08/02/08 第1回医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会の議事録について 第1回医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会 平成20年2月8日(金)13:00〜15:00 経済産業省別館第1020会議室 ○事務局 ただいまから、「第1回医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会」 を開会します。本検討会の構成員の先生方におかれましては構成員としてご参加いただき まして、また本日ご多忙の中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本検討 会の座長が選出されるまでの間、事務局で進行役を務めます。  まずは、本日は第1回目の検討会ですので、事務局から構成員の紹介をします。五十音 順で申し上げます。足高慶宣委員、今地政美委員、井村伸正委員、小田兵馬委員、神田敏 子委員、北史男委員、倉田雅子委員、児玉孝委員、今孝之委員、下村壽一委員、高柳昌幸 委員、増山ゆかり委員、松本恒雄委員、三村優美子委員です。事務局を紹介します。医薬 食品局長の高橋、大臣官房審議官医薬担当の黒川、医薬食品局総務課長の中澤です。以上、 よろしくお願いします。  本日の構成員の出欠状況について報告します。本日は、予定では構成員15名の先生方全 員が出席ですが、若干望月眞弓委員が遅れています。後程お見えになるかと思います。  続きまして検討会の開催に当たりまして、高橋医薬食品局長からご挨拶を申し上げます。 よろしくお願いします。 ○医薬食品局長 最初に一言ご挨拶申し上げます。皆様方におかれましてはご多忙にもか かわらず、本検討会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。心より御礼申し 上げます。  医薬品の販売制度については2年前の平成18年の薬事法の改正によりまして、一般用医 薬品をリスクの程度に応じて分類して専門家が関与して、リスク区分の程度に応じた適切 な情報提供を行うことを内容とする改正法が成立しました。これは法律の成立から3年以 内の全面施行となっています。3年と申しますと、来年の6月までにはスタートとなること が予定されています。これまで、販売制度に関する検討についてはほとんどが前回の検討 会、あるいは法律改正のときの検討部会の方々にもう1回ご参加をいただいていますが、 リスク分類の検討については4月施行のあと、前回の検討会では登録販売者の制度に関し ての検討をいただいて、登録販売者の試験はこの春からいよいよ各県においての実施が行 われるという運びになっています。いま申し上げましたように、全面施行は来年の6月ま でであったと思いますが、全面施行に向けて消費者の立場に立った適切な情報提供、相談 の対応のための環境整備に関しての内容をどうするかが法改正の最後の仕事となるわけで す。そこで、皆様方のお力添えをいただきながら、国民から見てわかりやすく、かつ実効 性のある販売制度が構築されるように検討を行いまして、その経過を踏まえて販売制度の 施行に向かっていきたいと考えています。  ご承知のとおり、一般用医薬品の販売制度は今回の法改正において、大きく変化をする ことになるわけです。規制緩和というところから出発したわけですが、単に規制緩和する ということではなくて、現実に販売をするまさにその時に、きちんとした情報提供を行わ なければならないというのが、規制緩和と同時にもう1つ打ち立てられた原則でありまし て、そういったことがきちんと保たれるように、環境整備なり体制の確保がこの制度を円 滑に進めるための大きな要素であると考えています。皆様方におかれましては国民の視野 に立って、高いご見識に基づいた精力的なご検討をいただきますよう心からお願いを申し 上げます。簡単ではありますが、私の挨拶とします。よろしくお願いします。 ○事務局 ありがとうございました。これより議事に入ります。その前に、配付資料の確 認をします。お手元の資料をご覧ください。ご確認いただきまして落丁等がありましたら、 お申し出いただきたいと思います。よろしければ、これより最初の議題の座長の選出及び 座長代理の指名に進みたいと思います。  本検討会の開催要綱において、検討会が座長を選出することになっていますが、まずは どなたかご推薦いただく方がいらっしゃいましたら、おっしゃっていただきたいと思いま す。いかがでしょうか。 ○下村委員 これまでの経緯から、今回の検討会も井村委員に座長をお務めいただくのが ご適任かと考えますので、推薦させていただきます。 ○事務局 ほかはいかがでしょうか。よろしければ、いま下村委員からご推挙いただきま した井村委員に座長をお願いしたいと思いますが、よろしいですか。それでは、井村委員 よろしくお願いします。座長席にお移りください。 ○井村座長 販売制度改正検討部会という出発点から関わっていますから、ご指名をいた だいたものと思っています。先ほど局長からもお話がありましたように、今回の検討会が おそらく詰めの作業になるのかなと思っていますので、是非ご協力のほどよろしくお願い します。  この検討会では、座長が座長代理を指名することになっていますので、私からお願いし てよろしいでしょうか。誠に申し訳ないですが、いつもお願いしている一橋大学の松本先 生にお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。では、よろしくお願いします。そ れでは、議事をできるだけ効率良く進めていきたいと思います。ご協力お願いします。  議題2、「一般用医薬品の販売制度の概要と検討項目」です。それでは、この検討会の設 置の趣旨も含めて、事務局からこの資料に基づいて説明をお願いします。 ○事務局 冒頭の説明に使う資料は、資料2、資料3、資料4、資料8です。資料2は、本 検討会の開催要綱です。改めて一通り説明する必要はないと思いますが、1の趣旨に書いて ありますとおり、この検討に当たりましては国民から見てわかりやすいものであって、か つ実効性のある販売制度を構築するために、これからいろいろな検討をしていきたいと思 っています。その先には医薬品の適切な選択及び適正な使用に資するといったことがあり ますので、そういった視点に立ちましてご議論いただければと思います。具体的な検討項 目は2に示してあるとおり、4つに分けています。(1)情報提供等の内容・方法、(2)情報 提供等に関する環境整備、(3)情報提供等を適正に行うための販売体制、(4)医薬品販売 業者及び管理者の遵守事項等の4つに分けました。後ほど、この検討項目について少し内 容をご紹介したいと思いますが、本日は(1)と(2)を中心にご議論いただく予定にして います。  資料3は、「一般用医薬品の販売制度に関する概要」という資料です。こちらは冒頭に一 通り説明するために用意したものではありません。内容に書かれているのは今申し上げま した検討項目ごとに既に改正された後の薬事法の関連する条文と、この検討のいちばん最 初の厚生科学審議会で議論いただいたときの部会の報告書で、どういった内容が議論され、 まとめられているかを検討項目ごとに抜き出して資料としています。また、個別の検討項 目ごとにいろいろな議論をする際にこちらをご覧いただくようになるかと思いますので、 いまの段階ではこの内容についての説明は省略します。いずれにしても、これから検討す る内容は、ここに示しましたような法律に根拠があるもの、さらには部会の報告書で取り 上げてきた経緯のあるものといった内容になります。  資料4は、「検討事項」です。先ほど触れた検討事項を4つに分けまして、一つ一つに関 して若干の解説を加えています。一つ目は情報提供等の内容・方法です。一般用医薬品の 販売に当たっては、リスクの程度に応じて専門家が情報提供を行うことになっていますが、 その情報提供を行う上での内容、どういう情報を提供するかということと、その具体的な やり方、方法。さらには第一類医薬品に関しては書面による情報提供が求められています ので、その書面がどういう内容で構成されるか。あるいは、その書面をどう取り扱うべき かといったところが対象になるかと思います。さらには実際に医薬品を購入しに来たとき のみならず、購入した後も含めまして相談が求められる場合がありますので、その際の対 応の仕方は具体的な説明、情報提供の仕方も含めまして、どういうことが現実に想定され、 それに対してどういったルール作りをしていくことが適当かといったところが(1)の内容 になるかと思っています。  (2)の情報提供等に関する環境整備に関しては、ここに示してあるとおり、販売制度全 体を国民から見てわかりやすく、かつ実効性のあるものとするために、様々な環境という ものを作っていこうということで、これまでも議論されてきた内容ですが医薬品の陳列の 仕方、医薬品の容器あるいは外箱に関する表示の仕方、さらには実際に販売業を営む従事 者が薬剤師であるのか登録販売者であるのか、またそれ以外の方であるのかの識別性をど のように確保していくかといった点、そして店舗等におきましてさまざまな事柄を掲示す ることによりまして、国民に対しても制度全体の理解をしていただきます。さらには、販 売サイドに対しましても、こういったことを自らが行っていることができるだけ具体的に わかるような掲示をするということで、どういう内容がそれにふさわしいものかといった ところがご議論の対象になるかと思います。本日はこの(1)と(2)を中心に、後ほどま た個別の資料を用意していますので、ご議論いただきたいと思っています。  この検討会は、ほかに(3)(4)の項目がありまして、情報提供等を適正に行うための販 売体制として、情報提供等をしっかりと行っていただくためにはどういう店内の体制が必 要かといったこと。それは人数であるのか構造設備であるのか等いろいろな観点があるか と思いますが、そういった切り口で体制作りをどのように考えるかということです。(4) は、販売業における実際の開設者あるいは管理者の方々にどういったことを求めていくか に関して、義務であるもの、努力義務であるものといろいろなレベルがあるかと思います が、そういったものについて具体的にどういうものを求めていくかをご議論いただくとい う内容です。そのほか、様々な項目が関連すると思いますので、随時その内容をご意見い ただいて盛り込みながら、この検討を進めていくことになるかと思います。  資料8は、今後のスケジュールを示した資料です。本日第1回目の検討会を迎えていま すが、次回の予定は22日を考えています。本日はまず4つの検討項目のうちの2つをご議 論いただき、またそれに関して第2回目の検討会で議論を深めていただくことを考えてい ます。さらに、第2回目は新たに3つ目の検討事項の販売体制の内容についてご議論いた だきまして、第3回目は販売体制に関して2回目の議論をして、また新たに4つ目の検討 事項を加えていくという、五月雨にはなりますが、都合それぞれの検討項目に関して2回 相当を検討会でご議論いただき、その後検討事項全体を取り上げまして、意見の取りまと めに向けた検討を行っていくことを考えています。一応、予定では意見の取りまとめを4 月までと考えていますので、月2回程度の頻度で開催したいと思います。とりあえず大ま かにこういったスケジュールで進めたいと考えています。冒頭の説明は以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明について、委員の皆 様方から何かご質問はありますか。