08/02/20 社会保障審議会介護給付費分科会第48回議事録 社会保障審議会 第48回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所 : 平成20年2月20日(水) 午前10時00分から午後1時00分まで グランドアーク半蔵門「華」 2 出席委員:天本、池田、石川、井部、大島、大森、沖藤、勝田、川合、木下、木村、小島、 齊藤、高橋、田中(滋)、田中(雅)、池主、対馬、中田(村上参考人)、村川、山本の各委員 3 議題 <審議事項>  1.療養病床から転換した介護老人保健施設について  2.療養病床の転換を支援するための人員基準等の特例について  3.その他 (鈴木老人保健課長)  それでは、第48回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただく。  初めに、本日の委員の出欠の状況だが、神田委員、矢田委員が欠席との連絡をいただいている。 また、本日は、中田委員に代わり村上参考人に出席していただいている。  したがって、21名の委員の先生方に出席いただいているので、定足数である過半数に達し、会 として成立していることを報告する。  また、本日は、保険局の総務課の医療費適正化対策推進室長及び同局の医療課企画官に出席い ただいている。  それでは、以降の進行は大森分科会長にお願いする。 (大森分科会長)  まず、事務局の方から、本日配付している資料についての確認と説明をお願いする。 ○鈴木老人保健課長より各資料について確認。   (大森分科会長)  それでは、以下、議題が3つあるので、まず、議題の1から始める。昨年、私どもとしては10 月12日に開催された43回のこの給付費分科会以降4回にわたって、療養病床から転換した介護老 人保健施設における介護報酬の評価のあり方について、前回ヒアリングを含めて検討を重ねてき た。本日、事務局から、当分科会での議論の整理及び検討課題について資料を準備しているので、 これから説明をお願いするが、ちょっと分量が多いので、以下、第1議題につきましては3つに 分けて議論をいただきたい。  資料1の7ページまでの前半と、資料2の項目の1から4までについてまず議論いただく。そ れでは、事務局の方から説明をお願いする。 ○鈴木老人保健課長より資料1の1〜7ページ前半、資料2の1〜9ページについて説明。 (大森分科会長)  では、今、説明があったが、特にアンダーラインを引かれた部分について少し詳しく説明があ った。しばらくの間、皆様から意見等をいただきたい。 (勝田委員)  今、説明された中の5ページの夜間の看護職員の配置が困難な小規模の施設の場合、40人以下 の施設の場合、その看護職員が常時いなくても、オンコ―ルでいいというふうにここには書かれ ている。逆に、看護職員がいれば評価するということになっているが、私たち利用者としては、 これは人数の問題ではなくて、特に転換する老健が、やはり医療上も、急性憎悪の方もとても多 いし、それから2日に1人は看取りぐらいになるという状態の中で、小さいからといって、逆に 看護師がいれば評価するけれども、いなくてもいいというオンールで来ると。では、一体これは どこから来るのか。  前の医師の場合も、私たちは、医師もオンコールということで、そのときも同じ意見を言った かと思うが、これがまた、60人だったら1人必要だけれども、40人、小規模だから要らない。こ れは割合の問題ではなくて、そこに入っておられる人たちの命につながるものだ。だから、この ように、逆に、いれば評価する、いなくてもいいのだと。では、一体このオンコールというのは どこから、誰を、どう評価するのか。  そして懸念されるのは、では、残された介護職が、やはりそういう不安に耐えられるのかどう か。別のことだが、例えばグループホームなどで離職がとても多い理由の一つに、やはり夜間1 人になる、とても怖い、そういうところには耐えられないということでの介護職員が辞めていか れる原因にもなっていると思う。そういう中で、今、小規模だからといってオンコールで看護師 が来られれば評価する、いなくてもいいのだということであれば、残された介護職の不安にもつ ながるのではないかということ。そして、そこに入っておられる方たちの命が守られるかどうか ということでとても不安に感じるが、その点はどうか。 (鈴木老人保健課長)  やはり夜間の対応というのは、看護行為、看護処置について積み上げて算定しているわけだが、 非常に大事だと思う。そういう中で、看護職の配置というのは、前回までの議論で6対1という のが出てきたが、一定程度の人数がいれば、それは夜間の勤務もきちんと回していただけるが、 病床数が小さくなればなるほど、夜間の勤務が難しいという状態にはなってくる。勿論、もし小 さいものはオンコールしか取れないということになれば、勝田委員が心配されるようなことは確 かにあると思うが、中に入っておられる方の状況、それから看護師の確保していただく状況に応 じて、きちんと配置した場合は、我々としては評価をする。  それからオンコールだが、これは、看護職の場合は、シフトで一応きちんと回っているので、 この日は、例えばこの方がオンコールとなれば、何かあった場合には、その方に連絡を取って、 看護職がまず対応するということだが、勿論日によって、それから入っておられる方の状況によ って、勝田委員が心配しているようなことがないように、対応いただければと思う。 (勝田委員)   これはやはり人数の問題ではないと思う。やはり前から議論されて、そちらから出た資料によ っても重篤な方が相当数おられることが前提だから、人数が少なくなったから軽い方がおられる とは思えない。だから、やはりここは守らないと、小規模であろうと、大きい、60人以上であろ うと、やはりそこにいなければ、医師はオンコールで仕方がないとしても、看護師までオンコー ルになるということが当たり前になれば、これは大変なことになるのではないか。  そのように順番を決めて、では、例えば吸引とか喀痰とか、そういうものの処置を介護職員が できるのかどうか。2日に1度は急性憎悪がある中で、医師もオンコール、看護師もオンコール ということで、これは絶対、私たち利用者としては人数の大小ではないと思うがどうか。 (大森分科会長)  ちょっと関係の方からの意見も伺いたい。これは基本的に言えば、できるだけ評価する方向で 書いている。だから、これを書いたからといって、いいと決めているわけではなくて、そういう 場合にはこうやって評価しようと書いてある。現場の方の方々は、これについてどんな意見か。 (川合委員)  我々も必要性の中で何度も申しましたが、80%以上の仲間が夜勤看護をつけている。その場合 に、例えて言いまして、100床の建物があって、50床、50床の2階建てになっている場合に、50床 に1人、2人をつけることはちょっと、それこそ6対1になり難しいが、1人つけるということ は、1つの病棟はゼロになる。そういう中でのオンコール、そういう近場の中でのオンコールは、 我々の仲間は今までしているので、ゼロのところが、1人いるが、すぐ来る、そういう体制が取 れるのかどうかということが懸念だと思う。 (木下委員)  転換する場合、単独型というのが割と少ないというか、半分は医療で残る可能性も高いので、 そういうところから、割と近いところから来るという可能性もある。それと、今、医療安全、サ ービスの質と言われているので、本来は、こういう場合にきちんと配置したら加算するよという 方向がいいのかもしれないが、今の情勢では看護師が非常に集まりにくいという情勢もある。現 状の中で最善の方法と言えばこういう方法ではないか。だから、単独で転換老健でオンコールと いう場合は、かなり難しいかもしれないが、そういうときは、入る方の質をどうするかとか地域 の診療所とどう連携を取るかという方法を考えていけばいいことで、その地域、施設の特性とい うことで柔軟な運営ができる方法を考えた方が、地域にとってはよいのではないか。 (大森分科会長)  事務方で更に何かあるか。 (鈴木老人保健課長)  恐らく、勝田委員もそういう趣旨だと思うが、この場合、勿論、看護職を配置することが原則 である。それはそれで小さくても評価をする、これが原則である。ただ、どうしても看護職を回 していく上で、小規模な施設の場合は夜間常にいるということが難しい場合もあるので、その場 合にどうするかを、前回までは、具体的にこの中身というよりは、小規模についての配慮という ことで議論いただいたが、そういうことで評価をできればと思っている。  それから、もう一つは、今、木下委員から発言があったように、転換をする場合に、多くの施 設がやはり併設医療機関がある場合が多いと思う。そうすると、そちらでは看護師がいて、何か あるとそっちから来るということもあり得る。最低基準をどうするかということと、おおむね原 則としてどうしていただきたいかということは違う場合がある。  問題は、ここで例えば、小さい施設でもどうしても夜間に常時1人看護職がいないといけない ということになると、そこを満たせない施設については転換ができないということになってしま う。中に入っておられる方の状況と、実際に看護職をどこまで評価できるかという間で、安全を 確保できる原則と、それから最低限守らなければいけないラインというのを決めさせていただき たい。 (勝田委員)  本当にそうあればいいが、そうならない、逆にこれがひとり歩きしているのではないかという 懸念がある。