08/06/19 第6回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 第6回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録 1.日 時:平成20年6月19日(木) 14:00〜15:10 2.場 所:厚生労働省共用第8会議室 3.出席者:   <五十音順>   飯野靖彦委員、飯森眞喜雄委員、五十嵐敦之委員、大井利夫委員、大江和彦委員、   落合和徳委員、木下靱彦委員、木原和徳委員、相楽裕子委員、菅野健太郎委員、   田中紘一委員、土屋了介委員、中田正委員、藤原研司委員、増田寛次郎委員、   松岡健委員、柳澤正義委員、横田順一朗委員、吉田謙一委員   事務局    人口動態・保健統計課長、疾病傷害死因分類調査室長、保健統計室長、    国際統計標準分類専門官 4.議 題  (1)WHO−FICジュネーブ会議(TAG、RSG、COUNCIL)の報告について  (2)ICD改訂に関する動向について  (3)分類改正改訂委員会(URC)議決(案)について  (4)その他 5.議事内容 ○藤原座長  それでは、予定の時刻となりましたので、ただいまより「第6回ICD専門委員会」を開催さ せていただきます。  先生方におかれましては、大変ご多忙の中、ご参集賜りまして、誠にありがとうございました。  まず議事に入る前に、事務的な確認を事務局でよろしくお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  まず、お手元の資料の確認をお願いいたします。  本日の資料は議事次第、資料1「WHO−FICネットワーク関連会議」、別紙「WHO提案 フォーマット」、資料2「ICD改訂に関する動向について」、資料3「2008年、ICD各項目 対応意見照会リスト(案)」になっております。  次に、委員のみの机上配布資料「ICD−11 Revision Update」というパワーポイントスラ イドでございます。英語版の次に日本語版がございます。  その下に「ICD−10一部改正集積版」がございます。これまでICD−10が改正された部分 において、日本がまだ未適用の部分を集めた集積版として配付させていただいております。  もう一つ、テーブルの上に「ICD−10(2003年版)準拠の内容例示表」を置かせていただいて おります。  お手元の資料について過不足等ございましたら、お知らせください。  資料はお揃いでしょうか。資料の確認は以上でございます。  本日ご欠席の委員でございますが、石名田委員、岩下委員、長村委員、北村委員、黒岩委員、 高橋委員、林委員、渡辺委員でございます。  また、事務局の交代がございましたので、ご報告いたします。  私ですが、本年4月からICD室長を拝命しております山内と申します。どうぞよろしくお願 いいたします。 ○藤原座長  ありがとうございました。  それでは、議事1「WHO−FICジュネーブ会議の報告について」です。まず、事務局から ご説明をお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  資料1でございます。  本年4月にスイスのジュネーブで行われました「WHO−FICネットワーク関連会議につい て」をご報告させていただきます。  4月10日〜16日まで、内科部会(TAG)、改訂運営会議(RSG)、諮問会議(Advisory Council) といわれる主な会議が開催されまして、私どもが参加してまいりました。12か国の参加がござ いました。  まず4月10日でございます。WHO−FIC関連会議ということで、内科TAG会議がござい ました。  この会議はICD−10の改訂に備えるという意味で、改訂運営会議がございますが、これにつ いて内科の部分においてICD改訂の具体的な作業についての議論が行われております。  これについては、インフォメーションモデルというふうに、WHOから提案されておりまして、 これはまた後で説明いたします。  まず、会議においては、WHOの本部より、ICD改訂の進捗状況について、新たなTAGが 加わったことが報告されてございます。  母子、母体周産期に関するTAG、眼科に関するTAG、医療情報モデルに関するTAG、こ の三つのTAGが立ち上がったことが報告されております。  また、RSG議長のシュートよりこの改訂に関して、今後具体的な作業を行うと考えられるイ ンフォメーションモデルを活用した改訂のあり方について、説明がされております。  その後、このインフォメーションモデル案をもとに疾病モデルについて具体的な検討が行われ ておりまして、日本から参加していただきました堺先生、菅野先生、飯野先生、島津先生、それ ぞれにおいてプレゼンテーションが行われ、脳梗塞、HCV感染症、腎臓疾患、内分泌疾患につ いて、このモデルの妥当性について議論が行われております。  4月11日、WHO−FICネットワーク関連会議、改訂運営会議が行われております。この中 で各TAG、分野別TAGの進捗状況について、報告がなされております。  まず、外因TAGではメンバーを選定したところでございます。19章、20章について主に検討 しており、既にございます外因に対する国際分類(ICECI)の構造をICD−11については、 踏襲したいと考えておりまして、ただ多軸の分類であるため、現在そのやり方について検討して いるということでございます。また、重傷度コードを含めて、複数のコードを使用するケースに ついて今後具体的な検討を行って、テストもしたいと考えていることが報告されました。  次に、稀な疾患TAG、これは2000人と1人と定義されます稀な疾患について検討するTAG でございます。主にICD−10の17章を担当しているところでございます。NIHと協力体制を 敷いたということが報告されまして、メンバーシップを拡大したいと言っておりました。この稀 な疾患TAGにおいてはフランスにございます、Orphanetという稀な疾患を登録したデータベー スがございまして、そのデータベースにおいて疾病をどのように定義づけ、あるいは記述してい るかという様式についての発表がございました。