08/03/18 第1回障害児支援の見直しに関する検討会(議事録) 第1回障害児支援の見直しに関する検討会(議事録)                           日時:平成20年3月18日(火)14:00〜16:00 場所:厚生労働省9階 省議室 ○障害福祉課長 それでは、定刻でございます。もう一人の先生が来られる予定でござ いますけれども、遅れられているということでございます。  ただいまより「障害児支援の見直しに関する検討会」を開会させていただきたいと思 います。  各委員の皆様方におかれましては、大変御多忙のところ、本検討会にお集まりいただ きまして誠にありがとうございます。  私は、厚生労働省で障害福祉課長をやっております蒲原でございます。本日は、座長 選出までの間、私が議事進行役を務めたいと思っておりますので、よろしくお願いいた します。  本検討会の開催に当たりまして、障害保健福祉部長、中村よりごあいさつをさせてい ただきます。 ○障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の中村でございます。障害児支援の見直しに関 する検討会の始まりに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  初めに、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、委員への御就任を快くお 引き受けいただきまして心から御礼申し上げたいと思います。また、本日は、御多忙の ところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。  御承知のように、障害のある方が普通に暮らせるまちづくりを目指すということで障 害者自立支援法が施行されまして約2年経過しております。大変大きな改正であっただ けに、さまざまな御意見が出てまいりまして、こうした御意見に丁寧に対応するという ことで、平成18年の暮れには、平成18年度、19年度、20年度の3カ年にわたる対策と いうことで特別対策が決定されまして、実施されておるところでございます。  また、昨年には、連立政権の合意を受けまして与党のプロジェクトチームが発足いた し、そうした報告が昨年暮れにまとまっておりますけれども、それを受ける形で、障害 者自立支援法の抜本的な見直しに向けての緊急措置ということで、実施がこれから、4 月ぐらいから始まっていくというような状況にございます。私どもといたしましては、 こうした措置を通じて、法の目的であります地域生活への移行とか、あるいは就労の支 援というものを着実に実施して、法律の定着に努力していきたいと思っております。  また、一方で、今年は、法の附則に3年後の見直しということが規定されております ので、制度の見直しを進めていく年ということで、これは1月の部長会議、それからま た先般開きました課長会議でも申し上げてきたところでございます。そうした中で、障 害児の支援のあり方につきましては、障害者自立支援法の制定時に残された課題という ことで、附則にも明示されて、必要な措置を講じていくということになっておるところ でございます。  また、昨年からは、教育の分野で特別支援教育が実施されるということでありますし、 更には、既に平成17年からの施行でありますが、発達障害者支援法という法律も施行 されておりまして、こちらの方は、3年経過後見直しということで、これも検討してい かなければいけないというような状況にございます。  こうした障害児を取り巻く環境が変化しておるということを考えますと、障害児支援 のあり方の見直しというものは、次期の制度改正の大きな柱の一つになるのではないか と考えておるところでございます。  自立支援法全体の制度改正に当たりましては、別途、社会保障審議会の障害者部会を 立ち上げまして審議を行っていくことにしておりますけれども、障害児支援の見直しに 関しましては、まずは知見を持っておられる有識者や関係者にお集まりいただきまして 御議論いただくことが必要ではないかということで、今般、検討会を開催することにい たしました。検討会では、こちらの要望ということでございますけれども、7月ごろま でには一定の方向性をまとめていただければと思っております。その後、そうしたおま とめを踏まえて、障害者部会において更に議論を進めていただければと考えておるとこ ろでございます。  見直しに向けて、私どもの思いとして4つぐらい柱を考えておりまして、1つは、お 子さんの自立に向けた発達支援をどういうふうにしていくか。2つ目は、お子さんのラ イフステージに応じまして一貫した支援施策をどういう形でつくっていくか。3つ目と いたしまして、御家族を含めたトータルな支援を考えていく。4つ目といたしまして、 できるだけ身近な地域での支援をつくっていただく。そうした視点を踏まえて考えてい ったらどうかと思っておりますけれども、是非、委員の皆様方には、いろいろな立場か ら忌憚のない意見をいただきまして、制度の改正がよりよいものになるようにしていた だければと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 ○障害福祉課長 それでは、本日は第1回目の検討会でございます。まず、委員の皆様 方に自己紹介をお願いできればと考えてございます。お手元の資料1に検討会の開催要 綱というものがついてございますけれども、これの2枚目、別紙のところでございます が、ここに今回の検討会メンバーのリストが入ってございます。この名簿に沿いまして、 大変恐縮でございますけれども、五十音順でお願いしたいと思います。時間の関係で、 恐縮でございますけれども、冒頭でございますので、2分程度でそれぞれ自己紹介をお 願いできればと思います。  それでは、恐縮でございますけれども、市川委員の方からよろしくお願いいたします。 ○市川委員 梅ケ丘病院の市川です。子どもさんの心の問題、最近ですと発達障害の方 を中心に医療を行っています。  私は医療の立場におりますが、いろいろな分野、福祉あるいは教育等と連携を図って いけたらと思っています。よろしくお願いいたします。 ○柏女委員 淑徳大学の柏女と申します。社会保障審議会の児童部会の方に所属してお りまして、今回、この障害児支援に携わらせていただくことになりました。  私自身は、児童相談所の心理職として10年間仕事をして、その後、厚生省で専門官 を8年行った後、現在は、大学の方で社会福祉士や保育士の養成に携わっています。子 ども・家庭福祉サービスの供給体制をどうしていったらいいのかというのが専門になっ ています。例えば虐待社会的養護の問題と、保育子育て支援、それから更に障害児とい ったサービスの中身によって供給体制が全く違うシステムになっているわけですし、こ れに教育の問題が、先ほどお話がありました教育委員会制度が入ってきますと、子ども の福祉の問題のサービス利用のあり方というのは非常に複雑になっております。これを どのように整合化させていったらいいのか、できるだけ一元化させていく方向を目指す にはどうしていったらいいのか、そうしたことを研究させていただいております。  今回、先生方とともに学べることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いい たします。 ○北浦委員 全国重症心身障害児守る会の会長の北浦でございます。  重症心身障害児(者)は、重度の肢体不自由児と重度の知的障害を持った重複した状 況で、医療によってようやく命が守られております。でも最近、ありがたいことに、医 療と福祉と教育が一体となりまして療育が行われ、障害は重いんですけれども、かすか に伸びてまいりますので、そのことによって親の私たちが逆にいろいろなことを教えら れる。例えば生きるというのがどういうことかとか、そういうものを教えられまして導 かれております。私どもの会は、最も弱い者を一人も漏れなく守るということを基本理 念として、親の方々と心を一つにして活動しているところでございます。よろしくお願 いいたします。 ○君塚委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の君塚と申します。  肢体不自由施設は、医療法と児童福祉法にのっとって養護学校を併設しており、ホス ピタル・アンド・ホーム・ウィズ・スクールという形での大規模な全国に62あります 障害児のための施設でございます。原則各県に一つありまして、第三次福祉圏域の中核 の一つであると考えております。入所と外来と通所、通園などがありまして、入所では、 主に3〜4カ月間の通過型の入園になっております。年間6,000名ぐらいの障害のお子 さんが施設の入所を利用しておりますし、そのほかに、重心の短期入所、一部肢体不自 由の短期入所を行っております。外来では月延べ11万人ぐらい受診されていて、入所、 通所あるいは外来で、すべてあらゆる面で在宅支援を行っております。  そういった中で、早期発見ということに10年以上前から取り組んできておりまして、 ネットワークがこの間でき上がり、中で、今では発達障害児あるいは知的障害などのお 子さんも、最初は遅れということで紹介されて、私たちのところへまず入り口として通 ってきているという状況であります。そういう中で、たくさんの医療スタッフと福祉の 専門職をそろえて総合的な療育を行っております。そういうことで、障害児を本当に受 け入れているというところでありますし、入所では、大島分類の1、4の重心相当が4 割ぐらいという形で重篤化しております。  いろいろの御指導と御理解をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いい たします。 ○坂本(正)委員 甲子園短期大学の坂本と申します。昨年より、大学で児童福祉を中 心に社会福祉を教えております。  私は、もともと自治体の福祉職員でございまして、特に児童相談所で長くこの仕事を してまいりました。平成18年度に障害者自立支援法が施行されまして、児童相談所で 受給者証の発行を行うとともに、障害の状況によって措置と契約による施設利用が明確 に異なるという現状を目の当たりにしてまいりました。この検討会では、障害のある子 どもの利益、それから福祉ということを下敷きに置きながら、家族、保護者への支援の あり方、そしてまた実施体制のあり方などについても皆様方と一緒に考えてまいりたい と思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○柴田委員 日本知的障害者福祉協会の政策委員長をしております柴田と申します。ど うぞよろしくお願いします。  特に、知的障害児の施設では、この自立支援法への移行に伴って措置から契約という ことになったわけですが、特に入所において、私どもは当初、措置から契約になっても 大半は措置と理解していたんですが、過半数が契約ということになりまして、しかも県 によってすごくばらつきがありまして、ほとんど措置にしている県も中には少しだけあ るんですが、大半はやはり契約にしてしまう。この契約が実際上、成り立たないという ようなことが重なっておりまして、知的障害児の特に入所施設は、現在、運営面でも支 援の面でも非常に大きな困難に直面しております。  そういう点で、この見直しに当たって、自立支援法に障害児が含まれたわけですけれ ども、このことが、私たちは今、自立支援法の枠で考えるよりも、基本的には児童福祉 法の中で再度とらえ直しをしていただきたいと強く望んでいるわけです。この検討会で もそういう言で私たちの御意見を改めて申し上げたいと思いますので、どうぞよろしく お願いします。 ○副島委員 知的障害者である子どもと親の会です、全日本手をつなぐ育成会の理事長 をしております副島でございます。  実は、私どもの会としても、この子育て支援ということに対しては、何か雰囲気的に は子育て支援は過去のことで終わったように思われているような気がしてなりません。 特に今取り組んでいるのは、社会参加とか高齢化とか親なき後の問題になっていますが、 しかし、自立支援法の施行によって、児童の取組みが積み残されておりますし、知的障 害があり、広汎性発達障害とか、 LDとかADHDなどのこれまでとは異なる障害のある子を抱える親は、悩み苦しんで いるのが現状で、地方に行けば行くだけ、やはりそこについて十分に育成会で取り組ん でほしいということが訴えられます。  私どもは、子育て支援、家族支援というのは本当に最重要な問題であると認識してお りますので、この検討会には大いに期待しております。是非いろいろな勉強をさせてい ただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○田中委員 こんにちは。NPO法人全国地域生活支援ネットワークの代表の田中と申 します。よろしくお願いします。  全国地域生活支援ネットワークは、ユニバーサルな支援で共に生きる社会づくりを目 指すということで、ユニバーサルという点に非常にこだわってノーマライゼーションの 充実を目指してまいりました。