08/03/06 第1回私のしごと館のあり方検討会の議事録 第1回 私のしごと館のあり方検討会 日時 平成20年3月6日(木) 16:00〜18:00 場所 厚生労働省省議室 ○育成支援課長 ただいまから、第1回「私のしごと館のあり方検討会」を始めさせて いただきます。本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうござい ます。第1回会合ですので、委員のご紹介までの間、事務局で司会を務めさせていただ きます。 ○総務課長 舛添厚生労働大臣はちょっと遅れそうなので、来次第ご挨拶をいただくこ とになっておりますので、よろしくお願いいたします。 ○育成支援課長 厚生労働大臣からは、駆けつけ次第ご挨拶を頂戴することにいたしま して、冒頭に職業能力開発局長からご挨拶申し上げます。 ○職業能力開発局長 職業能力開発局の新島です。本日は、皆様方大変お忙しい中、私 のしごと館のあり方検討会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。ご案内 のように、私のしごと館につきましては、若者の職業意識を高めるということで、平成 15年にオープンした施設で、主に職業体験、あるいは体系的な職業情報を提供する形で 活動しております。  これまで、中学生・高校生を中心に延べ161万人においでいただいております。そう いうことで、若者の職業意識の啓発という意味では一定の役割を果たしてきたのではな いかと考えています。  しかしながら、毎年多額の運営費交付金が充てられることもあり、効果的、あるいは 効率的な運営が求められているところです。昨年12月に、独立行政法人の整理合理化計 画が策定され、その中で私のしごと館については運営を包括的に民間に委託し、第三者 委員会による外部評価を実施し、その結果を踏まえて1年以内に存廃を含め、そのあり 方について検討を行うことにされたわけです。  これを受け、厚生労働省といたしましては、各界の有識者の方々にお集まりいただい てご検討をお願いしたい、ということでこのような会合を開催させていただきました。 皆様方におかれましては、賛否両論さまざまなご意見があろうかと思いますので、忌憚 のないご意見を賜り、その成果を今後の改革に役立てていきたいと思っております。ど うぞよろしくお願い申し上げます。 ○育成支援課長 本検討会にご参集の皆様を、資料1の別添に沿いましてご紹介いたし ます。  座長をお願いしております富士電機ホールディングス株式会社相談役の加藤丈夫様で す。座長代理をお願いしております放送大学教養学部教授の宮本みち子様です。ムーデ ィーズジャパン株式会社ストラクチャードファイナンスマネージングディレクターの石 原俊介様です。実践女子大学人間社会学部教授の鹿嶋敬様です。全日本自動車産業労働 組合総連合会会長の加藤裕治様です。NPO法人「育て上げ」ネット理事長の工藤啓様で すが、本日は代理で理事・事業統括部長兼務の山本様がご出席です。東京都調布市立第 六中学校校長の長南祐志様です。王子製紙株式会社取締役常務執行役員・人事本部長兼 務の橋本浩樹様です。ドイツ経済新聞ハンデルスプラット特派員のマイアー・フィン様 です。埼玉県立浦和高等学校校長・埼玉県高等学校校長協会長の前島富雄様です。株式 会社エム・エス・コンサルティング代表取締役の山口学様です。作家の吉永みち子様で す。  このほか本日はご欠席ですが、岩谷産業株式会社代表取締役社長の牧野明次様、獨協 大学経済学部教授の森永卓郎様に委員をお願いしております。  続きまして事務局です。厚生労働省から本日職業能力開発局の新島局長ほかが出席し ておりますけれども、時間の制約もありますので個別の紹介は省略させていただきます。 申し遅れましたが、私は本検討会の事務局を担当しております育成支援課長の高野と申 します。よろしくお願いいたします。以降の議事進行につきましては加藤座長にお願い いたします。 ○加藤座長 座長を仰せつかりました加藤です。私のしごと館のあり方検討会は、今年 の11月末までに、現地調査、関係者のヒアリングを含め、6回程度の会合を予定してお ります。お忙しい皆様でございますけれども、できる限りご都合をつけていただきまし て会合にご出席いただきますようお願いいたします。  局長からもお話がありましたように、私のしごと館はなかなか難しい問題を抱えてお りますが、この検討会ではさまざまなテーマについて検討を深めていかなければならな いと考えております。一方で、私たちには期間内にこれからの方向について1つの結論 をまとめることが求められています。そのために、委員の皆様には活発なご議論をお願 いすると同時に、会議のスムーズな運営にご協力いただきますようお願いいたします。 不慣れな座長ですが、精一杯努力してまいりますので、皆様のご協力をよろしくお願い 申し上げます。 ○育成支援課長 ただいま厚生労働大臣がお見えになりましたので、ここでご挨拶をお 願いいたします。 ○厚生労働大臣 大変遅れまして申し訳ございませんでした。この度、私のしごと館を どうするかという見直しのテーマについて、皆様方にお集まりいただき、率直なご意見 を賜りたいと思います。単純に言えば良い点もあるだろうし、いろいろなご批判もある わけですから、そういう批判的な声に謙虚に耳を傾け、これからどうするのかというこ とを皆様方の真摯なご議論を賜りたいと思います。その上で、最終的にそれが国民のた めになるような組織として動かしていかないといけないので、現状のままでいいのか、 変えるとすればどうするのか、抜本的に変えるのか。全く白紙で議論をしていただいて 結構です。  いま、厚生労働省全体を改革しようということで、2008年を厚生労働省改革元年にし ようということで、今週からさまざまな改革に取り組んでいます。厚生労働省本省だけ ではなく、独立行政法人を含め、その周辺の組織についても同じことが言えるわけです ので、これからの若い人にとって、厚生労働省及びそれに関連する組織がきちんと仕事 ができる体制を整えていきたいと思いますので、今回の私のしごと館の見直しの検討会 もそのように私は位置づけております。どうか忌憚のない率直なご意見を賜り、良い成 果を出していただきますようにお願いいたします。本当にありがとうございます。  皆様のご議論に参加したいのですけれども、次がありますので失礼させていただきま す。どうぞよろしくお願いいたします。 ○加藤座長 どうもありがとうございました。議事に入ります。事務局から開催要領及 び検討会を進めるに当たり、公開の取扱いについての説明をお願いいたします。 ○育成支援課長 資料1に沿い、本検討会の開催についてご説明申し上げます。本検討 会の趣旨として、私のしごと館については「独立行政法人整理合理化計画」、これは昨 年12月に閣議決定されたものですが、この中で運営を包括的に民間に委託し、第三者委 員会による外部評価を実施し、その結果を踏まえて1年以内に存廃を含め、そのあり方 について検討を行うことが求められているところです。このため、有識者からなる本検 討会を開催するところです。  検討事項としては、ここに書いてありますとおり私のしごと館の包括的民間委託に関 すること、またその評価に関すること、それを踏まえた私のしごと館の存廃を含めたあ り方に関することが検討事項です。構成については別添のとおりです。  資料2は会議の公開の取扱いについてです。本検討会については、会議、議事録及び 資料を公開とする。ただし、特段の事情がある場合には、座長の判断により会議、議事 録及び資料を非公開とすることができることとする、といたしたいと考えております。  以上です。 ○加藤座長 公開の取扱いについて、事務局から提案がありましたがご意見はあります か。 (特に発言なし) ○加藤座長 特段のご異議もないようですので、本検討会の公開については、事務局の 提案のとおりに取り扱うこととさせていただきます。議題1「私のしごと館の概要説明 について」を事務局から説明をお願いいたします。なお、本資料については事前にお送 りしておりますので、説明はなるべく簡潔にお願いいたします。 ○育成支援課長 資料3に沿い、私のしごと館の概要についてご説明いたします。座長 からお話がありましたとおり、委員の皆様方にはあらかじめ資料をお送りしております ので、この場での説明は極力簡潔に行うこととさせていただきます。  資料の表紙と目次をめくりまして2頁で私のしごと館の概要です。私のしごと館につ いては、主として中学生・高校生を対象に、さまざまな職業体験機会、体系的な職業情 報及び相談等をワンストップで提供する施設です。平成15年にオープンし、年間の来館 者数は約33万人、各事業サービス利用者延べ人数は約51万人です。  3頁の、私のしごと館の設置に至る経緯については説明を省略させていただきます。  4頁から6頁にかけては、施設及びサービスの概要を紹介しております。私のしごと 館の場所は、京都府内の関西文化学術研究都市にあります。施設の規模は、敷地面積8 万3,000平方メートル、建物の延べ床面積3万5,000平方メートルです。ここで提供す るサービスの内容は大きく分けて4つあります。これについては、本検討会の論点に関 連する事項ですので、後ほど詳しくご説明いたします。  7頁では、運営体制を紹介しています。私のしごと館の館長は、関西経営者協会の辻 井会長にお願いしています。昨年4月段階のデータですが、33名の常勤職員がいて、そ のうち19名は企業からの出向者です。また、経済団体、行政機関、学識経験者などから なる支援協議会があり、こちらからの助言を頂戴して運営しております。  8頁以降では、利用状況について紹介しております。私のしごと館においては、それ ぞれのサービスの利用者数を合計したものを、各事業サービス利用者延べ人数と呼んで いて、これを運営上の主な指標として用いております。平成15年3月にオープンして以 来、昨年12月までの各事業サービス利用者延べ人数の合計は約229万人です。各年度の 推移は8頁のグラフのとおりです。平成18年度は、前の年と比べて若干減少しておりま すが、平成19年度上半期は増加傾向になっています。  一方、昨年12月までの来館者数は全体で161万人ということで、9頁にその推移を載 せていますが、若干減少傾向になっています。  10頁で、この施設が主なターゲットとしているのは学校関係者です。この状況につい ては10頁のグラフのとおりで、中学校の利用は大変伸びていますが、高校は若干減少し ている傾向が窺えます。