よろしければ、次に先ほどもご説明にありましたよう に、大きく4つに分けた検討項目の1つ目として、議題3の「情報提供等の内容・方法」 に入ります。いまスケジュールの説明がありましたが、そこでも五月雨というお言葉が出 てきました。やり方としては、例えば議題3と議題4について今回事務局からご説明をい ただいて、一応予定の時間内で議論をします。なるべく時間を守ってやりたいと思います。 次回は今日の議論で論点をある程度整理していただいたものがおそらく事務局から出てく ると思います。その整理された論点について、さらに議論を深めていく。そこに次の議題 の検討項目を加えていくやり方でいきたいと思います。  では、まず事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。 ○事務局 情報提供等の内容・方法に関する論点の資料について説明します。資料5です。 「情報提供の内容・方法に関する論点」として、まず最初にこの度の改正法薬事法の条文、 関係します改正検討部会の報告書を抜粋して載せています。この内容を踏まえて、2頁に一 般用医薬品のリスクの程度に応じた情報提供ということで、積極的に行われる情報提供と、 相談を受けて対応する情報提供に分けられることになっています。第一類を販売する場合 はこの情報提供は義務、第二類を販売する場合は努力義務。また第一類を販売する際に積 極的に行われる情報提供は書面を用いるとなっています。このようなリスクの程度に応じ ました情報提供と相談対応を確保することから、以下の(1)から(3)について検討を行 っていただきたいと考えています。  (1)を説明します。販売する際に積極的に行う情報提供の方法について、販売時に積極 的に行う情報提供は、購入者から特段の質問がない場合であっても行われることから、こ れは必ず専門家によって行われるものではないかということです。その情報提供の実効性 を高めるために必ず説明すべき事項としては、添付文書の中にある「使用上の注意」に係 る事項を中心とすることが適当ではないかと考えまして、以下のような内容が考えられる のではないかということです。以下4項目として添付文書の必読、重篤な副作用等を発生 することを避けるための事項、使用前あるいは使用中の相談すべき事項、改善しない場合 等の受診勧奨等を記載しています。このような情報提供を適切に行うには、専門家として の判断が求められることから、購入者側の状態を専門家が適切に把握できるような方法で 行うことが重要ではないかということです。  第三類医薬品の情報提供については法律上義務付けられていませんが、この場合も情報 提供が行われるのであれば薬剤師若しくは登録販売者によって行われることが望ましいの ではないかということ、購入者側から情報提供が不要である旨の申入れがあった場合、そ の旨を明確に確認できることが必要ではないかということについて、ご議論いただきたい と思います。  (2)第一類医薬品の販売時の書面による提供すべき情報についてです。第一類の情報提 供に用いる文書は、添付文書に記載されている情報を基本とすべきだと思います。添付文 書の記載については別添の参考資料4にも付けていますが、添付文書記載要領によって定 められています。この中で、販売時の情報提供の際に提供する情報としては3、4頁に5つ ほど項目を挙げていますが、最低限このような部分の内容が考えられるのではないかとい うことです。第二類医薬品の情報提供の場合、基本的には表示事項を中心に説明した上で、 必要に応じて専門家の判断により、第一類のそれに準じた文書を用いることが良いのでは ないかということです。  (3)相談を受けて対応する場合の情報提供の方法です。相談を受けて対応する場合の情 報提供については、相談事項や相談者の状況によって内容が異なることから、情報提供を 定型化することは困難ではないかと思われます。また、相談を受けて対応する場合の情報 提供ですが、販売時のみならず販売後にも適切な対応が求められることから、情報提供の 方法についてそれぞれ整理すべきではないかということについて、ご検討いただきたいと 思います。まず、販売時の相談を受けて対応する場合の情報提供は、基本的に対面で行わ れるべきではないかということで、その場合、第一類医薬品の情報提供は、薬剤師によっ て直接行われる必要があるのではないか。第二類医薬品、第三類医薬品の情報提供につい ては、薬剤師又は登録販売者によって直接行われる必要があるのではないかということに ついて、ご検討いただきたいと考えています。一方、販売後の相談及びそれに対する情報 提供については、どのように対応すべきかと問いかけています。以上、資料5全体を説明 しましたので、ご議論をお願いします。 ○井村座長 ありがとうございました。ただいまのご説明の内容についてのご質問も含め て、一般用医薬品の販売に関する情報提供等の内容と方法について、ここでご議論いただ きたいと思います。どうぞ、ご自由にご発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょ うか。 ○倉田委員 医療の受け手の立場で参加します。よろしくお願いします。情報提供のお話 のもっと前の段階ですが、この制度自体の広報というのをしていただいたほうがいいとい うか、是非していただきたいと思います。これから決める情報提供などのいろいろなこと は、私たちが薬局やドラッグストアや購入する場所に行って初めて伺ったり見たりという ことだと思いますが、行く前に既に知っていることが大事だと思います。ですから、国民 がいちばん見たり聞いたりというところでいいますと、テレビ、ラジオ、雑誌、電車の中 の貼り紙というところを使って是非浸透させていただきたいと思います。国民教育という 意味では良いチャンスだと思いますので、この制度がどう変わったのか、第一類はなぜ説 明を聞いてでなければ買ってはいけない薬なのかも含めて、広報の仕方をわかりやすくし て工夫していただきたいと思います。お金がないのでしたら付けてください。よろしくお 願いします。 ○井村座長 ありがとうございました。広報についてのご要望がありましたが、大変ごも っともだと思います。これは、一般用医薬品の販売が極めて容易になって、しかも安全性 が担保されることになりますと、最近流行っているセルフメディケーションという言葉で 言われていますように、自分で何かメディケーションをすることにつながるのだろうと思 います。そういう場合には、一般の消費者が薬そのものについても、あるいはその販売の 制度についても、よく知っていることがいちばん大事なことなのではないかと思いますの で、是非事務局でご検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局 ご紹介ですが、一応薬事法の中にも今回の改正によりまして国・都道府県・保 健所を設置する市、他特別区も含めて関係機関、関係団体の協力の下に適正使用に関する 啓発や知識の普及に務めることが盛り込まれていますので、それに従ってできるだけのこ とはしたいと思っています。 ○井村座長 よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。資料5の内容について、 さらにご質問あるいはご意見がありましたら是非お出しいただきたいと思いますが、いか がでしょうか。 ○小田委員 私は現場で薬剤師として店頭にいます。今回の改正は冒頭からの話にあった とおり、一般の方々からわかりやすく実効性があるものという前提があります。その中で 私が論点としたいところは、その情報提供を専門家が行うということです。例えばガスタ ーや最近スイッチ化してきましたアシクロビル等、それから今回の情報提供の内容に関し ては添付文書に書かれているものであると明記されていますが、既に医療用の医薬品を使 っていらっしゃって、それの情報提供を受けている患者。ネット等でも、いまはいろいろ なことが知れるようになっています。そうすると、購入の際に薬剤師に相談しろ、若しく は専門家に相談しろと言っている中で、その中における情報提供というのは添付文書の中 で語られていることしか相談ができなくなるのか、専門家として薬剤師等が研鑽したもの は情報提供にならないのか、その範囲。この情報提供という言葉は非常に使いやすいです が、実態はどこまでが情報提供であり、逆に言えばどこからがしてはいけないのかが付帯 しているのか。難しい問題ですが、せっかくのこういう会ですので、1回ご議論をいただけ たらと思っています。 ○井村座長 私が言ってしまうよりは、いまの質問について事務局からどうぞ。 ○事務局 お手元の資料の4頁の(3)の相談を受けて対応する場合の情報提供で、いま言 われたような事柄が具体的に情報提供として、どこまでを求めていくのか。これはいろい ろな相談事がありますので千差万別だと思いますが、その相談があったときにどういった 内容の情報を伝達して提供していくのかのあたりが、まさにこの検討会の中の検討事項で もありますので、皆さん方からいろいろなご意見をいただければと思っています。 ○井村座長 小田委員、いまのお答えでよろしいですか。 ○小田委員 検討していただけるということで、例えばもう少しわかりやすく具体的に申 し上げますと。 ○井村座長 小田委員の最初のご質問は、添付文書の中身に限られているというご解釈だ ったのですが、ミニマムエッセンシャルはそうであったほうがいいだろうという考え方で はないかと思います。必要最小限の説明としては、その添付文書の内容を考えたらどうか というのが資料5の提案ではないかと思います。 ○小田委員 説明というものはこちらからするべきもので、相談を受けたときに対する返 答で困ることがあるので。 ○井村座長 わかりました。神田委員どうぞ。 ○神田委員 必ず説明すべき事項は添付文書中の使用上の注意のとおりだと思いまして、 ここに挙げられていることはもちろんそれでいいと思いますが、一般用医薬品というのは、 説明を聞く本人が必ずしも使用するとは限らない場合もありますので、この添付文書のあ り方に関わるかもしれませんが、使用上の注意は添付文書の中でもわかりやすく目に付く ような形で、色とかも使ってやっていく必要があると思います。そういったことをあとで 話す機会があるかどうかがわからなかったので、いま申し上げました。 ○井村座長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。 ○児玉委員 5点ほどあります。1点目は2頁のいちばん下のマルで、いま少し議論があり ました情報提供の方法で、添付文書中の「使用上の注意」の事項を中心とする。これは皆 さんご承知のとおり、添付文書を中心にリスク分類をしたわけですから、そういったこと から考えれば先ほどお話がありましたように、使用上の注意を中心とする。小田先生がお っしゃったように相手はいろいろな方がおられますから、最低限度はこれぐらいというの は私どもも妥当だと思います。  2点目は、3頁の下から2つ目の(2)第一類医薬品の販売の際に書面により提供する情 報というのがあります。第一類の場合はご案内のとおり、薬剤師をして書面で提供ですか ら、おっしゃるとおりここに書いてありますように、先ほどの流れからすれば添付文書に 記載されている情報を基本とするというのが正しいかなという気がします。要は店頭を想 定した場合に、生活者に第一類は薬剤師が提供するわけですから、ある程度の最低限度を 決めておかないと受けるほうが困ると思います。したがって、基本は添付文書ですから、 その添付文書をお渡しする。ただし、皆さんがおっしゃるとおり添付文書といいましても 非常にわかりにくいですから、その中で薬剤師が添付文書を基に例えばマーカーをしたり しながら情報を提供することが基本かなと。