08/06/13 第6回補装具評価検討会議事録  第6回補装具評価検討会  日 時 平成20年6月13日(金)10:00〜  場 所 厚生労働省6階共用第8会議室    ○時末係長 ただいまから、第6回「補装具評価検討会」を開催いたします。今年度に ついては、第1回目となります。よろしくお願いいたします。本日はご多忙のところご 出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  それでは、委員会の開催に先立ちまして、川鍋自立支援振興室長補佐よりご挨拶を申 し上げます。 ○川鍋総括 寺尾室長が国会の用務で、急遽、用事が入りまして申し訳ありません。自 立支援振興室長補佐の川鍋でございます。委員の皆様方におかれましては、障害保健施 策の推進、とりわけ補装具制度の円滑な運営につきまして、日頃から多大なるご尽力を 賜っております。厚くお礼を申し上げます。  障害者の自立支援法も、施行後ちょうど2年が経過しまして、その間、制度の円滑な 運営と定着を図るために、1,200億円の特別対策、また、与党プロジェクトチームの報 告を踏まえまして、抜本的改革に向けた満年度ベースで310億円の緊急措置を講じてき ております。今後とも、私どもは、この制度の周知、定着に努める必要があると考えて おります。  補装具の制度については、公平性や透明性を確保する観点から、専門的、第三者的な 立場において、給付対象の可否等について国に報告を行う仕組みとして、本検討会を設 置いたしたところですが、今年度は補装具の価格の適正化の観点から、価格設定のルー ルの明確化について、集中的にご審議をいただきたいと考えております。  補装具の制度は、その歴史も大変古く、価格設定の基となるデータも、この歴史的な 経緯もありますが、実状と合っていない部分もあるのではないかというご指摘もされて おります。先ほど申し上げた自立支援法に位置づけられている障害福祉サービスの報酬 については、実態を調査の上設定するという形でなされています。補装具についても、 同様のルールとしたいと考えておりますが、その前提として、この検討会において、原 材料費や作業コスト、実勢価格等を十分調査して、実態に即した適正な価格が設定でき るように、明確なルールづくりについてご検討をお願いしたいと考えています。  本日は、今年度の1回目の検討会になりますが、今後の進め方、また調査の内容につ いて、皆様のご了承を得た上でご協力を賜りたいと考えております。今回より有識者の メンバーに加えまして、当事者、事業者、地方自治体の皆様にも、臨時メンバーとして お集まりをいただいております。短い時間の中での検討となり、大変恐縮ではございま すが、委員の皆様方には、忌憚のないご意見を賜れば幸いに存じます。どうか、よろし くお願いいたします。 ○時末係長 では、本検討会のメンバーの皆様の紹介をさせていただきます。横浜市総 合リハビリテーションセンター顧問の伊藤利之先生。千葉市障害者福祉センター顧問の 上原朗先生。宮城県リハビリテーション支援センター所長の樫本修先生。心身障害児総 合医療療育センター所長の君塚葵先生。神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会 リハビリテーション学科教授の黒田大治郎先生。国立身体障害者リハビリテーションセ ンター研究所所長の諏訪基先生の代理でご出席いただいております、国立身体障害者リ ハビリテーションセンター研究所の井上剛伸福祉機器開発部長。早稲田大学人間科学学 術院特任教授の山内繁先生。国立身体障害者リハビリテーションセンター病院第二機能 回復訓練部部長の田内光先生。東京大学先端科学技術研究センター特任教授の中邑賢龍 先生。東京医療センター感覚器センターリハビリテーション研究部部長の野田徹先生の 代理でご出席していただいております、国立身体障害者リハビリテーションセンター病 院第三機能回復訓練部長の仲泊聡先生です。  今回より、臨時メンバーとしてご参加いただくこととなりました皆様をご紹介します。 有限責任中間法人日本補聴器販売店協会の石井喬志理事。社団法人日本義肢協会の稲垣 平八理事長。社団法人全国脊髄損傷者連合会の大濱眞副理事長。有限責任中間法人日本 車いすシーティング協会の川村慶代表理事。社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連 合会の佐野昇事務局長。相模原市健康福祉局福祉部障害福祉課主幹の山崎茂様。  なお、国立身体障害者リハビリテーションセンター病院長の赤居正美先生、帝京科学 大学医療科学部教授・帝京大学医学部リハビリテーション科教授の三上真弘先生、大阪 電気通信大学医療福祉工学部の医療福祉工学科教授の森本正治先生、全国肢体不自由児 通園施設連絡協議会会長の宮田広善先生、東京都身体障害者福祉センター障害認定課判 定担当係長の亀田英俊様につきましては、本日ご欠席となっています。以上でございま す。  それでは、引き続いて事務局の紹介をさせていただきます。企画課の川尻課長、自立 支援振興室室長補佐の川鍋、同じく橋爪、福祉用具専門官の高木、国立身体障害者リハ ビリテーションセンター研究所の相川室長、同じく我澤研究員、研究所補装具製作部の 山崎主任です。私は、社会参加支援係長の時末でございます。どうぞよろしくお願いい たします。  それでは、本検討会の座長であります伊藤先生に、以後の議事運営をお願いしたいと 存じます。よろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 伊藤でございます。それでは、議事に入らせていただきます。今回からは、 補装具の価格改定のルールづくりが主要なテーマですので、いつものメンバーに加えて、 臨時のメンバーの方々にもお入りいただきました。どうぞご協力のほど、よろしくお願 いいたします。  それでは、事務局より、本日の配付資料について確認をお願いします。 ○高木専門官 それでは、配付資料についてご確認をお願いいたします。まず、座席表 が1枚、第6回補装具評価検討会の会議次第が1枚、資料1の開催要項が1枚、資料2 の検討会メンバーが1枚、資料3は価格設定ルールの明確化についての案、スケジュー ルが1枚紙で資料4。参考資料1、2、3がそれぞれ1束あり、最後に参考資料4。これ は4-1から4-4まで分かれておりますが、1束になっております。不足等がありました らお願いします。大丈夫でしょうか。 ○伊藤座長 よろしゅうございますか。それでは、議事(1)今年度の検討会の進め方 について、資料の3、4に基づいて事務局より説明をお願いします。 ○高木専門官 それでは議事の(1)を、資料3、資料4に沿って説明いたします。まず、 資料3をご覧ください。「補装具の価格設定ルールの明確化について(案)」です。まず 本年度は、補装具の価格等の調査をしたいと思っております。これについては、義肢等、 義肢等ということは義肢・装具・座位保持装置の3種目のことですが、義肢等の価格の 調査。それと市場実勢価格の調査ということで、車いす、電動車いす、補聴器等の他の 種目。この2つを分けて調査をしていきたいと思います。  まず、義肢・装具・座位保持装置、それと義肢・装具・座位保持装置に使用する完成 用部品についての調査です。内容としては、製作に係る原材料費や作業時間等の調査。 また、経営実態の調査。完成部品の販売価格や出荷量、製造原価等の調査を行う予定で す。車いす、電動車いす、補聴器については、調査該当製品の販売価格、出荷台数、製 造原価等。また過去3年間の売上高等の推移を調査項目として案を作っています。その 調査結果に基づいて、この補装具評価検討会でご議論をいただき、補装具価格設定のル ールの明確化をしていただき、厚生労働省として報告を受けて、平成21年度改定へ反 映をさせてまいりたいと考えております。  次頁は、2「義肢等価格等調査の概要について」です。(1)調査概要については、義 肢・装具・座位保持装置について、製作・修理に要する費用額の算定基準の根拠となる データについて、最新の状況をまずは調査をして、その調査結果について分析を加え、 平成20年10月末頃を目途に価格設定ルール案をとりまとめたいということです。  (2)調査の具体的内容で、「A.義肢・装具・座位保持装置製作事業者を対象とした調 査」ということです。「調査項目」については、具体的な製作事例についての個別の義肢・ 装具・座位保持装置製作費用についてということで、中身は事例における材料使用量や 使用完成部品、所用作業量等の中身になっています。詳細は、またあとで説明したいと 思っています。  次に、事業者の事業全体での収入事項(経常収益)についてです。これは、個別の義 肢・装具・座位保持装置製作・修理による収益の詳細と、その他損益計算書収益項目等 を調整する予定です。  次に、事業者の事業全体での支出事項(経常費用)についてです。これも、個別の義 肢・装具・座位保持装置製作・修理に伴う費用として、他の費用と切り分けのできる範 囲での詳細と、その他損益計算書費用項目にしております。