08/06/25 第7回医療機関の未収金問題に関する検討会議事録 第7回 医療機関の未収金問題に関する検討会 日時:平成20年6月25日(水) 13時00分〜14時30分 場所:グランドアーク半蔵門 華の間 ○岩村座長 定刻となりました。まだ二、三お見えになっていらっしゃらない方もいらっ しゃるんですけれども、始めさせていただこうと存じます。  第7回になりましたが、医療機関の未収金問題に関する検討会をこれから開催させてい ただきます。  今日は、お忙しい中をお集まりいただきましてまことにありがとうございます。  本日の出欠状況ですけれども、承っているところでは、田中委員と辻本委員が御欠席と いうことでございます。それから、松岡委員が15分ほど遅れて見えられるということで ございます。そのほかの方については一応御出席ということで承っておりますので、間も なく到着されることだろうと存じます。  事前に事務局の方から皆様方のもとに、前回の御議論を踏まえて手を入れました報告書 の案をお届けしまして、御意見をお伺いしたところでございます。今日は、皆様の御意見 を反映した形で報告書(案)というものが事務局の方から御提出いただいております。そ して、それにつきまして、取りまとめに向けた議論をさせていただきたいと思っておりま すので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  そこで、まず最初に、事務局の方から今日の資料の確認をお願いしたいと思います。 ○神田国民健康保険課長 お手元の資料でございますけれども、議事次第と座席表と、あ と報告書(案)ということでございます。報告書(案)の中に、保険者徴収の調査であり ますとか、未収金に関する実態調査の報告書が一緒に報告書と綴じてございますので、御 参照いただければと思います。  資料等、何かございましたら、言っていただければと思います。 ○岩村座長 資料の方は皆様よろしゅうございましょうか。  それでは、早速、今日の議題であります検討会の報告書の案について議論していきたい と思います。  まず最初に、事務局の方からこの案につきましての御説明をいただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 ○神田国民健康保険課長 それでは、お手元にございます報告書(案)に従いまして御説 明をさせていただきます。前回からの変更点を中心に御説明をさせていただきます。  1ページ目でございますけれども、「未収金を取り巻く現状と問題」ということで、こ こは基本的には前回と変わってございません。病院団体で実施していただきました未収金 の実態、国立病院、都立病院の未収金の実態、医師会で実施していただいた調査の実態、 それから、一番下に書いてございますのは、出産育児一時金の受取代ですとか、高額医療 費の現物給付化が行われているという現状と問題が書いてございます部分でございます。  2ページ目でありますけれども、「未収金にかかる現行制度とその解釈」ということで、 「一部負担金と保険者徴収」ということがまず最初に書いてございます。ここも基本的に、 最初の一部負担金は、そもそも保険医医療機関に払っていただかなければならない。医療 機関は受け取るものとなっているというところについては、基本的に変わってございませ ん。  それから、なぜ保険者徴収ができたかというのが2ページ目の2つ目のところでござい ますけれども、このあたりも変わっておりません。  3ページ目でございますけれども、「保険診療契約にかかる解釈」という部分について でありますけれども、前回、厚生労働省の(2)の一番最初でありますけれども、厚生労 働省からは、どの説に立ったとしても、保険診療契約というのは、保険医療機関と被保険 者との間の債権債務関係ということは、現行法上、明確であると書いてあったわけであり ますけれども、河上委員の方から御指摘がありまして、一部負担金の支払い先が医療機関 というふうに書いてあるということだけであって、そのことから論理的に保険医療機関と 被保険者の債権債務関係というふうに直ちに導けるということではないのではないかとい う御指摘がございました。  その点についてでありますが、3ページの下の○でございますけれども、河上先生から いただきました御意見を踏まえまして、前回、第三者のためにする契約説に立って、保険 者が保険医療機関等に未収金を払うべきであるという意見があるということは記述がござ いましたけれども、その次でありますけれども、「第三者のためにする契約説から出発し つつも、従来保険者が有していた一部負担金債権の受領権が保険医療機関等の窓口に一本 化されたことにより、法律上、当該債権が譲渡されたと同視できるものとして、専ら、保 険医療機関と被保険者の間の債権債務関係として、問題を処理することが適当とする意見 もあった」ということで、なぜ保険医療機関と被保険者の関係になったかということにつ いて、従来保険者が一部負担金をいただくというのと窓口払いが2本であったものを一本 化したことによって、事実上、法律上、債権譲渡がされたのと同じ状態があるという経緯 をここに記述をさせていただいております。  それから、各学説の部分については、前回と変更がございませんので、説明を省略させ ていただきます。  5ページ目以降でございますが、前回、対策ということで、対策の中で回収の実態と原 因分析というふうに書いてございましたけれども、実態とか原因分析を対策の中で書くの は分かりにくいということですので、見出しを立てさせていただきまして、「未収金回収 の実態」というものをまず5ページのところで立てまして、調査結果に基づきます原因分 析を6ページ以下のところで「原因分析」という形で見出しを分けさせていただいており ます。  基本的な未収金回収の実態の中身につきましては、基本的な部分に変更はございません。 病院側の徴収努力の実態、債権回収の法的措置を講じた場合の問題、それから、保険者徴 収を行った場合の実態ということで記述をさせていただいております。  (3)の「保険者徴収の実態」のところでありますけれども、その真ん中以降でありま すけれども、保険者徴収をなぜ実施していないのかという理由として、請求があった場合 でも医療機関等の回収努力は不十分であるというものが多かった、というふうに前回書い てございましたが、それは客観的に医療機関の回収努力が不十分ということではなくて、 あくまでも保険者である市町村側においてそのように判断しているということであるので、 それが分かるような記述に改めるべきではないかという御指摘がございましたので、請求 があったのに保険者徴収を実施していない理由として、「市町村においてそのように判断 されるものが多かった」という記述に変えさせていただいております。  それから、6ページ以降が「原因分析」でございますが、この点につきましては、基本 的に前回と変更がございません。全体の中で言いますと、7ページの下以降、特にあれで ありますけれども、「自賠責」を除けば、「国保」や「政管」の加入者が多いということ ですとか、8ページの上の方で、外国人の未収金について、地域的には比率が高いところ があるといったことですとか、主としての原因分析は8ページのところの記述になります けれども、件数、金額ベースとも、生活に困っているというようなことですとか、支払能 力はあるが、もともと支払意思がないというものが多い。  それから、8ページの下から2つ目の○でありますけれども、患者別の原因分析を見ま しても、2割程度のところが件数、金額とも生活困窮であって、「悪質滞納」というのが 件数、金額とも8%程度であるというような基本的な記述は前回と同じでございます。  それから、9ページでありますけれども、具体的な対策についてでありますけれども、 前回、御指摘の中で、全体的な対策のメリハリについての記述がないのではないかという お話がありましたので、(1)というのを立てまして、未収金対策を講ずるに当たっての 基本的な考え方という記述を加えさせていただいております。  そこを説明させていただきますと、発生原因に関する調査によって、「生活困窮」、 「悪質滞納」それぞれが発生の主要な原因であることが確認されたと。調査の中ですと、 12月の診療にかかる一部負担金について、2カ月後の2月末でありますので、まだ分納 中とか、そういうものもございますし、今後、入金されるというのもございますが、そう いうのを除くと、「生活困窮」と「悪質滞納」が多かったということでございます。  「生活困窮」については、一部負担金減免、生活保護の適切な運用等各種制度の活用に ついて、被保険者、患者に対して十分な情報提供やきめ細かな相談が行われる必要がある と。