08/01/25 中央社会保険医療協議会総会平成20年1月25日(公聴会)議事録 08/01/25 中央社会保険医療協議会          第121回総会(公聴会)議事録 (1)日時  平成20年1月25日(金)13:00〜16:01 (2)場所  前橋市民文化会館 小ホール (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 前田雅英委員       石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員(代 飯倉) 勝村久司委員        丸山誠委員          鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員 渡辺三雄委員        山本信夫委員       大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員 黒崎紀正専門委員       <意見発表者>       田中氏 松浦氏 島田氏 中島氏 谷崎氏 金井氏 山崎氏 浅倉氏        中本氏 園田氏 <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について       ○意見発表者による意見発表 (5)議事内容  ○司会(八神保険医療企画調査室長)  本日は、「中央社会保険医療協議会」公聴会に御参加いただきまして、まことにありが とうございます。大変長らくお待たせをいたしました。ただいまより、公聴会を始めさせ ていただきます。  それでは、土田会長、よろしくお願いいたします。 ○土田会長  ただいまより、第121回中央社会保険医療協議会総会及び公聴会を開催いたします。  開会に当たりまして、委員を代表して私のほうより一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御参加いただきまして、大変ありがとうございます。  当協議会は、社会保険医療協議会法に基づきまして、診療報酬、薬価など、公的医療保 険から医療機関等に支払われる公定価格を決定する権限を有する厚生労働大臣の諮問機関 として設置されております。「診療報酬」等に関する事項について、厚生労働大臣の諮問 に応じて審議・答申することとしております。  本日は、これらを踏まえまして、去る1月18日に厚生労働大臣より諮問されました 「平成20年度診療報酬改定案の策定」に係る審議に当たりまして、私ども委員が国民の 皆様の声を聴く機会として、公聴会を開催することといたしました。  後ほど、意見発表をお願いしております方々からの御意見をいただく場を用意しており ます。どうぞ忌憚のない御意見をいただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げ ます。  それでは、当協議会の委員の方々を御紹介いたします。  お手元の資料に委員名簿がございますが、当協議会は、医療保険の保険者、被保険者、 事業主等を代表する委員、いわゆる支払側委員7名、それから医師、歯科医師、薬剤師を 代表する委員、いわゆる診療側委員7名、それから公益を代表する委員6名の合計20名 により構成されております。必要に応じ10名以内の専門委員を置くことができるとされ ております。  本日の出席している委員は、皆様方から向かって右側が支払側委員、左側が診療側委員 でございます。本日は、松浦委員、高橋委員、竹嶋委員、小島委員が御欠席になっており ます。また、小島委員の代理で連合の飯倉さんがお見えになっています。  そして、私と、皆様方から向かって左側に座っております3名が公益委員でございます。 本日は、庄司委員、白石委員が欠席になっております。  また、私の奥のほうにいらっしゃいますのが、総会に所属いただいている専門委員でご ざいます。大島専門委員、古橋専門委員、黒崎専門委員でございます。  どうぞよろしくお願いいたします。  なお、厚生労働省からは、保険局長と医療保険担当審議官が出席しております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日の議事の進め方ですが、まず最初に事務局から、平成20年度診療報酬改定に関す るこれまでの経緯の説明、本日の資料について説明を受けまして、その後、支払側委員、 診療側委員よりそれぞれ診療報酬改定に係る御意見をいただいた後、事前に意見発表をお 願いしております10名の方々から御意見をお聴きしたいと思います。  それでは、平成20年度診療報酬改定に関するこれまでの経緯につきまして、事務局よ り説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  保険局の医療課長でございます。  皆様方、お手元の公聴会の資料をごらんになっていただきたいと思います。診療報酬改 定は、基本的には2年に1回大きな改定をすることになっておりまして、前回は平成18 年度に改定が行われました。その後この2年間の間、さまざまな検討を加えてまいりまし たが、今回の改定に向けての大きな課題は、後期高齢者医療制度がこの平成20年4月か ら始まるということでございます。この新しい制度発足に当たりまして、まず、一昨年の 10月5日に、後期高齢者医療制度の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」とい うものを設けまして、一昨年10月から検討を進めてまいりました。この後期高齢者医療 の診療報酬に関しましては、その後この特別部会で1年間にわたりさまざまな分野を協議 いただきまして、昨年の10月10日に「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」という ものをまとめていただいております。お手元の資料の40ページからそれが載せてござい ます。これが一番先に大枠として決められたものでございます。  それから、この後期高齢者医療のみならず、全体の診療報酬の方向をどうするか、これ につきましては、社会保障審議会の医療保険部会・医療部会という2つの部会で検討して いただきまして、昨年の12月3日に、「平成20年度診療報酬改定の基本方針」を決め ていただきました。お手元の資料の31ページから載ってございます。  この中央社会保険医療協議会では、社会保障審議会で出されました基本方針や骨子に基 づきまして、平成20年度の診療報酬改定を行うことになっております。  また、お手元の30ページに、「平成20年度診療報酬改定について」という紙がござ います。これは、来年度の予算案をつくる段階で、昨年末に決められた今回の改定率でご ざいます。診療報酬全体の改定率は▲0.82%、診療報酬の本体部分につきましては+ 0.38%、薬価等の改定につきましては▲1.2%、こういうような形になっておりま す。  これらを受けまして、この中央社会保険医療協議会で来年度の診療報酬改定を検討して くださいという諮問が、今年の1月18日に厚生労働大臣のほうからこの中医協の土田会 長あてに諮問されたところでございます。  本体の検討につきましては、後ほどまたあわせて説明したいと思います。  経緯については、以上でございます。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況」について、事務局 より説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)   それでは、皆様方、お手元の「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について」と いう1ページ目からの資料をごらんいただきたいと思います。これは、この1月18日に、 先ほど申しましたように、大臣から諮問をされましたときに、中医協のほうでこれからの 具体的な項目を決めていく際の骨子という形でまとめたものでございます。  この1〜2ページ目にかけまして、それに至るまでのいろいろな議論の経過を載せてご ざいます。実質的に、昨年の10月3日から大体週2回のペースで、幅広い分野にわたり ます項目につきまして検討を重ねてきていただきました。それから先ほどの診療報酬の基 本方針や骨子あるいは改定率が決まりまして、その中で、具体的にどういう形で項目をつ くっていくかということでこの骨子をまとめていただきました。  3ページ目、目次をごらんいただきたいと思いますが、今回のこの改定に当たりまして、 大きく4つの視点を設けて検討を進めていこう、まとめていこうということになりました が、それに前置きをして、緊急課題として、昨今産科や小児科をはじめとして病院勤務医 の負担が非常に重くなって疲弊しているということも言われております。そのために、診 療報酬におきましても、こういう病院勤務医の負担の軽減策をまず「緊急課題」として取 り上げるということが大きな特徴でございます。  それから、そのほか「患者から見て分かりやすく、患者の生活の質を高める医療を実現 する視点」でありますとか、大きな2つ目としては、「質の高い医療を効率的に提供する ために医療機能の分化・連携を推進する視点」、3つ目には、「我が国の医療の中で今後 重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点」、4つ 目は、「医療費の配分の中で効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検 討する視点」でございます。  さらに今回は、先ほど申しましたが、後期高齢者医療制度が来年度から始まりますので、 後期高齢者医療制度に特徴のある部分につきましてまとめてつくっております。  すべての項目を事細かに説明する時間は今日はございませんので、かいつまんで御説明 をいたします。  4ページ目の「【緊急課題】産科や小児科を始めとする病院勤務医の負担の軽減」、こ の部分につきましては、中で4つの項目をつくっております。  「緊急課題−1 産科・小児科への重点評価」ということで、低出生体重児や高齢出産 など、ハイリスクの妊娠あるいはハイリスクの分娩というものが近年増えておりますので、 それに対応すべく、平成18年度でもこのハイリスク分娩管理加算というものを創設しま したが、今後それを対象者の拡大を図るということ、それから、分娩に至らない妊娠の途 中でありましても、そういうハイリスクの妊娠の管理をすることなどを考えております。  そのほか、小児科領域では、子ども病院をはじめとする地域の小児医療の中核的な役割 を担っていただく医療機関について高い評価をするとか、あるいは超重症児、あるいは人 工呼吸器を装着された障害を持った子どもさんたち、あるいはその障害者に対するリハビ リというものについて重点的に考えることとしております。  「緊急課題−2 診療所・病院の役割分担等」ということでございます。6ページの (1)でございますが、ここでは、病院と診療所の、現在再診料という問題が取り上げら れておりますが、点数格差がございます。この点数格差について是正する方向でどう考え ていくのかということを検討するということになっております。  また、夕方から夜間にかけまして比較的軽症者の方々も救急車に乗って病院の救急外来 に行ってしまうということがあって、病院の勤務医の負担となっているという実態があり ます。そういうようなところの部分について、診療所で夜間の診療を延ばしていただけな いか、そういうようなところを評価をしていってはどうかということ。  それから、(4)の入院時医学管理加算の要件見直しでありますが、ここでは、地域の 急性期を担っていく中核的な病院につきまして、その総合病院につきまして、そこでの勤 務医の負担の軽減を図る、さまざまな施策をその病院の中で考えていただいて、勤務医の 負担軽減の計画をつくるとか、そういうような形のところにつきましてこの加算を設けて いって、勤務医の負担軽減を病院それぞれでいろいろと工夫をしていただく、それに対す る評価を行うこととしております。  「緊急課題−3 病院勤務医の事務負担の軽減」でありますが、最近、医師の中でも非 常に書類仕事が多いということが言われております。必ずしも医師みずからが書かなくて もいい書類もございますし、最終的に医師がしっかりとチェックをするということで済む 書類もございます。このようなものの事務的な仕事につきまして、それを補助する職員を 配置していただこう。それによって、医師のいわゆる医療本体でない付随的な事務作業を 補助員で助けていただいて医師の負担を軽減していこう、このようなものの評価を考えて おります。  「緊急課題−4 救急医療対策」につきましては、特に救急で入院された当初が極めて 重症といいますか、不安定な時期でありますので、ごく早期の医療について重点的に評価 をしていこうと考えております。  それから、1つ目の大きな視点、「I 患者から見て分かりやすく、患者の生活の質 (QOL)を高める医療を実現する視点」でございますが、「I−1 医療費の内容の情 報提供について」ということで、ここでは、原則400床以上の病院につきましては、診 療報酬をオンラインで請求することになります。それに伴いまして、明細書の発行という 事務処理がいわば即座にできるような体制になりますので、そのような医療機関につきま しては、手間暇あるいは紙代等も含めて実費徴収は認めてもいいということでありますが、 認めつつ、患者さんから求めがあれば、必ずその発行をしてくださいという、こういう義 務化を考えております。  「I−2 分かりやすい診療報酬体系等」ということで、診療報酬体系の簡素化や、あ るいは項目名、こういうものを分かりやすい形にしていく。  それから、次のページになりますが、これは今議論されておりますが、診療所等におき ます外来管理加算という項目がございます。これは、処置やリハビリやそういうものが行 われない場合に再診料に加算ができる、こういう項目なのですが、患者さんから見ると分 かりにくいということもございまして、この加算について、患者さんへ十分に時間をかけ て丁寧な説明をしていただくということに着目をして、一定時間以上かかるのではないか ということで、そのような時間的な項目を入れて十分に説明していただきたい、その場合 に加算を認める形に変えてはどうかという意見がございます。ただ、これについては、必 ずしも時間で判断できないという意見もございました。  それから、疾患別のリハビリテーションにつきましては、リハビリテーション、いろい ろと18年度以降、報道もされておりましたけれども、ここでは、昨年の4月に一部手直 しをしましたが、それに合わせて、もう少し介護保険等との連携等も考えまして体系を直 していくということにしております。  それから、ちょっと時間がありますので飛ばしていきますが、「I−3 生活を重視し た医療」ということで、生活習慣病についての管理をしっかりしていただけるような体系 に持っていくということ。それから、生活習慣病の中でも糖尿病の合併症がさまざまござ いますが、例えば糖尿病の足病変などについてのケア、あるいは糖尿病がどんどん進みま すと、腎不全になりまして人工透析になりますが、その際の人工透析についての時間に応 じた評価をするということ等がございます。  「I−4 保険薬局の機能強化」は、これは先ほどの診療所で夜間をしっかり見てもら うということに合わせまして、薬局のほうもそのような体制をとっていただくことを求め ているものでございます。  大きな2つ目の視点が、「II 質の高い医療を効率的に提供するために医療機関の分 化・連携を促進する視点」でございます。  「II−1 質が高い効率的な入院医療の推進について」。ここでは、平成15年度から 始まりました診断群分類別包括評価(DPC)という制度について、その対象病院を拡大 することとしております。これに伴いまして、平均在院日数、入院している期間がかなり 短くなってきておりますので、この流れに対応するために、急性期の治療を終わって自宅 へすぐ帰れない場合もございますので、急性期の一定の治療が経過した患者を受け入れる、 そのような病棟について、亜急性期入院医療管理料というのがありますが、これについて 要件を緩和していくことを考えています。それから、長期の入院患者さんの退院を促進す るというような退院計画の作成についても評価をすることとしております。  「II−2 質の評価手法の検討」ということで、(1)に書いてあります回復期リハビ リテーション病棟の要件。