逆に、いなくても大丈夫だ、いるところに評価すると読み取れるから心配している。 そうならなければ一番いいが、きちんとその辺は、後からそこを把握していただきたい。 (大森分科会長)  ほかに、どうぞ。 (木下委員)  今の問題だが、毎日夜いないのではなくて、たまたまいない日があり得るという解釈でいけば いいのかなという気がしている。365日毎日いなければいけないとかなり負担になる。それから、 現場でも、やはり看護師がいた方が介護職員もいいし、その施設としての価値というかそういう ものは地域から要求されると思うので、やはり現場としてはなるべくそろえようと努力はすると 思う。 (大森分科会長)  ほかのことについて何か意見等あるか。 (山本委員)  さっきの話のように、入所者に対してサービスの低下を行ってはならないということで、介護 の職員をたくさん配置している。それがそのまま転換すると、6人に1人でいいのだから、2人 余ることになる。そういうことは簡単に、「はい、あなたは要らないから」と言うわけにはいか ない。だから、この次に、これが平成23年までの間、言うならば準備期間みたいで現行のとおり にやったらどうか。そして、その後に改正したらどうか、こういうような言い方をしている。だ から、その間、今度は平成20年ですから、今年いっぱいでよく検討をして、以後、どうすればい いかを国側の方が提案をして、そして皆さんに納得していただく、そして充実した介護をすると いうこといいのではないか。  心配の点は確かにそのとおりだと思う。6人よりも4人の方がいいわけだが、しかし、そうす るとほかの制度に全部影響を与えるから、ほかの制度との均衡を保つという意味からも、この6 対1というのはいいのではないか。  私なんかは、そんなことを言うと怒られるが、私は直接入っていないが、療養病床があった。 物すごく厳しく言った。ここにいる方々は言っていないかもしれないが、県の方では物すごく厳 しく言った。だから、もうそんなに厳しく言われるならやめてしまえと、今療養病床は休んでい る。やめたというところまでは行っていないが、ベッドはもう使わないようにしようということ で、療養病床は今、もう一人もいないようになってしまった。多いときは50人ぐらいいたが、今、 一人もいないようになった。それは看護体制、医師の配置基準、あるいは、それから出てくると ころの、我々側の方が大変ないろいろなことをやらなければならないので、かえってやらない方 が楽だとなる。  今までは、ユニットの中に、こっちに一般病床があったとすれば、ここが療養病床で、2つが 同じところであればワンユニットで認めてもらったが、それを認めない、こういうことである。 今度2つに、医療と介護と分けましてもこれはワンユニットになるわけだから、配置数等につい ては、今までと同じような基準になる。だから、転換期のときだからそれで行くのかなと思って いたが、この協議をやっているうちに、6対1でもいいのではないかと出されているから、この 4対1というのは、皆さんが4対1にしてきた。今度は6対1でもいいと出しているわけだから、 この基準がぽんと切り替えができるかどうかは別として、できるだけその基準に合うように各施 設が努力をしてやっていけばいいのではないか。かえってこれは今までよりも少し緩和された、 こういう見方を私はしている。  4人でしばらくは行ってもいいと。私が調べたところ、4対1の方が多いそうである。例えば ここにこれだけあるとすれば、6対1というのはここの一部であって、あとほとんどが4対1で ある。その辺り、国の方が、もう少し猶予期間があるから、よく検討して、どうしたら4対1と 6対1をこういう転換をしたらこういうやり方、あるいは結果としてこういうふうになるという ことを示していくことが大事ではないか。今の場合は、既に配置されているものであるから、そ れはだめだと言うわけにはいかない。 (大森分科会長)  どうぞ、川合さん。 (川合委員)  今、山本委員のおっしゃったとおりで、私、第1回目、第2回目、在り方委員会の5月18日、 6月20日に申し上げたが、我々は、介護保険ができる前は全国平均で2.5対1をしていた。だから、 3対1になったとき奇異な感じを受けた。なぜ3対1になったのか。もう全老健としては2.5対1 を確保している。だから、2.5対1をつくってくださいとお願いした経緯がある。  その後、我々は今現在、大体2.1対1になっていると思う。もっと限りなく2対1に近づいてき ている。その中で、先ほど説明の中で90何%のところに、東京都は95%ですと言われたが、それ に劣ること15%かも知れないが、我々の仲間は80%以上が夜勤看護をつけている。今は2対1に 限りなく近い。ということは、4.2対1と言われたが、4対1を突き抜けている。それをどうして このときに評価していただけないのか。  やはりきちんと現行していること、8月1日に皆様にお見せしたが、座長あてに、今やってい ることを評価してくれということをお話しした。だから、このことと勝田委員のことと、私は、 また事務局の肩を持つつもりも何もないが、現行の老人保健施設ですら、100床の1階、2階のフ ロアで、1階部分は看護職ゼロかも知れないが、介護職に関しては手厚くつけている。これは個 別性のニーズというところで、地域からのニーズに応じてやっている。 (大森分科会長)  ほかに。どうぞ。 (木下委員)  現行の4対1を認めるのはいい方向だと思うが、実際には、これが前回出た資料だと100人当た り看護・介護を合わせて60数人、2対1以上の配置がされている。報酬上は6対1、4対1が 90%以上であるが、実際はもっと配置されているということと、介護保険が始まる前は3対1介 護というのがあった。介護保険が始まって人数が減って、最高で4対1ということになっている ので、これからどういう方を見ていくか、転換する老健に期待される入所者像というのから見れ ば、やはり6対1、4対1は最低どうしても必要な人員配置だ。 (大森分科会長)  ここまでの箇所についてよいか。7ページのところは、当分の間、その後は実態を見て少し検 討するとなっているが、取りあえず7ページのここまでについてよいか。次に行ってよいか。  どうぞ。 (天本委員)  今、介護職員配置の4対1は、この考え方だが、実態がこうだからということではなく、この 実態というのは要介護4、5の重い人たちが多いから、必要上に迫られて配置されている。それ をただ、今まで4対1がいるから、当分の間、認めよということでなく、ニーズに沿った対応を するためにはこれだけの人数が必要だ、あるいはそれ以上必要だということで認めてほしい。 (大森分科会長)  わかりました。それでは、7ページの後半以降について説明を受ける。 ○鈴木老人保健課長より資料1の7ページ後半以降から10ページ、資料2の10ページ以降から28 ページについて説明。 (大森分科会長)  今説明あった部分について意見をいただきたい。 (田中(滋)委員)  きっと文句のある方もいると思うが、私は2つ褒めておく。1つは、ユニット型の点数がつく ことと、それから施設基準に認知症の方の割合によってという視点が入る、この2つは大変いい 点だ。  ただし、研究者の立場から言うとその理由づけはかなり苦しくて、認知症高齢者の方のグラフ の載っている17ページを見るとわかるが、このページだけなぜか標準偏差を足している。ほかの 2つの施設基準は、標準偏差を平均値から引いている。ほかの2つの基準については、平均値よ りも更に甘くしているのに、ここだけ平均値より厳しい方を取っている。こんな無理やり何とか 説明する必要はなくて、Mの方が25%もいると労働密度も高くなって大変だから25%にしたと言 っておけばよい。ほかの2つの方の基準は、統計的な差を取っている話だが、ここは差を取って いなくて単なる分布だけ見ている。無理やりここまで標準偏差を入れずに、せっかくいいことな のだから、たくさんいるととても労働密度が大変だから25%にしたとの説明でよい。この25%は あくまで現時点なので、やってみて、25%よりもっと大変だと思えばいずれ20%にするとか、そ こは柔軟に考えるべきだ。 (大森分科会長)  何かちょっと今の、審査風の評価が出たが、ここは物言いである。これ自身の数値はそうだと 思うが、物言いについては少し工夫が要るのではないか。 (鈴木老人保健課長)  確かに学生としては落第点かもしれないが、やはり平均と標準偏差を見ていくという中で、こ れは、実は標準偏差をマイナスにするとゼロを下回ってしまう。標準偏差の使い方として、右側 に下がっているグラフだから、どう使うかについて、実は我々も少し悩んだ。  ただ、今日は示さなかったが、実は、全施設について、身体の方のニーズと、それから精神の 方のMの割合をプロットした。その上で、いわば身体は低いが、認知症はやはり高いと思われる 方が、偶然ではあるが、先生がまさにおっしゃったとおりだと思うが、25%以上いると労働強度 というのが非常に高くなる。認知症Mの方が転換する施設に一定程度おられたので、この設け方 は少し工夫が足りないかもしれないが、25%程度以上のものは拾うべきだということにはなろう かと思う。 (大森分科会長)  どうぞ。 (勝田委員)  この施設要件についてだが、やはり今は逆説的に言ったとも思うが、Mというのは最重度の、 一番手間暇がかかる方たちである。4人に1人そういう人がいなければならない。それから経管 栄養や喀痰が15%以上ということだが、この転換型というのは、医療からケアに移って医療ニー ズが低い人ということが本来だった。