08/03/26 未承認薬使用問題検討会議 第16回速記録             第16回未承認薬使用問題検討会議 速記録                              平成20年3月26日(水)                        於:全国社会福祉協議会「灘尾ホール」 ○ 中垣審査管理課長   それではただいまより第16回の未承認薬使用問題検討会議を開催させていただきます。 議事に入ります前に、本日の構成員の先生方の出欠状況について御報告いたします。本日 は久保先生、佐川先生、吉田先生より御欠席という御連絡をいただいております。  また、本日御議論をお願いする個別品目の検討に当たりまして、事前に座長の堀田先生 より、ワーキンググループの専門家を御指名いただいたところでございます。本日の会議 で検討結果を御報告いただくために、東京女子医科大学病院血液内科准教授の寺村先生に 御出席いただいております。よろしくお願い申し上げます。それでは座長の堀田先生、以 降の議事進行をよろしくお願い申し上げます。 ○ 堀田座長  それではまず事務局の方から、本日の配付資料の確認を行っていただきます。 ○ 事務局  それでは本日の配付資料でございます。議事次第、座席表のほか、配付資料一覧の他  資料1、検討が行われた未承認薬のリスト。  資料2−1、WG検討結果の報告書。  資料2−2、WGの専門家リスト。  資料3、本年1月〜3月に提出された未承認薬の早期承認に係る要望書等のリスト。  資料4、本年1月〜2月に欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された医薬品のリス ト。  資料5、本検討会議で検討された医薬品のリスト。  また参考資料といたしまして、  参考資料1、開催要項。  参考資料2、「未承認薬使用問題検討会議」構成員名簿。  参考資料3、対象医薬品の類型。  参考資料4、未承認薬を治験対象とする場合の考え方。  参考資料5、ワーキンググループの設置について。  参考資料6、本検討会議の検討状況。  このほか、本日、構成員の先生方の机上に、本日の資料2〜4に出てまいります医薬品 の欧米添付文書等につきまして、英文で恐縮でございますけれども、コピーを置かせてい ただいているところでございます。大部で、かつ英文でございますが、傍聴されている方々 の中で、この資料を御希望される方は、恐縮でございますが、会議終了後、事務局までお 声かけをお願いいたします。また、当日配布といたしまして、左上に「Pharma Mar S.A.」 と記載のある英文の一枚紙を配付しております。この英文のレターにつきましては、前回 の検討会議において御検討いただきました「Trabectedin」について、欧州での開発企業で ありますPharma Mar社より提出された文章でございます。この文章中におきまして、一番 下に記載がございますけれども、Pharma Mar社は日本において、「Trabectedin」、販売名 「Yondelis」につきまして、開発する意向があるという意思表明がなされたというもので ございまして、あわせて御紹介させていただきます。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。それでは資料の欠落等がありましたら、お申し出いただきます ようお願いいたします。  それでは本日の具体的な議事に入りたいと思います。まずは前回の会議におきまして、 ワーキンググループで検討を行うべきとされました医薬品について、検討したいと思いま す。事務局から資料1について、説明してください。 ○ 事務局  それでは資料1でございます。こちらは前回の検討会議の場におきまして、ワーキング グループで詳細な検討を行った上で、今回の検討会議に報告することとされた医薬品でご ざいます。医薬品名は「ヒトヘミン」、販売名Normosangでございます。こちらは前回1月 の本検討会議におきまして、早期承認に関する要望書が提出され、検討することとされた 医薬品でございます。この医薬品につきましてWGに検討結果の報告書をおまとめいただ きましたので、御検討をお願いしたいと考えております。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。それではWGで報告書をおまとめいただいておりますので、そ の検討に入りたいと思います。資料2−1「ヒトヘミン」について、寺村先生から説明を お願いいたします。 ○ 寺村参考人  対象疾病についてですが、対象疾病はポリフィリン症です。このポリフィリン症はヘム 合成系の7つの酵素いずれかの活性が遺伝的に低下あるいは欠損することにより起こる代 謝異常症であります。主な障害部位は肝臓(肝細胞)と骨髄(赤芽球)であるため、本症 は肝性及び赤芽球性に分離されております。  我が国には1920年に、先天性赤芽球性ポリフィリン症の1症例が初めて報告され、その 後、2002年末までに827例のポリフィリン症が報告されております。しかし、実際にはこ の数倍に相当する患者が存在すると推測されており、遺伝的キャリアにつきましては、そ の数十倍存在すると推測されています。  8病系のポリフィリン症のうち、急性間欠性ポリフィリン症、多様性ポリフィリン症、 遺伝性コプロポリフィリン症及びALAD欠損性ポリフィリン症は、急性肝性ポリフィリ ン症と分類されております。本剤は急性肝性ポリフィリン症の治療薬として、欧州でも臨 床使用されております。  急性肝性ポリフィリン症は、腹痛、嘔吐、下痢などの腹部症状、運動麻痺、知覚障害、 痙攣などの神経症状を起こし、適切な診断及び治療なしでは、致死的な状態に陥る場合も ある重篤な疾患でございます。