07/12/13 独立行政法人評価委員会 労働部会懇談会議事録 独立行政法人評価委員会 労働部会委員懇談会 平成19年12月13日(木) 厚生労働省省議室(9階) ○政策評価官室長補佐  定刻になりましたのでただいまから独立行政法人評価委員会労働部会委員による懇談 会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、朝早くにお集 まりいただき、誠にありがとうございます。本題に入る前に本日の議事進行につきまし て、事務局よりご説明させていただきます。  まず本日の労働部会委員の出席状況でございますが、本日は堺委員、小畑委員、本寺 委員、松田委員、谷川委員、川端委員の6名の委員からご欠席の連絡をいただいており ます。労働部会委員総数11名のうち5名のご出席でありますから、部会の定足数である 過半数には達しておりませんので、本日の労働部会は成立いたしませんということを、 まずご報告申し上げます。したがいまして本日は、独立行政法人評価委員会労働部会委 員による懇談会として開催させていただきたいと思います。  次に本懇談会での議事に係るご意見の取扱い、議事録及び議事進行について申し上げ ます。まず本懇談会におけるご意見につきましては、本日ご欠席の委員の皆様よりご意 見をいただくようご案内を申し上げましたが、今朝確認したところ、ご欠席の委員から まだご意見をいただいておりません。そのことと本日いただいたご意見と併せまして、 明日開催の総会へご意見を報告したいと思います。  続きまして議事録の取扱いでございますが、特段の非公開とすべき事情がございませ んので、部会と同様に公開とさせていただきたいと考えております。  さらにこれから先の議事進行についてでございますが、ご出席いただいております部 会長の井原先生に部会と同様お願いしたいと存じます。  また本年の8月24日付で事務局の人事異動がございましたので、紹介させていただき ます。杉浦政策評価審議官でございます。 ○杉浦政策評価審議官  杉浦でございます。よろしくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  以上でございます。委員の皆様方、よろしいでしょうか。それでは井原部会長に以後 の進行をお願いいたします。  ○井原部会長  それでは私の方で以後進行をさせていただきます。本日はどうも皆様におかれまして は、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。それでは初めにい つものように事務局から、本日の議事についての説明をお願いしたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  それでは本日ご審議いただく議題につきまして議事次第に沿って順にご説明をさせて いただきます。  まず議事1及び2といたしまして独立行政法人の組織・業務全般の見直し案を挙げて おります。具体的には勤労者退職金共済機構、高齢・障害者雇用支援機構の見直し案に ついてご審議いただきます。  本年8月の部会におきまして、労働者健康福祉機構、勤労者退職金共済機構及び高齢・ 障害者雇用支援機構につきまして、組織・業務の見直し当初案を兼ねた独立行政法人整 理合理化案をご審議いただいたところでございます。  改めてこの労働部会において見直しの対象となっております3法人につきましてご説 明をさせていただきますと、まず労働者健康福祉機構については、中期目標期間は来年 度までとなっております。経済財政改革の基本方針2007、これは平成19年6月19日に 閣議決定されたものでございますが、その基本方針2007で1年前倒しで見直すこととさ れた法人に当たりますので、見直し当初案についてご審議いただいたところです。  勤労者退職金共済機構と高齢・障害者雇用支援機構につきましては、今年度が中期目 標期間の最終年度となりますので、見直し当初案についてご審議いただきました。  本年8月にご審議いただいたこれらの見直し当初案を8月末に総務省等に提出し、9 月以降実施された政策評価・独立行政法人評価委員会のヒアリングや内閣総理大臣を本 部長といたします内閣の行政改革推進本部に設置されております行政減量・効率化有識 者会議等のヒアリングを重ねた上で、今般12月11日に政・独委より資料1−1のとお り、第1次の「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性につい て」が発出されたところでございます。  この勧告の方向性を踏まえ、厚生労働大臣は見直し当初案を改めて精査・検討し、組 織業務全般の見直し案として当行政改革推進本部に提出することとなります。この際見 直し当初案と同様、厚生労働大臣は見直し案について本独立行政法人評価委員会のご意 見を聞くこととなっております。  この勧告の方向性を踏まえた見直し案を今申し上げた2法人において、資料1−2及 び資料1−3のとおり取りまとめたところでございます。委員の皆様方からこれに対す るご意見をいただきたいと考えております。  なお見直し案につきまして、財務省等関係機関との協議が必要なため、今後変更があ り得るということも申し添えます。  当省所管の独立行政法人としましては、ほかに医療・福祉部会で評価をお願いしてお ります医薬品医療機器総合機構及び国立重度知的障害者総合施設のぞみの園についても 同様に見直しを進めております。  なお、国立病院部会で評価をお願いしております国立病院機構、労働部会で評価をお 願いしております労働者健康福祉機構については、12月11日の第1次の勧告の方向性 において、「今後、政・独委において引き続き検討の上、別途通知する」とされており ますが、本日までに勧告の方向性は政・独委から当省評価委員あてに発出されてござい ません。見直し案の作成がまだ行われていないということをご報告させていただきます。  なお、ここで独立行政法人整理合理化案に基づき政府において策定される予定の独立 行政法人整理合理化計画についてご連絡させていただきます。8月の総会でもご説明さ せていただいたとおり、基本方針2007において101の全独立行政法人について原点に立 ち返った見直しを行い、本年内を目途とした独立行政法人整理合理化計画を策定するこ とが決定されました。  独立行政法人合理化計画につきましては、参考資料1の「独立行政法人整理合理化計 画の策定に関する指摘事項」のとおり、11月27日付で行政減量・効率化会議において 取りまとめが行われ、今後閣議決定される予定でございます。委員の皆様方には本日整 理合理化計画をお示しすることはできませんが、決定されましたら事務局より郵送させ ていただきたいと考えております。  改めまして今年度の独立行政法人の見直しの経緯ということにつきましては、参考資 料2につけております「平成19年度独立行政法人見直しの経緯」にまとめさせていただ いているとおりでございます。  また見直し案につきましては本部会を含め各部会からいただいたご意見も踏まえて、 明日14日午後に開催されます総会にて決定いただくこととさせていただきます。  本日ご審議いただきたい議題は以上でございます。  ここで当初本部会に報告案件として議事に予定しておりました、平成18年度における 厚生労働省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見につい ていわゆる「政・独委2次意見」についてご説明をさせていただきます。「政・独委2 次意見」は平成19年8月までに委員の皆様方に取りまとめていただいた当省所管独立行 政法人に係る評価に対して政・独委において例年11月末までに2次的な評価がなされ、 その後政・独委の当該評価結果が「政・独委2次意見」として当省評価委員会あて通知 されるものでございます。  本年につきましては現在までのところ、政・独委より当省評価委員会あて2次意見が 通知されておりません。したがいまして本日その内容をご説明することはできませんの で、政・独委から通知され次第委員の皆様方には郵送等によりご報告させていただきた いと考えております。  本日の議事の進め方ですが、各法人ごとに分けて進めさせていただきますので、これ に伴って審議の途中、事務局の入れ替えを行いますので、何とぞご容赦いただきますよ うお願い申し上げます。以上でございます。 ○井原部会長  それでは審議に入りたいと思います。冒頭事務局よりご説明がありましたとおり、本 年8月の部会において労働者健康福祉機構、それから勤労者退職金共済機構及び高齢・ 障害者雇用支援機構の見直し案につきましてご審議をいただいたところでございますけ れども、労働者健康福祉機構の組織・業務見直し案につきましては、本日はご審議いた しません。  これから事務局より個別法人ごとに見直しの内容を説明していただくことにいたしま す。また法人ごとの説明は20分程度でお願いいたします。それでは議題1の勤労者退職 金共済機構の組織・業務全般の見直し案についてご審議をいただきます。説明の方をお 願いいたします。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  労働基準局の勤労者生活課長の吉本でございます。よろしくお願いいたします。  勤労者退職金共済機構につきましてご説明申し上げたいと思います。お手元の資料で ございますが、1枚目に概要をつけさせていただいております。夏にお諮り申し上げた 時の見直し案では、主にその中の効率的、効果的な運営の実施といった部分につきまし て、盛り込んでおりましたところでございましたが、今般総務省から出された勧告の方 向性、これにつきましては夏以降、総務省の評価委員会等からのヒアリング、ご指摘も ございまして、その結果としてここにありますような内容の勧告の方向性をいただいて おります。  具体的には一般の中退、それから特定業種の退職金共済、ともに確実な退職金支給と いう観点からの対策の強化ということでございます。具体的な中身については、その次 のページ以降、勧告の方向性と見直し案の対照表がございますが、見直し案の方をご覧 いただきながらご説明申し上げます。  具体的な中身に入らせていただく前に、皆様方よくご承知かと思いますが、この退職 金共済機構でやっております事業の簡単な概要を改めて申し上げます。事業として大き く分けまして一般の中小企業の退職金共済、それから特定業種、特定業種といいますの は建設業、清酒製造業、林業の3種でございますが、これらの退職金共済の事業を実施 しております。  一般の中小企業退職金共済の方につきましては、雇用形態を問わず、中小企業の従業 員を対象として、そして事業主の方から掛金をかけていただき、従業員が退職した時に 機構から退職金を支給するといったものでございます。  一方で特定業種の退職金共済につきましては、3つの業種において雇用される期間雇 用の労働者の方ということで、それらの業種が短期間で色々な事業主の下で働くことが あるという特殊性から、掛金の納入につきましても手帳に証紙を張るといった形態で収 めていただきまして、業界から退職した、働くのを辞めた時に退職金が支給されるとい った制度でございます。  それでは資料1−2−2になりますが見直し案の方をご説明申し上げたいと思いま す。まず第1の事務及び事業の見直しというところでございます。1つ目に書かれてお りますのは一般中退の未請求になっている退職金の縮減についてでございます。これも 改めまして申し上げますと、この退職金共済の契約は機構と企業でございまして、そう いう中で退職金の支給に当たっては契約者である事業主の方から退職届が出て、その後 被共済者であった労働者ご本人の方から退職金の請求をいただき、それに基づき機構か らお払いするといった手続になっております。  