ところが、今、順番にやっていくと、ますます医療ニーズ が高いということでこのようにしているが、本来、では何のためにこの転換型にする必要があっ たのかと。従来、もともと医療ニーズが高い方たち、そして認知症の介護度が高い人たちがいら っしゃるわけだが、やはり最初に医療費削減ありきなのではないか。  そういう点では、こういう状態の中で、先ほども言うが、夜間は医師がいない、そして小規模 だと看護師もオンコールでいいと。実際はもっとたくさん介護職がいるという話もあるが、本当 にこれで、では何のために今転換していくのか。逆に言うと、理由づけが、やはり医療費削減し かないのではないか。一番最初に本当に介護難民が出ないのかどうか、これに沿って振り分けを していくと相当数の方が在宅に戻らなければならないのではないか。だが在宅では受け入れられ ないといった場合に、たしか介護難民は一人も出さないと言ったと思うが、本当にそうなのか。 そこを確認したい。 (大森分科会長)  どうぞ、鈴木課長。 (鈴木老人保健課長)  ちょっと確認させていただくが、我々の方の考え方としては、基本的には、今、療養病床に入 っておられる方のうちで、医療ニーズの高い方は、やはり医療保険の医療療養病床に行っていた だく。それ以外で、在宅におられる方もしくは福祉施設におられる方より医療ニーズが高い方に ついて、一定の手当てをした上で、法律的には老人保健施設であるが、転換していただく。ただ、 これは転換をするわけなので、実際に例えばそこの施設を閉めたり減らして、その方たちを在宅 に、嫌な言葉だが、追い出したり、事情があるのに出ていただくことではないと思っている。 (勝田委員)  今の関連だが、やはり医療区分1と2の3割の中で、特に認知症の方は、前も申し上げたが、 医療区分の1の方の中に相当、Mに係る方、認知症の要介護度で言うと4、5の方がいらっしゃ る。実際移る中に。医療区分と要介護度とは本来連動しない。それが、この前のヒアリングでも 医師が言っていたかと思うが、そういう中で、医療ニーズの低い方と言いながら、実際、転換型 ではやはり医療ニーズがこれだけ高いと。2日に1人は重篤な方が出る、急性憎悪の方が出ると いうことを認めた上でのことなのか。 (鈴木老人保健課長)  医療ニーズもしくは実際の看護や介護の必要度があるにもかかわらず、その必要性を無視して 基準をつくろうとしているわけではない。むしろ実際にどのぐらいの頻度で、どういうニーズが 起こってくるのか、それに対応できるための看護や介護の人たちがどのぐらい要るのかというこ とを今議論いただいている。例えば鉛筆をなめて、ここまでしか見ませんよということではない。  勿論、個別には具体的な施設の状況もしくは入っておられる方の状況で若干、この間、井部委 員もおっしゃっていた柔軟な対応というものは必要かもしれない。少なくとも最低基準としては きちんと想定し得るもの、しかもこれは、想定しているもので、ここまで見れば、勝田委員が指 摘されているような難民とか医療ニーズが見られないということはないだろうということで今、 議論いただいている。 (大森分科会長)  川合さんどうぞ。 (川合委員)  これは前回も、5月か6月にも話したが先ほどの横長の資料の13ページの説明の中で、わざわ ざ赤とブルーで何倍と書いてあるところ。そのときの説明で、細かい数字はぶれますのでという 説明があったが、もう一度言う。点滴とモニター測定は、我々の方が吸引の2.6%よりも高い。一 番右端と比べると。それを、私が理事会で、代議員会で、論理的に説明できるように説明願いた い。  それともう一つ。田中(滋)委員から、労働密度ということをおっしゃった。勝田委員の方か らもおっしゃった。私は、若干語弊のある表現をするかもしれないが、Mは医療必要ランクであ る。むしろ、我々が現場で困っているというか、本当に心のこもったサービスを提供したいのは I、II、IIIである。I、II、III、ちなみに、細かいことで恐縮だが、我々はIとIIを足すと42%、 転換型は16%、IIとIIIを足すと我々は65%、転換型は50%、I、II、IIIを足すと、我々は77%、 転換型は52%、この分科会の説明をどのようにレクチャーするのか指導いただきたい。  それともう一つ、21ページの説明のところで、○の3の中で「介護保険のゆえに」と表現され たが、そうしたら、介護保険があるから評価が甘くできないという意味合いなのか。このことも、 「ゆえに」という説明は撤回していただきたい。   (鈴木老人保健課長)  3点あったと思うが、まず1点は、横長の資料2の13ページの医療行為の頻度、これは医療ニ ーズに関するものである。先ほど私が申し上げた喀痰吸引、経管栄養は、確かに転換したものが 高いが、川合委員が指摘になったのは、点滴、それからモニター測定については既存の老健の方 が高いということ。それは数値上、確かにそうであるが、真ん中の介護療養型施設というのを見 ていただきたい。点滴であると、例えば老人保健施設3.0%が8.5%、それからモニター測定であ ると、老人保健施設2.8%が2.9%ということで、療養病床全体では確かに高い。ただ、その中で 今、具体的に想定しているような医療ニーズの高い方を特に医療保険で受けて、それ以外の方を 受ける受け皿にすると指摘のようなことが起こるということである。逆に言うと、老人保健施設 の中では、一部そういう方を看ておられるということかもしれない。  それから、もう一つ、認知症についてだが、これは指摘のとおりで、横長15ページである。老 人保健施設がランクI、II、IIIについては77%、療養病床から転換したものについては52%とい うものだが、次の16ページを見ると、Iはほぼ自立しているというものであり、IIも、誰かが注 意をしていれば自立できるというものである。基本的には施設で中心的に対応していただくのは III以上ということになろう。勿論、I、IIも全くケアが必要ないということではないが。その上 で、やはり老人保健施設と今回の転換したものを比べると、いわばI、II、IIIの軽度のところが やはり老人保健施設に多く、IVとMを合わせると老人保健施設は16%だが、転換したものについ ては42〜43%ということであるので、やはり認知症の方々の中でも症状の重症度等に応じて施設 の体系が分化しているということ。  それから最後、申しわけない。私の言い方が悪かったが、21ページの耐火基準で、「ゆえに」 という言葉を使ったかどうか不明だが、私が申し上げたかったのは、建築基準法では差がない、 介護保険法の基準省令では今、差がある、その差が転換する際に障害になってくる場合があるの で、そこについては一定の経過措置を設けてはいかがか、ということなので私の発言がもし誤解 を招くようだったら訂正したい。 (川合委員)  我々の主張をのんでいただけるような、すべてこの問題はクリアできていると私どもは思う。 100%クリアできているとは言いません。少なくとも我々の志のある施設はこういう問題はクリア できている。それをダブルスタンダードして我々がいけないということに関しては、この会は何 とか、あるいは明後日は何とか私、いろいろ集中砲火を浴びると思うが、我慢に我慢を重ねて、 4月からこの会に出られるように頑張りますが、4月からの介護給付費分科会、再来年度の介護 報酬の議論においては、速やかにダブルスタンダードを解消できるような方向で議論をお願いし たい。 (大森分科会長)  沖藤さんどうぞ。 (沖藤委員)  33ページのところのターミナルケアに関する加算のところだが、がん末期の方のターミナルケ アも行えるようにするということで、確かモルヒネ使用も可能だということは、今、疼痛ケア病 棟等で行われている、いわゆる若干ホスピス的な疼痛ケアも行われるようになると考えてよいの か。  そうすると、私は医学の素人だからよくわからないが、取材した範囲では、疼痛コントロール というのは大変難しいものだと聞いている。そういうときに、先ほどからの議論で、40人以下の ところに入ってしまえば夜間オンコールになる状況の中で、そこまでできるのかどうか、信じて よいのか。 (鈴木老人保健課長)  今、日本人の亡くなる方の中でがんで亡くなる方が非常に多い。私の個人的な意見を含めて言 うのであれば、がんに対する、末期だけではなくて、疼痛のコントロールというのは、広く行わ れなければ一般の方のためにならないと思う。そういう意味で、専用の緩和ケア病棟だけではな くて、こういう施設にも、勿論がんの末期もしくは疼痛のコントロールの必要な方がおられる。 そういう方に対応できるように今回できたということは、一定の前進だと思う。ただ、勿論ケア を提供する側の資質を高めていくことであるとか、患者や家族の声をきちんと聞いて、有意義な 時間を過ごしていただくことは絶対に大切なことだと思う。そういうことができるような我々の 方の考えというのも、やはり進めていきたい。 (沖藤委員)  追加で意見を言うと、がん末期の疼痛コントロールがいろいろな場所でできるということは、 これから老いていく私たちにとっては大変な朗報である。だから、信じてよいかと言ったのは、 やはりそういうシステムをつくると言っておきながら実は中身が何もないじゃないかということ が、今までいろいろな場面であった。しかも、もう一つ確認するが、これは介護保険から費用が 出るのか、医療保険から出るのではなくて。 (大森分科会長)  医療保険である。 (鈴木老人保健課長)  2つあると思うが、1つは末期を看取った場合の、それは看取りのために話もしなければいけ ないし、計画もつくらなければいけないし、いろいろケアが必要であるから、そういう場合の費 用は介護保険で見る。