07/12/21 社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会 第5回 社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会 1.日  時 平成19年12月21日(金)10:00〜12:00 2.開催場所 霞が関東京會舘「シルバースタールーム」 霞が関ビル35階        住所:千代田区霞が関3−2−5 3.議事次第  (1) 開会  (2) 議題       基本構想の取りまとめに向けた議論について  (3) 閉会 4.出席委員等   (委員)     大江和彦委員、大山永昭座長、駒村康平委員、田中 滋委員、辻本好子委員     樋口範雄委員、堀部政男委員、南  砂委員、山本隆一委員 (五十音順、敬称略)   (オブザーバー)     山内 徹 内閣官房情報通信技術(IT)担当室内閣参事官     塚田桂祐 総務省大臣官房参事官(企画担当)     望月明雄 総務省自治行政局市町村課住民基本台帳企画官   (厚生労働省)     薄井康紀 厚生労働省政策統括官(社会保障担当)     香取照幸 厚生労働省参事官(社会保障担当参事官室長)     黒川弘樹 厚生労働省社会保障カード推進室長 5.議事内容  ○ 大山座長      定刻になりましたので、ただいまより第5回社会保障カード(仮称)の在り方 に関する検討会を開催いたします。委員の出席状況について報告いたします。本 日は、高山委員が御欠席でございます。それでは、今日、予定されている議事へ 進行させていただきます。まず、事務局から資料の確認をお願いしたいと思いま す。  ○ 事務局    本日の資料は2点でございます。資料1、横紙で、社会保障カード(仮称)に 関する議論のための検討メモ(案)のポイントというものでございます。前回の検 討会に提出させていただいた資料の修正版でございます。資料2が、縦紙で、社 会保障カード(仮称)に関する議論のための検討メモ(案)というものでございま す。こちらも前回の検討会に提出させていただいた資料4の修正版になります。 以上でございます。 ○ 大山座長    資料の確認をしていただきましたでしょうか、何か問題がございますか。それ    では議事に入らせていただきます。本日は、前回に引き続きまして、基本構想の    取りまとめに向けて議論をしたいと思います。まず、前回の議論を踏まえ、検討    メモのタイトルを変えさせていただきました。この検討メモを修正しています。    事務局から修正された検討メモにつきまして御説明をいただきたいと思います。    お願いします。  ○ 事務局      着席して御説明させていただきます。資料1と2でございますが、前回提出さ    せていただいた資料の修正版でございます。資料1については、ポイントという    ことで概要版ですので、本日は、資料2につきまして、主に修正した点を中心に    御説明させていただきます。資料2の3ページでございます。前回の検討会にお    いて御指摘いただいたポイントとしましては、メリットばかりでデメリットが書    かれていないということでございます。11月の意見交換会では、さまざまな角    度から御意見をいただいたところですが、それが反映されていないのではないか    ということでした。我々としては、メリット・デメリットというより、これから    検討を進めていくわけですので、実現しようとする効果とその留意点ということ    でないかということで、この3の表題を、「実現しようとする社会保障カード(    仮称)の導入による効果」としております。また、後ほどごらんいただきますが、    この後に4といたしまして、「カードの導入に当たっての留意点」という形で整    理をしております。3ページの枠の中は、仕組みの概要の上から5つ目の○でご    ざいます。下線が引いてあるところでございます。こちらは以前、「希望する方    が閲覧することができる。」という表現になっておりましたが、あたかも希望す    れば何でもいろいろな情報が見られるようになるかのような印象を与えるといっ    た御指摘を受けました。それを踏まえて「特定健診情報やレセプト情報を保険者    が電子的に保有し、利用者がオンラインで提供する環境が整うことを前提として    」ということでございまして、電子的に保険者が保有して、なおかつそれを利用    者に提供する環境が整うことを前提として、初めて希望する方が情報を見ること    ができるということでございまして、そのことを明確に記述させていただいてお    ります。続きまして6ページをごらんください。先ほど申し上げましたように、    カード導入に当たっての留意点ということで、新たに1ページ程度つけ加えさせ    ていただいております。主に11月に行いました作業部会でいただいた意見、も    しくは懸念といったものを踏まえて記述を加えております。ひとつめの○でござ    います。「具体的な仕組みの検討に当たっては、11月の作業部会において関係    団体より出された懸念なども踏まえ、以下の点に留意し、プライバシーの侵害や    情報の一元的管理に対する不安を解消するとともに、費用対効果にすぐれた仕組    みとする必要がある。」ということでございまして、さまざま御意見をいただき    ましたが、プライバシーの侵害や情報の一元的管理に対する不安に関する事項や、    費用対効果に関する部分が多かったのではないかということで、主にそういった    ものを記述させていただいております。次に全体として留意すべき事項でござい    ます。今、申し上げましたように、個人情報の保護とセキュリティ確保のために    十分な対策をとる必要があるということと、2点目でございますが、さまざまな    方が対象となるということでございまして、若い方もお年の方もいらっしゃり、    なおかつ、情報技術などを使いこなす能力につきましても、また、判断能力につ    きましてもいろいろ個人差があるということですので、さまざまなケースを想定    しながら検討を進めていく必要があるのではないかという点を記述させていただ    いております。続きまして、被保険者証や資格確認に関する事項でございます。    例えば、ひとつめの○でございます。全医療機関でオンラインの資格確認が可能    な環境が整わなければ、保険証の原本とは言えないのではないかという御指摘、    もしくは2点目ですが、被保険者の資格取得・喪失等の情報については、届け出    時期によるタイムラグが生じるということでして、例えば、4月1日に会社に入    ったとしても、実際の資格取得の届け出が出てくるのに若干のタイムラグがある    だろうと、こういったものが必ず生じてくるということに留意する必要があるの    ではないかということでございます。また3点目でございますが、例えば、組合    健康保険の被保険者資格を失った場合に、その情報が現在は特に他の保険者に伝    わるということはありませんが、例えば、国民健康保険に送られるようにすれば 楽になるのではないかという御指摘がありましたので、そちらを記述させていた    だいております。情報の閲覧に関する事項でございます。下から2つ目のポツで    ございます。カードによる情報閲覧が可能な端末機を一定程度制限することによ    って、プライバシーを保護する方策とすべきであり、これを検討すべきではない    かという話。一番下のポツですが、レセプトにつきましては審査支払機関・保険    者の審査を経て、最終的にその内容を確定するというプロセスになっております    ので、被保険者の方が閲覧するレセプトの内容と実際の診療内容が異なってくる    場合があるのではないかということに留意する必要があるだろうということでご    ざいます。7ページでございますが、非開示となるレセプトもあり、すべてのレ    セプトが今、現在の仕組みですと開示されるわけではないということも留意する    必要があるだろうということでございます。次にカードの要件に関する事項でご    ざいます。カードの表面やICチップから個人情報が読み取れない仕組みとする    必要があるのではないかということ。そのカードの識別情報といったものは必ず    しも単純な番号でなくてもいいのではないかという御指摘をいただいております。    主にこういった意見を作業部会でいただきましたので、こういった点を踏まえま    してさらに検討を深めていく必要があるのではないかということでございます。    続きまして7ページの一番下の○でございます。券面に書かれている情報が重要    ではないかといった御指摘をいただきました。やはり利用者からするとパッと券    面を見ればすぐに情報がわかるということも重要なことであろうということでご    ざいます。それをICチップの中に入れることや、データベースに入れることに    よって見られなくなることに対して、何らかの措置が必要ではないかということ    でございます。例えばですが、その情報を記載した紙をお送りして家で保管して    いただく。と、いった対応が検討されるべきではないかということでございます。    8ページの1つ目の○でございますが、内容を変えたというより表現を整理させ    ていただいております。似たような選択肢が続いていたということもございまし    たので、表現の整理をさせていただきました。ひとつ目の○ですが、1枚のカー    ドにして、確実に1人1枚交付するためには、加入者の資格情報を同一人物であ    ることが特定できるようにする必要があるだろうということでございます。その    上で、加入者を特定するための鍵となる情報というものをカードに収録しまして、    その情報を利用して加入者の資格情報にアクセスできるようにする必要があると    いうことです。案の1から4までお示ししております。8ページの下から3つ目    の○でございます。この選択肢の前提でございますが、そもそもICカードの正    当性を確認することが必要ですので、カードのICチップには何らかのカードの    識別子といったものが記録されているということでございます。次の○は、医療    機関から各保険者のデータベースに直接アクセスすることは、システム上もセキ    ュリティ上の問題もございますので、何らかの中継データベースのようなものが    必要ではないかということを入念的に記述させていただいております。10ペー    ジの一番下の○をごらんください。住民基本台帳カードについて記載しておりま    す。「現在の仕組みを前提にすると」いうところの補足的な説明として、現在、    住基カードは市町村ごとに発行することとされているということを説明として加    えさせていただいております。11ページでございます。8の費用、事務効率化    等の3つ目の○でございます。利便性の向上だけでなく、制度の運営に係る費用    の節約に社会保障カードが資するという可能性があるということを記述させてい    ただいております。12ページでございます。ひとつ目の○は、先ほど申し上げ    ましたようにレセプトには、非開示とすることが適当とされているものもあると    いうことを記述させていただいております。また、10の「おわりに」の2つ目    の○でございますが、前回、非常に多く御議論いただきました。年金記録やレセ    プトの情報は、今ももちろん情報自体を得ることはできますが、カードを導入す    ることによってより一層、容易にそういった情報が得られるようになり、その情    報を請求する側が、より持っているだろうということを前提として請求しやすく    なるという面があるのではないかということでございまして、こういったことが    社会システム全体にどのような影響を与えるのかということを十分考慮する必要    があるということです。