その疾病の明確な特徴や疾病を扱うときの特性 の項目について具体的な紹介がございまして、このOrphanetの様式に基づいて、他のTAGでも 作業が可能になるのかどうかということを今後検証してはどうかという提案がございました。  次に、精神TAGでございます。精神TAGにおいては、既に3回の会合を開いていることが 報告されておりまして、本年2月においても、日本でワーキンググループ(WG)の会議が開催 されているということが報告されました。WGは現在五つの分野において活動しており、また精 神疾患の分類(DSM)も同時に改訂を進めているため、これとの協調を図りたいということが 報告されました。  次に腫瘍TAGでございます。国際対がん連合という団体と協力を敷いておりまして、そこを 中心にメンバーの選定を行っているということでございます。WHOも腫瘍のリストについて、 改訂を行っているところでありまして、それとの関連が指摘されておりました。ただ、具体的な 作業はまだ進んでいないということでございました。  最後は、内科TAGでございます。現在、この内科TAGにつきましては、内科の各分野にお いてWGのメンバーを選定しているところであるということを報告しました。また内科は非常に 幅広くて、他の分野と重複する部分が多いという問題点も指摘し、稀な疾患、また小児疾患をど うするかということが、具体的な課題として挙げられました。  また、これとは別に追加情報といたしまして、眼科につきまして、本年7月10日に香港でWG 会合が開かれるという情報も入ってきております。  また外因TAGにおきましては本年10月において、米国で対面会議が開かれる予定という話も 伺ってございます。  4月14日、WHO−FICネットワーク関連会議(諮問会議)が開かれておりました。この会 議はいわゆる諮問会議、Advisory Councilとなって第1回の会合でございまして、主に会議の進 め方について議論がされたところでございます。  その中でこの諮問会議の中に更に事務局的な、執行部的な会議ということで、小執行委員会(S EG)という小さなグループをつくり、ここを中心に具体的な課題について、諮問会議の方に上 げていく形で運営をしていくということが決められ、日本もSEGのメンバーとして推薦を受け たところでございます。  4月15日、WHO−FICネットワーク関連会議(諮問会議)の続きが、開かれております。 ここでは、WHOのWHO−FICメンバーとして、研究協力センターが拡大しているというこ とが報告されました。  また、次回の年次総会は2008年10月25日から11月1日にインドで開催が予定されております。  また、本年の年次総会から改訂運営会議は、年次総会から分離して行うということも、ここで 報告されております。  資料1については、以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。同じく4月の会議に出席された菅野委員、飯野委員からもご報告を お願いします。また、本年2月に精神TAGのWG会議が日本で開催されました。そちらのご報 告を飯森委員からお願い申し上げます。 ○菅野委員  それでは先ほどの山内室長のご報告に、多少追加させていただきます。 私どもは主に改訂に関わる会議、すなわち4月10日、4月11日の会議に出ておりまして、後半の 部分は出ておりません。したがいまして、前半の部分についてご報告させていただきます。  まず、前半の内科TAGに関するものでございますけれども、ここで内科領域としては、七つ ということが決定しておりまして、実は日本の内科部会は神経内科を含んでいるわけでございま すけれども、WHOは神経内科部門は、別にTAGを設定するという予定でございまして、ここ では記載されておりませんけれども、神経内科部門は、切り離すということがほぼ確定しており ます。それが一点です。  二点目は、内科TAGの中に七つのWGができる予定でございますが、その中の腎臓、これに ついては、飯野先生の方からご報告があろうかと思いますけれども、そのときにたまたまKDI GOという国際組織が、ジュネーブで会議を開いておりまして、このグループとの打ち合わせ協 議ができましたほぼ腎臓に関しては、飯野先生とKDIGOの関係者がチェアをとるということ で、WHOの了承も含んで合意が形成されております。  それから、我々のTAGの中の内分泌代謝のWGでございますけれども、チェアとして島津先 生がご就任いただけることが、おおむねWHO側の了承が得られたという感触を持っております。  そのほかのTAGでは、ヘルスインフォメーション、これについてのTAGは既に立ち上がっ ておりまして、その席にスタンフォード大学のマーク・ミューゼン、大江先生は非常によくご存 じだと思いますけれども、この道のトップの1人という方が同席しておりまして、実際に議論に 活発に参加されたということでございます。  そのほか、まだ境界が定まっていない幾つかの領域がございますが、先ほどご報告がありまし たように、眼科領域のチェアと思われる方が、フランスの人ですけれども、同席されていた。そ のほか今後neonatalでありますとか、皮膚科領域について、TAGが立ち上がっていくというこ とを承っております。  それが、TAGに関する事項でございます。  もう一つは、先ほどもご説明がございましたように、クリス・シュートの方からインフォメー ションモデルというものが提出されまして、それをもとに飯野先生、島津先生、診療録管理学会 から堺先生、それから私、欧米のグループなどが、インフォメーションモデルを使った実際のケー ススタディーをしてみました。ある疾患をモデルにしてそれが妥当かどうかというワークショッ プのようなことを行ってみたわけでございますが、幾つかの問題点も浮き上がってきたわけでご ざいます。別紙に記載されておりますWHO提案フォーマットは、そのときのインフォメーショ ンモデルをブラッシュアップした形で出てきたものであるというふうに理解しております。  これはどういうことかといいますと、後でご説明があろうかと思いますけれども、シュートが ICD−11の構造を多軸にすることを考えておりますが、その多軸の一つ一つのファクターがこ ちらの左側の欄にあるIndex termsであるとかDefinitionとかPathophysiologyであるとか、そう いった要素に対応するというふうにお考えいただいて、そのどれかをとっていけば、利用の仕方 に応じたいろんな形での分類統計が可能になっていくのではないかということで、こういった フォーマットが提案されているわけでございます。  