08/01/30 平成20年1月30日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日  時:平成20年1月30日(水) 9:30〜11:14 ○場  所:厚生労働省 専用第21会議室 ○出席者: 委 員  青木委員、井上委員、大野委員(部会長)、尾崎委員、加藤委員、斉藤委員      佐々木委員、豊田委員、山内委員、山添委員 事務局  國枝基準審査課長、河村課長補佐、束野課長補佐、江島専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官 1.開  会 2.議  題  ((1) 食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について     ・エスプロカルブ(農薬)     ・クロルフェナピル(農薬)     ・シエノピラフェン(農薬)     ・ジチオピル(農薬)     ・シラフルオフェン(農薬)     ・ピリフタリド(農薬)     ・イソプロチオラン(農薬及び動物用医薬品)   (2) その他 3.閉  会 ○事務局 それでは定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科 会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。  本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたし ます。  本日は、志賀委員、米谷委員、吉池委員、鰐渕委員より欠席する旨の連絡をいただいておりま すが、既に農薬・動物用医薬品部会の委員14名中10名の御出席をいただいており、部会委員 総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議、よろしくお願 い申し上げます。 ○大野部会長 おはようございます。  最初に皆さんに出した会議の通知は明日になっていましたけれども、私の都合でダブルブッキ ングになってしまって今日に変更させていただきました。申し訳ございませんでした。  それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。初めに事務局から資料の説明をお願 いいたします。 ○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。  配付資料ですけれども、エスプロカルブ(農薬)になります。  資料1−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料1−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  クロルフェナピル(農薬)になります。  資料2−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料2−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  シエノピラフェン(農薬)になります。  資料3−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料3−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  ジチオピル(農薬)になります。  資料4−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料4−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  シラフルオフェン(農薬)になります。  資料5−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料5−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  ピリフタリド(農薬)になります。  資料6−1「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」。  資料6−2「農薬・動物用医薬品部会報告(案)」。  資料7ということでイソプロチオランがあるんですけれども、これについては本日の部会では 審議をしないことにしたいと思いますので、資料は後ほど回収させていただきたいと思います。  参考資料になりますけれども、参考資料1「国民平均、幼小児、妊婦、高齢者別の農産物・畜 産物摂取量」。  参考資料2「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果について」になります。  配付資料の不足等がありましたら、事務局までお願いいたします。 ○大野部会長 いかがでしょうか。特にございませんか。  それでは、審議に入りたいと思います。先ほどいきなりなくなりましたけれども、イソプロチ オランは資料の不備があったということで、今日の審議から外すということでございます。そう いうことで農薬については6件です。エスプロカルブ、クロルフェナピル、シエノピラフェン、 ジチオピル、シラフルオフェン、ピリフタリドの6件について審議していただきます。それらに ついての資料は、あらかじめ先生方にお送りしてあるところでございます。  最初にエスプロカルブから始めてよろしいですね。それでは、それについての御説明をお願い いたします。 ○事務局 それでは、農薬エスプロカルブにつきまして、資料1−1、資料1−2に基づきまし て、御説明申し上げます。  資料1−1が、食品安全委員会の評価書でございます。  3ページ、この農薬の「審議の経緯」ということで食品安全委員会の方でまとめてございます が、この剤につきましては1988年に初回農薬登録があったということでございます。厚生労働 省の方でも、平成13年に米につきまして残留基準を設定してございます。その後、清涼飲料水 の基準設定に係る評価依頼、また魚介類に係る基準設定の要請が農林水産省からございましたの で、それを踏まえて、更にその部分の評価依頼ということで実施してきたものでございます。  評価でございますが、26ページに「III.食品健康影響評価」ということでまとめていただい てございます。ラットを用いました動物体内運命試験、水稲、ヒエを用いました植物体内運命試 験、土壌中の運命試験、水中光分解、土壌残留が評価されています。  27ページの2パラ目ぐらいから毒性試験ということで、急性毒性はラットとマウス、眼の刺 激性試験はウサギを用いたもの、また皮膚感作についてはマウスを用いてやられてございます。  発がん性につきましては、ラットで慢性/発がん性の併合試験で発がん性はないということで ございます。マウスの発がん性試験でも発がん性はなかったということでございます。  2世代繁殖試験はラットで見ていますけれども、繁殖への影響は認められなかったということ でございます。  発生毒性はラット、ウサギでの試験がございますが、催奇形性は認められなかったということ でございます。  遺伝毒性試験では細菌を用いた試験、またチャイニーズハムスター等の細胞を用いた試験が実 施されてございますが、すべて陰性であったということでございます。  これらの毒性試験の結果は28ページに表でまとめてございまして、無毒性量の最小値という ことで、一番下でございますが、イヌの1年間の慢性毒性試験、雄の無毒性量1mg/kg体重/日 というものをADIの設定根拠にしたということでございます。  29ページは、ラットを用いた90日の亜急性毒性試験で雄の無毒性量が設定できなかったとい うことでございますが、より長い2年間慢性毒性/発がん性併合試験において得られたというこ とで、ラットの無毒性量は1.1mg/kg体重/日。それよりも先ほどのイヌの慢性毒性試験が1mg/kg 体重/日という無毒性量が得られておりますので、これを設定根拠にしたという解説でございま す。安全係数100で除しまして、ADIといたしましては0.01mg/kg体重/日ということで評価 されているものでございます。  以上を踏まえまして、部会報告書(案)とまとめてございますのが、資料1−2でございます。  「1.品目名」はエスプロカルブでございます。  チオカーバメート系の除草剤でございます。本剤につきましては、作用機構が十分解明されて いないということでございますが、他のチオカーバメート系の除草剤と同様に雑草に吸収された 後、細胞分裂の阻害、特にタンパク物質の合成阻害により生育を抑制、停止させるのではないか と考えられているものでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  今回は魚介類への基準の設定要請がございますので、その審議でございます。  使用方法につきましては、2ページ以降にまとめています。これは稲に使用するというもので ございますので、稲でしか使用方法は記載がございません。  残留試験は5ページ以降でございまして、結果については9ページの表でまとめてございます。  魚介類への基準設定でございますが、6ページの「7.