また、しばしば急性腹症と診断され、不必要に開腹手術を 受けることもあります。急性肝性ポリフィリン症の中では、急性間欠性ポリフィリン症が 最も頻度が高く、我が国では10万人に1人が遺伝素因を有するといわれております。  本剤の医療上の有用性についてですが、本剤の作用機序は、ポリフィリン−ヘム生合成 系の律速酵素であるδ−アミノレブリン酸合成酵素に対しての負のフィードバックをかけ ることによります。このALA以降のポリフィリン中間代謝産物の産生を抑制します。本症 は極めてまれな疾患でありますので、本剤の有用性に関するエビデンスは症例報告や小規 模な臨床試験が主なものでございます。しかし、それらのほとんどの報告において、本剤 の臨床的な有用性が示唆されております。比較的大規模な臨床研究におきましては、22例 の急性ポリフィリン症患者に本剤が投与され、全例で効果が認められております。また、 プラセボ対照無作為化二重盲検臨床試験が1件のみ報告されております。その結果では、 尿中のポリフォビリノゲン量の減少及び臨床症状の改善傾向が示されております。  米国では、Ovation社のヘンミ製剤(Panhematin)がFDAで認可されております。本 剤は1983年に認可されましたけれども、2000年に認可が取り消され、再審査が行われた 結果、2001年に有用性が認められ、再認可されております。再審査時の成績では、111例 の急性ポリフィリン症の患者に本剤が投与され、81例、73%において有用性が認められて おります。また、再発を繰り返す患者に対する本剤の予防投与につきましても、68%の患 者に有効性が認められております。  近年、米国のPorphyria Foundationの支援により、本疾患の専門家が過去の文献および 臨床経験に基づいてまとめた、急性ポリフィリン症の診断及び治療に関する勧告が報告さ れています。その勧告によりますと、急性発症期の治療としてヘミン製剤が最も有効な治 療法であり、できる限り早く投与すべきであるとしております。  検討結果ですが、我が国においては、急性ポリフィリン症の急性発症期における治療と しては、グルコース大量療法が一般的であります。しかしながら、グルコース大量療法は 本剤に比して有効性が低く、特に重篤例の治療としては不十分であります。したがって、 我が国においても急性発症期の重篤例に対して有効性が認められる唯一の薬剤である本剤 の国内開発が早急に行われるよう検討すべきであると考えます、また、本剤は再発を繰り 返す患者に対する予防的効果も認められており、そのような患者に対しましても有用な薬 剤であると考えられます。ただし、予防投与につきましては、投与量、投与間隔、投与期 間などが確立されておらず、その適応に関しましては慎重に検討する必要があると考えま す。以上です。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして、御意見なり御質問 がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ、大塚先生。 ○ 大塚構成員  すみません。よく知らない病気なのですけれど、一旦FDAで許可されて、取り消され て再審査が行われたというのは、何か悪いことがあったというようなことなのでしょうか。 ○ 寺村参考人  これに関しましては、1983年に認可されていたのですけれども、2000年になりまして薬 剤を製造する施設が、新しくなるという事情があって、その際にFDAが改めて安全性に ついて再確認するようにということで、一度マーケットから薬剤を引き上げています。そ の間、この薬剤は臨床試験が始まったすべての患者さんにおいて、Open・Label・Studyに のらないと、その薬が手に入らないというふうなことがございました。それで約1年後に 安全性と有効性が認められて、再認可されたということでございます。 ○ 大塚構成員  特に予防投与のことに関しても関係するのですけれど、飲んでいて副作用というのはな いのですか。 ○ 寺村参考人  注射薬でございますけれども、唯一副作用としましては静脈炎ですね。注射の部位の血 管の静脈炎が起こるということが問題になっているということです。 ○ 堀田座長  そのほかに。樋口先生、どうぞ。 ○ 樋口構成員  教えていただきたいのですが、今の報告の1ページの下の方にあります、二重盲検の臨 床試験が1件だけ報告されているという話でございますが、その結果のところはポルフォ ビリノゲンの減少と臨床症状の改善傾向というふうに書かれていて、これだけかなりはっ きりした効果のある薬であれば、盲検試験で有意差がしっかり出てしかるべきかと思った のですが、ここの中身はどういう中身であるか、お教えいただけますでしょうか。 ○ 寺村参考人  こちらに関しては、この疾病は非常にまれな疾患なので、二重盲検試験と申しましても、 実際に症例数は12例ということなのです。 ○ 浜田構成員  一群ですか、全群ですか。 ○ 寺村参考人  おそらく全例だと思います。それでプラセボ投与とのランダマイズということなので、 いわゆる有意差を出すほどには症例数が足りなかったということでございます。 ○ 浜田構成員  一群6例で12例ということですから、これは非常にサンプルサイズが小さいわけですか ら、ちょっと統計的には有意差が出なくても当然で、でもこれぐらいで有意傾向というこ とでありますが、臨床的には随分大きな効果があるというふうに考えていいのではないか と思います。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。