08/01/18 中央社会保険医療協議会総会平成20年1月18日議事録 08/01/18 中央社会保険医療協議会          第119回総会議事録 (1)日時  平成20年1月18日(金)12:27〜12:59 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員          高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員        竹嶋康弘委員(代 天本) 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長  皆さんおそろいになりましたので、まだ資料の配付が続いておりますが、開催させてい ただきたいと思います。ただいまより、第119回中央社会保険医療協議会総会を開催い たします。  まず、委員の選任について御報告いたします。丸山委員におかれましては、1月6日に 任期満了を迎えられ、翌7日に改めて発令されております。  続いて、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、前田委員が御欠席になっ ております。それから庄司委員は大学の要件のため途中で退席されております。また、高 橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さん、竹嶋委員の代理で日本医師会常任理事の天 本宏さんがお見えになっております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「平成20年度診療報酬改定」について議題としたいと思います。  まず、昨年末の平成20年度予算・政府原案編成の過程におきまして、平成20年度診 療報酬改定率が決められております。各委員の皆様には、事務局より既に連絡させていた だいているかと思いますが、改めて事務局より報告をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。  中医協総−1でございます。「平成20年度診療報酬改定について」。全体の改定率は ▲0.82%でございました。これを診療報酬の改定の本体と薬価等の改定の部分に分け ますと、診療報酬本体部分につきましては、改定率が+0.38%、薬価等につきまして は▲1.2%という結果でございました。  なお、この際、薬価調査におきます乖離率、特定保険医療材料価格調査におきます乖離 率等につきましては、次のページ、参考のところに出ておりまして、医薬品のほうは、平 均乖離率が約6.9%、特定保険医療材料価格のほうは、平均乖離率が約8.7%という 最終結果になっております。  また、薬の主要薬効群別の乖離率は3ページ目に記しております。  資料の説明は、以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  ただいまの件について御質問などございますでしょうか。  よろしいですか。それでは次に進みたいと思います。  次は、本日、厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、事務局より資料の説明を お願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  恐れ入ります。中医協の総−2の資料をごらんいただきたいと思います。これは、前回 と同様の諮問書ということで、ここに条文、読んでもいいのですけれども、ただ条文の羅 列ですので省略させていただきますが、健保法等に書かれておりますいわゆる点数表等々、 これらについて定める場合には、中央社会保険医療協議会の意見を聞くことになっており ますので、そういう意味で、今回この諮問書が出ております。なお、答申に当たって、こ の別紙1、これは今説明いたしました改定率についてのところの2ページ目でございます。  それから、別紙2と3、これは、医療保険部会・医療部会で定められました「平成20 年度診療報酬改定の基本方針」、それから後期高齢者医療の在り方に関する特別部会から 出ました「後期高齢者の診療報酬体系の骨子」、この2つに基づいて答申を行っていただ きたいということが諮問書につけられております。  諮問書の説明は、以上でございます。 ○土田会長   どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。  よろしいですか。  平成20年度の診療報酬改定に向けては、昨年の秋以降、診療報酬基本問題小委員会に おきまして検討を重ねてまいりました。今後もさらに検討を重ねていくということで対応 していきたいと思います。  それで、次の議題なのですが、先ほど開催されました診療報酬基本問題小委員会におき まして、「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」が取り まとめられました。  事務局より、最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  中医協総−3−1及び総−3−2をごらんいただきたいと思います。  総−3−1は、「現時点の骨子」ということでまとめております。