魚介類への推定残留量」ということで、 これまでと同様の手法に基づきまして、水産動植物被害予測濃度、いわゆる水田PECを用いま して、また魚類への濃縮性試験というもので、これにつきましてはコイを使った実測値がござい ましたので、その値を用いて推定残留量を試算したということでございます。7の(3)になり ますが、今回は0.19665ppmということで推定残留量が試算されたということでございます。こ れに基づきまして、魚介類への基準の検討を行ったということでございます。  7ページの「8.ADIの評価」は、先ほどの食品安全委員会の評価書のとおりでございます。  「9.諸外国における使用状況」は、国際基準も設定されていないという状況でございますし、 主要な5か国でも基準値の設定はないということでございます。  規制対象でございますが、一応エスプロカルブ本体のみということで記載させていただいてご ざいます。残留試験では対象物の分析も行われてございますけれども、玄米中で代謝物が定量限 界未満でございましたので、本体のみで考えてございます。  また、魚介類につきましてもBCF、水産PECというものは本体のみを対象としてございま すので、魚介類の規制対象も本体のみということでございます。  ちなみに、食品安全委員会におきましても、暴露評価対象物質としては本体のみを設定してい るということでございます。  基準値案でございますが、10ページの表でございます。今回、米につきまして、平成13年に 0.1ppmという基準を設定しておりますけれども、今回改めて作物残留試験成績を見たところ、 現在の基準の設定の考え方から、この成績でいくと0.02ppmでも十分基準としていいのではな いかということで、下方修正をしてございます。  また、魚介類につきましては、先ほどの推定残留量0.19665ppmから0.2ppmということで基 準値案として設定してございます。  これらに基づきまして「(3)暴露評価」ですが、11ページでございます。ADI比といたし まして、国民平均で4.2%、幼少児の方で6.7%、妊婦の方で3.9%、高齢者の方で4.2%という ことで、いずれもTMDI試算でADI比80%以下を確認させていただいてございます。  13ページは「答申(案)」ということで、今回、米も現行基準から下方修正しましたので、米 と魚介類ということでまとめてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について、御意見ございますでしょうか。  山添先生、お願いします。 ○山添委員 今の安全性の試験の食品健康影響評価の26ページの4行目から6行目のところで、 単回経口投与で「低用量群で投与の0.6時間後に、高用量群で投与6.4〜19時間後にCmaxに達 し」ということで、用量によって一見非常に違うような記載が書かれているんです。これは食品 安全委員会のものですが、書かれています。これを見てしまうと、高用量群だと非常に後で何か 蓄積をするとか、いろんなことが起きるのではないかと思うんです。ただし、よく見てみますと、 これはいわゆる14Cフェニルをラベルしたものの放射能だけを追っていて、多分馬尿酸になると きの馬尿酸部分と、フェニルスルホン酸部分が腸肝循環をするためにこういう形になっているん だと思います。  4行目の「ラットを用いた動物体内運命試験において」の次のところを「14Cフェニルのエス プロカルブの単回投与」という形にしておけば、放射能の意味合いはわかると思うんです。一応 放射能濃度と書いてあるからわかるんですが、これだとどこをラベルしたことによって、プロリ ンと両方のデータが実際に扱われていますので、フェニルを使った場合にはこうなったというこ とを食品安全委員会の方と相談いただければと思います。 ○大野部会長 いかがでしょうか。 ○事務局 御指摘があった部分につきましては、食品安全委員会の方に意見として提出させてい ただきたいと思います。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、食品安全委員会への連絡をお願いいたします。  ほかにございますか。豊田先生、お願いします。 ○豊田委員 わからないので教えてほしいんですけれども、ただ編集上の問題だけだと思うんで すが、1ページの「3.化学名」のところに「S−ベンジル=1,2」と書いてあるんです。元 の農薬評価書の6ページを見ると、和名といって「S−ベンジル(RS)」と書いてあるんです けれども、変えた理由はあるんでしょうかということを教えていただきたい。 ○大野部会長 変わっていますね。何かわかりますか。 ○事務局 これは出典と言いますか、部会報告書案は農薬抄録に記載の名称をそのまま載せまし て、そういう関係で記載の方法が違っているということでございますが、やはりどちらかに統一 した方がよろしいでしょうか。 ○大野部会長 そうすると、農薬登録に書いてある化学名を付けざるを得ないのではないですか。 ○事務局 農薬抄録ですね。 ○大野部会長 一般的な化学名とかIUPAC名は、付ける人によって随分違ってしまうという 話を聞いています。そういうことでよろしいですか。 ○豊田委員 はい。 ○大野部会長 ほかにいかがでしょうか。  加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 評価書の方で、多分ミスタイプだろうというところが1つあります。  13ページの「4.水中運命試験」のちょうど真ん中ら辺のところです。「(2)の水中光分解 試験(緩衝液)」の3行目から4行目のところ、蛍光ブラックランプ照射の波長が258〜458nm になっているんですが、258というのは含まれていないはずですので、多分285の間違いだと思 います。この短波長はブラックランプでは入っていないはずですので、御確認いただきたい。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、その点についても確認をお願いいたします。 ○事務局 はい。 ○大野部会長 ほかにございますでしょうか。  残留基準に関しては、お米は0.02、魚介類については0.2という答申(案)が提示されている わけですけれども、それについてはこの値でよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、そのように部会の報告結論といたします。  次の品目に進みたいと思います。次は何でしたか。 ○事務局 農薬クロルフェナピルです。 ○大野部会長 クロルフェナピルですね。わかりました。  それでは、説明お願いします。 ○事務局 資料2−1と資料2−2に基づきまして、御説明申し上げます。  資料2−1が食品安全委員会の評価書でございます。  3ページは「審議の経緯」ということでまとめていただいてございますが、この農薬も平成8 年に初回の農薬の登録があったということでございます。厚生労働省では平成10年10月に一 部の農作物につきまして、残留基準を設定してございます。その後、平成17年に適用拡大に係 る基準の設定の要請が農林水産省からございまして、その年の10月に、一度、食品安全委員会 の方に評価依頼をしているものです。  その後、ポジティブリスト制度に係るいわゆる暫定基準の告示が平成17年11月にございます。 それをまたぎまして、平成19年3月に暫定基準に係る部分の評価依頼を食品安全委員会にして ございます。更に同じ月でございますけれども、農林水産省から適用拡大に係る基準の設定依頼 がございまして、それも併せて今回御審議いただくということでございます。  評価でございますが、37ページに「III.総合評価」ということでまとめられてございます。 ラット、マウス等を用いました動物体内運命試験。植物体内運命試験につきましては、ひめりん ご、なす、キャベツ等を用いたものがございます。土壌運命または水中光分解、土壌残留という ものを評価してございます。  38ページの4行目からが動物を用いた毒性試験でございますが、急性毒性につきましては、 ラット、マウス。  ウサギを用いました皮膚刺激試験、眼の刺激試験でございます。また、モルモットの皮膚感作 試験も行われているということでございます。  慢性毒性試験につきましては、イヌの1年間の試験ということでございます。  また、ラットで慢性毒性/発がん性併合試験が行われているということでございます。ラット につきましては、発がん性がない。  マウスにつきましても発がん試験が行われてございますけれども、それも発がん性は認められ なかったということでございます。  1年間の慢性神経毒性試験というものがラットで行われてございまして、この結果につきまし ては、29ページから30ページにまとめて記載されてございます。  30ページの4行目からでございますが、投与後52週時のと殺雄動物の神経系組織に髄鞘の腫 脹、また空胞の変化等の神経病変が観察されてございます。これらにつきましては、その後段に なりますが、52週間投与で惹起された神経病変は可逆性の変化であると考えられた。また、投 与、回復期間における機能検査による検査や自発運動量には検体の影響は認められず、これらの 神経病変は神経機能に影響を及ぼさないものと考えられるという結論でございます。  