08/03/24 第4回議事録 第4回がん検診事業の評価に関する委員会 議 事 録 厚生労働省老人保健局老人保健課 第4回がん検診事業の評価に関する委員会 議事次第                    日 時:平成20年3月24日(月)13:29〜15:07                    場 所:全国都市会館第2会議室 1.開 会 2.議 題  (1)今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について報告書(案) 3.閉 会 ○古元課長補佐 定刻の13時30分より若干早めではございますが、委員の皆様お揃い いただきましたので、第4回がん検診事業の評価に関する委員会を開催させていただき ます。  本日はお忙しい中、委員の皆様ご参集いただきまして誠にありがとうございます。  本日は鹿児島県の吉田委員からご欠席とのご連絡をいただいておりますが、その他の 委員の皆様におかれましては全員出席いただいております。  本日の検討会におきましては、平成19年6月からご議論いただいております「がん対 策推進基本計画」に掲げた目標の実現に向けた具体的な方策の在り方について取りまと めをいただき、年度内に報告書を公表させていただく予定としております。  それでは、垣添座長、進行をよろしくお願いいたします。 ○垣添座長 皆さんこんにちは。年度末の大変お忙しい中、また雨の中をお集まりいた だきまして誠にありがとうございます。今、事務局からご案内のように、これまでご検 討いただいてまいりましたこの内容を本日報告書の形で取りまとめたいというふうに考 えております。これは今後の我が国のがん検診にとって極めて重要な報告書になるかと 思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、議題に入ります前に、本日は阿曽沼老健局長にご出席いただいております ので、一言ごあいさつをお願い申し上げたいと思います。 ○阿曽沼老健局長 老健局長の阿曽沼でございます。本日は大変お忙しい中、この委員 会にご出席いただきましてありがとうございます。  がん検診は、老人保健法でスタートいたしまして、老人保健事業としてずっとやって きたのでございますけれども、実際には平成10年の時点で一般財源化という形で行われ たことになりました。したがって、各市町村でかなりバラツキがあるという実態もござ います。  今回、国会でも、平成18年6月だったと思いますけれども「がん対策基本法」という のができまして、その中でもかなり活発な議論がございまして、がん対策の推進基本計 画をつくり、その中で検診の問題をちゃんと取り上げろということがかなり国会で大き な議論でございました。医療制度改革も一方で行われまして、平成20年度から健康増進 法に基づく健康増進事業というものも実施をすると。その中でがん検診事業も努力義務 として位置づけられるということになりました。それに伴い、この仕事も私ども老健局 から健康局に今年の4月から移管をされることになりました。  そういう意味で、役所の中でもなかなか手続が煩瑣になっておりますけれども、円滑 な移管に努めたいと思っております。こういう状況の中で、国民の関心も大変高いこの がんの問題について、特にまた検診の有効性といいますか、できるだけ有効ながん検診 を多くの人に正しく実施をするということで、現状を正確に認識してもらって目標の達 成に向けて着実に進めていくと。これは政府としても、市町村、県としても一緒にやっ ていきたいと思っています。  こういう中で、がん検診の向上に向けて、今まで過去3回、専門家の先生にお集まり いただきまして、精度管理の問題とか、あるいは事業の推進の問題について幅広くご議 論いただいてきたと承知いたしております。  今、座長からお話ございましたように、きょうが4回目でございまして、報告書(案) を取りまとめていただければ、私ども事務局としても幸いでございまして、その結果を もとに今後のがん検診の事業の推進に役立てていきたいと思っております。  私ども、そういう意味で所管は変わりますけれども、老健局としても今後ともこの問 題をフォローしていきたいと思っておりますので、また、先生方のご支援、ご指導をよ ろしくお願い申し上げたいと思います。がん対策推進基本計画の目標達成については大 変国民的な関心は高いことでございますので、私ども全省挙げまして努力をいたしたい と思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。 ○古元課長補佐 申し訳ございません。阿曽沼局長及び鈴木課長につきましては、公務 のため退席をさせていただきたいと存じます。 (阿曽沼老健局長、鈴木老人保健課長退席) ○垣添座長 阿曽沼局長と老人保健課長、冒頭だけではありましたけれども、ご出席い ただいて、しかもごあいさついただいたことは大変意義のあることだと思います。国会 のためにお二人は今退席されましたけれども、武田がん対策推進室長はずっとここにお りますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、本日の議題に入ります。  まず事務局から、資料の確認をお願い申し上げます。 ○古元課長補佐 席上に配付させていただきました資料のご確認をさせていただきます。 まず「がん検診事業の評価に関する委員会」座席図、あと議事次第が1枚ございます。 その下に委員会名簿がございまして、最後に資料といたしまして、76ページの「今後の 我が国におけるがん検診事業評価の在り方について報告書(案)」というものを配付させ ていただいております。  本日の資料は以上でございます。落丁等ございましたら、その都度ご指摘いただけれ ばと思います。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長 よろしいでしょうか。 それでは、議事に移らせていただきますが、本日は「今後の我が国におけるがん検診 事業評価の在り方について報告書」の取りまとめであります。委員の皆様には事前に報 告書の(案)をお送りいたしまして意見をいただきましたので、お寄せいただいたご意見 に基づいて、私と事務局で相談いたしまして、これまでの議論を踏まえまして本日の資 料として取りまとめをいたしました。  後半部はデータになっておりますけれども、割合分厚な報告書でありますから、まず、 いくつかのパートに分けてご検討いただきたいと思いますが、「1.はじめに」と「2.がん 検診受診率の向上に向けて」、それから「2.1.正確な受診率の把握について」この3 つのパートから始めたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは報告書(案)を1枚おめくりいただき まして、3ページ「はじめに」でございます。「はじめに」につきましては、2つ目のパ ラグラフがポイントでございまして、「がん対策推進基本計画に定めた目標に向け、国民 のがん検診への要望に応えるためには、『有効な』ながん検診をより『多くの人に』『正 しく』実施することが必要であり、現状を正確に認識した上で、目標の達成に向けた着 実な前進が求められている」、これを基本的な考え方として書かせていただいております。  その下でございますが、「また、国民の受けているがん検診の約半数は職場において実 施されたものであり、特に若年の男性においては、その多くが職場においてがん検診を 受けている」。  そのため、今回の委員会におきましては、従来の市町村事業におけるがん検診のみで はなく、職場などで実施されるがん検診についても言及をしているという点が挙げられ ております。  以上が、「はじめに」についての内容でございまして、続きまして、次のページでござ います。4ページ「2.がん検診受診率の向上に向けて 」、「2.1.正確な受診率の把 握について」。  ここでは、まず受診率を正確にいかに把握するかということについてご議論いただき ました。  具体的な対応といたしましては、2.1.の(2)でございます。  「国は国民生活基礎調査及び地域保健・老人保健事業報告等の結果を用いて全国及び 都道府県におけるがん検診受診率の把握を行うことが必要。  都道府県は、自治体が独自で実施する調査結果又は、国が実施する国民生活基礎調査 及び地域保健・老人保健事業報告等からの推計を用いて、自らの都道府県のがん検診受 診率の把握を行うことが必要。  市町村は、対象者名簿を整備することにより、自らの市町村内のがん検診受診率の把 握を行うことが必要」ということで、それぞれがそれぞれの形で受診率を把握すること を記載いたしております。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。「はじめに」と「正確な受診率の把握について」 というところを説明いただきましたが、何かご発言ありましょうか。  「はじめに」は、がん検診の受診率、5年以内に50%の目標を達成するためには有効 ながん検診をより多くの人に正しく受検ししてもらわなくてはいけないと。その際に受 診率の把握という意味では、せんだっての内閣府の調査によると、職場検診で半分くら いの方が検診を受けているということであるとすると、職場検診のことをきちんと把握 していくことが必要なのではないかということが書き込まれているわけでありますが、 よろしゅうございましょうか。  それでは「2.1.