08/03/12 平成20年3月12日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日  時:平成20年3月12日(水) 13:59〜15:41 ○場  所:厚生労働省 共用第8会議室 ○出席者: 委 員  青木委員、尾崎委員、大野委員(部会長)、加藤委員、佐々木委員、 志賀委員、豊田委員、吉池委員 事務局  國枝基準審査課長、光岡課長補佐、河村課長補佐、江島専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課     水野専門官 1.開 会 2.議 題  (1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について    ・アメトリン(農薬)    ・ピラフルフェンエチル(農薬)    ・フルトラニル(農薬)    ・アミトラズ(農薬及び動物用医薬品)    ・鶏サルモネラ症(サルモネラ・エンテリティディス・サルモネラ・ティフィム リウム(アジュバント加)不活化ワクチン(動物用医薬品)    ・豚サーコウイルス(2型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸濁用 液)(動物用医薬品)  (2)その他 3.閉 会 ○事務局 少々早いようですけれども、皆様おそろいですので、それでは、ただいまか ら「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬・動物用医薬品部会」を開催させてい ただきます。  本日は、お忙しい中をお集まりいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願 いいたします。  本日は、井上委員、斉藤委員、米谷委員、山内委員、山添委員及び鰐渕委員より、御 欠席なさる旨の御連絡をいただいておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名 中8名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日 の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  また、吉池委員は、御都合により途中退席される旨の連絡をいただいております。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議、よろ しくお願い申し上げます。 ○大野部会長 それでは、先週に引き続き今週も集まっていただいて、皆さんどうもあ りがとうございます。それでは、今日の審議に入らせていただきたいと思います。  まず、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、配付資料を確認させていただきます。  「アメトリン」農薬になります。  資料1−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料1−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  2番目に「ピラフルフェンエチル」、農薬になります。  資料2−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料2−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  3番目に「フルトラニル」、農薬になります。  資料3−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料3−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  4番目に「アミトラズ」になります。農薬及び動物用医薬品になります。  資料4−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料4−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  5番目に「鶏サルモネラ症(サルモネラ・エンテリティディス・サルモネラ・ティフ ィムリウム)(アジュバント加)不活化ワクチン」動物用医薬品になります。  資料5−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料5−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  6番目に「豚サーコウイルス(2型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸 濁用液)」、動物用医薬品になります。  資料6−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果(案)」。  資料6−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  あと、参考資料として、参考資料1「国民平均、幼小児、妊婦、高齢者別の農産物・ 畜産物摂取量」。  参考資料2として「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果につい て」になります。  配付資料の不足等がありましたら事務局までお願いいたします。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。 ○事務局 本日の御審議につきましては、まず、資料5の動物用医薬品、鶏サルモネラ のワクチン、そしてその次に、資料6の動物用医薬品、豚サーコウイルス(2型)感染 症不活化ワクチン、次いで、資料4の農薬・動物用医薬品アミトラズの審議、その後、 資料1から資料3の農薬について御審議いただきたいと思います。よろしくお願いいた します。 ○大野部会長 それでは、審議に入りたいと思います。  本日は、今、説明ございましたように、農薬の3剤と農薬及び動物用医薬品1剤、及 び動物用医薬品2剤について御審議いただきます。  まず、動物用医薬の「鶏サルモネラ症(サルモネラ・エンテリティディス・サルモネ ラ・ティフィムリウム)(アジュバント加)不活化ワクチン」について審議に入ります。  事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 資料5−2になります。  商品名、鶏サルモネラ症(サルモネラ・エンテリティディス・サルモネラ・ティフィ ムリウム)(アジュバント加)不活化ワクチンになります。  有効成分は、サルモネラ・エンテリティディスNT991株及びサルモネラ・ティフィ ムリウムA723株です。  適用方法及び用量ですけれども、1羽あたり0.25mlを5週齢以上の種鶏及び採卵鶏 の脚部筋肉内に4〜8週間隔で2回注射をいたします。本剤を食鳥処理場出荷前12週 間は使用しないこととされております。  それで、食品安全委員会からの動物用医薬品評価書の中で、5ページに要約がありま す。「鶏サルモネラ症について食品健康影響評価を実施した」とあります。  本剤の主剤であるサルモネラ・エンテリティディスNT991株及びサルモネラ・ティ フィムリウムA723株は、不活化されておりヒト及び鶏に対する病原性の可能性はない と考えられる。また、アジュバント等の添加剤については、物質の使用状況、既存の毒 性評価、本製剤の接種量及び休薬期間を考慮すると、本製剤の含有成分の摂取による健 康影響は無視できると考えられる。  以上より、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの 健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられるという評価をいただいており ます。  また、資料5−2に戻りますけれども、安全性試験結果ということで、5週齢の鶏の 筋肉内に4週間間隔で2回本剤の投与を行い、安全性試験が実施されております。第1 回投与日から第2回投与12週後までの16週にわたり、注射部位の病理学的所見が観 察されております。  注射部位の病理組織学的検査では、肉芽腫様病変及び好酸性微細顆粒が投与4、8、 12、16週後の注射部位に散発的に認められたとあります。認められた肉芽腫様病変及 び好酸性微細顆粒は、投与12週後までは中程度の所見を示す個体が認められたが、16 週後には軽度の所見を示す個体が認められたのみであった。なお、投与4週後に組織の 壊死と考えられる病理組織学的所見は認められず、急性炎症を示唆する臨床観察所見 (熱感及び腫脹)は比較的短期間で消失していることから、本製剤の局所傷害性は軽度 なものと判断されたとあります。  それで、許容一日摂取量評価ですけれども、先ほども申し上げましたとおり、食品安 全委員会の食品健康影響評価では、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいては、 食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられる。  ただし、休薬期間については接種12週後に組織学的検査において、中程度から軽度 の肉芽腫様病変及び好酸性微細顆粒が認められていることから、これらが軽微〜消失す ることが認められた16週以降とするのが望ましいと考えられるとあります。  