07/12/26 第9回厚生科学審議会議事録      第9回     厚 生 科 学 審 議 会      議 事 録       −議 事 次 第− ○ 日 時  平成19年12月26日(水) 10:00〜11:10 ○ 場 所   厚生労働省 省議室 (9階) ○ 出 席 者 【委 員】 伊賀委員 石井委員 井原委員 井部委員 岩砂委員 垣添委員 倉田委員 坂上委員 坂谷委員 坂本委員  澁谷委員 高橋委員 竹中委員 池主委員 永井委員  久道委員 眞柄委員 松本委員 南 委員 宮村委員  望月委員 吉森委員 渡邊委員   【議 題】   1.化学物質制度改正検討部会の設置について   2.厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について   3.その他 【配付資料】   1.厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会の設置について(案)   2.厚生科学審議会に設置された分科会及び部会の活動状況について   参考資料1.厚生科学審議会委員名簿   参考資料2.厚生科学審議会関係規程等   参考資料3.疫学研究に関する倫理指針   参考資料4.飲食店営業(一般飲食業、中華料理業、料理業及び社交業)         及び喫茶店営業の振興指針   参考資料5.平成20年度厚生労働省科学技術関係予算(案)について ○矢島厚生科学課長   傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既にお配りしております 注意事項をお守りくださいますようお願いいたします。ただいまから、第9回「厚生科 学審議会」を開催いたします。委員の皆様方には、ご多忙の折、お集まりをいただきま してありがとうございます。本日は、今井委員、金澤委員、岸委員、水田委員、深山委 員からご欠席のご連絡をいただいております。委員28名のうち出席委員は過半数を超え ておりますので、会議が成立いたしますことをご報告申し上げます。  それでは、事務局を代表して上田技術総括審議官より、一言ご挨拶を申し上げます。 ○上田技術総括審議官   本審議会の事務局を担当しています、審議官の上田でございます。冒頭、本日は皆様 方には多忙な中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。この厚生科学 審議会は非常に広範な分野を担当しており、後ほどそれぞれの担当部署から、それぞれ の行政の進行状況等についても説明があると思いますが、この厚生科学審議会に設置さ れております各分科会及び各部会の審議についても、先生方には精力的にご参画をいた だいております。重ねて御礼を申し上げる次第でございます。  本日は、厚生科学審議会に化学物質の審査及び製造等の規制に関する制度の見直しを 検討する部会を設置することについて、ご審議いただくわけです。後ほど詳しく説明し ますが、この部会は化学物質を取り巻く環境の変化、また特定化学物質の環境への排出 量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律との一体的な運用の可能性の観点も含め、 制度改正の必要性等について検討することを目的としたいと考えております。委員の先 生方におかれましては、専門的かつ大局的見地からの貴重なご意見を賜りますようお願 い申し上げます。また、先ほど申し上げましたように、新たな部会設置の審議に併せて、 この審議会に設置されている各分科会及び各部会の活動状況についても、ご報告をした いと考えております。よろしくお願い申し上げます。 ○矢島厚生科学課長   次に、本日の会議資料の確認をお願いいたします。資料の欠落等がありましたらご指 摘をください。配付資料ですが、資料1として「厚生科学審議会化学物質制度改正検討 部会の設置について(案)」です。資料2として「厚生科学審議会に設置された分科会 及び部会の活動状況について」です。参考資料1として「厚生科学審議会委員名簿」で す。参考資料2として「厚生科学審議会関係規程等」です。参考資料3として「疫学研究 に関する倫理指針」です。参考資料4として「飲食店営業及び喫茶店営業の振興指針」 です。参考資料5として「平成20年度厚生労働省科学技術関係予算(案)について」で す。以上です。それでは、会長、議事の進行をお願いいたします。 ○久道会長   早速、議題に入ります。最初に厚生科学審議会令第6条では、「その定めるところに より、部会を置くことができる」と規定されておりますので、化学物質制度改正検討部 会の設置についてお諮りしたいと思います。この件について、事務局から説明をお願い いたします。 ○山本化学物質安全対策室長   お手元の資料1に基づいて説明いたします。本日お諮りするのは、厚生科学審議会に 化学物質制度改正検討部会を新たに設置する件です。現在、化学物質に関しては、化学 物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づいて、化学物質による環境 汚染、さらに環境汚染に基づいて起こされる、人に対する健康影響を防止するためのさ まざまな規制が行われております。この法律は、昭和48年に当時のPCBの問題を契機と して制定された法律ですが、いままでに昭和61年、平成15年の2回、改正が行われてお ります。  この資料にあるように、平成15年に法律が改正されて、翌年の平成16年4月から施行 されております。この際に、法律の附則の第6条において、施行後5年を経過した場合に おいて、その新法の施行の状況を勘案して検討を行うという規定が設けられております。 今回、この規定に基づいて、平成15年の改正後の状況について検討して、見直しの必要 があるかどうかを検討いただくということで、このたびこの部会の設置をお願いするも のです。平成16年4月に施行しておりますので、みなしの期限としては平成21年4月にな るわけですが、来年、平成20年いっぱいぐらい検討していただいて、必要であれば平成 21年に法律改正も含めて、見直しを行っていくということです。  現在の法律の状況がどうなっているか、簡単に説明します。本日の資料の四枚目にフ ローチャートとして、「化学物質の審査・規制制度の概要」があります。