これにつきましては、 先ほどの基本問題小委員会で合意をいただきました文章にする予定でございまして、この 中の項目で、先ほど申し上げました「別紙参照」というのがなっておりまして、この別紙 部分については、先ほどの基本問題小委員会で合意いただいた形でお配りをしたいと思い ます。  ちょっと時間の都合がありまして大変申し訳ございませんが、この「現時点の骨子」の 各項目については、今回は説明を省略させていただきたいと思います。  それから、中医協総−3−2でございますが、これは、いわゆるパブリックコメントを 募集するということを考えております。今お示しをいたしました「現時点の骨子」、これ に、「別紙参照」のところを全部入れ込んだ形の骨子をつくりまして、その上で、できま したら、できるだけ早くということで、本日から厚生労働省のホームページ上で、ここに 書いてある「ご意見の募集について」という形で意見の募集をしていきたい。  期間につきましては2ページ目にございますが、本日から1月25日、来週の金曜日ま での短い期間でございますが、8日間の間にお願いしたい。  それから、意見の提出様式は、これは前回とおおむね変わっておりませんが、性別や年 齢等がわかる、あるいは職業がわかる形のものを付記していただいた上で各項目ごとに意 見をいただこうと、そういう形を考えております。  説明は、以上でございます。 ○土田会長   どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問等ありましたら、どうぞ。 ○勝村委員  ちょっと最初に恐縮なのですけれども、皆さんのほうがお忙しいのに大変申し訳ないで すけれども、どうしても今日は私の仕事の事情で、この発言をさせていただいた後、退席 させていただくことをお許しください。  それで、今からお話させていただくのは、小委員会の長時間の議論を聞かせていただい て、私としてもいろいろ意見を申し上げたい部分をたくさん持っているのですが、どうし ても今回の診療報酬改定で私としてはぜひお願いしたい、絶対にお願いしたいと思ってい る2点のみ発言させていただいて、そしてその内容に関して、本日のパブコメの骨子等に 関してどのように扱っていただくかについては、会長に一任させていただきます。ただ、 本日のパブコメの骨子のみならず最終的なところでもぜひ反映していただきたいと強く思 う点のみ、2点ですが、発言させていただきたいと思います。  1つ目は、総−3−1の4ページから5ページになりますが、緊急課題−1の(1)の ところであります。そこの(5)ですけれども、「緊急の母体搬送の受入れが円滑に行われる よう」という御配慮ですが、これはぜひお願いしたいわけですが、これに加えて、新生児 の搬送の受け入れに関しても同様の扱いをしていただきたい。聞くところによりますと、 新生児のほうは加算が一切ないということで、妊婦を受け入れて新生児だけ別の病院に回 しているという実例もあるというふうにお聞きしています。これは前回邉見委員とかもお っしゃっておりましたけれども、遠くの入院患者を受け入れてもすぐに近くの病院に帰っ てしまうということと同じことで、一所懸命受け入れているところにきちんと診療報酬が 支払われていかないということでは非常に不健全だと思いますので、ハイリスクの分娩、 何よりも新生児の医療を大切にしていただきたいという観点から、母体搬送の受け入れと、 新生児をもきちんと受け入れるということ、これをぜひ、そこに価値があるのだというこ とをはっきり表明していただきたいということが1つです。  同じくこの項目の中で、(1)から(3)あたりになりますが、これも、ほとんど9割方、多 くの場合において、常時ハイリスクの新生児医療ができるところに限定されると思います が、一部聞くところによりますと、ハイリスクの分娩はできる体制があっても、実はハイ リスクの新生児の医療はできる体制がないのにこの加算をとっている医療機関があるので はないかという危惧を聞いております。ぜひ、(1)から(3)あたりの要件に関しましては、 常時、もちろんハイリスクの産科医療ができるところ、そういうところには当然ですけれ どもハイリスクの新生児医療に対応できることがもう必須なのだということがわかるよう に明記していただくような形で、加算を多くつけていただくことで産科医療の安全を確保 していただきたいと思います。それらが大きな意味での1つ目のお願いです。  もう1つは、レセプト並みの病院窓口の明細の発行の件なのですけれども、これに関し ては以下の3点お願いがあります。  1点目は、今DPCとか丸めの場合には、コンピューター上は、集計上は、その中身で どのような薬が使われていたというのが、当然ですが、全部電子カルテという形で残って おって集計ができるような形になっているわけです。そこで、この明細書を発行していく、 義務化していくに当たっては、丸めの部分に関しましても、その中で使われた薬名とかの 内容に関しては当然明記していただく。これはもうただのコンピューターのソフトウエア の打ち出しのプログラムをどうつくるかだけの問題ですので、これは必ず必須でやってい ただきたい。これは患者の医療安全の確保の面からも重要で、そういう形がきちんと患者 に対して実現しておれば、今回のようにフィブリノゲンがどこの医療機関に納入されたか を公表するとか、そういう必要もなくなってきますので、その点はぜひお願いしたいとい うのが1つ目です。  もう1つは、ぜひ無料で発行していただきたい。