08/07/09 平成20年7月9日中央社会保険医療協議会調査実施小委員会議事録 08/07/09 中央社会保険医療協議会 第24回調査実施小委員会議事録 (1)日時  平成20年7月9日(水)11:28〜11:50 (2)場所  東海大学校友会館阿蘇・朝日の間 (3)出席者 遠藤久夫委員長 牛丸聡委員 小林麻里委員 白石小百合委員        対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員         松浦稔明委員 竹嶋康弘委員 藤原淳委員 邉見公雄委員        渡辺三雄委員 山本信夫委員        <事務局>        木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長        真鍋数理企画官 他 (4)議題  ○小委員長の選挙について        ○第16回医療経済実態調査について  ○事務局(原医療課長)  それでは、委員そろっておりますので、始めたいと思います。  医療課長でございます。  去る4月23日の中医協総会におきまして、調査実施小委員会に所属する公益委員に 変更がありましたので、小委員長が選出されるまでの間、私のほうで司会進行をさせて いただきます。  ただいまより第24回中央社会保険医療協議会調査実施小委員会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告します。  本日は全員が御出席でございます。  また、保険局長は所用のため欠席をさせていただきます。  それでは、早速議事に入らせていただきます。  本日はまず、小委員長の選挙を行いたいと思います。小委員会には中央社会保険医療 協議会議事規則第13条第2項の規定により、公益を代表する委員のうちから委員の選 挙した小委員長を置くこととされております。小委員長につきましては、総会の例によ りますと、1号側及び2号側の御意見を伺った上で御賛同があれば決めていくというこ とになっております。小委員長についてもこのような方法をとりたいと考えますが、よ ろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○事務局(原医療課長)  それでは、そのように進めさせていただきます。  まず、1号側の委員から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  対馬委員、お願いいたします。 ○対馬委員  調査実施小委につきましては、以前も土田会長が調査実施小委員会の小委員長をされ たということですし、調査実施小委員会の役割、性格等を考えますと、やはり中医協全 体の進め方等々大いにかかわってくるというふうに思いますので、今回も遠藤会長が調 査実施小委員会の委員長もしていただければ大変ありがたいと、私どもはそう思います。 ○事務局(原医療課長)  続きまして、2号側の委員、いかがでございましょうか。  藤原委員。 ○藤原委員  ただいま1号側の対馬委員から推薦のありました遠藤委員に2号側としても異議がな いというか賛成でございます。 ○事務局(原医療課長)  1号側、2号側とも遠藤委員を御推薦いただきましたが、遠藤委員に小委員長をお願 いするということでよろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○事務局(原医療課長)  ありがとうございました。  それでは、遠藤委員に小委員長をお願いいたします。遠藤委員長より一言ごあいさつ をお願いいたします。 ○遠藤委員長  ただいま小委員長に御推挙いただきました遠藤でございます。  当小委員会は医療経済実態調査を行うという極めて重要で、かつ調査の組織としては 最も古い組織でございますので、これを正確にやるということが大事な役目だと思って おりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  ありがとうございました。  それでは、座席の変更をお願いいたします。 ○遠藤委員長  それでは、早速議事に移りたいと思います。  本日は第16回医療経済実態調査報告につきまして議題としたいと考えております。  第16回医療経済実態調査につきましては、既に平成19年10月26日に調査結果 を速報といたしまして事務局より報告を既に受けております。本日は医療機関等調査及 び保険医療調査の本報告ができているということでありますので、それぞれの報告を受 けたいと思います。  それでは、事務局よりお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保健医療企画調査室長でございます。  ただいま小委員長から御説明がございました平成19年10月26日に速報という形 で報告をさせていただいております。本日、私のほうからは医療機関等調査について御 説明をいたします。報告の冊子の分厚いものが2冊、特に厚いものと少し薄手の冊子が ございます。私のほうからは医療機関等調査報告の概要、薄手のほうにつきまして御説 明をいたします。