細かい説明は 省略しますが、先ほど申し上げたように、現在、化審法に基づく規制は、化学物質が環 境中に排出されて、環境を経由して人間あるいは自然環境に悪影響を及ぼすことを防止 する法律です。矢印の下のほうに「第一種特定化学物質」「第二種特定化学物質」とあ りますが、要するに化学物質のうち分解しにくいもの、難分解性である物、生体に蓄積 しやすい物、さらに人間や環境中の生物に悪影響を及ぼすおそれのある物などを規制す るということです。難分解性で蓄積性があって、高次捕食動物、哺乳類や鳥類などに毒 性がある物を第一種特定化学物質として規制する。第一種特定化学物質になると、製造 ・輸入が禁止されて、事実上、世の中で使うことができないことになるわけです。その ほかに、難分解性であるけれども蓄積性はなさそうだという物、人間や環境の生物に対 する有害性があるような物を第二種特定化学物質として規制するという、特定化学物質 としての規制があります。  その上の欄に「監視化学物質」が3種類あります。まだ特定化学物質として規制する までには至らないけれども、そのおそれがある物として、いわば要注意の化学物質とし て、監視化学物質というジャンルを設けて、製造や輸入等の届出などを行うという、特 定化学物質よりは軽い規制といいますか、要注意の段階の規制はできることになってい ます。監視化学物質について、必要な場合には有害性の調査の指示をして、それによっ てデータが出てきた場合には、特定化学物質でさらに規制することもあるということに なっております。  さらに上の欄の「新規化学物質」ですが、新規の化学物質を製造または輸入する場合 には届出をすることになっており、届出の際に、ここにあるような分解性、蓄積性、あ るいは人に対する毒性、動植物に対する毒性に関するデータを提出させて、それを審査 した上で、監視化学物質や特定化学物質に該当するものについては指定をすることにな っています。新規の化学物質の中でも、製造量が少ない物、あるいは製造の中間体であ る物、輸出の専用品である物、要するに環境中に排出されるおそれの少ない物について は、「事前の確認」という簡便な方法で手続ができることになっております。  新規の化学物質の隣の「既存化学物質」ですが、これは昭和48年に法律ができる以前 から、製造または輸入されていた化学物質で、これはいま2万ぐらいの種類があるとな っています。これについても、随時、安全性の点検をして、必要に応じて規制をしてい くという仕組みになっております。この既存の化学物質について、2万もありますので、 これを効率的に点検をしていくのも一つの課題になっているところです。  ざっとこういう制度になっているわけですが、これについて今後どういう点の見直し をしていくかですが、まずは平成15年の改正の内容を点検して、問題点を洗い出してい ただくことになるわけです。一枚目に戻って、現在、想定している主な検討課題、2に 挙げていますが、化学物質は上流から下流といいますか、大本の化学物質を製造してい るところから、その化学物質を利用して、さらに最終製品を作るところまで、いろいろ な段階で、いろいろなメーカーが絡んでいるわけです。その各段階で、化学物質に関す るさまざまな情報、必要な情報を共有していくことを通じて、化学物質がきちんと管理 されていくためにはどのようにしたらいいのかが一つの問題点です。  それから、化学物質については、現在、ハザードの評価、有害性の評価は行われてい るわけですが、それをさらに効率的に行っていくためにはどういう点の見直しをしてい く必要があるかという点が2点目です。さらに、国際的には、化学物質に関して、有害 性の情報の評価、ハザードの評価に加えて、ばく露の可能性、どのぐらいばく露される かということも勘案したリスク評価で、評価をしていくことが行われるのが主流になっ ておりますが、そのリスク評価を行うためには、どういった点の課題があるか。さらに、 こういった制度全体について、国際的な調和、欧米でも新しい制度が施行されつつあり ます。そういう状況の下で、国際的な状況を勘案して制度を設計していく。大きく考え て四つの論点があるのではないかと考えております。  部会の構成です。化学物質については、さまざまな分野の専門家の方に集まっていた だいて、広範に議論をしていただく必要がありますので、化学の専門家だけではなくて、 法律、公衆衛生、その他、消費者問題の専門家などの方に集まっていただいて、幅広く 議論をしていただければと考えております。なお、この化学物質審査規制法は、厚生労 働省、環境省、経済産業省の3省の共管の法律になっておりますので、実際に議論する に当たっては、3省の審議会の合同の審議を行うことを予定しております。厚生労働省 に関しては、厚生科学審議会のこの部会で審議をしていただく予定にしております。  検討のスケジュールですが、先ほど申し上げたように、平成21年4月が見直しの期限 となっていますので、本日この部会について設置をご了解いただければ、来年の1月か ら早速議論を始めることにして、できれば来年中に結論を得るように審議を進めていき たいと考えています。説明は以上です。よろしくお願いいたします。 ○久道会長   ただいま部会の設置(案)について、説明をいただきました。委員の方々から、ご意 見あるいはご質問でもありましたらどうぞ。 ○竹中委員   最近、ケミカルライブラリーといって、製薬企業、あるいは一部の大学におかれても、 創薬のための化合物について、何万あるいは何10万というライブラリーを作られて、化 合物管理がされているわけですが、このような形は、以前の法律の下ではまだそれほど 管理されていなかったのではないかと思います。したがって、今回の委員として、ケミ カルライブラリーとして非常にたくさんの化合物をお持ちの方に参加していただいて、 法規制を作っていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○久道会長   いまは要望だと思うのですが、事務局から何かありますか。 ○山本化学物質安全対策室長   ありがとうございます。化学物質に関する環境といいますか、いろいろな問題として 新しいものが出てきていると思いますので、そういった問題も含めて幅広く検討してい ただければと思います。 ○眞柄委員   私の関係するWHOの飲料水の水質ガイドラインを作る際に、最近特に問題視されてい るのはばく露量評価の問題です。ばく露量評価の手法について確定されたものがありま せんので、この分科会において、ばく露量評価のプロトコルを是非ご検討いただきたい と思います。