他方、「悪質滞納」について放置すれば、モラルハザードを惹起し、未収金発生を助 長し被保険者間の公平性を損なうことになりかねないことから、悪質滞納者に対しては、 最終的には滞納処分を含めた毅然たる態度で臨む必要があるということで、基本的に「生 活困窮」と「悪質滞納」という原因分析を踏まえまして、その2つが重要であるというこ とをまず最初に記述しております。  2段落目のまた書きでございますけれども、「回収の実態」の先ほどの3のところで見 ていただきますと、医療機関においても、未収金が一たん発生しますと、労務ですとか時 間をかけることはなかなか難しいということですとか、法的措置によっても、送達の問題、 あるいは弁護士費用その他のコストの問題等があって、実効性に問題がある。それから、 保険者徴収においても、実際に回収できている件数が非常に少ないということがございま すので、事後的な措置になりますと一定の限界があることから、未収金対策を検討するに 当たっては、発生をいかに未然に防止するかが重要であるということで、全体の措置とし ては未然防止が重要であるという基本的な考え方を記述させていただいております。  それから、(2)が未然防止対策についてでございます。  まず、(1)として「生活困窮者に対する取組み」ということで、アの「国保の一部負担金 減免の運用実態と改善方策」については、これも前回と基本的に記述は変わってございま せん。  それから、11ページのイでございますけれども、「医療機関・国保・生活保護の連携 強化」というふうに書いてございます。  1つ目の○、2つ目の○について、国保加入者で保険料や一部負担金を支払うことがで きないような方については、生活保護の窓口にスムーズにつながるように、国保と福祉部 門の連携強化が必要であるとか、あるいは、生活保護の廃止後の国保加入等の手続につい てよく連携を図るという点については、前回と変わっておりません。  その次の12ページの一番上でございますけれども、前回、辻本委員の方から、高額療 養費ですとか無料低額診療など、制度は非常に細かくて複雑であって、被保険者とか患者 の立場に立つと、問合せをしてもその答えもまちまちであるという、被保険者、患者の視 点からの記述が必要ではないかという御指摘がございましたので、それを踏まえまして、 医療機関の担当部門、医事部門とかそういうことになろうかと思いますが、市町村の国保 部門、福祉事務所が十分な連携を図り、保険料や一部負担金を支払うことができない者が 相談に訪れた場合には、どの機関の窓口を訪れても、一部負担金減免、生保の申請手続等 について十分な情報ときめ細かな相談が行われるようにすべきであるという、被保険者、 患者さんに対して適切な情報提供ときめ細かな相談をすべきという記述を加えさせていた だいております。  それから、国保の資格証明書の記述は同じでございます。  それから、エの無料低額診療につきましても、基本的には外国人ですとかホームレスな どの対応を含めました現代的な意義付けを含めて事業のあり方について検討すべき、とい う基本部分は同じでございますけれども、前回、中に税制の話が一緒に書いてございまし たが、税制の話については、一番下の○に独立をさせまして、現在、事業ということと事 業主体に着目した税制上の優遇措置がありますけれども、これについて、ほかの法人が実 質的に同じ事業を行っている場合には優遇措置が受けられないのかという議論があったと いう記述で、分けて記述をさせていただいております。  それから、13ページでございますけれども、未然防止の中の「病院側の取組み」とい うことでございます。基本的な記述は変わっておりませんけれども、最初の位置付けのと ころで、前回は、医療保険制度では、医療機関が一部負担金が受領するから医療機関がま ずやるべきだというふうに記述してございましたけれども、位置付けといたしまして、後 ほどまた出てまいりますけれども、保険者側の協力の前提として、医療機関に相当の努力 というのが求められていると。これは保険者側からの御発言で、そのようなことが求めら れているということですとか、また、今回行いました調査によりますと、保険者徴収の対 象になります一部負担金部分というのは4割相当でございますので、6割部分は差額ベッ ドその他の利用料ということでございますので、そういったことも確認されたということ から、病院側において、まず未然防止努力を行っていただく必要があるのではないかとい う位置付けのところを若干加筆をさせていただいております。  それから、「病院側の取組み」の中で、下から2つ目の「・」でありますけれども、前 回、辻本委員の方から、先ほど申し上げたような御指摘の中で、医療ソーシャルワーカー の配置など、医療機関側でその相談体制を整備していただくというようなことについて、 対策を講じていただくということを記述していただけないかというお話がございましたの で、その部分につきまして、医療機関側の対応としまして、「医療ソーシャルワーカーを 配置するなど患者に対する相談体制を整備すること」ということを加えさせていただいて おります。  それから、14ページでございますけれども、それ以外のことで、「出産育児一時金の 受取代理」ですとか「資格喪失情報の交換等」については、前回と基本的に記述は変わっ ておりません。  ただ、資格喪失情報の交換のところで、今年度に社会保険庁から被用者保険の資格喪失 情報を国民健康保険の方にいただいて、できるだけ早く適用するという体制を構築するこ とにいたしておりますが、その位置付けということで、前段のところで、なぜそういうこ とが必要なのかということを少し分かりやすく記述をさせていただいております。  そこにございますように、市町村で被用者保険の資格喪失情報を自動的に把握できるよ うになっておりませんので、基本的には御自分で国保の加入手続をして保険料を納めてい ただかないと給付が受けられないというのが、現在の仕組みではそのようになっていると いうことから、それまでの間の受診ということで、その間、給付を受けることができない ということから未収金の発生につながっているということがございますので、それを防ぐ という意味で、今年度そのような情報交換を実施することにしているという位置付けを記 述させていただいております。  それから、15ページでございますけれども、「入院保証金の解釈の周知徹底」につい ては変わっておりません。  それから、(6)でございますが、「応召義務」についてでありますが、これは前回項目だ け記述してございまして、具体的にはその場の意見交換を踏まえて記述をさせていただく という整理をさせていただいておりましたけれども、前回、病院団体の委員の方々からの 御発言を踏まえまして、そこにございますように、「医療関係者からは、未払いを繰り返 す患者に対しては、真面目に医療費を払っている患者の場合と同様に応召義務が課せられ る必要はないのではないか」と。また、最初にこの規定が規定されました昭和23年当時 と異なりまして、国民皆保険が達成され、医療供給体制も整備されている中で、悪質な未 払い患者に対する応召義務の解釈についても見直しを検討すべきではないか、という御指 摘があったということと、これに対しまして厚生労働省の側からは、基本的には、診療拒 む「正当な事由」に該当するかどうかということについては、社会通念に基づき、個々の ケースに即して判断する必要があると。また、診療の必要性を基本に判断されるのであっ て、後段は、現在の解釈通知で示されているところでございますけれども、医療費の不払 いがあっても、直ちにこれを理由として診療を拒むことができないという見解が示された ということで、それぞれのやりとりを記述させていただく形にさせていただいております。  それから、16ページが「事後対策」でありますけれども、まず最初に「保険者徴収等 の改善」ということでありますけれども、前回から変わったところで言いますと、一番最 初に保険者徴収の位置付けということで、先ほど「基本的な考え方」のところでも書いて ございますけれども、「悪質滞納」の放置ということは問題があるということで、最終的 には財産調査等を行って滞納処分を実施することになる保険者徴収の位置付けというのは、 最終的には強制的な措置として非常に重要な位置付けであるということを冒頭記述させて いただいております。  2つ目のところで、保険者徴収が実施されない理由として、医療機関が十分に善管注意 義務を果たしていないということについて、これも市町村において判断されているという ことであって、客観的な判断ではないということで、そのように記述をさせていただいて おります。  