地域で暮らすすべての人を包み込んで対応してまいりま したので、重心、知的障害、精神といったそもそもそういった枠のないところからサー ビスを立ち上げてまいりました。また、今回、児童の問題は積み残しがあると強く感じ ておりまして、特に、家族がいるから取り残されてきたような、そんな思いでおります。 そういった視点では、今回、家族支援という幅広の考えで、もともと地域で暮らしやす くするための仕組みづくりはどうあるべきかということを考えていく場になればと期待 しておりますし、また、その仕組みづくりに向けていろいろ提案させていただければと 思っております。どうぞよろしくお願いします。 ○中島委員 慶應義塾大学の中島です。私は、専門は経済学で、2年前に『障害者の経 済学』という本を書きまして、それで障害者の問題といろいろかかわるようになりまし たが、私自身は、子どもが肢体不自由児でありまして、もう成人しましたけれども、そ ういうことで当事者の親としての立場も持っております。  経済学というと金勘定の話ばかりと受け取られがちですけれども、私としては、この ミーティングで、結局、当事者のニーズというものがどこにあって、それを最大限満た すようにどのように社会の資源を効率的にうまく使っていったらいいかというような観 点からいろいろお話をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○橋本委員 私は、全国肢体不自由児者父母の会連合会の会長をしております橋本と申 します。私自身が障害者の親でございまして、子どもが昭和39年に脳性麻痺として生 まれてまいりまして、それで、私は子どもが4歳からこの運動をずっと続けておりまし て、北区に住んでおる関係で、東京都の父母の会連合会の会長はもう昭和50年からや っておりまして、全国の方は、今年ちょうど10年目でございます。  私どもの子どもたちは、いろいろな子どもがおりまして、全国、子どもの数が6万人 ぐらいですね。47都道府県にそれぞれ父母の会の連合会がありまして、それの積み上 がったものがこの全国肢体不自由児者父母の会連合会で、再来年ちょうど50年になり ます。  今、いろいろと問題がございますけれども、特に、障害者の施設その他の運営を、今、 親の会が中心になって運営しなければいけないようなことになっておりまして、それで 今、運営について、自立支援法が施行されて、それぞれが大変に苦労しておりまして、 県によって違いますけれども、約7割の市町村がある程度の助成をしていただいている ので何とか動いてはおりますが、その辺が今の一番のネックでございます。  とにかく、我々の子どもたちは、自分たちでは生きていかれない、要するに重度の肢 体不自由でございます。北浦先生のところも長く存じ上げているんですけれども、北浦 先生のところはもっと重い子ということですが、私どもの方もそれに負けないぐらいに と言っては変ですが、重い子でございまして、子どもの幸せを願って親は一生懸命やっ ているんですけれども、こういう機会にこういう席に参加させていただいて、勉強させ ていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。 ○宮田委員 肢体不自由児通園施設連絡協議会の宮田と申します。よろしくお願いいた します。  我々通園施設は3種別の障害の通院施設で構成されていますけれども、平成8年3月 に中央児童福祉審議会が「通園施設は一本化するべき」という意見具申をされまして、 児童デイサービスを含む4つの通園施設がそれから協議を進めてまいりました。現在、 通園施設というのは、そのようにかなり障害の子どもたちが混合されまして、いわゆる 総合通園化しているような状況があると思います。  特に我々、肢体不自由児通園施設は、診療所を持っておりまして、さまざまな障害の 子どもさんが通われます。例えば、我々姫路市の通園施設では、平成18年に365人の新 患の子どもを受け入れましたけれども、脳性麻痺の子どもはそのうち16名で、300人以 上が発達障害の子どもたちということで、外来は子どもたちであふれているけれども、 入園の方は肢体不自由の子どもが少なくなってきているという状況がありまして、まさ しく障害種別に分かれた通園というのは、確実に見直されなければならない時代が来て いるのではないかと実感しております。  加えて、子どもへの支援は、先ほども言われていましたけれども、児童福祉法と自立 支援法のはざまで非常に混乱を来しております。この点の解決というのが非常に急がれ るのではないかと考えています。障害のある子どもたちの育ちと、そして親御さんの育 児への支援というものが身近でできる、地域でできるシステムが早く展開できるように なるように審議が進められることを期待しております。よろしくお願いいたします。 ○山岡委員 日本発達障害ネットワークの代表で山岡と申します。よろしくお願いしま す。  発達障害と言いますのは、医学での発達障害というのがあるんですけれども、平成 17年に発達障害者支援法という法律が施行されまして、主としてその対象になってお ります自閉症、それからLD(学習障害)、ADHD、この3障害を中心とした発達障 害の関係団体が、当事者団体と、それから学会とか専門家の団体、それから心理士とか、 作業療法士の方とか、言語聴覚士の方といった職能団体が、全部で全国団体が14とエ リアの団体が今45ですか、約60の団体が集まったネットワークで、まだ発足して3年 弱の団体でございます。  発達障害は、発達障害者支援法で新たに認識された障害と私ども考えているんですが、 例えば、自閉症の方は知的障害の中に扱われておりましたけれども、自閉症固有の支援 が十分でなかった、十分な支援が受けられていなかったということであります。それか ら、LDやADHD、高機能自閉症のお子さん、大人は、従来支援の対象になっていな かったということで、この発達障害者支援法は、これらの人たちに対して支援すること が国と自治体と国民の責務と定めた法律で、画期的な法律でございました。  しかしながら、現在、まだ発達障害はニューカマーのような扱いでございまして、自 立支援法でも、障害者基本法でも、あらゆるところでまだカヤの外に、ちょっと横に置 かれているような感じがございまして、今、宮田先生もおっしゃっておりましたけれど も、今は、恐らく自立支援もそうですが、ノンカテゴリーで障害をとらえて、支援は 個々のニーズに合わせて一つひとつ、一人一人見ながらやっていく時代かと思っており ますので、その中で、ちょっと見えにくい障害とも言われているんですが、この発達障 害の部分をこの中に何とか取り込んでいきたいというのが我々のところでありまして、 そういうものを代表して出てきているということでございます。よろしくお願いいたし ます。 ○渡辺委員 日本福祉大学の渡辺と申します。よろしくお願いします。専門は児童福祉、 家族福祉ということで、特に、その中でも障害児の家族支援と、それから地域における 子育て支援を専門に研究しております。  前任校で四国の香川県に住んでおりましたが、そのときにNPO法人立ち上げて、児 童デイサービスと子育てのひろばを併設して運営している、そういった事業にも取り組 んでまいりましたので、理論だけではなくて、そういう実践の中から見えてきたことも 含めて皆様方と一緒に学びを深めていきたいと思っております。  障害のあるお子さんたちの自立ということを考えていくためには、私自身は、幼いこ ろからごく当たり前な社会経験の積み重ねというものをきちんと保障していくことが大 事だと思っておりまして、そういった障害があるとかないということにかかわらず、ま ずは子どもであるし子育てであるというところで、ほかのお子さんたちと変わらない社 会経験の積み重ねをしっかり行っていくことが、将来、障害のない方々が多数を占める 地域社会の中でたくましく、また主体的に生きていくためには必要なのではないかと思 っております。  また、家族支援については、これは、アメリカの先行研究とか何かでは、アメリカで は予防的支援と位置づけられていますが、日本で言うと、やはりこれは子育て支援との かかわりが密接にあるのだろうと思っております。いろいろな問題や課題を抱えていら っしゃる御家族が、少しでもゆとりを持って子育てにしっかり向き合えるような体制と いうものをつくっていくことが大事だと思っておりますし、またそのようにして子育て に向き合うことができることが、お子さんたちに確実に利益をもたらすと思っておりま すので、そういった子育て支援と家族支援、あるいは子どもの発達というものを総合的 につなげて見つめながら、今回の見直しというものをとらえていくことができればと思 っております。よろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 どうもありがとうございました。  なお、本日、残念ながら御都合が合わず3名の委員の先生方が御欠席ということにな ってございます。東松山市長の坂本委員、日本重症児福祉協会常務理事の末光委員、東 洋大学教授の宮崎委員が御欠席ということになってございます。  また、目白大学教授の松矢委員は、遅れて御出席という予定になってございます。  以上、17名の皆様方に委員をお願いいたしまして開催するということで、改めて御 礼申し上げます。  それでは、続きまして、厚生労働省の出席者を御紹介させていただきます。  先ほどごあいさつ申し上げました障害保健福祉部長の中村でございます。  企画課長の川尻でございます。  精神・障害保健課長の福島でございます。  障害保健福祉部企画官の川又でございます。  なお、本日は、関係部局でございます雇用均等・児童家庭局の方から高倉総務課長が 出席してございます。内部的によく関係局と調整しながらやっていきたいと思っていま す。  また、文部科学省の方からもできる限り参加をお願いしたいと思ってございますので、 よろしくお願いいたします。  それでは、本検討会の会務を取りまとめていただきます座長についてでございますけ れども、議論全体を総括していただく観点から、児童福祉に造詣が深く、社会保障審議 会児童部会委員も務められております柏女委員にお願いしてはいかがかと思います。皆 様、御異議がございませんでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○障害福祉課長 それでは、柏女委員に座長をお願いしたいと思います。  今後の議事進行につきましては、柏女座長にお願いいたします。 ○柏女座長 ただいま、当検討会の座長として御指名いただきました。改めてごあいさ つ申し上げます、柏女と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  今ほど、委員の自己紹介の中にもお話がございましたけれども、今は非常に難しい時 期にあるということを認識しております。また、障害者自立支援法、更に児童福祉法の はざまの中で積み残しになっている課題がたくさんある分野なんだということも、お話 を伺いながら、そうした中で座長の大役を務めさせていただきますことに身が引き締ま る思いをしております。皆様方の御協力によりまして、7月までというお話でございま したので、大変短い期間での精力的な検討ということになろうかと思いますけれども、 各委員の皆様方の御協力をいただきながら、すべての子どもたちのよりよい暮らしのた めに、いい提言をまとめていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたしま す。  それでは、早速に議事を進めてまいります。  まず、事務局の方から、今日配付しております資料の確認をお願いしたいと思います。 ○障害福祉課長 それでは、お手元の資料の表紙1枚を除きまして、配付資料は資料1 から4までと参考資料でございます。  資料1が「障害児支援の見直しに関する検討会開催要綱」、先ほどの名簿つきのもの でございます。  資料2でございます、横長でございます「現行の障害児支援施策等について」と題し た厚い資料でございます。  資料3といたしまして、「検討事項(案)について」、1枚紙の資料を用意いたしてお ります。  その後ろに資料4「今後のスケジュール(案)について」ということでございます。  これに加えまして、少し厚いものでございますけれども、参考資料というものを配付 しております。  資料の不足等がもしございましたら、御指摘いただければと思います。 ○柏女座長 資料の方、御確認はよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○柏女座長 それでは、議題に入っていきます前に、事務局の方から、本検討会の公開 等についての御説明をお願いしたいと思います。 ○障害福祉課長 本検討会につきましては、大変多くの方が関心をお持ちになっている ということでございます。本日の会議は公開としておりますけれども、次回以降も会議 を公開とすることにしたいと考えております。  また、委員の皆様方それぞれにお忙しい中、日程を調整させていただいておりますの で、会場も限られておりますし、どの会場にしても傍聴希望の方がすべて入っていただ くというのはなかなか難しい面がございます。