Orphanetがこれに似たつくりのデータベースをしておりまして、そのconversionを実際にクリ ス・シュートが試みてfeasibilityを検討していくことが予定されています。  したがいまして、内科の立場から言いますと、Orphanetで記載されている疾患がかなり内科T AGが扱う中にオーバーラップするものが含まれておりますので、我々の内科の疾患について、 今後こういった形のフォーマットづくりを準備作業としては進めていくべきではないかという ふうに感じた次第でございます。  以上、簡単でございますけれども、報告でございます。  あと、飯野先生もご出席されていましたので、よろしくお願いします。 ○飯野委員  内科TAGの中の腎臓グループについて、4月9日から11日まで向こうでディスカッションを しておりました。その間の、特にシュートの部屋で、私、菅野先生、それからアダベーチョのグ ループ、それと先ほどおっしゃったようなKDIGOのグループです。KDIGOはアメリカが 中心となってつくられた団体で、アメリカのキドニーファンデーションが基になっています。そ このグループのアラン・コリンスと数人とディスカッションをしまして、そのメンバーを決める 時にWHOと向こうのKDIGO、非常に興味を持っているというところで、そこでメンバーを 決めると、それで今月末にテレカンファランスを行う予定になっています。そこで最終的な決定 をするという予定になっています。以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。2月に日本で開催された精神TAGのWG会議、こちらについて飯 森委員お願いします。 ○飯森委員  精神と行動の障害に関しましては、TAGの下にWGが四つありまして、そして更に第3回目 のTAGで五つ目のWGができております。そのうちの二つ目にグローバルな科学的協力グルー プというのがありまして、global scientific participation co-ordinating groupで、その下 にこのグローバルな科学的協力グループが実際に動く組織としまして、グローバルな科学的協力 ネットワークグループ(GSPN)がございます。  この会議は、今年の2月22日に、第1回目の会議が東京で開催されました。その他のWGは 例えばICDとDSMの調整グループですとか、あるいは中立的な有識者グループ、ステークホ ルダーのグループ、あるいは資源流動化グループ、そして五つ目がmajor groupingというものが あります。  これに先立つ2月20日と21日に、同じメンバーによりまして、国際シンポジウム「精神科診断 と分類の最前線、ICD−11に向けて」(東京医科大学主催)という会議を京王プラザホテルで 開催いたしました。  これはGSPMの中核メンバー、各国を代表する精神科医が、14名ほど集まりました。あとW HOの方から、サクセーナ専門官とウースタン専門官も参加いたしました。このシンポジウムを 2日間にわたって開催いたしまして、引き続き22日、第1回目の会議を東京で開くことができま した。  そこではどういうことが話し合われたかと申しますと、中核グループが中心になって、世界中 から、ICD改訂に大きく寄与できる精神科医を推薦していただく。そしてICD改訂に有益な 情報を提供できるような組織を形成していくということが決まりました。  実際には、1番目としてエビデンス、実際の利用及び公衆衛生的な使用におけるICD−10 の評価、2番目として、改訂のための意見の蓄積、3番目として、ICD−11草案のフィールド トライアルの実施、4番目が各言語への翻訳の手助け、というようなことを具体的に行っていく ということが決定されました。  日本からは、丸田が参加したのですけれども、日本精神神経学会と日本精神科診断学会という のがございますけれども、それと協力して、日本からは、25名の委員を選出いたしまして、今後 このGSPNのグループと協力してやっていくということになっております。  5月3日にAPA、第161回米国精神医学会の総会中に、2回目の会議が東京会議に引き続き 開かれまして、今後の活動方針が具体化されました。  簡単ですけれども、日本が、精神TAGに関しまして、何とか寄与していこうということで、 ちょうど国際シンポジウムも厚生労働省の後援を受けて、盛会のうちに開くことができまして、 日本のプレゼンスを示すことができたのではないかというふうに考えております。  以上です。 ○藤原座長  ありがとうございました。ただいま事務局と3人の先生方から議事1の説明、ご報告をいただ きましたのですが、ご質問はございますでしょうか。  前回は遅れているという話がありましたが、少しは動きが始まったというふうにとらえてよろ しいのでしょうか。  精神TAGは、以前からかなり進んでいると伺っておりますが、いかがでしょうか。日本から の意見が、今後どこまで生きていくかわかりませんが、積極的な参加をしていただいて、大変う れしいことだと思います。 ○大井委員  質問ですが。菅野先生、今度五つプラス三つで、全部でTAGは八つになるのでしょうか。そ の他の部門というか、その他の分野というのは、どういうふうになるのでしょうか。 ○菅野委員  そこが気になるところなのですが、感染症はもともとWHOとコネクションがあるので、恐ら く近く立ち上がってくるのではないかと思います。  そのほか微妙なところが小児科でございまして、これは内科は小児科が不得意でございますの で、我々としては要望しているところですが、立ち上がるかどうかちょっとまだわからない。新 生児・周産期疾患(Neonatal)が少なくとも別に立ち上がってきて、そこは切り離されるだろうと 思いますけれども。  そのほか、今、皮膚科と眼科はありますが、耳鼻咽喉科であるとか、そういった感覚器を中心 とする部門については、どこまで行くのかというところは微妙なところではないかというふうに 思います。 ○疾病傷害死因分類調査室長  少し追加をさせていただきたいと思います。一応WHOの方では、カバーできるところは、と りあえず既存のTAGでカバーをする。  もう一つは、手を挙げる組織をなるべく広く募集するということで、先月ステークホルダーズ ミーティングというものを開きまして、世界のいわゆる国際学会的なもの、あるいはほかのNG Oについて幅広く声をかけて参加を促しているようであります。  この経緯として、例えば皮膚科あるいは眼科とかが今回加わったということになっているよう でございます。ただ、WHOも今後このICD−11のα版の完成を見るには、2008年以内になる べくTAGを立ち上げてほしいと言っているところもございますので、彼らにしてもタイムスケ ジュール的には非常にきつい部分があるのかなということは認識していると思います。  あともう一つ言っているのは、もしどこも手を挙げなかった場合は、既存の枠組みを使うとい うことも考えていると。つまり、今の死因分類改訂グループ(MRG)あるいは疾病分類グルー プ(MbRG)、そこのリソースを使って改訂につなげていくという手段もあり得るのではない かというふうに説明しております。 ○藤原座長  よろしいですか。ほかに何かございますか。 ○増田委員  眼科ですけれども、今度ヒアリングがありまして、これが恐らくスイスの第1日目に行われた のではないかと思いますが、私の代わりに柏井が出席いたしまして、そこでプレゼンテーション をして、一応眼科のTAGを立てるということが認められたということであります。  来週ですけれど、World Ophthalmology Conferenceというのが香港でありまして、その席で 最終的ないろんな委員とかWGなんかも詳しくつくる予定になっています。以上です。 ○藤原座長  それでは、議事2「ICD改訂の動向について」に移らせていただきます。事務局、ご説明を お願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  まず、机上配付資料のカラースライドの方をごらんいただければと思います。こちらはRSG 議長でございますクリス・シュートがRSGにおいて発表したスライド資料でございます。今の 改訂の動向をまとめたということで、本日お出ししているものであります。  まず、1ページ目の下のスライドでございます。こちらが今のWHOの改訂、一部入っていな いTAGもございますが、その構造でございます。その中にmodeling and informaticsというの が真ん中のRSGから枝分かれしているのがあるのがわかると思いますが、そこが今話題に出て おりました、Health Information modelingのTAGでございます。  1枚めくっていただきます、上のスライドでございます。Linear Viewsで書いてあるものがご ざいます。これがシュートがよく使いますICDの改訂のコンセプトについてのスライドでござ いまして、たびたびこの図が出てまいります。  左の方に何やらピラミッド状のものが見えると思いますが、こちらの黒い4角形がございます。 これが1つずつ分類項目であると。疾病を分類するための一つの箱であるとお考えいただければ と思います。  疾病を分類していくと、大きい1つの箱からどんどん下に落ちていって、だんだん細かい箱で、 最終的にどこかに行き着くという、そういう分類項目の構造を示しているものでございます。彼 らの構想の中では、今この分類項目それぞれの特性について記述し、定義づけしていくことで、 そこにございますカラーの線、つまり意味的な結び付きを明らかにするということを目標にして いるわけでございます。  その関係性を記述していくことによって、そこから、例えば死亡統計の用途であったり、疾病 統計の用途であったり、あるいは医療安全、そのほかの用途で、公衆衛生などの用途であったり、 いろんなタイプの分類がそこからつくり出すことができるという、そういう野望を持っていると いうわけでございます。  左の図から矢印が出ていますが、このように一列に並んだ分類をここからつくっていこうとい うことを目標にしているわけでございます。つまり、大目標を置いていまして、これをやってい くのだということが、ここから先のスライドに書いてあるわけですが、そのためには非常に時間 がかかるということも彼は認識しているところでありまして、そのためにはまずは今の分類の改 正、今のICD−10の構造に基づいた分類で改正していって、まずは内容例示表みたいなものを つくっていって、それと同時並行で、意味的な定義づけをしていくということで。まずは今の内 容例示表のような形のものができていっても構わないのだということが、次の2枚のスライドで 記載されているものでございます。  3ページ目の下、ここからが定義づけを行う、いわゆる今まで話題に出ております、インフォ メーションモデルの説明でございます。1ページめくっていただきますと、そのインフォメー ションモデルの具体的な項目が並んでおります。ここから4ページ、5ページの上まで続いてお ります。  このインフォメーションモデルは、たびたび出ておりますが、資料1の別紙の表でございます。 これが現時点版のWHOが言っております、インフォメーションモデルのフォーマット、現在議 論中のものでございます。この中で番号がついておりまして、四つの項目とそれぞれ細分化した 部分がございますが、名前、それからテキストの定義、さらにそこから特性を記述していくよう なもの。どんなタイプの病気であるとか症状であるとか。あるいは病態、解剖学的部位、現象、 あるいは病因など、このようなものをそれぞれの分類項目において記述していくということで、 分類項目ごとの関係性を明らかにしていくという、そういう野望を持っているというものでござ います。  シュートのスライドに戻っていただきまして、6ページ目でございます。Use Caceということ でICD−11、多目的用途を目指しているものであるということを何度も繰り返し申し上げてお りますが、その中で、多目的用途を具体的に定義していこうということで、その下のスライドで ございます。そこの一番上に書いてありますように、臨床上の表現型において科学的なコンセン サスを得るのだと一番上に書いてございます。  