08/02/08 中央社会保険医療協議会総会平成20年2月8日議事録 08/02/08 中央社会保険医療協議会          第124回総会議事録 (1)日時  平成20年2月8日(金)9:31〜12:59 (2)場所  東海大学校友会館阿蘇・朝日の間 (3)出席者 土田武史会長 小林麻理委員 白石小百合委員 前田雅英委員       庄司洋子委員       対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員        高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 今村) 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <事務局>       木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官        上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長   ただいまより、第124回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、遠藤委員と石井委員が御欠 席になっております。それから、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見え になっております。それから、竹嶋委員の代理で日本医師会常任理事の今村定臣さんが 少々遅れて御出席との連絡を受けております。  また、保険局長が公務のため欠席されております。審議官は遅れて見える旨の連絡を受 けております。  それでは、議事に入りたいと思います。  本日は、前回に引き続きまして、「平成20年度診療報酬改定」について議題としたい と思います。  最初に、事務局において行いましたパブリックコメントの結果の概要などについて御報 告をお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。お手元の資料、中医協総−1−1、中医協総−1 −2に基づきまして御説明をいたします。  総−1−1は、いわゆるパブリックコメントと申しております。現時点での骨子に対し まして、平成20年1月18日から1月25日にかけまして御意見を募集した結果を集計 してございます。  まず、「寄せられた意見の総数」ですが、全体で4,391件の御意見をいただきまし た。前回の2年前の改定時は4,073件でございました。若干増えてございます。  それから、「(2)意見者の属性」です。前回属性はとっておりませんで、今回は年齢、 性別、職業についてお尋ねをしています。年齢で申しますと、40〜64歳が半数以上で ございました。性別では男性が76%、職業で申しますと医療関係者が半分弱の46. 1%となっておりました。  めくっていただきまして、2ページから意見の概要をまとめております。「(3)意見 の概要」ですが、現時点の骨子の並び方に即して集計をしております。  この2〜4ページでは、特に御意見の多かったもの、恐らくこれは関心が高いという意 味で件数が多かったのだろうと思いますが、少し御紹介すると、「緊急課題−2 診療 所・病院の役割分担等について」、再診料に関連しまして、延べ意見数が519件でござ いました。  また、その下「I−2 分かりやすい診療報酬体系等について」、これも延べ意見数3 45でございます。後ほど簡単に幾つか御紹介をいたします。  3ページに行きますと、II−5からII−7、「精神障害者の療養生活支援について」、 延べ意見数が231、「歯科医療の充実について」が235件、「調剤報酬の見直しにつ いて」が268件といった件数が集まっております。  また「III−4 医療安全の推進と新しい技術等の評価について」、ここは延べ意見数 が大変多くなっております。3,944件ということで、デジタル化の関係の意見が大変 多く寄せられておりました。  4ページへ参りますと、医療費の配分の中で効率化の余地があるというもので、「IV− 2 後発医薬品の使用促進等について」は延べ意見数が338件ございました。  また、後期高齢者医療の関係では、「外来医療について」が466件の御意見を寄せら れております。国民的な関心が高い話題性のある話ですとか、あるいは医療現場に影響が 大きいといったところについて意見が多かったのであろうと思われます。  5ページからが、主なものを少し集計して表の形でまとめてございます。件数が多かっ たり、ここで議論になっているようなものを中心に幾つかピックアップをして御紹介をい たします。  5ページが緊急課題−1の産科・小児科の関係で、診療報酬上の優遇が必要であるとい った御意見が28件ほどございました。  少し飛ばしますが、6ページへ参りますと、再診料の関係でございます。少し御紹介し ます。診療所の再診料の引き下げについて、賛成、再診料の引き下げをするべきだ、再診 料を同一にするべきだといった御意見が21件ございました。一方で、診療所の再診料の 引き下げは反対、経営に直接響くので影響が大きい、地域医療の崩壊につながるといった 御意見、273件ございました。属性で見ますと、273件のうち、医療関係者の方25 1件ということでございました。  また少し飛ばしますけれども、9ページに参りますと、明細書の関係で少し賛否の御意 見をいただいています。数はそれほど多くなかったのですが、明細書の発行の義務付けに ついて、賛成、ただ実費徴収を認めてもらいたいという意見と、逆に、原則無償・無条件 に発行すべきであるといった御意見もございました。また、反対という意見のほうでは、 医療の内容について医療機関は説明する義務はあるけれども、医療費の内容までは必要な いのではないかといったような御意見もございました。  10ページに参りますと、分かりやすい診療報酬体系、外来管理加算の5分という目安 について御意見が寄せられています。上段が賛成の御意見で、5分以上の時間は必要、あ るいは何もしないときの患者負担が多いというのはおかしいといった意見がある一方で、 下の反対のほうでは、時間によって区分する理由はない、時間の長短で判断できないとい った御意見が寄せられています。  11ページに行きますと、保険薬局、調剤基本料は一本化すべきではないかといった御 意見が97件寄せられております。  また少しはしょりますが、13ページに行きますと、7対1入院基本料の話が出ており ます。2つ目の意見で、看護必要度を入れていくことは病床機能を適切に反映するもので あり、医療現場に即したものという意見がある一方で、14ページに行きますと、業務を 煩雑にするのではないか、あるいは病棟単位で算定できるようにしてはどうかといったよ うな御意見も出ています。  14ページの下ですけれども、精神障害者の療養生活支援ということで、時間の目安に つきまして、時間が長いからといって内容があるとは限らない。時間で評価することには 無理があるのではないかといったような御意見もいただいております。  また少し飛びますが、18ページに行っていただきますと、先ほど大変件数の多かった デジタル加算の関係でございます。デジタル加算の廃止ではなくて存続をしてもらいたい という意見が1,987件ほど寄せられております。ちょっと極端にここだけ数字が多い 件数です。ちなみに、属性で申しますと、医療関係者以外が1,874件でございました。  同様に一番下のコンピューターでの画像管理の関係で、こちらに反対をするというもの が1,748件、医療関係者以外が1,682件でございました。  19ページ、オンライン化・IT化でございます。全体の整備、オンライン化・IT化 の遅れを考慮することなく強引ではないかという意見のある一方で、業務の効率化につな がるのであって、加算自体に疑問があるという御意見も寄せられております。  20ページでございます。効率化の余地ということで、1つ目が、軽微な処置の基本料 への包括化の話で、医師でなければならない場合があるのではないか、あるいは小さな処 置を無料で実施せよというのは不合理ではないかといった御意見もございました。  21ページ、後発医薬品の関係を御紹介します。後発医薬品に関しましては、(1)で すけれども、推進すべきだ、ただ、それに必要な備蓄等の負担があるので評価をお願いし たいといった御意見が寄せられています。  また(2)ですけれども、品質などに不安がある。品質、流通、情報提供あるいは効果 等に疑問があるというふうな御意見もございました。  22ページからが後期高齢者の関係でございます。入院医療については、退院後の栄 養・食事指導であるとか、(2)ですけれども、退院調整関係の評価をしっかりといった 御意見、それから23ページですと、在宅医療、訪問看護基本療養費ですとか、継続的な 口腔管理の評価について御意見をいただいています。  また、外来医療では、主治医制がフリーアクセスの阻害になるのではないか。24ペー ジに参りますと、包括的な評価をすると必要な医療が受けられなくなるおそれがあるので はないか。最後に(3)ですけれども、慢性疾患は1つと限らないので、継続的な管理は 1医療機関では難しいのではないか。こういった御意見が寄せられてございます。  以上がパブリックコメントの御紹介です。  続きまして、総−1−2ですけれども、1月25日に行われました公聴会の概要です。  傍聴者約300名、意見発表者10名いただきました。4のところに概要をまとめさせ ていただいております。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの報告につきまして御質問、御意見などございましたら、どうぞお願いします。 ○大島専門委員  極めて概括的な話でいいのですけれども、医療関係者と医療関係者以外との間の意見の 相違というのは際立ったものがあるのか、ほとんど同じようなものなのかということにつ いてお話しいただければと思います。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  そういったきちんとした分析ができているわけではありませんが、先ほど例えばデジタ ル加算の話を申しましたけれども、医療関係者の方の意見が集中しているところと、医療 関係者以外の方が集中しているところ、ちょっと分かれましたので、同じ質問について意 見が分かれているかどうか、そういうところまでは数字から見てとるのはちょっと難しい かなという感じがしております。関心が少し違うのかなと受けとめております。 ○対馬委員  デジタル管理加算のところで、医療関係者以外の方が、デジタル加算の存続については 賛成ということなのですが、それは一般の国民とか患者というか、ないしはこういった業 者さんなのか、そのあたりはなかなか言いにくいところなのでしょうか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  属性で見ますと、先ほど医療関係者以外は1,874件と申しました。うち会社員と書 いておられる方が1,658件でございました。患者というような属性の書き方がないも のですから、患者さんという方はございませんが、分かる範囲で申しますと、そういうこ とになっております。 ○土田会長  ほかにございますか。よろしいですか。  御質問がないようでしたら、本件についてはこのあたりにしたいと思いますが、よろし いでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  それでは、次の議題に移りたいと思います。これまでの議論の中でありました指摘事項 につきまして、事務局より追加の資料が提出されております。最初に説明をお願いいたし ます。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協総−2−1の資料をごらんいただきたいと思います。 「分かりやすい診療報酬体系に向けた取組」ということでございます。  骨子のほうでもございましたけれども、「分かりやすい診療報酬体系等について」とい うことで、これについて具体的にこのようなものがあるということでまとめてみました。  第2の「1 診療報酬の名称を分かりやすくするための取組」ということで、「(1) 提供される医療の内容に即した見直し」。例えば「老人性認知症疾患治療病棟入院料」と いう項目がございますが、これについて、老人に限らないということ、それから、治療病 棟と、昔は療養病棟という両方の認知症の病棟がございましたが、今回療養病棟というの はございませんので、それらもあわせまして「認知症病棟入院料」と見直す。  それから、例えば後期高齢者医療制度に特有の診療報酬項目がございますので、そうい う項目には必ず名称の冒頭に「後期高齢者」というものをつける。例えば「後期高齢者退 院調整加算」。ここは病棟によってはいろいろあるのですけれども、基本的にはこの加算 項目は若人にはなくて後期高齢者だけにある項目、そういうふうに考えていただきたい。  「(2)関連項目との差別化を図るための見直し」ということで、区分として1とか2 とか、そういうものだけを設けているわけですけれども、その際に、これはすべてはちょ っと無理なのですけれども、評価区分の意義が明確なものについては、その項目名の番号 の後ろに意義を明記した形で告示をつくっていきたい。例えば薬剤管理指導料、今回1と 2ができますが、その薬剤管理指導料の1のほうは「救命救急入院料を算定している患者 に対して行う場合」、2は「特に安全管理が必要な医薬品が投薬又は注射されている患者 に対して行う場合」等々です。  次のページでございますが、在宅患者訪問診療料がございます。今回はその居住系の施 設入居者等について違う点数をつくろうということで、例えばここでは「1 在宅で療養 を行っている患者(居住系施設入居者等を除く。)の場合」、「2 居住系施設入居者等 の場合」と区分けをしております。  また、人工腎臓につきましては、これはもともと1と2がございますが、その1のほう のイ、ロ、ハを今回区分を設けるということで、「イ 4時間未満の場合」、「ロ 4時 間以上5時間未満の場合」、「ハ 5時間以上の場合」とつくっております。  それから、差別化という意味では、現在地域連携という言葉が幾つかの項目で出ており ますが、これにつきまして、地域連携という言葉については、いわゆる地域連携クリティ カルパスのほうにつけていこう、そのほかの部分はちょっと省略をしていこうということ で、「地域連携診療計画管理料」、これは地域連携クリティカルパスの管理をする病院に つく料金です。それから、「退院時共同指導料」は、今現在、「地域連携退院時共同指導 料」とありますけれども、これについては「退院時共同指導料」と名称を変更いたします。  「2 診療報酬の構成を分かりやすくするための取組」ということで、現在検査の中に 病理の診断が入っておりますが、これにつきまして病理学的検査を独立した部に独立させ る。  「3 診療報酬の算定方法を分かりやすくするための取組」ということで、いわゆる全 身麻酔のところについては複雑な加算体系となっておりましたので、これをはっきり明確 化して分かりやすくしたということでございます。  それから次に、中医協総−2−2の資料をごらんいただきたいと思います。これは、開 業の数がどうなってきているのかという資料を出せということだったのですが、全体的に 分かりやすいものとして、いわゆる「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果を出しており ます。これは以前にも出しましたが、例えば最近の病院勤務医の割合はどうか。平成10 年、64.6%が、平成18年には60.6%までに減ってきている。確かに診療所に勤 務をしているお医者さんが増えている。ここで言う診療所の勤務医というのは、管理者も 含めて診療所で仕事をしているという意味の勤務医ということであります。  それから、下の表を見ていただきますと、上段、下段に分かれておりますが、これは2 年に1度、医師、歯科医師、薬剤師に届出をしていただきますので、届出が熱心だった年 とそうでない年は多分あるだろうと思っていまして、例えば下段のほうの平成2年、一番 下に診療所勤務医の増加率がございます。3.27%、これは前後と比べますと極端に多 い。あるいは平成6年の数字、あるいは12年の数字と見ていきますと、時々届出が熱心 になったような年があるのではないか。そういう変動はありますが、大きく言いまして、 平成6年以降、診療所の増加率は2%をすべて超えております。  それに対しまして、それより以前につきましては、時々高い数字がありますけれども、 大体0%台とかマイナスのときもある。こういうような状況でありますので、最近、やは り診療所の勤務医が増えているのは間違いないのではないか。  次のページをごらんいただきたいと思います。それぞれの医師が、これは年齢階級別に、 その年どこに勤めているかというグラフであります。平成16年の右側のグラフを見てい ただきますと、この医師の数のピークが大体45〜46歳がピークになっております。こ の部分につきましては、昭和40年代の後半から新設医大がどんどんできてきまして、昭 和50年代の前半ぐらいからその卒業生が出てきた。そういういわゆる医師の中での団塊 の世代がございますが、その方々がこういう年代になってきていて、最近、ちょうど開業 する年齢層が増えてきている。そういうことからも、開業される方が増えているという要 素もあるのではないかと考えております。  それから、中医協総−2−3をごらんいただきたいと思います。これは、10対1入院 基本料について、その基本料全体を引き上げようという御提案を前回いたしたところ、1 0対1と7対1の補助加算等との関係がよく分からない、資料をつくれということでお出 しをしております。  7対1入院基本料、10対1入院基本料、それぞれ平成19年5月1日時点で、病院数、 病床数が大体このようになっております。その後、7月にいわゆる定例報告があるのです が、まだちょっと最終集計は出ていませんので、5月時点のものをお示しをしております が、一般病棟の10対1といいますのが、半分近くがここになっている。それから、7対 1もこの時点で18万5,000床を超えている。そういうような状況でございました。  それぞれ点数の関係ですけれども、10対1入院基本料を今回少し底上げをしよう。こ れが新10対1入院基本料のランクであります。それから、7対1入院基本料に看護の必 要度等の条件をつけますので、それによって7対1が維持できなくて10対1に下がって くる病院につきましては、この新10対1入院基本料にさらに加えて看護補助加算がとれ るようにする。関係で言うと、こういうような点線の関係になります。  ここの看護補助加算というのは、前回も説明をきっちりできておりませんでしたけれど も、看護補助加算というのは、もちろん看護補助者がいればとれますけれども、例えば1 0対1に必要な看護師さん以上に病棟に看護師がいるという場合には、余った部分といい ますか、プラスアルファの看護師さんについては看護補助者とみなしてカウントできる。 したがって、7対1入院基本料から看護の必要度によって10対1というランクに落ちま すと、看護師さんはそのまま通常はいますので、その看護師さんの10対1から余る部分、 その部分について看護補助加算として少し手当てをしていく、そういうような考えである ということでございます。  裏のほうの表につきましては、これは現在の病棟区分別の入院基本料の点数と、それか ら在院日数等との一覧でございます。  続きまして、中医協総−2−4の資料をごらんいただきたいと思います。これは追加的 資料ということで、前回勝村委員から、周産期のところのお話がございました。現在もあ る点数なのですが、この裏のほうの図をごらんいただきたいと思います。  周産期医療にかかわりますところにつきましては、総合周産期母子医療センターという ものの整備を進めております。ここでは、母親、胎児、産まれてくる新生児、これらに対 する対応がきっちりとできるというところをつくっているわけであります。また、それよ り少し地域に密着した形で地域周産期母子医療センターをつくっております。この要件が 少し緩やかになっているわけですけれども、こういうところでも母子ともに見ていくとい うことが求められております。  もともと妊娠中に母体及び胎児にやはりリスクが高いと思われるものにつきましては、 基本的には総合周産期母子医療センターなり、あるいはその程度によりますけれども、地 域の周産期母子医療センターで分娩に入っていただくということが前提ですが、例えば分 娩前には予測できなかった新生児、あるいは分娩途中で例えば仮死になったとか、そうい うような状態がございますので、その場合には、地域で分娩が行われておりますので、産 まれてきた子どもさんをしっかりとしたところで診ていく必要があるということで、そこ は医師が乗ったドクターカーで搬送して、NICU等がございます医療機関で新生児を診 ていくという必要はございます。  