それで、ここのところについては、16週の休薬期間が、ヒトの健康に影響を与える 可能性が無視できると考えられるという評価の前提になっているのかということについ て食品安全委員会に確認しましたところ、そうではなくて、この16週以上が望ましい んだけれども、これを前提としているわけではないという返事はいただいております。  そういうことで、残留基準の設定として、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、 残留基準を設定しないことといたします。  ただし、使用に当たっては、食品安全委員会における食品健康影響評価結果に基づき 休薬期間を設定するとともに、本休薬期間が適切に遵守されるよう農林水産大臣あてに 通知することが適当であるということで、一番最後のページに答申案があります。  答申案として、「鶏サルモネラ症不活化ワクチンについては、食品規格を設定しない ことが適当である」となっております。  それでは、御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。  今ちょっとあれだったんですけれども、これは、食品安全委員会では、16週以降に する方が望ましいということだけで、特に使用についてはもとのままでいい、そういう ことですね。 ○事務局 そうですね。16週の休薬期間を前提として、食品が健康に影響を与える可 能性は無視できると考えられるという評価は、16週の休薬期間を前提としているわけ ではないということです。 ○大野部会長 では、御審議をお願いいたします。志賀先生、お願いします。 ○志賀委員 細かい話なんですけれども、食品安全委員会の方の資料5−1なんですが、 私はこの辺を知らないのでちょっと心配したんですけれども、6ページ目の頭、「効 能・効果」の書き方の問題というか、何と言うんでしょうか、学名がラテン語で入って おりますね。このサルモネラ、これはジーナスの名前だと思うんですけれども、その次 もイタリックになるはずなんですね。こういう種名で、表記上の問題ですけれども。そ れから、次のティフィムリウムも同じだと思います。  それと、微生物の学名の形は余りよく知らないんですけれども、普通、動物とか植物 の多くの場合ですと、この種名の方の頭は小文字なんですね。植物で昔、固有名詞なん かのときに大文字を使ったことがあったような気もします。  ですから、御確認いただけばいいんですけれども、サルモネラ・エンテリティディス とそれからサルモネラ云々が全部イタリック体、斜体になるべきということと、それか ら、種名の方のEとTが、ひょっとしたら小文字ではないでしょうかということです。  それから、これは私、知識がないのであえて伺いたいんですが、これは報告案の方も 勿論片仮名で書かれていますからいいんですけれども、後の方の種、サルモネラ・ティ フィムリウムとなっていますね。「フィ」となっています。それで、学名のこれを見ま すと「hi」なんですね。非常に細かいことで恐縮ですけれども、普通の場合ですと 「hi」なら「ヒ」ではなかろうかと思いまして、勘繰りですけれども、ひょっとしたら 「Tyhimurium」の「h」の前に「p」でも入るのかなと。いずれにしましても御確認く ださい。内容には全く影響がありません。 ○事務局 最初の、文字がイタリックになっていないことなんですけれども、これはサ ルモネラのここは血清型を言っています。 ○志賀委員 これは種名ではない。 ○事務局 種名ではないんですね。だから、こういう書き方になっているんだと思いま す。 ○志賀委員 そうですか。それは失礼しました。 ○事務局 それで、あとティフィムリウムについては、pが「Tyh」ではなく「Typh」 ということで、ミススペルです。 ○志賀委員 そうですね。 ○事務局 そうですね。そういうことで。 ○志賀委員 わかりました。どうもありがとうございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。  よろしいでしょうか。特に御意見がなければ、資料の5−2で示されたこの部会の答 申案ですけれども、これを当部会の答申としてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  それでは、次の品目に行きたいと思います。次の品目は、「豚サーコウイルス(2 型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸濁用液)(サーコバック)」でござい ます。  事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料6−2になります。  豚サーコウイルス(2型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸濁用液)で す。  商品名がサーコバックです。  用途ですけれども、豚サーコウイルス2型感染に伴うリンパ組織における病変の軽減 ならびに豚サーコウイルス2型に起因する斃死率及び臨床徴候の軽減とあります。  有効成分ですけれども、PK15細胞培養豚サーコウイルス2型1010−25株不活化 培養ろ液です。  適用方法及び用量ですけれども、産歴のある繁殖用妊娠豚(淘汰が予定されている最 終分娩時及びその前の分娩時の妊娠豚は除く。)の耳根部後方の頸部筋肉内に2mlを注 射する。初回接種は、3〜4週間隔で2回接種する。ただし、2回目の注射は分娩予定 日の2〜4週間前に行う。次回以降の繁殖時に行う補強注射は、その分娩予定日の2〜 4週間前に1回行うとなっています。  それで、評価書ですけれども資料6−1になります。動物用医薬品評価書(案)です。 これの4ページに要約が掲載されております。  豚サーコウイルス(2型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸濁用液) (サーコバック)について食品健康影響評価を実施した。  本製剤の主剤であるPK15細胞培養豚サーコウイルス2型1010−25株は、不活化 されておりヒト及び豚に対する病原性の可能性はないと考えられる。アジュバント消長 試験については、病変の消失が認められていないが、27週後の病変の病理組織学的検 査においてアジュバントの残存は認められなかった。また、アジュバント等の添加剤に ついては、物質の使用状況、既存の毒性評価及び本製剤の接種量を考慮すると本製剤の 含有成分の摂取による健康影響は無視できると考えられる。  以上より、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいては食品を通じてヒトの健 康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられるとなっております。  それで、資料6−2の2ページになりますけれども、残留試験結果ということで、ア ジュバント消長試験が実施されております。  その中で、剖検では、2回目投与後24週まで筋肉あるいは脂肪組織における白色化 ないし白色巣及び結節が認められた。病理組織学的所見では、2回目投与後24週まで 組織の壊死、細胞浸潤、線維化等の病変が認められた。また、一般的にオイルアジュバ ントの投与部位における残存を示す指標とされる組織中の空胞が2回目投与後18週ま で認められたが、2回目投与後24週後には認められなかったことからオイルアジュバ ントは投与部位から消失したものと考えられたとなっています。  それで、許容一日摂取量評価ですけれども、先ほども申し上げましたとおり、食品安 全委員会における食品健康影響評価(案)には、当生物学的製剤が適切に使用される限 りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考えられ るとなっています。  それで、残留基準の設定ですけれども、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、 残留基準を設定しないこととするとしております。  それで、一番最後のページですけれども、答申案として、「豚サーコウイルス(2 型)感染症不活化ワクチン(油性アジュバント加懸濁用液)については、食品規格(食 品中の動物用医薬品の残留基準)を設定しないことが適当である」としたいと思います。  御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございます。  いかがでしょうか。御意見、御質問ございますでしょうか。  特にございませんか。それでは、この資料6−2で示された報告書案をこの部会の報 告書としてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  それでは、次は「アミトラズ」、資料4−1でございますけれども、その説明をお願 いいたします。 ○事務局 それでは、資料4−1と4−2に基づきまして、農薬、それと動物用医薬品 としての使用もあるということで、アミトラズについて御説明申し上げます。  資料4−1が食品安全委員会の評価書でございまして、資料4−2が部会の報告書案 でございます。  まず、資料4−2の34ページをお開きください。この剤のこれまでの経緯というこ とでお示ししてございます。  ちょっと古うございますけれども、昭和50年初回農薬登録がなされたということで ございます。平成17年11月に、ポジティブリスト導入時に海外また国際基準を参考 に、いわゆる暫定基準の設定をした。それまでの間に、一部農作物につきまして基準を 設定しているというものでございます。  今回は、この暫定基準の部分の見直し、また、農林水産省から別途食品安全委員会の 方に、この動物用医薬品としての承認に係る評価の依頼というものがございまして、当 方もそれを受けての動物医薬品としての基準設定ということで、食品安全委員会に評価 依頼をかけていたというものでございます。  