元に戻っていただきまして38ページでございますが、ラットの2世代繁殖試験で繁殖への影 響はない。  また、発生毒性試験はラットとウサギで、催奇形性は認められなかったということでございま す。  遺伝毒性試験につきましては、すべての検査について陰性であったということでございます。  以上の試験の結果が39ページにまとめられてございまして、この中の最小の無毒性量という ことで、ラットの1年間の慢性神経毒性試験の結果を採用してございます。雄の2.6mg/kg体重 /日を採用してございます。  40ページでございますが、安全係数100で除しまして、ADIといたしましては0.026mg/kg 体重/日という評価でございます。  これに基づきまして、部会報告でございますが、資料2−2でございます。  品名はクロルフェナピルで、ピロール環を有する殺虫剤ということで、作用機構はミトコンド リアにおける酸化的リン酸化を阻害することにより作用するということでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」は、記載のとおりでございます。  使用方法は2ページから載ってございまして、非常にたくさんの果実、野菜類に使われるとい うことでございますが、今回の適用拡大の部分につきましては、7ページでございます。四角囲 みで書かれている作物のとうがらし以降、かぶ、さやえんどう等々の部分について、適用拡大の 申請があったということでございます。  「6.作物残留試験」につきましては、8ページ以降にずっと記載されてございまして、24 ページから表にまとめてございます。非常に作物が多いので表も欄が非常に多くなってございま すが、24ページから28ページにかけてまとめてございます。  21ページは乳牛の残留試験ということで、乳牛に対して飼料中濃度といたしましては、クロ ルフェナピル0、0.66、2.19、6.81ppmに相当する量を28日間にわかり経口投与したというこ とでございます。乳、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓に含まれるクロルフェナピルの量を測定したとい うことでございまして、これらの結果に関連いたしまして、オーストラリアでは乳牛、羊、豚に おける飼料由来の負荷量は0.47ppmと評価しているということでございます。残留結果につき ましては、表1にまとめたとおりでございます。  「8.産卵鶏における残留試験」も実施されてございまして、産卵鶏に対して標識をした2種 類のクロルフェナピルを、7日間にわたってカプセルで経口投与したということでございます。 高用量分と低用量分に分けて、その残留の程度を見たということでございます。  残留につきましては、22ページの表2にまとめてございます。上記に関連しまして、オース トラリアでは飼料由来の負荷ということで0.44ppmと評価しているということでございます。 これらが畜産物に関する基準設定の根拠になるということでございます。  22ページは「9.ADIの評価」でございますが、先ほどの食品安全委員会の評価結果のと おりでございます。  「10.諸外国における使用状況」でございますが、まだ国際基準は設定されていないというこ とでございます。主要な5か国で調査したところ、米国においてナス科の野菜、EUにおいて大 麦、野菜等、オーストラリアにおいてりんご、畜産物等に基準が設定されているということでご ざいます。  「11.基準値案」でございますけれども、規制の対象は本体のみということで考えてございま す。一部の作物残留試験において、代謝物の分析が行われてございますけれども、本体の残留量 に比べて十分に低いということで規制対象とはしてございません。食品安全委員会の評価書でも、 暴露評価対象物質についてはクロルフェナピル本体という設定でございます。  29ページは「(2)基準値案」でございますけれども、網かけになっている部分がポジティブ リスト制度の際に海外の基準、また登録保留基準等を参考に暫定基準として設定したところでご ざいまして、基本的にこの部分につきまして、作物残留試験のデータがないものについては、基 準は削除ということで整理してございます。  また、作物残留試験が確認できたものについては、その結果に基づきまして、見直しをしてい るということで、一部については下方修正してございますし、物によっては上方修正をしている ものもあるということでございます。  ポジティブリスト制度前から基準があったものにつきましても、作物残留試験の結果に基づい て一部修正してございます。29ページの真ん中辺でございますが、だいこんの葉の下の方にい きますと、キャベツでございます。現行基準1ppmということでございますけれども、作物残 留試験の結果を精査したところ、0.7ppmに下方修正してございます。その下の芽キャベツにつ きましても現行基準1ppmでございますけれども、作物残留試験の結果を精査いたしまして、 0.3ppmということで下方修正してございます。  また、31ページの後段の方、ホップの上に茶がございますが、今これは50ppmという基準で ございますが、40ppmということで下方修正してございます。  戻っていただきまして、29ページでございます。先ほどのキャベツの2つ下、芽キャベツの 下にケールというのがございますが、これにつきましては、同じ作物の種類でございますが、非 結球系のアブラナ科の野菜であるみずな、きようなの部分の残留試験を参考にいたしまして、現 在、暫定基準では3ppmでございますけれども、10ppmということで置き直してございます。  また、チンゲンサイにつきましても、ミズナの残留試験を参考に10ppmということでござい ます。  30ページは、中段のパラのきゆうり、かぼちや、しろうりは、登録の有無のところで「緊」 と書いてございます。これは以前もございましたけれども、平成14年の農薬取締法の改正に当 たって緊急的に農薬登録されたということがあったものでございます。いわゆる作物残留試験は ないところなんですけれども、同じウリ科ということで、きゆうりの作物残留試験の基準値を参 考にいたしまして、同様に1ppmという基準を維持しているところでございます。これは作物 残留試験がないんですけれども、そういった形で現在の基準を維持させていただいているもので ございます。  そういったところが特別な部分がございます。あと試験がないものについては、削除または試 験に基づいて暫定基準の見直しを行ったということでございます。  「(3)暴露評価」でございますが、非常に作物が多うございますのでTMDIでは間に合わ ないということで、EDI試算をした結果を33ページから横表でまとめてございます。34ペー ジの一番下のADI比でございますが、EDI評価がTMDI評価の隣に各カテゴリー別に出て ございます。国民平均の方で21.2%、幼少児の方で37.4%、妊婦の方で18.6%、高齢者の方で 23.5%ということで、いずれもEDI試算に基づきますとADI比の80%以下であるということ を確認してございます。  「答申(案)」といたしましては、36ページからまとめてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  事前に配付した資料から、数値が変わっているところがありましたね。例えばケールが空欄に なっていましたけれども、それが10ppmになっていますね。 ○事務局 そこのところは直前までいろいろ調整、また資料を繰り直して確認させていただいた 部分もございますので、今日お配りしておりますものを最終案という形で御了解いただければと 思います。 ○大野部会長 事前に配付した資料と今回のところで違うところは、ケールと、先ほどのしろう りのところと、ほかに何かありましたか。 ○事務局 済みません。かんきつの部分で、みかん、夏みかん、レモン、オレンジ、グレープフ ルーツ、ライムという30ページの下から2つのカラムのところも、恐らく以前お配りしたもの では、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライムについては基準が入っていなかったかもし れません。かんきつにつきましては、夏みかんのデータとゆずのデータがございましたので、そ れをもってほかのレモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライムについても、同様の基準を設定 するという検討をさせていただきました。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、ただいまの御説明についての御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょ うか。  加藤先生、お願いします。 ○加藤委員 前に気づかなくて御連絡できなかったんですけれども、芽キャベツなんですが、国 内データとオーストラリアの基準で0.5ppmというものがありますので、ここは国内データから の0.3ではまずいのではないかという気がしていますけれども、どうなんでしょうか。 ○大野部会長 いかがですか。 ○事務局 0.5ppmの方がということですか。 ○加藤委員 特別理由はなかったような気がしていますので、0.5ppmの方がよろしいのではな いかと思います。 ○事務局 作物残留試験の結果が出ているものは日本のデータでございまして、オーストラリア の0.5ppmのデータがなかったものですから、今回は日本の作残に基づいて0.3ppmという形に させていただきました。 ○加藤委員 済みません。そうでしたね。申し訳ございません。撤回します。 ○大野部会長 よろしいですか。 ○加藤委員 はい。 ○大野部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 チンゲンサイのデータが1.38ppmと0.52ppmなんですけれども、それは10ppm にするんでしょうか。 ○事務局 済みません。説明が不足してございました。  チンゲンサイにつきましては、25ページの上から6番目にチンゲンサイの作残データが出て ございます。これは7日までのデータしかなくて、今回、収穫前に3日まで使えるような申請が 出てございまして、それを見ますと7日のデータでは間に合わないところがございます。一応、 3日まで使った場合の減衰式等々をはめて試算すると、3日後の残留濃度3.4ppmぐらいまで推 定できる。それを見ますと、最終的にみずなのデータと変わらないのではないかということで、 最終的にはみずなのデータを考慮してチンゲンサイを設定し直したということでございます。使 用方法の適用拡大の部分のデータをみずなで補完したということでございます。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。 ○佐々木委員 はい。 ○大野部会長 ほかにいかがでしょうか。ございませんか。  それでは、事務局から提案された残留基準ということで、この部会の結論としたいと思います けれども、いかがでしょうか。よろしいですか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、次にいきたいと思います。次はシエノピラフェンですけれども、それについて説明 をお願いいたします。 ○事務局 シエノピラフェンにつきましては、資料3−1と資料3−2に基づきまして、御説明 申し上げます。  シエノピラフェンにつきましては、資料3−1の3ページ目でございます。本剤は新規登録の 農薬ということで、昨年2月に農林水産省の方から当方に基準設定の要請があったものでござい ます。かんきつ類、りんご、なしということでございます。それに基づきまして、食品安全委員 会の方に評価依頼をしていたものでございます。  37ページから総合評価でございます。ラットを用いました動物体内運命試験の結果、またミ カン、ナス、イチゴ等を用いました植物体内運命試験、土壌残留、水中光分解等々を見てござい ます。  毒性試験につきましては、37ページの下の方でございます。「各種毒性試験の結果から」とい うところでございますけれども、主に肝臓、腎臓、子宮に影響が見られたということがございま す。催奇形性、遺伝毒性は認められなかったということでございます。  ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験で、10,000ppmという、非常に高濃度の投与群 の雌で子宮の腺がんの発生頻度の増加が認められたということでございます。作用機序の解明と いうことで、追加試験がなされてございます。その結果でございますけれども、結局、子宮での 遺伝子障害性、直接的なホルモンの影響が認められなかったということでございます。  一方、38ページに記載がございますけれども、反復投与によって肝薬物代謝酵素の誘導、ま たエストラジオールの水酸化活性の増加が認められたということで、エストラジオールの4位水 酸化により生成される4−水酸化エストラジオールがエストラジオールよりも強い発がん物質 であることから、腫瘍発がんメカニズムの一要因として、肝におけるエストロゲンの代謝活性亢 進による4−水酸化エストラジオールの増加が示唆されたということでございます。  この子宮で見られた発がん発生の機序というのが、遺伝毒性メカニズムとは考えづらいという ことで閾値が設定できるという評価がなされたということでございます。  各種毒性試験の結果は、下の表37からまとめてございます。  最終的にはラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の雄の無毒性量5.1mg/kg体重/日と、 39ページのウサギの発生毒性試験の母動物の無毒性量5mg/kg体重/日の2つを、ADIの設定 根拠にしているということでございます。いずれも安全係数100で除しまして、ADI0.05mg/kg 体重/日という評価でございました。  資料3−2が部会の報告書ということでまとめたものでございます。  この剤につきまして「1.品目名:シエノピラフェン」ということで「2.用途」は殺虫剤で ございます。プロペンニトリル骨格を有する殺ダニ剤ということで、作用機序といたしましては、 代謝生成物がミトコンドリア電子伝達複合体に結合する。コハク酸からコエンザイムQへの電子 の流れを阻害することにより作用すると考えられているものでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」は、記載のとおりということでございます。  使用方法、適用につきましては、2ページの表でまとめてございます。今回、登録申請がある ものはかんきつ類からお茶までというものでございます。  作残試験につきましては、2ページから記載されてございますけれども、10ページに表でま とめてございます。  8ページの「7.ADIの評価」につきましては、食品安全委員会の評価書のとおりでござい ます。  「8.諸外国における使用状況」でございますけれども、まだ国際基準は設定されてございま せんし、主要な5か国についても基準等の設定はないということでございます。  「9.基準値案」でございますけれども、規制の対象といたしましては本体ということで、作 残試験では代謝物をいろいろ分析してございますが、一部の作物、お茶とお茶の抽出物を除いて、 いずれも本体と比較して非常に低い残留量であるということで、規制の対象といたしましては、 本体のみという整理をさせていただいてございます。  また、食品安全委員会の食品健康影響評価でも、暴露評価対象物としては本体のみを設定して いるということでございます。  「(2)基準値案」でございますが、11ページに表でまとめてございます。それぞれ作残試験 の結果から申請のあったものについて基準を設定してございます。  「その他のスパイス」につきましては、みかんの果皮を代表といたしまして、基準を設定して いるところでございます。  これに基づきまして、TMDI試算に基づいた暴露評価は12ページでございます。国民平均 の方で10.2%、幼小児の方で21.9%、妊婦の方で10.6%、高齢者の方で13%ということで、い ずれもADI比80%以下であることを確認してございます。  14ページの「答申(案)」といたしまして、なすからその他のスパイスまでまとめてございま す。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの御説明についての御質問、御意見ございますでしょうか。  食品安全委員会の報告書の38ページの表37のところで結果をまとめているわけですけれど も、2年間の慢性毒性/発がん性試験のところで、子宮頸がんが出たとは書いていないんですね。 誤解を与えます。本文中にはきちっと書いてあるのに、なぜここに一番重要なところを書かなか ったのかと思います。  ほかにございますでしょうか。  もし御意見がなければ、事務局から提案された残留基準値(案)がございますけれども、これ でよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 それでは、この案をこの部会の案とすることにいたします。どうもありがとうご ざいました。  それでは、次はジチオピルについての御説明をお願いいたします。 ○事務局 ジチオピルということで、資料4−1、資料4−2に基づきまして、御説明申し上げ ます。  資料4−1は食品安全委員会の評価書でございますが、3ページでございます。この剤の経緯 が記載されてございます。初回、非食用ということで芝の方で農薬登録がなされたということで ございます。食用作物については、2000年に米に登録されたということでございます。厚生労 働省は残留基準につきまして、ポジティブリスト制度導入時に暫定基準で米について基準を設定 したというものでございます。その告示が平成17年11月だったということがございます。  その後、昨年8月に農林水産省から魚介類への基準設定要請があったということでございまし て、暫定基準の部分、魚介類の部分も併せまして、食品安全委員会の方に評価を依頼していたと いうことでございます。  総合評価ですが、21ページからでございます。動物体内運命試験はラットで行われているも のでございますけれども、ジチオピルは脂肪に多く分布し、尿中、糞中に同程度排出されたとい うことでございます。  