私のしごと館では、2年先まで予約を取っていますが、昨年末 時点でその状況を見ますと、約17万人の予約が入っています。  11頁以降は、利用していただいた方々の反応です。これについては後ほどご紹介する 論点に関連することですので、そのときに詳しく説明させていただきます。  15頁は海外の施設との連携です。国際労働機関(ILO)との連携が進んでいます。韓 国政府が、私のしごと館に大変注目していて、同じような施設を建設したいという話に なっています。その建設の設計の参考にするということで、視察団が今月下旬にもやっ てくる予定になっています。  16頁は改革の取組です。下のほうの私のしごと館の運営費の表のいちばん上の段に、 年間の運営費が書いてあります。平成16年度は約20億円弱だったのが、平成18年度に は約16億円になっています。これに対して自己収入はどうなっているかというのがいち ばん下の段で、平成16年度は約1億1,000万円だったのが、平成18年度には約1億4,000 万円になっています。  運営費から自己収入を引いた部分については、国からの運営費交付金によって運営し ています。運営費交付金の額を見ると、平成16年度には約19億円弱だったのが、平成 18年度には約15億円弱になっています。  このように多額の交付金を充てている事業ですので、より効率的・効果的な運営が必 要です。そこで、改革実行計画(アクションプラン)を策定し、昨年4月からこの実行 に着手しています。このアクションプランについては、実物を別途皆様に配付しており ますので、後ほどご覧いただければと思います。この中には、各事業サービス利用者延 べ人数を増やす、自己収入を倍増させるといった具体的な数値目標を盛り込んでいます。  17頁はアクションプランの取組状況です。右側のグラフは自己収入の推移です。平成 19年度には自己収入が大きく伸びています。  このように、昨年4月からアクションプランに着手したわけですが、18頁に独立行政 法人整理合理化の経緯があります。政府全体の方針として、101ある独立行政法人すべ てについての見直しを行うことになりました。その中で、大臣レベルによる折衝を経た 上で、12月24日に整理合理化計画が閣議決定されています。  19頁で、私のしごと館については運営を包括的に民間に委託し、第三者委員会による 外部評価を実施し、その結果を踏まえて1年以内に存廃を含め、そのあり方について検 討を行うということになりました。以上が今日に至るまでの経緯です。  参考までに20頁に載せているのは、私のしごと館の運営の財源の関係です。先ほど、 私のしごと館の運営について運営費交付金が充てられているという説明をいたしました が、この運営費交付金の財源については、雇用保険二事業(うち能力開発事業)として 行っているものです。即ちその財源は、雇用保険料のうちの事業主負担部分が充てられ ているということです。労働者負担部分がこの施設の運営に充てられているということ ではありませんので、念のためご紹介いたします。  21頁では、私のしごと館に対してはいろいろなご批判がありますので、参考までに紹 介しています。主なご批判といたしましては、経費がかかりすぎではないか、効果が上 がっていないのではないかということだととらまえております。  資料4は、本検討会のスケジュールです。本日3月6日が第1回検討会で、私のしご と館の概要を説明した後、事務局として考えております論点をお示しいたします。本日 のご議論を踏まえ、民間委託を行うに当たっての考え方、即ち仕様書を作成し、それを 今月27日の第2回検討会にお諮りしたいと考えています。そこでご了解いただければ、 その後一般競争入札の手続を進めた上で、7月から民間に委託することを予定していま す。第2回検討会においては、私のしごと館の存廃を議論する際の考え方、即ち存廃基 準についてもご議論いただきたいと考えています。その後の予定として、5月か6月ご ろに現地視察を行い、さらに7月から民間委託が始まりますので、8月か9月ごろに委 託先から話を聞くことを考えています。その上で10月に評価を行い、11月に報告をま とめていただくといったスケジュールを考えています。  私からは以上です。 ○加藤座長 これまでの事務局の説明について、ご質問等がありましたらお願いいたし ます。 ○吉永委員 質問というか、我々の仕事の確認をさせていただきます。先ほどから伺っ ていると、白紙で考えるとか、あり方をこれから検討するかのような印象を受けるので すが、このようにきちんとスケジュールができているわけです。それで、7月には民間 の委託先を決めることになると、どうあるべきかということをいまから考えてもどうに もならない話なのではないか。どのような所に委託するのか、実際に委託するのに、こ のスケジュールで手を挙げて、自分たちがこれをきちんと運営するだけのスケジュール を立てて受ける所があるのかどうかということが甚だ不安なのです。  それを、私たちは数カ月後に評価しなければいけないわけです。評価をして、最終的 に11月に取りまとめる報告というのは、ちょっと想像を絶する忙しさのように思うので す。手を挙げた民間の状況を見て、それで今後委託をできるのかできないのか。できな いと考えたら、これは存か廃をその段階で我々が意見することになるのか。その辺のと ころをもうちょっと具体的に教えてください。 ○加藤座長 その辺のスケジュールと、いまご指摘の問題の整理について事務局から説 明をお願いいたします。 ○育成支援課長 スケジュールにつきましては先ほどご説明したようなことで、7月か ら民間委託することを考えておりますが、その状況を評価し、うまくいっているという ことであれば存続というご議論になろうかと思います。民間に委託したけれども、状況 がよくないということになれば、ご議論の中で廃止ということになろうかと思います。 いずれにしても、民間委託をして、評価をしていただいてご議論いただくわけですが、 その評価期間があまりにも短いのではないかというご意見は当然あろうかと思いますの で、そういうことも含めてご議論いただければと思っています。  先ほど大臣が白紙から検討というお話をされましたのはまさにそういうことでして、 当面民間に委託し、その状況を見ていろいろご議論いただくということであろうかと思 っています。 ○吉永委員 民間に委託するときに、我々は3月27日と5月の臨時視察と2回あるので すが、ここで具体的にやること、例えば私のしごと館の今のあり方と、今後我々はどう いう形に私のしごと館を持っていったらいいのかという議論をするのか。それをした上 で、ある程度の姿を我々が作り、そこに合うような民間を入れるのか、それとも民間に 白紙で投げて作ってもらったものに対し、あなたがやりなさいと決めるのか。そうであ るならば、私たちはどういう基準をそこで作るのか。そういう基準を作れと言われてい るのか。 ○加藤座長 それは、大事なご指摘だと思います。 ○加藤委員 同じような趣旨なので重ねて申し上げます。検討の幅といいますか、例え ばここに載っている委託期間については、どう考えてもこの間に見通しがつくだけのト ライができるのかどうかということもあると思います。そのときに、検討期間をもっと 延ばしなさいということまで検討していいのかどうか。  さらに言えば、私のしごと館そのものは、建設をしたときの資金もかかっているわけ です。民間に委託したときの要件のようなものがあると思うのです。それを棚上げにし て、公設民営というようなことでやるのか、あるいは単に運営だけを任せるのではなく て、引き取ってもらいなさいというところまでも我々は検討していいのかどうか。そう いう幅も含めて白紙とおっしゃっているのか、その辺の大前提になるところも少し感覚 をつかませていただきたいと思います。 ○加藤座長 いまのお2人のご指摘について、もう少し具体的な説明を事務局からお願 いいたします。 ○育成支援課長 いまのご指摘の中で、期間が短すぎるのではないかというご指摘があ りました。後ほど、論点として委託のときの考え方についてご議論いただきたいと思っ ております。その中でも、委託の期間についてある程度の情報を当方からお示ししてご 議論いただきたいと思っております。  誰が、委託を受ける業者を決めるのかというご指摘につきましては、本日この後論点 という形で、委託についての基本的な考え方はどうあるべきかということについてご議 論いただきたいと思っております。そのご議論を踏まえ、こういう形で競争入札にかけ たい、といった仕様書を次回の検討会にお諮りいたしたいと考えております。それでご 了承が得られれば、その後入札の手続を行うことを考えております。  その入札に際しては、一般競争入札総合評価落札方式によって行いますので、雇用・ 能力開発機構の中に置く、外部有識者を含めた審査会で内容を審査し、決定することを 考えております。いずれにいたしましても、後ほど論点としてご議論いただくところを 踏まえ、入札仕様書を作成してまいりたいと考えております。 ○加藤座長 お2人の委員のご指摘はそのとおりだと思いますので、次のテーマである 検討課題で何を議論するかについてご議論いただき、本日の議論の取りまとめのところ でもう一回お2人のご指摘について、具体的なイメージが湧くように整理させていただ きたいと思います。  私の理解では、先ほど事務局から説明があった資料の19頁の閣議決定のところに、わ ざわざ赤字で書いてあるように、運営を包括的に民間に委託し、第三者委員会による外 部評価を実施し、1年以内に存廃を含めそのあり方について検討を行う、という閣議決 定の手順をそのとおり展開しようとして事務局の案ができているのだと思います。大臣 の、白紙からでもというご発言もございましたので、検討課題を議論し、もう一回イメ ージを固めることにさせていただきたいと思います。  議題2の検討課題に入ります。事務局から説明をお願いいたします。 ○育成支援課長 資料5と資料5-2に沿いまして、本検討会でご議論いただきたい事項 についてご説明いたします。資料5において、本検討会でご議論いただきたい点をI、 II、III、IV、Vと大きく5つ書いてあります。このうちIII以降が、先ほど来お話になっ ております閣議決定の中身を踏まえた、本検討会でご議論いただきたいところで、包括 的民間委託をどのように行うべきか、またそれの評価をどのように行うべきか、その結 果を踏まえた存廃を含めたあり方検討をどのように行うべきかという点です。