そうはいってもいろいろな方がおられますし、 特に気を付けなければいけないのはOTCの場合は、本人以外が買いに来られる場合が、結 構多いのです。したがって、その添付文書は先ほど参考資料もいただいていますが、その 中にも「適宜図表やイラストを用いる等の工夫をすること」と書いているわけです。そう であれば添付文書の中に、できれば少し薬剤師が記入できるような空欄をいただければあ りがたい。そこでラインを引っ張った以外に、特に伝えなければいけないところはそこに 書かせていただく。そうするほうがいいかなと。そして、当然文書での提供ですから持っ て帰っていただければ、お伝えしていただけるのかなという感じがしますので、そういう 考え方でこの点をやっていただければありがたい気がします。  3点目は、4頁です。(3)相談を受けて対応する場合の情報提供は、今回は情報提供の相 談の応需義務がありますよね。これに関してだと思いますが、先ほど小田先生がおっしゃ ったこととよく似ているのですが、応需義務ですから応需しなければいけない。ところが、 実際にその店頭を想定した場合、そこでもケースがありますよね。例えば電話というのは あるでしょうし、いろいろなケースがある。あるいは実際はありますが、どこかから購入 されたものを持ってきてそれを説明しなければいけない場合もある。そこで購入をされた 医薬品に対して情報の相談を受けるのが基本でしょうけれども、そこら辺の整理が私はど ちらかというとそういう意味かなと思ったのですが、そういった意味では基本はそこで購 入して、供給するときに相談されて、それに対して受ける。これが基本かなという気がし ます。したがって、その辺の整理は必要かなということがあります。  最後に、4頁の下から3つ目の第一類医薬品の情報提供については、薬剤師によって直接。 当然、第一類は薬剤師によって直接販売になりますから当たり前のことになりますが、何 度もこの中で、また部会でもいろいろありましたように、医薬品の特性からすれば直接的 に対面販売等が基本である。これは、ずっと部会でも皆さんの総意だったと思います。し たがって、そういう意味でもちろん第二類、第三類もそうだと思いますが、昨今いろいろ と問題になっているネット販売との絡みで、その辺はきちんと整理しておかないと情報提 供という概念が少し変わるのかなという気がします。以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。ただいまのご意見、それに加えて先ほどの事務局 からの説明に関して、何かご意見あるいはご質問があれば。 ○北委員 私から2点あります。まず倉田先生のおっしゃられたことは、とても重要な問 題だと思います。今回の医薬品の販売制度が変わることは、まだほとんどの一般の国民が ご存じでない。ある日突然薬局店頭に行ったら、A、B、C区分の薬が並んでいた。制度が 変わったということをいまはマスメディアのほうも業界紙では論じていますが、一般の国 民がそういうのをあまり見ていないことからいきますと、一般紙でこの制度がオープンに なるというところが世の中で伝達されなければならない。そういうことになったときに小 売でやるべき範囲は、一般国民に対しての制度の改正に関して、こういうことが起こるの だよということを小売でどういうことをやるのか。あるいはメーカーがどういうことをや るのか。国として、どういうことをやってくれるのかをある時期に明確にしなければなら ないと思います。突然、来年4月なり6月なりに施行が始まった。薬局店頭の陳列も変わ っていたということでは混乱になると思います。これは今後の問題として、各々の国、メ ーカー、小売でどのようにやるかが別途必要かなと思います。  それと皆さんのお話を聞いていて、この文章を見ていると「べきである」がよくありま すが、これは最終的に省令その他で落とし込むときには、マストである、「ねばならない」、 ベターであるというところがもう少し整理されて、次回そういう形で出てくるかと思いま すが、「べきだよね」というところはこれを見ると異論はないですが、その辺をクリアにし た上での議論があったほうがいいかなという気がします。以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。広報に関しては、先ほど事務局からのお話もあり ましたように、厚労省としては積極的に取り組む。それは、都道府県とも連絡を取ってや る格好になっています。この検討会では、どちらかというと技術的な問題を議論すること になっていますので、いまのようなご要望は十分に聴き取っていただいた上で生かしてい ただくということでよろしいでしょうか。  それで「べきである」という表現がということでしたが、これは論点を並べていますか ら、いままでの議論の論点としてはこういう表現のほうがしやすかったので、こうなって いるのだろうと思います。省令等になる場合には、もう少しはっきりした格好になるだろ うなと思います。 ○事務局 資料の現在の書き方は、いま座長が言われたとおりだと思います。論点につい ては、まさに先生方それぞれのお立場でここの部分はどこまで徹底できるのか、あるいは サービスの一環でやるのかといういろいろな程度があるかと思いますので、ここに示しま したような事柄に関して、果たしてそれが義務として実効性が上がるのか、努力義務とし て置くべきなのか、ある程度やることが望ましいのかといういろいろなレベルがあるかと 思いますので、その辺りをそれぞれのお立場からご意見をいただく中でまとめていくこと になるかと思っています。  あと1点付け加えますと、先ほど児玉委員からご照会のあった相談を受けた場合の対応 に関して、実際に現場で行われる内容と法律が求めていることについて多少わかりにくい 点がありますので、少し触れておきたいと思います。お手元の資料5の1頁の上の四角の 中の第36条の6の第3項のところをゆっくり読みますと、相談があった場合の所や譲り受 けたものなどにアンダーラインが引いてありますが、最初の行から読みますと「一般用医 薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用 医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者」となっていますので、法律が求めている相談応 需の義務というのは、その薬局若しくは店舗で医薬品を購入した、あるいは譲り受けたと いうところだけが法律に書かれています。ただ、そうはいっても実態としては必ずしもそ ういったことばかりが起こり得るわけではありませんで、その場合はそれぞれの薬局ない し店舗においてどういう対応を取られるかといったことも含めて、この検討会の中ではご 議論いただいてもよろしいかとは思っています。そこら辺は非常に微妙ですが、法律が求 めているところと実態で少しわかりにくいところがありましたので、補足しました。 ○井村座長 ありがとうございました。児玉委員よろしいですか。 ○児玉委員 はい。 ○井村座長 ほかにいかがでしょうか。 ○小田委員 別の観点から議論していただきたいと思うのは、受診勧奨の件です。私がも しかしたら読み落としているのかもしれませんが、この中で書かれたり議論されていると ころは、医薬品を使っていても一般用医薬品を使っていても、効果がない場合に受診勧奨 ということが多くなってきます。逆に相談を受けたときに、一般用医薬品では困難だなと いう場合のアプローチの仕方というか、その辺のこともわかりやすく実効性を伴う、国民 のための改正ということであればご議論いただきたい。そうした場合に、それは司法のい うところの診察診断という部分とどういうふうになっていくかも、現場をやる人間からす ると整理しておいていただければ貢献できる部分が広がるのではないかと思っていますの で、この機会にお願いできたらと思います。 ○井村座長 ありがとうございます。最後のお話はいつも話題になっては極めて微妙な問 題なので、非常に線引きが難しいところだろうと思いますが、事務局は何かその点につい てお考えはありますか。 ○事務局 まずはそこら辺の法的な部分というよりは、その前段階として現場で実際にど ういうことが起こり得るかをそれぞれのご経験ないしご見識で具体的な内容として挙げて いただいて、その場合に薬剤師または登録販売者がどういう対応をすべきかといったとこ ろで全体像を作っていただいて、それが果たして実際に法的にどうなるのかといったとこ ろで個別に見ていきませんと、法律上どうかということの判断といいましょうか調べはつ きにくいと思いますので、まずはどういう事柄が現場で個別のケースとして起こり得るか といったところを、具体化していただくとありがたいと思います。 ○井村座長 よろしいですか。実際の作業はかなり難しいだろうと思いますが、児玉委員 から何かありますか。 ○児玉委員 実際に店頭を想定した場合の大きなポイントは、我々は医療行為かどうかと いう問題だと思いますが、触診、要するに生活者にはタッチしないのが基本だと思います。 ですから、問診が中心になるのが大きな線だろう、現場の感じとしてそう思います。問題 はいま小田先生がおっしゃるように、問診でそのときに「これは整形外科へ行ったほうが いいだろう」とか、「骨折の疑いがあるな」という判断をする。その判断がどうかとおっし ゃっていると思います。その場合、私もいまの経験からいけば、我々はこれを断定はしな いわけですから、あくまでも想定ですから、したがって「診てもらったほうがいいんじゃ ないでしょうか」という判断はもちろんするでしょうから、そこら辺の線引きになってい くという気がします。ただ、確かにおっしゃるとおり、そういう議論は本当にやるのだっ たら、きちんとされたほうがいいのかなという気がします。 ○井村座長 三村委員どうぞ。 ○三村委員 情報提供の販売後の相談は前から大きな問題として位置付けられていたと思 いますが、このことを考えるときにこれはあくまで買いに行った者、消費者の立場からし ますと、薬剤師の方がどれだけの情報と専門性を持っていらっしゃるのか。それから、今 回の登録販売者という方がどういう情報提供を持っていらっしゃるかについてのある意味 での区分けというとあまりにも厳密に言う必要はないと思いますが、どういう情報を期待 していいのかある程度明確であるべきだろうと思います。もう1つその前に言ったときに、 この2つが完全にセパレートして分かれているのではなくて、むしろ薬剤師と登録販売者 との間の関係がどうなっているのかということもあるかもしれません。一種の共同関係や 連携、あるいは相互の相談もあると思うのですが、そういうことを含めた形での登録販売 者とはいったいどういう役割を持って、販売事項においてどういう情報提供。販売すると きには、こういう情報提供をしなさいということのリニューアル、リカイメントは明確に されているのですが、販売事項対応においてはどういうところまで役割としてやっていた だけるのかについての1つの明確さみたいなものが、あまり明確に文書化されないほうが いいと思いますし、その点は比較的この現場の中で柔軟にやっていただくほうがいいと思 いますが、それが一般の消費者にわかりやすい形にされていくことが重要ではないかと思 います。それは、逆に広報活動や今回の販売制度がA、B、C分類だけではなくて、登録販 売者という制度を持ったときに、この方たちはどういう専門性を持った方なのかを明確に 出していただくことで、かなり整理ができるのかなと思います。 ○井村座長 ありがとうございました。難しい問題提起がありました。いまのご意見につ いて、何かほかからご意見はありますか。 ○小田委員 関連すると思いますが、情報提供の基本が添付文書にあることは皆さんご認 識があるところだと思います。