08/07/09 中央社会保険医療協議会総会平成20年7月9日議事録 08/07/09 中央社会保険医療協議会          第131回総会議事録 (1)日時  平成20年7月9日(水)11:52〜12:33 (2)場所  東海大学校友会館阿蘇・朝日の間 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <事務局>       木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官        八神保険医療企画調査室長 真鍋調査課数理企画官 他 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○臨床検査の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○平成18年度診療報酬改定結果検証特別調査に係る報告書について            ○第16回医療経済実態調査の報告について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、委員の皆様御着席のようでございますので、これより第131回中央社会保 険医療協議会総会を開催したいと思います。  本日の出席状況でございますけれども、大島専門委員が御欠席になっております。  また、保険局長は所用のため欠席される旨の御連絡を受けております。  それでは、初めに医療機器の保険適用について議論したいと思います。  医療区分A2(特定包括)及びB(個別評価)それぞれについて事務局から御報告いた だきたいと思います。お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料、中医協総−1をごらんいただきたいと思います。  こちらにまず1ページ目から新たな保険適用としまして、この7月1日から適用開始さ れましたものがございます。まず、区分A2(特定包括)(特定の診療報酬項目において 包括的に評価されている区分)ということで、1ページ目と2ページ目にわたりまして6 2件ございます。  続きまして、3ページ目、区分B(個別評価)(材料価格として個別に評価されている 部分)がございます。3ページに書いてございますように、26件でございます。  医科につきましては、合計で88件ということになります。  続きまして、4ページをごらんいただきたいと思います。  ここから歯科でございますが、まず、A2につきましてはごらんの1件でございます。  続きまして、Bにつきましては4ページ、5ページにわたりまして49件ございます。  以上、歯科につきましては合計50件ということで、医科、歯科合わせまして今回は1 38件ということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。定例の御報告でありますけれども、何か御意見、御質問ござ いますでしょうか。  よろしゅうございますか。  それでは、ただいま御報告にあった件につきましては、このあたりにしたいと思います。 ありがとうございます。  引き続きまして、臨床検査の保険適用につきまして、事務局から御報告をいただきたい と思います。お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料、中医協総−2をごらんいただきたいと思います。  こちらに区分E3、新項目として1件ございます。測定項目はTRACP−5bの定量 ということで、骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼとなってございます。測定方法は 定量的酵素免疫測定法、主な測定目的として血清及びヘパリン血漿中の骨型酒石酸抵抗性 酸性フォスファターゼ量の策定ということで、点数は160点、判断料、その一番下の欄 にございますが、生化学的検査(II)の判断料144点ということでございます。  内容につきましては、1枚めくっていただきまして、2ページ目でございますが、主な 対象としまして、代謝性骨疾患及びがんの骨転移ということでございますが、骨転移でも 骨折の併発がないものということになってございます。その下に有用性について書いてご ざいますけれども、こういった疾患について従来の骨代謝のマーカーというものは、腎機 能の影響あるいは生理的変動が大きいなどの問題があったんでございますけれども、今回 のこのTRACP−5bを測ることができるようになったということで、その日内変動も 小さく、食餌や腎機能の影響が少ないと、こういうすぐれた特徴を持つということでござ います。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それぞれは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、本件につきましては中医協として承認するということにしたいと思いますが、 よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、引き続きまして先進医療専門家会議の検討結果について議題としたいと思い ます。  