また、その目的外利用に関しても、何らかの検討が必要    であり、こういった方策を考える際には、利便性を損なう可能性もありますので、    比較考慮を十分行う必要があるだろうということでございます。以上が前回から    の修正点でございます。この12ページの次に、追加的に別紙ということで加入    者を特定するためにカードに収録する情報についての検討メモを加えさせていた    だいております。先ほど加入者をカードに収録する情報につきまして案の1から    4までお示しさせていただきました。この4案について、それぞれがどういうも    のかということを御説明させていただいており、どういう案かということを御理    解いただくためのメモかと御理解いただければと思います。こちらも現時点での    整理ということですので、現在、特徴を書いてございますが、例えば、どのよう    な制度にするかということによって、こういった特徴もいろいろ変化があると思    われます。また、各案の中でもいくつかバリエーションがあり得るだろうという    ことでございます。例えば、自分の番号が、自分自身が自分の番号や記号を知っ    ているかどうか。もしくは、加入手続きといったものをすべてオンラインでやる    のかどうか。もしくは、チップの故障時や非常時にどう対応するのかということ    を、今後、検討を深めていく上で、いろいろ特徴にも変化が出てくると思います    ので、現時点での整理ということでお示しさせていただいております。案の1で    ございますが、統一的な番号をカードに収録するということでございまして、加    入者は自らの番号を認識しているということでございます。主な特徴としまして    は、生涯を通じて本人確認がしやすくなるという点。基本的には住所変更等では    番号は変わりませんので、ICチップの情報を住所移動があったときに書きかえ    る必要がないということでございます。3点目ですが、すべての個人が番号を持    つということですのでそれに対してさまざまな考え方がある。抵抗感がある方も    ない方もおられるだろうということです。4点目ですが、制度統一的な番号の導    入によって、番号を目的外利用する可能性が生じてくるということです。案の2    ですが、カードにはそもそも記録されている識別子(カードを識別する記号等)    といったものがありますので、こちらを利用するということです。主な特徴は、    カードの識別子はカードを識別する記号に過ぎないということですので、目的外    に利用する可能性は低い。カードを変更することで、カードの識別子も自動的に    変更されるということです。2点目は、こちらも住所変更等では変わりませんの    でICチップの情報を書きかえる必要はないということです。3点目が、利用者    がカードの識別子を知らない場合は、現在、年金手帳を事業主に示して手続を行    っているといった手続において、そのカードの識別子を紙に書くことはできない    ということですので、カードリーダーに通すといったことが必要になってくる。    1ページおめくりいただきまして案の3でございます。現在の医療、年金、介護    の各制度の番号をすべて。例えば、3セットであれば3セットすべてカードに収    録するというものでございます。主な特徴としましては、現在と同じ番号を利用    する。2つ目は、その点、医療保険や介護保険におきましては、住所変更といっ    た場合、保険者が移動した場合に被保険者番号が変わります。その場合にICチ    ップの情報を書きかえる必要がございます。3点目は、例えば他の制度、3制度    以外の場合、機能を拡張した場合に新しい番号をICチップに書き込む必要があ    る。もしくは、年金や介護といったものは、年金であれば基本的に20歳で加入    する。介護については40歳で被保険者になるということですので、一定年齢に    達するごとに新しい番号をICチップに書き込んでいく必要がある。案の3につ    きましては、例えばICチップの書き換えをできる限り減らしていこうという考    え方に立てば、案3−2のような考え方ができるのではないかということでござ    います。基礎年金番号に加えて、医療や介護につきましても住所変更等で変わら    ない番号を設定する。そして、その番号すべてカードに収録するというのが案3    −2でございます。主な特徴としましては、住所変更等によっても被保険者番号    は変わりませんのでICチップの情報を書きかえる必要がない。一方で新しい番    号の付番を行う必要があり、その管理を行う必要があるということでございます。    最後に案の4でございます。基本4情報をカードに収録するということです。主    な特徴としましては、「番号」を用いない形となっているということです。2点目    は、カードのそれぞれ保険者、カードのICチップといったところの情報をすべ    てのあらゆる場所の4情報を常に一致させておかなければ、同一人物であると判    定することはできないということでございます。3点目は、住所変更などがあっ    た場合には、カードのICチップの収録情報を書きかえる必要がある。4点目は、    4情報がすべて一致するけれども同一人物ではないという方が存在する可能性が    ある。以上が、選択肢の特徴というものです。現在の議論のメモということで提    出させていただいております。以上でございます。  ○ 大山座長      ありがとうございました。資料1は、これの全体のまとめですから特に説明が    なくてもよろしいですか。  ○ 事務局      資料1につきましては、基本的に資料2に応じて修正させていただいておりま    すが、例えば、1のカード導入の狙いのところですが、ひとつめの○の2つ目の    パラグラフですが、自分の特定健診情報やレセプトの情報について、希望する人    はカードを用いて閲覧できるものとする。といったこと。1ページの一番下です    が、留意点というものを踏まえて検討していく必要があるということを記述させ    ていただいております。基本的に概要紙でございますので、資料2を踏まえて修    正させていただいております。    ○ 大山座長      ありがとうございました。それでは委員の皆様方から御質問、御意見等をいた    だきたいと思います。今日は、時間的には、だいぶ余裕をもってございますので、    最初にわかりにくい点等がありましたら、そちらに関する追加の説明をお願いで    きるようにしたいと思います。どうぞ山本委員。    ○ 山本委員      前提の確認をしたいと思います。資料2の1ページ、1の基本的考え方のとこ    ろでは、「利用者の利便性を高めるため、年金・医療・介護分野での活用を検討    しつつ」とあります。3ページ、3の実現しようとする社会保障カード(仮称)    の導入による効果のひとつめの○には、「年金手帳・健康保険証・介護保険被保    険者証の役割を果たす1人1枚のカードとする。」とあります。これは、もうす    べての機能を搭載するということは、この委員会としての決定されたことでした    か。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      全ての機能を搭載するとは、どういうことを指していますか。    ○ 山本委員      年金手帳・健康保険証・介護保険被保険者証の役割をすべて搭載するというこ    とは、もう結論を得たのでしたか。少し自信がなかったのでお聞きしているので    す。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      結論を得たといいますか、最初に3つの資格証の役割を果たすカードを導入す    るということで検討を始めました。それについて特段、反対という御意見はなか    ったと理解しています。    ○ 山本委員      もうひとつ突っ込んで聞きたいのですが、これは、1人1枚のカードを希望す    る。希望しないにかかわらず、0歳は別としてほとんどの国民に持っていただく    ということも前提ですか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      健康保険証の1人1枚かということが進んでいて、現実には世帯単位になって    いるところもありますが、やはり1人1枚にすることによって同時に病気になっ    た時にも安心だというような御議論がありました。何らかの制限を設けるという    議論もあったと思いますが、やはり1人1枚でという方向になっているとこれま    での議論では考えています。    ○ 山本委員      1人1枚が好ましいということは多くの人の結論だと思いますが、必ず1人1    枚ということでしたか。セキュリティとかプライバシーを考えていくときに、御    本人が希望して持つ場合と、希望しないで持つ場合は全く要件が違ってきます。    希望しなくても持つ機能は何かというのを明らかにすることが多分議論の前提と    して非常に重要になると思うのです。今のICカードというのはマルチ・アプリ    ケーションですから、その上で本人が希望して持つ機能というのは分けて考える    必要があります。私は、結論はどちらかということを特に言っているわけではな    くて、今日の議論の前提として希望しなくても年金手帳・健康保険証・介護保険    被保険者証、当然ながら被保険者としての資格を持っている場合ですが、こうい    った機能が搭載されたICカードを本人が希望する。希望しないにかかわらず持    つようになるという前提でお話をするのか、ないしは、例えば、年金手帳に関し    ては希望しなくても持つようになるけれども、健康保険証、介護保険被保険者証、    御本人か保険者かは別としてオプショナルな機能として、つまり選択の余地のあ    る機能として存在するのかというのは、少しこれからのお話の前提になるので、    そこは結論が既に存在するのであれば、それを前提に議論をした方がいいという    のでお聞きしました。    ○ 薄井政策統括官(社会保障担当)     もともと7月5日の政府与党取りまとめの中であるのが、年金手帳・健康保険    証・介護保険被保険者証の役割を果たすものとして構想されています。今、山本    委員がおっしゃられたように、年金、介護保険これは子供さんですと被保険者資    格はありませんから、その人たちにとってはその機能は持っていない格好になり    ますが、少なくとも健康保険の被保険者証はゼロ歳の方も一応受診の資格がある    わけです。そういう意味では、この議論の前提は健康保険証については、すべて    の方を対象にこのカードの保険証が発行されるという頭でございます。それにオ    プショナルな機能というか、追加してどのような機能を持たせるかというその議    論はあると思います。それから、年金・介護保険も当然被保険者年齢に到達され    たら、その機能は持つというイメージでございます。    ○ 山本委員      わかりました。ではそういう前提で、最初にそれぞれの保険証機能を搭載する    かしないかという議論があったものですから、そこは3ページ目の最初の○は、    こうするものでなおかつ御本人が希望する。