したがいまして、分娩をすべて母子ともにできるところというものを整備していくのは、 これはなかなか困難でございますので、予測される場合はできるだけこういう整ったとこ ろ、予測されない場合も必ず出てきますので、それについては搬送体制をしっかりする、 あるいは受け入れ体制をしっかりする、そういうことが必要だと考えております。  それで表に戻りまして、現在、新生児入院医療管理加算というのがございますが、これ について、新生児の受け入れをしっかりしていただこうということで、これの引き上げを 考える。  それから、救急搬送診療料、この場合、例えば新生児とかですけれども、この方々を救 急用の自動車に医師が乗って診療する、ドクターカーですが、それで運んでいく場合にこ の点数がつきますが、これについても大幅に引き上げてはどうかと考えているわけであり ます。  それから、前回私は説明いたしましたときに若干訂正が必要なところがございますので、 後で出てまいります中医協総−3のいわゆる短冊の分厚い資料の50ページをごらんいた だきたいと思います。これは回復期リハビリテーション病棟の入院料でございます。この 施行期日につきまして、前回、10月1日からと申し上げましたけれども、この新しい点 数につきましては20年4月1日から適用いたします。  ただ、新しい点数ではリハビリテーション病棟入院料1と2がありまして、何もしない と2の項目になります。2のほうは引き下げを予定しておりますので、現時点において、 今年度末において既に算定しているところについては半年間の経過措置として現在の点数 をそのまま維持できることにしているわけでございます。  それから、もう少し後に出てまいります7対1入院基本料のところで、西澤委員から、 特定機能病院でいわゆる看護必要度でもって7対1から落ちるものはないかという御質問 がありました。そのときに、対象はありませんと答えましたけれども、私どもの持ってい る資料の中では、特定機能病院でも1カ所7対1から落ちるというところはございます。 訂正は以上でございます。  説明は、とりあえずここで。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございますでしょうか。 ○西澤委員  今の課長の説明から、7対1の看護必要度を満たしていない病院が1病院あって、落ち ると言いましたが、55ページを見ますと、適用しないということで……。すみません、 説明をお願いします。 ○事務局(原医療課長)  言い間違えました。看護必要度で言うと落ちる水準である、そういうことです。今回の 基準で言うと、一般病棟であったら7対1が維持できない、そういうようなところが1カ 所ある。 ○西澤委員  ということは、今回、看護必要度・重症度を入れたということは、7対1をとるべきで はない病院が入っているからそれを明確にしようということで入れたと思います。その結 果として、2割の病院が今回7対1をとれなくなった。特定機能病院は、ここに書いてあ るとおり適用しない。しかしながら、適用した場合には1病院あったということで、この 「適用しない」というのを抜かした途端に、特定機能病院で1病院は7対1がとれなくな るということではないかなと思っております。  特定機能病院というのは、やはり特定機能をしているとか、診療報酬の点数上も独自の 評価がありますので、一般病床と同一にするということは必ずしもいいとは思いませんが、 ただ、今回落ちた2割の病院からすると、どうして機能病院だけ違うのかという疑問があ ると思います。そのあたりは、今後、やはり7対1の在り方、あるいは特定機能とは何か、 特定機能病院の在り方はどうなのだということはきちっと議論する必要があるのではない かなと思っております。  また、55ページを見ますと、特定機能病院においても、「ただし、患者の看護必要度 等に係る評価については実施する。」ということですので、ぜひ特定機能病院は評価をし て、それをこの中医協の場で公表していただきたい。そして、検証もしていただきたいと 思っています。  それから、先ほどの総−2−3の資料で、特定機能病院で今7対1は27病院しかあり ません。54病院はまだ10対1です。ですから、今後、7対1をやはりとろうとしてい くと思うのですが、その前にこの重症度・看護必要度をはかりながら、7対1が必ずしも いくということではなくて、そこで一歩考えていただくことも必要かなと思っています。  以上です。 ○土田会長  特定機能病院に対する幾つかの御意見、要望が出ておりますが、医療課長。 ○事務局(原医療課長)  またいずれ議論していただけたらと思うのです。前にも説明しましたが、特定機能病院 は高度な医療の実施あるいは研究開発というような役割を担っているという特徴を持った 病院です。ただ、それだけではなくて、地域医療の一端も担っている。それから、多くの 特定機能病院というのは大学の附属病院です。ですから、ある意味で言えば、医学教育と いうものも担っている。そういう意味では、通常の一般病院とは違う性格を多々持ってい ますので、違う体系をつくってきた。  特に医学教育のための入院患者さんも必要になりますので、そういう意味で、一律に地 域の急性期病院をイメージした評価基準ではなかなかはかれないだろうということで、別 に扱いをしたということです。特定機能病院をそもそもどう考えるかということでは、ま たいずれ議論をしていただけたらと思います。 ○土田会長  よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。 ○対馬委員  総−2−3の一般病棟入院基本料、10対1の問題です。前回説明を受けて、また今日 も説明を受けたのですが、ちょっとやはり確認させていただきたいことが、3点ほどあり ます。  1点目は、なぜぎりぎりのタイミングかという理由をもう一回簡単にお願いしたい。  2点目が、10対1につけることの意味合いと、財源的にどこから捻出してつけるのか。  3点目として、看護補助加算を7対1から落ちてくるところについては適用するのだと いうことですけれども、確かに看護師さん等々を算定できるかもしれませんけれども、あ くまで、それは恐らく便法といいますか、基本的には看護補助加算というのは13対1と かで、看護師さん以外のところにつけるというのが基本だろうと思うのです。そこをつけ るというのは、7対1の入院基本料のあくまで経過措置だと、こういう理解でいいのかど うか。つまり、いずれ10対1のところにも看護補助加算をつけるのだということでの一 石を打っておくということではないですねということの確認をしておきたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  確かにぎりぎりになってこれを出してきて、大変申し訳なかったのですけれども、経過 から少し申し上げますと、もともと7対1入院基本料の1,555点と、10対1入院基 本料の1,269点、この差が286点あるわけです。非常に幅が広かった。そういう意 味で、例えば10対1から、看護師を増員して7対1にしようと思うと、その1人当たり の、当然ながら病院の収入は増えますし、それから、逆に言うと看護師さんの支出は増え るわけですけれども、その点数差がありますと、1人当たりで400万円台の後半の増収 になる。そういうふうな試算を一昨年にたしかしたと思います。そこから非常に急速に7 対1に看護師集めが始まったということもあったのではないかということで、この点数格 差を縮めたいというのはそのときからの考えでございました。  当初は、7対1入院基本料の点数を下げるというのもありますし、それから、下を上げ るという方法もあるわけですけれども、現実問題として、一定の点数を設定した後下げる というのはなかなか困難な状況もあるという中で、昨年の秋に説明をさせていただいたと きには、7対1の入院基本料で看護必要度等によって条件をつけます。そうすると、当然 何割かが10対1に下がってくる。そうしますと、そこで財源が出ますので、その財源を 使って7対1と10対1の格差を縮めるということで、10対1のほうに全般的に看護補 助加算をつけてはどうかという案を1回示したことがございます。そのときはなかなか合 意が得られなかったということはございます。  もう1つは、いろいろと算定作業、点数をそれぞれにつけていく中で、7対1の条件付 けをしていくときに、当初考えていたよりはそれほど10対1は落ちてこない。すなわち、 その分だけ財源が豊富に出ないということもありまして、その看護補助加算を10対1全 体につけるという方法についてはあきらめたわけであります。その結果、最後までこの格 差をどうするかという課題は残っていたわけでありますけれども、全体として、ほかの点 数等もつけていく中で、一番最後に残ってきたのは、実は10対1のところの扱いをどう するかということで、もう一方は、実は中小病院が非常に大変だということもございまし た。それから、ここで言っているところの10対1が入院基本料の病院が医療経済実態調 査からも大変だという状況もございました。そういう中で、何とかそのほかのところの財 源を張りつけた後、その余の部分で今回この部分を引き上げようということで、ぎりぎり までかかって提案が遅れたということでございます。  それから、10対1につける意義でございますが、今申しましたように、実は10対1 というのは地域の中での急性期病院の普通の形のところでありますので、こういうところ、 先ほど言いましたように、経営上は7対1はそのほかのところに比べて厳しいということ もございますので、そこにつける。それから、地域の中小病院において、このあたりもそ の他の点数の配分からいいますと今回はつけられていなかったということがあって、その 部分についてもここで補おうということもございます。そのような意味がある。  それから、看護補助加算について、あくまでこれはもちろん経過措置でありますし、1 0対1における看護補助加算をどう考えていくかについては、また改めて議論をしていた だければと思います。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますでしょうか。  それでは、ただいま医療課長のほうから説明がありましたこれまでの指摘事項について の補足の部分はこれで終わりたいと思います。 ○対馬委員  質問というか、意見になるのですけれども、今の7対1、10対1、それから、看護補 助加算のところですけれども、ここは、前にも申し上げましたけれども、診療所でいいま すと、初・再診料に相当するような入院基本料のところですから、基本中の基本だと思う のです。ですから、今の議論、特に看護補助加算をどう考えていくかといった議論もござ いますので、答申の附帯意見に、入院基本料、それから看護補助加算については、改めて 在り方について議論するということをぜひ入れていただきたいと思います。 ○土田会長  了解しました。  ほかにございますか。  それでは、一応ここはこれまでとしまして、次の議題に移りますが、次は、明細書を取 り上げたいと思います。  前回の中医協の総会におきまして、ここの明細書は一番最後に取り上げると申し上げた のですが、実は勝村委員が公務等々で今日は早めに帰らなければいけないというような話 ですので、先にこの議題を取り上げることにしたいと思います。  前回は、明細につきまして3点残っておりました。DPCにかかわる問題、それから全 員に明細書を発行するかどうか、それから3点目は、有償にするかどうかということで、 いずれもペンディングになっております。最初のDPCについて、一つ確認してから事務 局の説明を求めたいと思いますが、このDPCについて、勝村委員がもう少し明細を明ら かにしてほしいということは、医療の内容そのものをもう少し明らかにしてほしいという ことなのか、あるいは内容を明らかにした上で、各個別の点数もすべて明らかにしてほし いということなのか、前回そういう質問等々をしたのですが、まだはっきりしておりませ んので、改めてここで確認をしたいと思います。 ○勝村委員  私が前回の意見でお願いした趣旨は、つまり、薬名の商品名とか検査名、例えばフィブ リノゲンとか、そういうふうなことが分かるということをお願いしていたということです。 ○土田会長  わかりました。そのことを確認した上で、実は、恐らくそういうことであろうというこ とで、この問題については事務局のほうに検討をお願いしてあります。それから、有償に するかどうか、あるいは全員に対応するかどうかということも含めて、事務局のほうにも う少し対応ができないかということで検討をお願いしてきました。それで、そのことにつ いて、最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  分厚い中医協総−3の21ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、前回か ら少し変えております。  まず1点目、1番を読んでしまいます。「レセプトオンライン化が義務化され、個別の 診療報酬点数の算定項目の分かるレセプト並みの明細書を、即時に発行できる基盤が整う こととなる医療機関」、これについては下に注が書いてあります。「については、患者か らの求めがあった場合には、明細書の発行を義務付ける。その際、DPC対象病院におい ては、レセプト提出時に包括評価部分に係る診療行為の内容が分かる情報が添付されるこ とと合わせ、入院中に使用された医薬品及び行われた検査について、その名称を付記する ことが望ましい。明細書の発行の際、費用徴収を行う場合にあっても、実質的に明細書の 入手の妨げとなるような料金を設定してはならない。」。  注の2として、「レセプト並みの明細を記載した領収書が発行された場合には、明細書 が発行されたものとして取り扱う。」。当然ながら、「別に明細書を発行する必要はな い。」。この部分について変更を加えたということでございます。 ○土田会長  ありがとうございました。  こういう形で事務局に検討をお願いしてきたのですが、これにつきまして、最初に勝村 委員、いかがでしょうか。一文ですが、先ほど言いましたように、DPCと、それから全 員かどうか、有償か、3点を一応含めた文言になっておりますので、あわせて。 ○勝村委員  審議の時間等にも配慮していただいて、ありがたく思います。  前回というか、この間ずっと意見を述べさせていただいたように、本来私が求めている のは、全員への無料発行、特に今回は400床以上のところではそれができるのではない ですかということをお願いしてきましたけれども、いろいろ議論がある中で、一定、今回 はまさに会長がおっしゃる一歩は前進したのかなという感じで思いましたので、本来求め ている議論はまた2年後に向けてお願いしようと思いますが、今回に関しては一歩前進さ せていただいたなということの配慮を感謝したいと思います。  こういうふうに変更していただいたことを受けて、さらに少し細かな点で3点ほど確認 をしたいことがありますので、それをお願いしたいと思います。  1つは、費用の徴収に関して、「実質的に明細書の入手の妨げとなるような料金を設定 してはならない。」と書いていただいたことをありがたく思うわけですが、この文章、今 ここに書いているのは400床以上だけです。2年前から、従来の残っている400床以 下の努力義務として書かれているところの文章の表現も、今回検証部会の先生方の議論で も何千円というのが高すぎるのではないかという話もありましたので、そこの中身もこれ と同じ文章、つまり、「妨げうんぬん」というのを載せていただくことはできないのかと いうことが1点目。  2点目は、今回総務省からの指導があって、電子化加算をとっている医療機関において も、そういう詳細な明細書が請求できますよ、という掲示がなかったために発行実績がゼ ロだったりしていることがあったので、ポスター等の掲示をして、そういうものが請求で きるのですよということを伝えることを進めていくのだとお話がありました。それに関し ては、今回400床以上は請求があったときの発行は義務化ということであるのですから、 400床以上の医療機関に関しては、そういうものが請求したらもらえるのですよという ことを伝える掲示をやはり同じようにしていただくということは同時にできないのかとい うことです。  それと同時に、3点目ですがその掲示の仕方なのですけれども、明細書が発行されます よという言葉一つでは患者はその内容についてイメージできないと思いますので、今国立 のセンター病院が、患者から見たら非常に分かりやすい掲示をしていただいているので、 そういう掲示内容なども通知等で見本として出していただくなりして、そういうわかりや すいポスターが張られていくというようなこと、それら3点をあわせて御配慮いただけな いかということをお願いしたいと思います。 ○土田会長  今3点の要望が出ました。もっともな要望だと思いますが、事務局のほうの対応はいか がでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  まず、400床未満のところで、電子化加算の要件としてこれをやる場合には、当然な がら掲示をすることを義務付けるということは、これは21ページの一番下に書いてある。 これは前回説明いたしました。そうでなくて、義務付けになる医療機関について、出せま すよということを掲示することを義務付けるということが1点目ですね。これについては、 検討してみないと分からないのですけれども、ほかの事項でも、当然やらなければいけな いことがある、あるいは患者さんに分かってもらわなければいけないことがあるというこ とも確かにあるのですけれども、いわゆる掲示を義務付けるというところまでやっている ものばかりではないので、そのあたり、ほかのものとの考え方の整理をする必要があるの ではないか。お考えは非常によく分かります。  2点目が、努力義務のところです。400床未満、IT化加算以外のところは努力義務 になっている。努力義務のところの料金の徴収について、これと同様の表現ができないか ということですけれども、これについては通知の中で検討してみたいと思います。  3点目の分かりやすいと、そこはなかなかちょっとどのような表現でするのかよく分か らないのですけれども、やる以上は分かりやすくというのはよく分かるのですけれども、 そこをこちら側からどういう形で示していくのかなというのは、ちょっと今即答いたしか ねます。 ○勝村委員  400床以上でも、今回義務化ということに療担規則で改正したということを国民の側 に伝える努力というのはやはり必要だと思うのですが、それを病院の窓口レベルで、一定 期間なのか、できればずっとなのか、努力義務ということの在り方でもお願いしたいです が、まして義務化ということはぜひ掲示をしていただきたいと思いますが、そういうこと を考えています。  ここで「※2」を書いてもらっていますが、「※2」を採用しているような医療機関は、 もちろんそういうことを、掲示をしてもらう必要はないと思いますけれども、そうではな いところに関しては、義務化ということを決めているのだけれども、そういうことを知ら なかったということがないような何らかのすべをお願いしたいということです。  先ほどの3点目についてなのですけれども、そういう掲示をするときに、それが非常に 分かりにくいという議論がありました。それは、別途いろいろな患者団体と国立病院の担 当官の間とかでもいろいろ議論があって、一定こういうポスターだったら領収書と明細書 の違いが例示がされていて、患者が見てよく分かるのではないかという形のものが作られ た経緯があったわけです。そのポスターが現在、国立のセンター病院に共通して掲示され ていると聞いておりますので、そのポスター自身をホームページに掲載するとか、これか らそういうことを掲示を義務付けられる医療機関がどういう内容の掲示がいいのか、見本 として分かりやすいような形で示していただくことをお願いしたいという趣旨なのです。 ○松浦委員  私は、この明細書という問題について、お金のやりとりという視点から議論が行われて いるように思います。そのこと自体でそういう狭い意味から議論するのであれば、それは 全員に発行して無料でというような、そういう見方も成り立つかもわかりませんが、ただ、 これは人間の病気ですから、極めて難病ということもあるので、患者に心理的な外傷を与 えるおそれがない場合は全員に自動的にぽんと無料で明細書を発行しても結構なのですけ れども、このおそれがある場合は、やはりよほど慎重に考えていかなければいかぬ。そう いう視点からの議論も必要ではないかと思います。 ○邉見委員  私は勝村委員の意見をずっと前のときから聞いておりまして、個人的には非常によく分 かります。