事務局より資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料、中医協総−3をごらんいただきたいと思います。  今回は受付番号125番となっておりますが、この1件でございます。先進医療名とし まして、バイオ細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断ということでご ざいまして、先進医療費用としては8万3,000円、保険外併用療養費としては1万5, 000円ということになっております。総評は「適」ということで、内容につきまして、 1枚おめくりいただきまして、2ページ目に別紙1というのがございます。  こちらにまず先進性として書いてございますが、この先天性の代謝異常症は、酵素欠損 によってある物質が体内に蓄積したりして起こるわけでございますが、今回のこの脂肪酸 代謝異常症あるいは有機酸代謝異常症につきまして、従来、肝生検あるいは筋生検といっ た非常に侵襲性の高い検査を行っておったわけですけれども、今回の検査はその下の概要 というところに書いてございますが、静脈血液5から10mlまたは米粒大の皮膚片からそ ういうものをとってきて培養して、培養リンパ球あるいは培養皮膚繊維芽細胞、こういう ものをつくって、それによって検査をすることができるということで、非常に侵襲性が低 くて確実な診断ができるようになったということでございます。効果に書いてございます が、これによって的確な治療方針を立てることができて、また遺伝相談にも役立てること ができるということでございます。  次の3ページ目に評価用紙として先進技術としての適格性について妥当、問題なしとい うことが書いてございます。ただ、社会的妥当性、倫理的問題等があるというふうに書い てございますが、これにつきましては、やはり遺伝学的検査ということで、遺伝カウンセ リングの実施体制が必須であるということになってございまして、次のページ、4ページ のところでございますけれども、今回の技術についての医療機関要件、例えば資格のとこ ろでは小児科専門医、産婦人科専門医または臨床遺伝専門医というものを要件とする。あ るいは一番下のほうのその他の要件のすぐ上にございますが、その他に書いてございます 遺伝カウンセリングの実施体制が必要というようなことにしてございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  これは先進医療専門家会議がこのように決めたということでございますけれども、中医 協としてももし特段の意見があれば何か申し上げることはできるということでありますの で、御質問、御意見承ればと思いますが、いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、特段の意見は中医協としてはないということにさせていただきたいと思いま す。ありがとうございました。  次に、平成18年度の診療報酬改定結果検証の特別調査に係る報告書について議題とし たいと思います。  平成18年度診療報酬改定の結果につきましては、本日の診療報酬改定結果検証部会で 最終報告書案について議論を行ってきました。これを踏まえまして、本報告書がまとまり ましたので、庄司部会長より御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○庄司委員  平成18年度診療報酬改定の結果検証につきましては、平成19年度特別調査として9 項目の調査を実施したところでございます。この調査結果につきましては、速報として昨 年の10月10日と11月7日に検証部会に報告を行いまして、その後、総会におきまし て平成20年度診療報酬改定の議論に御活用いただいているところでございます。  このたび最終的な報告書を検証部会において取りまとめましたので、これを御報告いた します。報告につきましては、事務局よりお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  お手元の資料、中医協総4−1から4−9までございます。今、検証部会長から御説明 ありましたように、昨年10月、11月にかけて速報という形で報告をいたしております。 調査結果自身は速報のときと変わっておりません。今回、本報告ということでまとめてお りますが、いずれの本報告書も一番後ろに調査票がついておりまして、その手前にまとめ とございますので、そこをごらんいただくのが一番ポイントが書かれているということで ございます。時間の関係もありますので、少し駆け足で申し上げます。  総4−1、セカンドオピニオン外来でございます。セカンドオピニオン外来の実施医療 機関の利用状況調査ということで、セカンドオピニオンにつきましては、18年の改定で 点数を設けました。その結果によりまして、セカンドオピニオンの専門の窓口をつくった り、件数がふえるといったいい改定のねらいに沿った結果が出ているということでござい ます。  総4−2でございます。