07/11/28 第4回「健康食品」の安全性確保に関する検討会議事録 第4回「健康食品」の安全性確保に関する検討会議事録 ○大野座長 それでは、本日出席予定の先生方皆さん来られました、また、時間にもな りましたので、第4回健康食品の安全性確保に関する検討会を開催させていただきます。  本日は委員の先生方、お忙しいところ集まっていただいて、どうもありがとうござい ました。  議事に入る前に、事務局から本日の委員の出欠について報告をお願いいたします。 ○玉川室長 委員の出欠状況でございますけれども、本日は梅垣委員、田中委員、坪野 委員、寺本委員、松永委員、松本委員より、所用により御欠席との御連絡をいただいて おります。 ○大野座長 ありがとうございます。  続きまして、本日の配付資料の説明をお願いいたします。 (配付資料確認) ○大野座長 それでは、本日の議事次第は論点整理(案)についてと、その他というこ とでございますけれども、まず、論点整理に入りたいと思います。  今までこの検討会で、関係団体から2回にわたりまして、いろいろ御意見を伺ったと ころでございます。それらの内容を事務局に整理していただきました。その内容につい て、事務局から御説明をお願いいたします。 ○玉川室長 資料1「『健康食品』の安全性確保に関する検討会 ヒアリング及び意見募 集で出された主な意見について」に基づいて御説明いたします。  今まで2回のヒアリング、意見募集の中で寄せられた意見でございますけれども、同 じような趣旨の意見については適宜整理したという形でまとめております。項目といた しましては、大きく分けまして5点でまとめております。  まず、「『健康食品』の名称や位置付けについて」ということで寄せられた意見でござ いますが、「健康食品」という呼称自体が誤解を招くのでやめるべき。  それから、健康食品という枠組み自体をやめ、医薬品の一類型として位置付けるべき。  健康食品の定義を置くべき。これには、効能効果を意図して食品中の特定成分を濃縮 しているものを健康食品と位置付けるべき、ないしは錠剤・カプセル状の食品や植物等 の濃縮物を含むものを健康食品と位置付けるべきといった意見がございました。  「健康食品の安全性確保のための具体的な方策について」でございますけれども、食 経験の有無に関する指標を設けるべきとして、例えば、平成17年1月末以前に国内に 広く流通した食品であって、健康被害発生報告のないものについては、既存の食品と同 等の安全性があるとみなすことができるとして区分して取り扱われるべきという御意見 でございますとか、原材料の安全性を個別に確保することが重要ということで、健康食 品の個別の原材料や成分、製造方法のリスト化が望ましい。有効性をうたう成分の含有 量の上限値と下限値の設定が必要といった意見もございました。  それから、品質を安定させることが重要ということで、製品標準書の作成等によって 品質が一定となるよう、適切な管理を徹底すべき。GMPを義務化すべきといった御意 見もありました。  原材料の安全性確保と品質管理は一体で行われるべきという御意見といたしましては、 安全性確保とGMPが一体となって国の制度として実施されることが望ましい、ないし は製品の安全性を認証する制度を創設し、消費者が安全な健康食品を選択できる環境を 整えることが望ましいといった御意見もございました。  また、健康食品に使用される成分の摂取量によるリスク、医薬品との相互作用等につ いて、科学的検証が更に進められるべきという御意見や、健康食品を選ぶ際に健康状態 や疾病履歴等を総合的に判断してもらえるよう、専門家の助言を受けられる体制が望ま しい、健康被害に対する被害救済制度を設けるべきという意見もございました。  行政のかかわり方につきましては、健康食品の安全性に係る第三者認証を国が直接制 度化することは規制緩和の流れに反するのではないか。健康食品の安全性確保は基本的 には事業者の責任であって、過度に行政が関与することには問題がある。こうした意見 がございました。  また、海外の制度を参考にすべきというところでは、市販後の健康被害の報告制度の 導入など、EUや米国のサプリメントに関する規制を我が国にも持ち込んではどうか。 更には、将来的に健康食品法の制定や製造・販売業者の届出制度の導入等を行ってはど うかといった御意見もございました。  その他といたしましては、健康食品製造事業者の健康食品に関する知識が十分でない、 あるいは画一的なフローチャートやチェックリストは健康食品の安全性確保の指標とし て適さないという御意見もございました。  それから、「健康食品の表示について」でございますけれども、注意喚起表示を行うべ きという御意見では、過剰摂取による問題が生じ得るものについては注意喚起を行うべ きである。錠剤・カプセル状の食品については、消費者が医薬品と誤認することがない よう、注意・警告表示を義務付けるべきである。  また、効能効果の表示につきましては、健康食品の中に医薬品的な効能効果をうたう ものがあって問題である。消費者に正しい製品の摂取方法等を伝えるため、効能効果の 表示を認めるべきである、こうした御意見がございました。  「健康食品の監視・指導について」でございますけれども、健康被害事例の収集に関 して、医療機関等においても積極的な聞き取りや被害事例の収集を行い、公的な機関が 科学的な評価行った上で、消費者に適切な情報提供を行うことが望ましい。因果関係が 不明であっても、消費者から被害を申し出られるようにすべきといった御意見が寄せら れております。  また、薬事法・健康増進法違反の健康食品について、積極的に監視指導・商品名等の 公表を行うべき。テレビ番組等の行き過ぎた健康情報のはんらんを規制してほしいとい う御意見もございました。  更に「健康食品に関する普及啓発について」でございますけれども、小中学校等にお けます食育が必要、あるいは特定成分の過剰摂取や医薬品との相互作用を避けるため、 消費者に対する正しい知識の普及啓発が必要といった御意見がございました。  前回の検討会の終わりのころにも事務局から申し上げましたけれども、今後、具体的 な論点について御検討いただくに当たりましては、これらの御意見が寄せられたという ことも踏まえて御議論いただければと考えております。  説明は以上です。 ○大野座長 ありがとうございました。よくまとめてくださったと思いますけれども、 このまとめについて何か、こういうものが足りないよとかのご指摘はございますか。こ れらの意見に対して反論もあったと思いますけれども、一応出た意見についてはまとめ てくださったかなと思っていますが。  それでは、このような御意見を踏まえて、今後この検討会で検討すべき議論のたたき 台をつくってくださるように事務局にお願いしたところです。それに基づいて論点整理 をしていただきましたので、その説明をお願いいたします。 ○玉川室長 それでは、具体的な論点整理案に入る前に、第1回の検討会でも当検討会 において検討すべき基本的な課題について事務局で考えていることを御説明いたしまし たが、これを基にしまして、これまでの3回の検討会の中でも出てきたことも踏まえま して、健康食品の安全性に関する現状の課題についてということで、重点として考えて いただきたいと事務局として思っていることを図によってまとめてみましたので、資料 2−1で御説明したいと思います。  まず、現状の認識のところで、製造段階ではさまざまな取り組みがなされているわけ ですけれども、原材料の安全性が不明確、これは食経験のない食材が増加してきている といったことによって、そうした要素があり得るということでございます。  それから、過剰摂取のおそれということから、製造工程の安全性が不明確ということ が課題でございます。  個々の製品ベースで見ますと、必ずしも安全性をチェックできる仕組みがワークして いないということではないかということで、安全性の不確かな健康食品が製造・販売さ れているというおそれが否定できない。勿論、個別の食品についてみますと、それなり の検証過程とか工程を経てつくられているものもあるわけでございますけれども、総体 として見た場合、必ずしもすべての健康食品についてこうした点がクリアになっていな いと思います。  