08/03/24 「臨床的な使用確認試験」に関する検討会の議事録について         第5回「臨床的な使用確認試験」に関する検討会 日時 平成20年3月24日(月) 10:00〜 場所 経済産業省別館10階                       1036号会議室 ○ 猿田座長  第5回「臨床的な使用確認試験」に関する検討会を始めます。年度末で大変お忙しい ところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。  本日の構成員の出欠状況ですが、本日は飯沼構成員、金子構成員、北村構成員がご欠 席です。  配付資料について事務局からご確認をお願いします。 ○ 事務局  お手元の資料1枚目が座席表です。2枚目が議事次第です。資料1が開催要綱です。 資料2は構成員の一覧です。資料3は「臨床的な使用確認試験」の要件です。ここまで は前回と同じ内容です。  続いて横長の資料4は「評価結果一覧表」で、本日時点の評価結をいただいた部分の 進捗状況についてまとめています。進捗状況は右から2つ目の列に記載をしています。  1番目の「内視鏡下頸部良性腫瘍摘出術」は、九州大学病院が中心となって実施して いただく予定でして、条件部分について修正の申請書をいただきまして、確認済となっ ています。  11番の「内視鏡下甲状腺がん手術」についても、筑波大学病院からの申請について、 条件付きとなっておりましたので、これも修正内容について再提出をいただいています。  2頁です。2番の「悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の遺伝子診断」ですが、 これも九州大学病院が中心になって提出していただいておりまして、条件部分がありま したが、再提出していただいて確認済となっています。  4番の技術の1つ目の「乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索」で すが、聖路加国際病院が中心となっております。いろいろと条件をいただいていまして、 こちらは参加している医療機関が156施設で、いま各医療機関での倫理審査委員会の進 捗状況などを確認していまして、いま少し確認中とさせていただいています。  次の「悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索」は、信州大学病 院が中心になって提出いただいておりまして、こちらは修正についても確認済です。  15番の「早期胃がんに対する腹腔鏡下センチネルリンパ節検索」は、慶應大学病院が 中心になって提出いただいておりますが、こちらも参加医療機関が少し多くなっており まして、各医療機関の技術内容や計画などについて、いま確認させていただいています。  3頁です。「腫瘍性骨病変及び骨粗鬆症に伴う骨脆弱性病変に対する経皮的骨形成術」 ということで、これはすでに適となっています。  5番は「カフェイン併用化学療法」で、金沢大学病院が中心になって、前回の検討会 でご評価いただいたところについて、いま再提出を待っているところなので、確認中と させていただいています。  7番の「筋過緊張に対するMAB治療」については、適としています。  16番は「副甲状腺内活性型ビタミンD直接注入療法」です。こちらは前回まで和歌 山県立大学病院だったのですが、今回は実施されていた先生が移った関係などもありま して、新たに昭和大学病院から申請をいただいていまして、本日その内容につきまして ご評価をいただく予定になっています。  4頁です。8番の「胸部悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法」は、乳がんの部分が国 立がんセンター、肺がんの部分が岡山大学病院ということで、条件付で適になっていま したが、修正を再提出いただいています。  9番と12番は同じく「腎悪性腫瘍及び骨腫瘍のラジオ波焼灼療法」ですが、すでに適 としています。  6番と14番について、胎児の治療ですが、こちらは条件付になっていまして、進捗状 況は、厚生科研の書類の調整と並びを見ているところで、確認中ですが、間もなく提出 いただける予定です。  13番の「下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療法」ですが、高知大学病院から提出 をいただいていまして、一度保留で修正をお願いしていまして、本日再修正のものに関 してのご評価をいただく予定です。資料4の一覧については以上です。  あと資料5-1、資料5-2、資料6がありまして、その後ろに、今日ご評価いただきます 13番と16番の申請書が付いています。 ○ 猿田座長  ただいまの説明にご質問ございますか。  それでは、13番の件について、「下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療法」の評価 結果について、これは伊藤構成員からお願いします。 ○ 伊藤構成員  下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療法の申請書です。血管内のレーザー治療は、 随分有名になってきている治療法だと思われます。当初いただいた説明文書などは大変 簡略に作られていまして、実際の治療の内容にはそれほど問題はないでしょうが、説明 が簡略すぎるのではないかということで、やり取りを繰り返しています。  とりわけ田島構成員から、詳細に見ていただいたこともありますので、差し支えなけ れば田島構成員から一言いただけるとありがたいと思います。 ○ 田島構成員  説明文書につきましては、1から17まで項目分けしていただいているのですが、「項 目」と書かれている内容が、必ずしも一致していないところがあります。また、内容に ついて、患者の立場に立って治療の内容をわかりやすく説明をする、ということが説明 文書としては重要だと思いますが、その辺の観点が抜け落ちているのではないかと思わ れるところがありましたので、その内容について整理して説明の不十分なところは加え ていただきたいということで、最低限これだけはお願いしたいという項目を別紙で8項 目挙げています。内容的には細かいことになっていますので、個々には説明しませんが、 安全だということを訴えてアピールするというのではなく、患者に、どういう治療なの かを長所、短所を併せてきちんと把握していただいた上で、同意を取っていただくとい う整理で、もう一度見直していただけるといいと思っています。このように直していた だければ、これで適としてよいものと考えています。 ○ 伊藤構成員  田島構成員からご意見をいただきましたが、治療法そのものの問題というよりは、文 章上の整理をきちんとしていただくのでよろしいかと思いますので、修正されれば、内 容的には問題がないと思います。以上です。 ○ 猿田座長  ただいまご説明いただきましたが、最初のときは簡単すぎて、それを詳細に直してい ただいて、いまのところは、治療法に関する説明文書がおかしいということで、田島構 成員から、かなり詳細に直すところが指摘されていますが、これは先生方で直せますね。 直せたら認めていいということでいいですか。 ○ 田島構成員  はい。 ○ 猿田座長  そういうことですが、他にご意見はございますか。もしございませんようでしたら、 いまの訂正事項を確認させていただいて、それでよければ認める方向でということでよ ろしいですか。                  (異議なし) ○ 猿田座長  ご了承いただいたということにします。続いて、16番目の「副甲状腺内活生型ビタミ ンD直接注入療法」で、これを実施していたのは和歌山県立大学病院だったのですが、 そこの先生が昭和大学に移られたということで、そちらからもう一回出し直していただ きました。それではお願いします。 ○ 伊藤構成員  16番についてご説明します。「副甲状腺内活性型ビタミンD直接注入療法」につい てです。透析を受けられている患者さんは、カルシウムを高くするためにPTHがでる ので副甲状腺が肥大してきます。通常はビタミンDを注射して様子を見ているのですが、 それをしてもPTHが下がってこない方がいらっしゃいます。腫大化して副甲状腺を取 ったり、PEITといって、アルコールの注入をされたりという方法もあるのですが、そ の中でビタミンDのアナログを直接注射することによって、副甲状腺機能亢進症をコン トロールすることができるので、こういったことが行われます。  被験者向けの説明文書が丁寧に書かれていて、こういった研究をすることの規範にな るのではないかと思っています。ただ、有効性・安全性の評価が数値化されていないと いうご意見をいただいていますので、有効性の基準のようなものを、きちんと計画書の 中にお書きいただくのがいいのではないかというのが、委員の先生方からいただいた唯 一のご意見でした。 ○ 猿田座長  実はこの方法は元学術会議の会長の黒川清先生がアメリカでもやられていて、私もそ の論文を読ませていただいて、透析療法の方にはかなり効果的だということで、いま特 に伊藤構成員がご指摘されました有効性の基準ですが、これも出せるはずなのです。だ から、その点をきちんとやっていただければ、実際には、いま透析患者で副甲状腺の過 形成の方は多いので、非常に有効な技術であると私は思っております。どなたかご質問 はございますか。 ○ 事務局  いまの部分につきまして、事務局で申請者にお伺いしたところ、本日お配りしている ビタミンD(アナログ)の申請書の5枚目ぐらいに「別紙2」とありまして、「使用確認 試験実施計画」の7番目「有効性及び安全性の評価」の欄で、初めは「二次性副甲状腺 機能亢進症の臨床所見の改善」としか書いていませんでしたので、具体的にどういうと ころかをご質問して、血清PTHの低下、血清リン値の低下が追記されて返ってきてお ります。