それから、3つ目の○でありますけれども、前回、保険者サイドの御意見として、ペー パーでいただいた意見、また委員の方からいただいた意見としまして、国保の保険料回収 でも、休日・夜間にも家庭訪問をしているとか、滞納処分を実施するに当たっては、詳細 な財産調査を実施するなど相当の回収努力を行っているので、医療機関においても同程度 の努力をしていただきたいという話でありますとか、これは被用者側の方々からも、従来 のような範囲ではなくて、もう少し踏み込んだ回収努力を行っていただくことが必要では ないか。それを前提にして保険者側も必要な協力をしますという御発言があったというこ とで、3つ目の○のところで前回の御発言を記述させていただいております。  16ページの一番下でありますけれども、前回、取りまとめのたたき台といたしまして、 できる範囲の協力を行うべきではないか、というふうに書いてございましたけれども、前 回の御発言を踏まえまして、以上のように、医療機関において従来以上の回収努力を行う ことを前提に、回収が困難な患者がいる場合には、保険者に情報提供を行って、保険者に おいて、正式に保険者徴収の依頼を受けていない段階でも、電話ですとか文書による催促 などできる範囲の協力を行うことも検討する必要がある、という記述をさせていただいて おります。  それから、17ページの一番上でありますけれども、前回、保険者としてどのような協 力ができるのか、という疑問形で書いておりましたけれども、前回の御発言を踏まえまし て、保険者徴収が適切に運用されるためには、国、保険者は、制度自体の周知に努めると。 これは6ページのところをごらんいただきますと、保険者徴収の実施件数は、福岡県が非 常に多かったというのは、地元の医師会で周知をされたというようなことがございますの で、制度自体の周知を図るということと併せて、ルールを明確化するということで、実施 基準の明確化、具体化を図るべきである、という記述をさせていただいております。  基準の具体化に当たっては、御意見にありましたような医療機関側で十分な回収努力を 行っていただくとか、あるいは、対象額は一定額以上であるとか、あるいは著しく悪質な ものに限るなどといった具体的な基準を検討するべきである、ということが記述してござ います。  あとの(2)、(3)については、前回と基本的に記述は変わってございませんので、説明を省 略させていただきます。  最後の「まとめ」でございますけれども、前回、国民皆保険体制を維持する、という趣 旨の記述がございましたけれども、前回は主として医療機関の収入というのが一部負担金 と診療報酬で成り立っていて、その費用が賄われないことによる問題ということを中心に 記述してございましたけれども、このまとめの4行目ぐらいでありますけれども、一部負 担金の未払いはゆゆしい問題であって、こうしたモラルハザードを放置することは、真面 目に一部負担金を納めている多くの被保険者との公平を損なうという趣旨を書き加えさせ ていただいております。その後は前回と基本的に同じで、真摯に診療に取り組んでいる医 療機関にその負担を背負わせることになり、国民皆保険体制の基盤を損ないかねない、と いうことで、国民皆保険体制を維持するには、国民一人ひとりが制度を支える自覚と責任 を持つとともに、医療機関、保険者及び行政機関は緊密な連携と協力の下に、それぞれ応 分の責任を果たさなければならない、という記述に改めさせていただいております。  それから、最後でございますけれども、前回、今村委員の方から報告で取りまとめられ た施策の状況について、やはりフォローアップをきちっとするべきではないかという御指 摘がございましたので、その趣旨をここに記述をさせていただいております。  以上でございます。 ○岩村座長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいま事務局の方から御説明をいただきました報告書(案)について議論 を進めていきたいと存じます。  そこで、今日、一応取りまとめということを予定しておりますので、恐縮ですが、前回 と同様、場所を一つずつ区切りながら、御意見あるいは御質問等を伺っていきたいと思い ます。  そこで、まず最初に、1ページ目の一番最初の導入部分でありますが「未収金を取り巻 く現状と問題」というところにつきまして、御発言ございますでしょうか。  特になければ、続きまして、2ページ目、「未収金にかかる現行制度とその解釈」とい うことで、まず「(1)一部負担金と保険者徴収」。3ページ目の真ん中前まででありま すが、ここについてはいかがでございましょう。  特段ないようでしたら、後でまたもしございましたらおっしゃっていただければと思い ます。  次に、3ページ、(2)ということで「保険診療契約にかかる解釈」というのがござい ます。3ページ目から5ページ目の上から3行目まででありますが、ここについていかが でございましょうか。崎原委員どうぞ。 ○崎原委員 3ページの下から2行目以降のところで、一部負担金債権の受領権が保険医 療機関の窓口で一本化されたことによって、法律上、当該の債務が譲渡されて、というこ とで、こういうふうに書かれていると思うんですけれども、譲渡された債権が未収という ことになると、不良債権ということになるわけですよね。それで、法律で決まったものが、 ただ法律上のものだけで債権が譲渡されて、それが不良債権になったときの補償というん でしょうか。債権を譲渡した先に、これは医療機関が好んで債権譲渡を受けたことではな くて、法律上、自動的になったということであれば、不良債権化したときに、何らかの補 償と言おうか、そういうものがあってしかるべきではないかと考えておりまして、そこら 辺の文言を、こういう意見があったということを付け加えていただきたいと思います。 ○岩村座長 ここの趣旨は、現在の法制度のもとでその都度債権譲渡がされているという ことを書いているのではなく、かつて法改正をして一本化したときに、そういう形をとっ たという構成でしょうという理解だと思います。ですので、現在はもうその都度の債権譲 渡とかというのが行われているわけではなく、最初から、要するに、被保険者と病院との 間の債権債務関係ということで処理されていますねと、そういうことではないかと思って おります。  そうしますと、今、崎原委員、御意見ありましたが、そこは未収になったときに、補償 の問題というのは発生してこないということなんだろうと思っておりますが、そういう御 意見があったということは、この議事の中で、議事録という形で残りますので、そこのと ころで御理解を賜ればと思いますが、いかがでございましょうか。 ○崎原委員 昭和32年でしたか、そこら辺のところでこういう流れがあったということ で書かれてあるということでよろしいですか。 ○岩村座長 そういう理解だと思います。  よろしければ、5ページからの「未収金回収の実態」ということで、6ページの4の前 までというところでございます。(1)、(2)、(3)ということで記述がございます けれども、いかがでございましょうか。今村委員どうぞ。 ○今村委員 厚労省から事前にいただいたときに御意見は申し上げさせていただいたんで すが、後で見て若干気がついたことがあるので申し上げたいと思います。  まず、(1)の「病院の徴収努力」のところに○が3つあるんですけれども、一番下の ○というのは現在の実態なんだと思いますので、○がこれが一番先頭にきて、その後に他 の2つの○が続くという方が分かりやすいのかなという気がいたしました。  それから、1つ目の○の最後の「指摘があった」という終わり方で、これは確かに病院 側からこういう御意見があったと思うんですけれども、事後的な回収努力では限界がある というのは、多分、この委員会全体の総意だと私は感じていて、したがって、ある一部の 人の意見があるということではなくて、これは「限界があると考えられる」というような 言い方の方がよろしいのではないかなと思っているんですけれども。 ○岩村座長 まず最初の順番を入れ替えるということですが、ここはおっしゃる方がすっ きりすると思いますので、一番下の○を最初に持ってくるということで修正させていただ くということにしたいと思います。  それから、「事後的な回収努力では限界があるとの指摘があった」という一番最初の○ のところでございますが、これは、もしほかにその点について御依存がなければ、今、今 村委員がおっしゃったように修文をさせていただくということでもよろしいかと思います けれども、ほかの委員の先生方、いかがでございましょうか。  