おそらく投与群にはかなり有効性があったのだけれども、症例 数が少なかったため有意差が出なかったという、そういうことかと思いますね。ほかに先 生方いかがでしょうか。後藤先生。 ○ 後藤構成員  治療薬としては米国あるいは欧州でかなり認められているということなのですけれども、 予防投与もかなりの有効性が期待できるという状況にある中で、予防投与として認められ ているのは、現在、どのぐらいの国で認められているという状況にあるのでしょうか。 ○ 寺村参考人  予防投与と言いましても、やはりいわゆるこのポリフィリン症の発作を再発する、ある いは難治性の患者に対しての予防投与ということで、非常に症例は限られているようです。 その理由としましては、ヘミン製剤で、鉄が含まれていますから、もし予防投与を定期的 にしますと、今度、鉄の沈着ということが問題になって、そちらの方の副作用が問題とな り、予防投与に関しては慎重に症例を選んで行った方がよいと考えられております。 ○ 後藤構成員  そうするとまだ現時点では、予防投与として承認されている国はないということですか。 ○ 寺村参考人  はい、そういうことだと思います。ただ、先ほど言いましたこのワーキンググループの 勧告があるのですが、Porphyria Foundationによりますと、いわゆる重篤な例で再発を繰 り返すような症例の患者さんにつきましては、予防投与を行うべきではないかという結論 です。 ○ 堀田座長  はい。ほかはいかがでしょうか。私の方から。この製剤はヒトの血液の赤血球から生成 したプロダクトになりますので、感染性も含めた安全性ということについて何かコメント はどうでしょうか。 ○ 寺村参考人  これはこちらの参考資料にございますように、C型肝炎、B型肝炎、あるいはHIVに 関しての適切な処理はできているというふうには書いてあります。 ○ 堀田座長  あとはその製剤のNo.とか、あるいはそういったものをきちんと記録しておくということ が、義務づけられるということですね。ほかはいかがでしょうか。この病気は大変希少な 疾患でありまして、大変重篤でもあるということです。先ほど御説明いただいたように、 ブドウ糖の大量投与も限定的な効果しかないという状況からすると、比較試験のはっきり とした有意差が出ているわけではないけれども、このようなものに対しては、重要な薬で はないかというふうに思います。先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。皆さんか ら一通り御意見をいただきました。それでは本剤につきましては、ワーキンググループか らの報告のとおり、本剤の国内開発が行われる様に、特に治療薬としてまずは開発される ように進めていただきたいと思います。事務局の方からそのように要請をよろしくお願い いたします。  それでは次に移りたいと思います。寺村先生、どうもありがとうございました。資料3 といたしまして、本年1月〜3月に学会、患者団体から追加で検討要望のあった未承認薬 のリストが添付されております。これについての検討に移りたいと思いますが、事務局の 方から簡単に御説明いただきます。 ○ 事務局  はい。御説明申し上げます。資料3でございます。前回1月の会議以降に提出されまし た未承認薬に関する要望書は、全部で6成分ございました。なお、既承認薬の効能追加に 関する要望についても、本検討会議の対象ではございませんけれど、資料3にまとめてご ざいます。では要望のあった各薬剤の内容でございますけれど、まず1番のレナリドミド でございます。こちらにつきましては、第8回の本検討会議で議論され、早期に治験を開 始すべきとされたものでございまして、現在治験が実施されております。本要望書につき ましては昨年12月に提出されておりまして、前回の検討会議で御紹介すべきものでありま したけれども、事務局の手違いで漏れていたというものでございまして、お詫びしてこち らに掲載とさせていただいております。  2番目のHGFプラスミドでございますけれども、これにつきましては閉塞性動脈硬化 症、バージャー病の適応疾患で現在開発されておりまして、申請準備に入ったというふう に聞いておりますけれども、本剤につきましては、まだ欧米4カ国等のいずれの国におい ても未承認のものであると聞いております。  3番目のオマリズマブでございます。気管支喘息でございますが、こちらは2006年5月 に申請されておりまして、現在承認審査中というものでございます。  また1つ飛ばしまして、ラパチニブ、セツキシマブにつきましても、同様に現在承認審 査中でございます。  4番のデシタビンでございますけれども、本剤につきましては第10回の検討会議で議論 され、早期に治験を開始すべきとされたものでございまして、現在治験の準備に入ったと 企業から聞いております。  以上でございます。したがいまして、これらの薬品につきましては、いずれも既に対応 投与されていると考えておりますけれども、ワーキンググループで詳しい検討をすべきも のがあるかについて、御意見をいただきたいと考えております。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それでは6品目がございますけれども、レナリドマイドにつ きましては、もう治験を既に実施しているという状況です。この検討会は早期に治験を始 めるべきとされ、現在それにのっとって治験をやっていただいているということですね。 これにつきましてはそのように順調に進めていただきたいというふうに思いますが、何か 御意見をいただけますか。よろしいでしょうか。  それでは2番目のHGFプラスミドですね。