回復期リハビリテーション病棟といいますのは、脳卒中になっ た後、急性期の状態が終わった後リハビリをしっかりとしていただく病棟という位置づけ をしておりますが、その中でも、しっかりと回復するかどうか、回復している病棟につい て評価を高くしていってはどうか、そのような質の評価を試行的に導入することとしてお ります。  「II−3 医療ニーズに着目した評価」ということでありますが、ここは7対1入院基 本料という、これは看護師さんをたくさん配置すると入院基本料が高くなるというものな のですが、そこに「看護必要度」というものを入れていこうということで、「看護必要 度」が一定以上の病棟について、この7対1入院基本料を認めていくという方向を考えて おります。  「II−4 在宅医療の推進について」ということで、これから慢性疾患も増えてまいり ますので、在宅医療という場面が多々出てくることと思います。そのために、在宅医療の 推進についてさまざまなところで評価をすることとしております。  ちょっと省略をさせていただきまして、14ページ、「II−5 精神障害者の療養生活 支援」。ここはたくさん、15項目ございますが、大きく言いますと、1つは長期入院患 者さんの社会復帰のためへの支援、それの積極的に促す対策、そのための評価。それから 逆に、入ってきた患者さんが長期化するのを防止するための対策、そのようなものを考え ております。そのほか、精神障害者に対する急性期の救急精神障害に対する救急の医療な どの評価も考えているところでございます。  「II−6 歯科医療の充実について」でありますが、ここも歯科医療、年々いろいろと さまざまな技術的な進歩がございまして、口腔全体の指導管理体系の構築でありますとか、 あるいは歯科治療の診療指針の見直しなどもございますので、そのようなものに合った治 療体系や評価体系をつくっていくということ等がございます。  「II−7 調剤報酬の見直しについて」でありますが、ここでは、例えば一包化という のが今でもございますが、これを現実にふさわしい形に評価を見直していくということ、 あるいは自家製剤についても同様の評価の見直しをすることとしております。  また、調剤薬局でいろいろと薬についての服薬指導をしていただくわけですけれども、 それについての評価の体系が少し分かりにくいところがございますので、簡素化を図って 評価を見直すということにしております。  それから、大きなくくりの3番目としては、「III 我が国の医療の中で今後重点的に対 応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点」。  「III −1 がん医療の推進」であります。日本のがん医療におきましては、日本のが んの特性から、外科治療が中心に行われてまいりましたが、放射線治療でありますとか、 化学療法でありますとか、こういうものが一層進んできておりますので、それらを積極的 にやれるように、また、外来でもできるようなことを考えていく。さらに、がんの場合は、 痛みが必ず伴いますので、そのための緩和ケア、これについても緩和ケア病棟のみならず、 外来や在宅での緩和ケアを考えていきたいと考えております。  それから19ページ、「III −2 脳卒中対策」でありますが、ここでは、脳卒中の発 作があったときは、急性期の病院、当然そこで治療していただくわけでありますが、その 後はやはりリハビリをしっかりしていただくということが重要でありますので、その地域 の中での医療機関の連携というものを重点的に評価をしていきたいと思っております。  「III −3 自殺対策・子どもの心の対策」ということで、ここでは自殺の発生を防止 するために、うつ病等の状態を見つけた場合には、速やかに精神科を受診していただける ような、そのような道筋をしっかりつくっていきたいと考えております。  それから、子どもの心の問題につきましても、非常にこれは時間のかかる対応が必要に なりますので、そこのあたりの評価体系を見直していくこととしております。  「III −4 医療安全の推進と新しい技術等の評価」ということで、医療安全につきま しては、さまざまな分野で医療安全対策が必要になりますが、特に生命に直接かかわりの ある機器を使う場合が多うございますので、そういう場合には臨床工学技士がしっかり配 置されているかどうか、そのあたりを評価していきたいと考えております。  それから、20ページの一番下の画像のデジタル化処理の加算があったわけであります が、これは一定程度普及してきましたので、このデジタル化処理を超えて、さらに画像で 診断を行っていくという、フィルムを使わないでそういう画像診断を全体的に組み上げて いこうという、そういうようなことを考えております。  それから、ちょっと飛ばしまして大きな4番目が、「IV 医療費の配分の中で効率化余 地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点」でございます。  22ページをごらんいただきたいと思います。「IV−1 新しい技術への置換え」とい うことで、例えば今現在診療報酬の中で、必ずしも医師による高度な技術を必要としない 処置というものも評価されておりますが、このような軽微な処置については基本診療料で 包括的に評価するということを考えております。  「IV−2 後発医薬品の使用促進」。後発医薬品もたくさん出てまいりまして、質の問 題も改善されてきているという中で、処方せんの様式を変更することとしております。こ の場合に、処方せんに書かれました薬について、後発医薬品がある場合は、積極的にその 後発医薬品が使われるような形のものを考えております。  それから、23ページの「IV−5 その他効率化や適正化すべき項目」として、ここで は、コンタクトレンズの検査料。いわゆるコンタクトレンズを売る店に付随的についてい る診療所というのがございまして、そのような診療所でしっかりとした診療がやられてい るかどうかという問題もございますので、そのコンタクトレンズに係る検査について基準 を厳しくしていくということにしております。  それから、「V 後期高齢者医療制度における診療報酬5でありますが、24ページか ら、入院、在宅、外来、それから終末期と分けて書いてあります。大くくりに申し上げま すと、入院にいたしましても、外来にいたしましても、後期高齢者という、非常に複数の 疾患を持ち合わせている、しかも慢性的な病気を持っておられる方々でもありますので、 日常生活と病気とは切っても切れないといいますか、切り離せないわけでして、その後期 高齢者を一人の人として全体をとらえていただくと、そのような形での評価でありますと か、あるいはそのような対応での外来診療でありますとか、そういうものを重視したいと いうこと。  それから、やはり病院と診療所、地域でのさまざまなサービス、もちろん介護保険のサ ービスも含めまして、その連携というものが非常に重要になるだろうということで、その あたりの評価あるいは連携がしやすいものについての評価というものを考えております。  また、在宅医療の分野では、これもなくてはならないのが訪問看護でございますので、 この訪問看護については重点的にさまざまな形で評価をしていくこととしております。  最後、「V−4 終末期医療」、28ページでございますが、ここでは、最期を、どの ような形で終末期を迎えられるかということを、患者さん本人あるいは家族も含めまして、 この終末期の診療方針というものを十分に話し合っていただく、それを書面に残していこ う、そのような形の意思の表明について評価を行っていきたいと考えております。  少々長くなりましたけれども、ざっとこのような項目について今回検討しているという ことでございます。 ○土田会長   ありがとうございました。  続きまして、平成20年度診療報酬改定に関して、支払側委員及び診療側委員よりそれ ぞれ御意見をお願いいたしたいと思います。ただ、時間の都合上、代表してそれぞれお一 人よりお願いいたします。  最初に、支払側委員のほうからお願いいたします。 ○対馬委員   健保連の対馬です。どうぞよろしくお願いいたします。着席して失礼させていただきま す。  まず、私ども支払側委員は、医療でありますとか健康でありますとか、そういったもの については、医師などの専門家だけが仕切っていくということではなく、患者、国民の皆 様方が積極的に参加していくということが極めて大事であるというふうに考えてございま す。また、そういったことを中医協の場でも主張してまいったということでございます。 そういった意味では、この公聴会というのは大変意義があるのではないかと思っておりま す。  支払側委員の今回の改定に当たっての問題意識でありますとか、こういったことをやっ ていこうではないかということについては、恐縮ですけれども、48ページ目をちょっと ごらんになっていただきたい。ここに、7名の委員名で土田会長あてにお出しした「支払 側の意見」というものがあるかと思います。  まず、1点目が私どもの基本姿勢になります。国民皆保険が大事であるということであ りますとか、さまざまな問題のある中で、健康というのは国民一人ひとりがみずから守る という前提に立って安心と納得の医療を早期に実現していかなくてはいけない、こういっ た基本認識でございます。  それから2点目から4点目のところですけれども、ここでは、特に今回、平成20年度 の診療報酬改定に当たってのいわゆる財源配分について記載してございます。2点目のと ころでは、「資源配分の歪みやムダを是正することを中心課題とすべき」だということ。  それから丸の3点目ですけれども、やはり各診療科ごとにも跛行性があるだろう。それ から慢性期医療についての効率化でありますとか、薬剤、医療材料、こういったことにつ いても記載をしているところであります。  それから丸の4点目ですけれども、特に今日的喫緊の課題であります病院勤務医、とり わけ産科、小児科、救急、こういった厳しい医療現場に対応することが必要であろうとい うことでございます。  49ページ目の一番上のところですけれども、特に冒頭申し上げましたとおり、患者さ んに参加いただくためには、まずは医療情報の開示でありますとか、透明化が必要であろ うということでございます。  各論についてですけれども、時間の関係もございますので、病院勤務医の負担軽減に係 る問題、それから医療情報の開示の問題、この2つを中心にいたしまして、特に診療側と 必ずしも意見が一致していないところを中心にお話をさせていただきたいと思います。  その次に、濃くゴシックで書いていますけれども、「病院・診療所の役割分担」のすぐ 下に再診料についてが書いてございます。2行目のところです。「当面は、再診料につい て初診料と同様、病診間の格差是正をはかる」ということが記載されてございます。この 再診料の問題が、現在私どもとしては最大の争点ではないかと思ってございます。  この格差是正を図ることがどうして必要かということの理由について2点ほど簡単にお 話しさせていただきたいと思います。  1点目は、これまで再診料・初診料については随分中医協の場で議論をしてまいりまし た。基本的には、大きな方向づけ、枠組みができ上がっているというふうに認識してござ います。その枠組みと申し上げますのは、平成15年の改革でもって患者負担が3割にな ったわけであります。3割になりますと、おのずとこれまでの対応とはちょっと違ってま いりまして、患者の視点、負担者の視点ということが非常に重要になってまいります。中 医協としましても、その時点から、格差の是正ということにかじを切りかえたということ だというふうに思っています。初診料につきましては、16年の改定でもって格差を縮小 いたしまして、さらに18年改定では、初診料は270点に統一されたわけであります。 再診料につきましては、18年改定で1点の格差の縮小が図られました。まさに、今回が 再診料については格差の解消を図っていくタイミングだろうと思っております。  それから、格差是正の必要性の第2点目でございますけれども、先程来お話があります 病院勤務医への負担の軽減、処遇改善、これに対しまして、中医協として、また診療報酬 として目に見える対応を図っていくことが大変重要だろうと思います。全体財源が多いわ けでは決してありません。全体財源が厳しい中で、再診料については診療所を下げていた だいて、財源を捻出して、その財源を病院に充当していくのだと。今回の改定の項目は非 常に多岐にわたりますけれども、このことが国民や勤務医に対する最も明確な、また象徴 的なメッセージになるのではないかと思っております。  また、ちょっと戻っていただきまして、49ページ目のちょうど真ん中あたりですけれ ども、再診料の格差是正以外についても夜間・休日の問題、それから事務的な問題、事務 補助職員の問題ですね、こういったこともございますし、また手術、こういったことに対 しても評価をきっちりしていくべきだろうと思っています。  それから、2つ目の大きな課題ですけれども、52ページをごらんになっていただきた いと思います。ちょうど真ん中あたりに「医療情報の開示と透明化」という項目がござい ますけれども、特に私どもとしましては、その中の(1)、明細書付きの領収書の無料発行を 要望しております。前回改定では、内容の分かる領収書につきましては無償で発行される ことになったわけであります。明細書につきましては、今現在も議論しているわけですけ れども、有料が認められているわけであります。まずは明細等もお出しいただいて、しか もそれは有料ではなくて無償でお出しいただくということが必要だろうと思います。患者、 国民にとってはそういった診療報酬の中身、医療の中身について関心を持つこと、知るこ と、これが第一歩だろうと思います。特にオンライン請求等が逐次実施されていくわけで すけれども、大病院や公的な病院についてはぜひ無償発行の努力を要請したいと思います し、また、私ども支払側としても、今後とも無料化で全員に発行されるよう粘り強く努力 してまいりたいと思っております。  それから、(3)にございますけれども、中身はちょっと時間の関係で割愛しますけれども、 現行の複雑な診療報酬体系の簡素化や、レセプト様式の見直しも必要と思っております。  最後になりますけれども、今申し上げましたこと以外にも、後発医薬品の使用促進、在 宅医療、さらには後期高齢者にふさわしい診療報酬等々の問題がございますけれども、ち ょっと割愛させていただきまして、私どもとしましては、今後とも安心・納得の医療を確 保すべく最大限の努力をしてまいりたいということで、御理解と御支援をどうぞよろしく お願いしたいと思います。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  続きまして、診療側委員よりお願いいたします。 ○鈴木委員  日本医師会の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。  診療側は、診療所・病院の医師、それから歯科医師、薬剤師の委員から構成をされてお ります。診療側委員を代表して一言お話をさせていただきます。  中央社会保険医療協議会は、保険医療の公定価格、診療報酬と申しますけれども、それ を決める役割をしておりまして、例えば、先ほど対馬委員から御紹介がありました初診料 というのは、2,700円というふうに決められております。これらの価格を基本的に2 年に1度見直しておりますわけで、これからいろいろお話を伺うのは、今年の4月1日か ら実施されるというものについての検討の非常に大切な参考意見というようなことで伺い たいというふうに思っております。  今回の検討の大きなテーマは、病院に勤務する医師が過重労働で疲弊していることの軽 減、この1点にほぼ絞られていると言ってもよろしいかと思います。この対策が議論され てきております。私たちこの中央社会保険医療協議会での議論の中では、そもそも勤務医 の過重労働の緩和については、診療報酬だけでは手当てできない、もう国として診療報酬 以外の継続的な方策を講じるべきであるという共通認識ではおるということを感じており ます。  例えば労働環境の整備でございますとか、出産・育児を理由に一たん医療機関をやめた 女性の医師、歯科医師、薬剤師、看護職員などの再就業支援の充実をさせたり、各職種の 養成確保等々、その多角的かつ継続的に国の施策というものに取り組んでいただきたいと いうふうに考えておりますが、もちろん診療報酬においてもその実効のある対応を図るべ きということは考えております。  