ここで言われているのは退職したということでありながら、ご本人の方から退職金の 請求がないといった事態にあるもののことでございます。この件数につきましては、退 職後5年以上経過した未請求退職金ということで捉えてみますと、毎年度8,000件以上 新たに発生するといった状況にございます。制度発足以来、昭和34年から平成18年度 までの累計で申し上げますと49万件、退職金額にしますと365億9,000万円に達してい るといった状況がございます。  まずこの対策といたしましては、こういった未請求という事態を発生させない、防止 するという観点から、これまでも様々な取組をやってきております。具体的には事業主、 退職した後3カ月たっても請求がない場合につきましては、事業主を通じて請求するよ うに連絡をするといったことをずっと実施してきておりますが、それにもかかわらず、 そういった件数が発生しているといった状況でございます。  これに対して例えばといたしまして、今後の対策といたしましては(1)にありますよう に、まずご本人の住所が把握できていないといった問題がございまして、それを例えば 加入時に被共済者ご本人の住所を把握するといったようなこと。また加入したというこ とを事業主だけではなく、本人にも通知するといったようなこと。あるいは次のページ の(2)にございますように、退職時に退職届にご本人の住所を記載させるといったような ことなど、こうした具体的な対策を早急に講ずることとしたいと考えております。  それから既に過去に未請求の状態になっている累積してしまっているこの退職金につ きましては、今年度から新たに5年になる、5年というのは法律上の時効でございます。 5年に達する方については、事業主から住所を聞き出して機構の方から直接ご本人に請 求するように連絡するといったようなことをしておりますが、まだまだ一部着手したと ころということでございまして、今後につきましては(1)、(2)にありますように周知広報 のあり方を見直す。そしてまた退職後5年を待たずに、より早期に住所を把握して連絡 するといったような方策について検討し、より取組を強化してまいりたいと。その内容 については次期中期目標等において具体的な縮減目標、縮減計画を定めて実施していき たいというふうに考えております。  それから併せてというところで5年以上経過しているものについても、同様に実施し てまいりたいというふうに考えております。  (2)でございますが、支払備金の見直し、これは会計上の処理のお話でございます が、退職金の支給が見込まれる部分につきましては、支払備金という形で計上している わけでございますが、法律上の時効が到来したものにつきましては、5年間経過したも のにつきましては、支払備金から債務の方から収益の方に計上を移すといったことをし ておりますが、現実問題として実際に請求があれば支給しているわけですが、今後につ きましてはただいま申し上げましたように、過去のものも改めてさかのぼって請求を促 していくという方策をとることになりますことから、それに対応する確実な準備をする ということで、退職金の支給に要する額を検討いたしまして、これを改めて支払備金の 方に計上し直すといったことにしたいと考えております。  それから2つ目が建設業の退職金共済についてでございます。建設業の方につきまし ては制度がまた一般の中退とは、先ほど申しましたように違うわけでございます。これ につきましては手帳に証紙を貼付するといったことで、基本的には12月働いて1年分で 手帳が1冊終了になるといったことでございます。この手帳が長期にわたって更新され ていないというものがございます。それは色々な事情が考えられるわけでございますが、 建設業の就労実態からいいますと、季節的に1年間のうちに何カ月かだけ働くといった 方々もおられますので、そうした場合には1冊が終了するのに何年かかかるといったこ ともあるわけでございます。中には更新が適切に行われていなかったり、あるいは既に 辞めている人が、退職金の請求に至っていないといったような事態もあるというふうに 考えられます。そのことについての指摘でございます。  3年以上未更新になっているものというのでみますと、41万件あるわけでございま す。これまでも機構におきましては、毎年3年間未更新のものについては、事業主を通 じて、前回更新があったところの事業主に対してその人がどうなっているかといった現 況を調査いたしまして、その中で既に辞めていて受給資格があるといったことが確認で きた場合には、その請求をするようにといったような要請を行っております。  これにつきましては毎年3万件程度ございまして、それに対して調査を行っていると いう現状でございます。ただ実際には住所がわからずに文書の送付ができないといった ものが5割を占めているといった状況でございます。  これも平成16年度から加入時に被共済者の住所を把握するようになったところでご ざいますが、それ以前の方につきましては住所が把握できていないということからそう いう問題が起きているわけでございます。このため例えばということで、まだ未請求に なっているものを確定して本人に通知していく。この取組を強化し、これにつきまして も中期目標等において、具体的な目標計画を定めて実施していくことに致したいと思っ ております。  (2)でございますが、証紙の確実な貼付の取組といったことについても、勧告の方 向性に盛り込まれています。これは事業主があらかじめ証紙を購入して、労働者の就労 に応じて貼付をするといったことでございますが、それが適正になされていないのでは ないかといった指摘でございます。これに関しましては過去に平成14年に行政評価・監 視結果というのが総務大臣の方から出されておりまして、その中でも未貼付の問題につ いて改善を図るように勧告をされているところでございます。それに対応いたしまして 手帳の更新を2年間行っていない事業主に対しては、手帳更新を行うなどの要請を行っ てきているところでございます。  その結果といたしまして次のページにございますように、未貼付のものというのを実 際に証紙が買われている、掛金の収納額と実際に張られたもの、貼付を確認できた額、 これらをそれぞれ累計で比較してみますと、その差が年々減少しているといった実態が ございます。  あらかじめ買って張るものですから、イコールになるということはなかなか無いわけ でございますが、ただその差の中には未貼付といったものも含まれているというふうに 考えられますので、これにつきまして確実な貼付を推進するための取組の数値目標を設 定するということにしたいと考えております。  3でございますが、退職金の支給要件の見直しということでございます。その1つの 背景といたしまして、利益剰余金が建退共事業につきまして928億円あるといったこと です。その発生要因は色々あるわけでございますが、その1つの要因として一般の中退 の場合は12月で受給資格が得られるのに対して、この建退共の場合には受給資格を得る ために24月働けなければいけないということで、それに満たない部分が掛け捨てになっ ているということが影響しているのではないかという指摘をされております。これを踏 まえまして退職金の支給要件、24月であるというこの要件の緩和について検討するとい うことを考えております。  併せまして利益剰余金につきましては、事業主の納付したものプラス国からの助成の 分とそれを運用した利益ということであります。これらのあり方について建設労働者の 福祉の増進を図るためには安定的な事業運営をするという観点で、ある程度の剰余金の 確保といったものも必要かと考えられますが、今後のあり方について厚生労働省、それ から機構において外部の有識者の意見も聴取しながら検討するということを考えており ます。  4でございますが、清酒製造業退職金共済、それから林業の退職金共済、これらそれ ぞれにつきまして、先ほど建設業退職金共済で申し上げましたのと同様な手帳の未更新 の問題がございます。これにつきましても同様に計画的に取り組むということを考えて おります。  5の欠損金の発生防止というところでございます。これまで予定運用利回りと実際の 利回りの差から欠損金が累積してきたという状況が、一般の中退それから林業につきま して見られておりました。その状況から平成17年度に累積欠損金解消計画といったもの を作ってきております。その後の運用環境の改善等もございまして、この計画よりもか なり早いペースで欠損金の解消が進んでおります。これも適切に見直しをした上で更に 着実な解消を図っていきたいというふうに考えております。  それから組織面の見直しというところでございます。1つ目にはただいま申し上げま したような退職金の未請求の問題などがあるといったことも踏まえまして、内部統制の 強化も含む業務運営体制の見直しを行っていきたいというふうに考えております。  具体的に2にございますように業務実施体制の効率化ということで幾つか考えており ます。1つ目は各共済事業に共通するような業務、加入受付業務であるとか、退職金給 付業務、こうしたものの手順を共通化する。あるいは帳票類を統一化するといったこと。 それから(2)にありますのは適格年金の移行を受けるといった関係業務がありますが、こ れは平成23年度末で終わりますので担当課を廃止するなどの実施体制を見直すという こと。  それから特別事業といいますのは、建設業と清酒の方でやっております、中小企業の 事業主だけでなく大企業にも入っていただいている部分でございますが、その事業規模 については小さくなっているにもかかわらず単独でやっていったところがございますの で、これも含めて施行体制を統一していくということを考えております。  (4)でございますが、電話の応対業務の一元化などによりまして全体の効率化、人員経 費の削減を図ってまいりたいというふうに考えております。  3にございますのが、今回勧告の方向性の中には入っていない部分でございますが、 夏の私どもからお出ししておりました見直し案の中に盛り込ませていただいたのと同様 のものを改めて書かせていただいている部分でございます。  事務処理の迅速化、相談業務の質の向上、加入者サービス業務の重点化、加入目標数 の見直し、加入促進業務の重点化といったことを盛り込んでおります。  第3の保有資産の見直しというところでございます。勤退機構が保有する退職金機構 ビル、本館、別館とございますが、これらにつきまして、これは法律に定められたとこ ろによりまして、運用資産の1つの不動産というような位置づけがなされているといっ た特殊性があるわけでございますが、勧告の方向性のご指摘に沿いまして現在の芝公園 の場所に所在することが必要なのかどうか。移転の可能性について保有と賃貸のコスト 比較による経済合理性も考慮の上、早急に検討を行うということにしております。  また松戸宿舎、越谷宿舎につきましては建物調査の結果も踏まえながら、売却の方向 で次期の中期目標期間中のできるだけ早期に売却の方向で検討する。川越宿舎の土地に ついては19年度中に売却処分するということを考えております。  それから第4につきましては、他の独立行政法人つきましても同様の考え方で行うこ ととされている部分でございまして、効率化目標の設定、2の給与水準の適正化、それ から次のページにありますような随意契約の見直し、それぞれにつきまして適切に実施 してまいりたいというふうに考えております。とりあえず私の説明は以上にさせていた だきます。 ○井原部会長  それではただいまの勤労者退職金共済機構の見直し案の説明についてのご質問、ご意 見があればお願いしたいと思います。 ○篠原部会長代理  まず第1に中小企業退職金共済事業で5年で新たに8000件余発生しているというこ となんですが、この発生した理由というのは、なかなか分析できないと思うのですが、 その辺は多少はやっているんでしょうか。 ○勤労者退職金共済機構中退本部業務運営部長  未請求の発生原因ということでございますが、事業主の方から従業員の方に手帳が渡 されなかったというようなこと。それから本人が全く忘れていたというケースも若干ご ざいますが、そもそも時効のあることも知らなかったなど、いろいろ理由はあるのです が、これという特段の理由、これが大きな原因だというものは見当たらないところでご ざいます。 ○篠原部会長代理  中小企業というのは転々とするという前提で、退職時に払わないと思うんですが、例 えばよく最近言われる、年金などで言われている、2つの番号を持っている人なんかも おられるんですか。例えばA社でもらっていてB社で新たにまた加入するとこれがリン クしないなんていうことは発生するんでしょうか。 ○勤労者退職金共済機構中退本部業務運営部長  中退共の方は常用従業員を対象にした退職金制度でございますけれども、今先生がお っしゃるようにA社を辞めてB社に移ってというケースもございます。ただその場合も 通算という手続きができるわけです。それはA社の退職金を請求しないで、それでB社 に移ってそのB社も中退の方に加入していたといった時には、A社の掛けた年数分をそ のまま引き継いで継続した形で加入していくということになる。あくまでも退職金の請 求をしないまま他の会社に移ったケースです。ただその通算する期間も2年以内という 条件はございますけれども。 ○今村委員  今回未請求金等に関する指摘に関しては、まさに以前議論がありましたが、この独法 評価委員会の評価技術の向上といいますか、政策自身が的確に有効に実施されているか ということに関する我々自身の技術の向上に関する重要な視点ではないかと思ってお伺 いしていました。  ちょっと若干大き目の話になりますけれども、我々の評価技術というのは、独法評価 というのは、世の中の社会経済の流れとか政治状況の流れがあったり、それからそのも とに各省政策審議会とか政・独委等の議論があって、その下に独法評価が位置づけられ ているという、非常にフリーハンドが少ない委員会なのでありますが、その中で一貫性 かつ柔軟性を維持する。そして的確な評価をするというのは至難の業だと思います。た だやらなければいけないというふうには思っています。  実はこういった未請求金の処理に関しては、勤労者生活課、あるいは機構側から情報 として十分提供されないというか、検討課題に乗らないまま我々が評価をしていたとい う点は反省しなければならないというふうに思っています。  要するに要点を申し上げますと、今後、是非このように問題が出てきたということの 背景に、やはりステークホルダーといいますか、この機構のステークホルダーは誰かと いうことを考えた時に、一番大事な国民ということを忘れているのではないかというの を強く感じました。つまりこういう未請求金が発生しているというのは、どこかで不利 益を被っている人が可能性としてあるわけです。そこのところはやはり積極的により努 力をしてやっていかなければならないということだと思います。それは間違いないと思 うのです。  そこで例えば前回、以前から指摘しておりますけれども、今後中期目標、中期計画を 設定する上で各当該業種の労働市場状況とか、特に移動状況、そういうものを詳細に調 査して、ある程度正確に把握した上で数値目標等を設定する努力が必要だということを 以前から申し上げているのですが、そういった独法業務のステークホルダーである国民 の状況、対象者の状況についてより正確に把握し、そこのニーズをより積極的に捕まえ て今後の中期目標、中期計画を設定していくという努力が、是非必要ではないかという ことが非常に重要な教訓ではないか。  この方向、例えば3の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上という 方向がはっきりと出されて、この形で実施されてこのとおり計画されていくということ に期待したいと思います。  今後とも我々の色々な評価技術の向上のために、例えば私どもの場合であれば勤労者 生活課、この機構の場合であれば勤労者生活課、あるいは機構からの十分な協力と情報 の提供が必要であるということを強くお願い申し上げます。 ○宮本委員  かなり重なることでありますけれども、未請求がどの程度のものなのかということを ちょっと具体的に理解するために、例えば平成18年度で8529件、対象金額23億1,700 万円が未請求で発生しているということなので計算すると1件30万円位ですか。1件当 たり30万円位が未請求であるというようなことかなともいうように思うのですけれど も、1件30万円というのは、大体どの位働いた人達の退職金額に当たるのか。 ○勤労者退職金共済機構中退本部業務運営部長  中退共の場合、掛金が最低5,000円から3万円という種類がございますので、一概に 何年働いたから何十万円という部分はちょっと言えないところでございます。掛金が高 く、例えば一番高い3万円で短期間でもある程度の額にいきますし、5,000円で短けれ ば少ないということがございますので、年数が何年だから幾らというところは、一概に ちょっと言えない部分がございます。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  若干補足させていただきますと、掛金について今ご説明申し上げたとおり、5,000円 から3万円なんですが、大体平均額でいきますと1万円弱が平均的な掛金でございます。 月ですので1年間で12万円、2年間で24万円。それに運用利回り等が入った額になり ますので、平均の掛金でいきますと2年から2年半程度に該当するということでござい ます。  ただし今の退職金につきましては、未請求の方の中でも過去の統計で見ますと大体7 割が 10万円未満の退職金の方でございます。ですから未請求になっている方の相当分 は退職金額はかなり低い方が多いということでございます。ただ低いから請求に対する 努力をしなくてもいいということではございませんので、先ほど勤生課長から申し上げ ましたとおり、ご本人の所在をできる限り把握をして、そこにまだ未請求ですよという ことを通知して確実な支給につなげていくということが、大変大事だと考えています。 ○宮本委員  もう1つ重ねて伺いたいんですけれども、1件当たりはそれだけの、金額としては大 したことはないということなのですけれども、離転職が多いということになると、通算 していくと結構多くなる可能性もあるわけです。数年間働いて退職金がこれくらいとい う形で、個々ばらばらの数字ですけれども、働いた人の側から見ると、もしかするとそ ういうものを何件か足すことのできる人たちが、未請求のままでいるということも考え られますね。そのあたりの実態というのがわかっていないということになりますでしょ うか。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  先ほどお答え申し上げましたとおり、一般の中退共制度の場合は、その企業を退職し た時に退職金を支払いするというのが原則でございます。ただし委員からもお話があり ましたとおり、転職するといったケースも多ございますのでいわゆるポータビリティー、 特に退職金の場合には長期間雇用した方が退職金の支給率も高くなるという、退職金カ ーブも設定してございますので、できるだけ多くの企業に加入して通算するということ をやっているんですけれども、今ご指摘がありましたとおり原則としては通算の申請が ない限り、その時点、その時点でお支払いをするということになっていますので、中退 共の場合にはそれぞれ制度の状況からすると、お支払いするというような仕組みになっ てございます。 ○宮本委員  問題は多分こういう形で短期雇用で離転職が多い中で、未請求額がこれだけ発生する と。そうすると転職しながらほとんどの場合に請求しない人たちが、かなりいる可能性 があるということですよね。そうするとこういう制度としての機能を果たしていないと いうことにもなるわけですけれども、こういう離転職の激しい世界で働いた者に対する 報酬としての退職金というのをきちんと渡すためには、かなり工夫をしない限り、なか なか防止は難しいのではないかという感じがしますね。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  私が初めに申し上げるべきだったかもしれませんが、この未請求になっている退職金 というのは積み上がった額で言うと今申し上げたような額でございますが、支払った全 体の、機構で支払っている全体の中の割合ということで見れば、額ですると1%未満、 0.6%といった実態でございます。そんなに少ないからいいということではもちろんない のですが、私どもとしては基本的にはもちろん万全を期してやっているわけですけれど も、中にはそういう形で色々お知らせしようとしても、本人に到達できなくて、今まで は住所を把握していないという仕組みでございましたので未請求のものも残ってしまっ ているといった実態であるということでございます。  ご本人に加入していたということを、どういうふうによりわかってもらうようにする かですとか、あと業界全体でこういった制度があるというような周知をきちんとしてい ただくというようなことですとか、あらゆる方策をこれから考えてやっていかなければ ならないというふうに思っています。 ○寺山委員  8ページの対国家公務員の給与の指数です。106.8というふうに高いというふうに指 摘されていて、それでこの機構はこれを維持する合理的な理由がない場合には必要な措 置を講じるようにという勧告なのですが、具体的にこれはどうなっているんでしょうか。 必要な措置を講ずる手立てとか、例えばこういうふうに書いてありますけれども、教え ていただきたいと思います。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  ただいまご指摘の点でございますが、公務員に対する給与水準という意味では、106.8 という数字になってございます。ただ機構につきましては、東京23区に所在している本 部組織のみでございますので、東京23区の国家公務員の供与水準と比較しますと約95% 位の水準でございます。そういう意味では所在地で比較しますと、かなり下回っている といったような状況にございます。このような状況等も勘案して今後どういった方針で 臨むかということを検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○寺山委員  合理的な理由があるというふうに理解してよろしいのですね。わかりました。 ○篠原部会長代理  昨日の新聞だったと思うのですが、やはり独法の給与の一覧表が出て高いとか。単純 で出ちゃうと高くなったりなんかすると思うんですけれども、年齢だとか先ほどの地域 だとか補正した数字を何で出るようにしないのか。それをこちらが出さないからマスコ ミは単純に出して、僕らが見ればこれは高いなと。民間でもいろんな補正をした形で出 ていくと思うんですが、そういう数値というのはないんですか。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  これについては私どもに限らず、各独法から国の方に報告申し上げているところでご ざいます。今ご指摘のとおり、仕事の中身あるいは年齢、あるいは地域性等ございます けれども、それらの数字についてはすべて少なくとも当機構においてはホームページで 公表してございます。