やはり患者参加という医療、逆に言えば、皆さんに分かってほしくて、医療費 は少し安すぎるのではないかと思うぐらいのところまで、例えば手術料とか入院料は、分 かってほしいという意味では、こういうふうなことはどんどん進めていくべきだとは思い ますが、先ほど松浦委員からありましたように、難病とか、あるいはインフォームドコン セントをしていない患者さんもございますし、それから、無償で全員となりますと、事務 的なもの、一律に出したほうが楽だという意見もあるようではありますけれども、現実に は、我々が見ても、私は国保の審査を17年間やっていますけれども、ほかの病院であれ ば分からない薬はいっぱいありますし、専門が違えば分からないこともいっぱいあります し、それを受付の方は、聞かれたら必ず先生に聞く、薬剤師に聞くとなると、やはり混乱 する。だれか二、三人はそこに事務官をつけなければいけないのではないか、あるいは診 察中に電話がかかってくるのではないかとか、いろいろなこともあり得ると思います。  私がこの間ずっと勝村委員の意見を聞いて、ふんふんと言って帰りましたら、いろいろ なところから、何で黙っていたのか、病院の事務は大変だというのをもっと分かるように 言ってくれという意見が来ましたので、今日、具体的なレセプト、うちはDPCですので、 これはDPCになる前のレセプトを持ってきました。(帯状の資料を示す)これは、1人 1月分です。こういうふうになります。この方は心筋梗塞で夜来まして、バイパスをつけ まして助かりました。助かりましたけれども、おしっこが出なくなりまして、透析をした りしまして、99万2,000点です。992万円です。こういうふうなものが出ます。 こういうふうなものを皆さんに出すのかどうかということは、ちょっとまずいのではない か。聞かれたらうちは出していますけれども、一般病院はこういうのが決して珍しいこと ではないのです。急性期病院であればしょっちゅうあるわけですので、ちょっとどうかな と。森林資源というふうなものもございますし、どうでしょうか。方向とかお考えは全く そのとおりだと思いますけれども、実務という意味でです。 ○勝村委員  レセプトを患者には絶対見せるなと10年前までは厚労省は指導されていまして、私は 子どもを医療機関で亡くしましたけれども、最終的に自分の子どものレセプトも非常にた くさんの記載になっています。だから、僕らはレセプト開示ということを強く求めてきて いた患者団体、被害者団体とずっと一緒にきていますから、レセプト開示をしている人た ちのこと、レセプトがどんなものか、実際に開示請求したらどんな扱いなのか、それを見 てどういうふうに感じるのか、それを患者の体験から議論させていただくのは幾らでもさ せていただきますし、10年前からどんな思いで患者の人たち、被害者の人たちが求め続 けてきたかというような話もあるのですが、だけど、今日は、この原案では全員発行にな っていません。全員発行になる可能性があるのでしたら、僕も今のご意見に対してしっか りと議論させていただきますが、会長のほうから、時間のこととかをいろいろ配慮して、 今回こそは一定の一歩前進という形でやっていただいていますので、この案に関して異論 がないのであれば、そこの議論はぜひ次回の申し送り事項として、次回にはじっくり議論 していただければと思います。  そのときに、私が知っている病院の事務方の人から、請求された場合だけに発行すると きには1人事務員が余計に要るようになるけれども、例えば院長が全員発行ということを 決断、または了承してくれたら、自動的に打ち出せるから事務員の増員は不要で楽になれ るのになとおっしゃっている事務長はおられます。いろいろな意見があるわけなので、そ こはじっくり2年後にはぜひ議論していただくということでお願いしたいと思います。 ○大島専門委員  勝村委員の言うこと、非常に理解もできるし、よく分かります。私も、最近は実際に医 療をやっているわけではないのですけれども、医療の内部にいた人間なものですから分か るのですが、今までの医療で非常に欠落していた部分というのが間違いなくあると思うの です。その部分をどう修正するかというときに、こういう意見がある、こういう考え方が あるというのは非常に大事ですが、しかし、それを片一方であまり突き詰め過ぎますと、 松浦委員が言われたように、医療の現場には多様な価値観を持った方がいっぱい見えるわ けです。その見える中で、片一方の欠落していた部分を補おうと思って、徹底してこれを やろうと思うと、また違う新たな問題がそこで噴出してくるということは避けられないの です。  そうすると、どこでバランスをとるのかというような議論になるのですが、例えばより 分かりやすいところにきちんと掲示をすべきだと、これは当たり前で、だれもこれについ て反対なんかできないのです。それを何かアリバイづくりのように病院の片隅にちょっと 掲げて、ちゃんと表示してありますよと、文句を言われたときにそういうふうにやってい るような病院が仮にあったとします。意図的にもしそういうことをやっているとすれば、 その病院のモラルそのものがこれは本来は問われる話なのです。それを行政指導として徹 底的にきちんとこういうモデルでこういうふうにということをやるのかという話になると、 何かそこまで日本の社会というのはおかしくなっているのかと考えざるを得ないような感 じが少しするのです。  もちろん、言われていることは真っ当だし間違いないし、しかし、それをどこまで突き 詰めていくのかというのは、もう少しある部分違った見方があってもいいのではないかな という感じがちょっとします。 ○勝村委員  極めて僕たち患者は本当に医療が必要で、患者だからこそ、家族との葛藤をいろいろ経 験しております。そんな本音を会話していて、だからこそのバランス感覚というのは非常 に一生懸命考えているつもりなのです。つまり、僕たちはカルテを全員に発行しろと今言 っているわけではないのです。何もかもを全員には要らない。とりあえず全員に発行して おくべきラインというのはどこなのだということを僕らは言っているわけで、全員発行 云々の議論は今しても仕方がないと思いますけれども、どこまでが、全員発行しておくこ とが医療の質の向上に一番つながるのかということを考えています。  それから、掲示に関しては、これは総務省から指導を受けてやっているので、僕は突き 詰めて言っているのではなしに、明細書が発行できますよということをやっているけれど も、それを全く掲示していない、患者に全く知らせていない。だから、発行実績はゼロだ。 だけれども、患者に明細書を発行していますから電子化加算していますと、そういう医療 機関が残念ながら一部にあるということなので、モラルを疑っているのではなくて、そう いう医療機関が出てきているからそれを防ぐ。ここにおられるようなお医者さん方がやっ ている普通の医療機関だったら当たり前のことを、今さら書かなくてもと皆さんがおっし ゃるのは分かるのですけれども、患者の立場からすると、当たり前のことだからこそ当た り前にしておいてほしいというお願いなのです。 ○邉見委員  よく分かります。今日の議論もよく分かって、次の2年間のことになるかと思いますけ れども、私はちょっと申し上げたいと思いますのは、患者参加ということは大事なのです。 だから、お金のこともそうなのですけれども、私は患者さんが疾病のこと、今度の4疾病 5事業医療計画もそうですけれども、いい患者というのは、4年制の大学だと思っている のです。1年生は自分の症状を話しましょう、2年生は自分の病名を尋ねましょう、3年 生は自分の病気を学びましょう、4年生になると自分の病気を治しましょうと、共同参加 です。お医者さんに任せない。これで一流の患者、一流の患者と言ったらおかしいですけ れども、ちゃんとした患者だと思っているのです。  そういう意味では、うちの病院もそういうのをいっぱい張っていますし、5分間なんて 言わずに、土曜、日曜日は疾病教室やらをして、いっぱい来ています。そういうのは1人 当たりにすると5分どころではないのですけれども、だから、お金とか明細書というだけ の問題でないようなところも、今後ぜひお話し合いをしたいと思います。 ○勝村委員  ここで今、明細書というのが一つのテーマになっているから議論しているので、僕はこ ればかりを1年じゅう言っているわけではない。例えばレセプト開示よりもカルテ開示の 議論でも、僕たちはずっと厚労省とかいろいろと、患者団体、被害者団体は参加してきて います。また、カルテ開示等を含めた、情報開示の問題だけではなくて、医療はどうある べきかと、いろいろな審議会などにも今は薬害や医療被害者の人とか患者団体の人が入っ てきているわけです。そういうそれぞれの勉強の中で、今は明細書に関してはどうなのか という話です、だけど、患者や被害者団体もこれだけを言っているのではありません。も し、患者団体は一つのことしか考えておらず偏っているのではないかとか、そういうふう に思っておられるのだとしたら、もっとよく見ていただいたら、本当にいろいろなことに バランスよく努力して、被害者団体が言っていることは、すべて本当に多くの医療者、ご く普通にいい医療をしたい、患者のためにいい医療をしたいと思っている人たちと、よく 聞き、読んでいただいたら、ほとんど意見は皆一致しているということが分かっていただ けるはずだと思うのです。 ○土田会長  どうもいろいろありがとうございます。時間がたっていきますので、多少ここで集約さ せていただきたい、あるいは確認させていただきたいのですが、先ほど医療課長の説明が あった21ページのこれをベースにしながら確認していきたいのですが、先ほど言いまし たように、この明細書をめぐる問題は3点ございました。  最初の全員発行ということにつきましては、先ほど勝村委員から話がありましたように、 ここの2〜3行目ですが、「即時に発行できる基盤が整うこととなる医療機関」、つまり 400床以上、「については、患者からの求めがあった場合には、明細書の発行を義務付 ける。」ということで、とりあえず全員発行ではない。400床以上については求められ た場合には発行を義務付けるということ、ここは1点確認したいと思います。よろしいで すね。  それから2番目、DPCの対象病院、先ほど勝村委員に確認しましたように、個々の診 療行為の点数を聞いているわけではない、どういう医療行為を行っているかを知りたいと いうことを踏まえて、ここにまとめてありますが、「レセプト提出時に包括評価部分に係 る診療行為の内容が分かる情報が添付されることと合わせ、入院中に使用された医薬品及 び行われた検査について、その名称を付記することが望ましい。」。ここは「望ましい」 という表現で一歩妥協しているのですが、こういう書きぶりでとりあえず今回一歩前進し たということで合意をいただきたいと思いますが、よろしいですか。ですから、DPCの 対象病院については、内容の分かることを付記したものを添付していただきたいというこ とであります。それを「望ましい」という表現でまとめていただいております。  それから3点目の「費用徴収を行う場合にあっても、実質的に明細書の入手の妨げとな るような料金を設定してはならない。」と、あくまでも実費ですよということで、前に調 査を行いましたように、8割以上は無料で出しているという実態を踏まえて、無料で出し ているところはこれからも無料で出してほしいということなのですが、有料のところも実 費徴収ですという内容になっております。これについても御同意いただけますでしょうか。 よろしいですか。  それから、「※2」で、「レセプト並みの明細を記載した領収書が発行された場合には、 明細書が発行されたものとして取り扱う(別に明細書を発行する必要はない。)。」とい うことについても同意をいただいております。  そういうことで、一応この3点については、ここに記されている内容で合意したという ことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それに続きまして、後で勝村委員のほうから掲示等についての要望がございました。掲 示等々につきまして、これは、つまり決まったことを掲示するというのはもっともな話で す。したがって、中にはどういう病院があるか分かりませんが、それはまた監査の時点で 当然指摘があるということをお含みの上で、国立センターのほうでそういう分かりやすい 掲示をされているのだったら、当然それを参考にしながら掲示していただくとか、できる だけ患者さんの方にそういうことを行っていますよということが分かるような掲示をお願 いするということで、先ほどの勝村委員の要望についてはまとめたいと思いますが、よろ しいですか。事務方のほうも、そういうことを踏まえて、できるだけ分かりやすい周知、 分かりやすい掲示をするように指導していただきたいと思います。よろしいでしょうか。  何か御意見、御質問ありましたら、どうぞ。よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。それでは、本件についてはここまでにしたいと思います。  それでは、次の議題に移りたいと思います。まだ先は長いのですが、先週に引き続きま して、診療報酬改定の個別項目、いわゆる短冊について議題に取り上げたいと思います。  今月1日の総会におきましては、お手元の資料の「II 質の高い医療を効率的に提供す るために医療機能の分化・連携を推進する視点」のうち「II−5 精神障害者の療養生活 支援について」まで議論が一巡しております。  次の「II−6 歯科医療の充実について」では、歯科診療報酬と共通するところも後の ほうに出てまいりますので、つまり歯科診療報酬は後に回したいという趣旨で、医科診療 報酬に関する議論を済ませた上で、II−6及びII−7の調剤報酬の見直しについてという 手順で議論を進めてまいりたいと思います。よろしいでしょうか。つまり、議論の効率を 図るために、医科と調剤報酬は後のほうでまとめて行いたいということです。  そういう形で進めてまいりますが、これは前回も申し上げたのですけれども、先ほど対 馬委員のほうからも御意見がありましたが、答申では附帯意見をつけることになっており ますので、そういう附帯意見として盛り込むべき事項がございましたら、審議の途中で結 構ですので、あわせて御発言をお願いしたいと思います。  それでは、事務局より最初に説明をお願いしますが、「III 我が国の医療の中で今後 重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点」につい て、説明をお願いいたしたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  中医協総−3の114ページからでございます。まずは重点的分野のがん医療の分野で ございます。まず「放射線治療の質等の充実」でございます。ここは、我が国のがんの特 性もありまして、我が国では手術療法が中心に発展してきましたけれども、やはり医化学 療法やこの放射線療法というのは、今後非常に普及していく必要があるということで、こ の放射線治療についてここではまとめてございます。  具体的には、放射線治療の質の向上のために、医療機器安全管理料というものを設定す る。ここでは、放射線治療機器、その保守点検あるいは調整というのが非常に重要なファ クターでございますので、それをしっかりやれる体制、人員等がそろっているところにつ いての評価をする。  それから、放射線治療につきましても、外来でできるようになってきているというとこ ろがございまして、化学療法等と同様に外来の放射線治療加算というものを設けて、外来 での治療の促進を図っていきたいということでございます。  115ページでございますが、3つ目として、これは新しい先進医療からの導入になり ますけれども、強度変調放射線治療(IMRT)という方法がございます。これにつきま して、放射線治療として新しく認めるということでございます。具体的な点数設定はここ に書かれているような形になります。  116ページをごらんください。「化学療法の質等の充実」ということで、現在も化学 療法について外来でも行われておりますし、院内でも行われております。その際、外来化 学療法につきまして、ここでは、現在の外来化学療法加算はそのままといいますか、外来 化学療法加算2として設けまして、1のほうに新しく相当の経験を有する薬剤師、それか ら化学療法のいろいろな薬剤の組み合わせとか投与方法、投与期間とか投与間隔とか、そ ういうようなものの決まったやり方、それらにつきまして院内でしっかりと吟味をして、 院内で承認した方法でやっていく、そういうような形の委員会を持って開催している、そ のようなしっかりとした体制について現在よりも高く評価していきたい。  117ページ、この際に抗悪性腫瘍剤等を無菌製剤で当然処理をしますので、現在無菌 製剤加算というのがございますが、この製剤において無菌製剤処理料というものを設定を して、悪性腫瘍に対する薬剤と、それから、それ以外のものに分けてこういう処理料を設 定していく。  118ページでございますが、これはがんの痛みを抑える「緩和ケアの普及と充実」と いうことでございます。  1点目は、がん性疼痛緩和指導管理料ということで、これはWHO方式の疼痛緩和のた めの薬剤の使い方、これにのっとってしっかりとやっていくというところにつきましてこ の指導管理料が算定できるという形に考えたい。  2点目は、緩和ケア診療加算ということで、現在の緩和ケア診療加算から、さらに要件 として、緩和ケアの経験を有する薬剤師の配置をこの要件として加えるということ。した がって、当然ながらここの点数を上げるということです。  119ページに参りまして、その中で、医師については入院医療だけではなくして、外 来でも緩和ケアをやっていただく必要もあるだろうということで、ここは入院だけでなく ても外来で緩和ケアをしてもいいという形で少し緩めてございます。  3点目は、緩和ケア病棟の入院料でございます。(1)、緩和ケア病棟そのものが、今 現在は末期の悪性腫瘍等に限られているわけでありますが、もう少しこの病棟を活用しよ うということで、改正案のほうに書いてあるような形で使っていこうと。外来や在宅への 円滑な移行の支援等々、これをやっていただこうということです。(3)、地域の医療機 関との連携をしっかりやるという要件。120ページになりますが、(4)、連携診療所 の患者の緊急の相談体制をこの病棟で持ってくださいということ。(5)、連携する医療 機関の医師あるいは看護師さん等、こういうところで緩和ケアの研修をやってください。 こういうような役割をこの緩和ケア病棟に付加していくということを考えております。  4点目は、包括化されているもので、がんの疼痛緩和のための麻薬等非常に高価な薬も ございます。それを包括から外すということと、あわせて薬局でそれが交付できるという 薬剤を広げるということがあります。  5点目は、薬剤師の取組として、在宅患者あるいは外来患者さんに対する麻薬の指導管 理、これについて設定をする、あるいは点数を引き上げるということを考えています。  122ページ、「がん診療連携拠点病院加算の評価」でございますが、がん医療の地域 での広がりをつくるために、がん診療連携拠点病院というものがつくられております。こ れにつきましては、今後、がん診療連携拠点病院で相談体制等々を充実させていくという ことになっておりますので、その役割が広がるということから、今回はこの病院の加算の 点数を少し引き上げる。  123ページ、「リンパ浮腫に関する指導の評価」でございますが、先ほど一番初めに 申し上げましたように、日本は手術療法が非常に発達してきておりますが、特に下腹部、 子宮あるいは前立腺等々の腫瘍の摘出術に伴って、広範なリンパ節の郭清をする場合がご ざいます。あるいは乳がん等の場合に、腋窩リンパ節の郭清をする場合がございます。そ のような場合には、将来的に手や足にリンパ液がたまってリンパ浮腫が生じるという可能 性があるわけであります。そのようなリンパ浮腫について発症しないような適切な防止を するという意味で、適切な指導管理を行うということについて、今回新たに指導管理料を 設定する。  さらに、これらの重症化の防止のために使います弾性着衣、弾性ストッキングでありま すとか弾性スリーブというものがございますが、これらにつきましては、療養費で支払う という形で対象を考えていきたいと思います。  124ページ、脳卒中対策でございます。まずは「地域連携診療計画の評価の拡大と見 直し」。現在、地域連携診療計画につきましては、大腿骨の頸部骨折について試行的に導 入するということで、前回も検証につきましても御報告いたしたところでございます。そ れにつきまして、今回は対象を脳卒中に広げるということにしたいということが1点。  それから、ただ、検証の中で、退院基準や転院基準、あるいは退院時の日常生活機能評 価等々について、必ずしもはっきりしていなかったというところがありますので、それら の明確化をさせていく。  ただ、脳卒中に対象が広がりますと、連携する医療機関がどっと増えてまいりますので、 その分については全体としては計画策定にかかる手間暇を考えますと、手間暇が薄まると いうこともありまして、基本的には点数そのものは若干引き下げを行うということにして おります。  