いまの部分で解答になるか議論の形になるかだと思います が、添付文書の中にはこの場合は医師、薬剤師に相談しろとなっています。今回法律が新 しくなっても、私の考えでも登録販売者に相談しろとはならないのではないかと思ってい るのですが、その辺が1つの線引きになるしわかりやすい部分だと思いますし、責任分担 にもなるかなと思いますが、私の解釈でよろしいのでしょうか。 ○事務局 添付文書の書き方になると思いますが、まだそこは施行までにいろいろと考え る事柄にはなってくると思いますが、いまの段階で入る、入らないということは決まって いません。 ○今地委員 それに関連して、これは制度を考えるときは当然有効性、安全、品質という ことで薬事法の精神がもともとあるわけですから、それを基にずっとより良いものに改善 されてきていることを考えれば、改正前と改正後で前の分より有効性、安全品質確保にお いて、特に安全性でしょうけれども、後退するような仕組みであってはいけないと思いま す。それで三村委員のお話のように、仮にそうであれば全体の統括する部分が全体ができ るようなものとか、そういった管理体制といった、今日の話にはないでしょうけれども全 体に及んでくるのかなという気がします。だから、連携の仕方は外との連携、あるいは店 舗の中で身近なところで連携をして、きちんとそういうものが、うまく発揮できるような 形を構築するといった議論になっていくのかなという感じがします。  もう1つの情報の提供の話はこういうことだと思いますが、現状はどうだということか ら話をしますと、普通の一般用医薬品を買いに行くとき、基本的にはいまは自己の情報の 基にあまり相談をせずに求めている。むしろ相談をしたり何か言うのは非常に少ないと思 います。だから、逆に安全性を確保しようということで、いくら言っても相手側が相談を しようという気持がないと、この制度はなかなかうまくいかないと思います。情報の提供 のあり方と同時に、もう1つは消費者にとって薬についてはあまり積極的にご存じないと 思います。薬について添付文書が大事とか、薬の基本的なこともあまり知らないというの がかなりあると思いますので、こういう制度と同時に補完をしていく意味では先ほど啓発 と出ていましたが、いまは人が出ていますが薬育といった基本的なあり方。薬を使うとき は添付文書を見ましょうといったこと。それから、薬について何かするときには誰々に相 談しましょう。そういったものがごく当たり前になってくると、そういったものを醸成し ますと、こういうものがしやすくなるとなりますので、この制度だけをいくら頑張っても 周りはもともと根っこがないと非常に難しいので、あとは併せてせっかく良い制度ですの で、それが活用できるような土壌作りを平行してやるべきだと思います。そういう意見も、 うちの薬事審議会の中でも出ていましたので、一応参考までに。 ○井村座長 ありがとうございました。いまのお話も一般の消費者の啓発に関わるお話で、 それが大事だということの重ねてのご意見だと承っています。 ○倉田委員 いま、一般の購入者というお話が出ていましたが、薬を買ったらすぐに帰り たいというのが本音だと思います。それを「待って。説明するから」といって、「この薬の 名前は」から言われても聞きたくないのです。ですから、どうしてもこの薬を使ってはい けない人、年齢がありますよね。まず、この薬を使う患者背景というものを、しっかり聞 き出してもらわなければいけない。それから、この薬を使ってはいけない疾患禁忌を必ず 聞かなければいけない。それから、重篤な副作用の初期症状はこういうふうに出ますよ。 こうなったら危ないからというようなこと、本当にこれだけは欠かせないということから 購入者に聞いてもらって、それで早く帰りたければ、まずはそこだけでもいいじゃないの というぐらいのつもりでいていただかないと、多分じっとおとなしくは聞いていない人が 多いと思います。 ○増山委員 4点ほどお聞きします。1点目は2頁の「積極的に行う情報提供の方法」の部 分です。私もいま皆さんがおっしゃっていたことに、かなり近いのです。いままで一類と いうリスクの高いものを区分していたのを、消費者にわかるようにするというのは初めて の試みなので、やはりそこを十分に理解してもらうことが大事だと思います。  それに加えて、まだ大衆薬として使用期間の短い医薬品であること、薬の影響を大きく 及ぼすことがあり、リスクが高いことを十分に気を付けて使用しなければいけないという ことを、消費者に理解させるような説明を、きちんとしてほしいのです。イメージとして はよくタバコのパッケージに、「これはあなたの健康を害するおそれがあります」みたいな のがありますよね。あれとは違うけれども、結局それが消費者にとって自分を守ることに つながっているということを、十分に理解してもらうような提供のあり方を取ってほしい ということです。場合によっては情報提供の中でも、ドラッグの濫用などに使われる可能 性のある薬については、逆にこれは何に使うのかということをきちんと。例えば2箱も買 うようなことになれば、これは十分に気を付けなければいけない医薬品であるということ も含めて、どういう使用の仕方をするのかというところまで、ちゃんと情報提供をしてほ しいというのが1点目です。  2点目は3頁です。例えば3頁の上から5行目ぐらいに書いてありますように、「一定期 間服用しても病状が改善しない場合は」というようなことが、よく書いてありますが、で は、この「一定期間」というのが一体どれぐらいかというのが、消費者にはわかりづらい のです。薬というのは個々に2、3日とか、3、4日というように、服用期間の目安が書いて あるかと思うのです。それをできるだけ具体的に、どうしたら受診しなければいけないの かという説明であってほしいというのが2点目です。  3点目は、4頁の最後の情報提供のあり方です。相談内容などは、いくつかに分けられる のではないかと思うのです。薬そのものについて効能・効果を問い合わせてくる場合とか、 いま飲んだけれども発疹が出たというような、飲んでからどうなったかという相談や問合 せです。本当に単純に薬の製品そのものについての問合せは、個々にどういうように情報 提供するかを考えてもいいのではないかと思います。例えば、飲んで状態が悪化したよう な場合であれば、相談に乗るというよりは、受診勧告をするような形を即座に取ってもい いでしょう。それは内容によって多少変わるのではないかと思うのです。  最後の4点目は、ここで議論するかどうかはわからないのですが、相談する場所をどう 整理するかです。レジに並んで後ろの人がいる中で自分の病状について言うのは、やはり 抵抗があるかと思うのです。そういう相談できる、あるいは情報提供をしたりする所の環 境をどう確保するかということについては、どうするのでしょうか。 ○井村座長 いまのお話も含めて、さらにご意見を伺っていきたいと思います。重ねてど うぞ。 ○望月委員 ほとんどの先生方の意見が出てきたのではないかと思うのです。いくつかの 先生方のご意見を聞いていて、今回の情報提供等の内容・方法に関する論点を検討してい く際に、対面で販売する相手が購入者でない場合と本人である場合とで、ひとつ整理の仕 方があるのかと思います。もう1つの側面から見ると、家に持って帰って常備薬として置 いておいて、それを一定期間経ったときに使う場合の情報提供のあり方というのもあると 思うのです。場面場面で、あるいは相手が誰であるかによって、整理をしながら考えない といけない部分があると思いました。  それから、相談を応需するときの法文と、販売時の情報提供をするときの法文をリンク させて考えるべきかどうか、という視点も必要かと思いました。資料5の第36条の6とい う、いちばん最初の頁にある1番目の項と2番目の項というのは、販売をする際に、一類 については薬剤師をして、二類については薬剤師または登録販売者をしてということにな っていますが、相談は3番目の項になります。もし1項、2項とリンクさせて考えるとなる と、4頁の(3)の「相談を受けて対応する場合の情報提供の方法」の上から4つ目のポツ というのは、これはこうあるべきだろうというように考えられると思うのです。リンクさ せれば一類は薬剤師であるべきである、相談応需もというようにつながっていくのですが、 法文そのものはそのように読めない部分もあり、ここをどう捉えていくかは、ここで議論 しておいたほうがいいのではないかと思いました。  先ほど三村委員のほうから出ていた、薬剤師と登録販売者の違いですが、この相談応需 のところは、特に微妙な形になっていくのではないかと思います。上の販売時のほうはか なり整理されて、法的に明記されていますが、相談応需はとても微妙なので、ここに関し ては、私はここからここまでよとか、私はここから先はという固め方ではなくて、自分の 手の範囲に負えない場合には薬剤師に回すとか、そういう考え方もあっていいのではない かと思っています。ここはまだ議論のあるところだと思います。  そこで、1点だけ質問があります。3頁の上から3つ目のポツ、「購入者側から、情報提 供が不要である旨の申入れがあった場合には、不要である旨を明確に確認できることが必 要ではないか」という文章です。先ほどからのお話でも、とても忙しくていろいろは聞い ていられないので、エッセンスだけ、ちゃんとこれだけは知っておいてほしいものだけに してほしいというお話がありました。それすら聞いていられない人も多分いるので、この 文章があると思うのですが、その不要である旨を明確に確認するのは一体誰ですか。  「いやあ、今日は忙しいから説明は要らない」と言ったのを、その場で薬剤師が何かに 書き残して、査察か何かをされたときに見せるための確認なのか、ただ不要だと言われた ことを確認した事実だけでいいのか。ここの文章はどれほどの深みのある文章なのかが読 み取れなかったのです。何かの記録に、この人に不要だと言われたというようなものを残 さなければいけないような確認なのかどうか、そこを教えていただきたいと思います。 ○井村座長 わかりました。それは受け取る側がどれぐらい深く読むかということに関わ ってくると思うのです。事務局のほうから何かお話はありますか。 ○事務局 いまご指摘のあった点は、1頁で見ますと、上の四角で囲った所の第4項に書い てあることが、1つの法的な根拠になっています。ですので一応販売サイドは、4の手前に ある第1項から始まるところに対して、義務ないし努力義務というのがかかっております。 それを受ける形で4項ありますので、あくまでも情報提供する側から見て不要であった場 合は、適用しなくてもいいという適用の仕方になります。  論点に書いている内容は、それを受けて購入者側あるいは販売者側の両者の間で、説明 したしないということがあった場合を想定して、何らかの確認をしておく必要があるかど うかということです。必要がないという結論もあるかもしれません。いろいろな場面場面 を想定していただいて、どこまでというのを考えておかないと、説明すべき側から見れば、 事後的になかなか危ういところがあるのではないかと考える部分もあります。また本来、 説明を受けておくべき購入者側から見ても、事後的に確認できないと、果たして後々困る ことがあるのかどうか。そのレベル、その段階から少しご議論いただくと。必ずしも確認 をしなければならないというように、初めから決まっている部分ではないということです。 ○倉田委員 私のようなわがままな購入者ですと、買いに行ったときは、もうさっさと帰 りたいけれど、帰ってしまったら、やはり聞きそびれたということが結構起きると思うの です。