食品安全委員会の評価でございますけれども、資料4−1の26ページをお開きくだ さい。総合評価ということで評価結果が示されてございます。  非常に簡略化して書かれてございますけれども、動物体内運命試験につきましては、 マウス、ラット、また、動物用医薬品という観点から、乳牛、仔牛、豚、イヌ、みつば ち、また、ヒトでのボランティアな試験もなされているということでございます。主な 排泄経路は尿中であったというようなことでございます。  植物体内運命試験につきましては、りんご、レモン、洋ナシ、きゅうり、いんげん豆 等々で行われているということでございます。  また、土壌中運命試験とか水中運命試験という一連の試験の結果も評価いただいてい る。  急性毒性につきましては、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、イヌ、ヒヒ等とご ざいます。亜急性毒性につきましては、ラット、マウス、イヌ等々で実施されていると いうことでございますけれども、その毒性試験等の結果につきましては、総合評価の中 段でございますが、各種毒性試験の結果からということで、本剤の影響として中枢神経 系に対する軽度の抑制が認められ、イヌで最も感受性が高いことが示唆されたというこ とでございます。催奇形性や生体において問題となるような遺伝毒性は認められなかっ たということでございます。  発がん性でございますけれども、マウスで行った発がん性試験で、雌のマウスでリン パ/細網細胞系腫瘍また肝腫瘍の発生頻度の増加が見られたということでございますが、 これは非常に高濃度、400ppm投与群であったということなんですが、高濃度で認め られたということ、また、別途行われております遺伝毒性の試験で遺伝毒性が認められ ないという結果が出てございますので、その結果を踏まえますと、閾値を設定すること は可能であるという評価でございます。  この評価は、限られたデータ等々、またGLP規制前のデータ、ちょっと剤が古うご ざいますのでGLPを導入していない試験ということのデータを用いざるを得なかった けれども、評価は支障がないということで判断されているものでございます。  各動物試験の毒性試験の結果につきましては、27ページから表で示してございます。 今回用いられていますのが、農薬抄録またJMPRの評価書、米国EPAの評価書、カ ナダの評価書の一部、また、豪州の評価書の一部で、食品安全委員会の方で評価されて いるということでございます。  最終的には29ページでございますけれども、イヌの試験が2つ目にございます。2 年間慢性毒性試験でございますが、ここでNOAELが0.25mg/kg体重/日ということ で、これがADIの設定根拠ということで、安全係数100で除しまして、ADIとい たしましては0.0025mg/kg体重/日という評価がなされてございます。  これを踏まえまして部会報告書案ということで、資料4−2でございます。  まず、1ページ目でございますが、品名はアミトラズというものでございます。  用途は、農薬といたしましては殺虫剤ということでございまして、動物用医薬品とい たしましては、主に外部寄生虫用剤ということでダニとかそういったものに効く。また、 みつばちに寄生するダニの駆除という使用方法がある。この部分が動物用医薬品として 日本での使用承認にかかわる部分ということでございます。  作用機構といたしましては、ここに書いてございますけれども、オクトパミンレセプ ターに作用してcAMPの過剰生産を引き起こし、リン酸化と脱リン酸化のバランスを 乱すと考えられていると抄録等に記載されているということでございます。  化学名、構造式についても記載のとおりでございます。  めくっていただきまして、農薬としての使用方法、また、対象の作物ということで、 かんきつ類等ということでございます。  動物用医薬品としましては、(2)から上げてございますけれども、牛、豚、羊の外 部寄生虫でございますが、体表に噴霧するといった形とか、羊におきましては薬浴とい う形で使用されるということでございます。  みつばちでございますけれども、巣箱に懸垂するということでございまして、日本で はこのみつばちへの使用ということでございます。  6番といたしまして、牛、豚におきます代謝、分布試験の結果ということでございま す。標識をしたアミトラズを経口・経皮投与した結果でございます。  4ページからは作物残留試験、これは農作物での作物残留試験を記載させていただい てございます。一応、アミトラズと代謝物Bを分析の対象として作残試験を行っている ということでございます。  また、動物の試験につきましては7ページからでございます。8番ということで記載 してございます。動物用医薬品としての残留試験につきましても、アミトラズ本体と代 謝物Bについて分析を行っているということでございます。ウシ、豚、羊、また、みつ ばちでの試験結果を上げさせていただいてございます。  これらにつきましては表にまとめまして、農作物については11ページから、また、 動物用医薬品につきましては23ページから表でまとめてございます。この結果を踏ま えまして基準値の案を検討させていただいたということでございます。  9ページに戻りまして、ADIにつきましては、先ほど食品安全委員会の評価書どお りということでございます。  10番、諸外国の状況でございますけれども、1998年にJMPRで評価が行われてい る。コーデックスでも一部の作物、畜産物に基準の設定がなされているということでご ざいます。このときも、畜産物につきましては、飼料経由というよりも、直接生体に散 布した試験に基づいた基準値の設定がなされているということでございます。  あと、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドについて調査したと ころ、米国において、なし、ホップ、畜産物でございますけれども、牛の筋肉等、カナ ダにおいて、なし、りんご、牛の肝臓等、EUにつきましては、アーモンド、りんご、 畜産物等ということでございます。オーストラリアについても、りんご、綿実、乳等の 畜産物に基準が設定されているという現状があるということでございます。  基準値案でございます。ちょっと後でまた御審議いただくところでございますけれど も、これは、アミトラズと代謝物Bというものをそれぞれ農産物、畜産物でも残留試験 のときに分析を行ってございますが、代謝物Bも無視できないほど残留するということ でございますので、考え方といたしましては、アミトラズと代謝物Bの和という形で規 制対象を考えてございます。  ただし、農作物につきましては、これはまだ一つの案でございますけれども、これま で我が国での規制の中で代謝物を換算するときに、アミトラズ及び代謝物で、すべてを アミトラズ含量に換算して基準値を設定したという経緯がございます。今回コーデック ス、また海外基準を引用して基準を置こうとしたときに、コーデックスとオーストラリ アでは、和として持っていくのは一緒なんですけれども、すべて代謝物B換算にして基 準を設定しているという部分がございました。今の基準値案、29ページでございます けれども、農作物については、これはアミトラズ換算での基準値ということで、トマト の0.9ppmから始まるところから設定してございます。国際基準が0.5ppmでございま すので、これは代謝物B換算ということでございましたので、一応アミトラズ換算に、 1.8倍すればいいということになるんですけれども、今0.9ppmという形で設定しよう という案でございます。  31ページでございますが、31ページの表で、牛の筋肉から始まる畜産物の基準値案 の表がございますが、ここにつきましてはコーデックスの基準に対応しているというこ とがありまして、ここの基準値はコーデックスをそのまま採用した形になってございま すので、代謝物B換算という形になってございます。ちょっと1つの剤で食品の種類で 換算の仕方が違うというような状況でございます。後で先生方からまた御意見をいただ ければと思ってございます。  そういった形で、基準値案でございますけれども、基本的には、作物残留試験がある ものについて基準値を設定する、また、現行基準が置いてあるものについては、そのま ま維持するという形で基準値案を策定してございます。網がけになった部分というのは、 ポジティブリスト制度で基準値を置いたところでございますけれども、米からずっと大 半の部分については基準を削除して一律基準で規制するということでございます。  また、トマト等につきましては、コーデックス基準に基づきまして、また、それはア ミトラズ換算した形で設定してございます。  一部、きゅうり等につきましては、これも現行基準でございますけれども、もともと はコーデックスの基準を採用したという経緯がございますので、これもアミトラズ換算 で0.9という形にしてございます。そのほかは、換算する必要がないものについては、 そのままという形でしてございます。  EUもアミトラズ換算で基準値を設定しているということでございますので、EU等 の基準値を採用したもの等につきましては、そのまま置いてございます。  31ページの産畜産物については代謝物B換算ということで、主にコーデックスの基 準を採用して基準を設定したというところでございます。  暴露評価でございますけれども、こういった基準値の流れの中で暴露評価というのが 32ページ、33ページということでございます。