これはまだ申請準備中でありますが、どこ の国でもまだ承認していない、世界の未承認薬ということになって、国内未承認薬ではな いということでありますが、学会の要望書も出ております。いかがでしょうか。藤原先生。 ○ 藤原(久)構成員  こういう場合、ここでやる対象になるのですか。 ○ 堀田座長  基本的に外れていますね。事務局の整理としてはどうですか。 ○ 事務局  基本的対象としまして、まず欧米4カ国で承認されているものであって、我が国で未承 認のものとしておりますので、今回は基本的に未承認薬検討会議にかけることに限らず、 未承認薬の要望というのはこういう形ですべて紹介させていただいておりますので入って おりますけれども、世界的にも未承認ということで、本検討会議の対象ではないという整 理をしております。 ○ 堀田座長  ですからこの会議で対象を整理して、これはこの会議になじまないということになれば、 そういう整理で済ませればいいのであって、要望としてはいろんな形で出てまいります。 そのようなわけで本品目をここに挙げさせていただいているという、そういうことですね。 ○ 藤原(久)構成員  検討してもいいのですか。いや、いいのだったら、私としては検討してもいいのではな いかと思っているのですけれども。だけどこの会で検討をしてもいいという、そういうこ となのですか。 ○ 事務局  そういうことでございますけれども。 ○ 藤原(久)構成員  病気とこのHGFプラスミドというのは私もよく知っている領域なので、ちょっとお聞 きしているのですが。だからこういう会で検討してもいい、検討すべき課題の中に入って いるのだったら、検討してもいいのではないかと思うのですけれどもね。 ○ 事務局  そういった意味で事務局といたしましては、定型的に整理をしているところでございま すけれども、そうは言っても、これは検討すべきであるというような御意見があれば、ぜ ひとも御意見をいただきたいと思っております。ただ、本品に関しましては、企業がもう 既に近々申請をするというふうにも聞いておりますので、そういった意味でもここで取り 上げるまでもないのかなというふうにも考えているところでございます。 ○ 堀田座長  ほかの先生はいかがですか。確かに今までにはない類型のものであります。これまでの 検討品目は欧米4カ国のいずれかの国で承認を得て、日本では承認されていないものを対 象にするというくくりから言いますと本品目は少し外れます。ただし、非常に重要なもの であれば検討して、この検討会議として何らかのメッセージを出すことは、やっていけな いわけではないかもしれませんね。どうでしょうか。今の事務局の説明ですと、もう既に 申請の準備に入っているということで、近々始めるという情報もあるようですが。はい、 課長さんの方から。 ○ 中垣審査管理課長  先ほど申し上げましたとおり、この会議の役割という観点から見ますと、治験に入って いないものを早く治験に入る。治験に入ることによって、いわゆる混合診療の問題を解決 していこうということが、この会議の役割というふうに整理をされております。そういう 点から申し上げますと、この品目というのは、既に治験を実施し、今そのデータを整理し ているところと聞いております。したがいまして、この会議の役割を外れているわけでご ざいますが、先生からそういう御発言があったと。できれば申請取りまとめを急ぐように ということを企業に伝えたいと思います。 ○ 堀田座長  はい。そういう御意見をいただきましたので、事務局の方から、もう既に治験の準備で 開始早々ではありますが、なるべく早く進めるようにということを伝えていただくことに したいと思います。  それでは3番目のオマリズマブにつきましてはいかがでしょうか。これは要望書が日本 アレルギー学会から出ておりますが、既に承認審査中ということになってございます。 ○ 後藤構成員  おそらくこの薬剤は喘息に対する新しい作用機序を持つ品目ということで、アレルギー 学会から多分要望されているのだと思うのですけれども、これは2006年の5月の申請とい うことで、もうやがて2年近くになるわけですけれども、何か特段の問題があるとか、そ ういうことではないというふうに理解してよろしいでしょうか。 ○ 堀田座長  その辺は何か情報がありますか。すでに2年ぐらい審査にかかっているのは、何が引っ かかっているのかと、そういう意味かと思います。 ○ 中垣審査管理課長  なかなか審査中のものについて、どういうのがあるからとコメントしづらいところでご ざいます。審査をする上では疾病の分類あるいは医薬品の分類に応じてチームをつくって、 やっていっているわけでございます。昨年来いろいろ手を打っておるわけでございますが、 1つにはマンパワーが少ないというのもございますし、このもの自体の問題で申し上げま すと、気管支喘息の系統の薬というのが、この2、3年たくさん申請がされておりまして、 先生方ももう既に幾つかの薬剤が供給されておりますし、いわゆる小児喘息に基づく死亡 でございますとか、非常に不幸な自体もあると聞いておりますから、我々としても力を入 れてきたところであります。今この薬がどうなっているかと申しますと、そういう意味で 申し上げますと、そろそろ出口に近づいていると。そんなに長くお待たせするようなとこ ろではないというぐらいで、御勘弁いただけるとありがたいと思っております。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかの先生もいいですか。それではそ の次のデシタビンですね。これは骨髄異形成症候群に対する治療薬でありますが、これも 治験準備中ということで、この検討会での検討結果の後、治験に取りかかっていただいて いるという状況です。