の効率化、人員はどんどん減っていく。それでどのように経営の効率化を図るの か。高齢化の中で、それをちょっと話してください。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  労働力は既に10年前から減少を始めていまして、人口は2、3年前から減少し ているという中で、高齢者の方、それから女性の方、それから障害者、それから ニート、フリーターを初めとする若者、こういった人たちに1人でも多く意欲を 持って働いてもらうということが重要なんだろうと思います。  当機構で、今、先生のご質問ということで申し上げると、65歳につきましても、 先ほど私が申し上げましたように、93%の企業が法律で定めた雇用確保措置を行 っているんですけれども、ただ、大部分が企業が定めた基準に合致する人だけで すとなっているものですから、合致しない人たちは、なお、60歳定年で退職させ られているという人たちがまだ少なからず残っていますので、希望者全員の方に ついて65歳まで働けるような環境づくりをひとつしていく必要があるのではない かと思っております。  それから、もう1つは、実は、今年2月に70歳雇用シンポジウムをやったんで すけれども、随分盛況でした。高齢者の方、企業の方の関心が非常に高まってい るというふうに思っています。一気に70歳雇用とは言わないまでも、4年後には 団塊の世代が65歳になっちゃうものですから、66、67歳ということで手をやはり きちんと打っていかないといかんということで、この4年の間に、65歳まで希望 者全員というベースを確立して、その後、それと合わせて4年後には、もう66、 67まで働けるようにして、団塊の世代は、今、480万人から490万人働いています けど、今の65歳の人たちの労働力率というか就業率から考えると半分ぐらいが引 退してしまう可能性があるものですから、1人でも多く、66になっても働いても らうようにということで取り組んでいるということが課題かなと今思ってます。 ○井原部会長  よろしゅうございますか。 ○寺山委員  高齢と障害の協会の統合ということで、この委員会が始まったときに冒頭に申 し上げて、統合効果というのをやはり出すべきであるという発言をして、そのこ とで、去年大分成果があったことは大変喜んでいるわけですけれども、さらにこ れどまりなのか、それとも事務的なところの統合効果というのはある程度わかっ たんですけれども、後に述べていくような、高齢と障害の技術的、研究的な統合 効果、連携効果も含めて、地域、都道府県協会までも含めた統合効果という、つ まりスリム化ともいえるかもしれませんが、質を高めつつ統合していくという見 通し、これを教えていただきたいなと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これまでは、統合ということで、地方の組織について統合させることを最重点 に取り組んでまいりました。そういった中で、管理部門についての人員の削減と いうことを多少はやってきたんですけれども、地方の協会の統合もほぼ定着した ということで、これから、実は、2協会あったものですから、事務局長が2人い て、統合した後、1人が事務局長になって、1人が事務局次長になっているとい うことがあるもんですから、その次長を全部廃止することにしました。  実は、業務量が増えている県とかがあり、一方で、業務量が減っているところ があるもんですから、業務に見合った人員の再配置等、それからあわせて各県1 人平均ということで、あと2、3年の間に、47名削減するという道筋はつけて、 段階的に今取り組んでいるという状況であります。 ○寺山委員  業務内容というか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  業務内容につきましては、これも今取り組んでおりますのは、アドバイザーと いう方々、専門家の方々なんですけれども、お願いしていまして、この方々、こ れまでは障害者専門のアドバイスをやる、あるいは高齢者専門のアドバイスをや るということだったんですけれども、かねてから寺山先生、松田先生からのご指 摘もあり、第一次的に企業に伺ったときに、障害者のことを高齢者のアドバイザ ーが聞かれても、第一次的な対応ができるようにしようという取組みを始めてお ります。  それぞれのアドバイザーに、障害のアドバイザーであれば高齢の助成金とか、 あるいは高齢の雇用管理のあり方とか、そういうことも初歩的なことは答えられ るように。それから、どういうことをやっているということぐらいは答えられて、 あとは専門家のほうにつなぐというふうなことができるための研修に取り組んだ りということでやるようにしています。  それから、組織で申し上げますと、今までは高齢担当部と障害担当部という部 編成だったんですけれども、この部の編成をやめて、助成金の担当部と、それか らサービスの担当部と横割りでやってみようと。今まで縦割りだったんですけど、 そういうことで、統合効果が出るような努力、取組を今進めています。 ○井原部会長  ご質問の趣旨は、高齢者と障害者を同じサービスの対象にするということに関 して、何か統合のメリットがあるのかどうかという話だと思います。サービスを 受ける側にとって。 ○寺山委員  そうです。ただ、両方専門学校が2つ並んでいるみたいじゃなくて。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  今やろうとしているのは、障害者に適用できる雇用支援技法というのが高齢者 にうまく応用できないかというあたりの研究をしてみようというので、これは今 年から取り組んでいます。  それから、もう1つは、障害者の今までの雇用支援というのは、どちらかとい うと、職場環境の改善ですとか、技術的なものが割合多かったんです。例えば、 聴覚障害者の方に、いかにうまく危険な状況を伝達するか。  高齢者のほうはどちらかというと、経営面からのいろいろなアドバイスがあっ たので、今まで高齢者で培ってきた経営面のアドバイスを障害者のアドバイスに もうまく使えるようにしようとか、逆に、高齢者についても障害者が働きやすい 職場というのは、筋力の落ちた高齢者でも働きやすいわけですから、そのあたり をやるようにとか、そのあたりも今取り組んだりしています。 ○堺委員  評価シート7にございます高齢期雇用就業支援コーナーの実績が示しておられ ますように、土日、夜間の相談とか、出張セミナーとか、現場への働きかけを増 やされた項目については、前年度から比べて大きな実績を上げられたというふう に拝見いたしました。  その一方で、ホームページへのアクセス件数が主な実績というような項目もほ かにはございますが、予算や人員が継続的に削減されていく中で、現場への働き かけを強めていくことが大変難しいということはよく理解できるのですが、やは りこれだけのはっきりした効果が出るところを拝見いたしますと、今後、ほかの 項目についても、恐らく年次計画等で現場への働きかけをどの年次にはどの項目 を強めていくという計画をお持ちではないかと思うのですが、そういうご計画は お持ちでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  高齢期雇用就業支援コーナーに限ってというご質問でよろしいでしょうか。 ○堺委員  いえ、全体でございます。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  高齢者全体についてですけれども、やはりこれまでは65歳までの雇用確保措置 を導入していくということでやっていたわけですけれども、それが大体先ほど理 事長からご説明がありましたように9割方、雇用確保措置が導入され、そうする と今度は、より中小企業における雇用確保措置の導入、あるいは希望者全員に対 する継続雇用、そして70歳への雇用確保、そういった形で重点を少しずつ移して いく過程で、それに見合った目標を立ててやっていきたいと。  確かに、おっしゃいますように、なかなか人的資源等、大変な中ではあります けれども、なるべくそういった効率的な運営を心がけて、重点的に課題に取り組 んでいきたいというふうに考えております。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  現場では、中小企業中心なんですけれども、企業ごとに高齢者の雇用状況、そ れから取組状況をアドバイザー等が企業を回ったときの状況のデータベース化を 今進めています。  今、おっしゃったように、各地域ごとというか、各県ごとに、今年はこういう ところを重点的にやってみようかとか、データベースをもとにそういうことがや れるようになるのではないかというふうに思っていまして、人員が限られている ものですから、データベースをもとに、いかに限られた人数で効果的な企業に対 するサービスをしていくかということに今取り組もうとしているという状況であ ります。 ○川端委員  全体、今の説明、この後も含めてなんですが、例えばシート4に見られる数値 目標になりますけれども、中期目標の数字を非常に大きく上回っております。こ れは、大変ご努力された結果ではあるんでしょうが、こういう数字を拝見してい ますと、初年度、あるいは2年度で目標達成している。だから、そういうことを 考えれば、大変なご努力の結果ということは評価しますが、当初の目標が少し甘 すぎたのではないかというきらいが、ちょっと強すぎるほどそこの数字に出てい るんですが、そこらあたりについてはいかがお考えでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これは、1つは、当機構の場合は、民間の法人でありました障害者の雇用促進 協会とそれから指定法人でありました高齢者の雇用開発協会とを統合したという 経緯の中で、恐らく計画づくりについて、私はそのころいなかったものですから、 いないから勝手なことを言うということでもないんですけれども、目標づくりの ときの、統合団体だったがための、そのあたりの検証というのがひょっとしたら 甘かったかもしれないということがあるのかもしれないと思います。  確かに、おっしゃるように、私もここへ来てみて、当初の目標に比べると随分 実績が上がっているなとは思うのは思うんですけれど、今年度から始まっていま す計画は今までの実績を踏まえてやっています。  それから、もう1つは、今ご審議いただいている第1期の中期目標というのは どちらかというと「こういうことをやりました」「これだけ発行部数を出しまし た」とか、そういうアウトプット指標になっているんですね。回数で。  今度は、アウトプット指標だけではなくて、アウトカム指標というか、どうい う成果が上がったというのをちょっと目標にしています。  そういうことで、おっしゃることはちょっと私も相当部分、かなりのその数値 について目標として適切な水準だったかどうかという項目がないわけじゃないと 思いますけれども、その後、目標を上回った後もさらに上回り続けているという ことを評価いただければと、こういうことではないかと思います。 ○川端委員  そういうことでしたら、自己評価で、当初の目標を達成したよという、そうい う視点もいいんですが、前年度に対してどうかという視点も、これを追加された ほうが、よりプロセスとしての努力がわかりやすいのではないかというふうに思 います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  資料には、所々入れてあるんですけれども、そこはまた踏まえて、来年度以降、 さらに目標と実績との乖離が大きいようであれば、そういったものについては、 そういったご説明をするように努めたいと思います。 ○松田委員  資料の4番、アドバイザーの認定から評価、アドバイザーが一体どういう成果 を上げたらどういうふうに評価するのか。毎年同じアドバイザーじゃないわけで すから、アドバイザーでも成果を上げた人と上げない人、自然にわかるでしょう。 ですから、どこでどういう基準でアドバイザーを評価しているのか。それをお話 しください。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  アドバイザーが今大体470人ぐらいということで、これは毎年4月に委嘱し直す んですが、基本的に、1割ぐらい毎年入れ替わるというような状況で、そういう 意味では、約9割の人は同じ人が継続してやるというような形になっております。  それで、アドバイザーの質の問題につきましては、この評価委員会でも大分前 にもご議論があったところでございますので、例えば、要件を少し今回19年度か ら厳しくいたしまして、実際に、資格を持って開業している方、例えば社会保険 労務士とか、そういう方、あるいは企業で実際に人事管理、人事労務管理の実務 をやって、高齢者の継続雇用などを行ったことの経験のある方というような項目 を追加いたしまして、その点で質を担保するというようにいたしております。 ○松田委員  ちょっと曖昧ですね。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  できの悪い人はなるべくやめてもらうようにという指示を出しています。ただ、 前から議論になっている社会保険労務士の人が多くて、なかなか今までの経緯で やめてもらい切れないというところもあるんですけれども、かねてから松田先生 から中小企業診断士のほうがいいんじゃないかというお話もあって、そこは我々 も受け止めて、切り替える場合は、社会保険労務士から中小企業診断士に切り替 えるとか、それからできの悪い人は、1年でやめてもらうのは無理でも、翌年に やめてもらうとかという手を打てということはやっています。 ○松田委員  まず、どういう成果を上げたらよいのか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  1つは、我々がわかっているのは、非常に企業からのリクエストの多いアドバ イザーとリクエストがあまりないアドバイザーとがあるということはわかってい ます。  それから、もう1つは、積極的に企業を回っていただいているアドバイザーと 本業が忙しくてあまり回らないアドバイザーがいると。そういう量的なものを我 々は把握していて、量的な問題については、今言ったようなことで対応するよう にしていますけれども、質的な問題で、どういう成果が上がっているかというこ とになると、ここはなかなか成果の評価の仕方が難しいというのが現状で、むし ろ定量的にこのくらいの成果が上がっているというよりは、個々の地方の協会ご とにこの人は企業から随分感謝の手紙が来たとか、企業から役に立ったと言われ ているとか、そのくらいの把握で、この人は全然役に立たなかったという評価が あれば、現場で、翌年やめてもらうような働きかけをしているということではな いかと思います。  そういう意味では、我々のほうで、体系的に全部を、役に立っているか立って ないかというところまで評価するには至ってないということであるかと思います。 ○松田委員  何か1つの基準を決めたほうがいいです。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  おっしゃるとおりですね。そこはちょっと検討してみます。 ○谷川委員  一般的な広報といいますか、周知の手段みたいなことに関する評価について、 ご意見を伺いたいんですが、私は、東芝に勤めておりますので、今日、パソコン も使っていただいて、インターネットも非常に活用していただいて、ホームペー ジという形で、あるいはウェブの活用ということでいろいろな報告がなされてい るんですが、それと機構のほうでやっておられる「エルダー」ですとか、フェス タですとか、いろいろな広報の手段といいますか、皆さんとコミュニケーション される手段をいろいろ活用されているというのはよくわかるんですけれども、機 構のほうで考えておられるインターネットとか、ホームページとかの媒体を使っ た場合のカバーといいますか、どれぐらいのところが、それでPRできる、コミュ ニケーションできるというふうに考えておられるんだろうかと。  私は、希望的に申し上げますとインターネットで、本当は100パーセントの人 がみんな大体それで平等に情報にアクセスできるというふうになっていれば最高 にいいんですけれども、必ずしもそうは言えないんだろうと思っています。  その辺をどういうふうに考えておられるか。さらには基本的にはだんだんイン ターネットとかホームページとか、そういうものがコミュニケーションの手段に なりつつあるんですけれども、それを補完する、あるいはさらには、ときにはそ れを置き換えるというような手段をどういうふうに考えておられるか。何かそう いうことについてご意見があれば承りたいと思うんですけれども。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  当機構の高齢者、障害者の雇用をどう進めるかという上で、先ほど来、先生方 からもご意見が出ておられるところですけれども、やはり周知、広報というのも 非常に有効な手段なんです。  そういう意味で、目標数値はホームページのアクセス件数にしていますが、我 々はいろいろな手法を使っていまして、新聞の広告を出す、それからあと企画的 な広告も出しています。下のほうに出すだけではなくて、記事広告みたいなもの をやってみるとか。  それからあとは、団体、業界等の機関誌に載せさせてもらうとか、そういう活 字媒体のものを1つやっています。  それから、もう1つは、これはなかなか視聴率で我々も悪戦苦闘しているんで すけれども、テレビを使ってやるというふうなこと。聴覚障害者の方もおられる ので、極力字幕を入れたことをやるとか、いろいろなものをやって、それからあ とはここの地下鉄に広告を張り出してみるとか。いろいろなことをやっています。  