希望しないにかかわらずICカード    が配られて、その被保険者ないしは年金の加入の資格を取得した時点で、すべて    の人に存在するという前提でお話を進めるということですね。    ○ 大山座長      私が話してはいけないことは重々承知していますが、今日は、せっかく時間を    とって議論ができますのであえて申し上げます。私自身、0と1のようにはっき    り白黒をつけるような議論はできないと思っています。理由は簡単です。1億枚    を超える枚数を考えたときに、発行に要する作業量と本人に手渡す時間、もちろ    ん間違いなく本人に渡すことを考えると、現場では経過措置的なものすなわちI    Cカードは0%から始まってずっと増えていくとは思うのですが、100%に完    全になるのはいつかといいますと数年やそこらでできるかというのはわからない    状況にあると思います。したがって、山本先生の話については、案のメモを作っ    てくるときに、私の頭の中の想定は、原則としてそういう方向に持っていくとし    ても、では確実にそうできるのはどれくらい時間がかかるかというのは極めてプ    ラグマティックな発想のもとに立つと、「カードを持っていない人はいません。」    ということはいませんと言えるのだろうかという正直な話、そういう懸念があり    ます。  ○ 山本委員      もちろん全体に行き渡るには時間がかかると思うのですが、気になるのはプラ    イバシーとかセキュリティのところです。これは御本人ないし、例えば、ある保    険者が希望してその機能を搭載するということであれば、そのドメインの中での    プライバシー、セキュリティの考え方というのが整理されないといけないと思う    のです。制度として、全員が持つということであれば、御本人の責任にも保険者    の責任にもするわけにはいかないわけです。制度ないしは仕組みとして担保する    必要があるわけです。そこの考え方が変わるので、確認させていただいたという    ことです。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      検討メモの構成で申し上げると、3ページに書いてあるのは導入による効果、    こういう仕組みでこういう効果を実現するためにはこういう前提になるというこ    とで書いています。恐らく健康保険証が1人1枚かという意味で言えば、繰り返    しになりますが1人1枚、今、そもそもそういう方向で動いているわけですから。    それから、カードか紙かということについては、個々の紙なのか、3つを兼ねた    カードなのかについて、全員なのか希望者なのかという御議論だと思いますが、    その点について言えば、3で書いてあるのはあくまでこういうことを目指しまし    ょう。ということです。具体的な話は5以下で出てきています。現実問題として    全員に配ることは当然目指す方向ですが、そこまでいけるかどうかというのはや    はりその制度の仕組み方自体だというところもあると思いますので、そこはさら    に検討だと思います。ただ、最初から紙とカードが混在するという姿をゴールと    して考えた場合には、色々なメリットが出てこないわけです。そういう意味から    すると目指す方向としては全員にICカードを持っていただくということです。    そうなるような具体的な仕組みを検討していくということではないかと理解して    います。    ○ 田中委員      ひとつ、文章で極めて強い違和感を抱いたところがあるので、私の事実認識が    合っているかどうか確認してください。5ページの5行目、2つ目のポチです。    「このカードができると、未加入の状態での受診や資格喪失後の受診が減少し、    未収金の発生を抑制する効果が見込まれる。」と書かれています。この文章が成    り立つには、3つ前提があると思うのです。まず、未加入者や資格喪失者は病気    にならない。なったとしても受診してはいけない。しない。もし、来たとしても    医療機関は断っていい。その3つの条件がないとこの文章は成り立たないのです。    ひとつめの未加入者や資格喪失者は病気にならないことはあり得ないから、事実    認識はおかしい。それから病気になっても来てはいけないとは、すごく冷たい哲    学が背景に誰が思っているか知れないけれど、この文章を書いた人の背景にある。    3つ目、医療機関は断っていいとは、医師法違反を勧めているわけです。この3    つの意味で、すごく違和感があります。私の認識はどこか違っているでしょうか    が質問です。  ○ 黒川社会保障カード推進室長      以前も同じような御質問をいただいたように記憶しています。ここで言ってい    るのは受診しないということではなく、保険で7割給付しないということをイメ    ージしています。データベース上、資格がないということが確認されれば資格な    しということで、保険診療の対象にならないわけです。多分窓口で、「あなたは    資格がないですよ。」と言うことになって、手続をしていただければ、遡って保    険からお金が出ると思いますが、そうでない限り10割負担で診療を受けていた    だくというようなことになるのではないかと考えています。  ○ 田中委員      そうすると未収金が減るのですか。そういう人は払えないのではないですか。    むしろ未収金は増えるのではないですか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      未収金というのは、恐らく3割しかそこで払わなくて、7割を保険者からもら    うという前提で考えていたら、実は保険者に加入していなかったということで発    生すると理解していますので、そういう意味ではその際に10割負担していただ    ければ未収金は解消できるのではないかと。  ○ 田中委員      10割負担できる人は、保険料を払っていると思う。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      考え方の整理ということです。  ○ 田中委員      この文章は強すぎると思うのです。もし、これを残すなら、別途項を1つ起こ    して、未加入の人や資格喪失の人の医療ニーズと医師の応召義務との関係につい    ては、別途整理が必要であるとか書いておかないと、どう見ても医療機関が断っ    ていいとも読める。少し強すぎる文章です。カードがあれば保険に入っているか、    入ってないかは明らかによくわかる、それは当たり前です。だから未収金が減る    というロジックは飛びすぎている。むしろ払えない人の受診がふえて、医療機関    は窓口で困るわけです。そういう人を受診させたら、お金が取れないだろう。だ    けと、治療しなければならないといった困ることを全然配慮していない文章です    ので、今、言いましたように配慮が必要であるとか、別途整理が必要であるとい    ったことを入れておいて、妥協でいいのですが、そのくらいしないとこの文章は    強すぎると感じました。  ○ 薄井政策統括官(社会保障担当)     田中委員の言われるところ、現実にどういうことかといいますと、未収金に関    して病院関係者からこの間御意見を聞いたときも、いわゆる確信的払わない人、    これは防げないという話がありました。実際には、例えば、現在医療機関での保    険証、例えば「月初めに持ってきてください」というのが多いですが、そこら辺の    チェックを不十分なままやって、いざ診療報酬を請求したら当たらないというこ    とがある。そうするとその整理にかなり時間がかかる。最終的には御本人なりあ    るいは新しい保険者からいただけるという可能性はありますが、それに手間暇が    かかるということがあってそういうさまざまなそごといいますか、そういうもの    がある程度防げるのではないかというのがここの書いた趣旨です。今、委員が言    われたことも踏まえて少し整理をさせていただきたいと思います。     ○ 堀部委員      先ほど山本委員が言われた点でいいますと、セキュリティやプライバシーの問    題は常につきまとうところです。何回か申し上げましたが、それを制度的に保障    するものを考える必要があるのではないか。前回も、今回の段階でそれを入れる    べきだとは言いませんといいましたが、それは工夫していく必要があると思いま    す。それから前回のペーパーにつきまして、ヒアリングのときに出てきたいろい    ろな問題点の指摘、それが入っていないということを申し上げました。それも入    れて行くべきではないかということで、今回、4の「カード導入に当たっての留    意点」のところで、かなりそれを入れていただきましたので、議論をする上で参    考になるかと思います。これも前に申し上げたことですが、この社会保障カード    につきましては意外に国民の間で認識されていない。知られていない。だから、    議論も余り起こっていないところもあります。ぜひどこかの段階でパブコメの手    続をとっていただいて、もっと国民的な議論、国民といいますか外国人も含みま    すので、全体的な議論をしていくということをしていただきたいと思います。そ    ういう議論をするに当たってのペーパーとしては、前回よりはかなりいいものに    なったのではないかと思います。    ○ 山本委員      小さなことですが、別紙の1枚目、案1の統一的な番号をカードに収録のとこ    ろで、多分、これから先非常に重要なことは、この番号を御自身が変更できるか。    できないのかということが用途としてはかなり大きい。変更した時点で、それま    での履歴とリンクするのかしないのか、ということもこれから先議論をしていく    上で非常に重要だと思います。案1をどちらかにするのか。ないしは案1で変更    しない。変更するという2つを作るのかというのは、御検討を願った方がいいの    ではないかと考えております。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      今の話は8ページに、案1、番号については、希望により変更することが可能    ということで、変更が可能ということを前提で考えております。    ○ 山本委員      別紙でまた違う考えが出たわけではないのですね。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      そうです。    ○ 山本委員      わかりました。    ○ 大江委員      別紙が出てきましたので、この案1から案4までが具体的にどういうことを考    えないといけないのかというのが大変わかりやすくなったと思います。質問です    が、案2のカードの識別子について、別紙1枚目の下に、「利用者に識別子が知    らされない場合」といった表現が出てきます。このカードの識別子というのは、    数字か記号かわかりませんが、非常に桁数の長いものになると思われます。その    桁数の非常に長い識別子と呼ばれる記号、番号を利用者が知っている場合と知ら    ない場合で、何かセキュリティ上の違いというのはあるのか、特段差はないのか    ということはいかがでしょうか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      カードの識別子というのは、これだというのが決まっているわけではありませ    ん。おっしゃるように非常に複雑な記号であるケースもあるでしょうし、必ずし    もそうでないケースがあると思います。