基準値は、代謝物に換算するかアミト ラズで換算するかという部分はございますけれども、いずれにしましても、評価自体は アミトラズのADIということでございますので、暴露評価に用いる数値につきまして は、すべてアミトラズ換算で暴露評価を行ってございます。ですので、畜産物の基準値 につきましてはすべてアミトラズ換算という形で試算しているということでございます。  ちょっとここでミスタイプがございまして、33ページの真ん中辺でございます。「そ の他のスパイス」というところの基準値案が「3」となってございますけれども、これ は「5」の間違いでございます。暴露評価は最終的にEDIで評価してございますので、 暴露評価上は問題ないんですが、ミスタイプでございます。  この剤につきましてはADIが非常に小さいので、暴露評価ではTMDI試算でいき ますと、国民平均でも81.7%ということで80%を超えてしまうことがございますので、 EDI試算をやってございます。そうしますと、国民平均で29.8%、幼少児の方で 76%、妊婦の方で30%、高齢者の方で26.2%ということで、80%以下になることを確 認してございます。  答申案といたしましては35ページでございます。この基準は、換算方法が混じった もので組んでございますけれども、先ほどのどちらかに合わせるということで、もしア ミトラズ換算にすべてを合わせるということになりますと、例えば牛の肝臓で今 0.2ppmと置いているところがございますけれども、これは、換算する場合は1.8倍に すればいいということでございますので、0.4ppmの基準値が置かれるというようにな るかと思います。  以上、その辺の換算の部分も含めて御審議いただければと思います。 ○大野部会長 ありがとうございました。  幾つか論点があるようですけれども、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょう か。  これは、コーデックスでもその違いというんですか、国際基準というところで農産物 と肉類と両方ありますよね。コーデックスもそれを分けているんですか。 ○事務局 いや、コーデックスはすべて代謝物B換算でやられているようです。  31ページの基準値表の一番下の注釈の「注2)」というところでございますけれども、 一般的に国際基準とオーストラリア基準は代謝物B換算、アメリカとEUはアミトラズ 換算ということで、日本もこれまで農作物に置いていたものについてはアミトラズ換算 でやっていたということでございます。 ○大野部会長 何も決まっていないと、この一律基準を当てはめるときには、農産物の 場合には、今の案はアミトラズであって、畜産物に関しては代謝物で規制するというこ とですね。 ○事務局 一律基準の部分はまだちょっと整理されていないところがございますが、基 本的にはアミトラズ換算になろうかと思います。 ○大野部会長 いかがでしょうか。  測定する現場のことがよくわからないので、そういうものを含めて御意見をいただけ ればありがたいです。  加藤先生、どうですか。これで混乱が起きないかどうかというところが心配です。 ○加藤委員 私はどちらかにそろえた方がいいとは思うんですけれども。思うんですけ れどもとすっきり言えないのは、まず、コーデックスの基準の定義、代謝物Bに換算す るということの根拠が余りはっきりしていないんですね。ファームのマニュアルにもい ろいろな例が出ているんですけれども、このアミトラズもその例外の一つに出ているん です。ほかの剤の例外についてはきちんと理由が書いてあるんですけれども、これは理 由が書かれていないんです。書きようがないというので書かれたのではないかという感 じがするんですけれども、それが1つ。  それから、最終的に、今もお話があったんですけれども、これを最後に評価するとき はADIと比較しますから、そのADIがアミトラズで表現されているわけですね。で すから、コーデックス基準が何で代謝物Bにしているのか非常にわかりづらい。換算、 換算で、その間での繰り上げ、繰り下げの問題が出てきて、どちらに効果が出るのかわ かりませんけれども、余り妥当な方式とは考えにくいというのが1つ。  それから、オーストラリアは、コーデックスに合わせるためにコーデックスと同じに なったんですけれども、ヨーロッパ、EU、それからアメリカが日本と同じになってい る。世界の4極のうちの3極は、コーデックスに反した方式でそろっているという状況 があるわけですね。ですから、どちらにするのかというのは非常に難しいんですけれど も、ただ、動物と農産物と畜産物で違った表現をしていくという方式、それは現場に非 常に大きな混乱を与えるので、それはどちらかに統一しないとまずいだろうと思います。 先ほどおっしゃった一律基準の扱いの問題も出てきてしまいますので、どっちかにすべ き。今の時点で個人的にどうかということでは、これに関しては、コーデックス基準で なくてもよろしいのではないかという気がしていますけれども。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかの先生方の御意見はいかがでしょうか。尾崎先生、どうぞ。 ○尾崎委員 各国とコーデックスが何でこんなに違っているのかというところで、この 食品安全委員会の評価書の16ページの急性毒性試験のところで、LD50値が書いてあ るんですね。それを見ますと、例えばラットなんかは経口で600で、それで代謝物B が200とむしろ強くなっていますね。そういう傾向があるので、私は、コーデックス はそちらを重視してずっと見てきたのかという解釈をしたんです。 ○加藤委員 毒性は代謝物Bの方が高くなる。ただ、コーデックスもそうなんですけれ ども、当然のことなら、親化合物も含めて、親化合物プラス代謝物Bをどちらも暴露評 価の対象にしている。MRLの規制対象にしていくというところが同じですので、ちょ っと難しいという感じがしています。 ○大野部会長 現場の方とすると、農水の方の対応はどうですか、考え方というのは。 こういうものは別々でいいものかどうかというところで御意見いただければ。渡辺さん。 ○渡辺専門官 農薬は、今まで代謝物がある場合も、本体を中心に代謝物を含めて規制 対象にしていましたので、代謝物を含めたアミトラズとして今までは取り扱っておりま したので、そちらの方がいいと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。 ○水野専門官 動物薬の方ですけれども、今回承認申請に伴うものでして、そちらの残 留試験の方は代謝物Bで見ているということです。 ○大野部会長 でも、アミトラズも入れているんでしょう。アミトラズと代謝物と合わ せて残留基準を超えているから、代謝物だけということはないと思います。 ○水野専門官 資料の方を見ますと、アミトラズ本体が代謝物Bに速やかに加水分解さ れるのでそちらを追っていると。代謝物Bを見て残留がない、確認しているということ になっております。 ○大野部会長 分析対象物として、アミトラズと代謝物Bと両方はかるとなっています けれども、実際はBだけしかはかっていないということなんですかね。 ○事務局 28ページにはみつばちの試験の結果がありまして、その中では、国内の試 験成績ですけれども、それでは代謝物Bを表1に示すとなっています。それで、表の2 がEUのデータなんだそうですけれども、これではアミトラズの濃度という形ではかっ ています。 ○大野部会長 この表2の方は、代謝物を入れていないんですかね。 ○事務局 いや、入っていて、合わせた形でやっております。 ○大野部会長 合わせた形ですね。  お願いします。 ○佐々木委員 農産物も畜産物も両方はかるし、規制対象はその2つということですか ら、換算の煩わしさは、ここで基準値を決めるときに全部その煩わしさは引き受けて、 アミトラズで一本化するという方がわかりやすいのではないでしょうか。 ○大野部会長 大体現場での混乱を防ぐためには、アミトラズに統一した方がよろしい のではないかという御意見かと思いますけれども、代謝物しかわからないということは ちょっとないのではないかと思うんですが、いずれにしてもアミトラズに換算してやる と。それでよろしいですよね。そういうふうに規制して、実際は、動物とかそういうも のについては代謝物しかはかっていないということになるとちょっと問題になりますけ れども。動物薬としては、代謝物だけ測定という形にしないでいいんですかね。 ○事務局 規制対象は両方という形で換算するという、どっちが大きいか少ないかわか りませんけれども、結果はアミトラズで換算するということです。 ○大野部会長 水野さん、それで問題ないですか。 ○水野専門官 はい、大丈夫です。 ○大野部会長 わかりました。 ○事務局 そうした結果、ちょっといろいろ用意していたんですけれども、アミトラズ 換算という御意見をいただきましたので、そうしますと、31ページの畜産物のところ でございますが、数値がこういうような形、1.8倍をして丸めるものは丸めたというこ とでございます。 ○大野部会長 このまとめ方なんですけれども、どうしますか。 ○事務局 0.05ppmにつきましては1.8を掛けて0.09ppm、そのままでございます。 ずっと来まして、その他の陸生哺乳類の動物の筋肉というところは、0.12ppm、1.8倍 しまして0.18ppmでございますけれども、これは0.2ppmでございます。  次のところは、これはそもそもEUの残留データに基づきまして0.05ppm未満とい うところから引いてございますので、ここはそのまま維持している形です。そもそもア ミトラズ換算だったというところでございますので、維持しているところでございます。 0.2ppmのところにつきましては、1.8倍しまして0.36ppmでございますけれども、 0.4ppmという形でございます。