このため、議事録及び資料についても、 審議会などの例にならいまして、今回も含めて公開とさせていただきたいと考えており ます。  更に、会議における主な意見を列記した議事概要といったものをできるだけ早く作成 して、議事録に先立って公開させていただきたいと考えております。  なお、この議事概要につきましては、速報性を高める必要もございますので、座長と 御相談した上で、事務局の責任において取りまとめるという形式にさせていただければ と考えております。  議事録につきましては、御出席の委員の皆様方に内容をきちんと御確認いただいた上 で、ホームページ等で公開したいと考えてございます。  こういうことで、委員の皆様方の御了承をいただければと考えてございます。 ○柏女座長 ありがとうございます。今の説明、原則公開という形で進めていきたいと いうことでございますけれども、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろし いでしょうか。 (「はい」と声あり) ○柏女座長 ございませんようでしたら、本検討会の会議、それから議事録、資料につ きまして、事務局からの説明のとおり、公開ということで進めさせていただきたいと思 います。よろしくお願いいたします。  それでは、1時間20分ほど時間を残すことができました。議事にこれから入ってい きたいと思います。  まず、事務局から、今日の議題につきまして資料の説明をお願いしたいと思います。 よろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 それでは、初めに資料1をお開きいただけますでしょうか。開催要綱 ということで、趣旨、検討項目等書いてございます。  検討項目につきましては、後ほど詳しく御説明したいと思ってございます。  開催時期について、先ほど話があったとおり、一応、7月までを目途ということで進 めていきたいと考えてございます。  次のページの、メンバーは先ほどのとおりということでございます。  資料2でございます。これについて中身を御説明いたします。  現在の障害児支援施策がどのようになっているかという観点で基礎的資料を整理いた しました。 ○柏女座長 松矢委員が今お見えになられましたので、よろしければ自己紹介を簡単に お願いできればと思います。皆さん、大体自分がどういうことに関心を持っていらっし ゃるかということについてもお話をいただきましたので、1〜2分でお願いいたします。 ○松矢委員 どうも遅れまして申し訳ございません。目白大学の松矢と申します。今日 は第1回の委員会で、遅れまして申し訳ございません。  私は、厚生労働省では労働政策審議会障害者雇用分科会の方の委員の委嘱を受けてお りまして、教育、福祉、労働等の連携に関する研究などをやってきて、今回の法改正に も、障害者雇用促進法の改正にも、その点、幾つか関心事項が上がりましたが、この障 害児支援の見直しにつきましては、学校教育の盲・聾・養護学校の関係の先生方と障害 者基本計画にあります個別の支援計画を現場の先生あるいは盲・聾・養護学校の校長先 生と研究してまいりました。  この障害者基本計画における乳幼児期から学校卒業までの個別の支援計画というよう なことに関心を持ちながら、保健、医療、福祉、教育、労働等、そういう行政のさまざ まな部局、支援機関あるいは支援団体との連携などを中心にして参加できたらと思って おります。よろしくお願いいたします。 ○柏女座長 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。  それでは、事務局の方で資料の説明を続けてお願いいたします。 ○障害福祉課長 それでは、続けたいと思います。  資料2でございます。1ページ目をおめくりいただきまして、まず、「障害者の状 況」という基礎資料でございます。ここにございますとおり、障害者全体では、下にご ざいますとおり約700万人、人口に対する比率でいきますと5.5%という状況になって ございます。身体、知的、精神それぞれ見てもらいますと、身体が約350万人、知的が 約50万人、精神障害が約300万人という数字になってございまして、在宅及び入所の比 率はここにあるとおりということになってございます。比率及び人数はここにあるとお りということになってございます。  1ページめくってもらいまして、それでは子どもの方はどういうふうになっているか というところでございます。「障害児の状況」、合計で37.9万人ということでございます。 これも、同じく身体障害、知的障害、精神障害と分けて、一応こういう数字になってい るということでございます。  1ページめくってもらいますと、それでは、そうした障害者及び障害児に対する予算 がどうなっているかという数字でございます。「障害福祉サービス」という大人に対す るものですけれども、右の方にございますとおり約5,300億円という予算になってござ います。これは、平成20年度の予算ベースでございます。一方、障害児の関係につい ては約640億円という数字に今なっているということでございます。  1ページめくってもらいまして、それでは、そうした障害児が育つためのいろいろな 「支援体制」がどうなっているか。これは、細かく書けば、いろいろ細かくなってくる と思いますけれども、大きなくくりということで1つつくってみました。上の方を見て もらいますと、ゼロ歳から乳幼児期にかけては、乳幼児期の健診といったものを中心と して、まず発見の段階があるということです。それを踏まえていろいろな対応がされて いるわけですけれども、保育所等における支援、一方で、障害児の通園施設等における 支援といったものがあるわけで、更には、児童デイサービスというものも並行して行っ ている。  一方、小学校以上になってくると特別支援教育体制というものがあって、放課後につ いては放課後児童健全育成事業等といったものがある。更には、障害の施策として、日 中一時支援事業というものがある。更に、18歳以降になると就労支援というものが入 ってくるということでございます。  そうした流れを一気に通観する形で在宅のサービス、あるいは入所施設といったもの が存在しているということでございます。この網かけしてあるものが、主として障害施 策側でやっているものと大きく受け取ってもらえばと思います。  併せて、一番下のところで相談支援、これはいろいろな形態がございますけれども、 それぞれのサービスが適切に受けられるように相談支援がいろいろなところで行われて いるということでございます。こうした大きな流れを前提にしながら、今後のあり方を また御議論いただければと思っております。  1ページめくってもらいますと、今度は、「障害児の施設」、これは入所施設、通所施 設、両方ございます。それぞれについての数及び人数、そして種類ということでござい ます。身体障害児の関係、それぞれ種別がございますけれども、肢体不自由児施設から 始まって、入所系、通所系が存在しております。一方で、知的障害児のところについて も、入所系、通所系ということで、それぞれ先ほど話がございました重複障害といった ところで、重症心身障害児施設ということが位置づけられております。  なお、ちょっとこの数字のところが、重心の施設115となってございます。これは児 童福祉施設としての数のところだけ書いてございますけれども、これとは別に、約74 カ所の国立病院で受け入れがされているという状況でございます。  あと、一番下のところに「三障害」と書いてございます。児童デイサービス、これは、 根拠としては、障害者自立支援法に基づくサービスとして位置づけられています。逆に 申しますと、児童デイサービスよりも上のところにございます入所施設、通所施設につ いては、設立の根拠というのは児童福祉法という位置づけに現在なっているということ でございます。  それぞれの施設の性格は、ここに書いてあるとおりでございます。  こうした障害児の施設体系とは別に、参考として、次のページでございますが、「児 童養護施設等」ということで、国の厚生労働省の施策の体系で言えば、主として雇用均 等・児童家庭局の側で所管いたしておりますけれども、乳児院に始まりまして、児童関 係の幾つかの施設があります。参考までに、その施設の性格、箇所数、利用者といった ものをここに書いてございます。  併せて幼稚園、これは就学前のところでは一つ大きな教育機関でございますので、参 考として入れてございます。  1ページめくってもらいまして、「障害児・者施設についての実施主体」の関係で、 現在どうなっているかという資料でございます。左の方が障害者ということで、ここは 障害者自立支援法に基づいて行ってございます。基本的には支給決定、ここは、支給決 定の主体は市町村ということでございまして、利用者が申請をして、市町村が支給決定 する、そういう仕組みでございます。  一方で障害児の方でございますけれども、ここは児童相談所が絡んできているという ことでございます。具体的には、都道府県、指定都市または児童相談所を設置している 市というものが行うことになっております。ここは、契約の部分と措置の部分とそれぞ れ分かれてございますけれども、先ほどの障害者と違いまして、基本的には、都道府県 を中心に行政が行われている。後ほど出てまいりますけれども、実施主体については、 自立支援法の審議の際に宿題としてここをどうするかというのが一つの課題となってい るわけでございます。  以上が、障害児についての、いわばどういう対象者がいて、どういうサービスがされ ているかという基礎的状況でございます。8ページ以降が、今回検討するに当たってい ろいろな取り巻く状況の変化があるといったものを4点について整理したものでござい ます。1点目が少子化社会の進展、2点目が、まさに障害者自立支援法というものが施 行されたこと、3点目が、特別支援教育制度というものが進められているという点、4 番目が、発達障害者支援法の施行ということでございます。  それぞれこの項目について、9ページ以下、少し詳しく状況の変化を整理いたしまし た。9ページを見てもらえますでしょうか。まずは、「少子化社会の進展」であります。 よく、少子化社会、少子化対策あるいは次世代育成対策という中で、子育て世帯の不安 感、負担感という話が出てまいりますが、障害のあるお子さんを抱えている世帯は、他 の子育て世帯以上に大きな不安を抱えているのではないか。こうした障害児世帯を支え る取組みをきちんと充実強化するといったことが非常に求められているということだと 思います。  これまで、政府として対応の方向性が出ておりますいろいろな文書の中でも、障害を 持ったお子さんについて言及している部分がございます。例えば、骨太方針2007、こ れは昨年のいわゆる骨太方針でございますけれども、「児童虐待や障害など困難な状況 にある子どもや家族に対する支援の強化を図る」と書いてございます。また、「子ども と家族を応援する日本」重点戦略、ここの中でも、最後の○のところですけれども、虐 待を受けた子どもなど特別な支援を要する子どもや家族に対してきちんと配慮するとい ったようなことが書いてあります。そういった意味では、少子化社会への進展を踏まえ たいろいろな対策全体の中で、障害を持ったお子さんについても、いろいろな、そこも 視野に入れた形で対応を打っていくといったことが入っているわけでございます。  1ページめくってもらいまして、環境変化の2点目の「障害者自立支援法の施行」で ございます。繰り返すまでもございません、自立支援法というのは、ノーマライゼーシ ョンという理念に基づきまして、障害のある人が普通に暮らせる地域といったものをつ くっていこうということで施行されているわけでございます。法律にありますとおり、 障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのでき る地域社会の実現ということが入っているわけであります。こうした共生社会の実現と いったものをより確実なものにしていくためには、子どものころから、障害の有無にか かわらず、可能な限り共に育つといったことによって相互の理解を深めていく、相互の 理解を進める、そういう環境を整備していくことが、こうした自立支援法の理念の上か らも重要であるということが言えるのではないかと考えております。  11ページに自立支援法の「普通に暮らせる地域」のイメージをかいてございます。 地域社会の真ん中のところに「地域生活」と書いてありますけれども、これは大人の場 合のイメージですが、自宅やアパートあるいはグループホームといったような地域の中 でできるだけ暮らす場をつくっていこう。併せて、働くあるいは福祉的就労も含めて、 できるだけ広い意味で働けるような形にしていこうというのが自立支援法の理念である ということでございます。  自立支援法に関連いたしまして、次の12ページをちょっと見てもらえますでしょう か。自立支援法が成立いたしましたときの法律の附則に、いわば検討規定ということで 宿題が法律上規定されてございます。