恐らくほかの法人も公表していようかと思っています。  今申し上げました東京23区で比較した95%の数字についても、その中で掲載してご ざいますので、ご覧いただければ状況はそれぞれご判断できるかと思います。 ○井原部会長  ちょっと伺いたいんですけれども、住所を把握する前の時代は、名前だけは把握でき ていたんですね。じゃないと請求ができませんね。そうすると名前だけは把握できると いうことは、住所を把握することはそんなに難しい話ではないというので、今始めたと いうふうに理解していいですね。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  はい。これまでわかっているのは氏名だけです。途中から生年月日なども把握するよ うになったわけですが、一般中退ではまだ加入時の住所の把握というところまではやっ ていないということです。 ○井原部会長  そうするとそこを把握できるのだったら住所を同時に把握するということは、そんな に困難なことではない、簡単にできる話である。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  加入時に住所を把握するということについてですね。 ○井原部会長 はい。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  それについては今後の1つの方策として検討しなければいけないというふうに思って いますが、例えばですけれど加入時に把握するのがいいのか、退職時に。退職の間に10 年、20年、30年働かれる方もいるものですから、退職時に把握するのがいいのか。でき るだけ事務を効率化しつつ確実にやるためには幾つかやり方があろうかと思いますの で、その辺りも含めて今後検討させていただきたいとは思っております。 ○井原部会長  そうすると退職時に把握した方が新しいデータであるということはよくわかるのです が、退職時に把握すると、抜ける可能性というのが出てきますか。 ○勤務者生活部勤労者生活課長  退職時も退職届を出す時には事業主から出すわけで、その時点まではその会社に勤務 していたということでございますので。 ○井原部会長  それはこちらに通知が来るんですか。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  そうです。退職した時に事業主から退職届を出してもらうということになっています ので、その時点で把握するということは、やり方としては同様にできるのではないかと は思います。 ○井原部会長  そうするといずれにしても加入時も退職時も名前は把握しているわけですね。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  そうです。 ○井原部会長  ついでにそこに両方に住所を書いてもらうということはそんなに難しい話ではないわ けですね。 ○勤労者生活部勤労者生活課長  そのように思います。 ○井原部会長  それでこれからは恐らく離転職が大変激しくなる時代になった時に、ポータビリティ ーというのが非常に重要な要素になってくると思うのです。そうすると住所と名前をこ ちらで把握しているということのデータベースを作っていけば、要するに従業員、労働 者の転職の状況というのが常に把握できていて、それをやらないとポータビリティーと いうのはなかなか難しいのではないかというような気がするのですが、そうなのですか。 今はどうやってポータビリティーが可能になっているのですか。 ○勤労者退職金共済機構総務部長  転職先の企業が中小企業退職金制度、中退共に加入している場合には、ご本人の申請 によって、企業を通じて機構に通算の手続きがなされるという仕組みになってございま す。それについては一応期間としては2年間の間でそういった手続きをしていただくと いうことでございます。  今委員長からもご指摘がありましたとおり、今は名前、年齢等しかございませんけれ ども、それで全て個人のデータが管理されてございますので、通算の申請がございまし たら直ちにデータの整理を行って、新しいものに置き換えていくと、そういった仕組み で運営してございます。 ○今村委員  その件に関してですけれども、住所の把握は加入時にするか、退職時にするか、1点 だけの議論をしておられるのですが、毎年とか継続的にできないのかというそこの疑問 があります。本人に直接住所、例えば、はがきなどを送って随時周知するのか。あるい は加入者に毎年、毎年、名簿と住所などを提出されるとか、そういうふうにしないと、 先ほど委員長がおっしゃったように、離転職が激しくなると同時に、当然それに伴って 住所も変わるわけであります。  その辺、むしろこの制度自体が、ご存知のとおり、私どもが申し上げることもなく、 事業主に主導権といいますか、実施が任されていて、結局事業主が退職金を支払うその 資金の運用調達にとって貢献するという形になっていますので、どうしても加入者本人 と直接の関係が維持しにくいという制度設計の問題もありますので、是非その辺も含め て、委員長がおっしゃった、ポータビリティーをより的確に把握して、そういうことを 根本から直さない限り、未請求者というのは大きくは減らないのではないかという印象 があります。ご検討いただければと思います。 ○井原部会長  それで今までの仕組みというのは、恐らく個人の加入者が請求をするかどうかという のは加入者の責任であるということが大前提になっていたように、今までは聞こえてい るわけです。だけど現実はそういう個人というのは制度を完全に知るとか、それから時 期が来た時に、ちゃんと請求をするとかということが期待できないんだと。完全には期 待できないんだということを前提に制度設計をしておきませんと、やはり今後もこうい うことが起きてくるのではないか。  だからその場合には機構のところに情報が集中して集まっていって、どうも請求して なかった場合には、うまくその住所に行くような仕組みに変えていかざるを得ない。恐 らくそういうふうに今変わられつつあるのだろうとは思うんですけれど。  だからやはり人間というのは制度を完全に理解して、その時が来たら忘れないでちゃ んとやるというのは。私なんてしょっちゅう忘れていますから、これは無理なことなん だということを前提に、これから機構の運営をされていくことを私は期待したいと思い ます。  後はよろしゅうございますか。それでは当部会において色々ご意見をいただいたので すが、事務局との間で今相談をさせていただいて、今日頂いたご意見は総会の方に出さ せていただきますけれども、今日いただいた見直し案、それ自身については一応お認め いただくということでよろしゅうございますでしょうか。  それでは今日いただいたことを事務局と相談いたしまして整理させていただくという 形で、これは総会に出させていただきたいと思います。本日の議論については議事録等 に後で公表されますけれども、これで整理したものを私が確認した上で、勤労者退職金 共済機構に対する労働部会の意見として、明日開催の総会においてご報告させていただ きたいと思います。そのような取扱いでよろしゅうございますでしょうか。  ではありがとうございました。そのようにさせていただきます。  それでは最後に法人の理事長からコメント頂きたいと思います。 ○勤労者退職金共済機構理事長  理事長の樋爪でございます。本日は終始ご熱心にご審議をいただきまして、誠にあり がとうございました。ご議論はほとんどが未請求問題に集中していたように思いますが、 ご指摘いただきましたように制度の本質に関わる問題、色々ご指摘をいただきました。 今後、我々機構の努力として対応すべきところと制度としてどうあるべきかという問題 と、両方併せて真摯に取り組んでまいりたいというふうに思います。  これ以外の見直し案全体につきましても、大変長い時間をかけて多くの関係者の方々 にご議論をいただいた結果の見直しでございますので、我々としてもこれに真剣に取り 組んでいかないといけないと、このように考えておりますので、今後ともどうぞご指導 をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○井原部会長  それでは、次の議題に入る前に事務局の入れ替えを行いますので、しばらくお待ちい ただきます。 (事務局入れかえ)  それでは、引き続き議題2の高齢・障害者雇用支援機構の組織・業務全体の全般の見 直し案につきましてご審議いただきたいと思います。それではまず法人の見直し案につ きまして担当課より説明をお願いいたします。説明時間は20分程度でよろしくお願いい たします。 ○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長  職業安定局高齢・障害者雇用対策部の企画課長の長門です。よろしくお願いいたしま す。独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の主要な事務・事業の見直しにつきまして は、一昨日12月11日にお手元の資料1―1にありますように、政・独委の方におきま して、勧告の方向性が取りまとめられたところでございます。これを踏まえて今回私ど もで策定いたしました見直し案についてご説明をさせていただきます。  お手元の資料の1−3−1から1−3−3まで3つの資料をお配りしていますが、資 料1−3−3、一番最後の資料が今回お諮りいたします見直し案の全文でございます。 ご説明は資料1−3−1と1−3−2に従いまして進めさせていただきたいと思いま す。  資料1−3−1の一番最後のページでございますが、本日お諮りします見直し案の概 要ということで簡単な図にお示ししております。  高障機構に関します見直し案につきましては、今年の夏に当部会、総会にお諮りして 総務省の方に見直し案を8月末に提出いたしましたが、基本的にその内容を踏まえて今 回政・独委の方から勧告の方向性が取りまとめられ、提示されたところでございます。  したがいまして私どもが今回ご提示いたしました見直し案につきましても、夏にご議 論いただいた案を基本的に踏襲した形の案となってございます。お手元の資料1−3− 1のこの図をご覧いただきますと、高年齢者雇用に関する給付金の支給業務及び事業主 援助等の高齢者雇用の支援に関します業務の見直し、障害者職業センターの業務の運営 効率化に関する事項、更には組織関係の効率化ということで駐在事務所の廃止。そうい うご指摘を以前からいただいておりますが、そういったものを盛り込んでおります。  1点、夏の段階から少し内容が修正されました点は、この図の右側、下側の四角でご ざいますが、委託業務に係る随意契約の見直し、この点について夏の案から少し内容が 変わっております。夏の段階では高障機構が行っております業務のかなりの部分を各都 道府県の雇用開発協会等の高齢者、障害者の雇用支援に長年取り組んできた公益法人に 協力いただいて事業を行っている関係から、その部分については随意契約を行うことを 前提に事業の見直し案を作っておりましたが、昨今の契約内容につきまして、より透明 性、公平性を打ち出していくという流れの中で、今回の総務省の勧告の方向性におきま しては、委託業務に係る随意契約全般についてその見直しを進めるようにというご指摘 をいただきました。  それを踏まえまして今回の見直し案では、都道府県の各協会等に委託している業務の 契約につきましても、今後は競争性のある契約形態に移行するということを盛り込んで おります。この点が夏にお諮りした段階から大きく変わった点でございます。  以下、資料1−3−2の方に移っていただければと思います。この資料に基づきまし て内容をもう少しご説明させていただきたいと思います。