植物体内運命試験につきましては、水稲とニンジン等々について実施されているということで ございます。  また割愛されてございますけれども、水中光分解とか土壌残留等々の試験も評価していただい てございます。  毒性試験につきまして、ラットやマウスを用いた急性毒性試験等々について評価されてござい まして、その評価結果を22ページにまとめていただいてございます。いずれに対しましても発 がん性はなく、繁殖への影響もなく催奇形性も認められなかった。また、遺伝毒性につきまして も、認められなかったということでございます。  22ページの表の中で最小の無毒性量ということでございますが、ラットの2年間慢性毒性/ 発がん性併合試験の雄の無毒性量ということで、0.362mg/kg体重/日というのがADIの設定の 根拠とされてございます。これを安全係数100で除しまして、ADIといたしましては 0.0036mg/kg体重/日という評価でございます。  これに基づきまして、部会の報告書ですが、資料4−2でございます。  「1.品目名」は、ジチオピル。  ピリジン系の除草剤ということでございます。作用機構といたしまして、雑草の幼芽部や根部 での生長点の細胞分裂を阻害するということでございます。先ほど申し上げましたが、今回、ポ ジティブリスト制度導入時に米に暫定基準を置いてございますので、その検討、また魚介類への 基準の設定の検討でございます。  2ページ以降、使用方法でございます。  また、作物残留試験の結果をまとめてございます。表につきましては、7ページに水稲での作 物残留試験の結果をまとめてございます。  3ページは「7.魚介類への推定残留量」ということでまとめてございます。めくっていただ きまして「(1)水産動植物被害予測濃度」でございます。これにつきまして、食用といたしま しては水田でございますけれども、非食用作物で芝への適用があるということで、水田また水田 以外への場面での使用があるということでございますので、水田PECと非水田PEC双方を算 出して検討してございます。水田PECについては0.017ppb、非水田PECにつきましては 0.0038ppbということで、両者があったときは高い方をとるということでございますので、記載 につきましては水田PECの0.017ppbを採用するということでございます。  「(2)魚類濃縮性試験」でございますけれども、これは2種類の魚を用いた試験が実施され てございます。ただし、2つの魚の試験は両方とも標識をしたもので測定されてございまして、 本体と代謝物をひっくるめた形で、量が測定されているということでございます。全魚体中の総 残留放射能濃度ということで算出されているので、それぞれ本体の量につきましては、別の試験 結果からそれぞれ魚体中の本体の濃度の割合を考慮して、更に補正してBCFを求めているとい うことでございます。  また、BCFにつきましては、魚体中の濃度と水中の濃度の比で求めたBCFと、取込速度と 排泄速度から求めるBCFの2つがございます。この分析につきましては、それぞれについて算 出されてございます。前者につきましてはBCFssというものでございます。  5ページ、注4ということで御説明させていただきますが、BCFssということで、定常状 態における被験物質の魚体中の濃度と水中濃度の比で求められるということでございます。  もう一つの方はBCFkと書いてございますけれども、被験物質の取込速度定数と排泄速度定 数から求められるBCFということで、それぞれ算出の仕方が違うということでございます。  今回、BCFkにつきましては、代謝物の部分というのが定量、定性が実施されていないとい うことがございますので採用せずに、BCFssについてのみ検討、補正をいたしまして、BC Fの算出に用いたということでございます。  ブルーギルにつきましてはBCFssに、先ほど申しました代謝物の比率の部分の割合をそれ ぞれ魚体中、試験水中の平均パーセントで補正して681という算出でございます。  コイにつきましても同様な試算をいたしまして、これは濃度区を2つやってございまして、第 一濃度区ではBCFとしまして622。第二濃度区としまして1,349という算出でございます。  最終的には、この3つの中で一番高いものを採用いたしまして、5ページに「(3)推定残留 量」というところがございますけれども、PECといたしましては0.017ppb、BCFといたし ましては先ほどの1,349というのを採用いたしまして、0.1147ppmということでございます。 これが基準の設定の根拠になるということでございます。  「9.ADIの評価」でございますけれども、先ほどの食品安全委員会の評価のとおりでござ います。  「10.諸外国における使用状況」でございますが、国際基準もなく、主要5か国についても基 準の設定はないというものでございます。  「11.基準値案」でございますけれども、規制の対象はジチオピル本体ということで設定して ございます。  「(2)基準値案」でございますけれども、8ページにまとめてございます。現行、登録保留 基準を採用した形で暫定基準として0.1ppmを置いてございますけれども、作物残留試験の結果 を踏まえまして、0.01ppmに下方修正したいと考えてございます。魚介類につきましては、先 ほどの0.1147ppmという推定残留量から0.2ppmということで設定してございます。  これらに基づきまして「(3)暴露評価」ですが、9ページでございます。TMDIの評価で 国民平均では10.8%、幼少児の方で16.8%、妊婦の方で10.1%、高齢者の方で10.6%というこ とで、いずれも80%以下ということを確認してございます。  「答申(案)」が11ページでございます。米と魚介類についてまとめてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは、ただいまの説明についての御意見はございますでしょうか。  斉藤先生、お願いします。 ○斉藤委員 つまらないことで恐縮なんですけれども、部会(案)の1ページの化学名のところ ですが、これも先ほどの豊田先生と似ている部分があるんですけれども、評価書の方ではIUP ACの方で最後のところをチオエート「ate」を「エート」と呼んでいる。こちらの方は「アー ト」になっているんですけれども「エート」の方がよろしいのではないかなという気がします。 ○大野部会長 いかがでしょうか。 ○事務局 一応、抄録上は「アート」になっていたんですけれども、通常は「エート」の方がよ ろしければ、変えさせていただきます。 ○大野部会長 登録の名前、化学名をこちらの定義に変えてしまっていいんですか。 ○事務局 ちゃんとした登録というよりも、化学物質の名称を説明するところでございますので、 そこはジチオピルという名前が変わらなければ問題ないかと思います。 ○大野部会長 変えるということですね。 ○事務局 その方が一般的であれば、どうでしょうか。 ○大野部会長 その中にイソブチルというものがありますね。今はイソブチルとは余り使わない のではないか。メチルプロピルというのが、一般的ではないかと思うんですけれどもね。そんな 感じになったのは最近ですね。 ○佐々木委員 代謝物の方にはメチルプロピルとなっていたので、これも同じにしないとおかし いのではないかなと思いました。  それから、抄録に関係なく、食品安全委員会のようにIUPACならIUPACとか、CAS ならCASの命名で決めた方が本当はいいのかなとは思います。 ○大野部会長 農薬抄録の定義と化学名のところを変えても構わないということだったら、付け る人によって名前が変わってきてしまうから、難しいところですけれどもね。 ○豊田委員 よろしいですか。 ○大野部会長 先生お願いします。 ○豊田委員 評価書の方を見ると、両方書いてあるわけだから、こちらの方でも両方書いたらい いのではないですか。 ○大野部会長 食品安全委員会のものを書いておくんですか。 ○豊田委員 そうです。こちらはIUPACで書いてあるようだから、CASの方も書いていた だく。  そうすると、先ほど大野先生の言われた、最近言い方が大分変わってきているというのは、確 かにそうなんです。この前、アメリカの教科書を読ませていただいたんですけれども、完全に変 わってしまっているんです。 ○事務局 今、御提案のとおりで、安全委員会の方に出ています化学名はIUPAC、CASと 両方出ていますので、それをそのまま部会報告書の中にも準用させていただくということで、抄 録の記載にかかわらず、今後はそうさせていただくということにします。 ○大野部会長 山添先生いかがですか。もともと化学出身ですね。 ○山添委員 今、気にしたのは、例えばチオアート、チオエートというのはエステルの名称です。 だから、今後も統一しないと同じ表記がここから出ていくものについては、まずいなと言ったん ですけれども、今のようにIUPACとCASの両方を書いてくださるのであれば、後で検索の ときに間違うことはないので、それでいいのではないかと思います。 ○大野部会長 斉藤先生もよろしいですか。 ○斉藤委員 結構です。 ○大野部会長 これからということですね。食品安全委員会でIUPACとCASと両方書いて いるということで、それを踏襲するということです。