今回、このために診療報酬の本体が0.38%引き上がることが決まりました。その増 加分につきましては、病院勤務医師の過重労働の軽減を中心に、社会的な問題となってお ります産科、小児科、救急医療の充実等に使うべきだと考えます。  しかし、地域住民の方々の最も身近にある診療所の基本的な診療報酬を下げて対応しよ うということには異論がございまして、診療所の経営も極めて厳しい状況にございますし、 例えば昨年1年間で医療機関の倒産件数が一昨年の1.6倍にも上りました。この原因は、 前回の平成18年度の診療報酬改定でございますけれども、史上最大のマイナス3.1 6%という改定率で改定が行われたということになります。医療機関も倒産をしておりま す。  また、そこで追い打ちをかけるように診療所の基本的な診察料などを引き下げれば、診 療所が閉鎖に追い込まれる状況、あるいは職員を減らすなどの対応によって、医療の安全 や質の確保がままならなくなるということも懸念しております。我が国の地域医療は崩壊 の危機に直面しており、毎日のように救急患者の受け入れ拒否、医師不足による病院の小 児科、産科、救急部門の閉鎖の問題等々、国民の生活に直結するさまざまな問題がニュー スや新聞で報じられております。このような病院勤務医師を中心とした医療の弊害を生ん だ要因は、国が長年にわたり医療費抑制策を断行してきたことにあるのは、もうよくお分 かりのことだと思います。診療所の閉鎖や診療所の縮小・休止によりまして、これ以上、 各地域の住民の方々の医療へのアクセスを奪ってはならないと考えております。  これまで我が国は、低い医療費で高い医療水準を維持し、国際的にも高い評価を得てま いりました。OECDという組織が国内総生産に対する各国の医療費の割合を比較してお りますが、我が国は先進諸国30カ国の平均値を下回り、22位という下位に位置するほ ど低い医療費となっております。これでは、我が国の安い医療で世界一の医療水準をもは や確保できない限界に来ております。  一方、WHOでは、健康達成度の各国比較を発表しておりますが、日本人の健康寿命は 世界一、健康達成度も総合評価も世界一となっております。さらに日本人の平均寿命は世 界一長く、乳児の死亡率も世界一低くなっております。日本では、患者さんに3割もの負 担を強いて、そして医療費も抑制するという状況にあり、まさに低医療費、高自己負担の 構図を示していると言っても過言ではありません。  私たちは、我が国の大切な国民皆保険制度を堅持する必要があります。しかし、それは ただ制度を維持するだけの堅持ではなく、安心で質の高い医療を確保したまま、これまで の世界一の医療水準を保っていくことが必要であると考えております。そのために、今回 私たちが検討しておりますこの「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について(現 時点の骨子)」につきまして、歯科医療、保険薬局を含めまして、ぜひとも皆様方の率直 な御意見をいただきたいと存じております。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、ここから本日の開催の趣旨であります参加者の皆様から御意見を伺ってまい りたいと思います。  意見発表者につきましては、今回の公聴会の傍聴申し込みにあわせまして、一般の方か ら意見発表者を募集いたしました。その結果、33名から希望が寄せられました。その中 から、意見の内容及び発言者のバランス等を考慮いたしまして、私ども公益委員のほうで 選ばせていただきました10名の方に意見の発表をお願いしております。  意見の発表に当たりましては、最初に5名の方に順番に御発表いただいたところで、各 委員から御質問等をちょうだいいたしまして、その後また5名の方から御意見、御発言を いただきまして、また質問をしていただくという形で進めていきたいと思います。  なお、時間の関係上、大変恐縮でございますが、意見発表につきましては、お一人様に つき5分程度でお願いしております。なお、時間が参りましたら、事務局のほうから一応 合図をしていただくということになっておりますので、どうぞ御協力をお願いしたいと思 います。  それから、私のほうから直接お名前を申し上げませんので、御発言に当たりましては、 お差し支えない範囲内で、お住まい、お名前、御職業をおっしゃっていただければありが たいと存じます。お住まいは市町村までで結構でございますし、職業は、例えば医療関係 者であるとか、あるいは患者であるとか、その程度で結構でございます。  それでは、最初の5人の方にお願いしたいと思います。では、最初の方、どうぞお願い します。 ○田中氏  前橋市で内科開業医をしております田中と申します。よろしくお願いいたします。  それでは、意見を3点述べさせていただきます。  今回の診療報酬の改定は、0.38%のプラス改定ということになっております。前回 は3.16%のマイナス改定。その辺、いつも言われるのですが、我々、どういう積算根 拠をされているのだろう、いつもそういうのは分からないわけです。その辺、例えば頻度 を高く行う診療についてどのように配慮されているのか、そういうのが少し分かるような 説明があると、我々もこういう数値を納得するのですが、0.38%と言われたのと、0. 4%と言われたのと、全然実感も変わらないし、こんな細かい数値まで出す以上は、少し はそれなりの意味があったほうがいいのではないのかなと、そういうふうにいつも考えて おりますので、よろしくお願いしたいと思います。  2番目ですが、今回の改正は、勤務医を優遇するような点数改正というのがよくテレビ や新聞等で言われてまいりました。そして、勤務医、その中に、公的病院の勤務医の方が 非常に多くいらっしゃいます。公務員である医師というのは、診療報酬は給与表で定めら れておりまして、こういう診療報酬でその先生方をなかなか優遇できないように思います。 どのようにしていくのかなというのが一つかんがみまして、その辺の説明もぜひあったら うれしいと思います。しかも、勤務医というのはだんだん今社会で問題になっていますが、 1人やめますと残りの人にそのしわ寄せが参ります。そのときに、1人減ったから、では、 その先生の分の収入をその残りで分けましょうというような形が多分できないと思います。 だから、同じ給与でどんどん苦しくなって、しかもいろいろな疲労からリスクもひどくな っていく、そういう勤務医の状況ですので、給与表とかそういったものを根本的に改善す るべきかと思います。  3点目は、特殊疾患入院料の改定に関する件でございます。今度の診療報酬改正では、 特殊疾患療養病棟入院料2と、障害者施設等入院基本料に関してということなのですが、 筋ジストロフィーなどの重度障害者をおのおの80%及び70%以上入院させなければな らないという、そういう規定が出てきて、今までは脳卒中や認知症の方を入れていれば、 そういう方に対してそういう特殊疾患療養病棟入院料というのがとれたらしいのですが、 今度からはそういうことになったようです。そのために、特殊疾患療養病棟入院料1を算 定していた病棟は、経過措置として2010年3月末までに入院患者を医療区分3とみな すことにする、または障害者施設に特殊疾患入院施設管理料3の加算点数も廃止されると いうことで、私はちょっと入院をやっていないので細かいことは分からないのですが、要 するに、脳卒中の後遺症や認知症というのは、特殊疾患としてけっこう手間のかかる疾患 でもあるのに、そういう枠から外れてしまったということで、これは見直しに値するので はないかというふうに考えます。特に、例えば筋ジストロフィーの人が療養中に脳卒中に なったり、認知症になった場合には、これは筋ジストロフィーではなくて脳卒中だという ことで、その疾患から除外されたりすることも含めて、今何でも医療費をマイナスにする ような発想が高いものですから、そういうことのぜひないように、よろしくお願いしたい というのが私の意見です。  以上3点、よろしくお願いいたします。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、次の方、お願いいたします。 ○松浦氏  よろしくお願いいたします。私は、千葉県の千葉市で開業している松浦と申します。歯 科医師でございます。地域の歯科診療を担っている歯科診療所の歯科医師の立場から、今 回の診療報酬改定について意見を述べさせていただきます。  平成18年度の改定の結果は御存じのとおりでありますが、平成18年度の歯科診療費 は約700億円という大幅な減少となっております。また、中医協の医療経済実態調査に おきましては、診療所の収支差額は前回に比べて9%の大幅減となっております。この結 果、我々の歯科診療所の経営は非常に難しいものとなっております。診療所を存続するこ とすら危うい状況であります。しかしながら、このような環境の中においても、私たち歯 科医師は患者さんに良質な歯科医療を提供するべく努力をしております。なぜならば、国 民の皆様の歯と口の健康を保つことは、健康寿命の延伸に貢献できることを確信している からであります。  そこで、今回与えていただきました意見発表の場を利用しまして、2つほどお願いさせ ていただきます。  まず1点目は、歯科診療の総合的管理についてです。平成19年11月21日と12月 12日の中医協基本問題小委員会におきまして、歯科疾患の総合的管理について検討され ています。今回の管理の基本的な考え方は、歯科医師と患者が協調して口腔全体を総合的 かつ継続的に管理することと書かれております。継続的に管理するという考え方は、平成 16年度の改定において、歯周炎や歯肉炎を継続的に管理するという形で導入されました。 この管理料の考え方は、徐々に患者さんから受け入れられ、平成18年には自分の診療所 の患者の80%以上にこの管理料を適用するところも出てきました。  しかし、平成18年度の改定において、突如としてこの管理料がなくなり、総合指導料 ができました。歯科疾患の継続的な指導管理を評価するものでありましたが、さまざまな 制約のために、患者にも歯科医師にとっても非常に使いにくい管理料であったため、平成 20年、今年になってもこの管理料の適用はすべての患者さんの2%以下でございます。  私は、歯科における主たる管理料は、歯科診療の指針となるべきものと考えます。患者 さんが自分が罹患している歯科疾患を理解してもらい、診療室の治療だけではなく、ふだ んの生活においても歯科疾患と向き合っていくためのしるべになるものだと考えておりま す。そのためには、患者さんが罹患している歯科疾患について説明をするときに使う文書 もできるだけ分かりやすいものであるべきです。そうすることによりまして、今回の改定 の当初に当たりましては、新しい管理料の活用の頻度は低くとも、患者の満足度の高いも のであれば、必ずや多くの患者さんに活用できることが期待できます。  そのためには、委員の先生方におかれましても、今回の改定時の新体系は、より多くの 患者さんからの高い評価が得られる骨太の指導管理体系になることを希望いたします。よ ろしくお願いいたします。  次に2点目といたしまして、今回の改定におきましてぜひとも改善していただきたいこ とがございます。平成18年度の改定において、長年培われてきた歯科医学的にも臨床的 にも認められてきた診療内容の多くが制限を受けております。患者さんに提供できない、 また提供しても保険上の評価がない、そういう規制が多く導入されております。これは、 より質の高い歯科医療の提供を望んでいる国民にとっても非常に不幸なことと考えており ます。また、この多くの規制は、先ほど申しましたように、歯科診療所の経営の安定を揺 るがしている原因の一つとなっております。このことにつきまして、今回の改定では大き な改善を要望いたします。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、3番目の方、お願いいたします。 ○島田氏  本日は、発言の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。群馬県桐生市 の島田と申します。薬剤師です。どうぞよろしくお願いいたします。  4月から実施される調剤報酬、診療報酬の改定は、これまで以上に地域住民の医療需要 にこたえる体制の整備や、良質で安価な医薬品の選択の一つとしての後発医薬品の使用促 進によって、地域の患者さん、それから生活者の皆さんから信頼される薬局をつくること に積極的にかかわる薬局薬剤師を高く評価する報酬体系が提案されるということで、非常 に期待をしております。また、毎年増加する医療費を後発医薬品の使用で少しでもセーブ するという政策は、非常に理解できるものであり、また、その場面では、私たち薬剤師が その役割を十分果たしていきたいというふうに考えております。  しかし、その一方で、今回示された骨子を見ますと、その推進策に容易に取り組める薬 局と、抗がん剤などを多く扱う薬局や漢方生薬を多く扱う薬局など、この推進策への協力 が容易ではない薬局があることも事実であります。受付枚数や規模の累計だけではなくて、 こういったさまざまな薬局の中の機能の面でも、もう少し細部を見ていただくことも必要 ではないかと思っております。  また、今度の療養担当規則等では、資料にもありますように、後発医薬品への変更する 場合、「後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない」とあります。この後発 医薬品に関する説明がどういう内容かはこれから読み込んでまいりますけれども、それに いたしましても、この規則の前後の文章は努力義務の表示でありながら、この部分だけが 義務とさせられています。実は、現在も使用促進に対して、私たちは精力的に、しかし、 薬物の提供の最終責任者として慎重に段階的に進めていく、こういった側面もあるわけで ありまして、一概に全品目義務というのは少し表現が、私ども非常に厳しいものだなとい うふうに受け取っております。どうか、私たち現場の実態をこれからさらに信頼をしてい ただいて、このあたりのところは私どもにぜひともお任せいただきたいというふうに考え ております。  さらに、今回の改定の方向性を見ますと、地域医療や在宅医療における薬剤師の役割を 高く評価していただいております。ありがとうございます。しかし、やはり、あまりに後 発医薬品の使用促進、つまりは政府の財政的な側面に関心が偏り、現場の実態を支える、 そういった配慮が少し足りないように思っております。  例えば、再三出てお話をしております後発品の使用促進策にしても、現場といたします と、在庫量を増やす必要が出てきますが、現実、調剤棚も倉庫も、物理的にはもう足りな くなってきています。私たち薬局の多くは、狭く、またスペースを広げようにも、不動産 価格の値上がり等もありまして、容易ではない現状もあります。また、これから6年制の 薬学教育が始まるわけですが、それには実務実習が義務づけられておりますけれども、過 去の薬局実習に比べて薬局側の労務的負担は比べものになりません。また、それにより、 質の高い調剤サービスを提供するために、必要な設備や薬剤師の自己研鑽などへの評価も お願いしたいというふうに思っております。このままでは、今後6年制の薬剤師が卒業し てくるわけですけれども、この専門性を国民のためにどこまで生かせるか、非常に心配な ところでございます。  また、患者様への指導内容につきましても、当然ですが、その質的向上を図ることは必 要です。薬局がこのように多機能、高機能化が求められていながら、現在の調剤報酬の環 境下で、これら多機能を満たしながら、同時に高度化する薬物療法に対応すべく、その指 導内容を充実させていくということは、必然ではありますが、当然やらなくてはいけない ことだと十分理解しておりますけれども、それに係る負担は大変なものがございます。今 のままでは、調剤という医療行為を提供する場のいわゆる機能の拡張に限界が来るように 思われます。現状では、それにこたえるべく薬局を見直し、変化に対応していくというこ とは、多くの薬局において困難に思えます。  これまでお話ししたように、当県も草津や軽井沢、こういった山間にある薬局は、この 前橋市のように平場にある薬局などと比べて、地域の立地や役割、また規模の面において も実はさまざまです。これは全国どこでもそうだと思いますが、しかし、それのすべてが なくてはならない医療提供施設であります。