資料1−3−2は左側に勧告 の方向性、右側の欄に見直し案を対比する形で書かせていただいております。冒頭でも ご説明しましたように、総務省の政・独委からいただきました勧告の方向性は、夏に取 りまとめました私どもの見直し案を基本的に踏まえた内容となっておりますので、ここ でご提示しております見直し案も、基本的には勧告の方向性とほぼ同内容の案となって ございます。  1ページから3ページにかけまして、数字で申しますと第1の事務、事業の見直しの 中の算用数字の1から3ページの5までが高年齢者の雇用支援に関する業務の見直しに 関する指摘事項でございます。指摘事項といたしましては右の欄、見直し案の中ほどを ご覧いただければと思います。高年齢者雇用に関する給付金の性格が、これまでの65 歳までの雇用確保措置導入から、今後70歳まで働ける企業の実現へと性格が変わってい きますこと等を踏まえまして、その事業規模が今後段階的に縮小してまいります。そう したものを踏まえた事務・事業の見直しということのご指摘。  さらには2番で、事業主に対しまして高年齢者雇用に関します相談援助業務を行って おりますが、今後はこれまで対象としてきました大企業から中小企業等へ対象を移して いくということを夏の段階で見直し案に盛り込んでおりました。そういったことを踏ま えまして今後は、次の2ページの方に参りますが、相談・援助業務の手法につきまして、 小規模の企業の特性を踏まえた効果的、効率的な対応ができるようにということで、集 団的な相談援助の手法の検討等、より効果的、効率的な運営を行うということが求めら れております。  さらに2ページ中ほど3でございますが、高年齢者雇用に関します再就職支援コンサ ルタントの廃止。4番のところでございますが、高齢期におけます個々人の方々のセカ ンドキャリア、職業生活設計に関します助言指導業務を行っております、高齢期雇用就 業支援コーナー、この事業に関します民間競争入札、いわゆる市場化テストの導入、そ ういった事項を夏の独法評価委でお諮りしましたが、それがそのまま今回の見直し案で も盛り込ませていただいております。  なお、2ページの4番の高齢期雇用就業支援コーナーの事業に関します民間競争入札 の導入につきましては、今回の案では、その後の検討等を踏まえまして、4番の中ほど のところでございますが、業務の見直し、そもそもこの業務全体をより効果的に行うと いう観点から見直しを行った上で、コーナーを設置する箇所数を10数カ所にある程度絞 り込むことを想定し、そのうちの3カ所程度に市場化テストを導入するという、具体的 な目途、数値を書き込ませていただいております。  それから3ページの方に進みまして5番でございますが、この5番につきましては夏 の段階では必ずしもここに書かれているような中身ではございませんでした。  65歳までの雇用確保措置の義務化が平成25年度には年金の支給開始年齢の段階的な 引上げと対応する形で完全実施されることになります。そういうことを含めまして、少 し先の話になりますが、次期中期計画のその次の中期計画も念頭に置きまして、今後の 高年齢者雇用支援の事業の進め方について、5番の下から3行目のあたりに書いてござ いますが、現在の実施体制、実施方法の見直しも含めまして、より効果的な事業実施に 向けての検討を行うという宿題を今回いただいております。この5番は将来の中長期的 な検討を併せて行うべきだということが、夏の段階からは少し加筆させていただいた点 でございます。  6番以降が障害者に対する職業リハビリテーション業務に関します提言でございま す。3ページの6番(1)、(2)とまず総論的な話で2つのご指摘をいただいております。(1) につきましては、下から3行目の辺りでございますが、機構が担う役割と機能の明確化、 役割と機能の明確化を図るということ、それから福祉、教育、医療等の関係機関との連 携を図るということと、これは夏のこの部会でのご議論でそういう観点での見直しとい うことの重要性をご指摘いただいたところですが、今回盛り込んでおります。  さらには、(2)でサービスを利用される障害者の視点といいましょうか、支援ニーズを 必要とされている方々を的確に把握して、必要なサービスを効果的に供給できるように、 サービスの供給目標、あるいはその成果に関する目標、そういったものを定めるという、 その2点がまず総論的なこととして盛り込ませていただいております。  その上で4ページからでございますが、具体的な障害者職業センターの設置、運営、 さらには能力開発校の運営につきましての見直し事項を書かせていただいております。 これにつきましても基本的に夏にお示しした案をベースにして今回案を作らせていただ いておりますが、(1)から次のページの(3)まで障害者職業センターが幕張のナシ ョナルセンター、その下に所沢と吉備の広域センター、その下に各都道府県ごとに1カ 所の地域障害者職業センターという役割分担をしながら、今は機能しているわけですが、 その内容についてより役割機能の分担のあり方を明確化するような形で今回の見直し案 を書かせていただいております。  (1)が幕張の総合センターについての規定でございますが、(1)に関します記述 の中ほどでございますが、新たな職業リハビリテーション技術や支援ツールの開発を行 うということで、技術、ノウハウの開発、ナショナルセンターとして、今後そういうも のに重点を置いていく取組をすると。その上でそれを関係機関と共有化するという情報 発信の拠点として幕張センターの業務の効率化、見直しを進めていきたいと考えており ます。  広域センターにつきましては(2)でございます。記述の2行目あたりから書かせて いただいていますが、全国の広域な地域から職業的重度障害者、そういう方を対象にこ の広域センターが機能を医療なり能力開発校と提携して発揮するということで設置され ているわけでございますが、そういった機能役割をこれまで以上に効果的に発揮できる ように、更に運営の改善を図るべきということが指摘されています。  最後下3行、なお書きでございますが、これは夏にお示ししたとおりでございます。 従来広域のセンターの1つとして位置づけられておりました福岡県のせき髄損傷者職業 センターについては、利用状況、更には地域における職業リハビリテーションの支援体 制の整備状況を踏まえまして、今回廃止するということを盛り込んでおります。  次の5ページの方にお進みいただければと思います。各都道府県ごとにあります地域 障害者職業センター、これにつきましては、ここにも記載しておりますが、地域におけ ます、ちょうど5行目あたりでございますが、職業リハビリテーションに係る人材の育 成や関係機関に対する助言援助、そういった機能を今後は中心に、事業活動をするとい う方向性を夏に打ち出しておりましたが、そのことを改めて書かせていただいておりま す。その上で発達障害者等他の地域の支援機関では対応がなかなか難しい、支援が困難 な障害者の方にサービスの提供の重点化を進めていく、これは夏の方向性を踏まえたも のでございます。  それからここでちょっと下線を付しておりますが、全体的には政・独委の勧告の方向 性の文書を踏襲する形で今回の見直し案をまとめさせていただいておりますが、この5 ページの下線ところでは、政・独委の勧告の方向性に加える形で「また、」以下の4行 を盛り込まさせていただいております。  この点については、夏に見直し案をご議論いただきました時も、部会の場でご意見が あったと思います。福祉、教育、医療の専門機関との連携ということで、夏の最初の原 案をお諮りした段階では、特にメンタルヘルス分野の医療機関との連携ということを中 心に、案をお示ししておりましたが、それに加えまして、ニート等々の自立支援機関等 との連携によりまして発達障害を持つ若者に対する支援を実施するというような、そう いう関係分野、関係機関との連携強化による、より的確な支援ということを地域の障害 者職業センターの役割として、改めて明記させていただいております。この点が新しく 追記させていただいた点でございます。  それから一番下のところでございますが、これまで都道府県ごとの障害者職業センタ ーについては、一部試行的に複数のセンターで事務処理を効率化するような試みも始め てはおりますが、基本的には各都道府県のセンターごとで事務処理を行っておりました。 それを4分の1程度に集約化して効率化を図る。この点も夏にお示ししたものを今回も 盛り込ませていただいております。  それから6ページ以降、その他の業務ということで納付金の徴収、調整金の支給業務 等、障害者雇用に関する納付金等の業務、更にはちょうど先月大きな節目の大会が静岡 で成功に終わりましたが、障害者技能競技大会、その効率的な実施、そういったことに ついてもご指摘をいただいております。  6ページ中ほど、9番のところでございます。これが冒頭でもご説明いたしました委 託業務に係る随意契約の見直しということです。従前は各都道府県の雇用開発協会等に つきましては、本来非常に公正的確な業務の執行が求められるということで、委託を行 う場合にも厚生労働大臣の認可にかからしめるというような制度上の仕組みもあること 等を踏まえまして、なかなか競争入札等にはなじまないのではないかということで見直 し案を考えさせていただいておりましたが、今回の案では、それも含めまして競争性の ある契約形態に移行するということを盛り込ませていただいております。  それから6ページの下のところから以降、第2として地方支所の廃止、これは既に打 ち出しておりました駐在事務所5カ所の廃止を記載しており、必要な業務は本部職員が 対応するということで進めていきたいと考えております。  それから7ページの冒頭でございますが、本部機能の集約化、これについては必ずし も従来は言及しておらなかったところでございますが、現在東京の港区竹芝の本部と幕 張の総合センター内とに本部機能が2カ所にございますが、その集約化を図ってより機 動的な業務運営が進められないかということです。これは、今後そのあり方を次期計画 期間中に検討するということでございますが、少し中長期の課題として盛り込んでおり ます。  それから保有資産につきましては、先ほどご説明しました福岡のせき髄損傷者職業セ ンターを廃止することに伴う資産の適切な処分が求められております。  それから最後に第4としまして、業務全般の見直しについてでございます。1つは効 率化目標ということで一般管理費、事業費につきまして、これは第1期の中期目標等で も具体的な目標を設定して取組を行いましたが、これまでと同等以上の取組を行うとい うことで盛り込ませていただいています。  それから給与水準につきましても平成18年度から5年間で5%以上を基本とする削 減を行うということで取組を今進めておりますが、この取組を平成23年度まで継続する というご指摘をいただいております。給与水準そのものについても、国民に合理的な説 明ができるようにということで、適宜見直し、内容の検証等を行っていくというご指摘 をいただいております。  それから最後になりますが随意契約については、先ほどご説明したことを再掲する形 で、原則として見直しをして、より公正な契約形態に移していくという、そういうご指 摘をいただいております。以上でございます。 ○井原部会長  それではただいま説明がございました高齢・障害者雇用支援機構の見直し案について、 ご質問、ご意見があればお伺いしたいと思います。 ○寺山委員  勧告の方向性というのを伺って概ね適正だなと、よく言ってくれたと思う部分もあり まして伺いました。  3ページです。高齢者の雇用政策についてはご指摘のように、5番ですけれども今大 変な変換の時期に来ているということです。