販売段階についての課題ということで考えますと、消費者から見た場合に、健康食品 を選ぶ際に、食品の成分等々についてはともかく、安全性に関してそれを示すような目 安がないような状況でございます。それから、選択する消費者自身におきましても、健 康食品に関する十分な知識ないしは情報がなく、適切なアドバイス等を受けられると いった仕組みもございません。このため消費者が安全性の高い健康食品、それから、自 分に合った健康食品を十分選択できるような状況にないということが言えると思います。  そうした状況の中で、必ずしも高い頻度というわけではないと思いますけれども、仮 に健康被害が発生すると、どういうことになるかといったことについて申しますと、健 康被害の情報の収集処理という体制に移っていくわけでございます。その場合、医薬品 等に比べまして明確な因果関係の把握が難しく、情報収集が困難であるとか、健康食品 による健康被害自体に関しまして、知見の集積・分析が進展していないといった状況に ございます。  医療機関とか保健所を通じて現在、健康被害の報告の制度があるわけでございますけ れども、件数としてはかなり限られた案件というのが実際に報告として上がってきてい るところでございまして、類似の事例とか再発防止を判断するに当たって十分な情報が 本当に収集されているのかどうかというところでは、あくまでも可能性の問題でござい ますけれども、そうした可能性は否定できないといったことが現状の問題で挙げられる のではないかと考えております。  具体的にこうした個別の課題について、どうやったら解決につながるのだろうかと いった問題意識を基に整理をいたしましたものが資料2−2、論点整理案でございます。 したがいまして、今資料2−1で述べましたような個別の課題に即して、具体的な御議 論をいただこうという意図から取りまとめたものでございますので、必ずしもヒアリン グの段階、意見募集で出されました事項と重複していないところもございます。こうし た点、取扱いも含め、論点整理案については御意見をいただければと思います。  では、具体的に論点整理の案としてどのような事項を記載したか御説明したいと思い ます。 (資料2−2「論点整理(案)」朗読) ○大野座長 ありがとうございます。  ヒアリングで出てきた意見に基づいて、論点整理していただきましたが、それについ て御意見・御質問ございますか。 ○宗林委員 今のまとめていただいたものに対しての意見ではないんですが、この中で 一点どうしても欠けている点がございまして、皆さんの御意見をいただきたいと思って います。健康食品における身体作用のある関与成分の多少についてなんですが、例えば、 特定保健用食品の安全性の考え方が今年の春ごろに食品安全委員会でも出ましたが、そ の中で関与成分が医薬品にも使われるような場合は、その医薬品の使用量を超えないよ うに考えるのを原則とするというのがあります。健食の場合は摂取量及び摂取方法等の 表示に関して成分が医薬品として用いられるようなことがあるものについては、原則と して医薬品として用いられる量を超えないように設定することが、摂取量の表示として するようになっています。今回安全性をチェックする流れの中で製造あるいは商品がで きるまでの有害成分をどう排除し、クオリティを維持するかということのほかに、身体 作用のある関与成分について量的にどう見ていくのかという観点を是非とも入れていた だきたいと思っています。食品安全委員会の方でもそういった観点がありますし、健食 でも表示でそういう観点が取り入れられていますので、現状ではそういうものがありな がら、事業者の自助努力ということで表示で何とかしているのだろうということなんで すが、そういう観点をきちんとこの中に入れていただければと思っております。 ○大野座長 ありがとうございます。  今の宗林委員の御意見について、ほかの先生方の御意見はございますか。 ○大濱委員 私の理解で誤解しているといけないんですけれども、要するに、関与成分 は薬効用を超えてはいけないということが通知で出ていますので、一つの原則にはなっ ているかと思いますけれども、その問題と絡めて、やはり表示におけるきちんとした適 切な量の指摘がないということとの関係を考えなければいけないのかなという気がする んです。つまり、一日に適切な摂取量と安全性の中で求められる枠の中で、摂取量の位 置付けをきちんとしておくということは、かなり重要な問題だと思いますし、それは薬 用の問題との関係からも出てくるのではないかという気がしています。 ○大野座長 今の大濱先生の御意見は、宗林先生の御意見の追加ということですか。 ○大濱委員 そういう感じです、済みません。 ○大野座長 関与成分の多少について、摂取量との位置付けの上で議論すべきだととら えてよろしいでしょうか。 ○大濱委員 はい。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかにございますか。  それでは、論点整理でまとめられた以外について、更にこういうことについて議論す べきではないかということがございましたら、よろしくお願いいたします。  それでは、宗林先生と大濱先生からの御意見にあったような課題についても追加して、 これから論議を進めていくということでよろしいでしょうか。 ○玉川室長 今の宗林先生の御指摘については、基本的に表示に関して議論を深めるべ きだという理解でよろしいんでしょうか。 ○宗林委員 一概に言えないのは、例えば実効性を確保するのに、どのポイントでチェッ クするのかという問題がありまして、今も摂取量の目安というものを事業者が個々にさ れていると思いますし、それ以前に、摂取量のガイドラインが出ているわけですけれど も実行上はそれが守られていない場合もあります。また、そうなっているかどうかも消 費者は判断できないと、今、大濱先生がおっしゃったような問題があると思います。で すから、関与成分量をきちんと表示することで、事業者側もそれを医薬品の量等を超え ないことを明記することで、安全性を結果的に確保できるというやり方もあるでしょう し、また、論点整理の安全性を確保するという観点から、こういったものをそれ以下に するということを安全性の確保の中に入れていただくというやり方と二通りあると思っ ています。 ○玉川室長 論点整理の立て方自体としては、3の情報提供で表示などについても多分 御議論いただくと思いますので、そうした中で内容の適否はそのときに御議論いただく のだと思うんですが、例えば、前にさかのぼって、製造事業者の段階でどういう検証が されているかといいますと製造段階の話になりますので、もっと前の議論ということに なります。したがいまして、そういう論点について御議論いただく際に、そういう観点 も加味して、今例えば提案されているフローチャートとか、あるいはそれを確認してい く手段の中で、適切性が担保できるのかといったようなことを併せて、ひょっとしたら GMPの方かもしれませんけれども、そういうところで宗林先生が御指摘のようなこと についても念頭に置きながら御議論いただくというようなことでしょうか。独立してそ の論点でそれだけやりますと、ある意味横断的な項目にもなってしまいますので。 ○宗林委員 それで結構です。フローチャートの中でそういったものを考慮しながら やっていけるポイントがあるかどうかということと、最終的な表示のところで消費者に 伝える情報として、その量を超えない関与成分であるということを摂取目安量として担 保するという観点と両方あるかと思いますので、それを横目に置きながらということで お願いします。 ○永留委員 私も今の御意見に賛成なんですけれども、いわゆる関与成分の過剰摂取の 問題というのはいろいろ観点がございます。製品デザインの段階で誤ったデザインをし て医薬品成分を超えるということもございますし、製造段階で例えば製造工程がまずく て、事故的に過剰量を配合してしまうといったこともございますので、GMPも絡んで まいりますが、例えば、安全性確保のガイドラインの各ステップで、それなりの配慮を するという形で考えていけばいいんじゃないかと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。うまくまとめていただきましたけれども、各段階、 例えば原材料の安全確保のところとか、実効性の確保とか、表示の段階等それぞれの段 階で念頭に置いて議論するということだと思いますけれども、よろしいでしょうか。 ○大濱委員 1ついいですか。細かいことで気になっているんですけれども、資料2− 1で説明いただいたときの製造段階の2番目の「製造工程の安全性が不明確」の後に「(過 剰摂取のおそれ)」と書いてあるんですけれども、言うまでもないことですが、過剰摂取 は安全性にかかわる全体の問題として起こってくる一つの原因となっていますので、こ こだけに限定した表現をしてしまうと、ちょっと誤解を生ずるのではないかという気が しますので、恐らくこれは製造工程上で出てくる不純物の問題とか、あるいは有毒物質 の含有量が濃縮されるとか、そういう問題との結びつきでここに括弧で過剰摂取を入れ てあるのだろうと思うんですけれども、ここに限定しない方が実はいいのではないかと いう気がしますので、小さなことですけれども、少し気になっていましたので。 ○玉川室長 先生御指摘のとおり、過剰摂取のおそれというのは専らこれに起因して起 こるものということではございません。ただ、製造工程の安全性が不明確なことによっ て過剰摂取が起こるおそれもあるということで、代表的なものとしてここで取り上げさ せていただいたものでありまして、この紙自体は先ほどの資料2−2をまとめるに当 たって、そもそもどのような考え方に立って資料2−2をまとめたかということを説明 するためのものでございますので、過剰摂取に限定して今後議論していただくというこ とを考えているものではございません。 ○大野座長 ありがとうございます。そういうことでよろしいでしょうか。  ほかに論点整理の案について、御意見ございますか。  それでは、繰り返しになりますけれども、今いただいた御意見を追加して、これから 論議を進めたいと思います。  本日の予定ですけれども、1の「(1)原材料の安全性の確保について」が議論の中心 になるかと思います。それについてこれから御議論いただきたいんですけれども、原材 料の安全性確保について厚生労働省から錠剤・カプセル状と食品の原材料の安全性に関 する御意見をいろいろと出されているわけですが、これを踏まえてどのように対応して いくか、業界側で検討していただいたところです。その結果、財団法人日本健康・栄養 食品協会において、今般いわゆる健康食品の安全性評価のガイドラインが取りまとめら れたということです。今日配っていただいたのは、それではないかと思うんですけれど も、その内容について林委員から御説明いただきたいと思います。 ○林委員 資料としては、財団法人日健栄協からのガイドライン策定への取り組みとい う資料と、もう一つは、委員の先生だけかもしれませんが、安全性評価ガイドライン(案) と2つございます。主としてガイドライン策定への取り組みの資料を中心に御説明しま す。  まず最初に、本年3月に田中平三先生の厚生労働省の特別研究事業の結論として、健 康食品の安全性審査は、事業団体による自主的な安全審査によるということが書かれて、 厚生労働省が安全性ガイドラインを作成するとされているわけです。したがって、安全 性確保の最初のステップとして安全性ガイドラインをつくらなければいけないというこ とで、日健栄協は、関連団体の何人かの方の御意見をいただいて、一応ガイドライン案 をつくりました。  最初のガイドライン策定への取り組みというところを見ていただきますと、最初にガ イドラインを作成する基本方針というのがスライド2になっています。今までの厚生労 働省の自主点検ガイドラインは、原材料の安全性評価を中心に書いてあります。原材料 の安全性の確認が一番大事ですけれども、消費者は実際に摂取する製品の安全性を求め ておられるということで、私たちのガイドライン作成では、原材料の安全性を判断する ためのガイドラインと、製品の安全性を判断するガイドラインと2つに分けてつくって あります。  次にスライド3、ガイドライン作成の基本方針ということですが、やはりゼロから出 発するということはいろいろ問題があります。厚生労働省は自主点検ガイドラインだけ ではなくて、健康食品についていろいろな取り組みをされていましたが、これらの取り 組みをこのガイドラインの中に反映させるということも重要です。そこで、自主点検ガ イドラインを基盤として、それを補足して充実させるという方式をとったということで す。これが基本方針の2つ目。  もう一つは、日本とは制度が違いますけれども、例えば、アメリカのダイエタリー・ サプリメントとかEUのフード・サプリメントというような、考え方をガイドラインの 中に反映させようというのがもう一つの基本方針。  次にスライド4、健康食品は多種多様ですが、健康食品を扱う事業者の方々も非常に 多様です。したがって、事業者によって安全性評価の重点の置き所が異なります。そこ で、まず大事なことは、安全性評価の全体の流れを理解し、その上でそれぞれの事業者 の方々が、御自分の事業の場合には安全性のどこのステップに重点を置くべきかを考え る、そういうようなことが考えられるようなガイドラインにしたいということです。だ から、技術詳細よりも、安全性評価の全体の流れを重視してつくってあります。細かい 技術的なことは後で必要があればどんどん追加すればいいということです。  スライド5、健康食品を消費者の方々が、やはりこれならば安全と認めると言ってく ださるためには、3つの条件を満足する必要があります。1つは、科学的な根拠に基づ いて安全性認証がされているということ。2番目は、安全性も考慮に入れて一定の規格 基準が設定されること。3番目が、一定規格の製品が安定的に供給されているというこ と、これはGMPということになります。今回の問題は安全性認証をどうするかという ことだけです。  スライド6で、次の基本方針としては、やはり安全性を評価するためには、いろいろ な科学的な方法が必要です。医薬品でも安全性を評価する場合に使われていた方法は毒 性学です。traditional toxicology。医薬品とか農薬というような、割合少量でもかな り生態に影響のあるようなものを評価する場合には極めて有効ですが、食品というのは 通常、摂取量が多く、特にマクロ栄養素の場合には、通常の毒性学ではかなり難しい面 がありますので、ほかの方法も考えなければいけないということです。  1つは、食経験情報を用いる方法。これは今まで私たちがおそばとかお米とか食べる 場合、これは通常危害の発生がなくて長く摂取されていたという経験的知見です。これ は食経験情報と日本では言っていますし、EU、アメリカではヒストリー・オブ・セー フ・ユーズという言葉を使っていますけれども、これがあるから実際日本は食品衛生法 に書かれていますように、食品というのは販売・使用は原則自由ということになってい るわけです。ですから、逆に言いますと、食経験情報というのは健康食品の安全性評価 の重要な要素だと。  食経験情報で安全性を判断する場合には2つの問題があります。1つは、今、問題と なっている食品とか食品成分について、これまでどう使われていたかということ、これ が食経験情報です。これを基にして、これからそのものを使おうとするときの使用条件 での安全性の担保が十分であるかどうかということを判断する。十分でないとしたら適 切な追加試験を実施する。これは毒性学的な方法での追加試験を実施して、安全性を担 保するということになるわけです。  もう一つの方法としては、同等性比較による方法。新しく開発した食品を今までそれ に類似した既存食品と同等であるかどうか比較して安全性を評価する方式です。これは EUでのノーベル・フード、遺伝子改変食品の判断のときに非常によく使われる方法で す。既存食品との同等性が十分にあると判断できる場合には、安全性ありとする。同等 性が不十分な場合には、この方法では評価ができないとするか、あるいは適切な追加試 験をして安全性を確認するという方法です。これは特に食品の安全性評価というよりも、 原材料の安全性評価に有効と私自身は考えております。  スライド9を見ていただきます。私たちが関連団体の方たちと一緒につくったガイド ラインは、決して単一なものではなく、原材料と最終製品の2つを対象とし、それぞれ について今までの自主点検ガイドラインを基盤としたガイドライン、それから、もう一 つは、同等性比較による安全性評価ガイドラインと、4つの方法を考えました。  