07/12/17 第7回原爆症認定の在り方に関する検討会議事録 第7回 原爆症認定の在り方に関する検討会         日 時:平成19年12月17日(月) 9:58〜11:45         場 所:厚生労働省 共用第8会議室(6階) 1 開 会 2 議 題   1.原爆症認定の在り方に関する検討会報告(案)について   2.その他 3 閉 会 ○金澤座長 それでは、少し定刻より前でありますが、皆さんおそろいでありますので、 第7回「原爆症認定の在り方に関する検討会」を開催したいと思います。 本日の御出席は、8名の委員全員御出席ということでございまして、会は成立してい ることを申し述べたいと思います。 それでは、議事に入りたいと思いますけれども、議事次第に沿いまして、議事を進め たいと思いますが、本日の議題は「原爆症認定の在り方に関する検討会報告(案)につ いて」の御検討をいただきます。 もう一つは「その他」でございます。 議事に入ります前に一言私の方からお願いしたいと思います。 御承知のとおり、今回の検討会の議論は煮詰ってきている状況であることはおわかり かと思いますが、これを何とか行政の方に反映していただかないと、せっかく議論した ことがむだになります。平成20年度の予算要求という時間の限りがございますので、で きれば本日の段階で一定の結論を得たいと思っておりまして、委員の先生方におかれま しても、誠に恐縮なんでございますが、この点を御了解の上御議論をいただきたいと思 っております。 勿論、全員の意見がまとまらないという場合にも、局長も御出席いただいております ので、報告の中で付記するということもあり得るとは思いますが、できれば皆さんの御 意見がまとまる方向であればいいと思っております。 そんなわけで早速議論に入りたいと思いますが、今私が申し上げたようなことを御了 解いただけますでしょうか。できれば予算に反映したいと思うんです。 (「はい」と声あり) ○金澤座長 ありがとうございます。 それでは、今日とりまとめるという方向で進めさせていただきたいと思います。 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○佐々木課長補佐 資料の確認でございます。 まず議事次第が1枚。それから座席表でございます。 資料といたしまして、本日は「原爆症認定の在り方に関する検討会報告(案)」とい うものが付いております。 あとは通例どおり今までの会議資料につきまして、先生方のお手元にファイルでとじ たものを用意させていただいております。 資料は以上でございます。 ○金澤座長 ありがとうございました。資料の不足はございませんか。もしよければ議 題の1にあります「原爆症認定の在り方に関する検討会報告(案)について」検討した いと思います。 前回は丹羽座長代理に取りまとめの(案)をつくっていただきまして、それを基に皆 さん方から非常に活発な真摯な御意見をちょうだいいたしまして、議論をいたしました。 今回はそれを基にいたしまして、私と丹羽座長代理とで相談をいたしまして、報告の (案)を事務局につくってもらいました。これは長いですが、非常に大事ですので、事 務局から読み上げてもらおうと思います。 事務局よろしくお願いします。 ○佐々木課長補佐 では読み上げさせていただきます。資料を1枚めくっていただきま して、本文から読み上げさせていただきます。 (「原爆症認定の在り方に関する検討会報告(案)」朗読) ○金澤座長 ありがとうございました。これは(案)でございまして、これから皆さん 方と最終的な議論をしたいと思っております。 なお、修正がある場合には、後で直す必要がありますので、できれば大きな問題から お話をいただければと思っております。 まずは、どこからでもいいと申し上げたいところなんですが、一応順番で最初の「1 基本的な考え方」という最初の3つの○、4つの黒ポツ辺りからお目を通していただき たいと思いますが、いかがなものでしょうか。認定というもの、それから今までこうい う方向で議論をしてきた。そして「基本的な考え方」を以下のとおり4つにまとめて書 いてあります。一応科学的知見に基づくべきではあると。ただし、個々の例について総 合的に判断を行うべきである。 それから、科学的知見も今後のものをも取り入れて見直しを行える体制をつくろう。 被爆者の高齢化を考慮し、迅速な対応が求められていることに十分考慮しよう、こう いうことであります。ここはよろしいでしょうか。 では、次の「(1)被曝線量の評価について」の「(1)初期放射線について」はいかが でしょうか。いちいち読み上げますとダブりますので、読みません ○靜間委員 最初の(1)なんですが、現在のDS86についてですが、私、意見としても 申し上げましたが、「数多くの実測値に基づいて計算されたもので」とありますが、こ こは主にモデル計算によるものであるがというふうに直した方がいいと思います。後の ところにDS02についても触れてありますので、基本的には妥当なものであると、上 の文章をくくるのはよいとしましても、実測値に基づいたというのは無理があると思い ます。 ○金澤座長 ありがとうございました。今の点についてはいかがでしょうか。 ○甲斐委員 基本的な計算はモデルを使って計算しているが、実測値に基づいて検証を 行ってきたということでよろしいんですか。そこはいかがでしょうか。 ○靜間委員 実測値との計算はなされていません。実測値の何を指すかによりますが、 γ線の熱ルミネッセンスのデータはあったにしても、中性子の実測データについては、 まだほとんど取り上げられてなかった状態ですので、逆に言いますと、例えばコバルト 60ではDS86と違いがあるというのは、その報告書の中でも既にはっきりしていまし て、それを考慮をしたかというと、それは疑問として残されていますので、その辺りか らしましても、実測値に基づいたというのは言い過ぎだろうと思っています。 ○金澤座長 それならば、どのように表現したらよろしいでしょうか。 ○靜間委員 「数多くの実測値に基づいて計算されたもので」というところを、「主に 計算モデルによるものであるが」に変えればよろしいかと思うんです。 ○金澤座長 それでよろしいんでしょうか。実測はないことになってしまう。 ○丹羽座長代理 多分両方とも正しい。実際に実測はしておられるが、中性子において 不備があるということが靜間委員の御指摘なので、実測については、一部のモデル計算 の検証は実測でなされておるけれども、それをすべてカバーしておるわけではないと、 中間なので、それが入るような文言であればいいんじゃないかと思います。 「主にモデル計算に基づくものであるが」ではなくて「もので」ですね。 ○靜間委員 後の文章との続きからすると「が」かなと思ったんですが、それはどちら でもいいです。 ○金澤座長 「が」にすると、片手落ちになってしまうからね。 ○靜間委員 「もので」で結構です。 ○丹羽座長代理 「主に」が入っていますので、実測を排除するものではない。 ○金澤座長 そういう意味か。なるほど。それでよろしいですか。 「数多くの実測値に基づいて計算されたもので」という部分を、「主に計算モデルに よるもので」と直すということですね。よろしいですか。 もし御疑問がありましたら、また元に戻っていただいて結構ですが、この時点ではそ のように訂正をさせていただきます。 ○青山委員 前に戻るんですが、「1 基本的な考え方」の3つ目の○の黒ポツの1番 目と2番目を分けて書いてありますが、前回御質問して、必ずしも最初の黒ポツが審査 だけにかかるもの、2番目が認定だけにかかるものという趣旨ではないというふうに伺 ったので、そうであるとすれば、2つの文章をまとめて、例えば最初の黒ポツの1行目 「審査」の次に「及び認定」を加え、2行目の「基本とすべきである」を「基本とし、」 に改め、2番目の黒ポツの「個別の例について」に続けてはいかがでしょうか。 通して読みますと「原爆症認定の審査及び認定に当たっては、科学的知見に基づき放 射線起因性を判断することを基本とし、個別の例について総合的に判断を行うべきであ る」。これではいかがでしょうか。 前回申しましたように、認定の作業の中でも、まずは科学的知見に基づく判断をする にしても、それで結論が出ない場合は、それ以外の資料を総合して判断するという任務 があるわけで、その総合判断はすべて審査会の仕事ではなくて大臣の仕事だというわけ ではないということなので、今の文章のようにするのが正しいのではないかという趣旨 です。 ○金澤座長 そうですね。どうですか。御意見はいいですか。青山委員出だしを確認し ます。 ○青山委員 「原爆症認定の審査及び認定に当たっては」です。 ○金澤座長 認定という言葉は。 ○青山委員 認定というのは、法律で言っている厚生労働大臣の原爆起因性の認定です ね。 ○金澤座長 審査及び認定と、いいですかね。 わかりました。読み上げます。 「原爆症認定の審査及び認定に当たっては、科学的知見に基づき放射線起因性を判断 することを基本とし、個別の例について総合的に判断を行うべきである」。ありがとう ございました。 それでは、ほかの点について伺います。 「(1)初期放射線について」はよろしいでしょうか。 「(2)誘導放射線と放射性降下物について」はいかがでしょうか。つまらぬことを言う けれども、注1)まで遠いんですね。4ページまで行かないと注1)の中身がわからな い。すぐ下に置いてほしい。どうせ直すなら直しましょうや、それでできれば注が大き な顔をするのもあれだから、少し小さい字でどうですか。 本質的なことをと言っていながら、つまらぬことを言いましたが、ほかにどうぞ。 ○鎌田委員 DS02のシステムは、放影研では個々の人について計算されたんでした か。まだのように聞いているんです。 そうすると、これは急がすような格好になると思いながら読ましてもらったんですが、 御事情をわかっている方があれば教えていただきたい。 ○金澤座長 いかがでしょうか。どなたかお答えいただけませんか。では、事務局から。 ○佐々木課長補佐 事務局から(2)の上の○の。 ○岡部総務課長 DS02の作業がどうなのかと。 ○佐々木課長補佐 個別の経路の。 ○鎌田委員 02について個々の被爆者について線量付与をやる作業が終わっています かということです。もし、それができてなかったら、計算ができない。 ○甲斐委員 私も細かいところはわかりませんが、今回の放影研が出しましたインシデ ンスの罹患率に関する疫学調査結果はDS02に基づいておりますので、当然個々の線 量評価をした上で解析をしておりますので、すべてやっているかどうかまで私も確実で はありませんが、基本的にその論文の中では行ってきていると思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。 ほかにいかがですか。「誘導放射線と放射性降下物について」はよろしいでしょうか。 ○靜間委員 (2)の議論になっているんですか。 ○金澤座長 そうです。 ○靜間委員 そうしましたら、2番目の文章ですが、これから見ますと、誘導放射線と 放射性降下物の被曝線量の割合は大きくないということは、初期放射線の効果のみしか 考えないということを意味しているんでしょうか。 ○丹羽座長代理 済みません。これは13日に金澤座長とこの文言について打合わせをし ていたときに、一応靜間委員と私お電話でいろいろと議論させていただきました。これ まで私はその点については2回ほどこの検討会で言及していますが、DS02線量は確 かに集団に対して、それを援用するということについては、これまでそれにのっとって 疫学調査なり染色体異常の解析が行われておる。