生活習慣病管理料算定保険医療機関における患者状況というこ とでございます。同じように調査票の前にまとめが書かれておりますが、これにつきまし ては、18年度改定によって詳しい計画書を書くといったことの影響等を見ていますが、 検証の結果といたしましては、患者さんにとってもいい効果が出ているという一方で、計 画書が少し書くのが煩雑であるといったことですとか、報酬が少し高いために患者さんに 算定をするのがちょっと気が引けるといった声が出ておりました。これを踏まえまして、 20年度の改定で計画書の簡素化、記入の簡素化を図るとともに、診療報酬を少し下げる といった改定に検証結果を踏まえてつなげたところであります。  総4−3です。地域連携診療計画管理料でございます。18年度で大腿骨頚部骨折につ きまして、いわゆるクリティカルパスというものをつくったと。これを検証しましたらば、 入院期間の短縮などにつながっているという結果が出ました。これを踏まえまして、20 年度におきましても、対象疾患を脳卒中に広げるといった改定に検証結果を生かさせてい ただいております。  総4−4であります。紹介率要件であります。紹介率要件を18年度で廃止しておりま す。これによって、病院における紹介率、紹介件数などが下がっていないだろうかという ことが懸念をされておりました。結果で申しますと、紹介率、紹介件数ともむしろ上がる 傾向が続いているということでございました。そういう意味では、悪影響はなかったとい う検証結果になってございます。  次が総4−5、医療安全管理対策です。医療安全管理責任者を置いた場合の加算の点数 を設けました。検証結果におきましては、医療安全対策の情報の一元化ですとか、責任の 体制の明確化といったことにつながったといった結果が出ております。  それから、総4−6です。縟瘡管理対策でありますが、縟瘡の管理者というものを配置 した場合の加算の点数をつけております。これによって、検証の結果ですけれども、縟瘡 の例えば研修カンファレンス、縟瘡に関するそういったものの回数がふえておりましたり、 縟瘡の発生率についても減少するといった結果が見えるということでございました。  総4−7です。透析に関しまして影響調査ですが、18年度改定のポイントが2点ござ いました。夜間・休日の透析の加算の引き下げ、それから薬剤の包括化といったことによ って、夜間・休日の診療体制が減っていないか、あるいは薬剤を包括化した影響で貧血の 患者さんがふえていないかといったことが調査の対象でございました。結果で申しますと、 夜間・休日加算を引き下げましたが、夜間・休日の透析をふやそうというところと、減ら そうというところの両方ございました。直接にこの加算の引き下げが影響していることは ないのではないか。また、薬剤の包括化をしておりますが、貧血の患者さんがこれによっ てふえているというふうには検証結果ではそういう影響は見受けられないといった結果が 出ております。  それから、総4−8、ニコチン依存症管理料でございますが、これにつきましては、2 年継続で調査をいたしました。結論で申しますと、5回の指導を受けた方の禁煙継続率は 45%を超えると比較的いい成功率ではないか。回数が少ない方はそれだけ成功率は減っ ていると。一定の禁煙の効果は見られたのではないかということでございます。ただ、こ れ20年度の改定での結果検証でもまた引き続きやるということになっています。  総4−9でありますが、後発医薬品の使用状況調査ということで、18年度改定のとき の処方箋様式の改定の結果、後発品の使用が促進されたかということですが、後発品の使 用促進という意味では、もう少し促進策が必要ではないかということでございました。ま た、薬剤料の検討なども調査の中でしてございます。この結果を踏まえまして、20年度 改定におきまして、処方箋の様式をさらに変更するという改定につなげたところでござい ます。18年度改定につきましては、全部で今回9項目御報告をしていますが、前年度、 18年度の間に5項目実施をしております。全部で延べ14の項目がございました。2年 継続したものが2つございますので、トータル12の項目の検証を行いまして、18年度 にリハビリテーションの再改定を行ったことも含めまして、12項目のうち6つの項目に つきまして、20年度改定までにその結果を踏まえた修正、見直し等を行ったと。残りの 6つにつきましては、当初想定、期待をしていた効果が見られたあるいは悪影響はなかっ たというようなことでございました。  私のほうからは以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいま9本の調査結果についてその概要が御報告されましたけれども、何か御意見、 御質問ございますでしょうか。  これも今お話いただいたような内容につきましては、既に昨年度速報で御報告していた だいておりますので、改めてもしかしたら御意見はないのかもしれませんけれども、何か ございますか。  よろしいでしょうか。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。