一人独法法人だけの問題ではなくて、どこ まで働いていただくのかとか、全体として高齢者の健康の問題、その他寿命はどこまで どのようになるのかという、大きな政策的な問題があるので、それについては是非厚生 労働省全体としてもお考えいただいていると思いますけれども、早い時期にお示しいた だきたいということ。  それに沿ってこの独法の高齢者の、65歳までをターゲットにしてきたのを70歳、あ るいは75歳、どこまでどのようになっていくのかということの具体的な仕事が決まって いくのではないかということなので要望させていただきますということが1つです。  それから次に障害者対策についてですが、この6番の職業リハビリテーション業務に ついては、個々の職業カウンセラーを中心に一人一人のケースについて細かい職業計画 を立ててリハビリテーション計画を立てて、非常に工夫をしながら成果を上げてきたと いうことはわかるわけです。そのことを中心にした評価をしてきたわけですが、全体と して今障害者の幅が広がってきておりますというようなことで、ニーズの的確な把握と いうことは誠にそうなので、それにはどういうような障害者がどのくらい。例えば新た に脚光を浴びています発達障害者なども、どの程度その中で働けるのかといったらおか しいのですが、職業リハに乗るのか乗せるのか、技術があるのかというようなことも含 めて、1つは障害横断的、1つは障害特性を鑑みて定量的に数値を是非出して、そのも とに私どもも評価することができればいいかなというふうに思います。  それでネットワークの問題、これは質問なのですが、私どもが力を込めてお話しした わけなのですが、5ページにアンダーラインが引いてあって、福祉、教育、医療等の専 門職と連携し云々というようなことを書いたわけですが、これは勧告の方向としてはど のような対応だったのでしょうかというようなご質問です。  それと最後にまた給与の問題になりますが、この法人は非常に高いというふうな指摘 がいつもあるわけです。先ほど篠原先生のご指摘があったように、ただこの数字だけを 見て高い、高いという話もないだろうということで、特にこの法人は医療職なんかはみ んなそうですが、それぞれ専門職は給与表が決まっていって高いも低いもなくて経験と 技能によって上がっていくわけです。それに近いような職種だと思うのです。専門職は それなりにご苦労いただいているし、高度の専門性もあるのでということで、これはも う少し給与内容を細かくお示しいただいて、合理的な理由として考えることができるか どうかを判断させていただくという方向で、これも質問とそれから要望でございます。 以上です。 ○井原部会長  今の質問に対してお願いします。   ○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長  高齢者の問題が、高障機構におきましては雇用という切り口から、働くという切り口 から取組をしているわけです。もちろん全人格的に健康問題、更には、生きがいである とか多面的な取組が必要だということは間違いないと思います。厚生労働省にとどまら ず、ある意味では政府全体といいますか、国全体、国民全体で考えていく問題だと思い ますので、その1つの大きなきっかけを高障機構の活動が提供できればという観点で、 ご趣旨を踏まえて関係機関等にも、そういうご指摘があったということを伝えていきた いと思います。  それから定量的な把握ということのご指摘がございました。今回ご説明した中でも障 害者職業リハビリテーションの関係で6番の冒頭のところで、(2)としてサービス対象の 把握に努めてある程度供給目標等を立てるということを盛り込ませていただいたところ です。実際にこれを進めていく段階では、やはり障害者の方は、先ほどご指摘もありま したように、障害特性1つをとりましても、非常に多様性があるというか、例えば発達 障害の方を例に挙げても障害者手帳の有無、あるいはその持たれている障害の状況等、 非常に幅広い、多岐にわたる状況がございます。  それからまた、ご本人によっては障害の有無そのものについて、余りオープンにした くないというようなお気持の方も現におられるという実態も、まだまだございます。そ ういう中でなるべく精度の高い形で目標を立てるということを今回盛り込ませていただ きましたので、今後はそれに沿う形で取組を進めていきたいと思っております。  最後の給与の話につきましては、今回の見直しの方向でも最後の8ページにございま すが、(1)から(4)の要するに給与水準が適切かどうかということについての視点というも のを書かせていただいています。  それでまさにご指摘がありましたように、専門家が多いことでありますとか、それか ら業務の内容が指導的な業務が多いということで学歴の高い方、あるいは管理部門的な 仕事をされる職種の方、そういう方の比率が、例えば平均的な組織よりも高いというこ とでありますとか、それから勤務地が、本部は東京あるいは千葉の幕張であることに加 え、その他を含めましても在職地域が比較的都市部に偏っているというような特色もご ざいます。そういった諸々の要因を考慮して、公務員給与が1つの目安になるかと思い ますが、比較をしていくということです。  今後ここについては国民に十分理解が得られるような説明をしっかりしていくという ことで、引き続き努力をしていきたいと思っております。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  給与について申し上げますと、ラスパイレスの比較の対象になっているのがカウンセ ラーは対象となっておりませんで、事務職員ということになっているんです。ただ、今 先生がおっしゃるように、事務職員を一緒くたにしているという議論があり得るのだろ うと思います。事務職員のラスパイレスが国家公務員に比べると高いと言われています が、理由は今、企画課長が説明しましたように、ほとんどの職員が東京で働いている。 地方の業務は地方の協会にやってもらっているということがあるものですから、東京に いて高くなっているというのが1つ。  それからもう1つはほとんどが大卒だということで高くなっている。今申し上げた、 東京、それから千葉に勤務している割合、それから大卒の割合というのを調整しますと 低くなってくるのですけれども、それでもやや公務員より高いということです。この部 分はやはり給与を見直そうということで、2年位前から給与の見直しをしています。あ と3年位で、ほぼ公務員並みまでの水準になるのではないかと思っています。研究職の 方は、また色々な議論があると思うんですけれども、今のところ指摘されているのは事 務職員ということになっています。  それから障害者の数の問題は全く同感で、実は我々が色々業務をし、あるいはカウン セラーをどのくらい配置するかというあたりになった時に、身体障害者の手帳の所持者 の数ですとか、それから精神障害者の手帳の数とか、知的障害者の手帳の数とかという ことでの把握になっています。それも何年かに1回の調査になっているものですから、 最新の調査が得られないというのが1つある。  今先生がおっしゃったように発達障害者とか高次脳機能障害者とか色々な障害者につ いて、手帳が出ていない方がおられて、そういう方を含めて一体何人いるのだろうかと いうのがあります。なかなか当独法だけでも難しいですし、それから労働部局だけでも 難しくて、やはり厚生と労働部局が一緒になってきちんと調査をいただくと。15歳未満 の方と15歳以上の方と一体どれぐらいいるのか。障害種別にどうなのかということをや っていただくことが、一番重要だなと思っています。それは我々も是非やっていただけ ると、更に業務の効率化というか、効果的な運営に資するのではないかと思っています ので、我々も是非お願いしたいと思っています。 ○今村委員  同じところであります。5ページのアンダーラインのところです。勧告にはなかった 部分でありますが、このようにアンダーラインのところを加えられたということは、大 変評価させていただきたいと思います。  なお質問でございますが、ここにあります専門機関とありますのは、どの程度を含む かということについては、ここで色々と議論をした経緯もあるかと思いますが、お伺い したいと思います。つまり具体的にはこういう職リハ等で蓄積された高い知識、技能、 経験をニート等、その他の障害者支援等に役立つためには、当然非営利組織とかそうい う非政府の組織も含まれるわけですが、そういうものも含んで書かれているのかという ことがまず質問でございます。  その上でお願いでございますけれども、ここに書かれていないことなのですけれども、 人の動きというんですか、どういう人が何をするのかというのが見えないというのは、 当然この書式の中では無理なのかもしれませんけれども、政府部門、職リハ等に蓄積さ れた高度な知識、情報、技能をそういったユニバーサルサービスとして地方全般に普及 させるためには、当然のことながらそういった非政府あるいは非営利の組織との人的な 交流とか、共同でサービスを提供する。コプロダクションという言葉が最近あるのです けれども、政府と民間、非営利組織との間で地方において社会的サービスをコプロダク ションという発想があります。  そういった発想でただ指導するとかパンフレットを印刷するとかそういった形ではな く、より具体的、実践的な形で情報を、あるいは技術を共有し伝搬するような、そうい う工夫というのが、この4行の中に、更に具体的な問題として入ってくるのではないか というふうに思います。官僚、政府用語でいえばまさに幅広な努力が更に必要ではない かと思うのですが、その点について、1点目は質問、2点目は希望というか、今後のよ り本質的な問題でありますが担当部局、あるいは厚労省も含めてご検討をいただきたい 内容でございます。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  この部分はさっき企画課長が言いましたとおり、見直し当初案をご議論いただいた時 に今村先生を初め、多くの先生からご指摘をいただいたということで、ここを書き込ん だわけです。実は去年あたりから取り組み始めているんですけれども、ニートの対策に ついて若者サポートステーションというのを地域ごとに作りまして、そこに自治体の機 関ですとかハローワークですとか、それから当機構の職業センターの他にNPOとか非 営利の団体を入れたりということで取り組み始めています。  それからうつ病の従業員の方のリワークですとか、あるいは再就職支援ですが、これ は今のところ当機構としては、県によってちょっと取り組みの幅、広がりが違っていま す。医療機関とやっているところもあるし、それから今先生がご質問のように少し幅広 くやっているというところもあります。我々はこれを受けて今度中期計画を策定するこ とになりますので、その辺りも、今のご意見も踏まえさせていただいて、そういう非営 利の各種機関等とも一体にやるんだということを明確にするような工夫をしてみたいと いうふうに思っています。 ○宮本委員  加えて伺いたいのですけれども、これまでの障害者の職業リハビリテーションの場合 には、障害ということがかなり明確なので、これに対する公的な経済保障というような ものがある中で行われてきたかと思います。ちょっと私は具体的な理解が十分ではない んですけれども。障害が多様化して幅広になっていくに従って、こういうセンターを利 用する時の経済的な保障だとかあるいはサービス利用料金とかそういうようなものはど ういう形になっていくんでしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  当機構の職業センターにつきましては、障害者手帳を持っている方に限らず、いろい ろご相談に来られます。