今回の改定も、しっかりやっていきたいと思 いますが、今後のそういった改定においては、そういった背景をさらに配慮された改定の 内容で御検討いただきたいことをお話しして、これで意見発表を終わります。  ありがとうございました。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、4番目の方、お願いいたします。 ○中島氏  私は、看護師として長年病院で働き、現在は労働組合の役員をやっている東京在住の中 島と申します。その経験から意見を述べさせていただきます。  現在検討されている7対1にかかわる看護必要度評価の導入は、絶対にやめていただき たいと切に思っています。  その理由は、第1に、看護職員は厳しい労働環境に置かれており、増員こそ必要で、看 護必要度評価の導入は、進みつつある増員の流れに水を差すものだと思います。  医療の高度化に加え、平均在院日数の短縮や、患者の重症化、安全対策などで、看護の 現場はかつてないほど過酷な勤務になっており、離職が後を絶たない状況です。私たちが 加盟している日本医労連の調査では、73.1%の看護職員が仕事をやめたいと思ってい ると回答しています。最近公表された石川県の調査でも、卒後3年未満の看護師の85. 9%がやめたいと思っていると答えています。  諸外国に比べて圧倒的に少ない日本の看護職員の配置基準を引き上げることが必要です。 医師や看護職員の不足が社会問題になっていますが、絶対数の不足が問題なのであり、そ の改善にこそ力を入れるべきです。看護職員確保法を実効ある内容に改正するとか、需給 見通しを緊急に見直すことなど、やるべきことはたくさんあります。  2つ目の理由は、出されている評価票が看護必要度を科学的にはかる指標と言えるか、 甚だ疑問だということです。中医協に出された調査結果では、看護配置のA得点に明確な 差は出ませんでした。必要度をはかる科学的な指標が確立されていないということの何よ りの証拠だと思います。評価票は手直しされましたが、「たったこれだけの項目でいろい ろな違いがある病棟の業務をはかることはできない」というのが多くの現場の声です。例 えば人工呼吸器が外れ患者さんが動けるようになったときこそ注意深く見守りサポートす る看護の専門職の手が必要ですが、評価票にはそんな項目はありません。看護は人間相手 の仕事であり、生活行動援助のプロセスや対話を通じて患者の心に働きかけ、闘病意欲を 引き出すことも重要な業務です。数値化できない作業・分野も多く、幾つかの項目だけで 看護度を把握しようということに無理があると思います。  私たちは、加盟組合に依頼して、今その評価票を使って患者チェックをやっています。 「どうしてこの病院がこんなに点数が低いのか」と首をかしげる事例もあります。診療科 によって点数にかなりのアンバランスが出ているようです。このまま拙速な必要度評価を 導入すれば、現場の混乱は必至です。やめるべきです。  第3の理由は、患者の命と安全を守る上で有益なのかという問題です。私たちの調査で も、評価には大体40〜50分かかっており、「ただでさえ忙しくて大変なのに、仕事を 増やすだけではないか」という声がたくさん出ています。必要度のチェックに時間と労力 を割かれ、患者のケアがおろそかになるようでは本末転倒です。今でもてんてこ舞いの看 護師たちに、これ以上の負担を押しつけないでください。  私は、アメリカで数年間暮らした経験がありますが、看護配置は患者の安全という視点 で詳しく研究されていました。死亡事故の経緯を調査し、分析するというプロセスをとる 中で、人為的なミスやマンパワーの問題が明らかになり、配置人員が増やされています。 厚生労働省も見習って、そうした研究にお金を使っていただきたいと思っています。  それなら、「深刻な看護師不足にどう対処するのか」とおっしゃるかもしれませんが、 離職防止こそ最も有効な対策だと思います。私たちの加盟組合のある虎の門病院、TNS という看護必要度評価でも有名ですが、200名前後の採用がありながら、7対1がまだ とれていません。その理由は離職に歯どめがかからないからです。急性期の大病院の中に は離職者が多い病院がかなりあり、厳しい労働条件で働き続けられないのです。ベテラン がいないということは、若いナースにとっても大変ですが、患者の安全にとっても不幸な ことです。増員・労働条件改善こそ人手不足解消の決め手だと思います。  最後に、2年前の改定では、療養病床に医療区分・ADL区分が導入されましたが、点 数を上げようと、「喀痰吸引を全員に8回やれ」と病院が指示するなどの事態もありまし た。必要度評価を導入した場合には、同じようにそうした評価票に合わせた行為が懸念さ れます。いくらチェックをやろうと、看護が充実するわけではありません。重症度・看護 必要度評価の導入はやめてください。よろしくお願いします。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、5番目の方、お願いいたします。 ○谷崎氏  私は、群馬県伊勢崎市で脳疾患の専門病院の副院長で、脳卒中救急と手術を担当してお ります。本日は、今日も述べられましたけれども、「人口高齢化による脳卒中患者の増加 等に適確に対応するため、高度な医療機能を有し適切な体制が整った医療機関において」 云々と書いてあります。脳卒中の治療成績向上について、今後の保険改定に要望したいと いうのが一番の目的であります。  このお話をする場に参考になるのは、皆さんごらんになったと思うのですが、昨年の1 1月に「クローズアップ現代」で「夢の新薬が使えない」という特集がございました。そ このデータを踏まえてちょっとお話をさせていただこうと思います。  アメリカのデータでは、脳梗塞患者の9%にt−PAが使われています。フランスでは 8%、日本の現状はどうか、1〜2%です。私たちの病院のデータをちょっとお話しさせ ていただきますが、新規発症脳梗塞患者が323例入院いたしました。これは平成18年 のデータなのですが、そのうち18例、大体5.6%に使用いたしました。それからあと は、この特集の中で、川崎医大の脳卒中科の教授がデータをお示しになっているのですが、 全国平均10万人当たり3.1人、私たちの病院のデータをお話ししますけれども、私た ちの住んで勤めておりますところは大体21万人なのですが、平成18年で大体8.6人 の成績を上げることができました。皆さん、東京はどうかということをお考えいただきた いのですけれども、非常に有名な高度な先進医療を担っている病院がございます。そこの データはどうかというと、2.7人、全国平均3.1人よりもかなり少ない数しか施行さ れていません。こういうふうな実態以外に、あとはいろいろ学会で脳卒中に関係したデー タがございます。ストロークユニット運営病院を考えますと、この中で、専門医以外の当 直している割合で4割ぐらいございます。それから脳卒中の研修教育病院では、脳外科が 当直しない日というのは半分以上ございます。それから神経内科医が当直しない日が8割 ぐらいある、これが現状でございます。  一方、これが平成18年に保険改定で示されました脳卒中ケアユニット入院医療管理料 の施設基準の中には、神経内科か脳外科を5年以上経験した常勤医が常駐するという条件 がございます。今までお話ししたデータからいたしますと、常駐をするということがいか にそういうふうな施設基準の管理料をとるための障害になっているかということと、障害 になっているだけではいけませんので、私たちのデータを示しました。やはり常駐しなく ても結果は出せます。ぜひこういう現状を踏まえた改定を要望いたします。  それからもう1つ、今日るるお話が出ていますけれども、勤務医の疲労、私たちがこう いう体制を組むというのは、常勤医だけでは無理です。どういうことをしているかといい ますと、脳の専門医に当直をお願いしています。私たち県に、脳の専門医が当直ではいけ ないのでしょうかということに対して、常駐でなければいけないと。それでも私たちは地 域住民に対する責任がございますので、やはりできる範囲でやろうということで、全国平 均に負けないようなデータを出しているのですが、やはり勤務医の疲労は極限に近い状態 です。  ということで、私が今日お話ししたいことは、国のほうで4疾患5事業ということで、 脳卒中あるいは救急、そういうことを強力に推し進めようということが私たちはよく分か りますが、それをもっと現実に即した結果、使用例ばかりでなくて、治療成績に基づいた 評価ということで、より促進する仕組みの導入をぜひお願いしたいと思います。  以上です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  これまで5人の方から御意見を拝聴いたしました。ただいまの意見に対しまして、委員 の方々から御質問等をお受けしたいと思います。  なお、本日の公聴会は、御意見をお聴きするというのが最大の趣旨でございます。した がいまして、今日いただいた意見につきましては、後日取りまとめた上で、それをもとに 御議論いただくという場を設定しておりますので、今日は委員の皆様方には、まことに恐 縮ですが、いただいた意見に対する確認及び質問のみに限定していただきまして、その意 見に対する反論であるとかあるいはそれに対する自分の意見の表明であるとか、その辺は ちょっと御遠慮していただきたいというふうに存じます。  そういうことで、ただいま5人の方からいただきました御意見に対して御質問等ござい ましたら、どうぞお願いいたします。 ○勝村委員  どうも貴重な御意見をありがとうございました。  4番目にお話しいただいた看護師さんの中島さんになのですが、私どもは、看護は医療 の中で非常に大事だと思って、7対1というように看護師さんの価値がより高く認められ ていくという方向で進めていくべきではないかと思います。ところが、進めてみようとし たら、現場でいろいろな弊害があったということをお聞きして、それを何とか是正してい く策を今回は講じなければいけないだろうということで、看護必要度とかそういうものが 出てきていると思うのですが、これが非常にいろいろな面で危惧されるというお話だった のですが、単にこれをやめるということだけではよくないのではないかというふうにも思 うのですが、この看護必要度の表を使わないのであれば、かわりに7対1などのような、 看護師さんの価値を高めていくような今の制度をより進めていくために、これのかわりに なり得る何かいい案とか、もしそういうもののお考えがあったら教えていただきたいと思 います。 ○中島氏  先ほど意見の中でも述べましたように、実際には200人入っても100人がやめてい くとか、そういう病院が多々ありますので、やはりやめていくというところを抑えれば、 一定のところに集中的に看護師が集まっていくとか、そういうものはなくなるわけです。 既に潜在看護師がいるわけですし、渡り鳥のように渡っていく、そういう看護師たちがい るわけですから、そこに定着しないというところの解決というのが先決だと私は考えてお ります。 ○勝村委員  もちろんそれももっともだと思うのですが、おっしゃるとおりだと思っていますが、例 えば7対1を認める医療機関と、やはりこういう医療機関が7対1というのは認めるべき ではないのではないかとか、医療機関ごととか病棟ごととか、そういうのは過渡期にはあ り得るのではないかなと思うわけです。その一つの例として出てきているけれども、この 例はだめだろうとおっしゃる御意見だったと思うのですが、それならば、看護師さんがバ ランスよく勤務していただく、こういうところにもっと看護師さんが必要だというところ の看護師さんが足らなくなって、逆に、一方の医療機関の看護師さんは余裕が出るかのよ うに、偏在みたいなものの問題はないのでしょうか、最終的に絶対数を増やしていくこと はもちろん重要なのですけれども、限られた数の中で偏在をなくして、7対1を、たくさ ん必要なところにきちんと健全に看護師さんが配置されていくような方法みたいなものの 基準みたいなものはないのですか。ちょっと御無理な質問でしたら申し訳ないのですけれ ども。 ○中島氏  私個人の意見としては、現在7対1がとれているところは、必要があってとれていると いうふうに、必要のあるところだと思っておりますので、無駄な人材が投入されていると は思っておりません。 ○土田会長  ありがとうございました。よろしいですか。  ほかにございますか。 ○山本委員  薬剤師の方の御発言がありましたので1点確認をしたいのでありますが、先ほどの御趣 旨につきましては十分私も理解をしたつもりであります。その上で、先生の御指摘の部分 につきまして、私なりに考えたので確認をしたいのですけれども、私どもの基本調剤料、 医科で言う基本診療料になるのでしょうか、そうしたものが私ども経営そのもののいわゆ る基盤になっているということからすると、後発品を進めていこう、あるいはさまざまな 手配をしながら評価を変えるということについては理解できるけれども、基本的なそうい う部分が安定していないと、薬局としてさまざまなサービスをする上で、極めて脆弱な経 営基盤になってしまう。したがって、今回のメリハリをつけることについては十分に理解 をされて、努力されるという御指摘でありますけれども、そのときにもあまり激変の起き ないような、そうしたことをぜひ考えろというような御主張でよろしいのでしょうか。 ○島田氏  ちょっと説明の仕方が言葉が足りなかったと思うのですけれども、そのとおりでござい ます。ですから、何度も繰り返しますけれども、後発医薬品は全くそのことに異論を挟む ものではありません。しかし、薬局がやらなくてはいけない仕事は、決してこれだけでは なく、服薬指導から在宅・地域へのいろいろな作業があるわけですけれども、こういった ものも後回しにできない仕事がたくさんあるということで、今回のこのジェネリック、い ろいろな面で今後のために絶対必要でございますし、今までの私たちの努力はまだまだ足 りなかったということでの御指摘かとは思うのです。  しかし、まだまだやることはたくさんあるので、そのための財源ということからすると、 もう少し、今回ここに挙がってこなかった部分についての評価ももっと見ていただいて、 普通にまず経営という基盤も安定させていただきたい、そういったことで申し上げたいと いうふうに思います。 ○山本委員  理解いたしました。まさにそのあたりにつきまして、ぜひ皆様方も御理解いただきたい のでありますが、今回の基本的な方向性がございましたので、私どもとしましても、自分 たちの基本給に係るような部分について見直しをされるということについては、苦渋の選 択をしたわけであります。そうでありますけれども、その部分が実は安定的な経営に係る ということをぜひ御理解をいただくようにお願いしたいと思います。 ○土田会長  ありがとうございました。  ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、ございましたら、またもう一度機会はございますので、そ のときでも結構だと思います。  それでは、また再開させていただきたいと思います。よろしいでしょうか、御用意は。  それでは、6番目の方、どうぞよろしくお願いいたします。 ○金井氏  群馬県自動車販売健康保険組合の金井でございます。よろしくお願いいたします。今日 は、このような場で意見発表の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。保 険者である健康保険組合の立場から、若干意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、平成20年度の診療報酬改定に係る検討状況でありますが、骨子を見ますと、こ のところ大きな問題になっている病院勤務医の負担軽減を図り、特に産科、小児科、救急 医療につきまして、いろいろな対策を講じていることに対しまして、今後を期待しており ます。また、医療の連携の強化や在宅医療の推進等のための措置を講じることとしており、 医療提供の面から見ても大変望ましい方向が示されていると思います。骨子の中で5点ほ ど述べさせていただきます。  まず第1点でありますが、再診料であります。再診料については、格差是正について検 討するということでありますが、病院を手厚くするという方向を国民に分かりやすい形で 示し、診療所の点数を大幅に引き下げて、病院の点数を引き上げることを要望いたします。  次に2点目でございますが、医療費の内容の分かる領収書の発行でありますが、患者や 国民が医療に対する認識を深め、積極的に医療に参加できるように、早期に明細書付きの 領収書を無料で発行することを義務づけるよう強く要望いたします。  