今は、そういう媒体はかなり競争が激しくなってきているものですから、これ をやってこのくらいの効果が上がりましたということは言ってくるんですけれど も、ただ過去にそういう評価をやってなかったもんですから、去年に比べると今 年はよかったですとかというぐらいの評価になっていて、ちょっと我々も隔靴掻 痒の感はあるということですけれども、いろいろな手法を使っていて、ただこれ から先は今先生がおっしゃったように、モバイル系のものとか、パソコンを使っ て、いろいろなコミュニケーションをしている人がどんどん増えてきているもの ですから、恐らくインターネット経由の情報提供のウエイトをこれからさらに高 めていくということなんじゃないかと思っていますが、これはという決め手を我 々も模索しているということだと思います。 ○井原部会長  時間が過ぎちゃったんですが、あと1問だけ。 ○今村委員  細かな質問2つなんですけれども、簡単に申し上げます。  既に出た問題ですけれども、目標設定数字の70%というのは確かに低いと思う んですけども、何回もこれは出ていることなんですが、マイナスの評価、つまり なぜアンケートをするかというと改善のために結びつけたわけですから、そのマ イナスのどういう情報があって、それをどう改善に結びつけるかというプロセス がこの資料では見えないのが大変残念なんですが、もし何かあればお教えいただ きたいということです。  それから、もう1つ、インターネットのアクセス率とか、そういう指標がずっ と使われておりますけれども、我々がインターネットで情報を調べるときには、 大概検索エンジンなどを使ってアプローチするわけでありまして、そういった実 態に応じた指標を使っての評価というものがますます必要ではないかと思うんで すが、そういうご努力は検討されているのか、2点についてお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  1点目につきましては、後で説明でもまた出てくると思いますが、自由記述欄 にいろいろなご意見が出たりしていますので、それを受けて、業務の改善を図っ ているということがあります。  「大いに役に立った」、「役に立った」、「あまり役に立たなかった」、「ほ とんど役に立たなかった」、こういう質問をしていまして、「役に立たなかっ た」というふうなところに○をつけられた方の自由記述欄も見ながら業務の改善 を図っているということがあります。  もし、この部分をということであれば、後でお届けしたいと思います。  それから、もう1点は、これはおっしゃるとおりで、とにかく計画をつくった ときに比べると、インターネットを活用する人の人口とかあるいはインターネッ トを活用する活用率が爆発的に増えてきているので、昔つくった指標が全く意味 をなさなくなっているということではないかと思います。  先ほどの先生のお話にも関連するんですけれども。  今度の中期計画ではやめました。そういうのはやめようということで、むしろ、 それよりは発出した情報が役に立ったかというようなものを指標として取り入れ ると、こういうふうな方向にしようと思っています。  正直言って、何十倍みたいな件数になっちゃっているものですから、目標は何 だったんだという感じで、これは当方だけじゃなくて、どこもそうだと思います。 要するに、つくったときのインターネットの利用状況から見ると、この4、5年 の間に爆発的な状況になっているんじゃないかと、だからこういうことになって いるんじゃないかと。これは恐らくうちだけじゃなくて、ほかの独法もそうです し、民間企業も同じじゃないかというふうに思っています。 ○今村委員  だからこそ有効な質的な指標をお使いいただきたいと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  おっしゃるとおりです。そこは考えます。 ○寺山委員  不正受給のことなんですけれども、4件と書いてありますが、非常に少ないと か、多いとかって評価できるんでしょうかということと、それから4件の下には 恐らく1,000件を上回るぐらいの潜在群がいるんではないかという法則がありま すが、それに向けて不正請求防止策の新規ということで、やるということですね。  これについてちょっと説明していただきたい。具体的にはどういうふうにする のかということ。気になります。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  おっしゃるとおり、水面下にはこれの10倍ぐらいあると思います。あるいはも っとあるかもしれません。我々が把握できているのがこの件数だということなん で、我々が把握した件数だけをもとに不正受給対策をやっても効果がないんじゃ ないかと思っていまして、どこかの説明にも入っていた、あるいは漏れていたか もしれませんが、厚生労働省とか、あるいは雇用・能力開発機構が結構いろいろ な助成金をやっていまして、そういうところは不正受給の事案が何百件とかある ものですから、そういうところの不正受給事案の実態も勉強させてもらいながら、 今回、チェックリストをつくったり、不正受給対策を組んだりということにして います。  そういうことなので、それでやってみると、無予告の電話をして、雇われたと いって我々のところに支給申請が来ている人について、本当に、この方を呼んで くださいというと、いませんでしたとかというのがあって、結構それで効果が上 がっています。  そういう意味では、逆に言うと、表に出ているのは4件ですけれども、場合に よったら40件とか80件とかあるんじゃないかと我々も思っています。ただ、それ はもう我々の力ではどうにもならんもんですから、これからそういうことが起き ないようにやっていくということだと思っています。 ○井原部会長  それでは、記入のほうはよろしゅうございますでしょうか。その次に進んでよ ろしゅうございますか。  後でご記入いただいても結構でございまして、次に進めさせていただきます。  次に、グループ2でございまして、所要時間は法人からの説明15分、それから 委員の評定と質疑、これが15分の合計30分になっております。  それでは、まず法人からの説明をお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  それでは、評価シートの8から11までを続けて説明をいたします。  26ページをご覧ください。  評価シート8の「地域センターの業務」です。  次のページをご覧ください。  19年度の地域センターの業務運営については青い囲みにありますように、他の 就労支援機関では対応困難な精神障害者、発達障害者に対する支援の積極的実施、 事業主ニーズを踏まえた専門的支援の積極的実施に取り組みました。その結果、 その下にありますように、19年度の数値目標はすべて達成いたしております。  以下、地域センターの主要な事業についてご説明します。  ページをめくっていただきまして、28ページの「職業リハビリテーション計画 の策定」をご覧ください。  左側の囲みにありますように、ハローワークとの連携、職リハネットワークの 活用によって、障害者の利用がさらに進み、19年度は2万6,496人と過去最高を 記録しました。また、左下のグラフの「地域センター利用者数の推移」にありま すように、グラフのピンク色の精神障害者や青色の発達障害者を含む「その他」 の障害者の人数、割合が大きく伸びています。  こうした利用者実態を踏まえ、右側の囲みにありますように、実際の作業場面 を活用した職業評価の実施の徹底により、個々の障害者の特性を的確にとらえた 職リハ計画を策定するとともに、特に自己決定や主体的な取組が重要な精神障害 者については、職リハ計画をきめ細かに策定いたしました。  この結果、職リハ計画の利用者満足度は、「支援内容、目標が適切でわかりや すい」など、80.2%と高い評価を受けています。  29ページは「障害者の就労の可能性を高めるための支援」です。  地域センターでは、基本的な労働習慣の体得や職業に関する知識の習得のため の職業準備支援を行っています。  中ほど右の緑色の囲みにありますように、精神障害者、発達障害者等への支援 を効果的に行うため,(1)の模擬的就労場面での作業支援、(2)の講話や事業所見学 など職業知識の習得、(3)の対人技能訓練やグループミーティング等を通じた精神 障害者自立支援という3つの支援を組み合わせて、個別カリキュラムを策定して、 きめ細かな支援を行っています。  こうした取組により、青の囲みにありますように、就職等に向かう次の段階へ の移行率が79.5%、修了者の就職率が55.2%と目標及び前年度実績を上回るもの となっています。  次のページは、「発達障害者に対する支援の積極的な実施」です。  19年度は真ん中の囲みにありますように、総合センターで開発した「ワークシ ステム・サポートプログラム」の技法を活用し、新たに東京センター及び大阪セ ンターにおいて、発達障害者に対する専門的支援の試行実施を開始しました。  19年度の支援対象者11名のうち、これまでに7名が就職を果たしました。  また、専門的支援プロジェクト委員会を設置し、試行実施のバックアップや効 果の検証、技法の改善に取り組みました。  また、他の地域センターにおいても、職リハ業務研究会の開催、全国の地域セ ンターでの支援状況・工夫事例の配付等により、来所する発達障害者に適切に対 応するためのノウハウの共有化を図りました。  次のページは、「ジョブコーチ支援事業」ですが、これはジョブコーチを職場 に一定期間派遣し、障害者の就職や職場定着を促すことを目的としています。  ジョブコーチ支援は、地域センターのジョブコーチによる支援と福祉施設等の ジョブコーチによる支援に分けられます。  19年度は右側の囲みにありますように、知的障害者など福祉施設のジョブコー チで対応可能な支援については、ジョブコーチ支援事業推進協議会の開催等によ り支援技法の移転を通じてできる限り福祉施設等にゆだね、地域センターでは専 門的支援を要する精神障害者、発達障害者等への支援に重点を置くこととしまし た。  左のグラフをご覧いただきますと、黄色の知的障害者が減少し、ピンクの精神 障害者、青の発達障害者を含む「その他の障害者」が増加していることがわかり ます。  全体の支援者数は、3,019人と目標を大幅に上回っています。  このように、職場適応の困難度の非常に高い精神障害者等が増加しているため、 グラフの下の囲みにありますように、個々の障害者の対応に応じた支援やジョブ コーチ支援終了後の職場適応指導に積極的に取り組みました。  その結果、定着率は、83.9%と目標の75%を上回る実績を上げ、利用者満足度 も「事業所との架け橋になってくれた」など、89.3%と前年度実績を上回る高い 評価を受けています。  次のページは「精神障害者の体系的支援プログラム」です。  精神障害者、主治医、事業主の合意形成を図りつつ、職場復帰、就業の継続、 就職の実現に向けた総合的な支援を行うものです。19年度は中ほど上の緑の囲み にありますように、地域における雇用支援ネットワークの構築整備を図るため、 フォーラム、連絡協議会等を通じた医療機関等への積極的働きかけや医療機関、 事業主向けのパンフレットの改訂、配付を行いました。  また、全国の地域センター間でのノウハウの蓄積・共有・活用を図るため、リ ワーク支援事例集の作成、配付、全国会議における各地域センターでの取組み状 況、工夫事案について、分科会形式による意見交換等を行いました。  以上の取組の結果、中ほど下の白抜きの囲みにありますように、支援対象障害 者は、1,263人、対象事業所は2,634所と、いずれも目標、前年度実績を大幅に上 回ったほか、サービス提供の結果としての復職・雇用継続率も79.4%と目標の50 %を大きく上回る成果を上げました。  次のページをご覧ください。  障害者の雇用管理に関する事業主支援についてですが、左上の囲みにあります ように、支援対象事業所は1万3,069所と目標の7,110事業所を大きく上回ったほ か、右の囲みにある事業主支援ワークショップの開催、事業主支援計画に基づく 体系的支援を積極的に行いました。  以上が、評価シート8でございまして、目標を大幅に上回る支援対象者を受け 入れ、かつ精神障害者等就職支援が困難な障害者が着実に増加している中で、こ れら障害者への的確な職業リハビリテーションサービスの提供により、その成果 指標である定着率、復職・雇用継続率等が極めて高い水準となっていること等が 評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価されました。  34ページをご覧ください。  評価シート9の「職リハの人材の育成」です。  次のページをご覧ください。  青い色の従来実施している就業・生活支援センター職員研修、ジョブコーチ養 成研修、職リハ実践セミナーについては、アンケート調査結果を踏まえ、いずれ の研修もより実践的な研修内容となるよう、参加型講座を拡充するなど、講座内 容や手法を改善し、福祉施設のジョブコーチの配置が一段落したジョブコーチ養 成研修を除き、受講者数は着実に増加しています。  19年度は、発達障害者支援ニーズの高まりに答えるため、左のピンクの囲みに ありますように、発達障害者支援センター、地域若者サポートステーション等で、 発達障害者の支援を行う職員に対する「発達障害者支援センター就労支援担当者 等研修」を創設いたしました。  当初は、定員30名で、2回の実施を計画したところ、受講希望者が殺到したた め、定員を60名に緊急増員を図りました。  一番下の囲みの地域センターで行う「地域職リハ推進フォーラム」、「地域就 業支援基礎講座」については、就労移行支援事業者向けのテーマ設定や周知の徹 底を図り、福祉機関等の受講割合を高め、地域における職リハネットワークの形 成、整備の強化に努めました。  研修後のアンケートについては、19年度はすべての研修受講者に対し、追跡調 査を実施するとともに、新たに受講者の所属長に対するアンケートを実施し、管 理者の目から見た研修効果を把握し、研修内容の改善につなげることとしました。  次のページをご覧いただきますと、アンケート結果は、直後アンケート満足度、 追跡調査有用度、所属長アンケート有用度とも、4つの研修及び推進フォーラム、 基礎講座のいずれも、おおむね90%以上の方から高い評価を得ています。  以上が評価シート9番でございまして、自己評価は「A」でございます。  37ページをご覧ください。  評価シート10の「職業リハビリテーションに関する調査・研究」です。  次のページをご覧ください。  職リハ研究は、左上にありますように、幅広く関係者からニーズを把握した上 で、発達障害者、精神障害者等に関する先駆的研究、地域センター等での課題解 決に資する研究、地域の多くの就労支援機関で活用できる支援ツールの開発等に 重点を置いて実施しています。  19年度は右側にありますように、目標の12テーマを上回る13テーマを対象に研 究を行い、6テーマについて報告書を作成しています。  研究成果については、外部の学者からなる研究評価委員の評価を受け、4段階 中、上から2段階以上の評価を得ることを目標としていますが、すべての報告書 で目標を達成しました。  個々の研究のご紹介は省かせていただきますが、お手元に幾つかの研究報告書 を配付させていただきましたので、後ほどご覧いただければと思います。  次のページは、「職業リハビリテーション技法の開発」ですが、発達障害者の 就労支援技法の開発、高次脳機能障害者の就労支援技法の開発、精神障害者の職 場再適応支援技法の開発の3つのテーマについて、ご覧のような重点取組みに沿 って、支援技法の開発を行い、報告書、マニュアル等を取りまとめました。  次のページをご覧ください。  職リハ研究については、その成果を福祉、医療、教育、NPOなど実践現場にお いて活用していただき、実際に役に立つことが重要です。  このため研究成果物を関係機関に配付しているほか、左上にありますように、 研究発表会を総合センターでの開催に加え、アンケート調査の要望に答え、福岡、 大阪の2地域で新たに実施しました。  さらに、左下にありますように研究部門ホームページを立ち上げ、PDFで情報 発信しており、年間アクセス件数は258万件と目標の8倍に達しています。  また、右側にありますように、研究成果が広域、地域センターや就労支援機関 など、外部機関でどのように活用されているのか、アンケート調査を実施してお ります。  広域・地域センターの8割強で、「使いやすかった」との評価を受けており、 右下の円グラフのとおり就労支援機関で活用して得られた効果として、「就労支 援のヒントになった」、「障害の理解の進化」との回答が寄せられるなど実践現 場で有効に活用されています。  以上が評価シートの11番でございまして、自己評価は「A」でございます。  41ページをご覧ください。  評価シート11の「障害者職業能力開発校」です。  次のページをご覧ください。  左上の囲みにありますように、19年度は重度視覚障害者に対する訓練ニーズに 対応して、受入定員を拡大するとともに、発達障害者4名に対する入寮による職 業訓練の新規実施や脳性まひ、筋ジストロフィー症により両上肢、両下肢まひの 重度身体障害者2名に対する職業訓練の試行に取り組みました。  このうち、脳性まひの方は、在宅就業での就職を果たし、筋ジストロフィー症 の方は、訓練継続中です。  また、諸般の事情で、国立身体障害者リハビリテーションセンターの宿舎利用 の訓練受講者が減少していることを受け、全国の地域センターに指示して、広範 な地域から訓練受講者を確保すべく積極的な取組みを行いました。  18年度は、定員を超える受講者を確保し、地域目標を達成したことに引き続き、 19年度の受講者数は、前年度より若干の減少となったものの、受講者に占める職 業的重度障害者の割合は、81.5%に達しました。  その下の職業訓練の充実については、個別カリキュラムによる個別指導といっ た従来からの取組に加え、実際の職場での実習指導の積極的な実施、企業対象の 訓練見学会、受入講座の開催、面接同行等取組の工夫を行うことにより、就職率 は90.9%という高い水準を維持し、受講者アンケートの満足度は83.5%と高い評 価を受けました。  次に、右側の訓練技法の開発の面ですが、岡山の吉備校では、発達障害者に対 する指導技法の開発、所沢の中央校では重度視覚障害者に対する指導技法の開発 に取り組み、それぞれ最終報告書、実践報告書を取りまとめたところです。  