複雑にすればするほど検索が難しくなる    というところもあるのではないかと理解しています。何れにしてもこれを例えば    表面に書くとか、そういうことにして見えるものにすれば便利な面がある反面、    リスクもあるということです。    ○ 大江委員      そのリスクがあるのか、ないのかをお聞きしているのです。リスクがあるとす    るとなぜ、それを知るとリスクを増えるのか皆さんにわかるように説明いただく    のがいいのではないかということです。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      その番号を求められて、その番号に、例えば名寄せが進むかもしれないという    リスクが生まれるということです。    ○ 大山座長      今日は話に参加させてもらおうと思うので発言します。今の話はパスポートを    例にとるとわかりやすいと思います。パスポートには、パスポート番号がついて    います。この番号は有効期限が切れてパスポートが変われば、パスポートについ    ている番号なので、当然変わります。最近のパスポートは、電子パスポートにな    っていてICチップが中に入っています。ICチップの中にはパスポートの番号    も入っていますが、同時にチップそのものの識別番号も入っています。と言いま    すのは、チップに不具合等が生じた時に、どこのメーカーさんのどの製造ライン    なのか等がわかるようになっているのです。このように識別子には幾つかあって、    パスポートの場合には表にパスポート番号として出ています。ですから我々が、    出入国するときにはパスポート番号を書くようになっています。一方、チップの    番号は表に出ていません。ちなみに総務省さんからの説明では、住基カードには    カード番号がないので書いてないということです。どうなっているのかを説明い    ただくとわかりやすいのではないかと思います。    ○ 総務省(総務省自治行政局市町村課 望月住民基本台帳企画官)      はい。住基カードの場合もICカードでございます。当然ICチップとしての    一種の製造番号でございますが、これはICカードの性質として当然あります。    基本的に住民基本台帳カードの場合は、市町村が誰が持っているのかというのは    特定できます。それを特定した後で、このカードを例えば無くしたと、執行させ    ようという内部管理のためにこのカードを執行するということをすると自動的に    カードの番号を使って全体のカードが執行するという手続をとると。ただ、それ    につきまして住民の方で、カードを管理する上での番号ということですので一般    的には意識されない。世の中に一種意識されない番号、存在しないような番号と    して扱われていると、そういうことでございます。    ○ 大江委員      その上で、ここで書かれているカードの識別子というのは、どちらの方の番号    かといいますとチップの方の番号という意味で書いておられるのか。そこをお聞    きしたかったのです。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      そこは、ここでは両方あり得ます。    ○ 山本委員      いずれにしても、識別カードのアプリケーションなりカードの識別子というの    は読めないようにすることは不可能です。そのカードを使う限りは、カードリー    ダーで読めるものだと理解しているのですが、そうではないのですか。    ○ 大山座長      一般的には読み出し制限がかかっていて、通常の形では読めないようにするこ    ともできるし、自由に読めるようすることもできます。ですからそこは、今度セ    キュリティの要求レベルでどう管理するかを決めるということになるかと思いま    す。ただし、紛失や盗難時に失効させることを考えると、電子的にカードを特定    することが不可欠なので、カードそのものの個体としての管理は共通して必要に    なるというように、ここでは考えています。    ○ 大江委員      とめる以上は、とまったことが読む側で確認できないといけないので、IDは    読めるのではないですか。    ○ 大山座長      読む側については、先ほども触れたように、正当な人だけが読める。言い換え    ると誰でも読めるようにはなっていないとすることができるということです。ク    レジットカードなどと同じとお考えいただければと思います。クレジットカード    もとめられるようになっています。それと同じような仕掛けを入れることは、不    正利用を防止するためにも当然できるということです。    ○ 大江委員      先ほど、パスポートに書かれている利用者も知れるパスポート番号と、その中    に入っているICチップの利用者は普通知りえないチップの番号の両方あるとい    う、非常にわかりやすい説明をいただきました。今回のここで書かれている識別    子というのは、そのどちらを意味しているのかというのはまだ決まってなくて、    どちらかそのうち選択しないといけないという議論だということですか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      おっしゃるとおりです。イメージとしては見えないといいますか、そういうこ    とを想定しているから識別子が知らされない場合と書いてあります。見せること    もできるわけですので、案2であってもそういう選択もあり得るということです。    ○ 大山座長     誤解を避けるためにはっきりここは申し上げておいた方が良いかと思います。    製造者の識別番号等は、一般的にはこの目的には使われていません。そこの部分    はネットワーク経由でこのチップが正しいとかというのを判断するためのキーに    なる情報ではなく、チップの製造の状態、すなわち、どこのメーカーが、いつ、    どういうロットで作ったというようなことを知るために書いてあります。一方、    パスポート番号等は、チップを利用する。発行する側がつけた番号です。一般的    にはそちらの番号の方を使うのが通常のやり方ですが、この番号を見えるように    するか、見えないようにするかという選択があると、ここではお考えいただきた    いと思います。  ○ 大江委員      大変よくわかりました。それからもう一つこれに関して、案1から4までです    が、もちろん今後のことなので、ここに書かれていることで異論はありません。    現実には案4は、今後の議論で考えにくいのではないかと思っています。それを    コメントさせていただいておきたいと思います。    ○ 大山座長      ほかございますか。ちなみに案4の可能性だけを申し上げると、公的個人認証    サービスと呼ばれる電子署名は、まさしくこの4つの情報がキーになっています。    ですから、年金記録等の閲覧について、今のIDパスワード以上の安全性が要求    されていることから、PKIレベル、すなわち電子署名と同じような公開鍵暗号    方式を使う場合には、4情報によるの紐付けの可能性が残るということで、案に    書いてあります。    ○ 田中委員      あまり重要でありませんが、カードを本人以外の方がかわりに使うような仕組    みは別途考えればよろしいわけですね。例えば、介護保険制度ではケアマネジャ    ーという一種の代理人がいます。後期高齢者医療制度では、もしかしたら総合診    療医的なものができるかもしれない。そういう代理で本人の情報をある程度つか    んだ方がいいような方がいた場合の話は、この技術ではそれほど難しくないです    か。    ○ 大山座長      制度的な面と技術的な面を整理する必要がもちろんあると思います。正当な人    が、しかるべき代理行為としてできるようにするのは当然であると思いますが、    同時に、それによって不正な利用が起きることを避けなければなりません。この    件については、未だ案としては示していませんが、今後、当然考えなければなら    ないことです。ある一定レベルでの想定をして考えてきていますが、未だお示し    するだけのものになっていません。現時点では、メモとしてどこかに残しておく    ことが重要と思います。非常に貴重な御意見をいただきました。案文の中には、    異常時の場合と一言で書いてありますが、現実にはすごく大変なことです。一般    的なシステムでは、正常時よりも異常時の対策の方が大変ですが、今日の案では    正常時で動けるかどうかを整理しただけの状態とお考えいただきたいと思います。    ○ 田中委員      今、申し上げた点は、別に文章でなく理解の確認です。それに対しさっき言っ    たことはむしろ文章上の問題で、気がついたので言っておきます。もう1つ同じ    ことですが、4ページにも同じ文章があります。下から5、6行目です。「加入    手続き漏れの防止になり」と。これは正しいけれど、「医療保険の未加入や資格    喪失後の受診の解消につながる。」これはどうみても受診するなとしか、資格喪    失して失業して生活保護になったら受診するなとしかなっていないです。資格喪    失したとしても受診の権利はあるわけです。もしかしたら生活保護受診するかも    しれません。受診しないなどのこういう言葉を書いてはいけないと思います。    ○ 香取参事官      先ほど、室長が説明したような趣旨の、要するに資格の確認がリアルタイムで    できるので、資格の確認をめぐって事後的にトラブルが起きないという趣旨なの    です。    ○ 田中委員      受診が減ることと、事務手続きの過誤が起きないことは全く別な話です。これ    はどう見ても受診しないとしか書いてない。    ○ 香取参事官      要するに、釈迦に説法ですが、受診の段階で資格の確認ができない受診が起こ    って、事後的に未加入受診という事実が発生するわけです。そういう事実が発生    しなくなるだけということであって、受診そのものをコントロールするというこ    とではもちろんありません。そういう趣旨です。    ○ 大山座長      ありがとうございました。そういう目で確かに文章を精査していません。申し    訳ありませんでした。御指摘のとおりであると思います。ほか、いかがでしょう    か。    ○ 樋口委員      私は先回欠席せざるを得なくて、先ほど堀部先生が言われましたが、前回の案    どころかその前の案が私の記憶に残っているわけです。それに比べると、今回の、    メモなるものは相当詳細なメモで、しかも、論点が整理されて非常によくなった    と第一に感じました。しかし、それを認めてのことですが、そして、座長のおっ    しゃるようにこの文章にどこまで入れればいいのかという話になるような問題だ    と思いますが、いくつかさらに要望する点を申し上げます。その前に、最初の山    本委員のお話も結局、情報の一元的管理をするのだ。ということだと理解してい    ます。私は、本当は、それは当然なのかと思っていました。というのはそこで選    択の自由を認めて、このカードを持つか、持たないかという自由を認めることは    できないのであり、こういう制度ができたときはみんながカードを持つことで仕    方がないのではないかと思っているのです。つまり、年金、医療、介護というの    を利用して、しかし、私は紙が好きなのでカードは要りません。ということはで    きないのではないかと思うのです。そういう制度がいずれちゃんとできた場合に    は。