そういう時のためにというのではないのですが、持って帰る薬と一緒に薬剤師なり 登録販売者なりが、私が売りましたという名前と、私たちは何時までなら相談に応じるこ とができますという電話番号、時間帯などを書いたものが手元にあれば、その時間帯だっ たら相談できます。私はこの人から買った、その人が責任を持って私のいろいろな質問に 応えてくれるというような証しがほしいのです。そういうものを広めていらっしゃる方が、 もうすでにいらっしゃるので、今後も皆さんがそういうようにして、販売者責任というの を果たしていただくようになってほしいと思います。 ○児玉委員 おっしゃったことはある意味で、私は今回の薬事法改正の1つの意味ではな いかという気がします。要は販売者責任というのを、もう少しきちんとしていくことが必 要だと思うのです。したがって、供給したらそれで終わりではない。OTCというのは先ほ ども申し上げたように、どうしても他人が来られることが多いのです。そういう特徴を考 えると、例えば販売者にシールを貼ってもらって帰っていただくと。そのシールには販売 責任者として薬剤師であったり登録販売者であったり、それが明確に明記されて、いつ売 ったか、もちろん連絡しないといけませんから、連絡先の電話番号も書いてあると。これ ぐらいのことなので、そんなに大きいことではありませんから対応はできるのではないか と思います。実際に私ども薬剤師会でも、3カ所ほど地域レベルで、もうすでにそれを実行 しています。非常に好評です。そういう意味では、それはやれる範囲ではないかという気 がいたします。  これは三村委員のお話とも関連するのですが、前の検討部会のときに私どもはいろいろ な外国の実情を調べるために、オーストラリアに行ったことがあります。そのときに、ま さに今おっしゃった場面がありました。と言いますのは、あそこもリスク分類がちゃんと してあって、かつ登録販売者によく似た制度なのです。私どもも店頭でずっと見ていまし た。OTCを買いにこられる人が、登録販売者によく似た方とお話をするのです。望月委員 がおっしゃったように、何かあったのでしょうね。そうしたら横にいる「薬剤師に代わり ますから、薬剤師に相談してください」と。やはり薬剤師と登録販売者との連携をきっち り取っていって、常にそういうことをやっていけば、自ずからそういう役割分担ができる ということを、私どもは見てきたわけです。確かに法律上は、第一類を買いにきたときは 薬剤師が売ることになっています。その辺は常々そういう連携の取り方で、ある程度まで は解決していくのではないかという、そんな気がいたしました。  ついでですが、オーストラリアで販売するときも、今おっしゃったシールを貼っていま した。販売日時、販売者、薬剤師の名前、電話番号など、みんな貼っているのです。あれ はやはり消費者にとって非常にいいのではないか、そんな気がいたしました。  それからもう1点。先ほど足高委員がおっしゃった場所の問題というのがあります。こ れは今回の薬事法との絡みで、我々としての1つの反省点でしょうけれど、ややもすれば オープン販売に片寄りすぎた、その弊害だと思うのです。やはり医薬品ですし、特に今回 は第一類が出ますから。これが構造設備までいくのかどうかはわかりませんが、報告書の 中では少なくともそういった方向性を示していただきたい。特に最近は個人情報保護法が ありますから、プライバシーの問題といった姿勢を、OTCを供給する側としてもやってい くべきだろうということを明記していただければ、それはそれでいいのではないかという 気がします。 ○増山委員 私の質問にお答えいただいて、ありがとうございました。この中には、例え ば書面による情報提供もできるのではないかということが書いてありますし、添付書類を 中心に説明をするということも書いてあります。私が今回、この情報提供のあり方で少し 心配しているのは、結局、消費者は早く買って帰りたいし、売る側も忙しいから、さっさ と説明を終わらせて、説明をしなくてもいいのなら、説明を端折ることができるのなら端 折りたいという気持になりかねないことです。実際にそれが消費者にとってどれだけ大事 な情報なのかということを、きちんと示せるような制度にしなければいけないと思います。 そうでないと、対面販売にこだわる必要はないのではないか、そういった議論にもなりか ねないのです。できるだけ消費者側にとって、どこをどう気を付けなければいけないのか、 自分はこれでどういうリスクを持つのか、そういったことを十分に伝えるような内容であ ることが大事だと思います。 ○松本座長代理 ただいまの議論との関係です。36条の6の第4項は、「第1項の規定は」 ということですから、第一類医薬品という、いちばんリスクの高い医薬品を購入する際は 情報提供が義務付けられていることとの関係で、「説明は要らない」と言われれば、その義 務が免除されるという構成ですよね。それとは別に3項では、購入した後に相談があれば 応じなければならないということになっています。ですから1項のものであろうが、2項の ものであろうが、購入後の相談には応じなければならない、応じるべきであるという部分 はあるわけですよね。  そうすると1項、3項、4項との関係でいちばんルーズなのが、販売者が情報提供をしな くても、「はい、これ」ということで連絡先の紙を渡しておけばいいのかという話になって しまいかねないところが、いま増山委員が言われたこととも関係するわけです。この「説 明を要しない旨の意思の表明」というのを、どういうように読むかです。「要らない」と言 われれば、それだけでいい話なのか。なぜ要らないのか、「この薬について、私はこのお店 から何回も買っているから」とか、「ほかのお店から買っているから、すでに説明を受けて いるんですよ」ということであれば要らないかもしれません。特に顔馴染みの方で、いつ も買いにこられている方であれば、そういうことで十分だろうと思います。  単に忙しいからとか、理由も言わないで「要らないよ」ということで、「はい、そうです か」というのは、ちょっと安易かと思います。利便性ということから、それでもいいけれ ど、その場合は3項のほうを厳重にやらせるということでカバーされるのかというのが、1 つのスタンスの問題になるのではないかと思います。「意思の表明があった場合」というこ とをどの程度、中身まで立ち入って判断しなければならないのか。場合によっては一類に ついて、「お売りできません」と言うことがあってもいいのかという話です。それとも売ら なければならない性質のものなのかというギリギリのところになれば、そういうことにな ると思うのです。 ○井村座長 部会で報告書をまとめて議論をしているときから、ここのところが非常に問 題になるだろうという予測はしていたわけです。いまの点について、事務局では何かお考 えがありますか。 ○事務局 非常に参考になりましたので、この後の議論につなげていきたいと思います。 ご議論いただく際は、むしろ省令で何が書けるかというところに縛られてしまうと、実際 に現場でどういうことが起こるかということとは、また少し違うところにイメージが行っ てしまうといけませんので、まずは起こり得ることがどういうことかということを想定し て、情報提供にしてもそのモデルがどういうように形成されていくかといったところを、 広く自由にご議論いただきたいと思います。作業的に言えば、その中でいま松本先生から ご指摘のあったような点を、どういう形でこの制度の中に組み込んでいくかといったとこ ろで、後から考えていくという流れではないかと思いました。 ○井村座長 問題になるだろうというところは、大体問題になってきたという気がいたし ます。予定の時間をちょっと過ぎておりますので、情報提供の内容と方法についての今日 の議論は、ここで打ち切らせていただきます。今日の議論の論点をある程度整理していた だいて、次の会にもう一度、もうちょっと深くまで掘り下げて、皆さん方にご議論いただ くということでよろしいでしょうか。  それでは本日の議題4、「情報提供等に関する環境整備」にまいります。まず事務局のほ うから、資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 まずは資料6をご覧ください。「情報提供等に関する環境整備に関する論点」と いうことで、法律の関係部分、部会報告書の関係部分の抜粋を、資料5と同じように載せ ております。1枚めくってください。先ほどご議論いただいた情報提供が、国民にとってわ かりやすく、実効性をもって行われるということから、情報提供の機会が確保されるよう な環境を整えることも重要です。情報提供の環境整備の内容としては、先程の法律あるい は部会の報告書の中から、リスク区分の表示、医薬品の陳列、従事者の着衣や名札、店舗 における掲示等、その他購入前の添付文書の閲覧、苦情相談の窓口の設置といった点につ いて検討を行っていただきたいと思っております。  (1)の「リスク区分の表示についての考え方」は、別の資料を用意しております。後程 そこの説明をさせていただきますので、まずは飛ばして、3頁の(2)、「医薬品の陳列の考 え方」からご説明いたします。  一般用医薬品の貯蔵・陳列については、医薬品以外や化粧品、あるいはそれ以外の品目 も含めて、そういったものと分けて陳列しなければなりません。また第一類から第三類の 陳列については、区分ごとに陳列しなければならないとなっております。同一製品群のも のはまとめて陳列する場合であっても、その中で区分をして陳列するなど、混在しないよ うにすべきであり、特に第一類医薬品については、専門家が関与をした上で医薬品の選択・ 購入がなされるよう、販売側のみが医薬品を手に取るような方法(いわゆるオーバー・ザ・ カウンター)で陳列を行うべきではないかということが記されています。  一方、需要者の選択によって使用される一般用医薬品の特性から、専門家の情報提供が 十分確保できるのであれば、第一類医薬品のリストを薬局及び店舗で示すことも可能では ないでしょうか。第二類医薬品もオーバー・ザ・カウンターに努めるべきではないかとい うことで、4頁に第二類医薬品のうち、特に注意を要する成分を含む医薬品についてはオー バー・ザ・カウンターによる他、積極的な情報提供を行う機会をより確保することが可能 となるような陳列・販売方法とすべきではないかということについて、ご検討をお願いい たします。  この積極的な情報提供を行う機会を確保する方法ですが、薬局及び店舗において、例示 として専門家のいるカウンターから一定の範囲内に陳列する、あるいは現品そのものを陳 列するのではなく、それに代わるものを陳列して、専門家のいる所で現品と交換する方法 などが考えられるのではないかと。以上のような陳列が行われるためには、構造設備に関 しても、陳列に関する何らかの規定を設けるべきではないかということであります。  続いて、配置販売業においてです。この場合、配置箱の中で第一類から第三類までの分 類を、明確に区分すべきではないかということで、その場合に顧客のところで、配置箱の 中での医薬品の場所を変えられることがあり得ますので、区分に加えて何らかの工夫が必 要ではないかというようなことで、陳列についてご議論いただければと思います。  続いて(3)、「従事者の着衣や名札等の考え方」です。こちらは薬剤師、登録販売者、そ の他の従事者が、購入者から見て容易に認識できるように区別する必要があるのではない か。実務経験については、登録販売者制度の際の実務経験ということになります。その実 務経験を行う者は、それが客観的にみてとれるよう、実務経験を行っていない者との識別 が容易に行えるようにすべきではないかということ、また配置販売業においては、業務の 際に身分証を携帯することが法律上義務付けられておりますので、身分証を着用すること としてはどうかと。