下線を引いてあるところの2行目の真ん中あたり でございます。「障害児の児童福祉施設への入所に係る実施主体の在り方等を勘案し」 ということで、そうしたこと、それを含めていろいろと検討した上で、その結果に基づ いて必要な措置を講ずるといった趣旨が書いてございます。第三条の1行目のところに ありますとおり、「この法律の施行後三年を目途」ということでございまして、この3 年の期限がだんだん近づいてきているということでございます。ひとつ今回の児童の関 係は、こういった意味では、こういう附則の宿題というものも頭に置いてやっていく必 要があるということでございます。  なお、次のページをお開きいただけますでしょうか。「自立支援法の見直し」につき ましては、与党の中でもいろいろな議論がされてございます。その中で、与党がまとめ たプロジェクトチームの報告書というものがございまして、その一部に障害児について 触れられている部分がございます。ここにありますとおり、障害児のサービス体系の在 り方について、児童の福祉の向上、自立支援、障害児を抱える家族の支援、保育施策な ど児童に対する一般施策や特別支援教育との連携の強化等の視点から検討する。その際、 児相による措置との関係、あるいはサービスの実施主体の在り方にも留意ということで、 与党からもこういう提言がされているということでございます。  1ページめくってもらいまして、環境の変化の3点目、「特別支援教育の実施」とい うことでございます。上の方にそれに向けての答申が書いてございます。それを受けて 資料の半分以下に制度改正というものがされている概要が書いてございます。通級指導 の対象に一定のLD等を追加するだとか、あるいは特別支援学校という形で、複数の種 別を受けることができるような形で転換するといったようなこと、あるいは3番目にあ りますとおり、小中学校においても特別支援教育を推進するといったことを法律上明記 するといったようなこと、そういったことが制度改正で行われているといったことでご ざいます。  この特別支援教育につきましては、次のページにございますが、これは、「個別の支 援計画」と左の上に書いてあって、各分野横断的な支援計画をつくる際に、一方で、右 の下にありますような個別の教育面での支援計画をつくるということになってございま して、これからいろいろな分野で計画をつくる際に、それぞれの計画の整合性、あるい はそれぞれの計画をむしろ一体的につくるべきではないか、そのようなことがこれから の課題として出てくると考えてございます。  16ページでございます。「発達障害者支援法の施行」ということでございます。発達 障害ということについては、広汎性発達障害ということで、自閉症、アスペルガー障害、 これに加えてADHD、LD、その他といったことで、通常、低年齢で発現する脳機能 の障害といったことで位置づけられてございまして、これに対して、早期発見・早期対 応に始まってきちんと一貫した支援をするといった趣旨で発達障害者支援法ができてお るわけでございまして、そうした発達障害者支援法の流れを踏まえて、今回の障害児の あり方をどう考えていくかといったことでございます。  ちなみに、次の17ページに発達障害者支援法についてのいろいろなねらいと対策の 流れといったものが書いてございます。  以上、資料でございますけれども、次の資料3を見てもらえますでしょうか。「検討 事項(案)」ということで1枚紙を用意いたしております。次回以降、それぞれまた各 論でいろいろな議論をしていただきたいと思っておるんですけれども、我々としてみる と、見直しの視点ということで、これは冒頭、部長が申し上げました自立に向けた発達 支援、ライフステージに応じた一貫した支援、トータルな家族を含めた支援、できるだ け身近な地域における支援、こうした4つぐらいの視点が大事ではないかという形で一 つの案として考えてございます。  これを踏まえて具体的に何をやるかといったことで、早期発見・早期対応といったあ たりでは、例えば母子保健施策で行われている現在の健診をこれからどういうふうに考 えていくのか、あるいは就学前の支援策のところで言うと、これまでの通所、入所の役 割に加えて、例えば就学前の保育所だとか幼稚園における受け入れというものをどんな ふうに考えていくかといったあたりがポイントだと思います。あるいは、学齢期、青年 期の支援について言うと、これはやはり学校教育との連携をどう考えていくのかという あたり、あるいは放課後の過ごし方というのをどういう形で考えていったらいいのか、 この辺がポイントだと考えられます。  ライフステージを通じた相談支援の方策ということで、それぞれ早期発見から、就学 前、学齢期とつなげる中でも、やはりいろいろな相談支援がうまくつながっていって、 スムーズに御本人及び家族が次のライフステージに移行できるように支援していくこと が大事だと。その辺の相談支援のあり方というところが一つのポイントとだと思います。  全体に通じますけれども、家族支援の方策ということで、家族自体がどうエンパワー メントされていくか、していくかといった件、あるいはレスパイトといった意味でどう いう支援が必要かというあたりがこの辺の議論になってくると思います。  あとは、行政については、先ほどちょっと出ました、現行、主として障害児について は都道府県を中心とした児相の関与というものがあるわけですけれども、これをベース にどうするかといったあたりでございます。  なお、資料4をごらんいただけますでしょうか。「今後の検討スケジュール」のとこ ろについては、一応、仮置きでございますけれども、それぞれ日程を入れております。 第2回、第3回については皆さん方と一定の調整をしましたものでございます。4回目 以降、月2回程度のペースで検討項目について議論いたしていって、7月中を目途にま とめられればと思っています。  資料4の別添のところには、第2回、第3回において行われるヒアリングの候補とい った団体をつけておるといったことでございます。  以上、基礎的な情報、現在の施策の状況と検討事項等について、事務局としてこうい うものでどうだろうかといったものを説明してみました。よろしくお願いいたします。 ○柏女座長 ありがとうございます。簡潔に御説明いただきまして1時間弱の時間を取 ることができました。今日は、1回目ということもございますので、いわばフリーの討 議ということで、今、事務局の方から特に御説明いただいた検討事項の案に基づきなが ら、今後の進め方も含めて少し御意見を皆様方からフリーにちょうだいできればと思っ ています。  「検討事項(案)について」という資料3をごらんいただきますと、ここに、今現在、 事務局でお考えいただいた具体的な検討事項、基本的な視点が上がっておりますけれど も、特にこれに加えるべき事項があるのかないのか、あるいは、この中で重点的に深め る事項があるのかないのか、更には、この中で特に改善すべき点があるのかないのか、 更には、検討課題として上がっているけれども、実は変えるべきではないという意見も あるかもしれません。こうしたことについて視点を置きながら、この議論は7月までと いうことでしたけれども、この7月までの約4カ月弱の間にどうしたことを議論してい ったらいいのか、あるいはその際の視点などについて自由に御意見をちょうだいできれ ばと思います。  更に、「今後の検討スケジュール」、資料4の次には、ヒアリングの団体案というもの も上がっておりますが、これらも含めた今後の進め方ということについても御意見をち ょうだいしたいと思います。  そんなことで、これからは特に順番は定めないでいきたいと思いますので、どなたか らでも、御意見がございましたらお願いしたいと思います。はい、早速ありがとうござ います。中島委員お願いいたします。 ○中島委員 個別のテーマに関しては、御専門の方がいろいろいらっしゃるので御意見 があると思うので、私はもうちょっと別の観点からお話ししたいんですが、まず、資料 2で御説明いただいたところで非常に僕が気になったのは、幾つかの統計が非常に古い ということでして、例えば、いきなりページをめくって最初のところが、身体障害者数 実態調査が平成13年の統計を使っているわけですよね。もう既に7年も前の数字をこ うやって出してきて、どうしてこの現状のことが議論できるのかというのが非常に疑問 です。つまり、まず統計をもっと新しくしていただきたい。  それから、もう一つの参考資料等にも統計が入っているんですけれども、ある意味で は非常に偏った数字があるように思うんです。どういうことかといいますと、基本的に は施設サイドの、障害者を受け入れている側の統計による数字がほとんどでありまして、 そういうサービスを受けている側の人たちの情報がほとんどない。つまり、どういうよ うな家庭環境の方がどういうサービスを受けているか、あるいはどういうような所得階 層の人がどういうサービスを受けているか。その家は、例えば父母がそろっているのか、 母子家庭なのかとか、そういう情報、中には非常に個人情報にかかわる部分もあるかと は思うんですけれども、やはり最近は、エビデンスベースポリシーといいますか、そう いうような客観的な情報に基づいた検討をしていかないと、正しい国民のためになるよ うな施策というのは非常に難しいような状況になっているので、是非ともそういった観 点からの調査なり統計なりを出していただいて、それをもとにして議論ができるように していただきたいと思います。  それで、それにかかわるんですけれども、2番目の点は、特にこの資料の中で、資料 2の9ページに、少子化社会の進展というところで、障害のある子どもを持つ世帯は、 他の子育て世帯以上に大きな不安を抱えている。ここに下の傍線が引っ張ってあって 「他の子育て世帯以上に大きな不安を抱えている」というのは、どうしてこんなことが 言えるのかというのがわからなくて。つまり、こういうような話を持ち出してくると、 当然のようにして、いや、自分たちもこういう障害のある子どもを持つ世帯以上に不安 を抱えているんだ。健常児のいる家庭だって、それなりのいろいろな不安があるんだと いう話が出てきて、要するに非常に説得力を持たない。だから、これは客観的な統計が ないということにもよるんですけれども、要するに、不安なんていうものは非常に主観 的なものであって、だれでも人生に対して不安を持っているわけですよね。だけれども、 要は、恐らくここで本当に言いたいことというのは、他の子育て世帯とは違う不安を抱 えていて、その不安というものの多くが解消されにくいとか、その不安を解消するため のいろいろなサービスがないとか、そういうところが多分問題なのであって、不安が大 きいか小さいかなんていうのは大した問題ではない。大した問題ではないというのは、 勿論問題なんですけれども、それをここで持ち出すことは非常に問題があると私は思い ます。  ですから、これは私からの提案というか私の意見ですけれども、なるべくここは客観 的な資料を出していただきたい。それから、議論するときには、一般の方が見たときに 違和感を持つような表現はなるべく避けて、すべての子どもが幸せに暮らすのにはどう したらいいか。子育て支援というのは今、障害児にかかわらず、健常児だって非常に不 足していると私は思うんですよね。ですから、そういう視点から見て、こういうような 子育て支援というものが一般的に必要である。その中で、この障害児の子育て支援を見 ると、こういう点が特に不足しているとか、こういう点が一般の子どもから見たら明ら かにニーズとして必要ではないか、そういう話に持っていかれれば、一般の方たちが、 こういった委員会の、勉強会の議事録を読んだり、そういうものを見たときに感じるで あろう違和感がもっと減るのではないかと私は思います。  以上です。 ○柏女座長 とても貴重な御指摘をちょうだいしたかと思います。今の御指摘について、 事務局の方で何かございますでしょうか。 ○障害福祉課長 1点目のところが、確かにこれからよく、一つはできるだけ新しいデ ータ、先ほどの障害のところについて言うと、本当にこれは古くて大変申し訳ないです けれども、もう少しするとそこは一つ新しくなります。ただ、別にその一つに限らず、 これはすべてにおいて、できるだけ新しいデータで議論するということ、もう一つは、 データについては、今回は確かに事業所側があれなので少し多かったと思います。これ は、客観的に利用者の側の状況、これがいろいろなところでうまくこれからどう収集し ていくかというところもあるんですけれども、できるだけそういうふうにしていきたい と思っております。  子育てのところについては、やはりよくバランスというか、そういうものを考えなが ら、これから整理していきたいと思っています。 ○柏女座長 ありがとうございます。今日お見えの各団体でも、利用者についての詳細 な調査をされていらっしゃる部分があるのではないかと、私も幾つか見たことがありま すので、そうしたことがもしございましたら、事務局の方にもお届けいただければ、更 にエビデンスベースなディスカッションができるのではないかと思います。ありがとう ございました。  ほかにいかがでしょうか。柴田委員どうぞ。 ○柴田委員 障害者自立支援法の施行以後のデータをいただきたいと思います。今日は それが一番大きな課題だろうと思うんですね。障害者自立支援法が施行されて、一体障 害児福祉の現場は今どう変わっているのか、その資料が一つもないんですよ。前からの ずっと10年にわたる経過というのがありますけれども、自立支援法ができて、現状が どうなっているのかということを厚生労働省がどう把握されているのか。先ほどちょっ と措置と契約のことを申しましたけれども、一体措置と契約の比率はどうなっているの か、その地域格差はどうなっているのか、その理由等はどうなっているのか、その分析 できる資料を提出していただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。これもとても大切な、議論をしていく上での大事 な御指摘だと思いますが、今、柴田委員の方からお話のありました、自立支援法施行後 の、いわば障害関係の施設での措置と契約の施設種別ごとの比率とか、都道府県ごとの 比率とか、そうしたことはわかりますでしょうか。 ○障害福祉課長 あります。 ○柏女座長 そうですか。もしございましたら、是非、次回はヒアリングの予定ですけ れども、でも、事前に学んでおくことは大事だと思いますので、そうした資料について も。 ○障害福祉課長 ありますので、次はちょっとヒアリングなので、むしろ事前にきちん と提供するようにしたいと思います。 ○柏女座長 わかりました。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  ほかいかがでしょうか。どうぞ、橋本委員。 ○橋本委員 第2回、第3回とヒアリングになっていまして、これを見ますと12団体 入っているんですね。これは、12団体を分けてやるわけですか。6団体ずつ2回と3 回に分けてやるのか、それとも12団体がその都度やるのか、どれぐらいの時間がある のか。こういうものは、私も、これは事務局でつくらないと、私のところだけではちょ っとつくれないので、どういうヒアリングをするのか、それで大体どれぐらいの時間が あるのか、その点だけちょっと伺いたいんですが。 ○柏女座長 現在、事務局の方でお考えの案はどのような形のヒアリング形態でしょう か。 ○障害福祉課長 現在事務局で考えているものがございます。勿論、これから皆さん方 と、あるいは座長と相談しながらやっていきたいと思ってございますけれども、一応、 2回の検討会ということで、これは12団体でいいかどうかもあると思いますが、仮に この12だとすると、1回6団体というのが1つの案かと思ってございます。そうする と、例えば1つの団体で、勿論この委員会が、今回は2時間ですけれども、例えば少し 長目に取った方がいいかなと我々思っていて、次の日程で見ますと、それぞれ4月15 日と4月25日は2時間半取ってございます。それぞれの団体から10分程度お話をいた だいて、勿論、先生方との意見交換、質疑応答の時間が必要だと思いますので、全体で 2時間半程度、1団体10分ずつぐらいで1回6団体、このくらいのイメージが今、事 務局で思っているものでございます。 ○柏女座長 今ちょうど話が出ましたので、このヒアリングの進め方について何か御意 見ございますか。坂本委員どうぞお願いいたします。 ○坂本(正)委員 ヒアリングで行うのか、あるいは資料の提供で行うのか、ちょっと 御検討いただきたいと思いますのが、関係団体からのヒアリングということを予定され ているんですけれども、検討事項でも上がっていますこの実施主体ということ、それか ら、資料にもあります、現在、障害児に関しての相談支援を行っている主な機関がござ いますよね。市町村、保健所、それから児童相談所、発達障害者支援センターですけれ ども、そういった機関がどういうふうに今、障害児に対して対応しているのかというこ とをどこかでは御検討いただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。これに加えて、実施主体側の意見を聴取すべきで はないだろうかと。 ○坂本(正)委員 そうですね、現状と意見ですね。 ○柏女座長 現状とか意見ですね。今、先ほどの柴田委員の例で言えば、措置と契約の 併存システムが導入されたことによって、今、児童相談所がどういう状況にあるのかと か、そうしたことということでよろしいでしょうか。 ○坂本(正)委員 はい。 ○柏女座長 ありがとうございます。その辺も少し御検討いただければと思います。  ほかに、このヒアリングの方式について、あるいは団体等について何かございますで しょうか。北浦委員どうぞ。 ○北浦委員 私どもの重症心身障害児というのは、医療が非常に必要なわけなんですね。 この子どものライフステージに応じて一貫した支援とか、そういう中に医療との関係は 入っているのでしょうか。 ○障害福祉課長 当然です。 ○北浦委員 よろしいの。そうですか。では安心いたしました。 ○柏女座長 ヒアリングについてそれ以外に御意見ございますか。ヒアリングの関係を 先に、ちょっと方針だけ決めてしまいたいと思うのですが。  よろしければ、今の12団体に、今、坂本委員の方から御発題のあった実施主体の例 えば児童相談所、保健所等々、その中の1団体になるかもしれませんけれども、そこに ついての御意見を聴取する可能性を検討していただけないかということがございました ので、12ないし13団体ということで10分程度の御報告をいただいた上で、そして意見 交換を進めていく、審議を進めていく、こういうことで決めさせていただいてよろしい でしょうか。  ありがとうございます。それでは、次回以降2回につきましてはそのような形で、こ れに実施主体を加えて行うということで考えさせていただきたいと思います。  それでは、また全体の意見に戻りたいと思います。君塚委員、お待たせしました。 ○君塚委員 資料2の3ページに平成20年度ベースの予算がありますけれども、諸外 国で児と者の配分というんでしょうか、割合はどうなっているかと。日本では少し児が 少ないのではないかという印象を持つんですけれども、そういう諸外国の比較のデータ がもしあればということと、子どもの権利条約とか、大きく言えば日本国憲法という形 で、最も弱い障害児については、国としてより公的に保障・保護すべきであるという観 点からすると、障害児への予算がもう少し増えるべきではないかという考えを持ってお りますので、その辺の御意見とか方向性を教えていただけたらと思うんですが。 ○柏女座長 今は、事務局への御質問ということでよろしいでしょうか。意見もありま したけれども、どう考えていらっしゃるのかということで。 ○君塚委員 そうですね。 ○柏女座長 では、お願いしたいと思います。 ○障害福祉課長 これはなかなか、ちょっとデータは今、私、手元に持っておりません で、これは障害児について、十分な対応ができるように我々頑張っていきたいと思いま すけれども、一方で、勿論障害者のところもいろいろな意見があるので、これは結局、 最後の最後は、いろいろな予算全体の制約とか、そういう中でどういうふうにやってい くかということだと思います。ただ、私は今、障害を担当している課長でございますの で、できるだけこの分野にお金が増えるようには努力していきたいと思っておりますが、 一応、制約条件も当然ながらある、その中でどう考えていくかということだと思ってい ます。 ○柏女座長 君塚委員よろしいでしょうか。 ○君塚委員 わかりました。特に日本の大きな課題の一つに少子化がありますので、障 害児への施策が充実すれば少子化対策の一環になるのではないかと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。どうぞ。 ○中島委員 今のことですけれども、この数字だけ見ると非常に誤解を招く数字だなと 思って。つまり学校が抜けているわけですよね。学校は教育機関だから福祉サービスで はないけれども、障害児の場合の多くは学校に通っていて、そこに相当な予算が使われ ているわけですので、参考として、やはりそれも加えた上でトータルのサービスの配分 というものを考えないと、このままだと物すごい障害児施設サービスが少なくておかし いではないかという話になって、ちょっと誤解を招くように思います。 ○柏女座長 御配慮をお願いしたいと思います。  では、どうぞ。 ○田中委員 今のことに少し関連するんですが、資料2の4ページの図を見ておりまし て、全般にわたる支援のあり方の中に特別支援教育体制という一番大きな図が位置づい ておりますが、先ほどの団体のヒアリングでこれを挙げるのはいかがなものかと思って 控えたんですが、学校との関係性がこの図の中ではうたわれていて、全体の中でそれを 確認する場がないのがちょっと気になっていて、少しそのことについて御配慮いただけ ればと思っています。  もう1点あるんですが、7ページの図の方で、先ほど、各団体のということで橋本委 員の方から御意見が出たところでの話とつながるかもしれませんが、措置という枠組み で対応すべき状況については、多分、危機介入が多いんだと思うんですが、この危機介 入のあり方についてが、具体的な検討事項の中ではライフステージを通じた相談支援の 方策に盛り込まれているかと思いますが、あえてこの措置ということで7ページに特出 しの仕組みが用意されていますので、危機介入ということについても項目として起こし ていただけると掘り下げやすくなるのではないかと思いますので、お願いしたいと思い ます。 ○柏女座長 これもとても大切な御指摘だと思います。1つは、学校というシステムを トータル支援の中にどう位置づけていくのかということでの御指摘がございました。文 部科学省の方もオブザーバーとして参加されるということですので、その辺をお願いし たいと思います。  もう一つは、危機介入というのは、これは虐待対策とか、そうしたことでよろしいで しょうか。 ○田中委員 はい。 ○柏女座長 危機介入の視点もこの中に入れ込んでいくべきではないだろうかという御 指摘です。いかがでしょうか。 ○障害福祉課長 まず、これは検討項目として、この1ページに入る範囲で切り口を書 いているので、それぞれ検討事項のところがまたいろいろ細分化していくんだと思いま す。今、田中委員から意見が出た1点目の学校のところについて言うと、ここで言えば ちょうど3ポツ目の学齢期・青年期の支援策というところで、学校とのかかわりといっ たところが入ってくると。ただ、義務教育そのもののところについてどういう形になる のかというところは、ちょっとまた文部科学省の方とも相談しなければいけないと思い ますけれども、まず、学齢期のところで学校との連携は入ってくるということだと思い ます。  あともう一つ、今おっしゃった危機管理みたいなところも、ライフステージを通じた ところなのか、どこかのところできちんと一度入れ込んで考えていくということだと思 います。 ○柏女座長 よろしいでしょうか。 ○田中委員 済みません、それで、データのことについてなんですが、児童相談所など の一時預かりなどに障害のあるお子さんがどの程度受け止められているかといったデー タもあると参考にしやすいと思いますので、よろしくお願いします。 ○柏女座長 児童相談所関係の資料を是非お願いしたいということで、よろしくお願い いたします。  渡辺委員、お願いします。 ○渡辺委員 具体的な検討事項の内容に入ってよろしいですか。 ○柏女座長 はい、強調すべき点等ございましたら、結構です。 ○渡辺委員 まず、資料2の4ページの障害児の支援体制についてということの大枠か らちょっとお話をしたいんですが、ここで支援体制はいろいろあるんですけれども、こ れからは多分、これをトータルにつないでいくような視点が必要なんだろうなというこ とがまず大きな部分ですね。健診は健診、保育所は保育所、教育は教育とぷつぷつと切 れるのではなくて、次にきちんと関連性を持って受け渡していけるようなつながりとい うか、そういうトータルな視点というものが、まさに先ほどトータルという言葉が出て おりますが、そういう意味では必要なんだろうと思っております。  そういう中で、私の専門は、児童福祉といっても、どちらかというと割と乳幼児にか かわっていることが多いので、その時期について少し意見を言わせていただきたいと思 います。  まず、障害の早期発見・早期対応策という検討事項が出ておりますが、これについて は、まず、健診そのもののあり方を見直す必要があるのではないかと考えております。 現行のような、いわゆるスクリーニング的な乳幼児健診というだけではなくて、ここが 入り口というかエントリーになって、ここから多様なサービスに結びついていけるよう なつながりというものをこの健診がつくっていく必要があると思っています。