よろしくお願いします。 ○久道会長   これも要望ですが、何かありますか。 ○山本化学物質安全対策室長   ありがとうございます。まさにばく露量評価は化学物質のリスク評価の上で非常に重 要な問題ですので、これについてもしっかり議論していただければと思います。 ○吉森委員   私は専門家でも技術者でもありませんが、科学は人間学でなければいけないと思うし、 国民は自ら学ぶ国民でなければいけないと思っております。今回の構成について、幅広 い分野の関係者になっておりますが、消費者の立場の方も1名は確保していただきたい という要望があります。よろしくお願いいたします。 ○久道会長   これもそうですね。よろしいですか。 ○山本化学物質安全対策室長   ありがとうございます。委員の構成に関しても、消費者の代表の方にも入っていただ ければと考えております。 ○久道会長   ほかによろしいでしょうか。特にないようですので、この部会の設置についてはお認 めいただいたこととしたいと思いますが、いかがでしょうか。 (異議なし) ○久道会長   どうもありがとうございました。そのようにさせていただきたいと思います。なお、 先ほど来、意見がありましたように、部会に所属する委員については、厚生科学審議会 令第6条2項に基づき、会長の私から指名させていただきたいと思います。先ほどの意見 を踏まえて、事務局とも相談しながら検討させていただきます。ご了承願いたいと思い ます。  続きまして、現在、厚生科学審議会に設置されております分科会及び部会の活動状況 について、本年1月の前回総会の開催以来、動きがあったものを報告していただきます。 事務局からお願いいたします。 ○矢島厚生科学課長   資料2に基づいて、各分科会及び部会の活動状況について、二つずつ順番に所管する 担当課より報告させていただきます。最初は感染症分科会からです。 ○三宅結核感染症課長   資料の1頁ですが、感染症分科会においては、部会として感染症部会・結核部会があ ります。主に感染症法に関すること、また検疫法に関することを所掌として、分科会で ご審議いただいております。  2の「主な活動状況」ですが、感染症分科会について、平成13年5月以降、32回開催さ れております。平成18年から平成19年度においては、感染症分科会長の選出、また各部 会の委員の指名を行っていただいています。また、感染症の予防の総合的な推進を図る ための基本的な指針の一部改正、結核に関して特定感染症予防指針についてのご審議、 現在、新型インフルエンザの発生が懸念されておりますが、それに備えてH5N1について の政令指定の延長についての協議を行っていただいております。また、新型インフルエ ンザの発生に備えて、新型インフルエンザ対策行動計画の改定や総合訓練の実施などに ついての報告を行わせていただいています。ここには書いていませんが、本年11月に2 回ほど開催して、新型インフルエンザに備えた感染症法及び検疫法の改正についてのご 審議をいただいたところです。方向をいただいて、次期通常国会提出を目指して、現在、 作業を進めております。  (2)の感染症部会ですが、平成17年度において、「後天性免疫不全症候群に関する 特定感染症予防指針」及び「性感染症に関する特定感染症予防指針」について、審議を いただいています。  (3)の結核部会ですが、この結核に関しては昨年の感染症法の改正で、結核予防法と 感染症法を統合いたしました。その改正に伴い、結核の届出の基準、また潜在性結核感 染症に対する公費負担、また結核に係る入退院基準等について、ご審議をいただいたと ころです。以上です。 ○久道会長   次は、生活衛生適正化分科会です。 ○政田補佐(生活衛生課)   私のほうから分科会の活動状況について説明させていただきます。お手元の資料2の 2頁が同分科会の所掌事務ですが、一つ目に生活衛生関係営業に関する重要事項を調査 審議するということで、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律によっ て、現在17の業種が指定されております。理容、美容、クリーニング、公衆浴場、飲食 店営業ですが、これらの業種ごとの課題を調査審議することになっております。  もう1点は、同法律において、審議会の権限に属された事項があります。これについ て審議いただいているところです。具体的中身として、主な活動状況の中にありますが、 2行目に書いてある「振興指針」です。これらの営業の振興を計画的に推進して、衛生 水準の維持・向上を図ることと、消費者へ安全で良質な商品やサービスの提供を行うこ とを目的として、業種ごとに厚生労働大臣が振興指針を定めることになっており、現在 12の振興指針が定められているところです。これは毎年改正を行っており、各業種ごと の指針について5年ごとに見直しを行って、毎年、該当する業種について指針の見直し の審議を行っていただいているところです。平成19年度については、先月お諮りしまし たが、食鳥肉販売業の振興指針の改正を行ったところです。  もう1点は、活動状況の中段ぐらいですが、「標準営業約款」と申しまして、消費者 の利益の保護という観点から、提供する役務、内容、商品の品質、施設設備の表示の適 正化、苦情処理、損害賠償保険などの加入状況等を提示することによって、利用者・消 費者のサービスの提供、商品を購入する際の選択の利便を図ることを目的として、標準 営業約款を定めることになっており、これの許可・変更に関することをご審議いただい ております。最近では、平成16年にめん類の標準営業約款、一般飲食店に関する標準営 業約款が新たに設定されております。以上です。 ○久道会長   二つの分科会のこの1年間の活動状況についてのお話がありました。皆さんから何か ご質問等がありましたらどうぞ。年に1回ぐらいですから、皆さんからの意見はこの機 会でないと言えませんので、どうぞご遠慮なく。 ○垣添会長代理   2頁のいちばん下にある「食鳥肉販売業の振興指針の改正についての審議」というの は、いま世の中を騒がせているいろいろな事態に対して、指針を改正しようという話で すか。 ○政田補佐(生活衛生課)   いま原産地表示の問題やトレサビリティーとの関係など、いろいろ抱えている問題が ありますので、それぞれ即した形で指針の見直しを行っているということです。