染色体異常の解析というのは、大体線 量に関して10mSvオーダーの誤差で判定できるという非常に敏感なものである。 それで染色体解析などのデータの線量効果関係からして、たくさんの被爆者の方の平 均という数字で出てまいりますが、その線量効果関係というのはDS02の線量と誤差 の範囲を幾らに設定するかは別としても、相当合致しているというのがコンセンサスに なっているので、余りに大きくふれないであろうという議論をそのときさせていただき ました。 このとき一般にという言葉が最後に入っておりますが、これは個々の例で非常に高か った方とか低かった方がおられるということを排除するものではないということで、こ この書き方について、こういう修正があればということであれば勿論、より適切な文言 に変えた方がいいとは勿論思いますが、趣旨としては注1)に書かれたことであります。 ○靜間委員 その件について、染色体異常のことを例を挙げていましたので「原爆放射 能の人体影響について」という本がありますが、この中で染色体異常については阿波先 生が書かれています。その中に広島と長崎の線量に対する染色体異常というのがありま して、これを見ますと、御存じだと思うんですが、夜空の星のようにばらついておりま す。これに直線が引かれておりますが、その中で阿波先生が言われていますのは、同一 線量内で個別の依存頻度の分布が広がっているというのは、縦方向に広がっているとい う意味だと思いまして、この不一致の原因としては、線量推定の誤差、感受性、その他 異常細胞動態の特異性とか、ほかに医療被曝等も入っているということが書かれており まして、今のこのばらつきにつきまして、推定線量の誤差が大きい可能性が強いと書か れておりまして、そういうことからしましても、影響の方にすべての初期線量以外の線 量も入っているというのはわかりますが、この横軸で決まっている数値そのものは初期 線量以外に入っていないわけです。 その意味で後の方の議論にも関係してきますが、こういった疫学データに基づいた原 因確率の適用というのは無理ではないかというのが私の意見です。 ここの文章に戻りますと、誘導放射線と放射性降下物による被曝線量が一般に大きく ないと記述しているのではなくて、それも考慮に入れるべきであるという文面の方がよ ろしいと私は提案いたしました。 ○丹羽座長代理 勿論、考慮に入れるというのは、上の○で入っておるわけですね。 ○靜間委員 上の○で入っていまして、下で「大きくない」と書いてあるので、ここ自 体が誘導放射線については矛盾しているような印象を持ちました。 ○丹羽座長代理 被爆者の方々全体に、この間も出てきたような、鎌田委員がお示しに なったように、例えば1.3 キロのところで本来は3Sv浴びているはずだというふうな、 プラス2Svというのは網掛けできないというのをあのとき議論させていただいたんで す。 そういうような意味では、この一般にというのは、そういう意味合いを込めて一般に というのがございますが、個別に関しては、当然計算するべきである。その2本立てで やるのが適当かと私自身は判断したんです。 ○靜間委員 そうしますと、これは文面の意味として大きくないから、考慮に入れない ということを意味しているわけではないんですか。 ○丹羽座長代理 全く違います。 ○靜間委員 それでしたらわかります。そう取れるような表現に思えたんです。 ○丹羽座長代理 集団としては、規模はそれほど大きくないんですが、当然個別の方で 大きい方がおられるという可能性は十分あると思います。 ○鎌田委員 お互いに議論してよくわかっているんですが、わかりました。ばらつきが あるよということはわかっているんです。そのところで、最後に文言ですが、「一般に 大きくない」と言ったら、今の靜間委員のような意見も出てくるので、「一般化するほ ど大きくない」ということであれば靜間委員も理解されると思うんです。私もそう思い ます。 ここには線量の多い人もおるわけですから、それは後で拾われるわけですね。それは それでいいんだけれども、ここの文言として、「一般的には大きくない」と言ってしま うと、もうばっさりと意味がなくなってしまうのですから、先ほどお話ししたような形 に変えていただければ収まりがいいんじゃないかと思います。 ○丹羽座長代理 一般化できるほどですか。 ○鎌田委員 一般化できるほどです。 ○金澤座長 一般化できるほどに大きくはないと。ありがとうございました。ほかに御 意見いかがですか。靜間委員よろしいですか。 ○靜間委員 わかりました。 ○金澤座長 それでは、ほかの話題にいきます。「(3)内部被曝について」です。 ○靜間委員 この点につきましても、私としては、これまでの議論で内部被曝について、 どのような評価をこれまで行われているかということについていろいろ文献等挙げて紹 介いたしましたが、これだけ見ますと、私の意見は全く反映されていなくて、「証拠は ない」となっているんですが、これだけ読んだら内部被曝は考えなくていいというふう に取れますし、どうして証拠がないと言えるんでしょうか。証拠は幾つか挙げましたが。 ○丹羽座長代理 ごめんなさい。これは書いている趣旨が多分違う階層のことを書いた ので、そういうことで文言が適切かどうかは別としまして、ここで議論している内部被 曝と外部被曝というのは、内部被曝の影響が線量に比して外部被曝より特段に大きいと いう議論がございました。それは線量で評価してもいいんではないかという意味で、内 部被曝と外部被曝は線量というものを指標にして大体同等に扱ってもいいんではないか という趣旨でございます。それが読み取れない文書であれば、適宜直すべきであろうと 思いますので、前段の議論から突如ここに来ると、確かに奇異の感を持たれる可能性が ありますので、そこのところはどうしたらいいかな。 ○金澤座長 御意見があるようですから、いただきましょう。甲斐委員どうぞ。 ○甲斐委員 同じ臓器線量であればという文言を入れてはどうでしょうか。 ○金澤座長 もう一度言ってください。 ○甲斐委員 「内部被曝は同じ臓器吸収線量であれば」です。そうすると、影響は同等 であると。 ○金澤座長 内部被曝の影響はですか。 ○甲斐委員 「内部被曝は外部被爆に比して同じ臓器線量であれば影響は同等である」。 ○金澤座長 事務局、わかりましたか。 ○佐々木課長補佐 はい。 ○金澤座長 靜間委員よろしいですか。 ○靜間委員 ちょっと疑問に思いますのは、外部被曝という言葉は同等であるというの は、放射性降下物からの外部線量、内部被曝に対して同等で、初期線量に比べればその くらいの文書でも、今出ましたように、概してそう大きくないというのはありますから、 ここで言われる外部被曝というのは、今の降下物による外部被曝に対してという意味だ と思います。全部含めた外部被曝と取られているんでしょうか。 ○甲斐委員 ここは私は一般論と取ったんですが、基本的に線量を基本に考えれば、内 部被曝であろうが、外部被曝であろうが、被曝の形式にかかわらず臓器の線量が同じで あれば影響は同じであるという考え方で、世界的には今そういう考え方を取っていると 私は理解しています。それをそのまま書いたと私は理解したんです。ですから、一般的 に線量を評価できればです。 ○金澤座長 よろしいですか。 ○靜間委員 わかりました。 ○金澤座長 ありがとうございます。 では「(4)その他」です。これはよろしいですか。 ○靜間委員 これにつきましても、私が紹介しました論文でγ線の線量に対してβ線の 線量という計算がなされているわけでして、γ線からある程度判断できるということは これでいいんですが、この文章としては、β線の効果を入れるのか入れないのか。余り はっきりわからないんですが、γ線の線量を基にβ線の被曝線量も考慮に入れるべきで あるという文言にした方がいいんじゃないでしょうか。 ○丹羽座長代理 この文書を入れたのは、この検討会の議論で、勿論先生が非常にいろ いろと証拠を出していただいたβ線の効果というものが、β線そのものの線量というの が判定が非常に困難であるということをおっしゃいました。 それに対してこの検討会の委員の一人から一応β線だけが単独で出てくるということ は少なくて、γ線を付随している場合が多いということで、ある程度γ線の線量という もので、β線も判定できるんではないかという意見があったのを粛々と書いただけで、 取り入れる、取り入れないという議論ではないというつもりで、明らかにするためにそ れを書いておきました。 必ずしもβ線を排除するという意味は全く私自身になかったんですが、そのような判 断で書かせていただいた文言なので御理解いただきたいと思います。 ○甲斐委員 私の理解ですが、β線については、例えば脱毛などの皮膚障害を意識した 場合には当然評価すべきだと私も思います。内部被曝などは通常放射線各種を吸入した り摂取した場合には、当然β線の線量評価に当然含まれますので、そこで当然評価して いくということで基本的には評価が入ってくるということだと私は理解しております。 ○金澤座長 いかがですか。 ○靜間委員 評価に入っているという意味であれば了解いたしますが、β線も切り捨て られるのかという印象を持ちましたので、聞いたまでです。 ○金澤座長 総合判断のところで是非リンクしていただきたいと思います。 それでは「(2)放射線起因性の判断について」に移りたいと思います。 まず最初の○はどうでしょうか。今言いましたが、被曝線量、原因確率、あるいはし きい値による評価のほかに、新たに急性症状等も考慮して、総合的に判断を行うという ことを述べているわけであります。これについては多分御異論はないんではないかと思 います。 「(1)放射線との関連が明らかな疾病及び原因確率について」、がんなどです ね。 いかがでしょう。この部分○5つ、全部一緒に議論していただきたいと思います。 ○靜間委員 2番目の○のところで、先ほども丹羽座長代理と議論になったところです が、放射線の影響を判断する目安としてというのは、やはり集団のリスク評価の目安と して使うことは合理性があるという意味だと理解しております。 その後の「基本的な判断指標として用いることが適当であるとの意見が多数を占めた」 とありますが、前回の議論を聞いた限りでは、私自身も原因確率をそういうふうに使う というとには適当でないという意見と私は取ったんですが、適当であるという方が多か ったとは取れなかったんですが、どうでしょうか。 ○丹羽座長代理 ごめんなさい。放射線起因性というものを議論する上で、原因確率と いうのは多分線量と相関があるという意味では、線量がないところに確率は当然出てこ ないわけでありますので、そういう意味では合理性があるということはこの委員会で皆 様合意していただいたんではないかと判断いたしたんです。 ○鎌田委員 靜間委員が言っておられるのはそこではないと思うんです。原因確率その ものについては、それなりの科学的な根拠があるから、合理性は当然初めからあるわけ ですが、原因確率を使って認定患者を判定するという使い方ですね。1か0か、100 % か0%か10%なのかというところの使い方に関して、いろんな議論が出ているんじゃな いですかというのが靜間委員で、私もその意味では前回の議論のときに、原因確率を取 るのは私は勿論いいわけです。それを1か0か、100 %か0%という格好に使う使い方 が、それは被爆者に当てはめるのは妥当ではないんじゃないかとお話ししたと思うんで す。そういう議論もありました。だから、今の問題は、靜間委員は「意見が多数を占め た」という言葉にこだわっているんじゃないかと。そうですね。 ○靜間委員 そのとおりです。