08/03/03 第1回ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会及び第1回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会の合同会合の議事録について 第1回ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する 検討会及び第1回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会の合同会合 議事録         日 時:平成20年3月3日(月) 16:30〜17:56         場 所:中央合同庁舎7号館(金融庁)903号室 ○事務局(安全衛生部) それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「ヒトに対す る有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会」及び第1 回「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会」の合同会合を開催させていただきます。  本検討会は、原則として公開で行うこととしております。ただ、知的財産権等に関わる事項を 取り扱う場合が生じました場合は内容に応じて非公開とさせていただくことがありますので、あ らかじめ御了承をお願いします。  それから、今日、マイクを皆さんのテーブルに用意しておりますけれども、目の前の一番大き なボタンを押すとマイクのスイッチが入りますので、その後、御発言いただければと思います。 終わりましたら、ボタンを押していただければオフになります。御利用お願いいたします。  それでは、始めに青木労働基準局長及び高橋医薬食品局長よりごあいさつさせていただきます。 ○労働基準局長 厚生労働省労働基準局長の青木でございます。今日はお忙しいところ、この検 討会に御参加いただきまして、大変ありがとうございます。  化学物質に対します労働者の健康確保という観点からのばく露防止対策につきましては、その 有害性の程度に応じまして製造禁止あるいは製造許可、取扱いの厳正管理ということの対象とし て、必要な規制を行っているところであります。法令、指針、通達等、さまざまの手法を用いて やっているわけでありますけれども、平成4年の環境と開発に関する国連会議のリオ宣言以降、 完全な科学的確実性がなくても、深刻な被害をもたらすおそれがある場合には対策を遅らせては ならないという予防的アプローチの考え方が言われておりますし、数年前から社会的問題となり ましたアスベストの問題においても、その考え方を取り入れていこうという確認などもなされて いるところであります。  ヒトに対する有害性が明らかでないけれども、労働者へのばく露による有害性が疑われる化学 物質に対しましては、そういった予防的観点から適切な対策を講ずるという必要があるというこ とで、本日の検討会を開催することといたしました。その中で、まず本日は近年研究開発が進み つつありますナノマテリアルにつきまして、組成単位が小さくなることで元の状態とは異なる性 状を示すということで、非常に広範に利用が拡大しつつあるわけでありますけれども、健康にど のような影響があるかということについては不明なことが多いということで、現在、世界各国の 研究機関や国際機関でも研究がなされているところであります。しかし、その評価が確立するま でには相当の時間を要することが考えられるということで、先ほど申し上げましたような予防的 観点から一定のばく露防止対策を進める必要があるのではないかと思っております。  先般、私どもとしては労働者のばく露防止のための当面の予防的対応については関係団体に通 知をいたしました。この検討会におきましては今後の課題でありますとか、具体的な対策の在り 方について御検討いただきたいと思っております。また、この検討会におきましては、同じナノ マテリアルについて検討を行う医薬食品局長参集の検討会と合同でも検討を進めるということに いたしております。それぞれ最終的に検討すべきことは異なってくるかとは思いますけれども、 両検討会を合同でも行うということで、情報を共有してより充実した検討を進めさせていただき たいと思っております。それぞれ委員の皆様の御専門の立場からさまざまな御意見をいただきた いと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○医薬食品局長 医薬食品局長の高橋でございます。2人の局長が長々とあいさつしても仕方が ないので、私の方からは簡潔に申し上げます。  私ども医薬食品局は、労働基準局の方が労働安全専門の担当であるということであれば、私ど もの方は一般の消費者向けの製品へのナノマテリアルのいろんな使用について、今後の安全面で の対策について何か考えていく必要はないかどうか、そういったことを御検討願おうということ で始めた検討会でございます。  ナノマテリアルと一言で申し上げましても、いろんな種類のものがあるということでございま して、今後、ナノマテリアルを利用したいろんな製品が出てくるのではないかと思いますけれど も、そういった開発に当たって、ナノマテリアルのそれぞれの特性を踏まえた安全性について十 分に留意していくことが重要だと考えております。  本検討会におきまして、ナノマテリアルの現在の開発、応用状況や将来期待される用途などを 踏まえまして、消費者製品における安全対策を進めていく上での議論あるいは今後の方向性など につきまして、御専門の立場から活発な御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいた します。 ○事務局(安全衛生部) ありがとうございます。  写真撮影についてはここまででございますので、以降の写真撮影は御遠慮お願いします。  続きまして、資料の御確認をお願いいたします。  配付資料としては議事次第、資料1〜資料6、参考資料1〜参考資料5になっております。  議事次第は1枚紙でございます。  資料1、資料2については、それぞれの検討会の要綱と名簿がそれぞれ1枚紙で付いておりま す。  資料3が、合同会合の委員の名簿ということで、両委員会の名簿を並べたものを付けておりま す。  資料4が、冊子になっていますけれども、全部で12ページの「ナノマテリアルについて」とい うものです。  資料5が、厚生労働省の海外等も含めたこれまでの取組みを簡単にまとめた資料。これも冊子 状のものでございます。  資料6が、今後のスケジュールということで1枚紙でございます。  クリップどめさせていただいておりますけれども、参考資料1が先般我々の方で出させていた だきました通知の写しでございます。  参考資料2が、労働安全衛生総合研究所でなされている研究概要の1枚紙でございます。  参考資料3が、文部科学省の科学技術振興調整費、平成17年に実施された研究でございます。  参考資料4が、経済産業省で実施されたナノテクに関する調査報告書の一部抜粋でございます。  参考資料5が、東京都のカーボンナノチューブについての提案要求書のコピーでございます。  それら資料について御確認いただき、もし、ない資料などがありましたら申し出下さい。  次に、合同会合の参集の先生方につきまして、事務局より五十音順で御紹介させていただきま す。なお、委員の先生がいずれの検討会に属しているか、先ほど説明しました資料3に一覧で載 っておりますので、御参照してください。  それでは、まずこちら側から、  板倉委員。  大前委員。  小川順委員。  小川康恭委員。  蒲生委員。  唐沢委員。  菅野委員。  甲田委員。  小西委員。  庄野委員。  高田委員。  高野委員。  竹村委員。  田中委員。  土屋委員。  名古屋委員。  長谷川委員。  福島委員。  宮田委員。  本日は御欠席ですが、吉川委員、塩原委員、明星委員にも委員をお願いしているところでござ います。  次に、事務局を紹介させていただきます。  先ほどあいさつさせていただきました青木労働基準局長。  高橋医薬食品局長。  黒川審議官。  榎本化学物質対策課長。  山本化学物質安全対策室長。  篠崎企画官。  廣田室長補佐。  山本専門官。  そして、私、樋口で事務を進めさせていただきます。よろしくお願いします。  議題1ですけれども、検討会の設置の趣旨等について事務局から引き続き説明させていただき ます。  それでは、資料1をごらんください。  ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討 会の趣旨等について、説明させていただきます。  当検討会につきましては、ナノマテリアルなどのヒトに対する有害性が必ずしも明確ではない 化学物質などについて、動物の試験結果等からヒトに対する健康有害が懸念され、その健康影響 が明らかにされるのを待たずに何らかの予防的な対応が必要なもの、そういった化学物質等につ いて、労働基準局長の下、予防的観点からそれを取り扱う労働者のばく露防止対策等について御 専門の皆様の御意見をお伺いする場でございます。検討会では対象となる化学物質、今回につい てはナノマテリアルについてですけれども、それら化学物質について、現在の知見に基づく健康 影響や現在の労働者の作業実態、使用量等を踏まえて問題点の把握に努めていただき、それを踏 まえて予防的観点から現時点でどのような対策が必要であるかを御検討いただく検討会でござい ます。これらの検討に当たって、事務局より座長を福島委員にお願いしています。よろしくお願 いします。  また、この度のように検討会に関する化学物質に応じて関係の専門家をお呼びし、御意見を伺 うこととしておりまして、今回はナノマテリアルに関する専門の方もご参集いただいております。  更に、今後の検討会の進め方については議題4でまた説明させていただきますけれども、先ほ ど局長のあいさつにもありましたが、医薬食品局長の参集の検討会と合同でも進めることと しております。お話にありましたように、それぞれ最終的に検討すべきことは異なりますけれど も、現在の知見等の把握につきましては両検討会で情報を共有して、幅広く情報を収集しながら 進めていきたいと考えております。  以上が、資料1に基づく検討会の設置についての説明です。  それでは、よろしくお願いします。 ○事務局(医薬食品局) 引き続き、資料2に基づきまして、ナノマテリアルの安全対策に関す る検討会の説明をさせていただきます。  こちらの検討会は、医薬食品局に設置するものでございまして「1.目的」といたしましては、 ナノマテリアルの応用が進展する一方で、ヒト健康への影響についてはまだ未解明であることか ら、安全性の評価手法や安全対策の在り方について検討を行うこととしております。  したがいまして、「2.検討課題」といたしましては「(1)ナノマテリアルの安全性の評価手 法やヒト健康への影響について」「(2)今後の安全対策のあり方について」とさせていただいて おります。先ほどの労働基準局に設置する検討会につきましては、労働者へのばく露という観点 が1つの大きなテーマになろうかと思いますけれども、こちらの検討会においては消費者製品に 使われているナノマテリアルの安全対策ということが焦点になろうかと思います。  「3.委員等」に関しましては「(2)検討会に座長に置き、座長は検討会の議事を整理する」 とさせていただいておりますが、当検討会の座長につきましても福島委員にお願いしたいと考え ておりますので、よろしくお願いいたします。  また「(3)検討会は、必要に応じて、委員以外の専門家から意見を聴くことができる」とさせ ていただいております。  「4.運営」につきましては「(2)検討会は、知的財産権等に係る事項を除き原則公開すると ともに、議事録を作成し、委員の了解を得た上で公表する」とさせていただいております。先ほ ど説明をさせていただきましたとおり、労働基準局の検討会と合同開催とさせていただきたいと 考えておりますが、ナノマテリアルの開発状況であるとかナノマテリアルという物質の安全性の 考え方であるという共通する課題については、合同で検討を進めさせていただきたいと考えてお ります。  委員の名簿については後ろに付いておりますので御参照ください。  以上です。 ○事務局(安全衛生部) これまでの事務局の説明で何かわからない点等ありましたら、どうぞ。  それでは、以降の議事進行については、両検討会の座長をお願いします福島先生にお願いした いと思います。よろしくお願いします。 ○福島座長 福島でございます。改めてよろしくお願いいたします。  限られた時間内にしっかりとした結論を出したいと思いますので、活発な御審議をお願いした いと思います。これ以後、座らせていただきます。よろしくお願いします。  そうしましたら、2番目の議事であります「(2)ナノマテリアルについて」事務局から説明を お願いいたします。 ○事務局(安全衛生部) それでは、2番目の議事「(2)ナノマテリアルについて」ということ で、資料4に基づいて説明させていただきます。  実際、ナノマテリアルがどんな開発をされているか、どのような形で流通しているかについて は、次回の2回目でまた詳しく専門家の方に御紹介等をいただくことになりますが、本日はこの 検討会の中でどのようなものを対象として御検討いただくか、資料4を使って簡単に説明させて いただければと考えております。  資料4をお手元に用意していただきまして、今回、検討の対象になるナノマテリアルというの は、一般的には分子・原子レベルよりは大きくμmのマクロスケールよりは小さなものと言われ て、ナノオーダーのサイズのものと言われておりますが、国際機関等で明確に定められた定義と いうのはございません。各国各機関でいろんなガイドラインや報告などをまとめていますけれど も、そのガイドラインなどをつくっているところの定義を抜粋いたしますと、今のところ、少な くとも一次元が100nmよりも小さいものというような定義がよく使われている次第でございます。 先般、厚生労働省の方で出させていただいた通知においても、この定義を引用しております。こ の定義によれば、100nmの粒子径の球形の粒子だけではなくて、幅が100nmの繊維や薄さが 100nm以下の薄膜などもナノマテリアルに入るということになります。  各国のガイドライン等の定義につきましては、資料の6ページ以降にそれぞれ引用しておりま すので、また後ほど御参照いただければと思います。  ナノマテリアルの定義については小さいというところだけではなくて、性状においても特徴が ございまして、バルク、いわゆる通常の目で見えるような大きさのものとは異なる性状が表れて いるということも定義の中に含まれる場合があります。この異なる性状というのは表面積が増加 することで、いわゆる効率的な何かが表れるというものと量子効果があると言われております。  表面積の増加とは、粒子径をどんどん小さくしていけば当然表面積は増加していきます。同じ 量でも表面積を利用する触媒反応などが効率よく行えるというような特性を持っている。  また、量子効果というのは、粒子をナノオーダーまで小さくすることでいわゆる量子的な特徴、 つまり離散的な特徴というものが表れてきます。この特性を生かしてデジタルな情報をそこに盛 り込んだ形での利用、蛍光などの光の発光などに利用するといった用途もあるようです。  今、簡単に紹介したような小さなサイズであること、それからバルク、いわゆる目で見える大 きさの性状とは異なる性状が表れるというところが、生体に対してどのような影響を与えるかと いうのを、今、各国各機関で研究されているところでありまして、この検討会でもそういう特性 を念頭に、どういうことをやっていけばいいのかというのをご議論いただければと考えておりま す。  次に、2ページ以降「2.ナノマテリアルの用途・生産量について」簡単に紹介させていただ きます。東レリサーチセンター、東レ経営研究所において、本年度関係団体等からヒアリングし たこと、それから公開されている情報からとりまとめた資料ですので、国内のナノマテリアルの 開発状況を網羅的に御紹介するような資料ではございませんが、今後のイメージをつくる参考に なればということで今回載せさせていただいております。  4ページをごらんください。表1ですけれども、ナノマテリアルの種類と用途で、○、△で紹介 させていただいているものです。縦軸はナノマテリアルの種類を載せております。ナノマテリア ルについては、構成する元素によってさまざまな種類があります。同じ元素でも、例えば同じ炭 素でも球形に結合すればフラーレン、円筒状に結合すればカーボンナノチューブというように、 同じ元素であっても種類が違うものというものがございます。それらについて、代表的なものを 縦軸に並べております。それぞれのナノマテリアルの種類の説明というのは9ページ以降に載っ ております。また、わからないものがあれば御参照いただければと思います。  これらナノマテリアルの種類に対してそれぞれの用途、現在使われているものが○で示されて います。