乳につきましては、0.01ppmを1.8倍しますと 0.018ppmでございますので0.02ppmという形でございます。はちみつにつきまして も、同じような形で1.8倍しまして0.18ppmのところを0.2ppmという形で置き直し てございます。 ○大野部会長 これ、大丈夫ですか。というのは、幼少児のEDI比が74.9%ですね。 切り上げたときの計算がどうなっているのか、微妙ところになってしまうのではないか と思います。 ○事務局 今、紙にしたものがないんですけれども、0.4ppmで試算し直しまして、 80%超えないということは確認してございます。 ○大野部会長 そうですか。 ○事務局 ちょっと今、紙にしたものがないので申し訳ございません。 ○大野部会長 はい。ありがとうございます。  それでは、この件に関しては農産物も畜産物もアミトラズに統一して数値を決めると いうことでよろしいですね。アミトラズに統一して畜産物も農産物も規制をかけるとい うことで了解していただいたかと思います。  ほかの方で御意見ございますでしょうか。  ちょっと作用機構のところが気になったんですけれども、資料4−2の2のところで、 「作用機構としては、オクトパミンレセプターに作用してcAMPの過剰生産を引き起 こし、リン酸化と脱リン酸化のバランスを乱すと考えられている」というような表現が あるんですけれども、普通の重大に作用する薬物の作用機序として、こういう書き方と いうのは僕は余り見たことがないのでどうかなと思ったんですが、この辺、尾崎先生い かがですか。 ○尾崎委員 私もこれを見て、後半の部分が、「リン酸化と脱リン酸化のバランスを乱 す」という言葉が非常にあいまいで、どちらにでもとれてしまうので、余り適切ではな いかなという印象は受けました。その部分を削除すればいいのかなという気もいたしま す。 ○大野部会長 ありがとうございます。  案としてとしては、cAMPの過剰生産を起こすと考えられている。 ○尾崎委員 はい。 ○大野部会長 それでよろしいですね。  変更ということで、よろしいですか。  では、そのようにさせていただきます。  ほかに御意見ございませんでしょうか。志賀先生、お願いします。 ○志賀委員 細かいことで。4−2の資料の方です。  3ページの使用方法等の続きのみつばちのところで、2つ目のところに「採蜜期間中 は使用しない」とございますね。これは、実はメーカーの資料が申請書にくっついてい たのをたまたまひょいと見ましたら、あと、「ローヤルゼリー採取期以外の」というも のも書いてあるんですけれども、これは両方書く必要は全然ないでしょうか。  アピバールのメーカーの説明資料がたまたまくっついていましたので、その中で、 「本剤は採蜜期及びローヤルゼリー採取期以外のミツバチの巣箱に対して使用する」と いうような書き方をしておりますけれども、これ、書く必要がなければそれでいいんで すけれども、どうなのかなと思います。 ○大野部会長 いかがでしょうか。  これは、ちょっと思ったんですけれども、採蜜期間中ではないというのはどういう時 期なんですか。冬の間だけですか。冬の間だけと、冬は寝ているのではないかと思いま す。 ○志賀委員 巣がまだ大きくなっていくぐらいの時期なのか何なのかよくわかりません。 ○大野部会長 でも、冬でも寝ている間とか、そういうときにダニに感染されたら困る わけですね。 ○志賀委員 これ、もともと巣にくっついてしまう寄生ダニですね。それで、余分なこ とを言いますと、これは、みつばちではなくて、このメーカーがそっちの方も考慮して いるのかなと思いますけれども。花粉媒介のハナバチを外国から輸入するときに、やは りこのダニが外来の有害生物としてくっついてきてしまうという話が問題になってきた んですね。その辺の対策も関係しているのかもしれません。 ○大野部会長 要するに移送中とかそういうときに使うとかあるわけですね。  いかがでしょうか。 ○事務局 採蜜期間の中には、日本の方は確かにローヤルゼリーも含まれています。た だ、ほかの外国の方ではそれはないみたいです。それで、ローヤルゼリーと、あと蜜を 採る時期が違うのかということについても、やはり違うそうです。 ○大野部会長 日本の定義だと、採蜜期間の中にローヤルゼリーを採る期間も含まれて いるということですね。 ○事務局 はい、そのようです。 ○志賀委員 入っているわけですね。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。 ○志賀委員 わかりました。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。吉池先生お願いします。 ○吉池委員 32ページですが、EDI試算をしたときのTMDIからの数値の動きと してはみかんが大きいわけですが、みかんの作残データとしては、果肉部分と果皮の部 分のデータがあると思いますが、今回用いたのはどちらでしょうか。 ○事務局 みかんですので、これは果肉ですね。 ○吉池委員 果肉。 ○事務局 果肉、中の部分だけ、皮を剥いた中の部分だけでございます。 ○吉池委員 わかりました。どうもありがとうございます。 ○大野部会長 よろしいですか。ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。 ○佐々木委員 30ページのうめの基準ですけれども、これはオーストラリアの基準を そのままで入れるということでしょうか。 ○事務局 うめは0.5ppmのオーストラリアを参考にして、オーストラリアはアミトラ ズ換算していませんので、1.8倍をして0.9ppmという設定でございます。 ○佐々木委員 作残データ等はなくて、そのまま入れるということでよろしいんでしょ うか。 ○事務局 ここに出ています3つの作物の値から参考値として引いてございます。  済みません、2つでございます。オーストラリアの作残試験で、ほかの作物の試験の 結果を参考にして置いたということです。 ○佐々木委員 ももやすもものデータからという意味ですか。 ○事務局 そうですね。 ○大野部会長 いかがでしょうか。ほかにございませんでしょうか。  よろしいですか。それでは、幾つか修正がございましたけれども、この修正を踏まえ た上で、この報告案をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  それでは、次は資料1−1からでよろしいですか。では、農薬の「アメトリン」につ いて審議していただきたいと思います。  それでは、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 資料の1−1、資料1−2に基づきまして、農薬アメトリンについて御説明 申し上げます。  資料1−2の9ページをお開きください。この剤のこれまでの経緯ということでござ います。  この剤につきましては、ポジティブリスト制度導入時に暫定基準という形で設定した ものでございます。海外の基準を参考に基準を設定したというものでございまして、日 本では2005年に登録が失効しているものでございます。日本では今、使用されていな いというものでございます。  食品安全委員会の評価書でございますけれども、資料1−1でございます。14ペー ジにこの剤の総合評価という形でまとめてございます。  動物体内運命試験につきましては、動物体内で吸収、代謝、排泄されて、尿中が主要 な排泄経路ということでございます。ラット、ヤギ、ニワトリ等で行われているという ことでございます。  植物体内運命試験でございますけれども、トウモロコシ、サトウキビ、バナナ等で実 施されているということでございます。  毒性試験でございますけれども、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認め られなかった。発がん性試験につきましては、精巣間細胞腫、精巣上体中皮腫、また甲 状腺ろ胞細胞腫瘍が雄のラットで見られた。雌の方では、肝細胞腺腫、乳腺腫瘍が見ら れたということでございますけれども、遺伝毒性がないということでございまして、発 生機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難いということでございますので、閾値を設定す ることは可能であるという評価でございます。  無毒性量の一覧表につきましては15ページに掲載してございます。この中で、16ペ ージの一番最後のところでございますけれども、イヌの1年間慢性毒性試験の結果から、 雄で見られました無毒性量でございます7.2mg/kg体重/日というものをADIの設定 根拠にしてございます。安全係数100で除しまして、ADIといたしましては 0.072mg/kg体重/日という評価でございます。  これを踏まえまして、部会の報告書案でございますけれども資料の1−2でございま す。  品目名につきましてはアメトリン。  除草剤でございまして、作用機構は光合成経路における酵素の阻害ということでござ います。  化学名、構造式は記載のとおりということでございます。  1枚めくっていただきまして2ページ目でございますけれども、病害虫また使用の範 囲ということで、アメリカで使用されているもの、とうもろこし、パイナップル、さと うきびというものの使用方法等を記載してございます。  作物残留試験につきましては、アメトリン本体のほか、それらの代謝物等について実 施されているということでございます。  残留試験の結果につきましては表にまとめてございます。これは、いずれもアメリカ で実施されたものということでございます。この評価結果に基づきまして基準値案を検 討したということでございます。  