3点目でございますが、診療報酬体系の簡素合理化でありますが、骨子には、歯科や調 剤において指導料、管理料を簡素化する考えが示されておりますが、医科についても一層 の簡素化、合理化を図っていただきたいと思います。  第4点でありますが、処方せん様式の変更など、後発医薬品の使用促進を図るための措 置を実施することとしている点は評価できますが、実施後の状況を検証していただきたく、 薬局における後発医薬品の調剤率等について見直しを行うようお願いしたいと思います。  最後に、レセプトの様式及び記載要領についてでありますが、レセプトのオンライン化 が進む中で、レセプトの点検強化は当組合の最重点項目となっており、有効活用を図るた めに次の事項の見直しをお願いしたいと思います。  まず、記載可能な傷病名の統一、次に、傷病名と診療行為の対応関係の記載の義務づけ、 それから、いわゆる175円ルールの廃止、医療機関の電話番号の記載の義務づけ、調剤 レセプトへの医療機関コードの記載の義務づけ、都道府県等単独医療費助成事業の適用の 有無と助成の記録の義務づけであります。以上5点でありますが、よろしく御検討されま すようお願いいたします。  健保組合を取り巻く状況でございますけれども、後期高齢者支援金や特定健診の義務化 に伴う費用、政管健保への財政支援等により、財政運営が大変厳しい状況でございます。 また、こうした中で、療養病床を老人保健施設に転換するための助成金も負担することに なっております。今回の改定が保険料を負担している加入者が納得できるような改定とな るよう切にお願いしたいと思います。  以上です。ありがとうございました。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、7番目の方、お願いいたします。 ○山崎氏  日本がん患者協会の山崎と申します。自分たちは、がん患者さんのために、医療提供者 の方々と一緒に協力しながら、日本のがん医療の向上を目指しております。私たちは、N POで活動の一環として、日本のがん患者さんのためにフリーペーパーとしてこういう情 報紙を発行したりもしております。今日、これまで会議を聴かせていただきまして、初め てのこういう場だったのですけれども、第一印象として、とても雰囲気が暗いなというの でびっくりました。もっとパワフルなものかなと思いました。なぜこんなに雰囲気が暗い のかなと思ったら、後ろ向きの努力というのですか、後ろを向きながら一生懸命何か努力 しているような、何か未来に展望がないというか、明るさがないのです。  今日、自分が話したい結論というのは、基本的な基盤をしっかりと確保しながら、よい 医療を実践した人が本当に報われるシステム、未来に対して明るくなる医療というのを診 療報酬などでしっかり枠組みをつくっていかないと、個別な問題ではなくて、総合的にそ ういうことをしていかないとどんどんだめになってしまうのではないかというのを今回痛 切に感じたということです。  自分たちのいろいろこれまでやってきた中で感じたことなのですけれども、まず、大き く分けて2つの視点が必要だなと思います。1つは、ツールとして、エビデンスに基づい た診療ガイドライン、これは科学的根拠にのっとって標準的な医療を全国津々浦々に広げ ていくこと、もう1つが、地域連携のクリティカルパス、医療機関というのは、がんに対 する医療の質というか、段階によって、最高レベルの都道府県のがん診療拠点病院から開 業医の方まで、レベルがあってしかるべきでしょうと。病院の中でも、チーム医療といっ て、内科の先生、外科の先生、放射線の先生、チームを組んで1人の患者さんを総合的に 診なければいけない、この3つがツールとしてよくうたわれています。  もう1つの視点ですけれども、評価の方法です。普通、構造と経過と結果というものが あるのですけれども、構造というのは人員だとか整備の問題とか体制のもの、これはけっ こう評価をされていると思うのですが、その次の過程、プロセス、先ほどガイドラインの 話をしましたが、標準的な医療がちゃんとやられているのかどうか、そこで診療報酬を決 めるというのもあると思います。その結果としてのアウトカム、ちゃんと医療をやって、 そこで正しい結果が出ているのか、いくらお金を使っても、結果が出なければ患者さんに とって意味がありません。  そのような2つの視点をとって、ではどうすればいいかといいますと、まず、基本的に はどの医療機関でも、機会の公平、ちゃんと基本的な基盤をしっかりした上で標準的療法 をやっていればポイントが、診療報酬が上がるとか、そういうルールを、透明化、明確に してほしい。  それと、医療をよくするためにはある程度競争も必要だと思います。これは小泉内閣の 構造改革ではないですけれども、何でも自由にやれということではなくて、あくまでも基 礎があってのプラスアルファの競争ということです。やはり結果を正しく評価しないとや る気が出ない。一生懸命やったらそれだけ報われるなということになれば、医療提供者の 方々もやりがいが出てくるのではないでしょうか。そのために、今回もありますけれども、 医療の質をしっかりと評価する、これは大変私たちも評価しております。  そういうようなことを踏まえて、よりよい医療をするためには、ちゃんとした未来に希 望が持てるようなシステムをつくってほしい。それががん患者並びに国民の願いですので、 よろしくお願いいたします。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、8番目の方、お願いいたします。 ○浅倉氏  私は、薬害被害者団体連絡協議会の薬害肝炎東京訴訟の原告浅倉美津子と申します。神 奈川から参りました。  薬害肝炎原告として、現在問題となっているカルテなき感染被害者の問題を教訓とした 患者に対する望ましい医療内容情報の提供の在り方について意見を述べさせていただきま す。  私は、1988年、次男を出産した際にフィブリノゲンを投与され、肝炎に感染しまし た。感染して15年たって、薬害肝炎弁護団のホットラインに電話して、それまで高齢出 産で37歳のときですが、大変なお産をしたために肝炎に感染してしまったのだと、ずっ と自分を責めていましたけれども、弁護士さんの後押しもあり、思い切って主治医に話し、 やっと投薬証明を出してもらいました。看護記録にフィブリノゲン2グラムと記載されて いたのを見て、私は、つかの間ですが安心しました。それくらい自分を責めていた時期が 長かったのです。私が薬害被害者だったとは思いもかけないことでした。  今回要望している意見は、薬被連ができた当初から要望していることであり、患者にと りましては当たり前の要望事項であると思います。  私はスーパーでレジ係をしていますが、お客様は、自分が買われた商品とその明細、レ シートを細かくチェックしておられる光景がよく見られます。私たちレジ係には、上司か ら毎朝、「間違ってはならない」と厳しく指導をされます。ところが、病院では、項目別 に点数が記載され、その内容を詳しく見ることができません。これでは、私たちにどんな 製剤が投与されたか、知ることができません。薬害肝炎は先日、議員立法の成立により、 提訴から5年たって解決することができました。薬害肝炎の弁護団が設けているホットラ インには連日、自分が何で肝炎にかかったか分からない患者さんの声がたくさんかかって きます。投薬証明がないと裁判に原告として加われないと説明しても、その証明が、カル テが残っていない病院が多く、得られないのです。これは薬害肝炎の問題だけではありま せん。すべての患者さんが自分にどんな製剤などを投与されたか、知る権利は与えられて 当然だと思います。潜伏性、蓄積性の健康被害に関しては、共通して言えることであり、 今後国民が安心して暮らしていくために、極めて重要なことであります。  私たちは、薬害を二度と起こしてほしくないと思っています。こうしたことが進められ れば、薬害根絶の一歩になるのではないでしょうか。種類だけではなく、商品名が記載さ れたレセプト並みに個別の診療報酬単価まで確認できる明細書を無料で発行することを公 的に義務づけていただきたい、強く思います。よろしくお願いいたします。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、9番目の方、お願いいたします。 ○中本氏  本日は、このような意見を発表する場を与えていただきまして、ありがとうございます。 こういう場所で発表するとあまりイメージしていなかったので、ちょっと戸惑っている部 分もあります。私は、前橋市から車で1時間ぐらい行ったところの市にあります445床 の急性期のDPCを算定している病院の医療情報管理課という課があるのですが、そこに 勤務しています事務員でございます。あまり難しいこととかは日ごろ考えたことがないの で、あまり意見が言えないのですが、私どもの病院の置かれている現状などについて、地 方の中核病院の現状はこういうことなのですということを言いたいので、そのことについ て話させてもらおうかなと思っていました。  私、先ほど前の方のお話が出たので、ちょっとその話もさせてもらいたいのですが、カ ルテの管理とかも専門でやっていますので、フィブリノゲンの問題がありまして、私、こ こ1週間ぐらいはずっと、私どもの病院は昭和52年以降のカルテがありますので、それ の検索作業をほとんど朝から晩までやらせてもらっている現状です。  それと、私の言うことの前にもう1つあったのですが、内容の分かる明細書の発行を義 務づけてほしいという意見もお話でいろいろ出ていたのですが、もちろん発行することも できるのですが、発行して終わりではないと思いますので、やはり見る側の人に、病院の 職員としてはここはこういうふうに見るのですよとかいう説明も必要でしょうし、内容に ついての問い合わせを、また事務のほうから先生に戻して、また先生のほうから説明して もらうとかということも考えていかないと、なかなか、ただ発行することは点数かもしれ ないのですけれども、その後のフォローが難しいなというふうにいつも感じています。国 として決めていただければ、その方針に従ってやるしかないなとは思っているのですが。  それで、ちょっと今日私が話そうと思ったことになるのですが、私どもの病院は医師不 足の影響を受けまして、445床の急性期の病院なのですが、今年度をもちまして内科、 産婦人科の派遣医が撤退してしまいます。二次医療圏のいわゆる総合病院でお産を取り扱 っている病院は私どもの病院だけでしたので、お産については総合病院とかで入院治療す る必要がある人の医療は完全に崩壊します。それと、内科のほうも、外来も入院もほぼ閉 鎖という状況になってしまいます。  そこで、私どもの病院では、地域の医療を支えるために、一番患者様の接遇のこととか もいろいろ考えているのですが、まず医師を確保することが最重要項目というふうになっ ていまして、取り組んでいるのですが、やはり病院は医師が勤務したくなるような魅力の ある病院にしていかなければとは思っています。  そこで、どのようにすれば先生方が集まってきてくれるのかということで、一例として、 医療の質の評価、どのような方法で評価をするのか分かりませんが、そういう評価で点数 を重ねてそれを算定しているということもその一つにはなるかもしれないとは思っていま す。  それで、DPCの病院なので、DPC導入の影響評価に関する調査というのに何年か続 けて協力していますが、それではちょっと評価することはやはり難しいのではないかと思 っています。  あと、これからは、私は情報を管理する者としまして、一般の市民に対してもいろいろ なデータを公開していかなければいけないというふうに思っておりますが、ただ、例えば、 例えばで申し訳ないのですけれども、がんの5年生存率を公表したところで、ホームペー ジ上ではいろいろ出ているところはあると思うのですが、それを見てどういうふうにとる かはその人たちの考え方で、そのデータの情報を読み切ることはちょっと無理なのではな いかなというふうにすごく思っています。一般の市民の方への啓蒙はどのように行ってい くのでしょうかというところも国に対して聞いてみたいと思っています。  それから、今日はマスコミの方も見えていると思うのですが、こういうことを言ってい いのかよく分からないのですけれども、新聞紙上で、DPC病院をいろいろたたいた記事 とかを最近目にしましたが、私、以前医事課という課で、DPCのレセプトをさんざん全 部見ていまして、例を出して悪いのですけれども、確かにこの間の病名のつけ方はおかし いところもあるかもしれないのですけれども、間違っているとも言えないのではないかな というふうに思っています。いわゆるアップコーディングです。ですが、病院としては、 患者さんの治療が第一なので、例えば1枚のレセプトで出来高算定と比べまして、例えば 私が見た中では、300万円ぐらい減少してしまう症例もありました。「これはどうしよ う」とかという話になって、医事課の方で相談に来る方がいるのですけれども、「それは そのまま請求するしかないよね」というので、そういうのも月に何例もあります。やはり マスコミの方も、やはり一般の市民の方に影響力が非常に大きいと思うので、そういうア ップコーディングしている部分はあるのかもしれないのですけれども、そういう部分もあ るということを、よい面・悪い面も一緒に新聞紙上とかに出してほしいなという要望もあ ります。  ちょっとまとまらないのですけれども、私の意見とさせていただきます。ありがとうご ざいました。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、最後の方、お願いいたします。 ○園田氏  このたびは意見発表の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。私は、 神奈川県保険医協会の園田と申します。医療関係者で横浜在住です。  私がまず意見として申し上げたいのは、診療所の再診料の引き下げはすべきでないとい うことです。現在医療崩壊が叫ばれ、勤務医の先生方が大変になっているということは十 分承知しております。そして、今回の診療報酬改定で勤務医の負担軽減が議論され、診療 側委員の先生方も、診療報酬本体のプラス改定部分は勤務医対策に充ててもいいとおっし ゃっておりました。しかし、支払側の委員の先生方は、さらに診療所の再診料を引き下げ て、その分も勤務医対策に充てろとおっしゃっております。これは厳しすぎると思います。  そもそも再診料は、医師の診療を評価した基本的な技術料です。しかし、患者に対する 医療機関の責任は直接診察をしているときだけでなく、医療機関の門を患者さんがくぐっ てからは、既に患者に対する責任が生じているのです。例えば診察が終わって患者が会計 を済ませて帰るときに医療機関内で何か事故が起きたら、医療機関の責任が問われる可能 性があります。そのため、医師は、医師賠償責任保険などに加入して対応したりしていま す。また、昨年4月からは、医療法改定で、医療安全管理対策などの義務化が法文化され ました。それまでも医療安全管理対策は各医療機関で行っておりますが、開業医の医療機 関でも、従業員研修などの体制整備を進めています。  さらに、外来医療においては、医師の診療の補助を行う看護師の評価がありません。受 付事務員の評価もしかりです。これらの対応の費用は、事実上再診料が担っています。そ の意味では、再診料は医師の基本的技術料評価のほかにその医療を支えるバックグラウン ドも担っていると言えるのです。  加えて、現在の保険ルールでは、再診が継続している場合、患者が別の疾病を発症して いわゆる初診と同様の診療を行っても、初診料の算定はできません。診療所では再診料の 710円の対応ということになります。このように、再診料710円の中で事実上評価し ている範囲はとても大きいものがあります。  ですから、再診料の引き下げは医療機関に与える影響が大きく、医業経営への打撃はは かり知れません。昨年の医療機関の倒産は、一昨年と比較して1.5倍となったことが報 道されました。しかも、その数は、経営難による破産や民事再生などの法的整理になった ものの数だけの集計となっています。自主的に閉院した医療機関の数は含まれておりませ ん。つまり、潜在的な倒産の数はもっと多いことが想定されています。これも、2006 年4月に行われた診療報酬改定で再診料を引き下げた影響が出ていると思います。  このまま医療機関の倒産が進めば、地域医療の崩壊が目に見えています。