今後、使うと見込まれているものが△で示されています。横軸に並べられてそれぞれの 種類に対する用途が並べられております。図1をごらんのとおり、ナノマテリアルといっても種 類ごとにいろいろな用途がありまして、例えば同じ炭素でも一番上のフラーレンと、3番目の多 層カーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブについても、用途が異なってい ることがこの図から読み取れると思います。  全体的にながめれば、現時点では化粧品と電子機器材料が今、使われているようでございます。 今後の用途なども考えれば、多種多様な分野で今後使われていくというのはこの図からわかると 思います。  5ページをごらんください。これは主要なナノマテリアルの使用量と、横軸が粒子径を図に示 しております。図2からも示されるように、既に数十万トンオーダーで使用されているものもあ れば、今後、開発するということでまだ研究レベルで使われているようなナノマテリアルの種類 がございます。種類は異なりますけれども、いろいろなサイズのものが既に市場に出ているとい うことがこの図からわかります。  今日御紹介させてもらいましたのは一部の用途や使用量等でございますけれども、今後、2回 目でもいわゆる用途等は詳細に御紹介させていただきます。これら現在の使用状況なども踏まえ ながら御議論いただければと考えております。  簡単ですが、ナノマテリアルについて御紹介させていただきました。  以上です。 ○福島座長 ありがとうございました。  今、事務局の方からナノマテリアルについて、資料4を参考にしながら説明してもらいました が、このことにつきまして何か御意見、御質問等ございますか。  蒲生先生、どうぞ。 ○蒲生委員 ちょっと確認させていただきたいんですが、ナノマテリアルが少なくとも一次元が 100nmより小さいということで定義されています。余り私自身も定義を厳密にと言うつもりはな くて、また次回以降出てくるかと思うんですが、材料自体はこういうスケールであっても実際に ばく露する場面ではもう少し大きい固まりになっている場合に、それはもうナノではないので、 この検討会の対象ではないとなるのか、あるいはもともとの材料がそのスケールであるから、い ろんな用途に使われて他のものと結合した状態でも、一応この検討会のターゲットになるのかと いう辺りを少しお聞かせいただければと思います。 ○事務局(安全衛生部) まず検討会の中でそれも対象に議論していただいて、議論の中でマク ロの大きさになっていったものについては、有害性は検討しなくていいという流れになれば、そ こは外してもらって結構だと思うんですけれども、最初から外すのではなくて、やはり議論の中 にはまず含めていただきたいと考えております。 ○福島座長 蒲生先生、よろしいですか。 ○蒲生委員 結構です。 ○福島座長 ナノのときにいつも問題になるのは、そのサイズの問題だと思うんです。今、事務 局から説明がありましたけれども、最初から窓口を狭めるのではなくて、まず広くとらえていく という形でよろしいわけですね。それで、検討会を積み重ねるうちにいろいろな課題が出てきて、 またそれに対して結論を出していくということにしたいと思います。  ほかにございますか。どうぞ。サイズの問題について蒲生先生から御質問がありましたが、よ ろしいですか。  ありがとうございます。  それでは、次に行きたいと思います。本日の議題3番目「(3)厚生労働省等におけるこれまで の取り組みについて」事務局から説明していただきます。お願いいたします。 ○事務局(医薬食品局) それでは、資料5に基づきまして「厚生労働省等におけるこれまでの 取り組みについて」簡単に御紹介させていただきます。  まず最初に「1.厚生労働省における取り組み」を紹介させていただきまして、その後「2. 他省庁における主な取組み」、3つ目として経済協力開発機構における取組み、4つ目として「4. 諸外国の主要な報告書の概要」、最後に「5.自主的届出制度」について紹介させていただきたい と考えておりますが、まず最初に一番最後に添付させていただいております表をごらんください。  こちらは日本、OECD、米国、英国、そのほか(EU、ドイツ等)で、どのような取組みが どのような時期に行われたかというのを年表形式にまとめたものでございます。今からここに記 載してあります事項については簡単に御説明させていただきますけれども、この年表も適宜参考 にしていただきながら、このような流れでナノマテリアルの安全対策が各国で行われてきている というイメージを持っていただければと考えております。  それでは、1ページ目にお戻りいただきまして、まず最初に厚生労働省におけるこれまでの取 組みについて御説明させていただきます。  「(1)ナノマテリアルの安全性に関する研究事業」でございますが「化学物質リスク研究事業」 の枠組みにおきまして、産業利用を目的として意図的に製造等をされるナノマテリアルについて、 毒性メカニズムや体内動態の把握など、毒性発現に影響を及ぼす因子を体系的に把握し、ナノマ テリアルへのばく露による有害性の評価に利用可能な手法の開発に資する研究を採択してきてい るところでございます。  その下に記載しておりますとおり、平成16年度から平成19年度にかけまして採択課題数も増 やし、また、その金額も増えてきているというような状況でございまして、このような流れで平 成20年度においても重要な研究課題を採択していきたいと考えております。具体的な研究内容に つきましては、この検討会の中で別途御報告させていただければと考えております。  続きましてイで「労働環境におけるナノ粒子の環境ばく露指標に関する研究」が、本年度より 3か年計画で実行されております。こちらにつきましても参考資料に添付させていただいており まして、後ほど説明させていただきたいと考えております。  「(2)調査事業」、まず平成18年度の委託事業といたしまして「ナノマテリアルの労働衛生対 策について」調査研究事業を実施しております。この調査研究事業におきましては、関係する文 献情報を収集し、気中濃度の測定機器の開発状況や呼吸用保護具の開発状況、更には各国の労働 衛生対策の状況などについて現状把握をし、報告書をまとめていただいているところでございま す。  2ページ、「イ.ナノマテリアル安全対策調査業務」は、消費者向け製品の安全性を確保すると いう観点から行っている調査業務でございまして、具体的には消費者製品に使用されているナノ マテリアルの用途や生産量、ナノマテリアルの安全性情報に関する文献調査、海外におけるナノ マテリアルの安全性に関する規制状況などの調査を行っていただいております。調査結果につき ましては、この検討会においても適宜紹介させていただきたいと考えております。  「(3)予防的対応」先ほど資料の中で説明がありましたとおり「ナノマテリアル製造・取扱い 作業現場における当面のばく露防止のための予防的対応について」という通達を発出しておりま す。関係団体や都道府県労働局長に対しまして、関係事業場への情報提供の周知徹底をお願いし ているところでございます。  続きまして、他省庁における主な取組みを紹介させていただきたいと思います。すべて網羅的 に御紹介できませんので、主な取組みということで御理解いただければと思います。  まず「(1)内閣府」におきましては、第3期科学技術基本計画の中におきまして、ナノテクノ ロジーの社会受容ということについても記載がございます。この中におきまして、各府省がこの ような対策については連携・協働して取り組むべきであり、また、研究者自身が責任を持って研 究開発に取り組むべきであるというようなことが記載されております。  このようなことを踏まえまして、「イ.科学技術連携施策群」といたしまして、平成19年度に 「ナノテクノロジーの研究開発推進と社会受容に関する基盤開発」というものが設置されており ます。また、それを補完する課題といたしまして「ナノテクノロジーの研究開発推進の共通基盤 となるデータベース指標の構築に向けた調査」というものが、平成19年度から3か年事業で採択 されております。中身といたしましては、ナノテクノロジー研究開発、そして社会受容に関する 基盤開発を推進することを目的としたものでございまして、この研究を採択された補完的課題に おいてはデータベース指標の考え方を確立するための調査事業というものが実施されていると聞 いております。  続きまして「(2)文部科学省」で、科学技術振興調整費におきまして、平成17年度に「ナノ テクノロジーの社会受容促進に関する調査研究」が実施されております。