それに先 立って、総論をきちんとご議論いただく必要があると考えておりまして、それがI及び IIです。私のしごと館の政策的意義と、運営形態のあり方という点です。  資料5-2は、いまご紹介いたしました論点です。この論点をご議論いただく際に参考 にしていただきたい、ということで事務局で用意した資料です。この資料も、委員の皆 様には前もって送付したところではありますが、その後追加した資料もありますので、 改めてご説明させていただきます。  資料5-2の1頁は、私のしごと館の政策的意義についてです。キャリア教育が求めら れる背景・意義ということです。1頁に載せているのは、厚生労働大臣をはじめとする、 関係大臣から構成されている、キャリア教育等推進会議があります。キャリア教育推進 会議が、平成19年5月に、キャリア教育等推進プランを取りまとめています。  この中で、キャリア教育が求められる背景をまとめています。この中で、青少年が自 らの個性や適性を自覚し、主体的に進路を選択し、社会的自立を果たしていく必要が顕 在化していると指摘した上で、望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を 身につけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を 育てるキャリア教育等の取組が重要であるとしております。  キャリア教育について、青少年一人ひとりの個性・特性を見極め、将来の進路と日々 の教育活動の意義とを結び付け、社会的自立に向けた力を育んでいくものであると意義 を整理しているところです。  これに関連して、2頁及び3頁に載せているのは、東京大学社会科学研究所が行った、 職業についての希望と仕事の満足度に関する調査の結果です。この調査は、現在職に就 いている20代から40代にかけての方々を対象とするアンケート調査です。この結果に ついては3頁の下のほうに、東京大学の玄田有史教授による分析がありますのでそれを 紹介しております。  この中で、線を引いたところにご注目ください。「希望をかたくなに持ち続けた人よ りも、修正を施してきた人のほうが、仕事上のやりがいを感じることがより多い。希望 は、多くは失望につながるが、その挫折経験の中にこそ、自分に適した仕事が発見でき るチャンスだ」といった興味深い分析が示されております。こういったことも、キャリ ア教育の重要性を示しているデータであろうかと思います。  4頁にはフリーター、あるいはニートの推移について載せておりますのでご覧くださ い。  5頁は、キャリア教育政策の展開です。5頁に載せているのは、平成15年6月に若者 自立・挑戦プランが取りまとめられていますので、それをご紹介しております。  6頁には、先ほどご紹介いたしました、キャリア教育等推進プランの中の行動計画、 即ち各省が取り組む具体的な施策についてご紹介しております。そういう具体的な取組 の1つとして、私のしごと館における職業体験機会等の提供ということが、この推進計 画の中でも位置づけられております。  7頁は、キャリア教育の重要性を先ほど来各種データでご説明しているわけですが、 その中で私のしごと館は何を果たすべき役割としてあるのだろうか。それについて、厚 生労働省として取りまとめた改革推進計画がありますのでそれをご紹介しております。 若年者対策については、短期的な対策のみならず、長期的な対策が重要ですが、その一 環として、この計画の中では私のしごと館を「学校等におけるキャリア教育と相まって、 主として中学生・高校生を対象に、勤労観や職業観の育成に有効な多様な職業体験の場 を提供するとともに、これと併せて職業情報の提供、職業適性検査、職業に関するガイ ダンスの実施等、職業体験を一過性の体験に終わらせないよう、アフターフォローサー ビスを提供することを含め、学校等のみで提供することが難しい体系的なサービスをワ ンストップで提供する施設」と位置づけているところです。  それでは、実際にこれを受けて、私のしごと館では何をやっているのかを8頁で大き く3つの観点から整理しております。(1)は仕事に対する興味や関心を持たせ、気づきや 意識付けを図ること。こういうことを目的とした事業として、展示・体験事業を行って います。具体的には、40職種にわたる職業体験などを行っています。  (2)として、現実の労働市場の中において、実際の就職につなげるための意識付けや、 情報提供を強化することに関し、ライブラリィ事業と研修・セミナー事業を行っていま す。ライブラリィ事業と申しますのは、約700職種の職業情報を提供するジョブジョブ ワールドといった情報提供サービスがありますが、そういうものを中心とした事業です。 研修・セミナーとしては、自分に合った職業の選び方についての研修、学校長を対象と したキャリア教育を内容とするセミナーなどを実施しております。  (3)は、職業体験を一過性の体験に終わらせず、今後の就職に結び付けていく観点から の取組を行っています。具体的にはキャリアコンサルティング、あるいは職業適性診断 を行っています。  以上が、キャリア教育において私のしごと館が果たす役割として位置づけているもの です。  それでは、実際に私のしごと館がその役割を果たしているのだろうかという点が9頁 です。実際の活用状況について9頁の表で整理しております。全国、東京都、関西にお ける中学校・高校別の利用状況です。来館割合をご覧いただきますと、全国の中学校の 7.0%、高校では6.1%が私のしごと館を利用している状況です。東京で見ますと割合は かなり低いですが、関西3府県で見ますと、中学校では半数近く、高校でも4分の1近 くが利用している状況にあります。  利用者はどのような感想を抱いているかを、10頁から12頁に紹介しています。私の しごと館では3種類のアンケート調査を行っています。10頁に紹介しておりますのは、 満足度調査です。中学校・高校の生徒、あるいは個人の利用者を対象にし、利用したそ の日に調査を行ったものです。自分の仕事を考えていく上で参考になったかどうかを尋 ねています。11頁で紹介しているのは、職業意識啓発度調査です。中学・高校生を対象 にし、私のしごと館を利用した3カ月後に調査を行ったものです。仕事や職業について の考え方の変化、将来に向けての行動に影響があったかどうかについて調査をしたもの です。12頁は、就職活動影響度調査を紹介しています。これは求職者を対象にした調査 で、これも利用した3カ月後に調べ、就職に結び付く具体的な行動について尋ねていま す。以上3つのアンケート調査を行っていますが、これらいずれの調査においても、8 割以上から「役に立った」などの回答を頂戴しています。  13頁、14頁においては、私のしごと館を実際にどのようにキャリア教育に活用してい るのかについての事例を紹介しています。13頁では奈良県の例を紹介しています。奈良 県で定めているキャリア教育プランの中においては、それぞれの発達段階に応じた私の しごと館の利用を行うと定めています。小学校では、さまざまな職業について調べる。 中学では、さまざまな職業についての情報を収集整理して発表する。高校では、いまあ る目標以外の自分の可能性にも目を向ける。このように、それぞれの発達段階に応じた 利用を行うということを、奈良県のキャリア教育プランでは定めています。  14頁には、労使の協力によって職業教育を推進している事例として、徳島県の取組を 紹介しています。高校生を対象に、私のしごと館を利用した学習を行うというものです。 平成18年度には、県内22の高校がこの学習に参加しています。下のほうには、愛知県 の中学校の事例を紹介していますが、最近では学校において職場体験学習への取組が広 まっています。その事前学習として、私のしごと館を活用しているという事例です。  以上が、キャリア教育の関連で、私のしごと館の政策的意義としてどのようなものが あるのか、また実際にどのように役立っているのかについて私どもで用意した資料です。  15頁では、私のしごと館の運営形態についてご議論いただきたいと考えております。 具体的には収支をどう考えるかという点をご議論いただきたいと思っております。議論 の素材としてここにお示ししておりますのは、ほかの類似施設との比較です。国立博物 館、美術館といったものと比べた収支状況を示しております。支出に対する収入の割合、 収支率がいちばん右の欄です。ここで見ますと、私のしごと館は8.5%、国立博物館で は22.3%となっておりますので、これら施設を単純に比較いたしますと、私のしごと館 の収支率は低いということになるわけですが、このようなことについてどのように考え るべきであろうかをご議論いただければありがたいと思います。  16頁以降は、本検討会でご議論いただきたい事項についての各論部分です。先ほど来 お話がありましたとおり、包括的民間委託を今般行いたいと考えているのですが、その 委託を行う際にどのような目標を設定すべきであろうかという点についてご議論いただ きたいと思います。この目標をどう設定するかということが、後に出てくるどのように 評価するのかという点と、さらにその評価結果を踏まえてどのように存廃検討を行うべ きかという点にも関連する重要な事項であろうかと考えております。  16頁に載せているのは、現在取り組んでおりますアクションプランにおける目標を掲 げております。アクションプランというのは先ほども申しましたが、平成19年度から平 成21年度までの3年間を改革実行期間と定め、各種取組を行うというものです。この中 で各事業のサービス利用者延べ人数の目標、あるいは利用者からの高評価を獲得する等 々の具体的な数値目標を定めて取組を進めているところです。これから民間委託をする 際に、こういう数値目標について、そのまま目標として位置づけるのか、それとももっ と別の目標にすべきなのかという点についてご議論をいただきたいと考えております。  17頁では、委託を行う際に委託期間をどうとるべきかという点です。今般運営を民間 に包括的に委託するということですので、その趣旨を踏まえると民間の創意工夫ができ るだけ発揮しやすいように委託期間を設定することが必要だろうということになります が、具体的にはどの程度の期間が必要かという点をご議論いただければと思います。  17頁に用意いたしましたのは市場化テストが導入されています。いわゆる官民競争入 札ですが、そこにおける考え方をここに示しております。