特段御異議がないということでございますので、今村委員の御指摘に沿った形で、そこ は後ほど修文させていただくということにしたいと思います。  そのほかいかがでございますか。  それでは、6ページ、一番下の4の「未収金発生の原因分析」で、ちょっと長いんです が、9ページの「5 対策」の前までのところでございますけれども、いかがでございま しょう。ここはどちらかというと現状分析でございますので、よろしいかと思います。  それでは、具体的な当委員会の提言というようなことになるんでしょうか。本体の部分 ということになるんでしょうか。中心的な部分であります9ページの「対策」というとこ ろで(1)の「基本的な考え方」ということで今回事務局の方で改めて御整理いただいて おりますけれども、整理としてはこれでよろしいのではないかという気がいたしますが、 よろしゅうございましょうか。  それでは、具体案、具体的な内容であります10ページの「(2)未然防止策として考 えられる方策」。(1)から(2)、(3)、(4)、(5)、(6)とずっとありまして、15ページの終わりま で。ちょっと長いんですが、そこまでまとめて御指摘、御意見がございましたらお願いを いたします。では、木村委員どうぞ。 ○木村委員 (6)もよろしいんですね。 ○岩村座長 (6)もいいです。 ○木村委員 「応召義務の解釈」のところですが、医療関係者の方では、悪質な未払い患 者に対する応召義務を検討すべきでないかという意見があった、というふうになっている のですが、それに対して厚労省からは、「医療費の不払いがあっても直ちにこれを理由と して診察を拒むことができないとの見解が示された」ということで終わっているんですが、 今後どうする。これで終わりで、もう応召義務に対しては、不払いがあっても直ちに理由 として拒むことはできないということで見解が示されましたということで終わっちゃって いるんですが、我々としては、なかなかこれは、ああ、そうですかといかないというか、 未払金を事前に防ぐという意味から、また、最近問題になっています院内の暴力の問題と か、いろいろなことがあるんですけれども、こういう患者さんに限っていろいろなトラブ ルを起こしてくるわけでありまして、ですから、一応、もちろん絶対見ないとかいうわけ ではないんですけれども、「直ちに診療を拒むことができない」ということだけで終わっ ちゃっていいのかどうか。もう少し更に、今回は本筋から外れるということでありますれ ば、更にどこかで検討するとか、今後の検討が必要ではないかということを少し入れると かしていただかないと、このままですと、医療費の不払いがあっても、これを理由に診察 を拒むことができないというだけで終わってはちょっとまずいのではないかというふうに。 全日病の考え方ですけれども。 ○岩村座長 この点については、厚労省サイド、お考えがありましたらお願いしたいと思 います。 ○栗山医事課長 応召義務ですけれども、何度か御説明しているとおり、これは社会通念 に基づいて判断するということですから、社会常識として、支払いがない場合は診療に応 じなくていいというのが世間の常識として定着しているということであれば、そういうこ となんでしょうけれども、そこは不払いの状況を個々具体に見ないと、なかなか判断でき ないと思いますし、先ほど言われたように、院内で暴力云々という話がありますが、それ は診療を拒む正当な理由ということで、暴力行為をするとか、そういうのは当然あると思 いますけれども、それは、未払いであるということとは一応別な理由で診療を拒むという ことになるんだと思います。 ○木村委員 厚労省としては、当然ここのところで不払いがあったことが診療を拒む理由 にできるという見解を示すことは当然できないとは思うんですよ。ただ、ここで私が言っ ているのは、見直しを検討すべきではないかという意見があったということで、それに対 して、こういうことはできないという見解を示されたということで終わらないで、今後何 かの形で検討するという場をつくるとか、検討するということを何か残していただきたい。 是非そういうところで更に検討したいと考えています。  ですから、医療費の未払いを理由に応召義務から外れると診療を拒むことができる場合 があるということは、当然ここに書くことはできないし、それは許されないと思いますけ れども、検討すべきだということを言っているわけですから、それに対して、拒むことは できないという見解を示されただけでなくて、更に検討を更に進めていただきたい、更に 進めるということをどこかに残していただきたいという希望です。 ○岩村座長 栗山課長、お願いいたします。 ○栗山医事課長 これは、要するに、検討によってそれをどう解釈するかという問題では なく、社会通念上、そういうことが是認されるかどうかということなので、検討会によっ て、もしそういうことであれば、法律上、こういう条項はなくそうとか、そういうレベル になってくると思うんですね。そういうことまで求めるのかということなんですけれども、 それは今は、検討することもできないというのが我々の立場であるということです。 ○岩村座長 私自身の考えとしては、応召義務の問題というのは医療制度の根幹にも関わ る問題でありますので、木村委員もおっしゃったように、そう軽々に議論ができることで もなく、今回のこの検討会の中で、応召義務についての議論もあり、今回の報告書の中で の取りまとめという形で、こういうやりとりを記録に残すと。あと、それから、木村委員 からの御発言にもありましたように、医療関係者の方からは、検討の場を設けてほしいと いう要望があったということと、厚労省側としては、それは困難であるということのやり とりというのが議事録に残るということで、この点については御了解をいただければと思 うんですが。畔柳委員どうぞ。 ○畔柳委員 実は、前回の議論のまとめであるとしていただいた文章を直してみようと思 って考えてみたんですが、どうもうまく直せないんですね。ところが、今回は前より悪く なっているという印象を受けます。前回は要するに、関係者からそういうことを検討すべ きだという意見があったということになっているわけですね。それに対して河上先生の議 論があり、その後、それはなくなったということで、結果的に要望があり、厚生労働省か らは、従来どおりの解釈が示されたという形になっているんですね。私はこの文章で構わ ないんだと思うんです。  ところが、ここに、今回見ますと、「医療費の不払いがあっても直ちにこれを理由とし て診療を拒むことはできない」という一文が付いているんですね。一見サービスしている ように見えますが、これはよけいなことじゃないかと思うんです。むしろ、私は、この文 章を残すならば、判断すべきものであるとの一般的見解が示されたということで、両者の 言い分がすれ違いになっているということだけ、ここで挙げておけばいいんじゃないかと 思うんです。実際は要望には答えておられないし、もともと問題提起が答えようのない質 問なんですね。ということをちょっと申し上げたいと思います。 ○岩村座長 河上委員どうぞ。 ○河上委員 前回少し話題になったところなんですけれども、医療機関といえども慈善団 体ではないし、実際に契約の当事者として登場したときに、相手方が全く代金を払わない ということを言っているのに、なお給付をしないといけないということを要求するのは、 常識的に考えておかしいことではあるわけです。  ただ、その給付の中身というのは、非常に生存に関わるし、重要な社会的な給付である ということを考えれば、例えば水道とか電気とか電話とか、そういうふうなものと比べる と、更にストップをするというときには慎重な配慮が必要だというだけの話なんだろうと 思います。  ですから、この書きぶりは「直ちにこれを理由として診療を拒むことができない」とい うことなんだけれども、それ以上の要素が加わってくると、場合によっては診療を拒むこ とができるという含意が含まれた書きぶりだというふうに私は読んだのです。ですから、 その意味では、厚労省の見解そのものはそんなにぶれてはいないという感じはいたしまし た。  もしその部分をはっきり書くのであれば、直ちにはこれを理由として拒むことはできな いが、ケースに即した慎重な判断が必要であるということを改めて書いておくという程度 でいいんじゃないかと。厚労省が必ずやれというふうに言っているわけではないというこ とだと思います。 ○岩村座長 いろいろ御意見ありがとうございます。余りこの場でごちゃごちゃ言うとや やこしくなるんですが、1つは、先ほどの木村委員のお考えに余り適切なお答えにはなら ないんですが、叙述の順番を逆にしてはどうかというのが一案かと思います。