それでよろしいですね。 ○事務局 代謝物の方も、食品安全委員会の評価書の名称に合わせた方がよろしいですか。 ○大野部会長 食品安全委員会の方がきちんとチェックしているかどうかというのはわからな いところがありまして、医薬品の一般名称のところはきちんとチェックしているのでいいんです けれども、先生方に見ていただいて、特におかしなところがなければ踏襲するということでいか がでしょうか。  山添先生、御意見ございますか。 ○山添委員 代謝物に関して、先ほどもほかのことで見ていたんですけれども、これがIUPA CなのかCASの方式かというのは統一されていないんです。多分、書きやすい方式で書いてあ るんだろうなと思いますので、そこのところは、適宜間違いがなければ一応いいのではないかと 思います。 ○事務局 今回の報告書から、化学名につきましては、食品安全委員会の評価書のようにIUPAC とCASの名称を記載させていくという形で修正させていただきます。 ○大野部会長 基本的にそういうことで、特にこちらで審査して、これは間違いだということが あれば修正する。 ○事務局 御指摘いただければと思います。 ○大野部会長 そういうことでお願いします。  それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 安全委員会の評価書の方に魚介類の最大推定残留値が0.094ppmと書かれてい るんですけれども、算定方式が違うんだと思うんですが、食品安全委員会の方はどういう形でこ の値を出していらっしゃるんでしょうか。 ○事務局 当方はBCFにつきまして、細かく記載させていただいておりますけれども、代謝物 と本体の比率を分けて試算しましたけれども、恐らく食品安全委員会の方ではそういうものはな くて、総放射能量で測定されたものをそのままで計算されたということだと思います。だから、 代謝物もひっくるめた形で試算されたということだと思います。 ○佐々木委員 わかりました。 ○大野部会長 よろしいですか。  これは実際にはかったものと薬物動態の計算したのと非常によく合うんですね。何か合い過ぎ るという感じがするんですけれども、びっくりするぐらい合って、きちんと取込みと排泄を随分 正確に測定したんだと思いました。  ほかに御意見ございますでしょうか。  豊田先生、お願いします。 ○豊田委員 5ページの「11.基準値案」の下のところの「(1)残留の規制対象」は、ジチオ ピル本体と書いてございます。ほかの案の方を見ますと、代謝物の説明が入っていたような気が するんですけれども、ここは書かなくてもいいのかどうかということです。量が少なくて除いた という記載がなくていいのかということです。 ○大野部会長 そうですね。いかがですか。 ○事務局 実際に分析をしていますので、そこはほかの案と準じた形で記載するよう修正させて いただきます。 ○大野部会長 いずれも代謝物が9%以下だとか、そういう表現があります。代謝物は微量であ ったということを追加してくださるようお願いいたします。  ほかにございますでしょうか。  それでは、幾つか修正がございましたけれども、それに基づいて、今回、お米については 0.01ppm、魚介類については0.2ppmという残留基準値(案)の答申でございますけれども、よ ろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 それでは、その値をもって、この部会の報告とさせていただきます。ありがとう ございました。  それでは、次の品目ですけれども、シラフルオフェンです。説明をお願いいたします。 ○事務局 農薬シラフルオフェンでございまして、資料5−1、資料5−2に基づきまして、御 説明申し上げます。  資料5−1が食品安全委員会の評価書でございます。3ページは、本農薬の経緯でございます。 本農薬につきましては、平成7年に農薬登録がされているということでございまして、厚生労働 省の方でも、平成9年に一部の農作物につきまして、残留基準を設定してございます。  その後、ポジティブリスト制度導入に当たりまして、平成17年にいわゆる暫定基準の設定、 また昨年10月に魚介類への基準設定要請があったということで、食品安全委員会の方に食品健 康影響評価を依頼していたものでございます。  評価は22ページでございます。動物体内運命試験の結果等々から書いてございますが、本物 質につきましては、吸収性は低く、吸収された後は脂肪に多く分布するということでございます。 これはラットで行われた試験でございます。また、未吸収のまま、糞中に排泄されると考えられ たということでございます。  植物体内運命試験でございますけれども、水稲、リンゴ、キャベツ等で行われた結果でござい まして、代謝物はいずれも少量であったということで、主要成分は親化合物であったということ でございます。  そのほか、土壌運命、水中光分解、土壌残留等々の試験がやられてございます。  また、毒性試験につきましては中段から書いてございます。「各種毒性試験結果から」という ことで、シラフルオフェン投与による影響は肝臓及び精巣に認められたということでございます。 発がん性、催奇形性、遺伝毒性は認められなかったということでございます。また、繁殖への影 響もなかったということでございます。  毒性試験の結果でございますが、23ページにまとめてございます。イヌの最小無毒性量の検 討でございますけれども、イヌの90日の亜急性毒性試験、1年間の慢性毒性試験で無毒性量が 求められなかったということでございます。更に細かく区切って、また投与量も少なくした形で の1年間慢性毒性試験の(2)というものがございますが、その結果、雄で11.8、雌で11.0という 無毒性量が得られたということでございます。雌の方の11.0mg/kg体重/日という無毒性量をA DIの設定根拠に用いたということでございます。安全係数100で除しまして、ADIといたし ましては0.11mg/kg体重/日という評価でございます。  これに基づきまして、部会報告書でございますが、資料5−2でまとめてございます。  シラフルオフェンということで、ケイ素原子を有する殺虫剤で、作用機序は昆虫の神経膜のイ オン透過性を変化させる。それによって、神経線維の伝導をブロックすることで作用するもので ございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」等々につきましては、記載のとおりでございます。  病害虫、また適用の範囲でございますが、これにつきましては、米、かんきつ、果実類に使う ということでございまして、今回、適用の拡大があったものといたしましては、4ページでござ います。最後のももに四角囲みをしてございますけれども、この部分が適用拡大があったという ことでございます。  また、魚介類の基準の設定という部分がございます。  「6.作物残留試験」につきましては5ページからでございまして、16ページに表でまとめ てございます。  魚介類の基準の設定の部分ですが、12ページの7というところでまとめてございます。「(1) 水産動植物被害要予測濃度」ということで、これは水田以外にも使用されるということがござい ますので両方のPECを試算してございます。水田PECは0.080ppb、非水田は0.094ppbとい うことで、今回はどちらか大きい方ということで、非水田のPEC0.094ppbを採用していると いうことでございます。  濃縮性試験でございますけれども、これにつきましても、総放射能量としてBCFが求められ てございまして、816という算出でございます。これにつきましては、先ほどと同様、魚体全体 の代謝物の定性というものが並行して行われてございます。ただし、この物質につきましては、 いずれも3日後の非可食部について、極性代謝物が9%未満認められた以外は、いずれも本体シ ラフルオフェンだったということでございますので、補整をしない形で、BCFといたしまして は816というものを採用したということでございます。  「(3)推定残留量」でございますけれども、先ほどの値を用いまして試算したところ、 0.38352ppmということでございます。  13ページ「8.乳牛における残留試験」ということで、飼料を経由した形で乳に残留するか ということでございますけれども、記載のような結果であったということでございます。ただし、 これらの結果につきましては飼料負荷量等についてのデータがないということでございます。  次に「9.ADIの評価」でございますが、食品安全委員会の評価書のとおりということでご ざいます。  14ページは「10.諸外国における使用状況」でございますが、国際基準も設定されておりま せんし、主要の諸外国でも基準の設定はないということでございます。  残留の規制対象は、シラフルオフェン本体のみということでございます。  「(2)基準値案」につきましては、19ページでございます。網かけのところがポジティブリ スト制度で基準値を設定したところでございますけれども、そのうち0.05ppmで書いていると ころは、本来、一律基準で規制すべきところ、当時の分析法の観点から0.05ppmという基準値 を置いたところでございます。