この部分をもっと詳しくしたほうがいいというご指摘でしょうか。 ○ 伊藤構成員  数値化をしていただくのがよいかと思います。有効とされるのであれば、どの程度ま で下がったか、正常化したら著効とか、ある一定の基準はお作りになられたほうがいい のではないかという意見だと思います。 ○ 猿田座長  PTHの値がどのくらいで、何パーセント下がったかという形でいけば、それぞれ高さ はばらばらかもしれませんが、それでグレードを作ってもらうことと、これはカルシウ ム、リンに対することですから、そこを見てもらえば、先生のおっしゃったように簡単 にできるのではないかと思うのですが。 ○ 事務局  わかりました。 ○ 猿田座長  それで一応戻していただいて、確認できればそういう形で認めるということでよろし いでしょうか。                  (異議なし) ○ 猿田座長  ありがとうございます。本日の使用確認試験のところで、先生方の評価をいただいた ものは以上です。いま申し上げましたように、こちらから申し上げたところをきちんと 直していただければ、それをお認めいただくということにします。  それでは2番目の議題である「高度医療評価制度(案)について」の説明をお願いし ます。 ○ 事務局  資料6で説明します。前回の検討会でも、もう少し前の案で説明させていただいたの ですが、さらに具体的に書ける部分は具体的にした形です。  まず、「高度医療に係る基本的な考え方」の部分は、前回ご説明させていただいたとお りで、(2)の「高度医療の取扱い」は、「この高度医療評価制度においては、安全性及 び有効性の確保の観点から、制度の対象となる医療技術毎の実施医療機関の要件を設定 し、当該要件に適合する医療機関において、その医療機関に所属する医師の主導により 適切に実施される医療技術について、高度医療としてその実施を認め、本制度の対象と する」としています。  また、「高度医療に係る要件の適合性の評価・確認については、医政局長主催の高度医 療評価会議が行い、高度医療に係る申請等の手続については、高度医療に係る取り扱い 通知に定める」ということで、高度医療評価会議は4月以降に新たに設置する予定で、 併せて、この取扱い通知も発送の予定で準備を進めています。  2頁です。「高度医療評価制度の対象となる医療技術」で、(1)(2)とありますが、(1) は、いわゆる未承認の医薬品・医療機器を指しています。(2)は、承認、認証されてい るものですが、その承認又は認証された事項に含まれない使い方、いわゆる適用外と呼 んでいましたが、その適用外の技術を指しています。  3番目の「高度医療を実施する医療機関の要件」ですが、まず前提として、「次の要件 をすべて満たす保険医療機関であること」ということで、保険との併用につながってい きますので、保険医療機関であるということを書いています。  要件については、(1)から(4)がありますが、まず(1)として、「特定機能病院又 はその他高度医療を実施するに当たり必要な次の体制を有する病院」ということで、特 定機能病院ないしはその医療技術が実施できる必要な体制がある。ただ、最低限、緊急 時の対応が可能、医療安全対策に必要な体制があることが入っています。  (2)としては、「臨床研究に関する倫理指針に適合している」ということです。  (3)については、この「医療技術において使用する医薬品・医療機器の管理体制、 入手方法等が適切であること」ということで、未承認あるいは適用外のものを使います ので、きちんとした管理体制や方法でやってくださいということです。  (4)ですが、高度医療実施医療機関の長は、院内で行われる全ての高度医療につい てきちんと把握してくださいということで、1つの医療機関で複数の高度医療の技術を やっているような場合に、それぞれ長の責任をもってやるわけですので、きちんとどの ようなことをやっているかを一元管理してくださいという趣旨です。  3頁です。「高度医療に係る要件」の部分です。まず、大きく(1)(2)(3)とありま すが、(1)としては、「国内外の使用実績や有用性を示す文献等により、安全性及び有 効性の確保が期待できる科学的な根拠を有する医療技術であること」ということで、き ちんと有用性などが期待できる医療技術であるということを記しています。  要件の2番目としては、試験計画がきちんとしていることということで、提出いただ く試験計画について、この(2)の(1)から(6)がきちんとされていることを示しています。  (1)は臨床研究の倫理指針の適合、(2)が、万が一不幸な転帰となった場合の責任と補償 の内容、治療の内容、合併症や副作用の可能性及び費用等について、事前に説明をして、 同意を得るということで、この点について、きちんと同意文書も申請書には付けていた だくことになります。  (3)として、当該医療機関に所属する医師のうち、実施に関し責任を有する医師を明示 していただいて、さらに実施する医師も一覧として管理してくださいということです。 責任医師を明確にするという趣旨です。  (4)は、安全性及び有効性が客観的に確認できることが期待でき、院内の倫理審査委員 会等において認められた試験計画であって、その試験計画には試験期間、症例数、評価 基準が記載されているということで、提出の前に院内の倫理審査委員会等で認められた ものを出していただくということです。  (5)「試験記録の保管や管理が適切に行われ、データの信頼性が一定程度確保されてい ること」となっています。  併せて、(6)「多施設共同研究の場合は、この研究に協力する施設との調整を行う医療 機関、研究協力施設及び各施設の実施責任医師が明示されていること」ということで、 いまも使用確認試験では、協力医療機関の施設名及び体制及び実施医師の一覧を出して いただいておりますが、そうしたものを付けていただくという趣旨です。  「データの信頼性が一定程度確保されている」というところですが、これまでの要件 では「データマネージメント体制」ということを言っていたのですが、データマネージ メント体制とまで言いますと、かなり厳しいというか、医療機関によってはなかなか難 しい状況も多いと聞いていますので、要件としては(3)として、「臨床データの信頼性 確保においては、次の体制の確保に努められたい」ということで、少し分けて書いてい ます。ここは医療技術によっては、かなりきちんとした体制が必要なものもあると思い ますし、また、かなり汎用できそうな医療技術については、そこまで必要かどうかとい うのが、医療機関や技術によって少し検討が要るものもあろうということが考えられま したので、このように記載しています。  4頁は「高度医療に係る申請」の部分です。ここは申請書の提出に関しては、(1)で、 申請は研究開発振興課に提出になりますが、申請に当たっては、事前に研究開発振興課 に相談をしていただくこととさせていただきたいと思います。  (2)の「申請書の添付書類」は、ここに書いてあるような試験計画書及び宣誓書そ の他必要書類を提出いただくことを想定しており、実施通知で様式とともに示させてい ただく予定です。  (3)の「添付文献」ですが、査読のある学術雑誌であることが原則だということで す。  (4)の「評価結果について」ですが、高度医療評価会議で高度医療として適当であ ると認められた技術であって、今後保険導入の評価を行う対象として適切であると考え られるものについては、厚生労働大臣が主催する先進医療専門家会議において、保険と の併用の可否について検討し、先進医療として認められた場合には、中医協に報告する とともに大臣が告示する。結果については、医療機関の長に通知するということです。  これは8頁に絵で示していますので、ご覧ください。左側が現状の先進医療に係る取 扱いで、いちばん上の医療機関から厚生労働省に提出があって、先進医療専門家会議に かかり、大臣の告示が出て、評価療養として保険との併用がされるということになりま す。  今回、この高度医療に関しては、右側のような図になるということで、いま申し上げ ましたのは、まずは特定機能病院等の保険医療機関から、高度医療の実施に係る申請を 出していただきます。こちらは医政局の研究開発振興課に出していただきまして、高度 医療評価会議の中で、薬事法上未承認・適用外のものを使いますので、安全性や有効性 などの確認をさせていただいて、併せて保険の観点から、先進医療専門家会議でも見て いただきまして、最後は先進医療専門家会議から中医協に提出をして、大臣告示になる という流れになりまして、この安全性、有効性の確認の部分が高度医療評価会議を経由 するという図になっています。  4頁に戻ります。(4)はいまの流れを示したものです。  5頁です。6番目が「高度医療の取下げ」ということで、何らかの理由により取り下 げる場合は、定める様式で申し出てくださいということです。  7番の「変更に係る届出」に関しても、変更届を行って、高度医療としての継続の可 否について確認を受けてくださいということです。  8番は「高度医療に係る公表、報告、立入り調査等」ということで、高度医療実施医 療機関になりましたら、次の事項を適切に実施していただき、実施ができない場合には、 取消しその他の措置を行うということで、(1)から(3)まであります。  (1)は「実績の公表」ということで、高度医療に係る実施状況について公表すると いうことです。(2)は、重篤な有害事象・不具合等が起こった場合の対応や公表及び報 告をしてくださいということです。  6頁では、高度医療実施医療機関は、自ら実施する高度医療に係る情報の収集に努め るとともに、適用外の医薬品、医療機器を使用している場合は、薬事法にも留意してく ださいということです。  (3)「立入り調査」は、試験実施中の立入り調査について応じることとなっています。  9番ですが、「医薬品及び医療機器の入手等」ということで、(1)ですが、2の(1) の「医療技術」は、最初にありました2の(1)の未承認の医療技術に関してですが、 この未承認の医薬品や医療機器の入手に関しては、次のいずれかの方法ということで、 (1)は責任医師の指示の下での自家製造、または、他者に委託して製造する場合は、文書 により委託をし、これを保管するということになっています。  (2)は実施医師の指示による個人輸入です。  7頁ですが、「10 実施状況の確認等」ということで、高度医療評価会議では、この試 験計画の実施状況あるいは試験期間の終了時、必要に応じて確認をさせていただきます ということです。  11番の「文書の送付」については、医政局研究開発振興課に送付をしてくださいとい うことです。これを踏まえまして、今後、通知を発出する予定です。説明は以上です。 ○ 猿田座長  新しい高度医療評価制度ということでご説明いただきましたが、いろいろな問題もあ るかと思います。委員の先生方からご質問はございますか。 ○ 藤原構成員  質問を3点ほど。いまの6頁の9の「医薬品及び医療機器の入手等」のところですが、 未承認のものについては(1)で対応されるということで、適用外については、個人輸入以 外は駄目なのかというのがよくわからなかったのですが、抗がん剤などだと、適用外で きちんと評価しなくてはならないものもあるのですが、実態としては、メーカーの公正 取引協議会というところに了解をもらって、製薬企業から医薬品の無償提供を受けて、 適用外の臨床試験を組む可能性もあると思うのですが、この個人輸入と自家製造だけに 限ってしまうと、適用外使用で困っている人たちはほとんど救われないような気がする のです。 ○ 事務局  適用外のものにつきましては、すでに承認又は認証があるものということなので、国 内で通常入手できる状況にありますので、それを通常どおり入手していただいて、ただ、 使い方の部分が、医師の判断でお使いいただいているということなので、特に文書のよ うな手続については書いていないということです。 ○ 藤原構成員  適用外については、使えますという理解でいいのですね。 ○ 事務局  そうです。 ○ 藤原構成員  2つ目の質問は、5頁で、「有害事象」というのは、たぶんいろいろと問題になると思 うのですが、ここにはまだ通知ではないのでぼかして書いてあるのですが、いちばん下 に「厚生労働大臣に逐次報告すること」と書いてあります。薬事法でいけば、具体的に は、いまは安全対策課にファックスすれば済むのかなという気もするのですが、厚労科 研費だと厚生科学課に報告しなさいという規定もあったりするのですが、どのように想 定されているのかなと思ったのです。研究開発振興課に副作用報告がドカッときても大 変かなと。 ○ 事務局  11番の文書の送付されるものに、当然報告も考えておりまして、そのようなものがあ れば、逐次こちらにも報告をしていただくということで、研究開発振興課と考えていた だいて結構です。 ○ 猿田座長  いまの問題ですが、確かにこれまで、例えば先進医療をやったとき、いろいろなこと が起こっているものですから、対応のところはしっかりとしていただきたいと思います。 先生のおっしゃったとおり非常に大切な部分ですので。 ○ 藤原構成員  研究開発振興課に送っておけば、そこから他に回してくれることになりそうなのです か。 ○ 事務局  はい。 ○ 猿田座長  結構忙しくなるのですね。 ○ 事務局  明らかにものによるものというか、その範囲であれば、高度医療に係るものはそれで よろしいですが、それではない通常の医薬品や医療機器のものであれば、安全対策課と いうこともあるでしょうし、場合によると思いますが、高度医療に係る部分はこちらに ということでよろしいと思います。 ○ 猿田座長  実施を許可するときに、よほどその辺りはこちらからもしっかり見てやっていかない と。許可するところが非常に重要なところかと思います。 ○ 藤原構成員  最後の質問ですが、3頁の「要件」のところですが、こういうシステムができると、 悪いことを考える人もいるような気がして、医師をいいように使おうと考える会社が出 てくる気がするのです。例えば、表には出ていませんが、メーカーが製販後に、マーケ ティング部門主体で行われるいろいろな販売促進的なトライアルというのは、結構いろ いろなところでやられていると思うのです。その場合、メーカーの担当者がいろいろな 班会議の会場の確保をしたり、CRF書きを手伝ったり、データ解析をしたり、いろいろ なことをされているのですが、労務の提供です。それは全然表に出ずに、公表論文など を見ても、医師の名前がずらずらと書いてあるだけで、どこにもメーカーの名前は出て いないトライアルはたくさんあると思うのです。