ここには、創意と工夫を活か して公共サービスの質の維持向上と経費の削減を実現するといった趣旨を踏まえ、期間 設定については原則として複数年の期間を設定するということが定まっています。  18頁で紹介しておりますのは、指定管理者制度の運営状況です。既に地方自治体にお いては、指定管理者制度により、公立の博物館などの施設の運営を民間に委ねるといっ た形が進んでいます。そこで、実際に民間企業に運営を委ねているといった事例を調べ たところ、この表のいちばん右にありますとおり、その委託期間は短いもので3年、長 いもので5年というのが実情です。  19頁では、委託を行う際に民間事業者に対してどのような裁量の幅を認めるべきかと いうことです。19頁に載せているのは、現在私のしごと館で行っている4つのサービス を示しております。それぞれのサービスごとの利用者数、満足度調査の結果を整理した ところです。  先ほど来、キャリア教育が重要だということで、政府の取組をご紹介していますけれ ども、その中でも職業体験の機会の提供が重要だと言っておりますが、実際の利用状況 を見ても、展示・体験事業の利用者数が多いことが窺えます。そこで、今回民間委託を する際に、こういうサービスについてどの程度の裁量を認めるべきか。場合によっては 民間の創意工夫として、一部のサービスをやめて別のサービスに特化するとかいろいろ な議論があろうかと思いますが、そういうところについて、現状どおりとすべきなのか、 あるいはいろいろ見直しを行うべきなのかということについてご議論いただければと思 っております。  20頁は料金設定の考え方についてです。現在の私のしごと館の料金については、この 表のいちばん下にあるとおりです。団体は高校生で250円、中学生で250円、小学生で 150円です。これを、ほかの各種博物館と比べてみますと、単純に比較すると私のしご と館のほうが高いのではないかと見えます。ただ、ここに載せておりますのは常設展の 入場料金でして、実際には各博物館ではいろいろ企画展をやっていることもあり、そう いうことも含めて見なければいけないのではないかと考えております。  21頁で紹介しておりますのは、経済的理由によって就学援助を受けている児童・生徒 の割合というデータを文部科学省にお聞きし、それをご紹介しています。20頁、21頁の データを踏まえ、民間委託をする際の料金設定についてどのように考えるべきなのか、 という点についてご議論いただければと思います。  22頁と23頁に載せていますのは、委託を行った後の評価をどのように行うべきかと いう点です。民間委託については、本検討会に仕様書をお諮りし、ご了承いただければ、 その後手続を進めて7月から始めることを考えているところですが、先ほど来出ており ます閣議決定にありますとおり、今年中に何らかの報告を取りまとめることになってお ります。それを踏まえると7月から委託を開始し、例えば7月、8月、9月の3カ月間を 評価対象期間と設定し、その期間の実施状況について、本検討会で評価していただくこ とになるのではないかと考えています。その際に、どのような形で評価を行っていくべ きか、そしてそれをどのように存廃などのあり方検討につなげていくべきかという点に ついてご議論いただければと思います。  22頁、23頁に載せたのは、現在厚生労働省において独立行政法人評価はどのように行 っているのかというものです。ここの基本的な考え方としては、あらかじめ目標を定め る。それで、目標を達成したかどうかということで、23頁にあるとおり5段階で評価を しております。中期計画を大幅に上回っている場合には「S」、中期計画を下回ってお り大幅な改善が必要という場合は「D」で、「S」から「D」までの5段階評価をしてお ります。  今回、私のしごと館の民間委託を行う際に目標を設定し、その目標の達成状況によっ て評価することになろうかと思いますが、このような5段階の緻密な方法が要るのか、 もっと大雑把でいいのかといった点についてご議論いただければと思います。いずれに いたしましても、その評価結果を踏まえ、その段階で存廃を含めたあり方検討というこ とをご議論いただくことになろうかと思っています。  以上が事務局で用意いたしました、本検討会でご議論いただきたい論点と、その論点 をご議論いただく際に参考にしていただきたいということで用意いたしました資料で す。  それとは別の資料として、皆様のお手元に本日ご欠席の牧野明次委員から資料「私の しごと館に関する意見書」が提出されております。時間の制約もありますので、資料を 配付することでご紹介とさせていただきますので、皆様におかれましてはお目通しいた だければと思います。 ○加藤座長 一通り資料の説明がありましたけれども、最後に先ほど2人の委員から出 されたご意見も含めて整理するとして、お気づきの点についてフリーにご意見を承りた いと思います。 ○鹿嶋委員 私は、ある程度のパブリックサービスは必要だろうと思っております。た だ、運営交付金と、実収入が10倍もの開きがあるのでは、このような議論をせざるを得 なくなるのだろうと思っています。論点の意義と民営委託、特に指定管理者制度の2点 から申し上げます。  意義については、キャリア教育の必要性は当然あるので、中高生を対象にこのような 啓発的な館があることは必要だと思います。私自身も高校を卒業して1年半ほど就職し た経験があります。それから大学を出て就職しました。その2度の体験から言うと、10 代の就職と、20代の就職とは全然違います。10代というのは、若いだけに就職に定見を 欠き、周囲に流されながら職選びをするようなところがあります。  そういう中で、8頁に書いてあるような私のしごと館のサービスである気づきの意識 とか情報提供を行うことは大事だと思います。今後民間委託してどのような業者が入っ てくるか想定もつきませんが、その中でこういうサービスはよれてくる可能性もあるの だと思うのです。ちょっと上っ面をなめる程度のものだとあまり効果がないのではない か。気づき、意識付けというのは必要ではあるのですけれども、ペーパーを見ると新聞 記者の講師が来て、レクをして新聞記事の書き方云々は大変勉強になったというのです けれども、私も元新聞記者ですが、1回の講義で職業意識形成云々と言われてもそれは 無理なのです。多少継続的にやっていく中で職業形成はできるわけです。そういうこと から考えると、何らかある程度の継続性を持った、来館数も延べ人数で何百万人と計る のではなくて、継続性を持ったもので私のしごと館の運営ができないかどうか。  もう1つは、中堅の技術者とか職人、ドイツではマイスター制度があって、それなり に職人が評価されています。日本の大学進学率が2007年度では女性も四大が4割になり ました。もともと男性は四大が5割を突破していますけれども、ついに2007年度は女性 も4割に達したということです。そうすると、ほとんどが四大に流れる中で、大学四大 卒がふさわしいようなホワイトカラーの仕事もないわけです。  日本の場合置き去りにしてきたのは何かというと、ブルーカラー的な、職人的な仕事 の評価です。そのような中堅技術的な仕事というものが、大変大事なのだ、ということ が強調されていく必要がある。館の運営にそういうファクターまで入れていってもいい のではないか。私が高校を卒業したのは38年でしたので、ちょうど日本の高度経済成長 期で、そのときには中堅技術者という言葉が新聞に氾濫していて、私もそういう言葉に おだてられた1人だったと思います。そのようなこともあるので、そのような大事さも 言っていく必要があります。  玄田有史さんの本の中に、挫折体験というのも将来の良い仕事を見つける糧になると いうのがあるということですけれども、いまは挫折体験のままで終わってしまうわけで す。それがフリーターといわれるような、非正規雇用の現場にいる人たちの深刻な問題 になっているわけです。そうなってきますと、挫折体験を挫折体験でなくすような、そ の後押しをするようなシステムが今後厚生労働省では必要だと思うのです。全国一斉の 認可制度があって、そういう認可を取っているフリーターは優先的に企業が採用してい くようなシステムをとる。私のしごと館はそこまでは広げられないかもしれませんが、 そういうところまで手を広げていくようなシステムを何か考えていってもいいのではな いかというのが第1点です。  それから、指定管理者制度についてですが、私はその指定管理者は一長一短があると 思っています。例えば、美術館などの指定管理者は学芸員の資格がない人、あるいはあ ってもまだキャリアが少ない人といったようなことで、指定管理者を導入した美術館に は絵を置かないという画家もいる。  このようなことになってくると、私のしごと館もソフト面に指定管理者が入ってきま すと、よほど人選していかないとプロの仕事でなくなる可能性もある。その辺がこのパ ブリックサービスが、あまりにも経済合理性で切りすぎると1つのマイナスの点として はね返ってくるようなところなのだろうと思っています。冒頭2点について、いまの説 明を聞いて感じましたので申し上げておきます。 ○宮本座長代理 論点を拝見していて感じることなのですけれども、キャリア教育の重 要性云々のIのところを、ここで初めから議論する必要があるのかというか、やるべき ことなのかという疑問があります。なぜかと申しますと、そもそも私のしごと館が始ま って4年ぐらいで、本質的なキャリア教育の目的からしてどの程度効果が上がったかと いう議論が十分にできる段階でないうちに、存廃というような問題になってきていると いうことになると、これは論点の中の中心はIIの運営形態のあり方の収支問題が最大の 課題としてここに提示されていることを感じざるを得ないわけです。キャリア教育云々 からして、いまの私のしごと館がどうかというようなことをやるにはあまりにも拙速だ という感じがいたします。  そういうことからすると、この点について説明していただきたいと思いますのは、私 のしごと館をオープンするまでに相当な年月を要してやっているわけです。その中で多 くの議論があったわけです。その中でどのぐらいの入場者が見込まれるのか、入場料の レベルはどうするのか、それに従って収支はどうなるのかということは当然検討した上 でオープンしたと思われます。それが、オープンして数年後にはこういう形になるとい うことなので、当時の検討がどういうことで、それがどこで変わったのかということを、 厚生労働省としてどのように整理しているのかを伺いたいと思います。  