最初に厚労 省の見解を述べて、これに対し、医療関係者からは検討すべきではないかという意見があ った、というふうにしておくということで、医療関係者の方々の御意見というのはもう少 し目立つ形になるかなという気がいたします。  それから、畔柳先生の御指摘も分かるんです。ただ、やはり厚労省の見解についての書 きぶりのポイントは、医療費の不払いがあっても直ちにこれを理由として診療を拒むこと ができないと。要するに、あくまでも個々具体のケースの判断ではあるんだけれども、医 療費の不払いだけで拒むことはできないけれどもという、今、河上先生がちょっとおっし ゃったような含意が入っているということもありますので、ここはこのまま、余りできの よくないという畔柳先生の御評価ではありますが、残させていただければと思いますが。 ○畔柳委員 私もいろいろいじくってみたんですが、元々質問が無理なので、そんなにい じらない方がいいのかなと思ったということで、他意はありません。座長におまかせしま す。 ○岩村座長 ありがとうございます。ですので、もしよろしければ、叙述の順番を逆にし てみて、厚生労働省の立場というものを書いて、あと、医療関係者側の御意見というのを それに対するものとして書くという順番にさせていだだければと思いますが、その方が落 ち着きはいいかという気がしますけれども。山崎委員どうぞ。 ○山崎委員 ここのところは、「直ちにこれを理由として診療を拒むことはできない」と いう書き方じゃなくて、直ちに救急救命行為を必要としている状態とか、そういうふうな 例示を書いて、それは拒めないというふうに書くことはできなんでしょうか。 ○岩村座長 恐縮ですが、栗山課長の方。 ○栗山医事課長 救急救命行為が必要な場合は拒めないというのは、それ自体はそのとお りだと思いますけれども、ここではどちらかというと一般的にどうかということを問われ ているので、そのときの説明としては、こういった表現の方が適切ではないかと思ってお ります。 ○岩村座長 なかなか難しくて、山崎委員のおっしゃる趣旨も分かるんですが、他方で、 うっかり例を挙げると、反対解釈されて、それ以外はいいんじゃないかというふうに読ま れてしまう可能性もあったりとかして、非常に微妙な問題かという気がいたします。所管 課の方でかなりそういう意味では慎重なお考えを示されつつ、やや含意のある書き方で御 了承いただいているんだろうと理解しておりますので、医療関係者の方々はいろいろお考 えはあろうかと思いますが、当検討会の報告書というところでは、この書きぶりというこ とで御了解いただければと思います。あと、やりとりそのものは、今日の議事の記録で残 るということでありますので、そういうことでの御了解をいただければと思いますが、木 村委員いかがでございましょうか。 ○木村委員 順番ということになりますと、後の方の文章ですが、下から4行目からです けれども、診療を拒む「正当な事由」に該当するかどうかについては、ずっと飛ばしてい って、医療費の不払いがあっても直ちにこれを理由として診療を拒むことができないとの 見解が示されたが、下から3行目に戻って、社会通念に基づき、個々のケースに即して、 診療の必要性を基本的に判断されるべきものである、というふうに、そこのところを文章 を入れ替えることはできないでしょうか。「社会通念に基づき」から、「べきものであ り」を後ろへ持っていくということですね。 ○岩村座長 私の考えでは、そこを入れ替えるというのは余り適切ではないという気がい たします。一番最初のところが、要するに、社会通念に基づきどうのこうのというところ が正当な事由についての解釈の基本的な考え方であって、特に、医療費の不払いというも のについてどういうふうに考えるかというのがその次にくるということだと思いますので、 論理的順番としてもこの順番かなと思いますので、そこは恐縮ですが、このままの文章で お願いしたいと思います。 ○今村委員 13ページなんですが、「病院側の取組み」というところで、未然防止策の 重要性をここはうたっているところだと思いますが、1つ目の○に「・」が付いていて、 それの2つ目のところで、「未収金発生前から」という書きぶりがあって、その後段のと ころで、「また、期日に支払いがなされない場合は念書等をとり、連絡先等の」と書かれ て、これは未然防止策というような形なのか、ちょっと質が違うのかなという気がして、 もしこれを書くにしても、この○の最後のところ、本当の未然防止策の後に入れた方がい いのではないかなと。これは既に支払えなかったら念書をとるというお話ですよね。 ○岩村座長 いえ、そうじゃなくて、これは、例えば、入院時などに、最初から支払えな いときはという場合についての念書をとっておくということだと思います。この前の病院 関係者の方からとのヒアリングからしますと、まず最初にとっておくという趣旨ではない かと思うんですが、趣旨はそういうことだったのではないかと思っているんですけれども、 未収金になっちゃってから念書をとりましょうということではなかったような気がするん ですが。 ○神田国民健康保険課長 前回の病院団体からの発言ですと、当日払いできないような場 合に、その段階で念書をとるということですので、発生とほとんど近接している段階で、 その日払えなければ念書を書いて情報をとっておくということかと。そういう意味では、 完全に不良債権とか未払いかどうかは分かりませんけれども、その日払えないということ であれば、念書を記載していただくという御発表だったと。 ○今村委員 厳密な意味で確定した未収金でないということは、そのとおりだと思うんで すけれども、当日、何らかの理由で支払わなかったということがまず発生して、後の対応 ということですよね。ですから、ここ、病院側が入院医療については、その前のほかの 「・」のところを読んでみると、本当に発生する前にさまざまな取組みをしましょうとい う書き方になっているので、少しここは質が違うかなと思ったんですけれども。病院団体 の方がそれでよければ、私は構わないんですけれども。 ○岩村座長 今回の報告書の構造からしますと、事後対策という方は、現実に結局払われ ないままになってしまって、その後、じゃ、どうやって具体的に回収しようかという、そ の話を中心に書いているというふうに私は理解しているので、そうしますと、これをどこ かに移すとすると……。 ○今村委員 この(2)の中の最後に「・」を持ってきた方がいいのではないかと。だから、 事後ではなくて。流れから言うと、本当に発生する前のものを全部書いて、完全な確定し た未収金ではないけれども、この全体の中、この○の中で言えば、比較的未収になってい るという意味合いで。 ○岩村座長 分かりました。そうしますと、もしかすると一番最後の「・」のところが、 退院時のところで、一部入金、カード払いを勧める、未収金の発生棒しに努めるというと ころがありますが、そこに期日払いがなされない場合についての念書というのを移し込む ということでございますか。 ○今村委員 そういうことです。 ○岩村座長 それでしたら、私の方もよろしいかと思います。  崎原委員どうぞ。 ○崎原委員 16ページの下の○のところで、市町村においても、国民保険料の回収にあ たっては、夜間、休日における家庭訪問、滞納処分、財産調査など相当な回収努力を行っ て、医療機関においても、少なくとも同程度の努力が求められる、というように書いてあ るんですけれども、私的な病院が財産の調査なんでとてもできないですよね。個人情報の 問題なんかもありまして。  それから、先ほど5ページのところで今村委員の御意見で、事後的な回収努力は病院と しては限界があると考えられると、この会で、病院は事後的な対策については限界がある んだと。人的なこととか、コスト、時間的なこと。そういうようにここで一応認めたわけ でありますので、16ページの上から2つ目の○で「厚生労働省の調査によれば」云々の ところで、市町村が病院の善管義務などの回収努力が不十分と判断されていると書いてあ るわけなんですけれども、ですから、判断しているところだけでよくて、下の「市町村に おいても、国保保険料の回収にあたって」云々から、「医療機関においても、少なくとも 同程度の努力が求められる」という、この3行とちょっとは削除した方がいいんじゃない でしょうか。 ○岩村座長 ちょっと畔柳先生にお伺いしたいんですが、財産調査の件ですが。 ○畔柳委員 私、ここのところを読んでいて、やっぱり引っかかった。例えば、日曜や夜 間にやる。