事実、私も昔経験したことがたくさん あります。  その辺に関して、ここでは(2)の(1)で「臨床研究に関する倫理指針に適合している こと」とあって、そこはたぶん資金源とか利害の衝突を同意事前文書とか、プロトコー ルの中に書きなさいと書いてあるので、そこで読んで、それに対応すればいいかなとは 思うのですが、もう少し厳しく、特出しのような形で、資金源とか利害の衝突について は、きちんと明示しなさいとしたほうが、いいように使われないと思います。もう1つ は、医師の側が、うまく製薬企業に取り入って、自分は楽な思いをして、臨床研究を未 承認とか適用外でやろうという先生も結構たくさんいるので、そういう人たちの警鐘に もなるかなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○ 事務局  確かにこの申請書の内容ですが、いまも試験計画書の部分には、利害の衝突のかかわ りについては記載をしていただくことになっていますし、倫理指針に適合する範囲で行 っていただくことになりますので、いまおっしゃっているような不適切なものがありま したら、そこは認めないという措置になると思います。 ○ 猿田座長  施設の倫理委員会でも、その辺りのことをしっかりやってもらって、両方でチェック していかなければ駄目かと思います。先生のおっしゃっていることは重要なことで、い ろいろな利益相反の問題では随分関係してくるものですから。 ○ 事務局  そこは当然、こちらも確認するために記載していただくことにしたいと思います。 ○ 伊藤構成員  治験との住み分けなのですが、薬事法上の承認申請をする資料にはしないということ だけなのでしょうか。適応外使用のときですね。 ○ 審査管理課長  基本的には、治験をやっていただくようなものについては、まず治験で対応していた だくというのが原則ですので、逐次この申請を出すときにも、研究開発振興課に相談と いうことを通知等では言わせていただく格好になるのですが、まず治験でできるものは 治験でやっていただくということかと思います。 ○ 猿田座長  3頁で、「国内外の使用実績や有用性を示す文献」とありますが、「国内外」とすると、 すべてになってしまうのです。とんでもない国がありますから、そこから出てくる治療 法を、どのレベルで考えるかですよね。あるいは、そこは開発振興課でチェックしてく ださるのか。というのは、実際にいままでの技術を見ていると、そういう所から出てく る技術もあるのです。その辺りをよほど注意してやっていかないといけないかなと思っ たので、レベルをどのくらいに合わせるかということです。 ○ 事務局  「国内外」とさせていただいたのは、その先生が日本以外の場所で随分症例を積まれ て、こちらに来られているようなケースも想定されますので、当初「国内の使用実績」 とさせていただいたところは、そこはそのようなケースでも対応できるように「内外」 と書かせていただいていますが、やはりある程度のレベルで有用性が期待できるものが、 この対象と考えています。あまりに、まだ使ったことがないですとか、全く人に使った ことがないようなものは外れてくるのかと思います。 ○ 猿田座長  藤原構成員がおっしゃったように、ある意味ではそういうものが出てくる可能性があ るものですから。  もう1つ私からですが、申請施設以外に協力の施設が認められていますが、協力する 施設もしっかりとした実施体制、すべてが届出をする施設と同じぐらいの力を持ったと ころということでしょうか。 ○ 事務局  高度医療実施医療機関は、協力施設であっても実施医療機関でありますので、最低の 医療機関の基準は満たしていただくということです。 ○ 猿田座長  そのときに、その施設の安全性とか、いろいろなことができるということ、倫理的に もできるということがあればよくて、ベッドの数については問題ないのでしょうか。高 度先進医療のときは、ベッド数などいろいろなことを言いましたが。 ○ 事務局  高度先進医療のときも、原則という扱いをさせていただいていましたので、そこは医 療技術ができる体制で、あまり多くのベッド数を要求しないような技術であれば含まれ ます。きちんと安全が確保できるというのは必要だと思いますが、ベッドがたくさんな いからできないということにはならないです。 ○ 猿田座長  新しい形でスタートすると、いろいろなところで、これから先問題が起こってくると 思いますが。もう1つ私からですが、この技術を保険適用に持っていこうというときに は、先進医療にかけることになるのですか。常に先進医療専門家会議に全部報告をして いくのか、その関係はどうなっているのですか。 ○ 事務局  常に先進医療専門家会議のほうには報告させていただく予定で、8頁の流れ図があり ますが、原則申請をいただいてから保険併用になるまでは3カ月という、先進医療の一 類型になりますので、基本的な保険に関する事務手続は先進医療と同じような形でさせ ていただきます。