正確な受診率の把握について」、これは国と都道府県、市町村それ ぞれ責任を持って把握するのだと。これはがん対策基本法の中に書き込まれているとお りかと思いますが、ここに関して何かご発言ありましょうか。 ○大内委員 最初のところに戻って恐縮なのですが、「はじめに」のところの第2パラグ ラフの中で、有効ながん検診をより多くの人に正しく実施することとあります。この「有 効な」ということと「正しく」ということについて追加すべき言葉は必要ないのでしょ うか。「有効」といってもいろんな考え方がありますので、これまでの本委員会、がん検 診に関する検討会で議論されてきましたのは、死亡率減少効果の科学的根拠を持つもの ということがまずありました。「正しく」というのは、本委員会のまさに検討事項であり まして、精度管理がきちんと行われているということだと思いますが、この文言をここ に書くべきか、あるいはどこかに注釈で入れるべきか、必要ではないでしょうか。 ○垣添座長 言葉としてはまさに第2パラグラフにあるとおりだと思うんですが、今、 大内委員がご指摘のように、「有効な」あるいは「正しく」の意味を脚注か、下にあるよ うな四角で囲むか、何らかの方法でその意義を説明しておくというのは誤解を避けると いう意味でよろしいかと思いますが、そういう注釈を何らかの形で加えることに関して 特にご異議ありませんですね。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 そのようにさせていただきます。ほかにありましょうか。  それでは、先にまいります。続きまして「2.2.受診率の向上に向けた取組につい て」、事務局から説明をお願いします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは、資料4ページ「2.2.受診率向 上に向けた取組について」、「(1)現状及び基本的な考え方」でございますので、その先、 5ページをごらんいただきたいと思います。具体的な対応は5ページの真ん中あたり、 (2)からでございます。  まず(1)「対象者個人に対する受診勧奨等(市町村、企業、保険者)」と書かせていただ いています。こちらは実際に受診者台帳を整備をして、未受診者への再勧奨を徹底する ことが必要。特に退職直後の者に重点的に勧奨する等の取組も必要と書かせていただい ています。  (2) 検診受診の利便性向上に向けた取組(市町村、都道府県、企業、保険者、検診実施 機関)利便性を向上させる方策としては、休日・早朝・夜間における検診の実施、他の検 診等の同時実施、マンモグラフィ車の活用、そういったことを活用して利便性を向上さ せるという取組が必要ではないか。  下、(参考)に調査結果を書かせていただいておりますが、土曜祝日等の検診は60.3% の市で実施されておりましたが、例えば夕方・夜間やっているところはなかなか多くな いというような状況も現状としてはあるようでございます。  続きまして次のページ6ページでございます。  (3) 教育、普及啓発に向けたPR活動、こちらにつきましては、実施主体は、国、都道 府県、市町村、企業、保険者、検診実施機関ということで、これはすべてのステークホ ルダーが教育、普及啓発に向けた活動をしなくてはならないということでございます。  その実施に当たりましては、本委員会の中でもいろいろご意見いただきまして、まず はとにかく正しい知識を伝えることが重要ではないか。もしくは受診者側のライフステ ージに立ったわかりやすいメッセージを心がける。民間を活用したPR活動を行う。理 解しやすい内容での普及・啓発、そういったことがご意見として書かせていただいてお ります。  なお、その下でございますが、医療保険者は、がん対策基本法の中で、「普及啓発の施 策に協力するよう努めなければならない」ということとされておりますので、保険者に おきましても、そういった協力に努めることが求められております。  続きまして7ページでございます。  (4) 重点的に受診勧奨すべき対象者についての検討、こちらは国、都道府県、市町村 でございますが、例えば年齢階級別罹患率、そういったものを念頭に置いた上で、現在 指針には5つがん検診ございますが、そこの主なターゲット層というものをどう考えて いくのか、こちらは今後検討が必要であろうということでございます。  また、「なお」と書かせていただいておりますが、年齢階級別罹患率等の正確な把握の ためには地域がん登録事業のより一層の充実・推進を図ることが求められるといことで す。  最後に(5) がん検診の実施主体に対する受診率向上に向けた取組に向けたインセンテ ィブについての検討、こちらは国、都道府県でございます。  こちらは3つ「・」を書かせていただいております。例えば、市町村、企業や保険者 におけるがん検診実施状況を公表することによって底上げを図るということ。  あと、受診率向上に向けた取組に対する財政的支援を検討するということ。  最後でございますが、がん検診の社会経済的な評価をきっちりとやりまして、それを 例えば市長さん、町長さん、県知事さん、そういった財政の決定権をお持ちのそういっ た方にきっちり説明をして、がん検診の持つ社会経済的効果をきっちり周知をするとい うことで受診率を上げられないかということでございます。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。「受診率向上に向けての取組について」というこ とで、3ページにわたってご説明いただきましたが、何かご発言ありましょうか。どう ぞ、斎藤委員。 ○斎藤委員 5ページの「具体的な対応」の2行目、「受診勧奨、受診者台帳の整備」と ありますが、これは受診対象者ということだと思うんですね。ですから「がん検診対象 者の台帳」ですね。受診した人、受けた人の名簿をつくってもあまり意味がないという ことで、意味としては「対象者の名簿」ではないかと思います。 ○垣添座長 そのとおりですね。その人たちにきちんと、それを把握していて、未受診 者にきちんと働きかけをしていくということが大事であるということですので、ここは 修文したいと思います。「受診対象者台帳の整備」と、ありがとうございます。  ほかにいかがでしょう。 ○斎藤委員 それと、よろしいですか。 ○垣添座長 どうぞ。 ○斎藤委員 次、6ページ目なのですが、(3)の2行目、「がん及びがん検診に関する正し い知識」の中に、有効な検診、先ほどの大内委員のご指摘と重複すると思いますが、あ くまでもここで言っているがん検診は、有効性の確立した検診ということで、「正しい知 識」の中に「有効な検診」という記述ですね。具体的な文言は一考の余地がありますが、 「有効性の確立した検診」とか「有効な検診」という記述を入れたほうがよろしくはな いかと思います。 ○垣添座長 これも特にご反対はないと思いますので、加えることにいたしたいと思い ます。よろしいですか。ほかにいかがでしょう。 ○瀬戸山委員 5ページの「具体的な対応」で、「検診受診の利便性向上に向けた取組」 とあるのですけれども、取組で、特定健診等他の検診(健診)との同時実施」、これは大変 重要なことで、特に特定健診の場合、他の健診との同時実施により、例えば、がん検診 の受診率等の把握も可能になるわけですね。私どものセンタ−では既に老健法の基本検 診と子宮がん、乳がんとの同一日実施を市町村の要望で、年間で大体3万人前後行って います。  結局、受診者は基本検診とがん検診を別々の日に受けるというのは時間がないという かか余裕がない、そういったことで受診率アップのためにはがん検診とほかの検診(健 診)との同時実施は非常に有効ではないかと思います。  そこで、ここの回答の中に「複数の受診場所の確保」というのは、8割ぐらいになっ ているんですが、これは特定健診等を受けてさらにほかの検診を受けたという意味では ないわけですね。複数の受診場所の確保というのと、ほかの検診との同時実施というの とでは別ですか。 ○小坂委員 調査を担当しました小坂です。この場合、聞いているのは調査、あくまで 場所が何カ所受けられるというだけの回答でございます。 ○瀬戸山委員 要するに利便性の面から、検診場所を何カ所確保」しているかというこ とですね。 ○小坂委員 そうです。 ○垣添座長 よろしいですか。 ○瀬戸山委員 はい。 ○垣添座長 斎藤委員。 ○斎藤委員 これ、ちょっといいアイディアがないので、指摘にとどめたいと思います が、最後の(5)のところですが、「受診率向上に向けた取組に向けたインセンティブについ ての検討」とありまして、対応する記載が、社会経済的効果につき検証を行い、市町村 の首長等に分かりやすい形で情報提供云々と書いてあります。これは国、都道府県と上 に書いてありますから、よく読むとわかるのですが、ともすると、今まで市町村の方の 会議でもそういう質問があったのですが、市町村のレベルでそういう社会経済効果があ ることを示すべきというふうな誤解をされる市町村の方が結構おられるんですね。  ですから、これはあくまでも都道府県以上のレベルだということがもう少しわかるよ うな記述を少し考えたほうがよろしいかなと思いますが。 ○垣添座長 例えば市町村の首長の前に、国、都道府県はこうやるとか、そういうこと ですか。 ○斎藤委員 ええ。 ○垣添座長 国や都道府県の関与がなければ、これは実現しないことでありますから、 加えることにいたしましょうか。よろしいですか。