よくあるのは発達障害者支援センターからご紹介をいただいて 当方に来られる方とか、あるいは親御さんがどこかで聞きこんでくる方とか、それから ハローワークの窓口で、何回面接してもうまくいかないので、これは発達障害じゃない かといって当方に来られる方とかおられます。  我々の方では、何らかの障害がある発達障害者の方だとか、あるいは高次脳機能障害 者の方とかで、職業的自立のためのリハビリテーションサービスを行う必要があるとい うことであれば、手帳の有無にかかわらずサービスを提供している。無料で提供してい るということです。  それから財政的支援ということになりますと、これは厚生労働省の方でどういう枠組 みで法律をつくられ、どういう格好でさまざまな助成金を出すのかということがあって、 実はいろいろな助成金の大部分が、障害者に関しては雇用率未達成企業からいただいて いる納付金なのです。雇用納付金をいただいてやっているものですから、雇用納付金が 財源の中で、雇用率の達成目標、対象になっていない障害者の方についてどこまで払え るのかというあたりになると、ここはもう厚生労働省の政策判断かなということであり ます。  かなり弾力的に運用されているのではないかという印象はありますけれども、これか らはますますそういう問題が大きくなってくると思います。本当はそういう方を障害者 だというふうに認定を厚生労働省の方でされて、手帳を発給するというと非常に明確な のですけれど、ご本人が障害者だといわれるのに抵抗を感じてしまうような発達障害者 の方が増えているものですから、そういう中で全体のバランスをどうとるのかというこ とがあるのではないかと思います。 ○篠原部会長代理  8ページの随意契約の見直しなんですが、今年の夏の評価、労働部会5つ僕はすべて 質問をさせていただいたのは、随意契約の監視委員会を作ったらどうかということです。 理由はすべては競争入札にいかないなという感じがあって、やはり随契の中できちんと 見た方がいいのではないか。中央省庁だとか地方公共団体、そういう競争入札で僕も多 少情報を知っているんですが、どうしてもこういうふうにいくと形式的になっちゃって、 当然地方に行けば競争相手がいないとか。だったらどこかから連れてきてやるという、 単なる形だけになるので、僕はやはり随契なら随契できちんと見た方がいいという。  今は政策的には競争入札にということでやむを得ない部分があるんですが、次の課題 として僕はやはり形式とかきちんとした中身を見ていくという意味では、この辺を考慮 した意向というんですか、それを検討されているんでしょうか。 ○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長  随意契約の見直しについては、今回特に夏の見直し案から変更した旨を申し上げまし た。都道府県の公益法人の協力を得て行った業務に関する契約の部分については、まず 先ほどのご説明でも申しましたように、例えば委託する場合に大臣の認可にかからしめ ているような、そういう必要性があって従来随意契約をやってきたものですから、直ち に明日から、例えば一般競争入札に移りますというような、そういう性格のものではな いということは、まず1つあると思います。  その上で、そうは言いながらいずれにしても競争性のある契約形態をとっていくとい うことが全体的な大きな課題になっていますので、今後第2期の中期目標、中期計画を つくる中で、具体的な進め方について機構等の意見も聞きながら、今後の手順を考えて いきたいと思います。  当面まず実際にそういう競争性のある形態に移行した段階で、少し実績なども見なが ら、先ほど委員が示されたようなご懸念が実際に出てくるのかどうか、そういう実態も 見ながら、今後の事務処理体制、契約形態の移行の仕方を考えていきたいと思っていま す。 ○寺山委員  あと1つ教えていただきたいのですが、3ページの5の、先ほどもご質問があった箇 所です。高齢者雇用支援業務。65歳ではなく70歳に引き上げられていく時の新たな業 務が見込まれるということなんですけれども、これは具体的にはどういうことになるん でしょうか。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  70歳が今大きな政策課題になりつつあるということは、1つは今年は2007年問題と いうことで団塊の世代が60歳に到達し始めており、団塊の世代が人口が680万人位で、 今働いている人が490万人いるわけです。その人たちがぽこっと労働市場からいなくな ると大変だということで、65歳までの継続雇用というのを企業にお願いし、法律でも義 務化して進めてきました。各企業とも大変ご理解をいただいて順調にきているというこ とですけれども、このままいくと5年後にはまた2012年問題ということになってしまう んですけれども、団塊の世代が65歳を迎え始めるということで、ここでまた65歳を過 ぎると実は今の現状から言うと、働く人の割合ががたっと下がってしまうので、社会保 障がどうなるのかとか、それから企業の人材不足は大丈夫かとかいろんな問題がありま す。働く意欲の高い人が、日本の場合、65歳を超えても働きたいという割合の人が高い わけなので、働く意欲のある方には、1人でも多く働いていただこうということです。  65歳まではできるだけというか、働く人の意欲も高いものですから、できるだけ常用、 フルタイム中心に働いていただこうということで、そのための職場環境の整備ですとか あるいは処遇、賃金をどうするのか。こういう指導なり助言なり、好事例の提供なりに 今努めています。65歳を超えると個人差がかなり大きくなってくる。体力も違ってくる し健康状態も不安になってくる。意欲も人によっては生活のためだという人の割合が下 がって、社会とのつながりを働くことで維持しようとか、あるいは生きがいだという人 も増えてくるので、もっと自由度の高い働き方の分野というのが増えてくると思うんで す。正規常用やフルタイムという、割合かちっとした働き方だけでなく、嘱託的な働き 方とか、顧問みたいな働き方とか、あるいは請負みたいな働き方とか、契約的な働き方 になるのかもしれません。それから1週間のうち3日働くとか、あるいは毎日働くけれ ども1日5〜6時間だとか、働き方が色々多様化してくるかもしれないので、そういっ た時の企業の事業運営ですとか雇用管理のあり方ですとか賃金体系とか、そういったこ とが65歳までとは少し違った手法がいるのではないかというふうに思っています。  具体的にどうするかというので、今は65歳を超えて雇っていただいているところ、70 歳までの定年制なりがあるところというのは1割位あって、中小企業だと2割ちょっと あるものですから、どうやって働いてもらっているのか今調査をしています。その中で どういった事業が当機構としてできるのか、それから行政としてどういうことをやって いくのかというあたりを考えていくということなのではないかと思います。  そのあたりを踏まえて、次期中期計画中にどういった内容のサービスをやっていくの かということになるのかなと、今思っています。 ○寺山委員  ありがとうございました。もう1つだけですが、4ページの広域の職業センターと地 域の職業センターの役割分担の話が書いてあります。ここを見学して私も広域センター の難しさというのを実感しました。やはり広域センター、発達障害の方のモデル的な仕 事の開発だということで、実際には所沢近辺に住まれている方とか通勤の可能な、そう いう人たちが結構たくさんいらっしゃっているということです。そういう意味でのモデ ル的な、地域性の高い方たちのお仕事というのがあるとしますけれども、それは早く結 論を出して、地域障害者職業センターに技術移転をしてやるということの方向性なんだ ろうと思いますが。  あの時感じたのは、やはりどこの広域センターもそうなんですけれども、どうしても 地域から手を挙げていただいて、それで職業的な重度障害者を我こそはと思って積極的 に受け入れ、送ってくるというようなところがなかなか難しいのかなということです。 この辺に工夫があるのではないかということで、よきPRというか、いつも使っていた だけるということで、そういう意味での地域障害者職業センターなどとの、あるいは地 域の養護学校だとか医療機関などと積極的に受ける、そういう工夫というのを是非お願 いしたいなということで、これはお願いであります。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  所沢と吉備は、ちょっと状況が違っているところがあります。所沢の場合は、旧厚生 省の国立病院のナショナルセンターの1つの、国立障害者リハビリテーションセンター の寮に入っている方と、それから今先生がおっしゃった近隣から通っておられる方。こ ういう感じになっているんです。  吉備の場合には宿舎があるものですから、寮に入られる方を自力で勧奨してあるいは 募集して入っていただいているということです。吉備については今先生がおっしゃった とおりの努力をきちんとやっていきたいと思います。  それから所沢の方はそういう意味では、旧厚生省側の国立身体障害者リハビリテーシ ョンセンターとの協力関係というのをもっと強力にして我々もいろいろPRをして、こ の旧厚生省側のリハビリテーションセンターの寮に入ってもらうという努力をしていく ということかなと思います。今のお話も踏まえまして、厚生労働省にもよく協力を仰ぎ たいというふうに思います。 ○寺山委員  よろしくお願いします。 ○井原部会長  よろしいですか。大変広い範囲のご意見をたくさんいただいたわけでございますけれ ども、広いものはまさに国の労働行政全体にかかわるような話から、それから機構の将 来、非常に長い将来に関する方向性の問題とか、それから障害者の把握の問題、これは 私もさっきから考えていたんですが、どうやって全体的に把握が可能なのか。大変難し い問題なので、是非これもどこかで工夫をしていただけなければいけないなという感じ を受けました。  それからその他に機構に対する直接のお願いというものも出されておりますけれど も、そういうことを踏まえまして、まず今日の高齢・障害者雇用支援機構の中期目標期 間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直し案、これにつきましては了承 するということにしたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。  もう1つは今日出されました、非常に幅広のご意見、これをその要点を整理してメモ を作りまして、私が確認した上で明日、高齢・障害者雇用支援機構に対する労働部会の 意見として総会で報告したいと思います。総会において結論を出していただきたいと、 そのように考えておりますが、それでよろしゅうございますか。ではそのようにさせて いただきたいと思います。どうもありがとうございました。  それでは最後に法人理事長よりコメントをいただきたいと思います。 ○高齢・障害者雇用支援機構理事長  本日は当機構の組織・業務の全般の見直し等につきまして、非常に活発かつ参考にな るご審議、ご意見をいただきまして、大変ありがとうございました。ご了承もいただき まして、重ねてお礼を申し上げたいと思います。  当機構といたしましては、明日ご了承ということになりましたら、この前いただきま したご意見も踏まえまして、次期中期計画の策定作業に取り組ませていただきたいと思 っています。  人口減少、少子高齢化が急速に進む中で高齢者の雇用の確保安定、障害者の職業的自 立に向けまして、実効性のある事業の実施、それから経費の削減など、事務事業のより 効率的、効果的な運営を図ってまいりたいと考えておりますので、先生方には引き続き ご指導、ご支援、よろしくお願いしたいと思います。