なお、脳卒中の場合は、この都道府県が作成します医療計画に、いわゆる脳卒中の急性 期に対応する病院でありますとか、あるいは回復期のリハビリをやる病院ですとか、そう いう形で書かれていくわけでありますが、そのように都道府県の医療計画に記載された医 療機関のみを対象として考えていきたいと思っております。  125ページ、「超急性期脳卒中加算の創設」。順番からいいますと先に急性期が来る わけですが、これは以前にも言いましたが、組織プラスミノーゲン・アクティベータ(活 性化因子)が薬剤として売られるようになりまして、脳梗塞の治療として非常にすぐれて いる。ただし、発症から3時間以内に投与が必要だとか、あるいは脳出血の場合にこれを やりますと大変なことになりますので、脳梗塞かどうかの診断がしっかりつく。このよう に時間がある程度限られた中で全部対応していく必要があるということから、このような 対応がしっかりできる、24時間こういう対応ができるというところを中心に、このt− PAについて投与がふさわしいというところについて、この超急性期脳卒中加算という形 で加算を考えていくということにしております。  施設基準等は後に書いてございます。  127ページですが、ここから自殺と子どもの心の問題。「自殺対策における精神医療 の評価」につきましては、これも従来からも申し上げましたけれども、早期の精神科受診 というのがまずとりあえず必要になるだろう。うつ病等の場合に、日常診療していただい ている中で、内科等から、ちょっとうつ病等が疑われるのではないかという場合には速や かに紹介をしていただいて、しっかりと向こうに受診するように橋渡しをする。その場合 の精神科医連携加算というものを情報提供料に加えたい。  それから、救命救急センターに運ばれてきた方が自殺企図患者であったというような場 合は、身体的な治療とともに心のケアも重要になりますので、精神保健指定医がその精神 疾患に関して診断・治療等を行った場合に加算をする。  128ページ、「子どもの心の診療に関する評価の充実」でございます。これも従来説 明してまいりましたけれども、子どもの心の診療の外来及び入院での評価を引き上げると いうことで、小児特定疾患カウンセリング料につきましては、回数の増と、それから算定 期間の1年を2年にするということ。それから、通院精神療法につきましても、20歳未 満の場合には、6カ月以内から1年以内に加算がとれる期間を延ばす。  それから、子どもの心の入院の部分でございますが、児童・思春期精神科入院医学管理 加算というのが現在設定されておりますが、これにつきまして算定要件の緩和等をしてい くということで、病室単位で算定ができるようにしていくということを考えております。  今後の重要な分野の医療安全でございますが、130ページ、「医療機器等の安全確保 に係る評価」ということで、医療機器、特に生命維持に非常に密接な機械等もたくさん出 てまいりました。それらの維持管理というのは非常に重要なことでございますので、その ために臨床工学技士を配置して、下にございますような人工心肺装置、補助循環装置等々 の機器を用いて治療を行った場合にこの安全管理料というものを算定できるようにすると いうことにしております。  131ページは、後でまた薬剤のところで一括して説明をさせていただきます。  133ページ、新しい技術のところで「画像診断等の評価の見直し」ということでござ います。これは、先ほどのパブリックコメント等々でも出てまいりましたけれども、まず 1点目は、画像診断管理加算の引き上げということで、専ら放射線診断をするお医者さん がおられる、こういうところについて、その加算の基準を上限をしっかりとやっていく必 要がある。前回、例えば1人の方のMRIの写真でも、非常に膨大な情報が出てくる。そ ういうようなことにかんがみて全体としてのレベルアップを図っていく必要があるという ことで、画像診断管理加算2のほうをここにありますように、これは一応病院に限らせて いただいて、画像診断を専ら担当する常勤医師でありますとか、この画像情報の管理をそ の人が行う。  あるいは右側の改正案の一番下の(2)のニ、「当該保険医療機関における核医学診断 及びコンピューター断層診断のうち、少なくとも八割以上のものの読影結果が、ロに規定 する医師により」、要するに診断をする専門の診断医です。「遅くとも撮影日の翌診療日 までに主治医に文書で報告されていること」ということで、文書報告をここで求める。  それから、ホ、「画像診断報告書には参照画像を添付する」。どの画像を見るかという のは、例えば100枚以上ばっと出てくるうちのどれがポイントかというのをきっちりと お知らせしないといけない、そういうことです。そういうところについては、画像診断管 理加算2については点数を引き上げることとしております。  それから、134ページの2と3、これがデジタル映像化処理加算の廃止と、それに伴 いますコンピューター画像処理加算の対象拡大及び点数の引き上げということでございま す。ただ、デジタル映像化処理加算の廃止につきましては、平成21年度末まで、2年間 に限ってこの経過措置の加算を残します。ただ、それほど高い点数ではない。ただ、もち ろんながら、3の電子画像管理加算との併算定はできません。  下のほうの「コンピューター画像処理加算」については、名称を「電子画像管理加算」 と変えまして、核医学診断料及びコンピューター断層撮影診断料のところの部分の点数の 引き上げと、それから、上のデジタル映像化処理加算にありますエックス線診断料の部分 で、電子画像処理加算を新しくこちらのほうに移行する、こういう形でございます。  135ページ、「先進医療技術の保険導入」ということで、今回先進医療から導入する 技術につきましては24技術、136ページに一覧がございますが、この24技術をもう ちょっと例示で書いてありますのは、患者負担が軽減されるような技術、例えば内視鏡下 小切開泌尿器腫瘍手術といいますのは、大きく皮膚を開いていくことなく、内視鏡の助け をかりながら小さい切開でもって手術をしますので、患者負担が小さい。あるいはより高 い治療効果が見込まれるもので、先ほど出ましたIMRTという新しい放射線治療、それ から、より正確な手術の支援が見込まれるものということで、例えば画像支援ナビゲーシ ョンというようなものをやるとより正確が見込まれる、こういうような技術があるという ことでございます。  137ページ、「新規医療技術の保険導入」。これは、学会等からの要望に基づきまし て、要望のあったうち42の新技術について保険導入をしていこうということでございま す。  例えばここでは下の図にありますベッセルシーリングシステムというのがございます。 これは前にも説明いたしましたが、内視鏡手術をする際に内視鏡手術用の電気メスによる 止血を行うようなシステム、これの導入。それから、これも何度か出てきておりますが、 138ページに、頸動脈部位の狭窄に対する血管を拡張してそこにステントという網を留 置して血管の狭窄を防ぐというもの。これについては材料も新しく出てまいりましたので、 新しくこれを導入する。  139ページ、「既存技術の診療報酬上の評価の見直し」ということで、これは引き上 げや引き下げ、いろいろございます。ここでは具体的には62の既存技術について点数の 増点あるいは条件付けなどを行っておりますが、例えばここで(1)ですが、感染患者の 手術における加算の引き上げということで、現在B型肝炎あるいはC型肝炎感染の患者さ んにつきましては、手術の際に感染が広がることを防止するためにさまざまなことが必要 になるということから、一応手術料に加算をしておりますが、この加算について非常に低 いということから、これを大幅に引き上げるということ。  (2)、帝王切開術における麻酔管理、これは帝王切開のときに、娩出した途端に血液 動態がどっと変わりますので、そういう意味では術中の麻酔管理が非常に重要だと。  (3)、これも前に説明しましたが、いろいろなところに針を刺して、液やあるいは検 体を採取する、そういうような場合の穿刺技術。これは処置料にあったり検査のところに あったりするのですが、これらについて評価を引き上げる。非常に危険な手技の割には非 常に低かったということであります。  140ページ、重点事項の最後ですが、オンライン化・IT化のところにつきましては、 「電子化加算の見直し」ということで、先ほどの明細書のところの下に少しございました 部分でございます。  とりあえずIIIの部分は、以上でございます。 ○土田会長  ありがとうございました。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。今医療課長の説明で1つ省いたところがございますので、そ こだけ。  131ページ、「ハイリスク薬等に関する薬学的管理の評価等」でございます。病院に 勤務する薬剤師の病棟での薬学管理の業務の評価の問題でございますが、現在薬剤管理指 導料といたしまして350点算定されております。現在、これはどういう薬を使っても、 また、どのような状態の患者さんにおいても、一律の点数になってございまして、病棟で 薬剤師が薬学管理をする、また服薬指導するというものについては、より必要性の高い薬、 また、その必要性の高い患者さんに対しての重点的な評価、メリハリをつけた評価という もののほうがより効果的であろうということで、特に重篤な患者さん、救命救急入院料を 算定している病棟での入院している患者さんですとか、特定集中治療室管理料を算定して いる患者さんなど、そういった患者さんに対しては、特に副作用等も発現しやすいだろう ということで、引き上げてはどうか。  また、薬によりましては、投与量の加減によりまして、重篤な副作用が発現しやすいよ うなものがございます。ハイリスク薬、特に安全管理が必要な医薬品と呼んでおりますけ れども、こういったものについては、医政局で取り組んでいる、医薬品安全の中でも特に 注意をして管理をするようにと、こういった通達も出ているところでございますけれども、 そういったものについてはより管理をしていただくということで、その他の薬よりは重点 的に評価をする、このような形にしてはどうかという提案でございます。  それから、あと有床診療所につきまして、現在病院だけで算定できるようになってござ いますけれども、同じ基準を満たす、132ページにございますけれども、必要な薬剤師 数、2人以上の常勤の薬剤師、及び医薬品情報の収集・伝達のための専用施設がある、そ れから薬学的管理、薬剤師による服薬指導をやっている、こういった条件を満たす有床診 療所においては、そこでも算定をしてもいいのではないか、こういうふうなことで挙げさ せていただいております。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  このIIIにつきましては、114ページの「III−1 がん医療の推進について」から 「III−5 オンライン化・IT化の促進について」まで、5項目に分かれております。 前回と同じように、各項目ずつ進めていきたいと思います。  最初に、「がん医療の推進について」ということで、114ページの「放射線治療の質 等の充実」から始まりまして、123ページの「リンパ浮腫に関する指導の評価」という 5項目ございますが、これにつきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞお願い します。 ○古橋専門委員  「緩和ケアの普及と充実」の項でございます。この項では、緩和ケアチームに薬剤師が 入るということが加わりました。チームの基盤を整えていくという点では大変前進と思っ ておりますけれども、この薬剤師は「緩和ケアの経験を有する薬剤師」ということになっ ておりまして、既にこの点数は取得している病棟もあると思いますが、このことが入った ことで取得がなくなるということを危惧するわけでございます。「緩和ケアの経験を有す る薬剤師」の事実上の配置というのはどんなふうに予測して、数の情報をどうとらえてお られるか、そのあたりだけ質問をさせていただきます。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今回、この専任の薬剤師配置要件を追加するかどうかということに関しまして、現在緩 和ケア診療加算を取得している各病院を全部調査いたしまして、専任の薬剤師が実際に緩 和ケアの関係に従事しているかどうか、調べたところでございます。その中では、専従と いうことはまだできておりませんけれども、専任ということであれば、どの病院でも行わ れているということは確認させていただきまして、今回このような御提案にさせていただ いたということでございます。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますでしょうか。  1号側、よろしいですか。  それでは、2のほうですが、124ページの「脳卒中対策について」のところですけれ ども、ここは2つございますが、これについていかがでしょうか。 ○対馬委員  地域連携クリティカルパスは私どもとしても非常に期待していますし、重要だと思うの です。今回、大腿骨頸部骨折から脳卒中まで広げるということは大いに結構なことだと思 うのですけれども、ただ、全体の財源とのかかわりが多分あって、点数、評価を引き下げ るということなのですが、そのことによって例えば大腿骨頸部骨折に対して地域連携クリ ティカルパスで一生懸命やってきたところや、今度の新しい脳卒中に対する対応が少し鈍 るということはないのかどうか、そのあたりがちょっと気になるところなのです。 ○事務局(原医療課長)  この地域連携クリティカルパスをやる上でどこにコストがかかるかといいますと、共通 の診療計画、それのひな形をつくっていかなければいけない、そこの部分が非常に手間が かかるということ。それをあと5年に何回か関係の医療機関が集まっていろいろとそうい うものをブラッシュアップしていく。そういうような診療計画を一たんつくった上で実際 の患者さんに当てはめていくときはそれほど大きな手間ではないわけです。そういうよう な周辺部分の手間は非常に大きな部分があるということが1点あります。  そういう意味では、一定普及してきた場合、あるいはそれから関係機関でそういう費用 負担の分散が図れる場合には安くても大丈夫と考えていまして、だから、そういう意味で は、今回引き下げることによって、大きく大腿骨頸部骨折のほうのパスの意欲がそがれる ということはそれほどないと考えます。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますでしょうか。 ○西澤委員  この地域連携ですけれども、下の基準の見直しで「都道府県が作成する医療計画に記 載」と書いてございますが、今まで私たちがつかんでいる情報だと、都道府県であまり進 んでいないような話も聞きます。そういうことができない都道府県では、実際連携をやっ てもとれないということになるのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  基本的には、この地域の中でどういう役割を果たすかを明確化していくという方向が、 実はこの医療計画の中に書いてある。医療計画を今回医療機関名を入れてつくるという意 義だと思います。それについて、ただ、県がつくりますので、中にはどういうふうにつく るか、それぞれの県の事情がありますので、実態として、ある病院がどういう役割を果た しているかということが住民に十分分かるということであれば考慮してもいいのではない かと思いますが、原則は医療計画に名前を書いていただきたい。そこは医療計画そのもの の大きな意義だと思っていますので、逆に先生方は地域の中でこういう医療計画の作成に 携わられるときには、ぜひともそういう形にしていっていただけたらと思います。 ○西澤委員  分かりました。今の医療計画、各都道府県で作成しているのですが、これは非常に重要 だし、いいことだと私は思っています。例えばこれがきっかけになって、各都道府県が医 療計画をきちっと進めていくということになれば、またそれはいいことだと思います。よ ろしくお願いいたします。 ○土田会長  ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。  よろしいですか。次の項目に移ります。「自殺対策・子どもの心の対策について」です けれども、これは前に申し上げましたが、中医協で自殺対策を取り上げるのは全く初めて だと思いますが、社会的な関心も非常に高い分野だと思います。御意見、御質問等ござい ますでしょうか。 ○坂本専門委員  私は素人で分かりませんけれども、早期の精神科受診の促進ということで新たに評価を するようになっております。これは非常に結構なことだなと思いますが、実際問題、トー タルで見て、持続する国民皆保険制度というようなことを標榜しながら、こういうことま で評価せぬとできぬことでしょうかというような気がします。うちは精神科がたまたまあ りまして、いつも連携してやっておりまして、これは評価していただければそれなりに収 益が増えると思うわけですけれども、ドクターの常識として、私なんかはこんなことまで やっておって皆保険制度が維持できるのかなというような気が一方ではするわけです。 ○土田会長  そういう費用負担等々、あるいはコスト等々について何かございますか。 ○事務局(原医療課長)  これは、国のほうで「自殺総合対策大綱」というものをつくっていまして、その方向と して、まず専門医にしっかりと診断してもらうということが挙げられていますので、そう いう意味ではそこへつなげるということを、診療報酬上は普通の情報提供料ではなくして 加算という形でさらに上積みをしたい。この場合に、必ず受診させることが大事ですので、 ですから、ここでも書いてありますように、必ず「予約をとった上で」というところまで つなげて受診に結びつけていただきたい、そういうことでございます。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますでしょうか。  それでは、次の項目に移りたいと思います。「医療安全の推進と新しい技術等の評価に ついて」ということで、130ページから139ページまでございます。これについてい かがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、最後の「オンライン化・IT化の促進について」ということで、140ペー ジにございます。 ○対馬委員  オンライン化・IT化自体ではないのですが、ここで言わないと、というところもちょ っとございまして、私ども支払側の今回の診療報酬改定に当たっての意見の中で、レセプ トの様式等の問題を提示しています。これについては、今回全く議論されていないのです けれども、これは私どもとしては非常に重要だと思っているのです。ですから、答申に当 たっての附帯意見の中にレセプトの様式まで入れるかどうかはあると思いますが、いずれ にせよ、新しいオンライン化ということも踏まえ、審査支払方式全体の見直しといいます か、適正な方策について検討するということが必要だろうと思いますので、どうぞよろし くお願いしたいと思います。 ○土田会長  要望ということでよろしいですか。事務局のほう、何か。 ○事務局(原医療課長)  レセプト様式そのものはこの中医協マターなのか、ちょっと請求ということになるわけ ですので、ここでの議論かどうか分かりませんけれども、請求とか審査とかの全体の構造 について、今後検討する必要があると思いますので、そのあたりについては今後の課題と 思っております。 ○対馬委員  レセプトもたしか療担規則にかかわりがあると思いますので、恐らくここの検討事項で はないかというふうには思うのですけれども、よく中身を見ていただければと思います。 ○土田会長  鈴木委員、今の関連ですか。 ○鈴木委員  今の問題ですけれども、やはり非常に混乱すると思います。400床以上の病院が、先 ほど一つステップアップして国民の望みに近づいたということなのですけれども、実はそ の一方で、まだオンライン化等をされていない施設はその必要がないのだという認識とい うのはなくなってしまうと思うのです。皆、もうなってしまったと恐らく誤解されて、義 務化されていないところまで要求が来るというようなことが非常に懸念されます。  今お話にあったようなオンライン化を進めるのは、これは理論的には正しいことだと思 いますけれども、やはり財政基盤というようなもの、それからまた、オンライン化に当た ります周囲の環境、例えば用語一つをとっても、この医療の分野は統一をされておりませ んので、そういう意味では実現が非常に困難な部分がございますから、土田会長が裁定の 際にもおっしゃっていただいた医療現場の納得というところも、どうぞあわせてお考えい ただきたいと思います。 ○土田会長  これは要望でよろしいですか。 ○対馬委員  今言われたような問題点はもちろんあるわけですけれども、厚労省は、「医療サービス の質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会」を設けまして、そこで議論 したのですけれども、最終的には、ここでの議論というのはなかなか限界もあるし、分担 の問題としては中医協ではないかというような整理がされたようなのです。  ですから、こちらでは関係がないとすると、一体どこで検討するのだろうかということ もありますので、療担規則等々をよくごらんになっていただいて、ぜひ議論をする場を設 けていただければありがたいということです。 ○鈴木委員  そういういきさつがあるのでしたら、やぶさかではございません。 ○土田会長  これは、もう決まっていますか。事務局のほう、まだ決まっていませんか、今対馬委員 の発言です。 ○事務局(原医療課長)  先ほどのレセプト情報の話については、私もちょっと承知していなかったものですから あれですが、それをいかに活用していくかというのは大きな課題だと思っていますし、そ れから、いずれにしろ、さらにそれをうまく活用するために、例えば点数を何か考えると か、そういうものがあれば当然関係もしてまいりますので、そういう意味では今後の大き な課題だと考えております。 ○土田会長  先ほど対馬委員から発言がありましたように、お互いに敬遠されるといけませんので、 どうぞ事務局のほうで対応を適切に図っていただきたいと思います。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、次のIVのほうに移りたいと思います。「IV 医療費の配分の中で効率化余地 があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点」ということでございます。  最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  141ページをごらんいただきたいと思います。「新しい技術への置換え」。まず、 「処置の見直しと医師の専門的技術の評価」。これはもう既にかなり大分前に御議論いた だきました。例えば皮膚科軟膏処置の100平方センチメートル未満の小さなところの軟 膏処置については削除をする。それから例えば熱傷処置の小さな部分については、いわゆ る第1度熱傷では算定しないというような条件をつける。それから例えば耳処置のところ には、今、耳処置には、点耳、耳浴、耳洗浄及び簡単な耳垢栓除去を含むということにな っていますが、このうち点耳及び簡単な耳垢栓除去については省いて対象から外すという ふうに簡素化をしていく、それについては基本診療料の中での評価という位置付けにする。  それにあわせまして、逆に、皮膚科特定疾患指導管理料(II)というものがありますが、 それの対象疾患に脂漏性皮膚炎を追加する。あるいは耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料の中 を新設いたしまして、15歳未満の滲出性中耳炎、このような新しい指導管理の料金体系 のほうにもこの削除したものを使っていくと、こういうふうに考えております。  143ページ、「虫垂切除術に係る病状に応じた技術の評価」。これは手術の中のいろ いろな中の一例でございますが、虫垂切除術につきましては、今現在開腹したものと、そ れから腹腔鏡を使ったものと、2つの、方法で分けておりますが、この方法に加えて、さ らに虫垂の周囲膿瘍、要するに化膿が周りまで広がっているかどうか、そういうものを伴 うかどうかでもってその差を設けていくということで、それにより点数の上下を明確化を していくということを考えております。  そのほかの手術についても、同様にそのような観点で考えているものがございます。  144ページ、「超音波検査におけるパルスドプラ法の評価の廃止」ということで、現 在、超音波機器では、昔は特殊機能の一つと言っておりましたけれども、最近はパルスド プラというのはほとんどの機器についておりますので、その検査そのものも行われること が多いということから、この加算については廃止をします。ただ、その際に、例えばこの UCGのところの基本の点数については若干の引き上げを行う。その中で込みですよと、 こういう形で考えていきたいと思っております。  145ページの「後発医薬品の使用促進等」は、また後で管理官のほうから説明をして いただきます。  150ページ、IV−3、「コンタクトレンズ検査料の見直し」でございます。これにつ きましては、指導なりに入りましたときにさまざまな問題案件があったということから見 直しを行います。コンタクトレンズ検査料1、2がございまして、通常の眼科診療所とい うのはコンタクトレンズ検査料1をとっていただいて、このコンタクトレンズの専らの診 療をしているところについては検査料の2をとっていただくのですが、その1の、どちら かというと高いほうの点数ですが、これがとれる基準について非常に厳しくするというこ とで、今回はコンタクトレンズ処方に係る診療が全体の30%未満という条件を付してお ります。ただ、眼科の専門の方々で、本当にコンタクトレンズの専門といいますか、ハー ドコンタクトレンズ等の専門の方がおられまして、そういう先生方がおられるところにつ いては、このコンタクトレンズ処方に係る診療が全体の40%未満、少し基準は緩めてい きたいと思います。  それから、初回と既装用についてはこの点数を一本化するということ。  それから、この診療に係る費用について、必ず患者が分かるように掲示をしていく、こ のようなことを考えております。  151ページでございます。これは新しい項目なのですが、「地域加算の対象地域の見 直し」ということであります。地域加算につきましては、特に地代でありますとかあるい は人件費とか、地方によってかなり大きな医業経営における格差がございますので、そう いう意味で、この地域差に配慮する観点から、入院基本料の加算として地域加算が設けら れております。  これにつきましては、厚生労働省大臣が定める6区分の地域でもって、3〜18点の加 算がつくようになっております。ただ、この加算の対象地域の決め方でございますが、国 家公務員の給与の地域手当に係る人事院規則、これに基づいて決めております。といいま すのは、国家公務員の給与というのは、基本的にはその生活全般に係る費用の全体をあら わしているものではないかというふうに考えておるわけでして、その地域手当の区分に合 わせて私どももつくっております。これは、全国にそういうようなものを総合的に示す指 標としてはこれしかないのでこれを参照しているわけですが、国家公務員の給与の問題で すので、国家公務員が働く場所、勤務官署がないところについてはこの手当が設定されて おりません。あるいは今まで設定されていたけれども官署がなくなったために、この手当 の地域設定がなくなったということもございます。  そういうことから、今回は、ベースはこの国家公務員の地域手当に準拠いたしまして、 例えば、その隣接する複数の市町村がこの地域手当が設定されているけれども、そこでは 官署がないから設定されていない場合については、複数の場合については、その周りのと ころの低いほうの級地のものと同等のものをそこに設定する。あるいは周りが全体が1つ の市町村であって、中にポツンと市町村が独立している場合があります。こういう場合に つきましては、その周りの市町村と同じ区分にする、このような形で考えていきたい。た だ、これについては、市町村合併等々起こってきますので、平成20年度の当初でこの対 象地域を決めまして、次の改定まではその地域は動かさないという形の取り扱いをしたい と思っております。  IVのところは、以上でございます。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  145ページでございます。「後発医薬品の使用促進等」の関係でございます。ここに 書かせていただいたものは、多くのものは12月にまとめました基本的な考え方にござい ますけれども、「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」に記載をさせていただい て、ここでも御了承いただいたものでございますけれども、今日の御説明は、その段階で まだ明確でなかった部分を中心に御説明をしていきたいと思います。  処方せん様式の変更、それから後発医薬品の薬局での銘柄変更調剤、これは同じでござ いますけれども、特に146ページ、薬局の調剤基本料の見直しと後発医薬品の調剤率を 踏まえた評価、ここの点については、明確に薬局の調剤基本料を引き下げた上で、後発医 薬品の調剤率が30%以上の場合の加算を創設するということで、特に後発医薬品調剤に はコストがかかるといった御指摘も踏まえまして、後発医薬品調剤を多く行っている薬局 に重点的な評価をするということでございます。  それで、その加算でございますけれども、後発医薬品調剤体制加算ということで書かせ ていただいておりまして、要件といたしまして、直近3カ月間のその保険薬局における全 処方せんの受付回数を分母といたしまして、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数を 分子にいたしまして、それが3カ月で全体平均で30%を超えている、こういった要件に させていただこうということでございます。  それからなお、当然後発医薬品をどこの薬局がちゃんとやってくれているかと、患者さ んから見るとなかなかわかりにくい、こういったこともあろうかと思っておりますので、 この加算をとっているところにつきましては、後発医薬品調剤を積極的に対応している薬 局ですということを外側からも見える場所に掲示をしていただきまして、患者さんが選択 しやすい形を考えたいと思っているところでございます。  それから、処方せん料の見直しは、この2点加算を廃止するというものでございますが、 次のページに参りまして147ページで、分割調剤の点数設定、それから変更した場合の 医療機関への情報提供。148ページに参りまして、薬担規則、療担規則の改正、これも 骨子と同じ書きぶりにさせていただいております。  149ページでございますけれども、処方せん様式につきまして若干手を入れさせてい ただいております。備考欄の書きぶりでございますが、ここに書いてございますように、 「後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更が全て不可の場合、以下に署名又は記名・ 押印」ということで、ここで署名なり記名をすることがどういう意味かということを医師、 処方医の方、それから患者さんにも分かりやすい記載にさせていただきました。そのほか、 個々の薬によって、これは変更不可だというようなことも当然記載できるように今回して おりますので、それについてはちょっとこの様式に書いてございませんが、注意書きを下 に打ちまして、こういう意味であるということを、個々に、例えば変更不可と書いた場合 はこういう意味だということを分かりやすく注を記載するというようなことも考えており ます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ここでは細かく3つに分かれております。最初の「新しい技術への置換え」についてと いうことで御意見、御質問ございますでしょうか。141ページから144ページまでで ございます。  よろしいですか。それでは次の2ですが、「後発医薬品の使用促進等について」はいか がでしょうか。 ○対馬委員  これはこれまでも説明いただいていますので特段異論があるということではないのです けれども、146ページの後発医薬品のいわゆる調剤率30%の問題については、やはり 実際に、後発医薬品の使用促進という目的にこの30%以上を評価することが非常に効果 があるかどうかということは一つのポイントだというふうに思いますので、検証をきっち りやっていくということも答申の附帯意見にぜひ盛り込んでいただければと思います。 ○土田会長  わかりました。ほかにございますか。  よろしいですか。それでは次の「その他の効率化や適正化すべき項目等について」はい かがでしょうか。 ○対馬委員  151ページの「地域加算の対象地域の見直し」について、このあたりは、ちょっと実 務的な感じがよく分からないところがあるのですけれども、国家公務員の給与の地域手当、 これは民間も随分これに準拠しながらやっているということが多いのだろうと思うのです けれども、この診療報酬でもってこういった新たな対象地域などを決めていくのだろうか と。恐らくそれ以外にも国家公務員の給与の関係でもっていろいろな議論があって、そこ での共通認識というか常識があって、それが結果的にこの「具体的な内容」ということに なっているのであればよろしいのですけれども、そうでなくて中医協として常にこういっ た議論をやっていくというのはなかなかしんどいことだなと思うのですけれども、どうな のでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  国家公務員の勤務官署がないと、別にそこに手当があろうとなかろうと関係ないという ことになっています。例えばこの近辺でいきますと小金井市でございますが、小金井市は 国の勤務官署がないということになっています。周りの市はそれぞれありますので、だか ら何級何級と全部決まっております。小金井市だけが級がつけられていませんので、従来 のこの地域加算では加算がゼロになっています。周りは当然ながら高いところと安いとこ ろがありますけれどもついている。だから、小金井だけが国の機関がないためについてい ないだけなので、いわゆる物価等の条件はそんなに違わないとしたら周りと合わせてあげ よう、そういう発想でございます。ですから、国家公務員について考えるときに別にそこ に設定されなくてもいいわけなのです。そういう状況であるということです。 ○丸山委員  これは質問なのですが、地区、6区分というふうになっていますが、地域手当というの は、大都会が高くて地方が安いのですが、この地域加算のこの区分はどういう考え方でど ういう設定になっているのか、ちょっと教えていただきたいのですが。 ○事務局(原医療課長)  この6区分、実は、国家公務員の地域手当も6区分になっていて、東京都の23区が一 番高い区分です。それから田舎へ行くと当然手当がつきませんのでゼロです。その残りの 加算、要するに手当が出るところは6区分になっていて、それに合わせてうちも6区分に している、そういうことです。 ○丸山委員  ちょっと質問しますが、この場合の入院基本料というのは、診療所の入院基本料ですか、 病院の入院基本料ですか。 ○土田会長  これは有床診を含みますか。 ○事務局(原医療課長)  保険医療機関ですから、有床診も当然入ります。 ○丸山委員  保険医療機関全般に係る入院基本料ですか。難しいと思うのは、過疎地になかなか医者 は行かない、都会には医者が集まるという現象からいうと、逆ばりではないかという気が するのですが、その辺の考えはどういうふうに整理したらいいのか教えていただきたい。 ○事務局(原医療課長)  これはできた経緯が、やはり特に東京を中心として非常に土地代が高いというのが一番 初めにありました。その後、全体の人件費、それがあったので、同じ点数ではやはりどう しても無理があるということから、高い物価等、その部分についてそこを考えてあげよう という形でついていきました。  それからあとは、特別なものとしては、離島についても加算がございます。これについ ては、どうしても総体的ないろいろな問題があります、それから陸続きでないという特性 がありますので、そこはちょっと医療事情は違うので、そういう意味での加算をつけてい る。そのほか今言われたいわゆるへき地もいろいろな事情があるからもっとつけてくれと いう御要望は聞いておりますけれども、それは全部つけ出しますと全部上がってしまいま すので、そういう考えでつけているわけではなくて、ここはあくまでも純粋に、全体の保 険医療機関の運営そのもののコストの差も反映させようということでつけているというこ とであります。 ○丸山委員  分かりました。 ○対馬委員  考え方は分かりましたけれども、たしかこれは介護保険でも区分しているのだと思うの です。ですから、医療保険だけで、例えばですけれども、そこの医療機関から要請を受け て、そうかと。確かに官公署がないので、それでは少し高くしようかということでやって いきますと、ちょっといろいろなところで問題が出てこないかなという感じもあるのです。 ですからそこは、ちょっと慎重に、ほかのところとの関係をよく考えていただいたほうが よろしいのではないかなというふうに思います。 ○事務局(原医療課長)  そのあたりは留意していきたいと思います。今回は、今ある加算のちょっと手直しをし たいというところなので、今回はちょっとこれで御了解いただけたらと思います。 ○土田会長  これは介護保険とは全く別個にやっているわけですか。そうですか。分かりました。生 活保護とも全然また関係ないわけですね。生活保護もちょうど6区分に分かれていますが、 あれも関係ない。分かりました。全く別の基準だと。よろしいですか。  それでは、「V 後期高齢者の診療報酬について」、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  152ページをごらんいただきたいと思います。まず、後期高齢者の入院医療でござい ますが、「退院後の生活を見通した入院医療の評価」ということで、具体的には、入院中 に後期高齢者の総合評価をしていただくということです。総合評価につきましては、今ま で説明してまいりましたけれども、例えば日常生活能力であるとか認知機能でありますと か意欲とか、そのようなところをチェックしていただくということで、入院中に1回それ をやっていただく。  さらに、これをもとに計画を立てていっていただくということですが、後期高齢者退院 調整加算、先ほどもちょっと出ていましたけれども、後期高齢者の場合、さまざまな障害 を残して退院される場合もございますので、その場合には、退院困難な要因がさまざまご ざいます。その場合の退院調整というのはかなり調整が大変だということもありまして、 この場合、それを想定しまして退院支援計画を策定して調整を行ってください、そういう ことで、この後期高齢者退院調整加算というものを設けたいと考えております。  154ページでありますが、「退院時における円滑な情報共有や支援の評価」というこ とで、ここでは、円滑な退院、それから退院後の在宅医療でありますとか外来医療、それ に際しまして関係のところとの連携をしっかりやっていくということで、今現在「地域連 携退院時共同指導料」と言っておりますこの部分につきまして、これは、退院に際して入 院している医療機関と、それから退院後の医療を担う医療機関の医師、あるいは今回は看 護師でもいいとしておりますが、これが病院のほうに赴いて、そこで共同して退院後の治 療についていろいろと指導していく、共同して指導する、そういうような項目でございま す。それについて、外の医療機関のほうは、必ずしも医師でなくても看護師でも構わない、 こういう形にしております。  それから実は、この退院時共同指導料2のほう、「点数の一本化」と書いてあります。 これは何かといいますと、退院時共同指導料1というのは、外の医療機関、入院していな いほうの医療機関、外の診療所なら診療所からの点数で、2のほうは、現在入院している 側の、病院側の点数です。病院側の点数を共同指導する際に相手方が在宅療養支援診療所 であるかどうかでもって差を設けるのは、病院側にとってはあまり意味がないだろうとい うことで、ここは、病院側の料金は統一する。みずからの点数、在宅療養支援診療所であ るかどうかの点数にはもちろん差はありますけれども、相手先のほうは、あえてそれをわ ざわざ選ぶとかいうことではありませんので、そこは点数は一本化するということであり ます。このほかにもあと多々出てまいります。  それから、この退院時共同指導料につきまして、医療機関以外にも、歯科医療機関であ りますとか、あるいは薬剤師さんが来られる場合、あるいは訪問看護ステーションから来 られる場合がございますので、これらの場合についても、新たに退院時共同指導料をこの あたりに設ける。それから訪問看護ステーションにつきましては、共同指導についての点 数の一本化とともに、重症の場合は2回まで算定を認めることにしております。  それから、後期高齢者が退院するに際しまして、入院中に服用した薬剤についてしっか りと情報を提供していこうということで、後期高齢者退院時薬剤情報提供料という、これ はいわゆる「お薬手帳」等に記載して、しっかりと本人に持っていってもらう、こういう ことです。  