被爆者の認定に、例えば50%以上のところに、現行に使 うのは私は問題ないと思うんですが、ずっと低いところで原因確率で議論するのは適当 ではないと思いました。ですから、ここの文面がそういう意味になっていないなという ことを申し上げたわけです。 ○鎌田委員 「 多数」という言葉でなければ、「かなりの議論を生んだ」とかいうよう な言葉で、使い方に関して問題なんですよ。原因確率そのものには問題ないんです。い かがでしょうか。 ○金澤座長 青山委員どうぞ。 ○青山委員 この文章の中の基本的な判断指標という言葉が非常にあいまいであると ころに問題があると思うんです。目安として使うことに合理性があるということに はほとんど異論はないのではないかと思うんですが、そのことと基本的な判断指標 として用いるというのは、同じことではない。後の方の言葉は、それが判断の決め 手みたいなふうに受け取られかねない。そうすると、多数意見だというのは異論が 出てくるんじゃないかと思いますので、前半の判断する目安として使うことには合 理性があるということで切ってしまえば、後の方は要らないんではないかという感 じがいたしますが、いかがでしょうか。 ○金澤座長 私はちょっと違う意見です。申し訳ないですが、言わせてください。 原因確率というものについての合理性については基本的に御了解いただいていますが、 これをいずれ使う必要があるわけです。そういう場面があるわけです。それを適切に用 いるべきという表現ならばいかがですか。 ○青山委員 構わないです。 ○金澤座長 「それを基本的な判断指標として適切に用いるべきであるとの意見が多か った」ということならばいかがでしょう。よろしいですか。とりあえずそのようにさせ ていただきます。 ほかにどうでしょうか。 また戻っていただいても結構ですが、「(2)その他の疾病について」に移りたいと思い ます。心筋梗塞というものを、この場での議論はそれほど多くはありませんでしたが、 神谷委員どうぞ。 ○神谷委員 その他の疾病で、今回心筋梗塞に関しては、一定以上の評価を早急にすべ きだということでありますが、放影研のデータで線量効果関係が非常にはっきりしてい るその他の疾患があります。例えば甲状腺疾患であるとか脳卒中というような疾患に関 しては、放影研のデータで線量効果関係を示唆する所見が得られています。 世界的なレベルでの科学的知見に関しては、それらの疾患が放射線によって起きると いうことを証明するだけの十分な証拠はまだ蓄積されていないわけですが、高齢化が進 んでおりまして、できるだけ早い対策が必要だと思います。 基本的な考え方のところでも述べていただいておりますが、被爆者には科学的知見が 十分蓄積するまでの時間的余裕がないということもありますので、そういう疾患に関し ましては、できるだけ早く検討会等で議論していただいて、放射線起因性が十分証明さ れないまでもそれが非常に疑われるような場合は何らかの対策が必要ではないかと思い ます。 ○金澤座長 ありがとうございました。そのとおりだと思います。 ほかにいかがですか。 ○鎌田委員 コメントというか追加ですが、前回の放影研のデータでは脳卒中、脳疾患 として、92年に有意差があると「死亡数」から出ているんですが、今回の98年迄の 解析で「罹患数」という形で解析する場合に、高血圧という項目で解析しているです。 心筋梗塞及び高血圧に対して、有意の増加が、インクリーズがあったと書いているんで す。では、「高血圧」の中に脳卒中が含まれているけど、全てではないとろがあるので、 是非そのところを明確に、すなはち、高血圧症ハイパーテンションというところの中が、 ストロークを起こした「脳卒中」単独項目で有意だったのか、「脳梗塞」単独項目で有 意だったのか、その辺を早く放影研で解析していただいて、認定項目に反映していただ きたいというのがお願いです。 ○金澤座長 ありがとうございました。全く異論はないと思います。よろしいでしょう か。 それでは「(3)審査の迅速化及び審査の取扱いについて」ということに移りた いと思います。 「(1)審査の迅速化について」でありますが、これはいかがでしょうか。これは恐らく 皆さん御賛成いただけるんではないかと思います。 ○青山委員 3行目の「明らかで」というのは削った方が文章として正しいのではない かと思います。 ○金澤座長 なるほどね。それでは「明らかで」を削ります。 それでは「(2)審査の取扱いについて」に移ります。○が3つあります。50%以上につ いては今終わったところでありますが、10%〜50%と10%以下と分かれています。 10%〜50%の内容は今でも大体このような線で取り扱われているそうでありまして、 ただ、総合判断ということを明確に述べているわけです。 ○鎌田委員 「(2)審査の取扱いについて」の2つ目の○のところで、「自然界から浴び る放射線にも満たない被曝」の「被曝」というのは、計算されてきた値が日常よりも低 い場合ということで理解するんですが、この計算された被曝というのは、繰り返すよう ですが、初期放射線と残留放射線も含めての意味ですね。そう理解してよろしいですね。 ○丹羽座長代理 そうです。 ○金澤座長 ありがとうございます。そのとおりだという御返事であります。 ○永山委員 今までの審査の方針のいろんな資料がありますが、すべてがセンチグレイ で評価されていまして、最低が1ですから、10ミリグレイというのが最低ラインで出て いるわけですが、今回1mSvというのを出してくると、この表が1けた下のところまで 出せるのかどうか。どなたに聞いたらいいのかわかりません。 ○丹羽座長代理 出せるかどうかというのは、作成できるかということですか。 ○永山委員 例えば入市の方の被曝線量だったら、今まで別表10の計算でセンチグレイ で距離数と時間で計算するわけですね。単位はセンチグレイで最低は大体1か0です。 