これは前回、実費徴収可というのが2 年前のときにありましたけれども、それはおかしいのではないかという声が国会でありま して、大臣答弁でも、無料で発行するという発言もされておって、特に公的な色彩の強い 医療機関では無料で発行するのだということが言われてきています。もう、だからこれ今 さら有償にするのはかなり後退してしまうということになりますので、僕はぜひ無料で発 行していただきたいということ。これは強くこだわってお願いしたいと思います  3つ目は、希望者だけではなくて全員に発行してほしいということです。それは、西澤 委員とかがおっしゃっていましたけれども、実はいろいろと取り組んでいる医療機関を僕 はよく知っているつもりなのですが、希望者だけに発行しているところは事務量が増えて いるということは聞いています。ところが、大きな病院で、全員に発行している医療機関 は既に複数ありますが、そこは事務量が減っているということを聞いています。つまり、 全員に発行するのですから、コンピューターのシステムのプログラムを変えるのに100 数十万かかるだけだと。全員に発行してしまいますから、領収書と同じ形にしますから、 少し紙の量が多くなりますけれども、領収書と同時に全員に発行しているので、事務量は 増えない。何で事務量が減るのかというと、全員発行している医療機関の事務方の人は、 それを始めてから、医療費に関する質問に来る患者も減ったということを言っております。 そういう現実があります。もうこれは速やかに全員に発行するという形をぜひ取り上げて もらって、早く当たり前になってほしいというふうに思っています。  パブコメとか、何度も言っていますけれども、国民が意見を出したいと思っても、日常、 日本じゅうにはいろいろな地域、いろいろな病気、いろいろな立場の人たちが、いろいろ な医療を受けて、それぞれ医療を受けるごとにどんな診療報酬体系になっているのかとい う単価を知るという形ができて、初めていろいろな患者、いろいろな立場の人、いろいろ な年齢の人の声やコメントが聞けていくのだと思いますから、全員にまず明細書を発行し ていくという形を中医協の議論の出発点にしていただきたいと思っていますので、これは ぜひ速やかに進めていただきたいと思います。  以上、大変恐縮ですが、強くお願いしたいという点について述べさせていただきました。 よろしくお願いします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかにございますか。  それでは、今勝村委員のほうから話がありました緊急課題−1のところで、ハイリスク の新生児医療の対応を講じていただきたいという話と、それから緊急の母体搬送に関連し て、新生児の搬送という文言も入れていただきたいという要求といいますか、意見がござ いました。  これについて御意見を承りたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  ハイリスクの妊娠において、母体に非常に危険がある場合と、それから胎児に非常に危 険がある場合、両方にある場合も考えられる。母児ともに非常に危険な場合は、やはり両 方対応ができるいわゆる周産期の母子総合センターというような形で整備が進められてお りますし、必ずしも胎児のほうはそれほど問題なくて、分娩そのものにリスクが伴う場合 だったら、産科がしっかりしていれば、そういう意味では、ハイリスクの新生児が扱える ほどの小児科がなくても、そういう妊婦さんは扱える。そういう意味で、この部分の体系 は、総合周産期の母子センターをつくっているという体系と、それからそういうハイリス クの分娩という形に分かれています。いつかここでもお示ししましたけれども、いわゆる NICUについては、従来は単独型、子どもだけしっかり見ましょうという単独型から、 そういう総合周産期的なところにくっついているのが最近は増えてきている、そういう流 れなので、その両方ともできるところだけに限ると非常に限定的になって、かえってその 他のところが広がっていかない、そういうように考えていますので、今回はこういう形で いいのではないか。 ○土田会長   いかがですか。今、医療課長のほうから説明がありましたけれども、そういうことで対 応するということでよろしいですか。本人がいないのであれですが。  それから、後半のほうの新生児の搬送についてはいかがでしょうか。(5)のところですけ れども。 ○事務局(原医療課長)  新生児については、診療をしっかりしてもらうという意味で、新生児の加算が非常に高 く設定されているということで、妊婦の受け入れと必ずしも必要ないのではないかという ことです。 ○古橋専門委員  総合周産期センター等で母児ともに受け入れられるというところと、新生児NICUを 小児センター等で整備しているというところも現にございます。そういう点からいきます と、勝村委員のおっしゃったような形を整えておくほうが、逆にそういう点で産科医療あ るいは新生児医療の疲弊している部分をカバーしていく。社会問題なっているここは、そ ういうことが現場的には大変重要であるというふうにとらえます。  ですから、あわせて、新たに出てきた課題かもしれませんけれども、新生児のみの搬送 の重要性を社会保障の中できちっと位置づけるということが、なお、現段階では大事とい うふうに思われます。 ○土田会長  2点あったと思うのですが、今古橋専門委員が発言されたのは新生児搬送のほうですか。 ○古橋専門委員  もちろん受け入れもそうでございます。