どうもありがとうござい ました。  それでは、続きまして、第16回医療経済実態調査につきまして議題としたいと思いま す。  本件につきましては、医療機関調査と保険者調査につきまして、本日開催されました調 査実施小委員会におきまして調査結果が取りまとめられましたので、私が小委員会の小委 員長を務めておりますので、私のほうから簡単にその概要についてお話をさせていただき たいと思います。  第16回の医療経済実態調査でございますけれども、この調査は医療機関、保険薬局に おける医業経営等の実態及び医療保険の保険者の財政状況の実態を明らかにするという目 的のために行われております。そこで、医療機関等調査につきましては、平成19年六月 の状況を、また保険者調査につきましては平成18年度の状況をそれぞれ調査しておりま す。この場をかりまして、このたびの調査に御協力いただきました医療機関、保険薬局、 保険者の皆様及び関係者各位にこの場をおかりしまして御礼申し上げたいと思います。  それでは、先ほど開催されました調査実施小委員会で審議されました報告の内容につい て御報告いたしますけれども、詳細につきましては、事務局からお話いただきたいと思い ます。よろしくお願いします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  お手元の資料で平成19年6月実施、第16回医療経済実態調査(医療機関等調査)報 告の概要と。私のほうから医療機関等調査のほうの御報告を簡単にさせていただきます。  1ページをお開きいただいて、調査の概要のところをごらんいただきますと、19年6 月に実施をした調査でございます。3番の表のところで有効回答率をごらんいただきます と、病院が若干前回17年の調査に比べて回答率が落ちておりますが、そのほかは回答率 は上がっております。回答率を引き上げるというのは次回に向けての大きなまた課題だろ うと思っております。  それから、中身は数字につきましては速報で御報告をしたものと変わりませんので省か せていただきますが、10ページから病院、18ページ以降、診療所、22ページから歯 科診療所、24ページから薬局というように収支が並んでございます。数字は先ほど申し ましたように、前回の速報と変わってございません。  それから、今回の調査におきましては、26ページ以降に病院機能別の収支状況という のがございます。新たな調査といたしましてDPC対象病院ですとか子供の専門病院とい ったものを調べさせていただいたことですとか、35ページにあります入院基本料別の収 支状況なども新たに今回調べさせていただいたといったところが一つの特徴であります。  また、薬局に関連をいたしまして、後発品との関係で調剤割合ですとか備蓄状況に応じ た収支状況といったものも64ページ以降でございますが、調べております。これも今回 の調査で初めてやってみたというところです。  それから、75ページから病院と診療所の給与というものを出しております。病院の給 与については今までも出しておりますが、診療所につきましては、医療法人をつくってい る診療所の御協力をいただいて数字を出させていただいたといったところが今回の医療経 済実態調査で新たに行った部分でございます。数字につきましては、何度も申しますが、 速報のときと変わらない数字となってございます。  私のほうからは以上です。 ○遠藤会長  では、引き続き保険者調査をお願いします。 ○事務局(真鍋数理企画官)  数理企画官でございます。  ちょっと薄めの保険者調査報告の概要(案)、それから保険者調査報告(案)と2種類 用意しておりますけれども、本日は時間の関係もありますので、概要に沿って簡単に説明 申し上げます。  まず、1ページでございますが、これは全体の保険者数ということでございまして、2 年に1回ということで、16年度末に比べまして757保険者減りまして3,602保険 者になっております。基本的には市町村合併に伴って、市町村国保の保険者数が大きく減 少していることによるものでございます。  次に3ページでございますが、これは速報でも御報告申し上げたものですが、制度別の 決算状況でございます。速報のときと健保組合と市町村国保につきまして、若干数字が変 動しておりますけれども、大きく変わっておりませんで、結論といたしましては、市町村 国保につきましては赤字でございますが、その他の制度は黒字というところでございます。  それから、4ページからが健保組合につきましてもうちょっと詳しく見たものでござい ます。これは速報のときには報告していないものでございますが、まず、健保組合の被保 険者数は63万人強増えております。それから、被扶養者につきましては逆に20万人強 減っているということで、扶養率が0.06下がっています。それから、真ん中の段です けれども、平均の標準報酬月額につきましては、この2年間で2,000円、標準賞与に つきましては7,000円、総報酬につきましても2万8,000円減っているという結 果になっております。  その右側に平均保険料率がございますが、保険料率につきましては1.660/00下がって いるという結果になっております。  