その場合、購入者が薬剤師、登録販売者等を認識できるよう、区別す る必要があるのではないかと。以上のような部分で、従事者の着衣や名札等についての議 論を行っていただければと思います。  続いて(4)、「薬局及び店舗における掲示の考え方」です。情報提供の実効性を高めると いう観点から、薬局及び店舗において必要な掲示を行うべきです。この場合、掲示すべき 内容としては、以下のようなものが考えられるのではないかということで、4つほど挙げて おります。この部分は基本的に、第一類は薬剤師が積極的な情報提供を行います。この積 極的な情報提供の機会を確保するためには、医薬品を直接手にとることができない場所に 陳列すると。第二類医薬品については、積極的な情報提供に努めると。相談に対して、第 一類では薬剤師、第二類、第三類では薬剤師又は登録販売者が応対するということです。 ここの部分は先ほどの情報提供の議論を踏まえて、そこを反映するという形になろうかと 思います。  また、購入者が適正に医薬品を購入するという観点から、異なる項目についても薬局及 び店舗ごとに記載すべきではないかということで、以下5頁から6頁の頭にかけて、9点ほ ど挙げております。掲示する場所ですが、消費者が店舗の外からも容易に見ることができ るような場所を基本とすべきではないかというような点について、ご議論いただければと 思います。  続いて(5)、「購入前の添付文書の閲覧」です。医薬品の添付文書の内容ですが、購入者 が購入前に閲覧できるような環境を整備することが望ましいのではないでしょうか。その 場合の閲覧の方法については、添付文書の写し等を備え付ける方法の他、電子的媒体を利 用するという方法もあるのではないでしょうか。  続いて(6)、「苦情相談窓口の設置」についてです。制度の実効性を高めるという観点か ら、販売方法に関する購入者からの苦情を処理する窓口を設けるべきではないでしょうか。 その場合、業界団体や都道府県等が設ける機関として考えられるのではないでしょうか。 以上のような点について、議論をいただければと考えております。表示に関する部分は、 資料7でご説明差し上げたいと思います。 ○事務局 続いて、表示に関してご説明申し上げます。いまご覧の資料で言いますと、2頁 になりますが、それとは別に、資料7を用意しておりますので、資料7のほうをご覧いた だきたいと思います。まず資料内容の説明に入る前に、表示の取扱いについては少し事情 がありますので、そちらの説明からさせていただきたいと思っております。  この販売制度が施行される平成21年に向けての準備ということで、いまご議論いただい ているところです。表示に関しては印刷物にもなるという関係で、やはり多少は事前の準 備に時間を要するということがあります。その準備とはどういうことかと言いますと、生 活者から見てリスク区分に関する表示がされたものが、施行後、速やかに店頭ないし配置 という形で、目の前に存在するという状態をつくるほうが、より望ましいと考えておりま す。販売サイドからしても、現在存在する製品との関係で申し上げれば、新しいリスク区 分に基づく表示にできるだけ速やかに切り替わることが、当然混乱なき状態で販売体制が 築けるということにつながってまいります。さらに製造サイドから見ても、事前の印刷あ るいは資材の調達等に時間がかかりますので、できるだけ速やかに、デザインや仕様とい うものを決めなければなりません。  まだ1年程度あると言いましても、それが十分な時間とは言えない状況にあります。こ れが遅れれば遅れるほど、実際に旧表示のものと新表示のものとが混在するといった、非 常に難しい事態になります。また、旧表示品から新表示品への切替えといっても、返品の 問題もかなりの割高と言いましょうか、コストがかかるといったこともあります。できる だけ関係者すべてにとって望ましい姿にするためには、表示に関する事項について、報告 書の全体がまとまってから、いろいろな手続をするというのとは別に、資料7に書いた内 容に関しては今日、少なくとも方向性をご議論いただきたいと思います。  ですから、ほかの部分とは少し切り離して先行させていただいて、それに関して広く国 民に意見を求めるといった、パブリックコメントの段階に進めさせていただけると、非常 にありがたいと思っている次第です。その点では今日もいろいろなお立場の方が、委員と してご参加です。それぞれのお立場から見て、今こちらが申し上げていることについて、 ご了解いただけるようであれば、非常にありがたく思っております。そういったことを含 めて今回、表示に関して資料7ということで、別にご用意させていただいております。  内容に関しては、資料をご覧いただきたいと思います。文字によってリスク区分ごとに 表示をするということで、中ほどに案1、案2という2種類が書いてあります。それをさら に枠で囲んだものが、一応私どもの表示に関する提案です。案1はオーソドックスに、法 律に書いてある「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」という言葉を使ってお ります。また漢数字は使わず、算用数字のほうが見やすいだろうということで、数字の所 は法律とは違う文字を使っております。これが案1です。  案2は、第一類という部分をAに置き替えた形です。第一類医薬品に相当するものがA 医薬品、第二類医薬品に相当するものがB医薬品、第三類医薬品に相当するものがC医薬 品という形で、アルファベットに置き替えた案です。それらの文字を枠で囲んだものが、 実際の医薬品の容器や外箱に表示するデザインということでのご提案です。  なお、第二類医薬品のうち、特に陳列に注意を要する製品として、いわゆるアスタリス クに該当する製品に関しては、第二類医薬品の範疇に入りますので、さらにそれとの識別 性を付けるという意味で、案1であれば「2」の所をさらに枠で囲みます。案2であれば、 アルファベットの「B」の所をさらに枠で囲みます。そういう形で識別を付けるという内容 で、この案を示しております。  文字の大きさですが、これには容器の大きさによってさまざまな医薬品がありますので、 いろいろなケースがあるかと思います。それでも原則として、8ポイント以上でお願いでき ればということです。ちなみに8ポイントと言いますのは、中ほどにある案1と案2で、 枠で囲んで具体的に書いてある文字の大きさが、8ポイントに相当いたします。この8ポイ ントにした根拠というのは、いわゆる添付文書で最低求めている文字の大きさということ で、とりあえず8ポイントにさせていただいております。  表示する場所ですが、いちばん下にありますとおり、販売名とセットで考えます。別に 寄り添う必要はありませんが、箱であれば6面あるうち、販売名が記載されている面には、 リスク部分に関する表示を満遍なく書いていただきます。販売名が複数の面にあれば、す べての面でリスク部分の表示をするといったことで考えてはどうかという提案です。  したがって、本日は案1、案2のどちらがいいかといったことも含めて、ご議論いただい て、できれば1つの案に絞り込んだ形で、広く国民の意見を求めていけるようなステップ に移りたいと考えております。また、本日はいろいろなご意見があるかと思います。そう いったものも盛り込めるような形でご議論をいただければと思います。 ○井村座長 それでは、いわゆる情報提供に関する環境整備について、ご議論をいただき ます。特にいま、縷々ご説明がありましたように、表示に関しては物理的な制約がありま すので、少しでも前に進みたいという意味で、具体案が資料7に示されております。これ で少し議論をしていただいて、ある程度前へ行きましょうというようなところまで行けば、 事務局としても非常に助かるのではないかと思います。いかがでしょうか。まずは表示に ついて、ご意見を伺いたいと思います。 ○足高委員 私どもは、薬の箱の表示を一刻も早くやっていただきたい置き薬業です。と いうのは、店舗方の販売よりも商品の回転が遅いもので、早めにパッケージの対応をした いのです。前回もパッケージの対応が規定されてから、5年以上経っても対応できないメー カーが多かったので、そういった意味では非常に迷惑しました。それだけに、一刻も早く やっていただきたい。  いまの表示の問題ですが、表示というのはお客様に対する情報提供の本当のとば口だと 思います。第1類であろうが、Aであろうが、どういう表示であろうが、いちばんリスク が高いということが、いちばん最初にわかることが、情報提供のとば口ですので、なるべ くこれを早く決めてやっていただきたい。ただ、私どものお客様に対する認知、わかって もらいやすさという観点から考えると、いま例示として並べておられる「1、2、3」という のは、6文字になって見づらいのです。できればあまり使われない「A、B、C」という文字 のほうが目立っていい。少しでも目立つほうが、お客様に対しては親切だと思っています ので、できれば第2案のほうで考えていただきたい。  もう1つ言いますと、私のようにもう老眼鏡を掛けなければいけない年になってくると、 なるべく目立つポイント。最低限でも8ポイントではないだろうと思います。それと、パ ッケージの各面、商品名に合わせてお書きになるのだったら、何も商品名以上の大きいサ イズとは言いませんが、商品名とのバランスで、ある程度のスペースを割いていただきた いと考えております。販売側としては、お客様にそれを認知していただくのが第一義だと 思いますので、その辺りをご定義願いたいと思います。 ○井村座長 案2のほうを推されました。ほかにご意見はありますか。 ○北委員 文字の大きさについてですが、ここで規定しているのは、最低限の大きさが8 ポイントであるということです。ですからパッケージが大きい、商品が大きい場合は、8ポ イントの表示にしますと、バランスが悪くなります。しかしバランスで考えろということ ではルールにならないものですから、おそらく事務局サイドとしては、最低限8ポイント ということなのでしょう。例えば5gのチューブのような製品とか、目薬のような小さなパ ッケージになったときに、それらを8ポイント以上で規定すると、スペースがかなり取り にくいということがあるのです。現に8ポイントというのは、法律的に規定されたものの 中で、わりと小さいものとしてベースにあるのです。ですから、そこは最低限ということ で、すべてが8ポイントという意味ではないと思います。パッケージの大きさによってあ ります。  それからもう1点。案1と案2に関してですが、私どもも実際にパッケージのデザイン をしてみたことがあります。法的には「第1類医薬品」というのが、正式な呼び方だと思 いますが、逆に新しい医薬品ができたようなイメージで取られます。しかし、あくまでも 今回は分類です。ただイ、ロ、ハではなく、1、2、3という数字でもなく、A、B、Cとい うのは法律的な意味で、おそらくあまり使ったことがないと思うのです。しかし今回は消 費者が見てはっきりと認識できるというのが第一であるということからいくと、「第1類医 薬品」という長々しい名前を付けるのは、認識しにくくなるということが第一で、私も案2 で是非お願いしたいと思っております。 ○井村座長 ほかにいかがでしょうか。 ○神田委員 感覚的ですが、私は1類、2類というほうが、何か意味がありそうな感じがす るのです。A、B、Cだと軽い感じがします。1類、2類であったほうが、何か意味があり そうだという受けとめがされるのではないかという気がいたしますが、どうでしょうか。 ○井村座長 そういうご意見です。ほかに。 ○足高委員 先ほど申し上げたところで、私どもは「お客様」という言い方をしています が、お客様のほうから見た場合、私どもの考えの中のユニバーサルデザインの考えだと思 います。