開発した技法については、関係機関への配付、ホームページへの掲載等を通じ て普及促進を図り、アクセス件数は28万4,000件と18年度の1.8倍に急増いたしま した。  また、右下の囲みにありますように、一般校を活用した障害者能力開発事業実 施指導員研修への協力を行ったほか、精神、発達、重度視覚障害者に対する指導 技法の技術移転を目的とした障害者能力開発指導者交流集会について、参集範囲 を今後新たに障害者の職業能力開発の実施が期待される機関に拡大し、参加者の 大幅増を図りました。  アンケート結果では、「参考になった」という回答が86.7%と高い評価を得ま した。  以上が、評価シート11番でございまして、自己評価は「A」でございます。  以上で、グループ2についてのご説明を終わります。 ○井原部会長  ありがとうございました。  それでは、委員の皆様方は、評価シートへの記入をしていただきながら、質問 等がありましたらお願いしたいと思います。 ○宮本委員  29ページですか、支援についてのあたりのところをちょっと伺いたいんですけ れども、何人支援をして、その満足度が何%だったというのは、こういう形で評 価がされているんですけれども、よくわからないのは、その地域で、ニーズを持 っている人が、母集団としてどのくらいいて、そのうちのどのくらいの人たちを 対象に支援ができたのかという評価がないんですけれども。  場合によっては、これは、試行的なものに関しては、数名というレベルになっ ていますよね。これは、恐らく全体的なニーズからするとほんのわずかというこ とにもなりますけれども、そのあたりの評価のスタンスというのは、どういうこ とになっているのでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  まずは、全体としての支援対象とすべき障害者の数という部分のご指摘がまず 1点目かと思いますけれども、そこの部分につきましては、統計的な数字として は、身体障害者の方が何人、手帳を持っておられる方が何人おられるとか。療育 手帳を持っておられる方がどれだけおられるかという部分の数としては、各都道 府県ごとの数字としては、ある状況ではあるんですけれども、ただ、持っておら れる方についても実際に企業で働いておられる方、あと仕事を探しておられる方、 福祉施設に入っておられる方、さまざまな状況があります。  個々の方々にはちょっと障害の程度が異なっておるということで、なかなか当 地域センターでご支援すべき絶対数といいますか、絞込みというのはちょっと困 難な状況にあろうかと思います。  それとあと地域センターの部分については、先ほどちょっとご説明させていた だいていますけれども、やはり基本は、地域にあるほかの福祉施設とかで対応で きる部分については、そちらのほうで対応していただいて、連携をとる中で、そ ういう福祉施設とかではなかなか対応が困難だという部分についてはうちのほう につないでいただくという形で、できる限り漏れがないような形で支援という部 分はやらせていただいていまして、その地域によって、ほかの施設でカバーでき る部分の大小というのが、各地域で異なってまいりますので、我々としては、で きる限り漏れがないような形で、ネットワークの形成を図りながらやらせていた だいていて、それで利用者全体としてはちょっと増えてきていて、また精神なり、 発達の方の増加という状況が出てきているということで、ちょっとご理解いただ ければというふうに思っています。 ○宮本委員  そうしますと、目標値というのが毎年提示されるわけなんですけれど、その目 標値を設定するのも必ずしも十分な根拠がないということになりますよね。  特に、発達障害あたりに関しては、潜在的な部分が多くて、今掘り起こし途中 ですね。そうすると、掘り起こせば増えるということなので、これは毎年急増し ていく可能性というのもあるし、掘り起こさなければ増えないということになり ますね。  そういう点で、こういう評価というのは、もう少し何かきちんと定め、あるい は地域の中で、こぼしがないということをどうやって評価するかとか。何かそう いうものが欲しいという感じがいたしますけれども、いかがでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  発達障害者の方、精神障害者の方というのが、今非常に重要な問題になってき ていて、そういう中で、当機構の現場の機関がどのくらいの役割を果たしている のかというのは、非常に我々もそこはきちんと把握せんといかんと思ってるんで すけど、実際のところ、我々の現場のセンターの浸透度の高い地域とそれから浸 透度の低い地域と、それからもう1つ言うと、相手方の発達障害者支援センター ですとか、あるいは精神科の病院、あるいは先生方とか、そういうところの支援 が就労の方向に力点を置いている地域とそうでない地域とか、バラバラになって いまして、今、言っているのは、我々も同じ問題意識を持っていて、職業リハビ リテーション部長に言っているのは、現場の状況を把握しろという話をしていま す。現場の状況を把握した上で、そういう意味で、職業リハビリテーション部長 がネットワーク、ネットワークとしきりに言っていましたけれども、ネットワー クの状況がどうなのか。ネットワークの中で、当方の職業センターがどのくらい の位置にあるのかというあたりがどうも情けないことに十分把握しきれてなかっ たということで、そこは十分把握せんといかんというふうに思っています。  それから、今後の動きとしては、当方は、独立行政法人なものですから、厚生 労働省なりの発達障害者の支援の方向性によって当方の担う役割の大小がまた左 右されてくるということもあって、厚生労働省ともいろいろ協議しているんです けれども、先生がおっしゃるとおり、これから発達障害者の問題は非常に大きな 問題になってくる。  正直言って、アメリカとかヨーロッパに比べると、相当立ち遅れているという のが現状だと思いますので、国も今、発達障害者支援法がこれからどうなるか、 与党の関係の先生方がどういう問題意識を持っているのか、厚生労働省がどうな っているのかということがあって、先生おっしゃるような状況はかなり可能性と して高くなっていて、爆発的に利用者が増える可能性があると思います。  そのときは、我々ももう一度今の体制でどこまでできるのかというあたりもき ちっと踏まえて、目標値、それから我々の体制のあり方をもう一度見直して、必 要な場合には、もう一度先生方にご報告、ご説明申し上げるということになると 思います。  今のところは、職業リハビリテーション部長が言ったような状況で、前年に比 べてどのくらいみたいな感じの目標になっちゃっているということで、ここは我 々も同じ問題意識を持っているということです。 ○寺山委員  今の発達障害についてご質問申し上げますけれども、1つは、発達障害といっ ても非常に国立リハビリテーションセンター、国立支援教育研究所でもかなり取 り上げています。違う側面から。  それで、研究ということについては、連携と共同が必要なんだろうと思います けれども、高障機構の研究部門としてはどのようになって取り組んでいるのかと いうことが質問の第1です。  それから、質問の第2は、発達障害も今ちょっと本を、成果物を見させていた だきまして、大変感心したんですが、1つ、新しい部門なので、用語の点が非常 に気になっていて、例えば、職業的な重度障害者という話は、この前議論があっ て、職業面から見て重度なんだよ、日本の中で、という理解で定着したんですが、 例えば発達障害というと、ここに軽度発達障害というのと、発達障害者と2つ出 ています。どういう違いがあるのか。  つまり職業的な面から見て、軽度なのかどうか。私どもの医療の世界ですと、 軽度発達障害というのは今はあまり使わないですけれども、昔、発達障害という と脳性まひとか、知的障害も含めて、先天的な子供の障害ということで、大きく とらえておりまして、そのときにいわゆる学習障害とか、アスペルガーというの は軽度発達障害といったんですけれども、どうもそれは親御さんのクレームにな って、軽度も重度もないと、見かけは何も変わったところはないんだけれども、 非常に困っているんだよというような話で、最近使わないんですよね。  そういうふうなことで、研究部門では特に、本を出されるときとか、それから 職業的にこういうものを軽度発達障害というんだよ、職業的軽度発達障害という んだよという話のところをしっかり押さえていただきたいということで、注文で ございます。以上です。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そこは我々も心せんといかんと思っています。厚生労働省じゃないですけれど も、後期高齢者医療制度もそうですが、やはり用語をきちんとやらんといかんと いうのはそのとおりだと思いますので、そこはこれから研究部門のほうによく気 をつけるように言います。 ○寺山委員  特別支援教育研究所との研究統合についてはどのような状況なのかと質問です。  ついでに3つ目の質問は、ジョブコーチなどが職業訓練校でも難しい障害者の 人たちを定着させて、大変ご苦労だと思うんですが、その定着率ということで、 これも今後どのような見解になっているのか教えていただきたいと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  それでは、1点目の、国リハ等との連携というところをご説明しますと、現状 はどちらかというと、国リハのほうでやっていただいている研究のところが発達 障害児のところがまだかなり大きい部分がちょっとございまして、ただ、そうい う研究の部分をやるに当たっては、当然当方のほうもいろいろ情報をいただきな がら、また情報を交換しながら協力をさせていただいているというような状況で ございます。  あとジョブコーチとかの定着率のところでございますけれども、この業績評価 のやつ、ちょっと6カ月後のやつで数字は出させていただいておりますけれども、 平成19年度に当研究部門のほうで、ジョブコーチに関する調査、研究をやってご ざいまして、そこで定着率の調査も行いました。  その数字をちょっと参考に申し上げさせていただきますと、ちょうど1カ月後 の定着率が89.6%、6カ月後が86.4%、1年後が81.9%というような数字になっ てございます。多少ちょっと時間的経過に伴って低下してはおりますけれども、 1年後でも8割を超える定着というような状況になっているということがわかっ たところでございます。 ○篠原部会長代理  宮本委員、寺山委員で、僕も発達障害ってダブルのかなという気がしているん ですが、僕の知り合いで、社長が発達障害とニート、そういうことを意識したホ ームページを職安につくっても、もともと彼らは見ない。  ちょっと聞きたいのは、先ほど、寺山委員が、軽いとか重いとか言っていて、 僕の感じでは、今こういう対象になっている人はかなり軽い人で、もうちょっと 重い人たちを引っ張り出さなくちゃならんのかなと。そして、引っ張り出すこと と、それから評価シート9で、人材の育成という形で、より今度はもうちょっと そういう人を意識した教育も必要なのかなという気もするんですが、この辺、ど んなもんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  発達障害の方の問題は、1つは、知的障害、あるいは精神障害を伴う発達障害 の方と、それから知的、精神の障害を伴わない発達障害の方とおられるというこ とです。それから、場合によると、周りの人たちが、あるいは学校の先生もそう なんですけれども、発達障害だということに気づかずに、「何だ、こいつは」と かという感じで疎外したりするもんですから、結果として、二次障害で精神障害 になってしまう発達障害者の人がいるとか、非常に困難な問題で、そういう意味 で、文部科学省と厚生労働省、それから私ども、それから先ほどの国リハの岩谷 先生とか一緒になって取り組んでいるというのが状況です。いろいろ複雑な状況 にあります。  それからもう1つは、ニートが86万人とか82万人とかという議論があるんです けれども、ニートの中に発達障害の若者が少なからずいます。本人が発達障害と 気づかずに面接に行くと、何度行っても落とされてしまう。首尾よく就職しても、 職場でうまく適応できずに、すぐに離職してしまうということがあって、ニート 対策のほうから発達障害者対策をやるという側面もありということで、いろいろ な側面からやっているということであります。  当方では、とにかく就職にいかに結びつけるか。それから、就職した後の定着 にいかに成果を上げるかというあたりを中心にやっているというのが今のところ で、恐らく今後は先生がおっしゃるように、重度の方がどう来られるかが課題と 思います。  正直言って、私どもの職業センターに来るのは、精神だと思ってきて、当方の カウンセラーが評価をしてみたら、実は発達だったというので発達がいるとか、 あるいは、親御さんが連れてくるとか、発達障害者支援センターから紹介されて くるとか、いろいろなルートがあるんですけれども、今、先生おっしゃったよう な特に重い方について、どう我々がアプローチしていくのかというのはちょっと これからの課題なのかもしれません。おっしゃるとおり。  まだ我々もとば口に立っていて、非常に悩んでいるというのが今の実情であり ます。 ○堺委員  先ほどの本寺委員のご質問と関連いたしますけれども、シート8の障害者の雇 用のことですけれども、特に、先ほどのご説明にもございましたけれども、精神 障害者の雇用には、困難な問題が多々ございます。  その中で、昨年度成果を増やしてきていらっしゃいますが、さまざまな活動を 行われたわけですけれども、その中で、特に精神障害者の雇用の実現、あるいは 雇用の持続、こういう活動が有効であったというようなことは何か把握していら っしゃいますでしょうか。  もしそういうものがあれば、今後そこのところを重点的に力を入れるというこ とになろうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  精神障害を持たれておられる方の部分といたしましては、現在、当地域センタ ーのいわゆる休むほうの、休職されている方の職場復帰というところに非常に力 点を置いてやらせていただいているんですけれども、その支援をする中では、や はり精神障害を持っておられる方は、ちょっとしたことですぐ疲れ、疲労がたま るというような、ストレスがたまって、それがまた身体的な疲労にもつながって くるという部分がございまして、ストレスを発散する方法をそれぞれの方にあっ た形で、身につけていただく、もしくは自分がそういうストレスがたまったとき に、会社の同僚にうまく伝えるようなことをできるようにするといったことで、 会社での人間関係なり、自分のストレスをいかに発散しながら、うまく職場で仕 事をやっていけるかという部分にかなり重点を置いて対応をさせていただいてい まして、そういう対応をやる中で、職場復帰の割合の高い数字が出てきておるの かというふうに思っているところです。 ○宮本委員  35ページについて伺いたいんですが、これも先ほど申し上げた質問とかなり似 通ったことを問題にしていると思うんですけれども、例えば担当者の研修、ここ のページは、それで例えば一番左のところに新規ということで、発達障害者の支 援センターでの研修ということになっておりますけれども、1回あたり30名だっ たのを人数が多いということで、60名にしたという、こういう評価になっており ますけれども、これに関して、確かに30名じゃなくて、60名になったということ は、増加であるんですけれども、この研修がニーズのどれだけを満たしているの かがよくわからないわけですね。  例えば、若者サポートステーション、自立塾等を対象にして検証したというと、 本当はこの研修に出たい人、出るべき人はもっとうんと多くて、その中の60名で あった可能性がかなりあると思うんですが、そこをどういうふうに把握しておら れるのか。これは、やはり目標値を設定する上で、大変重要ではないかと思いま すが。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  こちらに書かせていただいておりますのは、その30名を60名に緊急増員という 部分のご指摘かと思いますけれども、この発達障害の支援を担当される方の研修 について、19年度初めて開催させていただきまして、これは年間2回の開催とい うことで、合計120名の定員で開催させていただきまして、本年度からはまだニ ーズが高いということで、1回あたり80名の定員にさせていただいて、それをま た年に2回というようなことで、やはりこれはご希望があるところについては、 機動的な対応を我々としてやっていかないといけないと思っておりまして、やは りどんどんニーズが高まっている中で、定員数なりをちょっと増やす形で、我々 としては、対応していこうというふうに考えているところであります。 ○井原部会長   希望は、全部とりました。そういう話ですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  一応、自立塾なり、サポートステーションのほうには、厚生労働省のほうのご 協力も得て、すべての施設なり機関のほうにご案内を差し上げていまして、その 中で、ご希望がある方については、どんどん参加していただいておるという状況 でございます。  1回目のときは、ちょっとご参加があまりなかったということもあったんです けれども、2回目のあたりから増えてまいりまして、今年度の1回目が今日終わ ったところなので、ちょっとそこはまだ集計できてないんですけれども、だんだ ん増えてきているような状況があるかなというふうに思っています。  研修開始当初についてはやはり発達障害者支援センターの職員の方が、相当の 割合占めていたというのが実態ではございますけれども、その割合がだんだん減 ってきて、それ以外のところがだんだん増えてきているという現状にございます。 ○宮本委員  こういう評価というか計画を立てるということは、ニーズをどう把握するかと いうことと直接かかわっていますので、やっていくうちに、じわじわニーズが出 てくるというのが現実にはあると思いますけれども、やはりある程度の年限の中 で、どれだけニーズを持っている人が全国にいるのかと、そこを把握することで それをどう満たすかというのが、正しい方法ではないかと思います。  ちょっとその点で、この問題というのは、ややいろいろと問題があるのではな いかなという感じがしますけれども。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  実情を申し上げますと、計画を立てる際に2つの要素が我々ありまして、1つ は先生がおっしゃったニーズなんです。もう1つは我々の供給能力なんです。  冒頭、荒井評価審議官からのお話にもありましたけれども、独立行政法人をめ ぐる定員事情というのが非常に厳しくなっております。それから、予算面でも非 常に絞られているという中で、我々が提供するために必要な人員の能力とニーズ のバランス、そのあたりをどうやってやるんだろうかというのが我々の非常に大 きな悩みで、ほかの独立行政法人には大変失礼なんですけれども、先ほど来、先 生方からいろいろなご質問、ご指摘があって、私は非常にありがたい話だと思っ ておりますけれども、ニーズが非常に高まっているんです。  ところが、正直言って、我々の体制がそれに追いつけないというのが実情です。  これは与党の先生にもときどき申し上げているんですけれども、やはりニーズ があるところは正直言って見てほしいなというのが我々の思いです。  独立行政法人全体の中で削るところは削る、増やすところは増やしてほしいな というのが我々の正直な思いで、そういう意味で、職業リハビリテーション部長 は遠慮がちに言ってましたけど、正直言って、全部のところに大々的な研修、受 講募集をやるという能力が我々にはありません。  とにかくやれる範囲で、やっていこうと思います。ニーズが高まってくれば、 そのあたりで何とかやりくりしながらやっていこうということではないかと思っ ています。というのが実情です。  大変情けない話であるんですけれども、そういう実情であります。 ○政策評価審議官  ちょっと今名前が出ましたので、今までの議論の前提みたいな議論になるかも しれませんが、このところの、私どもの行政では、障害者の雇用、それから高齢 者の、特に65歳までの雇用に相当力を入れていまして、特に障害者の雇用ですと、 就職件数が1割、2割上がるような状況が続いたりして、それに伴いまして、高 齢者、障害者のほうも、行政としては権限に基づいて、いろいろな命令を出した りするわけですけれども、それを援助するとか、側面から助けるという形で機構 が動いている関係上、非常に業務が多くなっていると。その結果として、どんど ん成果が上がる形になって、こういう形で目標数もかなり高い水準で達成される という状況があるのかなと思います。 ○今村委員  2つ簡単な質問をしたいんですが、先ほど、人手不足だということをおっしゃ っていましたが、現場に例えば職員ではないボランティアとか外部の非営利組織 からの市民参加というと変ですけれども、そういう形での労働力の導入という、 そういうスタイルはお考えなのか、実践されているのか。  それから、もう1つは、やはり先ほど来、宮本先生が質問されておられます35 ページのところで、職リハ推進フォーラムとか、就業支援基礎講座に参加した企 業の具体的、民間の例えば営利企業とか、民間非営利組織がどのくらい割合とし てあったか、つまり官として閉じた体系の中での人材が入ってきたのか。それと ももっと幅広く地域とか民とかのところからもっと広く知識を求めて人が来た、 ということをもう少し教えていただければと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  今、先生おっしゃったとおりで、我々は、今正規の職員が700人ぐらいですけ れども、非正規の職員はその数以上います。精神保健福祉士の資格を持って病院 で働いておられた方とか、福祉施設で働いておられた方とか、そういった方を非 常勤でいろいろな意味で戦力としてお手伝いいただいているということで、そう いう意味では、私どものカウンセラーというのは、その中核として企業に直接相 談、アドバイスをやったり、困難な問題を非常勤の方々に対する相談に乗ったり、 あるいはプランづくりをしたりということでやっているという状況であります。  さらに、そういった人たちの力を借りながらやっていくということがもっと重 要になるだろうというふうに思っています。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  2点目の地域センターにおけます地域職リハ推進フォーラムなり、地域就業支 援基礎講座につきましては、特に我々のほうで、こういう人じゃないと駄目だと いうようなことで、制限は設けておりませんで、そういう意味では、推進フォー ラムのほうには、事業主の方にも入っていただいてやっていこうということでや っています。  現実的に就業支援基礎講座のほうにつきましても、障害者の特例子会社の事業 主の方とか、重度障害者多数雇用事業所の方とか、そういうことを取り組む中で、 障害者の方の職業訓練をやっておられるようなところとか、そういう部分を含め て、入ってきていただいてきておるところであります。 ○今村委員  具体的な数字は。 ○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長  ちょっと手元にはないですけれども、まだそんなに大きい割合を占めている状 況ではございませんけれども、確実に入ってきていただいてございます。 ○井原部会長  それではよろしゅうございますか。  次に、第3のグループの評価に入りたいと思います。  所要時間は、法人からの説明を20分、委員の評価と質疑を15分、合計35分とい うことになっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  それでは、評価シート12から19までを続けてご説明いたします。  43ページをご覧ください。  評価シート12の「障害者雇用納付金の徴収等」です。  雇用率未達成企業から納付金を徴収し、雇用率を上回っている事業所に対して 調整金、報奨金を支払う業務を行っています。  次のページをご覧ください。  19年度は、納付金の収納率の向上、利用者の利便性の向上、事務処理の効率化 に積極的に取り組みました。  まず、収納率ですが、目標99%以上に対し、前年度を上回る99.78%を実現し ました。これは事業主説明会を前年度以上に積極的に開催したことや、電話、文 書による納付督励、督促を積極的に実施してきた結果です。  18年度分以前のいわば過年度収納率の状況ですが、左下の緑の囲みにあります ようにほぼ100%が収納済みとなっております。  また、19年度においては、新しい電算機処理システムの稼動による迅速・適正 な審査とセキュリティ対策の強化、都道府県協会と連携した調査の効率的かつ効 果的な実施等による事務処理の効率化を実現いたしました。  以上が、評価シート12番でございまして、自己評価は「A」でございます。  45ページをご覧ください。  評価シート13の「障害助成金の支給」です。  次のページにありますように、19年度は事業主の利便性の向上と不正受給防止 に力点をおいて取り組みました。  一番上の事業主の利便性の向上では、ホームページに掲載している助成金の説 明について、別ページにある支給要件の詳細解説や参照箇所ヘリンクをはり、利 便性と迅速性を向上させたほか、支給要件変更の場合のホームページ掲載につい て目標の7日以内に対し、改正後、1日で実行しています。  また、19年度は都道府県協会の助成金担当者の窓口対応に加え、新たに手続き 面の改善すべき事項についてアンケート調査を実施しました。  約9割の方から「活用できる助成金、いろいろなプランについて提案してくれ た」と多くの肯定的な評価の一方、「添付書類が多い」といったご意見もあった ことから、事業計画の変更承認申請等の廃止等可能なものから順次実行いたして おります。  また、助成金の効果的な活用により事業主が積極的に障害者雇用に取り組むよ う、事業主説明会の積極的な開催に加え、障害者雇用アドバイザーの相談・援助 や各種講習の機会をとらえた周知等に積極的に取り組みました。  次に真ん中の囲みの不正受給防止対策の強化についてですが、厚生労働省その 他の機関における不正受給事案等を含め分析し、取りまとめた防止対策をもとに、 防止マニュアルを改正するとともに、点検チェックリストを作成し、障害者の実 在の確認等の徹底を図りました。  また、事業所訪問調査を前年度に比べ15.7%増加させて実施しました。この結 果、不正受給事案は激減しております。  19年度に発覚したものは1件のみで、既に全額返納決定がされております。  以上が評価シート13番でございまして、自己評価は「A」でございます。  47ページをご覧ください。  評価シート14の「障害者雇用に関する調査、研究の実施」です。  事業主の障害者雇用に関する雇用管理上の課題解決や職域開発に向けた実践的 なノウハウの開発、普及を目的とするものです。  ページをめくっていただきますと、19年度に取り組んだ3つの柱が緑の囲みで 記されています。  第1点が、左側の囲みで、事業主のニーズ、国の施策を踏まえた調査、研究の 実施で、中小企業の障害者雇用、特例子会社の精神障害者雇用事例、地域での協 働による障害者雇用等に重点を置いて、目標である5件の調査研究に取り組みま した。  第2点は、右側の囲みで、事業主からのニーズにお応えし、それぞれの研究成 果物について、一読して調査、研究のポイントがわかるサマリーの掲載、知的障 害者の中小企業事例を集めたDVDの作成、専門用語の手話のイラスト入りの聴 覚障害者雇用マニュアルの作成とさまざまな工夫を行いました。  そして、第3点として、これら調査結果については、真ん中の緑の囲みにあり ますように、国際アビリンピック会場での好事例入賞企業の出展等効果的な情報 提供、普及に努めました。  また、一番下の囲みにありますように、成果物に対するアンケートによります と、94.4%の方から障害者雇用に取り組む上で役立ったとの評価をいただいてい ます。  以上が評価シート14でございまして、自己評価は「A」でございます。  49ページをご覧ください。  評価シート15の「障害者雇用に関する相談・援助」です。  雇用率未達成の事業主に対し、雇用管理の改善や助成金の活用等に関する相談 を個々の現場の実態に即して行っています。  次のページをご覧ください。  19年度の重点として、左上にありますように、雇用率未達成企業と中小企業等 に重点化して、計画的訪問相談を実施し、障害者雇用の成功事例を含むマニュア ルの提供、各種助成金・就労支援機器の活用提案、先進企業の視察のアレンジな ど、機構、都道府県協会が持っている支援ツールを組み合わせ、効果的な相談・ 援助を行いました。  この結果、目標であるアドバイザー1人当たりの相談件数165件を上回る216.3 件の相談・援助を実施しました。  利用者アンケートの結果を見ても、効果があったとする割合が88.5%と目標の 70%を大幅に上回りました。  一番下に行きまして、「障害者雇用管理等講習」は、19年度の重点として、企 業に出向いて行うオーダーメイド講習とアンケートを踏まえた講習テーマの設定 を行うとともに、講習の中に事例発表、ディスカッション、ハンディキャップ体 験を組み入れ、より実践的な内容となるよう留意をしました。  この結果、講習回数は334回で、目標及び前年度実績を上回る2万3,706人に講 習を受講していただきました。  また、アンケート結果では、講習が有用だったとする割合が93.3%と目標の80 %を大きく上回っています。  次のページは、就労支援機器の貸出しですが、右上の囲みにありますように、 新機器の保有、機器の入れ替え、貸出し事業所へのアドバイスに努めた結果、貸 出し事業所数は144件で目標を上回り、対象事業所へのアンケート結果では、 89.5%が役立つとし、60.5%がその後、機器を購入するなど、障害者雇用に直接 効果があったことをご紹介させていただきます。  以上が、評価シート15番でございまして、自己評価は「A」でございます。  52ページをご覧ください。  評価シート16の「障害者雇用の啓発広報活動」です。  次のページをご覧ください。  第1は、左側の「障害者ワークフェアの開催」です。  19年度は静岡県でこの後ご説明する国際アビリンピックとあわせて開催しまし た。  19年度の新たな取組としては、左中ほどの囲みにありますように、障害者雇用 について、具体的提案のできる約100の出展企業の選定、マッスルスーツ等来場 者の興味、関心を呼び起こす機械等の実演による啓発効果の発揮、案内パンフレ ットへのSPコード機能の付与など誰でもアクセスできる情報提供、来場者にわか りやすい会場づくりに取り組みました。  この結果、来場者は前年度比39%増、過去最多の5万7,000人、満足度調査で も「多くの具体的な会社の取組みを知ることができた」など、95.4%の方から肯 定的評価をいただきました。  次に、右側にありますようにアビリンピックの周知、広報を兼ねて、障害者雇 用の理解を深めるため、テレビ番組を制作・放映するとともに、地方アビリンピ ックも地元企業・団体等との連携により、参加選手数、来場者数とも過去最多を 記録し、特に、知的障害者、精神障害者について、参加種目の拡大により、参加 選手数の大幅な増加を図りました。  次のページは、啓発誌「働く広場」の発行ですが、目標どおり5万4,000部を 発行しました。  19年度の取組みとしては、左中ほどにありますように、編集委員会、読者アン ケートの要望、意見を踏まえ、紙面の充実を図ったほか、内閣府主催の「障害者 週間連続セミナー」の一環として「働く広場」公開座談会の開催、国際アビリン ピック特集号の発行といった取組を行いました。  この結果、読者アンケートの結果では、9割弱方から「大変よい・よい」とい う評価をいただきました。  以上が評価シート16番でございまして、自己評価は「A」でございます。  55ページをご覧ください。  評価シート17の「アビリンピックの開催」です。  次のページをご覧ください。  平成19年度は第7回国際アビリンピックを静岡市において開催いたしました。  今回の大会は、ユニバーサル技能五輪国際大会として、史上初めて若者の技能 五輪国際大会と同時開催いたしました。  26種類の職業技能競技、4種目の生活余暇技能競技を初めとして、左上にあり ますように、大会名誉総裁である皇太子殿下などのご出席のもと、技能五輪国際 大会と合同で行った開会式、その下の国際会議、右上のデモンストレーション・ 展示、その下の芸術祭、閉会式などを行いました。  参加は、中央にありますように、34か国・地域から910人、来場者は目標の5 万人を上回る6万5,900人にのぼりました。  左下にあります「ユニバーサル社会の実現」など、大会テーマを国内外へ発信、 国境を越えた障害者雇用問題の理解の深化といった、大会コンセプトのもとで、 右下にまとめましたように、きめ細かな開催運営準備を関係者一体となって取り 組みました。  次のページをご覧ください。  技能競技に関しましては、中央上に記載しましたように、23か国・地域から 360人が参加いたしました。  また、左上にまとめましたように、技能競技の準備に当たりましては、複数国 の代表からなる審査員団の構成、言語、技術水準の違いを超えての審査員団にお ける協議課題、実施方法の共通理解、評価基準、方法の統一認識の形成、複数国 の代表等からなる「苦情処理委員会」の設置などを行いました。  また、参加者に対しましては、パソコン使用競技における入力装置など、障害 の態様に応じた機器、機材の調整、使用言語、障害を踏まえた障害情報保障など を実施し、全選手が能力をいかんなく発揮できる環境の形成、また公正な競技運 営を行いました。  この競技へは、中央に記載いたしておりますように、日本から代表選手が80名 参加しました。これらの選手に対しましては、右上にまとめましたように、事前 に専門家による訪問指導など、強化指導を実施し、また大会期間中も競技に集中 できるよう、スタッフが側面からサポートに心がけました。  各国の金メダル獲得数は、中央下にまとめたとおりです。  日本は、2大会連続して金メダルゼロでしたが、今回は金メダルをはじめかつ てないメダルを獲得しました。  金メダル受賞者につきましては、大会後、皇太子殿下から東宮御所にお招きい ただき、ご接見の栄誉を受けることができましたとともに、右下にありますよう に、福田総理大臣から総理官邸において初めて内閣総理大臣表彰を受けることが できました。  次のページをご覧ください。  左上にまとめましたように、大会は、来場された方の93.3%から「競技を見て、 感動した」など、「良かった」との回答をいただきました。  また、海外選手団の方々からも高い評価をいただき、選手団代表から多くの賛 辞が送られております。その一部を中央上にまとめました。  「暖かく人道的な社会を作るため、大会中に得た知識と経験を最大限活用して いきたい」などです。  また、日本選手からも、「メダルに届かなかったが、大会出場を出発点として 技能を極めるため、日々精進したい」などのコメントをいただいております。  右側上は、大会期間前から後に至るまで、連日のように取り上げられましたマ スコミ報道の一部です。  新聞では大会の模様から、選手個人に焦点を当てた記事までさまざまな形で取 り上げられました。  また、テレビでは、ニュース番組のほか、NHKの「クローズアップ現代」で 取り上げられるなど、かつてない量と内容が取り上げられました。  こうした大会運営を通じ、大会開催のコンセプトは成果として十分に果たし得 たと考えております。  下半分にまとめましたように、第1に、技能五輪国際大会を含めた63か国・地 域、3,771人の参加者、総計29万3,300人の来場者に対し、各種メディアの報道等 により事業主をはじめとする一般の方々に「ユニバーサル社会の実現」等テーマ の発信と浸透、障害者の技能の高さ、障害者雇用の理解を深めることができまし た。  