これは藤原(康)先生から以前にワーキンググループの報告をいた だきましたね。これはどうでしょうか。もう既に治験準備中ということで、近々始めると いう情報も伺っています。これは通常どおりにやっていただくということでよろしいでし ょうか。  それではその次のラパチニブとセツキシマブですが、これにつきましても、患者の会か ら要望書が出てございます。既に承認審査中という状況で、これももうほぼ1年たってい ますので出口に近いところですかね。 ○ 中垣審査管理課長  いわゆる抗がん剤についても力を入れている分野の1つでございます。先ほど喘息の薬 もそうだと申し上げたわけでございますが、そう申し上げると、あれも力を入れている、 これも力を入れているという話になりかねないなと思いながら、お話ししているわけでご ざいますが、生命の維持に直結するという観点から申し上げても、抗がん剤は本当に力を 入れている分野でございます。この2品目は先ほど座長から話がございましたとおり、約 1年過ぎたところでございまして、もうそんなにお待たせしないで審査を終えることがで きるというような状況にあるというふうに認識いたしております。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。そうしますと、学会や患者団体から要望があったものにつきま して、現在、この検討会として、ワーキンググループに取り上げて検討を進めてもらうと いうことについて、特別にこの中でしなければいけないものはないと考えてよろしいでし ょうか。はい。ではそのような整理にさせていただきます。  それからその下に参考としまして、効能追加等に係る早期承認に関する要望等というの がございます。ここに書かれているものは、この検討会の対象とは少しずれますけれども、 参考としてこういった要望についてもお知らせするという形になってございます。何か特 別御意見いただければ、それを伝えるようにしたいと思いますので、いかがでしょうか。 ボルテゾミブは多発性骨髄症でもう既に昨年通ったものですが、対象として難治性の併用 薬を、今のところデキサメサゾン以外は認めていないというところの化学療法との併用を 承認するようにという要望ですね。私も安全性の適正使用に少しかかわりあっているので すが、日本において肺障害とかいろんなことが起こった経緯がありましたので、これを安 全に使用するためには、一定程度経験を積んでから次のステップに広げたいということで、 今はその検証中だというふうに私は理解しております。したがってそういったデータがま とまれば、次のステップに入れるだろうというふうに思っています。何か御意見はいかが でしょうか。あるいは事務局の方から何か御意見がありますか。いいですか。 ○ 事務局  そういう意味で我が国での状況という意味で申し上げますと、企業の側も、こちらに治 験準備中と記載がございますけれども、この効能追加といいますか適応に関しまして、何 らかの情報を国内でも収集する方向であるというふうに聞いております。 ○ 堀田座長  はい。その次のオキサリプラチンですね。これは現在のところは、切除不能な再発結腸 癌、直腸癌に対して、胃癌の方にも適応を拡大の要望があるということですね。その次の ゲムシタビンにしましても、膵癌、胆道癌でありますが、癌治療学会の方から尿路移行上 皮癌につきましても適応拡大の要望が出ています。オキサリプラチンも既に治験をやって おりますし、ゲムシタビンについては、審査中ということでございますね。これにつきま して何か特別御意見いただけますでしょうか。藤原康弘先生、何か御意見はありますか。 ○ 藤原(康)構成員  特にございません。 ○ 堀田座長  こういう形で既に準備中もしくは実施中、審査中という形になっておりますので、それ は粛々と進めていただくということにしたいと思います。ありがとうございました。それ ではワーキンググループに検討を依頼するものは特にないということの整理でまいりたい と思います。その次にまいりたいと思います。資料4をお開きください。本年の1月〜2 月に欧米4カ国のいずれかの国で承認された医薬品のリストでございます。これについて の検討に移りたいと思いますのでも事務局から簡単に御説明いただきます。 ○ 事務局  はい。それでは御説明申し上げます。前回の報告以降であります1月〜2月の2カ月間 に、欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された医薬品は、資料4に記載がございます 3品目でございます。まず1品目目でございますけれども、「エトラビリン」は抗HIV薬 でございまして、非核酸系逆転写酵素阻害剤にカテゴライズされる薬でございます。特に 関連学会等からの要望はなく、現在国内では申請準備中と聞いております。  2番目の「フォスアプレピタント ジメグルミン」でございますが、こちらはがん化学 療法に伴う悪心・嘔吐を効能・効果とする注射剤でございます。既に欧米で承認されてお りますカプセル剤がございまして、それはその主成分でありますアプレピタントの注射液 への溶解性の改善を目的としたプロドラッグでございまして、注射剤として投与された後 に、アプレピタントにかわって効果を発揮するというものでございます。この開発状況に つきましては、現在企業の治験の準備中と聞いておりますが、このカプセル剤であります アプレピタントにつきましては、現在、申請が昨年7月に出されておりまして、現在我が 国では審査を行っている段階でございます。  ページをおめくりいただきまして、3番でございます。「リロナセプト」でございます。 この薬の効能・効果はクリオピリン関連の周期性症候群(CAPS)でございまして、ヒ トIgG1のFc領域にヒトインターロイキン1受容体を結合した融合タンパク質でございま す。