ただ、今、沖藤委員が言ったようなモルヒネそのものの費用、これについ ては、転換老健だけではないが、老人保健施設について、医療保険の方から給付をするというこ と。この表で言うと、後者がピンクのところ、「医療保険において算定できる投薬の拡大」とい うところでモルヒネが出てくる。それから、オレンジのところは、それに伴ういわば体制、その 評価は介護保険でやりますということで、一応、役割分担をして、医療保険と介護保険の両方で 見ていくことになる。 (池田委員)  認知症のMの25%がちょっと気になる。2002年2月の時点で、認定請求した人の中身を認知症 別に見ると、正常が33%ぐらいで、67%は認知症自立度I以上である。その中でMを見てみると、 認定申請者の約2%、かなり数は少ない。もう一つは、これはもう少し新しいデータだが、28の 保険者の協力を得て、8万5,000人ぐらいの認定された人の中身を調べてみた。要介護度と認知症 自立度のマトリックスを作ってみたが、Mになるとほとんど全部要介護5である。ただ、軽いと ころにもMはいる。  言いたいことは、2つある。25%ってかなり大きい数字だが、それは、客観的な根拠として大 丈夫かという心配が1つ。それと、要介護5以外でも、Mの方は各要介護度に散らばっているが、 これは、脳血管障害やアルツハイマーではないケースがほとんどである。統合失調症とかそうい うものが入ってくる。それもMで分類されていて、当然この対象になる。後段はちょっと技術的 な質問だが、その2つが少し気になるところである。 (鈴木老人保健課長)  先ほど田中委員のときに説明したが、この25%の設定に当たって、我々2つのことを行ってい る。一つは、先ほども言ったが、医療ニーズ、喀痰吸引と経管栄養を縦軸に取り、横軸にMの程 度を取って、その中で、身体的ニーズが高い人が必ずしも精神的ニーズが高いわけではない、や はり精神的ニーズだけをすくうという場合も必要だということでプロットしたが、主に施設が集 中してくるのは25%以上のところである。もう一つは、転換老健について%ごとにざっと分布を 見てみたが、既存の老健と比べて特に頻度が高くなっていて拾う必要があるのが、やはり25%以 上ということだったので、その2つの分析からすると、25という数字が現段階では妥当だと思わ れる。ただ、この要件について、ほかの要件もそうだが、具体的な数字を今後どうしていくかに ついては、具体的な転換の状況、それから実際のMの状況を見ながら、また必要があれば修正さ せていただければと思う。  それから、もう一つの統合失調症等も含めてということ、それは、ここの自立度というのは必 ずしも診断とリンクはしていないので、そこで分けるのはなかなか難しいことがある。いわばM のところは、それ以外のところも比較的広目に拾ったものになっている。 (池田委員)  今の25%は、精査して心配がなくなればよい。先程の川合委員の発言と関連するが、老健とい うのは、病院と在宅を結ぶ中間施設であったし、今は在宅と在宅を結ぶ中間施設であるという機 能も持っている。そうすると、認知症の場合、老健の役割は非常に期待されているが、どこで期 待されているかというと、本来の意味での老健で期待される認知症というのはMではなく、II、 IIIである。IVはなかなか難しい。Iはまあ要らないと思う。そうすると、川合委員のご発言のよ うに、本来の老健の機能という意味で見れば、II、III、IV、これが中心になるのは当たり前の話 である。療養病床の方は、医療施設であったということだから、Mがなだれ込んでくるのは当た り前の話である。それをこういう形で比較すると、何か不公正というか公平な感じを受けない感 じがして、議論を蒸し返す気はないが、やはりダブルスタンダードになっているところをどこか 理論的に整理しないと難しい。 (大森分科会長)  川合さん。 (川合委員)  パリアティブケアの危機管理時間はわからないが、私もいろいろ勉強した。あるいは現場で急 性期をしてきた経験の中で、確かに、麻酔のことはおっしゃるとおりだが、我々の老健の医療の ことに関して、次回、1月10日に阿曽沼局長に出したものを出したいと思っている。保険局の方 がいるので言いたいが、診療報酬の中で一番疼痛でしんどいのは骨メタである、神経転移である。 そういうときに、ラジオテラピーができるかできないか、これはシシリー・ソンダースとか、セ ントクリストファーとか、ロンドン、ダブリンのそのところでは、在宅も含めてパリアティブケ アで急性期病院にラジオテラピーをするのは当たり前のことである。去年見に行ってショックを 受けた。本では知っていたが、ショックを受けた。もう現実的に向こうのドクターが、骨メタは どうするのかという私の質問に対して、不思議な感じで、それは急性期使うのは当たり前だろう という応答だった。それと同じように、今まで20年間、マルメの医療の中で、標準的なというの は20年たったら変わっているという主張が、1月10日に阿曽沼局長に出した申し入れ書、要望書 であるので次回提出するが、そういう観点から次年度から基本的にこの問題を発言する。 (木村委員)  緩和ケアの関係で、今日、参考資料3が出ているので、そこの4ページ等を中心に説明してい ただければ、本当に緩和ケアができるのかという話にならないと思う。だから、参考資料3を事 務局の方からの説明があれば安心できるのではないか。 (大森分科会長)  説明するか。 (鈴木老人保健課長)  もし可能であれば、これは中医協の資料なので、保険局の方で説明いただければ。 (大森分科会長)  それでは、保険局から一言。 (山本委員)  頼んでおきたが、1つは、老健施設の中に、この転換をしてくる人と一般から入ってくる人と がある。そうすると、一般から入ってきた人と転換をしていった人の介護費用というのは差がつ くのか、差をつけるつもりなのか。  それから、施設で、こうしろと言って建築基準法以上のものを定めて、ここに書いてある。あ なた方の中で建築専門家はいるのか。もし、厳しい基準をつくって、それでなければならないと いうことであれば、これは、今の転換をしたこの療養病床は耐用年数がいつか来る。例えば、今 年転換をしたところは、あと10年するとやり変えなければならない時期が来る。その場合、この 建築基準法で合致するものが、介護保険法で合致しないのはいささかおかしな話である。その辺 りの調整をうまく考えておく必要があるのではないか。  それから、規制緩和をするというのはいいかもしれないが、1年か2年か、24年なら24年度に なったら規制緩和はもうやめることになるのではないか。だから、あまり規制緩和をやるよりも、 初めから、あなた方の耐用年数はこれぐらいだから、こういうふうにしたらどうかというやり方 の方が、これからの介護をやっていく老健施設としては大変助かるのではないか。何かそのとき が来たときにまた考えればよいというやり方のような気がする。 (大森分科会長)   医療課から最初に説明を受けてから、今のことについて事務局から。   (保険局宇都宮企画官)  先ほどの質問で緩和ケアについてだが、参考資料3の4ページのところに「緩和ケアの普及と 充実」というものがある。この緩和ケアについては、今回の診療報酬改定において、がん対策、 がん医療の推進という中で、緩和ケアというものをもっと普及充実させていこうという議論が中 医協の中であり、その中で、例えばがん性疼痛緩和の指導管理料の新設とか幾つかの対策が出た。 その中の一つとして、今回はこちらに書いてあるように、具体的な内容の4となっているが、つ まり、これは1、2、3とか5が実はあるが、その4番目の中に、介護老人保健施設や療養病床 において、疼痛緩和のためにこういった麻薬を医師が処方した場合に算定できることとすると。 それで対象を拡大する。併せて、保険薬局で交付することができる注射薬、あるいは持続的にこ ういった薬剤を注入できるような特定保険医療材料を追加するというようなことが、このように 議論されて出てきた。 (大森分科会長)  では、大島先生から今のに関係して。 (大島分科会長代理)  沖藤委員の話は、制度としてそれをやるのはいいが、きちんとその受け皿ができていて保証で きるのかという非常に厳しい話だが、これを今すぐ、私も医療の立場から答えろということであ れば、多分失望されるだろうというのが現状ではないかとしか言えない。  これは、川合委員から指摘あったように、今までの日本の医療が、こういったところに関して、 手を抜いてきたというわけではないが、手薄であったということが、今いろいろな形でもってこ ういうツケになって今押し寄せてきているのが実態ではないか。最近は、こういった制度も含め て、医療の質をどう高めていくのかというところまで踏み込んで考えている。これが今、国民に 非常に強く求められているところだという理解が広く行き渡って、医療の中身もどんどん高めて いこうという機運がいろいろなところで出てきている段階ではないか。  現実には、例えば、制度ではこうなったのに実際にはなっていないという事例がこれから出て くるかも知れないが、それを取り上げて批判するだけでは前に行けない。したがって、今はそう いう過渡期にあって、医療側も、緩和ケアなどに対してどうするのかと非常に大きな意識を持っ て向かっているので、皆で応援して、制度もこうなっているのだから、それぞれの医療機関もあ るいは医療関係者も、もっといろいろな機会を利用して勉強するように皆で応援する状況に持っ ていくのが重要ではないか。 (大森分科会長)  山本さんの意見について。 (鈴木老人保健課長)  山本委員の質問で4点あった。1つは、実際にこの療養病床から転換した老人保健施設の中で、 転換当時からおられる方と新しく入られる方の間で点数差を設けるのかどうかという質問だった と思うが、もう一度確認させていただきたい。まず、施設要件というところで医療機関から来る 方と家庭から来る方の差を設けるということで、これは、転換老健として認めるための条件とし てどうかということをまず議論いただいている。その上で、中に入っておられる方は、先ほども 議論申し上げたが、皆さんがひとしく受けられるサービスについては、これは施設サービスを設 けて評価をする。ただ、個別に、例えば看取りがある場合とか、医学管理が必要な場合というの は違うので、それは個別のニーズに基づいて、必要な場合には個別に加算として評価をすること であるから、一概に転換老健になったときにいたから、一般から来たからではなくて、その方の ニーズに応じた支払いだというのが1点。  それから、もう一つ、建築基準法の基準、それから介護保険法の基準との整合性の問題、それ から専門家が云々ということだが、担当の国土交通省とは人事交流も含めていろいろなやり取り をしている。ただ、一般法である建築基準法と、介護施設に適用される介護保険法というものの 間でどういう役割分担をするかは、少し大きな課題として、指摘も踏まえてしっかり宿題として 受け止めたい。  それから、規制緩和の終点。これは規制緩和をいつまでも続けるということではなくて、1つ は、例えば耐火もしくはエレベーターについても、前回までに議論いただいた6.4m2、8m2と同 じように、建築基準法上の届け出が必要となるような改修までの間ということで整備しているの で、いつまでもそのままでいいということではない。 (対馬委員)  前に戻るようで恐縮だが、医療と介護の関係について、資料2の33ページの一番下※1の注射 の拡大とかは、既存の老健も対象になるということだが、参考資料3では、いわゆる転換型の老 健についてということになっている。参考資料3の1ページ目のちょうど真ん中の下あたりに 「点滴・注射」とあるが、そこは転換型の老健施設ということで、そうではないケースについて は、これの3ページ目だが、ここでは一番下のところに「介護老人保健施設も含む」となってい る。感染症対策などは対象になるのか。中医協でいろいろな議論をしたが、最終的にはこういっ た形で整理されて、既存の老健についても投薬・注射の拡大が認められたのか、確認させていた だきたい。 (大森分科会長)  確認、お願いします。 (保険局宇都宮企画官)  今の対馬委員の話だが、転換老健について手技の話については、確かに転換老健ということで 限っているが、感染症あるいは麻薬等の薬剤については、転換老健に限っていないという整理に なっている。 (対馬委員)  そうすると、1ページ目に書いていることと33ページ目の※1はちょっと違うのではないか。 「投薬・注射の拡大」、投薬と注射だけだからいいのか。合っているのか。 (大森分科会長)  合っているのか。 (対馬委員)  合っている。結構です。 (大森分科会長)   井部さん、どうぞ。 (井部委員)  この経管栄養または喀痰吸引を実施している者の割合が15%以上というこのことに懸念を持っ ている。確かに、現在、経管栄養をしていると介護施設に入りにくいということがあり、そうし た受け入れを広めようという配慮だと思う。一方で、喀痰吸引はそんなに不要でないものはやら ないと思うが、経管栄養、これは多分、医療も含まれるが、こうした強制栄養みたいなものにつ いて、15%以上をクリアするために適切ではない医療処置が行われるという懸念がないだろうか。  それで、8ページの下に、「上記の施設要件については、今後検証を行い」となっているので、 是非検証していただくとよいが、先ほど大島委員の発言でケアの質という点からすると、経管栄 養の入居者は少ない方が、私はケアの質は高い、つまり経管栄養よりも、努力して口から食べる というケアをする方が質が高いという認識をしているので、経管栄養が一定以上あることがよい ということを長く続けない方がよいのではないか。 (大森分科会長)  多分そこは、下の○で今後検証、今指摘のことをきちんと見ていくという趣旨ではないか。 (勝田委員)  今回、医療保険において算定できる投薬・注射の拡大はとてもありがたいが、これで3回目に なるが、やはり認知症の場合の薬というのは今のところ一つしかない。これが老健施設だと、や はりマルメられていて、実際それが服用したくてもできないという現状がある。勿論、全部に必 要とは考えていないが、必要な人に必要な投薬がされることが望ましい。そういう中で、今回や この中に入っていない、そして既存の老健そのものもマルメられている。これについては、是非、 転換型も含め、既存の老健についても是非この中で入れて欲しい。  あともう一つ、保険局に尋ねるが、中医協の診療報酬改定で、特殊疾患療養病棟入院料の中で、 今回、認知症が外される。たまたま私もこのことについては余り知らなかったので、富山県内の そういう病棟が幾つあるか調べたところ、130ベッドある。実際、では認知症の方で重度のいろい ろな疾患を持っておられる方がどの程度入っているかは、把握していない。  今回、認知症が外されるという中で、実際、全国で特殊疾患療養病棟に入っておられる認知症 の方はどれくらいなのか、外れる方はどれくらいなのか。では、その方たちが外れた場合に、現 在重篤で入院しているのだから、そういう人たちの受け皿は一体どうなるのか。同じ入院という ことで、受け皿としてどう考えているのか。 (保険局宇都宮企画官)  まず、最初の認知症の薬については、中医協の中で認知症対策についても議論された。今回は、 認知症を早期に診断に結びつけるような紹介の加算だとか、あるいは初期の周辺症状に対する手 厚い医療への評価といったことについては議論があった。しかし、今回の転換老健施設における 薬の話については議論がなかった。  2点目の話は、特殊疾患療養病棟入院料の話だと思うが、これについては、本来この入院料は、 重度の心身障害者の方とか神経難病の方を対象としたものであり、それが、本来対象でない方々 が最近結構増えておるという指摘があり、今回、本来の対象に戻すべきではないかということで、 中医協でも議論いただいた結果である。  ただ、この特殊疾患療養病棟入院基本料については、その対象の患者のおおむね8割以上とい うことになっている。裏返すと、本来対象でなくても、なかなか移れないという方については、 2割ぐらいまでは残っても大丈夫とか、そのような措置もされているので理解いただきたい。 (勝田委員)  この中で脳卒中の重度なものは継続が認められた、だけども認知症は外すのだと。だけど、認 知症だけではないからこそ入っておられる。多分いろいろな疾患を持ちながら、加えて認知症だ と思うが、どれくらいの数が入っておられるかを把握しているのではないか。  それとあともう一つ、薬のことで先ほど認知症の早期診断で加算する、発見する。しかしその ままではどうしても重くしてしまう。早期発見に続くものこそ、そういうものを認めないと、や はり今のところそれ一つしかないわけであるから、その辺を声が上がらなかったからしないとい うこと自身がおかしい。 (大森分科会長)  では、その答えでこの問題は終わりにする。 (保険局宇都宮企画官)  まず、2点目の薬の話だが、あくまで中医協の方での議論なので、こちらで事務局にそう言わ れても、どのように対応していいのか困るところである。  それから、認知症の数について、今手元に資料がないが、特に医療法人とか、民間の病院の場 合は認知症とか脳卒中とか、そういう方が、たしか5割ぐらい平均として入っているというのが あった。脳卒中については、重度の意識障害の場合はそのまま対象として入っていられることに なっていて、そうでない方は対象外となるという整理にしている。 (天本委員)  資料2の33ページのところで、要するに医療保険と介護保険との整合性ということが今議論さ れているが、アリセプト、例えば薬の問題が今、介護保険の給付の中に入っている。要するに、 施設の場合、介護保険の中にかなり医療の部分が導入されている。これは将来的に介護保険財源 を圧迫することにつながる話だと思う。本来ならば、例えば麻薬に関しては医療保険だし、普通 の薬については介護保険だし、この辺の医療保険と介護保険との整合性、例えば、看取りへの加 算が介護保険で給付されている。でも、同じ介護施設の特養というのは、この看取りは医療保険 から給付されている。全く医療保険と介護保険との整合性が取れていない。  ここの議論をどこでするのかとなると、今、医療課は薬の話だから中医協ですると。でも、介 護保険の給付のことになると、中医協で議論すると、それは介護保険の問題だと。互いにここの 議論の場がないというこの非常に大きな問題は、やはり医療保険から介護保険という流れがある。 今回の介護療養病床の廃止の問題も、そこの受け皿の問題については一切議論しないで、先に財 源ありきで議論が進められている。そういう意味においても、ここの医療保険と介護保険、今回 はこういう形で進むとしても、やはりきちんとどこの場で、どういう形でこの問題、課題を解決 していくのかは、これは委員長としてはどちらで議論するかである。保険局が言うように、本当 に中医協でやっていいのかどうかをはっきりしていただきたい。 (大森分科会長)  事務方、何か意見あるか。 (鈴木老人保健課長)  前回、勝田委員から指摘のときもお答えしたが、やはり大切なのは、介護保険か医療保険かと いうファイナンスの問題とは別に、やはり高齢者の方が必要な医療をどうやって受けるかという こと。その上で、あとは天本委員指摘の、専門的に言うとどういう入れ込み方になっているのか という議論もあるが、そこは、必要なものをどう分担をして給付をしたらよいかを、懸念されて いるような間に落ちないように、つまり医療保険で議論する場合と介護保険で議論する場合で、 お互いに相手がやると思って間に落っこちることがないよう議論させていただきたい。 (大森分科会長)  もう一つ、11ページが残っているが、その前、10ページまでのことで大筋の議論はよいか。ど うぞ。 (高橋委員)  田中先生から指摘があった資料2の17ページのところだが、何故右側に標準偏差を取るのかよ く理由がわからない。15ページを見ると、既に転換型は4.7倍とかなり優位に差があるから、むし ろ平均でもいいのではないかと思う。10.0%で切って、それでおかしくない。同じことを池田先 生も言われて、鈴木課長が25%自体に意味があるという説明を先ほどされた。もしそうだったら、 ここの標準偏差を右側に取るというのはやめて、きちんと理屈があって25%にするという説明に した方が、よいのではないか。できればもう一度考えていただきたいという希望である。  それから、もう一つは、20ページの施設基準、これは、この基準を満たさなくなると当然外れ ると思うのだが、一度外れたものはもう復活しないのか。あるいは、また次の3カ月を満たした 場合はまた復活するのか。そうすると、復活したり復活しなかったりする老健が出てくるのか。 一度外れたら、イエローカードみたいなもので、2回イエローカードを受けてレッドカードが出 てきたら、もう復活しないことにした方が、わかりやすくて、また集約もできるのではないかと 思う。 (鈴木老人保健課長)  まず、Mのパーセンテージについては、先ほど田中委員からも指摘があったので、我々として は2つの軸の分析から25%程度が妥当ではないかと思っているが、このSDを右側に取るという やり方について意見があったので、そこはちょっと説明ぶりをきちんとしたい。  もう一つ、基準を満たさなくなった場合にどうするかだが、勿論、筋から言えば、基準を満た さなくなったのだからそれは外れるということではあるが、ただ、患者の状況はなかなか一定し ない場合があり変動がある場合もあるので、1回目でもう転換老健ではないとしてしまうのはど うかと思う。ただ、具体的に、ある意味で定常的にその状況が続いてしまうのであれば、それは やはり外れてしまうという考え方もあり得る。一旦転換した場合は、当然こういう条件を満たし た施設に入っていただくわけだが、その後満たさなかった場合にどうするかは、ちょっと具体的 に、検討させていただきたい。 (大森分科会長)  川合さん。 (川合委員)  言葉尻をとらえるようで恐縮だが、レッドカードにしたところが従来型の老健の療養になると いうのは、私は合点がいかない。受け皿はどうなるのか。我々はレッドカードの施設なのか。 (鈴木老人保健課長)  要は、条件に合致するかしないかというところを判断した上で、合致するものとしないもので 整理をするということだと思う。 (大森分科会長)  もう10ページまでは以上にしたいが、木下さん。 (木下委員)  先ほどの緩和ケアのところ。老健で緩和ケアできるということで、しなければいけないことで はないので、最初から余り期待されると大変だと思う。老健で看る緩和ケアと療養病床で看る緩 和ケア、緩和ケア病棟で看る緩和ケア、一般病棟で看る緩和ケアというのは、中身がかなり違う と思うので、老健でできる緩和ケアをやるということで進むと了解しないと、おまえのところや れるのに、やらんのはけしからんと言われると大変困難だと思う。その辺は徐々にできるように なっていくところが増えたという理解をしてもらえればよいのではないか。  それと、先ほどあった建築基準法以上のものを介護保険法で求めていることはどうかだが、ど んどんいろいろな法律で足していくと、とても現場では難しくなる。今の建築基準法の改正でも 景気を悪くしているところもあるので、いろいろな法律を上積みすることが本当にいいことかど うかもう一度検討していただきたい。  それと、国の基準で決まっているのを、今度は都道府県の事情だというので、それに重ねてい ろいろ実地指導なんかで言ってきて苦労している場所もある。是非、国の基準が各都道府県でも 守られるというか、余り上乗せの基準を求めないように指導していただきたい。 (大森分科会長)  それでは、11ページに行ってよいか。 (勝田委員)  先ほど鈴木老人保健課長が谷間に落っこちたと言ったが、どちらでやるのか。それだけはっき りさないと、落ちたままになるのではないか。   (大森分科会長)  私どもとしては、こちらの介護保険の方から現場の状況について物を言って伝えていく。今ま でもそういうスタンスである。どのぐらいまでこの給付費部会でできるかは難しいが、もう議論 のようにいろいろなところがつながっている。だから、役所の方は別建てになっているかもしれ ないが、それはそちらの勝手で、その勝手が困る、それが問題だからということは十分伝えられ ている。なかなか役所の方は壁が高くて越えられないが、そのことについては繰り返し言うべき だ。今まで出ている議論は必ず伝わっていく。したがって、皆さんはどうぞ遠慮せずに発言いた だくことが大事である。 (山本委員)  ここに書かれてあるものについていいと思うが、必ずしもそれが完璧であるとは言えない。だ から、これから5年間かけて転換していくことになるが、こういうことが考えられる。  最初にこの老健に入った人は、ひょっとすると5年目ぐらいには体が悪くなって医療の方に行 くことがあり得る。だから、その辺りの切り替えで老健から医療へ行く、介護から医療へ行く、 その循環をうまく考えておかないと、何かもう老健にいったん入ったらターミナルケアまで看る とも言われている。その人たちは医療の十分な治療も受けないままということになると大変申し わけない。だから、今回の移管をすることについて国から出されているものは、私はそれでよい と思うが、しかし、まだまだ検討しておかなければならない点というのは幾つもある。十分検討 されて、5年間の間に落ち度のないように願いする。  もう一つは、医療から介護へ転換する場合に、どれくらいの介護保険料に影響を与えるかとい うこと。高齢者医療保険が出てきて、これがまた非常に高い保険料になっていく。したがって、 介護保険料がまたそれに上積みするのではないかと心配している。話を聞くと、まだデータがな いそうだから、できるだけ早くそのデータを各保険者に送って下さい。ぽんと出されると、保険 者が戸惑うのではないかと思うので是非お願いする。  それから、規制緩和をしているから、必ずこの規制緩和は解除される。解除するやり方等々に ついても、十分慎重なやり方をするようお願いする。あなた方が失敗したのは、私もしょっちゅ う怒られている。恐らく全国でも私と同じような立場の人がたくさんいるのではないか。常にそ ういうことも考えながら、内容等々については十分連絡あるいは通知をしてくださるようお願す る。 (大森分科会長)  それでは、11ページに入る。結構大きな話である。お願いする。 ○鈴木老人保健課長より資料1の11ページ、資料2の29ページから31ページについて説明。 (大森分科会長)  この件は、名称をどうするかでここで一度検討しことがあり、この療養病床協会の方で調査が あるので、まず木下さんから説明いただく。 (木下委員)  資料2の30ページを見てください。ここで、日本療養病床協会の会員病院と老健施設から推薦 いただいた病院の両方から、1の「回答者の状況」と書いてあるところで、患者本人あるいは家 族に、どういう名前が適切か調査をした。  2番目に「名称案」と書いてあるが、上位3つに○ということで利用される方々に聞いた結果 では、1番目の介護療養施設が66.4%、4番目の療養型老健施設63%、この2つが非常に多い回 答であった。  31ページの3番、4番に、それぞれ「選んだ理由」、「不適当だと思う理由」ということで書 いてある。これはいろいろな理由で適当だ、不適当だということが書いてある。  こういう結果が、我々の協会でやった資料から出ている。  以上です。 (大森分科会長)  事務方からの適切な名称を用いることとしてはどうか問題提起だが、川合さんどうぞ。 (川合委員)  我々のところが確か当初聞いたところでは50%と聞いていたが、我々の施設は3分の1なんで すね。我々のところの集計では「看取り型老健」というのが断トツでトップであった。機能的に はいいだろうけど、50%ではなく3分の1に減らされたのは、これではそうなのかなと思ってい る。  私は、やはり常々言っているように、利用の方々がわかりやすい名称であるべきである。その 点においては、私は本当にいろいろ発言したので、座長の方に一任する。 (大森分科会長)  そんなに大きいことを座長に一任されると私としても困るが、できるだけ現在療養病床にいる 方々が転換していくときに、安心ができるような言い方と、本来ここは老健施設であるので、法 律上の老健施設ということをなかなか外しにくい。それで、何とかよい名称は考えられないかな と思っている。木下さん何か。 (木下委員)  私は介護療養施設が一番いいと思う。