議論は以前から出ておりまして、母体搬送がス ムーズに受け入れられない、そういう阻害要因の重要なところにNICU受け入れ体制が 非常に窮していると、そのことが大きな理由であるということはこの場で再三出てまいり ましたので、もちろん意見は2つあわせてでございます。 ○土田会長  わかりました。いかがでしょうか。 ○小島委員  これは私も小委員会のほうで2度ほど発言したのですが、先ほどの小委員会のほうで少 しその辺も含めて、小児の超重度についてはさまざまな加算があるということで、そうい うもので対応するということなので、ぜひその辺も含めてこれを検討いただきたいと思い ます。 ○土田会長  よろしいですか。そうすると、今小島委員が発言されたような形で対応していくという ことで勝村委員の意見にはこたえられるというふうに思いますので、そういう形で進めて いきたいと思います。よろしいですか。  それから、明細書の無償配布ということが再び勝村委員から発言されましたが、これは 基本小委で、そうはしない、有償で今回は対応していくということで一応の合意を得られ たわけですが、その際、基本小委のほうに出席されていなかった委員の方たちで、これに ついて何か御意見ありましたら承りたいと思います。  よろしいですか。よろしいですかというのは、つまり、今回は勝村委員からそういう意 見があったということはもちろん議事録に書きますけれども、基本的には、とりあえずワ ンステップとして有償で対応していきたいということにしたいことについて、「現時点の 骨子」で同意をいただきたいということになりますが、いかがでしょうか。 ○小島委員  最終的にはそういう取りまとめでやむを得ないと思いますけれども、先ほど勝村委員も 指摘されたように、国会なども大臣答弁の中では公的な病院については無償での方向で検 討するという、そういう発言をされているということがありますので、ぜひそういうこと で、その国会での答弁を重く受けとめて、公的な病院については無料の方向での検討をお 願いしたいということで発言はしておきます。 ○土田会長  その点については先ほど西澤委員から発言があって、今回ワンステップでやって、それ で無償で向かえるのだったら無償に進みましょうという経過といいますか、そのワンステ ップだということで御同意をいただいておりますので、今回そういうことで、もう一度こ こで総会で同意をいただきたいと思いますが、よろしいですか。  どうもありがとうございます。  そのほかに御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。 ○中川委員   ちょっと話はまた変わるのですが、帝国データバンクの報告によりますと、2007年 度の医療機関の破産・民事再生といった法的整理の対象となった医療機関は48件なので す。これは前年の1.5倍になっているのです。その最近5〜6年の内訳を見ると、歯科 診療所、医科の診療所・病院が大体2対3対1という割合で、医科の診療所はかなり多く なっております。これは、資金ショートだとか自主閉院といったものも含まれませんので、 実態はかなり多いのだろうと我々は認識しております。  先ほどの基本小委、それから前回の基本小委の議論を聞いておりますと、どうも診療所 の技術料といいますか、診療報酬を下げることが勤務医対策の一つの前提条件といった議 論に聞こえてちょっと私は心配をしております。1号側の委員から、0.42%、医療費 ベースで言うと1,150億円ぐらいでしょうか、これでは到底足りないのではないかと いう御意見がございました。私もまさにそのとおりだと思います。そういうことを含めて、 我々は診療報酬の5.7%という大幅な引き上げを要望したわけですが、結果として残念 ながら0.42になってしまいました。  その上で申し上げたいのですが、今の地域医療の崩壊を招いたのは、小泉政権下の3回 の診療報酬の改定、特に2002年、2006年の本体の大幅引き下げだったということ を忘れてはならないだろうと思います。  その上で、病院と診療所、診療所と診療所が地域で密接なネットワーク、連携を保ちな がら必死で地域医療を守ってきたのだと我々は思っております。そういう状況の中で、診 療所のかけがえのない技術料である再診料また外来管理加算というものをこの場に及んで 引き下げるということになれば、必死で頑張ってきた診療所の先生方の元気をなくすので はないかということを本当に危惧します。そういうことの結果として、病診連携、診診連 携というネットワークに破綻を生じて地域住民の方に本当に迷惑がかかるのではないかと いうことを危惧して、議論の繰り返しになりますが、私どもから見るとやはり診療所の技 術料ということに対してもう一回考え方を再検討していただきたいと思います。  以上でございます。 ○土田会長  ほかにございますでしょうか。 ○邉見委員  私のほうは、病院の入院医療について少し述べさせていただきたいと思います。  このたび、産科、小児科等に、一定の条件のいいところにはたくさんつけるということ で、7対1看護のときもそうですけれども、方向はいいわけですけれども、今までは、1 億総中流的に病院にあまり格差がなかったのです。みんな同じような感じだったのですが、 最近、高度の医療のところにはたくさんつける、下のほうのところはある程度つぶれても 仕方がないという感じの点数になっていっているように思うのです。