07/12/11 第5回院内感染対策中央会議概要       第5回「院内感染対策中央会議」概要 (非公開) 1.日時   平成19年12月11日(火) 13:30〜15:30 2.場所   厚生労働省専用第18会議室(17階国会側) 3.出席者 (構成員)荒川 宜親、大久保 憲、木村 哲、            倉辻 忠俊、小林 寛伊、武澤 純            (五十音順、敬称略)       (オブザーバー)松井 珠乃       (厚生労働省)佐藤医政局指導課長、伊東医療計画推進指導官              ほか 4.議題    (1)最近のVREによる院内感染事例について (2)国として今後必要な対策について(その他の薬剤耐性菌を含    む) 5.主な内容及び意見 (1)ある県の病院で発生したVREによる院内感染事例について (事務局より概略を説明) ○当該病院の院内感染の状況は、病棟間でバラツキがあり、仮に外部  からの持ち込みとしても、院内で感染の拡大が起きた事が強く示  唆され、1年半の間に3回、院内感染が集団発生したことから考慮  すれば、「憂慮すべき事態」である。 ○外部委員を交えた調査委員会報告書に記載の10の提言の実施状  況について、確認をする必要がある。 ○この様な状態がどの要因で起こっているのか、対策が適切か、実際  に話を聞き、現場を確認する必要がある。 ○北欧では、MRSAに対し“search-and-destroy method”と呼ばれ  る取組があり、入院する患者全てに対し保菌検査を実施し、結果  が分かるまでは隔離する。リスクの高い医療機関等では、この様  な取組が必要なのではないか。しかし、日本において適用するに  は、取組に際し整理すべきいくつかの課題がある。 〔参考〕 ・直腸綿棒(rectal swab)による便のスクリーニング検査では、糞便中のVREが少  ないと、感度は50%程度という報告もあり。 ・VREはプラスミドが伝播する事で腸球菌から薬剤耐性を獲得するため、遺伝  子型が異なるからと言って、院内伝播を否定できない難しさあり。 (2)国として今後必要な対策について(その他の薬剤耐性菌を含む) ○薬剤耐性菌として、1980年代にMRSAが増加した歴史があり、  VREに関しても同じ経過を辿らないように対応する必要がある。 ○VREは発症することが少なく、保菌の状態で感染源となりうる。  だからこそ、スクリーニング検査による全体像の把握が必要。 ○地域への拡散の状況の把握及び防止に対応する必要がある。(研究  を含む) 6.まとめ ○院内感染対策中央会議では、本事例を礎とし、より高い次元の院内  感染対策の構築を目的として検討する必要がある。 ○次回の院内感染対策中央会議の検討内容は、当該病院の院内感染に  関する取組状況の把握、現場の実地調査及びそれを踏まえた研究  デザインの検討。                                以上