そういっ た意味では、単に今のよりも、例えば健診というのは、市町村によって勿論健診の受診 率の差はありますけれども、多くの方々がお子様を連れてやってこられる場ですので、 そういった場合に、保健師とか医療関係の方だけではなくて、例えば地域の中の療育に かかわっている専門職であったり、あるいは保育所、あるいは、ひろばであったりとか というような、子育て支援にかかわっているさまざまな従事者が健診の場に一緒に出て きて、顔と顔を合わせて、例えばその場で相談に乗るとか、そこで一緒に子どもたちに かかわっていくというようなつながりを通して、親御さんたちが、サービスを利用する ことに対して不安とか抵抗感を余り抱えずに、できるだけ自然な形でサービスにつなが っていけるような、そういったあり方というものを考えていく、そのためにもこの健診 というのは非常に絶好のチャンスだと思っているんですが、是非その内容については御 検討いただきたいと私自身思っております。  そこを強調する理由というのは、やはり入り口のこの部分、特に私は、0、1、2と いうようなところの子どもにかかわっていると、お子さんもそうなんですけれども、親 御さんも非常にある意味あいまいな状態に置かれている親御さんが多い。例えば未受診 であったり、あるいはお医者さんから、自閉の可能性がありますけれどももう少し様子 を見ましょうということで、障害があるのかないのかよくわからないというような状況 の中に置かれて、非常に不安定で揺れ動きやすい状態に置かれていますし、また、障害 の告知を受けている親御さんたちは、まさにもう障害の告知を受けたばかりで、障害児 の過程のプラクティスの途上にありますから、心理的にもいろいろな葛藤とか不安を抱 きやすいわけです。  そういった、まだまだ障害があるかどうかわからない、あるいは障害があるとは言わ れているけれども、それを受け止め切れない場合には、どうしても障害児関係のサービ スは使えないわけです。使うことに対して親御さんは抵抗がありますよね。自分の子ど もに障害があるということを受け止めていなければ障害児のサービスというのは使うこ とができませんから、どうしても障害児サービスを使うことに対して二の足を踏む。し かし、では、通常の子育て支援を使えるかというと、子育て支援のサービスというのは、 これはどちらかというと児童福祉というよりも、これまで少子化対策で扱われてきたこ との、ある意味そういうデメリットもあると思うんですが、親御さんたちはどうしても、 子育て支援というと、障害のない子どもたちとその親が圧倒的に多い場面の中に自分た ちが出かけていったときに果たして受け入れてもらえるかという非常に強い不安を感じ るということで、これも敷居が高いということになります。  ということはどういうことになるかといったら、非常に揺れ動きやすい時期に、障害 児関係のサービスも使うことができないし、子育て支援のサービスも使うことができな くなると、結局、最も支援が必要な状態にあるときに支援が行き届きにくい状態が起こ ってくるということになって孤独に悩み、葛藤するということで、ますますそれが親御 さんがお子さん状態をそのまま受け止めていくことを難しくして、子育てに向き合いに くくなってしまうということが起こってくると思います。それは、勿論、子どもにとっ てもデメリットをもたらしていくわけです。まさに早期発見・早期療育ということで言 えば、早くサービスにつながってほしいわけですから、お子さんに対してもデメリット をもたらす可能性があるわけで、そういった意味でも、先ほどのように、健診で、まず は支援者が顔でつながっていくような場にしていくことは大事だと思っております。  また、私自身は、今、いわゆる地域子育て拠点事業というので、ひろばから、最近は 名前が難しくなってしまいましたが、要は子育てひろばの事業にかかわっているんです が、そういう子育て支援の中で、親子が自由に集えるような子育てひろばというのが、 実は全国でもう4,400カ所を超えているような状況で、児童デイサービスが1,100ちょ っとぐらいですから、その4倍ぐらいのものが地域にいっぱいあるわけですから、そう いった地域の中の障害がある、なしにかかわらず使える拠点というものに、もっと障害 児やその親御さんたちがかかわりを持てるような、あるいは支援者がかかわりを持てる ような体制をつくっていって、言えば、子どもも障害がある、なしにかかわらずかかわ り合えるし、親御さんたち同士も障害がある、なしにかかわらずお互いが支え合えるよ うな環境をつくっていく。それは簡単なことではありませんけれども、そのような体制 をつくっていくことは児相としては必要だと思っています。特に、0、1、2という部 分は幼稚園にもつながりませんので、ここの部分をカバーするのは非常に大事だと思っ ています。  更にそれに関連して言いますと、今、ひろば関係で障害児の受け入れについての実態 関係をずっとやって、まとめているところなんですけれども、調査結果から見えてきて いることは、現場の支援者の、ひろばのスタッフの方々は、やはり障害に関する知識を 自分たちも十分持っていない。勿論、障害児支援の専門の施設ではありませんから、あ るいはどのように親にかかわっていけばいいのかというようなところでの不安とか悩み を支援者の側も持っているということがわかってきておりますので、やはりそれをバッ クアップする体制が必要だと思います。できれば、研修を全国一斉にやるとか何かとい う形であるよりも、せっかく地域の中に障害児支援を専門とされている施設とか機関が あるわけですから、お互いが連携を取って、そういった機関が、例えば子育て支援関係 のところで知識やノウハウを必要としている場合にはコンサルテーションを行ったり、 あるいはそういった場に障害児関係の施設あるいは児童デイサービスの職員が出向いて いくことによって、実は自分たちがカバーしていないところでいろいろなニーズがある ということをまた理解することもできますので、そういった子育て支援と要保護児童対 策の実践者同士が歩み寄って、地域の中で総合的に支援ができるような体制をきちんと つくっていく必要があると思っています。  まだまだ言いたいことはあるんですが、まずはこれぐらいで。済みません。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、宮田委員、松矢委員、山岡委員の順 でよろしいでしょうか。お願いいたします。 ○宮田委員 まず、1つ目、資料の方の追加なんですけれども、先ほどの児童相談所関 係と言われた部分の中に入るのかと思うんですが、児童養護施設の中にかなりたくさん 障害のある子どもたちが入っていて、我々のところにも保育士さんがほぼ毎日連れてこ られているような状況があります。そのあたりの資料がいただきたいということと、2 点目なんですけれども、渡辺委員のお話の追加かもしれませんが、まず、特殊支援学校 の入学者が非常に増えている。その前の通園施設の入園希望というか、対象児が基本的 に増えているわけですけれども、そのほとんどが、やはり発達障害、いわゆる施設体系 として今まで確立されてきていない子どもたちが増えているという点が1点。そして、 障害が確定していない、加えて親がまだ認められないという状況の中で支援を求められ る、それは、むしろ保育所とか学校からということなんですけれども。  そして、3点目には、加えて保育所や学校へ職員の派遣を求められる、もしくは、こ れだけ数が増えてきている中で新たな障害児施設をどんどんつくっていくというような 状況にはないし、我々が培ってきた専門性をいかに地域展開していくかということが非 常に大きな課題になる時代なのかと思うんですが、そういったいろいろ障害のある子ど もたちの状況に合わせて、既存の障害児施設が地域支援をしていくための重要な制度が、 自立支援法上は相談支援事業だと思うわけです。相談支援事業の中に入っている障害児 等療育支援事業、この部分をもう少し抜き出してしっかり協議していただきたいと考え ています。 ○柏女座長 ありがとうございます。今の点について、児童養護施設あるいは乳児院も そうだと思いますけれども、そこの障害関係の障害児の入所割合等々についての資料等 の御請求、これはよろしいでしょうか。 ○障害福祉課長 探してみます。 ○柏女座長 はい。それともう一つは、相談支援のところに絞って深く議論をすべきだ という御意見をちょうだいしました。ありがとうございました。  では、松矢委員いかがでしょうか。 ○松矢委員 渡辺委員、宮田委員とも関連しますが、15ページに個別の支援計画の図 があります。これは、障害者基本計画の中にうたわれているものが絵になりまして、そ して、特別支援教育関係は、既に重点施策で個別の教育支援計画を平成17年度までに 策定するんだと言っていて、何か形の上では進んでいるようなんですが、こういう連携 で児童段階にある子どもたちの支援をするという、これは初めてのことなんですね。ま だこのイメージが具体的になっていないのではないかと思います。それは、特別支援教 育の方で始めましたけれども、形だけで、本当の支援というのがどうなのか明らかにな っていないので、ライフステージごとにきちんと連携していくところの意味をしっかり つかまえていく。だから、相談支援事業もそうですね、今出た非常に大きなところです。  それから、私などは、教員養成の仕事とか社会福祉士の養成を考えてみますと、施設 見学に行きますと、学齢期のときは、もう学校教育が相当入ってきていますので、例え ば重症心身ですと訪問教育が入っていますね。ところが、満18歳の3月になると学校 教育がなくなりますから、途端に人的な支援ががくっと減って、もう18歳のところで はっきり切れ目が出てしまう。ところが、二十歳で大人になっていくわけですから、本 当はずっと大人になるまでつないでいくのが法の精神ですよね。そういうようなところ がリアルにつかめるようなことが必要だと思います。これは、入所施設系はみんなある ことですね。  あと、危機介入のところで、虐待もそうなんですけれども、学校教育の方を見てみま すと、家庭の養育基盤が弱くて親御さんの方から言えないケースがあります。それが個 別の支援計画の中でわかってくるんですね。そうすると、学校の先生が福祉の方の機関 とかワーカーにつないでいくことで、もう連携してそれが大きな問題にならないうちに 解決していくという例がたくさんあります。ですから、そういう意味の危機管理という ことも、どういうふうに介入していくか、恐らく個別の支援計画というものが非常に意 味を持ってくるんだろうと思います。これは発達障害についても、確定診断か、親御さ んの気持ち等も含めると、そういう連携というものが本当に生きたような形で施策がつ くられていかないと、やはり形だけのものになってしまうのではないか。その点を1つ、 よろしく議論していただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。各ステージの切れ目の部分、もう一つは空白にな っている空白部分、ここの部分に焦点を当てていかないとトータルな支援ができていか ないということで、非常に大事な御指摘だと思います。それから、領域ごとのリエゾン や連携の問題についても考えていかなければいけない。大切な御指摘をちょうだいした ように思います。  山岡委員、お待たせしました。 ○山岡委員 松矢委員とちょっとダブるところがあると思うんですが、私がさっきちょ っと申し上げたというか、今回のテーマの中で大事なところが幾つかあって、恐らくラ イフステージに応じた一貫した支援を行うんだと非常に難しいことのテーマがあって、 今、松矢委員がおっしゃったところに含まれているんですね。あと、最近は特別支援教 育もそうですし、この前厚生労働省でありました雇用関係の委員会でもそうですけれど も、地域における連携ということが結構うたわれていて、それらがうまくつながってい かないと、恐らくこの地域における障害者支援というのはできないだろうと思っていま す。  もう一つ私は、自立支援法も多分同じ考え方なんだろうと思いますけれども、障害と いうものをカテゴリーに分けないで、全体を一つのノンカテゴリーで見て、個々に対す る支援というのはこのニーズに合わせてやっていくんだということで、恐らく同じ障害 名でもニーズは細かく違うわけでありまして、特に発達障害の子なんかはかなりばらば らでございまして、みんな、100人いたら100通りいろいろ支援の方法があるようなこ とが言われているようなことがあります。  ところが、ライフステージに応じた一貫した支援だとか、地域における連携という表 題は上がっているんですけれども、これを実際にやるようにできるような実効性のある ものがまずないのではないかと思っております。1つは、ライフステージに応じた一貫 した支援というときに、何か核になるものが必ず必要で、今ここに出ている個別の支援 計画というのが一つ核になるのではないかと私は思っています。  ところが、個別の支援計画は障害者基本計画の中でうたわれておりますが、その位置 づけでありますとか、どこが補完をするとか、どこが責任を持って管理をするとかとい うところが、教育の時代、小学校から高校ぐらいまでは学校が主体となって補完したり することが可能かと思いますけれども、その前後のところがはっきりしていないところ がありまして、例えば、事例でいきますと、松山市ダンダンファイルとかいって、乳幼 児期のところの一貫した支援をするためにつくったファイルだとか、拡大版母子手帳の トライだとか、いろいろな事例があるんですが、いずれもそれは保護者が持つような形 になっているという形で、恐らくこの個別の支援計画というものをどこかの中できちん と法律に定めるか何かの形で位置づけをして、きちんとした形で運用していかないと、 この一貫した支援というものが絵にかいたもちに終わるのではないかと思っています。  