ただ、当然、それに伴うプライバシーの侵害とかセキュリティへの配慮は必    要不可欠になります。しかも、今度は1つ失うと3つ失う(年金、医療、介護と    いう3種類の情報を一挙に失う可能性がある)ということになります。それだけ    そういう意味でリスクは高まる。理屈では逆のこともありますが(3つに分けて    いれば逆にリスクが3倍ともいえるという意味です)、そういう話があるから情    報の一元的管理に対する不安が生じ、この不安を解消するためにいろいろ検討し    ていくという一言だけで不安が解消するかというとそうではない。本検討会の報    告書でも、これからもちろんそういうことは当然留意していきますというのを、    不安の形をもう少し具体的に、こういうようなケースも全部一応想定はしている    ことを示した方がよいと思います。すべての場合を完璧に想定するのは困難でし    ょうが、誰でも考える具体的な不安を列挙し、その不安が相当程度解消しないう    ちはやれませんね。ということを言っておいた方がいいと思います。そうすると    国民の側にとっては、安心の基盤ができます。つまり、自分が完全な人間でない ということは普通の人は思っているから、だからこそ「不安」というのが出てくる    わけです。カードを持たされて「忘れたら」どうしようか、身分確認になってい    るという話ですから身分確認ができないことになるのだろうか。「落とした場合    」はどうなるか。それでも大丈夫だろうか。「盗まれたら」どうなるだろうか、    誰かが強要してこういう情報を持ってこないと融資をしないとか言って、あるい    は、何であれそういう形で情報を自分が介在はしているのだけれども「強制され    てとられる。」ようなことが、このカードが入ることによって一層しやすくなる    のではないか。それからこれは身分確認であるとしたら、「なりすまし」という    話が必ず出てきます。こういう点について配慮し考えていくということが、この    文書中に抽象的には全部入っているわけです。しかし、いかにも抽象的な表現ぶ    りなので、多くの人は心配になると思います。先ほどの異常時についても考えて    おくというのと同じことです。ただ、あまり一行で簡単に片づけていると、本当    にそういうことまでわかってくださっているのだろうかという、不安になるよう    な、それ自体がまた不安になるような感じがあります。この文章の中に、そうい    うことまでいちいち全部書いていけるのかどうか、あるいは書いていった方がい    いのかどうかという問題はあると思いますが、しかし、この検討メモがいずれ何    らかの形で報告書になる。報告書は誰に向けているかといえば、やはり最終的に    は国民の皆さんにわかってもらえるようなものということであれば、もう一段の    わかりやすさの工夫があったらいいかと感じました。   ○ 黒川社会保障カード推進室長      表現は、工夫をしたいと思っていますが、プライバシーの侵害とか情報の一元    的管理を解消する仕組みを、一言で済ましているということでなく、そういう仕    組みを考えるということで各論を整理しております。カードの収録情報も必要最    小限で、できる限り少なくする。データベースにアクセスするとして、アクセス    するのは健康保険証なり介護保険証の紙面に書いてある情報の範囲ですので、方    向性として、今、以上にリスクが高まることはないだろうということで整理をし    ています。カードに収録されている情報だけでなく、カードを使って個人情報の    入手がされた時に、入手できた個人情報については、今回、最後の「おわりに」    のところに、そういうことも考えないといけないという整理をさせていただいて    いるということがございます。それから情報の一元的管理ということで申し上げ    ると、3枚を1枚にするということで、そういう意味で、3制度またがる資格情    報を何らかの形で関連付ける必要があるということではありますが、その関連付    けは以前から必要最小限としており、データベースは各保険者にあります。どこ    かで集中管理するということをできる限り避ける仕組みを考えていこうというこ    とです。データベースは各保険者にあるということだとすると、今より一元的管    理が進むということでもないので、そこは各論として書き込んだつもりです。さ    らに表現は工夫していきたいと思います。    ○ 大山座長      樋口委員、今の回答でよろしいですか。    ○ 樋口委員      はい。    ○ 大山座長      ありがとうございます。堀部委員どうぞ。    ○ 堀部委員      今の樋口委員の発言に関連します。表現をどうするかというのは事務局の方で    考えていただくことにしまして、住基カードのときも住民基本台帳ネットワーク    システム全体にしてもそうですが、カードということになりますと何回も議論に    なっているプライバシーとかセキュリティの問題が出てきます。つい最近送られ    てきたプライバシー関係のニュースレターですが、中身をちゃんと確認をしてい    ないので発言しようかどうかと思ったところですけれども、私のところに送られ    てきた簡単なものによりますと、オーストラリアで2006年にアクセスカード    というICカードについて、大きな議論になったということです。これは、カー    ドという点では、社会保障カードに非常に類似しているのではないかと思います。    どこかにアクセスできるようなカード、しかも、マルチパーパスのものであると    いうもので、それがオーストラリアで全国的にまた議会を含め相当議論になって、    この11月にレーバーパーティ、労働党が勝利して、ラッドさんという元外交官    の方が首相になるという政治状況になりました。そこでこの計画は完全にスクラ    ップされるというのです。中身を確認していませんからそれ以上申しませんが、    そこで恐らくいろいろ出てきた論点を少し検討してみますと、先進国に住んでい    る方々の間ではプライバシー意識はかなり同じようなレベルになってきています。    ほかの国で議論なっていることというのは、やはり日本でも同じように議論にな    りますから、そのあたりをきちんと把握しておく必要があるのではないかと思い    ます。社会科学の分野ですと、なかなか実験はできませんから、他の国の経験を    踏まえて、日本ではどうなのかという手法もとって検討してみる必要があると思    います。今のところは簡単な情報ですが、オーストラリアでここ1年半ぐらいの    間に大問題になったということです。日本では恐らく紹介されていないのではな    いかと思います。そういう点も、今後、留意していく必要があるだろうと思いま    す。    ○ 黒川社会保障カード推進室長      私どもホームページなどで今のお話も承知しています。今後、詳しく調べて参    考にしていきたいと思います。    ○ 堀部委員      少し調べればもっと詳しいのが出てくると思います。情報をお渡しします。    ○ 大山座長      ほかにいかがですか。    ○ 駒村委員      今日は、割と広めに議論ができるということで、資料2の4ページの、年金に    ついて利用者にとっての効果のところです。年金記録の確認が容易にできるよう    になると。この年金記録というのはどこまで入れていくのか。特に厚生年金の場    合は間に企業が介在していますので、まず加入しているか、加入していないかと。    それから標準報酬も偽って記録されているかどうか。これは企業側で偽って記録    されている可能性もあるわけです。この場合は、事後的な救済は今回の法律でも    大変難しいところであろうと思います。年金記録をどこまで載せるかによって、    安心をフィードバックしてくるわけで、加入している。していないかだけでなく    本来は幾らで加入しているのかということも知らなければいけないので、年金記    録というのは今後、特別便との関係もあると思うので、どういう記録を載せるの    かということになっていくと思います。自分の年金記録が正しいかどうか、その    検証責任と言うのでしょうか、記録に関する責任というのは加入者が負っている    のかそれとも社会保険庁が負っているのか。例えば、アメリカの年金の通知記録    の中は通知をしたら、そのときに加入者と雇い主と国がこの年金記録の信憑性に    ついては責任を持つのだと書いてあります。日本においては、年金の記録に対し    てこれは正しいという責任は、証明する責任はだれにあるのか。それからこの通    知が来ることによって、仮に自分が放置していて、結果的に何年後かに違ったと    気がついたときに、それはあなたに通知している以上知りませんよという話にな    ってくるのか。  ○ 黒川社会保障カード推進室長      2点御質問がございました。一つの、どこまで年金記録を入れるのかという話    ですが、これは、閲覧情報全体の話ですが、データベースを管理する側でどうい    う情報を用意するか。それをカードで見られるということで、データベースを管    理する側で用意する情報の範囲によります。そういう意味で、年金記録の話で言    えば、現在、社会保険庁が特別便なり定期便で予定している内容を、少なくとも    同じものがオンラインで見られるということではないかと思います。おっしゃる    ようないつからいつまで年金に入っていたかということだけではなく、私どもが    社会保険庁の方から聞いている話では、標準報酬月額などについても特別便では    とりあえず入っていないようですが、定期便の段階では全部入り、数年後は直近    1年間になるとか、標準報酬の情報も盛り込んで送るというふうに承知していま    すので、オンラインでも同じものが見られると理解しております。それと2点目    の記録の申請が誰の責任かという話ですが、基本的には届け出を前提に届けられ    た情報管理をしているという意味では、届けられた情報を誤って管理していれば    当然こちら側に問題があると思いますが、届出自体が誤って届け出された場合は、    届け出た側の問題になるところ。日常的に御本人が記録を確認することができる    ということによって、届け出の誤りなども発見され、届出の内容が修正されて記    録も正しくなるということで、そういう意味で正確な管理が進んで行くのではな    いかと理解しております。    ○ 駒村委員      そうすると記録の信憑性の挙証責任といいますか、これをチェックするのは本    人が見ているわけですから、やはりそれが直ちに、1年以内とか2年以内とかに    クレームがあり修正をしないと、もう何年か経ってから「これ実は間違えていた    のではないですか、今、気づきました。」「だめですよ。」ということは裁定さ    れるまでの間だったら、いつでも大丈夫なような形になるのか、それが変わって    しまうことはないわけですか。  ○ 香取参事官      今日の議論全体にかかわる話ですが、カードを使ってさまざまなことができる    ことになるときに伴って、それをどういう形で使うかあるいは使えるようにする    かというのは、恐らく先ほどのセキュリティの問題もそうですが、カード自体の    システムなりカードの使用といいますか、技術的に何ができることにするか。ど    こまでできることにするか。あるいは、何はできないことにするかというレベル    の問題と、制度的にどういう使い方をすることにするかといった恐らく2つディ    メンションがあると思います。