こういう経済的効果に関しては、次 年度研究班を立ち上げて検討したいと考えておりますが、まだ確定ではありませんけれ ども、そんなことも考えております。ここには「国、都道府県」ということを加えさせ ていただきます。  ほかにいかがでしょうか。 ○瀬戸山委員 よろしいですか。 ○垣添座長 どうぞ、瀬戸山委員。 ○瀬戸山委員 7ページの「重点的に受診勧奨すべき対象者」の下から2行目のところ、 「年齢階級別罹患率等の正確な把握のためには地域がん登録事業のより一層の充実・推 進を図ることが求められる」というのは、これは私が意見を言わせていただいたのです が、行政関係者以外の一般の方には情報がありませんが、国の方では、既に第3次対が ん総合戦略研究事業で、地域がん登録の整備計画が平成16年から始まっていまして、今 ちょうど標準化の開始時期を過ぎて精度向上期で、第3期が平成25年ということが、県 の生活習慣病検診等指導協議会のがん登録部会で配布された資料で分かりました。  ただ、私の県ではがん登録事業に対しまして非常に予算配分が少なくて私のセンタ− では、いわゆる出張採録というのを年間、何百万円の赤字を出しながら行っているわけ ですね。そういうことで、全国の都道府県に普及させるためにはもう少し財政的な支援 も必要ではないか。  例えば、がん登録の届け出項目につきましても、5年生存率を出しているところは少 ないですし、がん死亡の減少率以外にも、がん検診の有効性と申しますか、例えばメリ ットとして早期がんが見つかるとか、あるいは5年生存率が高いとか、そういったこと を見るためにも都道府県レベルでは地域がん登録を早急に標準化し、もう少し充実させ る必要があると思うので、その辺も考慮していただいてぜひ予算的な措置もお願いした いと思います。 ○垣添座長 ありがとうございます。ご指摘は皆さんよくおわかりのことかと思います が、ただ、こういう報告書の中に予算的措置ということで書き込むのはなかなか難しい 問題だと思いますので、一応こういう抽象的ながん登録が必要であるということを書き 込ませていただければと思います。ご指摘の点は皆さんよくおわかりだと思います。  ほかにいかがでしょうか。どうぞ、澁谷委員。 ○澁谷委員 後の評価のところにも関係をするかと思いますけれども、6ページのとこ ろに「教育、普及啓発に向けたPR活動」というのがありますが、これは具体的な内容 が書かれているのですが、例えば地域・職域連携推進協議会のような都道府県レベルや 医療圏単位で設置されている、企業や保険者と市町村や都道府県が一堂のテーブルに会 して様々な情報交換をしたりする、そういう場の活用ということを一言入れてはどうか と思いますがいかがでしょう。 ○垣添座長 という組織が既存にあるわけですね。 ○澁谷委員 都道府県のレベルは全部できていると思います。 ○垣添座長 そういう場でこういう周知徹底するというのはもっともな話だと思います から、それを加えることは特に問題ありませんですね。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ではそういう一文を加えることにさせていただきます。ありがとうござい ます。ほかにいかがでしょう。私は5ページの(2)の「(1) 対象者個人に対する受診勧奨 等」の中に、かかりつけの先生から、「最近検診を受けていますか」というような声をか けていただくというのは非常に有効であると。海外でもそういう例が多いと。内田委員、 そういうかかりつけ医からの声かけというようなことを加えることに関していかがです か。 ○内田委員 賛成でございます。 ○垣添座長 それを一言入れていただければと思います。よろしいでしょうか。では先 にまいります。 続きまして「3.がん検診の精度管理・事業評価について」の「3.1.現状及び基本 的な考え方」について説明をお願いいたします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは、8ページをごらんいただきたいと 思います。「3.がん検診の精度管理・事業評価について」、こちらから精度管理の話を させていただきますが、「3.1.現状及び基本的な考え方」でございます。  この図をごらんいただきたいと思います。本報告書における精度管理の基本的な考え 方は、まず上にあります図の三角形でございますが、目標と標準の設定を行った上で、 質と達成度のモニタリング・分析を行う。その結果を踏まえまして改善に向けた取組を 行う。その上でさらに得られた情報をもって、また目標と標準の設定を行うと、そうい った形で正の相関をどんどん螺旋を回していこうといったイメージで今回の報告書はな っております。  2つ目のパラグラフでございますが、「わが国におけるがん検診の精度管理を推進する ためには、この3つの段階について、がん検診に関わる各ステークホルダーの役割を明 確にした上で、それぞれが果たすべき役割を着実に果たしていくことが求める」。  本検討委員会におきましては、ステークホルダーの皆様にお集まりいただきまして、 それぞれが何をすべきかということをまとめたということでございます。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。これよく最近“ステークホ ルダー”という言葉が使われるようになりましたけど、そういう言葉を使わないといけ ませんか。ここには具体的に後ろに国以下のことが書いてありますけれど、関係者みた いのはよくないのか。いきなりもし出てきたら理解ができない方もおられるのではない かという気がしますが。 ○古元課長補佐 そこは異論はございませんので、「関係者」というような表現にさせて いただきます。 ○垣添座長 ほかにいかがでしょう。それでは先に進みまして、後で一番最後に全体戻 ってまいりますので、もし気がつかれたら後ほどもご指摘ください。「3.2.『目標と標準 の設定』に関する問題」について事務局から説明お願いします。 ○古元課長補佐 それでは9ページをお開きください。「『目標と標準の設定』に関する 問題」でございます。 こちらにつきまして、現状からご説明をしたいと思いますが、「(1)現状及び基本的な考 え方」。  (1) 現在市町村事業におけるがん検診につきましては、対象者の算定方法が統一され ていないとういことで、本委員会では、市町村事業におけるがん検診について、まずは 分母、対象者数の標準的な計算方法をまとめていただきました。  (2) 事業評価指標についてでございますが、例えばイギリス、EU、オーストラリアな どにおきましては、各がん検診の例えば要精検率であるとか、そういったプロセス指標 につきましてある程度指針値のようなものが設定され精度管理が行われております。我 が国におきましては、従来よりそういった目安となるような数値が存在しないというこ とで、こちらにつきましてもご議論をいただき今回取りまとめを行ったということでご ざいます。  具体的な内容は10ページでございます。「(2)具体的な対応」の「(1) 市町村事業にお けるがん検診の対象者について」、こちらは、第2回本委員会におきまして、小坂委員よ りご提案いただいた内容をベースに取りまとめが行われました。  具体的な内容といたしましては、四角の枠で囲った中でございますが、市町村事業に おけるがん検診対象者数というのは、(1)−(2)+(3)−(4)ということで、その内容は下に定 義を書かせていただいておりまして、例えば(1)につきましては、40歳以上の市町村人口、 (2)が40歳以上の就業者数、(3)が農林水産業従事者、(4)が要介護4・5の認定者というこ とで、各市町村が基本的には公開されたデータを用いて毎年容易に算出ができるという 考え方に基づいて提案をいただきました。  なお、具体的なこの結論に至るまでのプロセスなどにつきましては、本資料の別添5 に記載しておりますので、そちらを後ほどご参照いただければと存じます。  あと、ここは重要なところが一番下に書いておりまして、一番下の「なお」書きのと ころでございます。今回提案する本計算方法によるものを含めると、がん検診の受診率 は、実は市町村のものはA)B)C)の3種類が存在することになります。まずA)で すが、これは市町村ががん検診台帳などをもとに算出しております、いわゆる市町村が 従来から把握されていた受診率、B)は、今回提案いたします分母を使った受診率、C) が対人口受診率ということで、これは職域なども含めた受診率ということになります。  したがいまして、市町村及び都道府県の協議会におきましては、この検診の3種類の 受診率をその性質をしっかり理解した上で評価をしていくことが必要であろうと、その ようなことを記載いただいております。  以上が(1)でございまして、続きまして11ページ「(2) がん検診の精度管理に用いる各 種指標の指標値の設定について」ということでございます。こちらについても斎藤委員 と小坂委員を中心にとりまとめていただきまして、実際の指針となり得る、現時点では 暫定ということではございますが、お示しいただきまして、今後の精度管理に活用させ ていただくということでございます。  具体的な内容につきましては、別添6を後ほどご参照いただければと思います。  以上でございます。もし小坂委員、斎藤委員、補足ございましたらご発言いただけれ ばありがたく存じます。 ○垣添座長 ありがとうございます。まず、もし補足事項がありましたら小坂委員ある いは斎藤委員どうぞ。どうぞ小坂委員。 ○小坂委員 最初にちょっと細かい話なんですけれども、9ページの(参考)のところと 11ページの陽性反応の的中度の的が、どちらかというと、快適の「適」のほうが使うこ とが多いです。今までの事業報告ではその字を使われていましたので、そちらにしてい ただければと思います。  それから、市町村事業におけるがん検診の対象者ということで、対象を、市町村はど こでも手に入る情報を用いて算定すると。従来から指摘されていたような市町村ごとに その対象者が違うので比較しても、朝日新聞の記事もありましたけど、実際の人口に対 する割合というのと、市町村が算出する受診率というのはかなり乖離があるということ で、このような標準的な算定方法を用いることによって市町村がどこが頑張っているの か、あるいはどこが足りないのか、あるいは年齢層が違うところはどこが、従来は年齢 群がなかったものですから、自分の市町村はよそに比べると、例えば若い人が足りない とか、そういうことがわかるようになるのではないかということでございます。  以上です。 ○垣添座長 ありがとうございました。今の小坂委員のご発言に何かありましょうか。  ありがとうございます。斎藤委員何かありますか。 ○斎藤委員 とりあえずありません。 ○垣添座長 今の9、10、11ページにかけて何かご発言ありましょうか。この10ページ の「(1) 市町村事業におけるがん検診の対象者について」、こういう小坂委員から提案さ れた方式に従って受診率を把握するという話ですけど、下にありますようにA)B)C)と3 通り出てくるというような話がありますから、混乱を避ける意味で、市町村事業におけ るがん検診とか、この部分を少しゴチにするとかはっきり目立つようにされてはどうで しょう。 ○瀬戸山委員 よろしいですか。 ○垣添座長 どうぞ。 ○瀬戸山委員 今、座長おっしゃったように、ここの下から6行目、「本計算方法の考え 方等については」の下のほうの「都道府県の生活習慣病検診等管理指導協議会等が実施 するにあたっては、本計算方法に基づいて算出された対象者数を分母としたがん検診受 診率を用いることがふさわしい」という、これをもう少し強い表現に変えることはでき ないですか。「ふさわしい」というのは非常に文学的表現なんですが、何か他人事みたい な感じがするのです。ここは「用いるべき」、「努力するべき」あるいは「用いるべきで ある」とか、もう少し強い表現にするべきではないでしょうか。 ○垣添座長 ありがとうございます。小坂委員どうでしょう。 ○小坂委員 実際にこのとおりに、ぜひB)の方式を用いてやっていただくということ でないと、ちゃんとした正確な比較はできないので、ぜひ取り入れていただきたいと私 も思います。 ○垣添座長 文言をちょっと補足いただくとして、もう少しきちんとした「すべきであ る」といった内容の表現にしたいと思います。どうぞ、大内委員。 ○大内委員 やはり10ページの見出しの「具体的な対応」の中の「(1) 市町村事業にお ける」と書いてありますと、これを読む方は市町村事業だけの受診率でいいのだという ふうにとらえられはしないか。下まで読んでこのB)の計算式ですということが、どこま で伝わるか、私も心配になってきました。最初に本委員会で議論してきたことを前段で きちんと書くべきではないかと思います。対象者は国民であるということが、どうもこ のままだとすり抜けです。特に職域検診というものがまたここで不明確になってしまう のではないかという気もしています。 ○垣添座長 そうすると、先生のご提案は、「(2)具体的な対応」の下に、例えばがん検 診の対象者は国民全部であって、ここでは市町村事業における検診のことを書くと。そ れ以外に職域検診その他があるということがちゃんとわかるようにここにしつこいよう だけど、きちんと書いてあるべきであるというご提案ですね。 ○大内委員 はい。 ○垣添座長 私もそんな感じがいたしますが、何かご異論ありましょうか。斎藤委員。 ○斎藤委員 特に前回にこの議論がなされていまして、本来はC)が把握できるべきだ と。その具体的な方策としては、現段階では、例えば国民生活基礎調査のようなサーベ イランスを精緻化してなるべく正確な受診率を把握しましょうというような、そういう 議論だったと思うんですね。ですから、まず「市町村事業におけるがん検診の対象者に ついて」、それと今後の方策といいますか、そういった意向も受けて今のところを書き込 めばよろしいのではないかと思います。そこに、内田委員から再三ご指摘がありました 制度変更というようなことを、将来に向かっては盛り込んでいただくとより建設的なの ではないかと思います。  それと、先ほどの1つ前のご指摘に追加したいのですが、小坂委員のB)の式は市町 村ごとの比較性を保つためなので、市町村間の比較をする上ではそうすべきであるとい うことで強調するとともにある程度限定をつけるというのがよろしいかと思います。  具体的には、先ほどの四角の下の…… ○垣添座長 1行目ですね。 ○斎藤委員 そうですね。そこに「比較に当たっては」というふうなことを入れる。 ○垣添座長 「市町村事業におけるがん検診の比較に当たっては」と。わかりました。 どうぞ大内委員。 ○大内委員 先ほどの追加で、10ページの「具体的な対応」として書かれている部分に ついては、4ページで、既に2.1.の(2)の中に、国、都道府県、市町村というこ とで書いてあります。例えば国民生活基礎調査及び地域保健等々と書いてあって、ここ には市町村事業というふうに限定してないのです。それも不具合になってしまいます、 ここの10ページの書き出しは。いわゆる正確な受診率の把握というところですが。 ○古元課長補佐 大内委員ご指摘のとおり、確かに4ページの市町村のところにつきま しては、いわゆる対人口に対する受診率と市町村事業の受診、ちょっとミックスしたよ うな形でわかりづらく書いておりますので、そこは少し正確に書くように検討させてい ただきたいと思います。 ○垣添座長 それでよろしいですか。 ○大内委員 はい。 ○垣添座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。 ○瀬戸山委員 よろしいでしょうか。 ○垣添座長 どうぞ、瀬戸山委員。 ○瀬戸山委員 10ページの「具体的な対応」、(1)を変えると、前の9ページの「現状及 び基本的な考え方」で、「(1) 市町村事業におけるがん検診の対象者について」を変える 必要があるんじゃないですか。いいんですか、これで。 ○垣添座長 市町村事業そのものを、ここを変えるわけでなくて、ここを強調する。 ○瀬戸山委員 わかりました。 ○垣添座長 国が行う検診という意味では、対象者が市町村事業だけではないというこ とがわかるようにということですから。  では、先へ行ってもよろしゅうございましょうか。それでは、「3.3.『品質と達成 度のモニタリング・分析』に関する問題」について、事務局から説明をお願いします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは11ページをごらんいただきたいと思 います。「『品質と達成度のモニタリング・分析』に関する問題」ということで、まず「(1) 現状及び基本的な考え方」が2つございます。  (1)「技術・体制的指標」をモニタリングするためには、都道府県、市町村及びがん検 診実施機関が『事業評価のためのチェックリスト』及び『仕様書に明記すべき必要最低 限の精度管理項目』をどの程度満たしているかを定期的に把握する仕組みが必要」、この チェックリスト及び精度管理項目につきましては、この委員会と並行して走ってきてお りました「がん検診に関する検討会」のほうでずっと議論いただいて取りまとめをした ものでございます。そちらをきっちり使ってモニタリングをすることが必要であろうと いうことでございます。  続きまして12ページでございます。(2) 「プロセス指標」については、これまで国の 「地域保健・老人保健事業報告」による集計が行われてきたところでございますが、例 えば対象者数の計算方法が統一されていないであるとか、報告時期が翌年の5月という ことで、精密検査に関する情報が回収しきれていないといった状況もございました。こ ういった問題点についても指摘をされてきているという現状がございます。  その下、「(2)具体的な対応」でございます。  「(1)『技術・体制的指標』のモニタリング・分析について」は、こちらは都道府県及 び国の役割を明記しております。都道府県の生活習慣病検診等管理協議会は、市町村、 検診実施機関が「事業評価のためのチェック」をどの程度満たしているか把握し、市町 村及び検診実施機関は、チェックリストの把握のために必要な協力を行っていただくと いうことでございます。  続きまして国ですが、国は、都道府県がチェックリストをどの程度満たしているかを 把握するというようなことで、それぞれの立場で都道府県と国が都道府県は、市町村検 診実施機関を、国は都道府県をチェックリストで把握をするという仕組みを明記してお ります。  「(2) 『プロセス指標』のモニタリング・分析について」は、国は、「地域保健・老人 保健事業報告」の報告の様式や時期につき見直しを行うことが必要。こちらは現在鋭意 検討させていただいております。具体的には、例えば、初回・非初回の違いであるとか、 年齢階級別のきっちりデータをとるとか、または開始の時期を少しずらすであるとか、 そういったことを検討しております。  