この調査研究におきま しては、関係する公的研究機関やそのほか関係する団体の方々が集合して検討を行いまして、行 政機関あるいは公的研究機関、産業界に対してさまざまな提言がなされております。この概要に つきましては参考資料3として添付させていただきましたので、適宜参考にしていただければと 思います。  平成18年度には「ナノテクノロジー影響の多領域専門家パネル」として、多領域の専門家の方々 に結集していただきまして、例えば生体等への影響の優先的事項などについてとりまとめを行っ ていただいているところでございます。  「(3)経済産業省」で、まず研究事業といたしまして「ナノ粒子特性評価手法の研究開発」が 平成18年度より5か年事業として実施されております。具体的には、ナノ粒子計測技術の確立で あるとか生体影響評価手法、ばく露評価手法などの開発を目指されていると聞いております。  調査事業でございますけれども、平成18年度の委託調査事業といたしまして「ナノテクノロジ ーの研究・製造現場における適切な管理手法に関する調査研究」が実施されておりまして、この 調査結果の抜粋を参考資料4として添付させていただいておりますので、御参考いただければと 思います。  ウ.そのほかで「ナノテクノロジー政策研究会中間報告−ナノテクノロジーによる価値創造の ための処方箋(4つの国家目標と7つの推進方策)」というレポートがまとめられております。こ の中で7つのアプローチが提言されておりますが、その1つとして、ナノテクノロジーが社会に 与える影響と配慮すべき事項についても論じられているというような状況でございます。  「(4)環境省」におきましても、来年度から環境ナノ粒子環境影響調査という調査が実施され ると聞いております。  かなり駆け足で今、御説明させていただきましたけれども、関係するこのような研究の内容に つきましては、この検討会の中においても発表していただくようなことができればなと考えてお りますが、このようにさまざまな取組みが厚生労働省あるいは関係する関係府省において行われ ているという状況でございます。  続きまして、3のOECDにおける取組みについて説明させていただきます。  まず「(1)経緯」でございますけれども、2005年にいわゆる化学品合同会合という会合におき まして、工業ナノ材料の安全性に関する特別セッションが開催されております。続く同年12月に はワシントンにおいてワークショップが開催され、このような流れを踏まえて2006年9月に Working Party on Manufactured Nanomaterials、工業ナノ材料安全部会と訳させていただいており ますが、この部会が設立しております。翌月の10月には第1回、2007年4月に第2回、2007年 11月に第3回のWorking Partyが開催されておりまして、合計8つの作業部会が設置され、それ ぞれの実施計画についても議論がなされてきているという状況でございます。OECDの化学品 のプログラムの中でもかなり活発な活動が展開されているという状況でございます。  (2)に目的を示させていただいております。ナノマテリアルの厳格な安全性評価の開発を促 進するため、工業ナノ材料のヒト健康及び環境の安全性に関する側面における国際協力を促進す ることが目的とされておりまして、具体的な活動の枠組みを(3)に示させていただいておりま す。  2006年〜2008年までの作業計画は合意がされておりまして、以下に示すような作業分野から構 成されております。これらの作業分野を実行するために、先ほど申し上げましたとおり8つの作 業部会が設置されております。それぞれの作業部会は活発な検討が進められているところでござ いますけれども、その中で1つ特記すべき注目として「(4)スポンサーシッププログラム」につ いて説明させていただきたいと思います。  こちらはSG3、Steering Group3の取組みの一環といたしまして、2007年11月から開始され たプログラムでございます。OECDのSteering Group3におきまして、生産量の多さなどの観点 から選択された代表的なナノマテリアルに関しまして、あらかじめ合意された安全性情報項目に ついて情報収集あるいは試験を実施するというものでございます。  各国が自主的に特定のナノマテリアルのスポンサーとなり、試験計画を策定することとされて おりまして、日本は現在、米国と共同で、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、複層カーボ ンナノチューブのスポンサーとなることを既に表明しているところでございます。  OECDについては以上でございます。  「4.諸外国の主要な報告書の概要」について説明させていただきたいと思います。  諸外国におきましてもかなり活発な議論が進められておりまして、とてもすべての報告書を紹 介することもできません。また、主要なものだけにおいてもかなり大部のものがございますので、 今後の検討会の検討項目を踏まえながら、必要に応じましてもう少しそれぞれの報告書の内容を 詳しく御説明させていただくこともあろうかと思いますけれども、本日はごく簡単にどのような 機関がどのような報告書を出しているのか、簡単に説明させていただきたいと思います。  まずアメリカでございますけれども、国立労働安全衛生研究所、NIOSHからは2005年11 月に酸化チタンの健康ハザード評価と作業環境ばく露に関する勧告が出されております。  1つ飛ばしまして、2007年2月におきましては「ナノテクノロジー作業現場での安全性確保検 討の進展」ということで、重要な10項目の分野について進行中のプロジェクトの状況などを記述 するような報告がなされているところでございます。  7ページ、ウの米国環境保護庁におきましては、2007年2月に「ナノテクノロジー白書」が公 表されておりまして、ナノテクノロジーの環境改善への利用に関する研究と同時に、リスク評価 研究などの項目などについて進めるべき内容に関し勧告がなされているというような状況になっ ております。  また、米国食品医薬品庁からは2007年7月にナノテクノロジーという報告書が発表されており ます。こちらはFDAの規制の観点から、ナノテクノロジーが提起する課題を評価するために検 討されたものでございます。ナノスケール物質の生物学的相互作用に関する科学の現状の概要や 科学・規制に関する事項について分析した結果が報告されており、ナノスケール物質の安全性や 有効性に関する情報を事業者に対し要求すること、あるいは製造事業者に対し開発の初期段階に おいてFDAと情報交換をするようにといったような勧告が記載されております。  「(2)英国」で、英国におきましても英国政府第1報、そして第2報とレポートが発出されて おりまして、この2報は基本的には、主に英国王立協会・王立技術アカデミーが2004年に出した 提言に対応するような形で出された政府の報告書でございまして、どのような検討課題があって、 どのような研究事業がなされていて、またどのような資金調達のメカニズムがあるのか。そうい ったことについて報告し、第2報においてはそれをアップデートしているというような状況でご ざいます。  「(3)ドイツ」からは、ドイツ連邦労働安全衛生研究所から「ナノ材料の使用と取り扱いのた めのガイダンス」といたしまして、ナノ材料の生産と使用の現場におけるガイドラインが提示さ れているところでございます。また、安全教育の実施や個人用保護具の着用など幾つかの点につ きまして勧告もなされているという状況でございます。  「(4)欧州委員会」からも幾つか報告がなされておりまして、まず「ア.新規及び新たに特定 された健康リスクに関する科学委員会」からは、2007年3月に「新規及び既存物質のための技術 指針文書に従ったナノマテリアルのリスク評価の適切性に関する意見」と題しまして、現時点の 技術指針文書がナノマテリアルのリスク評価を行う上で適切なのかどうかという点について検討 を行い、リスク評価手法の改善点や求められる追加情報や科学的知識について提言がなされてい るところでございます。  また、消費者製品に関する科学委員会からは「化粧品中のナノマテリアルの安全性に関する予 備的見解」として報告が出されておりまして、例えば不溶性のものについては、粒子数や表面積 などを考慮することが重要であることや、現在においては必ずしも十分な情報がないと思われる ような領域について指摘がなされているというような状況でございます。  