地域医療を担 う開業医は、学校保健や、幼稚園・保育園の園医などの役割も行っています。さらに今、 メタボリックシンドローム対策が話題になっていますが、これまで健診や早期治療による 重症化予防などの第一線医療を担う開業医が多くの役割を果たしてきています。しかし、 再診料の引き下げで、その第一線医療を担う開業医の診療所が成り立たなくなれば、残っ ている医療機関に患者が集中することになります。それと同時に、予防を含めた地域の第 一線医療まで担当することになります。そうなると、大げさかもしれませんが、その分、 勤務医の負担がさらに増してしまうのではないでしょうか。そうなっては、勤務医対策が 本末転倒となり、中医協委員の先生方の本意ではないと思います。  地域の医療機関の経営を安定させ、いつでも、どこでも、だれでも、お金の心配するこ となく医療機関に受診できる体制をつくることが勤務医対策にもつながると思っています。 そのためにも、地域の医療機関の大切な原資である再診料は引き下げないよう御配慮願い たいと思います。  以上です。御清聴ありがとうございました。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  5人の方からまた御意見を承りました。先ほどと同じように御質問等ございましたら、 どうぞお願いします。 ○渡辺委員  6番目の健保組合の方の最後のお話の中で、私は歯科を関係しておりますが、歯科関係 で指導管理の体系の簡素化という形で今回その方向性で行くということになりました。そ こでまた、2番目にお話しされた千葉の先生のお話との両方関係してちょっとお伺いした いと思っていますが、まず、歯科の先生のお話で、16年のときの歯周病を総合的に管理 するというシステムは、約80%まで先生のところで普及してきたというお話がありまし た。それが18年度の総合的に診るというものが入ったときには、それにはほとんど乗れ なくて2%ぐらいだったというお話です。そうすると、そのほかの方々、患者さんは、多 分別の1つの指導管理の体系で対応されたと思うのですが、その点についてどのような対 応をされたのかをお伺いしたいと一つ思います。  それから、組合の御発言された方の中で、今度20年度改定に向けて新しく幾つかの管 理体系、指導体系をまとめて一本化するときに、また18年度のような形で制度設計が失 敗してしまいますと、患者さんをそれで対応することができない。ですから、そういうこ とのないようにきちっとしなければいけないと思いますが、そういう点についてお考えが 何かありましたら、お伺いしたいと思います。 ○土田会長  ちょっと確認したいのですが、今何番目の方への御質問ですか。 ○渡辺委員  2番目の歯科の方です。それから後は6番目の健保の方です。 ○土田会長  お二人ですね、わかりました。それでは最初に歯科の方。 ○松浦氏  私が先ほど申し上げた指導管理料体系のお話なのですけれども、ここ数回にわたって管 理料が頻繁に考え方が、考え方が変わっているわけではないと思うのですけれども、算定 の縛りというのですか、方法というのか、非常に厳しくなってきていたり、変更されたり しているということで、先ほど渡辺委員がおっしゃったように、平成16年の管理のとき には、できるだけ歯周病を管理していこうという考え方が厚労省から示されて、我々はそ れに乗っかったというのか、その考えに大賛成でありまして、できるだけ我々の保険点数 上では不利益になったとしても、患者さんのために歯周病の継続管理をしていこうという 努力をまさにして、もう波に乗りかかったところではしごを外されたようにその管理料が なくなってしまった。それで新しい管理料が入ってしまった。その管理料は、幾つかある のですけれども、先ほど言いましたように、縛りが多くて、患者さんも乗ってこない、医 療機関も乗ってこないということで、非常に算定率というか、やっていただける医療機関 も患者さんも少なくなってしまったということが現状でございます。  今度の指導管理の体系というのを考えるときに、そう毎回その評価というのかが変わる ような指導体系ではなくて、もうちょっと骨太の、これで行くのだということを患者さん にもお示しいただいて、医療機関にもお示しいただいて、それで都合の悪いところという か、使い勝手の悪いところは少しずつ直していただく、そういうことをしていかないと、 歯科医療の基本的な考え方というのが国民の皆様に浸透していかないだろうと。我々がい くら努力してもまた変わった、また変わったという、点数だけの問題ではなく考え方の問 題であると考えております。  ですから、その点、今回の改定においては、できるだけそういう我々の意見を踏まえて いただいて、たくさんの患者さんに適正な医療の方向にできるような指導体系を望んでお ります。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、6番目の方、お願いします。 ○金井氏  医療のほうについての簡素化の件でございますか、質問がちょっとよく分からないので すけれども。 ○渡辺委員  指導管理体系の簡素化で一本にまとめていくという方向性ですね、それについて最後に お話しされたと思いましたので。歯科のほうは確かに今回その方向で行くという方針が固 まってきている、固まりつつあるというところでございます。それをお話しされたと思い ましたので。 ○金井氏  今後、医科についても歯科同様に検討して改善を図っていきたいと。具体的にはちょっ とここで申し上げられませんけれども、骨子を見て感じたものですから、意見として言っ たわけでございます。よろしくお願いいたします。 ○土田会長  ほかにございますか。 ○邉見委員  前半の方でもいいですか。1番の田中先生が質問で、中医協はなぜ0.38%になった かという算定根拠ですね、これは本来会長か事務局が答えることかもわかりませんけれど も、私の意見が間違っていたら直してくれると思いますので、私なりに述べさせていただ きたいと思います。  今回の改定、プラスになりましたが、財政審議会などはマイナス3%あまりの、下げろ と言っていました。過去ずっと下げてきたので、医療崩壊と今言われておるような現況を 招いたということで、勤務医を中心に少し上げないともたないだろうということで、全会 一致とまではいかないですけれども、その方向で大体ということで決まったのです。  その中にはやはり財源がありますから、いろいろなことがあって、これはまず内閣が決 めたのです。その後いろいろなところで。そして、どういう手技とか、そういうのもかな り考慮はされていますが、一つ一つの積み上げ方式ではないだろうというふうに、こうい うところにメリハリをつけようということで決めていますから、先生がおっしゃったよう に、この手技が何ぼあるからどうだということではないだろうというふうに思っておりま す。  だから、先生の御質問のもう1つには、こんなことで勤務医はよくならぬのではないか、 直接給与表で公務員は上がれないと、それはおっしゃるとおりですけれども、事務職の増 員とかをして、そういうことの周辺業務を減らすことによって、間接的に、風が吹けばお け屋がもうかるというよりはもっと近い段階で楽になるのだろうというふうなこともこの 委員会ではいろいろ考えて、もちろんほかの施策、医師数を増やすとか、先ほど4番目の 方がおっしゃったように、看護師数を増やすとか、そういうふうなこと、周りのことも含 めてということだというふうに私は解釈しております。  それからもう1つよろしいでしょうか。もう1つは、4番目の中島さんがおっしゃった、 勝村委員のほうからも少し御質問があったと思うのですけれども、7対1のところが全部 が全部いいかと、多分いいのだろうと思うのですけれども、中にはここはちょっとという ところがあるやに聞いております。これを調べるために、こういうふうな看護必要度とい う、ある程度のスケールというか、ハードルというか、物差しがないと、入院患者さんを 少し減らしたりしてとったところもあるように聞いておりますので、本当に看護が必要な ところにそういう看護師さんが集まらないと苦しいところがたくさん出てきていますので、 そういうことを防ぐためにこれはしたと、我々はそういうつもりでやっているつもりです。 ちょっと分かりにくいかもわかりませんけれども。そうですね、会長。 ○土田会長  はい、結構でございます。どうもありがとうございます。  まだおありかと思いますが、実は、タイムスケジュールでは、本来今の時間がちょうど 2時50分ぐらいの予定だったのですが、多少オーバーしております。それで、実はこの 10人の方の御意見を多少僕のほうでまとめるような最初の予定でございましたけれども、 今日いただきました御意見につきましては、後で事務局のほうで、今同時にパブリックコ メント、皆さんの御意見をホームページで募集しておりますので、それとあわせてまとめ ていただいて、それを題材にしてもう一度中医協の場で議論したいということにしたいと 思います。したがって、ここでは特に今日10人の方からいただいた御意見についてまと めることはいたしません。後で事務局のほうでまとめて公表させていただきます。  ただ、一言だけ申し上げておきたいのは、7番目の方が非常に暗いというふうにおっし ゃいましたが、僕たちは決して後ろ向きの議論をやっているわけではありませんので、つ まり、明るい未来に関して非常に明るいシステムをつくってほしいという御意見、全く同 じ気持ちでございます。したがって、いろいろと議論は厳しくやって、中には暗い気持ち で帰る委員もいらっしゃるかもしれませんが、ただ、それはもうそういうことで進めてお りますので。ただ、1つは、診療報酬改定を通じてできることというのはある程度限られ ておりますので、限られている範囲内では最大限の努力をしているつもりですが、ただ、 そこで医者の数を増やすとか、そういうことはなかなかここでは権限はございませんので、 一定の範囲でしかできませんが、でき得る限りのことはしていきたいと思っています。  そういう点で、今日のこの公聴会を振り返ってみますと、やはり中医協の場で話してい ることは、一応患者の方なりあるいは保険者の方なり医療関係者の方も、踏まえながら議 論しているつもりですが、やはりこういう生の声を聴くというのはこんなにいいものかと いうふうに改めて感じております。皆様方の御意見をすべて生かすというわけにはいきま せんが、必ず参考にしながらこの後の議論を進めていきまして、できるところとできない ところはもちろんございますけれども、できるだけ反映した形で議論を進めていくという ことだけはお約束したいと思います。本当に今日はいろいろありがとうございました。  それで、今日のこの公聴会は、ちょっと時間を6分ほどオーバーしておりますが、これ で終了させていただきます。この後のことはあとホームページ等でごらんいただきたいと 思います。  それからもう1つ申し上げておきますが、先ほどちょっと言いましたように、厚生労働 省のほうのホームページで、今皆様から診療報酬改定の骨子につきましてパブリックコメ ント、御意見を募集しております。それで、締め切りは実は今日まででございますが、今 日ここに御出席、御参加いただいた方々で御意見がおありの方は、ぜひパソコンを開いて いただいて、そこで意見を打ち込んでいただきたいというふうに存じます。どうぞよろし くお願いします。  それでは、時間をオーバーして恐縮でございますが、公聴会はこれで終了させていただ きます。どうも本日はありがとうございました。  それで、引き続きまして総会を開催いたしたいと存じます。準備が整うまでしばらく休 憩します。                  〔暫時休憩〕 ○土田会長  水曜日の総会の場におきまして、私より1号側委員及び2号側委員に対して、現在一致 を見ていない事項につきましてそれぞれの御意見をおまとめいただくというお願いをして おりました。本日は、その意見について発表をお願いしたいということでございます。  なお、ここでは時間の制限がございますので、討論ではなくてお互いに言いっ放しで結 構でございますので、そういう形で意見表明をしていただきたいということでございます。 その後で僕のほうでちょっとそれを集約したいと思っておりますが、そういうことでお願 いしたいと思います。  最初に、1号側委員、どうぞ。 ○対馬委員  進め方として確認しておきたいのですけれども、先ほど特に再診料については私どもも 申し上げたのですけれども、これはやはり場が違うということで、もう一度お話しさせて いただいてもよろしゅうございますか。  それでは、3点ですけれども、まず、一番重要な再診料の格差の是正の問題についてお 話しさせていただきたいと思います。先ほどは理由を2点申し述べたのですけれども、少 し丁寧に3点についてお話しさせていただきたいと思います。  1点目は、これまでの改定で中医協として行ってきました大きな方向づけ、枠組み、こ れは前回改定、それから前々回改定、正確に言いますと、前々回改定からそういう方向性 が定まったと、こういうふうに思っていますので、それが1点目です。つまり、平成15 年から患者負担が3割になったということから、それまではどちらかといいますと、診療 所について初診・再診料については評価してはどうかと、病院と診療所の役割分担といい ますか、機能分化といいますか、そういったことからそうなったわけですけれども、やは り15年以降は変わったのだろうと認識しています。  先週の資料にもありましたけれども、まず初診料について申し上げますと、16年度改 定で格差是正を図ったのです。18年度改定では完全に統一し、270点、2,700円 ということです。それから再診料につきましては、18年改定で1点ですけれども、格差 是正を行ったのです。ですから、初診料と再診料、性格が若干異なるという意見もあるか もしれませんけれども、私どもとしては今回が再診料については統一ないしは大幅な格差 是正のタイミングだと認識しているということであります。理屈の立たない格差について は解消を図っていくというのが中医協としての基本と思っています。  なお、200床以上の外来診療料、これについてはあまり議論しておりませんけれども、 基本的には、今申し上げたことが基本だろうというふうに思っています。  それから2点目であります。緊急の課題である、病院の勤務医への負担の軽減、処遇の 改善、これに対して中医協、診療報酬としては目に見える分かりやすい対応を図ることが 必要だということであります。全体財源が厳しい中で、財源をあえて捻出してでも病院勤 務医へ投入を図っていくのだろうということからしますと、やはり診療所の点数を下げて 財源を捻出して、それを病院の点数の上げ下げに充当していくのだと。診療所は我慢をい ただきまして、同じ仲間である病院勤務医に対してエール、財源付きのエールということ になるかもしれませんけれども、それを送っていいただけないかというふうに思います。 今回改定の意味するところ、象徴的な意味合いや明確なメッセージであることを含めまし て、ぜひそういうことをやっていくべきではないか。たしか先週、大島専門委員もお話し されていましたが、私どもの意見とほぼ同様の趣旨かなというふうに忖度(そんたく)し たところなのですけれども、2点目はそういうことです。  3点目は、これも先週申し上げましたけれども、やはり今回の改定では痛みを分かち合 うという視点が重要だろうと思います。診療報酬の改定、プラス0.38%によって医療 費は1,000億を超える規模でもって増える。その負担は、御承知のとおり、患者、保 険者、国などが負担していくことになるわけです。ですから、保険者は当然負担すること になります。  さらに加えて、私どもは、国庫負担削減ということで、健保組合750億円、共済25 0億円、合わせて1,000億円の支援金の負担が課せられることになるわけです。そう しますと、社会保障費2,200億円のシーリングがあって、その中で片やプラス改定だ と、片や私どもとしてはそのプラス改定に伴って負担が増えますし、さらに先ほど申し上 げました1,000億円の負担増ということになるわけです。  そうしますと、私どもとしては捻出にも本当に苦慮するわけで、せめてその財源という のは、患者にとっても国民にとっても喫緊の課題である産科、小児科、こういった勤務医 への負担軽減、処遇改善に重点的に投入いただく。それで我々の被保険者が必要な医療給 付がしっかり確保できる、こういったことを要求するというのは当然ではないかと。また、 そうしませんと、国民的な納得なり共感も得られないのではないかと思います。  次に、外来管理加算について申し上げます。