今回、試験法につきましても整理されて、0.01ppmまで分析可 能ということが確認されましたので、ここにつきましては、本来のとおり一律基準0.01ppmで 管理するということで基準値を削除してございます。  ただ、適用の拡大等があった桃等につきましては、データに基づいて基準値を設定してござい ます。  米につきましては、現行基準0.5ppmというところがありますけれども、先ほども違う剤であ りましたけれども、作残試験を見直しまして0.3ppmへの下方修正ということでございます。  20ページにまいりまして、下の方でございます。現行基準で変わるところでいきますと、り んご、なし類でございます。これらも作残試験を見直しまして、りんごについて5ppmから3 ppm、なしにつきましても2ppmから1ppmへの下方修正等を行っているということでござい ます。  そのほかにつきましては、作残試験に基づいて登録保留基準を見直しているところでございま す。現行を維持しているものもございます。  21ページですが、魚介類につきましては、先ほどの推定残留量0.38352ppmから0.4ppmと いう基準を設定してございます。  これらについて暴露評価を行ったものが、22ページでございまして、TMDI評価で国民平 均といたしましては6.8%、幼小児の方で14.0%、妊婦の方で6.0%、高齢者の方で8.1%という ことで、いずれも80%以下であることを確認してございます。  「答申(案)」といたしましては、24ページにまとめてございます。米から魚介類までという ことでございます。  以上でございます。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの説明についての御意見、御質問をお願いいたします。いかがでしょうか。  佐々木先生、お願いします。 ○佐々木委員 最後の「答申(案)」の中にお茶とかカキが入っていないのは、これまでの基準 値と変わらないということで、入っていないということですか。 ○事務局 そうでございます。今回、変えた部分のみということになりますので、お茶とカキは 現行維持なので、答申(案)には書いてございません。 ○佐々木委員 暫定基準が基準値に昇格したものだけが書いてあるという整理ですか。 ○事務局 今回は現行基準、米とか見直している部分につきましては、書いてございます。  米とかは今の別表の中の位置は変わらないんですけれども、暫定基準の部分は告示の7に記載 されているところが6に移りますので、その部分だけ変わります。 ○大野部会長 ほかにありますでしょうか。  豊田先生、お願いします。 ○豊田委員 用語でちょっとだけ気になったことがありました。12ページのところです。「7. 魚介類へ推定残留量」の「(1)水産動植物被害予測濃度」というところです。ここの文章の1 行目のところを読んでいきますと「本農薬が水田及び水田以外のいずれの場面においても使用さ れる」となっていて「いずれの場面」というのは、さらっと読んだときにすごい広い範囲のよう に誤解を生むのかなという気がした。心配したところでございます。  もう一つのところは、例えば先ほどのジチオピルでは「芝への適用があり」と前提が書いてあ るのでわかるわけです。その後「いずれの場面に」というのもちゃんと書いてあって、条件が付 いていますのでわかるんですけれどもということで、ちょっと心配です。 ○大野部会長 これはどういうふうに変えたらよろしいですか。「水田及び水田以外のいずれに おいても使用される」。私はさらっと流していいのではないかなと思ったんですけれども、それ でよろしいですか。  それから、先ほど豊田先生が言われた、残留基準の対象としてシラフルオフェン本体のみとす るということについての理由が書いていないんです。実際には、お米とかほかに残留するのはほ とんどが原体であるということ。原体あるいは代謝物は未検出ということで、シラフルオフェン 本体のみであるということになるわけですね。 ○事務局 この剤につきましては、代謝物は測定していないので、そもそも本体のみの測定でや っています。 ○大野部会長 そういうことですか。 ○事務局 先ほどものは、代謝物の測定をして代謝物も低いということを確認していますけれど も、そもそも食品安全委員会の評価の中では、植物体内運命で代謝物が低いというような評価結 果が出ている部分だけでございまして、当方で作物について作物残留試験の結果から低いという のは書けないです。 ○大野部会長 食品安全委員会の報告書には、植物体内運命試験でそういう表現がありますけれ どもね。 ○事務局 できますれば、代謝物も確認したものにつきましては、先ほど豊田委員の御指摘のと おりの形で、必ず記載するという整理にしたいと思います。 ○大野部会長 わかりました。よろしいですか。 ○豊田委員 はい。 ○大野部会長 ほかに御意見ございますでしょうか。  尾崎先生、お願いします。 ○尾崎委員 答申(案)の1ページ目の作用機序の表現ですけれども、1行目のところ「作用機 構は昆虫の神経膜のイオン透過性を変化させることに」となっています。評価書の方はここがナ トリウムイオン透過性となっています。私はナトリウムを取る必要はないと思います。ピレスロ イド系の薬の作用点はナトリウムチャネルということが確定しているものですから、加えておい た方がいいと思います。 ○大野部会長 わかりました。お願いいたします。  ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、若干修正がございましたけれども、それに基づいて答申(案)が提示されたわけで すけれども、この答申(案)をもって、部会の報告書としてよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございました。そのようにさせていただきます。  それでは、次はピリフタリドです。それについての説明をお願いいたします。 ○事務局 最後になりますが、ピリフタリドでございます。資料6−1、資料6−2に基づきま して、御説明申し上げます。  資料6−1は、食品安全委員会の評価書ということです。  3ページでございます。本農薬の審議の経緯ということで、初回農薬登録が2002年12月で ございます。厚生労働省といたしましては、ポジティブリスト制度導入時に暫定基準を米に設定 しています。平成17年11月でございます。平成19年3月に、この部分につきまして、食品安 全委員会の方に評価依頼をしていたものでございます。  総合評価書は、24ページでございます。ラットを用いました動物体内運命試験で、速やかに 吸収、排出されたということでございます。  また、水稲を用いました植物体内運命試験において、代謝経路は硫黄の酸化またはベンゾフラ ン環3位の酸化であると考えられたということで、主要成分は親化合物、代謝物H、Kであった ということでございます。  土壌中運命、水中光分解、土壌残留等々の評価もされてございます。  毒性試験の結果でございますけれども、各種毒性試験の結果から、ピリフタリド投与による影 響は主に肝臓、腎臓に認められたということでございます。発がん性、繁殖能に対する影響、催 奇形性、遺伝毒性は認められなかったということでございます。  毒性試験の結果につきましては、25ページに表でまとめられてございます。最小の無毒性量 ということでございますけれども、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の結果というこ とで、雌の0.56 mg/kg体重/日というのが最小でございますので、0.56mg/kg体重/日をADIの 設定根拠にしてございます。安全係数100で除しまして、ADIといたしましては0.0056mg/kg 体重/日という評価でございます。  部会報告でございますが、資料6−2でございます。  この剤は除草剤ということで、イネに用いられるということでございます。イソベンゾフラン 環を有する除草剤ということで、作用機構といたしましては、バリン、イソロイシンなどの分岐 鎖アミノ酸生成過程に関与するアセト乳酸合成の働きを阻害するということでございます。  「3.化学名」「4.構造式及び物性」につきましては、記載のとおりでございます。  2ページ以降、使用方法等々についてまとめてございます。使用方法が多うございまして、剤 型も多いんですけれども、これらの作物残留試験につきましては9ページから文章でまとめてご ざいます。表といたしましては、12ページにまとめてございます。  10ページの「7.ADIの評価」につきましては、先ほどの食品安全委員会の評価書のとお りでございます。  11ページは「8.諸外国における状況」でございますが、国際基準も設定されていない状況。 また、主要5か国についての基準の設定はないというものでございます。  「9.基準値案」といたしまして、規制の対象でございますけれども、ピリフタリド本体とい うことでございます。今回、この剤につきましては、代謝物の測定が行われているというもので ございますが、結果的には代謝物Hは玄米中において定量限界未満であるということでございま すので、規制対象といたしましては本体のみということでございます。  