第2にデモンストレーション・展示、国際会議等の開催を通じ、我が国の雇用 制度、企業の取組み及び海外の状況を直接情報交換することにより、相互理解を 深めることができました。  第3に合同開会式、エクスカーション、フレンドシッププログラムなどを通じ、 国際アビリンピック及び技能五輪参加者、地域住民の皆さんが活発に交流する機 会を提供しました。  第4は、バリアフリーの会場づくりです。障害の態様に応じた情報獲得手段の 確保、障害のある人を含めたボランティアの運営参加により、障害の有無にかか わらず、ともに参加、運営する大会となったことが挙げられます。  以上が、評価シート17番でございまして、国内外の全参加選手が技能をいかん なく発揮し、誰もが納得する公正な大会運営、来場者、各選手団からの高い評価、 日本選手のこれまでの大会を大きく上回る活躍、ユニバーサル社会の実現の発信 と浸透といった大会成果が評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価 されたところです。  60ページをご覧ください。  「予算、収支計画及び資金計画」です。  次のページのグラフは評価シート1の「効率化」のところでご説明したところ ですが、一般管理費、業務経費ともに目標を上回る水準で予算の節減を図った上 に、さらに予算執行においても毎年度相当額の節減を図っています。  例えば、下のグラフの業務経費で見ますと、目標は毎年度1%の節減ですから、 19年度は15年度の予算と比較して、約4%の節減が目標となりますが、既に予算 ベースで10.7%の節減、19年度決算と比較すると、16.6%と大幅な節減の実現を しました。  次のページをご覧ください。  左側のグラフのとおり、経費節減に向け、一般競争入札の導入、範囲拡大に取 組み、19年度は149件と前年度に比べ、50.5%の増加となりました。  落札率は83.1%となり、一般競争入札の導入により、契約額は約2割の節減と なりました。  また、右上の図のように、随意契約の適正化をさらに推進するため、19年度に 「随意契約見直し計画」を策定し、随意契約であることが真にやむを得ないもの を除き、22年度までに一般競争入札等に移行することとしました。  具体的には、庁舎、土地建物の賃貸借契約等を除き、ほぼすべての随意契約を 一般競争入札等に移行するものとし、19年度93億7,000万円から見直し後の6億 6,000万円と93%削減することといたしております。  また、右下の囲みは、会計事務の適正化です。  都道府県協会において、主として13、14年度において、受託業務の目的外使用 や年度を越えた物品の納入と不適正な経理処理が行われていたとの会計検査院の 指摘を踏まえ、委託業務にかかる会計事務の適正化のための対策を講じました。  具体的には、委託費の配賦状況の精査と無駄の排除による年間委託額の適正化、 取引業者の協力要請などによる厳正な経理監査の実施、委託費の適正執行にかか る受託者指導の徹底、内部監査室の設置などを行い、再発防止の徹底に努めてま いります。  以上が評価シート18番でございまして、自己評価は「A」でございます。  63ページをご覧ください。  評価シート19の「人事・人員等」です。  次のページをご覧ください。  まず、左側の人件費削減のための取組ですが、中期目標期間中に、新規事業分 を除き、14名削減するという目標に対し、最終年度である19年度は、期初に比べ、 計69名削減を図りました。  人員削減とあわせて給与制度改革によるさらなる人件費の削減に取り組んでい ます。  左中ほどをご覧いただきますと、19年度は18年度に実施した平均4.8%の職員 俸給引下げに続き、もう一段の給与制度改革を実施しました。  具体的には地域手当について、国が東京都区部において22年度に支給割合を18 %とすることとしているのに対し、機構においては、7%に抑制し、その他の地 域においても国の設定のある地域について、一部不支給、又は国より低い割合に 変更しました。  職務手当は、定率制から定額制に変更し、国より低い水準に設定したほか、国 に新設された広域異動手当に相当する手当を設けないこととしております。  こうした取組により、左下の囲みにありますように、中期目標及び「行政改革 の重要方針」による人件費削減目標は、いずれも達成し、19年度の地域・学歴を 勘案したラスパイレス指数は18年度比2.0ポイントの減少の104.9となり、23年度 には、100.0程度に低下するものと試算しております。  以上申し上げた定員、給与の思い切った節減を進めておりますので、障害者、 事業主への効果的な支援サービスを実施するためには、優秀な人材を確保し、職 員1人1人の能力を高めるとともに、モチベーションを引き出していくことがよ り重要となります。  このため、右側の「人材確保、計画的な研修の実施」のところにありますよう に、幅広く応募を呼びかけ、面接重視で、真に優秀な人材の採用に努めるととも に、職員に求められる専門能力を効果的、効率的に付与していくべく、研修の見 直しを行うとともに、効率的な人員配置にも取り組んでおります。  次のページは、職員のモチベーションを引き出していくための取組みである、 Eサービス運動についてです。  Eサービス運動は職場単位の職員による自発的な改善運動で、本部の各部、各 都道府県別の地域センター、職業能力開発校などの職場ごとに実践されるもので すが、19年度は窓口サービスの向上、事務・業務手続の簡素化、合理化、経費費 節減をテーマに実施しました。  優秀な取組みについては、全国会議で理事長が表彰し、機構全体に普及させる 取組みを行っています。  以上が、評価シート19番でございまして、自己評価は「A」でございます。  以上で、グループ3についてのご説明を終わります。 ○井原部会長   それでは、委員の皆様方は、評価シートの記入をお願いします。  その間にご質問等がありましたら自由にお尋ねいただきたいと思います。 ○堺委員  今のご説明の資料に載ってなかったんですが、財務諸表のほうを拝見いたしま すと、キャッシュフロー計算書で、キャッシュフローにつきまして、業務活動、 それから投資活動、財務活動、いずれもマイナスになっておられて、その結果、 資金増加額が減少して、資金の期末残高が前年度比で33.8%減少しておられるよ うに拝見いたします。  これは、民間におきましては、健全な財務状況にあるとは言いがたい状況かと 思うんですが、独立行政法人ではこういうことは特に支障ないものでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  ご質問のキャッシュフローの減につきましては、主な要因は、財務諸表の中の キャッシュフローのところに出ているんですけれども、投資活動によるキャッシ ュフローのところの定期預金の受入れによる支出というのがありまして、今、納 付金勘定の積立金を安全かつ効率的に運用しているんですけれども、それを金銭 信託で運用しているんですが、残りを支払預金として決済性預金に入れておいた んですけれども、この時期になって、決済性預金ではなかろうということで、残 りの部分のさらに1部、90億円相当ぐらいのものを大口の定期預金で1年間の運 用をこの19年度に図ったところでございます。  したがって、現金から預金に移ったという、そういう意味でのキャッシュフロ ーの減が、約100億円程のうちの90億円を占めるという要因でございます。 ○松田委員  啓発誌についてお尋ねします。「働く広場」が5万4,000ですね。それから、 「エルダー」が6万。特に、これから70歳の定年を目指さなければいけないとき に、この数はちょっと少なすぎる。  前にも言ったとおり、内容は非常にいいですよ。しかし、これは読む気にはな らない。  これ、一般の企業の人にやったら、この「エルダー」と「働く広場」は駄目で すね。もっとわかりやすく、それを考えなければ駄目ですよ。  特に、「エルダー」、6万部、例えば、次年度は何万部にするのか。その次は 何万部にするのか。それは70歳定年ということを見据えてしなければいけません。 どういうふうにお考えですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事  「エルダー」については、ご指摘のとおり、これからますます高齢者雇用が重 要になっていく中で、ご理解をいただく必要があるということになっておるわけ でございます。  現在、基本的に、地方の協会やあるいは事業主、こういったところに配付して いるわけですけれども、ご指摘も踏まえて、今後どうするかまた検討させていた だきます。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  前回だったと思うんですけれども、民間に販売したらどうかというご指摘で、 我々も出版社のほうとどうかというようなことで、いろいろ相談をして、今、売 ることになっているところですが、ちょっと宣伝力が弱いのか、十分売れてない ということなので、さらに業者を督励して、いろいろ機会をとらえて、買ってく れということを、市販していますよという宣伝もちょっとしてみる必要があるか なと思います。  ただ、民間業者にやってもらっているものですから、どのくらい売れるかとい う、6万部はいいんですけれども、6万部を超えてどれだけするかというと、民 間業者もなかなか決断がつかずにいるということではないかと思うので、さらに 努力は必要だと思いますので、そこは努力してみたいと思います。 ○松田委員  1つの方法として、アドバイザーを使って。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうなんですよね。営業活動をどこまでやらすかなんですけど。 ○松田委員  1年経っていますよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  わかってます。前回もおっしゃられたんで、一応業者を督励してやってはいる んですけれども、なおちょっと工夫してみます。 ○寺山委員  国際アビリンピックは大成功ということで、非常にうれしい限りなんですが、 1つは、日本のメディアはものすごく取り上げていただいて、大盛況だったんで すが、海外のメディアはどういう反応だったんですか。特に、参加国の人たちを ちょっと知りたいということです。  それから、これはよかった、よかったという話を伺ったんですが、やはり開催 しての問題点とか、それから中には23か国で参加しなかった国もあるそうですけ れども、主催者になってみて、アビリンピック自体の現時点での問題点とういう のはどうなんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  海外の報道でありますけれども、オーストラリアの選手団の方は、持ち帰って、 大統領と会う機会があるので、そういうときにいろいろPRしてみましょうみたい なことをおっしゃっていて、オーストラリアは何らかの格好で取り上げていただ いたのではないかと思いますけど、ほかはちょっと残念ながら私ども把握してい ません。  それから、あと問題点は、私、実際にやってみて2つあるんじゃないかと思い ましたのは、1つは競技の種目が発展途上国と日本をはじめとする先進国との間 で、職域差が大分あるということではないかと思いました。  発展途上国の場合は、やはり障害者の方が働く部分というのが割合伝統的な産 業とか手工業的色彩の強い、あるいは労働集約的な産業なんですけれども、日本 の場合は、どちらかというとIT分野で活躍される方が非常に増えてきている。  それからあと知的の方々は、オフィスでのビジネス補助的な業務で活躍してお られるということで、そういう発展途上国と先進国との間の競技のズレみたいな ものをどうしていくのかというのが大きな課題かなと1つ思いました。  それから、もう1つは、今回非常に苦労いたしましたのは、発展途上国がやは りグローバル化のせいなのか、国がこの競技の団体を支援しているところはいい んですけれども、私的な団体が国の代表として参加されている国もありまして、 そういうところは旅費がなくて、日本になかなか選手を送り切れないという話が あって、実は今回、発展途上国、先進国、等しく参加料をいただいているんです けれども、参加料の中から発展途上国のほうに旅費の補助をしたりということを して、やっとこれだけ集まったということで、ちょっとこれから先、発展途上国 と先進国との格差が開き、あるいは発展途上国の中での格差が開いていったとき に、発展途上国の参加をどうやって確保していくのかというのはなかなか難しい 課題があるかなというふうな印象を受けました。 ○井原委員長  関連して、若干興味的な質問になって恐縮なんですが、アビリンピックって、 経費面ではどういうことになっているんでしょうか。  例えば、機構のほうで、今参加費というお話が出ましたけれども、そういうと ころを全部、一連の事務処理を全部やられたとか、そういうお話はどういうこと になっていますか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  今回は、先ほど、総務部長が申し上げましたように、若者の技能五輪と共同で やりましたものですから、組織委員会というのをつくりまして、経団連の御手洗 会長に会長になっていただいて、経済界、労働界、高木連合会長とかにも入って もらって、組織委員会に事務局を置いて、そこが中心になっていろいろな企画を して、我々は競技の運営については、当機構の職員が二枚看板みたいなもので、 肩書きが二重にあるようなものなんですけれども、組織委員会事務局と当方の職 員と二重人格のような格好でやったということであります。  金銭的には、経済界からの寄付を仰ぎました。それが1つです。それから、厚 生労働省から補助金をいただきました。もう1つは、これは障害者雇用促進法に 明記してあるんですけれども、障害者のアビリンピックの経費というのを企業か らいただいております雇用納付金を財源に使えるということがありまして、一部 雇用納付金を使わせていただいたということになっています。  かなり寄付が、景気が上向いていたということもあって集まって、黒字になり ました。おかげさまで。 ○川端委員  モチベーションなんですけれども、65ページあたりに書かれている。もともと こういう障害者雇用、社会的という役割ですから、多分、職員の方々、使命感を 持って入られている。そういう意味で、ほかの組織よりは非常にモチベーション が高いんじゃないかと思いますが、ただ職員数は減らす、給与は減らす、それか ら独法全体としてどうも評判があまりよくないという、そういう傾向の中で、こ こにあるモチベーションを見ても、理事長表彰だとか、イベント的なものしか書 かれてないんですけれども、もうちょっと根っこのところでモチベーションを高 める、どういう工夫をされているのかお聞かせいただきたいんです。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これは、正直言って、私の最大の悩みであります。今、先生おっしゃったよう に、仕事は非常に増えてきている。それから、予算面では非常に厳しくなってい る。給与も実は上がらないと、場合によっては今年あたりから下がり始めていま すから、地域手当の分がきいてきて、ということなもんですから。  それで本日は、Eサービス運動というのをご説明させていただいたんですけれ ども、あとはやはり職員の研修が重要だろうと思っていまして、職員の自発的な 研修をどうやって引き出してくるか。それから、我々が強制的に研修をやる、当 機構主催による研修の研修体系を見直してみようということで、カウンセラーは 昔から体系的研修をやっているんですけれども、事務職員についても研修をきち んとやっていこう。それからあと自発的な研修の機会をつくっていこう、場合に よったら、雇用保険の教育訓練給付を使うなりして、職員の自発的な能力開発を 奨励していこうというふうなことで、能力開発をやろうというのが1つの工夫に しています。  あとは、私が来てからなんですけれども、職員と直接対話をやってみようとい うことで、全部で51ぐらい出先があるんですけれども、出先をぐるぐる回って、 20カ所ぐらいちょっと回りましたけれども、そういう中で、1時間ぐらいやり繰 りしてもらって、直接職員と会話をしたり、そういうふうなことでいろいろやっ ていますけれども、これはといううまいやり方があったらぜひ教えていただきた いと思っていまして、職員のモラールをいかに維持するかというのが大きな課題 になっています。 ○川端委員  組織全体のそういう理事長のおっしゃる方向もそうですが、マネージャーの役 割が非常に重要だと思います。日常的に接する。そのリーダーシップであるとか、 OJTとか。そこらあたりに関する教育というか研修はきちんとおやりになられて いるんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そのあたりは、先ほど申し上げた研修体系の見直しの中で、部下の育て方とか、 職場のモラールのアップの仕方とか、そういうのはやっていこうということです。  それから、もう1つは、管理職について目標管理制度というのを今、試行で取 り入れ始めているんですけれども、課長以上ですが、その中に、職員の能力開発 とか、職員のモラールアップとかというのを目標管理の目標の中に入れて取り組 んでいこうというのが今の段階です。もう少し工夫しないといかんのじゃないか なと個人的には思っています。 ○宮本委員  48ページに障害者の雇用に関する研究調査というところがありますが、機構と しては、いろいろ研究調査をやっていらっしゃるんですけれども、これはどうい う位置づけでなさっているんでしょうか。純研究はやらない。かなり実際試行型 の調査研究という、そこらあたりをお伺いいたします。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これは研究と称していますけれども、私どもで学問的というか、純粋に学問的 というといろいろな意味があると思うんですけれども、学問的、あるいは科学的、 科学的といっては変ですが、アカデミックな研究というのは実は職業リハビリテ ーション部の中での研究というのを1つやっています。  