外来管理加算、52点、520円ですね。 これは確かに目に見える処置等をしなければ計画的な医学管理ということになるのでしょ うか、点数を取ることができるということで、患者にとっては一番分かりにくい加算項目 の中の一つだと思うのです。したがいまして、今回事務局からも何とかして分かりやすい、 見えるような形にしたいということで、一応5分要件ということでお出しいただいたとい うことであります。ただ、5分要件を設けまして、丁寧な説明については評価するという ことだが、初診料・再診料というのは、ある意味丁寧な説明というのは当然前提としてあ るのではないのかなとも思うのです。そういう中で5分要件といいますのは、恐らく相当 忙しい中で、診療現場の中でもこれは4分なのか、これは6分なのかというのは、非常に 苦慮されるのではないか。つまり、実態に本当に即しているのだろうかと。いたずらな混 乱を招かないのだろうか。そのことが患者の窓口負担のところで、「いや、4分だったは ずだ」とか、そういったことにならないかと。さらには過誤請求とか不正請求につながっ ていかないかと、こういったことを危惧するわけであります。  私どもとしましては、今申し上げたような問題がいろいろありますので、あまり拙速的 に今回決めるということではなく、問題意識を共有するということにとどめてはどうか。 次回の改定に向けて、例えば内科的な診療の評価の在り方はどうすればいいのだろうか、 ないしは外来の包括評価についてどうしたらいいのだろうかと、そういったことについて、 外国の事例というのはなかなか参考にならないという話も聞くのですけれども、いずれに しても、もう少し広い観点から議論していってはどうかと思います。  つけ加えまして、5分要件を設けることによって、結果的に財源を捻出することも一つ の目的ということであれば、こういった外来管理加算に手をつけるということではなく、 むしろ、先ほども申し上げました再診料の格差の是正ということで対応を図っていったほ うがよろしいのではないか、こういうふうに思います。  3点目は、デジタル映像化処理加算の問題です。支払側としましては、恐らく診療側と しても異論がないところだと思うのは、まずは医療技術の進歩に伴いまして、診療報酬上 の評価についても絶えざる見直しを図っていく、これがやはり基本スタンスだろうと思う のです。  画像処理技術につきましても、このデジタル映像化処理加算は昭和63年に導入され、 技術が普及して、今現在70%ぐらいまで来ているようですので、本来の役割を終えたと いうことであれば廃止していくと。このことがフィルムレスにもつながっていく。その上 でコンピューター画像管理加算をしっかり評価していくのだろうと、こういうふうに思い ます。  廃止そのものは将来的な見通しがつかないとか、いろいろ設備投資をやったではないか と、こういったことはあるのかもしれませんけれども、そこは必要な経過措置を設けてい く。前回の事務局案でいきますと、大幅な減額をした上で2年間存続ということですね。 ですから、そのあたりについては若干の話し合いの余地というのはあるかもしれません。 いずれにしても、必要な経過措置を講ずることについては私どもとしても理解したい、こ ういうふうに思います。  なお、このあたりについては、医療技術評価分科会とか、先進医療専門家会議でも議論 されているのではないかと思いますので、そういった議論を踏まえ、先ほど申し上げたよ うなことで、診療側には御理解賜れればと思います。 ○土田会長  よろしいですか、以上でしょうか。  それでは、2号側、お願いいたします。 ○鈴木委員   それでは、お話をさせていただきます。最初、経過からまとめてみましたので、よろし くお願いします。  産科、小児科をはじめといたしまして、救急医療等、急性期を担う病院の勤務医が疲弊 しているということは、私どもも十分に認識をしております。このため、日本医師会とい たしましては、平成20年度診療報酬改定においては、これらの病院勤務医の処遇改善の ために限られた財源を重点的に配分いただくよう、中医協の場でも重ねて表明をしてまい りました。昨年秋に後発医薬品の使用促進について議論した際に、事務局から処方せん様 式の変更の提案と同時に、現在設けられている後発医薬品使用促進のための加算について 廃止の提案がなされました。この加算は主として診療所の収入源となってきたものですが、 私どもは、廃止により捻出される財源は、全額病院勤務医対策へ振り向けるべきといち早 く表明したことは御記憶に残っていると思います。  また、昨年末に診療報酬改定率が決定され、本体部分について8年ぶりに引き上げられ ることとされましたが、このプラス分については、診療所への配分は求めず、すべて勤務 医対策の財源としてお使いいただければとの意見表明を公式にしております。  さらに、本日先ほどお配りいただきました「現時点の骨子」を取りまとめるに当たって も、軽微な処置を廃止して、再診料等の基本診療料において包括的に評価をすることや、 検査判断料の引き下げについて、主に診療所について大きく影響することは理解しながら も、勤務医対策のために使っていただければとの考えの下で了承をしております。  しかしながら、たび重なる診療報酬引き下げにより、日本医師会の会員の半数を占める 診療所の開業医にも経営上の圧迫が差し迫ったものとなっております。現在争点となって いる再診料と外来管理加算、これらは後期高齢者と若人の両方でありますけれども、さら にデジタル映像化処理加算についての引き下げの措置につきましては、診療所にとってこ れ以上耐え切れるものではなく、承服しかねるものであります。  特に再診料についてでありますが、この骨子に関する議論の中で、歯科診療報酬点数の 改定において、一部の処置や手術を基本診療料に包括し、再診料等を引き上げることで意 見の一致を見ております。これと同じように考えるのであれば、医科診療報酬においても、 軽微な処置は基本診療料で包括的に評価することで再診料を引き上げるべきということに なろうかと思います。なお、この引き上げるべき額については、再診料の点数に換算すれ ば2点程度と思われ、仮に再診料が据え置きとなった場合でも、事実上2点の引き下げ措 置と同等の措置になるというふうに認識をしております。  さらに、病院と診療所の再診料の差については、病院、診療所、それぞれが担っている 機能の違いを考える必要があると思います。病院では、入院医療や大手術などが必要な高 度・急性期の医療を提供しており、一方診療所は、地域において比較的軽度の医療や慢性 疾患患者の医学的管理等を中心とした医療を提供しております。このため病院では再診の 際に、がん患者や急性の外傷患者に対して手術等と組み合わせて診療が行われることが多 いのに対して、診療所では再診の際に、生活習慣病患者に対する医療上の指導や比較的簡 単な処置と組み合わせて診療が行われていることが一般的と考えられます。再診という同 じもののように聞こえる診療行為について点数に違いがあるのは、格差であり、是正すべ きであるという見方があることは分かりますが、その一方で、実際の医療内容が違うこと に応じて評価をたがえるということも、一定の範囲であれば許容されるのではないかと考 えます。  また、再診料は、基本診療料に分類されており、診療収入の基本的な要素であります。 このため、再診料の引き下げを行った場合には、日中しか開業せず、往診もしない医師も 影響を受けますが、同時に、日夜を問わず働く地域の小児科の先生など、本当に地域医療 の現場で頑張っていらっしゃる先生方が大きな影響を受ける結果となってしまうことは避 けられません。さらに、現場の医師の心情的な問題を考える必要もあり、基本診療料は、 診療所の収入に占める割合としては4分の1程度にすぎませんが、開業医にとっては、診 療報酬の中でも、まさに基本的な部分として象徴的に受けとめられております。地域の開 業医の多くは、金銭的な報酬だけが目的というわけではなく、患者さんを治したい、その 笑顔が何よりの報酬だと思っております。このような開業医の先生方は、再診料が引き下 げられるとどのようにお考えになるでしょうか。今回の議論を機に、全国の医師から私ど もにこの問題についての意見が寄せられております。感情的な意見とお受けとめかもしれ ませんが、私どもには、「診療所がサボっているというレッテルを張られる気がする」 「制裁的だ」という声が多く寄せられてきております。  本日るる述べましたとおり、平成20年度診療報酬改定に向けた議論においては、診療 所から病院への財源移転を伴う措置について、日本医師会として、病院勤務医対策の充実 のために幾多の苦悩の選択をし、支払側委員との合意形成の努力をしてまいってきており ます。病院勤務医の負担軽減の一助となれば、この一心で、いわば診療所から病院に対す る財政支援を表明してきているわけでございます。現在行われております再診料の引き下 げという議論は、このような実質的な財政支援に加えまして、さらに開業医の熱意に対し て、まさに冷水を浴びせるような措置をとることになるのではないでしょうか。  私といたしましては、日本医師会という立場もありますが、医師を、地域医療を代表す る者として、このような議論が診療所開業医の先生方のやる気をそぎ、そのしわ寄せが病 院勤務医に行き、病院勤務医のさらなる負担増加を招く結果になりはしないか、重大な懸 念を持っております。感情的な意見と聞かれるかもしれませんが、再診料引き下げは、こ のように医療現場に大きな影響を与えかねない問題と考えており、私どもとしては、到底 同意できないものであります。  以上、診療側を代表して意見表明をしてまいりましたが、総括いたしますと、次のとお りであります。  1、平成20年度診療報酬改定において、軽微な処置の基本診療料への包括化や検査判 断料の引き下げについては、診療所を中心に厳しい施策でありますが、病院勤務医の支援 を行うために同意することといたします。  2、後発医薬品の処方に係る加算の廃止や本体プラス改定による財源については、一切 診療所への配分を求めることはせず、軽微な処置の廃止等により捻出される財源も合わせ て、病院勤務医の対策に充てていただければと思います。  3、その一方で、これ以上の財源移譲を行った場合の地域医療への影響や開業医のモチ ベーションを考えると、再診料の引き下げ、外来管理加算の時間制の導入、後期高齢者医 療に係る再診料引き下げ、外来管理加算の病院・診療所の評価統一、これは後期高齢者で あります。デジタル映像化処理加算の廃止、この5点については反対でございます。  以上の点につきまして、1号側委員、公益委員の方々に御理解をお願いする次第でござ います。 ○土田会長  2号側でほかにございますか。 ○渡辺委員  ただいまの3点の中で、私たち歯科医師会としては、歯科診療所として地域の医療を支 える一端を担っているという、そういう意味では、医師会、医科診療所と同じ使命を持っ ているという立場でお話ししたいと思うのです。ちょっと振り返りますと、3回のマイナ ス改定で、特に前回の18年度改定では大変なマイナスが歯科界には襲ってきた。それは 先ほどの御意見いただいた中にもございました。そういうことを踏まえて、国民の皆様に 安定した歯科医療を提供しようという、その基盤を、今非常に危うい、しかし、これを改 善しなければいけない、そのために歯科医師会は不退転の決意で今度のこの20年度改定 に向けて臨んできたわけでございます。  その中に、基本方針として、出来高払いということと、それから包括化に反対というこ とを強く主張してまいりました。今回の改定の項目の中に、歯科としては、一部の技術料 を割いて、そして基本診療料の評価を引き上げる、その方向性で議論してきました。では、 なぜ基本方針と違うのかということでございますが、これはまさに苦渋の決断でございま して、それほどまでにしても、この基本診療料、初診料・再診料というものは、評価し、 しっかりと守らなければいけない内容であるという、そういう信念の下に、そういう苦渋 の決断をしたわけであります。  基本診療料、ただ単に初・再診料があってそこに点数があるというものではございませ ん。今鈴木委員のほうからもお話がありましたが、私たち診療に携わる者としては、自分 の持っている専門的なすべての知識と経験とそして知恵を、全力を出し切って患者さんに 対応する、患者さんを診させていただく、それが基本的な技術である基本診療料、初診 料・再診料に評価されるものなのです。そういう意味で、診療側としては、共通のそうい う信念・理念を持って基本診療料を考えておりますので、1号側の委員の皆様方はじめ、 また公益の委員の方々にも、ぜひその点の御理解をいただきたいなというふうに考えてお ります。  それからもう1点、デジタルでございますが、これは医科だけの問題ではございません で、医科でそのような対応がされるという形になりますと、歯科も同じ項目がございます ので、同じようになる。しかし、歯科の場合は、医科よりもかなりおくれてデジタル化が 進んでまいりました。御存じのように、デジタル化することによって患者さんへの被曝量 が非常に少ない、そういうことで普及をますます進めなければいけない技術なのでござい ますので、その点も十分に御理解をいただきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○山本委員  薬剤のほうからも一言申し上げたいのですが、これは1号側の御意見、あるいは私ども の2号側の意見のどちらにくみするというものではなしに、医療にかかわっている、そこ で生計を立てている、そこにいる者の思いとしてお聞き下さい。  今議論になりました基本診療料でありますが、私ども、薬局で言えば調剤基本料に当た ります。これは先ほどもちょっと申しましたけれども、皆さん方お給料で生活されておら れれば、言ってみれば基本的な給料というような意味合いで私どもとらえております。処 方せんの中身に応じて変化する調剤料というのは、その都度その都度それぞれの患者さん に合った調剤をいたしますので、必ずしも安定的な収入ということよりも、ばらついた、 その場その場で算定するものというふうに理解をしておりますので、むしろ私どもで言え ば、調剤基本料というものは基本的な経営を安定化させる収入といふうに理解をしており ます。  したがって、今回議論がございました後発品の使用促進、あるいは調剤をどうするかと いうことにつきましては、そうした部分に大変手間がかかることがあるので、評価をいた だくということで基本料が見直されているわけでありますけれども、その一方で、メリハ リをつけるという考え方は理解できますが、具体的に、先ほど出ましたように、漢方では 後発医薬品の係る手間は確かにかかりません。しかし、物の性質からしますと、天然物で ありますし、保存も大変であります。むしろ、いわゆる化学的につくった医薬品よりもそ の管理が大変で、手間もかかるというふうに理解をしております。そうした部分での大き なコストがかかることは十分に承知の上で、これまで調剤基本料の見直しについては、私 どもとしても大変つらい判断をしつつ、ただ、そうであれば、いずれ評価される部分があ るだろうから、激変だけはぜひ避けていただきたいというお願いもしてきました。  したがって、私どもとしましても、これは単に薬剤師ということではなしに医療者の思 いでありますが、基本的な技術を評価する、存在する意義に当たるような実数を、確かに 象徴的ではありますけれども、そうした部分が見直しされるということは、存在そのもの を否定されたようで、大変つろうございます。安定的に医療を提供しようということを考 える上では、ぜひこのあたりにつきまして、支払側の意見も含めて、公益委員の先生方も ぜひ御意見をいただきたい。そしてこの思いだけはぜひ御理解いただきたいと存じます。 ○土田会長  ありがとうございました。  1号側委員及び2号側委員から御意見を伺いましたが、特に補足的に御意見ございます か。 ○対馬委員  1つは、先ほど申し上げなかったのですが、鈴木委員から、後期高齢者の話もありまし たので、私どもも、後期高齢者について申し上げます。後期高齢者についても若人と同じ ように再診料についての是正を図っていくということは、当然のことであります。特に、 今回の提案である、初診料をできるだけ評価していきたい、再診料については少し我慢し ていただきたい、こういうことについては賛成であるという立場であり、また、後期高齢 者の外来管理加算は現在病院が47点、診療所が57点ですけれども、これは統一すべき だというのが私どもの考え方です。  