最後に、購入材料の単価に ついて調査項目としております。  「調査時期・対象・方法」ですが、まず予備調査を行います。調査時期は、平成20 年7月末まで。調査対象は義肢・装具・座位保持装置製作事業者各10社の計30社程度 ということで、機縁募集による30社程度を、まずは予備調査の対象としたいと思いま す。方法ですが、調査票による調査の後、聞き取りを実施し、ヒアリングを実施する予 定です。  次に本調査ですが、調査時期は8月の中・下旬〜9月の末。調査対象は義肢・装具・ 座位保持装置製作・修理事業者約700社。先ほど稲垣理事長にお伺いしたのですが、700 社もないのではないかというお話で、いずれにしても、全数調査を考えています。方法 ですが、調査票による調査を実施します。  次に、「B.完成用部品販売者を対象とした調査」です。「調査項目」は、個別完成用部 品の義肢・装具・座位保持装置事業者への販売価格。個別完成用部品の義肢・装具・座 位保持装置事業者への販売量。また、個別完成用部品の製造原価と、過去3年間の売上 高等の推移等です。これは、現在指定されている完成部品のすべての部品について、調 査を行いたいと考えております。「調査時期・対象・方法」ですが、調査時期は6月〜7 月末。調査対象は完成用部品販売事業者(製造・輸入)も含めて全数調査。方法として、 調査票による調査を実施します。  (3)調査後の予定です。7月末日の段階で、調査Aの予備調査ならびに調査Bの調 査結果を踏まえ、中間集計結果と、価格設定ルール及びその前提となる価格算定式の改 定に向けた提案の大まかな方向性ならびに中間時点案を、補装具評価検討会に提示しま す。その後、調査Aの本調査を踏まえ、10月末頃までに最終案をとりまとめ、補装具 評価検討会に提示をします。  (4)調査主体については、本調査は、国立身体障害者リハビリテーションセンター 研究所より申請された、平成20年度の厚生労働科学研究費の一環として実施されるこ ととなります。  次に3として「市場実勢価格等調査の概要について」。これは、義肢・装具・座位保 持装置以外の補装具の種目について、市場実勢価格、取引価格、販売量等のデータにつ いて最新の状況を調査します。その調査結果について分析を加え、9月末頃を目途に価 格設定ルール案をとりまとめたいと思います。  (2)調査の具体的内容としては、車いす、電動車いす、補聴器等の製造販売等の事 業者を対象とした、以下の調査を実施します。「調査項目」は、調査該当製品の補装具種 目、名称、基本構造別の分類です。また、製品ごとの販売事業者への卸販売価格、また、 その実売価格と出荷数、製造原価、過去3年間の売上高の推移等となっています。「調 査時期・対象・方法」については、まず、調査時期が6月下旬〜7月末。調査対象は、 日本義肢協会、日本車いすシーティング協会、日本補聴器販売店協会等関係団体を通じ、 販売事業者を中心に調査をし、参考に、複数の製作事業者からの情報を得たいと考えて おります。方法としては、調査票による調査を実施します。  (3)調査後の予定としては、9月末頃までにルール案をまとめ、この会に提示したい と思います。本調査についても、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所の 調査の一環として実施したいと思っております。  次に、今年度の大まかなスケジュール案、資料の4です。補装具の価格に関すること として、まず価格体系です。本日6月13日が第6回の検討会です。調査内容等につい ての詳細についてご検討いただき、第7回の検討会については、7月の上旬〜中旬にか けて行いますが、関係団体等からのヒアリングを行いたいと考えています。(後日、「調 査結果の概要がとりまとめられた後のほうがヒアリングの時期として適切ではないか。」 との意見があり、メンバーにお諮りした上で、ヒアリング日程は別途調整することとし た。)7月末頃までに予備調査のまとめができるので、第8回の検討会では、予備調査結 果の報告と本調査方向性の確認をしたいと思います。10月末あるいは9月末の段階で大 まかな調査の結果のまとめができるので、第9回の検討会、11月の中旬を考えておりま すが、ここで改定のルールについての結論を得たいと考えております。  完成用部品の指定についてのスケジュールです。いちばん下段になりますが、本日、 指定申請書類に関しても、ご報告をいただくことになっていますが、了承を得られれば、 これをもって申請の案内をし、9月ぐらいに申請の締切、予備調査を国リハのほうで行 っていただき、1月頃に検討会を行って通知の改正をしたいというようなスケジュール 案であります。資料3、4の説明は以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明について、何かご質問 やご意見はございますか。 ○大濱 脊損連合会の大濱です。この調査に関してですが、2頁目の購入材料の単価や 4頁目の市場実勢価格と取引価格とありますが、この部品の単価は、中国や台湾製の安 い部品などがいろいろ入っていると思います。どのような部品を使うのか等も調査項目 の中に入っているのかということが1点です。市場の実勢価格、取引価格とありますが、 これも、日本製なのかどこのものかによって、台湾製の安いものが入っている等いろい ろあると思いますので、そのあたりも調査内容に入っているかということを教えてもら いたいと思います。 ○高木専門官 これにつきましては、どのメーカーがどのような所で部品を作っている かなども、当方としては把握していない現状がありますので、押し並べて調査を取ると いうようなつもりでおります。日本車いすシーティング協会の川村代表理事がいらっし ゃっていますので、ご意見があればお伺いしたいところです。 ○川村 相当なばらつきがあると思いますし、輸入のデリバリーコスト等々、あと通関 のコストであるとか、非常に上積みの費用が出てきます。それにより、上下に振れると ころはあると思います。また、いま材料費が非常に上がっていますので、その辺の変動 もちょっと起きており、どこの材料費に落ち付かせるのか、そのようなところの検討が 今後必要だと思います。 ○伊藤座長 よろしいですか。製造元についても全般的に調査をすること、その辺も確 認をしたいということだと思います。 ○大濱 パーツに関しては、例えば中国の安いパーツなどを使って、それで壊れて事故 が起きるなどの懸念が今後想定されます。ですので、特に、様々な部品が高騰している 折ですから、そのようなパーツを使われるかどうかということは非常に怖いので、その あたりを、是非チェック項目の中に入れてもらいたいという意見です。 ○寺尾室長 担当室長の寺尾でございます。遅れてまいりまして大変申し訳ございませ ん。どうぞ、よろしくご審議のほどをお願いしたいと思います。いまの大濱副理事長の ご質問はもっともでございまして、安全の確保という意味では、また別途、制度全体の 議論を別の、今年度ではなく、少し時期をずらして議論をさせていただきたいと思って おります。  今回、冒頭の挨拶の中で趣旨を申し上げたと思うのですが、この補装具の価格を、今 後は障害福祉サービスの報酬改定と併せて改定していくということになっております。 いままで予算折衝で単価も品目もセットしてきたものを、今度はこの検討会を設けて、 ここできちっと品物はどのようなものがいいのかということと、価格がどれぐらいがい いのかということをセットして、あとは財務省との関係で、価格の改定は数年ごとに報 酬改定と併せて市場調査をしながら、医療機器などと同じようなシステムで変えていき たいと我々は考えております。  それを、どのような方法がいいのかということを、この検討会の中で決めていただき、 それを、まず第1にして、価格をきちっと現状に見合った、本当に皆さんが納得できる 価格をまずセットし、そのあと、安全基準であるとか、その中身について規格、国際規 格等の関係とか、そのようなものは、また、制度をもう1回見直すべき問題として、取 り上げて検討をしていきたいと思っております。それは、また切り離して検討させてく ださい。そのようなことでございます。 ○伊藤座長 いかがでしょうか。安全基準については別途検討するということで、それ が大前提で価格の設定ルールを決めていくということですが、よろしいですか。ほかに ございますでしょうか。よろしければ、いまの事務局の説明、この資料3、4に書いて あります内容をベースに、ただいまのご意見はご意見として別途、安全基準等は考えて いくということを踏まえて進めさせていただきますが、よろしいでしょうか。かなりス ケジュールがタイトですが、ひとつよろしくお願いいたします。国立身障センターの方々 には大変ご苦労だと思いますが、よろしくお願いいたします。  次に、議事の(2)の「補装具の価格改定について」、事務局から説明をお願いいたし ます。 ○高木専門官 それでは、補装具の価格改定の調査について、基本的な考え方につきま しては先ほど申し上げましたとおりですので、今度はその調査内容の詳細についてご説 明をしてまいりたいと思います。