内容的 には業の振興及び消費者保護が目的ですので、選択の利便に資するという中で、原産地 表示の問題も含めて、審議していただいているところです。 ○久道会長   ほかにありませんか。また思い出したらあとでご質問をいただいても結構です。次の 科学技術部会と疾病対策部会、この二つの説明をお願いいたします。 ○坂本研究企画官   科学技術部会及びその下に設置されている作業委員会等の活動について、ご報告いた します。資料2の3頁ですが、1に書いてありますように、科学技術部会の所掌事務につ いては、疾病の予防及び治療に関する研究その他、厚生労働省の所掌事務に関する科学 技術に関する重要事項を調査審議するということです。主な活動状況としては、(1) の科学技術部会について、厚生労働省の科学研究開発の総括的事項、各種指針の策定及 び評価方法等などの検討といった、科学技術政策の重要事項に関する審議をいただいて いるところです。具体的な例として、本日、参考資料3としてお配りしておりますが、 平成19年8月に告示されました「疫学研究に関する倫理指針」について、その細則も含 めて、7月の部会で総括的なご審議をいただいているところです。  科学技術部会では、厚生労働科学研究費補助金の成果、研究事業の評価といったこと を行っていただいております。毎年度の研究費の概算要求等に、そういった結果を反映 させているところです。そのほか、厚生労働省の各研究機関が実施した機関評価やその 対応方針についてのご審議もいただいております。現在は、厚生労働科学研究費補助金 の配分機能の移管のあり方等についてご審議いただいており、今後、厚生労働科学研究 における利益相反に関する指針等についてもご審議いただく予定となっております。  (2)の遺伝子治療臨床研究作業委員会ですが、平成13年3月以降、ここには42回開催 となっていますが、ワープロミスで申し訳ございません。正しくは44回開催です。訂正 させていただきます。この作業委員会では、申請があった遺伝子治療臨床研究実施計画 に関して、主として科学的・倫理的事項について論点整理を行っていただいております。 平成19年度には、岡山大学医学部・歯学部附属病院から申請がありました臨床研究につ いての審議を終了し、東京大学医学部附属病院から申請があった臨床研究について審議 中ということです。  さらに、遺伝子組換えウイルス等を使用する場合には、「遺伝子組換え生物等の使用 等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」という法律の対象になって、生物多 様性影響の防止の観点から問題がないかどうかについて、別途、この委員会の下に設置 された委員会でそういった評価を行っていただいているところです。  4頁ですが、(3)のヒト胚研究に関する専門委員会では、平成18年1月からは文部科 学省の専門委員会と合同開催ということで、ヒト受精胚の生殖補助医療研究目的での作 成・利用に関するガイドラインの作成及び研究審査体制の整備に向けた検討を行ってい ただいております。  (4)の疫学研究指針の見直しに関する専門委員会は、平成18年10月以降、6回開催し て、こちらでの検討結果を踏まえ、先ほどご説明しました、改正された「疫学研究に関 する倫理指針」が告示されたところです。  (5)の厚生労働科学研究における利益相反に関する検討委員会は、本年6月以降、こ れまでに5回開催して、「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針」の案を作成して、パブリックコメントを行ったと ころです。  (6)の臨床研究の倫理指針に関する専門委員会は、本年8月以降、これまでに4回開 催して、「臨床研究に関する倫理指針」の見直しのための検討を行っております。  (7)のヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会は、本年7月以降、これまでに3回開 催ということで、10月までに大阪大学、国立循環器病センター、京都大学病院こちらは 2件ということで、計4件の申請について、指針への適合性について確認しております。 現在、奈良県立医科大学等からの申請についての審議を行っております。科学技術部会 の関係については以上です。 ○梅田疾病対策課長   資料5頁、疾病対策部会です。平成13年にこの疾病対策部会が設置されてから、それ ぞれ(2)から(6)にある5つの委員会を置いております。臓器移植委員会、リウマチ ・アレルギー対策委員会、クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会、難病対策委員会、造 血幹細胞移植委員会です。本年1月に本総会が開催されて以降は、既にこれらの委員会 で出された報告や、提言に基づく施策の着実な実施に努めてきたところですが、主な動 きがあった委員会について、ご報告申し上げたいと思います。  一つ目は臓器移植委員会ですが、本年4月に開催しております。臓器の移植に関する 法律の運用に関する指針の改正について、検討をいただきました。  クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会ですが、本年4月に開催しており、クロイツフ ェルト・ヤコブ病等のサーベイランスの結果を定期的にまとめて、この委員会に報告し ているところです。今年の4月も患者の発生状況の確認と報告を行ったところです。主 な動きとしては以上です。 ○久道会長   二つの部会の説明がありました。何かご意見、ご質問はありませんでしょうか。私の ほうから質問なのですが、今年、統計法が改正されましたね。統計法が改正されて、そ の結果、例えば疫学研究のような科学技術に関係する情報をどうするかということで、 関連する学会が、統計法改正による状況がどう変わるのか心配して、要望書などを出し ていると思うのです。これは日本医学会からも同じようなことで出していると思います が、その件は部会ではあまり議論されていることはないでしょうか。あるいは、事務局 で何か検討されているなどということはありますか。 ○坂本研究企画官   疫学研究指針の改正に際しては、特にそういった要望書やご議論はなかったようです。 ○久道会長   指針に関してはですね。そのあとは、特に議論していないですね。 ○坂本研究企画官   はい。特に議論はされていません。 ○久道会長   それから、COIのパブリックコメントを行ったなどとお話になったのですが、その傾 向はどうですか。 ○坂本研究企画官   パブリックコメントを行って、いくつかご意見をいただきましたので、その整理をい まやっているところです。専門委員会の先生方とご相談して、回答を作成する必要があ ろうということで、現在整理中です。 ○久道会長   ほかに何かありませんか。なければ次の説明に移ります。地域保健健康増進栄養部会 と生活環境水道部会、お願いします。 ○関生活習慣病対策室長   資料の6頁に記載してありますが、地域保健健康増進栄養部会の開催状況について、 ご報告申し上げます。同部会は、地域保健の向上、国民の健康の増進、栄養の改善、生 活習慣病対策に関する重要事項の審議をすることとされており、下部委員会等はありま せん。前回のこの総会からの開催状況としては、通算で27回目の会議として、4月に1回 開いております。この中で審議されたこととして、一つは医療制度改正が来年4月から 全面的に施行されることとなっていますが、関連して、健康増進法に基づく基本方針を 告示として出しておりますが、これの改正について審議していただきました。  具体的には、地域における実情を踏まえた運動、食生活、喫煙等に関する目標の設定、 あるいは健康診査・保健指導の実施状況などの指標を設定するということで、具体的に はこれを都道府県の健康増進計画の中で書いていただくということです。例えばメタボ リックシンドロームの該当者や予備群の減少率といった指標を盛り込むことを、全体の 方針として書いております。さらには、都道府県の総合調整機能の強化について、新し く盛り込んでいくということになりました。  二つ目の「健康日本21」の中間評価についてですが、平成12年度から「健康日本21」 を開始しており、10年間の展開期間の中間年ということで、評価を行った結果をご報告 しております。具体的には総花主義的になることなく、明確にターゲットを絞りながら 活動を展開していく必要があるといったこと、あるいは活動展開のための十分なプログ ラムやツールを開発して用いていくということ、あるいは産業界を含めた社会全体とし て、健康づくりの取組を進めていくということ等々が指摘されております。  今後においては、そうした運動や栄養の面でのさまざまなツール開発をしてきており ますが、そういったものを各地域での取組の中で、より効果的に活用していくというこ と、あるいは来春から始まる特定健診・特定保健指導という新しい取組の中で、それを 適切に行っていくといった形で、この中間評価をいただいた結果を踏まえた施策展開を していくこととしております。  3番目ですが、標準的な健診・保健指導プログラムについて、ということで、これは 来春からの特定健診・特定保健指導の実施の内容についてお示しし、それについての審 議をいただいたということです。  市町村における新たな健康増進事業ですが、これまで老人保健法に基づいて行ってい た基本健康診査が、新たに高齢者医療確保法に基づいて特定健診という形で行われてい くという形に衣替えします。それに伴い、他の健診事業等については健康増進法に基づ いて市町村が実施するということ、具体的にはがん検診、歯周疾患検診、骨粗鬆症検診 等々を、健康増進法のもとに位置づけて市町村が実施していくという形にしたものです。  5点目は、「健やか生活習慣国民運動」です。「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、 最後に薬」というスローガンを掲げておりますが、こういった趣旨を各地で着実に展開 していくため、その進め方についてのご審議をいただいたところです。 1回の部会開催で、以上のようなことを審議いただいたところです。 ○山村水道課長   生活環境水道部会の開催状況について、説明申し上げます。まず、所掌事務ですが、 二つの分野があります。一つはいわゆる生活環境、これは建築物衛生その他の生活衛生 に係る重要事項です。もう一つは水道に関する重要事項、この二つを所掌事務としてお ります。おおむね年1回のペースで、各課題ごとの検討会で審議された事項について、 総括的なご検討をいただくという形で実施をしてきております。今年度については、10 月26日に第6回の部会を開催し、「水質基準の見直し等について」「水道施設の耐震化 について」「指定給水装置工事事業者制度について」ということで、審議を行ったとこ ろです。  まず、水質基準の見直し等については、前回の部会で示された水質基準への塩素酸の 追加等についての対応状況、水道水質基準逐次改正検討会で示された、水質基準の見直 しの方向性及び水安全計画への取組状況について審議が行われて、提示された方針で進 めていくことが了承されたところです。  次に、水道施設の耐震化については、水道施設の耐震性能基準の明確化及び水道施設 の耐震化の推進に向けた情報提供のあり方について審議が行われ、省令の改正等を通じ て、水道施設の耐震化を推進していくことが了承されたところです。  最後に、指定給水装置工事事業者制度については、制度の施行状況の評価及び課題に 対する今後の取組の方向性について審議が行われて、通知の発出等を通じて対応してい くこととされたところです。以上です。 ○久道会長   二つの部会の説明をいただきました。委員の方々から何かご意見はありませんか。 ○澁谷委員   地域保健健康増進栄養部会のほうで2点ほど。4月以降開かれておりませんが、このと きに話題になっております「健康日本21」の推進があるわけです。現在、国では国立健 康・栄養研究所のあり方というか、方向性を考えていると思うのですが、ここは大変貴 重な膨大なデータを持っていらっしゃいますし、健康づくりに対しては重要な機能を果 たしていただいていると思っております。いまお答えできる範囲で構いませんが、ここ の機能や膨大なデータは、今後どんな方向で検討されるのか。行革との関係で、そのこ とをお教えいただけたらというのが、まず1点です。  それから、ここにありますように、市町村の特定健診・保健指導について、いま来年 度に向けて各市町村が計画づくりをしているわけですが、国保のほうは家族の保健指導 までは手が回りにくいといいますか、難しいような状況が見て取れるのです。