ヒアリングのときに、やはり健康食品の画一的なフローチャートやチェックリストは 余り適さないのではないかということでしたが、複数の方法を示して、それぞれの生産 者の方あるいは事業者の方々が、どれを用いるのが一番いいかということを判断される のが適切と思います。  評価するときに必要な情報というのは、一応ここにリストアップしてありますし、こ れが今までの厚生労働省による自主点検ガイドラインとどういう関係にあるかというこ とも記載してあります。その次に、国際的なハーモナイゼーションの立場から、EUで のノーベル・フードとかアメリカのFDAのダイエタリー・サプリメントの評価の方法 との関連も表に書いております。  この中で、今まで厚生労働省の自主点検ガイドラインでは、8、9、10のリストの中 の一番上の評価対象品目の原材料の部分だけを主として扱っていますが、原材料の安全 性が確保されていれば、製品の安全性の確保が非常に容易なんですね。ですから、そう いう意味で今まで厚生労働省が原材料の安全性確保に集中してきたということは、決し て間違いではないんです。ただ、消費者の方々の立場からすると、最終製品の問題も考 える必要があります。  もう一つは、国際性を考えますと、同等性比較による原材料の安全性評価ということ も考えなければいけないということで、今回のガイドラインでは4種類の方法を考えた ということです。   論点整理案の中の1の「(1)原材料の安全性の確保について」ですが、これは原材 料の中に天然に微量に含まれている毒性物質が濃縮された場合の過剰摂取に関する問題 です。これは非常に重要な御指摘だと思います。フローチャートにしたがって文献の調 査を十分に実施すれば問題点はクリアできるように組まれています。文献調査を正確に 行って、そのデータを正確に解析することが一番大事だと思います。  アマメシバの問題、イチョウ葉エキスによる問題、それから、コンフリーによる問題 も、もしも文献等の調査が十分に行い、その解析が十分に行われていたならば問題になっ ていなかったはずなのです。その意味で、厚労省が前につくられた自主点検フローチャー トは、妥当といえます。現時点で必要な事は、安全性に関する文献調査を正しく行う方 法、考え方をもっと事業者の間で徹底することといえます。  ステップ5を見ますと、ここで有害性を示す報告があるかないかというアルゴリズム で進みまして、もしだめだったら、このフローチャートでは点検困難となります。もし よかったらステップ6に進む。ステップ6で更に今度は成分についての検討です。ここ でも文献調査が重要です。何か含まれていると考えられる場合には、実際に原材料の成 分分析も行う必要があります。特に、その材料を使いたい場合には、原材料の成分分析 を行って、いいか悪いかを確かめて、最終的にこれで十分だとすれば、安全性はある程 度担保されたということになりますし、もし、そうでないという場合には次のステップ 7ということで、実際に追加試験をするということになるわけです。  追加試験について大事なことは、ガイドライン案の最後の方に付表1に追加試験を必 要とする状況がまとめられています。安全性試験というのはどういう状況のときに追加 しなければいけないかということを理解することが大事です。これまで、そういう基本 的なことが余り議論されていなかったものですから、私たちはこの検討会で関連団体の 方と相談しまして、安全性試験の追加を考えなければいけない状況と、そのときの試験 項目という表をつくったわけです。安全性試験の追加を必要とする状況というのは5つ 挙げています。  例えば、原材料について現時点ではこれだけの目安量を使いたいが、食経験だけでは これだけの量を使う時の安全性が担保できない場合には、追加試験が必要です。  原材料は基原材料からつくるわけですが、そのときの製造工程あるいは最終製品への 加工・調理過程がこれまでのものとは異なり、従来と質的に違いがある化学的成分の生 成あるいは物理化学的性状の変化が予想される場合にも追加試験が重要です。アマメシ バはこれに相当するわけです。  基原材料での含有が知られている有害成分によるヒトへの健康被害が初めから懸念さ れているという場合どうすればいいか。これが例えばコンフリーに相当するわけです。  全く新規の原材料もしくは食品と判断される場合は、全く新規のものとすれば判断材 料は追加試験しかないので、このような例では系統的な検索が必要です。追加試験を必 要とする状況というものも、幾つかの段階があるんだということを御理解いただきたい と思います。  時間が迫ってまいりましたので論点整理のところに戻っていただきます。論点整理案 の1の「(1)原材料の安全性の確保について」で気づいたことを申しますと、まず、最 初の部分ですが、現行のフローチャートについて改善すべき点はないか、についてです が、特に大きな改善すべき点はないと思いますが、文献調査の方法とかその解析の必要 性を示す必要があります。  もう一つ、原材料の安全性確保の取り組みを推進するためにはどうするのかというこ とです。これはいろいろあると思いますけれども、やはり原材料だけに絞るというより も、最終製品まで広げなければいけない。もう一つは、原材料の安全性確保の場合に大 事なことは、やはりアメリカのFDA、EUのノーベル・フードということでよく使わ れております同等性比較による安全性評価という枠組みを、もう少し日本でも十分に考 えなければいけないんだということです。  それから、ここにあります法的義務を課すかどうか、私は専門ではありませんが、サ プリメント、食品添加物や医薬品ではそのようなことができるのでしょうが、健康食品 については法的な定義付けを明確にすることが前提になります。  それから、外国において製造された健康食品への対応ということですけれども、貿易 の国際調整と国際的ハーモナイゼーションということを考えれば、一番大事な問題にな りますし、この場合に考えなければいけないことは、原材料の安全性評価について、もっ と同等性比較ということを考える必要があるだろうということです。  それから、次の消費者への安全性を伝えるにはどうすべきかというと、やはり安全で あるということを認証する表示を考えなければいけないということですね。これを国が やるのか、第三者認証なのか、あるいは自社認証とかいろいろありますけれども、国で は食についての安全性認証はそぐわないのではないかと思います。現時点では消費者の ことを考えますと、企業の自己申告だとするとなかなか受け入れられない。やはり第三 者認証ということになりますけれども、第三者認証の場合は国による第三者認証組織の 認定が必要なのかなと考えております。  以上です。 ○大野座長 どうもありがとうございました。  非常によくまとめていただいたわけですけれども、これを基に原材料の安全性確保に ついていろいろ議論を進めていきたいと思います。いかがでしょうか。  では、皮切りに、後の製造工程管理に関する問題とも絡んでいるんですけれども、原 材料といっても自然につくられたものを材料にしているわけですね。そうなると、産地 とか季節により、かなり有効成分とか毒性物質というものの含量が違ってきますよね。 そういうものはどの辺でチェックするんでしょうか。 ○林委員 それは非常に難しい問題があると思いますが、多くの場合には、ある特定の 複数の成分についてのチェック項目をつくり、それらが一定レベルにあるか否かを分析 すれば、一応の評価はできる。これは自然のものを使う医薬品でも同じことが言えるわ けで、その場合でもやはりある特定の項目についての分析結果から考えていると思いま す。健康食品の場合も同じだと思います。 ○大野座長 原材料に天然に微量に含まれる毒性物質なり関与成分を明確にしておけば、 フォローアップもできるわけですね。 ○林委員 その通りです。例えば、イチョウ葉エキスの場合でも、ギンコール酸の含量 が重要なチェック項目になります。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。 ○金谷委員 今のに関連してですが、原材料に例えばアレルギー物質が含まれる場合、 食品衛生法の中ではそれを含む旨を表示しなければならない品目、それから、推奨され る品目というのが示されておりますが、アレルギー物質に関しては、例えば、この中に 天然に微量に含まれる毒性物質というところに含んで考えればよろしいのでしょうか。 