今の段階ですと、そこは最善と2つに別れるとい    うわけでもないということもあって、多分、両方論点としては入っていくという    世界ではないかと思います。先ほどから保険証でどこまで見られるかとか、どこ    まで券面に載せるかとか今のカードでどこまで情報がとれるかという話もそうで    すが、今の段階では基本的に今の年金記録に関して言えば、社会保険庁が現在の    セーフティの中で利用者に提供している。あるいは、できている情報は基本的に    は取れるようにするという考え方だと思います。先ほどの年金記録についても、    詳細がもしあれば担当から報告させますが、現在でもパソコンに自分でアクセス    して、今の年金記録は加入記録だけしか来ませんが、定期便は、標準報酬である    とか加入記録であるとか、どこで勤めていたというところまでかなり詳細なもの    がとれるような対応ができる部分ができています。窓口に行って端末で見るとい    うことであれば、おっしゃるような情報も実はとれる形にはなっています。シス    テム的といいますか、制度的には庁はそこまでの情報提供ができる体制ができて    います。要はそれをこの形でとれるようにするかどうか、あるいはカードで、パ    ソコンでやる場合には、少しでは窓口にやるのと違うので制限をかけるかどうか    というのは、カードのシステムの問題というよりは先ほど申しましたが情報を持    っている側がどういう形で対応するかです。むしろ、それはカードの問題という    よりは制度の問題だと思います。それから同じ問題で情報に関しては、先ほどの    お答えになりますが行政側は基本的には届けられた情報については確実に管理を    する。あるいは、今度、年金記録もそうですが、支払いがある。あるいは資格が    あったものについては確実に管理をする。その限りにおいては管理している情報    についてのいわば正しさといいますか、それについては当方に責任がある。ただ、    例えば、今でも起こっていますが、結婚をして氏名が変わった場合に、今のシス    テムですと、本人の側からその届け出がないと氏名は変わらないということにな    るので、それは変わらない形で管理をされていると。そうするとそれは本人から    の届け出がないと変えられないという意味において、間違った情報を持っている    ことになる。そうするとそれを確実にリアルタイムで変更できるような、あるい    は何か変更があったときに確実にシステマティックに変更できるようにするには、    どういう形がいいのかということで、例えば、横に情報が、各制度間が自動的に    つながるようにするとか、あるいはこういった形で本人が常時確認できる形でや    るようにするとか、そこはどういう仕組み方をするかという問題になって、それ    も含めて何がいいかということで多分各論になるほど議論になってくるのだと思    います。    ○ 田中委員      別な点で、読んでいてもう一つおかしい文章を見つけました。6ページです。    被保険者証、資格確認に関する事項です。それの3つ目、被保険者資格を喪失し    た情報を国民健康保険に送ると、これはすごい大きなお世話だと思います。第三    者に政府が勝手にプライバシーを伝えていることになりかねません。組合健保の    被保険者資格を喪失するのは、定年退職はまだめでたいかもしれないけれど、ク    ビになっても喪失する、A社からB社へ転職しても喪失する。田舎に帰って起業    しようとしても喪失するのです。それを国民健康保険に例えば首になったとか、    A社からB社に転職になったというよその保険に送ることは政府による大きなお    世話です。国民健康保険は1,000幾つもあるので、どの国民健康保険に送っ    たらいいかわからないはずです。転職に伴ってあるいは退職に伴って住みかを変    えて田舎に帰って国保に入るかもしれない。どの国保に送るのか。全部の国保に    送られたりしたらとんでもない迷惑です。政府が資格喪失の情報を把握するのは    いいけれども、それをよその保険者に送るかどうかはプライバシーの侵害ではな    いかと思います。       ○ 黒川社会保障カード推進室長      おっしゃるとおりだと思います。これは意見交換会に出された意見を基本的に    そのまま入れていますので、表現は工夫させていただきたいと思います。    ○ 事務局      回答というわけではありませんが、意見された方の問題意識としては、健保等    をやめた後に、本来であれば国保の手続をしなければならないときに忘れている    方がいらっしゃるという現状があるので、もちろん健保をやめれば必ず国保とい    うわけでもありませんし、必ずしも国保に情報を送るということにならないとは    思いますが、もし、国なりどこかで資格を喪失したという情報が把握できて、そ    れも何か手続を忘れているのではないですかという働きかけができればよくなる    のではないでしょうかという一つの御意見をいただいたということで、ここは書    いております。    ○ 田中委員      そこまでは、いいと思います。「あなた、資格を喪失していますよ。次の手続を    しましょう」は、親切なお世話ですが、よその国保に、例えば従業員の資格を不祥    事で失いましたと伝えたら、それに近いのではないですか。それはよくないです。    ○ 大江委員      この発言があったときは、第1回の作業部会か何かで、私が主査をしていました    ので記憶がありますが、今の御説明のとおりです。たしか、国保の方から御本人は    前の健保をやめ、資格喪失をすると自動的に国保に手続が行っているかのように錯    覚している方が結構おられて、自分から申し出て国保の手続を取らないといけない    のに取り忘れている。手続きを忘れられたまま急病になって医療機関にかかって、    そのときに初めて「保険がない」ということに気づかれる方が結構多いということだ    ったようです。それに対して国保の方から、もう少し連絡をして加入しないと喪失    していますよということをしてあげたいけれど、するすべがないという話だったよ    うに理解しています。  ○ 大山座長      今の件で、答えはできそうですか。2つの話を両論併記するなら別ですが、こ    の話は教えるのか、教えないのかしかないような気もするのです。    ○ 田中委員      本人に教えるのは大変いいことです。しかし、次にどの保険に入るかを国は事    前に把握できないでしょう。だから通知しようがないではないか。転職によって    住所を変える情報がない以上、伝える先がないのだからこの文章はあまり意味が    ないと思います。ましてや健保から健保へという場合もあり得るわけです。そこ    は自動的に加入するからまだいいかもしれない。本人に、ちゃんと健保をやめた    ら国保に入りましょうという通知をすることは大変いいことです。そこまででは    ないですか。    ○ 大山座長      その辺の議論をしたことがあるので教えて欲しいのですが、健保組合から見る    と、その方がお辞めになった時点でその方の現住所等をお持ちでないことがある    と理解しています。このような場合には、「お辞めになった後は、保険証は切れま    す。例えば国保など、何らかの保険にお入りになることを忘れないようにしてく    ださい。」と伝えたくても、もし会えないと住所がないから、伝えられないという    ことが起きてしまします。このような事態を避けるために、健康保険組合が被保    険者の住所情報を持つべきかもしれないという議論が一方であります。このよう    な背景から、こんな話が出ているのではないかと思います。ただ、そうは言って    もそこに実際に届け出た住所に確実に居住しているとは限らないので、国保の方    に健康保険組合から伝えるのが良いかどうかについては、未だ議論していません。  ○ 黒川社会保障カード推進室長     検討しますが、データ連携の話ではないかと思っています。確かに医療保険の    方で住所情報を持っていませんが、年金の方では住所情報を持っているわけです。    データ連携により、技術的には可能になることもあるし、それをやり過ぎると一    元的管理の話になり、アクセスの整理、制限などの議論が必要かと思いますが、    ここの留意点としては、データ連携を進めて、より情報を共有できるようなこと    が考えられないかといった程度の表現にしてはどうかと思っています。    ○ 田中委員      情報共有は、さっきのプライバシーの侵害につながりかねない怖さがあります。    先ほども言いましたが、本人の働き方の変化を別な保険者が勝手に知っていいか。、    考えていて転職したことを勝手に通知する、それはちょっと強すぎる介入ではな    いか。情報連携とは、自分の主治医と自分が情報を共有する、これはいいことで    すが、今の話は、本人の承諾でなければおかしいと思いました。          ○ 香取参事官     今の話もさっきの話と似ているのですが、技術的にできるようにするかどうか    という問題と、制度上どうするかというのは少し分けて考えた方がいいと思いま    す。制度に詳しくない方がいらっしゃると別ですが、今の医療保険制度の前提は、    まず全員国民健康保険の潜在的被保険者になるのです。他の健保組合等に入って    いる方は適用除外で外していくというのが今の制度の仕組みなのです。というこ    とは、こういう議論を抜きに白地でものを考えると、要は市町村側がその市に住    んでいる住民の情報を持っているわけですから、一旦、全員に星をつけて被保険    者とやっておいて、健保組合に入っている人はそこから抜けていくというふうに    すると考えて、健保組合を抜けた瞬間に抜けたという情報が当然こっちで持って    いるわけですから、抜けると自動的に星がつくというふうにすると言ってみれば    届け出なくても自動的につくような形になるわけです。技術的にそういうものを    作りましょうという話になれば、先ほどのデータ連携もあるだろう。そもそも市    町村側がそういうのを作ればできるという話に多分なるのでしょう。その話と届    け出なしに被保険者間で情報が行き来するというのを制度上、そういうことをす    るかどうかというのはちょっと別の問題です。ここの問題提起は実はそこの健保    と国保の間の資格得喪で届け出がなくて、何カ月も未適の状態が続いていると。    現場的に言うと、後からさかのぼって保険料を取るとか給付をするとかというこ    とが頻繁に起こっている。せっかく、こういうカードができて1枚のカードでい    けると、つまり考え方としては保険者がかわっても同じカードでずっと受け続け    られるというイメージになると思うので、そちらの方のシステムでそれはうまく    できないのでしょうかというのが、多分言ったときの問題意識だと思うのです。    そのことを素直に書けばいいのかなと思うので、少し文章は工夫をします。    ○ 田中委員      実際には退職、転職、失業等に応じて住所を変える可能性も十分にあるわけで    す。そうすると無関係な保険者に情報が行くことになるでしょう。    ○ 香取参事官     その可能性はあります。    ○ 田中委員      だから、ここは極めて注意深く書いてくださいという注文です。    ○ 辻本委員     今、この議論は住所がある人ということが大前提でなされています。最近、テ    レビなどでも話題になっているワーキングプアとか路上生活者という人達、先般    ある局の放送を見ていると、よその国では既に国がそうした人への対策というこ    とでのアプローチを始めている。