来年度か ら地域で推進していくのに、何かそこをサポートすることを考えないといけないと思っ ているのですが、国で何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 ○矢島厚生科学課長   今回の行政改革の一環として、独立行政法人のあり方が議論されて、いろいろな意味 で機能を強化していくという議論もありました。国立健康・栄養研究所については、医 薬基盤研究所と統合して機能強化を図っていくという方向で、閣議決定がされました。 今後どのように機能を強化していくのかということに関しては、これから事務的に詰め ていくことになると思っています。 ○関生活習慣病対策室長   ご指摘の来春からの特定健診の実施の件ですが、医療保険の保険者において実施する ことになりますので、お話のように国保は、国保を担当する市町村という立場で行いま すし、また健康保険は医療保険者で行っていくわけです。いずれにしても、健康保険の 加入者本人、あるいは被扶養者の方々に対しても引き続き適切に健診が行われるように していくためには、市町村あるいは都道府県のレベルでのさまざまな調整が必要になっ てくるということです。  被扶養者については特に健康保険の場合、医療保険者おいて被扶養者の把握が十分に できるかどうかという問題意識があり、被扶養者の方が保険の加入者本人と違う場所に 住んでいるといった場合にも問題が生じないようにしていく必要があるわけです。そう いった場合でも、地元の自分の住んでいる市町村に行って受けた場合に、きちんと健診 が受けられるようにするため、集合契約という方式を導入しております。実務的なとこ ろは、医療保険者の取組ですので、いま保険局のほうで関係するさまざまな省令、告示、 通知等の整備をしているところです。  いずれにしても、そうした集合契約という仕組みが円滑に動き、かつ自治体のレベル での調整機能が十分働くように必要な情報提供をしていくということ、あるいはこうい う形でやると非常にうまくいっているようだという事例を紹介するといった形で、制度 の立上げに当たって、いままでと仕事の仕方が若干変わるという面がありますので、そ の辺をきめ細かに、私どもとしても情報をいただいたり提供したりしながら、円滑にい くように努力してまいりたいと思っております。 ○久道会長   澁谷委員、いいですか。ほかにはありませんか。次に、医薬品販売制度改正検討部会 と健康危機管理部会の説明をお願いします。 ○関野薬事企画官   お手元の資料2の8頁です。医薬品販売制度改正検討部会については、所掌事務にある とおり、平成16年4月に医薬品販売のあり方全般の見直しについて、調査審議すること を目的に設置されております。主な活動状況ですが、2に書いてあるとおり、平成16年 5月以降、23回開催されておりますが、この検討会の報告書が平成17年12月にまとめら れ、さらに薬事法の改正法案が提出され、それが平成18年6月14日をもって公布されて おります。これに関しては、公布の日から3年以内の政令で定める日の施行となってお り、公布が平成18年6月ですので、平成21年6月までに全体の改正薬事法の施行が予定さ れております。  いま現在においては、この部会、あるいはその下にある専門委員会での検討が一応終 わっており、事務的に厚生労働省令等の整備をしているという状況です。したがって、 本年度開催実績はありませんが、いま改正された法律に基づいて、厚生労働省令の準備 をしているという状況です。以上です。 ○浅沼健康危機管理官   健康危機管理部会について、ご報告いたします。資料2の9頁です。当部会は、原因の 明らかでない公衆衛生上重大な危害が生じ、または生じるおそれがある緊急の事態に関 して、その対処を調査審議していただくことを所掌事務としております。  活動状況です。平成18年10月30日に第1回目の会議を開催し、部会長の選出など基本 的な事項を決めていただきました。本年の活動状況としては、平成19年6月5日に第2回 目の会議を開催し、スギヒラタケの喫食による健康危機事例の対応、あるいは改正国際 保健規則についてなど、健康危機管理に関する報告を行ったところです。以上です。 ○久道会長   この二つの部会について、何かご意見、ご質問はありますか。よろしいですか。それ では、全体を通じて何かご意見がありましたらどうぞ。 ○坂谷委員   5頁の疾病対策部会の点です。(5)の難病対策委員会に関して、いま調査研究事業対 象が130でしたか、123でしたか。それから、治療対象事業の疾患がたしか43だったと思 います。この種の調査事業、それから治療事業が進んで、難病ではありますが一般性の 疾患になったもの、新しく難病のリストに入れるほうがよいような疾患が出てきており ます。それの入替えといいますか、対象疾患の選択に関しての作業がスムーズにいきま すように、是非ともお願いしたい。  それから、書かれておりますように、「今後の難病対策の在り方について」の中間報 告が平成14年8月に出ておりますが、その後、動きがあるのか、ないのか。もしないよ うでしたら、相当時間が経っておりますので、新しい目で対策のあり方についてご検討 いただいたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。 ○久道会長   二つ、最初は要望で後は質問でしたが、どうぞ。 ○梅田疾病対策課長   ご意見ありがとうございます。特定疾患、いわゆる難病対策ですが、いま研究対象に なっている疾患が123、特定疾患治療研究事業として、研究の推進のために、患者の医 療費を公的に助成する制度の対象疾患が45です。難病対策委員会で中間報告が出されて から日が経っているところですが、この中間報告の考え方に基づいた検討を行っている ところです。特に対象疾患の見直しということでご指摘をいただいているのですが、こ れについては特定疾患対策懇談会というところが、対象疾患を専門的に検討するという 役割を持っています。そちらを検討の場として、昨年度4回開催しております。その中 で、今年の3月に研究対象となる疾患を二つ追加することが結論付けられました。その 二つが加わったことによって、現在123疾患になっているところです。  対象疾患をどのように考えるかということは、平成14年の中間報告で、要件に照らし て明確に評価していくべきというご意見がありました。その報告を踏まえつつ、また患 者団体をはじめ、臨床の先生方、研究の観点からのご指摘もいろいろなご意見がありま すので、引き続きこの点については検討をしてまいりたいと思っております。 ○渡邊委員   先ほど澁谷委員から、健康・栄養研究所に関して、力強いご支援をいただきました。 おかげさまで、皆様のご支援で存続する方向で検討をしていただいております。今回い ろいろ考えたのですが、独法というのは研究開発型と政策実行型と体制的な支援型、大 きく3種類に分かれるのですが、それぞれの特性を無視して、一律で半数に削減などと いう話で出てきているわけです。考えてみますと、今回は私どもだけの話でしたが、将 来さまざまな研究所に同じような論議が及ぶ可能性がある。特に高度先進医療センター が独法化するのがスケジュールに載っておりますから、そういうところの研究所の機能 などが、将来必ず問題になってくると思います。  一方で、国立病院機構の中に労災病院も合わせろとか、非常に乱暴な意見も出てきて おりますし、総務省では公立病院の統廃合まで、記載の形で規制しようとしてきていま すね。ですから、厚生労働省としては、一次医療圏、二次医療圏、三次医療圏を策定し て、地域住民の医療がどうあるべきかというのをずっと検討してきたわけですが、そう いうところが全部スキップされるおそれもあるわけです。将来起こり得る問題は、厚生 科学審議会でも担当部署を超えて検討する必要があるのではないかと思っております。  2点目は、これも厚生労働省を超えて、実はさまざまなことがこちらに影響がくるわ けですが、例えば8省庁での研究者共通データベースづくりは文部科学省がやっており ます。イノベーション25では、新健康フロンティアが進められようとしております。総 務省はデータベースを一生懸命作りたがっておりますが、私どもがデータを提供しても、 なかなか研究者が使いづらいですね。ですから、この辺のことがなぜ使えないのか。例 えば死亡公表の疫学研究というのは、疫学グループはもう何十年も要望を出し続けてお りますが、一向に解決しておりません。ですから、こういうデータベースの活用法が遅 々として進まないのは何なのか。この辺りもきちっと評価する必要があると思っており ます。  最後は、例えば鳥インフルエンザの問題とか、日本は水際でカットしようと一生懸命 やっていますが、そのためのワクチン製造が間に合っているのかどうなのか。それから、 温暖化と感染症がどのように増えていくのであろうか。水不足の中で、良い水質の水が 本当に確保できるのかどうなのか。これはたぶん国土交通省が検討していると思います が、そういった横の連携が、もう少し情報がきちんと整理されてくるようにわかればと 思っております。 ○久道会長   3点ほどあったと思うのですが、事務局、何かお話はありますか。 ○矢島厚生科学課長   いろいろなご指摘をたくさんいただきましたので、即答できない部分もあるのですが、 大変貴重なご意見をいただきましたので、私どもは持ち帰らせていただいて、関係の所 とも調整をさせていただければと思います。 ○久道会長   よろしくお願いします。 ○池主委員   厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会の件ですが、来年度から実際に地域でい ろいろな問題が展開されていくと。その中で、先ほどもちょっとありましたが、市町村 にこれが委託されて、地域の自治体がこれを行っていくという流れがあるわけです。そ の中で、例えば地域の要請があって、特定健診や特定保健指導の中に、我々の分野でい けば口腔に関する、歯周病に関する項目が欠けている。基本フレームには入っていない わけです。地域の要望で、そういった問題も検討してほしいということが、かなりいろ いろなところで出てくる可能性があると思うのです。そのときに、当然中心のほうに地 域自治体のほうからの問合せがいくと思うのです。  そういったときに、地域の要請がある場合は、地域の裁量で、できるだけ住民の要望 を入れていけるような柔軟な姿勢を、今後も示していただきたいと。その中で、これか らもいろいろな部分でそういう要望は出てくると思うのです。当然この構想には、必要 があるときには柔軟に対応していくという姿勢はあるのだと思いますが、それをより具 体的に強調してやっていっていただきたいということです。 ○久道会長   関室長は、いまの件は何かありますか。 ○関生活習慣病対策室長   そのような地域でのいろいろなニーズをうまく捉えて、市町村が健康増進法に基づい ていろいろな取組をしていくということは、健康増進法の中に既に盛り込まれているも のです。そうしたさまざまな取組を、国としてもいかにサポートしていけるかというこ とかと思いますので、その点よく心にとどめてやっていきたいと思っています。 ○坂本委員   地域の取り組みに関連して。先ほどの国立健康・栄養研究所と同じように地方の研究 機関にもリストラの流れが及んでいます。公衆衛生分野における研究・開発というのは、 今後とも重要だと思いますが、地方自治体の健康づくりの研究機関の状況もご報告して おきます。  それから、今回の「健康日本21中間評価」の後も、数値目標の評価とともに、地域 の取り組み状況の評価も続けていただきたいと要望いたします。 ○垣添会長代理   部会の報告の最後に報告された健康危機管理部会にかかわることなのか、あるいは冒 頭、設置が認められた化学物質制度改正検討部会、どちらにかかわるのかちょっとわか らないのですが、いまナノテクノロジーというのが非常に注目されており、さまざまな 物質が人に関連が出てくる可能性があると思います。例えばカーボンナノチューブみた いなものが、生体に対してどういう影響を及ぼすかというのは、必ずしも十分わからな いところで、どんどん技術だけが進歩している。一方で、動物実験で発がん性なども一 部、指摘されております。こういった問題は、どちらの部会で検討されるのか、あるい は既に検討されつつあるのでしょうか。その辺の状況をお教えいただければありがたい のですが。 ○山本化学物質安全対策室長   ご指摘ありがとうございます。冒頭、新しい部会、特に化審法の検討のところで説明 しましたように、新しい化学物質に関する問題・課題に対応していくような見直しをし ていくことも検討していく課題なわけです。ご指摘があったナノテクノロジーを利用し た化学物質は、いまの化審法の体系の中では、必ずしも規制の対象にならない場合もあ るわけです。そうした物質について、いろいろな健康被害が起こるのではないかという 懸念があることも承知しておりますので、そういったものについてどういったことがで きるかということも含めて、この部会のほうでも検討していきたいと考えております。 ○石井委員   今後についてのお話も出ているので、今日、報告がなかったことなのですが、質問さ せていただきます。生殖補助医療部会はまだ存続しているというお話だったかと思いま す。厚生労働省と法務省から学術会議に諮問がなされている、代理母を中心とする生殖 補助医療に関して、来年の1月末に出ると聞いております。それを受けて、今後この部 会、あるいは厚生労働省としてどう対応をするのか、お考えがあればお聞かせいただき たいと思います。 ○矢島厚生科学課長   私どもはどうするかということについて、まだ準備ができておりませんので、方針が 決まりましたら、またご報告をさせていただければと思います。 ○望月委員   化審法の関連なのですが、いま労安法でも、同じようにいろいろな化学物質の安全性 について検討していると思うのです。それとの関連、あるいはお互いのデータの交換と いいますか、取扱いについてはどういう方向でいくのでしょうか。 ○山本化学物質安全対策室長   今回検討するのは、化審法を念頭に置いた見直しを行っていただくということですが、 化学物質に関してはさまざまな法規制、ご指摘のあった労働安全衛生法も含めて、さま ざまな法律がありますので、そういった法律でそれぞれ規制をしているわけです。基に なる科学的な資料は共通のものもありますので、今回の見直しに当たっては、化学物質 に関するさまざまな毒性に関する情報、その他必要な情報をいかに共有し、素早くそれ ぞれの法律をもって必要な対応ができるか、そのために、どういう情報の共有、伝達シ ステムが考えられるかということも含めて、検討していきたいと考えております。労働 安全衛生法そのものを直接、検討の対象にすることはありませんが、そういった形で関 係の法律の間で、省庁の間で、情報の連携や共有化ができる方法についても、検討はし ていきたいと考えております。 ○望月委員   共通のデータベースを作るというような、具体的なプランはないのでしょうか。 ○山本化学物質安全対策室長   現在でも、関係省庁の間で共通のデータベースを一部、実際に作って運用しているも のもありますが、必ずしもそれが活用されていないのではないかということもあります ので、どういう課題があって、どういう見直しの必要があるかということも、必要であ ればこの検討会で検討していきたいと考えております。 ○眞柄委員   いまのことと関係するのですが、例えば水道の水質基準を改正しようとするときに、 リスク評価を食品安全評価委員会にしていただいております。食品安全委員会の評価と 化審法の評価と、きっちり合っているかどうかということと、食品安全委員会で毒性評 価をされた際に、毒性情報が曖昧であるということで、かなり大きな不確定係数を付け られて、1日対応摂取量を出されるわけです。そのような大きな不確定係数に基づいて 基準を作ることが、果たして妥当であるかどうか。不確定係数が大きくなればなるほど、 厳しい基準になって、技術的かつ測定法上の問題もしばしば発生しますので、その辺の ところもどこかでご議論していただければと思います。よろしくお願いします。 ○山本化学物質安全対策室長   御指摘の点も踏まえて、検討していきたいと思います。 ○渡邊委員   いまのにちょっと追加ですが、食品安全委員会は、不確定係数を常にトキシコロジー に基づいて決めてきているのですが、WHO、FAOは食品中の化学物質については、そのよ うな基準の決め方は良くないということで、2005年のワークショップで結論を出してお ります。この点については、食品安全委員会に確認したところ、新しい科学的知見が出 てきた場合には、見直すのは吝かではないということになっているようです。 ○井部委員   忘年会シーズンで飲食店を利用することが多いのですが、生活衛生適正化分科会で、 飲食店営業や喫茶店営業の振興指針の改正などが行われたということですし、今日も資 料が付いておりますが、主にどういうことが改正の目玉だったのか、教えていただけれ ばと思います。 ○政田補佐(生活衛生課)   参考資料4ということで、一昨年見直しをした飲食店と喫茶店営業の振興指針ですが、 基本的にはこの振興指針の中に第一からありますが、一つ営業の目標はどうするかとい う観点です。これは昨今の経営状況等を踏まえて、内容の訂正を行っていくこと。2頁 の第二で、目標を達成するためにどういうことをやるかというと、必要な事項について 審議が行われており、内容的には食品衛生法等の遵守をするという趣旨ですが、衛生水 準の向上を図るために取り組むべき事項について、各消費者団体等のご意見も踏まえて、 先生方に入っていただいておりますので、その点の整備なり改善に資する事項を内容と しております。  4頁ですが、基本的なイメージとしては、最近では表示の適正化、苦情処理に関する 事項とありますが、いわゆる原産地表示の問題、アレルギー患者に配慮したアレルギー 表示の問題というものも配慮してやっていこうということです。健康増進法にも関係し ますが、ヘルシーメニューの提供の事業や、健康に配慮した食のサービスの提供という 点も中に盛り込まれております。  さらに、7頁にありますが、禁煙等に対する対策も飲食店でやっていくということと、 食育ということがありますが、食育に対しても積極的に自主的活動を推進していくとい う内容など、さまざまな現状の課題を盛り込んで議論されているところです。以上です。 ○久道会長   ほかにありますか。ないようですので、各部会の説明に関連した委員からのご質問、 ご意見等はこれで終わりにします。議題は「その他」になっていますが、参考資料の予 算については何か説明はあるのですか。 ○矢島厚生科学課長   特に予定はしておりません。 ○久道会長   ただ、これを見てくださいということですね。 ○矢島厚生科学課長   はい。 ○久道会長   「その他」になりますが、事務局から何かありますか。 ○矢島厚生科学課長   特にありません。 ○久道会長   今日はいろいろご意見をいただきました。これで本日の審議会は終了いたします。ど うもありがとうございました。               −了− 【問い合わせ先】  厚生労働省大臣官房厚生科学課  担当:情報企画係(内線3808)  電話:(代表)03-5253-1111   (直通)03-3595-2171 - 1 -