ただ、いちいち2つの会議にかけるのではなくて、基本的には高度医 療に係るものは高度医療評価会議でほとんどの審査をしまして、保険の併用の部分は形 式的に先進医療にかけるということで、具体的に書類の審査までしていただくというこ とではないです。 ○ 伊藤構成員  確認ですが、治験と並行して動くようなケースはあり得るのでしょうか。例えばサリ ドマイドとかはあり得ると思ったりもするのですが、そういうのはありなのですか。 ○ 審査管理課長  先ほど申し上げましたように、治験と並行することはそもそもこの制度は想定してい ませんので、もともと治験の枠組みが動いているものであれば、安全確認試験とか、治 験と並行する別の薬事の枠組みがありますので、そちらを活用していただくように、私 どもから指導させていただく形になります。 ○ 猿田座長  課長からございますか。 ○ 研究開発振興課長  何回かほかでもいただくのですが、薬事法の承認を受けるのは大原則だと思っていま す。薬事法の承認を受けられないときに、例外的に動く措置と考えていまして、薬事法 の承認をしたくないが故にこっちにくるというのは、内容次第ですが、望ましくないの ではないかと思います。薬事法の承認を受けるように指導して、その上で、やむを得な い場合にこちらというような形になるのではないかと思います。 ○ 猿田座長  そこがいちばん問題でしょうね。これはいつ頃からスタート予定ですか。 ○ 事務局  4月です。 ○ 猿田座長  実際に高度先進がいろいろな技術を持ってくるということで、いままでどうしても引 っかかっている部分がありましたから、その安全性が確認できて、倫理的にも問題がな いということで持っていければ、国民にとっては非常に大切だと思います。文科省で私 もやっていますが、トランスレーショナル・リサーチで、最先端の医療が出てきていま す。そういったものもしっかりできて、安全なものが患者に届けられれば、非常に大切 なことだと思います。そういった意味では道が開けるということで。 ○ 研究開発振興課長  専門の先生方にご協力をいただかなければならない部分があると思いますので、また いろいろと引き続きお願いします。 ○ 猿田座長  大体こういう方向でいくということだけご理解いただけますでしょうか。                    (異議なし) ○ 猿田座長  ありがとうございました。そういう形でいきます。 ○ 事務局  先ほどの使用確認試験の部分なのですが、一覧で確認中とさせていただいている部分 は、事務局で確認させていただくということでよろしいかどうか。 ○ 猿田座長  もし問題があれば、また私から連絡させていただいて、場合によっては皆様方に知ら せなければいけないとか、そういうことがありましたら、必ず委員の先生方にご連絡す ると。そういうことでよろしいでしょうか。  最後に、新木研究開発振興課長から一言ご挨拶がございます。 ○ 研究開発振興課長  本来局長が参上して、お礼を申し上げたいと言っていたのですが、公務の関係上、 やむを得ず欠席しておりますので、代わりましてお礼を申し上げたいと思います。  構成員の先生方には、昨年6月に設置して以来、計5回、濃度の濃いご審議、ご討議 をいただきましたことに、厚く御礼を申し上げます。お蔭様で、そのままでしたら4月 から取扱いが大変難しくなってしまう旧高度先進医療について、スムーズに保険併用に 移行することができたというふうに考えておりまして、改めまして御礼を申し上げる次 第でございます。  先ほどご説明させていただきましたように、昨年12月から、ここでもいろいろとご 審議をいただきました高度医療が新しく出発します。この臨床的使用確認試験の制度が その下敷きになっておりまして、その延長上で行われた制度となっています。この制度 によりまして、先ほど猿田座長ご指摘のように、国民の方、また医療の現場の方々の大 きなフラストレーションが解決できれば大変いい制度になるなというふうに思っていま すが、如何せん新しい制度でございまして、事務局一同頑張るつもりではおりますが、 引き続きまた、専門の先生方にはご尽力、ご協力をいただければというふうに考えてい る次第でございます。  いずれにしましても、無事、高度先進の宿題、15品目について解決ができましたこと に改めて御礼申し上げるとともに、今後ともご協力、ご指導のほどをお願いして、簡単 ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございまし た。 ○ 猿田座長  それでは第5回の検討会を終わります。どうもありがとうございました。                          照会先                           医政局研究開発振興課                           TEL 03-5253-1111 内4163