そういうものが含まれていても、なかなか表示されていないというようなことがあるか と思いますので、その辺を明確にアレルギー物質に関して。 ○林委員 通常のガイドラインというのは、一般的なポピュレーションの人を対象とし てつくられているものです。アレルギーという場合には、多くの場合には特定のポピュ レーションの対象になっているものですね。ですから、逆に言いますと、特殊なポピュ レーションを対象とする安全性の問題というのはまた別に取り上げる必要があります。 食品添加物の場合でもアレルギーについては通常のADIとは別に表示を非常に重要視 しています。ですから、健康食品の場合でも、アレルギーの頻度が多いとすれば事業者 は使わないと思いますが、アレルギーがごく特殊なポピュレーションの人に起こるよう な例では、表示を中心にそのような方々を対象とした安全性評価を別に考えるべきだと 思います。 ○永留委員 付け加えてなんですけれども、今は原材料のお話でしたが、ガイドライン の最後のステップ8のところに最終製品についての部分がございます。そこで下から3 番目に「食品関連法規を遵守すること」とございまして、実際に今、法的に定められて いるアレルギー物質、アレルギー素材についての混入は、ここでカバーできると考えて おります。ガイドラインの方の7−5でございます。ステップ8でフローが出ておりま すけれども、食品関連法規を遵守すること、その辺りに製造工程の記述もございます。 ですから、製造工程でそういったアレルギー物質の混入などは勿論あってはならないと いうことで規定しております。 ○鬼武委員 私もアレルギーの問題は法律上、最終的には食品に書くということですか ら、特殊なポピュレーションだけでなくて、それも含めてヒトですから、そういう意味 での最終食品の安全が確保されないといけないというのが前提に食品衛生法ではなって いると理解しています。  もう一方で、アレルギーで、たしか1品目海外でアナフィラキシーショックがあった 既存添加物があったと思います。その場合はハスクといいますか、外皮が起こすという 増粘多糖類であって、そういうものを事業者が実質的に取り除いたことによって、アナ フィラキシーショックがなかったと聞いていますので、原材料でアレルギーの関与なり、 アナフィラキシーショックが起こるような部位については極力情報を集めて、そういう 原材料があれば使わない、もしくは外すということが大切だと思います。 ○宗林委員 原材料の安全性評価のところで林先生がおっしゃっていたように、文献調 査の実施をどうやって徹底するか、どのくらいまでというところは、必要だとはわかっ ていても実際にいろいろな事業者がございますので、事業者側でできるのかな、あるい はできるようにどこまできちんとするかということを定めることが大変重要だと思いま す。  例えば、今お話に出ましたイチョウ葉なども、一番最初にギンコール酸などをやりま したときには、意外にデータがありませんで、ただ、ドイツの医薬品のデータを見たと きにアレルギー物質であるということがはっきり明記されて、除外されるということが 出てまいりましたけれども、国内に粉状態で葉っぱがそのまま出ていた健食があった状 態のときには、その情報をいろいろ探しましても、事業者との間で論争になるぐらいデー タがなかったんですね。ですから、第三者的にここを評価するときも文献が意外にない ケースが多いですし、また、事業者側がこれを入手して徹底するという言葉で表現され ましたけれども、それをどういう形でするのかという担保が大変重要だと思います。 ○大野座長 情報が少ないということと、調査する人の能力の問題ということですかね。 その辺はどう考えておられるのでしょうか。 ○林委員 安全性の文献調査というのは、健康食品の問題だけではなく、医薬品でも最 初はそこから出発するのです。医薬品や食品添加物ではこのような調査でデータと考え 方がまとまってきましたが、健康食品は今スタートラインに立ったといえます。宗林先 生がおっしゃったように、文献調査の徹底はかなり困難かもしれません。しかし、文献 調査が十分に整っていなかったら、このフローチャートは動かないんですね。その点で、 こういう文献調査の方向にも事業者はかなり力を注いでいただきたいと私は思っていま す。  幸いなことに、安全性に関する今さまざまなモノグラフがたくさん出版されています。 また、現実に本当に新しい原材料というものはそんなに多くないんですよね。何らかの 類縁物質が必ずあります。ですから、これから開発しようとするものについての安全性 の考え方とか知見というものは、今まで開発されたものの知見の中からかなり得られる ものが多いのです。  それから、先ほど申しましたように、例えば、EUとかアメリカでやっているような 同等性比較ということが非常に重視されていますけれども、安全性の文献調査はやはり 一種の同等性比較なんです。だから、文献調査に慣れるということも一つですけれども、 同等性評価に慣れるということが私は大事だと思っております。 ○宗林委員 済みません、先ほどの私の意見というのは非常に低レベルのことを言おう としていまして、ここにいろいろと書いていただいてますけれども、有害性のデータが 最低限これとこれとこれにないことを確認すること等、最低限の範囲をある程度明確に していただくと、かなりすっきりするかなと思いましてお尋ねしました。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○大濱委員 私も林先生がおっしゃっているとおりで、文献調査の問題というのは文献 をどう調査するかという調査の能力にすべてかかわってくると思うんですけれども、実 際に企業の立場にとってこれをしろと言われたときに、途方に暮れることも結構多いと 思うんです。今、宗林先生が最低限これをということを示した方がいいとおっしゃいま したけれども、まさにそのとおりだと思います。例えば、少し目的が違いますけれども、 アメリカでFDAが申請された機能性の評価に対して、文献データの資料を全部整えて 出すようにということを要求しているわけですが、それに対して実際に資料が提供され たときに、FDAが全く独立して文献調査をやり直して、調査結果の適正化を図るとい うことをやっているぐらい、文献調査というのはかなり難しい問題を含んでいると思う んです。当然、文献調査の能力によって調査されるレベルが変わってきますので、どこ かで最低限の基準をそろえるという意味での何らかのガイドラインのようなものをつく ることが必要ではないかという気がするんですけれども。 ○林委員 大濱先生の御意見、宗林先生の御意見に賛成です。大事なことは、最低限の ものというのは対象とする原材料の種類によって変わってくるわけです。例えば、こう いう原材料の場合にはこういう問題、こういう原材料についてはこの線を最低限にしろ ということですね。これは、今まで開発されたデータをレビューすれば、ある程度でき ると思います。最低限というのは簡単なように思われますが、最大公約数を出すという ことで一番難しいことなのです。やはり健康食品あるいは原材料別に、十分な調査をし て、その中から最低ラインを推定することが大切です。そのためのガイドラインのよう なものをつくるということは私も大事だと思います。 ○飯島委員 今、先生のお話を聞いていて、まさにこの部分がしっかりできればいいな と思うんですよね。例えば、我々薬局として販売する側として見れば、製造者側がちゃ んとした責任を持って、ちゃんと実行されれば非常にうれしいなと思う部分があるわけ で、その辺の実効性というものはちゃんと担保できるんだろうかというのが一つ。  もう一つ、食というものは毎日とらなければいけないものですよね。ちょっとでも危 険なものというのは、安全性が確保されるまではものにしてはいけないんじゃないかと 私個人的には思うんです。毎日食べるものは蓄積があるわけです。それを例えばデータ でちょっと枝葉のものがついたから、何となく大丈夫だなというのはちょっと早計なの かなと思っていますけれども。 ○林委員 同等性比較による安全性評価というのは、新しく開発した食品が、これまで 安全であると使われていた食品と同等とみなしていいかどうかという評価です。