そのように本薬がインターロイキン1と結合することによりクリオピリンの異常によ って過剰に活性化しているインターロイキン1と細胞表面レセプターとの結合を阻害し、 インターロイキン1の活性を阻害するというものでございます。  この3品目でございますけれども、1番の抗HIV薬に関しては、本検討会議での検討 を踏まえるまでもなく、迅速に対応することとしております医薬品でございます。また、 そのほかの2医薬品、2番と3番でございますけれども、いずれも適応疾病の重篤性につ いて、必ずしも疾病ではないと考えておりまして、本検討会議の対象には相当しないもの と考えており、ワーキンググループで詳しい検討を行う必要はないものと事務局では考え ておりますけれども、御意見を賜りたいと存じます。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。ただいまの3品目でありますけれども、1番目の抗HIV薬 については、今の説明のように、この検討会で検討するまでもなく、迅速に進めるという ことが方針でありますので、対象外にさせていただきたいと思います。2番目のものでフ ォスアプレピタントとリロナセプトにつきまして、少し御意見をいただきたいというふう に思います。疾患の重篤性等につきましては、それほど緊急性、重篤性はないという範疇 には入るかもしれません。井上先生。 ○ 井上構成員  2番目の制吐剤なのですが、これはもう国内のたくさんの制吐剤が存在するということ を考えますと、やはり検討はどうかなというふうに判断しますけれども。 ○ 堀田座長  という御意見ですが、ほかにはいかがですか。川西先生。 ○ 川西構成員  私はリロナセプトが。 ○ 堀田座長  そうですか。ではちょっと待っていただけますか。その2番目のフォスアプレピタント につきまして、御意見をいただきたいと思います。同種同効という意味では、もうこれは 新しい作用機序のもので、通常の制吐薬とは違うという整理にはなっておりますね。藤原 先生、何か。 ○ 藤原(康)構成員  Emendは、点滴した抗がん剤から数日たってから出てくる遅い吐き気に非常によく効く というので注目はされていますけれども、これは経口剤で既に治験が準備されているので すか。ちょっと経口剤と注射の区分けが、私はよくわからなかったのですけれど。 ○ 事務局  失礼しました。国内状況は治験準備中とありますのは、この注射剤の方でございます。 括弧内にありますとおり、カプセル剤経口剤の方は既に承認申請がなされておりまして、 審査中という状況でございます。 ○ 藤原(康)構成員  という整理であれば、そんなに急がなくてもいいと。 ○ 堀田座長  結局、アプレピタントという先行薬は内服薬ですが、これはもう既に承認申請中で、そ れのプロドラッグとしての注射薬が今開発に入るかというところですね。 ○ 藤原(康)構成員  ちょっと事務局に聞きたいのですけれど、剤形違いでどんどん上げてくると、検討の数 がふえるような気がするのですけれども、経口剤でも出ているようなものが注射薬に変わ ったとか、リン酸がついたからとか何か、そのように細かい申請を全部ここで取り上げて いると、大変なような気がするのですけれども、仕切りとして、今回注射薬は剤形的には もう既に大分前にこれは承認されているものを、今回上げて来ているというのは、何か自 動的に上げてきたということなのでしょうか。 ○ 事務局  正直に申し上げまして自動的にという部分でありますが、既に承認されているアプレピ タントのプロドラッグとして、構造上は少し変えてございますので、別の薬としてここに 一応上げさせていただいたというところでございます。 ○ 堀田座長  ですからこの会で、これは類似薬で、既に先行している薬剤があるから、もういいので はないかという御意見をいただければ、そういうふうに進めたいと思います。それでよろ しいですか。はい、ありがとうございました。それではその次のリロナセプトにつきまし て、川西先生お願いします。 ○ 川西構成員  このリロナセプトに関しては、実は物質的には非常におもしろいものです。Fc領域と受 容体との結合型なのですけれども、受容体のサブユニットにFcを結合させるという、非常 に人工性が高いタンパクで、こういうものがこれから医薬品としていろいろ使われるとい う意味では、非常に注目される薬剤であることは確かだと思います。ただ、疾患が重篤で はないということがあるので、今の段階としてはここで取り上げるという理由が、強いて ないとは思います。このクリオピリン関連の周期性症候群というのは、大体患者数という のはどのくらいなのでしょうか。 ○ 堀田座長  はい、事務局でわかれば。 ○ 事務局  正直申していろいろ調べまして、そもそもクリオピリンに由来するものかどうかという のは、確定診断が難しいのではないとも考えているのですが、例えば2007年に総説が出さ れており、その中で、クリオピリンが原因となります自己炎症疾患の数というのがござい まして、わが国で見られているのはトータル大体26例程度というふうな報告がございます。 いろいろ調べてまいりますと、症状から関節リウマチの一類型ではないかと思われていて、 なかなか鑑別が難しいのではないかと想像はしておりますけれども、いずれにしても少な いというふうに考えております。 ○ 川西構成員  私ちょっと考えますと、色々な作用を示す可能性があります。