それから、今、総務部長が説明申し上げたのは、むしろ実践的な研究というこ とでこれは財源が雇用率未達成企業からいただいている納付金を財源にしている ものですから、事業主に還元するというような性格が強くて、そういう意味で、 事業主と共同研究するとか、あるいは事業主団体がやることについて研究者の方 々にもご協力いただいて、一緒にそういういろいろなノウハウの研究をやったり、 こういう二段構えの研究をやっているということであります。  ちょっと研究ということが今適切なのかどうかということで、中期目標ではむ しろ実践的手法の開発といった表現に変えさせていただいていますけれども。 ○宮本委員  実践的手法の開発は機構などは大変重要な役割を果たすところにおられると思 いますけれども、実際に、ここでやられたことがどういう形で、広がっていって いるでしょうか。  例えば、ある事業主から委託を受けてということですけれども、そのことがさ らに広いところまで生かされるのでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  例えば、バスとか輸送機関の事業所というのは、雇用率が計算上、適用除外に なっていたんですけれども、これが前回の法改正で適用除外を段階的に解消して いこうということになっていまして、企業の取組をどうしたらいいんだというの があって、そういう意味で、バス協会と一緒に研究をして、マニュアルをつくり まして、そのマニュアルをバス協会の会員の企業に普及していると、こういう形 で、成果としてマニュアルをつくって、マニュアルを当該協会なり団体なりの参 加企業が活用いただくというような形で大体やっています。  どう広げていくかというのは大きな課題だと思っています。 ○今村委員  少し具体的なことをお伺いしたいんですが、組織の中で人材がうまく目標に向 かって編成されているかどうか。アビリンピックのようなイベントがうまく組織 の中にフィードバックしているかどうかということについてお伺いしたいんです が、まずその前に「働く広場」とか、「エルダー」に関して、これは、編集等は 随意契約でしょうか。それとも公募企画入札でしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  公募です。 ○今村委員  これは、逆に公募企画によって編集等の期間が圧迫されて、それが内容等に影 響するということはないかどうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  あり得ます。ですから早めに公募を始めんといかんと思っています。直前にや ると、おっしゃる現象が出てきますんで。 ○今村委員  それから、次にアビリンピックの成功は大変素晴らしいんですが、ここで活躍 した人材というか、活動した人材は、組織の中でどういうところに戻って、そこ の経験が生かされているのかどうかということと、それからよくこういうイベン トをやると、それぞれウェブサイトをつくるんですが、このウェブサイトはそれ っきりで終わっているのか、特に海外との関係で言えば、そういうネットワーク、 ウェブを通じて維持されているのかどうかということです。  それから、もう1つ、3点目は、先ほどからモチベーションの研修制度という のは大変素晴らしいと思うんですが、確かに先ほど指摘がありましたように表彰 制度等しか書いてないというのはちょっと疑問があります。個々の職員は自分た ちが組織の目標の達成、サービスの向上のために、何を研修して何をすればいい かということをはっきり把握しているのかどうかという、その辺の個々の一人一 人の立場に立ったモチベーションづくりというのが、されているのかどうか。  その3点についてちょっとお伺いしたいと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  最後のご質問は、我々がいつも言っているのは、1つは、本人、職員一人一人 に我々のミッションは何なのか。それから、我々の目標は何なのかというのをい かに浸透させるかということで、昨年来の新しい中期目標、中期計画の策定にあ たって、職員から意見公募をしました。これは、職員一人一人にメールで送って、 意見があれば出してほしいということをやりました。  その上で、見直し当初案とかの策定の段階の都度、全職員にメールで送りまし た。ということで、職員の参加意識をいかに維持するかということは我々は随分 努力したつもりですけれども、おっしゃるように職員一人一人がどこまでそれを 受け止めているかということになると、そこは一人一人の受け止め方が違うかと 思います。  ただ、年初、年度始め、それから折にふれて、私が直接職員にそれぞれの持ち 場、持ち場で、自分のミッション、当機構のミッション・目標とどうつながって いるのかというのを常に意識して仕事をやるようにということを言い続けていま す。  それから、もう1つは、メールマガジンを始めました。毎回、役員が何か必ず 書く。それから、職員からも投稿を呼びかけるということで、いろいろやってい るところであります。 ○高齢・障害者雇用支援機構雇用開発推進部長  国際アビリンピックを担当した職員の配置ですけれども、ご存じのとおり、国 際大会が終了しますと、全国大会、いわゆる国内大会を担当いたします。国際大 会を担当した者の多くが国内大会の事業についてノウハウを生かしていく体制を とっております。  但し、国際大会のときには、集中的に担当者を多くしましたので、国内大会か ら外れる者については、機構の他のセクションのほうに移りまして、今回の大会 でいろいろ学んだものについて、他の事業に生かしていくことを考えております。  それから、ウェブサイトの件につきましては、存続していくことを予定いたし ております。  これは、国際大会ですので、単に日本だけで開いたということだけではなくて、 4年後には韓国で次回の大会を開く予定にしておりますけれども、韓国、それか らそれ以後の大会で国際大会をどのように開いたらいいか。ないしは、先ほど紹 介がありましたように、技能競技を中心として、競技課題というものを明らかに しております。そういうことを世界各国に知らしめるという観点から、それらの 機能を備えたウェブサイトを存続していくことを予定しております。 ○松田委員  給与制度についてお伺いします。  職務手当は、定率制か定額制。これは私は前に定額制にしろと言ってましたけ れども、そのとおりになりました。それよりもこのラスパイレス指数、国を100 とした場合、114.6、それから19年度は学歴を勘案すると104.9、これは限度いっ ぱいです。これよりもっと100に近づけるんですか。これはもう限度いっぱいで すか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これから先、国のほうがどのような給与制度になるかということが1つあるん ですけれども、今のままだとすると、23年度に100まで行くものですから、もう 今のまま100を目指すということで、今は取り組んでいます。 ○松田委員  100を目指す、機構の場合は、学歴で大卒90%でしょう。国は、50%満たない ですよね。これ、どういうふうに埋めるんですか。これこそまさに、モチベーシ ョンが下がるんじゃないですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  下がります。おっしゃるとおりです。ですから、これ以上、下げるというのは もう無理ではないか。かなり限界に来ているのではないかというふうに思ってい ます。  実際に、地域手当がききはじめて、賃金が下がっている職員が出てきちゃって いますので、これ以上もっと下げるということについて、職員のモラルをどう維 持するか、モチベーションをどう維持するかということになると、そこら辺は慎 重に考えないといかんということだと思います。  ですから、政府の方針で、もっと下げろとか、そういうことであれば別なんで すが、一応我々としては、政府の方針である人件費の総枠の中には収まりますの で、人件費削減の総枠とそれから個々一人一人の職員の賃金水準等をどう見るか、  それから、先ほど来、いろいろなお話がございますけれども、一番手っ取り早い のは、定年退職者の後を埋めないということにすると、総額人件費はクリアしや すいですけれども、仕事が増えているもんですから、それはできない。それより はむしろ職員の給与を抑制していくというほうを我々は選んでいるということな ので、ちょっと正直言って、ぎりぎりのところに来ているなということで、これ 以上きたら、もう政府の方針だと言って、職員に納得してもらうしかないなとい う状況ではないかと思います。 ○松田委員  そうですね。 ○篠原部会長代理  予算についてちょっとご質問したいんですが、予算を何パーセント減と調整的 にして、独立行政法人の本来の目標管理ということからそれちゃっているもんで すから、運営費交付金の収益化については、あまり今までここで質問しているだ けなんですが、本来、独立行政法人の法律上、1項1目で予算が下りてきて、法 人に全権を任されていますよね。ですから、全体額についてどう使おうと法律上 は問題ないと。  だけども、かなりいろいろと制限されていて、その目標管理の一環として会計 規定の制度が運営費交付金の収益化基準だと思うんですが、ほぼ多くの独法が費 用進行基準を採用していて、僕は採用という言葉もおかしいと思っているんです が、費用進行基準は業務達成基準と期間進行基準に合わない費用の業務の場合は、 費用進行基準。  費用進行基準は、前から僕は従来の官庁会計の予算消化型と同じだと。ですか ら、ぜひ費用進行基準以外を採用することを望んでいて、それで去年11月に独法 の会計規定が改定されたときも、明らかに改定の理由が、より費用進行基準以外 を使ってくれというメッセージを僕は出していると感じているんですね。  理事長さんに聞きたいというのは、その辺よりは、法人を運営していくために は、費用削減という強制的ではなくて、もう自主的に目標管理でやる方向に持っ ていかないと、いろいろな意味で、強制的にやるのは無理だなという気がしてい るんで、その制度として目標管理を入れていただきたいということで、予算管理 について、どのように考えているのか。  というのは、1つは、今まで僕は、監事さんとか経理部長さんに会って、ある 程度進んでいるということはわかっているんですが、少なくともこういう文章で は管理体系というか、そういう目標管理の予算についてほとんどマイナスの印象 しかないんです。  ですから、やはりそういう法人としてのプラスの目標管理というか、予算管理 についてきちんとやっているというメッセージを出していただきたいという面か らも質問させていただきました。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これは恐らく独立行政法人を制度が導入されたときは、今、先生おっしゃった ことでつくったんだと、私もそう思っています。  ただ、実際の私どもでいうと厚生労働省からなんですけれども、所管官庁から の予算というのが、運営費交付金の予算の組み方と、それから私どもがやってい る事業の実施と必ずしも1対1で対応するという仕組みの予算の組み方になって ないというのが1つあるんですね。  そういう意味だと、国の予算の組み方を我々の実行に合わせる組み方に変えて もらえばそこは可能になるというのが1つあるんじゃないかと思っています。  要するに、国の予算が費目ごとに交付金は来るもんですから、それを我々が勝 手に自由自在に費目間をまたがって使うということがなかなか難しいということ が1つあります。  1つはその限界があるかなというのと、もう1つは、運用上の問題でいいます と、これは各独法、同じような事情にひょっとしたらあるのかもしれませんが、 当機構の事情で申し上げると、例えば期間進行基準を採用しようということで、 やることは可能な部分はあるんじゃないかと思っているんですけれども、それを やろうとしたときに、要するにリアルタイムで我々の経理の状況が把握できる体 制になってなかったということで、かねてから先生のご指摘を受けておりますの で、そのあたりのリアルタイムで、経理状況を把握できるシステムの開発に取り 組んでおりますんで、これができると、今は当方は費用進行基準、一辺倒であり ますけども、ほかの基準を採用しだすということは可能ではないかと思っていま す。  ただ、全面的に、先生がおっしゃるような形でやるとなると、これはちょっと 国のほう、うちだけの問題ではなくて、国のほうの問題とか、もっと言うと、ち ょっとこれは、先生は、何でもご存じでしょうから、あえて言う話に近いんです けれども、会計監査人との関係もあったり、会計監査人にしてみると、国の予算 の仕組みと当方、独立行政法人との仕組みを見たときに、会計監査人としてどう 判断するかとなって、ある意味じゃ、我々は会計監査人と厚生労働省の間を、右 行ったり、左行ったりと、こういう状況だと思いますが、やれることはやろうと いう状況であります。 ○篠原部会長代理  今、予算を組み替えられないというんですが、一応、予算を取るときは、いわ ゆる厚生労働省、あるいは財務省とやるんですが、法律的には全権任されて、で すから中身をどう使ってもいいはずなんですね。  ただ、やはり約束だから、やたらできないんですけど、最終的にはできるから、 かなり組み替えて執行予算をつくっても、それは文句言われないと思ってるんで すけど、取るときに予算を了承してもらわないと明細、細かくやっているから、 当然だけど理由があれば、組み替えても僕はいいと思っています。  それと今おっしゃった会計監査人との関係で、国立大学法人は原則、期間進行 基準を使っていて、業務達成基準を徐々に入れているんです。これは、文部科学 省が指定して、そのときのうたい文句としては、より予算を効率的に有効に使う ために業務達成基準をやると。  当法人というか、費用進行基準以外を採用しない、一番の障害は僕は会計監査 人だと思っています。7、8割は会計監査人の責任で、制度としての責任もいろ いろと明確に書いてないということがあると思うんですが、1割ぐらいはやはり 法人の責任じゃないかというのは、僕の正直な感想です。  ですから、いろいろな情報の上で、やはり会計監査人が問題だという気はして います。  ですから、経理部長とか大変だなという気はわかっているんですが、やはり方 法として費用進行基準以外を採用してくださいというメッセージを出しているも んですから、やはりそういう方向で、積極的に検討してみてください。 ○井原部会長  私も一言言わせていただきたいんですが、さっきから職員のモチベーションの 話が出ておりました。そのときに表彰という手段は、それなりに私はいいと思っ ているんですね。というのは、人間というのは、ほめられたい、評価されたいと いう強力な欲求の持ち主で、見栄を張るというのは、あれはうそでもいいからほ められたいということでしょう。  同じ自慢話を何度も言う人いるじゃないですか。何度ほめられてもあきない。 強力なんですね。  ただ、問題は、そこで表彰された人が、その組織の中で、嫉妬の目で見られた り、出る杭は打たれるという雰囲気があると、それで無視されちゃうわけです。 それはモチベーションにならないんです。だから、そういう雰囲気を組織の中で、 でき上がっていれば、この表彰方式というのは非常に効果を発揮するんです。  だから、その雰囲気をつくるのは、恐らくトップだろうと思います。それが1 つの手段です。  それから、もう1つは、個人に目標を与えるということをよく言うじゃないで すか。それで達成する。そうすると個人としては、達成しました。達成感を得る。 これで終わらないんですね。  今度は、でかい魚を釣り上げてやろうという人がいますよね。釣り上げた、達 成、やったと思うでしょう。その人はそこで終わりません。次の日、会社にやっ てきて、俺、こんなの釣ったんだって自慢話でしょう。そこで、「すげえなあ」 と言われると、喜びは5倍になるんですよ。  だから、挑戦、達成、評価、これをワンセットにするようなものを組織の中に できれば、これはモチベーションは非常に上がります。  私も1つ、組織の運営を面倒みているところがあるもんですから、常にそうい うことを考えているんですけれども、そういう条件のもとに、表彰方式というの は効果があると思います。  日本は、ちょっとそこのところは弱かったんですね。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  ちょっと時間が足りない中で一言いいますと、どうも民間の方々のお話を聞く と、そういう表彰制度は必ず金一封をつけたり、何かつけるもんだと、こういう のがあるんですけれども、独立行政法人でちょっとそれをやるのもどうかなとい うのもあって、表彰を受けた職員に、「あなた達、一体何が欲しいんだ」と言っ たら、「できれば賞金が欲しいです」と言うもんですから、そうはいかないので、 今年は理事長と一緒に飯を食おうといって、飯代は当方で持つからといって、一 緒に食事をしたんですけれども。  さらにいろいろ工夫していく必要があると思います。 ○井原部会長  だから、より楽しく働けるようになればいいわけですよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうです。おっしゃるとおりです。 ○井原部会長   それでは、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、最後のグループ4なんですが、業務実績評価関係資料についての評 価でございまして、所要時間は法人からの説明5分。委員の評定と質疑15分の合 計20分となっております。  では、法人から説明をお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  資料2−2、「平成19年度業務実績評価関係資料」について、ご説明をいたし ます。  1ページ目をご覧ください。  