それから、退院時に際しての管理栄養士による栄養・食事管理指導、非常に後期高齢者 の場合、低栄養状態になったりする場合もございますので、そういうような場合にしっか りとした栄養管理が必要なので、そのための指導料というものを新設したい。  それから、退院支援指導加算でありますが、これは、訪問看護ステーションの方々がち ょうど退院される日、末期の悪性腫瘍でありますとか、いろいろな機器・器具をつけた方 が退院されてこられる際には、退院日が非常に環境も変化が激しいですし、家に帰ってか らのケアといいますか、それが重要だということで、退院日においてこの訪問看護ステー ションから看護師等が赴いた場合については、退院支援指導加算という形で管理療養費の ほうに加算を設けております。  それから、入院の前後で継続した診療ができるようにということで、後期高齢者外来継 続指導料ということになっております。これは、外来でもって、後で出てまいります後期 高齢者診療料を算定していた患者さんがある医療機関に入院しましたと、入院してそこか ら退院してくるときに、もともと後期高齢者診療料を算定していた医療機関に戻っていく という場合について、要するに入院前と入院後の医療機関、継続して診ていく医療機関が 一緒の場合についてその指導料というものを設定する。すなわち、入院という場面を挟ん でも継続した医療が提供されるように、そういう形のものでございます。  158ページでございますが、「在宅や外来と継続した入院医療等の評価」ということ で、先ほど入院と外来というのをいきました。先ほどは退院する場合ですけれども、今回 は入院する場合で、後期高齢者外来患者緊急入院診療加算ということで、もともと後期高 齢者診療料、これは後で出てまいりますけれども、この診療料を算定している患者につい て、病状の急変に応じて入院をさせる、その場合に加算ができる。ただし、この場合に、 外来におきます患者さんの診療情報について十分に連携をとるということを要件としてお ります。  これは今外来患者さんですけれども、在宅患者さんの場合が159ページでございます。 在宅患者さんの応急入院診療加算ということで、これもやはり在宅患者さんが病状急変に 応じて入院をしていく場合でございます。この場合について、もともと定めた連携医療機 関とそれ以外の場合について、この加算の点数を変えていくということにしております。  160ページ、ここから「在宅医療について」ですが、「在宅医療におけるカンファレ ンス等の情報共有に関する評価」ということで、まず、在宅患者連携指導料あるいは指導 加算というのがございます。在宅患者連携指導料のほうは、カンファレンスができなくて、 情報提供のみでやる場合の点数でございます。これについては、他職種に情報提供した場 合に、医師、歯科医師、看護師、薬剤師等々でその情報共有していくというところで、そ の情報共有をして診療をしていただこうことの点数でございます。  薬局の薬剤師さんの在宅患者訪問薬剤管理指導料ということで、ここでは、先ほど出ま したけれども、居住系施設の入居者に対する指導とそれ以外の場合で差を設けていくとい うことをしている。さらにこの場合は、なぜここに書いてあるかといいますと、「必要に 応じ、患者が他の医療サービス、福祉サービス等を受けた際の状況と指導内容につき、関 係職種間で共有した上で行う」、これは逆に、在宅患者訪問薬剤管理指導料の要件にする ということでございます。  それから2つ目が、カンファレンスをしたときの料金ということで、在宅患者さんの緊 急時のカンファレンス、これについて医師、歯科医師、看護師、あるいは薬局薬剤師の場 合は、在宅患者緊急時等共同指導料という形で評価をしていくということにしております。  163ページ、「24時間体制の訪問看護の推進」ということで、在宅医療の推進のた めの訪問看護が非常に重要だと考えておりまして、10数年ぶりですけれども、基本療養 費の引き上げを行うとともに、24時間体制をしっかり組めるような形で評価をしていく ということを考えております。その際、24時間対応について実際に出向ける場合と、そ れから電話等で相談だけに乗る場合とに区別をして、そこの点数設定をしていくというこ とにしております。  164ページ、「患者の状態に応じた訪問看護の充実」ということで、状態によっては、 非常に長時間を要する看護が必要な場合があります。例えば人工呼吸器を使用している方 等、これらの場合について2時間を超える場合がございますので、その場合については長 時間訪問看護加算というものを考えていきたいということ。  それから2点目は、気管カニューレ等を用いる、あるいは重度の褥瘡の患者さんで頻回 に行かなければいけないということで、これについては、現在特別訪問看護指示書という のを出しますと頻回の訪問看護ができるわけですが、この指示書は月1回に限り、その指 示書で有効なのは14日間ということですので、これで治るものは、急変時はそれでいい のですけれども、比較的長期にわたる場合があるということで、その場合は、例えば月2 回まで特別訪問看護指示書が出せて、足す14で、合わせて月間で28日行けるような形 で一部のものについては広げていきたいと考えております。  165ページですが、「居住系施設入居者等に対する医療サービスの評価体系の新設」 ということで、これは先ほどから出ておりましたけれども、例えば、医師の在宅患者訪問 診療料というのがあります。それについて現在のものを1、それから新しいものを2にし ます。この新しいものは、下の算定要件に書いてあります高齢者専用賃貸住宅等々のいわ ゆる居住系の施設、ここに入居されている方々について訪問診療した場合については、通 常のいわゆる自宅等に比べて低い点数の設定を行うということにします。それから、看護 師の場合も、訪問看護・指導料について、あるいはちょっと点数を下げる、あるいはステ ーションの場合は訪問看護基本療養費(III)という区分を新たに設けまして、(I)に 比べて低い料金をつくる。  166ページ、同じく在宅患者訪問リハビリテーションの指導管理料というのがござい ますが、これも先ほどの訪問診療料と同様の形で整理をしていく。  それから、特定施設あるいは介護老人福祉施設の入居者の在宅医療について適正な評価 をするということで、現在在宅療養支援診療所のみに認められております在宅時医学総合 管理料、これを現在特定施設等で認めているわけですけれども、これを他の医療機関にも 広げる。あわせまして、名称、在宅時医学総合管理料とは別個のものをつくりまして、 「特定施設入居時等医学総合管理料」という形で、通常の家屋、いわゆる自宅とは別に、 こういう居住系の施設等におきます医学管理というものを別体系で新たにつくっていくと いうことを考えております。  それから、これらのものにあわせまして、167ページ、「寝たきり老人訪問指導管理 料」、現在ございますが、これについては本来の役割を終えたということで廃止をしてい きたい。  168ページはまた後ほど説明いたします。  170ページ、ここから外来医療ではありますけれども、「後期高齢者の継続的な管理 の評価」ということで、先ほどから何度か出てまいりました後期高齢者診療料でございま す。これにつきましては何度も議論になりました。治療が長期化する、あるいは複数疾患 にかかる、あるいは慢性ということから慢性疾患等の継続的な管理が重要だと。しかも、 やはり全人的にその人をとらえて指導管理等医学管理をしていただく必要があるだろうと いうことで、具体的には患者の同意を得た上で他の医療機関での診療スケジュール等を含 め、定期的に診療計画を作成して、総合的な評価や検査等を通じて患者を把握して、継続 的に診療を行う、こういうようなことで後期高齢者診療料というものを設定したいという ことでございます。要件は、前にも少しお話ししましたが、大体ここに書かれているよう なことでございます。  171ページでございます。これは、以前議論いただきました「外来管理加算」につい て、現在、後期高齢者、今は老人ですけれども、病院、診療所で点数格差がありますが、 今回はこれについて点数の一本化をするということでございます。  172ページ、また後ほど説明をさせていただきます。  176ページです。「終末期医療について」ということで、「ガイドラインに沿った終 末期における十分な情報提供等の評価」ということで、ここは「具体的な内容」で書いて ありますが、「医師が一般的に認められている医学的知見に基づき回復を見込むことが難 しいと判断した後期高齢者について、患者の同意を得て、医師、看護師、その他関係職種 が共同し、患者及びその家族等とともに、終末期における診療方針等について十分に話し 合い、その内容を文書等にまとめた場合に評価する。」。そういうことで、後期高齢者終 末期相談支援料という形で算定ができるようにしたいということで、文書等、算定要件に ついては下のとおりでございます。  これにかかわります薬局の薬剤師さん、あるいはステーションの看護師さんの場合、同 様の支援料あるいは支援療養費あるいは支援加算という形で考えております。  178ページ、最後のページですが、「訪問看護におけるターミナルケアに係る評価の 見直し」ということで、ターミナルケアの現在療養費というのがございますが、これにつ いては、先ほどと同じように、連携先が在宅療養支援診療所かどうかで今現在療養費の差 を設けておりますが、これについては一本化する。あわせて、ターミナルケアというのは 非常に大変、2回以上というわけですが、必ずしもそれだけではいけない場合もございま すので、これらも含めまして全体としてはさらに評価を引き上げるという形で考えていき たいということになっております。  私のほうは以上です。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  続きまして、今の薬剤関係の後期高齢者の関係でございます。168ページからでござ いますが、「訪問薬剤管理指導の充実」ということで、薬局の薬剤師が在宅訪問する関係 の点数の関係でございますけれども、現在では、その訪問した結果をその処方医にお返し してというだけの形になってございますけれども、今回関係職種の連携ということで、関 係するほかの歯科医師の方、看護師の方、それから福祉のヘルパーさんとか、そういう 方々とも必要に応じて情報の共有をして進めていくということでございますので、実際の 点数上は、現在月の1回目の算定500点、月の2回目以降300点、こうなってござい ますけれども、これを月の2回目以降の算定の場合の評価を引き上げて点数を一本化して はどうかと、こういうことでございます。  169ページですが、特に麻薬を使われている患者さん等におきまして、緊急の痛み等 がありまして、主治医も行く、また薬剤師も行くと、こういったケースの緊急の訪問があ る場合について、現在は計画的に行く場合の訪問指導料だけのものはございますけれども、 そういう緊急訪問の場合も別途点数がとれるという形を入れさせていただいております。  それからなお、その患者さんが実際に風邪を引いたとか下痢をしたとか、別の疾患にか かった場合に現在はこの訪問管理指導の中でやることになっておりますけれども、薬剤服 用歴管理指導料については算定できることとしてはどうかということでございます。  172ページでございますけれども、「「お薬手帳」を用いた情報の管理と共有」とい うことで、後期高齢者の場合、複数の診療科にかかられる、重複投薬ですとか相互作用の 問題をどういうふうに解決するかということで、なるべく「お薬手帳」を使っていただこ うということで、診療された場合に保険医のほうで服薬状況等を確認をしていただいて、 問診等の確認に加えて、手帳をお持ちかどうかを確認していただいて、持参している場合 はそれをなるべく活用していただくというようなことでございます。  172ページの下のところでございますが、調剤報酬についても、薬局においても、 「お薬手帳」を十分活用していただくということで、現行の薬剤服用歴管理料、それから 服薬指導加算、それから「お薬手帳」の点数でございます薬剤情報提供料、これを包括い たしまして、これらのことについて総合的にやっていただくということで点数設定を考え ていくということでございます。  173ページの下でございますけれども、後期高齢者診療料を算定する患者以外の患者 さんに対して医師が「お薬手帳」に記載した場合の評価を設けるということでございます。  175ページでございますけれども、外来の患者さんにおきまして、いろいろな薬をお 飲みになっていて、普通の薬のヒートシールだけではなかなか飲みにくい、どうしても薬 が残ってしまうというようなことがあった場合に、その服薬管理が困難な外来の患者、そ れが医療上の必要性なり服薬管理の支援の必要性を十分に確認をして、なおかつその処方 医にも確認をした上で、それでもやはりそれを例えば一包化するなり、服薬カレンダーを 使って患者さんが飲みやすい形に整理をする、こういった場合について外来服薬支援料と いうことで点数上の評価をしてはどうか、こういうことでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ここは4つに分かれております。最初の「入院医療について」、152ページから15 9ページまでですが、いかがでしょうか。 ○古橋専門委員  152ページ、後期高齢者退院調整加算でございます。これはもちろん75歳以上の方 にということでございますけれども、この退院調整加算について非常に葛藤がありますの は、この在宅移行支援等が必要な方々というのは、75歳以上の方に最も課題が大きいと いうことではございませんで、現実、退院支援を積極的に取り組んでいるところからの状 況を聞きますと、例えばがんの方、難病の方、小児が器具等をつけて退院なさる方、ある いは病気の受け入れについて非常に本人及び御家族が理解が進まない方等々ありまして、 75歳以下の方にもこの課題と必要を持つ方が多いわけです。  実は以前、入院計画の加算がつきましたときに、入院治療計画の作成と医療側の説明が 非常に積極的に広がった事実があります。これは、診療報酬で評価されたことがきっかけ でございまして、会長がおっしゃるように、社会の要請に対し診療報酬というツールを使 ってそこにこたえるという点では、この入院時の治療計画の説明ということが非常に効果 を上げ、それが後から医療法の改定につながった結果もございました。  私としては、もうこの時期になりますと、財源をどうするということになりまして、発 言もちゅうちょし、ひるむわけですけれども、今後の大きな課題として、退院支援、退院 調整あるいは在宅移行支援ということをきちんと診療報酬評価をしていくと、そのことに よって社会的入院とか予定外再入院とかの問題にもそれなりに寄与できると思うのです。 退院調整加算については後期高齢者以外に結核と療養病棟と精神科の長期対応については 検討がなされていることは承知しておりますが、現場の人たちから聞くと、この方々は非 常に長期化して、調整が大事だけれども、結果として地域の中に居場所がない人たちだと。 ですから、この点数の設定は、制度設計としては適切だけれども、結果を導くという点で は非常に困難が多いということなのです。一般病棟において、入院が長期化しないための 在宅移行支援というのがむしろ非常に重要だということです。そういう点では、今後退院 調整に関しての診療報酬評価は広く一般病棟から退院する方々に向けるということが重要 と思っておりますので、検討を今後にぜひともお願いしたいと思っております。できれば 附帯の要項にもつけていただければと思っております。 ○土田会長  ただいま大変重要な指摘だと思いますが、その点について医療課長。 ○事務局(原医療課長)  今回は、一般病棟において後期高齢者に限って入れるということにしておりますし、そ れから結核やあるいは療養病床についての退院調整加算というものをつくっております。 できるだけ退院、追い出すわけではありませんけれども、できるだけ治療を終わって速や かにやはり適切な場所でその後の医療をしていくという意味では、まずはそこに着目をし たということでございます。  そういう意味で、後期高齢者でない、より若い方々における疾病の状況に応じた退院の 困難さというものもあろうかと思いますが、それについては今後の課題というふうに考え ております。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますか。  次の項目に移ってよろしいでしょうか。次は「在宅医療について」、何か御意見、御質 問等ございましたら、どうぞ。 ○西澤委員  この項目の中で、特に訪問看護に関して、訪問看護療養費というのと在宅患者訪問看 護・指導料というのがありまして、後ろに書いてあるのですけれども、この区分け、私の 頭の中で整理し切れていない部分もあるので、ちょっと教えていただければと思います。 ○事務局(原医療課長)  療養費というのは、訪問看護ステーションです。それから「訪問看護・指導料」と書い てあるのは、保険医療機関から看護師さんが行くという場合。保険医療機関の方は何々点、 それからステーションから行かれる場合は何々円という形で表記している。 ○西澤委員  分かりました。 ○土田会長  よろしいですか。初めて知りました。  ほかにございますでしょうか。 ○古橋専門委員  この163ページの基本療養費及び訪問看護・指導料でございますけれども、これは、 引き上げるという項目が最初に書かれております。特に訪問看護ステーションに関しまし ては、本当に伸び悩んでおりますし、小規模ではもう赤字に悩んでおりまして、閉鎖する かどうかという瀬戸際に立っているステーションが数多くございます。そういう点では、 この「引き上」げるという3文字に物すごい期待がかかるわけでございますけれども、本 当に長い期間これが凍結されておりましたので、格段の評価をお願いしたいのです。訪問 看護ステーションは本当に赤字に苦しみ、数も増えていかないのです。そういう点では御 検討をよろしくお願いしたいと思っております。 ○土田会長  これは何年ぶりでしたでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  12年ぶりだそうです。ただ、今ステーションについては小規模が非常に多いという御 指摘で、それは逆に言うと、非常に効率という面ではやはり悪いです。地域に密着してい るという意味ではいいのですけれども、やはり小規模だとさまざまな基本経費がかかりま すので、そういう意味ではどうしても赤字傾向になっているのは分かるのですが、そうい う意味では久しぶりに療養費なりを引き上げますので、全体の経営なりに対する支援、そ れを関係団体のほうでもやっていただけるとありがたいと思います。 ○土田会長  格段に上がるかどうかはこの後の楽しみです。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、3番目の外来医療につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。 ○西澤委員  本来であれば入院医療のところで質問すべきだったかもしれませんが、ここに後期高齢 者診療料をとる条件として研修を受けるということになってございます。同じように、1 52ページに戻りますけれども、これは病院でございますが、この後期高齢者総合評価加 算をとるときにも、やはり研修を受けた医師ということになっております。この2つの研 修というのは、ほぼ同じ内容の研修と考えてよろしいでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  152ページの入院医療における研修は、ここに書いてありますように、「後期高齢者 の総合的な機能評価に係る研修」と。基本問題小委員会でも、CGA7とか、少し説明を させていただきましたが、そのあたりの研修を受けられた方ということは考えております。  170ページの後期高齢者診療料のところの研修としては、そのほかに、まずベースと しての高齢者の心身の特性等に関する講義を中心とした研修でありますとか、診療計画の 策定等がございます。それに加えて機能評価の方法に係る研修ということで、内容的には 少し違うものであると。 ○西澤委員  分かりました。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますか。 ○対馬委員  後期高齢者ですけれども、170ページに継続的な管理の評価ということで、これに異 論があるわけではないのですが、特に私どもとしましては、後期高齢者についての初診料 と再診料の問題があり、今その問題を蒸し返すつもりはないのですけれども、やはり今回 後期高齢者についての心身の特性にふさわしい診療報酬体系ということで、このあたりが 一番の基本だと思いますので、ここは検証をしっかりして、また次回の改定につなげてい くということで、答申の附帯意見の中に織り込むことを要望したいと思います。 ○土田会長  わかりました。ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、最後の終末期医療につきまして御意見、御質問等ございま すでしょうか。 ○松浦委員  「具体的な内容」のところに、「患者及びその家族等」とともに十分話し合うと、こう いうことが書いてあるのですけれども、「患者及び」ということは、患者も含めなければ いかぬのですか、それとも「患者または」ですか。これは実際にはなかなかやりにくい問 題だと思いますね、患者を含めるのは。 ○事務局(原医療課長)  御本人の意識がしっかりしていない状況でどうするかという問題は、一方で大いに議論 があります。今回、診療報酬では、あくまで御本人の意思が確認ができる、本人を含めて というふうに考えています。その本人の意思確認ができない場合については今回は、別に こういうことをやることを全然否定しているわけではありませんけれども、診療報酬上は そこまでは評価をしない。あくまで御本人と及びその家族ということです。 ○松浦委員  それでは、患者が元気なときだとこういうのは聞きやすいのですよね。だけど、実際に もう終末期になってしまうとなかなか難しいのだろうと思います。 ○事務局(原医療課長)  ですから、別にこれを必ずとらなければいけないという点数ではありませんので、どう いうタイミングでじっくりと、まだ元気なときにやりましたと、だけど、多分状態に応じ てやはり本人の気持ちも変わってきますので、それはまた改めてやっていく必要があるだ ろうと思います。ただ、それは何回もやれる、やってもいいのですけれども、算定は1回 に限る。だからそれはおっしゃるとおりで、どのタイミングでやるかは非常に重要だし、 最期になってきて御本人も意識がもうろうとしてきたら逆に言うととれなくなりますので、 そういうのはどこでしっかりとやっていくかは患者と医師との間で決めていただければと 思います。 ○松浦委員  了解。 ○土田会長  ほかにございますか。  よろしいでしょうか。それでは、このVについてはここまでとしたいと思います。  それで、ただいまちょっと12時過ぎておりますが、まだ残っているところを仕上げて おきたいと思います。次は歯科診療報酬及び調剤報酬を取り上げたいと思います。  最初にII−6につきまして、歯科のところですが、歯科医療管理官、説明をお願いしま す。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  歯科医療管理官でございます。それでは、73ページから109ページまでの資料につ いて要点を中心に説明させていただきます。重複項目等につきましては、実際説明を省略 させていただきたいと存じます。  73ページ、「歯科疾患の指導管理体系の見直し」についてでございます。「具体的な 内容」は、既に中医協のほうでもお示しさせていただいたところでございますが、2のと ころにございますとおり、現在5つある指導料等を歯科疾患管理料という形として一本化 を図りまして、要は、体系の簡素化を図るものでございます。それから、疾患の重症化を 阻止するという視点から、継続管理を新たに評価いたします。その一環で、機械的歯面清 掃加算を、これは3月に1回ですが、これを2月に1回とし、評価自体は少し下げます。 それから、創設いたします管理料というのは実際、初回と2回目以降の評価を少し変えて おります。要は、治療予定などを含みまして管理計画を初回に立てることが想定されます ので、初回のほうが少し高い点数設定というのを考えておるところでございます。  75ページ目に移らせていただきます。「有床義歯の指導・調整等の見直し」について です。これは、治療指針の見直しが行われたことを踏まえまして、体系の見直しを少し行 っております。  「具体的な内容」といたしましては、実際に有床義歯を新たに作製しましたときの新製 有床義歯管理料というものを新設いたしまして、従来は調整料と指導料というふうになっ ていたのですが、これを管理料に一本化し、体系を簡素化いたします。なお、新製義歯の 場合というのは既存の義歯に比べますと相当調整に手間がかかっておるということがござ いますので、月1回の算定を2回に改めまして、総入れ歯なんかの手間のかかる場合には、 従来の義歯では既にもう評価していたのですが、困難加算を新設することを考えておりま す。当然2回になれば点数はある程度、これはバランスを見て引き下げるということにな ります。また、義歯を入れてからの期間に応じまして、義歯を長持ちさせるという意味も あるのですが、従来の有床義歯の調整料を管理料に改めまして、期間の短いものを有床義 歯管理料、長いものを有床義歯長期管理料に体系を改めることを考えております。まあ、 点数等はそれほど変わりません。  77ページに移らせていただきます。「歯周疾患の治療体系の見直し」についてでござ います。これも以前に中医協で資料を出させていただいていますが、治療指針の見直しを 踏まえまして、歯周病が安定したときの安定期治療ということを新設させていただきます。 また、歯周病治療につきましては、あくまでも丁寧に治療が進められまして重症化が阻止 できるという視点が重要でございますので、2回目の基本治療につきまして100分の3 0での算定を設けますとともに、歯周外科手術について算定単位を歯牙単位にするという ことで、もちろんこれは財政均衡の観点から行っていますので、1回目の治療については 引き下げを歯周基本治療について行うことを考えております。実は、これらの課題という のは技術評価分科会からも上がっておりまして、既存の技術の再評価で優先して行うべき 課題というふうなところで位置付けがされておる課題でございます。  また、重症化を防ぐ観点ということから79ページに触れておりますが、歯茎への薬剤 注入による歯周疾患処置、これにつきまして急性症状期の適応を要件に追加することを考 えております。  80ページでございます。「病院歯科機能の評価の見直し」についてでございます。実 際、後期高齢者の訪問診療のところでもちょっと論点で示させていただいたのですが、在 宅の療養を支援する病院の歯科部門の機能なり取組を評価するという流れに沿ったもので ございます。一般の歯科診療所で実際は対応が難しいような外科的治療、こういったもの について診療支援を行っている病院を評価するという意味合いで地域歯科診療の支援病院 の施設基準というのを従来から設けておるところでございます。  ただ、これを実際に、82ページの資料のところにちょっと触れさせていただいたので すけれども、これは実際今の要件というのは、紹介率が3割以上ございまして、非常に紹 介率が高い、それで大きな手術をやっていると、こういった機関を評価しておるところで ございます。ただ、その機関につきまして、実際に常勤の歯科医師数を見ますと、今3名 を要件にしているのですが、2名のところでも4分の1ぐらいの機関が大きな手術をやっ ているというのが実情になっております。常勤の2名以上といってもこのほかに研修医と か非常勤の方なんかが実際には入られているケースがあるという状況になっているのが実 情でございます。この手術自体は実際に診療所でできないような治療等も実施していると いうのが実情になっております。  このため、「具体的な内容」としまして、例えば常勤の歯科医師数について今3名以上 ですが、2名以上とするなどの見直しが実態には即した形となっている状況でございます。  また、後期高齢者の問題とも関連しますけれども、この81ページのところにちょっと 触れていますが、在宅療養をする患者さんの在宅診療を進めていくという上では、実際に は病院の歯科部門で手術などの対応を要する場合が多くなりますので、地域歯科診療支援 病院の入院加算といたしまして、入院初日に入院基本料を加算する仕組みを設けるという ものでございます。  83ページでございます。「在宅歯科医療等の推進」ということでございますが、在宅 の歯科医療サービスを進める歯科診療所を、後期高齢者の推進という観点からでもござい ますが、在宅療養の支援歯科診療所という形で制度をつくりますとともに、その歯科診療 所を対象といたしまして、これは84ページのところにも出ていますが、在宅療養口腔機 能管理料というのを新設いたします。後期高齢者についても医科と同様、歯科の場合も、 先ほど説明のありました退院時共同指導とか、他の指導料を新設するものでございます。  86ページでございます。「歯科訪問診療等の見直し」についての点でございます。現 在、歯科訪問診療料というのは、歯科の訪問診療料のほかに初診料とか再診料を算定する 仕組みになっております。このほかに歯科のエンジンを携帯したときの加算が設けられて いるのが実情でございますが、簡素化の意味合い等から、歯科訪問診療時の初・再診料の 算定を医科同様廃止いたしまして、訪問先に治療用の切削器具を携行したりして実際に治 療を行った場合の対応をした場合の加算を設けるというもので、結果的には体系を簡素化 するものでございます。  88ページでございます。「歯科医療の特性に配慮した安全で安心できる総合的歯科医 療環境の整備」という視点でございます。これは、高齢化によるリスクなり政策的視点も 加えてのことでございますが、リスクの高い患者に万全の対応をする歯科医療機関に対し て評価を行うものでございます。具体的な制度設計に当たりましては、ここの施設基準の ところ、「具体的な内容」のところでもちょっと示させていただいておりますが、今まで の中医協の論点でも示しましたが、そのほかにも制度設計段階として、例えばAEDなど 初期対応が可能な機器を十分整備すること、それから感染リスクの高い患者さんを治療す る場合に専用の診療台の確保をすることなど種々要件をつけさせていただいております。 ただ、結果的には正直相当な設備投資をしている歯科診療所を要件としておりますので、 ほどほどのハードルが高くなっておるのが実情でございます。  89ページでございます。これは他の医療機関も同じでございますが、歯科診療所のほ うでも医療法で規定されている事項がございまして、当然、医療安全管理者を配置するこ ととか、マニュアルを作成すること、ヒヤリ・ハット事例を収集すること、それから研修 を行うことと等、医療安全上の課題は当然クリアすることが必要になるわけでございます から、こういった要件は当然やられていること、それでなおかつ88ページに示すような 施設基準をクリアしているということを条件といたしまして、一部そういうような機関で 基準をクリアした場合に初診料の加算を認めるというものでございます。ですから、結果 的には病院が主体になるのではないかというふうには考えておるところでございます。  90ページ、「先進医療の保険導入」につきまして、歯科領域でも90ページ、91ペ ージ、92ページまで資料を示させていただいておりますが、3つの技術が実際に出てき ておるところでございます。ここに示すのは、歯周組織再生誘導法、接着性ブリッジ、そ れからレーザー応用による齲蝕除去加算の新設といったものでございます。特に接着ブリ ッジについては、これは歯の歯質の削去量が非常に少なくなるというような技術でござい ますから、結果的には重症化の予防などにもつながっていく技術でございます。また、歯 周組織再生誘導法自体も、これも歯の喪失を防ぐための新たな技術ということでございま す。  93ページでございます。「新規医療技術の保険導入」ということでございます。これ も医療技術評価分科会から出てきているものでございますが、例えばここにある非侵襲性 歯髄覆罩法というのは、従来大きな虫歯だった場合には、94ページ目に示すとおり、歯 髄という組織がございまして、この歯髄を除去するまでの処置がおおむねされていた例が 多かったわけでございますが、この治療法ですと、歯髄除去まで何とかしないで済むよう な方法をとるということで、結果的に重症化の予防に寄与するものでございます。  このほか、静脈内鎮静法、肺血栓塞栓症予防管理料などが挙がっておりますが、このほ かに、96ページ、「歯科矯正及び小児義歯の適応症の拡大」でございます。これらにつ きましても実は既存技術の再評価的意味合いがある課題でございます。  実際には歯科矯正につきましては先天性疾患が例えば原因の場合で、特に歯並びが悪く なっているような場合は給付を行ってきているところですが、学会からの技術評価提案な どもございまして、対象となる先天性疾患を少し増やしてはどうかというような考えで、 ここの下線部に示されている、あまりしょっちゅうない疾患ではございますが、こういっ た疾患を増やしてはどうかということでございます。  それから、歯科矯正治療の実態に即しまして、算定要件につきましても一部見直すとい うものでございまして、実際にこの歯科矯正診断料について一連の矯正治療での顎切除等 の手術を実施するときというのを設けるものでございます。  それから、小児義歯の給付の適応症拡大ということでございますが、実は小児について 義歯というのは原則は給付を行っていないのが実情でございます。それで今までは先天性 の無歯症という、全くもう歯が生える見込みがないというものに限って認めておるところ でございますが、ただ、そうはいっても非常に早期の喪失等で困られる患者さんも多いと いうのが実情でございまして、ここの改正案に示されております一部の先天症について実 際に給付として加えてはどうかということが書かれておるものでございます。  99ページでございます。「処置等に係る技術の基本診療料における評価」ということ でございますが、具体的にはここの内容に示されておりますように、ラバー加算ですとか 歯肉息肉除去術、これを実際廃止しまして基本診療料に含めて評価をするというものでご ざいまして、それぞれこれは処置なり手術に位置付けられている技術でございます。  100ページ、「検査及び画像診断に係る技術の評価の見直し」でございます。これは 顎運動関連検査ということで、今まで4つある補綴関連検査を1つにまとめるというもの でございます。これはいろいろな一体的評価に改めるという視点でございます。  100〜101ページにかけてございますが、歯科のデジタル映像化処理加算、これも 医科の適正化を踏まえつつ歯科のほうでも適正化を行います。歯科の場合には普及状況等 が医科ほどには広くはなっていませんので、少し差をつけますが、いずれにしても適正化 をするということでございます。  102ページでございます。「歯科固有の技術に関する評価の見直し」、これは105 ページまでございます。これは実際にはタイムスタディー等の調査の結果をもとにしまし て、物によっては技術を下げるもの、上げるもの、これを交互に対応するという趣旨のも のでございまして、特に104ページの2のところの歯科診療報酬体系の簡素化を図ると いう視点から、実際に歯の充填をする治療について一体化をするということが既に中医協 でも提案させていただいておりますが、これについては大幅な引き下げになります。ただ、 他の処置についてはあまり頻度はここの処置ほど多くはないのですが、少し引き上げると いう対応のものでございます。  106ページでございます。「歯冠修復及び欠損補綴に係る技術料の見直し」というこ とでございます。これも基本的にはタイムスタディー調査をもとにしまして上げ下げをす るというものでございます。これは108ページまで示させていただいておりますが、特 に大きいのが(1)の前装鋳造冠の評価の引き下げということで、これも比較的頻度は高 いものでございます。一部(2)のところにも関連のものがございますが、こういったも のを引き下げて、一部他の歯冠修復及び欠損補綴の引き上げを行うというものでございま す。  109ページでございます。「歯科診療における患者への文書による情報提供の在り 方」。これは先ほどの管理料の見直しのところとも関係してくるわけでございますが、あ くまでも検証結果を踏まえまして提供の時期なり提供すべき項目、内容につきまして見直 しを行うものでございまして、具体的には状況の変化があった場合には行うということな のですが、おおむね3カ月に1回以上の交付頻度に変更するということでございます。た だ、一部の文書につきましては算定要件としている項目の中でもなかなか療養上効果が期 待できない項目なども中にはありますから、期待できる項目に限定いたしまして、一部の 診断料や診療料など、重複したりするケースなんかもあるのですが、義務化されているも のを一部ここの(1)から(5)まで文書提供を要しないこととするというものでござい ます。それから、文書の提供の内容につきましても、重複している項目などを排除すると いうようなことをいたしまして、効率的な提供ができるものに見直しを行うというもので ございます。  説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの歯科に関連しまして御質問、御意見等ございますでしょうか。 ○渡辺委員  ただいま御説明ありましたが、今までこの中医協で長期にわたって協議されてきた、そ うした骨子を踏まえての大変具体的な改定案が示されたわけですが、総括的にまず申し上 げたいことは、歯科医療は単に口腔の健康を回復・維持するというだけではなく、全身の 健康維持に大変貢献すると、また、特に高齢者にとっては、QOLを高めるのに役立って いるという、そういう認識の下に今回こうした提案がされてきたというふうに認識をして おります。  今回、各専門分科会等からのいろいろな提言あるいは指針等が示されまして、そうした ものを踏まえて行われてきたという説明をいただきました。大変そこのところも評価した いと思います。  また一方、臨床現場としては、過日の前橋で行われました公聴会でも出ておりました意 見を踏まえて、さらに私たち現場としての意見も述べていかなければいけないなと思って いるところです。  先ほどのパブコメの御説明のところで歯科のことが一切触れられておりませんでしたが、 資料の総−1−1の15ページに歯科がございます。51件と31件ということでありま した。ここで最初には、包括的評価に対しては反対なのだという姿勢が強く示されており ます。出来高払いを求めているということですね。基本診療料への包括には反対というこ とが出ておりますが、基本的には私たちの考えていることと全く同じでございます。これ は何回か今までに述べてきた内容です。そして、ここにある基本診療料への包括、包括と 言うよりは、私たちはある種の技術料をこの基本技術料である基本診療料に振り向けると いう、これも前橋でもお話ししましたが、私たちとしては大変苦渋の決断をした、それだ け基本診療料、基本技術料というのは重要であるということのお話をさせていただきまし たが、そういう内容がここに書いてありますが、それは私たちの今考えていることと同じ であります。  それからあと2番目に、指導管理体系の見直しは再考すべきと言われました。何回かこ の協議の中で、指導体系が一本化されることについて最終的に私たちは了承いたしました が、そのときには、すべての疾患が、そしてすべての患者さんがそれに対応できるという ことを踏まえて了承していきますという姿勢を示したところであります。多分この先生、 地元あるいは現場としては、そういうところがよく見えないので、現在行われている診療 の指導管理体系ができなくなってしまうのではないかという心配が非常にあったと思いま すので、そこの点は十分考えて新しいシステムをつくらなければいけないと思います。  過日の前橋の公聴会でも発表された方は一番にそれを言っておりました。16年、18 年と指導管理体系が変わっていったのです。そしてまた今回変わる。患者さんに定着する というためには、やはりしっかりとすべての患者さんに対応できて、現場としても対応し 切れる、そういうシステムでないといけないと思いますので、今回資料の73ページに出 ております歯科疾患の指導管理体系についても、やはりそうした意味ですべての患者さん のすべての疾病がこれでちゃんと対応できるということが求められているのではないかと 思いますが、そういう点についてはどのように考えられているのか、ちょっと御意見を、 今の現時点の考え方をお伺いしたいなと思っております。  それから、77ページに、日本歯科医学会の、そうした歯周疾患、いわゆる歯周病の治 療体系の指針の見直しが出されました。そして、学会の専門的な考え方、また臨床現場を 踏まえた提言を踏まえての改定ということで評価をしていきたいと思っております。  ただ1点、前にも薬価専門部会でも業界の方々にもお願いしたのですが、歯科の適応を とるというのは非常に少ないのです。そういう意味で現場として、実際には効くのだけれ どもなかなか使えないというものがあります。そういうことも踏まえながら、また学会等、 明らかにしっかりと歯周病の効き目がある、歯周病菌に対しての効果があるという実証を している抗菌薬等については、その拡大を図っていただきたいという要望をいたしたいと 思っております。  