まず、義肢・装具・座位保持装置の調査について、国 立身体障害者リハビリテーションセンター研究所我澤研究員からご説明いただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○我澤研究員 国リハ研究所の我澤です。調査の詳細について説明させていただきます。 まず最初に、資料の中の参考資料1というちょっと分厚めの冊子があるかと思いますが、 「義肢・装具・座位保持装置製作・修理事業者を対象とした補装具供給にかかわる実態 調査」ということで、こちらを説明させていただきます。  表紙を1枚めくっていただきまして、左の頁が目次になっていますけれども、そちら に設問の大きな項目が書いてございます。こちらは先ほど高木専門官のほうで説明もあ りました調査項目です。設問1というところで、個別の義肢・装具・座位保持装置につ きまして、どういうような特性を持ったものが、どういうような製作作業が必要か、時 間がかかるか、どういう材料を使っているかなどの費用面の調査を目的としたものです。  設問2以降は、個々の義肢・装具と言いますよりは、そこの義肢・装具・座位保持装 置の製作・修理事業者のほうの収益、費用面の調査、購入している補装具材料価格に関 する設問をやっています。収益に関する調査は、この補装具事業というのは経営的に結 構厳しいという話を伺うのですけれど、その辺の客観的な資料を基にどういうふうな状 況にあるのだろうか、ということを把握するということを目的としたものです。補装具 材料価格に関する設問と言いますのは、先ほどの質疑の中でもありましたように、材料 等の確保の高騰等も最近傾向としてあるということで、その辺の状況を把握するという ことを目的にしております。  それでは、各設問を簡単に見ていきたいと思います。2頁に、個別の義肢・装具・座 位保持装置について所要費用を聞いていくにあたって、種別によって相当いろいろ変わ ってくるだろうということで、ここに区分を書いてあります。これは現行の支給基準の 区分に基づいております。その区分ごとに設問を細かく書いてあります。ここでは例と いうことで、殻構造義肢の義手A-1(肩義手)のところを事例としていきたいと思いま す。  次の3頁〜4頁の頭にかけましては、補装具製作・修理事業者の中で、2つの取り扱 われた事例を選んでいただきまして、その所要費用等を記入していただくというものな のですけれども、この3頁から4頁の頭にかけましては、その選んでいただいた義手の 特性を書いていただくところになります。4頁のiiiのところ、これは挙げていただきま した義手の作業時間を書いていただく。4頁の(iV)以降、次の5頁、6頁にかけまし ては、これは当該義手を作るに当たりまして使用した素材と申しますか、材料の使用量 を書いていただくものです。  7頁の部分は、その材料の中で、特に完成用部品をどういうものを使ったのかという のを記入していただくものです。その右側8頁では、当該補装具の提供価格ならびに交 付年月日。これは後で、調査票でお伺いしたものを基に聞き取り調査というものを考え ておりますので、そのときに、いついつのときの義肢という特定が行いやすいように、 記録しておいていただくためにこの項目を作っております。以上が個別の義手に関しま す設問でございます。ここでは肩義手の事例ということでこのような設問を行っていま すが、他の義肢ですとか、補装具、座位保持装置の場合は、特性に合わせましてここの 部分の設問は若干変わってまいります。  ちょっとここで頁が飛びまして、27頁です。ここから先は、個別の義肢・装具・座位 保持装置の話になりまして、そこの事業所全体の話になります。設問2は、この売上げ について聞くものです。ここは先ほども述べさせていただきましたように、義肢・装具・ 座位保持装置の製作・修理を扱っていて、経営的に無理がないか、そこら辺の状況を把 握するというものなので、義肢・装具・座位保持装置以外の事業の売上げ等もお聞きし ているわけなのですけれども、特に当該補装具につきましては少し細かく、カテゴリー 別に件数として何件製作・修理があったのか、それぞれの区分ごとの合計でどの程度売 上げがあったのかということを伺っています。というような設問が29頁、30頁と続き まして、31頁のところで、その他の事業からの売上げ等も合計していきまして、最終的 にこの経常収益を過去3年間、3年度分にわたってご記入いただくという形になってお ります。  ここら辺が、先ほどの項もそうなのですが、非常に回答箇所が多いというのが気にな っているところなのですけれども、この実態をなるべく詳細に把握したいという部分と 兼ね合いがありまして、その点、日本義肢協会と日本車いすシーティング協会に、いま 具体的なところをいろいろ相談させていただきたいと考えております。  続きまして、32頁、設問3、こちらは事業者の費用支出に関してお伺いするものです。 ここも、ねらいとしましては、事業所全体の費用支出を把握したい一方で、義肢・装具・ 座位保持装置に係る部分の事業所全体の費用という部分も見てみたいのでありますが、 ただ、ここは少し売上げのほうとは違いまして、ある費用を支出したのが義肢・装具・ 座位保持装置にかかわっているものか、他の事業にかかわっているものか、少し切り分 けが難しいというところもあるかと思います。そこで、もし切り分けができるようであ れば、義肢・装具・座位保持装置、義肢等の部分にかけられた費用を書いていただき、 切り分けが難しいようでしたら、全事業の費用を書いていただくという形にしてありま す。  33頁、34頁は、補装具製作に用いる材料に関する各調査でございます。先ほどの議 論の中で、その安全面とも関連しまして、輸入元・調達元を聞くのかという話がありま したが、先ほども説明がありましたように、安全面云々のところまで踏み込んで評価す るというのは、ちょっと今回のものでは難しいと思うのですが、輸入元を聞くという部 分を導入して把握するというところまでは、含めることも可能かなと思います。その点 につきましては、少しこれから相談させていただきたいと考えております。  最後、設問5そのほかということです。いろいろお聞きしたのに合わせて、義肢等に 関する価格制度に関しまして、ご意見を自由筆記の形でお伺いするという形になってお ります。ざっとした話になりましたけれども、義肢・装具・座位保持装置製作・修理事 業者を対象としました補装具供給に係る実態調査につきましては、以上です。 ○高木専門官 山崎主任、何かありますか。 ○山崎主任 この中で、例えば5頁とか、それぞれの使用した材料について記入するよ うになっているのですけれども、こちらは、過去に義肢装具の調査を実施したやったと きのものを参考にして書かせていただいております。座位保持装置等については、この ような材料についての具体的なものというのがまだ出てこないような状況ですので、こ の内容についてはもう少し相談させていただき、座位保持も決めていきたいと思ってお ります。 ○高木専門官 ありがとうございます。ちょっと長い調査票なので、もう1回おさらい しますと、要するに設問1の部分ですけれども、これが26頁まで続くわけです。26頁 までのものも1例ということで、以上の形式で他の義肢・装具・座位保持措置に関して も同様の設問内容になるということで、1例を示していますという整理です。設問2、3、 4、5についてはこのままで、プラスアルファーの部分がちょっと今後検討ということで ございます。参考資料1についてのご説明は以上でございます。 ○伊藤座長 ありがとうございました。まだ基本的な粗削りの案というレベルだろうと 思います。これからそれぞれの関係団体やら協会の方々と少し詰めていただいて、それ で完成させていきたいという趣旨ですが、ご意見ございますでしょうか。ご質問も含め まして、どうぞよろしくお願いします。 ○川村 1つお伺いしたいのですが、参考資料1のデータの取り扱いについてというこ とです。回答内容が第三者に知られることはありませんとありますけれども、これは経 営の根幹にかかわるようなデータになると思いますので、その辺がどこまで公表される のか、情報が共有されるのか、というところをちょっとお伺いしたいのですが。 ○伊藤座長 よろしくお願いします。 ○我澤研究員 データの取り扱いでどこまで共有されるのかということですが、個々の 事業者に書いていただきます個別データに関しましては、国リハの研究、この厚生労働 科研の研究費でやらせていただくということですが、それにかかわっております国リハ のスタッフの外に出すことは一切ございません。これをまとめまして、こちらに報告さ せていただいたり、あるいは、厚生労働省にお送りさせていただきますのは、その集計、 分析をしまして、この参考資料1の表書きのほうにも一応書いてはあるのですけれども、 事業者名等の特定のできない形にしたもののみを公表といいますか、提示させていただ くということで考えております。 ○伊藤座長 統計資料のオープンということですけれども、よろしいですか。ほかにご ざいますでしょうか。 ○山内 いまのに関連してですが、データの取り扱いの場合には、データ処理にあたっ ては、匿名化をするのかしないのか。匿名化をするのなら、連結可能で匿名化するのか、 連結不可能で匿名化するのかどうかという、その3つのどれを取るかということが基本 的な考え方なので、そのどれを取るかをはっきりさせていただければと思います。おそ らく予備調査の段階では、これは匿名化できないと思います。700社が集まった段階で どういう匿名化の取り扱いをするのか。それはやはりこのタイトルにきちんと書いてお いた方がよろしいかと思います。 ○伊藤座長 事務局、よろしいですか。 ○我澤研究員 コメント、ありがとうございます。おっしゃるとおり、予備調査の段階 で、この予備調査をさせていただいた上で、その聞き取り調査もさせていただくという ふうには考えておりません。その時点では、対外的に公表をすることはないのですけれ ども、我々のほうでは企業名を見られるような形で集計を進めるということで考えてお ります。ご指摘いただきましたように、この調査票の先頭のわかりやすいところに、そ の旨を表記するよう修正をしたいと思います。 ○君塚 このコスト計算と、また義肢装具士の人材育成とも絡んでなのですが、経営実 態調査の中で、会社のスタッフ数、家族を除いて義肢装具士の国家資格を持っている人 の数とか、それ以外の人の数という、規模との関係も分析できると。というのは、若い 私どもの所に来ている義肢装具士の方が、短下肢装具という小さいものがあるのですけ れども、「私の月給は、それ1個よりも安い」と言います。そういうことで、この規模 の話もちょっと分析の中に加えてもらえるといいと思います。 ○伊藤座長 それは事業者の規模という意味ですか。 ○君塚 そうです。 ○寺尾室長 先ほど申し上げましたとおり、今回の検討事項は、補装具のそれぞれの価 格がいまの市場の中でどうなっているのかということを、きちっと把握して、それから 今後どういう改定をしていくかという、改定の仕方について議論していただくところで、 あと事業者の事業の経営がどうなのかということについては、ちょっと我々が今回この 場の中で議論するつもりはないのですが。 ○君塚 その価格設定と関係してくる大きなファクターとして、その専門的な技術料と いうのがあると思います。その技術料が、今回は別としても、基本的に大きなファクタ ーになり得ると思います。 ○我澤研究員 いま話に出ました技術料に関しましては、いろいろな方から話は伺って います。ただ、この現行の制度の枠と合わせてどう織り込んでいったらいいのかという のは、正直なところ、まだ具体的イメージがない段階です。今回予備調査をする中で、 いろいろな事業者の方に話を伺いますので、今年度まとめてよりは、もしかしたら来年 度以降になってしまうのかもしれませんけれども、少しそこら辺は相談させていただき たいと考えております。  先ほど出ていました人数規模等の話ですけれども、経営面の話も、この価格設定で経 営に無理が及ばないようにということで、考えなければいけないということは重々承知 しております。関係ある話だと思うのですけれども、先ほど説明もありましたように、 今年どこまでできるかというところで、結構タイトなスケジュールを組んでおりますの で、予定としましては、来年度厚生労働科研費を使って調査ということでありますが、 本年度と来年度2カ年で申請をして、一応公募されております。来年度の調査では、そ こに踏み込めたらと考えております。 ○伊藤座長 基本的に、事業者の規模についても調査研究の対象とする。ただ、今回は それが主目的ではないので外れるということですね。ただ、今後それは具体化する予定 であるということです。君塚先生よろしいでしょうか。 ○君塚 はい。 ○稲垣 この設問3のところのいわゆる表です。ここに間接費とか材料費、販売費と載 っておりますが、実は私どもでは離島問題が出てきているのですよね。非常に前から倦 厭されている問題で、離島問題をどのようにしてここで解決していくかということで、 この表の中に、いわゆる離島の費用ですね、そこの欄を設けていただけると。設けてい ただいて、一緒にその価格に反映していただくということは、いかがでございましょう か。 ○我澤研究員 ご意見をありがとうございます。今回入ってなくて申し訳なかったので すが、この交通費・離島等の問題に関しましても、相談段階では話には出ていたのです。 今回指摘を受けたのもありまして、いまご指摘がありました設問3、これは事業者全体 とどこまでやれるかなのですが、設問1の個別のほうでも、そういった問題はたぶん同 じようなことがあると思いますので、そこはちょっと相談させていただきながら、含め ることを考えていきたいと思います。 ○稲垣 よろしくお願いします。 ○高木専門官 すみません。32頁の設問3で、いま離島の問題で特別に交通費がかかる というふうな話。一応販売費の中で、営業に要する交通費というところで一応項目出し はされているのです。 ○我澤研究員 ということで反映したつもりではあったのですが、ただ、実はそこを明 示するためには、そこに営業に要する交通費というふうに、交通費にはなっているので すけれども、そこの状況がもう少しわかるような形に改良する余地はあるかと思います ので、そこは検討したいと思います。あと、最初の予備調査を30件程度するというこ とを考えていますけれども、これは具体的に離島というところまで考えてなかったので。 地方を散らして実施するということを考えてましたので、その調査対象を選定する段階 で、少しそこのところも併せて考えたいと思います。 ○伊藤座長 確かに、特殊な交通費と一般的な交通費は、分けたほうがよろしいかと思 いますね。 ○大濱 たまたま昨日の自立支援法関係で、与党の議連が1つありまして、その中でや はり話が出たのですが、東京の多摩のほうのある1つの市で、そこに8つぐらい業者が あったのが、撤退して、いま1つか2つぐらいになっているという話が出ていました。 私たちの会の中では、要は非常に事業者が撤退して、サービス水準がかなり低下してい る、修理もなかなか来てもらえない等の事態が、過去と違って自立支援法になってから かなり出てきていて、それが非常に問題だという声がかなり多いです。  したがって、この価格の調査に当たっては、いわゆる現在の価格を調べるだけではな くて、本当に適正な価格というのはどこなのかという調査も必要だと思います。価格コ スト、現状の実態調査というのは確かに必要だと思いますが、そうではなくてですね、 適正な補装具をつくるうえでの適正価格ということです。先ほど、要は安い部品を入れ ているかどうかというような質問をしましたのは、そういう意味もあります。では実質 的にどういう価格設定だったら適当な水準の補装具がつくれるのかというのを、是非精 査してもらいたいのです。それで、ちゃんと事業者が立ち行くような価格設定にしてい かないと、これはまずいと思っておりますので。  これは伊藤座長にお伺いしたいのですが、このコストの調査というのは、やはりその あたりの、事業者がきちんとやっていけるような価格を調べていきたいと、そういうス タンスでこのコストの調査をすると、そのように考えてよろしいわけですね。 ○伊藤座長 基本的に、この調査は適正な価格を設定するためにやる調査というふうに 我々は考えています。そうでなければやる意味がございませんので。その上でルールも きちっとしたいと、これをオープンにしたいと。こういうことでございますので、よろ しくお願いしたいと思います。 ○井上 今回の厚生科研費の主任研究者をやらせていただいております井上でございま す。今回は、価格の設定のための調査と、一方では研究という立場での調査がございま して、そちらでやはり「経済学的手法による補装具の価格構成に関する研究」という題 目でやらせていただいておりますので、2年度で、先ほど説明しましたが2年度でやら せていただいておりますので、将来的にそういったところをしっかり固めていけるよう な地盤になるような、そのような研究ということで、研究を仕上げていきたいというふ うに思っております。  先ほどの匿名化の話ですが、基本的には連結可能な匿名化ということを考えておりま す。ですから、データが我々のほうの手違いでどちらかに行ってしまったという場合で も、会社名とそのデータとがすぐには一致しない、という形でのデータの管理をしよう と思っておりますので、その辺りは配慮をしっかりやりたいと思っております。よろし いでしょうか。 ○伊藤座長 よろしくお願いいたします。ほかにございますでしょうか。よろしければ 次の参考資料2のほうに進みたいと思います。事務局からご説明をお願いします。 ○我澤研究員 引き続きまして参考資料2のほうにあります義肢・装具・座位保持装置 の話ですけれども、「完成用部品供給にかかわる実態調査」ということで、今度は調査対 象が、完成用部品の供給業者、製造者及び輸入業者を対象に調査を行います。  こちらは2頁3頁が見開きになっております。これは認可されている、いま現在完成 用部品の一覧表に上っております個別完成用部品につきまして、その型番ごとに売上原 価及び販売対価、それぞれの出荷数量を調査するというものになっております。