4ページでございますけれども、乳牛での残留試験ということで、飼料由来というこ とを想定して経口で投与した場合での牛乳、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓に含まれる本物質、 また代謝物の一部についての計測が行われているということでございます。いずれにし ましても、すべての投与群において定量限界未満であったということでございます。  米国では、肉牛、乳牛、豚における最大理論的飼料由来負荷量につきましては、 0.15ppm、0.18ppm、0.04ppmと評価しているということでございます。  産卵鶏についての残留試験でございますけれども、同様に、飼料経由ということで経 口投与した場合に、筋肉、皮膚、脂肪、肝臓、また卵についての残留の測定を行ったと いうことでございます。いずれにつきましても、定量限界未満であったということでご ざいます。  飼料負荷量につきましては0.04ppmと評価されているということでございます。  ADIにつきましては記載のとおり、食品安全委員会の評価書のとおりでございます。  諸外国の状況でございますけれども、JMPRの評価はなされていないということで、 国際基準の設定もないということでございます。  次のページに移りますが、米国においてとうもろこし、パイナップル等において、ま た、オーストラリアにおいても綿実、パイナップル等に基準が設定されているというこ とでございます。  基準値案でございますけれども、これについては、規制の対象はアメトリン本体とい うことでございます。  代謝物についての試験は行われてございますけれども、一部を除きまして定量限界未 満ということでございますので、規制の対象に含めないと考えてございます。  基準値案につきましては、6ページ、7ページでございます。これは全て暫定基準と して設定していたものでございます。基本的に、作物残留試験があって評価できるもの にのみ基準を設定しているということでございます。それ以外につきましては、暫定基 準を置いていますけれども、これは削除して一律基準ということでございます。  オーストラリアの基準を参考にしたものにつきましては、作物残留試験の確認がとれ ませんでしたので、基準値は削除しました。  また、アメリカのバナナの部分でございますけれども、これは注釈で書いてございま す。7ページの表の下の注のところでございますけれども、バナナにつきましては、作 物残留試験が実施されていますが、参考とする米国においてバナナへの使用がなくなっ たということが情報としてございましたので、基準値は設定しないという方向で考えて ございます。  また、畜産物につきましては、定量限界未満というアメリカのデータがございますの で、基準値の設定はしないで、一律基準での管理ということにしてございます。  これらに基づきました暴露評価でございますが、8ページでございます。TMDIの 試算で、国民平均で0.0%、幼少児で0.1%、妊婦の方でも0.0%、これは端数がつき ますけれども、有効数字2けたで示すとこういう形で、非常に小さい値ということでご ざいます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  いかがでしょうか。御質問、御意見ございますでしょうか。加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 評価書の方なんですが、8ページの植物体内運命試験の一番最後のところ に、「最初にN−脱アルキル化及び脱硫酸化」と書いてあるんですが、これは「脱硫酸 化」ではなくて、多分「脱硫化」、「酸」が余計についているのではないかと思うので、 ちょっと確認をいただければと思います。 ○大野部会長 そうですね。硫酸はついてないですよね。では、その確認をお願いいた します。  ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。 ○尾崎委員 先ほども作用機序のところがありましたけれども、これ、飼料2−1で 「作用機構は光合成経路における酵素の阻害をすることにより作用すると考えられてい る」と。ちょっと余りにも大ざっぱなんですね。もう少し調べれば、何か分子の名前が 書けるのではないかと思います。 ○大野部会長 いかがですか。 ○事務局 メーカー等に問い合わせまして、もう一度詳細な形で修文したものを、また 委員にごらんいただいて直したいと思います。 ○大野部会長 これは平成17年に告示があったんですね。使われているのはもっと昔 から使われていたんですか。 ○事務局 日本でいつ登録されたか、失効しているのは、2005年というのはあるんで すけれども、いつごろ日本で使われるようになったか、ちょっと今、資料が手元にない ので。 ○大野部会長 随分前に、僕、実験で使ったことがあるんです。前から使われていたと 思うんですけれども、もし情報が入ったら、そうですね、尾崎先生にチェックしていた だて、それで修正してくださるようお願いいたします。  ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、作用機序のところをチェックしていただいて、必要に応じて修正していた だくというところで、このアメトリンの報告書案をこの部会の報告書としてよろしいで しょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  それでは、次は資料の2ですけれども、「ピラフルフェンエチル」について審議した いと思います。  では、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 次に、ピラフルフェンエチルというものでございます。資料2−1、2−2 に基づきまして御説明申し上げます。  まず、資料2−2の24ページをお開けください。これまでの経緯ということでござ いまして、平成11年に初回の農薬登録があったというものでございます。その後14 年に、当時の食品衛生調査会等で一部の作物に基準を設定しています。また、ポジティ ブリスト制度導入時に、17年11月でございますけれども、いわゆる暫定基準を設定し ているというものでございます。海外等の基準や登録保留基準を参考にしながら基準を 設定したというものでございます。  今回は、適用拡大に伴う基準の設定という部分と、暫定基準の見直しというところで 御審議いただくものでございます。  資料2−1の方に戻ります。食品安全委員会の評価書でございます。この資料の中の 28ページでございますけれども、評価の総括が記載されてございます。  動物体内運命試験につきましては、ラットを用いられた試験が評価されてございます。 主要排泄経路は糞中であったということでございます。また、小麦、みかん、ばれいし ょ、水稲を用いた試験、植物体内運命試験というものが評価されてございます。いずれ も可食部への移行はわずかであったという評価でございます。  毒性試験でございますけれども、中段より下、各種毒性試験の結果からということで ございますが、本剤の投与における影響は主に肝及び腎に認められた。繁殖機能に対す る影響、催奇形性また生体において問題となる遺伝毒性は認められなかったということ でございます。発がん性試験でございますけれども、マウスで肝細胞線腫の軽度な増加 というものが見られたということでございますが、発生機序は遺伝毒性メカニズムとは 考え難いということでございますので、本剤の評価にあたり閾値を設定することは可能 ということでございます。  各種毒性試験の結果につきましては、次の30ページ、31ページにわたってまとめら れてございます。最終的には、ラットの2年間発ガン試験、30ページの上から2つ目 でございますが、2年間慢性毒性/発がん性併合試験の雄の無毒性量17.2mg/kg体重/日 をADIの設定根拠として採用しているということでございます。  安全係数100で除しまして、ADIの評価といたしましては0.17mg/kg体重/日とい うことでございます。  これを踏まえまして、部会報告書案というのが資料2−2でございます。  品名はピラフルフェンエチルということでございまして、除草剤でございます。  作用機構といたしましては、クロロフィルの生合成系のプロトポルフィリノーゲンIX オキシダーゼに作用するということでございます。プロトポルフィリンIXが蓄積するこ とにより活性酵素が発生し枯死させるという作用機構ということでございます。  化学名、構造式については記載のとおりということでございます。  2ページ目から適用の作物等、また、使用方法についてまとめてございます。今回、 適用拡大というものが4ページでございます。だいず、えだまめ、お茶という四角囲み で書いているところでございますけれども、適用拡大の作物でございます。  5ページから作物残留試験でございますけれども、本体以外にピラフルフェン、また、 フェノール体、メトキシ体につきまして分析を行っているということでございます。  これらの作物残留試験の結果につきましては、15ページからまとめてございます。 代謝物も含めましてまとめてございます。  本文に戻りまして13ページでございますが、ADIの評価は、先ほど食品安全委員 会の評価書のとおり、ADI0.17mg/kg体重/日ということでございます。  諸外国の状況につきましては、JMPRの毒性評価はなされていない、国際基準も設 定されていない。海外を調査しますと、米国において、ばれいしょ、とうもろこし等に つきまして、オーストラリアにおいて、穀類、綿実に基準値が設定されているというこ とでございます。  