それから、6ページでございますが、その保険料率の変動状況をクロス表で見たものが 表5でございます。16年度から18年度にずっと存続していた健保組合につきまして、 保険料率が2年前と今回とどう変わったかというものを表にしたものでございまして、そ ういう意味で言うと、斜めの対角線、右下に向かう対角線、ちょっと濃くしてある部分で すけれども、これが基本的には変わっていないあるいは変動が小さい保険者でございまし て、それより右上が下げている保険者、左下が上げている保険者ということですが、この 1,531保険者のうち8%に当たります126保険者が保険料率が上がっておりまして、 56%に当たる859の保険者が保険料率は変動なし、36%の546保険者が保険料率 を下げているという結果でございます。  それから、8ページでございますが、これは共済組合について見たものですが、共済組 合につきましては、被保険者数、被扶養者数ともに減っておりまして、扶養率も0.15 下がっているということでございます。やはり健保組合と同様に真ん中の欄でございます けれども、標準報酬月額、標準賞与ともに下がっておりまして、総報酬額も5万7,00 0円下がっているということです。  その右側の平均保険料率につきましては、2年前に比べまして0.900/00上がっている というと結果になっております。  9ページからが国民健康保険の状況でございますが、世帯数は71万強増えております けれども、被保険者数は7,000人の増ということで、世帯あたり被保険者数が0.0 5人減っているということと、真ん中ですけれども、1世帯あたり保険料が2,331円 増加しているということ、それから収納率は0.23%改善しているということでござい ます。  それから、11ページからはちょっと表の形式は違いますが、速報のときにもお示しし た健保組合と共済組合につきましての土地及び直営保養所、保健会館に関する調査結果で ございまして、この結果につきましては、速報の段階と数値等も全く変わっておりません。 基本的にはやはり土地とか施設の整理が進んでいるという結果になっております。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいまの御報告につきまして、御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、ただいま御報告ありました第16回医療経済実態調査の結果につきましては、 実施調査小委員会からの報告のとおり中医協として了承するということにしたいと思いま す。よろしゅうございますか。  それでは、本日の総会はこれにて終了……どうぞ、勝村委員。 ○勝村委員  すみません、ちょっと戻って恐縮なんですけれども、先ほどの先進医療専門家会議の件 に関して、直接この案件についてではないんですけれども、以前にも少し御質問させてい ただいたんですけれども、今回の案件でも倫理委員会によるしっかりとした審査体制が必 要だということが要件になっておるわけですけれども、その倫理委員会の構成や運用基準 というものがどういうものなのかということについては、それぞれの病院が、勝手にこれ が倫理委員会だと独自に決めるというよりは、厚労省のガイドラインがあるということで、 その厚労省のガイドラインにのっとった倫理委員会が設置されているということが要件だ というふうに聞いておるんですが、一方で、割と大きな特定機能病院とかそういう病院で もなかなか厚労省のガイドラインに沿った倫理委員会ができていないのではないかという ような新聞社の調査などの報道もありますので、これを機に、倫理委員会をガイドライン に沿ったそういうものに近づいていけばいいと思いますので、この先進医療を実際に認め られる医療機関に対して、倫理委員会がガイドラインに沿っているのかどうかを確認して いただくとか調査していただくとか、そういうことをしていただくことは無理でしょうか。 ○遠藤会長  これは基本的に御意見としてまずは承りまして、ただ、これは直接的にこの中医協が先 進医療会議にどの程度関与できるかという問題と絡んでまいりますので、ちょっと事務局 にその辺の判断を仰ぎたいと思います。どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  ただいまの件については、ちょっとまず、先進医療専門家会議のほうでも御議論いただ いたらどうかというふうに思うんですけれども、そういうことでもよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  それでは、中医協の議論の中で、意見としてそのようなものがあったということを専門 家会議のほうに投げていただくという形にしていただきたいと思いますが、それでよろし ゅうございますか。  では、そのようにさせていただきます。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  そのほかの件なんですが、この6月4日に総会で外来管理加算の5分要件について、こ れは医療現場の柔軟な対応あるいは工夫を著しく損なうものだと。