ここに出てきているというのは、全国の市町村が本当にこんなにやっているの かなという感じが一つあるのと、「少なくとも同程度の努力」というのは全然質が違うの ではないかという感じがするので、書くとすれば、全然切り離した話にしないと、ちょっ と違うんじゃないかという感じがします。 ○岩村座長 神田課長どうぞ。 ○神田国民健康保険課長 努力そのものについて言うと、それはかなりやっていただいて いるということは、はっきりこの場で申し上げておきたいと思いますけれども、この間、 収納率が2年前ぐらいに90%を割り込みするようになって、市町村においては、それぞ れ緊急プランというのを作っていただいて、滞納処分件数についても年間何千件というペ ースで上がっておりますので、年間滞納件数9万件ぐらい、滞納処分を実際財産調査をし て、その件数というのはかなりのペースでアップしてきておりますので、それから、一般 的には市町村においては、収納強化月間ですとか週間というのを設けまして、年度末に管 理職も含めて個別宅を訪問するというのは一般的に行われておりますので、市町村側が努 力しているということについては、それはかなり現在では努力しているということかと思 います。  ただ、記述として「同程度」というところでありますけれども、ここでおっしゃられて いる趣旨は、前回の委員の方からの御発言もあった「同程度」というのを同じように財産 調査をしろという趣旨というふうに書いているということではなくて、「同程度」という のは、少なくともかなり訪問をして足を運んでいることは間違いないわけでありますので、 そういう点での努力ということではないかと、我々は前回の日の出町の原委員の方からお 出しいただいた意見ですとか、鈴木委員からお話しあった意見を踏まえて、「同程度」と いうのを、字義どおり同じことをしろという趣旨ではなくて、それは相当の努力をしてい ただきたいという趣旨だと理解していますけれども。 ○岩村座長 原委員。 ○原委員 前回、私が意見を提出した問題だと思いますけれども、意見書の中にあるとお り、一部負担金の未払いが医療機関の経営上の問題であると私どもは認識をしております。 例えば、市町村においては、国保税、固定資産税、いろいろな税金がありますけれども、 滞納対策には非常に苦労しています。夜間、管理職が訪れていったり、出納整理期間とい うのが市町村にもありまして、5月までということで、5月にあたっては、管理職が自ら 税の徴収に行っております。そのようなことの考え方で、財産云々というのは詳細な財産 調査など、これはちょっと行き過ぎた部分はあろうかと思いますけれども、そういう努力 をしていることを御承知願いたく、意見として陳述したものであります。  以上でございます。 ○岩村座長 それでは、先に畔柳委員にお願いして、それから崎原委員ということでお願 いいたします。 ○畔柳委員 私、提案として、上から3行目の「努力を行っており」というところを「行 っている」で切って、その次、「医療機関においても、少なくとも同程度」を取っちゃっ て、「保険者の回収についての協力や」と文章をつなげちゃえば、問題はないんじゃない かと思いますが。 ○岩村座長 実は私も今そう申し上げようと思ったんですが、崎原委員、いかがでござい ますか。 ○崎原委員 そういう形でもいいと思うんですけれども、ただ、今の意見を聞いています と、税金を滞納でいろいろ努力されている。非常に努力されているということは、非常に よく分かりました。しかし、それはその職員の仕事なんですよね。病院が未払金を滞納し ている方にいろいろ努力するということは、もともと想定していない仕事が派生したもの ですよね。もともとは受け取るのが当然であって、ところが、払わないので、後から出て きた仕事なんですよね。ですから、それは、もともとの仕事と後から発生した仕事と、そ れからあと、今村委員が言われているように、事後的な回収努力には限界があるというの は、病院としてはこの会でも認めることなのでありますので、そこら辺の整合性をもう少 しうまく書いていただけたらと思います。 ○岩村座長 原委員どうぞ。 ○原委員 一つの市町村によっても経営体でございます。病院も経営体ではないかなと。 経営の中でこの行為を行うということでありまして、一つの組織として区市町村組織とし て税の収納対策に努力していかなくてはならないんじゃないかなと思います。職員がやる ということは当然の話でございますから、組織の中の職員がそれを行うというところだと 思いますけれども。 ○岩村座長 鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員 私も前回のときに申し上げましたが、ここに書いてあることを申し上げまし た。先ほど神田課長からありましたように、市町村におきましては、この年度末において 緊急滞納のプランということで、年度末、休日とか夜間に、先ほども言いましたように、 管理職等も動員した中で対応していると。  それで、今回、ここの医療機関においても同等程度の努力を求めるということは、9ペ ージを見ていただくと、医療機関のその他未収金の主な理由として、回収の働きかけをし ていないため、理由が分からないとか、こういった理由があるということは、医療機関で ももう少し努力をしていただきたいということで、前回私は申し上げたところでございま す。  以上です。 ○岩村座長 いろいろ御意見をちょうだいしましたが、全体を総合した感じとして私の方 から御提案するとすれば、先ほど畔柳委員もおっしゃいましたけれども、市町村側の努力 の問題というのは、そこはどうしても触れざるを得ないだろうと思いますので、今問題に なっている○のところの「回収努力を行っており」というところを「行っている」という ふうにして、そこで一回マルで切っていただいて、その後、「医療機関においても求めら れる」というところは、やや「同程度の努力」というところが、少し踏み込みすぎる可能 性もありますので、そこは削除させていただくと。そこから、続けて「保険者の回収につ いて」ということで、要は、もうちょっと踏み込んだ回収努力をお願いしたいということ でございますので、そういうことでここの部分については御了解をいただければと思いま す。よろしゅうございましょうか。今村委員どうぞ。 ○今村委員 今のことはそれで了解したんですが、その後のところで、医療機関側の努力 ということが幾つかの表現で出ていると思いますが、「同程度」ではなくて、例えば、最 後の○だと「従来以上の」と。今、鈴木委員から、そもそも回収努力をしていないところ は、どんなことでもいいから少しやってくださいよというところもあるだろうし、かなり やっているところだと、その次のページにあるように、訪問まで行いなさいというような、 いろいろ解釈のしようが、病院側の努力というのは段落によって違っているということが あるかと思います。  例えば、保険者は、医療機関が従来以上の努力をしてもだめだったら、改めて電話、文 書で催促をすることも協力するというような書きぶりもあるんですけれども、医療機関が 訪問までしてだめだったものを改めて文書を出して回収できるのかというような問題もあ って、ちょっとこの辺の表現がまちまちになっているので、若干整理をしていただくとあ りがたいかなと。医療機関の努力というところですね。 ○岩村座長 私の理解では、多分、文書催告というのは、要するに、強制徴収に移る最後 の前提であって、その前に少なくとも訪問するなり何なりして回収の努力をまずそれに先 立ってやってくださいということかなという理解なので、整理としてはそれほど前後して いるという感覚は受けていないんですが、御指摘もありましたので、最終的にどうするか ということについてはお任せいただければと思います。 ○今村委員 はい。 ○岩村座長 事後対策のところ、16ページから18ページの4行目まででございますが。 小森委員どうぞ。 ○小森委員 済みません。もう一つあります。15ページの(5)なんですけれども、入院保 証金の解釈のところです。「国はあらためて解釈の周知徹底を図るべきである」じゃなく て、過去に図っていただいているんですね。だから「図る」としていただいて、まだ周知 徹底されていない都道府県がありますので、この文章の最後は「べきである」じゃなく、 図っていただきたいんですけれども、だめなんでしょうか。 ○岩村座長 これは多分、報告書自体はこの委員会の報告書で、そして、これを国に対し て申し入れるという趣旨のことになると思いますので、そうしますと、この検討会として は、国に徹底を図るべきだというふうに申し上げるということでよろしいのではないかな と思います。 ○小森委員 分かりました。ありがとうございます。 ○岩村座長 松岡委員どうぞ。 ○松岡委員 16ページの一番最後のところですけれども、医療機関の方から保険者に情 報提供を行うということですけれども、一部負担金を納めていらっしゃらない患者の方の 情報、これは個人情報に当たるわけなんですけれども、ここの情報提供の取扱いは、どう いうやり方がいいのかというのはよく考えておく必要があるのではないかと思います。 ○岩村座長 実施段階においては、そこの点については個人情報の問題もありますので、 留意する必要があるということだと思いますので、何らかの形で、こういうことを実施す る場合についての留意事項ということでとどめておいていただきたいと思います。  小森委員どうぞ。 ○小森委員 今の御意見があったので言っておきますと、今回の未収金の最終的な取りま とめをすべての医療機関の病院は見ています。結果、これだけが提示されますと、ほとん ど我々側にとっては何の進展もなかったと。なお一層病院が努力をして、回収をしなさい という結果だけが出ます。となると、今、我々は回収をしていない状態です。ほとんどの 医療機関がこの未収金の結果が出るまで待っていますので、この結果が出ますと、先ほど 言われた回収が始まると考えてもいいと思います。どのような回収になるかは、各自治体 の病院団体によって異なってくると思いますけれども、それが行われると思います。  もう一つ、前回も御指摘しておいたように、救急医療において、以前の病院で未収金が ある場合の情報リストが各地域で回っています。そのような患者さんが当然病院に運ばれ てきた時点で応召義務が発生するということを踏まえると、救急はとまるケースが十分に 考えられる。  片や病院同士での当然情報交換があって、先ほど今村委員が言われたように、暴力、未 収金等の情報が既に病院等は当然対策として前回にも説明があった対策が行われています ので、余りに対策、対策に踏み込みすぎたことを言いますと、対策ばかりが進んでしまっ て、事前に見ないという行為が出てしまうのが大変心配です。だから、その辺を余り強調 しすぎるとよくないんじゃないかなとは思っています。 ○岩村座長 貴重な御指摘だと思います。どうもありがとうございます。  最後、18ページの「まとめ」というところでございますが。今村委員どうぞ。 ○今村委員 「まとめ」なんですけれども、4行目の「一部負担金の未払いは由々しき問 題である」と。その後が「こうしたモラルハザードを」ということで、未収金、お金を払 わないことはモラルハザードだという言い方になっていますが、実は今回の厚労省のアン ケートの病院のアンケートでもそうですけれども、経済的な理由で払えないという方の理 由が一番大きいわけで、その次が「悪質滞納」ということになっているかと思います。し たがって、ここでいきなり未払いがモラルハザードとつながるのではなくて、この間に、 例えば支払いが困難な事情にある者に対してはきめ細かい対応が必要であって、そういっ た特段の事情のないものについては、こういうモラルハザードを放置することは問題だと いうような書き方にしていただいた方が全体のまとめとしてはよろしいのではないかなと 思っています。 ○岩村座長 私も同じような感じを持っていまして、あるいは、もう少し簡単にするとす れば、悪質滞納者のようなケースを放置することは、とか、そういうことでもいいと思い ますし、むしろ全体をまとめるということですれば、今の今村委員のおっしゃったことの 方がより適切かという気もしますので、そこは恐縮ですが、私と事務局の方にお任せいた だければと思います。  崎原委員どうぞ。 ○崎原委員 国保に関しての未収金の減免制度については、アンケートでよく分かりまし たけれども、今後こういう問題が出てくると、減免の請求を要求をするということが増え てくるのではないかと思うんですね。国保についてはできていますけれども、組合健保に ついては、減免のことが余り表に出なかったんですけれども、そこら辺のところはどうな っているかということはまだ分かりませんけれども、今後、組合健保につきましても、同 様な減免制度を充実していくというような記載はできないんでしょうか。 ○岩村座長 保険課長。 ○岩渕保険課長 今、減免とおっしゃいましたけれども、徴収の方のお話でしょうか。 ○岩村座長 一部負担金の減免。 ○岩渕保険課長 これは、健康保険の世界も、これは新たに制度として導入されたんです けれども、ただ、健康保険の加入者は給与所得がある方でございますので、災害時に事由 が限定されておりまして、現に新潟の中越地震のときなどにはこの制度が適用されるとい うことが始まっているというところでございます。 ○岩村座長 多分、国保の被保険者層と健保の被保険者層とがちょっと違うものですから、 一部負担金の減免という点からすると、同列にはならないかなと思います。今、保険課長 が御説明になったとおりかと思います。 ○崎原委員 疾病によって一時収入がなくなる、障害制度というのがありますけれども、 そういうのは病気によってということもあるかなと思ったのでそういう発言をしましたけ れども、実際、そういう方がおられないということであれば、今のままかなと思います。 ○岩村座長 もともと、しかし、健康保険法の方の減免事由自体が限定されちゃっている んですよね。ですから、ちょっと構造が違って、ただ、皆無かと言われると、困るかもし れないという気はしますが。  河上委員どうぞ。 ○河上委員 全体の報告書の書きぶりというか内容は、要するに、原因を分析して、医療 機関には回収の努力を更にしなさいと。それから、国としてもやるべき協力をもっとしな さいという形でとどまっているというか、そこまで書いているわけで、この検討委員会が どこまでのことを実際に報告書で言うべきなのかというのが私もよく分からないんですが、 突き詰められてはいないわけですよね。要するに、医療機関の窓口も回収努力を最大限や った。国としてもやるべきことはやった。しかしながら未収金が出た。その未収金を一体 だれが負担するのかということについての最後のところが詰めがない状態になってはいる わけですね。  恐らく現在のまま推移すると、恐らく医療機関が負担してくださいということを言って いることにはなるんだろうとは思うんですが、ただ、医療機関としてやるべきことを全部 やるべきことをやったんだけれども、なおかつその残りの部分については自己責任でとい うことが果たしていいのかどうかということが、いま一つはっきりしない部分はある。私 自身は、そこは合理的な分担ということがあってもいいのかなという気はしながら、検討 委員会には参加していたんですが、なかなかそこまで踏み込んだ報告書にはならないとい うことであるとすると、将来に持ち越している部分というのはあるのかなという気はした のです。  特に、先ほど木村委員がおっしゃった書きぶりの変更についても、これはそこまではま だ踏み込めませんということを言っていらしたのを聞いて感じたんですけれども、患者の 一部負担金というのが一体どういうものなのかということについての共通了解が十分には でき上がっていないし、それから、医療機関が応召義務を負うというときに、そのときに 置かれている医療機関の法的地位についても、必ずしもきちんとした了解ができ上がって いないんじゃないかという気がしてならなくて、そうだとすれば、更に将来に向けて検討 をする余地があるということを、どこかでなお書きでもいいから書いておいた方がいいの かなという気が少ししたのですけれども、いかがでしょうか。 ○岩村座長 私の理解では、今回の報告書の構成でいきますと、まず、とにかく未収金そ のものが発生しない対策をやりましょうと。そのために原因分析をやり、そして、一部負 担金そのものを負担できないようなケースと、悪質滞納というケース、この2つが一番大 きく未収金の原因として浮かび上がってきたと。ほかにもあるんですが、焦点はその2つ でしょうということになり、そして、一部負担金を負担できないような世帯については、 これは一部負担金の減免なり、あるいはその他いろいろなソーシャルワーカー等を通して のネットワークということを通して手当てをしましょうと。  他方で、悪質滞納については、基本的にはこれは回収努力等をやっていただいて、それ でもだめだと、今回の整理では、最終的には市町村による強制徴収のところにいくんだと いう整理になっていると思うんですね。したがって、最終的には市町村が強制徴収して、 徴収したものを医療機関にお渡しをする。  もし問題が残るとすれば、悪質滞納で強制徴収に行ったら、実は、結局取りはぐれまし たというときですね。