都道府県の生活習慣病協議会におきましては、検診実施機関毎のプロセス指標につい て、きっちり定期的に把握することが必要であるということを明記しております。  以上でございます。 ○垣添座長 この3.3.に関して何かございましょうか。 ○垣添座長 特にありませんでしたら、先にまいりまして、「3.4.『改善に向けた取 組』に関する問題」について、事務局からお願いします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは12ページの下で「3.4.『改善に向け た取組』に関する問題」でございます。  改善に向けた取組につきましては、特になかなか日本ではこれまで行われてこなかっ たというご指摘がございまして、まず「(1)現状及び基本的な考え方」として2点ござ います。  (1) 現時点では、各市町村におけるがん検診事業の状況が、例えば大阪府であるとか、 そういった限られた自治体において公表されているにすぎない。市町村や検診実施機関 の改善に向けたインセンティブのためには、各市町村及び検診実施機関におけるがん検 診の実施状況について、広く情報公開することが効果的。  (2) 現在、都道府県の生活習慣病検診等管理指導協議会の活動状況にばらつきがあり、 これまで改善に向けて必要な指導がなされていない場合もあるということでございます。  そこで「(2)具体的な対応」といたしまして、13ページでございます。  (1) がん検診に関する情報をとにかく公表していこうということでございます。  まず都道府県は、協議会における検討結果を広く公表するとともに、国は都道府県ご との状況について情報を把握した上で公表するということでございます。  公開にあたりましては、単なる数字の羅列ではなく、国民に分かりやすい形での公開 とする必要があり、国立がんセンター等の専門機関が必要な助言を行うことが必要であ るということでございます。  (2) 必要な指導の実施。   都道府県は市町村や検診実施機関に対して、事業評価の結果に基づき、必要な指導等 を実施するとともに、広域的、専門的かつ技術的拠点である保健所は、市町村支援や検 診実施機関の指導等に積極的に協力することが必要。  市町村は、生活習慣病検診管理指導協議会における事業評価の結果や保健所等の技術 的な助言等を踏まえ必要に応じて事業の実施体制等を改善するとともに、がん検診を委 託する際には、「仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目」を参考に、設備、人員、 運営等に係る基準などを盛り込むことが必要。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。何かありましょうか。どうぞ、大内委員。 ○大内委員 この3.4.の(1)(1)のところで、「市町村や検診実施機関の改善に向けたイン センティブのためには」とありますが、先ほどの議論の中でありました国や都道府県が 市町村に対してインセンティブを効果的に導くためにということが現実的だと思います。 市町村ごとでインセンティブを持たすということとはちょっと違うと思うのですが、す なわちここは「インセンティブのためには、都道府県が各市町村及び検診実施機関にお ける検診の実施状況等について広く情報公開する」とか、そういった文言に修正いただ くことと、13ページにも「具体的な対応」の中の(1)には、ここには「インセンティブ」 という言葉は入っていません。そこを、先ほど議論ありました7ページの(5)のところと 少しからめて整理していただけたらと思います。 ○垣添座長 そうですね。全部同じ論調で書かれないと具合が悪いということですね。 市町村のインセンティブが働くように、国、都道府県がちゃんと働きかけをするという 趣旨での7ページ、12ページ、13ページの書きぶりを同じようにしようということで、 これは皆さん特にご異議がないと思いますが、よろしゅうございますね。  そのようにさせていただきます。ほかにいかがでしょう。それから、これは公表とあ りますが、国にしても都道府県にしても公表のやり方は特に書くことは要りませんか。 これは最終的には、データがまとまってきましたら、例えば国立がんセンターのがん対 策情報センターで一本化して、それを全部公開していくというようなことも1つは考え られると思いますが、やっぱり公開は非常に大きなプレッシャーになると思いますので、 これを大事にしていきたいと思いますので。 ○大内委員 現在、斎藤先生の研究班のほうで進めておられますよね、この事業評価に 関する取組、具体的には宮城県の生活習慣病検診管理指導協議会を通じて、今まで組み 立ててきました各種がん検診の事業評価の項目、これを宮城県内の各市町村でどの程度 守られているかということをA)B)C)評価で、宮城県のホームページ上で公開して いるということが具体例なんですが、これを斎藤研究班のほうでどのようにまとめられ ていくのか。 今、座長の言われたように、国立がんセンターのほうで、今後、都道府県すべてのデ ータを集めて、それを公表していくというシステムも入っているのかどうか、これは極 めて大きな項目かと思いますが。 ○斎藤委員 それは実際の事業的としての介入としての検討ではなくて、研究レベル での話です。今後またこのような会があれば、結果をここでお伝えして、検討の基礎資 料として活用をすべき性質のものと思っております。 ただ、今の件に関しては、これまでもどこに記載されていたかわかりませんが、今、 大内先生言及されたように、県のホームページ上で公開するというふうな文言がどこか にあったのではないかと思いますので、県のホームページ上で公開するとか、具体的な 言及をした方がいいのではないかと思います。 ○垣添座長 どうぞ、大内委員。 ○大内委員 ほかの国、例えばイギリスのNHSでは、こういった各種指標についてプ ロセス評価に当たるのですけれども、州ごとのデータをアップデートしています。恐ら くカナダも同じような仕組みを持っているはずです。ですから、そういった先進例もご ざいますので、この協議会でいろいろ議論されたことを、この後で事業評価の項目が出 ますけれども、各種がん検診の、例えば要精検率、陽性反応適中度、がん発見率いろい ろあります。そういった適正な基準値というのがあって、それをどの程度達成している かも含めて、諸外国の例にならって検討されることを私は希望します。 ○斎藤委員 それは次の14ページの次項で言及があると思いますが、ここに老人保健課 のほうがつくられましたプランの図がありますね。この中に出ているデータのフィード バック、データの公表というのがあります。それを実際に事業に反映させることについ て議論をすべきかと思います。。  研究班としては、もちろん先生がご指摘されたような、海外の先進例のようなやり方 が望ましいとは考えております。 ○大内委員 この4月から所轄が老健局から健康局のがん対策室のほうに移るというこ とを伺っていますが、このような仕組みを続けるためには、例えばこの12ページの3. 4.の(1)のところに「情報公開すること」ということの具体的な今後の在り方について もう少し言及されてもいいのではないか。がん死亡率低減に向けてのプロセス評価とし て極めて重要な指標でありますので、それを都道府県ごとに公開していく、それが国の 責務といいますか、所掌事項として挙げるべきではないか。武田室長も今日おられます けれども、こういったことがないと、ここまで議論されてきたことが宙に浮いてしまう のではないかという気もします。 ○垣添座長 私、事務局の説明の後、冒頭申し上げた公表の意味というのは非常に重要 だと思って、今そういう発言をしたわけですが、まさに今大内委員がご心配の点でもあ るかと思います。斎藤委員が言われた研究班の研究内容に関してはある程度限定された ものにしても、ここで議論されているような内容が、例えば都道府県でまとまってきた 場合には、それは少なくとも都道府県のホームページにきちんと公表するとか、そうい うことまで含めて公表の内容をもう一歩踏み込んでおく必要があるのではないかという ご議論だと思いますが、せっかくご出席いただいていますから、武田室長何かご発言あ りますか。 ○武田がん対策推進室長 まだ4月からということでオブザーバー参加でございますが、 基本的な考え方といたしましては、先ほど事務局のほうからもご説明がありましたよう に、趣旨の理由、1つはインセンティブという面。それからやはり基本的に必要な情報、 そういうようなものを広く公表していって、そしてそれをもとに次のまたステップに進 んでいくというような、これは基本的な今の流れだろうと思います。 そういう意味では、どういった項目をどういうような形で、誤解がないように公表し ていくという、そういう考慮というものはもちろん必要ではありますけれども、基本的 には広く、例えばいろんなWebサイトでありますとか、ホームページでありますとか、 そういうようなところを通じて公表していくことは非常に重要なことではないかという ことは、 それは基本的にはそのように思っております。 ○垣添座長 ここでは少なくとも都道府県のホームページに書き込むとかといったこと を少し踏み込んでおきましょうか。 ○古元課長補佐 平成19年度から、国のがん検診実施体制強化モデル事業というモデル 事業を実施しておりまして、こちらは何をするかというと、県が市町村であるとか、検 診実施機関の結果をしっかり集めて、それをホームページに載せるといった事業に実は 補助を出しております。