現場も混乱していると いうようなことを申し上げ、一刻も早い見直しをここで要望させていただきました。これ は検証以前の問題だとしてとらえたからそのような発言をさせていただいたわけなんです が、しかし、この外来管理加算の5分要件の根拠となったと思われます厚労省の中医協提 出資料の19年12月7日の内科診療所の患者1人あたりの平均診療時間分布について、 厚労省もこれはもう既に御承知かと思いますけれども、データの不正流用、不正使用では ないかとの問題が起こっております。また、私どものところにも時間外診療に関する実態 調査に協力した県からこのことにつきまして、この事実関係を確認せよと強い要望といい ますか、抗議がきておりますけれども、この件につきまして、これが本当に事実なのかど うか、これほど問題が大きくなりますと、私どももこれを問いたださざるを得ない立場で ございますので、経緯を説明していただきたいと思います。 ○遠藤会長  そのときの改定のときに使われたデータが今、藤原委員がおっしゃられたような内容な のかどうかということについての事務局に対する御質問、そういうことですね。 ○藤原委員  はい。 ○遠藤会長  それでは、お答えいただけますか。 ○事務局(原医療課長)  まず、外来管理加算についておおむね5分以上かかった場合に算定するという形にした 経緯につきましては、全体の中で丁寧な説明をしていただくということを考えると、それ ぐらいの時間がかかるだろうということでもって、そう決めていただいたというふうに承 知しております。その際に、では実際に5分で切った場合にどの程度の財源が要るかとい うことにつきましては、私どもで行いました時間外診療に関する実態調査のデータを使い ながら算出をしたものでございます。  この時間外診療に関する実態調査については、私どもの医療課から調査先に対しまして の依頼文書におきましては、今後の診療報酬改定の検討資料とすることを目的にこれこれ を実施するという形でお願いをしておりますので、御指摘のような不適正な使用というふ うには考えておりません。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  ただいまの説明なんですが、私の医療機関もこの調査対象になった医療機関なんですが、 本日持参していますが、実際にはこういった厚労省の言われた今後の診療報酬改定の検討 資料とすることを目的という文書と、もう一つ、調査を委託されたみずほ情報総研株式会 社のほうなんですが、これは今後の時間外の診療の在り方を検討するためとされておりま して、それについては、これは目的外使用はしないというふうにきちっと書いてあるんで すが、そのように2枚内容のちょっと違う文書が入っているわけですね。私ども医療機関 としては、この調査に応じる場合、調査内容とつながっている委託されたみずほ情報総研 株式会社のものを見て判断し、これは時間外診療についてそれのみにしか使わないんだと、 そういう理解のもとで協力をしたというふうに思いますけれども、只今の説明は少しちょ っと足らないように思いますけれども、いかがなんでしょうか。 ○遠藤会長  2種類の依頼文が入っていたということですか。そして、みずほのほうでは限定した内 容のみを聞くような文言になっていて、厚労省のものについては広く診療報酬改定に使う という内容のことが書かれていたと、そういう理解でよろしいですか。 ○藤原委員  はい。 ○遠藤会長  では、事務局、お願いします。 ○事務局(原医療課長)  みずほ情報総研株式会社に委託をして行いまして、そのみずほのほうから送りました協 力の願いという文書には確かにそのような記述がございます。その分につきましては、そ の他救急医療とか全体のやる中で、私どもからの文書としてはすべて今後の診療報酬改定 の検討資料とするという形で書いておりまして、そこの整合がなかった点につきましては、 十分そこまで私どものほうでチェックできなかったという点についてはおわびを申し上げ ます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。 ○藤原委員  今の説明は事務的な間違いであったということを言わたんでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  私どもとしては、今回のこの調査については診療報酬改定の検討資料にするということ で、これに限らず、ほかの救急医療とか時間外とかいろいろやっておりますが、その全般 についてそのような形で考えておりました。 ○藤原委員  もし2つあると認識されたら、それは調査、これは2府4県でされたんですけれども、 厚労省としてきちんとそのことについて謝罪とか、そういったことを考えるべきではない んでしょうか。今も調査された医療機関については非常にそういったことに対する不満、 怒りがあるということを伝えたいと思いますけれども。 ○遠藤会長  ただ、全く診療報酬そのものについて使うということを述べていないわけじゃないわけ ですね。そういうものがもう一方で入っていたということだと思うんですけれども。 ○藤原委員  時間外診療に関する実態調査、そのことが根拠になって5分間ということが多分出てき ているはずなんですよ。5分間、これも診察時間といいながら、いつの間にか診察時間に なっているというような非常にファジーな形で出されて、それが恐らくこの場において5 分ということに大きな影響を与えたと思うから、私はこのことをあえて取り上げた。それ から、その辺の最初に申し上げましたように、行き違いといいますか、何か分からない整 合性のない文書が入っていたという点について、もう少し明確にお答えいただきたいと思 いますけれども。 ○遠藤会長  調査方法についてという問題と、もう一つはそこでとられたデータについて、我々が5 分ということをここで審議をしたということについての話と2つあるわけですね。ですか ら、例えばここの議論がそのような調査であったために誤った方向の議論になったかどう かという話にもなるかと思いますので、これはむしろ委員の皆さんにその辺の御意見をお 聞きしたいと思います。もちろん事務局からもあればお聞きしたいと思いますが、いかが でございましょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  この問題の調査をどういった形でしたか。例えば先ほどのような2つの文書があったか どうかについて私どもは分かりません。ただ、少なくとも外来管理加算についての5分要 件については再三再四議論してきたことで、今回の中医協の改定の中でも最大の眼目でし た。とりわけ再診料について診療料を下げるかどうかということに関連して、今回そうい ったことが何も分からずに我々として決めたということは決してなく、いろんな問題含み の中で1号側、2号側ともに恐らく苦渋の決断をし、最終的には公益の先生に御判断を仰 いで、そこで決断していただいたわけで、藤原委員の指摘のように、診療とか診察の時間 がファジーであったことが原因ではない。もっと多面的・多角的かつ真剣な議論をしたと いうことだけは申し上げておきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。関連、では手短にお願いします。 ○藤原委員  もう一言。関連というかただいまのことなんですが、支払い側がこのことについて十分 議論、いや支払い側のみならず診療側も含めて議論されたということは承知しております。 しかしながら、肝腎の5分要件、これが今一番問題になっているんですけれども、5分要 件について、その5分がどこから出たのか、その資料がないんですよね。診察時間につい てもこれまで厚労省はきちっと調べた例がない。出されたのはこの時間外診療に関する実 態調査から出されたその資料しかないわけなので、その5分間ということがなぜ出てきた のかというのが非常に不思議に思うんです。厚労省の方は3時間診療して3分じゃまずい から5分だというふうなアバウトな言い方をされるときもあるんですけれども、そのあた りのところが本当に真剣な議論になったのかどうか、私にはそこのところが不思議でなり ませんけれども。 ○遠藤会長  そのデータからどういう読み込みをしたかという問題が一つあるかと思いますけれども、 と同時にここでの議論の中ではその5分というものが丁寧な説明をするという意味合いで、 意味があるということで御議論が展開されていたと、委員の方々の間でされていたと私は そのように理解していたわけですけれども、それは事務局からまずお願いします。 ○事務局(原医療課長)  時間は先ほど言いましたように、診療の内容として入ってこられてから問診をして、診 察をして、そしてそのほかいろいろなother any questionですね、そのほかの何か問題点 はないですかというふうにそこまでやっていくと、恐らく5分はかかるだろうという議論 の中で、5分という時間を設定したと。  では、その5分と設定した場合に財源としてはどれぐらいが予測されるかということに ついては、その計算過程においては先ほどのデータを使わせていただきましたけれども、 その5分が何かのデータをもとに絶対的なものとして御提案したわけではなかったように、 議論の中ではそうではなかったように記憶しています。 ○遠藤会長  ありがとうございます。藤原委員、いかがでしょうか。では、とりあえず本日はそうい う御意見があったというふうに承っておきます。  外来管理加算につきましては、先ほどの検証部会でも既に出ておりますように、これ調 査をやりますので、またそのときに御議論いただければというふうに思っております。  ほかにございますか。よろしゅうございますか。  それでは、これをもちまして総会を終了したいと思います。  次回日程はまだ分かりませんか。 ○事務局(原医療課長)  次回は来週7月16日の水曜日をお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  そうですか、失礼しました。来週ということでございますので、それではこれにて総会 を終了したいと思います。ありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)