それから、83ページをお開きいただきたいと思いますが、ここで、「在宅歯科医療等 の推進」ということで、私たちも積極的に在宅の患者さんを診ていこうという姿勢であり ます。同時に、この在宅の一生懸命やられる診療所が支援診療所として認められて、84 ページにあります口腔機能管理料という形で在宅の患者さんの管理をするということがさ れた、これは大変いい流れでありますし、1号側からの要望の中にも在宅については口腔 ケアの重要性がうたわれておりますし、先ほど拝見しておりましたパブコメの中にもそう いう意見がありましたので、きっちりそこは推進をしていただきたい。  そういうことについて、ここで在宅の患者さんすべてがこの口腔機能管理の対象とされ るものと私たちは考えるのですが、その点いかがお考えなのかもちょっと確認をしたいな と思っております。  続いて90ページに行きますが、一つ一つやりますと時間がかかりますので、飛ばせて いただきますけれども、90ページの先進医療、またその後の新規技術の導入が93ペー ジにあります。こうした新しい技術、先進医療からの導入は、患者さんに対して高度な医 療がさらに進められる、しかも、幅広く新しい技術が導入されるということは歓迎すべき ことだと認識しております。  ですが1点、この93ページのところで、大変難しい言葉でなかなか一般の方には御理 解いただけにくい「歯髄覆罩法」というような、何だろうということであるかと思います が、神経を取らずに神経を保護しようと、それによって歯がしっかりもちますよという新 しいテクニックが確立されてきたということなのです。ここのときに、この93ページの 3のところに、この覆罩を行った歯が抜髄、要するに神経を取るようになったときには、 その費用から低減するという、これはこの医療に成功報酬的な考え方が入っている。実際 の処置をしっかりやって専門的判断の下にやった。しかし、歯の状況あるいは患者さんの 状況によって、当然いろいろなケースが、再治療が出てきますね。しかし、そのときに、 前の処置の点数分を引きなさいというのは、私たちは賛成できない考えなので、これにつ いてもどのようにお考えなのかを意見を伺いたいというふうに考えております。  あと、最後のほうですけれども、102ページ以降、歯科固有の技術また欠損補綴の技 術料の見直しとあります。説明がありましたように、上げるもの、下げるものがある。上 げるものについてはタイムスタディー等の調査を踏まえてのことということですが、下げ については、私たちはなかなかその根拠を理解しにくいところがありますが、そうした下 げたものを必要なところに振り当てていったというふうに考えているところですが、その 中で1つだけちょっと提案というよりは要望なのですけれども、104ページに、これも 専門的な話になりますが、同一手術野に対しての手術という話があります。実は、歯科の 基本的な考え方は、一本一本の歯が治療の対象であるという、そういう基本的な理念に基 づいて歯の治療をしっかりと行っているというようなことなのです。そういうことも踏ま えて、また学会等からも意見書が出ておりますので、そういうことを踏まえて、今後この 技術、専門的なこの手術についての考え方のさらに御検討を要望したいと思っております。  そういう意味で、先ほど会長さんのほうからもお話しありましたが、附帯事項といたし ましては、こうしたタイムスタディーあるいは学会等の見解等を踏まえて、歯科のこうし た基本技術、基本的なといいますか、歯科の技術料の適正な評価についての検討をさらに 進めていっていただきたいということを附帯としてお願いしたいと思っております。  一番最後になりますが、情報提供については、検証部会の結果を踏まえての改定がなさ れてきたと、提案されてきたというふうに理解しておりまして、これを評価したいと思っ ておりますが、やはり依然として、文書を、私たち必要性がどうかと思うところもありま す。ちなみに、患者さんに実際にお口の中で歯科衛生士が15分、それ以上かけてしっか りと指導する。15分しっかり患者さんに合った磨き方を指導するわけですけれども、そ のときも文書提供しなければいけませんよと。なかなかその後、さらにそれを指導内容を 文書にしていくというのは難しいし、時間もかかるしという現場の困難な訴えが出てきて いるところでありますので、さらに今後の検討課題としてお願いしたいと要望をしたいと 思います。  ここの項目については以上で終わりますが、以前より1号側の皆様方からも文言が大変 分かりにくいというお話がありました。今日の中にも「非侵襲性歯髄覆罩法」、何を言っ ているのか分からないというところがあるかと思いますが、そういう点も学会等とも検討 して、より患者さんに分かりやすいような形の術語にして提案をしていきたいということ を申し上げたいと思います。  総括的に、以上申し上げました。 ○土田会長  どうもありがとうございました。用語についてはよろしくお願いしたいと思います。  それで、ただいま質問3点と要望が2つ出ておりますが。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  渡辺委員のほうからございました御質問等について少しお答えをさせていただきたいと 思います。  最初に、73ページの「歯科疾患の指導管理体系の見直し」のところでございますが、 これは5つの指導料等を包括するわけですから、もちろん患者さん自体というのは対象と なる方がいらっしゃるならば、これは別に限定される話ではございません。ただ、ここに もございますとおり、継続管理を実際にするということが条件になっておりますので、継 続管理を必要とする患者さんであるならばどなたでも対象になるということになります。  それから、歯科の適応ということでございますけれども、これは恐らく79ページのと ころの歯周疾患処置等のことではないかと存じますけれども、これも今のところでは確か に適応症に基づいてということでございますから、ある程度こういう新たなこの治療法に 当たるような薬剤が出てくればもちろん余地はあるという分野ではないかというふうに考 えております。  それからもう1つ、これは在宅のところの84ページの後期高齢者の管理料の話ではな いかと存じますが、これは、対象はあくまでも後期高齢者ということになりますから、そ ういう限定はかかることになります。当然、口腔機能管理を行っている方ということが対 象になるかと思いますが、たしか関係学会等がこういった口腔機能管理等については指針 をまとめられていたかと存じますが、そういった方がおのずと対象になってくるというこ とになるかと考えております。  それから、93ページのところの非侵襲性の歯髄覆罩ということでございまして、これ、 成功報酬ではないかと、こういうようなお話があったわけでございますけれども、実は、 今直接歯髄覆罩法というのを評価しておりまして、歯髄覆罩法自体も、要は抜髄と言って 神経を抜くような処置まで至った場合には減算という形で、要はこの抜髄処置の一連の中 で見るような対応をしているのが実情でございまして、これも累次の技術だったためにこ ういうふうに抜髄の費用からの低減という形態での評価を行ったというのか実情でござい ます。  それから104ページ目の、同一手術野の問題でございますけれども、これは今後の要 望ということでお聞きいたします。  それからあと、文書の歯科衛生実地指導料も、これも今後の要望ということでお聞きし たつもりでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。よろしいですか。 ○渡辺委員  御説明ありがとうございました。ですが、新しい技術がやはり普及するためには、それ なりの対応、評価が必要だと思うのです。実際に、この新しい歯髄覆罩法というのは、お おむね2〜3カ月経過を見ながらやっていくという処置なのです。それだけの経過を見て やっていく中でのものが、どうしても次の段階に行かなければいけないというときにそれ を減算するというのは、どうも私たちは納得できないところがあるということを改めて申 し上げたいと思います。御検討をさらにお願いしたいと思います。  それから、後期高齢者の関係のところで、在宅の患者さんに対しての口腔機能管理、7 5歳以上という形で当然私たちも認識しておりますので、そういう患者さんの在宅であれ ば、この管理料が漏れなく適用できるということを制度の中にはっきりさせていただきた いなと。やはり、患者さんによって漏れてしまうというのはいけないと思います。そうい うふうに認識をしておりますので、そこのところの検討もお願いしたいと思います。  以上で終わります。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  御要望という形でお聞きしましたけれども、あくまでも今の非侵襲性の歯髄覆罩法とい うのは、ある程度歯科医療の効率化みたいな観点からも望ましい、望ましくないといった 点がございますので、そういったことをちょっと踏まえざるを得ない点があるかと存じま す。また、今の在宅の問題につきましても、口腔機能の管理・評価があくまでも必要な場 合ということに、あくまでも限定がされる余地はある課題というふうな認識を持っておる ところでございます。 ○渡辺委員  ちょっとお願いしたいのですが、実は、今日御説明いただいた医科関係のところでの1 39ページに、この例として、B型肝炎感染者もしくはC型肝炎感染者の手術における技 術の再評価ということがありますが、これは歯科関係の手術の場合にも当然多くのB型肝 炎の方、C型肝炎の方を診ているということです。そういう現状でありますので、当然こ れも歯科にも同時にかかわってくるというふうに理解してよろしいでしょうか。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  現状におきましては、歯科の手術については想定はしていない状況でございます。 ○渡辺委員  それはちょっと、同じ患者さんでもかかる科によって違うというのは納得しがたいので、 十分そこは御検討していただきたいとお願いします。 ○土田会長  そうですよね。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  ちょっとこれはお分かりにくいのですけれども、歯科点数表上では位置付けはしていな いのですけれども、ただ、医科の点数表の通則のほうを準用できるような場合でしたら可 能でございます。 ○土田会長  十分検討してください。 ○邉見委員  専門外であれなのですが、80ページの「病院歯科機能の評価」という中に、地域歯科 診療支援病院とありますが、これは4キロというのはないのでしょうか。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  特に設けてはおりません。 ○土田会長  よろしいですか。 ○邉見委員  分かりました。 ○対馬委員  88ページの安全な歯科医療の環境整備の問題なのですけれども、今の話にもかかわる のですが、私どもとしましては、ここが歯科の場合の感染症等の対策の主要なポイントか なというふうに思いましたので、それとはまた別に、医科との関係でまた1つつけてくれ ということであると、ここを考え直さなくてはいけないといったこともあるのではないか と思うのです。ですから、今この場で新たに1つの項目立てというのはいかがなものかな と思うのですけれども、それが1つです。  88ページの問題で申し上げますと、安全でありますとか環境について診療報酬上どう いった評価をするかというのはもともと私どもの一つの関心事でありまして、医科の場合 ですと、体制の整備ということで、ある意味人に着眼したということになっているわけで す。ここでは人の問題もありますけれども、いろいろな設備の問題でありますとか、感染 の問題とか、そういったことを含めてでありますので、これはあくまで「歯科の特性に配 慮した」ということであるのならば、私どもとしても認めようかということであります。 といいますのは、「歯科の特性」と言いませんと、医科のほうでも、歯科ではこうやった ではないかと、こういう話になりかねないところがありますので、そこは一つ別途だとい うことです。  それからもう1点、これは要望ですけれども、今回新しく創設するわけですから、この 創設の効果についてやはり検証をしていただきたい。答申の附帯意見に織り込んでいただ きたいということであります。 ○渡辺委員  これは厚労省のほうからのお答えをすべきなのかもしれませんが、私たちの認識は、先 ほどの点は、手術そのものに対しての評価ということで、これは歯科についての従来もい ろいろな多くの手術については、医科の準用という形で一つ一つは決めてまいりませんで、 準用という形の中で、本当にまれな手術等はそういうふうにされているという流れで来て おります。そういう意味を踏まえて発言をさせていただいたということです。  それから、ここは実際の体制を整備するということでの評価であろうというふうに私た ちは感じております。実際にこれで、診療所でこの体制でなかなか、先ほど発言もありま したが、難しいなという実感を持っております。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  先ほどの区分けの部分でございますが、あくまでもこちらの「総合的歯科医療環境の整 備」というのは、外来診療が主体でございます。それで、入院診療ということについては、 実は対象になりませんで、今言っていた実は感染の場合というのも、全身管理を要するよ うな手術で偶然医科準用するというケースでございますから、非常にまれという形になっ ております。 ○土田会長  よろしいですね、今の説明で。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、歯科についてはこのぐらいにしまして、最後は薬剤のほうですが。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  大分時間も押しておりますので、簡潔に御説明させていただきたいと思います。  110ページでございます。調剤の関係、これまで後発品の関係ですとか、後期高齢者 のところでもいろいろ出ておりまして、その他の部分だけまとめさせていただいておりま す。  最初が「調剤料の見直し」ということで、一包化薬、これは今服用時点がすべて同一の 場合には算定できないということになっておりますが、現実にはそのような場合でも処方 医の指示もございまして、薬局が持ち出しでやっている部分が多い、そういうこともござ いますので、そういった部分については認めようということでございます。服用時点が同 一の内服薬を1剤と、こういうふうに数えていきますので、実際の要件上は1剤で3種類 以上と。実際には2種類以上でもいいかどうかという議論もありますけれども、財源のこ ともございまして、3種類以上ということでさせていただいております。  それから、自家製剤加算の錠剤の半割でございます。これについては、自家製剤はいろ いろつぶしたり、こねたり、いろいろなものをつくることを評価しているわけでございま すが、錠剤を半分に割ることについては、量に応じて手間も増えていくということもござ います。また、ほかのに比べると手間の少なさもあるということもございますので、評価 を引き下げて、投与日数に応じた日数倍数制を導入するというものでございます。  112ページでございます。「患者の薬歴管理及び服薬指導に係る評価の見直し」。現 在薬剤服用歴管理料、それから服薬指導加算ということで、ある程度基本的な説明に、新 たに患者さんの情報を聞いて分析して説明を加えたら、服薬指導加算ということでござい ますが、なかなか線引きが難しいと、患者さんからも、また実際算定する薬局でも分かり にくいということもございますので、これについてはこれを包括化させていただきまして、 基本的な説明プラス患者さんの情報をちゃんと踏まえてやる、こういうのもある意味基本 的な部分もございます。また、患者さんによって少し服薬指導の内容に濃淡があるかと思 いますけれども、患者さんに応じてそれは対応するということでございまして、そのよう な形で包括の評価をさせていただけたらと思っております。  113ページでございますけれども、長期投薬情報提供料1ということで、これについ ては、長期投薬服用期間中に、新たな副作用の発生等ございまして、患者さんにもお伝え をしなければいけないときに連絡するための報酬でございますけれども、現実にはなかな かそういうケースが少なくて、情報提供の回数が算定回数の割には非常に少ない、そうい うこともございまして、今回情報提供するごとに算定をするという形に改めさせていただ いたらということでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、これについては質問がないということで進みたいと思いま す。  これでもって一応の一通りの検討は終了いたしました。改めて何かございましたら。 ○邉見委員  追加意見の話も少しとおっしゃっていましたので、少しだけ申し上げたいと思うのです が、緊急課題の「産科や小児科をはじめとする病院勤務医の負担の軽減」ということで、 いろいろなことをお考えいただいたことことには非常に感謝いたしておりますけれども、 実際にこの今回の改定が、病院勤務医の実情を少しでも軽減したかどうか、あるいは立ち 去りといいますか、離職に歯どめがかかったかどうか、これをぜひ検証していただきたい ということをお願いしたいと思います。 ○土田会長  わかりました。ほかにございませんでしょうか。  それでは、これまでの議論を通じまして、平成20年度の診療報酬改定につきましては、 中医協において一応の合意が形成されたというふうに理解しております。  つきましては、これまでの議論の経過を踏まえまして、事務局において厚生労働大臣へ の答申書(案)を作成していただき、次回の中医協におきまして御審議いただくというこ とにしたいと思います。  なお、これまでの議論においても、答申書への附帯意見について幾つかの御意見を承っ ております。例えば、前回までに、初診料・再診料等の基本診療料の意義や、診療報酬上 の評価に当たっての考え方については、水準を含めて改めてその結果を今後の改定に反映 させるというような意見でありますとか、あるいは回復期リハビリテーションの見直しに つきましては、試行的に提供される医療の質の評価を導入するということになっておりま すが、それについても、その影響を検証するというような、そういう意見をいただいてお ります。  さらに、本日は対馬委員のほうから、7対1、10対1ですか、そこの意見であるとか、 そのほか退院調整等の意見もいただいております。  そういう、これまでいただいた附帯意見につきましても事務局のほうでまとめていただ きまして、次回検討し、答申案に盛り込みたいというふうに存じます。  以上でございますが、また今日も…… ○松浦委員  私は今邉見委員がおっしゃった、勤務医に本当に届くか届かないか、これはもうぜひ… …。 ○土田会長  もちろんです。  それから、あらかじめ1号側、2号側からも附帯意見を寄せられておりますので、それ も加えながら検討していきたいというふうに思います。ただ、幾つかのことにつきまして は、検証を行うことをすべてその附帯意見に盛り込むのが適切かどうかというような判断 の迷いも僕のほうにあります。前回は検証はたしか11項目ほど行いましたが、そのうち 附帯意見に盛り込まれているのはたしか2つか3つぐらいで、それ以外は附帯意見に入っ ていないけれども検証を行うという形になっております。したがって、検証部会の役割と いいますか、あるいは検証そのものの役割というのは非常に上がってきている、それでこ れはぜひやっていきたいと思っておりますが、ただ、附帯意見にふさわしいかどうかとい うことについてはもう少し検討させていただきたい。それでこの場でも議論していただき たいと考えておりますので、次回その案をお示しいただくことで事務局のほうにちょっと 準備を急いでいただきますが、そういうことでよろしいでしょうか。改めてここで議論を するということでございます。  それで、次回の日程ですが、決まっておりましたら、お願いします。 ○事務局(原医療課長)  次回は2月13日の水曜日、厚生労働省内で行いたいと思います。 ○土田会長  そういうことでございます。最後になって、前回等々から、今日も1時になりましたが、 どうも遅くなって恐縮ですけれども、できれば次回でまとめたいと思います。したがって、 多少、多少ではなく大変時間を延長するかもしれません。前回はたしか4時ぐらいまでや った記憶がありますけれども、今回は絶対そのようにはしないで、できるだけ、随分きめ 細かくやっておりましたので、そんなに時間はかからないと思いますが、多少時間が延長 することをお含みおき願いたいと思います。  それでは、今日の総会はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)