それでもし患者団体から、 強いてこの検討会で取り上げる様、要望が出るというようなことがあれば、検討してもい いと思うのですけれども、今の時点では少数の患者さんだということで、なおかつそこか らまだ要望が出ていないという段階では、おそらくここの検討会で強いてそれを進めると いうものではなくて、欧米で認可されている状況を見守って、実際にどういう問題が起き てくるかということも考え合わせておくということが、方針としてはいいのではないかと 思います。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。ほかの先生はいかがですか。これは小児に多いのでしたか。 大塚先生、何か御意見は。 ○ 大塚構成員  実際の数も少なくて経験もないのですけれど、周期性の発熱なんかのときの鑑別診断に よく上がったりします。実際にそうだった人は経験はないのですけれども、遺伝子で一応 診断ができて、そういうものを持っている方は、赤ちゃんのときから発病することもある というようなことですので、致死的ではないと言っても、かなり重篤な病気ということも あると思います。しかし、何しろ患者さんが少ないので実態はよくわからないということ はございます。 ○ 堀田座長  実態がちょっとはっきりつかめていないというところもあるかもしれませんね。IgG1の 過剰発現というと、いろんな症状になって出てくると思うので、1つでくくれない状況が あるのかもしれませんね。ほかの先生、いかがでしょうか。どんな扱いにしたらいいか、 御意見いただければ。御意見よろしいですか。そうしますと、今川西先生から御意見いた だいたように、患者団体とか学会の動き等があれば、その時点で対応させていただくとい うことで、今のところは通常の形で見守るというスタイルで行きたいと思います。よろし いですか。ありがとうございました。  そうしますと今のところ取り上げるものは、本日のところはないという整理になります が、よろしいでしょうか。いつもよりも1カ月早くこの検討会をやっていますので、検討 品目が本日は少ないので、それなりに進めてまいりたいと思います。ありがとうございま した。それでは最後に資料5をお開きください。これまでの検討会議での検討品目の現在 までの対応状況をまとめた資料でございます。事務局から説明をお願いします。 ○ 事務局  それでは資料5につきまして、前回から信頼のあった品目等につきまして御説明申し上 げます。まず資料1ページ目の6番、ジアゾキサイドでございます。高インスリン血症に よる低血糖症を対象とする医薬品でございますけれども、今月24日、今週月曜日に開催さ れました薬事分科会で審議がされたという状況でありまして、承認に向けて大分見えてき た段階ということでございます。  続きまして同じページの12番。下から3行目になりますガルスルファーゼ。ムコ多糖症 VI型の医薬品でございますけれども、こちらにつきましても24日の薬事分科会で報告がな されたというところでございます。  ページをおめくりいただきまして、2ページ目の下から3行目、27番のスニチニブでご ざいます。消化管間質腫瘍、進行性腎細胞癌の医薬品でございますが、こちらにつきまし ても24日の薬事分科会で報告がされたというものでございます。  続きまして3ページ目でございます。38番のシステアミン、39番のベタイン、41番の 経口リン酸塩製剤の3品目につきましては、昨年4月の第12回及び昨年7月の第13回の 未承認薬使用問題検討会議におきまして、要望が上げられた際に、ワーキンググループで の検討を踏まえるまでもなく、必要性が高い医薬品としての評価をいただいたものでござ いますが、その際、開発企業等を別途募集するとされたところでございます。この品目に つきましては、ホームページにおきまして開発企業を募集していたところでございますが、 この表には記載をしておりませんでしたけれども、ワーキンググループの検討を踏まえる までもなく、必要な薬であるとの御結論をいただいた医薬品であるということから、今回 から追記した次第でございます。  43番のオキシコドン注射剤でございます。こちらにつきましては一番右側をごらんいた だきますと、塩野義製薬ということで、開発企業として塩野義製薬が正式に開発を表明い ただいたということでございますので、ここに記載をしております。変更点は以上でござ います。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それでは何か御質問はございますでしょうか。今の38番、39 番、41番につきましては、ワーキンググループの検討はしていないけれども、すぐ当然や るべきだという整理をしたにもかかわらず、この表に載っていないのがちょっとおかしか ったということですね。どうぞ。 ○ 事務局  今回のこの医薬品の中で、治験開始の検討要請中あるいは開発企業募集中のものにつき まして、前回の会議でも申し上げましたが、開発企業等もしくは業界団体に対しまして、 未承認薬の会議で促進すべきという結論を踏まえておりますので、その進捗状況等につい ての説明を文書でお願いしたいということで、通知を発出しておりまして、その結果を取 りまとめまして、また次回の会議にでも御紹介したいと考えておりますので、その旨報告 させていただきます。 ○ 堀田座長  ありがとうございます。それでは何か御質問、御意見はございますでしょうか。特にな ければ、それでは本日の議題はここまでで、ほかに何か事務局の方からお伝えすることは ありますか。 ○ 事務局  本日御検討いただきました品目につきましては、会議の結論を事務局から該当企業に伝 達をし、速やかに開発を進むように要請、あるいはまた開発が決まったものにつきまして は、募集等を行いたいと考えております。またその後の状況につきまして、次回の検討会 議で報告させていただきたいと考えております。