その中でやっているキャリア教育の中身に関して議論するような余地も何もないとい いますか、あまりそれを議論する気にならないといいますか、そういう感じがしており ます。しかも結論を出すのにわずか半年ということになると、16頁の目標設定の考え方 の中で、延べ人員を増やすとか、自己収入拡大というようなことがありますけれども、 最も効果が期待されるのは、事業費及び人件費を削減することぐらいかとしか考えられ ないわけです。こういう解釈でいいのかどうか。本当のところを伺ってからでないと、 数回予定されている検討会の中では、とてもこの検討は十分できないのではないかと思 います。大変率直な話で申し訳ございません。 ○加藤座長 その点について、事務局ではデータその他を含めて説明の準備はあります か。 ○育成支援課長 いまのご質問の中で、過去の計画はどうだったのかということがあり ました。資料3の3頁に私のしごと館設置の経緯があります。当初平成元年ごろに、若 年者の職業意識に関する懇談会が設置され、その後働きがいと技能尊重に関する有識者 懇談会が設置され、この辺りで議論が始まりました。  その後平成7年に、勤労体験プラザ(仮称)の基本計画が策定されて発表されており ます。このときはもっと大きな規模のようでしたが、年間集客数75万人から110万人計 画としていました。このときの入場料はどう見ていたかというと、資料によると入場料 は無料を前提に考えていたということのようです。その後、実際にこの施設を具体化す る際に、やはり入場料を取ろうということで現在の形態に至り、平成15年にオープンに 至ったという経緯です。 ○石原委員 事務局が準備した資料を拝見いたしますと、グラフや数字だけなのですが、 次のようなことが想像できるのではないかと思われます。この点について間違っていた らおっしゃっていただきたいと思います。  資料3の9頁で、来館者数の推移を見ますと、事業がスタートした平成15年から30 万人の大台を突破し、最近はちょっと減っている傾向にあります。この表と10頁の小中 学校の団体来館内訳を見ますと、中学校が爆発的に伸びており、高校は微減。これを考 えますと、提出していただきました収入が最近になって増えてきています。この3つの データを考え合わせると、次のようなことが言えるのではないかと思います。来館者数 自体は増えて、高校の数自体は増えてきていますから、人はそれなりに入ってきていま す。ただ、人数自体が減っていますから、入場料の単価自体は減っているわけで、収入 の内訳、増加の要因が入場者数以外のところで増えているのではないかということが、 ここから推測できると思います。この点についてご確認をさせていただきたいと思いま す。  この2つのグラフを比べますと、学校自体は訪れてきていますが、一人ひとりで見た 入場者数は減ってきています。ということからすると、学校以外の入場者数が減ってき ているのではないかと推察されます。それは想像をめぐらせてみますと、地方に新しい 施設ができました。その地方の近県の人たちが物珍しさでいろいろ来ていた時代と、そ れが一巡してリピーターになって来ないがために減ってきている、そういうトレンドが ひょっとしてあるのではないかと思われます。この点についても間違っていないかどう か、教えていただきたいと思います。  どのエリアの学校がきているかというデータが示されていましたが、全国平均で7% ですが、関西の3県で見ると45%という数値があります。これはおそらく修学旅行と引 っ掛けて来館している学校が多いのでしょう。反対に遠い学校だと、なかなかそういう 機会もおぼつかなく、随分努力をして出てこざるを得ません。  当初、国の施策としてこの施設をこの地域に建てられた。ですが、利用されている学 校は関西の3県に集中しているのかもしれません。そうすると、当初のコンセプトとし ては全国レベルでもって提供すべきサービスとしてスタートしたのか、それとも地域限 定のサービスでかまわないという形になるであろうということが想像されたのか。また、 今後、これはやはり全国レベルでするべきサービスなのか、それともやはり地域限定な のか。そういうところも1つ論点になってくるのではないか。この資料を見る限り、そ のように感じました。 ○加藤座長 いまの範囲で何か具体的にお答えできるところがあれば、先ほどの宮本委 員のご指摘に対しては十分な答えでもないように思うので、そこはもう少し整理すると して、いまのご指摘に対してお答えできるところはありますか。いまなければ、次回ま でに、きちんとした資料を整理して取りまとめてお答えいただいてもかまいません。今 日はできるだけたくさんの方から、いろいろなご指摘をいただいたほうがいいように思 うので、その辺はいかがですか。 ○雇用・能力開発機構理事 いくつかのご指摘がありましたが、その中で来館者数の推 移のことをおっしゃられました。資料9頁ですが、16年度、17年度がそれぞれ36万人 台であったのに、18年度が33万人台に減ってきています。これはご指摘のように、個 人による入館が減っています。ただその一方で、学校、団体の数は増えているのです。 また、収入増のことについてご指摘がありましたが、入館者数以外のところで収入が増 えているのかというご指摘でしたが、収入増については計画的に図っていることがあり まして、例えば体験料を値上げするとか、企業広告を取ったり、駐車場の使用料を増額 するなど、そういったことで収入増を図っていることがあります。 ○石原委員 体験料についてはスタート時点から値上げはなかったという理解でよろし いですか。 ○雇用・能力開発機構理事 いえ、ありまして、18年度に体験料の見直しをして、当初 は体験料無料の職種も18職種あったのですが、これを18年度から無料のものを300円 にするとか、あるいはそれまで300円であったものを500円に値上げをすることをやっ てきており、それによる収入増が出てきています。 ○加藤座長 その辺の収入改善の努力の経過ないし施策なりについては、次回までにも う少し整理をして、データでお示しいただくようにしてください。 ○雇用・能力開発機構理事 わかりました。 ○石原委員 一般の企業でしたら、こういった事業計画を立てる場合に、どれくらいの マーケットシェアがあるか、現状はこれくらいですが、どれくらいの努力をすれば、ど こまで到達するか、そういう企業計画、事業計画を立てるのだと私は理解しています。 本件検討会でも、いま現状どれくらいの努力をして、こういう数字なのでしょうか。ま た伸び代というのはどれくらいマーケットとして存在するのでしょうか、というところ がはっきり見えてこないと、現状維持でイエス、オア、ノーという判断をせざるを得な くなると思います。質問がいくつかありまして、入場料のところなのですが、そうだと すると、おそらく修学旅行ですと、月曜日から金曜日に来館することが多いのではない かと想像がつくのですが、そうだとすると土曜、日曜日は主に個人の入館者に頼るとい うキャッシュフローにならざるを得ないと思います。そうすると、これをビジネスとし て考えた場合には、月曜日から金曜日はものすごく忙しくて、土曜日と日曜日はわりと 暇です。そうすると、閑散としているときに同じサービスを提供すべきなのかどうか、 普通の民間企業だったらそのように考えるのではないかと思います。その辺りが私の想 像が合っているかどうかをご確認させていただきたいと思います。  では、事業収入は入館料をメインとしてやる。また企業からの広告収入の取り方を別 途考える方法があるかと思うのですが、入館者数を増やす伸び代、現状月曜日から金曜 日まで、あと土曜日、日曜日まで、どれくらいの高校が訪れて、どれくらいの施設の稼 働率になっているか。いくらやって来てもいい。やって来る潜在可能性のある学校があ っても、施設のキャパシティのほうがありませんと、そこは頭打ちになりますから、現 状の稼働率はマックスの稼働率、または望むべきこうあってほしい稼働率、それに対し てどのくらいの割合で稼働しているか。そのようなものをイメージとして、また数字と してお示しいただければ非常に助かると思うのです。 ○加藤座長 なるほど。その辺のデータを次回までに整理していただいて、今日は1対 1で質問、回答をするのではなく、できるだけ多くの方のご意見をまずは出していただ くのが大事だと思いますので、それは1つ宿題としてお願いします。 ○前島委員 当初75万から110万という数字の中には、中学生・高校生を相当意識した 数字なのだろうと思うのです。いま、場所はあそこの場所ですので、修学旅行にぶつけ てそこへ行くことからすると、いま関東の中学生は別として、高校では修学旅行先とし て京都、奈良から沖縄、北海道、九州という所に、航空機も使えるようになりました。 そこへ京都、奈良の修学旅行を設定して、その中で3泊4日、あるいは4泊5日の間で、 1日を使ってここで体験しようという計画はなかなか乗りにくいです。それをあえてや ろうというだけの魅力があるかどうか。私はDVDを見ました。娘と見たのですがあれ は最悪ですね、お父さん。電子音が流れて、ただ、次はこのコーナー、次はこのコーナ ーと、非常に辛口で申し訳ないのですが、非常に魅力がない。行ってみたいという魅力 を付けないと、あそこへ行きたい、単独では行けないけれども、修学旅行に合わせて行 こうという気運が起きにくいだろうと思っています。どうしてもここの展示とか、ある いは体験をやりたいというだけのいまの中学生・高校生の興味、関心を引くようなもの なのかどうかということも、少し検討しなくてはいけないし、それと中学生・高校生が 学校で行っている座学のキャリア教育の内容との絡みで、ここでこれを見られるよとい うことを、あるいは体験できるということを一体で考えないといけない。文科省とも十 分協議した中身を作り上げていかないと、これは盛り上がらない。キャリア教育は極め て大切で、これを進めるのは公的機関でやるべきだと思っているのですが、流れがこう いう流れですから、これは仕方ないとしても、何らかの形できちんと再建というか、再 生して日本の子どもの未来の職業意識とか、働くことの意義、汗をかいて仕事をする本 当の姿を、取り返さないといけないだろうと思っています。  私ども埼玉県では、中学生・高校生も例えば就労体験、職場体験を3日ないし5日や っている学校が増えてきました。それは仕事の意義、働いてその職に就く就かないとは 別に、そういう所で働いて第三者の大人からいろいろな注意されることを体験する。