食品安全委員会の暴露評価におきましても、ピリフタリド本体を対象物質としているというこ とでございます。  「(2)基準値案」は、13ページでございます。登録保留基準を採用して0.1ppmという、い わゆる暫定基準を設定しているところでございますけれども、作物残留試験の結果から、基準値 案といたしましては0.02ppmということで下方修正でございます。  「(3)暴露評価」は、14ページでございます。米だけでございますので、TMDI試算で国 民平均といたしましては1.2%、幼少児の方で2.2%、妊婦の方で0.9%、高齢者の方で1.2%と いうことで、いずれも80%以下を確認しているところでございます。  16ページ「答申(案)」といたしましては、米でまとめてございます。  以上でございます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの御報告について、御意見、御質問ございますでしょうか。  食品安全委員会の報告書ですが「7.開発の経緯」のところで勘違いしたのかなと思うんです けれども、6ページの「7.開発の経緯」の2行目です。この農薬物がイネ科雑草に対する防除 効果を有すると言うんですけれども、これはイネに使うのにイネ科のものをやったらだめではな いかと思うんですけれども、それはいかがですか。 ○事務局 イネ科雑草というのがありまして、ただ、イネ科雑草にまくのに何でイネに効かない んだというのは、やはり生育のステージがありまして、そこで選別されるということを聞いてご ざいます。 ○大野部会長 問題ないわけですね。 ○事務局 記載ぶりは、間違いないということです。 ○大野部会長 わかりました。ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。  山添先生、お願いします。 ○山添委員 今回、残留試験の分析対象にピリフタリドと代謝物Hというのが書かれているんで すが、元の化合物はRS体です。今回の代謝物Hというのは、当然ラクトン環のメチルのところ で、1つは光学異性があってSオキサイドになっていると、たしかSオキサイドのところで、い わゆる幾何異性でRSが生じると思うんです。つまり、2か所生じるとジアステレオマーができ るので、分析をする際に分離をしないかどうか。そこのところは大丈夫なんですかということな んです。  要するに、リンクとして分かれてしまったらということです。規定としては両方合わせてはか ればいいんだと思うんですけれども、ただ、本当に分かれるかどうかもわからないんですけれど も、そこのところは少し確認が要ると思います。 ○大野部会長 いかがでしょうか。どうですか。斉藤先生、佐々木先生、特に御意見ございませ んでしょうか。 ○斉藤委員 実際に分析していないので、それはわからないです。 ○事務局 そこまで試験の実施の際の確認をしていないので、当方で一応確認をさせていただい て、また委員の先生方にその結果を御報告するということでよろしいですか。 ○山添委員 内容としては、両方がはかられていれば問題はない。ただ、出しているはずですか ら、何かあるのでその記述が必要かどうかだけを確認いただけますか。 ○事務局 試験実施機関に確認させていただいて、また報告させていただいて、その後を決めた いと思います。 ○大野部会長 それでは、確認お願いいたします。  ほかに御意見ございますでしょうか。豊田先生、お願いします。 ○豊田委員 教えてほしいんですけれども、この剤は水田に使われるわけです。魚介類の方には 農水の方から基準値の要請がないわけです。ない理由を教えてほしいです。 ○大野部会長 それはいかがでしょうか。 ○事務局 理由までは聞いていないんですけれども、もし本日出席いただいている農林水産省の ご担当から、何かあれば、お願いします。 ○農林水産省 水産の動植物の被害予測濃度とBCF、Powから求めた計算値をかけて試算した ところ、推定残留量が0.01ppmを下回るという結果でしたので、魚介類基準値の設定要望はい たしませんでした。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。 ○豊田委員 わかりました。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいですね。  それでは、山添先生のコメントで代謝物Hの分析方法についての確認をするということになり ましたけれども、ちゃんとはかられていることを確認された場合には、これでよろしいという結 論でよろしいですか。 ○山添委員 はい。 ○大野部会長 それでは、そういう条件の下でピリフタリドの報告書(案)を、部会の報告書と してよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 それでは、そのようにいたします。どうもありがとうございました。  それでは、皆さん御協力のおかげで12時半までの予定でしたけれども、本日の残留基準の設 定についての審議はこれで終了とさせていただきます。  あと「(2)その他」というところがありますけれども、何かございますでしょうか。  その前にこれからの手続ですね。手続について説明お願いできますか。 ○事務局 ただいまの報告書案につきまして、農薬エスプロカルブ、クロルフェナピル、シエノ ピラフェン、ジチオピル、シラフルオフェン及びピリフタリドにつきましては、食品安全委員会 からの通知を受けていることから、ご指摘の部分を修正し各委員にご確認いただいたものを部会 報告書としたいと思います。  なお、今後の手続につきましては食品衛生分科会にお諮りするとともに、パブリック・コメン ト、WTO通報の手続を進める予定としております。 ○大野部会長 ありがとうございます。  それでは「(2)その他」になりますけれども、いかがでしょうか。 ○事務局 もう一件あります。前回の部会で審議をいただきましたチルミコシンなんですけれど も、資料に訂正がありまして、一応説明させていただきます。  16ページの別紙2、肝臓の牛、肝臓の羊、腎臓の豚のところに基準値案と基準値の現行のと ころがあります。ここは1.0と書いていますけれども、部会報告(案)では1となっておりまし た。これについてはミスプリントでしたので訂正をさせていただきます。ただ、ここの部分につ いては部会で審議をした修正(案)では、数値の検討はしておりませんので、問題はないと考え ております。  そして、別紙3については、肝臓の牛、腎臓の豚、肝臓の羊のところを同じく1.0と書いてい ますけれども、部会報告(案)では1となっていましたので、そこのところについても訂正をさ せていただきたいと思います。  以上です。 ○大野部会長 ありがとうございます。  ミスプリということで、修正させていただいたということでございます。御了承いただけます でしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。  山内先生、お願いします。 ○山内委員 内容についてではなくて、議事について、こうしていただくとより理解が早くなる かなと思いましたので、御提案です。  議題のところに農薬剤がいろいろ並んでおりますが、それぞれの用途が除草剤なのか殺虫剤な のかというようなことと、今回は魚介類への申請が出ているとか、適用拡大だとか、その都度お っしゃっていただいているんですが、この一覧のところに除草剤なのか殺虫剤なのかということ と、今回、なぜ出ているのかということをお書きいただくと、どこの視点を見なければならない のかというところにすぐ頭がいくので、そうしていただけると私としては助かります。 ○大野部会長 そうですね。最初の議事の案内のところにそれが書いてあると、便利ということ ですね。 ○山内委員 そうです。 ○大野部会長 そうしていただけますか。 ○事務局 議事次第の議題のところに載せるのはあれかもしれませんので、別途何かわかるよう な形のものを御提示させる形で検討させていただきます。 ○大野部会長 お願いいたします。  ほかに何かございますか。  「(2)その他」は、今、終わったということでよろしいですか。 ○事務局 もう一つ、次回の部会の開催日程についてなんですけれども、3月4日火曜日午後を 予定しております。詳細については、追って御連絡申し上げます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  そのほか、先生方から何か御意見とかございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、これをもって今日の「農薬・動物用医薬品部会」を終了させていただきます。まだ ですか。 ○事務局 たしか3月12日も予備ということで先生方に日程調整をかけさせていただいたと思 いますので、審議いただく農薬等の準備の状況によりましては3月12日も開催する予定である ということで御了解いただければと思います。剤の数によって振り分ける可能性もありますので、 よろしくお願いします。 ○大野部会長 もうないですね。  それでは、これで部会を終了させていただきます。皆さん、どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487、2489)