お客様にとってどう見やすいかということです。それと、ここには例示されてい ませんが、本当のことを言うと、目の不自由な方に対してどう説明するかということで、 凸凹でも付けてほしいと思うぐらいです。そういうユニバーサルデザイン的な考え方を推 し進めていくほうが、情報提供としては適切な考え方ではないかと踏んでおります。これ は私見ですが。 ○増山委員 私も神田委員と同じ意見です。今回は、いままでの医薬品販売の中ではなか った考え方を持ち込んだと思うのです。リスクの程度によって区分をして、それをそれぞ れのグループにまとめるということを折角やったのですから、買う側もただグループが違 うという認識の仕方ではなくて、ちゃんとリスクの程度が違うということが感じ取れるよ うな、読み取れるような表記であってほしいと私は思うのです。本当のことを言うと、案1 も案2もあまり賛成ではないのです。つまり、ただ「第1類医薬品」というように書いて いると、いまは医薬品もそうですが、ほかに例えば健康食品やサプリメントなどがありま すので、消費者側にとって、これは一体どういう効能・効果があって、どういうように違 うのかというのが、すごく見えづらいということがあると思うのです。  どちらかと言えば、ちゃんと「第1類」と書いて、そういうものが入っているほうがい いです。できれば、単にグループが違うということではなくて、リスクの程度が違ってい るということを感じ取ってもらうために、もしパッケージのバランスなどがあるのなら、 字を赤くするようにして、単にグループが違うだけではなくて、何かが違うことを分かっ てもらう、そういう表記にしてほしいということです。  いまの質問以外に、ほかに3点ほどあります。質問も含めて一遍に申し上げます。従事 者の着衣や名札については、別にここに書いてあるようなことでいいかと思います。逆に 私のほうでお願いしたいと思うのは、紛らわしいものは排除してほしいということです。 いまの薬局は皆さん白衣を着ていらっしゃるので、誰が専門家で、誰が非専門家かわかり づらいのです。専門家でない方は、やはり白衣を着ないでほしい。  また、名札を付けられている薬局もあるのですが、「医薬品販売責任者」とか「支店長」 とか、個々のお店で持っている役職名、あるいは健康アドバイザーみたいな名札を付けら れている方がいるのです。そういうものと混在すると、逆にどれが国が決めた制度の中の 役職、資格に当たるのかというのがわかりづらいので、そこはしっかりと区別できるよう な体制を取ってほしいのです。  苦情窓口については、都道府県で把握すればいいのではないかというようなことが書い てありましたが、国は苦情について、どんな形で把握していくのかというのをお聞きした いのです。  最後は意見になります。部会のときもそうですが、「オーバー・ザ・カウンター」という 表現が、よく報告書の中に出てきます。オーバー・ザ・カウンターというのは、ここの説 明にもあるように、「専門家が関与した上で医薬品の選択・購入がなされるよう、販売側の みが医薬品を手に取るような方法で陳列を行うこと」という定義が書いてあるのです。し かし実際の市場の中では、大衆薬をすべて「OTC」と呼ぼうという表記も見受けられるの で、ここはきちんと消費者が勘違いしないような表現を使ってほしいと思います。 ○井村座長 わかりました。それでは最後から2番目の苦情処理について、国はどういう ようにという質問がありましたので、その点をまず事務局のほうからお願いします。 ○事務局 6頁の書きぶりですが、「許認可権限を有している都道府県等が考えられる」と いう書き方をしているのは、実は制度改正部会のときにこういう報告書のまとめ方をして おりますので、そのまま書いております。過去の経緯として、制度改正部会での議論とい った、そういう事実が残っているということを踏まえて、それを100%、すべて踏襲しなけ ればならないかどうかは別として、また改めてこの場でご議論いただいて、どこに苦情相 談窓口を設けることができるのかといったところから、大所高所のご議論をいただければ 構わないと思っています。  その設置場所によって、国がどういう関与の仕方をするかというのは千差万別、いろい ろ変わってくるとは思います。苦情相談ですので、いろいろな店舗、あるいは配置先で起 こった現象と言いましょうか、事象が都道府県あるいは国のほうに伝わってきたとして、 それが適切な行為かどうかということで、必要な指導等が行われるという使い方が一つあ ると思います。その場合、国が都道府県との間でうまく連携を取って情報を交換・共有し 合うのか、そういったことが想定されるのではないかと思います。具体的にそれ以上のと ころは、どこに置くかという議論があって、徐々に具体化していくのではないかと思いま す。 ○井村座長 ここにありますように、もし業界団体や都道府県が持つとしたら、それと国 が緊密に連絡を取って収集できるようにするという意味ですよね。 ○事務局 いろいろなケースに応じてということだと思います。 ○井村座長 そういうお答えでした。ほかにご意見はありますか。 ○今地委員 表示の話ですが、法律は第一・第二・第三類としています。今度A、B、Cを 入れると、種類が6つあるような誤解を与える恐れがあるのではないかというところが、 ひとつ懸念されるところです。やはり伝える場合、情報はシンプルなほうがいいと思いま す。  それから先ほどの表示というのが、今回の改正点の非常に大きい話だと思うのです。こ こが変わることによって、いままでの体制の中ではほとんど相談しなかった消費者が、こ れは何だろうということで、相談をするきっかけになると思います。そういった意味では、 ここがチャンスだと思います。  表示については、「第1類医薬品」という記載の方法もありますが、先ほどもお話があっ たように、健康食品とか部外品とか、いろいろなものがあります。まずパッといちばん先 に目にするのは、医薬品という情報が最初に目に入ります。次に、その医薬品がどんなも のかというのがきます。上にリスク分類とか、新しい言葉で言えばリスク区分というのが 入って、下に1類とか2類というようにすれば、その3つの情報が表現できます。もし、 そういったことが可能であれば、まずは医薬品として、小さくてもいいですから上のほう にリスク区分、そして1類、2類、3類という形にしたら、これは何だろうというように聞 きにくるのではないかという気がいたします。 ○児玉委員 薬にはリスクがあるということを、供給者側にも、買われる方にも、生活者 にもわかってもらうというのは、確かにおっしゃるとおりで、大変意味のあるものだと思 うのです。そういう観点から取れば、「1、2、3」がいいか「A、B、C」がいいかというの は、生活者から見て、今度はリスクの度合ということになります。「1、2、3」と言うと、1 等、2等、3等ではありませんが、要はどちらのほうが生活者が見て本当にリスクの度合を 感じさせるのかということになります。そういう観点で私は枝番のほうがいいのかなと。 それと法律的な問題と考えると、やはり第1類、第2類のほうがいいのかなというのが1 点。  もう1点は、第1類については法律的に薬剤師が直接となっていますので、そうであれ ば、例えば第1類については「薬剤師薬」といった文言があってもいいかなということで す。これについては、確認も含めてですが、例えば、いまパッケージには医薬品という文 言が入っています。ご存じのとおり、あれは法的なものではなく、メーカーが自主的に医 薬品という文言を書いているわけです。そういった意味では、今回表示において第1類、 第2類となったときに、第1類にメーカーが自主的に薬剤師薬というのを書くことが可能 かどうかの確認をあとでしたいと思っています。  もう1点、皆さんが言われているとおり、第1類、第2類であれ、A、Bであれ、生活者 の立場から言えば、それは何だろうと。それはあとで掲示が入っていますが、少なくとも それとリンクさせて、売場の見やすい所にAとは、あるいは第1類とは何であるかを明記 しなければいけないと思います。したがって、この問題は掲示とリンクするものだと思い ます。もう1点、先ほど説明の重要なポイントは添付文書だという議論がありましたが、 そうであるならば、添付文書には第1類なり第2類なりの明記を必ずしていただきたいと 思います。私からは以上です。 ○下村委員 先ほどから意見が出ている1類、若しくはAといった表記の中で、法律の用 語に代わる別の表記を入れてしまうということは、理解していただく上では混乱を生じて くるのではないかと。法律の用語で使っているものが表示の中に入ってくる中で、例えば 先ほど来お話がありましたが、第1類医薬品という6文字を入れる必要があるのかどうか、 第1類という3文字でもわかるのではないか。そういった観点でも考え方を少し広げて検 討いただくのがいいのではないかと考えております。 ○井村座長 下村委員の提案のように、この1案以外の方法というのが何かあればお願い いたします。 ○小田委員 第1類医薬品というのは、いままでの定義では個別の医薬品名です。例えば、 ミノキシジルやファモチジンが第1類医薬品です。いまはないですが、一般用医薬品の場 合は、仮に第1類医薬品と書いてしまうと、全部が第1類の医薬品になり、他の医薬品が 入っていた場合、その中の何が第1類なのかわからなくなってしまう。言っている意味、 わかりますか。 ○井村座長 わかりません。 ○小田委員 つまり、成分名のことを第1類医薬品で分けているわけです。しかし、OTC の場合はいろいろな成分が入ってきますから、その中の何が第1類なのかわからなくなる ので、またそこで説明が必要になるということが出てくると思います。もっと極端なこと を言うと、1つの。 ○松本座長代理 前回の検討部会でそこは整理済みではないですか。 ○井村座長 それは整理されていると思います。 ○事務局 いま第1類、第2類、第3類を分ける区分に関する大臣告示というのがありま すが、全体をざっと見渡すと、確かにたくさんの成分名が並んでおりますので、成分を指 定しているように見えますが、その冒頭に「これらの成分を含む医薬品」という言葉があ りますので、告示自体は一応医薬品を指定しているものになっております。 ○井村座長 よろしいですか。 ○小田委員 わかりました。 ○井村座長 ほかにご提案があればお願いいたします。 ○三村委員 消費者に浸透させるということを含めて、基本的には第1類、第2類、第3 類のほうがいいと思います。ただ、先ほどの下村委員の提案にあったように、むしろ、あ る意味きちんとスタンダード化して、第1類、第2類、第3類という表示が明らかに医薬 品のものであることがわかるような形で表示が作られるならば、確かに第1類だけでも大 丈夫かなという感じがいたします。 ○井村座長 医薬品という言葉は要らないということですか。 ○三村委員 そうです。ただし、この表示は医薬品のものであることが明確にわかるよう なスタンダード化されたものであればということです。もし、できればということですが、 先ほど増山委員が言われたように、確かに、どんなにポイントを上げても見えにくいとい うことはあり得ると思うので、色とかで違いがわかるような工夫が、どこかに入ればあり がたいかなという感じがいたします。例えば、3つ目の所は四角の2となっていますが、こ こだけカラーにするとか、カラー表示で2と入るとか、そのようなことで識別性というの は高くなると思います。 ○井村座長 望月委員、お願いいたします。 ○望月委員 いまの色についてのご意見は、私も考えたほうがいいかなと思っていたとこ ろです。医療用の医薬品ですと、毒薬は黒地に白枠、白字をもって、劇薬は赤地に赤枠、 赤字をもってでしたか、白地に赤枠のどちらか忘れてしまっていて、私は国家試険には受 からないなといま思っておりますが、その問題は国家試験によく出るのです。