2頁と 3頁に分かれておりますのは、2頁は国内製造、自社製造のもので、3頁にありますのは 輸入したものになっております。国内製造か輸入したものなのかということで売上原価 のところの設問が、自社製造のほうのは製造原価をお聞きする、輸入品につきましては 仕入れ価格、輸入コストをお聞きするとともに、外国で購入した場合、実売価格がいく らなのかというのをお聞きするようになっております。  ここのところ、輸入の国は、一応この原案として、アメリカ、イギリス、フランス、 ドイツということでやっておりますが、ここら辺はちょっとまた相談をさせていただく ことになるかと思います。  次の頁にまいりまして、設問2、設問3。これは先ほどの参考資料1のほうにも同様 の趣旨の設問がございましたが、過去3年間の事業所の経常収益及び経常費用をお聞き するものです。趣旨としましては、これも先ほどのものと同様、完成用部品供給という 事業が、果たして安定的に持続して回していけるのか。財政状況等を考えますと、無駄 に価格を高く設定していただくのは、ちょっと抑えてもらうということを考えなければ いけないのですが、一方、きちんとそういった事業が回っていくようにという配慮も必 要かと考えておりますので、この収支に関する資料をご提供いただくということで考え ております。  こちらも、この収支に関する分析に関しましては、来年度に跨ってしまうような形に なってしまうかもしれませんが、そこも含めて分析を進めていきたいと考えております。 以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ご質問、ご意見、ございますでしょうか。 ○高木専門官 表がわかりにくくて申し訳ございません。設問3にございます、参考資 料1にもあったのですが、「完成用部品の供給にかかわるもの※他業種との切り分けが できない場合、該当欄に「−」とご記入し、他業種の記入欄にあわせて金額をご記入く ださい」と。それで、他業種の記入欄というのがどこなのかというのがちょっとわかり づらかったと思うのですけれども、それが2段目の「完成部品以外の主要事業での費用」 というところの欄になる、ということでご理解いただければと思います。 ○伊藤座長 ほかにご意見、ご質問、ございませんでしょうか。よろしいですか。では、 次に進んでよろしいですか。 ○寺尾室長 大変恐縮でございますが、気温が暑くて。CO2削減のために空調はかかっ ておりません。我々だけクールビズで失礼しており恐縮ですので、是非とも上着をとっ ていただければと。障害のある方もおられますので、体温調整の問題もあります。大変 恐縮ではございますが、ビル自体に空調が入っておりませんので、ご容赦ください。ど うぞ上着をとってください。 ○伊藤座長 それではこの議題は終了いたしまして、今度は参考資料3のほうに移らせ ていただきます。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 参考資料3については、私からご説明申し上げます。参考資料の3は「義 肢・装具・座位保持装置以外の補装具種目にかかる実態調査」についてです。基本的な 内容、表紙については、他のものと同一です。  2頁目からは「車いす調査票」になっています。これについては、平成19年度の期間 中に行われた取引についての記入です。まず製造物についての票が1-1、輸入品の場合 は1-2、販売店向けの質問は1-3です。1-1の製造について、(1)種別番号は後でまた説 明いたします。(2)の車いすの名称、(3)の型番、(4)の販売店への販売単価、これは 卸売価格ということになると思います。(5)として対象期間における出荷数量、(6)と して基本構造以外の構造、(7)として製造原価です。  1-2の輸入品についてです。(6)までは同じです。(8)が輸入原価、これは先ほどの 完成用部品の輸入原価の取り扱いと同じ考え方で書いています。(9)の外国における実 売価格についても、同様です。米英仏独をなぜ選んでいるのかですが、これは診療報酬 における保険の医療材料における輸入品の取り扱いのときに調べる項目に合わせていま す。  1-3「利用者向け販売について」です。対象期間に、利用者向けに車いすを販売された 場合は、こちらにご記入ください。利用者ではなく、ディーラー等別事業者に販売した 場合には記入不要です。製造・輸入業者が利用者向けに車いすを直接販売した場合とい うイメージです。これもまた、販売だけで販売店として取るということも併せて後ほど ご相談したいと思います。非常に多項目にわたるものですから、紙ベースというよりも 電子媒体、エクセルファイルを電子媒体でお配りし、それをお返しいただきたいと思い ます。  4頁目、別紙ということで「車いす調査票記入上の留意事項」です。先ほど、後ほど ご説明しますと言った「種別番号」についてです。車いすについては、この101から116 という16種類に分けられます。それぞれ普通型やリクライニング式普通型などという ことで、基本構造と基準額が定められています。ですから車いすの事業者が、リクライ ニング式普通型についての製造の原価や出荷量を書く場合には、種別番号のところに 「102」という番号を記載していただくことになります。  (2)名称については、カタログ等に当該車いすに呼称をつけている場合は、記載し ていただきたい。(3)型番については、当該車いすの製品ごとの型番を記載していただ きたい。(4)の販売店への販売単価については、基準額や希望小売価格ということでは なく、販売店への販売価格を記載していただきたい。時により出荷時単価が異なる場合 は、記載を2行以上に分けて単価設定ごとにご回答いただきたい。(5)出荷数量につい ては、対象期間における出荷台数をご記載いただきたい。  (6)について、基本構造以外の構造とは何かと言いますと、非常に漠としたものに はなっているのですが、基本構造は4頁からの票にあるとおりです。当該車いす製品に よっては、基本構造以外の機能を持つものもあるかと思います。その場合にはおそらく 単価が上がってくることが予想され、その差が何によるものなのかを明確にするために、 基本構造以外の構造を、例えば背もたれの張り調整や足台のスイングアウト、肘掛け脱 着、車輪脱着ハブなどを備えている場合にご記載いただきたい。これについては電子フ ァイルで処理をしたいこともあり、どのような項目が実際に考えられるのかということ を、またご相談をしたいと思っています。  (7)製造原価について、当該車いすの製造原価をご記入いただきたい。(8)輸入原 価、票に基づいて記載いただきたい。(9)外国平均価格について、先ほどの説明のとお りです。(10)は販売店にお聞きするものですが、実売単価、実際の小売り単価をお書 きいただきたい。そのようなつくりになっています。以下、電動車いすも同様です。  次は補聴器、11頁からです。基本的には同じような調査内容になっています。「基本 構造以外の構造」については、どんなものがあるのか、またご相談したいと思っていま す。以下、盲人安全つえ、義眼、眼鏡がございまして、「座位保持いす、起立保持具、頭 部保持具、排便補助具」これらについては障害児に限定した補装具になります。この辺も、 車いすシーティング協会さんを中心にお聞きすればデータが取れるかとは思っていると ころです。また後ほどご意見があれば、お願いいたします。8番が歩行器、9番が歩行 補助つえです。10番が重度障害者用意思伝達装置ということです。  11番は、過去3年間の事業所の経常収益についての調査です。12番は、経常費用に ついての調査です。考え方自体は、先ほど我澤研究員が説明したとおりの考え方に基づ き、これらの販売に係る収入支出というものを把握していくことになると思います。以 上です。 ○伊藤座長 参考資料3について、いまの説明に対して何かご質問、ご意見はございま すか。 ○石井 石井です。補聴器の調査票について質問いたします。ここで回答する内容につ いては、支援法による補聴器の取り扱いではなくて、要するに、そこのメーカーまたは 販売店における総商品の取り扱いということで回答するということですね。 ○高木専門官 基本的には、この種別番号に書かれている301から308に該当する製品 ということになります。ですから、例えば軽度難聴用の補聴器は該当しないということ になるかと思います。 ○伊藤座長 よろしいですか。 ○石井 はい、わかりました。 ○田内 補聴器の件ですが、13頁にあるいままでのこの型式、種目と名称はもう随分昔 からの型式、名称で、現在はもうほとんどがデジタル化され、いろいろな機能が付加さ れてきています。現状からすると、そういうような付加機能が必要な人にも、実際には この中には載っていないからということで、よほど特殊な場合でないと認可されないと いうところがあります。付加機能としては、4つあります。音を一定に大きくするので はなく、小さめの音は大きくし、大きめの音はそんなに大きくしないという、ノンリニ ア方式が1つあります。