非 常に貴重な体験を積んでやっています。70万人体験学習をやっているのですが、そうい うことをやった上で、さらにこういう素晴らしい施設があるわけです。500億円をかけ て作ったものを無駄にする必要はないし、大切にする必要があるだろうと考えています。 存廃ではなくて廃除ではなくて存続するので、それをもっと8.5%がどうなのかという 問題はあるでしょうが、これをもちろん上げてもらうには入館者を増やす。入館者を増 やすにはPRをする。学校から行ってみたい、そこへ行かせたいというものを巻き起こ していく必要があるだろうと思います。 ○加藤座長 加藤さんどうぞ。 ○加藤委員 今日は第1回目ですので、できるだけ検討にあたって、もやもやした部分 をなくして帰りたいと思っています。私自身は中央教育審議会の委員を5年ほどやって いますが、中教審は、今回大きな節目を迎えました。学習指導要領の大きな改定もやり ました。その中で職業キャリア教育の必要性も謳いましたし、それとは別に中学校段階 で1週間のキャリア経験を積む教育も全校でやりましょうという予算も今年から付いて いるわけです。  ですから、キャリア教育の必要性や意義は、国民あるいは国の非常にプライオリティ の高い課題として、誰も否定する人はいないだろうと思うのです。そのときに、今回の 検討テーマの設定の仕方とか、ただいまのご説明を聞いていても民間が仮に誰かが受け たにしても、実は3週間ほど前に見に行きました。この施設を前提に考えますと、期間 も限られていて手足を縛られたほとんど知恵の発揮しどころも難しいような施設です。 新たに何かアイディアを付け加えるにしても、それはほとんど不可能ですし、そういう 中で果たして一体何が評価できるのかと素朴に思っています。そうしたときに、先ほど 前島委員が無駄にするのはもったいないとおっしゃいましたが、一方で全然逆の見方を すれば、キャリア教育にこうした施設が不可欠かどうかといったときにどうなのだろう か。これだけのものがあり、確かに見てみますと、非常に興味の沸く部分もあるし、子 どもたちがここで時間を過ごせば、私は効果はあると思うのです。ただ、効果があると いうことと、これがキャリア教育に不可欠なものかどうかというのは全く別問題だと思 うのです。  ですから、そういう意味の検討をさせていただけるのかどうか。これはもちろん私は キャリア教育の専門家ではありませんし、たまたまものづくりの自動車に身を置く者と して、主として現場や労働組合の体験の中から感じるものは発言できると思うのです。 その辺のところが非常に私としてはもやもやしているわけです。ですから、よくこの種 の議論をしたときに、もともと採算の取れる事業ではないと私ははっきり言って思いま す。だから、それは意味があるし、国がやっていいのだ、官にしかできないということ を言われると、これが不可欠かどうかという議論も、また絶対にしないと話は前に進ま ないだろうと思うわけです。そういうことで、例えば先ほど石原委員も言われていたと 思うのですが、これ1つで全国あまねく1学年約100万人いる中学生を対象にできるか といったら、できっこないわけですから、そういう意味でこれが意味を持つのかどうか、 そうなると、全く別の使い方も可能性としてはあるのではないか。例えば障害者の皆さ んの体験の場にしていくなど、そういう知恵の出し方、中学生を対象としたキャリア教 育の場と位置づけられたかもしれませんが、それ自体をもっと別の検討をしてみること も含めて、民の知恵を借りるのかどうかも、私としては議論する必要があるかと思って いますので、果たしてこれだけの期間で、いま申し上げたようなことが結論づけていけ るかというのは、極めて不安です。 ○山口委員 いま加藤委員が言われたことはまさにそのとおりだと私も思います。継続 的キャリア教育の必要性はほとんどの方が認めているところだと思いますが、その継続 的なキャリア教育と私のしごと館というハードがマッチしているのかどうか、そこが問 題になってしまうわけです。したがって、実際に来館された修学旅行生の評価を見れば いいです、だから来館者が増えていかないということは、立地に相当問題があるという ことになってくれば、継続的な教育には向かないというわけです。そうなると、やろう としている目的と、残念ながら現状のハードがミスマッチであるならば、いま加藤委員 がおっしゃられたように、この事業そのものは別の方法、要するに私のしごと館ではな い方法で、代替案として何か考え、私のしごと館はまた別の使い方をする。そこまで検 討できるのであれば、かなり幅広い検討は可能になってくるのだろうと思います。  民間への包括委託ということですから、立地の問題、結局集客の問題が大きくなりま す。この集客能力まで民間が請負って受託するのであれば、とてもできないことなので はないかと思いますので、その辺りを継続的キャリア教育の必要性と合わせたPR活動 として、どの程度民間の委託業者をバックアップするのだろうかということが、考えな ければいけない点だろうと思います。  もう1点、私のしごと館を提供するサービスということで、資料5-2の8頁に、大き く3つに分けられて書かれています。ただ、これが要するに私のしごと館というハード でいま現在もやらなければできないのは(1)の仕事の体験・展示の部分なのです。(2)の ライブラリィ事業、先ほどジョブジョブワールドとありましたが、これはもうウェブで 見て、ストリーミングでビデオを見たりできるようになっています。(3)の相談・援助事 業はキャリアコンサルティングや職業適性診断もわざわざあそこへ出掛けて行かなくて も、さまざまな場所で展開も可能になってきている。そうすると、この(1)(2)(3)は丸々 全部を包括的に一括する必要があるのだろうかというところも、議論が必要なのではな いかと思います。 ○加藤座長 ひととおりご意見を伺いましょうか。 ○長南委員 中学校の立場でお話させていただきます。私のしごと館というお話が各中 学校にきたのが、たしか平成15年3月だったかと思うのです。そのとき修学旅行でいか がですかというお話を伺いました。ところが、修学旅行というのは、東京の中学校の場 合には新幹線の団体専用列車を決める場合には、もう中3のときにはほとんど決まって います。中1の夏ぐらいから準備して、秋口にだんだんその話が出てきてということで すから、すでに旅行先はもう決まっているわけです。そのころにキャリア教育であると か職場体験であるとか、さまざまな話が出てきました。いろいろな体験学習もできます からどうでしょうかということで、大変興味ある内容であるなと思いました。  実は私は技術家庭科の技術分野を扱っている関係がありますので、ものづくりである とか、そういったものは是非、写真でも図でも、実物でも紹介したいなと思いました。 ところが、そういう状況の中で、予定を変更してその場所へ行くことになると、なかな かすぐに動けないということから、東京は数が少ないということになるのです。  修学旅行の経済的な状況を考えますと、兄や姉たちが行っていた奈良、京都の街並み を見て帰って来るのがいいというと、どうしても職場体験の場所と関連づけるような所 には行けなかったというのが1つの理由だと思います。ただ、中学校の教員というのは 1、2、3と持っています。3年になったときに、私のしごと館に行った教員が、後3年後 にはまた計画の部分として行くということがあり得るのです。ですから、参観者数の凹 凸になっている部分はそういったところもあるかなと思います。  団体専用列車の関係がありますから、土日も行く場所として候補として入っています ので、土日は修学旅行は行かないということはありません。ただ、土日に修学旅行にあ たった場合には、観光客が多い場所に行くことになる状況です。  全国の中学校校長会の生徒指導部でまとめたキャリア教育に関しては、もうご存じの ようにすべての学校でやっている内容が、この職場体験です。職場体験について現在5 日までやってくださいというと、そこの前段階として、もしこういう機会を捉えること ができたら、仕事師のしごと館で少しでも本物、プロに会えるような機会がとらえられ たら、また違ってくるかなと思います。ただ、立地的なものがありますので、東京から 行くということは、その場合には厳しくなってきてしまいます。そうすると、近県の中 で使っていただける学校があると、例にもありましたがそういう活用の方法もこれから は出てくるのではないかと思います。 ○工藤委員代理(山本氏) 本日は工藤の代理で来ているのですが、工藤が呼ばれる途 中の現場で、若者の支援をしている人間はこういうのをどう思うの。若者と近い立場で どう思うのという発言を、大体期待されて工藤が呼ばれることがあるかと思いまして、 私も一言、支援者として思うところをという発言になります。  若者支援、いわゆるニートやフリーターと呼ばれる状況にいまある方たちが、就労に 向かっていけるようにという支援活動をしているのですが、当然、地元の企業に受け入 れていただいたり、いろいろな形で職業体験をやっていて、そこの部分については特段、 先ほど宮本座長代理がおっしゃっていたように、キャリア教育の重要性については、も う十分だと思ったりはするのです。私たちも予防の取組と思いまして、高校に授業を出 前しているのです。金銭教育という形で、お金のことを高校生に語っていく、例えば月 20万円あったら、1人暮らしに何にいくら使うみたいなことをやったりします。ただ、 同じ学校にプログラムを出前するというのは1年間の計画の中で1回なのです。だから、 その学校の先生方と私たちが持っているプログラムを、先生方が通年で立てられている その教育計画の中で、どう使っていただくかというのを大事にお話合いをさせていただ きながら、実施させていただいています。普段、学校の先生方が言われていたことと、 真逆のことを私たちが言ってしまってもというのがあります。いまお話にあったように、 修学旅行で年に1回行けるのが精いっぱいというような前提で考えたときに、加藤委員 と山口委員の話を聞きながら、自分が考えていることはそういうことなのかと思いなが ら言葉にさせていただきました。  展示や体験はあれだけ充実した形でできるというのは、たしかになかなかなくて、近 くにあれば私たちが接しているニートやフリーターと呼ばれる状況にある若者をちょっ と連れて行ってみたいなと思ったりはするのですが、いかんせん、活動場所が東京なの で、なかなか行けません。