このような分類項目ごとの特性を記述すること、それ自体が科学的なコンセンサスであるとい うものであるという書きぶりでございまして、なかなか大変なことではございますが、これを達 成したいということで、このような発表をシュートが行っているということでございます。  これにつきましては、以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。これにつきまして大江委員、何かコメントはございますか。 ○大江委員  2ページ目の上の色のついた線でつながっているピラミッドのような絵が同じ色のところを 引っ張り出して分類にすると右側になるというような、そういうイメージで書かれている象徴的 な図で、これは基本的には、医療情報の領域でも考え方としては非常にあるべき姿で、恐らくこ れから用語とか概念を整理したり分類したりしていく上で、必ずこのやり方をとるというのは、 当然のやり方ですので、今回のICD−11でこういう考え方をするというのは、将来の情報処理 のことを考えても適切だろうと思っていますので、基本的にはこの方針で進めていくように、で きる限りお手伝いをすべきではないかと思っています。  ただ、一方で非常に気になるのは、これは、実際にこれがうまくいった実例が、実はまだない のです。いくはずであるという理論上の研究はたくさんあるのですけれども。  最大の問題はこの一つ一つのつぶつぶです。四角ですが、四角を青の線とか黄色の線とかある のは、具体的には、解剖学的な用語でいうと黄色の線で上下関係がある。それから病因的な視点 で考えると、赤の線で上下関係があるとか、そんなことを表しているわけですけれども、そこで 使う個々の言葉です。例えば、解剖学的な部位一つとってみても、ある疾患がどの部位に起こる のかということを書けと言われても、症状が現れる部位を書くのが、原因が起こっている部位を 書くのか、いろいろなレベルで単に部位一つとってみても、書き方が非常に変わるものなのです。  そういう意味で、個々の箱の書き方をどこまできちんと国際的なレベルでコンセンサスを形成 して、一貫性を持った形で書けるのかということが、ちょっとまだはっきりしない。そこが多分 非常に大事になってくるだろう。そこら辺をきちんと押さえておきませんと、最終的に数万個の この四角の箱が一つひとつ書けたけれども、線でぶら下げてみると、右側の分類が一応はできる んですけれども、何のために使う分類なのかよくわからないと。いざとなればそれが使えなくな るというリスクがまだ残っていますので、その辺りを今後やはり継続的に議論していくことが必 要だろうと思います。  一番大事なのは、やはり何に使うのかということを、かなり明確に最初から意識して、この線 のつなぎ方を考えていかないと、いっぱい線はあるけれど役に立たないものができる危険という のがかなりあると思います。 ○藤原座長  ありがとうございました。極めて重要なご指摘だったと思いますが、頭で考えることと現場で の用途のずれですね。特に原因なのか、症状なのかという、これは臨床現場では非常に重要なこ とだと思います。というご指摘ですが、ほかに何かご意見、ございますか。いかがですか。  それでは、後でまたお伺いしますが、とりあえず先を進めさせていただきましょう。  では、議題3「分類改正改訂委員会(URG)議決(案)について」に入りたいと思います。 事務局よりご説明をお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室長  資料3でございます。こちらは、年のサイクルで行われておりますICD−10の改正について、 各学会の先生方に意見を広く求めたものについて、この資料はまとめたものでございます。  資料に書いてございます10の学会から意見をいただいております。大変感謝している次第でご ざいます。どうもありがとうございます。  先ほど申し上げましたように、今回初めて幅広く意見を求めたわけですが、一つは、ICDが、 非常に広がりを見せておりまして、1万4,000以上の項目、それを維持管理していくというのが なかなか難しいという部分がございまして、個別専門的な事項について支援をいただきたいとい うことと。  もう一つは、ICD改正の現状について、このような大きな分類において、全体を網羅し、か つ矛盾なく分類としてまとめ上げるというのが非常に大変な作業になっているという部分で、先 生方も、こちら204の提案がございますが、お読みになっていただく過程において、どうしてこ んなことが問題になっているのだろうとか、そういうような疑問も持たれた部分もあるかとは思 いますが、実際のICD改訂の現状においては、このような形で進んでいるわけでございます。  この204の提案のうち、2年越しで持ち越されているもの6個、1年越し19個、日本からの提 案が17個ございます。これについてまとめてございます。こちらをまとめる際におきましては、 注に書いてございますとおり、この表を作成するに当たって、投票が必要ない提案は空欄、また 広く求めました結果、複数の異なる意見をこちらにいただいている場合におきましては、保留と いう△の印をつけてございます。  また、明確なコメントがなく△または×といただいているものにつきましては、保留と△を付 けさせていただいております。  また、コメントにつきましては、主なものを記載させていただいております。 これが事務局側の現状の提案に対する対応案という、暫定の投票案でございます。  この理由といたしましては、今後6月30日にこれらの提案について投票が行われるわけですが、 こちらは第1回の投票でございます。これから6月の30日の後、8月の末日に第2回の投票、そ して10月の年次総会におきまして、WHOが最終的に決定をする。その際にも投票がございます。 最終決定をするものでございます。  でありますからして、この第1回の投票において、投票の結果を見まして、またいろんな各国 からのコメントがつきまして、また提案がもまれましてまた変わってくるというものでございま す。  また、期日が6月30日と非常にショートでございますので、なかなかこれら全体を網羅して調 整していくには、ちょっと時間が幾分短いという事情もございまして、個別の提案については、 またこちらからご相談させていただきたい提案もございます。