基本的には昨年10月末に御説明をした内容と同じでございます。そ ういう意味では少しはしょらせていただきますが、簡潔に御説明申し上げます。  1ページをおめくりください。  調査の概要というページがございます。平成19年6月に実施をした調査で、2番の ところに抽出率の表がございます。病院5分の1、一般診療所25分の1、歯科診療所 50分の1、保険薬局25分の1ということでいたしました。3番のところの表で特に 有効回答率をごらんください。病院57%から始まって数字が並んでおりますが、今回 の医療経済実態調査におきましては、前回の調査に比べまして、病院を除けば回答率は 上がっております。病院のみ回答率が若干下がっていると。ひとつここは回答率を上げ るということは次回に向けてのまた課題になろうかと考えております。  概要の仕組みは、病院から始まって個別に表がずらっと並んでおります。かいつまん で申し上げます。  10ページから病院の表が出ております。10ページから15ページが病院の表でご ざいます。いずれも設置主体別に並んでおりますが、表で申しますと、医業収支差額と いうところが私ども報告のときにもポイントとして御説明をしたところであります。病 院に関しましては、概して申しますと、全体的に赤字傾向が強まっていたと、2年前、 平成17年に比べて19年は赤字傾向が強まっていたという傾向でございます。ただ、 設置主体によってかなり差があるということが見てとれます。  先にどんどん進ませていただきます。18ページから診療所、22ページから歯科診 療所、24ページから保険薬局というふうに並んでおります。いずれも診療所、歯科診 療所について申し上げますと、相対的には病院に比べて安定的な傾向なのかなと。薬局 はやや収支が改善している傾向が見えるのかなといったことでございました。  26ページからが機能別の収支の状況というものを調査しております。今回の調査に おいて特に新たに調査集計をしたものというのが28ページのDPC病院でありました り、29ページのこども病院でありました。こども病院に関しましては、収支状況は極 めて収支が悪いといったこともございまして、今回改定でも小児入院管理料などの手当 てをしたところでございます。  また、35ページであります。今回の調査で新たに調査集計をしたものという意味で すが、一般病院の入院基本料別に収支を見てみるといったことをしております。例えば この35ページで申しますと、10対1の収支状況などが悪かったというようなことが 出てございます。  また、38ページからは規模別の病院の収支を見ておりますが、大規模に、規模が大 きくなるほど赤字の傾向が強いといったことが見てとれております。  42ページから診療所でありますが、有床診療所、無床診療所、また設置主体ですと か診療科別といろいろな切り口で集計をしております。ただ、ここにつきましては、小 分けをしていけばいくほどサンプル数が少ない診療科等が出てまいります。その辺は昨 年の秋にも議論が調査実施小委で行われておりまして、サンプル数の少ない診療科につ いての扱いなどが議論になったところでございます。  また、保険薬局に関しまして、今回の調査では後発品にちょっと注目をした調査をし ております。64ページから後発品の医薬品の調剤割合に応じた収支状況ですとか、ま た67ページから備蓄の割合に応じた収支の状況などを見ていると。これも新しく取り 組んだところでございました。  また、75ページは病院の平均給料月額というのを調べておりますが、78ページ、 79ページは、今回診療所につきまして、医療法人立の診療所につきましては給料とい うものを初めて今回集計させていただいたというところがございます。  それから、84ページからは療養病床の関係でございます。療養病床全般的に申しま すと、療養病床60%以上の一般病院を見ますと、病院全体の中では相対的には経営が まだほかよりはよいという傾向が見てとれたということです。  それから、最後120ページから定点観測というものを集計しております。これにつ きましては、抽出をしたときに17年の調査と重なったところについて集計をしたと。 病院の規模などのぶれがない集計ができるという意味では定点観測のところがあります。 若干そのサンプル数がそれほど多く出てこないあたりも少し課題になるかなといったと ころでございます。  分厚い冊子のほうはこれをより細かく集計をしたものでございます。私のほうから医 療機関等調査については以上でございます。 ○事務局(真鍋数理企画官)  数理企画官でございます。  私のほうから保険者調査につきまして説明申し上げます。  保険者調査につきましても、概要という形のものと報告というもの、2種類用意させ ていただいておりますが、概要に沿いましてかいつまんで御報告申し上げます。  まず、1ページです。  18年度末の保険者数は、3,602ということでございます。16年度末から比べ まして、757保険者減っておりますけれども、これは主に市町村合併によりまして、 市町村国保の保険者数が大幅に減少しているということによるものでございます。  