その理由としては、数が一番多いということ、それから、 次の31ページの理由のところで書いてあるように、「今までと同じように必要なサービスが受け られる安心感がある」ということと「現行の老健施設と違うことがわかる」というようなことが 書いてあるのでいいのかなと思う。それと、名前が短いということで、非常にわかりやすいとい うので、「介護療養施設」は6文字である。これに「老健施設」をつけると長くなり、これにま た「介護」等をつけるとかなり長くなる。この会でも制度の簡素化ということがたびたび言われ ているので、名前は短い方がよりいいのではないか。  それと、「老人保健施設」という名前をつけなければいけないかどうかについて、介護老人福 祉施設、これも介護保険上の支払いではそういう名前になっているが、一般的には「特養」と言 われている。必ずしもそこにこだわる必要はないのではないか。機能をすべて名前に表す必要が あるかも、利用者から見てわかりやすい名前であればいいということ。例えば「リンゴ」と言え ば皆さんだれでもイメージできるが、これを「冬期赤色堅い果物」というような表現に別にしな くても「リンゴ」と言えばわかる。なるべく簡単な短い名前をつけた方が利用者にはわかりやす いのではないか。  制度上、老健施設をつけなければいけないということだが、必ず名称にそれが必要かどうか、 支払い上の区分であれば十分だと思う。なるべく利用者にわかりやすいという点では、介護療養 施設が一番よいのではないか。 (大森分科会長)  この件について意見はあるか。では、田中さんどうぞ。 (田中(滋)委員)  このどれが正解というものはなくて、どこかで妥協するしかないだろうが、今の介護療養施設 は短くてよいが、何か今までの3施設のほかに4つ目をつくるイメージが強過ぎて、これは法律 改正事項ではないかという気がする。療養病床からの転換という意味で「療養」という言葉を残 す意味はあるので、私は「療養型老健施設」。やはり法律上、老健施設の上に形容詞をつけて、 それでもとの名前の療養を残すのが妥当ではないか。看取りは確かに機能としてはよいが、この 表を見ると「縁起が悪い」との意見が結構ある。サービスとしての看取りはとても大切だが、入 る前から看取りと言われると嫌だという声もあるようで、私は「療養型老健施設」が妥当ではな いかと考える。 (鈴木老人保健課長)  ちょうど今2時間過ぎていてここで休憩をとりたいが、こうさせていただけないか。今日名称 を決定したい。座長一任は無理であるので、大島先生と私ども、それから、関係者の木下さんと 川合さんに入っていただき、事務方で別室にて協議をする。それで、できるだけ合意が得られる ような形で相談し、それで私の方から提案して賛同が得られれば本日それで決定させていただく。 その間、休憩とすればと思うがいかがか。 (「異議なし」と声あり) (大森分科会長)  それでは、暫時休憩とする。 (休 憩) (大森分科会長)  それでは、そろそろ再開します。  今まで議論いただいた転換していく療養病床、特に利用していただく方々にとって、わかりや すいな、安心してできるような言い方をするには、どこかで「療養」という言葉を入れるべきだ と思う。それで、法律的に言いうと介護老人保健施設となるが、この介護の後に「療養型」を入 れて介護療養型老人保健施設。フルネームで言うと少し長いが、老健、老健と言っているので、 先ほどの木下さんの話のように少し短目にすると「介護療養型老健」よいのではないか。そうい う形で関係の方々、一応賛同いただいている。この提案でできれば了承いただければと思うが、 いかがか。 (「異議なし」と声あり) (大森分科会長)  ありがとうございます。それでは、そういう形でこの名称問題は以上とする。  もう一つ実は審議事項があり、サテライトの問題が残っているので、これについて事務局から 報告いただく。 ○小関計画課長より資料3について説明。 (大森分科会長)  これは「追加支援措置」になっているので、私どもとしてはどうすればよいか。説明を聞いて、 疑問があれば受けていただきたい。 (小関計画課長)  基本的な考え方について今説明したので、質問、意見等をいただき、関係省令等の改正が必要 になるので、その手続に持っていく予定をしている。 (大森分科会長)  どうぞ。   (池主委員)  このサテライトの問題だけではないが、こういうときの人員の可能性として、歯科医師とか歯 科衛生士というようなものが加わることで、先ほど全体の問題で井部委員の発言内容に関わると 思うが、要するに経管から口腔に機能を戻すことが可能なわけである。現実に口腔への我々の関 与により、効果的に改善するというケースがいろいろなところで見られている。こういうことを さっき井部委員は、悪くなるという条件が基準になってしまってはまずいのではないかという意 見だった。まさにそのとおりだと思う。こういうところを、よりよくして、より重い症状から症 状の改善へ持っていくという流れを少し考えていただきたい。そこに歯科も十分関与できるとい うことを、この文言に我々の職業名が一切出ていないので、大いに考慮していただきたい。 (鈴木老人保健課長)  例えば経管栄養をしておられる方に、時間はかかるけれども、きちんと口から食べるようにす れば評価をしたらよいのではということだが、その件については、先ほど細かく言わなかったが、 個別のニーズに対応して、ニーズがある場合にはきちんと個別に評価をしようという項目の中に、 摂食機能に持っていった場合の加算というものも入っており、評価させていただいている。 (大森分科会長)  非常にいい指摘だった。 ほかに何か質問等あるか。   (沖藤委員)  この資料の参考のところに一覧表的に「各施設における人員配置基準」というのがあり、それ を見て改めて思った。これまでも介護職員が6対1とかいう職員配置基準の話は出ていたが、今、 介護職の離職が非常に多く、介護人材から介護保険が崩壊すると危惧されている状況の中で、こ ういう人員配置基準が守られるのか。守られなかった場合はどうなるのかその辺の見込み。現在、 介護職で働いている関係者は、この介護療養型の中で働いている人は何人いて、それが転換され たら何人になって、看護師さんも同様でという数字があれば教えてほしい。一つは、人が集めら れなかったらどうするのかと、もう一つは、大体何人ぐらい必要になるのかという実人数を教え ていただきたい。資料があれば2つお願いする。 (大森分科会長)  そういう質問だが。 (古都振興課長)  基本的には、各サービスには設備・人員等基準があるので、これを満たしていくというのが基 本である。例えばどなたか辞めたということで、いきなり基準以下になって直ちに問題になるわ けではなくて、我々としては、できるだけその基準を守れるよう各事業者に努力をしていただく ということをお願いする。基準としては、そのように努力をして、どうしても困難であるといっ た場合は、実態上、基準を満たすような形での施設運営なりを現実的にはしているのが多くの場 合ではないかと思っている。いずれにしても、基準としては、直ちにそれについて問題だとして いるわけではなくて、できるだけ人材を確保できるような努力を一義的にはしていただくという ことである。 (大森分科会長)  もう一つ。 (鈴木老人保健課長)  もう一つ質問があり、具体的な実人員だが、具体的な資料はまた次回以降にもお示ししようと 思う。行った先がどうなるか、これは計算しないとわからないが、平成18年10月現在の数だが、 例えば介護療養型医療施設、これは介護保険による療養病床については、介護職員の方が全部で 3万7,542人おられる。そのうち常勤の方が3万5,392人。各職種ごとに、医師以下は並んでいる ので、また資料はお出ししたい。 (沖藤委員)  次回出していただく資料には転換されたら何人という数字も出てくるのか。 (鈴木老人保健課長)  申し訳ない。まず、どのぐらいの数の施設が転換するかわからないと、転換後どうなるかわか らないので、そこは次回出すことができない。 (沖藤委員)   はい、了解した。 (大森分科会長)  ほかに、どうぞ。 (木村委員)  細かいことだが、参考資料の各施設における人員配置基準というのは、パーフェクトに記載さ れていないと思う。例えば、病院が記載されていて、老人保健施設のことが記載されているが、 薬剤師も配置基準がある。だから、多分ほかの職種もきちんと拾っていく必要があるのではない か。このタイトルと表が正確ではないということを指摘したい。 (小関計画課長)  指摘のとおりである。今回、関係ある部分を抜粋したものであるので、御理解いただきたい。 (大森分科会長)  小島さんどうぞ。 (小島委員)  このサテライトの対象を拡大することを認めることだが、ここに書いてあるように、本体が医 療機関の場合あるいは本体が老健施設の場合の人員基準を満たした上でということ、そこが前提 になっている。方向としてはやむを得ないかと思うが、最後の3ページの○のところの小規模施 設の複数設置のところだが、従来は1つだけだということで、複数を認めた場合に本体のところ が、もし仮に診療所だと医師が1人でもいいという話になる。その辺が本当にそれでいいのかと。 ここに一応、入所者の処置が適切に行われることを前提にということなので、その辺をどういう 要件を前提として複数を認めるかはこれから詰める必要がある。この場合、最後のところの「入 所者の処置が適切に行われることを前提に」は、どういうことを前提と考えているのか。 (小関計画課長)  1カ所に限られている老人保健施設、小規模なものの定員にもよるが、本体の診療所の医師が 1人ということであれば、その1人の医師が、全体としてそのカバーをするということがサテラ イトの概念であるので、複数設置ができるかどうかは、そこの全体の人数との関係で入所者の処 遇が適切に行われるかどうかを考えることになる。 (小島委員)  その辺はこれから少し詰めるという話か。 (大森分科会長)  複数設置と言っても、そんなに複数できるわけではないだろう。ただ、状況によってはもう一 つ作られるような可能性を開きたい、ここはそういう趣旨だと思う。 (天本委員)  前回のヒアリングのときに西澤全日病会長から特養への医療法人参入の問題についての要望が あったと思う。医療法人の特養への参入についての提案は、今後どのような形で審議、検討され ていくのかを伺いたい。突然医療法人参入にしたらどうか、突然提案を引き下げるといった経緯 があったが、我々医療機関側も、地域によっては特養を長期の療養ということで希望している医 療機関もあると聞いているので、今後の検討の方向性を聞きたい。 (小関計画課長)  昨年11月だったと思うが、私どもの方から特別養護老人ホームの設置主体の問題については、 当初、老人福祉法改正によって対応しようと考えていたが、福祉関係者等々から、慎重にもっと 議論する必要があるという強い意見が出されましたので、もう少し慎重に議論したいということ で考えている。その後、案内のとおり、厚生農業協同組合連合会、いわゆる厚生連という組織が、 議員立法で特養参入が認められたということもあるので、そうすると、その特養の設置主体とし てどういう主体まで望ましい設置主体として考えるべきなのか、議論をもう少しよく考えながら 整理をしていく必要がある。これから検討したい。 (大森分科会長)  よいか。 (天本委員)  はい。 (木下委員)  今の答え、前回と全く同じなので、我々としては、具体的に、いつまでに、どういう形で、何 を検討するかを明らかにしてもらいたい。介護保険事業者や都道府県にはいつまでに計画を出せ と厳しく本庁は言っているが、やはり自分たちも、いつまでに何をやるという計画を出してもら わないと、我々は先のことを考えることが難しい。今日とは言わないが、その計画を明らかにし てもらいたい。 (大森分科会長)  局長どうぞ。 (阿曽沼老健局長)  医療法人の特養経営の問題だが、これは、福祉関係者の方から、経営主体の議論が先行すると いうのはおかしいではないかという議論がある。また、この場でも話があった。特別養護老人ホ ームにおける医療のあり方自体も議論すべきではないかということもあるので、その意味ではか なり根の深い問題である。私どもとしては、この審議会でも十分意見を伺って、今後どういう形 でこの問題を詰めていくかを慎重に検討していきたい。 (大森分科会長)  局長の発言だから、恐らく本格検討せざるを得なくなるんだと思うが。 (勝田委員)  この後、介護報酬の算定構造のイメージということで何か説明あるのか。そのことについて意 見を言ってもよいのか。 (大森分科会長)  どうぞ。 (勝田委員)  次回に介護報酬が出ると聞いているが、実は、それぞれの県でも、この受け皿をどうするのか、 どんなふうに今後地域ケアなりを支えていくのかという委員会が開かれている。昨日もその会議 があって出たが、やはりその中でも、この後、3月3日に予定されている中で、介護報酬が出さ れる中で、一番最初にお願いしたが、それで医療費全体はどれだけマイナスになるのか、それか ら介護保険でどれだけ増えるのか。実は県に尋ねたところ、一定程度、幾つか参酌基準というこ とで厚生労働省から出された基準に従って、これくらいの数だとこうだという数字は出している と聞いた。ただ、出しているけれども、今出すとひとり歩きするので出しませんと言われた。  先ほど保健局の方に尋ねた特殊疾患療養病棟の入院料のここの中で、認知症の人が半分ぐらい おられるということ、5割程度かなと言われたので、実数は是非次回は教えていただきたいが、 ということは、この受け皿となるのはやはり介護保険の新たな転換型だと思う。そうすると、や はり医療から介護になだれ込む部分はすごく大きいのではないか。こういうものが余り設定され ないまま、中医協では、局が違うからという話もあったが、当然、私たち受ける側では関連性が あるので、そういうものがどれくらい入るのか。5割というのはすごく大きい数だなと思った。  そして、この後、それぞれ各県が、第4期介護保険計画を立てる中で、多分この転換型の介護報 酬がどの程度になるのかということすごく気にしている。そういう点では、3月3日に出される ときに、そういう効果というか、もともと想定されていた医療費のマイナス部分、そして介護保 険料はどれだけ増えるのかという数字もしっかり提起して出していただきたい。そして、それは どれくらい応じてくれるのかわからないという判断もあると思うが、例えば今、厚生労働省がこ れくらいの数と出している、例えばそれがクリアできない場合にはペナルティーをかけるのかど うか。  一定程度、地元では地方のことをかんがみて、厚生労働省から示された数よりも多い数で一応 想定しているようである。それでも、例えば出される介護報酬が余りにも低ければ、もうやめる とある病院の医師が言っていた。私たちはそこをとても懸念している。やはり医療事業者がやる 気をなくしてしまうようなことは困るし、介護難民を絶対出さないことを前提にして、そこも配 慮して、わかりやすい資料を是非出していただきたい。 (大森分科会長)  3日の日の話が出たが、ほかに意見あるか。川合さんどうぞ。 (川合委員)   先ほどの、大島代理の発言はまさしく正鵠を得ている。我々サービス事業者あるいは保険者に 当たる方々が、角突き合わせて意見をたたき合わすのではなくて、やはりこのメンバーが、少な くともそういう方向性が認められるなという議論は、年度明けにはしていただきたい。 (大森分科会長)  木下さんどうぞ。 (木下委員)  今の計画にかかわるが、療養病床から転換する老健施設につては転換枠を設けないと前から言 われているが、次の介護報酬が決まった後もその方針は続けられるのかどうか。  今現在は、療養病床から転換する老健施設については、転換枠を設けないで、全部希望があれ ば転換できるという説明である。次期の介護保険料が決まったら、そのときに当然、老健の数が 書いてあると思うが、その想定した枠を超えた場合は認めないとか、そういうことは出てこない かを確認したい。 (大森分科会長)  局長。 (阿曽沼老健局長)  今回の第3期の参酌標準の外側でそもそも認めているので、当然、転換希望される方について は全部受け入れるという前提で第4期も考えたい。  それから、勝田委員からの指摘だが、今、特に保険局の方でも、医療療養病床がどうなるかに ついて各県で検討いただいており、残念ながら、まだ最終的な数字が積み上がらないということ になっている。この問題は、そもそも各医療機関がどう判断するかという問題があるわけで、そ の上に、かつ各都道府県がどう判断するかという問題があり、その上で私どもがトータルに判断 するということなので、ある意味で試算を提示するというのは非常に難しい問題があるので、そ の点については是非御理解いただきたい。 (大森分科会長)  どうぞ。 (保険局宇都宮企画官)  局長から今言っていただいたので、一つだけ誤解があるようなので、先ほど約半分と申し上げ たのはあくまで医療法人の話であり、トータルではない。だから、国立病院とかではほとんど認 知症の患者とかは入っていないので、そこだけ勘違いのないようにお願いしたい。 (勝田委員)  では、人数的には出せるということか。次回かに。 (保険局宇都宮企画官)  中医協の方で出しているアンケートの集計結果であれば、その数字は出せるので、用意する。 (天本委員)  今回、実態として介護療養病床における認知症の方々が多いところの実態を認めていこうとい うことでMというものが出たが、医療療養病床では、今回の中医協での次期診療報酬改定におい て、認知機能障害加算を廃止した。医療療養病床で。そうすると、認知症のMは、本来ならば医 療で対応すべきものである。ただ今回は、実態としているのだから、それを受け入れていこうと いうことであるので、医療保険と介護保険との整合性をきちんと双方で、医療課と、局長同士で もいいからしっかり話し合っていただいて、整合性のあるものにしていただきたいと要望する。 (大森分科会長)  では、3日の予定について事務方から。 (鈴木老人保健課長)  次回、3日だが、14時30分から16時30分まで、霞が関東京会館のゴールドスタールームで行う が、中身は、今、勝田委員からあったが、今回「○○単位」ということで単位が入っていないの で、その単位が入ったもの、具体的には、今の報酬告示の書き方、それから新しいものとの新旧 対照、それから具体的には諮問して、皆様方に議論をいただきたい。 (大森分科会長)  今日いろいろ意見が出た。それなども勘案した上で、次回多分諮問があるので、それについて 私どもは審議して答えなければいけない。その際、今日の議論などもよく考えて、十分上手に説 明できるような、わかりやすい説明をお願いする。 (勝田委員)  あと資料をもう少し早くいただかないと、大変努力していることはよくわかるが、資料をもう 1日ぐらい早くいただけないか。読み込んでこられないので効率的な論議ができない。重ねてお 願いする。 (大森分科会長)  ありがとうございました。 1