これは今年度が初年度なのですけれども、来年以降実施する予 定でございますので、きっちり今回の報告書には、例えば県のホームページに公開する ような文言を入れたいと思います。 ○垣添座長 ぜひそうしてください。ほかにありましょうか。 では先に進みます。14ページ「3.5.市町村におけるがん検診の事業評価における 国、都道府県、市町村及び検診実施機関の役割分担」、お願いします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。14ページでございますが、これは3.1.〜 3.4.にるる述べてまいりましたことをここでサマリーをした部分でございまして、 先ほど斎藤委員からもご指摘がございましたがこの表が、イメージと書いておりますが、 これが一応でき上がりのイメージであるということでございます。  基本的には市町村から都道府県にデータが報告をされて、都道府県から厚生労働省に データが報告される。これは従来もございましたスキームでございますが、そちらのデ ータを報告受けた後にきちんとフィードバックであるとか、データの公表をしていこう。 またがんセンターなどがきっちりかかわって、データの公表に当たってのいろいろな助 言をいただくとか、そういったものを模式図にしたものでございます。  また検診機関からもデータ、報告をきっちりいただいた上で、都道府県は検診機関ご とのデータを公表する。こういったところも新しい部分ではないかと思います。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。今までの取りまとめになり ますから、よろしいでしょうか。  では15ページ「3.6.職場等におけるがん検診の精度管理・事業評価」についてお 願いします。 ○古元課長補佐 ありがとうございます。それでは15ページ「3.6.職場等における がん検診の精度管理・事業評価」でございます。 「(1)現状及び基本的な考え方」でございますが、現在国民の受けているがん検診の約 半数は職場におけるがん検診であり、特に若年男性においては、多くが職場においてが ん検診を受けている。また、妊婦健康診査時にも子宮がん検診が実施されることがあり、 これら職場におけるがん検診や妊婦健康診査において実施されるがん検診についても、 精度管理及び事業評価を行うことが望まれる。 「(2)具体的な対応」が以下でございます。 具体的には、以下のような取組が考えられる。 ・生活習慣病検診等管理指導協議会は、「地域・職域連携推進協議会」、「保険者協議会」 及び母子保健担当部局との協力を得た上で、職場等における検査項目や受診者数の把 握を行う。 ・都道府県や市町村は、がん検診の精度管理・事業評価の方法について、企業、保険者 及び母子保健担当部局等に情報提供を行う。 ・都道府県や市町村は、がん検診実施機関毎の精度管理の状況について、企業、保険者 及母子保健担当部局等に情報提供を行う。 以上でございます。 ○垣添座長 いかがでしょうか。この一番最後の「・」の内容は、都道府県、市町村は、 がん検診実施機関の精度管理の状況をそれぞれの企業、保険者、母子保健担当部局に情 報提供を行う。つまり、この機関は非常によくやっているとか、あるいはここはちょっ と弱いのではないかといったことを提供することによって検診の質を高めようと、そう いう考えですね。 ○古元課長補佐 はい。 ○垣添座長 つまりこれによって安かろう悪かろうを少しでも下げたいということです か。 ○古元課長補佐 はい。 ○垣添座長 特にございませんか。  それでは、16ページ「4.おわりに」ついてお願いします。 ○古元課長補佐 「おわりに」ということで、こちらは読み上げをさせていただきたい と思います。  「本報告書は、平成19年6月に閣議決定された『がん対策推進基本計画』において、 がん早期発見の重要性の観点から、がん検診の受診率を5年以内に50%とすること及び すべての市町村において精度管理・事業評価が実施されることが目標とされたことを受 け、市町村事業及び職場等におけるがん検診の精度管理・事業評価及び受診率向上に向 けた具体的な方策のあり方についてとりまとめたものである。  本報告書を踏まえ、国、都道府県、市町村、企業、保険者及び検診実施機関において は、国民の期待に応えるべく、がん検診の質の向上及び受診率向上に努めることが期待 される。  本報告書を契機として、一人でも多くの国民ががん検診についての理解を深め、自ら 積極的にがん検診を受診するようになることを期待する」。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございます。いかがでしょう。 ○大内委員 最初の文言の中で「『がん対策推進基本計画』において、がん早期発見の重 要性の観点から」という点ですが、基本計画の中にどのような文言がほかにあったか、 正確に覚えてないのですけれども、「がん早期発見の重要性」のみでよろしいのでしょう か。がん検診の目的あるいはアウトカム指標が死亡率減少なので、基本計画の中身を見 ないとそれは勇み足になるかもしれませんが、確認されてはいかがでしょうか。私の記 憶では「20%の死亡率低減」というのが一番上に記載してあったと思うのですが。 ○垣添座長 20%の根拠のうちに、がん検診受診率は50%実現できたら、3.9%かなん か死亡率が低減されるはずであると。あと均てん化が進み、喫煙率半減が達成されたら トータルで10%、それから毎年1%減少しているので10年で10%、合わせて20%とい う、そういう根拠に基づいているということです。やはりここも今大内委員ご指摘のよ うに、早期発見の重要性だけだとちょっとぐあいが悪いということでありますので、こ れは確認する、しないにかかわらず、この部分は修文の必要があるのではないかと私も 思います。よろしゅうございますか。どうぞ。 ○大内委員 がんの早期発見というところは、あくまでもプロセスだと思うのですね。 アウトカムとして死亡率を下げることががん検診の目的であるべきだと思います。その ことが、いかにもここで早期発見が大事だとなってしまうと、死亡率減少効果がはっき りしない検診も、またここでいろいろ議論されてしまうのではないかという気もします。 ○垣添座長 わかりました。ここはぜひ変えるようにいたしたいと思います。ほかにい かがでしょうか。 ○斎藤委員 ちょっと後戻りしてもよろしいでしょうか。 ○垣添座長 ここだけやって、最後全体を考えます。特に「おわりに」の部分にご発言 がなければ、少し予定よりも時間を残して…… ○古元課長補佐 よろしいでしょうか、申し訳ございません。 今の大内委員のご指摘、19ページに、基本計画の抜粋、がん検診部分を添付させていた だいております。計画の中の早期発見という枠できておりまして「死亡率減少を目標に」 というのは、これは先生のおっしゃるとおりで、それは明記したいと思うんですが、同 時に「早期発見」という言葉も残しておきたいと思います。といいますのも、早期発見 は、国民の方が政府に期待することの大きな位置にあるからでございます。 ○垣添座長 結構です。早期発見の重要性はよくわかりますが、大内委員のご指摘は「死 亡率減少効果」ということをぜひ入れてほしいということであろうと思いますので。  それでは、全体を振り返りまして、足りなかったご発言、その他ご指摘をお受けした いと思いますが、どうぞ、斎藤委員。 ○斎藤委員 1つ前の3.4.と5.のところなんですが、3.5.の図のところで、 データの公表という重要な点がうたわれていますが、この中で、我が国の精度管理上非 常に重要なのは、結果のフィードバックということなんですね。これが今まで全くされ ていませんでした。本文に公表のほうはかなり詳しく手当てがされていますが、フィー ドバッについては言及がないんですね。ですからこれをどこかで入れたほうがいいと思 います。  例えば、前ページの3.4.の(2)、13ページの(2)の「必要な指導の実施」、この中 で、都道府県が指導するというところで、「都道府県は、市町村や検診実施機関に対して」、 この次に、例えば「国立がんセンター等常設機関による分析結果を踏まえた」等と入れ れば、この図に対応する記述になるのではないかと思います。  このことは、本委員会の1回目か2回目に石原委員から、事業評価に関しては、機関、 市町村ではとても無理で、少なくとも都道府県あるいは国のレベルのアシストが必要で あると、そういうご指摘がありまして、その後も何度か出てきた話だと思いますので、 ぜひ、この図を活かしてフィードバックの項目も本文のほうに入れていただきたいと。 ○垣添座長 今、本文何と言われましたか、例えば。 ○斎藤委員 例えば、これは適切かどうかわかりませんが、13ページの(2)の(2)の「必 要な指導の実施」ですね。これは都道府県のことを書いてあって、次に市町村のことが 書いてあるのですが、「都道府県は、市町村や検診実施機関に対して」、この次に「国立 がんセンター等常設機関による分析結果を踏まえた事業評価の結果に基づき、そのフィ ードバックをする」というふうな文言を加えてはどうかということです。次のページの 図に対応させて、そこに書き込んではいかがかと。 ○垣添座長 本文にフィードバックの重要性を書き込む必要があるということを活かし て、これは今の1つの例として頂戴しておこうと思いますが、石原委員、何かご発言あ りますか。 ○石原委員 14ページ、15ページの3.5.と3.6.