例えば、 ある国からおそばを輸入したとして、そのおそばは信州のおそばと遺伝的だとか、中に 含まれている成分などの面で同等であるとみなしていいかと。同等とみなしてよければ、 その国からのおそばは日本で昔から使われていたものと同じように安全であるというこ とになります。  だから、同等性評価というのは、今まで食べたものと同等と扱っていいかという判断 のことなのですね。ですから、決して今先生がおっしゃったように、中途半端なところ で妥協するための方法ではありません。 ○飯島委員 まさにモラルの問題だと思うんです。その辺はしっかりと担保はできるん でしょうか。 ○林委員 それは私よりも、永留先生いかがですか。 ○永留委員 この部分は、健康と食品懇話会で自主基準のガイドラインをつくりました ときに、単なる自主基準ではどうしても点検者の恣意的な判断になると考えました。や やもすれば問題情報を無視とは言いませんけれども、過小評価するおそれがあるという ことで、やはり点検結果、この場合は文献調査の結果ですけれども、それをある程度第 三者に開示するようなシステムが必要ではないかということになりました。この開示方 法の具体的な方向性について、はっきりと説明できませんけれども、何かしら第三者に 開示して、判断の妥当性・透明性を確保するといったシステムの枠組みが必要ではない かと思っております。 ○大野座長 あと、業界での自主的な取り組みということですね。モラルに反した場合 には除名するとか、そういうことが必要ですね。  それから、ちょっとお聞きしたいんですけれども、先ほどの繰り返しになってしまう んですが、文献調査をしたり、安全性評価などの判断をするときに、いろいろな業者が おりますので、そういうことを判断するのに適切な人がいない業者も当然あるわけです。 そういうときに、その部分を助けてくれるようなコンサルタントは、現在、世の中にお られるんでしょうか。 ○林委員 余りそういう職種はないと思いますけれども、そういう業者の方々は大学の 先生方とか、公の機関のいろいろな先生方に御相談されているということは聞いており ます。そういう職種を将来考える必要はあります。 ○大野座長 ほかに御意見ございますか。 ○神田委員 今の関連ですけれども、どんな文献調査をしてよしとしているのかという のは、消費者からはなかなか見えないということですし、まして分析能力によってばら つきがあるということになりますと、不安を感じるというのがあります。ただ、今お話 を伺う中で、難しさがある中で、何とかその辺をきちんとしていこうというお話はあっ たと思いますけれども、やはり判断の客観性みたいなものが伝わってこないと、信頼を するしかないということになりますと、どうしても今の世の中は信頼が崩れているので 難しいかなと思ったりいたします。本当に信頼の高い調査ができるということが見える ようにしていかないといけないのではないかと思いました。  それから、先ほどの付表1で御説明がありました1つに、基原材料での含有が知られ ている有害成分が含まれていることがわかっているものについては、必要な試験項目が あるというお話がありましたけれども、素人からしますと、有害成分とわかっているの であれば、それはもう除外するというのがわかりやすいと思ったのですが。 ○林委員 まさにその通りです。有害成分が含まれていて、それでも開発したい場合に は何をしたら良いかを判断するためのフローチャートともいえます。例えば有害成分が 含まれていましても、製造加工の過程で取り除くことができる場合もあるわけです。そ れから、全く不活性化することができる場合もあるわけです。ですから、そういうこと も含めて、もしも有害成分が含まれていても更にそれでも開発を続けたいというのだっ たら、そういうことをがっちりと調べてほしいということです。それは、付表にもあり ますけれども、ステップ5、6にもよく書かれていると思います。これは厚労省の自主 点検ガイドラインに既に載っていたわけです。  先生がおっしゃったとおり、有害物質が含まれている場合には除外することが多いの ですが更に、製造過程で取り除くことができないと判断されれば、当然除外ということ になります。 ○大野座長 私は、そこのところを別の考え方でとらえていたんですけれども、例えば、 ヒ素とか微量金属がどこにも含まれていますよね。そういうことも考慮に入れているの かなと思ったんですが、そういうことは余り念頭には置いていないんですか。 ○林委員 それは食品衛生法の基本的な問題でありまして、健康食品に特有の問題では ないですね。 ○大野座長 わかりました。  ほかにいかがでしょうか。 ○鬼武委員 ガイドラインをきちんと読んでいないので質問させていただきたいんです けれども、既存添加物のときに、たしか食用部位でない部分も、いわゆるそういうもの を抽出して、それが既存添加物になったものもあって、我々もそういうものをどう考え るのかというのがあったわけですけれども、このフローチャートでいくと、いわゆる食 用に今までしていなかったような部位というのは、安全性の調査なりが必要というもの なのか、それとも、そういうものはそもそもだめだということになるんでしょうか。 ○林委員 これは調査が必要だということになるわけです。ただ、その必要だというも のの一番手っ取り早い方法は、例えば、今まで根は食べていた、茎は食べていなかった とした場合に、茎からのものが根からのものと実績に同等であるかどうかという検査が 大事だと。そうでなければ、また別の方法があるということです。やはり必要だという ことです。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかにございませんか。 ○玉川室長 先ほど、飯島委員や神田委員から御指摘があった実効性の確保についてど うするかということですが、一応、論点整理案の方では1の「(3)実効性の確保につい て」で、原材料と製造工程管理を含めて、実は共通するようなこともあろうかと思いま して、順番としてはここで両方の基本的な考え方を見ていただいた後、システムとして の話もあるかと思ってこちらの方で掲げております。それについては、改めていろいろ と資料などもお出しして、こういう考え方とかやり方があるのではないかということも 整理したいとは思います。けれども、やはり(1)の話と密接に結びつくところもありま すので、本日御意見も出たところでもありますから、逆にこういうことが必要であると いうことを御指示いただければ、併せてそういうことも踏まえてGMPなども終わった 後に改めて説明したいと考えております。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかに御意見ございませんか。 ○宗林委員 基本的な御質問になりますけれども、いわゆる健康食品と言っている範囲 が、林先生の方で保健機能食品を含む販売もの全部を指しているというお話が書いてあ りますが、形状としてカプセル・錠剤だけという範囲で見ればよろしいでしょうか。あ るいは、食品の形をしているものも含む、また、保健機能食品も含んでこれをやるとい うことでしょうか。 ○林委員 保健機能食品も含むというのは、健康食品についての厚生労働省研究班の定 義で、その中から保健機能食品を除いたものをいわゆる健康食品としています。いわゆ る健康食品の中にはカプセル・錠剤のものもありますし、形態からいって普通の食品に 似ていると考えられるものなど全部含めているということですね。 ○宗林委員 そうしますと、例えば、今日の論点整理案の最初の「健康食品」という言 葉が、「いわゆる健康食品」とか一部除いた形の言葉遣いに限定していただいた方がわか りやすいかと思います。今のお話ですと、カプセル・錠剤に限定しないということです よね。 ○林委員 そうですね。 ○玉川室長 事務局の考え方でございますけれども、こうしたフローチャート自体がす べからく健康食品等について応用できるものだとは思っております。ただ、現在、厚生 労働省の方から出しているガイドラインでも、まず取り組まなければならないところと しては、錠剤・カプセル状等の濃縮されたものについては、今まで問題になった事例な どから考えても、そこについては少なくともこうした取り組みが進められなければなら ない分野であると。