意見の相違あるいは日本から提出 した意見について、また、こちらから連絡をさせていただきまして、いろいろアドバイスをいた だきたい部分もございます。  そういうことも含めまして、現在、出させていただいております。これが現状の対応案という ことでございます。  資料3につきましては、以上でございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。これにつきまして、何かご質問はございますでしょうか。 ○菅野委員  8月に第2回目があるということなのですが。我々の学会は、6月、来週にもう一回会議を開 いて検討する予定ですけれども、外科医の意見を聞かないといけない部分がございまして、保留 にしている部分もありますので、その際、また8月に向けての意見提出というのは可能だという ふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  はい。その際は、今回いただいた意見をベースに、また先生方に呼びかけをさせていただきた いと思いますので、また追加あるいは変更等ございましたら、そのときに意見をいただければと 存じます。 ○藤原座長  よろしいですか。内科系列だけでは解決しない問題があるということですね。これからはます ますそういう領域が増えるのではないかと思われますので、事務局には慎重によろしくお願いし たいと思います。  ほかにいかがですか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  せっかくですので、参考ということで、敗血症性ショックという提案のペーパーがございます ので、これについて一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。  これは、提案の一例としてここに出させていただいておりますが、敗血症性ショックSeptic shockということで2007年5月につくられて、現在までずっと議論をされている提案でございま す。  このような形で提案は出てくるわけですが、この提案の内容といいますのは、簡単にいいます と、Septic shockというのは病気ではなく、徴候、コンディションであるということから、これ は病気の分類であるAの章の分類ではなくて、R、いわゆる症状や徴候の章に入れるべきである というそういう提案でございまして、それにおいてR57.2、Septic shockという項目をつくるべ きだという提案でございます。  その際にAあるいは、Rについております包含あるいは除外の記述それぞれSeptic shockを包 含する、あるいは除外するという記述が内容例示表にございますので、それに伴ってこれを削ら なければいけないというようなことも提案に含まれるわけでございます。  先ほど申し上げました通り、分類は非常に大きくて、多方面に及んだりすることがございまし て、非常に各方面に気を配るという必要性も出てくるわけでございます。このような形で提案が 行われているということをご紹介いたしたくて、これを出させていただいているわけでございま す。  1枚めくっていただきまして、コメントというのがついてございます。これは各国のセンター の方々、あるいはそのほかの方々がこの提案を見まして、どういうふうに考えるか。あるいはこ うした方がいいのではないかというようなことをここに逐次書き込んでいくわけでございます。 これを積み重ねることによって、どんどん提案が変わってきて、あるいは良くなったりして、合 意形成が進んでいく。そういう形で進んでいくというものでございます。  あくまでも一例としてご紹介させていただいたものでございます。 ○藤原座長  ありがとうございました。ただいまのご説明も含めまして、何かご質問、ございますでしょう か。よろしゅうございますか。  議事4「その他」に入る前に、今までの議事1、2、3、全体を含めて、もし何かご意見がご ざいましたら。いかがですか。 ○柳澤委員  先ほどの菅野委員からの説明の中に、TAGに関して、小児疾患に関しては微妙であるという お話があって、新生児に関してはできるだろうと。  小児科医の立場といいますか、小児科学会としても、小児領域、小児・思春期に関して一つの TAGを立ち上げるべきだという意見をここに提出してあるのですが、そういう方向にこれから 持っていく上で、例えば学会としてどのような行動をすればよいのかとか、そういうことが非常 にわかりにくいといいますか。その点で、私も含めて、学会としても戸惑う面があるので、その 辺、よく通じておられる先生方から、いろいろそういうことに関してのサジェスチョンをいただ きたい。 ○菅野委員  私が答えていいのかどうかわかりませんが、少なくともWHOはそういう申し出を待っていて、 今年中であれば多分受ける可能性が高いので、日本だけだと多分だめでしょうから、米国小児科 学会とか、あるいはヨーロッパのそういう連合体と組んで、我々がやるぞと言うと喜んでやって くれよと、こういう形になる可能性が高いので、ぜひ頑張っていただいて、そういうチームをつ くっていただければよいのではないかと思います。  つまり、今はそういう申し出が余りないので、何となく内科にやらないかみたいな感じでいる のですけれども、我々としては、できればそれは専門の先生たちにやっていただくのがよいと 思っておりますので、是非頑張っていただけたらいいのではないかと思うんですけど。 ○藤原座長  柳澤先生、私からちょっと素人の質問になりますけれども、今、日本で小児内科学なんてやっ ていますよね。小児内科学会。 ○柳澤委員  小児科学会ですか。小児科学というのは、いわゆる小児内科学を意味します。 ○藤原座長  それだけを指しているのですか。 ○柳澤委員  実態はそうですね。 ○藤原座長  その辺の考え方を小児科の中でどこまで細分化できるものかということを。 ○柳澤委員  小児科学がカバーしているのは、主として小児の内科ですが、それは成人の内科と同じぐらい の広がりがあって、非常に細かく細分化されています。小児科学会の下に分科会としてサブスペ シャリティの学会があるわけですが、現在20ぐらいの分科会があります。