基準値案でございますけれども、規制対象といたしましては、先ほどピラフルフェン、 フェノール体、メトキシ体と作物残留試験で分析してございますが、それぞれほとんど の作物で定量限界未満ということでございますので、規制の対象といたしましては、本 体のみということを考えてございます。  基準値案でございますけれども、19ページからでございます。網がけになっている ところが暫定基準を設定しているというものでございます。一部、これは過去に、14 年当時に、例えば米は作物残留試験の結果から0.1ppmというような基準値を設定して ございますけれども、現行の視点から作物残留試験の成績を見た場合、0.05ppとなる。 そういった形で下方修正しているものもございます。  また、海外の基準を参考に基準を設定しているというものもございます。登録の有無 のところで「申」と書いてございますのが、今回適用拡大の申請があったというところ でございまして、ここは新しい作物残留試験の結果に基づいて基準を設定しています。  大豆でございますけれども、現行は0.01ppmでございますが、作物試験成績の結果 から、0.05ppmにこれは上方修正になってございます。ばれいしょ、コンニャクイモ、 また、大根の葉・根、白菜、キャベツにつきましては、これは暫定基準を置いていると ころでございますが、作物残留試験の結果に基づきまして下方修正でございます。  次のページに参りますが、この剤につきましては、果実で非常に残留性が低い、作物 残留試験で0.005ppm未満ということでございまして、こういった剤につきましては、 一部の作物残留試験の結果をもちまして、これは農薬取締法上の関係なんですけれども、 登録ができるという整理になっているということでございまして、すべてに残留試験が ないんですが、もう既に登録があるということでございます。ですので、今回の基準値 設定に当たりましても、この限られた残留データを踏まえて基準を検討してございます。 ちょっと特例という扱いになるかもしれません。ただし、現行の0.1ppmというのはち ょっと大き過ぎるので、作物残留試験の結果が0.005ppm未満ということを踏まえて、 必要なところにつきましては0.02ppmという下方修正をした上で基準を置き直すとい うことで、登録と整合性を取った形で基準値を設定してございます。  畜産物については、オーストラリアでの基準値があることは確認してございますけれ ども、データがないということでございますので、基準値の設定はしていません。  これらを踏まえまして、暴露評価でございますが、TMDIの評価で23ページに結 果が出てございますが、国民平均で0.2%、幼少児の方で0.5%、妊婦の方で0.2%、高 齢者の方で0.2%ということで、いずれも80%以下というのを確認してございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの御説明についての御質問、御意見ございますでしょうか。  いかがでしょうか。特にございませんですか。  それでは、このピラフルフェンエチルについて、この報告案をもってこの部会の報告 書としてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  それでは、次の品目ですけれども、資料3の「フルトラニル」についての説明をお願 いいたします。 ○事務局 最後でございます。資料3−1、3−2に基づきまして農薬フルトラニルに つきまして説明申し上げます。  資料3−1が食品安全委員会の評価書、3−2が部会報告書の案でございますが、資 料3−2の32ページをごらんいただければと思います。この農薬のこれまでの経緯で ございますが、これはちょっと古い農薬でございまして、昭和60年に初回の農薬の登 録がなされたということでございます。ポジティブリスト制度導入時に暫定基準等の告 示を行ってございますけれども、その間、平成5年に、当時の食品衛生調査会の方で基 準値の設定、また13年については改正等を行っているということでございます。今回 は、ポジティブリスト制度導入時に設定しました暫定基準の部分の見直しの検討、また、 農林水産省から魚介類への基準設定の依頼がございましたので、その部分の見直しと基 準の検討ということでございます。  資料3−1でございます。食品安全委員会の評価書でございますが、その中の24ペ ージをごらんいただければと思います。  動物体内運命試験の結果につきましては、ラットを用いた試験で評価されてございま して、主要排泄経路は尿中または糞中であったということでございます。  植物体内運命試験につきましては、稲、きゅうり、ばれいしょ、らっかせい等で行わ れているということでございます。稲では稲体中への移行吸収は速やかであったけれど も、穂には処理81日後でわずかであったということ、きゅうりにおける植物体内への 移行はわずかであったということでございます。  毒性でございますけれども、後段の部分でございます。各種毒性試験の結果からとい うところでございますが、フルトラニル投与における影響は、主に肝臓に認められたと いうことでございます。発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性、遺伝毒性、いずれ も認められなかったという評価でございます。  各試験の無毒性量の結果につきましては、26ページから27ページにかけてまとめら れてございます。これらにつきましては、農薬抄録またJMPRの評価書、米国EPA の評価書、豪州の評価書で評価がなされたということでございまして、ADIにつきま しては、26ページの2番目の部分でございますが、ラットの慢性発がん性試験の雄で の8.7mg/kg体重/日というのを最小の無毒性量としてADIの設定根拠にしたという ことでございます。ADIといたしましては、安全係数100で除しまして0.087mg/kg 体重/日という評価でございます。  この評価結果を踏まえまして、部会報告書案でございますが、資料3−2でございま す。  品目名はフルトラニルということで、用途としましては殺菌剤でございます。  作用機構といたしましては、ミトコンドリア内の電子伝達系の複合体IIに作用し、担 子菌類に選択的に殺菌活性を示すと考えられているということでございます。  化学名、構造式は記載のとおりということでございます。  適用害虫及び使用の方法ということで2ページからまとめてございます。稲、小麦、 レタス、こんにゃく、ふき、ねぎということでございます。  作物残留試験の結果につきましては、9ページからでございます。分析対象は本体 のみということでございまして、それぞれの作物について作物試験が行われてございま す。  試験結果につきましては、24ページから表にまとめてございます。非常に結果が多 うございますのでちょっと細かい表になってございますけれども、24ページから27ペ ージまでにまとめてございます。  今回から、試験での使用方法が適用範囲と異なるものにつきましては、どの点が適用 範囲内でないのかがわかるように斜体で示させていただいてございます。例えば18ペ ージの1行目で見ますと、えだまめのところにつきましては、「50%水和剤」という部 分が適用と違う方法でやっているというような形です。  18ページの7番からでございます。この剤は、魚介類への基準の設定の要請があっ たものでございますので、魚介類への推定残留量というものを検討してございます。  19ページで、まずは水産動植物被害予測濃度というものを求めてございます。稲に 使うのが主なんでございますけれども、水田以外にも使われるということがありますの で、水田PECと非水田PECというものを算出してございます。その結果、水田PE Cにつきましては0.33ppb、非水田につきましては5.3ppbということでございま すので、非水田PECの5.3ppbを水産動植物の被害予測濃度といたしましては採用 するということでございます。  生物濃縮係数でございますが、この剤につきましてはこれまでもありましたが、放射 能濃度分析ということで、総残留放射能濃度で測定されているということでございます。 このため本体の部分と代謝物、また、魚肉、内蔵という部分で魚体中の含有量というも のを補正してございます。28日間の取込期間、14日間の排泄期間におけるブルーギル の魚類の濃縮性試験が基本になるわけでございますけれども、まずは、平衡に達する期 間というのは1.5日と算出されたということでございます。それぞれ28日、14日間の 試験の水中、また魚肉中と内臓中の総放射能量に占めるフルトラニル自体の割合の範囲 は、水中につきましては84〜98%だった。魚肉中につきましては71.5〜72.8%だった。 内臓につきましては19.6%から21.2%だったということでございます。  更に、魚体の魚肉と内臓の割合というもので補正したところ、魚体中としてのフルト ラニルの割合は46.8〜54.2%になるということでございます。また、総残留放射能濃 度としてのBCFは、魚体中の濃度と水中の濃度比で求められるBCFssからいくと 98、取り込み速度定数と排泄速度定数から求められるBCFkからいくと100という ことで、今回は、その98を採用して、先ほどの水中のフルトラニルの割合、また、魚 体中でのフルトラニルの割合というものをそれぞれの平均値で補正して、今回はBCF といたしましては54と算出したところです。先ほどの非水田PECの値とこの補正し たBCFの値から推定残留量は1.431ppmと試算がされたということでございます。  20ページでございますけれども、乳牛における残留試験ということで、日本で実施 された試験と海外と、国際評価の中での試験というのを2つございます。