また、次回の会議でございますけれども、 既に御案内のように、6月30日月曜日の午後2時より開催させていただきたいと考えてお りますので、よろしくお願い申し上げます。以上でございます。 ○ 堀田座長  ありがとうございました。それでは全般にわたって何か御意見はございますでしょうか。 会の進め方等につきましていかがでしょうか。よろしいですか。開催のサイクルを少し調 整するために、今月は1カ月早くさせていただきました。それで少し検討品目も少なかっ たのですが、こういうこともありますので、予定の時間よりも早く終わるということもあ ってもいいかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。それでは藤原 先生、どうぞ。 ○ 藤原(久)構成員  余り私は慣れていないのですけれども、ここでこういう薬が早期にやるべきだというよ うに決まった場合に、何かほかにメリットがあるのですか。例えばどんどん厚生労働省の 方から治験について、何か実質的に金銭的なサポートをするとか。それとも単なるリップ サービスなのか、早くやった方がいいですよという、ただそれだけのことなのですかね。 もっと何か実質的に治験をどんどん促進できるような実質的な何かが提供されるのか、そ ういうメリットはあるのですか。 ○ 事務局  医薬品の承認審査に当たりまして、開発を促進する制度といたしましては、例えば希少 疾病を対象にした希少疾病用医薬品の指定、いわゆるオーファンドラッグの指定がありま して、それを受けますと、開発の補助であるとか、それから審査の際に優先的に審査を受 けられる。また医薬品機構の対面助言等におきましては、優先対面助言であるとか、その ような形で必要な薬として促進する制度がございます。その評価に関しましては、必ずし も未承認薬の検討会議で結論を得られたから、それに指定されるというものではございま せんけれども、その指標となる、どういった観点で相当するか、必要性が高いかという判 断基準に関しては、基本的には同じような考え方でやっておりますので、このような場で 先生方に早めにすべきと御結論がいただければ、もちろん企業からの申請なりというもの はありますけれども、それはまた同じようにオーファンドラッグの指定であるとか、ある いは優先審査の対象になるとかというような形につながっていくものだと考えております。 ○ 中垣審査管理課長  藤原先生から御発言のあった件については、非常に難しい問題であろうと考えておりま す。と申しますのも、先ほど来申し上げておりますように、この検討会議の目的というの が、早く治験に入って、治験を利用して切れ目のない医薬品の提供というのを目指そうと いうところにあるわけでございます。そうしますと、治験に入っているケースにおきまし ては、基本的にこの検討会議の議題ではないということになっている。治験に入っていな いと、検討会議でもしかすると何かメリットがもらえるということになると、みんな治験 に入らないというような状況がでてくるのではないかとも懸念されるところです。  したがいまして、この検討会議そのものが、前に堀田座長も一度御発言いただいたと思 いますけれど、ある面で今のドラッグラグという現状を打破するための緊急避難的なこと だと。本来こういう場が必要なものではなくて、例えば国際共同治験でございますとか、 そういうものを利用して、海外で開発されるのと同時に、国内においても自ら取り組みを 進められるというような状況を、あるいは環境を、我々としても構築できるように努めて いくのだろうというふうに考えておるところでございます。  しかしながら残念なことに今時点におきましては、また政策を転換したとしても、先生 方御存じのとおり、治験を始めてあるいは承認になるまでには、あるいは治験を始めるだ けの準備するにしても、数年かかってまいるわけでございます。従って、現段階では緊急 避難的な措置としてやらざるを得ない。将来においてはこのような場をお借りしなくても、 自主的に必要なものについては、速やかに治験が実施され、承認申請が実施されるという ような環境をいかにつくっていくかというのを考えておるところでございますが、現段階 におきましては、今担当の方から御説明しましたように、ここで議論していただいた結果 というのは、1つの考え方の柱となって、治験を実施していく、あるいはそれを受けた形 で承認審査をしていくときの、我々としては考え方の柱を構築いただいているものという ふうに考えているところでございます。 ○ 堀田座長  よろしいでしょうか。いま御説明のあったとおりだと思います。この検討会議自体が、 海外との格差があるということを前提にやっているわけで、その格差をなくするというこ とが本質的な取り組みです。それは一方で審査を迅速にするための対策を、本日の日経新 聞にも出ておりましたけれども、審査総合機構の体制を強化するというも取り上げられて おりましたので、そういう形で進めていく。一方、今あるドラッグラグをどうやってキャ ッチアップするかということで、ここで検討していただいたものについては、先ほどあり ましたように、オーファンドラッグの指定であるとか補助であるとか、あるいは迅速審査 などの優遇措置があります。しかし、申請してから簡単に審査を終われよというわけには いかない。審査自体は通常どおりでやるということになるかと思います。よろしいですか。 ほかにはいかがでしょうか。何か御意見いただけますか。それでは本日はこれで終了した いと思います。どうもありがとうございました。                                      (了) 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111