そこの部分については、おっしゃるように、どうなるのかというこ とは残っているんですが、現状を言えば、強制徴収そのものが今まで動いてきていないと いう中で、今回の整理は、要するに、医療機関の側でも相応の御努力をいただいた上で、 条件さえ整っていれば、今度は強制徴収も一定の条件のもとでやりますよという話なので、 やってみて、どこまでいけるのかということが今回の委員会の最終的な持っていきどころ だったと。  それが私の理解では、一番最後の18ページのところで書いてあって、ただ、その点に ついて、とにかく取組みをやってみて、実施による効果を検証します、してくださいとい うことを一応最後にまとめとして書いてあるということで、そこの検証部分については、 厚労省サイドで、これは組織的、行政的にやっていただく。その結果を受けてどうするか というのは、多分恐らく場を改めて別の場で検討すると。もし芳しくない結果ということ になれば、そういうことなのかと思っております。  私の方は何となくそういうイメージだったんですが、事務局の方でもし御訂正があれば。 ○神田国民健康保険課長 座長おっしゃるようなことで、まずは今、実質的に保険者徴収 の仕組みはありますけれども、なかなかワークしていないということの原因が、そもそも 基準がはっきりしていないとか、先ほど保険者からもありましたけれども、書面による催 促ですぐに回されても、なかなか市町村としても手出しができないという実態があると思 いますので、それを自主的に具体化してワークをするようにするということが大事ではな いかと考えております。 ○岩村座長 では、先に手が挙がりましたので、対馬委員お願いいたします。 ○対馬委員 この検討会の目的といいますか、性格といいますか、ないしはできたことに 対するということですと、先ほど、病院が努力をされて、国も努力すると、ここまでかと 言われたんですけれども、そうではなくて、私どもが参画して、前回も申し上げましたけ れども、皆様方が御努力して、我々も努力しましょうと、保険者もと。こういうことです から、全体的にやっていこうということで、決して病院と国がやればいいんだという理解 ではないんだろうということは申し上げておきたいと思います。 ○岩村座長 山崎委員からお手が挙がりましたが、どうぞ。 ○山崎委員 未収金の問題点というのは、診療行為が発生した時点で税金を課税されてい るわけですよね。収入の実態がないのに課税されて税金だけが取られて、その税金を取ら れた分について未収金が発生してしまうわけですから、それを全部病院の責任だからとい うふうな形でされると、ダブルパンチになるわけですよね。したがって、税法上、未収金 が発生して、ある程度のことをしたらば、単年度でそこの払った税金が戻るとか、そうい うふうな税制上の仕組みをきちんとしてほしいという気がするんですけれどもね。収入が ないのに税金だけ取られているんです。 ○岩村座長 ただ、検討するのは難しいと言うと怒られるかもしれませんが、税の問題と いうことになりますと、どうしても私どもの手を離れたところになってしまいますので、 未収金問題の背景にある事情として税の問題があるという御指摘があったということは記 録には残るということで御了解いただければと思います。  島崎委員どうぞ。 ○島崎委員 話を蒸し返すつもりは全然ないのですが、一言だけ。先ほどの応召義務の議 論があった後のいろんな議論を聞いていて、ちょっと気になるので一言だけ申し上げてお きたと思います。順番を変えるのは結構なのですが、この応召義務の解釈のところの一番 最後の言葉は「見解が示された」という言い方になっています。そこを改めて確認してお きたいのですけれども、これは、厚生労働省から新たな見解が示されたわけではなくて、 基本的には昭和23年に出された解釈における通知が繰り返されているのであって、実を 言うと、前にも進んでいないし、後退したわけでもない。そこは誤解がないようにしてお く必要がある。第2回の検討会で議論した経緯を分かっていれば、そこは全然誤読の余地 はないのですけれども、普通に「見解が示された」という文言だけを見ると、何かそこに 新たな見解が示されたというように見えてしまう。新たな創設的な意味合いはないのだと いうことは、修文されるときに注意されておかれた方がよろしいのではないかと思います。 ○岩村座長 ありがとうございます。そこは注意しておきたいと思います。  一通り御意見を伺ってまいりましたけれども、全体を通してこの際という御意見がござ いましたらお願いをいたします。小森委員どうぞ。 ○小森委員 最終的にこういう形でまとまって、4病協としてはいろんなことを実行して いくわけですけれども、病院団体としては、また検証として来年、再来年と、本当に未収 金の総額がたくさん増えていくのか、それともいろんな回収努力とか協力機関との間で未 収金が減っていくのかという検証はしていきたいと思います。もしそれで未収金がどんど んまた増えてしまうと、社会的な情勢もあると思いますけれども、増えていくようなこと があった場合は、再度こういうような検討会を開いていただいて、また論議していただけ ると助かります。よろしくお願いいたします。 ○岩村座長 御要望ということで事務局の方でもとどめておいていただきたいと思います。  そのほかいかがでございましょうか。  それでは、この案についての御意見がほぼ出尽くしたというように存じます。今日の御 議論の中で幾つか御指摘がありまして、修正、修文が必要な箇所がございます。これにつ きましては私にお任せいただいて、あとは事務局との間で調整をして、最終案を作成させ ていただきたいと思います。その上で、各委員にお回しして御確認いただいて、報告書の 最終的なものとして取りまとめをいたしたいと思いますが、そのようなことでよろしゅう ございましょうか。 (委員うなずく) ○岩村座長 ありがとうございます。では、そのようにこの後は進めさせていただきたい と思います。  それでは、今日、最終回ということでございますので、この研究会の主催者であります 水田保険局長の方からごあいさつをいただきたいと存じます。 ○水田保険局長 保険局長でございます。報告書の取りまとめに当たりまして、一言ごあ いさつ申し上げます。  まず、岩村座長をはじめといたしまして、委員の先生方に本当に御熱心に審議をいただ きまして、まことにありがとうございます。感謝を申し上げます。  考えてみますと、昨年の6月にこの検討会を発足したわけでございますけれども、まさ に未収金問題、これが医療保険制度の基盤に関わる問題であるという認識のもとに発足さ せていただいたわけでございます。それから7回にわたりまして未収金問題の法的側面に ついての整理、あるいは調査を踏まえた未収金発生の原因分析が行われてまいりましたが、 その間、医療関係者や保険者の間でこの未収金対策を考えるための共通の理解というもの がある程度得られたものと考えております。その上に立って有識者の助言をいただきなが ら、当検討会におきまして、医療機関、保険者、行政機関がそれぞれの応分の責務を果た していくという取りまとめがなされたことは、この問題の解決に向けた大きな前進である と考えております。  今後、厚生労働省といたしましては、報告書で挙げられております対策につきまして、 できるものから速やかに実施に移していきたいと考えております。当検討会、ひとまず終 了ということでございますけれども、また対策を実施に移すに当たりましては、いろいろ 御相談をさせていただきたいと思っております。御指導のほどよろしくお願い申し上げま す。  また、先ほど御要望がありました、今後どうするのかということでありました。報告書 にありますとおり、まずはこの結果を検証するということを踏まえて、その必要があれば、 またこの次のステップを進めていくと、そのように考えております。  最後になりました。重ねて申し上げますけれども、1年間、大変まことにありがとうご ざいました。 ○岩村座長 それでは、以上をもちまして、医療機関の未収金問題に関する検討会を終了 させていただきます。  ただいま、小森委員からも御発言があり、今、局長の方からも御発言がありましたよう に、重ねて私の方からも、厚生労働省におかれましては、この報告書で挙げられた対策の 実施状況又はその検証の状況というのを各委員の皆様方に適宜情報提供していただくよう お願いいたしたいと存じます。  それでは、1年間にわたりまして検討会の運営に御協力をいただきまして、まことにあ りがとうございました。座長、いろいろ不手際がありまして御迷惑をおかけしましたけれ ども、この間の御協力に厚く感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。 (終了) 照会先:保険局 国民健康保険課 電 話:03-5253-1111 内3254