1ページ目、目的積立金ということでございますけれども、19年度総利益の約 64億円、先ほど評価シート1及び18の一般管理費及び業務経費の節減のところで ご説明したように、主として予算執行段階における省資源、省エネ意識の徹底、 一般競争入札の積極的な実施等による一般管理費及び業務経費の節減により生じ た「運営費交付金債務残高」について、19年度が中期目標期間の最終年度である ことから、独立行政法人会計基準に基づき、その全額を収益化したために、利益 が発生したものです。  中期目標期間の最終年度において運営費交付金債務残高を収益化したことによ る利益は、目的積立金として積み立てることができないため、国庫に既に納付し ています。  2ページは、保有資産です。  19年度に移転した富山、石川の両地域センターの跡地施設は国に財産処分申請 を行っており、承認後は譲渡することとしております。  今年度移転予定の岡山センターの跡地施設についても同様に国の承認を得て、 譲渡する予定です。  せき髄損傷者職業センターについては、第2期中期目標において、期間中に廃 止することとされておりますが、その資産の処分については、土地所有者である 独立行政法人労働者健康福祉機構や所管官庁の厚生労働省と調整を行っておりま す。  3ページ目は、官民競争入札等の活用状況です。  19年12月に閣議決定された「公共サービス改革基本方針」に基づき、「高齢期 雇用就業支援コーナー」業務について、一部民間競争入札を実施することとして おります。  本年5月には、官民競争入札等監理委員会と連携して、22年1月から25年3月 までを契約期間として、東京、愛知、広島の3カ所のコーナーを入札の対象とす ることなどを内容とする民間競争入札実施計画案を策定いたしました。  今後引き続き、監理委員会とも連携しつつ、具体的実施内容について、検討を 行ってまいります。  4ページ目は、コンプライアンス体制の整備状況です。  就業規則、倫理規程、個人情報保護規程などを整備し、職員一人一人に周知徹 底しています。  体制面では、毎週開催される理事会において、法令遵守、リスク管理、情報管 理等について迅速な意思決定を図るとともに、コンプライアンスを担当する総務 部が機構各部、各センターに対し、コンプライアンス確保のための指導、助言、 報告等を行っています。  20年1月には、理事長の下に独立した監査室を新設し、コンプライアンスに関 する厳正な内部監査を行わせることにより、二元構造のコンプライアンス体制を 確立するなど、その強化に取り組んでいます。  さらに、コンプライアンスや業務運営にかかるモニタリング機能の強化とその 客観性を確保するために、本部各部、各センターへの「意見箱」の設置、外部有 識者からなる評議委員会の開催のほか、本年度からホームページを活用した業務 運営に関するモニター制度を導入することとしております。  また、コンプライアンスの職員への徹底を図るため、各種会議、研修における 周知徹底のほか、個人情報保護、苦情相談、セクハラ防止について個別テーマを 設定した研修を行っています。  なお、法令・内部規程等に違反した事案を把握した場合には、厳正に対処する とともに、原因究明及び改善策を迅速に講じ、再発防止に努めています。  以上のとおり、機構とコンプライアンス体制の強化を図ったところです。  5ページは、役職員の報酬、給与等の状況です。  ラスパイレス指数は、114.6、在職地域・学歴構成を勘案すると、104.9となっ ています。  国に比べ、給与水準が高くなっている理由は、事務職員の6割は東京都区部勤 務で、地域手当の高い者の割合が高いこと。大卒が92.4%と高く、学歴による格 差が生じていること、事務職員の大部分は、機構本部において業務の企画立案や 都道府県協会に対する指導、進捗管理を行うため、管理職の比率が高くなってい ることなどによるものと考えています。  6ページをご覧ください。  講ずる措置についてですが、先ほど申し上げたとおり、18年度、19年度と抜本 的な給与制度改革を実施したところであり、23年度には対国指数は、109.5程度、 在職地域・学歴構成を勘案した対国指数は、100.0程度となる見込みです。  21ページをご覧ください。  随意契約等の状況です。  19年度の随意契約の実績は、223件、93.7億円となっております。  次のページをご覧ください。  22ページ、(4)の随意契約の見直し計画の実施状況については、随意契約による ことができる予定価格の基準を国基準に合わせたほか、随意契約だけでなく、機 構の支出の原因となる契約すべてを公表の対象としました。  一般競争入札は、件数ベースで18年度と比べ、45.9%の増加、逆に、随意契約 は31.6%の減少となりました。  (5)の随意契約見直し計画の達成に向けた具体的な取組みについては、総合評価 方式による一般競争入札の導入拡大に向け、総合評価落札方式実施要領を作成し、 各部署に周知徹底を図ったほか、複数年度契約を積極的に活用し、コスト削減及 び事務の効率化を図りました。  23ページは、関連法人との契約の実績ですが、随意契約が49件、73.4億円とな っています。  関連法人との随意契約は、都道府県協会への委託は48件、社団法人全国重度障 害者雇用事業所協会への委託が1件となっています。  (8)の随意契約の適正化についての取組み状況ですが、都道府県協会への委託に ついては一般競争入札、公募・企画競争等競争性のある契約形態への移行を、高 齢期雇用就業支援コーナーの民間競争入札の実施時期も勘案して実施することと し、社団法人全国重度障害者雇用事業所協会に委託している事業については、既 に20年度契約で公募を実施いたしました。  また、委託業務にかかる会計事務の適正化を図ったところです。  こうした取組みにより、先ほど申し上げましたように、見直し後は、庁舎、土 地建物の賃貸借契約を除き、ほぼすべてが一般競争入札等に移行することとなり ます。  以上で、グループ4についての説明を終わります。 ○井原部会長  質問があればお願いしたいと思います。 ○篠原部会長代理  最初の目的積立金なんですが、これはご存じのように、費用進行基準以外を採 用しないと、目的積立金は認めてくれないと。明らかに、いろいろ聞いているの は、やはり努力して、63億のうちには、明らかに、皆さん経営陣と職員が努力し て得られたものだと思うんですね。それをそのままお国に返すのはいかがなもの かなと。  先ほどいった、目的積立金は、法人で使途が決められますよね。それで従業員 に報いる方法というのはあると思うので、やはりこの部分をやはり早く先ほど言 った費用進行基準以外を採用していただければ、もうちょっと職員のモチベーシ ョンが上がる一手段になるんじゃないかなという気がします。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  確かに、この63億の中には、省資源、省エネをやったり、経費節減をしたりし て、かなり職員の痛みというか、我慢の上にやった部分がありますので、それは 先生おっしゃるような形でやれば、その部分だけ戻ってきたんだなと思うだろう と再認識いたしました。  ただ、問題は、やはり業務の目標と業務的なものになってくると、厚生労働省 の思いというのがいろいろとあるのかなとちょっと思わないでもないんで、その あたり、それから先生、諸悪の根源は会計監査人であるとおっしゃいましたけど、 会計監査人と厚生労働省がどう考えるのかというあたりになると思います。  ただ、今おっしゃった部分は、全くそのとおりだと思いますので、我々も経理 システムができたら努力が戻ってくるぞというあたりも励みにまた頑張りたいと 思います。 ○川端委員  コンプライアンスについて、いろいろなことをお考えになっておやりになって いるんですが、当独法でこういうことについて問題が起きたというのは、しばら くさかのぼってあったんですか。それとも今まで全然問題はなかったけれども、 今後の予防のためにこういうことを言っているということなんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  1つは、個人情報の取扱いの上で、よく事故が起きるんです。これはどこも起 きていることだと思うんですけれども。  私どもはやはり事業所の情報ですとか、障害者の方の情報ですとか持っている もんですから、そういったものの不注意による漏洩とかも起きています。  それから、職員間でいろいろ人間関係というか、職員間での問題も全く起きな いわけじゃないわけです。男女雇用機会均等法関係とか。ということもあり、そ れから他の独立行政法人等の動きを見ていましても、やはりコンプライアンスを しっかりしないといかんなという思いもあって、いろいろ勉強させていただいて、 コンプライアンスに取り組んでいる民間企業、民間はかなり前から大手の企業が 取り組んでいるもんですから、そのあたりを参考にして、ちょっとほかの独法よ り早いのかもしれないんですけれども、取り組んでみようということで始めたと いうことです。 ○谷川委員  固有資産は、譲渡を行う予定であると、こう書いてあるんですが、これ、譲渡 の進め方って一般的にどういうふうにやられるんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  進め方でございますか。 ○谷川委員  はい。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  この評価委員会の部会で、この後に重要な財産の処分ということで、ご審議い ただきます。その審議をいただいてその結果で、厚生労働省のほうから財務省の ほうに協議がまいりまして、それで承認いただいて実際に今度は一般競争であれ ば一般競争の手続きをという段取りになります。 ○谷川委員  一般的に、業者さんを使って処分をするというやり方をとられるんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  ケースバイケースですが、そういうケースもあります。 ○篠原部会長代理  コンプライアンスについて追加質問させていただきます。  今、社会保険庁で、ヤミ専従ということが問題になっていますが、当法人にお いては、そのような問題はありませんか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  ありません。  組織がそれほど大きい組織ではないものですから、ヤミ専従を置くだけの余裕 がどこにもありません。 ○今村委員  コンプライアンスのことについて、さらにいいですか。  よく言われるのは、確かに仕組みとしては、非常によく努力されてつくられて いると思うんですが、実際にこれが機能するかどうかという点について質問した いんですが、トップがこれにコミットするという意識表示をどういうふうに組織 全体に伝わっているのかどうか。  具体的な質問として、例えば内部告発という情報があるかどうかわかりません が、内部告発者をどのように保護するかという規定が具体的にどう書かれている かということを参考までに教えていただければと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長   コンプライアンスについては、内部監査室をつくって、そこでこれは、総務部 長もはずして、理事長直属でやろうということにして、総務担当理事、総務部長 ベースではコンプライアンスの指導徹底を図るという二元でやっているというの が今の段階です。  今、ご質問のように、内部告発について保護するとかという規定は設けていま せんが、ただ、内部監査室経由で理事長に上がってきたというケースであれば、 これは完全に保護される。運用上は、保護される。  あとは総務担当理事、総務担当部長で来たケースも問題ないんじゃないかと思 いますけれども、基本的にある意味で、理事長直属のということをやったもんで すから、そっちのルートをきちんと活用しようと周知をすれば、かなりの効果が 上がるかなと思っていますが、ちょっと先生がおっしゃられたところまではまだ 踏み切れずにいるということで。 ○谷川委員  ちょっと関連してなんですけれども、独法という組織というのは、一般的な法 律との絡みはどうなるんでしょうか。  たしか官庁ですと、一部の行政関係で適正にならないケースが、例えば労働組 合法なんかがそうだと思うんですけれども、今のご質問と絡んでなんですけれど も、内部通報者保護法、何かそんなのがありまして、民間という位置づけですと、 そういう仕組みを設定することが責任者である理事長の義務になっているもんで すから。  全体の位置づけがそういう法律の適用除外だということになれば、よろしいん でしょうけれども、ただ、申し上げたいのは、そういうのもありますので、でき れば内部通報者保護法の指示に則った、直接に問題提起をトップに対してやるや り方の仕組みを持たれるほうがいいんじゃないかというふうに思いますけれども。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  労使関係とか、それからいろいろな関係は、民間扱いだと思います。  ただ、秘密の保持とか、そういったものについては公務員準拠ということで、 ある意味で、公的な業務に関する部分は公務員準拠、それ以外の身分的なことは 民間ということなんで、今、先生おっしゃったように、多分民間のことになるの で、そこは放っておいても法律は適用されるんでしょうけれども、職員に周知す るという意味で、そこは重要なのかもしれませんので、ちょっと研究させていた だきます。 ○寺山委員  確認なんですけれども、高齢・障害者雇用支援機構は、障害者の雇用について はわかるんですけど、高齢者の60歳から64歳まで、あるいは65歳から70歳まで働 ける人は働くという、どのぐらいいらっしゃるのかなと。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  障害者の雇用率は4%を超えています。今年はさらに高まります。  高齢者については、65歳まで希望者全員再雇用をやっています。これから先、 70歳を目指して、検討せんといかんと思っています。 ○寺山委員  それは今、これから検討なんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  ええ。65歳はかなり前からやってますけど、70は、今後どうするか検討です。  要するに、対象者がまだ出てきてないんです。組織が若いもんですから。65と いうか、60を超えている者は出てきていまして、60歳を超えて、希望者全員にし ていますので、7、8割はそのまま勤め続けています。 ○寺山委員  ぜひ、モデルをつくってください。 ○篠原部会長代理  随意契約について、今、たしか政府の方針は、ほぼ競争入札している方向であ ると思うんですが、僕は全部できないし、無理があるなという気がしているんで すが、その際に、随契の中身についてコスト的にコントロールできるような体制 をつくるのがすごく必要だろうなという気がしているんですが、その辺は、どう なんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  おっしゃるとおりで、多分、全部競争入札にするのは、困難でありまして、競 争性のある契約形式だということになると思います。  ですから、そのときのやり方を当機構内部の職員だけでやるんじゃなくて、透 明性のあるやり方にせんといかんと思ってまして、そこは今、検討中であります。 ○井原部会長  あとは、よろしゅうございますでしょうか。  時間も大分過ぎておりますので、評価の時間はこれで終わりたいと思います。  次の議題に移りたいと思いますけれども、記入が終わっていない方は、本部会 が終了した後に、会場に残ってご記入いただいても結構ですし、持ち帰って記入 していただいても結構でございます。  それで、その場合には、事務局に声をかけていただきたいということです。  では、次に、重要な財産の処分について、まず政策評価官室から説明をお願い いたします。 ○政策評価官室長補佐  重要な財産の処分について説明させていただきます。高齢・障害者雇用支援機 構より厚生労働大臣に対し、重要な財産の処分にかかる認可申請がございました。  独立行政法人通則法上、厚生労働大臣は当該認可申請に対し認可をしようとす るときは、あらかじめ独法評価委員会の意見を聞かなければならないこととなっ ているため、今回、皆様のご意見を伺わせていただくという運びになっておりま す。  なお、当該議事にかかる資料等の取扱いにつきましては、申請書の処分要件の 不動産の関係評価額が記載されており、その額が公開されてしまうと契約に支障 が生じてまいりますので、契約締結までは非公開とさせていただきます。  委員の皆様方におかれましても、資料の取扱いにつきまして、特段のご留意を いただきますようお願いいたします。  それでは、ご審議をよろしくお願いいたします。 ○井原部会長  法人より説明をお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  資料2−6でございます。  2−6によりまして、当機構の重要な財産の処分についてご説明をさせていた だきます。  2件ございます。  1ページをめくっていただきますと、まず1件目でございます。  現在、厚生労働大臣のほうに申請しております財産処分につきましてご説明さ せていただきます。  まず、記の1番として、処分にかかる財産の内容等でございます。  富山県富山市下飯野字新田70番地4、70番地5の建物及び構築物でございます。  この物件は最寄り駅のJR東富山駅から徒歩約30分のところにありますが、周囲 は富山県総合リハビリテーションセンターの諸施設が点在する一角に所在してお ります。  土地は、富山県の所有でございます。  評価額としましては、そこに記載してあるとおりでございます。平成15年10月 1日の国からの承継時の帳簿価格でございます。  処分の理由といたしまして、2番に書いてあります。当該建物等は、富山県有 地の一部を借上げ、昭和51年及び58年に旧雇用促進事業団が建設、63年に当機構 の前進である日本障害者雇用促進協会が富山障害者職業センターとして承継し、 15年10月1日に当機構が国から承継したものでございます。  