この議論の大前提というのでしょうか。このシ    ステムの大前提の中に、そうした人への対策をどのくらい考えられているかをお    聞きしたいと思います。       ○ 黒川社会保障カード推進室長      最初の頃の検討会でも申し上げたと思いますが、要は3制度を兼ねるカードを    発行しましょうということですので、現在、健康保険証を持っている人を対象に    してイメージしています。現実に健康保険証を持っていない方をどうするのかと    いう問題はあるかと思いますが、カードの検討でそこまで対策を講じるのは、な    かなか難しいため、現在、健康保険証を持っている方をカバーするということで    はないかと考えています。    ○ 辻本委員     それに続いてということですが、多分この先の御計画の中には、パブリックコ    メントにかけるというアリバイ的な作業が用意されていると思うのです。冒頭に    山本委員が御確認なさったように、社会保障カード制度は是非を問う余地のない    大前提。パブリックコメントをかけるとどんな意見が出てくるのか見えるような    気はするのですけれど、パブリックコメントに寄せられる声をどう受け止めてい    くのか。その辺をどういうふうに考えていらっしゃるのか。次に広報について。    地デジの問題が、私など今だに全然理解ができていません。新聞などに記事があ    っても「その時になったら何とかなる。」みたいな気持ちで読む気にもならない    ところがあるのと、社会保障カードの問題もすごく似ている気がします。私の周    辺の人に社会保障カードの話をしても、みんなきょとんとしているのが現実でご    ざいます。そういった意味で、今後、もう少し広く社会的認知を推進する努力を    していただきたい。先ほど堀部委員からも御発言がございましたし、前回、私も    その点は申し上げましたが広報というのでしょうか。普及ということを目的に、    もう少し私達にわかるように御説明をいただきたいと思います。    ○ 黒川社会保障カード推進室長     2つのことをイメージしています。ひとつは、近々、現時点での議論を整理し    て報告書という形で取りまとめをしていただきたいと考えています。ただ、きょ    うの検討メモの最後にもありますが、何れにしても、具体的な仕組みの検討を進    め、もう少し具体的なところを、費用などの問題も含めてお示しした上で、広く    御議論いただくということが必要ではないかと考えています。先ほどパブコメ    云々というお話もありましたが、それも色々なやり方とかタイミングがあると思    います。今回、意見交換会で改めて感じていることは、具体的な仕組みを示さな    いと、皆さん意見の言いようがないといいますか、そういうこともあるので、そ    こは各段階、段階で色々意見を伺いながら、今回伺ったからそれで終わりという    ことでなく、徐々に深堀りしていくのではないかと考えています。それが一つで    す。もう一つは、現時点での報告書のレベルで、一般の方から見ると分かりにく    いところがあるため、今回ポイントの資料も用意はしておりますが、このポイン    トをさらに進めた形で、分かりやすく説明できる資料を整理していきたいと考え    ています。    ○ 大山座長      よろしいですか、ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。    ○ 樋口委員      今、辻本さんがおっしゃったことにフリーライドしてですが、先ほど座長もお    っしゃったように国民の一人一人にどうやってというのは、やはり一定の年限が    かかるような話だと思うのです。だからそこまで行くのもなかなか大変でという    話も、もちろん現実には後で出てくる。あるいは、すぐ後かもしれません。その    ときに、今つまり年金・医療・介護というところに包摂されている人達ですね。    国民あるいは国民以外の人も含めて、その人達には、今度、カード化してこうな    りましたよ。というのでちゃんとつないでいきますよ、不安に対処するように解    消するようにいろいろなことを考えていきますよというのはいいのですが、今、    これらの制度に乗っていない人が現実に存在し、その人達の問題はもちろんカー    ド化の問題以前の問題だと言ってしまえばそうですが、その人たちのことは(今、    そういう趣旨で言われたのではないと思いますが)考えないというのはやはり困    ると思います。とりあえず、今の制度に乗っている人達を全部一つのカードのと    ころへ統合するだけでも本当に大変なことなので、そこを考えているのですよと    おっしゃるのは当然です。しかし、そのときに、今の制度に健康保険に入ってい    ないような人はもう始めから除外するという趣旨はどこにもないと思うので、だ    から、同じようにそれこそ約束はできないようなことだと思いますが、何らかの    形で国民全部にと、例えば、医療は国民皆保険制度を謳っているわけですから、    何らかの形で拾っていく、拾うという表現がいいかどうかわかりませんが当然対    象となってカードを配っていく努力をするのだということは、一応テイクノート    しておいた方がいいと思います。    ○ 香取参事官      御趣旨はそういうことですが、先ほど室長が申し上げたのは、被保険者証とし    て配るということだということになると、被保険者資格をいわばきちんと与える    といいますか確実に適応していくというのは、カードのシステムでは負えない負    担を負うことになるわけです。つまり、今ある資格のある人にカードを渡すわけ    だから、仮にもし未適の人であるとか住所不定の人をきちんと医療保険に包摂す    るということであれば、それは医療保険制度がきちんとそういうことをやると、    今、紙で出ているものをカードで出すと、要は非常に簡単に言えばそういうこと    です。そうするとそういうことをきちんと保険者側がやるというのが基本なので、    そこも含めてカードをどうすると言われてもそこはカードの側ではお答えが出な    いということだと思うのです。恐らくもう一つ別の議論は、こういう制度、カー    ドのようなシステムあるいはこういった情報管理のシステムを入れることで、い    わば今まで各保険者がさまざまな形で適用漏れを起こしていたり、あるいは追っ    かけた、先ほど穴があいたみたいなことがたくさん起こるわけで、そういうこと    がないようなシステムが、いわばこのことによって保険者側のそういう適用が非    常にうまくいく。あるいは容易になるということが多分あるだろうと。それは恐    らくあるだろうと思うのです。そういう意味において、今、未適であったりある    いは医療保険制度や年金制度からいろいろな形で拾われずにいる人が、こういう    システムを入れることによって入ってくる。先ほどの制度間で情報連携すること    で云々というのは、多分そういうことにつながるのだと思うのですが、そういう    ことをカードを入れることのいわばメリットといいますか、入れることによって    先ほど辻本先生がおっしゃったようなことを解決していくよすがになるというこ    とはありますので、それは、ここにどのように書くかわかりませんが当然、念頭    に置きながら考えないといけないことだと思います。    ○ 大山座長      ありがとうございました。今の件を含めまして何かさらなる御意見等があれば    と思います。何しろ考えなければならないことがたくさんありますが、議論のた    たき台となる紙を作ってみたということです。あくまでもたたき台ですが、何ら    かの形でまとめないと外に出せないことになります。我々がたたき台をまとめる    ことが要求されていると思いますので、もう少し前進できるような形で皆さん方    の御意見をいただけるとありがたいと思います。ちなみにスケジュール的には来    月またこの会を開くのですか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長     今日も色々と御議論いただきました。今日、お出ししている資料は検討メモと    いうことですので、もう一度お集まりいただいて御議論していただく必要がある    のではないかと考えています。また改めて日程調整させていただきます。年内は    難しいと思いますので、年明けになるかと思いますがまたよろしくお願いしたい    と思います。    ○ 大山座長      ほか、いかがでしょうか。    ○ 山本委員      別の委員会で既に申し上げましたが、これはICカードに対して、3つの機能    を持たせる。しかも、券面に記載することは非常に最小限にするということは、    そのカードによって御本人を認証するということが中心になるわけです。そうす    ると一般の国民にはカードを与えて、その強い認証能力を用いてさまざまな自分    の情報に利用する。今のところはこの3つの保険ですが、例えば、特定健診の情    報とかというのもまとめに書かれているわけです。そうすると、例えば、医療や    介護のカウンターパートで、その人の情報に触れる人の認証強度は今のままで皆    さんの納得が得られるのかということは、一応考えておく必要があります。これ    は、制度的な問題だと思いますが、この社会保障カードの議論を進めて国民の方    に納得をいただく上で、国民の側だけが強い認証を要求されて、今、それに触れ    ている例えば、医事課の職員であるとか医師、看護師、ヘルパーさんの人は写真    つきの紙の身分証明書だけでそれができているという状況というのは、少し私は    アンバランスな気がするのです。したがって、こういった国民の方々に強い認証    能力を持つカードを持っていただく前提として、行政は別として介護、医療の場    合は民間がほとんどですからその民間の分野でその人に情報に触れる人の認証能    力というのも、ある程度高める必要があると思います。そうでないとなかなか納    得が得られない。こちらはまあ1億人でなく、せいぜい数百万人ですからそんな    に難しくない話だとは思います。並行して検討すべきではないかと思います。  ○ 黒川社会保障カード推進室長      おっしゃるとおりだと思います。それは必ずしもこのカードの検討会だけでは    なく、色々な場で検討が進められると承知しております。この検討メモの中では、    資格情報については、9ページの上から3つ目の丸に、資格情報のセキュリティ    対策を徹底すると書いてあります。それから、閲覧情報のセキュリティは重要で    あるが検討会の検討としては次の話にしましょうということで整理をしています。    そこはこの検討メモで言いますと、12ページの一番上です。電子私書箱(仮称)    についての検討を踏まえつつ、特定健診情報、レセプト情報等のデータベースの    セキュリティ対策が徹底されることを前提としてと書いてあるところでございま    す。    ○ 山本委員      書いてあるということはわかりましたけれど、あまりにも抽象的で弱いと思い    ます。この検討会でされないのであれば、並行してどこかでやられているという    ことをされるといいと思います。セキュリティの問題だけではないと思うのです。    要するに情報の安全だけではなく、やはりプライバシーやコントロール権の問題    にもなりますので、誰がどうさわっているのかというのが、必要に応じて確認で    きることがあった方が多分納得はされやすいと思いますのでよろしくお願いいた    します。    ○ 大山座長     フランスの事例も含めてどこかで話すといいのでしょう。  ○ 山本委員      フランスはSESAM−VITALE2というPKIを入れた国民の健康保険    証のカードが15歳以上の全員に配られています。それをキーにして、さまざま    な情報に御本人がアクセスできるという仕組みを構築し終わって、やはりフラン    スでも結構、国民を二分する議論が今も起こっていて、勝手なことをするなとい    う国民もいらっしゃるようですが、しかし、そこにアクセスするためには、必ず    御本人のカードとそれから例えば医師なら医師のカードを両方同時に挿入しない    とできないという仕組みをつくっているのです。ですから極めて直感的でわかり    やすい仕組みだと思うのです。それがベストかどうかは別として、少なくともそ    ういったことができるような状況が必要ではないかと思うのです。    ○ 大山座長      関連することですが、情報として申し上げておくと、実は住基カードは非接触    になっています。今のスイカなどと同じように無線で通信できるようになってい    ます。2枚のカードを同時に利用することについては、当時から想定していたの    で、住基カードも2枚重ねて利用するできるように設計してあります。例えば医    療に使う場合にはお医者さんのカードと患者さんのカードを2枚重ねにして、1    つのリーダーで使えるように、技術的には作ってあります。そういえば厚生労働    省さんでヘルスケア用のPKIを実施しているのですから、そちらの話も皆さん    に紹介する必要がありますね。医療従事者等の資格カードと証明書の話は、既に    厚生労働省さんの方で、実際にサービスを開始しているのです。ただ、この検討    会の課題とどうつながるかは、まだ議論していませんでした。ちょうど、山本先    生が言われた話につながってきます。2枚重ねて使うだけでなく、いつ誰がどの    情報にアクセスしたかというログを残すことも重要です。そうすれば、万一不正    なアクセスがあっても証跡が残るので、誰が、例えば、資格カードをいい加減な    扱いをしたかどうかも含めて全部わかるということであると思います。この辺の    やり方がフランスです。ほか、いかがでしょうか。一つだけ教えてほしいことが    あります。普通の人が読んだときに、どのように受け取るかについてです。6ペ    ージの一番下です。レセプト云々と書いてあるところの次です。「審査支払機関・    保険者の審査を経て、その内容が確定するが」ここまではわかるのですが、「被    保険者が」ということは我々、患者を意味します。「閲覧したレセプト内容と実際    の診療内容が異なる場合がある。」と書いてあります。実情に詳しい人は理解で    きると思いますが、この文章を一般の人が見ると「あれっ」と思うことはないで    しょうか。この流れですと、内容が確定した後の結果は見せてくれないというこ    とですかと、この文章をそのままとるとそういうふうにも読めます。それ以外に    も違いがあるのかもしれませんが、ここの御意見なかったのですが、そのままな    のでしょうかという質問です。    ○ 田中委員      読みようによって虚偽の請求をしている場合があり得るかと読めます。医師に    悪者がいると書いてあるみたいにも読めます。すごい文章です。    ○ 事務局      意図としては、実際の診療もしくは最初医療機関が申請をしたときのレセプト    と、審査を経て確定したレセプトとで差が出てくるという話です。それを患者の    方、被保険者の方が御存じなければ当然何で違うのかということで、何かしら疑    問が生じるのではないかということを書いております。そこは誤解のないように    表現を工夫しようと思います。    ○ 田中委員     最初のレセプトと審査を経た後では違う、それは当然です。しかし確定した後    に違うとは、審査をすり抜けたうそがあるとの文章になっています。そこは工夫    した方がよろしいと思います。    ○ 大江委員      議事録に残るので、今の議論を聞いておられる方が本当はどういうことなのか    わからないといけないと思います。あり得るケースとしては、非常に多いケース    としては実際には行われている診療が保険請求上は請求の限度があるために、請    求しても支払ってもらえない、そういうために請求を結局取り下げるというケー    スは多々あるわけです。そうしますとレセプトは請求書ですから、レセプトに書    かれていないことであっても実際には受けた医療というのはかなりあるという、    そういうケースがまずあると思います。そういう場合は、もう確実に確定した請    求書の内容と実際に受けた診療内容は、実際に受けた診療内容の方がより多いと    いうことがあり得るというふうに私は思っています。    ○ 大山座長      その話ですと、もうひとつ聞きたくなります。ということは患者さんが例え    ば3割負担であったら、リッチな診療をしてもらったあるいは何らかの検査をし    てもらったということなので、10割かかるのを3割負担で受けられた、これは    よかったと患者さんは思うべきと考えるのでしょうか。それとも「あれ、どっち    だったのだろう」と思うべきなのか、わからないのですが、そこはどうですか。  ○ 大江委員      取り方は当然いろいろな取り方があるのでしょう、どうでしょうか。    ○ 山本委員      始めから医療機関がやった医療行為に対して、これはもう保険に請求しても通    らないとわかっている場合は、そもそも患者さんにも請求していないことがほと    んどだと思います。問題は、通ると思って出して通らないと返ってきたときには、    本来それは患者さんから取り過ぎているわけです。ですからそれはチャンスがあ    れば返さなくてはいけない。来られない患者さんには返せないことはあり得るか    もしれません。    ○ 大山座長     でも、例えば検査でも何でもしてしまったのです。そういう話をしているので    なくてしたやつです。    ○ 山本委員       基本的には、やったことの方がリッチで請求できる方がプアです。    ○ 大山座長      ほか、いかがでしょうか。15分を切りましたので、なければ締めます。重要    な内容ですので、引き続き御意見はメール等でいただきたいと思います。ここで    言っておきたいということがあれば、あるいは不明な点を指摘いただければと思    います。  ○ 辻本委員      今のところの次のページの、「非開示となるレセプトもあり」という一文があり    ます。これは、たしか作業部会ではっきりは言われなかったのですが、まだまだ    本人にがん告知、例えば末期の現実を本人に十分に説明できていない、そういう    場合というようなニュアンスを含めてのお話だったように受け止めました。ここ    にあらわされているのは、そうしたことというふうに理解すればよろしいのでし    ょうか。    ○ 黒川社会保障カード推進室長     そうした趣旨で書いております。    ○ 辻本委員     カルテの開示のときには、治療上の不都合があったときに非開示ということで    検討がなされて拒否されることが今もあると。レセプトにもそれが及ぶという理    解をしなければいけないわけですか。    ○ 事務局     レセプトについても現在、開示することについて支障があるという場合は開示    できないということになっております。現在の取り扱いを前提とすれば、カード    でもそうなるということをここで書いております。    ○ 堀部委員     その点について経験的に申し上げますと、こういうことがありました。ある自    治体で国民健康保険のレセプトの本人開示が問題となりました。本人は医師との    間で何かトラブルがあったようですが、その自治体の個人情報保護条例に基づい    て自己情報の開示請求をしてきました。その自治体とすると、それを開示すべき    かどうか検討し、開示できないものがあるということで一部不開示にしたところ、    不服申立てがあってそれが審査会に諮問されました。その審査会に医師の方にも    来ていただいて意見を聞いたのですが、使った薬によってどういう病気かがわか    ったりすることもあるので、20何年か前の段階ですが、その段階ではこういう    のは医師と患者の関係を考えても不開示にすべきものであるということでした。    審査会としてもその専門家の判断に従って一部不開示は妥当であるという答申を    したことがあります。これはいろいろなところで議論があるところだと思います。  ○ 大山座長      よろしいですか。    ○ 辻本委員      時間がないのに済みません。「それでもなお知りたい」という本人の情報を求    める熱い思いを、それはだめですよと押さえ込めるのでしょうか。    ○ 堀部委員     今の件は自治体の審査会の話ですが、不開示処分という処分の取消しを裁判所    に訴えることもできます。裁判所がどう判断するかというのはまた別ですが、審    査会の判断、裁判所の判断が一致するかしないかいろいろあると思います。裁判    では最終的には最高裁まで争って、これは不開示だということになればやむを得    ないということになるでしょう。裁判所が開示すべきものと判断すれば、それで    開示されるということにもなります。そのあたりはその時代時代でどの情報まで    開示するか議論になります。これも前にも触れましたが、個人情報保護法を検討    しているとき、日本医師会からヒアリングをしたときにはカルテの開示自体すべ    きものではないとう意見だったように思いますが、だんだんそこは変わってきて    いると思います。ずっと以前になりますが、カルテは誰のものかというような議    論を随分したこともありまして、これまたここだけの問題ではなくいろいろ議論    しなければならないところです。そういった問題があります。  ○ 大山座長      ほかはいかがですか。よろしいですか。それでは予定の時刻が近づいています    ので、皆さんの御意見を踏まえまして、次回は報告書の案の形をとりたいと思い    ます。さらに整理いただく報告書の案について、議論をさせていただきたいと思    います。このメモと報告書の案との違いはどうなのかについては、事務局側から    説明いただく方が良いかもしれませんが、通常はこういう白丸で箇条書きになっ    ている内容が文章としてつながるというイメージではないかと思います。では、    次回の予定につきまして、改めて事務局から説明をいただきたいと思います。    ○ 事務局      次回でございますが、先ほど申し上げましたとおり、もう一度開催させていた    だきたいと思います。来月になると思いますが、再度、正式に御連絡させていた    だきます。    ○ 大山座長      閉会する前に、何か皆さん方から今の件を含めて御質問、御意見はございます    か。事務局側の発言はいいですか。それでは、第5回社会保障カードの在り方に    関する検討会を終了させていただきます。本日はお忙しい中ありがとうございま    した。終了いたします。                                    (以上) 【照会先】  厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室   電話番号 03―5253−1111(内線2244)