まず、乳汁移 行性試験ということで、これは国内で行われた試験でございますけれども、乳牛に対し て経口投与して乳中の残留について試験したということでございます。高濃度で投与し た郡で0.02ppmの残留が認められた以外はいずれも定量限界未満であったというこ とでございます。  畜産物への移行性試験でございますけれども、乳牛に対して各濃度に相当する量をカ プセル投与し、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、牛乳中のフルトラニル本体の含有量を調べた ということで、その残留値につきましては表に記載のとおりということでございます。 飼料負荷につきましては、JMPRについては2.5ppmでございます。米国では肉牛で 9.0ppm、乳牛で14.5ppmというような評価ということでございます。  21ページに参りまして、産卵鶏でございますけれども、同じように産卵鶏に経口投 与をして、筋肉、肝臓、脂肪、皮膚、卵についても試験をしているということでござい ます。  組織中の残留量につきましては表のとおりでございます。飼料負荷量につきましては、 JMPRでは2.08ppm、米国では12.3ppmという評価でございます。  次に参りまして、ADIの評価でございますけれども、先ほどの食品安全委員会の評 価書のとおりでございまして、ADI0.087mg/kg体重/日ということでございます。  11番で、諸外国の状況でございますが、JMPRの方で評価されてございまして、 国際基準が設定されているということでございます。海外では、米国において、米、ば れいしょ、オーストラリアにおいて、ばれいしょ、また畜産物に基準値が設定されてい るという状況にあるということでございます。  規制対象でございますけれども、農産物または水産物につきましては、フルトラニル の本体と考えてございます。農作物につきましては、本体のみの分析ということでござ いまして、水産物につきましては、PEC等につきましてのデータがフルトラニル本体 を対象としているということでございますので、本体のみということでございます。  畜産物につきましては、移行性試験でフルトラニルのほか代謝物の一部について分析 されており、体内運命試験の結果で主要な代謝物として代謝物M4というものが認めら れるということがありますので、フルトラニルと代謝物M4を含めた形で規制対象とす るということにしてございます。  基準値案につきましては、資料の29ページの部分でございます。  基本的に、現行基準につきましても作残試験の結果を見て、現行の視点から下方修正 しているものがございます。大豆につきましては、現行1.0ppmでございますけれども、 この作残試験の結果から0.5ppmへの下方修正ということでございます。また、残留試 験結果のないところにつきましては、一律基準で規制するということで基準を削除する というようなことをしています。  また、一部の作物につきましては韓国のデータが提出されてございまして、その他の 野菜でございますが、高麗にんじんの残留データに基づいて基準を設定するということ で、設定してございます。  また、いちごにつきましては、同じように韓国から提供のあったデータを見ますと、 一応韓国の方では1.11ppmという残留データをもって5ppmという基準を置いてござ いますけれども、我が方ではこの残留データでは3ppmということになりますので、 3ppmという基準を置いてございます。  その他、30ページの方に参りますけれども、畜産物につきましては、国際基準があ るものについては国際基準に準拠して設定してございます。また、国際基準がない部分 につきましては、アメリカ等の基準を参考に基準を設定しているというところでござい ます。  魚介類につきましては、先ほどの推定残留量から2という基準値を設定しているとこ ろでございます。また、米ぬか、精米につきましては、これはコーデックスで基準があ るということでございますので、そのまま準拠した形で設定しているということでござ います。  暴露評価でございますけれども、31ページでございます。TMDI試算でADI比、 国民平均の方で21.6%、幼少児の方で41.2%、妊婦の方で18.8%、高齢者の方で 19.8%ということで、いずれも80%以下であることを確認してございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか。ただいまの説明について の御意見、御質問がありましたらお願いいたします。佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 29ページの基準値案の表ですけれども、例えば、ねぎやみつばの場合 は下方修正するときに1けたになっているんですが、現行が2けたの、小数点以下は1 けたのその上のレタスなどはそのままということで、下方修正あるいは上方修正をする ときにけた数を変えるという考え方でしょうか。 ○事務局 基本的に現行基準を維持する場合はそのままにするというところで、こうい った混在している状態になっているところがあります。基準を見直すときには、現行が 「.0」をつけないような形で置いていますので、こういった値になってしまうというこ とになります。 ○佐々木委員 外国基準が1.0の場合は1.0とするという整理だったと思うんですが、 作残データに基づく場合は、国内基準の場合は1けたで1という形が基本だったわけで すよね。 ○事務局 そうです。 ○佐々木委員 今回、修正はなかったものの、データを見直したものについて、例えば 3.0を3にするとかという形の修正は行わないということですか。 ○事務局 そこは正直言って悩んだところなんですけれども、今回そこまでの見直しは しなかったというところでございます。 ○大野部会長 よろしいですか。  22ページのところの基準値案で、残留の規制対象のところ、「畜産物においてはフル トラニル及び代謝物Mをフルトラニル含量に換算した和とする」ということになってい るんですけれども、M4を加えたということの理由づけがこの報告書に見当たらないん ですね。部会の報告です。ただ、食品安全委員会の報告の方だと、M4が規制代謝物で ある、このような形で書いてありますので、それをどっかに加えておいた方がいいので はないかと思いました。 ○事務局 22ページの下から2つ目に記載してございます。 ○大野部会長 どこのところですか。 ○事務局 「さらに」からのところでございます。 ○大野部会長 何ページですか。 ○事務局 22ページでございますが、「さらに」のところです。「動物体内運命試験に おいて」という部分からです。 ○大野部会長 そうですね。わかりました。どうも済みません。  ほかに御意見ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、このフルトラニルの報告書案、資料3−2ですけれども、これをもってこ の部会の報告としてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  それで、今日の審議事項品目は終わったと思いますけれども、今日の議事次第では 「その他」ですね。何かございますでしょうか。 ○事務局 来月以降、今、日程調整させていただいていますけれども、また4月に部会 開催を予定してございます。ちょっといろいろ予備日を余計目にとらせていただいて、 皆さんにまたお知らせしたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 ○大野部会長 それから、今後の手続ですね。それを説明していただけますか。 ○事務局 では、今後の手続ですけれども、本日御審議いただきました動物用医薬品、 豚サーコウイルス感染症不活化ワクチンについては、食品安全委員会からの通知を待っ て部会報告書とさせていただくことといたします。  農薬アメトリン、ピラフルフェンエチル、フルトラニル、農薬・動物用医薬品アミト ラズ並びに鶏サルモネラ症不活化ワクチンにつきましては、食品安全委員会からの通知 を受けていることから、今日の審議の中で一部修正が入ったりというのがありましたけ れども、それを修正確認していただいたものについては、部会報告書とさせていただき たいと思います。  なお、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、パブリッ クコメント、WTO通報の手続をする予定としております。 ○大野部会長 ありがとうございます。事務局どうぞ。 ○事務局 先ほどのアミトラズでございますが、修正した後の暴露評価の結果でござい ます。  先ほどの資料の33ページのところになりますが、基準値を全てアミトラズ換算した 場合、例えば牛の肝臓等につきまして0.2ppmのところを0.4ppmにするんですが、そ れで暴露評価をし直しますと、国民平均の方で30%、幼少児の方で77%、妊婦の方で 30.3%、高齢者の方で26.5%ということで、いずれもADIでも超えないことを確認 してございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。特に問題ないということですね。  そのほかございますでしょうか。よろしいですか。ほかに、特に議事もございません ね。ありがとうございます。  それでは、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬・動物用医薬品部会」を終 了させていただきます。どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)