本日は大変ありがとうございまし た。 ○井原部会長  どうもありがとうございました。最後に何かございますか。はいどうぞ。 ○篠原部会長代理  見直し案と関係があるんですが、日本経済新聞の11月10日に会計検査院報告を基に して、2005年度の財務諸表で新たに繰越欠損金が発生した独法ということで表になって 6つ表示されています。この中で高齢・障害者雇用支援機構に2億4,700万円あると。 これを見た時に、財務に関する大臣の意見具申を僕が担当しているのですが、これは皆 さんに報告していないので、見逃したのかなと愕然としたのですが、よく考えるとそう ではないだろうなということです。この辺を法人側からある程度詳細を説明していただ ければと思います。 ○職業職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長  ご指摘がありました繰越欠損金につきましては、平成16年度の決算の際にこの額の損 失が生じた形に、財務諸表上計上されているものです。ですから財務諸表上、こういう 額の繰越欠損金があるということは事実でございます。  ただ一方で、今机上に配布されました日本経済新聞の記事の内容については、少なく とも高障機構に該当する部分はないと考えています。  と申しますのは、財務諸表上生じていると申し上げましたのは、ご案内のように高障 機構では会計勘定が3つございます。特別会計による高齢・障害者の勘定と、一般会計 による能力開発の勘定と、それから納付金による勘定と3つの勘定があり、それぞれが 独立して経理の明確化に努めているわけでございます。  実際に業務を行う場合には、例えば総務部等の人員は共通の職員として、共通の経費 として各勘定が関わってまいります。当然それから建物等にも共有部分がございます。 そういう共通経費について勘定ごとで予算の段階で業務量で1つの目安を立て必要経費 を予算上計上しておりました。  しかしながら16年度は独法になりまして実質初めての満年度を迎える年であったと いうこともありまして、決算時会計監査法人のご意見をお聞きしたところ、予算時の按 分の基準のとり方について、少し違うとり方をした方がいいということで、按分の仕方、 配分を少し変えました。その結果帳簿上、各勘定間で当初予定していたよりも共通経費 の負担分を必要以上に計上する必要が出たり、逆に余剰が出たりしたということがあっ たということでございまして、実質的に赤字が出ているわけではございません。  それで翌年度すぐこれを精算してもよかったんですが、監査法人の考えでは、独法は 1つの中期計画期間が会社でいえば1つの事業年度のようなものであるから、その中期 計画の期間が終わった時に帳簿上の出入りを整理した方がいいであろうということで、 欠損金が形式上残っていると、そういうことでございます。  ですから日経新聞の報道にあるような、例えば独法の成立時に何か税金で欠損金を補 てんしたとか、あるいは現実に赤字が生じて運営に支障が生じているとか、そういうこ とは一切高障機構の場合には該当するものはございません。  残念ながらこの報道は、私どもあるいは高障機構に取材のないままに掲載されたもの でございますので、そういう点では非常に残念な記事だと思いますが、そういうことで ございます。 ○篠原部会長代理  これは共通経費の配分ということで移行独法、いわゆる先行独法と、最初の独立行政 法人会計基準から移行独法のとき、に改定したとき、新たに導入されたものによって起 こったんだろうと思います。確かこれは法人全体では今のご説明では0になるんですね。 共通経費としては。  ですから会計検査院の報告もおかしいと僕は思っているんです。というのはここに経 営改善を強く求めるという、そういう類のものではないですから。形式上は確かにある 勘定で出ているんですけれども、なくなっちゃっているんです。なくなるというか、0 になるんだから。  僕もこれはほかの評価委員にすごく責任を感じたのは、当然、もしこのとおりであれ ば、説明をしなければ、僕の説明不足というか、報告になるので、こういうこともここ で報告しなければいけないかなという気がしているんです。  ただ最近の独法というのはすごく注目されていて、こと会計に関しても、かなり僕ら からすると、誤報とはいいたくないんですが、一般の読んだ人には誤解を与えるような ものが多いんです。僕もそう思うし、関わっている人と話をすると、やはりそういうも のが多いねという感じがしています。  ただ共通経費の配分というか、これは監査法人の指導というんですね。我々は実は損 益計算書の最後が経営陣の努力でプラスマイナスになるから、本来我々の評価に使わな ければいけないんですが、僕はそれを一切ここで言ったこともないのは、今いろんな形 で変なものが入っていて、こういう類のです。評価に使えないんです。だから本来の目 的、最初作った先行独法の考え方だと、うまく使えばここで評価で当然考慮すべきもの だと思うんです。ですからこの共通経費の配分は、本来行政サービス実施コスト計算書 でやるべきだと。損益計算書は公的資金の効率的な管理を示すもの。だから我々の評価 で使えるんですが、どうも民間の損益計算書と同じようについ考えがちなので、そうい うように修正しちゃったという感じがあると僕は思っているんです。  最近テレビでもこの労働部会に所属されているほかの法人で18億円の赤字というこ とが言われていたのですが、それは費用だけを言っていて、収入との差かな。だけど補 助金というか運営費交付金が入っているのだから、当然トータルでどうだったという言 い方をしないと誤解を与えると。  そういう意味で最近は出す情報は気をつけないといけないけれども、マスコミもかな り間違っているとは言わないけれども、どうとられるかということを考慮しないとやは りまずいのではないかなと。僕なんかは当然関わっているから、いろんな人にどう感じ ていますかというのを色々聞くと、やはり我々が感じているのとかなりずれているとい うか、ちょっとまずいようなという理解の仕方を多くの方がされています。  ですから今回あえてちょっと時間をとって質問をさせていただきました。 ○井原部会長  それではここで次の議題に移る前に事務局が退出いたしますので、しばらくお待ちく ださい。  それでは再開いたします。実は予定していた議題は以上なんですが、最後に何かご質 問、ご意見があればお願いしたいのですが。よろしゅうございますか。  それでは事務局から連絡事項等をお願いいたします。 ○政策評価官  それでは本日2つの法人の見直し案につきまして、朝早くからご審議いただきまして、 本当にありがとうございました。  それから政・独委の方の動きが色々とわからなかった面もございましたので議題の変 更等がありまして、これもお詫び申し上げます。  この場をお借りしてまずお願い申し上げたい事項が1点ございます。委員の皆様方に は先週政策評価官室から、「独立行政法人の組織等に関する予備的調査に係るご依頼に ついて」という文書を郵送させていただいております。  これは、先月、衆議院調査局長から厚生労働大臣宛に依頼があったものでございます。 一昨年、昨年も行われているもので、国会の委員会の審査や調査のために必要な調査を 委員会が調査局長に命じて行うものです。調査局長から厚生労働大臣に協力の依頼があ ったものでございます。  調査項目は多岐にわたっておりますけれども、その中に各府省の独立行政法人評価委 員会委員の皆様方の所属する審議会、各府省からの金銭授受というような情報の項目が ございます。これらの事項につきましては委員の皆様にお伺いしなければ、私どもでは 回答できない事項でございます。今回大変申し訳ありませんが、調査票を送らせていた だいております。  この調査は、皆様にご理解いただいてご協力いただくという趣旨のものでございます ので、もし回答を差し控えられるということであれば、その旨をご回答いただければと 思っております。  お忙しいところ大変恐縮でございますが、ご回答は2月1日までにいただければとい うことで、ご理解、ご協力をいただきたいと思っております。  それから本年度の調査項目の中に、委員の皆様の所属する組織について、各府省から の金銭の授受ということについても調査項目が含まれております。これにつきましては 別途政策評価官室から、それぞれの組織の方にも依頼させていただいておりますので、 それにつきましてもご承知おきいただければと思っております。  本当にお忙しい中申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。  今後の予定等につきまして、冒頭もご説明を申し上げましたが、もう1回ご連絡させ ていただきます。  まず先ほどもお話がありましたが、明日17時から第21回独立行政法人評価委員会の 総会を予定しております。本日ここでご審議いただきました2つの法人、明日の医療・ 福祉部会でご審議いただく予定の2つの法人、併せて4つの法人の見直し案につきまし てご審議いただきたいと思っておりますので、正委員の皆様方におかれましては、明日 も引き続きよろしくお願い申し上げます。  労働者健康福祉機構の見直し案につきましても労働部会の担当ですので、本日ご審議 予定でしたが、11日に出されました政・独委の勧告の方向性におきましては、労福機構 についての勧告の方向性は含まれておりません。この部分につきましては後ほどまた通 知されるということになっております。勧告の方向性が出された後の日程については見 えない部分がございますが、短期間に見直し案を作成して、行革推進本部に提出しなけ ればならないということも考えられるところでございます。本来ならば労働部会と総会 をもう1回開催いたしましてご審議いただくべき事項ではございますけれども、全体の 日程の中で、場合によりましてはメール、ファックスあるいは郵送でご意見をいただい て、それを踏まえて対応させていただくというようなことにもなろうかと思います。そ の辺につきましてはご理解いただければと思っております。  これも先ほど申し上げましたが、政・独委の2次意見につきましては、今年度は、今 の段階では出ておりませんので、後ほど出された段階で皆様方に郵送でお知らせしたい と思っております。  独立行政法人整理合理化計画につきましても、今後閣議決定されることになろうかと 思いますが、閣議決定後に、できるだけ早く皆様方にお知らせしたいと思っております。  最後に次回以降の部会の日程でございますが、来年の2月下旬から3月の下旬にかけ まして勤労者退職金共済機構、高齢・障害者雇用支援機構の第2期の中期目標等につい てご審議をいただきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上 げます。  事務局からは以上でございます。 ○井原部会長  それでは追加の部分に関して総会は開くのですか。 ○政策評価官  それも多分全体の日程とスケジュール次第になろうかと思いますが、総会は委員の方 が非常に多ございますので、定足数が揃う形で日程が設定できる可能性は非常に低いと 思います。その場合は部会と同じように持ち回りという形で郵送やファックス、メール でご意見をいただいて、委員長である井原先生ともご相談しながらということになろう かと思います。そこは全体の日程の関係で臨機応変に対応したいと思っております。 ○井原部会長  わかりました。ということでございまして本日の会議はこれで終了とさせていただき きたいと思います。長時間にわたりまして熱心なご審議をどうもありがとうございまし た。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)