それを逆に地元の力をお借りしてやらせていただいていると いうことがありますが、やはりそのきっかけづくりとして、あの迫力というのはなかな か出せないものがあって、支援の大きな流れの中の一場面でああいったものがあると、 その若者が自立に向かっていく過程の中で、私のしごと館のような所に連れて行くとい うことに意義はあるなとは思ってはいます。いま、いろいろな使い方を、もっと多様に 使える使い方も検討すべきではないかというのが委員方からのご意見だったと思うの で、私もそう思っています。おそらく企業研修的なものであったり、若者の支援、障害 者支援などいろいろな形で使っていけるのではないかというのは、そうだな、そのよう に使えると面白いのかなと思いながら、私も聞かせてもらっていました。  そういう意味では私のしごと館の方が、学校の方がメインのお客様だと考えれば、そ の私のしごと館のあり方のご提案に、学校の中に出掛けて行くしごと館サポーターみた いな方がいろいろな地域にいて、私のしごと館ではこういうことができるのです、それ にあたって事前の教育プログラムとしてこう、事後の教育プログラムとしてこうという 中に、私のしごと館が位置づいていかないと、費用対効果としてそれ1回でポンという のは、なかなか大変かなと思います。事業をどう削る、付け足すという中で事業を削る ということしか、いまの収支の中では考えにくいのではないかという宮本座長代理のご 発言もありました。そのように思う部分も正直ありますが、合わせてお金が取れるよう な事業であったり、行ってみたいと思わされるもの、お金を払ってでも行きたいと思う ものをどう作るかという中で、そういうサービスの質の向上みたいなものがあってもい いのかなという。これはいろいろな委員の方の発言をいただきながら思ったことです。 ○吉永委員 キャリア教育というのは誰も異議を唱えないという大変重要な部分である けれども、それが4年ですでに存廃の危機という状況に現実置かれているという、ここ から厳しくスタートして考えないといけないのではないかと思います。ただ、何となく 資料等を見ていますと、重要なのですよ。みんなが満足していますというところから、 何となく存というものが前提になりそうな気がしているのですが、ここは廃も含めてと いうくらいの厳しい覚悟で検討していかないと、また何年カ後に同じようなことになっ てくるということになるのだなというのを、いま伺っていて感じました。  この立地でどれだけの集客を当初に見込んでいたのか、その根拠は何だったのか。先 ほど宮本座長代理がおっしゃいましたが、私のしごと館の入場者数をどのようなルート で獲得するという計画があったのか、なかったのか。その収支は当初目標としたものよ りどのくらい下回ったのか、それはどうしてなのかという、こういう実際に自分たちが 考えたことと現実との間のギャップをこれまでどう分析なさってきたのでしょうか。も し分析をなさったのであれば、この短い時間でこれから民間委託の目標設定をしなけれ ばいけないときに、その分析は役に立つのではないかと思うのです。  もう1つ、実際に私もVTRを拝見させていただいたのですが、立派なものが揃ってい るわりには胸がときめかないというか、こんな仕事があることをお教えしますよという ような、やはりものすごく発想が固定化されたもので、もしかしたら、ここに敗因があ るのではないか。本当に面白かったら多少の立地条件の悪さはクリアできると思います。 実際の入場者数の分析も、修学旅行というところにパッケージされてきている人間と、 あそこに行きたいという子どもたちの希望があって、それを学校側が取りまとめてそこ に行っているのでは、同じ人数でも全くこれは質が違うと思います。それを人数という 形でこんなに来ていますよと丸めてしまう。そういう分析だと、大変に現実と乖離した ものになっていってしまう。だから、こういう議論にいまなっているのだろうと思いま す。  おっしゃるとおり、私のしごと館の中のいま3つか4つある中で、民間に委託できる とすると、展示や体験のコーナーの内容を、いままでの運営母体や人間では、ここがも しかしたら限界なのだと思うのです。そうだとしたら、ここのところを大胆に、いまあ るものが利用できるのかできないのか。とりあえずこのスケジュールの中では利用する しかないですね。その可能性が示唆できるようなものが生まれてくるのかどうか。サー ビス内容や料金体系にもしかしたら枷をはめてしまったら、とても重大な間違いを犯し てしまうのではないかとは思っています。その辺の分析したものがあるならば、是非お 教えいただきたいです。 ○加藤座長 先ほどの宮本座長代理、いまの吉永委員のご指摘に対して、当初の事業計 画、その後の変化、存廃に至っていま考えていること、先ほどのご意見もありましたが、 その辺を少し整理したものは、いまおそらくは手元にはないのでしょうけれども、例え ば次回までにきちんとして、皆さんにお示しすることは可能ですか。 ○育成支援課長 完璧なものになるかどうかは別として、整理したものを用意したいと 思います。 ○加藤座長 そうですね、そこはこれからの委託を考える上での前提になる話でしょう から、そのことについては1つ宿題として受けていただくということにしましょう。 ○宮本座長代理 状況について、次回にでもお示しいただけると思うのですが、この私 のしごと館のいちばんの目玉は、しごと体験ということです。先日いただいたDVDも このパンフレットでも、非常に多くのメニューがあるのですが、先日ちょっと伺ったと ころ、修学旅行で生徒たちが来て、その館内に止まる時間が1日くらいずっとやるのか と思いましたら、せいぜい2時間というお話です。そうしますと、2時間でしごと体験 メニューを見ますと、1時間から2時間くらい1個でかかるわけです。そうすると、1 点視覚で追って、こんなにたくさんの仕事があるなと、その瞬間感動するかもしれませ んが、体験自体はこのたくさんのメニューの中の、ほんのわずか1個だけやるというこ とになるわけです。  それだけの費用対効果ということを考えたときに、あれだけの立派な巨大な施設が日 本のそれも不便な所に1カ所あるというやり方が一体いいのかどうなのか。今日お示し されたこの評価のデータは、あまり役に立たないのではないかという感じがいたします。  つまり、リピーターがたぶん非常に少なく、きっかけづくりとは言いながらも、目で 見ただけで、あと体験は1個だけ。それであればいま地域の中にかなりその種の体験で きるものがあるわけです。その辺りについて評価しないと、本当の意味の評価をしたこ とにはならないのではないだろうかと思うのですがどうでしょうか。 ○加藤座長 いまのご指摘についてはいかがでしょうか。確かに2時間で何が見られる のだということですね。 ○育成支援課長 以前に2時間と申しましたのは、例えば遠くから来た修学旅行などで は、確かに2時間くらいという計算ですが、近くの関西近辺の所からの体験学習という ことで、例えば5時間滞在するというケースは多々ございます。遠くから来たのと近く から来たのとでは滞在時間は違っているというのが実情です。先日のご説明は舌足らず で申し訳ございませんでした。 ○石原委員 私の理解では存廃を含めて議論されるということになっていますが、いろ いろ資料を読んでいますと、なるほど、キャリア教育の重要性はないか。あれば役に立 つかといえば、やはりあるのです。それが日本の国にとって、なくて困るか、不可欠か というと、きっとそうではないのでしょう。にもかかわらず、こういった存廃を含めた 議論があるというのは、あまりにもたくさんの事業費を費用対効果の関係で、費用が大 き過ぎるからという、この1点に尽きるのではないかと私は思います。  先ほど収入のこともお伺いしましたが、また私も私のしごと館に実際に行ってまいり ましたが、企業名が露出しているところがあまりにも少なすぎるのではないか、という のが私の印象でした。この事業は事業主負担の雇用保険が使われているということでし たので、お金を出している原資である企業主がどのように考えているのか。また出向な ども含めて、いろいろな業種から応援もきていると資料には書いてあります。実際に応 援に出て来ている手づくりをなさっている業種、また放送などの業種の人たちが実際に この事業に参加して、どういう意義づけ、意味があるのかというフィードバックをいた だくべきなのではないかと思います。  厚生労働省にお願いをされて参加はしました、彼らは熱くなってやっているでしょう か、それとも冷静にやっているのでしょうか、この事業自体がものすごく意義のあるも のだと捉えているでしょうか。また企業の広告収入ということからしますと、この施設 は立派な社会貢献だと思います。その社会貢献に対して協力をしている企業が名前を出 すというのは、企業にとってもビジネスにとっても価値があることだと思います。今回 の委託の条件として、いろいろな企業から広告料収入を取ることができるのか、また、 その企業がどういった形で自分の社会貢献をここに来た学生たちにアピールするチャン スが許されるのか。実際に業種として参加しているサポートできておられる人たちがど のように考えているのか。業種自体が意義あると思われるのであれば、いろいろな業種 が参加してきて、この事業自体も活性化するでしょうし、企業の側の広告収入が上がれ ば、あまりにも費用対効果が費用のほうが大きすぎるという批判も、ひょっとしたら吹 き飛ぶのかもしれません。そういったところを次回に考えさせていただける指標を出し ていただけるようであれば非常に幸いだと思います。 ○橋本委員 いまのお話に似たようなものですが、この16頁の資料にあります運営費、 収支を見ている限り、事業としては全く成り立っていないです。ですから、違う発想で 事業をやるのか、あるいはやる意義があるのか。そういう観点で議論をしないと、もう 現状をいくら多少経費を削ったりしても、ほとんど意味もない議論になると思いますの で、その辺は論点を絞ったほうがいいのではないかと思います。 ○加藤座長 なるほど、マイアー委員はいかがですか。 ○マイアー委員 私のしごと館のような施設は、社会的価値があって、全体的な利益の 測り方は逆にないと思います。資料に入っている調査の結果は、もう少し私のしごと館 のために与えたお金は、逆に社会的にどの税金、例えば失業者に対しての支援の分野で 節約するかどうかの調べ方がありますか、ありませんかという、何か調べ方を知りたい と思います。 ○鹿嶋委員 いずれにしても運営交付金と自己収入のギャップが10分の1、10倍です。 