だから1センチグレイを最低として被曝と採っていて、これは10ミリグレイになります が、今回は1ミリグレイ まで考慮しようとすると、計算としてはそれはちゃんと出せる わけですか。 ○丹羽座長代理 それは事務局に聞いた方がいいんじゃないですか。 ○金澤座長 どうぞ。 ○北波健康対策推進官 今の永山先生の御指摘ですが、この検討会で御提言を受けまし たら、早急に事務作業に入る中で、放影研も含めてできるような形で作業を依頼したい と思っております。 ○金澤座長 よろしいでしょうか。 ほかに御意見ございませんか。この注2)のところは、さっきの注2)をこっちへ持 ってきてくださいね。そばにあった方がいいですよ。 それでは「2 新しい審査の在り方」、ある意味ではまとめになりますが、「(1) 被曝線量の評価について」、2つ○があります。これは今回新しく導入するという内容 についてのまとめでありまして、今までもやっていたことに関しては、ここには出てお らないそうであります。被曝線量の評価についてはよろしいですか。 それでは「(2)放射線量起因性の判断について」はいかがでしょうか。先ほど出て きたものの一部をピックアップしておりますので、よろしいようですね。 それでは、「(3)審査の迅速化及び審査の取扱いについて」ということで、最初の ○は先ほどの50%を超える場合。 次の○は10%未満の場合。 最後に、経験則も踏まえた云々と。ここで大事なことは「今後新たに得られる科学的 知見を取り入れて、適宜見直しを行える体制を整備する」ということを提言しておりま す。 ○青山委員 ここには、今までやってきたこととは違うことを書いたというお話で、 原因確率50%以下10%以上の場合が書いてありません。そして、先ほど座長からこの範 囲は実際実務では同じようにやってきたんだという御説明ですが、審査の基準自体が違 うわけですから、たまたま同じようなことをやってきたというだけではないかと思うの で、やはり50%〜10%の間も文章として書く方がいいのではないかと思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。私も言いたかったことなんです。やはり形として もその方が整っているんですよ。是非お願いします。 ほかにいかがでしょうか。 ○靜間委員 5ページの「(1)被曝線量の評価について」、そこに○が2つあるんで すが、私として気になりますのは、残留放射線としてβ線等の被曝の評価も入っている のかということ。 最初のころ内部線量は外部線量、元の文言としましたら、影響が甚大であるという証 拠がないという文章があって、ここには内部被曝のことについては何も書かれていない ので、内部被曝については落とすのかという印象を持ったんですが、先ほどからの経緯 ですと、内部被曝も評価するということでしたので、ここにそういった内部被曝も評価 するという文言があった方がいいのではないかと思います。 ○甲斐委員 私も同じ賛成意見です。放射性降下物についても、可能な限り線量評価を 行うべきであるという文言があってもいいかなと私も思います。 ○金澤座長 どういうふうに修文しますかね。 ○甲斐委員 残留放射線については誘導放射線及び放射性降下物からの放射線について、 あとは同じです。 ○金澤座長 可能な限りというのを入れるわけですね。「可能な限り個人ごとの」とい うのにつながるんですか。 ○甲斐委員 そうです。 ○金澤座長 事務局、わかりますか。 ○佐々木課長補佐 はい。 ○靜間委員 コメントですが、今回の新しい審査の在り方としては、10%以下というと ころで、急性症状等も考慮して、総合的に判断するとなっていますが、そのためには、 被曝線量については可能な限り積み上げていって、それでもなおかつ低いということは 出てくると思うんですが、その場合には、そういった急性症状とか、経験則とか、総合 的な判断をするという方がいいと思うんで、線量については今、変更してもらいました ように、現時点で可能な限りの被曝線量は評価しておく方がよろしいと思います。 ○金澤座長 そのとおりですね。 ほかにいかがですか。 ○鎌田委員 最後の空白の部分についてお願いがあるんです。 私のお願いは、検討会でこういう報告をいたしました。それがどういうふうに変わっ たのかということが後々見えるようなことをお願いしておく必要があるんじゃないかな と思うんです。 例えば来年以降については、単に認定数の数ではなくて、がんの種類、あるいは認定 疾病ごとにテーブルを開示していただくと同時に、更に二次審査と言いますか、細かい 審査に行ったのは、何%くらいだったとか、そういうようなことでも記載していただけ れば、検討会の結果がだんだん見えてくるなとかいうことが言えるんじゃないかなと思 うので、是非その辺も言いっぱなしにならないような一言を入れていただきたいという のが私のお願いです。 ○金澤座長 ありがとうございます。そのとおりですね。 ほかにいかがでしょうか。 ○永山委員 先ほどのところに戻るんですが、5ページの(1)の2番目のところで、 誘導放射線及び放射性降下物について、可能な限り個人ごとに評価するというふうに変 わるという話ですが、これは移動経路及び滞在時間ですから、いわゆる入市者が対象だ と思うんですが、現在、放射性の降下物は、長崎だと西山、広島だと己斐と高須地区だ けで評価していますが、入市者の放射性降下物の評価というのは今後どう具体的になる んでしょうか。 ○丹羽座長代理 これは私の専門ではなくて、靜間委員の方がもっとお詳しいと思いま すので、靜間委員の御意見などを聞きながらやるというのは適切ではないかと思ってお ります。 ただ、これまで私の知っている程度の知識で、大したことはないんですが、計算のや り方なども、このやり方でできるんじゃないかというのがあるし、新しいのも工夫され ておるように聞いております。