例えば小児循環器とか、 小児呼吸器とか、小児内分泌とか、そういう形で各分科会があるということで、このICDのリ ビジョンに関しても、各分科会に呼びかけて、そこから代表者を出してもらって、そういう形で 小児領域のICD−11、10のアップデートもそうですけれども、そういうものについてのいろい ろな意見を各領域から出してもらい、それをまた小児科学会として取りまとめるというふうな形 でやっています。 ○藤原座長  ありがとうございました。ほかに全般にわたって、いかがですか。どうぞ。 ○増田委員  眼科ですけれども、今度眼科TAGが一応認められたというか、その一つとしてやはり世界眼 科学会と最初これは日本の眼科学会は、やはりこのICD−10では、今の状態ですと、とても疾 患の分類には役立たない。ですから新しい今度の11の場合には、眼科を立てましょうというのが、 日本眼科学会の方からの要請があって、それを世界眼科学会、そこで一応コンセンサスを持って、 世界眼科学会がTAGを要請したというふうなことがありますので、世界小児科学会でそういう のがあるのであれば、そこに働きかけるのが一番いいのではないかと思います。 ○藤原座長  投票にまで間に合うのですかね。 ○増田委員  意外と眼科の場合、眼科学会がTAGをつくりたいということから、世界眼科学会の、1か月 ぐらいですべてが決まりましたから、かなり早くできると思うのですが。その必要性を認めても らえれば早いのではないでしょうか。 ○藤原座長  ほかにいかがですか。 ○木下委員  細かいことなのですが、先ほどの意見照会リストの件ですけれども、ここに記載されているコ メントがそのまま我が国の意見として、出るわけではないのですね。 ○菅野委員  これは日本語で書いてありますから、英語で出さないといけませんし、その際のコメントとし てはブラッシュアップした英語で出し、それが世界中にサーキュレーションされて議論がほぐさ れはじめて、コーティングの変更がなされるという複雑なステップを経るわけです。さきほどの Septic shockももう2年越しで議論をしているような感じでございますので。 ○木下委員  我が国からの提案に対して○印が左についており、これについてコメントが記載されておりま すが。 ○菅野委員  コメントは特にしないです。 ○木下委員  そうですよね。実は我が国の、私たちの学会から提案したものに、コメントがついており、ま た、ちょっと誤解を招くような記載があると思います。これは載せなければそれでいいのですけ れども、よろしくお願いします。 ○菅野委員  これは厚生労働省の方で調整して、お出しになるわけですよね。 ○疾病傷害死因分類調査室長  はい。日本側の意見につきましては、また別途ご相談させていただきたいと思いますので、ま たいろいろアドバイスを頂ければと思います。 ○木下委員  専門的な立場からするとちょっと直したらよろしいようなところがありますので、よろしくお 願いします。 ○藤原座長  ほかにいかがですか。 ○大井委員  先ほども発言をさせていただいたのですが、実際にはどんどん仕事が進んでいて、新たにTA Gができましたので、各分野を網羅していくわけです。実はこれを見てもお気づきになると思い ますが、いわゆる外科系としての独立したものが極めて少ない。それは結局、消化器とか循環器 とか、そういう分野に、ICDは包含されてしまいますので、消化器外科は消化器の中に入ると いうことになりますね。  それで外科系の日本の専門学会の方は、ちょっと腰が引けている状態になっているのだろうと 思うのです。ただ、そういうふうに内科系のTAGの中に包含されない、例えば私は、元は整形 外科なので、整形外科などは筋骨格系および結合組織として独立しているわけです。ICDの中 では。  これが実際にはICDの分類からいうと、リウマチと一緒になっている部分なのです。それで また整形外科学会に戸惑いがあったりするのですけれども、せっかく日本でICD専門委員会と いうのができ上がりましたので、各分野を網羅するようになって欲しいと思っています。私の立 場は主に診療情報管理士を抱えた、オーバーオールした立場にいるんですが、できれば各専門分 野が落ちないように、各学会に検討して欲しい。しかし、これはまた非常に申し訳ないのですが、 TAGを立ち上げるとその学会に経済的にも責任が付加されるような傾向もありますので、命令 にはするわけにはいきませんが、是非、早急にご検討をいただくということをこの会から呼びか けるというのは、いかがなものなのでしょうか。  意外に各学会、ご存じないところがあるのではないか、あるいは、ちょっと腰が引けていると ころもあるのではないかなという気がするのですが、いかがでしょうか。 ○藤原座長  消化器の場合、どうですか。確かに今おっしゃるように、例えば消化器外科の方は腰が引ける かもしれないというのが、一般論ではやられますけれども、これは私個人の意見としては今、内 科も外科もないではないかと。疾患は一つであって、外科は治療の一つであると、選択肢の一つ であるというようなことを言うと、外科の人たちは確かに腰が引けますね。  消化器の場合は、その辺の連携はどういうふうにしていますか。 ○菅野委員  消化器はICD委員会と用語委員会が合同して、事に当たっているわけでございますが、その 中に数名外科医の先生がいらしておりまして、先ほど申し上げました議論の余地がある部分、す なわちヘルニアの分類の大幅な変更が提案されたのですが、それについては、外科の意見も聞く 必要があるだろうということで、保留にしておりまして、今度は来週、その先生方の意見を聞い て意見を出すという予定にしております。  それから、外科は、腫瘍との関係が非常に深うございますので、これはまた別個に、オンコロ ジーの方に何人か意見出しをしていくような形を国内でもとっていただいた方がよろしいのか なと思います。これは病理も含めての話でございますが。  整形外科は、external causeのTAGですね。骨折だとか、事故を扱うTAGに関係がありま すので、日本からその領域の先生が、そちらに参加されていらっしゃると伺っています。 ○藤原座長  田中先生、外科医の立場で何か。 ○田中委員  今、言われた通りだと思うのですけれども、なかなか外科学会の方は、どこに組み込むんだと いう話になっていて、だから今言ったような疾病も、一緒に委員として入り込む方は同じ作業を。 