のところなのですが、、市町村 の位置付けがありますけど、もう一つ「職域」というものがこの欄の中にあっても良い のではないかと思います。この報告書全体的に感じるのは、あるところでは市町村に焦 点を置いてあり、一方国全体のところでは市町村がぼやけているなという印象です。3. 5.のところの「市町村における」というところをとり、大事な職域のところで半分以 上の方が受けているという現状もありますから3.6.に明記されていますように、情 報を与えなければならない。例えば精度のいい健診機関は、こういったところがあると かといったことです。ですから、結果のフィードバックを市町村だけでなくて、職域に も行くようにしていくというところが大事なのではないか。  それと、この機会に現場を担う者にとってはいろんなところで段階的な指標がこうや って明記されるということは、私たちの事業が着実に手応えとなっていくための、事業 評価となっていくという手段を得たことで、この委員会をとてもありがたく思って感謝 を述べたいと思います。 ○垣添座長 ありがとうございました。今の前段のご発言、職域のことにここでは触れ てないというのは全くご指摘のとおりだという感じがいたしますが、この点、大変重要 だと思いますので、もう少しご発言いただきたいと思いますが、どうぞ、大内委員。 ○大内委員 大変ありがたいことは、私はきょうの資料の表紙のタイトルが、「今後の我 が国における」とあることです。これは私とてもすばらしいと思います。ここには「市 町村事業」と書いてないのです。ですから今、石原委員がおっしゃったように、前々か ら主張していますけれども、例えば14ページの3.5.のタイトル「市町村における」 というのは削除するとか、それから、13ページの(参考)の図ですけれども、「目標と 標準の設定」の下にも「市町村事業における」とあります。あえて「市町村事業」と書 いておられるので、ここを読みますと、「がん検診の対象者数の統一」と書いてありなが ら「市町村事業」というのが残っているのです。そうすると「職域」というのがどうし てもここで外れてしまうということなので、ここはもう一度細かくチェックしていただ いて整合性をとっていただきたいと思います。 ○垣添座長 ありがとうございました。今の石原委員のご指摘は大変重要で、うっかり 失念していた部分が浮き彫りになってきた感じがいたしますが、今の13ページ、14ペ ージの模式図に関しても、今の「職域」のことを取り入れていきたいと思います。ほか にいかでしょうか。まず小坂委員。 ○小坂委員 今のご意見全く賛成なんですよ。同じように、15ページに「(2)具体的 な対応」で、これだと都道府県や市町村が一方的に情報提供を行うというような形にな るのですが、協議会の、場合によっては企業等あるいは保険者から情報をもらうことも あるでしょうから、情報の共有を図るとか、そういう形の文言のほうがよろしいのでは ないかと思います。 ○垣添座長 ありがとうございました。どうぞ、瀬戸山委員。 ○瀬戸山委員 15ページの具体的な対応で、「・」が3つございますが、一番上が生活 習慣病検診等管理指導協議会と、それから、これは職場等における検査項目や受診者等 の把握を行う。  次は都道府県と市町村になっている。この生活習慣病検診等管理指導協議会は市町村 の行うがん検診事業をやるところですね。ですから、この3つを分けた意味は、これは 「都道府県は」やるべきであって、市町村のがん検診をやる協議会が、「職場等における 検査項目や受診者数等の把握」というのは、ちょっと主体が3つ分けてあるわけですね。 上が生活習慣病検診等管理指導協議会、下が都道府県と市町村になっていますので、こ の辺をちょっと整理しないと、先ほどから、時々生活習慣病検診だったり、都道府県だ ったりしている。その辺の使い分けはどうなっているのか、どういう位置づけなんです か。これは生活習慣病検診等管理指導協議会、市町村の行うがん検診事業の協議会じゃ ないんですか。職域とか入れるのだったら、やっぱり都道府県が入っていたほうがいい のではないかと思うんですが、いかがですか。 ○古元課長補佐 済みません、これは誤解を生むようなことで、先生おっしゃるとおり ですね。1つ目の「・」は県のことをイメージしております。といいますのは、県に既 存の組織として、協議会と地域・職域連携推進協議会、保険者協議会、こういったとこ ろを、まずは既存、とにかく既存のできるだけあるものをきっちり活用する形でやって いこうということを具体的に書いたほうがいいかなということで書かせていただいたの が1つ目でございます。言わずもがな、これは県が主体でございます。  あと、当然市町村の絡みが、市町村に何をしていただくという部分について、下2つ をきちんと情報提供行うというようなことで書かせていただきました。ちょっと誤解が あると申し訳ないのですが、そこはそういうふうにしたいと。  あと、1つよろしいでしょうか。先ほどご議論いただきまして、大きな3番というの は今回精度管理、3.1.〜3.5が主に市町村の話を書いておりまして、3.6.で 職域のことを書いておるということでございます。14ページの図が、いわゆる3.1. 〜3.4.でるる述べてきたことをサマリーをした図でございまして、当然制度そのも のの組み方が市町村事業の中の精度管理をきちんと固めるということはそれはそれで重 要かと私は思っておりまして、そこをきっちりまずは整理を、足元を固めるといったこ とをしておるというのが3.5.までで、これは決してその内容を職域の検診のほうに 情報を伝えた上で、こういったものを参考に職域もやってほしいという形で流していけ ばいいものかなというふうに思っておりまして、あまりすべてに職域をからめますと、 逆にぼやけるような気が私としてはしておりますが、もしご意見をいただければありが たいです。 ○垣添座長 これは事務局から重要な反論を受けましたけれども、いかがでしょう。ど うぞ自由にご議論ください。大事なポイントだと思いますから。どうぞ、澁谷委員。 ○澁谷委員 今の説明でわかったのですけど、3.5.までのまとめをしたのがこの14 の図で、市町村事業を中心にまとめられたということだと思います。もし、先ほどの意 見を入れるとすれば、もう一つ、一番最後に、ではがん検診全体はどうなのかというこ との図を、もちろん地域・職域の問題、健康増進法、そういうものも全部含めた形の体 系図を1つつくればカバーができるのかなと思います。だから14は、これはこのままで もいいというふうに思いますけど。 ○垣添座長 ありがとうございます。それは確かに非常に建設的なご提案だと思います が、そういうふうにしても、大内委員よろしいですか。 ○大内委員 はい。 ○垣添座長 石原委員いかがですか。よろしゅうございますか。 ○石原委員 はい。 ○垣添座長 市町村事業の流れで、それともう一つ、別括りにして職域検診等を含めた がん検診全体像がわかるような図をまとめるということにいたしましょう。  そのほか、全体通して何かご発言ありましたらお伺いしたいと思います。どうぞ、斎 藤委員。 ○斎藤委員 1点、技術的な点です。12ページと13ページにわたって仕様書とチェッ クリストが出てきます。実はチェックリストと仕様書の関係というのは、最初にチェッ クリストが乳がん、子宮がんについてつくられまして、その後、がん検診検討会が進む に従って個別のチェックリストができました。そして昨年これを統一しました。その後 に仕様書というのができてきたんですね。、そういったことで同時につくったものではな いので、かなりチェックはしてきましたが、統一した変更が一部なされておらず、標準 化されていない部分があります。  この段階になって初めて気がついたことなんですが、乳がんと子宮がんに関しまして は、チェックリストが一番最初にできたということで、それに伴って仕様書のタイミン グもちょっとずれていて、両者に乖離があります。基本的にはチェックリストのハード ルの高さよりも少し低めた最低必要条件ということで仕様書の条件項目を絞ってありま す。その関係が乳がんと子宮がんでちょっとずれていることがわかりました。  例えば47ページをごらんください。47ページの乳がんの検診機関用のチェックリス トがございます。2項目に分けていて、機器に関する注)が長々と書いていますが、対 応する仕様書は69ページにありまして、これは4項目からなっています。チェックの項 目は仕様書のほうが多いということになってしまっているんですね。内容的にはそれほ どの違いはないのですが、これに気がつきまして、乳がんと子宮がんに関しては、他の 3がんと同じようにスタイルを統一する必要があると思いますので、これはもう一度こ この改訂を担当させていただいてお示しするということでいかがでしょうか。 ○垣添座長 そうすると参考資料のほうの扱いはどうなりますか。 ○斎藤委員 手続からいきますと、がん検診検討会のほうでチェックリストは議論は済 んでいます。それから仕様書に関しても報告は済んでいます。仕様書に関しては妥当性 評価もやっておりますので、仕様書の項目に合わせるという観点で改訂するのは、これ までの委員会、検討会の流れを崩すものではないと思います。仕様書のほうを基準にし て齟齬を解消するというふうな改訂をしてはいかがかと思います。 ○垣添座長 それはよろしいと思いますが、それはもう一つのがん検診の検討会のほう の了解も必要になるのではないですか。 ○斎藤委員 がん検診検討会のほうでは仕様書が既にオーソライズされていますので、 仕様書の項目を基準にして齟齬を解消するということで手続としてはいいと思います。 ○垣添座長 そうすると参考資料の中にこのまま加えるとぐあいが悪い。 ○斎藤委員 そうですね。 ○垣添座長 さらに検討中とか、一文入れる、加えるとしたら。 ○斎藤委員 一番まずいのは、このままやりますと、スタイルがちょっと違いますので 現場が混乱するのではないかということです。そのために内容をまた変えるのではなく て、項目を合わせると。それから、スタイルを全体合わせるというようなことの調整で あれば、これまでの議論に追加の手続は必要がないのではないかというふうに思います。 ○垣添座長 事務局いかがでしょう。 ○古元課長補佐 内容につきましては、がん検診に関する検討会での議論を超えるもの ではないと私も理解いたしますので、ただ、今回、参考でお載せする際に当たっては、 それを一部加筆修正したものであると。検討会でおまとめいただいたものを一部修正し たものである旨を明記した上で掲載する分には問題ないのではないかと思います。 ○大内委員 私、つい最近気がつきまして、今朝ほど皆様にメールを送ったところで間 に合わなくて大変恐縮なのですが、乳がん、子宮がんにつきまして、最初のがん検診に 関する検討会で議論されました。と同時に、精度管理に関する議論もその時点で行われ たわけですが、その後に引き続いて行われた大腸がん検診、胃がん検診、肺がん検診と ありますけれども、いわゆる時間的な軸が違っていまして、途中からがん検診の精度管 理全体について事業評価という名前でかなり議論が集約してきました。最初に検討され た乳がん、子宮がんについては、その部分が後からついてきた胃がん、大腸がんに比べ ると表記の仕方、あるいは項目の並べ方等についてずれが生じてきたと思います。特に 技術、体制的指標、プロセス指標、アウトカム指標について大きく変わりました。項目 そのものも変わったのです。  例えば、乳がん、子宮がんではアウトカム指標の中にがん発見率とか陽性反応適中度 がありました。それが現時点ではアウトカム指標は死亡率のみなのです。そのように変 わりましたので、その部分でずれが起こっているということです。  それが今回顕著にあらわれたのが仕様書で、69ページごらんになっていただくと、市 町村が検診実施機関を選定するに当たって明記すべき精度管理項目ということで、この ように体制的、技術的な指標及びプロセス評価に関する3.事業評価に関する検討、あ るいはがん検診の集計・報告等についても明記されています。しかし、この部分が、47 ページの検診実施機関用のチェックリストの中には入っていません。したがって、検診 機関のほうでは、これを持っていっても、この仕様書についてわからないということが 発生します。これは子宮がんも同じことでして、そのことが非常に重要であるというこ とで、私なりに皆さんにご意見を差し上げた次第です。  私がここで提案させていただきたいのは、基本的に69ページにある精度管理項目、こ れをほとんどこのまま、47ページの検診機関用のチェックリストということで掲載して はいかがかと思います。  と同時に、乳がんのみ、マンモグラフィに関するエックス線装置の仕様基準がかなり 詳しく書いてあります。他のがん検診については検診の項目は変わっていませんが、乳 がんのみがマンモグラフィ検診に大きく移行しましたので、広く周知する意味から掲載 したわけです。しかし、この時点から既に4、5年たっておりますので、この部分をあ えて記載する必要はないだろうと思います。この注1)については削除してもよろしい のではないかと思います。 ○垣添座長 わかりました。乳がんと子宮がんのチェックリストと仕様書のくい違いの 部分を斎藤委員、大内委員からご指摘いただいて、今、大内委員から具体的にご発言が ありましたけれども、仕様書の内容とチェックリスクの内容が合致するように修正をす るとい うのでしょうか、修文をして参考資料として加えるということでよろしゅうございます か。 どうぞ、斎藤委員。 ○斎藤委員 今、大内委員から検診機関用のチェックリスト、仕様書を合わせるという ご提案がありましたが、それは1つの選択肢だと思います。もう一つの選択肢は、胃が ん、大腸がん、肺がんに合わせてやるということなんですが、いずれにせよ、乳がんと 子宮がんをいじりますと、ほかのがんも全部見直しが必要だと思いますので、この際、 ほかの3がんはほとんど手を加えることにはならないと思いますが、それも含めて検討 し直すということをご了解いただきたいと思います。 ○垣添座長 そうするとそれは事務局でやれることですか。それとも、例えば研究班と して何かなさるとか。 ○斎藤委員 研究班として案を提示いたしまして、事務局とやりとりをすると。それで 必要でしたらば、事務局に一任しますけれども、通信で回覧するというふうなことも必 要でしたらばやったらどうかと思いますが。 ○垣添座長 大内委員いかがですか。 ○大内委員 結構です。 ○垣添座長 時間的にどうでしょう。つまり事務局としては、年度内に報告書をまとめ たいということだと思いますが。 ○斎藤委員 詳しい日程は後で詰めたいと思いますが、今週中に解決するということで。 ○古元課長補佐 時間の猶予があまり実はないというのが正直なところでございまして、 できる範囲でという形にはなると思いますが、最低限先ほど具体的な案でいただいてい る内容については反映させることはできると思います。できる限りの対応を行った上で、 何とか今年度中に取りまとめるということにさせていただければと思います。座長とご 相談をさせていただきます。 ○垣添座長 ほかにいかがでしょう。大内委員。 ○大内委員 このチェックリストの中で、また同じようなことが起こりました。偽陰性 例の把握ということですが、乳がん、子宮がんに関しましては、検診間隔が2年間にな りました。その後、続けて議論されました大腸がん、胃がん、肺がんについては1年間 隔です。都道府県が行うチェックリストの項目の中で、「6.偽陰性例(がん)の把握」 という項目がすべてのがんにあります。これが1年というので、偽陰性例の把握はよろ しいのですが、乳がん、子宮がんについては検診間隔が2年間となりますと、ここは2 年にすべきだと思います。  具体的には50ページの乳がん検診の6の項、「偽陰性例(がん)の把握」の(2)と (3)です。検診受診後1年未満となっているところを2年にする。  それから、子宮がんにつきましても、54ページになるかと思いますが、これも偽陰性 例の把握について、同じように2年とすべきではないかと思います。 ○垣添座長 ご指摘のとおりだと思います。これはちょっと数字を変えるだけで対応で きるのではないかと思いますが、よろしゅうございますね。ほかにいかがでしょう。  ありがとうございました。それでは、本日大変ご熱心な議論をいただきまして、多く の重要なご指摘いただきましたので、それをできるだけ取り入れて最終的な報告書をこ の年度内にまとめることにいたしたいと思います。その際の字句の修正を含めた最終的 な取りまとめは座長と事務局にご一任いただければ大変ありがたく存じます。よろしゅ うございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございました。  これで、本検討会で予定されていました議論はすべて終了いたしました。各委員の先 生におかれましては、これまで大変ご多忙の中を精力的にご議論いただいて心から御礼 申し上げたいと思います。今後とも我が国のがん検診の適正な発展のためにいろいろご 尽力いただきたいと思います。  本日の会はこれにて閉じさせていただきます。誠にありがとうございました。  最後に武田室長にごあいさつを一言よろしくお願いします。 ○武田がん対策推進室長 恐縮でございます。それでは一言最後にごあいさつをさせて いただきます。  まず、先生方大変お忙しい中、4回にわたりまして非常に熱心なご議論いただきまし て、おまとめいただきまして大変ありがとうございます。ご案内のとおり、がん対策推 進基本計画、閣議決定された国のマスタープランでございますが、この中で全体目標の 1つといたしまして、75歳未満のがん死亡率(年齢調整率)で20%減ということがそこ でうたわれておるわけでございます。その中でもがん検診の推進ということは非常に大 きな意味合いを占めると。  そういう点から、今回この委員会におきましてご議論いただいたことは非常に重要な ことというふうに認識させていただいております。特に本日も非常に活発なご議論いた だきましたけれども、ただ単に受診率を上げていくということでなく、当然のことでは ございますけれども、科学的に有効ながん検診を正しく実施すると。正しいものを正し く実施するという当たり前のことではございますが、このようなことをさらに推進する ということにいたしまして、広く国民に対してこのがん検診の恩恵というものがあまね く行き渡るようにということを今後進めていく上で、本委員会におきますご検討の成果 というものは非常に大きな基本的な方向性を示していただいたものではないかというふ うに考えております。  このような今回ご検討いただいた内容をもとにいたしまして、20年度もうすぐでござ いますけれども、4月以降、私ども健康局のほうでがん検診は所管させていただきます が、さらに推進をさせていただければと考えております。  どうもありがとうございました。 ○垣添座長 どうもありがとうございました。それでは閉じさせていただきます。