そういうものを適宜取り入れることなのであろうかとい うのが私の理解であります。問題があれば靜間委員にフォローアップしていただければ と思います。 ○靜間委員 その点につきましては、私は意見として申し上げたんですが、長過ぎて困 るというので切られてしまいまして、今、広島の己斐、高須とか長崎の西山とかだけで はなくて、それ以外の地区に入った人に対しても当然内部被曝はあったわけですし、我 々の測定データからも放射性降下物は黒い雨のそこだけではなくて、もっと広いという データがありますので、その意味からしても、上限値としては、放射性降下物が地上に 降下した分については、現在の己斐、高須、西山の値を最大値として市内全域に取ると いうのが私の1つの案です。 それが外部被曝でありまして、それに対して更に同等の内部被曝もあるという値を取 っていけば、入市者に対しても、被曝線量の評価は可能であろうと思います。 ただ、高かった部分が己斐、高須、西山であるというのかわかっていますが、それ以 外についてはもう少し低かったとすれば、幾らかのファクターをかける必要はあろうと 思いますが、そういう方に対しては、なるべく上限値をもって評価すればいいのではな いかと思います。 以上です。 ○金澤座長 ありがとうございます。何らかの方法があるというお話だと思います。 ほかにいかがでしょうか。 ○靜間委員 急性症状等を考慮するという文言があちこちに出てきていますが、ああい う異常事態の中で行動された方というのは、それほど記憶がはっきりしていない場合も あろうと思いますので、あったかなかったかもはっきりわからない点もあろうと思いま す。では、証拠がないからと言って切り捨てるというよりは、それこそ経験則とかほか の人の証言とか、そういったものを入れた判断が必要ではないかと思います。 ○金澤座長 急性症状を含めた総合判断だと思います。 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ありがとうございます。それでは、一応ここで御意見をいただいたといたしまして、 修正部分が幾つかございましたので、報告書をつくる関係上、ちょっとお時間をちょう だいしたいと思います。修正が終わったところで当検討会の報告書とさせていただきま して、あとで局長の方に渡さなければいけませんので、早速修正の方に入ってください。 事務局の方から何かありますか。 ○北波健康対策推進官 それでは、直ちに今の文言について言及があった部分につきま して、修正作業をさせていただきます。 それから、報告をお渡しいただく際には、報道機関の撮影もございますので、準備が 整うまでこのままでお待ちいければと思います。お手数をおかけします。よろしくお願 いします。 ○金澤座長 一旦休憩ということですね。おおよそどのくらいですか。 ○北波健康対策推進官 15分くらいです。 ○金澤座長 よろしくお願いいたします。 (休 憩) ○金澤座長 ちょうど委員の方々、皆さんお集まりですので、修正文書が配られる前に、 ちょっと丹羽座長代理の方から御発言いただいて、それからこれに入りたいと思います。 どうぞお願いいたします。 ○丹羽座長代理 最後のところで靜間委員と議論があった放射性降下物の件なんです。 これは私は、靜間委員と13日に電話で話したことを受けて、お手元の資料の2ページに ある誘導放射線と放射性降下物について、というところの(2)というところを書きました。 その趣旨は、放射性降下物、誘導放射線というものの被曝線量に占める割合は、一般化 できるほどには大きくないという書き方をいたしております。 それはどういう趣旨かといいますと、フォールアウト、あるいは誘導放射線に関して は、全員に網かけできるというものではないと私自身は理解しております。 ところが、この文言の修正や通った過程で、最後に靜間委員から、西山地区の線量を、 例えば被爆者全員に網かけするというような御趣旨の発言があったので、それは私自身 が考えていた一般化できないということと論理的には矛盾するというふうに思いました。 そういうことを含めて、最後の誘導放射線と放射性降下物に関しては、5ページ、ど ういう方式でやるのか検討しましょうということがここの私の趣旨なので、靜間委員の 御意見が100 %取り入れられるかどうかということに関しては、私は何とも言えない状 況ではないかと思っております。 ○金澤座長 ありがとうございました。そういうことで御理解いただけますね。 それでは、修文ができたそうでありますので、事務局から、読み上げるときりがない ですから、修正部分だけお願いします。 ○佐々木課長補佐 修正点のみを御説明いたします。 まず、1ページ目「1 基本的な考え方」の3つ目の○の1つ目のポツでございます。 2つの文書を1つにまとめておりまして、「原爆症認定の審査及び認定」。 それから「基本とし、個別の例について総合的に判断を行うべきである」という修正 をしております。これが1点目でございます。 同じく1ページ目「(1)(1)1初期放射線について」の1つ目の○でございます。「現 在の初期放射線の線量評価システム(DS86)は、主に計算モデルによるものであり、 初期放射線による被曝線量を計る方法としては、基本的には、妥当なものである」とい うふうにしております。 2ページ目の(2)の2つ目の○でございます。文末を修正しておりまして、「被曝線量 が占める割合は、一般化できるほどには大きくないと考えられる」。そして注1)をこ ちらの方に持ってきております。 「(3)内部被曝について」は「外部被曝に比して、同じ臓器線量であれれば、影響は同 等である」と改めております。 3ページ(2)の(1)の2つ目の○でございます。これの下から2行目でございますが、 「これを基本的な判断指標として適切に用いるべきとの意見が多数を占めた」と改めて おります。 