それから、3ページですが、3ページは18年度の決算事業状況につきまして、全制 度を並べて比べたものでございます。これは速報でも御報告申し上げておりましたが、 今回確報ということでございまして、健保組合と市町村国保につきまして、速報と若干 数値が動いておりますけれども、基本的には市町村国保は赤字でございますが、その他 の制度は全て黒字ということでございます。  それから、4ページからは健保組合の状況というところでございます。  まず、健保組合の被保険者数自体は2年前と比べまして63万人ほど増えております。 ただ、被扶養者数が20万人強減っておりまして、扶養率が下がっています。それから、 真ん中の表でございますが、標準報酬月額、それから標準賞与ともに減っておりまして、 総報酬も減っているということでございます。ただ、平均保険料率を見ていただきます と、2年前と比べまして1.660/00下がっているというところでございます。  5ページでございますが、先ほど平均保険料率が下がっているということを申し上げ ましたが、真ん中に平均所要保険料率というものを計算しておりますが、やはり2年前 に比べまして下がっており、これにより、保険料率を下げることができているというこ とだと思います。  6ページでございますが、これは16年度と18年度の保険料率についてクロス表で 見てみたものでございます。斜め下の対角線が保険料率が変わっていないあるいは変動 が小さい保険者数でございます。その対角線より上が下がっている保険者、下が上がっ ている保険者ですが、個別に見ますと、この1,531保険者のうち126の保険者が 保険料率を上げており、859の保険者が変更なく、546の保険者が下げているとい うことでございます。大体4割弱が下げていて、6割弱が変わっていないというところ でございます。  7ページでございますが、平均収支比率というのが真ん中辺にございますが、平均収 支比率というのは収入に対して支出がどうかということでございますので、低ければ低 いほど財政状態がいいということになるわけですけれども、若干悪化しているというこ とでございます。  それから、8ページになりますが、8ページは共済組合の状況でございます。共済組 合は被保険者数、被扶養者数ともに減っておりまして、扶養率も下がっているというと ころでございます。やはり真ん中の表を見ていただきますと、共済組合につきましても、 標準報酬月額、標準賞与ともに減っておりまして、総報酬も減っているということでご ざいます。平均保険料率につきましては、2年前に比べてプラス0.90/00ということで 上げているというところでございます。  9ページからは国民健康保険の状況でございますが、国民健康保険につきましては、 世帯数は増えております。世帯数、被保険者数ともに増えておりますが、被保険者数の 増加は非常に微々たるものでございまして、世帯あたりの被保険者数は減っているとい うところでございます。真ん中ですけれども、1世帯あたり保険料につきましては、2, 331円の増加です。それから収納率は0.23%改善しているというところでござい ます。  それから、ちょっと飛ばしまして、11ページから土地に関する調査、それから13 ページから直営保養所・保健会館に関する調査結果でございますが、これにつきまして は、速報で御報告申し上げたのと全く同じ結果でございますので割愛させていただきま すが、基本的には整理が進んでいるという結果になっております。  以上です。 ○遠藤委員長  ありがとうございました。  医療機関等調査のほうで速報と本報告で数字が違っているようなところはございます か。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  特に違っているところはございません。 ○遠藤委員長  わかりました。ありがとうございます。  これにつきましては、速報で既に議論がされているところでありますけれども、改め て御質問、御意見があればお聞きしたいと思います。いかがでございましょうか。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  先ほどの概要の説明のところで、診療所また歯科診療所は安定したというお話があっ たんですが、これについては昨年の10月、11月に歯科のほうで説明させていただい たように、前回比9%のマイナスだった、大きなマイナスだったということからします と、安定ということで今日包括されましたのは、ちょっと私として納得いかないので、 その点を御指摘しておきたいと思います。 ○遠藤委員長  これは説明の中での言葉ということでありますので、何かございますか、事務局。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  評価はむしろ中医協でしていただくことで私の説明は少し行き過ぎたかもしれません が、私、相対的にということをつけ加えたわけで、相対的に安定していると申し上げた ということだけちょっと説明させていただきます。 ○遠藤委員長  ありがとうございます。