当センターは、利用者にとって非常に不便な状況にあります。また、業務を遂 行する上でも、多大な支障を来たしているような、ちょっとした不便な場所にご ざいます。ということで、利便性等を考慮して、JR富山駅近くに20年1月に既に 移転したところでございます。  したがって、当該建物等は、現在空いているわけでございますが、今後当機構 において利用する見込みが立たないということでございます。  すなわち庁舎、あるいは宿舎として利用する計画がないということ。また保有 し続けることで生じる管理リスク等を勘案して、処分を検討していたところでご ざいますが、土地所有者である富山県から身体障害者に関する福祉基盤の充実を 図るためということで、既に設置されています既設の富山県身体障害者更生相談 所の移転先、この施設は老朽化が著しく、かつ耐震性に問題性があるそうでござ いまして、その移転先として使用したいという旨の要望が出されたところでござ います。  その検討した結果、随意契約により、同県に譲渡処分するものでございます。  3番、処分等の方法は、随意契約により富山県へ無償譲渡することとしたいと いうふうに考えております。  4番目の処分等の条件として、富山県が公共の用に供するということから、当 機構の不動産管理規程第31条第2項、これは地方公共団体が公共の用に供すると きは、無償とすることができるという規定でございますが、それに基づき富山県 に無償譲渡することとしております。  なお、本来であれば当該建物等を設置している土地、富山県土地ですが、それ の行政財産使用許可書第8条、これに基づき、当機構が土地を使用していたわけ ですが、これは富山県が公共の用に供するため、必要とするときは、土地の使用 許可を取消すことができるということで、その場合、原状回復して返還する必要 があるというふうな規定の部分でございますが、これに基づき、当該建物等を解 体の上、土地を返還するとなった場合、建物解体費が時価評価額を上回ることに なるというふうな一面もございます。  それから、以下は、今までのご説明と重複いたしますので、省略いたしますが、 添付資料として、この以下、全部事項証明書、いわゆる登記簿謄本とか図面、写 真、それから富山県からの譲渡要望書等を添付しております。  それから、13ページのところが、2件目でございます。  まず、1番として、処分等に係る財産の内容等でございますが、こちらは石川 県石川郡野々市町末松2丁目243、244でございまして、土地でございます。 913.19平米。現在、更地でございます。  最寄駅は、JRの松任駅徒歩約70分というようなところで、近隣は石川県障害者 職業能力開発機構の一角にございます。  南西側約6メートルの町道に面しております。  評価額は、ここに記載しているとおりでございまして、これも15年10月1日現 在、国から承継した時点での簿価でございます。  今後、これにつきましては、直近でもう一度鑑定評価額を最低売却価格とする 予定で、見直しをする予定としております。  それから、2番、処分の理由等として、当該土地は、石川県から旧雇用促進事 業団が購入の上、昭和54年建物建設、63年に当機構の前進である日本障害者雇用 促進協会が石川障害者職業センターとして建物とともに承継の上、15年10月1日、 当機構は国から出資を受けた財産、承継した財産でございます。  当センターは、先ほどちょっとご説明しましたように、これも利用者にとって 非常に不便な場所に所在しております。  また、業務を運営するにおいても多大な支障を来たしているということから、 利便性等を考慮して、JR金沢駅近くにこれも20年1月に移転したところでござい ます。  なお、建物につきましては、建築後約30年経過しているということで、今後も そのまま所有すると多大な改修経費を要すること。あるいは、土地の処分に当た っても、古い建物が存在するということで、価値が劣るというようなことから、 19年度末に建物取り壊しを行っておりまして、現在更地でございます。  その際、地方公共団体へ当該建物土地の再利用について打診したものの、こち らは取得の意向は得られなかったところでございます。  ということで、今後、当機構において利用する見込みがこちらも立たない、庁 舎、宿舎として利用する計画がない。また保有することで生ずる管理リスク等を 勘案して、一般競争入札により譲渡処分を行うこととするものでございます。  以下は、先ほど来、説明をしております内容と重複しますので省略いたします。  添付書類として、こちらも以下に全部事項証明書、図面、写真等を添付してお ります。  以上で、簡単ではございますが、当機構の財産処分にかかる申請内容について 説明を終わらせていただきます。 ○井原部会長  それでは、今の2点につきまして、ご質問がございましたらお願いいたします。 ○篠原部会長代理  2件目なんですが、競争入札、先ほどの評価額よりは金額が大きく売れるのか なということを聞きたいのと、それと独立行政法人通則法が今国会で、臨時国会 に持っていくということで、その中に、こういう売った場合は、国庫に速やかに 納入する、今はないんだと思うんですが、今売ると、自分のところに残っちゃう んですか。それとも臨時国会で成立すると、返さなくちゃいけないんですか。ど んなもんなんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  最初の評価額のほうでございますが、実はご存じのように減損会計の適応にな る未利用地でございますので、3月31日時点で減損会計の減損額を出すための鑑 定評価をやっております。  それが承認いただいた後の具体的な競争入札までの間に、その評価額が使える かどうかでございますが、当然ここに書いてある額よりは変動するように、現在 でも思っております。  それから、もう1つのほうの、売り払った場合ですが、売り払って現金化にな った場合でも、現在、これは資本にも計上されていますので、資本を国庫に売払 金を返還するときは、資本を減資する必要がありますが、その規程が法律上決め られてないので、その減資規程ができるまでは機構にそのまま保管されるという ことになります。  当然、先ほどの通則法が改定されれば、その時点で返還ということになる。国 庫に納付ということになると思っております。 ○篠原部会長代理  いわゆる埋蔵金になるわけですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  いや、既に2年前に、宿舎土地を売却して、2億円ほど利益が出ていますが、 これはきちんと運用しておりまして、運用収入にも上がっております。いつでも 国庫に返せるような状況ですが、減資規程がないから、今のところはそのままと いうことでございます。 ○川端委員  今の機構には責任ないかもしれませんが、これは大変不便なところですよね。 今でも、不便だからということなんでしょうから。もともとどうしてそんな不便 なところにつくったのか、そこらあたりは、お聞き及びか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  つくったときの経緯は、大分昔の話なのでわからないんですけれども、つくる ときに恐らく地元の協力を得ないといかんということで、場合によって、県なり が障害者の福祉ゾーンにしようと思って考えていた、どうぞということで設置し たところ、後で計画が変わってしまったケースとかですね。  あるいは、県有地をどうぞとかと幾つか選んだけどあまりいいところがなくて、 選ぶのは当時雇用促進事業団ですから、雇用促進事業団が、どういうふうにやっ たのかということですけれども、思いは私も同じです。正直言って。何をやった んだろうと思います。ほかにも何箇所かあるんですが。 ○谷川委員  22ページと23ページの写真を見ますと、土地を売られるようなんですが、周り で公共的な建物が建っているというのは、売るに当たって、何か制限がつきそう な感じがして眺めているんですけど、大丈夫なんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構経理部長  こちらは、減損会計で減損額を算定するために3月31日時点で、鑑定評価をし ておりますが、そのときの評価には、この近隣は住宅街でもありますので、必ず しもそういう意味での利用価値がないわけではないと。ただし、一番最適なのは やはり公的機関の施設というふうな評価ではありました。 ○井原部会長   では、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、本部会といたしましては、本件について異存がないということを厚 生労働大臣にお伝えいたしたいと思います。  法人においては、厚生労働大臣に許可を受けて手続きを進めていただければと 思います。  それでは、次の議題、役員の給与規程の変更に移りたいと思います。  まずは政策評価官室から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは説明いたします。  高齢・障害者雇用支援機構より厚生労働大臣に対し、役員給与規程の変更につ いて届出がございました。独立行政法人通則法上は、厚生労働大臣に当該届出が あったときは、厚生労働大臣がこれを評価委員会に通知することとなっており、 評価委員会はこの通知を受けたときは、これが社会一般の情勢に適合したもので あるかどうかについて、厚生労働大臣に対して、意見を申し出ることができると なっております。  それでは、ご審議をよろしくお願いします。 ○井原部会長  それでは、法人のほうからお願いします。 ○高齢・障害者雇用支援機構総務部長  役員給与規程の改正について、ご説明をいたします。  関係資料、2−7から2−9までとなります。  時間の関係もございますので、資料の2−9の新旧の対照表に沿ってご説明い たします。  改正は、期末特別手当に関する第8条に関するものでございます。  右側の旧条文をご覧いただきますと、第1項において、6月と12月の年2回、 期末特別手当を支給するものとし、第2項において、その額の算定方法を規定し ております。  すなわち役員の俸給及び特別調整手当をもとに、国家公務員に準拠した一定の 計算により算出した額を支給することといたしておりますが、下線部のただし書 きにありますように、この厚生労働省独立行政法人評価委員会が行う業績評価の 結果を参考にして、その額の100分の10の範囲内で、これを増額、又は減額でき ることを定めております。  今回の改正は、左側の下線部にありますように、理事長が今申し上げたこの評 価委員会が行う業績評価に加え、役員の職務実績等を考慮し、従来の増減幅の範 囲にかかわらず、期末特別手当の額を増額し、又は減額することができることと したものです。  今回4月1日から施行されております。  以上です。 ○井原部会長  それでは、以上の説明につきましては、何かご質問はありますか。 ○松田委員  資料2−9の4ページ、これは全部理事長も理事も、9.5%カットですよね。 なぜ監事だけは、全く同じですね。70万6,000円。これ、どうして監事だけは。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  一度そのご指摘があって、常勤の監事は下げてます。非常勤が下がってないん じゃないかと思います。  非常勤は、正直言ってかなり額が低いんです。 ○松田委員  でも、金額はひとつも変わりませんよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうです。300万ぐらい、ここで言うのもあれなんですけれども、なんで、下 げるのはちょっとどうかなと。 ○松田委員  いや、それはおかしいですよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうですか。  これ、下げるときに、ご了解いただいたんだと思うんですけどね。  常勤は下げたんですよ。前、ご指摘があったので。私もここへ来てみて、何で 常勤監事が下がってないんだろうと思って、そういうご指摘もあったので下げよ うと下げたんですけれども、ちょっと非常勤の監事の方は。 ○松田委員  それは、総額でそういうことをやっちゃいけませんよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうですか。ただ、ちょっと民間の方にお願いしているし。なかなかあれです ね。  なかなか給料低いもんですから、お願いするのも結構大変でして。 ○松田委員  経営責任の一端を担っているわけだから当然ですよね。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  それはそうですけどね。 ○松田委員  これは駄目ですね。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  そうですか。ちょっとまた検討してみますけど。 ○松田委員  こういうでたらめやっちゃ駄目ですよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  いや、そんなつもりは全くないんですけどね。もともと額が低いもんですから、 これ以上下げると、もう人がとれなくなっちゃうんじゃないかと思ったんですよ。 ○松田委員  いや、来る人いますよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  いや、名誉というほどのポストでなくなっていますから。昔は、名誉あるポス トだったんでしょうけれども、今は独立行政法人で、なってもなかなか大変なポ ストなので。ちょっと検討してみます。 ○松田委員  それから、もう1つ、これ期限はないんですね。  例えば、機構の今回の評価は、B以上ですよね、間違いなく。それに対して、 どうしてこれ、9.5%もずっとやっていくんですか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  これは、先ほど来、説明申し上げてますけど、職員の給与を下げるときに、役 員の給与を下げたんです。4.何%。やっぱり職員に痛みを我慢してもらうという 意味で、やっぱり役員はもっと下げる必要があるだろうという判断になったんだ と思います。 ○松田委員  もう経営者の責任でしょう。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  まあ、そうなんですけれども、しかし、そこはなかなか職員の感情もあって、 ということで、私がやったんじゃないんでという、最後の話になるんですけれど も。 ○松田委員  そういうふうな感情的に給料を決めるものじゃないですよ。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  それはそうなんですけどね。ただ、職員も頑張っているところ、給料を下げざ るを得なかったので、理事が頑張っているとしても、下げるのはやむを得なかっ たんじゃないかと思いますけど。  今さら、上げるという、本当は評価が高ければ役員の給与は上げるとか、ボー ナスで上げますという議論だったんですけど、なかなか独法の状況が厳しくて、 さっきの篠原先生のお話と同じように、評価が高いから給料を上げるとかという のはなかなか難しいと。  ボーナスは何かやれる規定になっているんですけれども。 ○井原部会長  理事長、考え直してみますとおっしゃいましたけど。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  いや、検討してみます。これはちょっと難しいんじゃないかと思ってます。 ○井原部会長  だけど、今日、決定しなくていいんですか、これは。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  いや、これは違います。  これは関係ありませんので、議題じゃありませんから。規程だけですので。 ○松田委員  十分、考慮してください。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  今の任期の方の間はちょっと無理じゃないかと思いますけど。それで約束しち ゃってますから。どうするかちょっとまたよく考えてみますが、ちょっと難しい かなと思いますね。相当低い給料なんで。 ○井原部会長  そのほかに何かございますか。  それでは、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、この変更につきましては、本部会としては意見はないということに したいと思います。  よろしければ、意見なし、そういうふうに決定したいと思います。  それでは、本日の議事は以上となります。  政策評価官室から次の部会の日時等についてお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の第47回労働部会の開催についてご連絡いたします。  日時は、7月25日、来週金曜日の13時から19時まで。場所は、本日と同じくこ こ省議室においてです。議題については、労働者健康福祉機構と勤労者退職金共 済機構の個別評価についてとなっております。  なお、評価シートへの書込みがまだ終わられていないという方がいらっしゃい ましたら、評価シートはお帰りになるまで回収いたしませんので、引き続きご記 入いただいて結構です。  また、お持ち帰りによって記入されたいという方がおられましたら、この後、 事務局までお声をかけてください。  以上です。 ○篠原部会長代理  今日は3時間半審議して、その間休憩がなかったんですが、今後入れていただ きたいような気がします。 ○政策評価官室長補佐  考慮いたします。 ○井原部会長  それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたりご熱心なご審議 ありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)