そうしたものが応用できるということであれば、健康食品全体につ いてもこうしたものは使えるのだと思いますけれども、カバーすべきところとしては濃 縮のところだと思っています。  それから、保健機能食品との関係でございますが、特定保健用食品については個別の 審査を経ているので、第1回の検討会でもありましたように、それは別途検証の手段が 行われているということだと思うんですが、保健機能食品でも自己認証でやっておりま す栄養機能食品で濃縮形態のようなものについては、まさにこうしたことによって、そ の安全性がちゃんと確かめられた上で製造されるということが進むと考えております。 ○林委員 私も、今の厚労省のお考えには賛成です。いわゆる健康食品にはいろいろな ものが含まれているけれども、特に現在解決しなければいけない安全性の問題は錠剤・ カプセルということが大事なので、そこでこれに集中して私たちも考えているというこ とですね。けれども、先ほど言いましたように、最終製品の安全性評価についても考え ておりますけれども、とにかく一番重視すべきものは錠剤、カプセル状の食品というこ とです。 ○宗林委員 わかりました。いわゆる頭の整理をするのに「健康食品」というところが いろいろな言葉で出ていたので、いわゆる健康食品の錠剤・カプセルのものを前提に考 えればいいということを確認させていただきたかったんです。 ○林委員 ですから、ガイドライン案にも「いわゆる」と書いてあります。 ○大濱委員 今ところでちょっと念押しで申し訳ないんですけれども、ガイドライン案 の2ページ、8−2に定義を書いていらっしゃるんですが、いわゆる健康食品の定義で 「健康食品のうち、国の個別の安全性審査を経て許可される特定保健用食品を除いたも の」と書いていらっしゃるんですが、ここはあえて意図的に栄養機能食品も含めて考え るということなんでしょうか。 ○林委員 これは私たちのところでも議論になったのですけれども、やはり特定保健用 食品は個別審査があるから除くが、もう一つの栄養機能食品については、理論的には除 いても、除かなくても良いのですが、国での定義をそのまま引用して除かないことにし ています。先ほど言いましたように、自主点検ガイドラインなど、国の今までの方式を、 なるべく定義とか用語についてはそのまま受け入れたいということで、このようにして あるわけです。 ○大濱委員 平成17年2月に出た通知の中に、さっきカギ括弧つきというお話があり ましたけれども、定義がありまして、そのときの定義はカギ括弧つきの健康食品のうち 保健機能食品を除くとなっていまして、栄養機能食品と特定保健用食品両方除くという ことになっていますね。ただ、実際に栄養機能食品というのは錠剤・カプセル形状のも のがかなり多いと思いますので、そういう意味では、そこのところは一つの盲点になっ ている可能性がありますので、あえて私は栄養機能食品もいわゆる健康食品の範囲の中 に含めて、ここでは安全性の取扱いをしようとお考えなのかなと思ったんですが。 ○林委員 そうですね。結局、安全性評価の場合にはそれも含めた方がいいのではない かという意見もありましたが、国の定義を踏襲したわけです。 ○大濱委員 通知の定義とそこのところがちょっと違っている場合には、そこを少し はっきりさせていつも議論していかないと混乱しますので。 ○玉川室長 行政用語的に言うと「いわゆる健康食品等」の「等」の中身として、いわ ゆる健康食品に加えて栄養機能食品ということになるのかもしれませんけれども、意味 するところは多分皆さん同じことを考えておられるのだろうと思います。 ○飯島委員 くどいようなんですけれども、論点整理の1の「(3)実効性の確保につい て」というところですが、いわゆる健康食品というものの位置付けの中で、タブレット・ カプセルという濃縮されたものが何となく出てくるのかなと、不安な部分が非常にある わけですよね。検証、もう一つは実効性を業界としてどのように考えているか。例えば、 我々販売者側も消費者側もその辺がなかなか見えないんですね。みんな同じように見え てしまうので、その辺はしっかり安全性を担保していただかないと、せっかくいいもの をつくっても、悪いもののためにいいものまで消えてしまう場合もあるわけですよね。 ですから、その辺はしっかりと目に見えるようにしていただきたいと思います。 ○林委員 消費者の方々に、これは安全であると確信していただくには、安全性の認証、 規格設定と規格設定に従った製品が、GMPに基づく品質管理・製造管理の下に製造さ れて提供されることが必要です。その3つが必要なんですね。ですから、この3つを確 保するということと、その3つがなされているということがきちんと表示してあれば、 問題は解決するのではないかと思います。今回は安全性認証のみを問題にしていますが、 やはりこの3点について表示されていれば、いいものを選択する、悪いものは排除する ということにつながると思っております。 ○大野座長 実効性の確保は非常に重要なことですけれども、後で議論するようになっ ていますので、そのときにまたお願いいたします。  そのほか「原材料の安全性の確保について」というところでございませんか。 ○林委員 1つだけよろしいですか。別の機会に議論されると思いますが、健康被害情 報の収集と解析の知見を事業者にフィードバックするということが非常に大事だと思う んです。健康食品の分野でも安全性担保の基本的な考え方として、あるいは方策として 是非進めていただきたいなと思っております。そうしないと、せっかくの健康被害情報 の収集・解析という重要な情報がその後の研究・開発にあるいは安全性確保の方策に活 用されないまま消えてしまうということになります。 ○大野座長 業者に直接そういう情報が行く場合が多いと思うんですが、それを国に上 げるなり、また逆に戻すのも必要だということですね。  今のことに関して、玉川さんから何かございますか。 ○玉川室長 具体的にどういう取り組みが可能なのか、改めて被害情報のときにお話し することとしたいと思いますけれども、今でも本当に重篤な事例についてリスク措置が 具体的にとられたものについて、あるいは情報提供ということで注意喚起をしているよ うなものについては、ホームページ等で公表しているところです。多分先生のおっしゃ るのは、その前段階のようなものについても、もっといろいろなものがあるだろうから、 そうした情報を生かせないかということだろうと思いますが、一方では、得た情報を分 析した上でないとなかなかまとめることもできないようなところもありまして、そこで どういうことが可能なのか、また検討した上で行政としての考え方をそのときに説明し たいと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○大濱委員 少し別のことですけれども、よろしいでしょうか。今の林先生の御説明で、 最終製品の安全性評価、ステップ8のところで組み込むことによって、原材料と最終製 品の両方をここで考えていくということで御説明いただいたんですけれども、多分この 中で重要になるのは、最終製品と原材料の間を結ぶ工程は、一つはGMPだと思います が、もう一つはさっき先生もおっしゃっていました品質の問題だと思うんです。品質と いう概念をきちんと打ち出していかないと、せっかく安全性についてのさまざまな評価 を行ったものを、行った原料を個々に担保していけなくなる問題が出てきますし、GM Pを行う上でも品質というものを前提にしてGMPが行われますので、そういう意味で は、品質というところでどういうふうに結びつけていくかという議論が一度は必要では ないかと考えているんです。例えば、製造工程上の処理の含有成分の変化とか、製造後 の保存中の変化に伴う危害発現の可能性について文献調査をするとお書きになっていま して、こういうことは大変重要だと思うんですが、文献調査で出てこない場合がかなり 多いんじゃないかと逆に思いますので、その辺は品質管理上の一つのルールとして、品 質上に影響を与えるか与えないかという確認をしていくということが当然入ってくると 思うんです。そういうことを考えていくと、品質概念をどこかで盛り込まなければいけ ないのかなという気がしているんですけれども。 ○大野座長 それは1と2の両方に絡んだところということですね。  