4ページ目「審査の迅速化について」でございます。2行目から3行目にかけまして、 「放射線起因性があるものと取扱い」というふうに改めております。 ○北波健康対策推進官 その後、これから佐々木が申し上げるところの1点のところで、 放射性効果物を付け加えるところがあったところがございまして、最初にお配りしたも のでは、「放射線降下物」に、ちょっと誤植がありましたので、その「線」を「性」に 直したということでございます。 ○金澤座長 最初から読み上げる必要はありません。どうぞ続けてください。 ○佐々木課長補佐 わかりました。 5ページ目の(1)の2つ目の○で「残留放射線については、誘導放射線及び放射性 降下物について、可能な限り」という形で、「及び放射性降下物」というのを付け加え ております。 6ページの冒頭、「10%以上50%未満の場合」につきまして、1文追加をしておりま す。「放射線起因性を推認するに足りる相応の資料」で、済みません。またお配りをし ているものですが、これはほかの部分、例示が取れておりますので、今、例示が入った ものをお配りをしておりますが、「相応の資料があれば、総合判断の対象とする」とい うことで、追加をさせていただいております。 ○金澤座長 括弧の中及び括弧を取るということですね。 ○佐々木課長補佐 はい。 ○青山委員 鎌田委員の最後の発言が抜けていましたね。 ○北波健康対策推進官 済みません。事務局から発言させていただいてよろしいでしょ うか。 新しい審査の方針の後、認定作業が当然行われるわけでございますが、その際の情報 公開の在り方というものについては、事務局は責任を持って検討し、また、今までであ れば認定結果のみ、数のみを公表していましたが、個人情報等の関係もございますが、 要するに、認定の実態がわかるような形で提供させていただきたいというふうに考えて おります。 また、この検討会報告について、内容について実現するために事務的な作 業に直ちに入りたいというふうに考えております。 ○金澤座長 ありがとうございました。 ○佐々木課長補佐 今、再度括弧を取ったものを今、準備をしておりますので、済みま せん。 ○金澤座長 今のところで、本当に一部の訂正がありますけれども、一応できたものが ございます。これについて何か御意見はございますか。 ○靜間委員 3ページのところの「(1)放射線との関連が明らかな疾病及び原因確率につ いて」の2番目の○のところですが、これは青山委員からの提案では、「使うことには 合理性がある」でまず切るという話だったと思います。これを切らずにこう続けますと、 原因確率を適用することが、「適切に」は入っているんですけれども、そちらの方向の 意味に取れますけれども、「合理性がある」で切りますと、それを基本的な判断指標と して適当に使うべきというところが非常に重みを持ってくると思うんです。やはり文章 として、そこは「合理性がある」で切った方がいいと思いますが、いかがでしょうか。 ○金澤座長 そう思われますか。余り思わないけれども。趣旨がわかればよろしいんじ ゃないですか。別にそんなに他意はないんです。「適当」ではないですよ、「適切」で す。ここはものすごく大事なところです。今「適当」と言われたので、いかがですか、 だめですか。 ○靜間委員 私の意見ですが、ほかの意見を聞いてください。 ○金澤座長 ほかの方の御意見を伺おうと思っています。 ○鎌田委員 これで読めるのではないかと思います。 ○金澤座長 ということですので、よろしく。 ほかにいかがですか。 それでは、これで報告ということにさせていただきます。 ○北波健康対策推進官 それでは、手渡しに当たりまして、報道機関等のカメラの準備 をさせていただいてもよろしいでしょうか。 (報道関係者入室) ○金澤座長 これは皆さんの検討の結果でございます。どうぞお受け取りください。 (金澤座長より西山健康局長に報告書の手交) ○西山健康局長 どうもありがとうございました。 ○宮坂審議官 大変長時間にわたりまして御審議を賜りまして誠にありがとうございま した。ただいま座長の方から報告書を厚労省に手交されました。厚労省を代表いたしま して、西山健康局長の方から最終的なごあいさつを申し上げたいと、よろしくお願いし ます。 ○西山健康局長 委員の皆様方におかれましては、本年9月28日の第1回目から本日ま で7回にわたりまして、また、遠方よりお越しの先生方も多い中で、精力的に御議論い ただき、誠にありがとうございました。 今回の報告書におきましては、現在議論がありました原因確率、またはしきい値のみ にとらわれることなく、いわゆる急性症状などを含め、総合的に行いなさいというよう な御意見もいただきました。 また、入市被爆者についても、個人の被曝線量を詳細に検討しなさいというような議 論。更には心筋梗塞等のしきい値などの設定について早急に検討しなさい等々の御意見 をいただきました。本当にありがとうございました。私どもは、これらの意見を踏まえ まして、原爆症認定の審査の方針に反映させ、また、来年度の予算編成に向けて取りか からせていただきたいと思います。 先生方におかれましては、一端ここで御休憩ということで、また、私ども宿題が多数 ございますので、それをこなす中で、改めて御報告する機会があるとは存じます。いず れにしましても、心からお礼を申し上げまして、ごあいさつを申し上げます。 どうもありがとうございました。 ○金澤座長 どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして、一旦この 検討会は終了ということにさせていただきます。皆様方の誠に真摯な御議論、誠にあり がとうございました。皆様のお陰でここまで来たことを感謝申し上げます。どうもあり がとうございました。 本日は、これで終わりにいたします。   (了)