それからあともう1点だけ申し上げますと、鈴木委員からは、自分たちも相当これまで も合意形成のために努力してきたというお話がありました。そういうことから言いますと、 私どものほうも、例えば明細書の実費徴収の問題でありますとか、透析の時間の問題、そ れから歯科の安全環境に関する評価の問題、さらにはニコチン依存症の問題等、こういっ たさまざまなところで、できるだけ合意形成を図っていくために、本来こうあるべきだと いうことをあえて抑えてこれまで努力をしてきたということも含めて御理解を賜りたいと 思います。 ○丸山委員  本件はもう何遍もいろいろな角度から御意見を申し上げて、2号側の先生方の御了解を と思っているのですが、しょせん立場の違いというのは意見の違いになりますから、これ はもう意見の一致しないことはやむを得ないし、鈴木先生、苦悩の選択とか苦渋の決断と かおっしゃって、その意味も分からないでもないのですが、要するに、財源が非常に窮屈 な中での緊急課題の対応とか、あるいは国民の負担が増えることに対する国民の納得を得 るとか、そういうことからいうと、本件の病院の再診料と診療所の再診料の違いというの が、現実的に国民には分からない、納得が得られないという点で是正していくべきである、 こういうことなのです。  もう1つ、さっき非常にいろいろな項目で、ある意味では原資を生み出すのだから再診 料は手をつけないというか、そういう表現はおっしゃいませんでしたけれども、そういう ことだとすると、これはちょっと違うのではないかなと。国民の立場で言うと、そんな内 部の細かいやりくりは分からない。国民が分かるのは、再診料が病院と診療所で違ってい る、これが一番非常に単純な分かり方だと思うのです。さらに付言すると、病院の方が1 4点も安いということから、患者が、外来も診療所ではなく病院に診てもらう志向性があ るという話をよく聞くわけでございまして、勤務医の負担軽減をいろいろな形でやってい こうという大もとで、再診料の目に見えた形での違いがあるということは、やはり病院に 患者を行かせてしまっている、そういう面にもなっていくのだろうと思うのです。これは 中医協としての論理矛盾になってくるのではなかろうか。  だから、こういうものは、機能分担が明確になっていく将来の姿からいうとどうあるべ きなのかというのはもっと論議すべきですが、現状、混とんとしている中での再診料の問 題というのは、格差というのは、極力なくしていく方向で見直しする、それが、必要な財 源をどう抽出していくかという今日において、やはりその一歩がなければ国民的納得性は 得られない、こういうふうに思うわけで、いろいろ御苦労される点はよく理解できるつも りですが、医療の問題に対する国民的納得性をぜひ高めるためにも、ここはそうかたくな におなりにならないで妥協の方向をぜひ見せていただきたい。だけど、ここまで申してな おかつ平行線であるならば、あとは、公益の先生方に御英断をお願いする以外にないので はないかというふうに思います。 ○土田会長  ほかにございますでしょうか、補足の意見。 ○対馬委員  前回改定のときにも、最後の最後まで診療側と合意が得られなかった領収書の問題、処 方せん様式の問題、褥瘡、禁煙指導、この4点が最終的に残って、そこは公益の先生の御 判断をいただいたということなのです。その後に、社会保険医療協議会法の改正が昨年3 月1日になされたのです。その中では、人数委員構成を8対8対4から7対7対6にした こともあるのですけれども、それ以外に、公益の先生方の指導的役割を強めていくのだと いうことで改正になりまして、会議日程、議題、その他運営に関する事項について公益委 員の先生が協議していくのだと。それに対して1号側、2号側の委員は、それを尊重すべ きであるということが新たに加わったのです。  ですから、そういう中においては、ここまで4〜5回議論して、最後に3項目になるの でしょうか、ないしは後期高齢者などを入れますとまたもう少し増えるのかもしれません けれども、ここまで絞り込んできたわけでありますので、公益の先生方に、大変申し訳な いのですけれども、汗をかいていただいてはどうかということを改めて申し上げたいと思 います。 ○土田会長  2号側で補足の意見ございますか。よろしいですか。 ○鈴木委員  公益委員の先生方の御意見、御判断というようなものはなおざりにする気はございませ ん。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  先ほど対馬委員が発言されましたように、前回改定では、4点公益側で判断をいたしま したが、ただ、それに比べて今回の問題はさらに重い判断でして、まだ多少迷うところが ございます。それで、今回両側の意見を承りました。恐らく意見を承るのはこれが最後か なというふうに思っておりますが、ただ、明らかに対立点が非常に明確になったという点 で、ちょっと幾つか整理しておきたいと思います。  この問題は、1つは、平成20年度診療報酬改定で緊急課題として設定されております 病院や勤務医に対する支援をどの程度の規模で行うこととして、それをどのようにして賄 っていくのかという問題が1つあります。それからもう1つは、再診料における病院と診 療所の点数格差という問題が1つございます。基本的には、この2つの問題に行き着くだ ろうというように思っております。  今回いろいろと御意見を承りましたが、それにつきまして一応整理しておきたいと、確 認をしておきたいと思いますが、本日意見をいただきました、最初に水曜日にお願いしま した3点につきましては、特に再診料はそうですが、双方の意見には依然として隔たりが あるということを再確認いたしました。  その上で、双方とも次の2点では意見が一致しているなという印象を受けております。 1つは、今回の改定では、産科、小児科をはじめとする病院勤務医対策が喫緊の課題であ る、非常に重要課題であるという点では1号側及び2号側も意見が一致しているというよ うに思います。  それからもう1点は、病院勤務医対策を進めるに当たりまして、今回診療報酬本体でプ ラス0.38%、医科本体では0.42%のプラスの財源がありましたが、それだけでは まだ不足ではないかということで、それをどういう規模で、あるいはどういう方法で賄う かということは一応別といたしまして、診療所から病院に対して一定の資源の再配分が必 要であると、先ほどの対馬委員の言葉を使えば「痛みを分かち合う」ということになるか もしれませんが、そのことについてもほぼ意見が一致しているだろうと思います。ただ、 これはもう一度申し上げますが、どういう規模でどういう方法で行うかということは別に してですよ、別にして、ともかく診療所から病院に一定の財源移転がなければ病院勤務医 に対する十分な対応ができないということについてもやはり一致しているだろうと思いま す。  したがって、この2点を踏まえて、この公益側は判断していきたいと思っておりますが、 その前にちょっと事務局にお願いしたい点が出てきたなというふうに思います。  それは、発想を逆にするといいますか、今までこういうことはやったことがないのです が、産科、小児科を含めての病院勤務医に対する対策が必要であるという場合に、一体ど のぐらいの予算があれば、つまり、これは前から松浦委員なんかが発言されておりました が、どのぐらいの財源があれば、現在必要とされている病院勤務医対策ができるのかとい う方向から考えて、例えばこのぐらいの金額が必要であるといった場合に、先ほど言いま したように、今回のプラス0.42あるいは0.38ということでは間に合わないとすれ ば、あとどのぐらい積み上げなければ、つまり、別の言い方をしますと、診療所から病院 にどのぐらいの財源を移転する必要があるかという点から考えてみるということが一つの 視点の違いといいますか、あるいは発想の転換といいますか、そういう点から検討が必要 ではないか。そうすれば、一定の合意、それではどこからどういうふうにやって財源を調 達するかということが出てくると思います。したがって、非常に時間がなくて恐縮ですが、 事務局のほうでは、必要と考えている、恐らくもう検討を進めていると思いますが、病院 あるいは病院勤務医に対する支援策として、具体的にどういうことを考えていて、それに 対してどのぐらいの金額が必要かということを明示していただきたい。今まで中医協でこ ういうことをやったことはないです。つまり、財源があって後で分配するということです が、逆に考えまして、それにどのぐらいが必要かということを出していただいて、そこか らどういう形でその財源を賄っていくかということを考えてみたいということが1つです。  それからその場合に、幾つかの、例えば再診料が焦点になっておりますが、それから先 ほど挙がっておりました外来管理加算、非常に分かりづらいと言いましたが、患者さんが 外来で行った場合に、再診料、外来管理加算と言えば、技術料と言われるものがつくので すが、これはよく分からぬというところで、そこにどうするかという、そういう今議題に なっておりますが、そういう外来管理加算あるいはそのほかの財源を含めまして、幾つか の手段が考えられますが、それぞれの財源調達におけるメリット・デメリットはどういう 点があるかということを明示していただきたいと思います。それで、どのぐらいの財源が 必要であって、それでこういう手段があった場合に、それでメリット・デメリットあるわ けですが、それを勘案しながら公益としては判断したいというふうに思います。  それで、もう本当はリミットになっているので、次回のこの水曜日にまとめたいと思っ ておりますが、あるいはまとまらずに金曜日になる、できるだけ水曜日にまとめたいと思 いますが、その際に、1号側におきましては、その病院勤務医対策というものが広く被保 険者及び国民のためであるということはもちろん念頭に置かれておりますけれども、そう いうことを行うためにはやはり一定の財源が必要ですから、再診料はもちろんですが、再 診料だけではなくて、広く財源を賄っていくという観点から、もう一度どういうメリッ ト・デメリットがあるかということについて御検討をお願いしたい、こういうふうに思い ます。  それから2号側におきましては、非常に再診料引き下げに反対という意見が出てまいり ましたが、それは分かりますけれども、それを繰り返すだけではなくて、疲弊した病院を 救うということが、地域医療ひいては開業医、日本の医療全体に対して救うと。確かに現 在危機に立っておりますから、そういう観点から、再診料を含めましてさらなる検討をい ただきますよう前向きの取組をお願いしたいというふうに一応要請をしておきます。  その上で、次回、中医協を開催いたしまして、事務局からそういう資料を提出いただき、 そこで検討した上、公益側として判断を示したいというふうに思います。  何か御意見ありましたら、どうぞお願いします。 ○中川委員  今の会長のお話の中で、勤務医対策にどれだけの財源が必要かということから始めると 言われましたが、それでどういうふうに手当てをすべきかを考えるのだというお話もあり ました。我々、そのことを考えて、改定率の議論のときに、中医協としてどういう方針で まとめるべきかという議論をしたときにするべきことだったと思うのです。本体プラス0. 38、医科本体0.42と決まった現時点において、勤務医対策に必要な、十分なとはお っしゃっていませんが、財源がどのくらいか出してというふうになると、またこれ議論の 蒸し返しになるのではないかと感じたのですが、土田会長のおっしゃっていることはそう ではないとは思うのですが、教えていただければと思います。 ○土田会長  いえ、全くそうではありません。前は総論としてどのぐらいの引き上げが必要かという ことですから、今回は具体的に病院勤務医にどういう対策が必要で、どれだけ上積みして、 具体的に何をやるかということをベースにして考えていこうということですから、総論と は違います。 ○中川委員  どのぐらいの財源かではなくて、具体的な内容ということですか、分かりました。 ○土田会長  それがなければ意味がありませんので、具体的な対策内容を挙げていただいて、それに どのぐらいの予算がかかるかということをベースにして判断したい。そうでなければ、ど のぐらいの予算がなければいけないかという、そこがやはりはっきりしませんと、もう一 つ判断が僕はできないと思っておりますので、それが正しいかどうかは別と、恐らくそれ をベースにするしか今の時点ではないと思います。したがって、それをベースにして判断 いたしますので、そこで合意の形成を図りたいということでございます。もうタイムリミ ットですので、よろしくお願いいたします。  恐らく合意というのは、必ずどちらも不満が残るわけですから。ただし、中医協は、つ まり意見だけ言っておしまいの機関ではありませんで、必ず決定しなければいかぬと。決 定するということは、お互いにどこかで不満が残るということはやむを得ないわけで、そ れでも国民の方が一歩でも進めればそれでいいということで、ぜひとも合意形成を図って いきたいと思います。よろしくお願いします。 ○丸山委員  土田先生のお話で私はよろしいと思います。原資をどう生み出しどう配分する、数字合 わせというのも大切だと思いますが、ただ、もう1つ忘れてはいけないのは、国民の納得 性の問題。これは感情でございます。数字ではない。やはりそこのところの施策の持つ意 味合いというのをぜひ加味して公益委員の皆さんで御検討いただきたいというふうに思い ます。 ○土田会長  非常に示唆に富んだ御意見をありがとうございます。 ○対馬委員  先ほど宿題をいただきましたけれども、私どもも土田会長の言われたことに沿った検討 はしてみたいと思いますが、財源の話になりますと、やはり実際にここをこう動かすとど のぐらいの財源が出るというのは非常に難しいところもあります。事務局に資料も要求さ れたようですので、そのあたりは事務局から数字なり基礎データをもらいませんとなかな か難しいところがある、多少限度があるかなという感じもいたしますので、そこは御理解 賜れればというふうに思います。 ○土田会長  よろしいでしょうか。 ○勝村委員  今大変難しい中の会長のそういう御判断で、私はその形で進んでいただきたいと思うの ですが、ちょっと今日公聴会が終わった後の総会ということで、その後も、今まさに時間 がない中で論点を整理されているという理解の下で、2年前に、やはり1号側、2号側で 議論が合わず、公益委員の方にお任せをした形になった明細書発行の件が、2年を待ちま して、今回ぜひきちんと議論したいと思っておりました。少し前の総会から始まりました けれども、このときはちょっと時間も足らずに、今回のパブリックコメントの骨子に載せ るかどうかということに関しては会長に委任するとお話をして、私はちょっと退席させて いただいたわけですけれども、このテーマを、今回の総会できちんと改めて議論の論点と してもう一度取り上げていただかないと、私としては2年間待ってきたことがこのまま十 分に議論されずに終わってしまうということになりかねません。今日の公聴会の話もお聴 きして、公益の先生方の御意見もお聴かせいただきながら、僕は前回の中医協改革という ものが物すごく問われている大きな問題だというふうに思っておりますので、ぜひこれも 今の争点の一つに加えていただくということで、次回からの総会に挑ませていただきたい と思いますので、よろしくお願いします。 ○土田会長  わかりました。  総会で各項目、もう一度全部総ざらいしますので、その際に、決まったものはどんどん 飛ばしますけれども、領収書といいますか、明細書についてはもう一度議論することにつ いては全くやぶさかではありません。  そのほかの問題につきましても、もう一回全部総ざらいいたしますので、問題点があり ましたら御指摘いただきたいというふうに思います。でも、それは今回のあれが決まって からでございますので、どうぞよろしくお願いします。よろしいですか。  それでは、今日の総会はこれで終了いたします。  次回の日程をお願いします。 ○事務局(原医療課長)  次回は、1月30日の水曜日、全国都市会館でございます。また来週は、申し訳ござい ませんが、2月1日金曜日も開催をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い いたします。  以上です。 ○土田会長  それでは、どうもありがとうございました。  今日おいでの皆様方、大変長時間、どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)