ほかにいかがでしょうか。 ○林委員 私たちの協会によるJHFAの規格というのが、品質規格の一例ですが、それ だけでは安全性が必ずしも十分に担保されないとお考えの方がかなり多い。ですから、 これに安全性認証とGMPを加える事が必要です。GMPについてはFDAもやろうと しておりますし、日本でも既にガイドラインがある程度できております。やはりこの3 つが伴わなければ安全性確保には不十分です。 ○大濱委員 私も全くそのとおりだと思っていまして、やはり議論をする上で、個別の 問題を議論しているときの個別の議論の問題の深さと、全体で見なければ議論できない 場合をきちんと分けないと、危険に陥る可能性があると思いますし、先生がおっしゃる とおり、最終的には3つの視点をきちんと確保できるようなものに仕上げていくという ことが重要だと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  今回は、原材料の安全性確保ということですけれども、また、次回に製造工程以降の ことについて議論を深めていただくわけです。その「(1)原材料の安全性の確保につい て」ということで御意見ございましょうか。 ○玉川室長 資料の関係で、ささいなことではあるんですけれども一点だけ。本日追加 で配られました「『いわゆる健康食品』の安全性評価ガイドライン(案)」の1ページの 下から2つ目のパラグラフで、当検討会について平成19年7月に当検討会を設立しと いう前で、「厚生労働科学研究事業として」とありますが、当検討会は、食品安全部長の 私的懇談会ということでありますので、この検討会の位置付けのところなので、内容に ついては日健栄協の方でまとめられたものでありますけれども、事実だけ訂正をしてお きたいと思います。 ○大野座長 では、修正をお願いいたします。 ○林委員 「厚生労働科学特別研究事業として」という、フレーズを除くということで すね。 ○大野座長 まだちょっと時間がございますけれども、先も含めてよろしいですか。そ れでは、原材料の安全性確保ということについていろいろ議論をしていただいて、また、 それ以降の製造工程の問題とか実効性も絡めたお話もいろいろしていただきましたけれ ども、それ以降の製造工程とか実効性の確保について、更に追加する御意見があったら お願いいたします。製造工程にかかわることは、次回また参考人に来ていただいて、い ろいろ御説明していただいた上で議論するというように計画しておりますけれども、今 意見がございましたらお願いいたします。特にございませんか。  それでは、大分予定より早いですけれども、今回、健康食品の安全性確保を図るため の具体的な方策についての論点整理も含め、1つ目の原材料の安全性確保についての御 議論はこのぐらいにしたいと思います。  先ほど申しましたように、次回は製造工程管理による安全性の確保以降について御議 論いただきたいと思っています。 ○鬼武委員 済みません、最初の論点整理で意見を出せばよかったんでしょうけれども、 流れとしては安全性確保が重要ですから、この3点で次回以降も進めるということにつ いては異論ございません。ただ、ヒアリングの資料1で、私が最初から思っているのは、 これは難しいんですよね。いわゆる健康食品の定義が、日本だけでこういうふうになっ ているので、何となくいつも定義は何だと頭の中で切り替えながらやれないんですよ。 例えば、錠剤みたいになっていると、やはり私はフード・サプリメントだと思うんです。 新しく出てきた新規食品はノーベル・フードだと思うんですけれども、ここで全部「健 康食品」「健康食品」と、すべての食品かという話になるので、一度、言葉についても、 参考人の意見のところでもこういうものはやめるべきだという意見もありますし、今回 のこの検討会の範疇を超えているかもしれないんですけれども、その辺の整理がこのま まつかないままになると、結局、消費者のところに健康食品として売られればどういう ものも含めてということで、正しい情報が伝わらないと思うんですよね。ですから、こ ういうところも補足で一度定義なり海外ではどう言われているかとか、その辺を時間が あれば是非議論していただければと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○大野座長 このところは除いた部分がありますので、それについての御説明を玉川さ んからお願いできますか。 ○玉川室長 論点整理のところで議論になると思っておりました。多分、定義にはいろ いろな立て方があって、今までヒアリングをしていく中でもどういうものを健康食品と して捉えるのかというのをお尋ねの中で、濃縮とか何とかという形態で見るのか、ある いは機能みたいなことを考えているのかということがあって、そこは必ずしも意見の一 致を見ていないと思っております。  さまざまな議論が求められる中で、そこのところで議論がとまってしまいますと個別 の各論になかなか入っていけないものですから、対策として具体的にどういうことが必 要なのかといった各論から入って、それにはどのような範囲で考えるのか。先ほど原材 料の安全性の確保なりが必要とされるところはどこの範囲を考えているのか、フロー チャートの対象はということで、事務局の方としては濃縮されるような錠剤・カプセル 状のもの、それは栄養機能食品としてつくられる場合であっても、そうした検証の過程 を経ていることが望ましいということで御説明をいたしました。  そうしたところから、それぞれの個別の範囲ということが定まっていけば、わかりや すいかどうかという話は勿論あるんですけれども、具体的には安全なものとしての対策 というのは個別にとられるのだろうなと思っております。  それに対して、それが結果的にまとまってそういう範囲を総称するような名前がつけ られるのであれば、それは構わないのかもしれませんけれども、一方で、この議論とい うのは安全性の方から見た角度からではなくて、関与するような成分の働きというとこ ろにも着目して議論されるようなこともありますので、初めからその議論をするのがい いのかどうかということは悩んだこともありまして、整理(案)から落としました。た だ、用語の定義、使い方、諸外国においてどうなっているか、そうしたものについては 改めて整理して、資料としてお出しすることとしたいと思います。それについて、ここ で具体的に何かコンセンサスが得られるかどうかというのは別として、諸外国の状況と いったものについては整理をしてお出ししたいと思います。 ○大野座長 最初に定義すると議論が長くなるからということですね。ただ、議論して いる最中に、大体こういう方向というのは出てくると思うんですね。その段階で、また 形がまとまっていくのではないかと思いますので。 ○玉川室長 今申し上げましたのは1の話でございまして、そこでは濃縮ということが あるわけですけれども、他方、例えば2の健康被害情報の収集とか何とかということで 言いますと、必ずしも濃縮のものだけが被害情報として保健所から上がってくるといっ たことでもありませんので、そこについては対策の立て方によって、実はその範囲とい うものが大きくなったり、小さくなったりということはあり得るとは思っております。 そうしたことも含めて、定義についてどう取り扱うかということが、結果的にこの会と しての考え方があればいいのだろうなと思っております。 ○鬼武委員 是非、時間があればその点も議論させていただければと思います。多分ま とまらないということもあるだろうし、私も最初からそのことをどこで言うのかという と議論の妨げになるので、いつも躊躇しながら言っているんですけれども、やはり1回 ぐらい議論しておかないと、これだけいろいろな先生に集まっていただいていますので、 やはり有効なものだと思いますので、是非お願いいたします。 ○大野座長 わかりました。いかがですか、それについてまとまって時間をとってお話 ししたらと思いますけれども。 ○玉川室長 はい。 ○大野座長 では、そういうことにしたいと思います。  それでは、次回の日程ですが、後で先生方の御都合を伺って調整したいと思っていま す。それに基づいて事務局から日程を連絡したいと思います。  それでは、今日はこれで閉会としたいと思います。どうもありがとうございました。 - 23 -