もう一つは、地域における連携ということが最近いろいろなところで言われておりま して、その中でいくと、やはり教育の分野でもそうですし、乳幼児期や就労の部分もそ うなんですけれども、地域における連携も、そのどこか主体となるところ、中心になる ところはきちんとどこか決められていて、そこが主体となって一つの事業として行って いかないと、どうも事業者からするとボランティア的に参加せざるを得ないとか、そう いったものの連続になっていて長続きしないというようなことがあります。ですから、 この地域における連携の主体を決める、それからライフステージに応じた一貫した支援 の中では、個別支援計画をどこかに位置づけるということで、今回の検討の中でも、個 別の支援計画をどこかでその事例を出すとか、どういうふうな方向というのを一個取り 上げてもいいのではないかと思います。  以上です。 ○柏女座長 ありがとうございます。先ほどの松矢委員のお話を受け継いで、個別支援 計画についてしっかりと議論すべきではないだろうかという御意見もいただいたように 思います。  あと、地域連携の主体ということで言えば、児童福祉法上は、要保護児童対策地域協 議会なども整備されておりますので、その実態なども教えていただければありがたいと 思います。ありがとうございました。  市川委員、どうぞお願いいたします。 ○市川委員 精神科医として質問させていただきます。資料2の2ページの一番右側の 精神障害、に16万4,000人という数が書いてありますが、どんな疾患かわかりますか。 ○柏女座長 事務局の方でおわかりになればお願いします。 ○精神・障害保健課長 精神障害に関しては患者調査を使っておりますから、医療機関 の管理下に置かれている、つまり患者として治療を受けている人、ですから、精神障害 者という表現がいいのか、それとも精神疾患患者という表現がいいのかわかりませんが、 精神疾患患者の数を使っているというのが、通例私ども使っておる数字でございますの で、そういう面では、ICDコードの精神障害に該当するところすべての疾患がここに 入っているということになります。 ○市川委員 20歳未満で統計を取っていれば、統合失調症も入ってきていると思いま す。三障害横並びだとすると、この4ページの支援体制では支援が難しい方が入ってい るのかなと思います。  知的障害の療育手帳を取れない方を精神障害の療育手帳でという流れがあります。統 合失調症を含む精神障害を取り上げるのであれば、この支援体制の中にはもっと医療モ デルが入ってこなかったらおかしいと思います。  北浦委員の方からも、肢体不自由については医療が非常に重要だという話がありまし た。知的障害あるいは発達障害でも、この絵の中に医療モデルが抜けているとすると、 全体としての支援片手落ちのものになってしまうのではないかと思います。課長からお 話がありましたような感じだと、同じ次元で支援体制の中に入れた方がよいのか、ある いは新たな支援を見込んでいかなければいけないのかを質問させていただきました。 ○柏女座長 ありがとうございます。事務局の方でいかがでしょうか。 ○障害福祉課長 そこはちょっといろいろ工夫します。というのは、これは確かに障害 児のところで、どちらかというと身体障害あるいは知的障害のところをイメージして整 理しているものですから、先ほど言ったように、患者調査のところでは相当幅広くいろ いろな疾患で通院しているというところが入っているので。ただ、そこのところは恐ら く主として、北浦先生がおっしゃった意味では重複障害の意味で、一方で、今の話でい けば、例えば医療面のところのケア中心の人たちが、お子さんがいるという可能性も相 当強いと思うので、ちょっとそれぞれの人に応じた福祉、医療のケアのところを少し整 理してみたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございました。 ○市川委員 重複障害では勿論肢体不自由もありますが、合併症という視点で考えると、 知的障害の医療は、ノーマライゼーションからほど遠いところにあると考えています。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、どうぞお願いいたします。 ○副島委員 育成会ですけれども、ちょっと視点が違うんですが、我々の親が子どもを 見るというときには、どうしても子ども自身を親自身が離せないという、つまり抱え込 んでしまうというところがあるんです。その抱え込んでしまうという大きなものは、や はり障害を認めないというところから入ってきて、我が子の能力の見きわめのところに 大きなミスマッチが発生すると思うんです。  そういうところで、実は、親の様子を見てみますと、先ほど、生活不安という言葉が 出たと思うんですけれども、経済的な面とか、環境的な面、それから周りの無理解、こ ういうところから社会的な生活の不安が指摘される現代社会において、特に若い親たち、 20歳とか30歳の親が、自分の人生というものと子どもの人生のバランスが取れなくな っているような状況も見受けられたり、そのことが自分の家族の家族機能の不全、つま り家族機能の崩壊ですか、そういうところに陥っているようなところが見受けられて、 それが今度は、やはり子どもに対して、親のそういう家族の問題点が子どもに降りかか ってしまうために虐待というところへつながっていくような状況があるんです。家族が 健全な状態かどうか、そのところの実態というものをある面ではつかんでいかないと、 家族支援というところになかなか届かないのではないかと思うんです。しかし、つかむ のはなかなか難しいと思うんですよ。せめて育成会でどこまでつかめるかと思うんだけ れども、そういうところが少しテーマとしてというか、視点として持っていただければ と思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。北浦委員お願いします。 ○北浦委員 ヒアリングのときにお話し申し上げようと思っておりますけれども、うち の重症心身障害児というのは非常に難しい、皆さん方もなかなか御理解いただいていな くて、重度の肢体不自由児、重度の身体障害という感覚ではおわかりいただけると思う んですが、施設体系の中の重症心身障害児施設というのがございますね。これが児童福 祉法の43条の4ということなんですが、この子どもたちは医療が必要ですので、18歳 を超えても重症児施設に入っているんですね。それをこの支援法が若干、難病と同じよ うに変えるような動きがあるんですけれども、者を者として認めないのはおかしいでは ないかという御意見もあるんですが、やはり幼児のときに脳疾患がありますので、それ で激しい痙攣がありますから、それから、嚥下の麻痺があって飲み込みができないもの ですから、そういうので小児神経の先生が主体となった医療体系が必要なんですね。  それでここに、児童福祉法の43条の4だけで、18歳以上が入れるというのが書いて いないのがちょっと気になったんです。それを今後、ヒアリングのときに問題提起させ ていただきたいと思っております。 ○柏女座長 わかりました。とても貴重な御意見をちょうだいいたしました。  柴田委員お願いいたします。 ○柴田委員 知的障害児の入所施設も、やはり加齢児の問題があるんですけれども、ほ かの施設種別での年齢超過をした方が児童施設の中にどのぐらいいらっしゃるんですか。 私は知的障害の分野しかわからないものですから、ほかがちょっとよくわからないんで すが、多分、知的障害特殊の問題ではなくて、かなり一般的な問題なんでしょうか。や はり児童施設に滞留している問題をどう解決していくのかということも、実は非常に悩 ましいというか、課題なんですね。現実的になかなか難しい課題なんです。その資料を 今度、全施設の種別についていただけないでしょうか。  もう一つは、児童期にかかっている公的な税金の使い方として、学校教育にはすごく たくさん、児童1人当たりに年間相当の税金が投入されているわけですけれども、それ では福祉関係でここに表がある中で、例えば児童通園施設でありますとか、取り分け児 童デイサービスなどは、非常に劣悪な条件のもとに置かれている、この格差、これはな かなか難しい問題だとは思いますけれども、しかし、そこには大きな問題があるわけで、 学校が多過ぎるというわけではなくて、やはり学校でかかっていると同じぐらいの支援 が家庭でも地域でも必要だろうと思うんですね。そこの資料を、児童1人当たり一体ど の程度違うのか。よく、巨大な格差だと言われるんですが、どの程度の巨大なのか私は よくわからないんですが、やはりそれは、障害児の施策のあり方を検討するときに大き な問題だろうと思いますので、それもできましたらお願いしたいと思います。  もう一つ、養護施設の実態についてもう少し詳しく知りたいんですけれども、今の施 設のサービス体系でいいのかという問題で、特に、家庭で支え切れなくなった場合に、 今のところは入所施設というだけなんですが、諸外国の場合だと、例えばグループホー ムのような、ファミリーホームといいましょうか、あるいは里親制度といいましょうか、 そういうものが非常に発達していると聞くんです。養護施設の方でもそういう検討がさ れているやに報道ではあるんですが、私も詳しいことはよくわかりませんので、養護施 設で取り組まれている現状とか、あるいは諸外国の例を示していただいて、基本的に今 後の支援体系の中に養育家庭とか、あるいは児童のグループホームのようなもの、こう いうものをどういうふうに検討していくのか。これもすぐにとんと出るようなことでは ないと思うんですけれども、やはりそれは大いに検討する価値のある問題ではないかと 思いますので、そういう資料も提供していただければと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。今、3つについて資料の作成、提供をお願いした いということで御意見ございましたけれども、事務局の方いかがでしょうか。 ○障害福祉課長 それぞれあれします。1点目のところは、ちょうど配った参考資料と いうものがあって、説明はいたしませんでしたが、参考資料の6ページをちょっと開い てもらえますでしょうか。これは、「障害児施設の利用者の年齢構成について」という 資料でございます。これは、今、柴田委員から話があった知的障害児施設が一番上に書 いてございまして、これの一番右のところ、18歳以上という数字とパーセンテージが 出ております。知的障害児施設については約4割ということで、一方で、北浦委員の方 から話が出た重症心身障害児施設の方は87%という状況になっています。一方で、幾 つかそれぞれ種別ごとに、一番右に書いているような数字になっているというのが1点 目についての状況でございます。  2点目のところについては、いろいろ議論が出ました。やはり客観的データあるいは かかっている費用をきちんと整理しようということにつながると思いますので、そこは 特別支援教育のところについて、今よく1人当たり幾らというのは、私も聞いている数 字がございますけれども、正確な数字を整理する必要があると思います。ただポイント は、その後、例えば義務教育の特別支援教育を学校でしたといったときに、どことどこ がどうバランスすべきだという議論は丁寧にやっていかなければいけないなと。今の柴 田委員の議論、どことどこがバランスするのかというのは、また丁寧に議論していかな いといけないかと思ってございます。  あと、3番目の養護施設のところは、現在、そういうようないわば従来型の施設では なくて、これは柏女先生から後であれかもしれませんが、従来型の施設ではなくて、少 し小規模の、かつ非常に家庭的な雰囲気があるような、そういう形態のものも認めたら どうかということで、今、制度改正の過程にあると私は聞いております。また、いろい ろな議題のところで必ずそういう資料を提出したいと思ってございます。 ○柏女座長 よろしいでしょうか、柴田委員。 ○柴田委員 養育家庭、養育里親とか、そういうところももしありましたらお願いした いと思います。 ○柏女座長 では、補足で。 ○障害福祉課長 済みません、今日は雇用均等・児童家庭局の方から高倉総務課長がお りますので、一言お願いします。 ○総務課長 いろいろと今日は、役所の中の事務の所管として現在、私どもの雇用均 等・児童家庭局の方で担当しております分野についての御指摘を種々いただきましたの で、障害児支援ということで、障害という課題を持った子どもさん、またその御家族等 をどう支援していくかという課題、これは当然ながらそれぞれの部局の部分だけで考え ていてはいけませんので、少なくとも、今日御指摘いただいたような点について、私ど もの分野で、例えば今の養育家庭の問題でございますとか、養護施設における問題等も さまざまな検討を進めてきております。