ベースのデ ザインとの兼合いもあると思うのですが、医療用医薬品の場合は必ず白地を使った上での 色分けをしているのです。何か特に第1類の場合はそのような工夫も必要かなと思いまし た。  もう1点、先ほど文字のサイズの件が問題になっていたと思います。確かに、いろいろ なパッケージのサイズがあるので、最低限8ポイントといっても、それすら確保できない パッケージもあるかもしれないですが、ラベルの大きさを長くしてクルクル巻きにするな どいろいろな工夫ができるのではないかと思いますので、原則の最低8ポイント以上とい うのを確保していただかないと、私もだんだん老眼になってきて見えなくなりつつあるの で、これがやっとかなと思います。また、先ほどご意見があった販売名とのバランスとい うのも非常に大切だと思います。実際のものは販売名が20ポイントから30ポイントぐら いで書かれているのですが、それと8ポイントを比較すると、いかにも小さくて全く目立 たなくなってしまうというのがあるので、販売名とのバランスということを省令でどのよ うに文章化するかは難しいのですが、販売名がこのぐらいのサイズ以上であったら、少な くとも第1類、第2類の分類の表示はこのぐらいのポイント以上でなければならない、と いったような整理の仕方を入れておいたほうがいいのではないかと思います。 ○松本座長代理 この分類が、販売者にとっても陳列等で間違いがないように、購入する 側にとっても参考になるようにということであれば、種類の違いがきちんとわかる必要が あるわけです。そのために文字で分けるのか、色で分けるのかというのに加えて、もう1 つ、形で分けるというのが十分あり得るわけです。例えば、昔の電気製品では、丸Tマー クと三角Tマークがありましたが、あのような感じで四角囲みのものと丸囲み、あるいは 花丸囲み、三角囲みなど、見ただけで識別可能な部分、色でやれればそちらのほうがいい と思うのです。しかし、カラフルなパッケージとの関係で、色を特定すると、あるいはパ ッケージが製品の広告媒体という面を拘束することから色は駄目ということであれば、せ めて枠で識別可能にするとか、中に書いてある文字は案1の法律的な用語のほうが素直か なと。と言いますのは、A、B、Cですと、医薬品名の最後にA、B、C、Dと付くものが大 衆薬等でいくつかありますから、混同することはないと思いますが、そのようなことも考 えたりするからです。  もう1点、たしか、置き薬業界は昔から見ただけでわかるパッケージというのが伝統で した。最近は変わったかもしれませんが、風邪薬はこのようなデザインというように、見 ただけで一般ユーザーでもわかるというのはかなり重要だと思います。 ○井村座長 何かだんだん大変なことになってきているようです。色で識別という話は、 部会での議論の際も十分出てきておりますのである程度お考えいただけるかなと思います。 いろいろな意見が出てきましたが、これに加えて、さらに何かご意見があればお願いいた します。 ○倉田委員 色ということですと、視力障害・色盲の方にもわかりやすい色というのが、 たぶんユニバーサルデザインであるとは思うのですが、そのようなことも参考にして決め ていただくのが良いのではないでしょうか。私個人としては、色を第1類、第2類、第3 類、A、B、Cで区別して変えなくても良いように思います。 ○高柳委員 配置用医薬品ですと、消しゴムよりも小さい、元来からあるロクシン丸、救 命丸といった商品がありますので、そういったものにどうやって表示していくかというこ とを、検討の中で1つ頭の隅に置いていただけると大変ありがたいと思っております。先 ほど望月委員からラベルをこのように巻くなどいろいろ案がありましたが、それプラス添 付文書、若しくは外包、当然そこに表示されてくるわけですが、直接の容器は非常に小さ い商品が配置用の医薬品には独特なものとして残っているということを少しご検討いただ ければと思っております。 ○井村座長 十分わかりましたが、望月委員の提案も含めて、業界のほうで何か工夫をし ていただける余地はまだあるわけですね。 ○高柳委員 次回までにその辺を工夫して、場合によっては案を提示させていただければ と思います。 ○井村座長 ほかに何かあればお願いいたします。 ○増山委員 先ほど意見を述べたときに言い忘れたのですが、資料6の5頁の(4)「薬局 及び店舗における掲示の考え方」の中の2番目の○についてです。ここでは具体的に以下 のようなものが考えられるとして、第一類はこうこう、第二類はこうこうと説明が入って いますが、第一類は販売時にどのように扱うべき医薬品かが書いてあるだけです。添付文 書の中に第一類についてもう少し詳しい説明書きが入るのであればいいかもしれませんが、 先ほどから私が申し上げたいことは、リスクの度合いが消費者側にきちんと伝わるような 表現であってほしいということなのです。最初の検討会で話し合ったときに、消費者側に 医薬品を購入する際の目安というものがないではないかという議論も結構あったと思うの で、リスク区分を程度によって分けたのであれば、それがきちんと参考になるように外箱 表示をしましょうという意見を述べたのです。それと同じ意味で、買う側にリスクがどう 違っているか、例えば先ほど述べたように、第一類は市販薬になってからまだ期間が短い とか、短いに限らず、医療用医薬品から下りてきたり、あるいは十分注意しなければいけ ないものだから、薬剤師が積極的に情報提供を行わなければいけないといったような、な ぜ、こうしたいのかが伝わってくるような表現を必ずどこかに取り入れていただきたいの です。 ○井村座長 外箱の表示にですか。 ○増山委員 外箱の表示にではなく、店舗における掲示でそれができればそのようにして いただきたいということです。 ○井村座長 そちらのほうの話ですね。 ○増山委員 そうです。 ○井村座長 北委員、何かあればお願いいたします。 ○北委員 今回の外箱表示の目的は何かというと、増山委員が言われたようなリスクが消 費者にわかるための表示にしろ、ということであるならばかなり難しいと思うのです。そ れは別途いろいろな広報活動、店頭活動の中でやるべきことであって、パッケージの表示 はあくまでもその識別がしやすいかどうかに重点を置くべきだと思います。 ○井村座長 増山委員もその辺はご承知だと思います。だいぶ時間が経ってしまいました が、事務局としてはいかがでしょうか。ただいま皆様方からいろいろな意見が出されまし たが、ここでどちらかに決めるとか、その必要はありますか。 ○事務局 今いろいろご意見をいただいた中で、確認の意味も含めて少し整理をしたいと 思います。間違っている点があればご指摘ください。資料7をベースに、意見の順番も上 下いろいろありましたので、順不同で申し上げます。まず、案1か案2かという点につい てですが、いわゆる文字としてどちらを使うか、これはいろいろ意見が分かれていたかと 思います。そのほかの点としては、一番下にある表示の場所についてはご意見がなかった ので、おそらくこのままでいいと受け止めていい所ではないかと思っております。その上 の文字の大きさについては、今いただいた意見を少し盛り込んで、十分ではないかもしれ ませんが文章化してみるとこのようになるのではないかと思います。文字の大きさは原則 として8ポイント以上とし、加えて販売名の大きさとのバランスを考慮の上、できるだけ 見やすい大きさであることとする、といった形で意見を求めるのはあり得るかなと思いま した。  添付文書のことにも話が及びましたが、添付文書はまた別の議論ということで分けさせ ていただきます。上にいって、文字そのものではなくて全体のデザインの話ですが、枠囲 みをすることについては、販売名にまぎらわしいアルファベットを使っていることに対し ても一応線引きができると思いますので、枠囲みに関しては異論のないところだと思いま すが、問題は箱の色との兼合いで、枠囲みをした内側の色について、例えば文字に色使い をするなら、箱そのものの色は問わないにしても、枠囲みの中を白地にして文字に色を付 けるとか、少なくとも背景というか、文字に色を付けるのであれば枠囲みの内側は白であ ることが必要になってくると思います。この辺りも、どの色が適当かというところまでは 結論が出ないと思いますので、いま述べたように、枠の内側を白地にして、文字の色にも 識別がつくような工夫をするといった表現でいかがでしょうか、ということだと思います。  加えて、意見としては掲示のほうに入るかもしれませんが、第1類医薬品という表現、A 医薬品という表現のいずれにしても、それぞれが何を意味するものか。6文字ないし4文字 を見て、どのようなものかができるだけわかるという意味で、掲示によって定義やリスク の度合いがわかるような工夫、あるいはそれを補うといったことを付記するような形で意 見を求めることはできるのではないかと感じました。口頭ですのでわかりにくいかもしれ ませんが、文字として上の案1を使うか、下を使うか、できれば絞り込んでいただきたい と思っていますが、ここはいろいろ意見があったと思います。 ○井村座長 もう1つ、もし上を使うのであれば、医薬品という言葉を取って第1類、第2 類とするという案もありましたが、それについては皆様方から特に反対はなかったような 気がいたします。 ○増山委員 薬事法では医薬品は医薬品と明記しなければいけないことになっているので、 医薬品という言葉は除外できないと思います。 ○事務局 いまは義務ではなく、一応医薬品であることがわかるようにという任意表示に なっております。ただ、今度のリスク分類で言いますと、このリスク分類の表示の対象に なるものが一般用医薬品ですので、医薬品という3文字は、むしろ明確にあったほうが、 ラベルされているものが医薬品であることが今度ははっきりすると思いますので、そうい う意味で文字があった方がいいかなと考えております。 ○井村座長 そのようなご説明ですが、色は別にして、第1案と第2案についてはいかが でしょうか。どちらかに決めますか。併記しますか。 ○事務局 いただいている意見ですと結構分かれている感じがします。 ○井村座長 上の1案のほうが多かったかなという気がしますね。 ○事務局 時間も過ぎておりますので、とりあえず一本化できるかどうか、少し意見調整 させていただきたいと思っております。両方のままパブリックコメントを求めると、それ はそれで混乱すると思いますので、そこはちょっと追って議論させていただきたいと思い ます。 ○井村座長 1案か2案かについては、事務局の調整に任せるということでよろしいですね。 そのようなことで表示のほうはわずかながら進展いたしましたので、事務局にひとつ頑張 っていただくということにいたします。本日の議題4に関しては、また次回にも議論させ ていただくことになると思いますので、よろしくお願いいたします。表示については調整 をよろしくお願いいたします。次回は引き続き検討事項1と2の「内容・方法」「環境整備」 について議論するとともに、新たに検討事項3、「販売体制」について議題にしたいと思っ ております。事務局より何か連絡事項があればお願いいたします。 ○事務局 資料の中にも出てきましたが、次回は2月22日(金)、午前10時からを予定し ております。場所等については改めてご案内させていただきたいと思います。よろしくお 願いいたします。 ○井村座長 不手際のため、15分ほど超過してしまいましたがお許しください。本日はど うもありがとうございました。 連絡先) 厚生労働省医薬食品局総務課 代表 03(5253)1111 直通 03(3595)2377 FAX 03(3591)9044 担当者:永井(内線4210)、加藤(内線4211)