ちょっと作業が大き過ぎるものですから、そういうのでちょっと腰が引けているというのが現状 であります。 ○藤原座長  例えば内科の方で基本的な考え方を出しておいて、それを外科系に投げて、外科の人たちに全 部チェックしてもらうというような、積極性は内科の方が持って、外科系がそれをサポートする というような形の方が、何となく自然のように思えるのですが、どうですか、田中先生、そう言 えばへそは曲げないでしょう。 ○田中委員  だから△のところをちょっとというような話はありますね。 ○藤原座長  ほかにいかがですか。  議事の1、2、3全般でももちろん結構ですし、先ほど大江先生の方からご指摘があった、原 因、症状かどうか不明なんていうのも、あれも非常に奥深いものがあるので。 ○疾病傷害死因分類調査室長  すいません。事務局といたしましては、外科系の学会にも、勿論、声はおかけしているところ でございまして、今の話を参考にちょっとまたいろいろと工夫しつつ、お声かけをどんどんさせ ていただきたいと思いますので、どうぞご協力のほど、お願いいたします。 ○藤原座長  是非、そうしてください。 ○疾病傷害死因分類調査室長  あと、外因についてですが、外因TAGの方は国際WG協力員でございます行岡先生が、今度 アメリカで開かれます会合に出席されるご予定ということで、そちらの方でも、動きがございま す。  WHO、国際的な動きが更に、先ほど言いましたWHOステークホルダーズミーティングとい うのを先月末にやっております。その中でも例えば心臓外科学会とか、その他外科系の学会にも いろいろと声をかけているということは伺っています。  ただ、まだそれは具体的な動きにはなっていないようです。 ○藤原座長  よろしゅうございますか。是非、それはお願いしたいと思います。 ○土屋委員  胸部外科の状況を説明いたします。  藤原座長がおっしゃったように、体腔外科、胸腔、副腔の場合は内科・外科が一緒に診療して いる悪性疾患が多いわけです。したがって内科系の方がお目通しをいただいて、必要なところだ け外科にご相談をいただくと、大概のことは解決がつくでしょう。  胸部の場合、肺癌がもう主な仕事量になっています。世界肺癌会議というのがしっかりしてい まして、先ほども出てきたUICC、これはTNM分類を決める組織で、WHOともリンクして いるのですが、そこでのTNM分類の原案は、IASLC(世界肺がん会議)のステージングコ ミッティで、10年来、今回の改訂に備えて症例を蓄積し統計学的な処理も全部行って論文にして、 それを提案し、恐らくこの夏の会議で、そのままUICCが新TNM分類として認めてしまうと いうような動きがありますので、ほとんど心配がない。  もう一つは、心臓外科の方は、確かに疾患分類を循環器の内科の方でやっていただくと、外科 の方はいわゆるrisk adjustedの成績を見るので、procedure orientedというか、手技による分 類でのナショナルデータベースが主になっています。日本でも、日本胸部外科学会と日本心臓血 管外科学会がアメリカのナショナルデータベースと合わせて、やり始めていますので、恐らく疾 病の分類については、循環器内科が中心で、問題はないかと思います。 ○藤原座長  ありがとうございます。ほかにございますか。外科の切り口からこういうことも注意をしてお きなさいというふうなことがありましたら、外科の先生でなくても、もちろん結構でございます が、ございませんか。  最後に今後の予定について、事務局からご説明をいただきます。 ○疾病傷害死因分類調査室長  先ほどございました、URCの投票は6月30日に締め切りとなっております。本日の議論を踏 まえまして、藤原委員長と相談の上、投票したいと思っております。また事前に皆さんの方にも、 一部意見につきましてはご相談させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしま す。  この専門委員会ですが、委員の任期が7月25日までということになっておりいますので、この 委員会、今のメンバーでの委員会は今回が最後になります。 ○人口動態・保健統計課長  今、室長から申し上げましたように、この委員会は、任期が2年ごととなってございますので、 現在のこの委員の構成でご審議いただきますのは、今回で最後となります。  この2年間さまざまな観点から慎重なご審議をいただき、また貴重なご意見を賜りましたこと、 この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。  また次の任期も引き続いて委員にご就任いただく先生方につきましては、引き続きよろしくお 願い申し上げます。  またご都合により、新しい方に交代される先生方におかれましては、重ねて御礼を申し上げま すとともに、こういう場でなくてもこのICDの改訂につきまして、またお世話になりますこと がいろいろとあろうかと思いますが、その折には何とぞよろしくお願いいたします。  どうもありがとうございました。 ○藤原座長  新しい委員会には少し幅広く加えていただきたいというのが、私の意見でもあります。いつご ろわかるのでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室長  今、手続き中でございます。新たなメンバーも加わりまして、総勢31名になる予定でございま す。引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。  次回の開催ですが、年次会議後ということで、11月中に次回を予定させていただきたいと存じ ますので、またどうぞよろしくお願いいたします。また事務局の方で、日程を調整させていただ きたいと思います。 ○藤原座長  よろしゅうございますか。最後に何かこれだけはというご発言でもございましたら。  では、以上で本日の「第6回ICD専門委員会」を閉会させていただきたいと思います。どう もありがとうございました。 照会先 厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課     疾病傷害死因分類調査室     電話 (代表)03-5253-1111(内線)7493