そうすると、そこし かないというふうなところとか、やはり地方では、それほどレベルは上げられない、人が あまり雇えないとか、財政的な余裕がないというところもたくさんありますので、そうい うふうなところへの配慮を、今回はもう仕方ないとしましても、今後の診療報酬の決定の 過程においては、そのセカンドとかサードのところにもある程度の配慮をしていただきた いと思います。今度7対1からおりるところの10対1には配慮がありますが、恐らく日 本の医療で一番入院医療を支えているのは今の10対1のところだと思う、そこが一番困 っているところです。前回の急性期入院加算と食料、食費ですね、あの2つによって大打 撃を受けて一番困っているのはこの10対1のところだと思いますので、そういうふうな ことが実態調査でも出ておりますので、ぜひお願いいたしたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。 ○対馬委員  私の場合は基本小委に出ていますので、意見を申し上げましたからあえて申し上げませ ん。総会に出ておられる方の意見だということで受けとめますけれども、特に再診料の件 については私どもは全く違う意見を持っているということだけは申し上げておきたいと思 います。 ○土田会長  ほかに御意見ありますか、専門委員はいかがでしょうか、よろしいですか。 ○大島専門委員  私は医者で医療界にずっといるものですから、医師会の御意見もよくわかるし、支払側 のほうは、そういう意味ではちょっと離れているのかもわかりませんが、今の状況、中川 委員が言われたこともよく理解はできるのですが、全体の非常に大きな流れと空気が、医 療崩壊というような言葉が軸にあって、それは病院の崩壊であって、病院の勤務の実態だ とか勤務医の状況を考えての問題が非常に大きく出てきている。それに対する比較として、 診療所あるいは開業の先生方の状況はどうなのかという、これを比較することはいいのか どうかは別なのですが、比較してみると、年間の収入も随分違うのではないかと。特にこ ういった議論が、感情的なレベルで、勤務医が非常にかわいそうだという、大きな流れに なって、今の日本全体の医療の危機がそこに集中的にあるという空気と、実際にある部分 は間違いないと私は思いますけれども、そういった中での診療報酬改定を迎えたというこ とがあると思います。  それで、お金があって、よりよい医療提供体制を構築していくために診療報酬をどう配 分していくのかという前向きの議論であればいいのですが、お金は限られている、限られ ている中で、片一方で医療崩壊するかどうかわからないというような危機的な状況の中で 限られた財源をどう配分するかというお話ですから、ちょっと逃げるような言い方になり ますけれども、全体を考えたときに、どちらに厚くあるいはどういう選択をするかという ことが、より日本の医療の崩壊を防ぐことになるのかと、もうそういう判断でこれをやっ ていただくしかないなと思います。  医療側ももうとことん我慢するところはもう我慢するしかないというのが今の実態では ないかなというのが、率直な感想です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、ほかに御意見がないようでしたら、「現時点の骨子」ということで基本小委 から提出させていただきました案件につきまして、総会として御同意いただけますでしょ うか。それで同意をいただいた場合には、この後、先ほど説明がありましたとおり、国民 の意見を募集するということに進ませていただきたいと思います。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それから次は、議題がもう1つ残っておりまして、「公聴会の開催について」でござい ます。  資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  中医協総−4の資料をごらんください。「中医協公聴会の開催について」とあります。  目的ですが、「平成20年度診療報酬改定に当たり、医療の現場や患者等国民の声を反 映させるため、中医協委員が国民の声を聴く機会を設定する」、こういうことを目的とし て公聴会を開催いたします。  開催日時ですが、平成20年1月25日、来週の金曜日、1時から3時。  場所は、前橋市民文化会館でございます。  出席者については、2つ目のぽつですが、前回は支払側・診療側委員の御推薦をいただ いた意見発表者がございましたが、今回は昨年の暮れの議論も踏まえまして、公募による 意見発表、こちらを増やそうということで、公募による意見発表者10名程度をお願いを しようと思っています。  議事等、ここに書いてあるとおりでございます。  公聴会の傍聴の希望につきましては、申し訳ありませんが既に、前もって募集をホーム ページ等により開催を通知をして募集をしております。まだ席に余裕があるというふうに 聞いておりますので、お願いをいたします。  私からは、以上でございます。 ○土田会長   ただいまの説明につきまして御質問などございますでしょうか。来週の金曜日というこ とになっております。よろしいですか。  それでは、今日の総会はこれで閉会としたいと思います。大変時間がオーバーしまして、 また、総会の委員の方たちには長い時間お待たせしまして申し訳ございませんでした。そ れでは、閉会させていただきます。どうもありがとうございました。    【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)