そのように渡辺委員の御発言があったことは記録にとどめて おきますので、ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  これは医療経済実態調査の報告の概要(案)のほうですけれども、78ページの有床、 無床の院長の平均給与が出ておりますけれども、いつもこの200万とか230万です か、その辺が一人歩きしているんですけれども、この中身についてどういうふうな形で この給与を出されているのか。私今回初めてですので、ちょっと分からない部分があり ますので、ちょっと御説明いただきたいと思いますが。 ○遠藤委員長  調査の方法ということですね。  それでは、ちょっと調査の方法として今分かる範囲で御説明いただけますか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  78ページ、79ページのところですけれども、これは医療法人立の診療所の調査票 の中に医療法人でございますので、人件費の中で給与として出していただいているもの について調査票の中で記載をしていただいて、それをまとめたものでございます。 ○遠藤委員長  ありがとうございます。  藤原委員、よろしいでしょうか。 ○藤原委員  この中には例えば設備投資とか退職金とか、そういったことは入っていないんですよ ね。 ○遠藤委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  これはあくまで法人をつくっていただいていますので、法人のものだけでございます ので、医療法人として払っている給与というもので出してございます。したがって、医 療法人としてほかにもろもろ経費、設備投資をしたり、それはまた別の集計になります。 そういう意味では、これは法人ではなくて、全く個人立でやっておられる診療所の場合 は、これは別でございます。ここには出ておりません。 ○遠藤委員長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかに、邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  35ページに一般病棟入院基本料別の収支状況が出ておりますけれども、4月の改定 でお世話になりました10対1がやはり一番悪いというのは、これ随分としっかり出て います。今度31点つけていただきましたけれども、これによってどれぐらいよくなる かということを期待というか、ここが一番地域医療の根本的な主力部隊であろうと私思 っておりますので、今回の改定というか調査に期待しております。感想です。 ○遠藤委員長  ありがとうございます。  また今回の調査も素案をつくって御検討いただきますので、その節にまた御意見をい ただければと思います。  ほかにございますか。  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  この実調の調査の仕方については、また後ほど議論がありますね。そのときにも言わ せてもらいますけれども、もう医療費33兆円にもなっているわけですから、ただ、こ の一月だけの短期間の調査に基づいて、それでほとんどを網羅したような議論をするこ とがいいのかどうか、そういうことももうぼちぼち抜本的にこの調査のやり方も見直さ なきゃならん時期に来ているんじゃないかと、私はそういうふうに思いますけれども、 意見として申し上げておきます。 ○遠藤委員長  わかりました。当然新たに調査の議論をしますので、そのときにぜひまたおっしゃっ ていただきたいと思います。つまり今のお話は1回だけではということですね。もう少 し期間を置いてというようなニュアンスだととらえてよろしいわけですね。 ○松浦委員  いや、あとでは申し上げますが、ただ、6月一月でしょう。これで言ってみれば1年 間の傾向もこれでつかんでしまうわけですね。だから、そういうことじゃなくて、例え ば年間を通じてのデータ等もこれだという言い方を今は言いませんが、もっと幅を広げ た考え方もしてみる必要があるんじゃないかと、こういうことでございます。 ○遠藤委員長  ありがとうございました。承っておきます。  ほかにございますか。よろしいですか。  それでは、ほかに特に御質問がないようでございますので、本小委員会の調査結果と しまして、この本報告書を総会にて御報告させていただきたいと思いますけれども、そ のような形で御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤委員長  そのようにさせていただきます。ありがとうございました。  それでは、本日の小委員会はこれにて終了したいと思います。  次回日程について事務局から何かございますか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  追ってまた日程を調整させていただきます。 ○遠藤委員長  ありがとうございます。  それでは、これにて閉会したいと思います。ありがとうございました。 【照会先】   厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係   代表 03−5253−1111(内線3287)