それから騒音抑制といいまして、定常的な騒音はカットするよ うな装置、それからハウリング防止装置といって、ピーピー音がするのを防止する装置、 また言葉の聞き取りを良くする指向性のマイクを付けるなどの4つの方式がいま出来て いるのです。  価格設定をするに当たり、付加機能も必要な人には付けるような、そのようなことも 念頭に入れた価格設定を是非していただけたらと感じます。これは私の意見です。 ○伊藤座長 事務局、何かご意見ございますか。 ○高木専門官 そういうこともあることを承知しております。ですから、その基本構造 以外の構造をご記入の上、そういったものも調査の対象に今回はしたいと考えています。 ○田内 もう1点は、たぶんデータとしては出ていると思うのですけれども、どんな補 聴器が出ているかというようなこと、それから外国はどういう状態なのか。耳あな型が 多いのか、あるいは耳掛け型が多いのかというようなことも、せっかくですから調べら れればと思います。  どうしてかというと、補聴器の交付の基準的な形というのは、いまのところはポケッ ト型になっています。ただポケット型を使っている人はほとんどいなくて、非常に現場 では困っている状態があります。地方によっては、基準の形があるものですから、ポケ ット型しか駄目ですよとか、主婦で仕事をしていないとポケット型しか出ないとか、高 齢者で今まで長い間耳掛け型を使ってきたのだけれども、それがポケット型になってし まうなどの問題があります。仕事しているか、していないかにより決められてします傾 向があります。その辺のところも含めて考慮していっていただければと思います。 ○伊藤座長 かなり技術格差があるところなので、難しいところですけれども、どうぞ。 ○寺尾室長 補装具の実態に合わせたような支給の仕方ということだと思います。その 辺はこれからよく考えながら、新規種目への取入れ、それからそういうベースがどうい うものがいいのかということも、この検討会の中でまた検討していただきながらしてい きたいと思います。できるだけ幅広い調査をさせていただきたいと思っております。 ○伊藤座長 ただ、補聴器は技術革新がかなり進んでいます。それと、いまあるこの基 準に相当の格差があるということのご指摘なのだろうと思いますので、ちょっと実態を どう把握するか、ご検討いただきたいと思います。自立支援法で支給されているもの以 外の部分ですね、これも調査してほしいということなのでしょうけれども、今回できる かどうか、できる限りのところでそれはやっていただきたいと、私からもお願いをしま す。 ○君塚 1つは、基準外を含めて、すべての取り扱ったものを網羅するかどうかという ことです。それからもう1つは基本に近いのですが、車いすの場合に業者によって呼び 方が変わるのです。「座位保持装置付き車いす」あるいは「車いす構造座位保持装置」と いうような形で、かなり基本的な形に近いのをこの基本構造に入れたほうがいいのかな というのがあります。もう1つは、この項目立ての中に「座位保持装置」がないみたい なのですね。「座位保持いす」はあるのですが、装置が入っていない。 ○高木専門官 座位保持装置のほうは、参考資料1のほうで。最初から作り上げるもの ということで、義肢・装具に並んで、座位保持装置は調査をすることにします。 ○君塚 車いすに付ける座位装置も同じように考える。現実にはかなり単価が違ってい るのです。 ○高木専門官 座位保持装置付き車いすについては、いま、座位保持装置に構造フレー ムで、「車いすフレーム」を認めておりまして、実際にはその「座位保持装置」で拾える と認識しています。 ○伊藤座長 それはそうなのでしょうけれども、基本的にこれは今回の調査とは直接関 係ないと思いますが、座位保持装置付きの車いすというか、車いす台車を付けると。こ のことについては少々矛盾もありますので、いま君塚先生がおっしゃったようなことは、 今後の検討課題だと思うのです。だから座位保持装置と車いすが、もう完全に一体にな ってきている。技術的には一体のほうがいい。ただ、そうすると今度は別々に出せなく なってしまっても困るというようなことで、ちょっと矛盾がございます。ですから、こ のことについては検討会として改めて議題にしたいと、私も思っておりますが、いかが でしょうか。 ○上原 いま座長がおっしゃったとおり、私たち、座位保持装置に車いすを付加するの に大分苦労した時代があったのですが、一体型となっているものが多くなってきていま す。子ども用には、今いろいろな良いものが出てきていますので、何か1つのカテゴリ ーを作っていただいたほうが良いと思います。  そうでないと、今は座位保持装置にフレームを付けることができますので、いろいろ な理屈をつけて、こういうのはフレームの部分だよと言って、無理をしていろいろな値 段を設定したりしているのです。たくさんいろいろなものが出てきておりますので、ひ とつ座長がおっしゃったように一体と見るほうが現場の混乱はなくなると思います。小 さい子どもほどそういうものを小さいころから使っていると、例えば、脊柱側彎なども 進まないということも私たちは経験しておりますので、是非お考え頂きたい。  千葉市の場合は、座位保持が不安定のレベルであれば、名称は「座位保持装置」だと。 付属するものはフレームとしての手押し型車いすだとやってきているのですが、是非そ れを整理していただきたいと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございます。ほかに、どうぞ。 ○寺尾室長 ご意見傾聴いたします。制度のあり方については、いま座長がおっしゃっ たとおり、別途やりたいと思っております。種目の取入れもそうですし、この構成もそ うです。非常に古いものも入っているのも十分承知しておりますので、その辺の今後ど のように落としていいのかどうかとか、そういうのもまた議論していただきたいと思い ます。ただ今回はちょっと時間の関係もあり、まず価格からということでご理解をいた だきたいと思います。 ○上原 もう1つ、車いすの「張り調整」ですが、一応、基本構造以外のところで調査 をしてくださるそうですが、たぶん多くのところで出回っていますので、何かマルでも 付ける所を付けていただいたほうが、実態としては忘れずに出てくるだろうと思います。 「張り調整」については苦労して出していることが多いと思いますので、たまたま基本 構造以外のところに「張り調整を書いてもいい」と書いておくと、マルを付ける人もい るかもしれない。是非何とか拾えるようにしていただけたらと思います。 ○我澤研究員 いまご指摘の点ですが、今日の資料で出せなくて申し訳なかったですが、 参考資料1の設問1の、個別のほうで聞いているところの設問で、座位保持装置につい ては、フレームを通常素材を使っているものと、車いすフレームを使っているものとで、 設問を分けています。車いすフレームを使っているものは、それ特有の付属品等もござ いますので、聞くようにしています。特により出して聞くことを考えています。 ○石井 石井です。補聴器の件でお尋ねいたします。補聴器の供給については、普通の 補装具とちょっと違っていて、補装具の場合は製販が一体となって事業がなされている ように感じるわけです。補聴器の場合には、補聴器の基本構造を提供するメーカーと、 それからそれを基にフィッティング、適合させる、補聴器の流通をする販売業との形態 で成り立っているわけですね。今回の調査で、この3-1、3-2は基本構造を持つメーカー の状況です。3-3の「利用者向け販売について」は、販売店の調査だと理解するわけで す。  ここのところで相当販売価格に差が出てくる。なぜ、こんなに差が出てくるのだろう かというのは、次の課題かと思うのです。この3番の流通経費といいますか、フィッテ ィング経費といいますか、そういうものをもう少し詳細な調査項目を入れたほうが回答 しやすいのかなと。それとも、今後の課題でそれを取り上げていただけるのか、そうい うところを一応お尋ねしたいのです。 ○伊藤座長 事務局からどうぞ。 ○川尻企画課長 企画課長の川尻でございますが、途中から口を出しまして恐縮です。 私は、昔、医療用医薬品の流通とか価格の話をやっていたり、農水省で飼料用穀物の流 通や価格の話をやっていましたもので。いまのご指摘、そのとおりだと思います。おそ らく調査票を作るときに、メーカー直販型のものと、それからメーカーと販売店が完全 に分離しているもの、あるいはその中間のものとあると思いますが、おそらく販売のみ をやっておられる事業者からデータを取る場合には、この調査票だと回答できないもの があると思います。  それから今の調査票で抜けているところでは、販売価格ごとの数量も取らないと、な かなか最後いろいろな価格を統計するときに、うまく取れないと思います。後で提案が あるかもしれませんけれども、そういうメーカー直販型でない物品については、おそら く販売店専用の調査票を別に作ったほうがうまく回答できる、というふうに思っていま す。ここら辺は事務局のほうで、もうちょっと詰めていないところがありますが、工夫 したいと思います。 ○伊藤座長 では、よろしくお願いいたします。 ○寺尾室長 それと、「フィッティング料」というところなのですが、「技術料」で入っ ているところもあるのですが、そもそも価格構成がこのままでいいのかどうかというの も、大きな問題として残っている話と認識しています。これもまた切り分けて、課題と してこの検討会でまた引き続き検討してまいりたいと思っています。 ○伊藤座長 最終的な価格を設定するまでには、相当まだやらなければならないことが ありますので、それらを含めてやるということを前提にしたいと思います。 ○川村 川村です。車いすもそうです、補聴器もそうなのですけれども。先ほどフィッ ティング料の話が出ましたので、ちょっと。例えば、義足のパーツ、完成部品にしても、 いわゆる構造パーツと機能パーツで、やはり違うと思いますね。機能パーツでも膝継手 ぐらいになってくると、最近では立脚制御が2つあるものとか、いわゆる歩行用の立脚 制御、階段昇降用の立脚制御、あと遊脚制御はもちろんです。そういうものがあるにも かかわらず、その技術料というのは、今まではあまり認められてなかったのかなという のがあります。補聴器も同じだと思います。人工知能のものもあれば、そうでないもの もあるし、耳穴にきっちりとフィッティングしないとやはりハウリングも起きる。だか ら、その分の調整も必要になってくる。その辺のフィッティングのところの力量のとこ ろを、また認めていただければうれしいなと思っています。もちろん車いすも。 ○伊藤座長 その点については、入れるか入れないかは別として、最終的なところで検 討するようにして。調査の段階では、そういう部分も書いていただくのがよろしいので はないかと思うのです。クオリティを上げていくということは当然のことですから、そ ういう意味での技術料は、例えば義肢装具士とか、そういう資格をもっていらっしゃる 方を雇うということを含めて、考えなくてはいけない話だと思います。  今回は、私の考えでは、できるだけ詳細な調査をしていただきたい。細かい調査とい うのは、回答するほうは大変でしょうけれども、今回はきちっとした基礎データを作り たいということでご協力いただいて。何度も何度もやられるよりも、ここできちっとや るほうがよろしいかと思いますので、できるだけ関係団体や回答される方々の予備調査 を含めて、ご意見を聞いて、切り分けて、できるだけ細かく取れるところは取っていた だきたいと思うのですが、それは大丈夫でしょうね。お願いしたいと思います。 ○寺尾室長 座長のおっしゃるとおりでして、いろいろな課題が補装具給付制度にござ います。とりあえず今回、基礎データを集めるということですので、将来の検討課題と して、我々、昨年度から局長の勉強会で、技術革新の勉強会をやっております。その中 で補装具の、福祉機器の給付のあり方についてもいろいろ議論させていただいています。 その中で、そういうフィッティング料などもきちっと制度化するべきではないか、とい うようなお話もありました。これは議論していかなくてはいけないことと思います。そ のときにきちっとしたデータベースとしてあって、それを活用できるような下準備のた めにも、座長がおっしゃったとおり、なるべく幅広い調査をさせていただきたいと思っ ております。よろしくお願いします。 ○伊藤座長 関係者の方は、是非ご協力をお願いしたいと思います。 ○君塚 先ほどの基準外を今回調査するのかどうかというのは、いかがでしょうか。数 は少ないのですけれども、同じものでも外国製の高いものだと基準外とかになっている 場合があります。前回も、この検討会で基準外の話が出ましたけれども、数のわりには 金額としては高くなっていると思います。 ○伊藤座長 これは、基本構造以外の構造というところで調査することになっておりま す。それを全部調査しようということに今回なっておりますので、それでいいのですね。 ○高木専門官 はい。 ○伊藤座長 ほかにございませんか。 ○大濱 利用者側にとっては、修理やサービスが遅れる等の問題がかなり生じています。 そのあたりについては、例えば、修理に要するコスト等は具体的に今回の調査の中で反 映されているのですか。 ○伊藤座長 それは、修理の技術という意味ですか。 ○大濱 修理の技術もそうですし、それから修理の出張費等もあると思うのですが、そ のあたりも含めてです。 ○高木専門官 そこなのですけれども、最初、修理の項目もすべて調査対象にしようと 思っていたのですが、大濱副理事長もご存じのとおり、膨大な項目になってしまいます。 今回、10月までを目途にとりまとめをしなければいけないということもあり、その修理 項目1つひとつについての調査までは、時間的な関係もあって難しいと考えております。  その中でご相談したいのは、さまざまな修理項目の中で、是非ここの修理項目だけは 実態と乖離があるとか、そういったご相談があればピンポイントで調査をかけることは 可能ではないかとは考えていますので、その辺でまたご意見をいただければと思ってい ます。 ○伊藤座長 今回はそこまでは難しいのではないかということですが、どうぞ。 ○寺尾室長 修理については、その制度を見直すときに、その技術料とかフィッティン グ料というのを別立てにしなくてはいけないのではないかという議論があります。それ は、修理とある程度リンクするようになると思います。そこで一緒に議論ができるので はないかと思っておりますので、その点は今回は外させていただきたい。 ○伊藤座長 基本的な制度にかかわることだということですので、制度をいじるという ことになれば、当然そこのところは調査せざるを得なくなりますね。 ○大濱 ちょっといまの関連でよろしいですか。もしもそういうことであれば、修理と いう項目ではなく、その修理とかアフターケアに関して、各事業所さんに自由に何か記 入する欄とか、最低そのあたりだけでも設けていただくというのはどうでしょうか。 ○伊藤座長 それは工夫の余地があるかと思いますが。 ○高木専門官 実際、参考資料1の後には、いちばん最後のところで自由記入欄がござ いますので、そういった形でまた個別にどういったものが設問内容として入れるかを、 別にご相談したいと思います。 ○伊藤座長 いまのご意見は、修理という項目をむしろ作って、意見を述べろというこ とですね。 ○大濱 はい、そうですね。 ○伊藤座長 そういうことは入れてもいいかなと思います。全くの空欄ではなくて、こ の項目についてどうですかというような、質問項目を入れるということですね。 ○上原 先ほど基準外というか、特別装具のことが出ましたけれども、やはり特別装具 だけは何か下のほうにでも記入して貰った方が良い。どの構造物を使ったとか、どうし ても基準内のものでは駄目だったからという理由で、特別装具として出している所が多 いので先ほどの調査の中に含んで行ってしまうと、本当につかめてくるのか。  例えば歩行器も、前回の議論のときにお話したゲートトレーナーなどは、ちょっと高 くなってしまうのもありますが、付属品を裸にしていくと、基本は普通の歩行器なので す。ただ、様々な症状を持ったお子さんたちに、あっち引っ張りこっちを引っぱり等と、 いろいろなものを付けたり、どうしても手で持つ所を付けなくてはいけない、足を引っ 張る所を付けなくてはいけない等と、高くなってしまう。それが基準内としては落とさ れてしまったものですから、特別装具として出さざるを得ないのですけれども。そうい う調査は1回やらないと、何となく本当の価格がつかめてこないのではないかと思いま すが、いかがでしょうか。 ○高木専門官 わかりました。ただ今回、膨大な量のデータが集まるところを処理して いかなければならないということです。いま上原先生がおっしゃったのは、まさに特例 補装具の基準をどうするかという話だと思います。それは別途、いま更生相談所の方は 今日たまたまご欠席ですが、更生相談所長協議会、樫本先生もお見えになっているので すが、所長協議会のほうでそこは特例補装具の事例研究みたいなことはやっていこうと いう話になっています。そちらのほうで別途、そこはやっていただきたいところです。 運用の部分ということで、全体大まかなデータを取ってそれを分析して、というところ のラインからは、ちょっと外れたところになるのかというふうに認識しています。 ○伊藤座長 上原先生のおっしゃりたいことはよく私もわかるのですけれども、実態と してそれをどう調査しても、分析し切れないと思います。ですので、実態調査ではなく て、別の角度からルール化をしていったほうがよろしいのではないかと。いろいろなバ リエーションがあって、いろいろな工夫をしてしまっているものですから、そこのとこ ろはちょっと難しいと思いますので、今回についてはご勘弁いただきたいと思います。  ほかにございますか。よろしければ、この議題はここで終了させていただいてよろし いですか。では、どうぞ関係者の方々と詰めていただくということを大前提にいたしま して、この調査票についてはディスカッションを終了したいと思います。議題の(3) その他です。