だから、そこを圧縮するマジックがあるのか、それがなければ民間でもなかなかそれを 受けてやろうとはしないのだろうと思います。そういう場合は大体人件費の圧縮がポイ ントになるわけですが、この6頁の表で見る限り、事業費が莫大なものになっているわ けです。そうしますと、これから生き延びるとすれば、要するに事業が大まかに3事業 あるわけですが、それを少し縮小せざるを得ないだろう。一歩後退の中で、果たしてこ の事業を続ける意義があるのかどうかという視点で、我々はこれを考えていく必要があ ると思うのです。  先ほどから皆さん言っているように、キャリア教育は意義だけはこの委員全体が大事 なのだということを言っている。ただ、やはり学校教育の中でキャリア教育をきちんと 位置づけられないようなことであれば、たぶん位置づけてはいるのでしょうが、それは そちらがきちんと学校教育の中で位置づけることが大事であって、ここにはその延長で スタンプを押してもらいに行く程度のものでしかないのかなという感じがするのです。  そういうことも考えて我々は考えなければならないと同時に、もう1つは、このスケ ジュール表を見て、改めていま思うのですが、7月に業者を選定して、我々は8月、9 月にその委託先のヒアリングをやるわけでしょう。これはやはりちょっと無茶ですよ。 引き受けた業者だって、そんなに早く結論は出せないと思うのです。その上で存廃を決 めてしまうというのはちょっと無茶だなと思いますので、このスケジュールはどうなの ですか。これでいくなら、あまりにも受ける業者はいるのですかね。というような疑問 もありました。 ○加藤座長 いまのそれぞれの委員の意見は、皆かなり共通したご指摘だと思いますが、 11月までの間に民間委託条件を決めて委託して、評価をして存廃を決めるというところ まで、この委員会が目を通してできるのかというのは、大体皆さん共通したご疑問で、 そのことで委員会としての責任が持てるのかということがご指摘だと思います。その段 取りについては、厚労省の事務局としてはどのようにお考えになりますか。 ○育成支援課長 本検討会の開催をお願いしている大前提として、先ほどご紹介してお ります閣議決定がございます。ですからその閣議決定は踏まえなければいけないという ことになりますので、1年以内に存廃、あり方検討ということになりますが、いまご議 論いただいておりますように、かなり厳しい日程であることは事実ですので、評価の結 果として、例えば評価期間が短すぎるのではないかといったようなご指摘は当然あろう かと思っています。ただ、いまの段階では1年以内に存廃を含めたあり方検討というこ とになっておりますので、ここでお願いをいたしたいと考えているところです。 ○大臣官房審議官 この点については大臣同士の決定で1年となっていますが、実際の 私ども事務局としても1年という日程で受けていただけることがあるのかという、非常 に素朴な疑問を持っております。ですから、これからのこの場で民間に受けていただく 条件をご議論いただく中で、期間についてこれでは無理だということがあればそれをお 出しいただいて、またそれを受けて私どもとしていろいろ関係機関と接衝していくとい う用意はございますので、それは必ずしも1年というのはおかしければおかしいという ことを言っていただく、そういう意思表示をしていただければそれを受ける。大臣が申 し上げましたのを、そういうことも含めてこの場で、真にこの施設について有効活用し 得るか、あるいは政策的な意味がある使い方ができるのかということを白紙でご議論い ただいて、民間委託というのは決まっていますので、その中で最大限、施設の有効な使 い方、あるいは裁量を与える、あるいは期間についてもこれでは無理だというのでは延 ばす、あるいはバックアップが必要ならばバックアップを条件に付けるということはご 議論いただいた上で、この施設が有効活用し得るか、そういう観点から民間委託にあた っての条件を決めていただくということだと思いますので、その点、ご自由にご議論い ただきたいと思います。 ○加藤座長 いまのご説明で、今日納得して帰りたいということだった加藤委員いかが ですか。 ○加藤委員 ですから、先ほどもいろいろご意見があったのですが、委託の仕方そのも のも、こういったものの考え方そのものを、私たちがこの中でまだご覧になっていない 方もいらっしゃると思うのです。そういうことを前提に、その知識の中で委託の仕方ま でを直ちに決めてしまうこと自体も、少し乱暴な気がするのです。ですから、この中に もありました同じような施設で、利益を上げているキッザニアなどあるではないですか。 また、こうしたものを運営しているほかのテーマパークのような所の人たちとの意見交 換があって、ヒントを得るなどそういうキャッチボールがないと、条件づけを先に決め てしまって民間にやってもらいますと言っても、果たして期間も限られているし不安で す。限られている中でも評価をうまくできるやり方、ノウハウはあるかもしれないし、 それは私にはわかりません。ですから、本当に1年で閣議決定だから守らなければいけ ないのだとすれば、この短い期間の中で一体何ができるのかはそういう方々と、少しキ ャッチボールをさせていただく。そういう知恵を結集しないと、いまの前提ではなかな か難しいかなという気はします。 ○吉永委員 やはりこれは閣議決定のスケジュールに則って相当無理を承知でこういう スケジュールになっているとしか思えないです。それでもやったときに、我々はそこに どういった責任が生じるかと考えると、はなはだ恐ろしい感じがします。少なくとも3 月27日に委託の仕様書、存廃の基準がテーマになっているわけです。このときに我々が それを議論したら、2時間で決まるのか。おそらく何某の雛型が出てきて、目標はこの 辺、それはいかがですかみたいな形に、このスケジュールだとならざるを得ないと思い ます。おそらくそれがずっともやもやしていて、何か自分のするべき仕事と力量、時間 とバランスが非常に悪いので、2時間消費しましたが、そうだな、できるかなというも のが、未だに生まれていないです。 ○加藤委員 1つ提案ですが、現地視察が5、6月になっています。その間3、4カ月い ろいろな面であると思うのです。別に全員で見に行かなくてもいいと思うのです。私は たまたま大阪出張があったので帰りに寄れたので、とにかく行ける日にそれぞれの委員 の方が行っていただく。お金は余計にかかるかもしれませんが、それはそれでやってい ただく。そうすると、もし期間が少しかせげるとしたら、そこで全部基準まで決めてし まうということではなくて、私が申し上げたキャッチボールができる時間をかせぐとい うことはできないのでしょうか。 ○加藤座長 いまスケジュールをここにお示ししたのは1つの案ですから、いまのご指 摘を踏まえてそれは可能だと思います。それでは時間も迫ってまいりましたので、それ ぞれの委員から出されたご指摘、ご質問は非常に貴重なご意見だと思いますので、次回 に何をやるかについては、改めて議題の整理、検討課題を整理させていただいて、事前 に委員にお届けするようにします。いまご指摘のあった現地調査なり、ヒアリングの段 取りも含めて、もう一遍今日のご意見を考えて、再整理してお示しする。そもそもどう だったのかという話、費用対効果の話、これから取組むべき経営形体、運営形体が今日 いくつか出たご意見についても事務局で調査可能な限り整理して、次回までにお示しす る。そんなことで再整理するということでいかがでしょうか。事務局はよろしいですか。 それで対応していただけますか。  それでは時間も迫ってきましたので、そういう整理で第1回を締め括りたいと思いま す。5分ほどありますので、この際ということで、何かご意見があればどうぞ。 ○吉永委員 民間委託をするという手が挙がらなかったら、誰もいなかったら、あるい はたくさん出てきたのだけれども、基準の目標に達していない状況は、全く想定しなく てもいいのですか。もし、そういう状況になったときはどうなるのですか。 ○加藤座長 いまそれについてはどういうもくろみを持っていますか。 ○職業能力開発局長 基本的にはここでお決めいただくのが委託条件となるのですが、 それで駄目な場合には再度ということになろうかと思います。1回限りということでは ございませんので、それはまたいろいろ条件を見ながらご検討いただくことになろうか と思います。 ○加藤座長 いままでいくつか取り組んだ市場化テストがありますね。あれで最初に手 が挙がらなくて、何回か繰り返して話がまとまったというケースは、いままでにもある のですか。 ○職業能力開発局長 例はあります。 ○加藤座長 あまり厚労省では経験がないですか。これまでの市場化テストは、案外手 を挙げる人が多くて、割合うまくいっているという何かあれがありますね。その辺もこ れまでの類似のそういう民間委託の形態で、どんなことがあったのかというのも、もし わかれば示していただきたい。 ○大臣官房審議官 すでにいくつかの体験事業をしごと館の中でやっていまして、その 体験事業については民間に委託しています。それについてはかなりの数、手が挙がって やってきているという実績はございます。 ○加藤座長 その辺の実態は厚労省は説明できますか。 ○大臣官房審議官 個別事業と経営とは少し違うかもしれないですね。その辺、おっし ゃるように個別の話と館全体ですと、規模も違いますし性格も違いますので、その辺は 内々しごと館でもどういう感触かを関西で聞いたりはしているのですが、いくつか脈が あるという話は聞いておりますが、はっきりこれを受けると名乗りを挙げている状況は まだ現在はないということです。その辺は我々としてもいろいろ関係者等と当たりなが ら、どの辺の脈があるかを探りながら、条件等とも整合性を持っていくという作業を、 事務方でやらなければいけないと思っております。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長 現在実施しております私のしごと館の市場化テス トの5職種ですが、これについては昨年2社の入札参加がありました。 ○加藤座長 それでは大体時間になりましたので、本日の質疑はこれまでとして、次回 は3月27日の午前10時から12時までと予定しております。今日いただいた貴重なご意 見を整理しまして、次回以降の進め方については、事前にご連絡するようにさせていた だきます。よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。 - 2 -