このように、さまざまな機関からさまざまな報告書が提出されているところでございますけれ ども、このような報告書に加えて自主的届出制度というものが行われております。こちらは強制 ではないのですけれども、ナノマテリアルの安全性を考えていく上で情報収集することが大事だ ろうということで、ナノマテリアルの情報につきまして自主的に事業者に対して届け出ることを お願いしているというような取組みでございます。  「(1)オーストラリア」におきましては、2005年から2006年の間にオーストラリアにおいて 製造、輸入されたナノマテリアルにつきまして、届出を依頼しているという状況でございます。  「(2)英国」におきましても、2006年9月から2008年9月まで自主的届け出スキームという ものが実施されており、そこに記載してあるような情報につきまして情報提供をお願いしている というところでございます。  10ページ目、現状でございますけれども、2007年12月現在、産業界から7つ、アカデミアよ り2つの報告が提出されているというところでございます。  最後になりましたが、米国環境保護庁におきましても似たような取組みが始められております。 先々月の本年1月より始められておりまして、ナノスケール物質スチュワードシッププログラム というものでございます。基本計画及び詳細計画から構成されておりまして、基本計画におきま しては、既に入手可能な情報について自主的な提出を求めているというところでございます。ま た、詳細計画につきましては、足らない情報について自主的に事業者が試験等によってデータを 作成し、提出するように呼びかけているというものでございまして、EPAもデータ作成に向け た作業の手助けを行うと記載されております。  いろんな取組みについてざっと説明させていただきまして、なかなか難しいところもあろうか と思いますけれども、以上で説明を終わらせていただきます。 ○福島座長 ありがとうございました。  駆け足で厚労省の取組み、それと他省庁の取組み、それから各国の取組みなどについて説明し ていただきましたけれども、何か御質問ございますか。  樋口さん、どうぞ。 ○事務局(安全衛生部) 事務局から参考資料1と参考資料2について若干補足の説明をさせて いただきます。 ○福島座長 お願いします。 ○事務局(安全衛生部) 参考資料1をごらんください。これは先般、厚生労働省労働基準局に おいて発出させていただきました通知でございます。  現在、ナノマテリアルについてはヒトに対する有害性というのはわかりません。今まさに、こ この検討会の中で今後どういう対策が必要なのかというのを御議論いただくわけですけれども、 その結論が出るまでの間については、ナノマテリアルを取り扱う事業場において検討会の結果を 待つのではなくて、それまでに予防的な観点からそういう結論が出るまで、極力労働者の方への ナノマテリアルのばく露がないようにということで発出させていただいておるものでございます。  本検討会の場で、今後の対応について御検討いただくわけですけれども、この通知の中で示さ れている個々の対応についても、例えばこういうやり方がいいとか、こういうのをもうちょっと 充実させた方がいいとか、個別にこういうものがいいというような議論もしていただければと考 えているところでございます。それが、参考資料1の補足説明です。  参考資料2の説明もさせていただきます。これは労働安全衛生総合研究所の方で、昨年の4月 から3年計画で労働者のばく露防止に係る研究をお願いして実施していただいているものでござ います。タイトルが「先端産業における材料ナノ粒子のリスク評価に関する研究」ということで、 資料5には違う研究名が書いてありますけれども、こちらが正式な名称ですので直していただけ ればと思います。  参考資料2の下側の表をごらんください。現在、6つのテーマについて研究していただいてお ります。この6つのテーマというのが、平成18年度にナノマテリアルの労働衛生対策についてと いう調査事業の中で、研究レベルでまだこの部分が足らないと言われているようなところについ て整理して研究をお願いしているものでございます。  参考資料2の裏側をごらんください。研究のスケジュールについてですが、今年度は「(2)実態 調査」について関係団体に御協力いただきまして、アンケート調査、それから現場の作業実態と いうものの把握に努めております。  同時に(3)ですけれども、測定手法も今年度研究開発されておりまして、来年度から、来年度と 言っても来月になりますけれども、実際に測定器を現場に持ち込んでばく露実態について把握を 進めていければと考えております。  次回の検討会では、(3)の研究手法の研究、今年度1年の研究について御紹介させていただけれ ばと思います。また、ばく露測定がうまくいってある程度軌道に乗れば、今後の検討会の中でば く露実態調査の結果なども御紹介させていただければと考えています。  (5)のテーマですけれども、ハザードについても簡単な有害性の研究なども進めておりまして、 これら(1)〜(5)の研究結果を踏まえて、(6)のばく露提言を研究所としていただくというようなスケ ジュールになっています。  なお、今、御紹介した研究につきましては、この検討会で検討いただく今後の行政の施策と有 機的に連動しながら、お互い補足しながら進めていこうと考えておる次第でございます。  以上でございます。 ○福島座長 ありがとうございました。  いかがでしょうか。何か御質問ございますか。  どうぞ。 ○土屋委員 がんセンターの土屋です。  予防策というかよく検討されていると思うんですが、私ども臨床家から見ると、どんなに予防 策を講じても起こるものは起こってしまうということから言うと、やっているけれどもやはりば く露してしまったあるいは火災が起こってしまった、爆発してしまった。そのときにどうするか というか、被害を最小限に食い止めるにはどうしたらいいか。今までおっしゃったのはいわゆる リスクマネージメントだと思うんですが、クライシスマネージメント的なものも最初から入れら れたらどうかなと思って、伺ったんです。 ○事務局(安全衛生部) それも勿論大事なことでございますので、この検討会の中で議論いた だければと思います。 ○福島座長 ほかにございますか。  先ほど海外各国の取組みについて紹介してもらいましたけれども、昨年か一昨年、たしかWH OのIARCがやはりナノマテリアルについての会議を開いていると思うんです。そこの動きに ついては何か情報をつかんでおりますか。 ○事務局(安全衛生部) 済みません。今、手元に資料がありませんので、また御報告させてい ただきたいと思います。  ありがとうございます。 ○福島座長 お願いします。  どうぞ。 ○宮田委員 1つよろしいですか。  こうした膨大な研究なんですけれども、ナノマテリアルの定義は先ほどおっしゃっていた一次 元が100nmというところで、それぞれのレポートとか研究が一致しているんでしょうか。それと も、その定義においてかなり多様性を含んだ研究あるいは報告だと解釈すべきなんでしょうか。 そこをしっかり押さえておかないと議論が迷走しそうな気がしています。 ○事務局(医薬食品局) 各国のいろんな報告書を見ていますと、1つの線として、少なくとも 一次元が100nmより小さいというようなことがよく繰り返し出てくるんですけれども、一方でナ ノマテリアルの定義ということについては非常に難しいところがあります。ISOでも、今そう いう議論が進められていると聞いておりますので、また御報告させていただければと思いますけ れども、この検討会において安全対策を考えていく上で、100という切り方は本当に妥当なのかど うなのかという点についてはまだ検討の余地があるのではないかなと思っておりますので、検討 会においてはこの定義にがちっととらわれることなく、幅広に検討していただければと考えてお ります。 ○宮田委員 わかりました。  先ほどから100nmと言われるとほとんどタンパク質が入ってしまうので、これは一体どうした らいいだろうとずっと考えていたんです。ですから、今、御紹介されたいろんな資料あるいは研 究班がどういう定義を持っているのかというのを整理していただいて、何らかの形、表でもいい ですからまとめていただくと、この報告書は根拠になると思いますけれども、そのときの議論の 助けになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(安全衛生部) 今回、資料4の中で若干まとめさせていただいていますけれども、ほ かにも幅広に集めて、また用意させていただければと思います。 ○福島座長 お願いします。  菅野先生、何かございますか。どうぞ。 ○菅野委員 菅野でございます。2点あります。  冒頭の蒲生先生のお問い合わせと、今、宮田先生がおっしゃったことと少し絡むんですけれど も、毒性学的に今、申し上げられる問題点というのは、体内動態について考えると以下のような ことになると思います。  普通の物質の体内動態、代謝が絡むわけですけれども、代謝というのは一応共有結合を相手に している。ところが、ナノの場合、だんごで入っても非共有結合の段階がありますので、非共有 結合のものが体内でどうばらされていったり、再結合するかという要素がもう一つ入るんです。 ですから、そこの部分が未知だということにおいて、蒲生先生に対するお答えは、やはり最初に 体に入る粒子の大きさがマイクロ粒子であっても、一応は検討しなければいけないのではないか というのが毒性学的な立場です。  もう一点。細かい話ですが、平成16年度より厚労省でやらせていただいたときのデータベース の1つには1994年か1995年ごろの文科省の大澤班によるフラーレンの情報があります。余り毒 性学的にはin vivoの試験はやっていない研究ですけれども、かなりまとまった研究があったと思 いますので、これもベースに置かれるとよろしいのではないかと思います。  以上、2点。 ○福島座長 ありがとうございます。  今日ここで、これから今の資料のことのみならずいろんなことで発言していただいて、それを 次回からのテーマに反映させていきたいと思いますので、どしどし積極的におっしゃっていただ きたいと思います。  いかがでしょうか。どんなことでも結構です。今日の資料にとらわれないで発言していただき たいと思います。  どうぞ。 ○板倉委員 国民生活センターの板倉です。私も委員の席に座らせていただいているんですけれ ども、科学出身ということはあってもこういったことについては素人です。  国民生活センターの場合は消費者に向けて情報提供しなければいけないわけですけれども、今 のところ、ナノについて相談や苦情が入っているかと言うと、実際に消費者の方の生活の中でち ょっと引っかかってくるというのは化粧品ぐらいだろうと思います。化粧品については、二酸化 チタンに問題があるのではないかというような情報が流れまして、その件で相談が入っていると 聞いています。こういう会議があると、消費者からすれば、では使っていて大丈夫なのかとか、 どうして選べないのだろうかということが当然出てくると思います。  見てみますと、実際に、商品の中で二酸化チタンですと当然紫外線防止化粧品等に使われてい るけれども、選択できないという状況にもなっている。だから、予防が必要かどうかはまだあい まいですけれども、少なくとも今の状況で自分たちが選択できるようにしてもらいたいというこ とが、ひとつ希望としてあります。ですから、そういった考え方についても整理していただけれ ばありがたいと思っています。 ○福島座長 ありがとうございました。  確かに化粧品ということは一般の消費者の方も十分知っていますけれども、資料4の4ページ の図表1を見ましても、いろいろなものに使われている。そういうことを一般の消費者の方が知 ると、よりナノに対する懸念というものについて思ってくるでしょう。そういうこともどしどし ディスカッションしたいと思います。どうしたらいいかということです。  更に、サイエンスの面から実際にハザードアイデンティフィケーションし、それからハザード のキャラクタリゼーション、エクスポージャーの問題、マネージメントのキャラクタリゼーショ ン、リスクコミュニケーションの問題、いろいろとあると思います。それらについてどのような 結論を出していくかということに、なると思います。  いかがでしょうか。そのほか、どうぞ。 ○名古屋委員 資料4の5ページの粒径のところで、今、酸化チタンの話が出たんですけれども、 チタンの幅はこんな幅ではなくてもっと幅広いですので、この1点だけだとまずいのではないか。 要するに、今、17種類ぐらい出ていますけれども、ものすごく幅が広いですから決して1点では ないというのが1つあると思います。  もう一つは、健康影響などをしたときに、多分ナノだと凝集、分散している。分散しているも のと凝集しているものがあって、動物実験を見ていると、なるべく分散していなくて大きなもの が入ってしまうときに細胞に入るかどうか。多分生体で違ってくると思うんです。やはりその辺 のところの中で、きちっと分散されてナノ粒子が本当に細胞に入っていくのか、そうではないの か、凝集しているのかという文献の分け方もしないと、すべてナノで一くくりにしてしまうと生 体影響は違ってくるのではないかと思うので、その辺の分け方もされていただくとありがたいか なと思います。  以上です。 ○福島座長 ありがとうございます。  サイズがナノレベル、アグリゲーションが起こったものについての安全性、やはりいろいろな 考え方ができると思います。  どうぞ。 ○高野委員 資料4の4ページなんですけれども、そこにいろんな分野でのナノマテリアルの使 用状況が出ていますけれども、アルミナというのが真ん中辺にあります。これは化粧品原料とし て使われています。多分20年以上前から使われています。ただ、粒径の情報は持ってはいません。 原料として酸化アルミニウムは以前から化粧品に使われているということですので、ここは一応 ○を足していただいた方がいいと思います。  以上です。 ○福島座長 ありがとうございました。  訂正ということですね。  ほかにどうぞ。 ○長谷川委員 今、5ページのところを見ていまして、指摘がありました酸化チタンの話があり ます。先ほど、サイズが100nmよりも小さいということなんですが、5ページで見ますと、幾つ かリポソームあるいはカーボンナノファイバーとかの100nmよりも大きい部分に記載されている ものもあって、先ほどの定義とずれているような気がします。 ○福島座長 その点はいかがですか。 ○事務局(安全衛生部) 各国の定義を御紹介させていただきましたが、先ほどの議論と同じで すけれども、そこにとらわれる必要はございません。カーボンナノファイバーなども一応ナノと いうことで取り扱われている現状がございますので、これも100nmというきちっとしたラインか らは外れていますけれども、御議論の中に入れていただければと考えております。 ○福島座長 どうぞ。  先ほど来、ナノのサイズ、安全性、更には安全対策をどうするかという問題に入ってくるんで すけれども、サイズについてどういう観点からここでは議論していったらいいか。今、何か御意 見ございましたら、お聞かせいただくとありがたいです。どうでしょうか。  菅野先生、どうぞ。 ○菅野委員 二酸化チタンの例とナノチューブの例で御説明すると、IARCが二酸化チタンを グループ3からグループ2Bに上げました。そのときのデータはかなり昔のデータなので、マイ クロ粒子でもナノ粒子でも違わないというデータで上げてきているんです。ですので、マイクロ 粒子でも有害性が疑われるという情報が出つつある物質もこの表にはあるんですが、では本当の ナノのチタンの毒性となると、恐らくまだ何もわかっていないというのが実情ではないかと思い ます。  マルチウォールカーボンナノチューブを扱った経験からしますと、目の前に渡されるバルク材 は黒い粉ですから目にも見えます。ですから、固まりとして存在するんです。顕微鏡で見ると、 光学顕微鏡で見えるサイズも入っている。恐らくその粉の中には光学顕微鏡で見えないものまで ずっと混ざっているということですので、ナノ材料といってもマイクロからナノまで全部入って いるというのが第一認識です。  そのうち、すぐに顕微鏡で見えたり、すぐに今までの毒性試験で引っかけられるのは恐らくマ イクロ粒子の方が先で、そちらの結果の方が前面に出てくる。その場合はナノ粒子本来の毒性と いうのは隠れてしまう可能性がある。マイクロ粒子とナノ粒子というのは、1つのスペクトラム を持った一つの検体としてで投与されてしまうというところをまず認識して、一つひとつ分解し て、マイクロはマイクロで何を起こすかというところをきちんと見ていかなければいけない。そ この部分は恐らくNIOSHのシングルウォールナノチューブの情報以外きちんとしたものはま だないのではないかと思われますので、今後の課題なのではないかと思います。  ですから、質的に何が違うかというのは、vitroでは想定はされていますけれども、本当のin vivo ではまだ何もわかっていないんだと思います。 ○福島座長 ありがとうございました。  そのほかにございませんか。甲田先生、いかがですか。何かありませんか。 ○甲田委員 安全衛生総合研究所の甲田と申します。よろしくお願いいたします。  私は特殊エコロジストではないので、現場でいろいろな労働環境の中でどういう形で、ひょっ としたらナノ粒子にばく露しているかもしれないという観点で、今、調査研究を進めております。 先ほどからサイズの話が出ているもので、実際、我々もプロジェクト研究という形で今、進めて おりますけれども、1年目でいろいろと職場に入ったり、情報を取ったり、測定の試みをしたり というときに、やはりサイズの問題というのはかなり大きな壁にはなってくるところだろうと思 います。  そういう意味では、いろいろな粉じんに関して言うと測定技術というか評価方法というのは、 今までうちの研究所だとか旧労働省時代からいろいろな研究機関で当然やられてきたんですけれ ども、実際サイズとして大きいレベルだけではなくて、例えば小さいレベルのものも入ったとき に、それが大きいレベルとしての粉じんの把握と並行して小さいレベルまでどこまで把握できて いるのかということは、逆にまだわからないところがかなり多うございます。  更に、先ほどから出ているような例えば粒子の形、そういうものによって的確に押さえられる のかどうなのか。これも今、いろいろ試行錯誤している最中でございますし、各国の研究機関だ とかそういうレポートの発表だとかというものを確認している最中なので、それもまだ課題があ るんだろうと思います。  ただ、先ほどから事務局の方が言われるように、一応ターゲットとして、大きさとしてこうや って絞っていくのかというような前提ではなくて、広く議論するのであれば、そのただし書きと して例えばどんな物質がどの程度のサイズで我々が現状だと認識できて、それがどういうような 形で労働者がばく露する可能性があるのかだとか、更に限定された情報の中でのいろいろな毒性 試験だとか、いろんな動物実験だとかというようなものがどういう影響を及ぼしているのかとい うことを精力的に整理することで課題をうまくまとめて、この検討会で広く皆さんの意見が出る ような形で資料が出せればなと思っております。 ○福島座長 ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。土屋先生、どうぞ。 ○土屋委員 私は肺がんのことを長年やっていたので、肺の障害から見ると、やはりサイズが大 きいものほど気管支の太いところへ沈着するというか、シリカは昔から問題になっていますけれ ども、肺の奥の方まで入ってしまって、いわゆる肺線維症のような形になる。この間、話題にな ったアスベストなども奥まで行って、更に奥に行って、肺の表面から顔を出して胸膜に刺激をし てと、見てきたようなうそを言っている面もあるかもしれないんですが、中皮腫というのはそん なことだろうというようなことを言われています。恐らく100で切るかどうかということは別と して、我々が健康障害の方を考えるときに、その場が大きさによって多少変わってくるというこ とは注意しないといけない。  もう一点は、ばく露する量です。それによってもかなり影響が変わってくるのではないかとい う印象で見ております。 ○福島座長 ありがとうございました。  生体に入る前のサイズの問題と、それから生体内に入ったその場でのサイズの問題もいろいろ あると思うんです。  そのほか、どうでしょうか。どうぞ。 ○蒲生委員 産総研の蒲生です。  先ほど事務局の方から御紹介いただきました経済産業省系の研究の「ナノ粒子特性評価手法の 研究開発」というところでも、動物試験をいろんな方面でやっております。菅野先生の方からの コメントで、実際のナノ材料やナノ粒子というのはサイズとして広いスペクトルを有していると いうことがありましたけれども、我々のプロジェクトの中ではなるべく粒子を小さい方に、なる べくスペクトルが広くならないように、調整自体の技術開発に相当なエネルギーをかけて、その 上でin vivo、in vitroの試験をやっております。現在、いろんな試験での結果が出つつあるところ でもありますので、またこちらの検討会の中でも紹介する機会があればと思っております。 ○福島座長 そういう意味で、各省庁間での横断的な情報交換というのはあり得るんですか。ど うなんですか。 ○事務局(医薬食品局) 先ほど資料5の3ページ目で紹介させていただきましたとおり、科学 技術振興調整費の場面において、研究者の方々、参考資料3の後ろの方を見ていただければ、参 加していただいた先生方のお名前も記載されてございますが、関係する公的研究機関の先生方が 一堂に会して、いろんな検討をしてきているという状況でございます。そういうことを1つの発 端といたしまして、少なくとも私が承知している範囲では、研究者のレベルではかなり交流が進 んでいるのではないかと私自身は思っておりますので、そういう意味ではいろんな事業がいろん な省でなされているように見えます。やらなくてはいけない課題はたくさんありまして、それぞ れの特徴を生かしながら、互いに補完、補強し合いながらやっているものと認識しています。 ○福島座長 研究者レベルの、これは総合科学技術会議がそれをオーガナイズするかどうか知り ませんけれども、事務局レベルででもそこのところをよくウォッチングをしていただいて、我々 の方に情報を提供していただけるとありがたいと思います。  竹村先生、どうぞ。 ○竹村委員 物質・材料研究機構の竹村です。  今の府省連携については、もともと日本の取組みのきっかけは2004年6月の責任あるナノテク ノロジー研究開発に関する国際対話で、そこに日本が初めてそういう国際対話に参加した。それ は内閣府主導でやった。  その後、同じ年の8月に産総研の阿多さんが中心になって、ナノテクノロジーと社会という討 論会をスタートしました。そこで、産総研と衛生研、環境研、物材機構の4研究機関が連携して、 その次の年の科学技術振興調整費のスタートにつながったということなので、かなり府省連携と いうことは実際にいろいろやってきているのかなと思っています。  もう一つ。話は変わりますけれども、先ほどの寸法についてこういう議論はずっと続いていて、 結局サイズもそうなんです。あと、意図的に合成されるナノ粒子なのか、非意図的に合成される のか。あるいは意図的に体内に入れるものか、非意図的に入れるものかとか、そういうような非 常に細かい分類があって、結局OECDもそうだと思うんですが、ある程度、具体的な物質を特 定してやっていかないと議論が進んでいかないのかなという感じがいたします。  アメリカも最初にこれをやったときには、勿論物質としてナノ粒子はいっぱいあるんですけれ ども、対象として最初に取り上げたのがカーボンナノチューブとフラーレン、二酸化チタン、量 子ドット。量子ドットというのは何で入ってくるかと言うと、蛍光体を体内に入れて、いわゆる マーカー的な役割を持った、そういうものの研究が結構やられていたのでそれが入った。その4 種類に限定した。ほかの国はほかの国でまた別の物質を特定していったんですが、多分OECD もそういうふうなベースがあったので、こういうふうに特定したんだろうなと思っています。 ○福島座長 ありがとうございました。  土屋先生、どうぞ。 ○土屋委員 度々発言してあれなんですが、資料5の7ページの先ほど御指摘があったFDAの ことです。製造事業者に対する開発の初期段階においてFDAと情報交換ということを勧告と、 これは大変大事なことだと思うんです。  私は、同じ資料の2ページに書いてある内閣府の「ナノテクノロジー・材料分野」のプロジェ クトチームに入っているんですけれども、医学関係者は私1人で、あとは工学系の開発する方ば かりなんですが、実際にその安全性の評価とか、産総研の方々ですといわゆるアメリカのFDA のような臨床に近いところとはかなりかけ離れた確認なんです。ですから、是非その辺は省庁間 の連携をとっていただいて、ナノ材料のところで開発する段階からそういう臨床系が関与してい くというようなことが必要ではないかと思います。 ○福島座長 ありがとうございました。  いかがでしょうか。大前先生、どうぞ。 ○大前委員 今、ナノ系でお話を聞いている限りでは、皮膚か肺かというようなイメージで聞い ていたんですけれども、これは消化管からの吸収。恐らく消化管というのは一番面積の広い吸収 経路だと思うんです。私は残念ながらその情報は全然まだ探索もしていないんですけれども、消 化管からの吸収というようなことも、もしデータがあれば出していただきたいなと思います。 ○福島座長 ありがとうございます。  吸収経路のところで、いろいろなところで確かに吸収される可能性は十分あるんですね。  山本さん、どうぞ。 ○事務局(医薬食品局) 文献情報でどのような試験が報告されているかということにつきまし て、今、整理中でございまして、そのときにまだ結果は出ていないので何とも申し上げられませ んけれども、投与経路別にもしまとめられるようであれば、まとめてこの検討会でお示しさせて いただければと考えております。 ○福島座長 文献情報をしっかり集めていただいて、そういうのを分類して提供していただける とありがたいです。吸収に関する文献、サイズに関する文献とかいろいろ分けて出していただけ ると、我々にとっては時間の節約と更に的確に理解することができると思います。そのほか、先 ほど板倉委員の方から発言がありましたけれども、消費者の方の立場からの文献もあったら、幅 広く集めていただけるとありがたいと思います。  ほかにございませんでしょうか。菅野先生、どうぞ。 ○菅野委員 竹村先生がおっしゃったように、もしこちらでもある程度物質ベースでのアプロー チをするとなった場合は、現にばく露が一番進んでいるものからやるという観点は消費者の方々 の面からも必要なのかなと思いました。 ○福島座長 ありがとうございます。  あと、いかがでしょうか。どうぞ。 ○板倉委員 労働衛生という意味である程度調べられているというお話がありますけれども、非 常にサイズが小さいとすると、アスベストと同じように周辺の住民に対する影響というのも当然 出てくる可能性があるわけです。それが非意図的につくられたものである可能性もあって、アス ベストを非意図的と言うのかどうかわかりませんけれども、私たちが今、生活している空間で、 ナノで同じようなものが実際にあるのでしょうか。要するに、暴露という意味でのベースがなく、 つくられたものだけを調べて、それだけについて問題があるように考えていると、私たちは案外 知らずにいろんなところで暴露を受けているということもあり得るわけです。そういった情報が ほしい。そうでないと、本当のリスクからすると非常に間違った方向性を持ってしまう可能性が あるのではないかという気がします。 ○福島座長 ありがとうございます。  なかなか難しい問題を含んでいるみたいですね。  ほかにございませんか。どうでしょうか。今日はフリートーキングです。今日って、別に今日 に限定しませんけれどもね。  菅野先生、どうぞ。 ○菅野委員 今の内容については環境省の方が気にしていた節があります。ですから、そちらと の連携も、ある時点からはとるのがいいのではないかと思います。 ○福島座長 甲田先生、どうぞ。 ○甲田委員 今のものに関連してなんだと思うんですけれども、実際、調査だとかヒアリングだ とかと言って、我々のターゲットは労働衛生ということになるんですけれども、聞いていて、事 業所の方ではそういう環境への問題というのを、やはり生産という意味では労働衛生以上に非常 に意識されているのはまず間違いないのかなとも思います。  それから、先ほどの竹村先生の話にもありましたように、意図的に生産した製品が非意図的に 拡散する。更に、今言われたように消費者レベルでという話になってくると、例えば私は現在川 崎に住んでおりますけれども、ディーゼルの排ガスなどというのは典型的なナノということにな ってきます。これが別に生産にされている工場ではないんですけれども、逆にそれを分けて、例 えば評価をするだとかいうのがまだ技術的にはいろんな意味で追いついていないので、本当のリ スクというのが多分かなり難しいところに来ているのではないかなとは思うんです。  ただ、この検討会の中ではなるべくリスクの弁別と言いますか、実際、OECDなどではやは りマニュファクチュラルナノマテリアルというふうに、ターゲットを組まれていると思うんです けれども、そんなものがどこにどれぐらい存在して、それを分けるためにどの程度の情報が今後 必要なのかという整理ができればいいのかなと思っているんです。 ○福島座長 ありがとうございます。  ほかにございませんか。これまでいろいろな御意見をいただいて、次回以降の検討課題の参考 になるものをたくさんいただきました。  ほかによろしいでしょうか。  ないようでしたらば、これまでいただきました意見を事務局の方で整理していただいて、また 検討会で適宜出して討論していきたいと思います。  それでは、フリートーキングはここで終わりまして、次に4番目の議事に入りたいと思います。 「(4)検討会の進め方等について」でございます。事務局からお願いいたします。 ○事務局(安全衛生部) 今日はいろいろ御意見ありがとうございました。今日ご意見いただい た資料などは、今後テーマに応じて検討会を進めさせていただこうと思いますので、その中で必 要に応じて出させていただこうと考えております。  まず資料6をごらんください。今後の議事の進め方ということで、本日は会議の趣旨説明等を させていただいたところですが、2回目につきましてはナノマテリアルの開発状況ということで、 小川先生が所属されておりますナノテクノロジービジネス推進協議会の方や、労働安全衛生総合 研究所の研究者の方から、いわゆるナノマテリアルは現状どういうものを使われているのか、あ るいは測定などの周辺技術といったものについてプレゼンテーションさせていだきまして、現在 の開発状況というのを御紹介させていただければと考えております。  3回目につきましてはナノマテリアルの有害性情報ということで、現在どんな研究が進められ ているかについて、ここに参集いただいていらっしゃいます先生の方等からプレゼンテーション していただいて、こういう有害性の研究が進んでいるということを御紹介させていただければと 考えております。  第2回、第3回につきましては両検討会合同で行いまして、情報を共有しながらそれぞれのテ ーマで御議論させていただければと考えております。それ以降については両検討会別々に行うこ とを予定しておりまして、ヒトに対する有害性が明らかでない化学物質に対する労働者ばく露の 予防的対策に関する検討会につきましては、それ以降、労働安全衛生総合研究所の現在行ってい る研究の報告なども踏まえながら、労働者のばく露に対してどういう取組みが予防的に必要なの かというのを御議論いただくことになります。  また、ナノマテリアルの安全対策検討会においても別途必要な検討をやっていただきまして、 両検討会それぞれ別々ですけれども、秋ごろをめどに報告書をまとめさせていただければと考え ております。勿論、両委員会別々に行う場合でも必要に応じて情報を共有されるように、事務局 の方から御報告なりさせていただくこととしております。また、座長の福島先生にもその辺りの フォローをお願いできればと考えております。  以上でございます。 ○福島座長 ありがとうございます。  ただいま、資料6の検討会の検討スケジュールのことについて説明していただきましたが、ス ケジュールについて何か御質問ございますか。よろしいでしょうか。  ありがとうございました。そうしますと、本日の議題、あとは「(5)その他」というのが残っ ております。何か「(5)その他」でございますか。 ○事務局(安全衛生部) 今日の会議の議事録につきましては後日、ここに集まっていただいた 専門家の参集者の方に御確認いただいた後、厚生労働省のホームページで公開させていただきま す。また、資料についても同様に公開する予定でございます。  次回以降の開催日については別途日程調整させていただきまして、4月ごろになるかと思いま すけれども、追ってお知らせいたしますのでその際はよろしくお願いします。  以上でございます。 ○福島座長 ありがとうございます。  そうしますと、これで本日の議題はすべて終了ということですけれども、忘れてた、ここでど うしてもこれを言いたいということもう一度ありましたら、どうぞ。よろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは、本日の検討会を終了させていただきます。お忙しいとこ ろ、出席していただいて活発な御討論をいただきましたことを感謝申し上げます。どうもありが とうございました。 照会先 厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課 電話03-5253-1111(内線5510) 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室 電話03-5253-1111(内線2423) 1