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 その他として、最後に残りました参考資料の4についてです。相川室長 よりお願いします。 ○相川室長 それでは参考資料4について説明させていただきます。表紙は「参考資料 4-1」と記載されていますが、4-1、4-2、4-3と3種類の資料が一緒に綴じてあります。 参考資料の4-1は、今年度、完成用部品関係の申請書のフォーマットになります。4-2 が次に綴じてありますが、そのフォーマットに実際に記入する例ということで4-2を付 けています。さらに4-3がその後にあります。4-3は、実際記入する場合にいろいろど のように記入したらいいのかわからない部分もありますので、その記入要領ということ で作成しています。  4-4が最後にあります。こちらは参考資料ということで、今回申請するに当たり必要 になるといいますか、参考にしていただくために、工学的な規格にどのようなものがあ るかということで、義肢装具関係の規格について、1つまとめたもの、及び座位保持装 置関係についてまとめたもの、もう1つはそれぞれの各パーツごとに工学的評価が必要 かどうか、フィールドテストが必要かどうか、そのような観点から整理した表を付けて います。  前回この申請書を使いまして、平成19年度の申請をしていただいたのですが、その 中で実際私どものところでそういう具体的な予備調査の資料に、予備調査を行った中で、 やはりいくつか問題点が出てきました。フォーマットとしては大体確定はしているので すが、一部について修正しています。変更あるいは修正したのはどこかについて説明し たいと思います。  まず様式3のところです。様式3は「申請部品に係る価格根拠」ということで、昨年、 前回からこの様式を追加させていただいているのですが、基本的に昨年出されたデータ をいろいろ検討した結果、金額が高価なもの、そういう割高なものについて、その背景 あるいは理由をもう少し具体的に調べたいという観点から、様式3を変更しています。  様式6というのがあります。これはフィールドテスト、実際にそういう義肢装具など を使っていただいた結果を記載していただくものです。やはり昨年度出されたものにつ いていろいろ検討した結果、記載の仕方が不十分であったりとか、いくつか問題点があ りましたので、きちっとフィールドテストをやった結果を正確に記載できるような形に、 少し記載部分を変更しています。前回は1頁だったのですが、少し書く欄を多くし、2 頁に増やして、それぞれ当初の目的に合うような形で記載ができるように、わかりやす い形での変更をしています。ほかの部分に関しては、ほとんど変更としてはありません。  様式9の一覧の最後の※のところ、これは変更になるのですが、価格の変更があった 場合に、その根拠、価格の変更の根拠を出してくださいというのを追加しています。  申請に戻ります。前回、別紙様式1というのがあったのですが、これは内容にちょっ と重複した部分がありましたので、一部を他の様式のほうに移して、廃止し、少し簡単 化しています。基本的には、大きくは様式3と様式6の変更になります。実際に記載の 仕方などに関しても、少しわかりやすくなるように変更しているところがあります。そ の内容に合わせて、参考資料の4-3の記入要領についても、記載の表現方法とか、そう いうものについては再度検討し、わかりやすい形に見直しをして作成しております。  いちばん最後の参考資料4-4の中に、参考資料1、参考資料2、参考資料3というの があります。参考資料1は工学的な規格で、義肢装具関係の規格を、現在得られるもの についてまとめていますので、このようなものを参考にしていただき、実際の工学的な 試験、評価をしていただくという形になります。  参考資料2については、座位保持装置関係です。座位保持装置関係の規格について、 座位保持装置及び車いす関係、基本的には座位保持装置については厚生労働省の基準し かありませんので、それ以外のISOの比較とか、車いすの関係、そのような規格を整理 して一覧にしています。  もう1つ、参考資料の3がいちばん最後にあります。これは実際、完成用部品に関し まして、それぞれの部品について工学的な試験、評価あるいはフィールドテストを実際 にやる必要があるかどうかということで、まとめたものになります。前回の整理の中で、 再度これの内容について工学的な評価あるいはフィールドテストが必要かどうかという ことについて、国リハの事務局で検討し、見直しをして作成し直しています。  特に、これについては、やはり最終的に、工学的評価あるいはフィールドテストが必 要かどうかということで、非常に重要な部分になりますので、ちょっと項目が多くあり ますので、見ていただき、すぐというのは難しいかもしれませんが、何かしら問題点が あるとか、修正したほうがよいというようなものがありましたら、事務局のほうにご連 絡いただければと思います。これについては、そのようなご意見をいただき、最終案と いうことで今回の申請のほうにもっていきたいと思います。以上です。 ○伊藤座長 今年度の完成用部品の申請様式ですが、平成19年度の改訂版というよう に考えてよろしいかと思います。膨大な資料ですが、特に、資料の4-4、参考資料の3、 この部分については是非ご意見をいただきたいということです。いつごろまでに意見を 出せばよろしいですか。 ○高木専門官 非常に時間がない中で、皆さんにご無理なお願いをするのも恐縮なので すが、時間が迫まっております。今回、この完成用部品の指定、支援については変更点 もありますので、1度その関係業者、メーカーを集めての説明会なども予定していると ころです。月末ぐらいにできればなと思っています。ですから、ご意見のほう、大変恐 縮ですけれども、1週間ぐらいでいただければと思っております。メールでもお電話で も結構です。よろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 第1類の座長の山内先生、何かご意見ございますか。 ○山内 見直すのが結構大変だったと思います。大分少しずつ良くなっているので、ご 苦労さまですと、それだけを私としては言いたいのです。どうもありがとうございまし た。 ○伊藤座長 改訂版ですから、基本的には去年のものを踏襲しています。ご意見を、是 非1週間ぐらいでということございますが、大変でしょうけれども、ひとつよろしくお 願いをいたします。ほかにございますか。 ○高木専門官 事務局からですが、先ほどちょっと参考資料の3で、きちっと最後詰め なくて申し訳なかったのですが。今後、例えば基本構造以外の構造について各事業所さ んからご意見をいただいて、最終的な調査票にしたいと考えています。関係する有識者 の先生方にもご意見を賜りたいところですので、この辺についても大変申し訳ないので すが、1週間という期限でご意見を賜れればと思っております。  あと眼科の仲泊先生とコミュニケーション機器の中邑先生については、どういった事 業者さんに調査をかければよいかというふうなご意見についても、併せてご相談をさせ ていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  今日お見えになっている仲泊先生ですけれども、国リハの眼科の第三機能回復訓練部 長であられるのですが、東京医療センターの眼科の野田先生とはまた別な知見もお持ち でして、内々にご相談をさせていただいていたのですが、今回正式メンバーとしてご内 諾をいただいたところです。次回から、正式メンバーに加わっていただきたいと考えて います。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。 ○伊藤座長 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、この件に関してよろしいで すか。なければ、本日の議題は終了いたします。最後に、次回の日程です。これは夏の 暑い中、7月、8月やらなければなりませんので、ひとつご協力のほどお願いします。 そのときには冷房ありますでしょうね。そういうことですので、どうぞよろしくお願い します。では、どうぞ事務局。 ○時末係長 その日程の件ですが、次回の日程は関係団体等からの意見聴取として、7 月の上旬を考えています。皆様方の机の上に、日程調整表をお配りしていますので、ご 都合の悪いところに記載の上ご提出いただくか、後日ファックスにてお送りいただけれ ばと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 日程表の件よろしいですか。それを書いてここに置いていくか、あるいは お持ち帰りいただいて、ファックスでいただくかです。  では、その他何もなければこれで終わりたいと思います。どうもご協力ありがとうご ざいました。 照会先 [補装具評価検討会事務局] 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部企画課自立支援振興室 時末・大下 TEL 03−5253−1111(内線3006) FAX 03−3503−1237