そのあたりも一たん整理して、またちょっと御 相談しながらお示しさせていただいて、こちらの障害者支援の見直しという目で見たと きに、また更にどういった方向づけがあるのかといったことも是非伺ってまいりたいと 思いますので、準備させていただきます。 ○柏女座長 柴田委員どうぞ。 ○柴田委員 障害児ということでありますが、障害児の問題は、やはり大きく2つの視 点があると思うんですね。1つは、障害そのものに対して発達をどう支援していくのか という問題が1つと、それから、特に入所施設系列の問題は、これは養護の問題で、本 来的には養護に欠ける子どもの特殊な事情という視点から、養護の問題としてきちんと とらえていく必要があるのではないかと思うんですね。そういう点で私どもも、実は、 特に入所施設については、この措置を外したことは大きな失敗だったなと本当に思って いるわけです。やはりその視点から、養護施設とこの障害児施設の関係についてきちん とこの場で整理をしていきたいと思います。よろしくお願いします。 ○柏女座長 ありがとうございます。かなり時間が迫ってまいりましたが、簡潔にあと お1人、お2人。では、渡辺委員。早い者勝ちになってしまいますが。 ○渡辺委員 ちょっと論点が違うかもしれないですけれども、家族支援について一言申 し上げたいと思います。  先ほど、副島委員の方からも、家族関係とか機能不全というような言葉もありました けれども、現状は、多分御家族とか、特に子育てをされている場合、日本の場合はお母 さんにその負担とかがたくさんかかってくるわけですが、親御さんの適用の状況という のは、かなり個々のケースの状況に任されているという感じがあるわけです。つまり良 好な夫婦関係や家族関係があって、おじいちゃん、おばあちゃんとかも、障害児が生ま れたといっても、別にそれを、うちの血筋にはそんなのなかったぞみたいなことを言う 人もいないしという中で、サポーティブな関係の中にいる人は適応が比較的早くできて いくけれども、そうでない状況に置かれている人たちは、どんどんそこに落っこちてい って、例えば先ほどのお話で言うと家族の機能不全、例えば離婚とか、家庭生活そのも のに破綻を来すこともありますし、残念ながら、今でも、お母さんが子どもを連れて母 子心中するという事件は何件も起こっているわけで、そういったリスクがかなり高まる 可能性があるということ。それが、今は個々のケースに置かれているその人たちの状況 にゆだねられているということですから、専門的な支援を行うというのは、それを解決 することが専門的な支援だと思うわけですね。どのような状況にある家庭であっても、 その人たちがきちんと支えられるような支援をどう行っていくかということが大事だと 思うんです。  そういった意味で、例えば、やはり相談できる場というのはすごく必要だと思うんで すが、ただ、それが、先ほどの図で言うと、市区町村とか、保健所、児童相談所という のが果たして担えるのかどうかということについては、少し議論が必要かなと思ってい ます。別に、スキルとかそれを疑っているわけではありませんが、もっとそこに特化し た専門の相談体制というか相談が必要なのではないかと思っています。  というのは、親御さんたちと話をすると、かなり市町村とかに対して不信感をあらわ にされることがしばしばありますし、それから、親御さんたちの中にも、保健所、児童 相談所というと、余りにも自分たちの生活から遠いところにあって、身近に感じられな くて、敷居が高くて行かないという状況もあったりしますので、もう少し生活圏の中で 身近に相談を受けられる場というものは、御家族の立場で相談を受けられる場というも のを是非御検討いただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございます。公使の役割分担ということも大事な視点ではない かと思いました。  松矢委員と宮田委員でよろしいでしょうか。 ○松矢委員 柴田委員と若干関連する児童養護と障害児支援との関連ですね。恐らく児 童福祉法の見直しということでいけば、この児童養護施設等についても並行して議論が 進んでいくと思うんですが、その関係、私は、例えば知的障害児施設、東京都に大分あ りましたけれども、どんどん児施設が縮小していって者に転換とありますが、それと関 係するような形で、児童養護施設にいわゆる知的の、知能テスト等で測定すると軽い、 だけど、サポートでは軽いかどうかわかりませんよ、そういうお子さんが相当入ってき ていますし、ここでは、情緒障害児施設だったら、不登校等で発達障害の関連もある。 そういう意味で、障害児支援の分科会ならば、そういった関連の施設の支援のあり方、 特に私の場合、個別の支援計画でいきますと全く同じなんですね。ですからそういう意 味で、そこら辺の課題を議論できるのかどうかということなんです。  知的障害児施設は、もうほとんど高度障害の、養護もあるんですけれども、もう家庭 が崩壊してしまうというような、もうお子さんが大きくなって家庭では対応できないと いう方が入ってきて、比較的年齢が低くて、知能の障害のところが軽いお子さんたちは 養護施設に行っているのではないかと。  東京なんかでは、自立支援法との関係では、そういう養護施設に措置された、つまり 家庭環境では恵まれていないお子さんたちの学校卒業というのは、通勤寮が支えていた んですよね。通勤寮があるから。ところが、自立支援法では通勤寮がなくなりますから 東京都ではどうするんだということが一つあるんですね。  ですから、その意味では、障害のあるお子さんたちの支援というのは、広く養護性の ところにまたがってあるということで、この資料の6ページのところでは、児童養護施 設とか情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設もそうですよね、かなりそういった 類似のお子さんたちがいますので、その辺と関連しながら障害児支援というところの課 題をきちんとやっていただきたいと思っています。 ○柏女座長 ありがとうございます。それでは、宮田委員お願いいたします。 ○宮田委員 施設体系を見直す方向性への希望なんですけれども、現在の給付費という のは、子ども一人一人のニーズに合わせて決められているわけではなくて、施設によっ て決められているという状況があると思います。例えば重症心身障害児が、重症心身障 害児施設に入ると重症心身障害児の給付費ですけれども、肢体不自児施設に入っている と、その子は肢体不自由児と呼ばれて、肢体不自由児施設の給付費が支給される。その あたりの格差の部分というのが、施設支援をしていく上での非常に大きな弊害になって いる部分があるのではないか。  そういう意味では、一番貧乏な肢体不自由児施設の立場なんですけれども、ニーズに 沿ってしっかり給付費が設定されるような状況というのは考えられないかということと、 通園に関しては、もうかなり障害のオーバーラップが進んでおりますので、そういう意 味では、基本の施設の基準を定めていただいて、施設のプラスアルファの付加機能とい うか専門性によって何らかの付加の給付が行われるような、そういう施設も機能アップ していく、そのモチベーションを持てるような体系を考えていただけないかと希望しま す。 ○柏女座長 ありがとうございます。  まだまだ本当に御意見があるのではないかと思いますが、資料3の検討事項の案に絞 ってみても、かなりたくさんの御意見をちょうだいいたしました。この議論を進めてい くに当たっての多様な資料の御要望がありまして、事務局には御迷惑をおかけしますけ れども、是非準備をお願いしたいと思います。  それから、この資料3にかかわって言えば、検討事項の中に何人かの委員から出てい た、いわば、今、宮田委員もおっしゃられた施設再編ということについては具体的な論 点として入っていなかったのですけれども、どうやら委員の方々の御意見の中には、そ こまで視野に入れた検討といいましょうか、それは社会的養護の問題も含めた議論をし ていく必要があるのではないかといったような論点も新たに出ていたのではないかと思 います。  また、渡辺委員の御指摘で言えば、相談機関ということでお話がありましたけれども、 いわば公使の役割分担といいましょうか、そうしたこと、サービス供給体制にかかわる ことについても御意見があったように思います。  非常にたくさんの論点、議論しなければいけない点が補足的に出てきたかと思います。 これをすべて7月までの間にこなせるかどうかは、私たちの検討によっているわけです けれども、でも、こうして出てきたものは、7月までにまとめられるものと、それから、 課題として次に送るぞというものも、分ける濃淡は必要かもしれませんけれども、でも、 やはりこんな課題があるんだということを検討の中では確認しておきたいと思います。  長らくこの分野については、冒頭も事務局の方からお話がありましたけれども、なか なか目を向けてこられなかった分野でもありますので、課題が山積していることのあか しではないかと思います。是非これからの議論の中で検討を深めていきたいと思ってい ます。  私の方から一つだけお願いがあるのですけれども、行政実施体制についてという論点 がございまして、この中で、これまでの障害児をめぐる行政の実施体制の検討の経緯と いうものを是非御紹介いただければと思っています。各種審議会でこれまで議論がされ てきたんだろうと思いますので、その議論を整理してお願いできればと思います。  それでは、今日はこれで終わりにしたいと思いますけれども、特に委員の方から何か これだけはということがございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、次回は、今日確認させていただきましたようにヒアリングをさせていただ くということで進めさせていただきたいと思いますが、その日程あるいは団体等々のこ とについては、どういうふうに考えればよろしいでしょうか。 ○障害福祉課長 団体との関係は今、12プラス先ほどの話が出ましたので、ちょっと また事務局で整理して座長と相談した上で、あとは各団体に、できるだけ順番にやって いきたいんですけれども、各団体の日程もあるでしょうから、基本的にはどちらかの一 方には入るようにということでこれから調整していければと思っていますので、またよ く座長と相談しながらやっていきたいと思っています。 ○柏女座長 わかりました。それでは、よろしいでしょうか。  では、今日の議事録・議事概要の作成あるいは当面の日程等について事務局の方から 御説明をお願いいたします。 ○障害福祉課長 最後に、議事概要についてですけれども、本日の関係については、で きるだけ速やかにつくってホームページ等で公表したいと思っております。冒頭申し上 げた手続でやっていきたいと思っております。  一応、議事録については、皆さんに御確認いただいた上で、これから公表していきた いと思ってございます。  次回及び第3回の日程については、先ほどのペーパーにありましたとおり、4月15 日火曜日、13時からが第2回目、第3回目が4月25日金曜日の14時からということに なってございますので、よろしくお願いします。  これまで、日程の出欠を一度聞いておりますけれども、その後、日程の出欠の変更が ございましたら、また事務局の方に御連絡ください。  また、4回目以降については、今日、出欠予定表を事前に配らせてもらっていますの で、これを、もし今日御記入できればいただきまして、あるいは今日できないというこ とでは、後ほどファクスで送ってもらえばと思っております。  あと、今後、委員の皆様方から、委員としての意見を出す際についての必要な資料を 併せて出したいということでありますれば、事前に事務局の方にいただければ、少し早 目にいただければ、次の会に向けての意見の資料として我々の方で準備をしたいと思っ ておりますので、よろしくお願いします。  以上でございます。 ○柏女座長 ありがとうございます。今ちょっと確認したいんですけれども、その意見 をというのは、例えば欠席される方がここに意見を出すとか、そういうことですか。あ るいは、参加されるけれども、意見書を出したいとか。 ○障害福祉課長 それは両方可能でございます。参加される際に、意見発表する関係で 資料があるというのも結構でございますし、欠席の場合でも、両方結構でございます。 ○柏女座長 わかりました。そうしますと、日程の関係でどうしても出席できないとい う方におかれましては、是非またペーパーで御意見を出していただければと思います。  また、意見を御報告される際の補足資料としてペーパーを出したいという方につきま しても、事前に事務局の方に、早目にということではありましたけれども、御連絡いた だければと思います。  それでは、今日の検討会をこれで終了とさせていただきたいと思います。どうもあり がとうございました。これからもよろしくお願いいたします。 【照会先】 〔障害児支援の見直しに関する検討会事務局〕   厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課   TEL 03-5253-1111(内線3092) 1